JP2018107282A - 配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板本体の側面における厚み方向に沿って形成した凹形導体の腐蝕やバリによる不具合を防ぎ、且つ該凹形導体の接続端子としての接合面積を十分に確保できる配線基板を提供する。【解決手段】セラミック(絶縁材)からなり、対向する表面3および裏面4と、かかる表面3と裏面4との周辺に位置する側面5とを有する基板本体2aと、該基板本体2aの側面5に開口し、且つ上記表面3から裏面4に向かう厚み方向に沿った凹溝11と、少なくとも該凹溝11の内壁面に沿って形成された凹形導体13とを備え、上記凹溝11の内壁面は、平面視において、基板本体2aの側面5に沿って対向する一対の凸部12を有していると共に、上記凹形導体13は、上記凹溝11における上記一対の凸部12よりも平面視で奥側の内壁面と、上記一対の凸部12における平面視で奥側の内壁面とに連続して形成されている、配線基板1a。【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミックなどの絶縁材からなる基板本体の表面などに電子部品を搭載するための配線基板に関する。
例えば、金属からなる板形状の基体と、セラミックからなり該基体の表面上に形成され且つ内側に半導体素子を収納する枠体と、該枠体の外面の上端から下端にかけて形成され且つ平面視が円弧形状である複数の複数の溝(凹溝)と、該溝ごとの内面に沿って形成された側面導体層とを備え、平面視において、上記溝における内面の端の接線と上記枠体の外面とのなす角度を95〜170度(鈍角)とし、且つ該溝の底部における前記枠体の厚さを0.15mm以上とした半導体素子収納用パッケージが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記枠体を多数個取りにて形成する場合、セラミック製の枠体素材に空けた貫通孔の内面に沿って形成され、且つ表面にメッキ皮膜が被覆された円筒形状の導体層を2分割に切断して一対の側面導体層とした際に、メッキ皮膜が被覆されていない導体の切断端面が露出し、腐蝕を招くおそれがあった。また、側面導体層の一部がバリとして突出し、短絡などの不具合を生じる場合もあった。
一方、前記側面導体層における無メッキの切断端面の露出を解消するため、セラミックからなる絶縁基体の厚み方向に沿って形成した貫通孔の内面に、互いに対称な一対の馬蹄型状の導体部材と、これらの端部間ごとに形成した一対の突出部とを備え、上記貫通孔を分割溝および厚み方向に沿って2分割して個片化した際に、絶縁基体の側面に開口する半円形状の貫通溝の内面に沿って形成された導電部材ごとの両端面をセラミックの突出部が個別に覆うようにしたセラミック基板およびその製造方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、上記セラミック基板とその製造方法によれば、前記貫通孔の断面形状が通常の真円形の場合、前記導体部材に接触するハンダなどとの接合面積が減少するため、例えば、上記セラミック基板をマザーボードなどの表面上に実装する際の実装強度が低下する、という問題があった。
特開2002−231844号公報(第1〜6頁、図1,2) 特許第3236782号公報(第1〜11頁、図1〜7)
本発明は、背景技術で説明した問題点を解決し、絶縁材からなる基板本体の側面における厚み方向に沿って形成した凹形導体の腐蝕やバリによる不具合を防ぎ、且つ該凹形導体の接続端子としての接合面積を十分に確保できる配線基板を提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、前記課題を解決するため、絶縁材からなる基板本体の側面における厚み方向に沿って形成した凹形導体の両端部を前記基板本体の側面に開口する凹溝の両側に対向して位置する一対の凸部の内壁面にも沿って形成することなど、に着想して成されたものである。
即ち、本発明の配線基板(請求項1)は、絶縁材からなり、対向する表面および裏面と、かかる表面と裏面との周辺に位置する側面とを有する基板本体と、該基板本体の前記側面に開口し、且つ上記表面から裏面へ向かう厚み方向に沿った凹溝と、少なくとも該凹溝の内壁面に沿って形成された凹形導体と、を備えた配線基板であって、上記凹溝の内壁面は、平面視において、上記基板本体の側面に沿って対向する一対の凸部あるいは幅広部を有していると共に、上記凹形導体は、上記凹溝における上記一対の凸部あるいは幅広部よりも平面視で奥側の内壁面と、上記一対の凸部あるいは幅広部における少なくとも奥側の内壁面とに連続して形成されている、ことを特徴とする。
