JP2014172100A - 押圧溝形成用スリット刃及びセラミックパッケージの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】分割溝の分割性がよく、分割面に抉れや、出っ張りの発生がない、気密信頼性の高いセラミックパッケージが作製できる押圧溝形成用スリット刃及びセラミックパッケージの製造方法を提供する。
【解決手段】電子部品素子収容用の凹部25を設けるセラミックパッケージ20が複数個配列する集合体22と、この外周囲にダミー部23を有する集合体基板21からダミー部23を取り除くための、及び個片体にするための分割溝24を設けるために、未焼成からなる積層体32に押圧溝34を形成するための押圧溝形成用スリット刃10において、押圧溝34の深さの全てとなる刃幅を備える断面視する板厚の中心線に対して左右対称の折れ線状の切り刃11と、押圧溝34周辺を押圧できる断面視する板厚の中心線に対して左右対称に切り刃11のそれぞれの終端部12から水平に延設する押圧面を備える押圧部13を有する。
【選択図】図1
【解決手段】電子部品素子収容用の凹部25を設けるセラミックパッケージ20が複数個配列する集合体22と、この外周囲にダミー部23を有する集合体基板21からダミー部23を取り除くための、及び個片体にするための分割溝24を設けるために、未焼成からなる積層体32に押圧溝34を形成するための押圧溝形成用スリット刃10において、押圧溝34の深さの全てとなる刃幅を備える断面視する板厚の中心線に対して左右対称の折れ線状の切り刃11と、押圧溝34周辺を押圧できる断面視する板厚の中心線に対して左右対称に切り刃11のそれぞれの終端部12から水平に延設する押圧面を備える押圧部13を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、セラミック基体と、セラミック枠体で形成される凹部に、半導体素子や、圧電振動片等の電子部品素子を収納するための小型化された個片体のセラミックパッケージを作製するために、未焼成のセラミックグリーンシートの積層体に個片体にするための押圧溝を形成するのに用いられる押圧溝形成用スリット刃と、これを用いて作製されるセラミックパッケージの製造方法に関する。
近年、半導体素子や、圧電振動片等の電子部品素子を収納させるためのセラミックパッケージは、電子部品素子を収納させた装置、例えば、携帯電話や、パソコン等の小型化、高信頼性化等の要求に伴い、ますます小型化、高信頼性化等への対応が求められている。これに対応するために、セラミックパッケージは、気密信頼性の高いアルミナ(Al2O3)等のセラミック製からなる電子部品素子を載置するための底板となるセラミック基体と、電子部品素子を囲繞するためのセラミック基体の外周部に一体的に設けるセラミック枠体で形成される凹部に電子部品素子が収納されるようになっている。
上記のセラミックパッケージは、通常、平板状のセラミック基体の下面に、タングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の高融点金属からなるメタライズパターンと、その上面にNi及びAuめっきからなるめっき被膜が形成された外部接続端子パッドを備えている。また、セラミックパッケージは、セラミック基体の上面に、上記と同様の高融点金属からなるメタライズパターンと、その上面に上記と同様のめっき被膜が形成された電子部品素子接続用パッドを備えている。更に、セラミックパッケージは、通常、額縁状のセラミック枠体の上面に、上記と同様のメタライズパターンとその上面にNiめっき被膜が形成された金属枠体接合用パッドを備え、この金属枠体接合用パッドとの間にAgCuろうを介してろう付け接合するセラミックと熱膨張係数が近似するKV(Fe−Ni−Co系合金、商品名「Kover(コバール)」)や、42アロイ(Fe−Ni系合金)等からなる金属枠体を備えている。
上記のような、従来のセラミックパッケージは、パッケージの小型化に伴い、個片体のパッケージの複数個が縦横方向にマトリックス状に隣接して配列するようにした集合体と、この集合体の外周囲にダミー部を設けた集合体基板として形成されるようになっている。そして、個片体のセラミックパッケージは、集合体基板からダミー部を取り除くのと、集合体から個片体にするために、セラミック枠体の枠幅間を通過するように設ける分割溝で分割することで形成されるようになっている。この分割溝を作製するには、焼成前のセラミックグリーンシートの積層体に長尺のスリット刃を圧入させて押圧溝を形成し、セラミックグリーンシートを焼成することで形成している。この積層体は、それぞれの個片体のパッケージ用としての電子部品素子を収納するための深い凹部用の空間部を備えていると共に、それぞれのセラミック枠体用の枠幅が狭小となっている。押圧溝は、このような隣接する狭小なセラミック枠体用の土手部上面を通過するように押圧して設けるために、鋭利な切り刃の長尺のスリット刃で長くて深い押圧溝を設けるようにしている。また、分割溝は、分割溝で分割して個片体にしたときの個片体のパッケージの外形形状にバリや、凹みや、クラック等の発生を防止するために、通常、積層体の下面側の、上記の上面側に設ける押圧溝に対向させた位置にも、長い押圧溝を設けるようにしている。
しかしながら、上記の押圧溝を設けた積層体を焼成して形成された集合体の分割溝は、テーパ角度の小さい鋭利な切り刃の長尺のスリット刃で設けた深くて長い押圧溝を設けることで、焼成前に押圧溝が塞がると共に、焼成することで分割溝壁面同士のセラミックの溶着が発生し、分割溝で分割したときに分割面に抉れや、出っ張り、クラック等が発生して外形寸法不良や、パッケージとしての気密信頼性の低下となっている。また、集合体の分割溝は、この焼成前の押圧溝の塞がりを防止すると共に、焼成後の分割溝壁面同士のセラミックの溶着を防止するために、テーパ角度の大きい切り刃のスリット刃で押圧溝を設ける場合には、凹部となる空間部内に壁面が極端に倒れ込むようになり、外形寸法不良や、凹部内への電子部品素子の収納ができなくなっている。
