JP2009054742A - セラミック基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】分割用溝分割性の低下を防止できる共に、電子部品実装信頼性の低下を防止でき、パッケージと蓋体の気密信頼性を高くできるセラミック基板の製造方法を提供する。
【解決手段】セラミック基板集合体を分割用溝で分割するセラミック基板の製造方法において、セラミックグリーンシートの一方の主面に導体印刷パターンと、この間を接続して個片体の相対向する一方の辺側で連続する接続導体印刷パターンと、ダミー部にこれから延設して接続するめっき用導体印刷パターンを設ける工程と、一方の主面に、接続導体印刷パターンと平行する第1の押圧溝と、他方の主面に、これと相対向する第2の押圧溝と、これに直交して個片体に区画する第3の押圧溝を設ける工程と、グリーンシートと高融点金属を同時焼成し、導体パターンに電解めっき被膜を設けた後、第1、第2の分割用溝と、第3の分割用溝で分割して個片体のセラミック基板を形成する工程を有する。
【選択図】図4
【解決手段】セラミック基板集合体を分割用溝で分割するセラミック基板の製造方法において、セラミックグリーンシートの一方の主面に導体印刷パターンと、この間を接続して個片体の相対向する一方の辺側で連続する接続導体印刷パターンと、ダミー部にこれから延設して接続するめっき用導体印刷パターンを設ける工程と、一方の主面に、接続導体印刷パターンと平行する第1の押圧溝と、他方の主面に、これと相対向する第2の押圧溝と、これに直交して個片体に区画する第3の押圧溝を設ける工程と、グリーンシートと高融点金属を同時焼成し、導体パターンに電解めっき被膜を設けた後、第1、第2の分割用溝と、第3の分割用溝で分割して個片体のセラミック基板を形成する工程を有する。
【選択図】図4
Description
本発明は、セラミック基板集合体から個片体に分割して形成するセラミック基板の製造方法に関し、より詳細には、一方の主面に個片体用の導体パターンと、この導体パターンを接続させるための接続導体パターンと、集合体の外周のダミー部に接続導体パターンに接続するめっき用導体パターンを設け、これらのパターン表面に電解めっき被膜を形成した後、分割用溝で分割して個片体のセラミック基板を形成するセラミック基板の製造方法に関する。
近年、セラミック基板は、半導体素子や、水晶振動子等の電子部品を収納して小型化、高信頼性化等の要求に対応できるようにしたパッケージや、その蓋体として盛んに用いられている。通常、このセラミック基板には、セラミックグリーンシートに高融点金属からなる導体ペーストを用いて導体印刷パターンを形成し、セラミックグリーンシートと高融点金属を同時焼成して導体パターンを設けている。また、このセラミック基板には、めっき浴中で導体パターンに通電する電解めっき方法で導体パターン上に電解めっき被膜を形成している。更に、このセラミック基板を作製するには、個片体のセラミック基板がマトリックス状に複数個が配列し、個片体に分割するための分割用溝を設けたセラミック基板集合体から分割用溝で分割して作製する製造方法がとられている。
図5(A)、(B)を参照しながら、従来のセラミック基板の製造方法を説明する。ここで、図5(A)は従来のセラミックグリーンシートを焼成して形成するセラミック基板集合体の焼成前の一方の主面側の平面図、一部拡大平面図、G−G’線拡大縦断面図、図5(B)は同セラミックグリーンシートを焼成して形成するセラミック基板集合体の焼成前の他方の主面側の平面図である。
図5(A)、(B)に示すように、従来から焼成後のセラミック基板集合体を作製するためには、例えば、アルミナ(Al2O3)や、窒化アルミニウム(AlN)等からなるセラミックグリーンシート60が用いられている。このセラミックグリーンシート60には、焼成前の所定の大きさの四角形からなる個片体61が複数個マトリックス状に配列する集合体62と、集合体62の外周にダミー部63を設けている。そして、セラミックグリーンシート60の一方の主面のそれぞれの個片体61には、タングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の高融点金属からなる導体ペーストを用いてスクリーン印刷で導体パターン用の導体印刷パターン64が形成されている。また、セラミックグリーンシート60には、一方の主面に導体印刷パターン64と接続し、それぞれの個片体61の相対向する一方の辺側に連続する接続導体パターン用の接続導体印刷パターン65と、一方の主面のダミー部63に接続導体印刷パターン65から延設して接続するめっき用導体パターン用のめっき用導体印刷パターン66が形成されている。なお、導体印刷パターン64、接続導体印刷パターン65、及びめっき用導体印刷パターン66は、全てのパターンを備えたスクリーン版を用いて一度にスクリーン印刷して形成している。
