<第1実施形態>
本発明に係る硬貨処理装置の第1実施形態を図1を参照して以下に説明する。
第1実施形態は、硬貨を金種別に振り分ける振り分け処理を少なくとも行う硬貨処理装置200となっている。第1実施形態の硬貨処理装置200は、硬貨を搬送する搬送路201と、搬送路201で搬送中の硬貨Cの金種を識別する識別部202と、開閉可能であって識別部202の識別結果に基づいて駆動されて開状態となることで対象硬貨を搬送路201から落下孔204a〜204eに落下させて選別する複数のゲート205a〜205eと、これらゲート205a〜205eの識別部202とは反対側に設けられて対象硬貨を搬送路201から常時落下させて選別する常時開状態の落下孔204fとを有している。
搬送路201は、水平に配置されて上面で硬貨の下面に接触して硬貨の移動を案内する搬送路本体211と、搬送路本体211の上側に設けられ、硬貨Cを搬送路本体211とで挟持して搬送する無端の搬送ベルト212とを有している。
ここで、硬貨処理装置200は、1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨および500円硬貨の全6金種の硬貨を金種混合の状態から金種別に振り分けるものである。
複数の落下孔204a〜204eおよび複数のゲート205a〜205eは、いずれも全金種数である6金種よりも一つ少ない5金種分設けられている。複数の落下孔204a〜204eおよび複数のゲート205a〜205eは、最小径の1円硬貨を除く5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨および500円硬貨を大径のものから順に搬送路201から落下させて選別するようになっている。
最も識別部202側の落下孔204aおよびゲート205aは最大径の500円硬貨を対象硬貨として搬送路201から落下させて選別するものである。ゲート205aは、落下孔204a内に設けられており、その識別部202とは反対側に設けられた支軸221aを中心に回動可能となっている。ゲート205aは、搬送路本体211の上面と面一の状態が、落下孔204aを閉塞する閉状態であり、非駆動状態では閉状態とされ、この閉状態では、識別部202側から搬送されてきた硬貨を落下孔204aから落下させることなく通過させる。ゲート205aは、駆動されて搬送路本体211の上面よりも上側に突出するように支軸221aを中心に回動することで、落下孔204aを開放する開状態となる。ゲート205aは、この開状態では、識別部202側から搬送されてきた硬貨を落下孔204aから落下させる。搬送路本体211には、識別部202と落下孔204aとの間に、搬送路201で搬送中の硬貨が識別部202を通過後、落下孔204aおよびゲート205aに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ222aが設けられている。
識別部202側から2番目の落下孔204bおよびゲート205bは10円硬貨を対象硬貨として搬送路201から落下させて選別するものである。ゲート205bは、落下孔204b内に設けられており、その識別部202とは反対側に設けられた支軸221bを中心に回動可能となっている。ゲート205bは、ゲート205aと同様に開閉する。搬送路本体211には、落下孔204aと落下孔204bとの間に、搬送路201で搬送中の硬貨が落下孔204aおよびゲート205aを通過して落下孔204bおよびゲート205bに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ222b(通過センサ)が設けられている。この硬貨検知センサ222bの検知結果と上記した硬貨検知センサ222aの検知結果とから、これらの間にある落下孔204aに硬貨が落下したか否かを検知する。落下孔204bは、ゲート205aの識別部202とは反対側に設けられており、ゲート205aによる落下孔204aへの落下対象である500円硬貨よりも小径の10円硬貨を、ゲート205bが開状態となることで搬送路201から落下させる。
識別部202側から3番目の落下孔204cおよびゲート205cは100円硬貨を対象硬貨として搬送路201から落下させて選別するものである。ゲート205cは、落下孔204c内に設けられており、その識別部202とは反対側に設けられた支軸221cを中心に回動可能となっている。ゲート205cは、ゲート205a,205bと同様に開閉する。搬送路本体211には、落下孔204bと落下孔204cとの間に、搬送路201で搬送中の硬貨が落下孔204bおよびゲート205bを通過して落下孔204cおよびゲート205cに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ222c(通過センサ)が設けられている。この硬貨検知センサ222cの検知結果と上記した硬貨検知センサ222bの検知結果とから、これらの間にある落下孔204bに硬貨が落下したか否かを検知する。落下孔204cは、ゲート205bの識別部202とは反対側に設けられており、ゲート205bによる落下孔204bへの落下対象である10円硬貨よりも小径の100円硬貨を、ゲート205cが開状態となることで搬送路201から落下させる。
