JP2018110551A - 家禽用飼料 - Google Patents

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Daisuke Minohara
大介 簑原
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一博 黒須
宏 新倉
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宏 新倉
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Kana Sato
加奈 佐藤
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Sakiko Nakada
咲子 中田
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Abstract

【課題】 家禽の砂嚢の発達に適した、飼料効率に優れる飼料を提供する。【解決手段】 木質由来のリグノセルロースを原料とし、数平均繊維長が0.5mm以上4.0mm以下である水不溶性繊維質、好ましくはセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの含有率が90%以上であり、かつセルロースの含有率が45%以上である水不溶性繊維質(例えば、クラフトパルプ、機械パルプ)を家禽用飼料に添加する。【選択図】 なし

Description

本発明は、木質由来のリグノセルロースを原料とし、かつセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンを主成分とする水不溶性繊維質からなる家禽用飼料に関するものであり、また前述の家禽用飼料の給与方法に関するものである
近年、世界の人口は増加の一途をたどっており、FAO(国際連合食料農業機関)が2009年に発表したレポートによると、2050年には世界の人口が91.6億人に達し、およそ4億人に食料が供給されない事態を警告している。そのため、食料の不足分を補うために、トウモロコシや大豆などの穀物について、より多くの量が必要となることが想定される。
一方で、開発途上国の中には、人口の増加とともに、目覚ましい経済発展を遂げる国が出てきている。このような国においては、肉類の消費が大きく増える傾向があるが、その肉類の消費増加に対応するために、多量の飼料が必要となる。そして、当該飼料にもトウモロコシや大豆などの穀物が熱量源などのために多量に用いられている。
そのため、近い将来に、食料と飼料との間における穀物についての競合が生じることが懸念されており、このような将来の食糧問題に貢献するために、飼料用に用いていた穀物を節約し、食料分に転換することができる技術が求められている。
また、近年、バイオ燃料等の利用増加により、トウモロコシ等の値段が高騰している。そのため、飼料製造のためのコスト削減の観点からも、家畜での飼料の利用効率を向上することが望ましい。
一方、家禽において、栄養素を希釈する働きしかないと考えられてきた水不溶性食物繊維(非デンプン性多糖類、リグニンなど)が消化管機能を改善し、栄養素の消化を助けることが近年、報告されてきた。水不溶性食物繊維が砂嚢内に蓄積することによって、砂嚢が十分に発達し、飼料のすりつぶし能力が向上し、それが小腸へ入る粗い粒子の量を減少させ、栄養素の利用率の向上に寄与すると考えられている(非特許文献1)。
セルロースを主体とする資材としてメチルセルロースやセルロース粉末を用いた事例がある(非特許文献2、非特許文献3)。
ナバックレター 養鶏版Vol.38 鶏飼料へのメチルセルロース添加が消化率に及ぼす影響.香川大学農学部学術報告 第28巻 第60号 33〜36,1977. 鶏におけるエネルギーおよび蛋白質の利用性に対する食物繊維の影響.Jpn.Poult.Sci,20(1),1992.
本発明が解決しようとする課題は、家禽において砂嚢の発達に適した水不溶性食物繊維を見出すことである。
本発明の発明者らは、上記課題について鋭意検討したところ、家禽に給与する水不溶性繊維質として、木質由来のリグノセルロースを原料とし、かつ数平均繊維長を0.5mm以上4.0mm以下である水不溶性繊維質を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を含む。
(1) 木質由来のリグノセルロースを原料とする水不溶性繊維質を含有する家禽用飼料であって、前記水不溶性繊維質が、数平均繊維長が0.5mm以上4.0mm以下であることを特徴とする家禽用飼料。
(2) 前記水不溶性繊維が、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの含有率が90%以上であり、かつセルロースの含有率が45%以上であることを特徴とする(1)記載の家禽用飼料。