前記配線基板よれば、以下の効果(1)〜(3)を奏することが可能である。
(1)前記基板本体の側面に凹形導体およびその一部が露出しないので、多数個取りの製造方法における分割溝に沿った剪断加工(ブレイク方法)により個片化されていた場合でも、かかる凹形導体の一部からなり且つ基板本体の上記側面に突出するバリが生じていない。従って、短絡などの不具合を皆無にできる。
(2)前記凹形導体の両端部は、一対の凸部または幅広部の少なくとも平面視で奥側の内壁面まで連続しているため、外部端子との接続面積を確保することが容易となり、例えば、マザーボードへの実装時において、ハンダによる接合面積を十分に確保することが可能となる。従って、本配線基板の実装強度や、リードピンやリード線などのような外部端子との接続強度を十分に保つことができる。
(3)前記凹形導導体の両端部が、前記基板本体の側面よりも内側に位置しているので、例えば、搬送時やマザーボードへの実装時などにおいて、不用意な短絡による不具合や、不用意な衝突による破損などを回避できる。
尚、前記絶縁材は、例えば、アルミナなどのセラミック、あるいはエポキシ系などの樹脂である。
また、前記基板本体は、単一の絶縁層からなる形態であるか、あるいは、複数の絶縁層を一体に積層したものである。
更に、前記基板本体の表面は、平面視が矩形(正方形または長方形)状の平坦面、あるいは、平面視が矩形状で且つ中央側にキャビティの開口部が位置する矩形枠状の面である。
また、前記凹溝、一対の凸部、および幅広部は、例えば、追って前記セラミック(絶縁材)層となるグリーンシートを、打ち抜き加工して形成されたものである。例えば、多数個取りによる場合には、大判のグリーンシートにおいて隣接する製品領域同士の間を区分する境界線を跨いで、線対称であるパターンによる上記打ち抜き加工を施すことにより形成される。
更に、前記幅広部は、対向する一対の細溝や段部から構成され、平面視で前記一対の細溝などの内壁面同士間の長さ(幅)が、基板本体の側面に沿った凹溝の内壁面間の長さ(幅)よりも大である。
また、前記凹形導体は、主導体部および端部からなり、前記絶縁材がアルミナなどの高温焼成セラミックの場合には、タングステン(以下、単にWとする)あるいはモリブデン(以下、単にMoとする)を主成分とし、前記絶縁材がガラス−セラミックなどの低温焼成セラミックやエポキシ系などの樹脂の場合には、銅(以下、Cuとする)あるいは銀(以下、Agとする)を主成分とするものが適用される。
更に、前記平面視で奥側とは、平面視において前記基板本体の側面よりも該基板本体の中心側の位置を指している。換言すると、平面視において前記凹溝の開口部と反対側の位置でもある。
加えて、前記凹形導体は、前記グリーンシートに対する打ち抜き加工で形成された貫通孔の内壁面における所要の位置に対し、所定パターンのマスクを介して、W粉末など含む導電性ペーストを減圧吸引して被覆することにより形成される。
また、本発明には、前記凹溝は、平面視で矩形状、多角形状、半円形状、または円弧形状の何れかと、対向する一対の凸部あるいは幅広部とを組み合わせた形状であり、且つ該凹溝の内壁面に沿って前記凹形導体の主導体部が形成されていると共に、対向する前記一対の凸部あるいは幅広部の内壁面は、前記基板本体の側面と平行状の面または平面視で先細の三角形状を形成する傾斜面であり、上記一対の凸部あるいは幅広部の内壁面に沿って前記凹形導体の端部が形成されている、配線基板(請求項2)も含まれる。
これによれば、平面視における前記凹溝の形状が前記の何れかであり、且つ前記凹形導体の(両)端部が、前記一対の凸部あるいは幅広部の前記形態である内壁面に沿って形成されているので、前記効果(1),(2)を一層確実に奏することが可能となる。
尚、前記凹溝の平面視における多角形状とは、四角形以上の正多角形あるいは変形多角形であり、円弧形状とは、例えば、C字形状や、Ω字形状を呈し、平面視で半円形や半楕円形であるか、これらよりも円周部が大きな形状である。
更に、本発明には、前記一対の凸部あるいは幅広部は、平面視において前記基板本体の側面における前記凹溝の開口部から離間している、配線基板(請求項3)も含まれる。