識別部202側から4番目の落下孔204dおよびゲート205dは5円硬貨を対象硬貨として搬送路201から落下させて選別するものである。ゲート205dは、落下孔204d内に設けられており、その識別部202とは反対側に設けられた支軸221dを中心に回動可能となっている。ゲート205dは、ゲート205a〜205cと同様に開閉する。搬送路本体211には、落下孔204cと落下孔204dとの間に、搬送路201で搬送中の硬貨が落下孔204cおよびゲート205cを通過して落下孔204dおよびゲート205dに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ222d(通過センサ)が設けられている。この硬貨検知センサ222dの検知結果と上記した硬貨検知センサ222cの検知結果とから、これらの間にある落下孔204cに硬貨が落下したか否かを検知する。落下孔204dは、ゲート205cの識別部202とは反対側に設けられており、ゲート205cによる落下孔204cへの落下対象である100円硬貨よりも小径の5円硬貨を、ゲート205dが開状態となることで搬送路201から落下させる。
識別部202側から5番目の落下孔204eおよびゲート205eは50円硬貨を対象硬貨として搬送路201から落下させて選別するものである。ゲート205eは、落下孔204e内に設けられており、その識別部202とは反対側に設けられた支軸221eを中心に回動可能となっている。ゲート205eは、ゲート205a〜205dと同様に開閉する。搬送路本体211には、落下孔204dと落下孔204eとの間に、搬送路201で搬送中の硬貨が落下孔204dおよびゲート205dを通過して落下孔204eおよびゲート205eに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ222e(通過センサ)が設けられている。この硬貨検知センサ222eの検知結果と上記した硬貨検知センサ222dの検知結果とから、これらの間にある落下孔204dに硬貨が落下したか否かを検知する。落下孔204eは、ゲート205dの識別部202とは反対側に設けられており、ゲート205dによる落下孔204dへの落下対象である5円硬貨よりも小径の50円硬貨を、ゲート205eが開状態となることで搬送路201から落下させる。
落下孔204eおよびゲート205eの識別部202とは反対側に、落下孔204fが設けられている。落下孔204fはゲートがなく常時硬貨を落下可能な開状態であり、最小径の金種である1円硬貨を対象硬貨として搬送路201から落下させて選別する。落下孔204fは、ゲート205eの識別部202とは反対側に設けられており、ゲート205eによる落下孔204eへの落下対象である50円硬貨よりも小径の1円硬貨を搬送路201から落下させる。搬送路本体211には、落下孔204eと落下孔204fとの間に、搬送路201で搬送中の硬貨が落下孔204eおよびゲート205eを通過して落下孔204fに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ222f(通過センサ)が設けられている。この硬貨検知センサ222fの検知結果と上記した硬貨検知センサ222eの検知結果とから、これらの間にある落下孔204eに硬貨が落下したか否かを検知する。また、この硬貨検知センサ222fの検知結果から落下孔204fに硬貨が落下したことを検知する。落下孔204a〜204eおよび複数のゲート205a〜205eが、識別部202の識別結果に基づいて駆動されて対象硬貨を搬送路201から選別する選別部となっており、落下孔204fが、落下孔204a〜204eおよび複数のゲート205a〜205eの識別部202とは反対側に設けられてこれらで搬送路201から選別する対象硬貨よりも小径の硬貨を搬送路201から選別する選別部となっている。
搬送路201には、搬送路本体211の落下孔204fよりも識別部202とは反対側から識別部202側に延出して落下孔204fを上方で覆う上部カバー225が設けられている。上部カバー225は、搬送路201でゲート205e側から搬送されてきた硬貨の移動および落下孔204fへの落下を阻害することなく落下孔204fを上方で覆う。
搬送路201には、搬送路本体211の上面上に、落下孔204a〜204fを幅方向の両側で挟むように一対のガイド壁部231,231が設けられている。一対のガイド壁部231,231は、鏡面対称の段付き形状となっている。一対のガイド壁部231,231は、落下孔204aの両側に配置される一対の平行な移動ガイド232a,232aと、落下孔204bの両側に配置される一対の平行な移動ガイド232b,232bと、落下孔204cの両側に配置される一対の平行な移動ガイド232c,232cと、落下孔204dの両側に配置される一対の平行な移動ガイド232d,232dと、落下孔204eの両側に配置される一対の平行な移動ガイド232e,232eと、落下孔204fの両側に配置される一対の平行な移動ガイド232f,232fとを有している。