そこで、従来のセラミックパッケージの製造方法で用いられる押圧溝形成用スリット刃には、長手方向一方の端部に沿って切り刃を設け、その先端を複数個の個片体が配列する集合体からなるセラミックグリーンシート積層体の表面に押し当てて押圧溝を形成した後、これを焼成して分割溝を設けるための押圧溝を形成するのに用いられる押圧溝形成用スリット刃において、切り刃先端が断面視して厚み方向中心線上に設けられ、そこから長方形状板体のそれぞれの上面に延設する刃面の中心線に対するそれぞれの角度が10°以上の差を有する異なる角度からなると共に、切り刃の先端部の全体の角度が10°を超え、60°以下からなり、所望する部位の押圧溝を形成するのに用いられるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来のセラミックパッケージの製造方法には、分割後に多数の配線基板となり、第1の主面側に開口する電子部品搭載用の凹部を備えた配線基板領域が形成された未焼成セラミック大判(積層体)に、所定の厚さを有する板状部と、所定の刃先角を有する先端部と、板状部と先端部との間に位置し、先端部の刃先角より小さいテーパ角を有する中間部と、を有する第1溝形成刃を中間部まで第1主面側から差し入れて第1ブレーク溝を形成するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前述したような従来のセラミックパッケージの製造方法は、次のような問題がある。
(1)特開2009−196285号公報で開示されるような押圧溝形成用スリット刃は、積層体のセラミック枠体側の土手部に2本の押圧溝を形成する場合には、それぞれの凹部となる空間部内に壁面が倒れ込むのを防止できる。しかしながら、この押圧溝形成用スリット刃は、土手部幅の中央部に1本の押圧溝を形成した分割溝で分割して個片体する場合には、押圧溝形成用スリット刃を断面視する板厚の中心線に対する切り刃のテーパ角度が大きい側の壁面が凹部となる空間部内に倒れ込むようになると共に、セラミック枠体の上面が傾斜した状態となっている。これによって、セラミックパッケージは、電子部品素子を凹部内に収納させることが難しくなると共に、セラミック枠体の上面に金属枠体を接合させることや、セラミック枠体の上面に直接蓋体を接合させることが難しくなっている。また、このセラミックパッケージは、蓋体で封止したとしても、気密信頼性の低いパッケージとなっている。
(2)特許第4740404号公報で開示されるようなセラミックパッケージの製造方法は、2段切り刃からなるスリット刃で押圧溝を形成することで、焼成前の押圧溝の塞がりを防止できて、焼成後の分割溝壁面同士のセラミックの溶着を防止できるものの、切り刃からなるスリット刃によって、押圧溝幅が広がることで、凹部壁面が凹部内に倒れ込むようになると共に、セラミック枠体の上面が傾斜した状態となっている。これによって、セラミックパッケージは、電子部品素子を凹部内に収納させることが難しくなると共に、セラミック枠体の上面に金属枠体を接合させることや、セラミック枠体の上面に直接蓋体を接合させることが難しくなっている。そして、このセラミックパッケージは、例え、凹部内に電子部品素子を収納できたとして蓋体で封止したとしても、気密信頼性の高い封止が難しくなっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、分割溝の分割性がよく、分割面に抉れや、出っ張りの発生がない、気密信頼性の高いセラミックパッケージが作製できる押圧溝形成用スリット刃及びセラミックパッケージの製造方法を提供することを目的とする。
(1)特開2009−196285号公報で開示されるような押圧溝形成用スリット刃は、積層体のセラミック枠体側の土手部に2本の押圧溝を形成する場合には、それぞれの凹部となる空間部内に壁面が倒れ込むのを防止できる。しかしながら、この押圧溝形成用スリット刃は、土手部幅の中央部に1本の押圧溝を形成した分割溝で分割して個片体する場合には、押圧溝形成用スリット刃を断面視する板厚の中心線に対する切り刃のテーパ角度が大きい側の壁面が凹部となる空間部内に倒れ込むようになると共に、セラミック枠体の上面が傾斜した状態となっている。これによって、セラミックパッケージは、電子部品素子を凹部内に収納させることが難しくなると共に、セラミック枠体の上面に金属枠体を接合させることや、セラミック枠体の上面に直接蓋体を接合させることが難しくなっている。また、このセラミックパッケージは、蓋体で封止したとしても、気密信頼性の低いパッケージとなっている。
(2)特許第4740404号公報で開示されるようなセラミックパッケージの製造方法は、2段切り刃からなるスリット刃で押圧溝を形成することで、焼成前の押圧溝の塞がりを防止できて、焼成後の分割溝壁面同士のセラミックの溶着を防止できるものの、切り刃からなるスリット刃によって、押圧溝幅が広がることで、凹部壁面が凹部内に倒れ込むようになると共に、セラミック枠体の上面が傾斜した状態となっている。これによって、セラミックパッケージは、電子部品素子を凹部内に収納させることが難しくなると共に、セラミック枠体の上面に金属枠体を接合させることや、セラミック枠体の上面に直接蓋体を接合させることが難しくなっている。そして、このセラミックパッケージは、例え、凹部内に電子部品素子を収納できたとして蓋体で封止したとしても、気密信頼性の高い封止が難しくなっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、分割溝の分割性がよく、分割面に抉れや、出っ張りの発生がない、気密信頼性の高いセラミックパッケージが作製できる押圧溝形成用スリット刃及びセラミックパッケージの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る押圧溝形成用スリット刃は、電子部品素子を収容するための凹部を設ける個片体のセラミックパッケージが縦横方向に隣接して複数個配列する集合体と、集合体の外周囲にダミー部を有する集合体基板からダミー部を取り除くための、及び集合体から個片体にするための分割溝を設けるために、未焼成からなる複数枚のセラミックグリーンシートの積層体に刃先を押圧させて押圧溝を形成するための長尺からなる押圧溝形成用スリット刃において、押圧溝の深さの全てとなる刃幅を備える断面視する板厚の中心線に対して左右対称の折れ線状の切り刃と、押圧溝周辺を押圧できる断面視する板厚の中心線に対して左右対称に切り刃のそれぞれの終端部から水平に延設する押圧面を備える押圧部を有する。