図5(A)、(B)に示すように、従来から焼成後のセラミック基板集合体を作製するためには、例えば、アルミナ(Al2O3)や、窒化アルミニウム(AlN)等からなるセラミックグリーンシート60が用いられている。このセラミックグリーンシート60には、焼成前の所定の大きさの四角形からなる個片体61が複数個マトリックス状に配列する集合体62と、集合体62の外周にダミー部63を設けている。そして、セラミックグリーンシート60の一方の主面のそれぞれの個片体61には、タングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の高融点金属からなる導体ペーストを用いてスクリーン印刷で導体パターン用の導体印刷パターン64が形成されている。また、セラミックグリーンシート60には、一方の主面に導体印刷パターン64と接続し、それぞれの個片体61の相対向する一方の辺側に連続する接続導体パターン用の接続導体印刷パターン65と、一方の主面のダミー部63に接続導体印刷パターン65から延設して接続するめっき用導体パターン用のめっき用導体印刷パターン66が形成されている。なお、導体印刷パターン64、接続導体印刷パターン65、及びめっき用導体印刷パターン66は、全てのパターンを備えたスクリーン版を用いて一度にスクリーン印刷して形成している。
次に、このセラミックグリーンシート60には、所定の大きさの四角形からなる個片体61に区画し、焼成後に分割用溝となってこの溝に沿って分割するための押圧溝67が両主面のそれぞれに縦、横方向で直交すると共に、両主面のそれぞれで相対向する位置となるように設けられている。この押圧溝67は、通常、切刃を所定の深さまで押圧させてV字型や、U字型等に形成している。しかしながら、この押圧溝67の形成によって、接続導体印刷パターン65、及びめっき用導体印刷パターン66には、刃先で押圧された部分に断線が発生するので、この断線を埋めるための繋ぎ導体パターン用の繋ぎ導体印刷パターン68を形成している。
次に、上記のセラミックグリーンシート60は、還元雰囲気中等の高温で導体印刷パターン64、接続導体印刷パターン65、及びめっき用導体印刷パターン66と同時焼成してセラミック基板集合体を作製している。そして、セラミック基板集合体の外部に露出する導体パターン、接続導体パターン、及びめっき用導体パターンには、セラミック基板集合体の外周部を切り欠いて形成されるめっき用導体パターンと接続する接続端子部に電解めっき用ラックの端子を取り付け、めっき浴中で通電して、例えば、Niめっき被膜や、Auめっき被膜等を形成している。
従来のセラミック基板集合体の隣接するセラミック基板間に接続導体パターンを有し、この接続導体パターンを切断して個片体に分割して形成するセラミック基板の製造方法には、セラミック基板間に分割用溝を形成した後に、接続導体パターンを形成しているものが開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、前述したような従来のセラミック基板の製造方法は、次のような問題がある。
(1)接続導体パターン上に設けた分割用溝上に繋ぎ導体パターンを設けるセラミック基板の製造方法で作製されるセラミック基板は、繋ぎ導体パターンがセラミック基板の導体パターン上にまで一部延設するので、導体パターンの上面に繋ぎ導体パターンの突起部ができる。この突起部のあるセラミック基板が電子部品を収納するためのパッケージ、あるいは蓋体として用いられ、導体パターン部が互いに接合するためのシール部に用いる場合には、気密封止のために接合される相手方との間に隙間が発生して、接合材を充填させることができなく、気密信頼性の低下となっている。
(2)特開2005−101164号公報、特開平10−223993号公報で開示されるようなセラミックグリーンシートの状態のセラミック基板間に分割用溝を形成した後に、接続導体パターンを形成するセラミック基板の製造方法は、セラミック基板の導体パターンを形成する導体ペーストがセラミックグリーンシートの状態の分割用溝に流れ込んだり、接続導体パターンを形成する導体ペーストが毛細管現象でパターン以外のセラミックグリーンシートの状態の分割用溝に飛び出したりして、分割用溝の分割性の低下となっている。また、このセラミック基板の製造方法で作製されるセラミック基板は、導体ペーストが焼成後のセラミック基板の側面に線上の金属導体として出現し、これが剥離して接合間に巻き込まれたりして気密信頼性の低下や、電子部品に付着したりして電子部品の実装信頼性の低下となっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、セラミック基板集合体の分割用溝の分割性の低下を防止できる共に、電子部品の実装信頼性の低下を防止でき、パッケージと蓋体の接合の気密信頼性を高くできるセラミック基板の製造方法を提供することを目的とする。