これによれば、前記一対の凸部あるいは幅広部が、平面視において前記基板本体の側面における前記凹溝の開口部から離れているので、前記効果(1),(3)を一層確実に奏することが可能となる。
本発明による一形態の配線基板を示す平面図。 (A)は図1中のX−X線の矢視に沿った垂直断面図、(B)は前記配線基板の変形形態を示す(A)と同様な垂直断面図。 (A)は異なる形態の配線基板を示す平面図、(B)は(A)中のY−Y線の矢視に沿った垂直断面図。 (A)は前記配線基板における凹溝および凹形導体の付近を示す部分平面図、(B),(C)はその製造工程を示す概略図。 (A)は前記形態の応用形態である凹溝および凹形導体の付近を示す部分平面図、(B),(C)はその製造工程を示す概略図。 (A)は異なる形態の凹溝および凹形導体の付近を示す部分平面図、(B),(C)はその製造工程を示す概略図。 (A)は更に異なる形態凹溝および凹形導体の付近を示す部分平面図、(B),(C)はその製造工程を示す概略図。 (A)は別異な形態の凹溝および凹形導体の付近を示す部分平面図、(B),(C)はその製造工程を示す概略図。 (A)は別なる形態の凹溝および凹形導体の付近を示す部分平面図、(B),(C)はその製造工程を示す概略図。 (A)は上記形態の応用形態である凹溝および凹形導体の付近を示す部分平面図、(B),(C)はその製造工程を示す概略図。 (A)は別個な形態凹溝および凹形導体の付近を示す部分平面図、(B),(C)はその製造工程を示す概略図。
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明による一形態の配線基板1aを示す平面図、図2(A)は、図1中のX−X線の矢視に沿った垂直断面図である。
上記配線基板1aは、図1,図2(A)に示すように、セラミック(絶縁材)からなり、全体が平板形状の基板本体2aと、該基板本体2aにおいて対向する一対の側面5の厚み方向に沿って形成された複数の凹溝11と、該凹溝11ごとの内壁面に沿って形成された凹形導体13と、を備えている。
上記基板本体2aは、平面視が矩形(長方形または正方形)状で且つ対向する表面3および裏面4と、かかる表面3と裏面4との周辺間に位置する四辺の側面5とを有している。該基板本体2aは、例えば、アルミナや窒化アルミニウムなどからなる単一のセラミック層からなる。
また、前記凹溝11は、平面視が矩形(長方形)状部を有し、前記基板本体2aの表面3から裏面4に向かう厚み方向に沿っている。該凹溝11の開口部側には、基板本体2aの側面5を外側面とし、且つ該側面5と平行な奥側の内壁面を有して対向している一対の凸部12を有している。
更に、前記凹形導体13は、その主導体部14が上記凹溝11の矩形状部の内壁面に沿って形成され、該凹形導体13の両端部(以下、端部と称する)15は、上記一対の凸部12の内壁面ごと(奥側の内壁面)に沿って形成されている。
図1,図2(A)に示すように、前記基板本体2aにおける表面3の中央側には、複数の素子搭載用パッド10が形成され、該パッド10ごとと前記凹形導体13ごとの上端部との間は、上記表面3に沿って形成された表面配線9によって個別に接続されている。これにより、上記各凹形導体13と各素子搭載用パッド10とは、各表面配線9を介して個別に導通可能とされている。
尚、前記表面配線9、素子搭載用パッド10、および凹形導体13は、主にWあるいはMoからなっている。
また、前記複数の素子搭載用パッド10の上方には、追って、半導体素子などの電子部品40がロウ付けなどによって搭載される。
更に、前記複数の凹溝11および凹形導体13が基板本体2aの裏面4にまで達している形態の前記配線基板1aは、追って、例えば、図示しないマザーボードの表面に形成された複数の電極ごとの上に、複数の上記凹形導体13を個別に載置し、これらの間にハンダを充填することにより、上記マザーボードの表面上に十分な接続強度をもって実装される。
図2(B)は、前記配線基板1aの変形形態を示す前記同様の垂直断面図である。図示のように、凹溝11ごとにおける厚み方向の底部(以下、単に底部と称する)は、前記基板本体2aの裏面部4aによって、各側面5の厚み方向における中間位置に留められている。そのため、各凹形導体13の主導体部14は、前記裏面部4aの上面に位置する底導体部14aを一体に有している。
上記のように、各凹溝11の底部を裏面部4aにより塞ぐため、前記基板本体2aには、上下2層以上のセラミック層を一体に積層したものが用いられる。