上記の押圧溝形成用スリット刃は、切り刃は、断面視する先端部の1段目のテーパ角度が30〜50°で、1段目から延設する2段目のテーパ角度より鈍角の山なり2段形状からなると共に、押圧部は、断面視する板厚の中心線に対して左右のそれぞれの幅寸法がそれぞれの個片体の凹部となる上縁周辺の土手部の幅寸法以上からなるのがよい。
前記目的に沿う本発明に係るセラミックパッケージの製造方法は、電子部品素子を載置するための底板となるセラミック基体と、電子部品素子を囲繞するためのセラミック基体の外周部に一体的に設けるセラミック枠体で形成される凹部に電子部品素子を収容するための個片体のセラミックパッケージが縦横方向に複数個配列する集合体と、集合体の外周囲にダミー部を設ける集合体基板に形成される分割溝で分割して個片体を形成するセラミックパッケージの製造方法において、集合体基板用の複数枚のセラミックグリーンシートを準備する工程と、セラミックグリーンシートのそれぞれに所望の貫通孔を形成し、所望のメタライズ印刷パターンを形成した後、全てのセラミックグリーンシートを重ね合わせ、加熱しながら加圧して上面側に複数の凹部用の空間部が配列する集合体用と、外周囲にダミー部用とを備える集合体基板用の積層体を形成する工程と、積層体の上、下面の少なくともセラミック枠体側のメタライズ印刷パターンが形成された凹部となる上縁周辺の土手部上面を通過するように、断面視する板厚の中心線に対して左右対称の折れ線状の切り刃と、土手部上面を押圧できる断面視する板厚の中心線に対して左右対称に切り刃のそれぞれの終端部から水平に延設する押圧面を備える押圧部を設ける長尺の押圧溝形成用スリット刃の先端を当接させて押圧し、切り刃の全てを積層体内に挿入させながら押圧部で積層体上面を押圧後、押圧溝形成用スリット刃を引き抜いて土手部からダミー部となる位置まで延設する押圧溝と、押圧溝周辺に平滑面を形成する工程と、積層体を焼成して集合体基板に分割溝を形成する工程を有する。
上記のセラミックパッケージの製造方法は、切り刃が断面視する先端部の1段目のテーパ角度が30〜50°で、1段目から延設する2段目のテーパ角度より鈍角の山なり2段形状からなり、押圧部が断面視する板厚の中心線に対して左右のそれぞれの幅寸法がそれぞれの個片体の凹部となる上縁周辺の土手部の幅寸法以上からなる長尺の押圧溝形成用スリット刃で押圧して積層体のセラミック枠体となる側の土手部を通過する第1の押圧溝と、第1の押圧溝周辺の土手部上面に平滑面を形成すると共に、積層体の底面の第1の押圧溝に対向する位置に、断面視する板厚の中心線に対して切り刃形状が左右対称の直線状切り刃からなる長尺のV字スリット刃で押圧して第1の押圧溝の深さ以下の深さからなる第2の押圧溝を形成するのがよい。
上記本発明の押圧溝形成用スリット刃は、押圧溝の深さの全てとなる刃幅を備える断面視する板厚の中心線に対して左右対称の折れ線状の切り刃と、押圧溝周辺を押圧できる断面視する板厚の中心線に対して左右対称に切り刃のそれぞれの終端部から水平に延設する押圧面を備える押圧部を有するので、積層体のセラミック枠体側のメタライズ印刷パターンが形成された土手部に切り刃の全てが挿入するまで押圧して押圧溝が形成できると共に、土手部の上面を押圧部で押圧して平滑面が形成でき、押圧溝稜線部の上面周辺部の盛り上がりや、焼成前の壁面同士の溶着、及び凹部用の空間部壁面が空間部内に倒れ込むのを防止でき、焼成後に分割溝で分割して形成する個片体の外周囲の抉れや、出っ張り、クラック等の発生を防止できると共に、セラミック枠体の上面の盛り上がりや、傾斜が防止できるセラミックパッケージ作製用としての押圧溝形成用スリット刃を提供できる。また、この押圧溝形成用スリット刃を用いたセラミックパッケージのセラミック枠体の上面は、平滑面であることからセラミック枠体の上面に金属枠体を接合させることや、セラミック枠体の上面に直接蓋体を接合させることが容易となり、凹部内に電子部品素子を容易に収納できて、気密信頼性の高い封止ができるセラミックパッケージ作製用として用いることができる。
特に、上記の押圧溝形成用スリット刃は、切り刃は、断面視する先端部の1段目のテーパ角度が30〜50°で、1段目から延設する2段目のテーパ角度より鈍角の山なり2段形状からなると共に、押圧部は、断面視する板厚の中心線に対して左右のそれぞれの幅寸法がそれぞれの個片体の凹部となる上縁周辺の土手部の幅寸法以上からなるので、切り刃の先端部の1段目のテーパ角度が30〜50°で、1段目から延設する2段目のテーパ角度より大きく、積層体のセラミック枠体側のメタライズ印刷パターンが形成された土手部に切り刃の全てを押し込んで押圧溝を形成しても、1段目のテーパ角度が30〜50°の範囲で刃先の先端のセラミックに亀裂や、クラック等の発生を防止できると共に、押圧溝壁面同士の溶着を防止することができるセラミックパッケージ作製用としての押圧溝形成用スリット刃を提供できる。また、この押圧溝形成用スリット刃を用いたセラミックパッケージのセラミック枠体の上面は、セラミック枠体の上面を覆うことができる押圧部によって平滑面とすることができ、焼成後のセラミック枠体の上面に金属枠体を接合させることや、セラミック枠体の上面に直接蓋体を接合させることが容易となり、凹部内に電子部品素子を容易に収納して気密信頼性の高い封止ができるセラミックパッケージ作製用として用いることができる。