(1)接続導体パターン上に設けた分割用溝上に繋ぎ導体パターンを設けるセラミック基板の製造方法で作製されるセラミック基板は、繋ぎ導体パターンがセラミック基板の導体パターン上にまで一部延設するので、導体パターンの上面に繋ぎ導体パターンの突起部ができる。この突起部のあるセラミック基板が電子部品を収納するためのパッケージ、あるいは蓋体として用いられ、導体パターン部が互いに接合するためのシール部に用いる場合には、気密封止のために接合される相手方との間に隙間が発生して、接合材を充填させることができなく、気密信頼性の低下となっている。
(2)特開2005−101164号公報、特開平10−223993号公報で開示されるようなセラミックグリーンシートの状態のセラミック基板間に分割用溝を形成した後に、接続導体パターンを形成するセラミック基板の製造方法は、セラミック基板の導体パターンを形成する導体ペーストがセラミックグリーンシートの状態の分割用溝に流れ込んだり、接続導体パターンを形成する導体ペーストが毛細管現象でパターン以外のセラミックグリーンシートの状態の分割用溝に飛び出したりして、分割用溝の分割性の低下となっている。また、このセラミック基板の製造方法で作製されるセラミック基板は、導体ペーストが焼成後のセラミック基板の側面に線上の金属導体として出現し、これが剥離して接合間に巻き込まれたりして気密信頼性の低下や、電子部品に付着したりして電子部品の実装信頼性の低下となっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、セラミック基板集合体の分割用溝の分割性の低下を防止できる共に、電子部品の実装信頼性の低下を防止でき、パッケージと蓋体の接合の気密信頼性を高くできるセラミック基板の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係るセラミック基板の製造方法は、所定の大きさの四角形からなる個片体が複数個マトリックス状に配列する集合体と、集合体の外周にダミー部を設けるセラミックグリーンシートに個片体に区画し、焼成して個片体に分割するための分割用溝を設けるセラミック基板集合体の一方の主面のそれぞれの個片体に設けた導体パターンを含む全てのパターンに電解めっき被膜を設け、分割用溝で分割するセラミック基板の製造方法において、セラミックグリーンシートの一方の主面に焼成後に導体パターンとなる導体印刷パターンと、導体印刷パターン間を接続して電気的に導通状態とするための個片体の相対向する一方の辺側で連続する焼成後に接続導体パターンとなる接続導体印刷パターンと、セラミックグリーンシートのダミー部に接続導体印刷パターンから延設して接続する焼成後にめっき用導体パターンとなるめっき用導体印刷パターンを高融点金属からなる導体ペーストを用いてスクリーン印刷して設ける工程と、セラミックグリーンシートの一方の主面に、集合体から個片体の複数個が短冊状に連結して接続導体印刷パターンと平行する焼成後に第1の分割用溝となる第1の押圧溝と、セラミックグリーンシートの他方の主面に、第1の押圧溝と相対向する焼成後に第2の分割用溝となる第2の押圧溝と、第2の押圧溝に直交して集合体から個片体に区画する焼成後に第3の分割用溝となる第3の押圧溝を押圧刃で押圧して設ける工程と、セラミックグリーンシートと高融点金属を同時焼成してセラミック基板集合体を設け、セラミック基板集合体をめっき浴中にを浸漬させてめっき用導体パターン及び接続導体パターンを介して導体パターンに通電させて全てのパターンに電解めっき被膜を設けた後、第1、第2の分割用溝と、第3の分割用溝で分割して個片体のセラミック基板を形成する工程を有する。
ここで、上記のセラミック基板の製造方法は、セラミック基板集合体に形成する第1、第2、及び第3の分割用溝がセラミック基板集合体の厚さa、第1の分割用溝の深さb、第2の分割用溝の深さc、及び第3の分割用溝の深さdとする場合に、d≧a/2、且つ、b+c≧d>cとして設けられるのがよい。