(3) 前記家禽が肉用鶏または産卵鶏であることを特徴とする(1)〜(2)のいずれかに記載の家禽用飼料。
(4) 前記水不溶性繊維質がクラフトパルプであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の家禽用飼料。
(5) 前記水不溶性繊維質が機械パルプであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の家禽用飼料。
本発明によれば、従来のセルロース資材と比較し、効率よく砂嚢を発達させ、飼料効率を改善することができる。
本発明の家禽用飼料は木質由来のリグノセルロースを原料とする水不溶性繊維質を含むものである。水不溶性繊維質とは、中性付近の水に不溶である繊維質のことであり、セルロース、ヘミセルロース、リグニンを主成分とする木質由来の繊維である。水不溶性繊維質としては、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの含有率が90%以上であり、かつセルロースの含有率が45%以上であることが好ましい。
本発明の水不溶性繊維質としては、木質由来のリグノセルロースを原料として公知の種々のパルプ化法によって製造されたパルプを使用することができる。例えば、機械パルプ、化学パルプのいずれもが適用可能である。機械パルプとしては、砕木パルプ(GP)、リファイナーグラウンドウッドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等が挙げられる。化学パルプとしては、クラフトパルプ(KP)、溶解クラフトパルプ(DKP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解サルファイトパルプ(DSP)等が挙げられる。また、漂白パルプ、未漂白パルプのいずれも使用できる。
本発明の家禽用飼料において、パルプは1種類のものから成るものでもよく、複数のパルプを混合したものでもよい。例えば、原料や製造方法の異なる化学パルプ(広葉樹クラフトパルプ、針葉樹クラフトパルプ、溶解広葉樹クラフトパルプ、溶解針葉樹クラフトパルプ)、あるいは機械パルプ(砕木パルプ、リファイナーグラウンドウッドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ)、を2種以上混合して使用してもよい。
原料の木材としては、例えば、広葉樹、針葉樹、雑木、タケ、ケナフ、バガス、パーム油搾油後の空房が使用できる。具体的には、広葉樹としては、ブナ、シナ、シラカバ、ポプラ、ユーカリ、アカシア、ナラ、イタヤカエデ、センノキ、ニレ、キリ、ホオノキ、ヤナギ、セン、ウバメガシ、コナラ、クヌギ、トチノキ、ケヤキ、ミズメ、ミズキ、アオダモ等が例示される。針葉樹としては、スギ、エゾマツ、カラマツ、クロマツ、トドマツ、ヒメコマツ、イチイ、ネズコ、ハリモミ、イラモミ、イヌマキ、モミ、サワラ、トガサワラ、アスナロ、ヒバ、ツガ、コメツガ、ヒノキ、イチイ、イヌガヤ、トウヒ、イエローシーダー(ベイヒバ)、ロウソンヒノキ(ベイヒ)、ダグラスファー(ベイマツ)、シトカスプルース(ベイトウヒ)、ラジアータマツ、イースタンスプルース、イースタンホワイトパイン、ウェスタンラーチ、ウェスタンファー、ウェスタンヘムロック、タマラック等が例示される。
本発明の水不溶性繊維質は数平均繊維長が0.5mm以上4.0mm以下であることが必要であり、好ましくは0.6mm以上3.5mm以下である。セルロース粉末のように数平均繊維長が0.5mm未満であると砂嚢内で十分に滞留せず、4.0mmを超えると砂嚢内に過度に滞留してしまい、他の飼料資材の摂取を阻害してしまう。
クラフトパルプ
本発明の水不溶性繊維質として、木材由来のクラフトパルプを使用することができる。また、本発明においてクラフトパルプのカッパー価は5以上100未満とすることができ、5以上45以下であることが好ましい。また、酸素脱リグニン処理したクラフトパルプを使用してもよい。
木材チップからクラフトパルプを製造する場合、木材パルプは、蒸解液と共に蒸解釜へ投入され、クラフト蒸解に供する。また、MCC、EMCC、ITC、Lo−solidなどの修正クラフト法の蒸解に供しても良い。また、1ベッセル液相型、1ベッセル気相/液相型、2ベッセル液相/気相型、2ベッセル液相型などの蒸解型式なども特に限定はない。すなわち、本願のアルカリ性水溶液を含浸し、これを保持する工程は、従来の蒸解液の浸透処理を目的とした装置や部位とは別個に設置してもよい。好ましくは、蒸解を終えた未晒パルプは蒸解液を抽出後、ディフュージョンウォッシャーなどの洗浄装置で洗浄する。
クラフト蒸解工程は、前加水分解処理した木材チップをクラフト蒸解液とともに耐圧性容器に入れて行うことができるが、容器の形状や大きさは特に制限されない。木材チップと薬液の液比は、例えば、1.0〜5.0L/kgとすることができ、1.5〜4.5L/kgが好ましく、2.0〜4.0L/kgがさらに好ましい。