一対の移動ガイド232a,232aは、500円硬貨の直径よりも広い間隔となっており、500円硬貨およびこれより小径の10円硬貨、100円硬貨、5円硬貨、50円硬貨および1円硬貨が通過可能となっている。一対の移動ガイド232b,232bは、500円硬貨の直径よりも狭く且つ10円硬貨の直径よりも広い間隔となっており、10円硬貨およびこれより小径の100円硬貨、5円硬貨、50円硬貨および1円硬貨が通過可能となっている。一対の移動ガイド232c,232cは、10円硬貨の直径よりも狭く且つ100円硬貨の直径よりも広い間隔となっており、100円硬貨およびこれより小径の5円硬貨、50円硬貨および1円硬貨が通過可能となっている。一対の移動ガイド232d,232dは、100円硬貨の直径よりも狭く且つ5円硬貨の直径よりも広い間隔となっており、5円硬貨およびこれより小径の50円硬貨および1円硬貨が通過可能となっている。一対の移動ガイド232e,232eは、5円硬貨の直径よりも狭く且つ50円硬貨の直径よりも広い間隔となっており、50円硬貨およびこれより小径の1円硬貨が通過可能となっている。一対の移動ガイド232f,232fは、50円硬貨の直径よりも狭く且つ1円硬貨の直径よりも広い間隔となっており、最小径の1円硬貨が通過可能となっている。搬送路201の終端部の落下孔204fは、正常に搬送路201で搬送されてきた1円硬貨を落下させることになり、その際に、1円硬貨は、ガイド壁部231,231の一対の移動ガイド232f,232fと上部カバー225とで、水平方向および鉛直方向がともにガードされることになる。
以上により、搬送路201の通路幅は識別部202から離れるにつれ、順に狭まっている。
一対のガイド壁部231,231は、一対の移動ガイド232a,232aと一対の移動ガイド232b,232bとを繋ぐ一対の規制ガイド233a,233aと、一対の移動ガイド232b,232bと一対の移動ガイド232c,232cとを繋ぐ一対の規制ガイド233b,233bと、一対の移動ガイド232c,232cと一対の移動ガイド232d,232dとを繋ぐ一対の規制ガイド233c,233cと、一対の移動ガイド232d,232dと一対の移動ガイド232e,232eとを繋ぐ一対の規制ガイド233d,233dと、一対の移動ガイド232e,232eと一対の移動ガイド232f,232fとを繋ぐ一対の規制ガイド233e,233eと、を有している。
一対の規制ガイド233a,233aは、落下孔204aおよびゲート205aと、落下孔204bおよびゲート205bとの間に設けられており、一対の移動ガイド232b,232bに近づくほど間隔が狭くなるように傾斜している。一対の規制ガイド233a,233aは、最大間隔が一対の移動ガイド232a,232aの間隔と同じで500円硬貨の直径よりも広く、最小間隔が一対の移動ガイド232b,232bの間隔と同じで500円硬貨の直径よりも狭く且つ10円硬貨の直径よりも広い。これにより、一対の規制ガイド233a,233aは、落下孔204bで落下する10円硬貨の径よりも大径の500円硬貨の落下孔204b側への移動つまり落下孔204bへの落下を規制する。ここで、図1に示すように、一対の規制ガイド233a,233aで落下孔204b側への移動が規制されて停止した状態にある500円硬貨Cは、硬貨検知センサ222bの鉛直上方で停止することになる。よって、硬貨検知センサ222bは、一対の規制ガイド233a,233aで落下孔204b側への移動が規制された状態の500円硬貨Cを検知する。
一対の規制ガイド233b,233bは、落下孔204bおよびゲート205bと、落下孔204cおよびゲート205cとの間に設けられており、一対の移動ガイド232c,232cに近づくほど間隔が狭くなるように傾斜している。一対の規制ガイド233b,233bは、最大間隔が一対の移動ガイド232b,232bの間隔と同じで10円硬貨の直径よりも広く、最小間隔が一対の移動ガイド232c,232cの間隔と同じで10円硬貨の直径よりも狭く且つ100円硬貨の直径よりも広い。これにより、一対の規制ガイド233b,233bは、落下孔204cで落下する100円硬貨の径よりも大径の10円硬貨の落下孔204c側への移動つまり落下孔204cへの落下を規制する。ここで、一対の規制ガイド233b,233bで落下孔204c側への移動が規制されて停止した状態にある10円硬貨は、硬貨検知センサ222cの鉛直上方で停止することになる。よって、硬貨検知センサ222cは、一対の規制ガイド233b,233bで落下孔204c側への移動が規制された状態の10円硬貨を検知する。
一対の規制ガイド233c,233cは、落下孔204cおよびゲート205cと、落下孔204dおよびゲート205dとの間に設けられており、一対の移動ガイド232d,232dに近づくほど間隔が狭くなるように傾斜している。一対の規制ガイド233c,233cは、最大間隔が一対の移動ガイド232c,232cの間隔と同じで100円硬貨の直径よりも広く、最小間隔が一対の移動ガイド232d,232dの間隔と同じで100円硬貨の直径よりも狭く且つ5円硬貨の直径よりも広い。これにより、一対の規制ガイド233c,233cは、落下孔204dで落下する5円硬貨の径よりも大径の100円硬貨の落下孔204d側への移動つまり落下孔204dへの落下を規制する。ここで、一対の規制ガイド233c,233cで落下孔204d側への移動が規制されて停止した状態にある100円硬貨は、硬貨検知センサ222dの鉛直上方で停止することになる。よって、硬貨検知センサ222dは、一対の規制ガイド233c,233cで落下孔204d側への移動が規制された状態の100円硬貨を検知する。