請求項1又はこれに従属する請求項2記載のセラミック基板の製造方法は、セラミックグリーンシートの一方の主面に焼成後に導体パターンとなる導体印刷パターンと、導体印刷パターン間を接続して電気的に導通状態とするための個片体の相対向する一方の辺側で連続する焼成後に接続導体パターンとなる接続導体印刷パターンと、セラミックグリーンシートのダミー部に接続導体印刷パターンから延設して接続する焼成後にめっき用導体パターンとなるめっき用導体印刷パターンを高融点金属からなる導体ペーストを用いてスクリーン印刷して設ける工程と、セラミックグリーンシートの一方の主面に、集合体から個片体の複数個が短冊状に連結して接続導体印刷パターンと平行する焼成後に第1の分割用溝となる第1の押圧溝と、セラミックグリーンシートの他方の主面に、第1の押圧溝と相対向する焼成後に第2の分割用溝となる第2の押圧溝と、第2の押圧溝に直交して集合体から個片体に区画する焼成後に第3の分割用溝となる第3の押圧溝を押圧刃で押圧して設ける工程と、セラミックグリーンシートと高融点金属を同時焼成してセラミック基板集合体を設け、セラミック基板集合体をめっき浴中に浸漬させてめっき用導体パターン及び接続導体パターンを介して導体パターンに通電させて全てのパターンに電解めっき被膜を設けた後、第1、第2の分割用溝と、第3の分割用溝で分割して個片体のセラミック基板を形成する工程を有するので、接続導体印刷パターン上を押圧して形成される押圧溝を焼成して形成する分割用溝がなくて導体パターンや、接続導体パターン上に繋ぎ導体パターンを設ける必要がなく、導体パターン上を平坦にでき、気密封止のために接合される相手方との間の隙間の発生を防止して、気密信頼性の低下を防止することができるセラミック基板の製造方法を提供できる。また、押圧溝は、印刷パターン形成後に押圧して形成し、押圧溝への導体ペーストの侵入を防止することができ、焼成後の分割用溝の中に高融点金属が存在しないので、分割性がよいセラミック基板の製造方法を提供できる。更に、焼成後の分割用溝の中には、高融点金属が存在しないので、高融点金属の剥離がなく電子部品の実装信頼性や、接合間の気密信頼性の低下を防止することができるセラミック基板の製造方法を提供できる。
特に、請求項2記載のセラミック基板の製造方法は、セラミック基板集合体に形成する第1、第2、及び第3の分割用溝がセラミック基板集合体の厚さa、第1の分割用溝の深さb、第2の分割用溝の深さc、及び第3の分割用溝の深さdとする場合に、d≧a/2、且つ、b+c≧d>cとして設けられるので、一方の主面には相対向する分割用溝を持たない焼成後の第3の分割用溝が、分割するのに必要な深さを充分に備えて形成され、分割性よく分割できて、分割後のセラミック基板にバリや、カケの発生を防止でき、電子部品の実装信頼性や、気密信頼性の低下を防止することができるセラミック基板の製造方法を提供できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施するための最良の形態について説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1(A)〜(C)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係るセラミック基板の製造方法で作製されるセラミック基板の拡大平面図、A−A’線縦断面図、B−B’線縦断面図、図2(A)、(B)はそれぞれ同セラミック基板の製造方法で用いられるセラミックグリーンシートにパターンを形成する工程の説明図、図3(A)、(B)はそれぞれ同セラミック基板の製造方法で用いられるセラミックグリーンシートに分割用溝を形成する工程の説明図、図4(A)、(B)はそれぞれ同セラミック基板の製造方法の焼成済みのセラミック基板集合体に電解めっき被膜を形成する工程の説明図である。
ここに、図1(A)〜(C)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係るセラミック基板の製造方法で作製されるセラミック基板の拡大平面図、A−A’線縦断面図、B−B’線縦断面図、図2(A)、(B)はそれぞれ同セラミック基板の製造方法で用いられるセラミックグリーンシートにパターンを形成する工程の説明図、図3(A)、(B)はそれぞれ同セラミック基板の製造方法で用いられるセラミックグリーンシートに分割用溝を形成する工程の説明図、図4(A)、(B)はそれぞれ同セラミック基板の製造方法の焼成済みのセラミック基板集合体に電解めっき被膜を形成する工程の説明図である。