また、本発明においては、絶乾チップ当たり0.01〜1.5質量%のキノン化合物を含むアルカリ性蒸解液を蒸解釜に添加してもよい。キノン化合物の添加量が0.01質量%未満であると添加量が少なすぎて蒸解後のパルプのカッパー価が低減されず、カッパー価とパルプ収率の関係が改善されない。さらに、粕の低減、粘度の低下の抑制も不十分である。また、キノン化合物の添加量が1.5質量%を超えてもさらなる蒸解後のパルプのカッパー価の低減、及びカッパー価とパルプ収率の関係の改善は認められない。
使用されるキノン化合物はいわゆる公知の蒸解助剤としてのキノン化合物、ヒドロキノン化合物又はこれらの前駆体であり、これらから選ばれた少なくとも1種の化合物を使用することができる。これらの化合物としては、例えば、アントラキノン、ジヒドロアントラキノン(例えば、1,4−ジヒドロアントラキノン)、テトラヒドロアントラキノン(例えば、1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノン、1,2,3,4−テトラヒドロアントラキノン)、メチルアントラキノン(例えば、1−メチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン)、メチルジヒドロアントラキノン(例えば、2−メチル−1,4−ジヒドロアントラキノン)、メチルテトラヒドロアントラキノン(例えば、1−メチル−1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノン、2−メチル−1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノン)等のキノン化合物であり、アントラヒドロキノン(一般に、9,10−ジヒドロキシアントラセン)、メチルアントラヒドロキノン(例えば、2−メチルアントラヒドロキノン)、ジヒドロアントラヒドロアントラキノン(例えば、1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセン)又はそのアルカリ金属塩等(例えば、アントラヒドロキノンのジナトリウム塩、1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩)等のヒドロキノン化合物であり、アントロン、アントラノール、メチルアントロン、メチルアントラノール等の前駆体が挙げられる。これら前駆体は蒸解条件下ではキノン化合物又はヒドロキノン化合物に変換する可能性を有している。
蒸解液は、木材チップが針葉樹の場合、対絶乾木材チップ重量当たりの活性アルカリ添加率(AA)を16〜22質量%とすることが好ましい。活性アルカリ添加率を16質量%未満であるとリグニンやヘミルロースの除去が不十分となり、22質量%を超えると収率の低下や品質の低下が起こる。ここで活性アルカリ添加率とは、NaOHとNaSの合計の添加率をNaOの添加率として換算したもので、NaOHには0.775を、NaSには0.795を乗じることでNaOの添加率に換算できる。また、硫化度は20〜35%の範囲が好ましい。硫化度20%未満の領域においては、脱リグニン性の低下、パルプ粘度の低下、粕率の増加を招く。
クラフト蒸解は、120〜180℃の温度範囲で行うことが好ましく、140〜160℃がより好ましい。温度が低すぎると脱リグニン(カッパー価の低下)が不十分である一方、温度が高すぎるとセルロースの重合度(粘度)が低下する。また、本発明における蒸解時間とは、蒸解温度が最高温度に達してから温度が下降し始めるまでの時間であるが、蒸解時間は、60分以上600分以下が好ましく、120分以上360分以下がさらに好ましい。蒸解時間が60分未満ではパルプ化が進行せず、600分を超えるとパルプ生産効率が悪化するために好ましくない。
また、本発明におけるクラフト蒸解は、Hファクター(Hf)を指標として、処理温度及び処理時間を設定することができる。Hファクターとは、蒸解過程で反応系に与えられた熱の総量を表す目安であり、下記の式によって表わされる。Hファクターは、チップと水が混ざった時点から蒸解終了時点まで時間積分することで算出する。Hファクターとしては、300〜2000が好ましい。
Hf=∫exp(43.20−16113/T)dt
[式中、Tはある時点の絶対温度を表す]
本発明においては、蒸解後得られた未漂白(未晒)パルプは、必要に応じて、種々の処理に供することができる。例えば、クラフト蒸解後に得られた未漂白パルプに対して、漂白処理を行うことができる。
クラフト蒸解で得られたパルプについて、酸素脱リグニン処理を行うことができる。本発明に使用される酸素脱リグニンは、公知の中濃度法あるいは高濃度法がそのまま適用できる。中濃度法の場合はパルプ濃度が8〜15質量%、高濃度法の場合は20〜35質量%で行われることが好ましい。酸素脱リグニンにおけるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用することができ、酸素ガスとしては、深冷分離法からの酸素、PSA(Pressure Swing Adsorption)からの酸素、VSA(Vacuum Swing Adsorption)からの酸素等が使用できる。