また、上記のように、凹形導体13ごとの底導体部14aの上面には、追って、図示しない水平姿勢とされたリード線の先端部が個別に載置され、これらの間をハンダを介して接続することにより、外部の電子装置などに導通可能とされる。
図3(A)は、異なる形態の配線基板1bを示す平面図、同図(B)は、(A)中のY−Y線の矢視に沿った垂直断面図である。
上記配線基板1bは、図3(A),(B)に示すように、前記と同じセラミックからなり、全体が箱形状の基板本体2bと、該基板本体2bにおいて対向する一対の側面5の厚み方向に沿って形成された複数の凹溝11と、該凹溝11ごとの内壁面に沿って形成された複数の凹形導体13と、を備えている。上記基板本体2bは、平面視の外形が矩形状で且つ対向する表面3および裏面4と、かかる表面3と裏面4との周辺間に位置する四辺の側面5と、上記表面3の中央側に開口するキャビティ6とを有している。該キャビティ6は、平面視が矩形状の底面7と、その四辺ごとから上記表面3に向かって立設する側面8とからなる。
尚、前記キャビティ6を内設した基板本体2bは、平板状のセラミック層と平面視が矩形枠状のセラミック層とを、2層以上積層することで形成されている。
図3(A),(B)に示すように、前記キャビティ6の底面7に、複数の素子搭載用パッド10が形成され、該各パッド10と前記各凹形導体13との間は、上記キャビティ6の側面8と凹溝11の最奥辺との間を水平方向に沿って貫通する前記表面配線9と同様な内部配線層9を介して、個別に導通可能とされている。
上記複数の素子搭載用パッド10の上方には、追って前記同様の電子部品40が搭載された後、基板本体2bの表面3に前記キャビティ6の開口部を封止する図示しない蓋板が接合される。
尚、上記凹溝11ごとの底部側を前記裏面部4aによって塞ぐと共に、該裏面部4aの上面に形成される前記底導体部14aを有する形態の凹形導体13とすることも可能である。
図4(A)に示す前記基板本体2a(2b)において、一対の凸部12を有する前記凹溝11、および凹形導体13の形成方法を、図4(B),(C)によって説明する。
予め、図4(B)に示す多数個取り用のセラミックグリーンシート(以下、単にグリーンシートと称する)2gを用意した。該グリーンシート2gは、例えば、アルミナ粉末、所定のバインダ樹脂、可塑剤、および溶剤を適量ずつ配合して得られたセラミックスラリーを、ドクターブレード法によりシート状に成形したものである。当該グリーンシート2gには、追って、前記各基板本体2a(2b)となる製品領域ごとを区分する仮想の切断予定面cfが設定されている。
先ず、図4(B)に示すように、切断予定面cfを跨いで上下一対の前記凹溝11を形成する。具体的には、前記凸部12を幅方向(図4(B)中の垂直方向)に約2倍とし、且つ切断予定面cfに跨る左右一対の凸片16を有する貫通孔h1を、図示しないパンチピンと該パンチピンの先端部を受け入れる透孔を有するダイとを用いる打ち抜き加工により形成した。
尚、前記パンチピンおよびダイには、単一のもの同士を用いることで1回の打ち抜き加工を行っても良いし、互いに断面形状が異なる複数のパンチピンと、透孔の形状が異なる同数のダイとを用い、複数回の打ち抜き加工を行っても良い。
次に、図4(C)に示すように、左右一対の凸片16における奥側の内壁面と、貫通孔h1における該一対の凸片16よりも奥側の内壁面とに沿って、W粉末を含む導電性ペーストを、前記貫通孔h1における一方の開口部側から負圧を利用して減圧吸引して被覆した。この際、前記開口部側に導電性ペーストを被覆しない箇所を覆うパターンのマスク板を配置したり、または、前記一対の凸片16の先端面同士に接触する棒状のマスクを挿入しても良い。
次いで、図示のように、主導体部14および端部15を含む未焼成の凹形導体13が線対称に一対形成された前記グリーンシート2gを、前記凹形導体13などと共に同時焼成した。
更に、前記焼成によって得られたセラミック層2cを、前記切断予定面cfに沿って、例えばダイシング加工によって個片化した。その結果、図4(A)に示すように、基板本体2a(2b)の側面5に開口し、且つ一対の凸部12を有する凹溝11と、該凹溝11における凸部12ごとの内壁面から奥側の内壁面に沿って連続する焼成済みの凹形導体13を得ることができた。
以上のような一対の凸部12を有する凹溝11、主導体部14および端部15を含む凹形導体13を備えた基板本体2a(2b)を有する前記配線基板1a(2b)によれば、前記効果(1),(2)を奏することができる。