図1(A)〜(C)に示すように、本発明の一実施の形態に係るセラミック基板の製造方法で作製されるセラミック基板10は、所定の大きさの四角形からなる個片体が複数個マトリックス状に配列する集合体23(図2参照)と、外周にダミー部24(図2参照)を設けるセラミックグリーンシート21(図2参照)が用いられている。そして、セラミック基板10は、このセラミックグリーンシート21に個片体に区画する焼成後に分割用溝となる押圧溝を設け、これを焼成したセラミック基板集合体20(図4参照)から、電解めっき被膜を形成した後、分割用溝で分割して作製している。
上記の個片体のセラミック基板10には、一方の主面の四角形の外周囲から若干内側に導体パターン11と、セラミック基板集合体20の他方の主面に設けられた分割用溝で途中分断された接続導体パターン12を有している。この接続導体パターン12は、膜厚さが導体パターン11と同一で、導体パターン11に接続し個片体のセラミック基板10の相対向する一方の辺側の端縁まで延設して設けられている。また、セラミック基板10には、セラミック基板集合体20の外周部の焼成前のダミー部24(図2参照)部分に設けられためっき用導体パターン13(図4参照)を介して導体パターン11と、接続導体パターン12に、例えば、Niめっき被膜や、Auめっき被膜等の電解めっき被膜(図示せず)を有している。このセラミック基板10は、例えば、パッケージに電子部品を搭載し、この電子部品を気密に封止するために導体パターン11部分を段差のないろう材等のろう付け部とする電子部品の実装性に優れ、気密信頼性を高くできる蓋体等として用いている。
次いで、図2(A)、(B)、図3(A)、(B)、図4(A)、(B)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係るセラミック基板10の製造方法を説明する。ここで、図2(A)はセラミックグリーンシートの一方の主面側の平面図、図2(B)はセラミックグリーンシートの他方の主面側の平面図、図3(A)はセラミックグリーンシートの一方の主面側の平面図、C−C’線拡大縦断面図、D−D’線拡大縦断面図、一部拡大図、図3(B)はセラミックグリーンシートの他方の主面側の平面図、図4(A)はセラミック基板集合体の一方の主面側の平面図、一部拡大図、E−E’線拡大縦断面図、F−F’線拡大縦断面図、図4(B)はセラミック基板集合体の他方の主面側の平面図である。
図2(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係るセラミック基板10の製造方法には、1枚からなる、又は複数枚を積層してなるセラミックグリーンシート21が用いられている。このセラミックグリーンシート21を作製するためのセラミック基材は、特に材料が限定されるものではないが、耐熱性、耐絶縁性、耐摩耗性、耐気密性等の特性や、電気的特性に優れるAl2O3や、AlN等を用いることができる。セラミック基材に、例えば、Al2O3を用いる場合には、先ず、酸化アルミニウム粉末にマグネシア、シリカ、カルシア等の焼結助剤を適当量加えた粉末に、ジオクチフタレート等の可塑剤と、アクリル樹脂等のバインダー、及びトルエン、キシレン、アルコール類等の溶剤を加え、十分に混練して脱泡し、粘度2000〜40000cpsのスラリーを作製し、ドクターブレード法等によって所望の厚みのシート状にした後乾燥させ、所望の大きさの矩形状に切断している。そして、セラミックグリーンシート21の外周部には、焼成後に電解めっき被膜を形成するのに必要となる通電用の接続端子を形成するための複数個の貫通孔22等を打ち抜きプレスや、パンチングマシーン等で打ち抜いて成形している。また、このセラミックグリーンシート21には、焼成後にセラミック基板10となる所定の大きさの四角形からなる個片体が複数個マトリックス状に配列する集合体23と、この集合体23の外周にダミー部24が設けられるようになっている。
上記のセラミックグリーンシート21の一方の主面には、焼成後にそれぞれのセラミック基板10の導体パターン11となる導体印刷パターン25を設けている。また、セラミックグリーンシート21の一方の主面には、導体印刷パターン25間を接続して焼成後に電気的に導通状態とするための接続導体パターン12となる接続導体印刷パターン26をそれぞれの個片体の相対向する一方の辺側に連続するようにして設けている。更に、セラミックグリーンシート21の一方の主面には、ダミー部24に接続導体印刷パターン26から延設して接続する焼成後にめっき用導体パターン13となるめっき用導体印刷パターン27を設けている。これらの導体印刷パターン25、接続導体印刷パターン26、及びめっき用導体印刷パターン27は、セラミックグリーンシート21と同時焼成が可能なタングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の高融点金属からなる導体ペーストと、全てのパターンを備えたマスクから形成されたスクリーン版を用いて一度にスクリーン印刷を行って形成している。なお、貫通孔22の壁面には、上記と同様の導体ペーストを用いて導体膜28をスクリーン印刷で形成し、更に、この導体膜28をめっき用導体印刷パターン27と接続させている。