一対の規制ガイド233d,233dは、落下孔204dおよびゲート205dと、落下孔204eおよびゲート205eとの間に設けられており、一対の移動ガイド232e,232eに近づくほど間隔が狭くなるように傾斜している。一対の規制ガイド233d,233dは、最大間隔が一対の移動ガイド232d,232dの間隔と同じで5円硬貨の直径よりも広く、最小間隔が一対の移動ガイド232e,232eの間隔と同じで5円硬貨の直径よりも狭く且つ50円硬貨の直径よりも広い。これにより、一対の規制ガイド233d,233dは、落下孔204eで落下する50円硬貨の径よりも大径の5円硬貨の落下孔204e側への移動つまり落下孔204eへの落下を規制する。ここで、一対の規制ガイド233d,233dで落下孔204e側への移動が規制されて停止した状態にある5円硬貨は、硬貨検知センサ222eの鉛直上方で停止することになる。よって、硬貨検知センサ222eは、一対の規制ガイド233d,233dで落下孔204e側への移動が規制された状態の5円硬貨を検知する。
一対の規制ガイド233e,233eは、落下孔204eおよびゲート205eと、落下孔204fとの間に設けられており、一対の移動ガイド232f,232fに近づくほど間隔が狭くなるように傾斜している。一対の規制ガイド233e,233eは、最大間隔が一対の移動ガイド232e,232eの間隔と同じで50円硬貨の直径よりも広く、最小間隔が一対の移動ガイド232f,232fの間隔と同じで50円硬貨の直径よりも狭く且つ1円硬貨の直径よりも広い。これにより、一対の規制ガイド233e,233eは、落下孔204fで落下する1円硬貨の径よりも大径の50円硬貨の落下孔204f側への移動つまり落下孔204fへの落下を規制する。ここで、一対の規制ガイド233e,233eで落下孔204f側への移動が規制されて停止した状態にある50円硬貨は、硬貨検知センサ222fの鉛直上方で停止することになる。よって、硬貨検知センサ222fは、一対の規制ガイド233e,233eで落下孔204f側への移動が規制された状態の50円硬貨を検知する。
以上により、落下孔204fは常時開状態であって最小径の金種の1円硬貨を搬送路201から落下させて選別することになり、ゲート205a〜205eが、識別部202の識別結果に基づいて駆動されて、搬送路201で搬送中の硬貨を金種別に大径のものから順次搬送路201から落下させて選別するように全金種数よりも一つ少なく設けられている。そして、隣り合うゲート205aとゲート205bとの間に、これらゲート205a,205bのうち、識別部202とは反対側のゲート205bで落下させる硬貨の径よりも大径の硬貨の当該ゲート205b側への移動を規制する規制ガイド233a,233aが設けられている。隣り合うゲート205bとゲート205cとの間に、これらゲート205b,205cのうち、識別部202とは反対側のゲート205cで落下させる硬貨の径よりも大径の硬貨の当該ゲート205c側への移動を規制する規制ガイド233b,233bが設けられている。隣り合うゲート205cとゲート205dとの間に、これらゲート205c,205dのうち、識別部202とは反対側のゲート205dで落下させる硬貨の径よりも大径の硬貨の当該ゲート205d側への移動を規制する規制ガイド233c,233cが設けられている。隣り合うゲート205dとゲート205eとの間に、これらゲート205d,205eのうち、識別部202とは反対側のゲート205eで落下させる硬貨の径よりも大径の硬貨の当該ゲート205e側への移動を規制する規制ガイド233d,233dが設けられている。ゲート205eと落下孔204fとの間に、落下孔204fで落下する硬貨の径よりも大径の硬貨の落下孔204f側への移動を規制する規制ガイド233e,233eが設けられている。
第1実施形態の硬貨処理装置200の図示略の制御部は、識別部202による識別結果と、搬送路201の搬送速度と、硬貨検知センサ222a〜222fによる硬貨の検知結果とから、各硬貨の位置および落下孔204a〜204fへの落下の有無を判定しつつゲート205a〜205eの開閉を制御する。
制御部は、例えば、識別部202で検出された500円硬貨については、当該500円硬貨が識別部202を通過したタイミングから所定時間経過後に500円硬貨用のゲート205aを駆動して開作動させることによって、当該500円硬貨を落下孔204aから落下させて図示略の500円硬貨用の収納部に収納する。その際に、制御部は、当該500円硬貨が硬貨検知センサ222aを通過したタイミングでゲート205aを閉作動させる。なお、識別部202で500円硬貨が連続して検出されると、制御部は、先頭の500円硬貨が識別部202を通過したタイミングから所定時間経過後にゲート205aを開作動させ、その後、開状態を維持し、最後尾の500円硬貨が硬貨検知センサ222aを通過したことを検知するとゲート205aを閉作動させる。なお、識別部202で兼用せずに500円硬貨用の開作動用のタイミングセンサを設けても良い。制御部は、識別部202で検出された500円硬貨が硬貨検知センサ222aを通過後、所定時間の間に硬貨検知センサ222bで検知されないことを確認することで、当該500円硬貨の落下孔204aからの落下を検出する。