尚、前記グリーンシート2gは、単層でも複数層であっても良い。また、前記図2(B)で示した裏面部4aを含む基板本体2aを得るには、前記グリーンシート2gに加えて、更に前記打ち抜き加工がされていない平板のグリーンシートを裏面4側に積層すれば良い。
図5(A)は、前記形態の応用形態である凹溝11および凹形導体13aの付近を示す前記同様の部分平面図である。図示のように、対向する一対の凸部12は、平面視において、基板本体2a(2b)の該側面5および凹溝11の開口部の双方から奥側に離間している。即ち、一対の凸部12の内壁面は、上記側面5と平行であり、該凸部12と基板本体2a(2b)の側面5との間には、上記凹溝11の開口部側である左右一対の段部17が位置している。更に、上記凹形導体13aの端部15は、上記凸部12ごとの先端面(突出する方向(図5(A)中の左右方向)の先端面)をも覆っている。尚、上記一対の段部17は、単一の幅広部でもある。
上記一対の段部17と一対の凸部12とを含む凹溝11、および凹形導体13aの形成方法を、以下に説明する。
図5(B)に示すように、前記と同じグリーンシート2gにおける切断予定面cfを跨いで、上下一対の前記凹溝11を形成する。具体的には、切断予定面cf側に位置する左右および上下一対ずつ合計4つの凸部12と、上下一対ずつの凸部12同士間に位置し且つ前記段部17の深さの約2倍の幅である左右一対の凹み18とを備えた貫通孔h2を、前記と同様な打ち抜き加工によって形成した。
次いで、図5(C)に示すように、左右および上下一対ずつの凸部12の内壁面(少なくとも奥側の内壁面)および先端面と、貫通孔h2において上方および下方それぞれにおける左右一対の凸部12よりも奥側の内壁面とにわたって、前記と同じ導電性ペーストを吸引しつつ被覆した。次に、図示のように、主導体部14および端部15を有する未焼成の凹形導体13aが線対称に一対形成された前記グリーンシート2gを、前記凹形導体13aなどと共に同時焼成した。
更に、上記焼成によって得られたセラミック層2cを、前記切断予定面cfに沿って、前記ダイシング加工などによって個片化した。
その結果、図5(A)に示すように、基板本体2a(2b)の側面5において、一対の段部17を介して一対の凸部12を有する凹溝11と、該凹溝11の内壁面に沿って形成され、且つ端部15が凸部12ごとの先端面まで覆っている凹形導体13aとが得られた。換言すると、上記一対の凸部12は、凹溝11の開口部および基板本体2a(2b)の側面5の双方から離間している
以上のように、一対の凸部12が凹溝11の開口部から離間することにより、端部15が凸部12ごとの先端面まで覆っている凹形導体13aを備えた基板本体2a(2b)を有する前記配線基板1a(1b)によれば、前記効果(1)〜(3)を奏することができる。
尚、前記凹形導体13aは、基板本体2a(2b)の側面5よりも奥側であり、端部15が該側面5に露出しない範囲において、その端部15を凸部12ごとの外壁面まで延出させても良い。
図6(A)は、前記とは異なる形態の凹溝19および凹形導体20の付近を示す前記同様の部分平面図である。
図6(A)に示すように、上記凹溝19は、平面視において、変形八角形(多角形)を呈し、その開口部を挟んで対向する一対の凸部22を有し、該凸部22ごとの内壁面が基板本体2a(2b)の側面5と傾斜する先細の三角形状を呈している。また、上記凹形導体20は、凹溝19における一対の凸部22よりも奥側の内壁面に沿って形成された主導体部21と、凸部22ごとの内壁面における開口部の直前に達する端部15とからなる。
上記一対の凸部22を有する凹溝19および凹形導体20の形成方法を、以下に説明する。図6(B)に示すように、前述と同様にグリーンシート2gを用意し、該グリーンシート2gにおける切断予定面cfに跨った左右一対の凸片22aを備えた貫通孔h3を、前記と同様な打ち抜き加工により形成した。尚、前記凸片22aの外形は、上下一対の凸部22における2つの傾斜面と相似形である。
次に、図6(C)に示すように、左右一対の凸片22aの各側面と、貫通孔h3における該一対の凸片22aよりも奥側の内壁面とにわたって、前記と同じ導電性ペーストを吸引しつつ被覆した。次いで、図示のように、主導体部21および端部15を含む未焼成の凹形導体20が線対称に一対形成された前記グリーンシート2gを、該凹形導体20などと共に同時焼成した。更に、該焼成によって得られた前記セラミック層2cを、前記切断予定面cfに沿って、ダイシング加工などにより個片化した。