酸素脱リグニン処理の反応条件は、特に限定はないが、酸素圧は3〜9kg/cm、より好ましくは4〜7kg/cm、アルカリ添加率は0.5〜4質量%、温度は80〜140℃、処理時間は20〜180分、この他の条件は公知のものが適用できる。なお、本発明において、酸素脱リグニン処理は、複数回行ってもよい。
さらなるカッパー価の低下、白色度の向上させる場合、酸素脱リグニン処理が施されたパルプは、例えば、次いで洗浄工程へ送られ、洗浄後、多段漂白工程へ送られ、多段漂白処理を行うことができる。本発明の多段漂白処理は、特に限定されるものではないが、酸(A)、二酸化塩素(D)、アルカリ(E)、酸素(O)、過酸化水素(P)、オゾン(Z)、過酸等の公知の漂白剤と漂白助剤を組み合わせるのが好適である。例えば、多段漂白処理の初段は二酸化塩素漂白段(D)やオゾン漂白段(Z)を用い、二段目にはアルカリ抽出段(E)や過酸化水素段(P)、三段目以降には、二酸化塩素や過酸化水素を用いた漂白シーケンスが好適に用いられる。三段目以降の段数も特に限定されるわけではないが、エネルギー効率、生産性等を考慮すると、合計で三段あるいは四段で終了するのが好適である。また、多段漂白処理中にエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)等によるキレート剤処理段を挿入してもよい。
本発明の家禽用飼料は、パルプ分が100質量%から成るものでもよいが、栄養や嗜好性を高めるために他の飼料成分を配合してもよい。その際、全試料の固形分に対するパルプの含有量が1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、9質量%以上であることがさらに好ましい。他の飼料成分としては、粗飼料(例えば牧草)、濃厚飼料(例えばトウモロコシ、麦などの穀類、大豆などの豆類)、ふすま、米糠、おから、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルなどや添加剤(保存料、着色料、香料等)、等が挙げられる。これらの他の飼料成分は圧縮成型を行う際に、パルプに混合させてもよい。
本発明の家禽用飼料は飼料ペレットとしてもよい。公知の方法によって水不溶性繊維質を含む原料をペレット化することによって製造することができる。本発明に係る飼料ペレットは、形状やサイズは特に制限されないが、例えば、ペレットの直径を2〜20mmとすることができ、3〜10mmとすることが好ましい。ペレットの長さは、例えば、1〜200mmとすることが好ましく、5〜80mmがより好ましく、10〜60mmがさらに好ましく、15〜45mmとしてもよい。
ペレット化は、圧縮成型によって行うことができ、公知の装置を使用することができる。圧縮成型を行うための装置は特に限定されないが、例えば、ブリケッター(北川鉄工所製)、リングダイ式ペレタイザー(CPM製)、フラットダイ式ペレタイザー(ダルトン製)を好適な例として挙げることができる。
対象となる家畜の種類
本実施形態の飼料材料を含む飼料は、家禽の飼料として用いることができる。
家禽としては、鶏、ウズラ、七面鳥、アヒル、ガチョウなどの鳥類(家禽)が挙げられる。また、コンパニオンアニマルとしての鳥類向けの飼料としても利用できる。
ここで、本実施形態の飼料材料を含む飼料は、家禽の飼育のために用いられるのが好ましく、より好ましくは鶏飼育用とすることが挙げられ、さらにより好ましくはブロイラーや地鶏等の肉用鶏飼育用、長期飼育となる採卵用鶏飼育用とすることが挙げられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実験1:飼料ペレットの製造
(サンプル1)
スギ材から製造したチップ(厚さ3mm程度)を篩い分け試験機にて分画し、半径(Φ)が25.4mm〜9.5mmのスギ材チップを得た。
スギ材チップ(絶乾300g相当)を耐圧釜に入れ、活性アルカリ添加率18.5%、硫化度25%、Hファクター1500、液比3.2の条件にてクラフト蒸解を行ってカッパー価28.6、ISO白色度27.8%の未晒クラフトパルプを得た。(サンプル2)
スギ材チップとユーカリ材チップを5:5の重量比で混合してから、活性アルカリ添加率17.0%、Hファクター1200、液比3.0の条件にてクラフト蒸解を行ってカッパー価21.9、ISO白色度32.0%の未晒クラフトパルプを得た。(サンプル3)
スギ材チップとユーカリ材チップを3:7の重量比で混合してから、活性アルカリ添加率16.5%、Hファクター1000、液比2.8の条件にてクラフト蒸解を行ってカッパー価22.6、ISO白色度30.8%の未晒クラフトパルプを得た。
(サンプル4)
ユーカリ材から製造したチップ(厚さ3mm程度)を篩い分け試験機にて分画し、半径(Φ)が25.4mm〜9.5mmのユーカリ材チップを得た。