制御部は、識別部202で検出された10円硬貨については、当該10円硬貨が硬貨検知センサ222aを通過したタイミングで10円硬貨用のゲート205bを駆動して開作動させることによって、当該10円硬貨を落下孔204bから落下させて図示略の10円硬貨用の収納部に収納する。その際に、制御部は、当該10円硬貨が硬貨検知センサ222bを通過したタイミングでゲート205bを閉作動させる。なお、識別部202で10円硬貨が連続して検出されると、制御部は、先頭の10円硬貨が硬貨検知センサ222aを通過したタイミングでゲート205bを開き、最後尾の10円硬貨が硬貨検知センサ222bを通過したタイミングでゲート205bを閉じる。制御部は、識別部202で検出された10円硬貨が硬貨検知センサ222bを通過後、所定時間の間に硬貨検知センサ222cで検知されないことを確認することで、当該10円硬貨の落下孔204bからの落下を検出する。
制御部は、識別部202で検出された100円硬貨については、当該100円硬貨が硬貨検知センサ222bを通過したタイミングで100円硬貨用のゲート205cを駆動して開作動させることによって、当該100円硬貨を落下孔204cから落下させて図示略の100円硬貨用の収納部に収納する。その際に、制御部は、当該100円硬貨が硬貨検知センサ222cを通過したタイミングでゲート205cを閉作動させる。この場合も、識別部202で100円硬貨が連続して検出されると、制御部は、先頭の100円硬貨が硬貨検知センサ222bを通過したタイミングでゲート205cを開き、最後尾の100円硬貨が硬貨検知センサ222cを通過したタイミングでゲート205cを閉じる。制御部は、識別部202で検出された100円硬貨が硬貨検知センサ222cを通過後、所定時間の間に硬貨検知センサ222dで検知されないことを確認することで、当該100円硬貨の落下孔204cからの落下を検出する。
制御部は、識別部202で検出された5円硬貨については、当該5円硬貨が硬貨検知センサ222cを通過したタイミングで5円硬貨用のゲート205dを駆動して開作動させることによって、当該5円硬貨を落下孔204dから落下させて図示略の5円硬貨用の収納部に収納する。その際に、制御部は、当該5円硬貨が硬貨検知センサ222dを通過したタイミングでゲート205dを閉作動させる。この場合も、識別部202で5円硬貨が連続して検出されると、制御部は、先頭の5円硬貨が硬貨検知センサ222cを通過したタイミングでゲート205dを開き、最後尾の5円硬貨が硬貨検知センサ222dを通過したタイミングでゲート205dを閉じる。制御部は、識別部202で検出された5円硬貨が硬貨検知センサ222dを通過後、所定時間の間に硬貨検知センサ222eで検知されないことを確認することで、当該5円硬貨の落下孔204dからの落下を検出する。
制御部は、識別部202で検出された50円硬貨については、当該50円硬貨が硬貨検知センサ222dを通過したタイミングで50円硬貨用のゲート205eを駆動して開作動させることによって、当該50円硬貨を落下孔204eから落下させて図示略の50円硬貨用の収納部に収納する。その際に、制御部は、当該50円硬貨が硬貨検知センサ222eを通過したタイミングでゲート205eを閉作動させる。この場合も、識別部202で50円硬貨が連続して検出されると、制御部は、先頭の50円硬貨が硬貨検知センサ222dを通過したタイミングでゲート205eを開き、最後尾の50円硬貨が硬貨検知センサ222eを通過したタイミングでゲート205eを閉じる。制御部は、識別部202で検出された50円硬貨が硬貨検知センサ222eを通過後、所定時間の間に硬貨検知センサ222fで検知されないことを確認することで、当該50円硬貨の落下孔204eからの落下を検出する。
制御部は、識別部202で検出された1円硬貨については、落下孔204fから落下させて図示略の1円硬貨用の収納部に収納する。制御部は、識別部202で検出された1円硬貨が硬貨検知センサ222fを通過したことを確認することで、当該1円硬貨の落下孔204eからの落下を検出する。
そして、制御信号ノイズ等の影響によりゲート205a〜205eのうちの所定のゲートを開口するはずが開口せず、または開口動作が遅れるなどして、その次の下流のゲートまたは落下孔204fに向けて硬貨が移動してしまった場合等のゲート205a〜205eの動作不良発生時や、落下孔204a〜204eのうち硬貨を落下させるべき所定の落下孔を越えてオーバーランしてしまった場合等の搬送不良発生時に、振り分け不良となった振り分け不良硬貨は、落下させるべき所定の落下孔を越えると、規制ガイド233a〜233eで停止させられて、落下させるべき所定の落下孔とは異なる落下孔に落下することが規制される。