その結果、図6(A)に示すように、基板本体2a(2b)の側面5に、一対の凸部22を有する凹溝19と、該凹溝19に含まれる各凸部22の内壁面と該凸部22よりも奥側の内壁面とに沿って形成され、主導体部21および端部15を有する凹形導体20が得られた。
図7(A)は、更に異なる形態の凹溝23および凹形導体24の付近を示す前記同様の部分平面図である。
図7(A)に示すように、上記凹溝23は、平面視において円弧(略円形)形状部を有し、該円弧形状部と基板本体2a(2b)の側面5との間に、一対の凸部26を有している。該一対の凸部26間の開口幅は、上記凹溝23における平面視で最も広い箇所の幅よりも小さい。該凹溝23には、各凸部26の内壁面を含む当該凹溝23の内壁面に沿って、これらと相似形の主導体部25と、各凸部26の内壁面における先端面側に位置する端部15とからなり、平面視がC字形状の凹形導体24が形成されている。の内壁面
上記一対の凸部26を有する凹溝23、および凹形導体24を得る方法を以下に説明する。図7(B)に示すように、前記グリーンシート2gにおける切断予定面cfに跨って、左右一対の凸片27を線対称に備えた貫通孔h4を、前記と同様な打ち抜き加工によって形成した。尚、前記凸片27の外形は、上下一対の凸部26の各湾曲面と相似形である。
次に、図7(C)に示すように、左右一対の凸片27の各側面と、貫通孔h4における該一対の凸片27よりも奥側の内壁面とに沿って、前記と同じ導電性ペーストを吸引しつつ被覆した。次いで、図示のように、主導体部25および端部15を含む未焼成の凹形導体24が線対称に一対形成された前記グリーンシート2gを、前記凹形導体24などと共に同時焼成した。更に、前記焼成によって得られた前記セラミック層2cを、前記切断予定面cfに沿って、ダイシング加工などにより個片化した。
その結果、図7(A)に示すように、基板本体2a(2b)の側面5に、一対の凸部26を有する凹溝23と、各凸部26の内壁面および該凸部26よりも奥側凹溝23の内壁面とに沿って形成され、主導体部25および端部15からなる凹形導体24が得られた。
尚、平面視で円弧(略円形)形状を呈する前記凹形導体24によれば、前述したハンダ付けによる接続のほか、断面が円形の導体ピンの挿入による導通も可能である。
図8(A)は、前記とは別異な形態の凹溝28および凹形導体30の付近を示す前記同様の部分平面図である。
図8(A)に示すように、上記凹溝28は、平面視において半円形状部を有し、該半円形状部と基板本体2a(2b)の側面5との間には、前記一対の凸部12を有している。また、上記凹形導体30は、凹溝28における各凸部12よりも奥側の内壁面に沿って形成された主導体部29と、各凸部12における奥側の内壁面の先端面側に位置する端部15とからなる。
上記一対の凸部12を有する凹溝28および凹形導体30を得る方法を以下に説明する。図8(B)に示すように、前記グリーンシート2gにおける切断予定面cfに跨って、左右一対の前記凸片16とを備えた貫通孔h5を、前記と同様な打ち抜き加工によって形成した。
次に、図8(C)に示すように、左右一対の凸片16の各側面と、貫通孔h5における該一対の凸片16よりも奥側の内壁面とに沿って、前記と同じ導電性ペーストを吸引しつつ被覆した。次いで、図示のように、主導体部29および端部15を含む未焼成の凹形導体30が線対称に一対形成された前記グリーンシート2gを、該凹形導体30などと共に同時焼成した。更に、該焼成によって得られた前記セラミック層2cを、前記切断予定面cfに沿って、ダイシング加工などにより個片化した。
その結果、図8(A)に示すように、基板本体2a(2b)の側面5に、一対の凸部12を有する凹溝28と、各凸部12の内壁面と該各凸部12よりも奥側の内壁面とに沿って形成され、主導体部29および端部15からなる凹形導体30が得られた。
図9(A)は、前記とは別なる形態の凹溝31および凹形導体32の付近を示す前記同様の部分平面図である。
図9(A)に示すように、上記凹溝31は、平面視において矩形状部を有し、該矩形状部と基板本体2a(2b)の側面5との間には、左右一対の段部(幅広部)17が位置している。また、上記凹形導体32は、前記凹溝31の段部17ごとよりも奥側の内壁面および段部17ごとの底面(内壁面)に沿って形成され、その端部34は、前記段部17ごとの垂直な端面付近に位置している。