上記本発明のセラミックパッケージの製造方法は、集合体基板用の複数枚のセラミックグリーンシートを準備する工程と、セラミックグリーンシートのそれぞれに所望の貫通孔を形成し、所望のメタライズ印刷パターンを形成した後、全てのセラミックグリーンシートを重ね合わせ、加熱しながら加圧して上面側に複数の凹部用の空間部が配列する集合体用と、外周囲にダミー部用とを備える集合体基板用の積層体を形成する工程と、積層体の上、下面の少なくともセラミック枠体側のメタライズ印刷パターンが形成された凹部となる上縁周辺の土手部上面を通過するように、断面視する板厚の中心線に対して左右対称の折れ線状の切り刃と、土手部上面を押圧できる断面視する板厚の中心線に対して左右対称に切り刃のそれぞれの終端部から水平に延設する押圧面を備える押圧部を設ける長尺の押圧溝形成用スリット刃の先端を当接させて押圧し、切り刃の全てを積層体内に挿入させながら押圧部で積層体上面を押圧後、押圧溝形成用スリット刃を引き抜いて土手部からダミー部となる位置まで延設する押圧溝と、押圧溝周辺に平滑面を形成する工程と、積層体を焼成して集合体基板に分割溝を形成する工程を有するので、積層体のセラミック枠体側のメタライズ印刷パターンが形成された土手部に、上面から押圧溝形成用スリット刃の切り刃の全てを押し込んで押圧溝が形成されると共に、上面を押圧溝形成用スリット刃の押圧部で押圧して平滑面が形成され、押圧溝形成用スリット刃を引き抜いたときの押圧溝稜線部の上面周辺部の盛り上がりや、焼成前の押圧溝壁面同士の溶着、及び凹部用の空間部壁面の空間部内への倒れ込みを防止して焼成でき、個片体としたときに外周囲の抉れや、出っ張り、クラック等の発生を防止できると共に、セラミック枠体の上面の盛り上がりや、傾斜が防止できるセラミックパッケージの製造方法を提供できる。また、焼成後のセラミック枠体の上面は、平坦にできるので、セラミック枠体の上面に金属枠体を接合させることや、セラミック枠体の上面に直接蓋体を接合させることが容易となり、凹部内に電子部品素子を容易に収納できて、気密信頼性の高い封止ができるセラミックパッケージの製造方法を提供できる。
特に、上記のセラミックパッケージの製造方法は、切り刃が断面視する先端部の1段目のテーパ角度が30〜50°で、1段目から延設する2段目のテーパ角度より鈍角の山なり2段形状からなり、押圧部が断面視する板厚の中心線に対して左右のそれぞれの幅寸法がそれぞれの個片体の凹部となる上縁周辺の土手部の幅寸法以上からなる長尺の押圧溝形成用スリット刃で押圧して積層体のセラミック枠体となる側の土手部を通過する第1の押圧溝と、第1の押圧溝周辺の土手部上面に平滑面を形成すると共に、積層体の底面の第1の押圧溝に対向する位置に、断面視する板厚の中心線に対して切り刃形状が左右対称の直線状切り刃からなる長尺のV字スリット刃で押圧して第1の押圧溝の深さ以下の深さからなる第2の押圧溝を形成するので、押圧溝形成用スリット刃の切り刃の1段目のテーパ角度が30〜50°と大きいと共に、1段目から延設する2段目のテーパ角度より鈍角、すなわち2段目のテーパ角度は1段目より鋭角とすることで、切り刃の全てを押し込んだ土手部の第1の押圧溝における溶着の大きい先端部の溶着を解消できると共に、押圧溝形成用スリット刃の押圧部を左右の先端間の幅寸法が凹部間の土手部の幅寸法以上からなるようにすることで、土手部の上面の全ての部分を平滑面とすることができ、セラミック枠体の上面に金属枠体を接合させることや、セラミック枠体の上面に直接蓋体を接合させることが容易となり、凹部内に電子部品素子を容易に収納できて、気密信頼性の高い封止ができるセラミックパッケージの製造方法を提供できる。また、このセラミックパッケージの製造方法では、押圧溝形成用スリット刃の切り刃で第1の押圧溝の深さの中間部で溝幅を広げ、上方部で溝幅が広くならないようにしながら、押圧溝形成用スリット刃の押圧部で土手部壁面の空間部側への傾斜を防止すると共に、下面に設けるV字スリット刃による浅い第2の押圧溝によって、個片体にするための良好な分割性を確保することができるセラミックパッケージの製造方法を提供できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施するための形態について説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る押圧溝形成用スリット刃10は、個片体のセラミックパッケージ20(図2(A)、(B)参照)が縦横方向にマトリックス状に複数個配列する集合体22と、この集合体22の外周部にダミー部23とを設ける集合体基板21(図2(B)参照)に、集合体基板21からダミー部23を取り除くためと、集合体22から個片体のセラミックパッケージ20にするための分割溝24を設けるために用いられるようになっている。この分割溝24は、未焼成からなる複数枚のセラミックグリーンシートの積層体32に押圧溝形成用スリット刃10の刃先を押圧させることで押圧溝34を形成した後、積層体32を焼成することで集合体基板21に形成されることとなっている。また、分割溝24で分割される個片体のセラミックパッケージ20には、半導体素子や、圧電振動片等の電子部品素子を収納するための凹部25が設けられている。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る押圧溝形成用スリット刃10は、個片体のセラミックパッケージ20(図2(A)、(B)参照)が縦横方向にマトリックス状に複数個配列する集合体22と、この集合体22の外周部にダミー部23とを設ける集合体基板21(図2(B)参照)に、集合体基板21からダミー部23を取り除くためと、集合体22から個片体のセラミックパッケージ20にするための分割溝24を設けるために用いられるようになっている。この分割溝24は、未焼成からなる複数枚のセラミックグリーンシートの積層体32に押圧溝形成用スリット刃10の刃先を押圧させることで押圧溝34を形成した後、積層体32を焼成することで集合体基板21に形成されることとなっている。また、分割溝24で分割される個片体のセラミックパッケージ20には、半導体素子や、圧電振動片等の電子部品素子を収納するための凹部25が設けられている。