例えば、500円硬貨が、ゲート205aおよび落下孔204aを越えてゲート205bおよび落下孔204bに向けて移動しようとしても、一対の規制ガイド233a,233aが、ゲート205bおよび落下孔204bの手前で図1に示すように500円硬貨Cを停止させる。よって、例え後続の硬貨が10円硬貨であってゲート205bが開いていたとしても500円硬貨Cの落下孔204bへの落下を規制することができる。制御部は、硬貨検知センサ222bで所定時間以上連続して硬貨を検知すると、一対の規制ガイド233a,233aで500円硬貨が停止させられていると判断して搬送ベルト212を停止させ、図示略の表示部等に報知を行う。
また、10円硬貨が、ゲート205bおよび落下孔204bを越えてゲート205cおよび落下孔204cに向けて移動しようとしても、一対の規制ガイド233b,233bが、ゲート205cおよび落下孔204cの手前で10円硬貨を停止させる。よって、例え後続の硬貨が100円硬貨であってゲート205cが開いていたとしても10円硬貨の落下孔204cへの落下を規制することができる。制御部は、硬貨検知センサ222cで所定時間以上連続して硬貨を検知すると、一対の規制ガイド233b,233bで10円硬貨が停止させられていると判断して搬送ベルト212を停止させ、図示略の表示部等に報知を行う。
また、100円硬貨が、ゲート205cおよび落下孔204cを越えてゲート205dおよび落下孔204dに向けて移動しようとしても、一対の規制ガイド233c,233cが、ゲート205dおよび落下孔204dの手前で100円硬貨を停止させる。よって、例え後続の硬貨が5円硬貨であってゲート205dが開いていたとしても100円硬貨の落下孔204dへの落下を規制することができる。制御部は、硬貨検知センサ222dで所定時間以上連続して硬貨を検知すると、一対の規制ガイド233c,233cで100円硬貨が停止させられていると判断して搬送ベルト212を停止させ、図示略の表示部等に報知を行う。
5円硬貨が、ゲート205dおよび落下孔204dを越えてゲート205eおよび落下孔204eに向けて移動しようとしても、一対の規制ガイド233d,233dが、ゲート205eおよび落下孔204eの手前で5円硬貨を停止させる。よって、例え後続の硬貨が50円硬貨であってゲート205eが開いていたとしても5円硬貨の落下孔204eへの落下を規制することができる。制御部は、硬貨検知センサ222eで所定時間以上連続して硬貨を検知すると、一対の規制ガイド233d,233dで5円硬貨が停止させられていると判断して搬送ベルト212を停止させ、図示略の表示部等に報知を行う。
50円硬貨が、ゲート205eおよび落下孔204eを越えて落下孔204fに向けて移動しようとしても、一対の規制ガイド233e,233eが、落下孔204fの手前で50円硬貨を停止させて、常時開状態の落下孔204fへの落下を規制する。制御部は、硬貨検知センサ222fで所定時間以上連続して硬貨を検知すると、一対の規制ガイド233e,233eで50円硬貨が停止させられていると判断して搬送ベルト212を停止させ、図示略の表示部等に報知を行う。
以上に述べた第1実施形態によれば、駆動されて開状態となったゲート205aで、落下孔204aから落下させるべき対象の500円硬貨が、この落下孔204aで落下することなくゲート205aの識別部202とは反対側の落下孔204bに向け移動しようとすると、規制ガイド233a,233aが落下孔204bで落下する10円硬貨の径よりも大径の500円硬貨の落下孔204b側への移動を規制する。すなわち、落下孔204aのゲート205aで落下させるべき500円硬貨がこのゲート205aで落下しなかったとしても、このゲート205aの直後の規制ガイド233a,233aで移動を規制することができる。したがって、落下させるべき選別部であるゲート205aとは異なる下流の選別部である落下孔204bに500円硬貨を落下させてしまうことを抑制することができる。
同様に、駆動されて開状態となったゲート205bで落下孔204bから落下させるべき対象の10円硬貨が、落下孔204cに向け移動しようとすると、規制ガイド233b,233bが落下孔204cで落下する100円硬貨の径よりも大径の10円硬貨の落下孔204c側への移動を規制する。すなわち、落下孔204bのゲート205bで落下させるべき10円硬貨がこのゲート205bで落下しなかったとしても、このゲート205bの直後の規制ガイド233b,233bで移動を規制することができる。したがって、落下させるべきゲート205bとは異なる下流の落下孔204cに10円硬貨を落下させてしまうことを抑制することができる。
同様に、駆動されて開状態となったゲート205cで落下孔204cから落下させるべき対象の100円硬貨が、落下孔204dに向け移動しようとすると、規制ガイド233c,233cが落下孔204dで落下する5円硬貨の径よりも大径の100円硬貨の落下孔204d側への移動を規制する。すなわち、落下孔204cのゲート205cで落下させるべき100円硬貨がこのゲート205cで落下しなかったとしても、このゲート205cの直後の規制ガイド233c,233cで移動を規制することができる。したがって、落下させるべきゲート205cとは異なる下流の落下孔204dに100円硬貨を落下させてしまうことを抑制することができる。