上記一対の段部(幅広部)17を有する凹溝31、および凹形導体32を得る方法を以下に説明する。図9(B)に示すように、前述と同様に用意したグリーンシート2gにおける切断予定面cfに跨って、左右一対の前記凹み18とを備えた貫通孔h6を、前記と同様の打ち抜き加工により形成した。
次に、図9(C)に示すように、左右一対の凹み18の各内壁面と貫通孔h6における該一対の凹み18よりも奥側の内壁面とに沿って、前記と同じ導電性ペーストを吸引しつつ被覆した。次いで、図示のように、主導体部33および端部34を有する未焼成の凹形導体32が線対称に一対形成された前記グリーンシート2gを、該凹形導体32などと共に同時焼成した。更に、前記焼成によって得られた前記セラミック層2cを、前記切断予定面cfに沿って、ダイシング加工などにより個片化した。
その結果、図9(A)に示すように、基板本体2a(2b)の側面5に、一対の段部(幅広部)17を有する凹溝31と、該凹溝31の内壁面に沿って形成された主導体部33と、各段部17の内壁面沿い且つそれらの端面側に位置する端部34とからなる凹形導体32が得られた。
図10(A)は、前記凹形導体32の応用形態である凹形導体35とその付近を示す前記同様の部分平面図である。
図10(A)に示すように、前記と同じ矩形状部と、基板本体2a(2b)の側面5との間に、左右一対の凸部12と、平面視が長方形状である左右一対の細溝(幅広部)36とを有する凹溝31が位置している。また、上記凹形導体35は、各細溝36よりも奥側の内壁面(矩形状部の内壁面)と、各細溝36の内壁面(少なくとも奥側の内壁面)および底面とに沿った主導体部33と、各凸部12の内壁面を兼ねる各細溝36における前記側面5側の内壁面の先端面側に位置する端部37とから構成されている。
上記一対の凸部12と一対の細溝36とを有する凹溝31、および凹形導体33を得る方法を以下に説明する。図10(B)に示すように、前記グリーンシート2gにおける切断予定面cfを挟んで、上下一対の前記凹溝31の矩形状部と、上下および左右一対(合計4つ)の細溝36と、切断予定面cfに跨った左右一対の前記凸片16とを備えた貫通孔h7を、前記と同様な打ち抜き加工により形成した。
次に、図10(C)に示すように、上下および左右一対の細溝36の各内壁面と貫通孔h7における該一対の細溝36よりも奥側の内壁面とに沿って、前記と同じ導電性ペーストを吸引しつつ被覆した。次いで、図示のように、主導体部33と端部37とを含む未焼成の凹形導体35が線対称に一対形成された前記グリーンシート2gを、前記凹形導体35などと共に同時焼成した。更に、前記焼成によって得られた前記セラミック層2cを、前記切断予定面cfに沿って、ダイシング加工などにより個片化した。
その結果、図10(A)に示すように、基板本体2a(2b)の側面5に、一対の凸部12および一対の細溝(幅広部)36を有する凹溝31と、各細溝36の底面を含む全内壁面と、該凹溝31における各細溝36よりも奥側の内壁面とに沿って形成され、主導体部33および端部37からなる凹形導体35が得られた。
図11(A)は、前記とは別個の形態の凹形導体38の付近を示す前記同様の部分平面図である。
図11(A)に示すように、平面視で前記同様の半円形状部を有る凹溝28は、基板本体2a(2b)の側面5と、上記半円形状部との間に、前記と同じ左右一対の段部(幅広部)17を有している。そのため、上記凹形導体38は、上記凹溝28における一対の段部17よりも奥側の内壁面(半円形状部の内壁面)に沿った主導体部39と、各段部17の内壁面に沿い且つその端面側に達する端部34とから構成されている。
上記一対の段部(幅広部)17を有する凹溝28、および凹形導体38を得る方法を以下に説明する。図11(B)に示すように、前記グリーンシート2gにおける切断予定面cfに跨って、左右一対の凹み18を備えた貫通孔h8を、前記と同様の打ち抜き加工により形成した。
次に、図11(C)に示すように、左右一対の凹み18の各内壁面と貫通孔h8における該一対の凹み18よりも奥側の内壁面と沿って、前記と同じ導電性ペーストを吸引しつつ被覆した。次いで、図示のように、主導体部39と端部34とを含む未焼成の凹形導体38が線対称に形成された前記グリーンシート2gを、前記凹形導体38などと共に同時焼成した。更に、前記焼成によって得られた前記セラミック層2cを、前記切断予定面cfに沿って、ダイシング加工などにより個片化した。