上記の押圧溝形成用スリット刃10は、押圧溝34の深さの全てとなる刃幅wを備える断面視する板厚の中心線に対して左右対称の折れ線状の切り刃11を有している。この折れ線状の切り刃11は、断面視する板厚の中心線に対してのテーパ角度が刃先部分の1段目のテーパ角度より上方に行くにしたがって鋭角となる、すなわち、外側面に向かって山なりのように折れ曲がっている。また、この折れ線状の切り刃11は、特に、切り刃11の途中での折れ曲がりの回数を限定するものではないが、通常、切り刃11の途中の1箇所で折れ曲がる2段切り刃からなるものが好ましい。この切り刃11では、刃幅wの全てがセラミックグリーンシートの積層体32に押し込まれることで、押圧溝34が形成されるようになっている。
上記の押圧溝形成用スリット刃10は、押圧溝34周辺を押圧できる断面視する板厚の中心線に対して左右対称に切り刃11のそれぞれの終端部12から水平に延設する押圧面を備える押圧部13を有している。この押圧部13では、押圧溝34周辺部の積層体32の上面を押圧面で押圧して、積層体32の上面に平滑面が形成できるようになっている。上記の押圧溝形成用スリット刃10は、長尺で所望の板厚の板体の長手方向の一方の端部に断面視する板厚の中心線に対して左右対称になるように切り刃11を作製すると共に、切り刃11のそれぞれの終端部12から水平に延設する押圧面を設けるようにして押圧部13を形成している。なお、断面視する押圧部13の上方部は、その形状を限定するものではなく、長尺で所望の板厚の板体がそのまま延設するものであってもよく、あるいは、鍔状のものであってもよい。また、切り刃11と押圧部13との境界である終端部12は、断面視する形状を限定するものではないが、押圧溝34上方縁部に角部を広げるように押さえ込んで、焼成後の分割溝24上方縁部の融着や、めっき被膜形成時のめっきブリッジの発生を防止できるようにするために、アール(R)形状とするのが好ましい。更に、押圧溝形成用スリット刃10は、特に、これを作製するための材料や、加工方法を限定するものではないが、通常、セラミックグリーンシートの積層体32に押圧溝34を形成することから耐磨耗性の高い超硬合金であるタングステンカーバイト(WC)を用いて放電加工によって、折れ線状の切り刃11や、押圧部13を形成している。
上記の押圧溝形成用スリット刃10の切り刃11は、断面視する先端部の1段目のテーパ角度が30〜50°で、この1段目から延設する2段目のテーパ角度より鈍角の山なり2段形状からなるのがよい。この切り刃11の1段目のテーパ角度は、30〜50°であることで、押圧溝34を、その先端部を適度に押し広げるようにして形成でき、先端部のクラックや、亀裂等の発生を防止しながら、先端部におけるセラミックグリーンシートの積層体32の溶着を防止し、焼成後の分割溝24のクラックや、壁面同士の融着を防止できる集合体基板21を作製することができる。なお、1段目のテーパ角度は、30°を下まわる場合には、先端が鋭利な刃先となって、押圧溝34の先端部であるセラミックグリーンシートの積層体32の先端部壁面同士が溶着し、焼成後の分割溝24の壁面同士の融着によって、分割溝24で分割した分割面に抉れや、出っ張り、クラック等が発生してパッケージとしての外形寸法不良や、気密信頼性の低下を発生させることとなる。また、1段目のテーパ角度は、50°を上まわる場合には、先端が鈍角な刃先となりすぎ、刃先に沿ってセラミックにクラックや、亀裂等を発生させることとなって、気密信頼性の低下を発生させることとなる。
上記の押圧溝形成用スリット刃10は、切り刃11が1段目のテーパ角度が30〜50°で、2段目のテーパ角度より鈍角の山なり2段形状からなると共に、押圧部13は、断面視する板厚の中心線に対して左右のそれぞれの幅寸法がそれぞれの個片体の凹部25となる上縁周辺の土手部34の幅寸法以上からなるのがよい。この押圧部13は、それぞれの幅寸法が個片体の凹部25となる上縁周辺の土手部34の幅寸法以上からなることで、押圧溝34が形成される方向の土手部34上面の全体を押圧でき、切り刃11による凹部25となる空間部31壁面の空間部31内側への倒れ込みや、押圧溝34の上稜線部の盛り上がりを矯正しながら土手部34上面を平坦面にできる。そして、焼成後には、凹部25の大きさが確保でき、凹部25内に電子部品素子を容易に収納できると共に、土手部26の上面が平坦で、蓋体を接合した後の気密信頼性を向上させることができる。
図2(A)に示すように、上記の個片体のセラミックパッケージ20は、それぞれに設けられている凹部25に半導体素子や、圧電振動片等の電子部品素子を載置するための、底板となる1又は複数層からなる四角形平板状のセラミック基体27を備えている。また、セラミックパッケージ20は、電子部品素子を囲繞するための、セラミック基体27の外周部上面に一体的に設ける1又は複数層からなる四角形額縁状のセラミック枠体28を備えている。このセラミックパッケージ20を構成するセラミック基材は、アルミナ(Al2O3)や、窒化アルミニウム(AlN)等からなっている。そして、セラミックパッケージ20は、セラミック基体27の上面を底部とし、セラミック枠体28の内周壁面で形成される凹部25に電子部品素子を収容し、セラミック枠体28の上面に設けられるタングステン(W)や、モリブデン(Mo)等からなる枠状のメタライズパターン(図示せず)にセラミック基材と熱膨張係数が近似するKV(Fe−Ni−Co系合金、商品名「Kover(コバール)」)や、42アロイ(Fe−Ni系合金)等からなる金属製蓋体を金錫ろう材等でろう付け接合して電子部品素子を気密に封止するために用いられている。