同様に、駆動されて開状態となったゲート205dで落下孔204dから落下させるべき対象の5円硬貨が、落下孔204eに向け移動しようとすると、規制ガイド233d,233dが落下孔204eで落下する50円硬貨の径よりも大径の5円硬貨の落下孔204e側への移動を規制する。すなわち、落下孔204dのゲート205dで落下させるべき5円硬貨がこのゲート205dで落下しなかったとしても、このゲート205dの直後の規制ガイド233d,233dで移動を規制することができる。したがって、落下させるべきゲート205dとは異なる下流の落下孔204eに5円硬貨を落下させてしまうことを抑制することができる。
同様に、駆動されて開状態となったゲート205eで落下孔204eから落下させるべき対象の50円硬貨が、落下孔204fに向け移動しようとすると、規制ガイド233e,233eが落下孔204fで落下する1円硬貨の径よりも大径の50円硬貨の落下孔204f側への移動を規制する。すなわち、落下孔204eのゲート205eで落下させるべき50円硬貨がこのゲート205eで落下しなかったとしても、このゲート205eの直後の規制ガイド233e,233eで移動を規制することができる。したがって、落下させるべきゲート205eとは異なる下流の落下孔204fに50円硬貨を落下させてしまうことを抑制することができる。
また、ゲート205aと落下孔204bとの間に設けられて、搬送路201で搬送中の硬貨がゲート205aを通過して落下孔204bに至ることを検知する硬貨検知センサ222bが、規制ガイド233a,233aで移動が規制された500円硬貨Cを検知する。同様に、ゲート205bと落下孔204cとの間に設けられて、搬送路201で搬送中の硬貨がゲート205bを通過して落下孔204cに至ることを検知する硬貨検知センサ222cが、規制ガイド233b,233bで移動が規制された10円硬貨を検知する。同様に、ゲート205cと落下孔204dとの間に設けられて、搬送路201で搬送中の硬貨がゲート205cを通過して落下孔204dに至ることを検知する硬貨検知センサ222dが、規制ガイド233c,233cで移動が規制された100円硬貨を検知する。同様に、ゲート205dと落下孔204eとの間に設けられて、搬送路201で搬送中の硬貨がゲート205dを通過して落下孔204eに至ることを検知する硬貨検知センサ222eが、規制ガイド233d,233dで移動が規制された5円硬貨を検知する。同様に、ゲート205eと落下孔204fとの間に設けられて、搬送路201で搬送中の硬貨がゲート205eを通過して落下孔204fに至ることを検知する硬貨検知センサ222fが、規制ガイド233e,233eで移動が規制された50円硬貨を検知する。このように硬貨の通過を検知するセンサで振り分け不良硬貨の停止を検知するため、センサの数を減らすことができる。加えて、操作者に対して振り分け不良硬貨を検出したエラー状況の報知が明確に可能となる。すなわち規制ガイド233a〜233eに当接した状態で停止し、且つ硬貨検知センサ222b〜222f上に存在する振り分け不良硬貨の位置情報を明確に操作者に報知して、排除を促すことが可能となる。
また、落下孔204fは常時開状態であるため、ゲート205eで落下孔204eから落下させるべき対象硬貨が、落下孔204eで落下することなくゲート205eの識別部202とは反対側の落下孔204fに向け移動しようとすると、落下孔204fに落下しやすい。このため、規制ガイド233e,233eが落下孔204fで落下する硬貨の径よりも大径の硬貨の落下孔204f側への移動を規制することによる効果が高い。
また、搬送路201には、常時開状態の落下孔204fを上方で覆う上部カバー225が設けられているため、規制ガイド233a〜233e,233a〜233eで移動が規制された硬貨を手作業で取り出す際に、掴み損なう等して誤って落下孔204fに落としてしまうことを抑制できる。
なお、1本の搬送路本体211に別体のガイド壁部231,231を取り付けて規制ガイド233a〜233e,233a〜233eを設けても良く、1本の搬送路本体211そのものに規制ガイド233a〜233e,233a〜233eを含むガイド壁部231,231を形成しても良い。
加えて、両側のガイド壁部231,231を、鏡面対称の段付き形状としたが、これに限る必要はなく、取り扱う硬貨が、日本国硬貨のように金種間の直径差が比較的小さい硬貨にあっては、一方のガイド壁部231を直線状にし他方のガイド壁部231を一方のガイド壁部231との間隔が識別部202から離れるほど狭くなるように段付き形状としてもよい。この場合、硬貨を搬送する搬送ベルト212を、搬送路201の上流から下流に向けて、直線状に形成される一方のガイド壁部231に近づくように、斜めに配置するようにしても良い。
第1実施形態において、搬送ベルト212を、正逆回転可能とし、落下孔204a〜204eのうち本来落下すべき落下孔を通り過ぎてしまった硬貨を、落下孔204a〜204eのうち本来落下すべき落下孔よりも識別部202側まで戻し、再度、ゲート205a〜205eで落下孔204a〜204eの本来落下すべき落下孔に落下させるようにしても良い。