次に、図3(A)、(B)に示すように、セラミックグリーンシート21には、導体印刷パターン25、接続導体印刷パターン26、及びめっき用導体印刷パターン27が形成された一方の主面に集合体23から個片体の複数個が短冊状に連結し、焼成後に接続導体パターン12となる接続導体印刷パターン26と平行する焼成後に第1の分割用溝14(図4参照)となる第1の押圧溝29を押圧刃で押圧して設けている。また、セラミックグリーンシート21の他方の主面には、一方の主面側の第1の押圧溝29と相対向する焼成後に第2の分割用溝15(図4参照)となる第2の押圧溝30と、集合体23から個片体に区画する第2の押圧溝30に直交する焼成後に第3の分割用溝16(図4参照)となる第3の押圧溝31を押圧刃で押圧して設けている。
なお、セラミックグリーンシート21の一方の主面には、第1の押圧溝29の形成によってめっき用導体印刷パターン27に断線する部分が発生するので、第1の押圧溝29形成部分のめっき用導体印刷パターン27上に焼成後に繋ぎ導体パターン17(図4参照)となる繋ぎ導体印刷パターン32を形成して断線を修復させている。しかしながら、この後付の繋ぎ導体印刷パターン32は、焼成後の個片体の導体パターン11や、接続導体パターン12に何ら影響を及ぼすものではないので、電子部品の実装信頼性の低下や、気密信頼性の低下の発生を起こさせる原因となるものではない。また、上記のセラミックグリーンシート21は、壁面に導体膜28を設けた貫通孔22を横断させるように切断して焼成後にめっき導通用端子取り付け部18(図4参照)となる電解めっき被膜を形成するための通電用の端子を引っかけるのに用いる接続端子用切り欠き部33を形成している。
次に、図4(A)、(B)に示すように、上記のセラミックグリーンシート21は、還元雰囲気中の高温(セラミック基材がAl2O3の場合には約1550℃程度)で高融点金属と同時焼成してセラミック基板集合体20を作製している。セラミック基板集合体20は、この焼成で、セラミックグリーンシート21から約27%程度収縮している。そして、この焼成によって、セラミック基板集合体20の一方の主面には、導体パターン11、接続導体パターン12、めっき用導体パターン13、繋ぎ導体パターン17等、及び、第1の分割用溝14を設けている。また、この焼成によって、セラミック基板集合体20の他方の主面には、第2の分割用溝15と、第3の分割用溝16を設けている。更に、この焼成によって、セラミック基板集合体20の側面には、めっき導通用端子取り付け部18を設けている。次に、セラミック基板集合体20は、めっき導通用端子取り付け部18に電解めっき用ラックの端子を引っかけて取り付け、めっき浴中に浸漬させ、めっき用導体パターン13及び接続導体パターン12を介して導体パターン11に通電させて外表面に露出する高融点金属からなる全てのパターンに電解めっき被膜(図示せず)を設けている。この電解めっき被膜は、特に種類を限定するものではないが、例えば、電解Niめっき被膜や、電解Auめっき被膜等がある。
電解めっき被膜を形成した上記のセラミック基板集合体20は、第1の分割用溝14とこれと相対向して他方の主面に設けられた第2の分割用溝15、あるいは、他方の主面のみに設けられた第3の分割用溝16で分割して短冊状とし、更に、短冊状から個片体に分割してセラミック基板10に作製している。
ここで、上記のセラミック基板10の製造方法において、セラミック基板集合体20に形成する第1、第2、第3の分割用溝14、15、16は、セラミック基板集合体20の厚さをa、第1の分割用溝14の深さをb、第2の分割用溝15の深さをc、第3の分割用溝16の深さをdとする場合に、d≧a/2で、且つ、b+c≧d>cとして設けられているのがよい。セラミック基板集合体20の一方の主面のみにしか設けない第3の分割用溝16の深さは、セラミック基板集合体20の厚さの半分以上と深くなっていると共に、第1の分割用溝14の深さと、第2の分割用溝15の深さを合計した深さと同等程度で、しかも、第3の分割用溝16の深さより深くなっている。このセラミック基板集合体20は、分割する時に容易に正常な形状に分割できて分割性がよく、バリや、カケや、形状不良等の分割不良を発生させることなくセラミック基板10を作製することができる。