なお、セラミックパッケージ20には、上記のメタライズパターン以外に、図示しないが、セラミック基体27の下面に外部接続端子パッドや、上面に電子部品素子接続用パッドや、これらを電気的に導通状態とするための導体配線パターンが設けられている。そして、電子部品素子接続用パッドには、電子部品素子、例えば、圧電振動片がセラミック枠体28、及び金属枠体の内周壁面で囲繞されるようにして導電性樹脂接着剤等で接合されるようになっている。また、セラミックパッケージ20には、セラミック基体27と、セラミック枠体28の接合体の外周角部に切り欠き部(図示せず)が設けられている。更には、セラミックパッケージ20には、図示しないが、セラミック枠体28の上面に設けられるメタライズパターンに銀銅ろう材等でろう付け接合して設ける四角形額縁状のKVや、42アロイ等からなる金属枠体を備えるものもある。このセラミックパッケージ20の場合には、セラミック基体27の上面を底部とし、セラミック枠体28及び金属枠体の内周壁面で形成される凹部25に電子部品素子を収容し、金属枠体に上記と同様の金属製蓋体をシーム溶接して電子部品素子を気密に封止するために用いられている。
図2(B)に示すように、上記のセラミックパッケージ20は、個片体のセラミックパッケージ20が縦横方向に複数個がマトリックス状に配列する集合体22と、集合体22の外周囲にダミー部23を設ける大型の集合体基板21から形成されるようになっている。この集合体基板21には、両面の少なくとも凹部25の上縁外周部の土手部26上面の隣接する個片体となる境界、及びダミー部23との境界に分割溝24が縦方向と、横方向のそれぞれに設けられている。そして、個片体のセラミックパッケージ20は、この分割溝24で分割することで形成されるようになっている。なお、集合体基板21には、これを限定するものではないが、通常、両面のセラミック基体27の下面側にも分割溝24の深さと同等以下の深さからなる分割溝(図示せず)が縦方向と、横方向のそれぞれに設けられている。
次いで、図3(A)〜(D)を参照しながら本発明の一実施の形態に係るセラミックパッケージ20の製造方法を説明する。
図3(A)に示すように、このセラミックパッケージ20の製造方法では、集合体基板21用としてのそれぞれセラミック基体27用や、セラミック枠体28用の複数枚のセラミックグリーンシート30を準備している。このセラミックグリーンシート30は、セラミック基材にアルミナや、窒化アルミニウム等を用いることができ、特に材料が限定されるものではない。セラミックグリーンシート30は、例えば、セラミック基材にアルミナを用いる場合には、先ず、酸化アルミニウム粉末にマグネシア、シリカ、カルシア等の焼結助剤を適当量加えた粉末に、ジオクチフタレート等の可塑剤と、アクリル樹脂等のバインダー、及びトルエン、キシレン、アルコール類等の溶剤を加え、十分に混練しながら脱泡し、粘度2000〜40000cpsのスラリーを作製し、ドクターブレード法等によって所望の厚みのシート状にした後、乾燥させて形成している。そして、更に、セラミックグリーンシート30は、集合体22のセラミック基体27や、セラミック枠体28を形成するための所望の大きさの矩形状に切断して使用されるようになっている。
図3(A)に示すように、このセラミックパッケージ20の製造方法では、集合体基板21用としてのそれぞれセラミック基体27用や、セラミック枠体28用の複数枚のセラミックグリーンシート30を準備している。このセラミックグリーンシート30は、セラミック基材にアルミナや、窒化アルミニウム等を用いることができ、特に材料が限定されるものではない。セラミックグリーンシート30は、例えば、セラミック基材にアルミナを用いる場合には、先ず、酸化アルミニウム粉末にマグネシア、シリカ、カルシア等の焼結助剤を適当量加えた粉末に、ジオクチフタレート等の可塑剤と、アクリル樹脂等のバインダー、及びトルエン、キシレン、アルコール類等の溶剤を加え、十分に混練しながら脱泡し、粘度2000〜40000cpsのスラリーを作製し、ドクターブレード法等によって所望の厚みのシート状にした後、乾燥させて形成している。そして、更に、セラミックグリーンシート30は、集合体22のセラミック基体27や、セラミック枠体28を形成するための所望の大きさの矩形状に切断して使用されるようになっている。
そして、このセラミックパッケージ20の製造方法では、1又は複数枚からなるセラミック基体27用のセラミックグリーンシート30と、1又は複数枚からなるセラミック枠体28用のセラミックグリーンシート30のそれぞれの所望の位置に、所望の大きさからなる凹部25用の貫通孔(図示せず)や、上、下のセラミックグリーンシート30の表面に設けるメタライズ印刷パターン(図示せず)を電気的に導通状態とするためのビア導体用の貫通孔(図示せず)を形成している。そして、それぞれのセラミックグリーンシート30には、ビア導体用や、表面の所望の位置に、所望の形状のメタライズ印刷パターンを形成している。このメタライズ印刷パターンは、スクリーン印刷用のメタライズペーストに、通常、セラミック基材と還元雰囲気中の高温で同時焼成が可能なタングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の高融点金属を溶剤等で練り合わせたものを用いている。そして、メタライズ印刷パターンは、スクリーン印刷機に取り付けた所望のパターンが通過できるマスクを介してメタライズペーストを通過させてセラミックグリーンシート30に印刷している。
次に、図3(B)に示すように、このセラミックパッケージ20の製造方法では、メタライズ印刷パターンを形成したそれぞれ全てのセラミックグリーンシート30を所定の順序に重ね合わせ、所定の温度で加熱しながら 、所定の圧力で加圧して上面に複数の凹部25用の空間部31が縦横方向に配列する積層体32を形成している。なお、この積層体32は、凹部25用の空間部31の底面にも均一な圧力が掛かるようになっているので、後述する焼成後の集合体基板21の中の集合体22に設けるそれぞれのセラミック基体27に発生する変形や、反りを防止できるようにしている。