ユーカリ材チップ(絶乾300g)、活性アルカリ添加率を14.0%、Hファクターを830、液比2.5の条件にてクラフト蒸解を行ってカッパー価16.9、ISO白色度37.5%の未晒クラフトパルプを得た。
(サンプル5)
スギ材から製造したチップ(厚さ3mm程度)を篩い分け試験機にて分画し、半径(Φ)が25.4mm〜9.5mmのスギ材チップを得た。密閉容器内で、上述のチップに亜硫酸ナトリウムを乾物チップあたり0.5%添加し、120℃で15分間、加熱した。加熱後、一次リファイニングは、熊谷理機工業社製の加圧リファイナーを用いた。二次リファインニングは熊谷理機社製の常圧リファイナーを用いた。どちらもシングルディスクリファイナーであり、プレート径は30cmである。2次リファイングでパルプのカナダ標準濾水度をCSF100mlに調整し、サーモメカニカルパルプを得た。
<パルプの分析>
サンプル1〜4のクラフトパルプについて、JIS P 8221に基づいてカッパー価、ISO 16065−2に基づいて数平均繊維長を測定した。サンプル5のサーモメカニカルパルプについて、JIS P 8121に基づいてカナダ標準濾水度(CSF)を測定した。
[実施例1]
実験1の飼料材料との混合には、粉末状(マッシュ状)のJASの規格に則った後期飼育標準飼料(以下、標準飼料)を用いた。標準飼料は、トウモロコシ58%、大豆粕20%、グレインソルガム10%、その他植物油、魚粉、ミネラル、ビタミン等を含む配合飼料である(粗蛋白質(CP):18.6%、代謝エネルギー(ME):3.21Mcal/kg)。
また、実施例のペレット飼料は以下のようにして調製した。
まず、標準飼料10g(乾物)に対し、サンプル1を1g(乾物)添加し、混合した。続いて、得られた混合物についてダルトン社製フラットダイ式ペレットミル(型式:F−5/11−175)などのペレット成形機で処理を行うことにより、大きさがφ4mm×長さ10mmであるペレット飼料として調製した。
[実施例2]
標準飼料10g(乾物)に対し、サンプル2を1g(乾物)添加した以外は、実施例1と同様にしてペレット飼料を調整した。
[実施例3]
標準飼料10g(乾物)に対し、サンプル3を1g(乾物)添加した以外は、実施例1と同様にしてペレット飼料を調整した。
[実施例4]
標準飼料10g(乾物)に対し、サンプル4を1g(乾物)添加した以外は、実施例1と同様にしてペレット飼料を調整した。
[実施例5]
標準飼料10g(乾物)に対し、サンプル5を1g(乾物)添加した以外は、実施例1と同様にしてペレット飼料を調整した。
[比較例1]
標準飼料10g(乾物)に対し、サンプル1からサンプル4を添加しない、標準飼料のみからなるペレット飼料を調整した。
[比較例2]
標準飼料10g(乾物)に対し、粉末セルロース(日本製紙製、型式:W−400G)を1g(乾物)添加した以外は、実施例1と同様にしてペレット飼料を調整した。
実験2:家禽への給餌試験
チャンキー種、各10羽を孵化後7週齢まで、実施例、比較例にて製造したペレット飼料を給餌して飼育して、飼料要求率を計測した。なお、飼料要求率は式(1)にて求めた。飼料摂取量は日々の給餌量および給餌前の残飼量から測定し、増体重は孵化直後の体重および7週齢での体重から求めた。
飼料要求率=孵化後から7週齢までの飼料摂取量(kg)/孵化後から7週齢までの増体重(kg) 式(1)
試験結果を表1に示す。
Figure 2018110551
表1に示されるように、実施例1〜5のペレット飼料を給餌した家禽の飼料要求率は比較例に比べて低く、飼料効率に優れていることが明白である。数平均繊維長0.5mm以上4.0mm以下の水不溶性繊維質を給与することで、砂嚢が発達し、飼料効率が向上したと考えられた。

Claims (5)

  1. 木質由来のリグノセルロースを原料とする水不溶性繊維質を含有する家禽用飼料であって、前記水不溶性繊維質が、数平均繊維長が0.5mm以上4.0mm以下であることを特徴とする家禽用飼料。
  2. 前記水不溶性繊維が、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンの含有率が90%以上であり、かつセルロースの含有率が45%以上であることを特徴とする請求項1記載の家禽用飼料。
  3. 前記家禽が肉用鶏または産卵鶏であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の家禽用飼料。
  4. 前記水不溶性繊維質がクラフトパルプであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の家禽用飼料。
  5. 前記水不溶性繊維質が機械パルプであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の家禽用飼料。
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