本発明は、例えば、半導体素子や、水晶振動子等の電子部品を気密信頼性と、実装信頼性を高くして収納し、小型で、高信頼性が要求される各種電子装置に組み込まれて用いることができるセラミック基板の製造方法として利用することができる。
10:セラミック基板、11:導体パターン、12:接続導体パターン、13:めっき用導体パターン、14:第1の分割用溝、15:第2の分割用溝、16:第3の分割用溝、17:繋ぎ導体パターン、18:めっき導通用端子取り付け部、20:セラミック基板集合体、21:セラミックグリーンシート、22:貫通孔、23:集合体、24:ダミー部、25:導体印刷パターン、26:接続導体印刷パターン27:めっき用導体印刷パターン、28:導体膜、29:第1の押圧溝、30:第2の押圧溝、31:第3の押圧溝、32:繋ぎ導体印刷パターン、33:接続端子用切り欠き部
Claims (2)
- 所定の大きさの四角形からなる個片体が複数個マトリックス状に配列する集合体と、該集合体の外周にダミー部を設けるセラミックグリーンシートに前記個片体に区画し、焼成して前記個片体に分割するための分割用溝を設けるセラミック基板集合体の一方の主面のそれぞれの前記個片体に設けた導体パターンを含む全てのパターンに電解めっき被膜を設け、前記分割用溝で分割するセラミック基板の製造方法において、
前記セラミックグリーンシートの前記一方の主面に焼成後に前記導体パターンとなる導体印刷パターンと、該導体印刷パターン間を接続して電気的に導通状態とするための前記個片体の相対向する一方の辺側で連続する焼成後に接続導体パターンとなる接続導体印刷パターンと、前記セラミックグリーンシートの前記ダミー部に前記接続導体印刷パターンから延設して接続する焼成後にめっき用導体パターンとなるめっき用導体印刷パターンを高融点金属からなる導体ペーストを用いてスクリーン印刷して設ける工程と、
前記セラミックグリーンシートの前記一方の主面に、前記集合体から前記個片体の複数個が短冊状に連結して前記接続導体印刷パターンと平行する焼成後に第1の分割用溝となる第1の押圧溝と、前記セラミックグリーンシートの他方の主面に、前記第1の押圧溝と相対向する焼成後に第2の分割用溝となる第2の押圧溝と、該第2の押圧溝に直交して前記集合体から前記個片体に区画する焼成後に第3の分割用溝となる第3の押圧溝を押圧刃で押圧して設ける工程と、
前記セラミックグリーンシートと前記高融点金属を同時焼成して前記セラミック基板集合体を設け、該セラミック基板集合体をめっき浴中に浸漬させて前記めっき用導体パターン及び前記接続導体パターンを介して前記導体パターンに通電させて全てのパターンに前記電解めっき被膜を設けた後、前記第1、第2の分割用溝と、前記第3の分割用溝で分割して前記個片体のセラミック基板を形成する工程を有することを特徴とするセラミック基板の製造方法。 - 請求項1記載のセラミック基板の製造方法において、前記セラミック基板集合体に形成する前記第1、第2、及び第3の分割用溝が前記セラミック基板集合体の厚さa、前記第1の分割用溝の深さb、前記第2の分割用溝の深さc、及び前記第3の分割用溝の深さdとする場合に、d≧a/2、且つ、b+c≧d>cとして設けられることを特徴とするセラミック基板の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007219197A JP2009054742A (ja) | 2007-08-27 | 2007-08-27 | セラミック基板の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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TWI423747B (zh) * | 2010-12-31 | 2014-01-11 | Zhen Ding Technology Co Ltd | 電路板分板方法 |
US8941017B2 (en) | 2010-01-18 | 2015-01-27 | Seiko Epson Corporation | Electronic apparatus, method of manufacturing substrate, and method of manufacturing electronic apparatus |
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2007
- 2007-08-27 JP JP2007219197A patent/JP2009054742A/ja active Pending
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