次に、図3(C)に示すように、このセラミックパッケージ20の製造方法では、積層体32の上、下面の少なくともセラミック枠体28側のメタライズ印刷パターンが形成された凹部25となる空間部31の上縁周辺の土手部34上面を通過するように、スリット刃の先端を当接させて押圧している。ここで用いるスリット刃は、前記の図1に示す押圧溝形成用スリット刃10を用いている。この押圧溝形成用スリット刃10は、断面視する板厚の中心線に対して左右対称の折れ線状の切り刃11と、積層体32の土手部34上面を押圧できる断面視する板厚の中心線に対して左右対称に切り刃11のそれぞれの終端部12から水平に延設する押圧面を備える押圧部13を設ける長尺からなっている。そして、積層体32には、この押圧溝形成用スリット刃10の刃先先端を土手部34上面を通過するように当接させて押圧し、切り刃11の全てを積層体32内に挿入させながら押圧部13で積層体32上面を押圧している。次いで、押圧後には、押圧溝形成用スリット刃10を積層体32から引き抜いて土手部34からダミー部23となる位置まで延設する押圧溝34と、押圧溝34周辺に平滑面を形成している。この押圧溝34は、押圧溝形成用スリット刃10の切り刃11が断面視して山なりの折れ線状であるので、先端部を押し広げるように形成でき、焼成前の押圧溝34の壁面同士の溶着を少なくして、後述する焼成後の分割溝24壁面同士のセラミックの融着を防止して分割面に抉れや、出っ張りの発生のない良好な分割性が得られるようになる。また、この押圧部13は、土手部34上面を平坦面としているので、後述する焼成後の凹部25の大きさが確保でき、凹部25内に電子部品素子を容易に収納できると共に、セラミック枠体28の上面に金属枠体を接合させることや、個片体に分割した後のセラミックパッケージ20のセラミック枠体28の上面に直接蓋体を接合させることが容易となり、蓋体を接合した後の気密信頼性を向上させることができる。
図3(D)に示すように、このセラミックパッケージ20の製造方法では、土手部34に押圧溝34と、平滑面を形成した積層体32を還元雰囲気中の高温でセラミックグリーンシート30と、メタライズ印刷パターンを構成する高融点金属を同時焼成して集合体基板21を形成している。そして、この集合体基板21には、個片体のセラミックパッケージ20が配列する集合体22から個片体に分割するための押圧溝34と、集合体22の外周囲に設けるダミー部23を除去するための押圧溝34と、が焼成されてなる分割溝24を設けている。この集合体基板21には、積層体32の下面側にも押圧溝(図示せず)が形成され、集合体基板21の下面側にも分割溝(図示せず)が設けられる場合もある。また、集合体基板21は、積層体32が焼成されることで、約27%ぐらい収縮されるようになっている。
上記の集合体基板21は、メタライズ印刷パターンが焼成されて形成される外部に露出するメタライズパターン上面にNiや、NiCoからなるNiめっき被膜、更にこの上面にAuめっき被膜が施された後、分割溝24で分割することで、個片体のセラミックパッケージ20が形成されるようになっている。あるいは、集合体基板21は、外部に露出するメタライズパターン上面にNiや、NiCoからなるNiめっき被膜を形成し、個片体となるセラミックパッケージ20の集合体22のそれぞれのセラミック枠体28の上面の上記のNiめっき被膜が施されたメタライズパターン上面に、セラミックと熱膨張係数が近似するKVや、42アロイ等からなる金属枠体を銀銅ろうでろう付け接合している。そして、更に、集合体基板21の外部に露出する金属部分には、Niや、NiCoからなるNiめっき被膜、この上面にAuめっき被膜が施された後、分割溝24で分割することで、ダミー部23が除去されると共に、セラミック枠体28の上面に金属枠体を備えた個片体のセラミックパッケージ20が形成されるようになっている。
上記のセラミックパッケージ20の製造方法では、切り刃11が断面視する先端部の1段目のテーパ角度が30〜50°で、1段目から延設する2段目のテーパ角度より鈍角の山なり2段形状からなり、押圧部13が断面視する板厚の中心線に対して左右のそれぞれの幅寸法がそれぞれの個片体の凹部25となる上縁周辺の土手部34の幅寸法以上からなる長尺の押圧溝形成用スリット刃10で押圧して積層体32のセラミック枠体28となる側の土手部34を通過する押圧溝34と、この押圧溝34周辺の土手部34上面に平滑面を形成するのが好ましい。そして、これと共に、上記のセラミックパッケージ20の製造方法では、積層体32の下面側には、図示しないが、上面側に形成される押圧溝34に対向する位置に、断面視する板厚の中心線に対して切り刃形状が左右対称の直線状切り刃からなる長尺のV字スリット刃で押圧して上面側押圧溝34の深さ以下の深さからなる下面側押圧溝を形成するのが好ましい。
上記の押圧溝形成用スリット刃10で形成される上面側の押圧溝34は、切り刃11の1段目のテーパ角度が30〜50°と大きいと共に、1段目から延設する2段目のテーパ角度より鈍角、すなわち2段目のテーパ角度は1段目より鋭角とすることで、切り刃11の全てを押し込んだ土手部34の押圧溝34における溶着の大きい先端部の溶着を解消できると共に、押圧溝形成用スリット刃10の押圧部13を左右の先端間の幅寸法が凹部25となる上縁周辺の土手部34の幅寸法以上からなるようにすることで、土手部34の上面の全ての部分を平滑面とすることができ、焼成後のセラミックパッケージ20のセラミック枠体28の上面に金属枠体を接合させることや、セラミック枠体28の上面に直接蓋体を接合させることが容易となり、凹部25内に電子部品素子を容易に収納できて、気密信頼性の高い封止ができるセラミックパッケージ20の製造方法を提供できる。また、このセラミックパッケージ20の製造方法では、押圧溝形成用スリット刃10の切り刃11で押圧溝34の深さの中間部で溝幅を広げ、上方部で溝幅が広くならないようにしながら、押圧溝形成用スリット刃10の押圧部13で土手部34壁面の空間部31側への傾斜を防止すると共に、下面側に設けるV字スリット刃による浅い押圧溝によって、個片体にするための良好な分割性を確保することができるセラミックパッケージ20の製造方法を提供できる。