その結果、図11(A)に示すように、基板本体2a(2b)の側面5に、一対の段部(幅広部)17を有する凹溝28と、各段部17の底面(奥側の内壁面)と、該凹溝28における各段部17よりも奥側の内壁面とに沿って形成され、主導体部39および端部34からなる凹形導体38が得られた。
以上のような基板本体2a,2bの側面5に開口する凹溝11,19,23,28,31の内壁面などに沿って形成された凹形導体13,13a,20,24,30,32,35,38を備えた配線基板1a,1bによれば、前記効果(1)〜(3)を確実に奏することができる。特に、前記側面5から離間して、一対の凸部12および一対の段部(幅広部)36を併有する前記凹形導体35を備えた配線基板1a,1bによれば、前記効果(1)〜(3)を一層確実に奏することができる。
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記基板本体を構成する絶縁材は、例えば、ガラス−セラミックなどの低温焼成セラミック、あるいはエポキシ系などの樹脂であっても良い。これらの場合、前記凹形導体13などの導体には、主にCuまたはAgが用いられる。
また、前記凹溝は、平面視で長軸が前記基板本体2a,2bの側面5と平行な楕円形状、あるいは長円形状を呈する形態としても良い。
更に、前記凹溝19,23,28,31も、前記基板本体2a,2bの裏面4側を前記裏面部4aによって塞がれた形態としても良い。
また、前記幅広部を形成する一対の細溝は、平面視でそれぞれが底面側が狭くなるV字形状あるいはU字形状を呈する形態としても良い。
更に、前記凹溝11〜31および凹形導体12〜38は、前記基板本体2a,2bにおいて隣接する一対の側面5同士間のコーナー部に沿って形成した形態としても良い。
加えて、前記凹溝11〜31および凹形導体12〜38は、単一の前記基板本体2a,2bごとに併設して形成しても良い。
本発明によれば、絶縁材(セラミック)からなる基板本体の側面における厚み方向に沿って形成した凹形導体の腐蝕やバリによる不具合を防ぎ、且つ該凹形導体の接続端子としての接合面積を十分に確保できる配線基板を確実に提供できる。
1a,1b……………………………………配線基板
2a,2b……………………………………基板本体
3………………………………………………表面
4………………………………………………裏面
5………………………………………………側面
11,19,23,28,31…………………凹溝
12,22,26……………………………凸部
13,13a,20,24,30,32,38…凹形導体
14,21,25,29,33,39……主導体部
15,34,27……………………………端部
17……………………………………………段部(幅広部)
36……………………………………………細溝(幅広部)

Claims (3)

  1. 絶縁材からなり、対向する表面および裏面と、かかる表面と裏面との周辺に位置する側面とを有する基板本体と、該基板本体の前記側面に開口し、且つ上記表面から裏面へ向かう厚み方向に沿った凹溝と、少なくとも該凹溝の内壁面に沿って形成された凹形導体と、を備えた配線基板であって、
    上記凹溝の内壁面は、平面視において、上記基板本体の側面に沿って対向する一対の凸部あるいは幅広部を有していると共に、
    上記凹形導体は、上記凹溝における上記一対の凸部あるいは幅広部よりも平面視で奥側の内壁面と、上記一対の凸部あるいは幅広部における少なくとも奥側の内壁面とに連続して形成されている、
    ことを特徴とする配線基板。
  2. 前記凹溝は、平面視で矩形状、多角形状、半円形状、または円弧形状の何れかと、対向する前記一対の凸部あるいは幅広部とを組合せた形状であり、且つ該凹溝の内壁面に沿って前記凹形導体の主導体部が形成されていると共に、対向する前記一対の凸部あるいは幅広部の内壁面は、前記基板本体の側面と平行状の面または平面視で先細の三角形状を形成する傾斜面であり、上記一対の凸部あるいは幅広部の内壁面に沿って前記凹形導体の端部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記一対の凸部あるいは幅広部は、平面視において前記基板本体の側面における前記凹溝の開口部から離間している、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。
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