なお、上記のセラミックパッケージ20の製造方法に用いられる押圧溝形成用スリット刃10は、切り刃11の1段目のテーパ角度が30°を下まわる場合には、先端が鋭利な刃先となりすぎて、押圧溝34を形成した後の押圧溝34の先端部であるセラミックグリーンシートの積層体32の先端部壁面同士が溶着し、焼成後の分割溝24の壁面同士の融着によって、分割溝24で分割した分割面に抉れや、出っ張り、クラック等が発生してパッケージとしての外形寸法不良や、気密信頼性の低下を発生させることとなる。また、上記のセラミックパッケージ20の製造方法に用いられる押圧溝形成用スリット刃10は、切り刃11の1段目のテーパ角度が50°を上まわる場合には、先端が鈍角な刃先となりすぎて、刃先に沿ってセラミックグリーンシートの積層体32にクラックや、亀裂等を発生させることとなって、焼成後のセラミックパッケージ20の気密信頼性の低下を発生させることとなる。
本発明の押圧溝形成用スリット刃及びセラミックパッケージの製造方法で作製されるセラミックパッケージには、半導体素子や、圧電振動片等の電子部品素子を実装させて、小型で、高信頼性が要求される、例えば、携帯電話や、ノートブック型のパソコン等の電子装置に組み込まれて用いることができる。
10:押圧溝形成用スリット刃、11:切り刃、12:終端部、13:押圧部、20:セラミックパッケージ、21:集合体基板、22:集合体、23:ダミー部、24:分割溝、25:凹部、26:土手部、27:セラミック基体、28:セラミック枠体、30:セラミックグリーンシート、31:空間部、32:積層体、33:土手部、34:押圧溝
Claims (4)
- 電子部品素子を収容するための凹部を設ける個片体のセラミックパッケージが縦横方向に隣接して複数個配列する集合体と、該集合体部の外周囲にダミー部を有する集合体基板から前記ダミー部を取り除くための、及び前記集合体から前記個片体にするための分割溝を設けるために、未焼成からなる複数枚のセラミックグリーンシートの積層体に刃先を押圧させて押圧溝を形成するための長尺からなる押圧溝形成用スリット刃において、
前記押圧溝の深さの全てとなる刃幅を備える断面視する板厚の中心線に対して左右対称の折れ線状の切り刃と、前記押圧溝周辺を押圧できる断面視する板厚の中心線に対して左右対称に前記切り刃のそれぞれの終端部から水平に延設する押圧面を備える押圧部を有することを特徴とする押圧溝形成用スリット刃。 - 請求項1記載の押圧溝形成用スリット刃において、前記切り刃は、断面視する先端部の1段目のテーパ角度が30〜50°で、前記1段目から延設する2段目の前記テーパ角度より鈍角の山なり2段形状からなると共に、前記押圧部は、断面視する板厚の中心線に対して左右のそれぞれの幅寸法がそれぞれの前記個片体の前記凹部となる上縁周辺の土手部の幅寸法以上からなることを特徴とする押圧溝形成用スリット刃。
- 電子部品素子を載置するための底板となるセラミック基体と、前記電子部品素子を囲繞するための前記セラミック基体の外周部に一体的に設けるセラミック枠体で形成される凹部に前記電子部品素子を収容するための個片体のセラミックパッケージが縦横方向に複数個配列する集合体と、該集合体の外周囲にダミー部を設ける集合体基板に形成される分割溝で分割して前記個片体を形成するセラミックパッケージの製造方法において、
前記集合体基板用の複数枚のセラミックグリーンシートを準備する工程と、
前記セラミックグリーンシートのそれぞれに所望の貫通孔を形成し、所望のメタライズ印刷パターンを形成した後、全ての前記セラミックグリーンシートを重ね合わせ、加熱しながら加圧して上面側に複数の前記凹部用の空間部が配列する前記集合体用と、外周囲に前記ダミー部用とを備える前記集合体基板用の積層体を形成する工程と、
前記積層体の上、下面の少なくとも前記セラミック枠体側の前記メタライズ印刷パターンが形成された前記凹部となる上縁周辺の土手部上面を通過するように、断面視する板厚の中心線に対して左右対称の折れ線状の切り刃と、前記土手部上面を押圧できる断面視する板厚の中心線に対して左右対称に前記切り刃のそれぞれの終端部から水平に延設する押圧面を備える押圧部を設ける長尺の押圧溝形成用スリット刃の先端を当接させて押圧し、前記切り刃の全てを前記積層体内に挿入させながら前記押圧部で前記積層体上面を押圧後、前記押圧溝形成用スリット刃を引き抜いて前記土手部から前記ダミー部となる位置まで延設する押圧溝と、該押圧溝周辺に平滑面を形成する工程と、
前記積層体を焼成して前記集合体基板に前記分割溝を形成する工程を有することを特徴とするセラミックパッケージの製造方法。 - 請求項3記載のセラミックパッケージの製造方法において、前記切り刃が断面視する先端部の1段目のテーパ角度が30〜50°で、前記1段目から延設する2段目の前記テーパ角度より鈍角の山なり2段形状からなり、前記押圧部が断面視する板厚の中心線に対して左右のそれぞれの幅寸法がそれぞれの前記個片体の前記凹部となる上縁周辺の前記土手部の幅寸法以上からなる長尺の前記押圧溝形成用スリット刃で押圧して前記積層体の前記セラミック枠体となる側の前記土手部を通過する第1の押圧溝と、該第1の押圧溝周辺の前記土手部上面に前記平滑面を形成すると共に、前記積層体の底面の前記第1の押圧溝に対向する位置に、断面視する板厚の中心線に対して切り刃形状が左右対称の直線状切り刃からなる長尺のV字スリット刃で押圧して前記第1の押圧溝の深さ以下の深さからなる第2の押圧溝を形成することを特徴とするセラミックパッケージの製造方法。
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