すなわち、硬貨を識別部202からゲート205a〜205eに向けて移動させる方向を正回転とし、硬貨をゲート205a〜205eから識別部202に向けて移動させる方向を逆回転とすると、制御部は、搬送ベルト212の正回転中、規制ガイド233a,233aで落下孔204b側への移動が規制された500円硬貨Cを硬貨検知センサ222bが検知すると、当該500円硬貨を、搬送ベルト212を逆回転させてゲート205aよりも識別部202側に移動させた後、搬送ベルト212を正回転させゲート205aを開いて落下孔204aに落下させる。これにより、ゲート205aの落下孔204aに落下させるべきであってゲート205aを通過してしまった500円硬貨を落下孔204aに落下させることができる。
同様に、制御部は、搬送ベルト212の正回転中、規制ガイド233b,233bで落下孔204c側への移動が規制された10円硬貨を硬貨検知センサ222cが検知すると、当該10円硬貨を、搬送ベルト212を逆回転させてゲート205bよりも識別部202側に移動させた後、搬送ベルト212を正回転させゲート205bを開いて落下孔204bに落下させる。これにより、ゲート205bの落下孔204bに落下させるべきであってゲート205bを通過してしまった10円硬貨を落下孔204bに落下させることができる。
同様に、制御部は、搬送ベルト212の正回転中、規制ガイド233c,233cで落下孔204d側への移動が規制された100円硬貨を硬貨検知センサ222dが検知すると、当該100円硬貨を、搬送ベルト212を逆回転させてゲート205cよりも識別部202側に移動させた後、搬送ベルト212を正回転させゲート205cを開いて落下孔204cに落下させる。これにより、ゲート205cの落下孔204cに落下させるべきであってゲート205cを通過してしまった100円硬貨を落下孔204cに落下させることができる。
同様に、制御部は、搬送ベルト212の正回転中、規制ガイド233d,233dで落下孔204e側への移動が規制された5円硬貨を硬貨検知センサ222eが検知すると、当該5円硬貨を、搬送ベルト212を逆回転させてゲート205dよりも識別部202側に移動させた後、搬送ベルト212を正回転させゲート205dを開いて落下孔204dに落下させる。これにより、ゲート205dの落下孔204dに落下させるべきであってゲート205dを通過してしまった5円硬貨を落下孔204dに落下させることができる。
同様に、制御部は、搬送ベルト212の正回転中、規制ガイド233e,233eで落下孔204f側への移動が規制された50円硬貨を硬貨検知センサ222fが検知すると、当該50円硬貨を、搬送ベルト212を逆回転させてゲート205eよりも識別部202側に移動させた後、搬送ベルト212を正回転させゲート205eを開いて落下孔204eに落下させる。これにより、ゲート205eの落下孔204eに落下させるべきであってゲート205eを通過してしまった50円硬貨を落下孔204eに落下させることができる。
なお、識別部202よりもゲート205a〜205eおよび落下孔204fとは反対側に硬貨を貯留させる部分があれば、搬送ベルト212の上記逆回転時に、そこまで硬貨を戻しても良い。
<第2実施形態>
本発明に係る硬貨処理装置の第2実施形態である貨幣処理装置を図2〜図14を参照して以下に説明する。なお、以下の説明において、「前」は前後方向の前側つまり操作者から見て手前側であり、「後」は前後方向の後側つまり操作者から見て奥側であり、「左」は操作者から見て左側であり、「右」は操作者から見て右側である。
図2に示す本実施形態の貨幣処理装置1は、貨幣である硬貨及び貨幣である紙幣の入出金処理を含む各種処理を行う本体部2と、本体部2とは別体であって貨幣を収納する補助収納庫3とを有している。補助収納庫3の上に本体部2が載置されて貨幣処理装置1を構成している。本体部2及び補助収納庫3は必要により連結されて一体化されている。貨幣処理装置1には、右側に硬貨の各種処理を行う硬貨処理部5が、左側に紙幣の各種処理を行う紙幣処理部6が設けられている。つまり、貨幣処理装置1は、その本体部2が、硬貨を処理する硬貨処理部5と紙幣を処理する紙幣処理部6とが左右に水平に並設されて構成されている。ここで、本体部2を構成する硬貨処理部5と紙幣処理部6とは別体であり、互いに当接状態に並設されて本体部2となる。硬貨処理部5及び紙幣処理部6は必要により連結されて一体化されている。硬貨処理部5は、紙幣処理部6よりも左右方向の幅が広くなっている。
貨幣処理装置1の上には、貨幣処理装置1の上位機となるPOSレジ11が設置されることになり、貨幣処理装置1は、POSレジ11に接続されて売上金の入金及び釣銭の出金等を行うものである。貨幣処理装置1及びPOSレジ11は必要により連結されて一体化されている。
図3に示すように、POSレジ11は、操作者により操作入力がなされる入力操作部12と、操作者に対して表示を行う入力表示部13と、商品のバーコードを読み取るバーコード読取部14と、IDカードが走査されるとID情報を読み取るカード読取部15と、商品の料金を表示させる料金表示部16と、用紙に印字してレシートを発行するレシート印字部17とを有している。POSレジ11は、これらと貨幣処理装置1とを制御する制御部18を有している。
図2に示すように、貨幣処理装置1の上面20の操作者と対向する前面21側の右側には、硬貨処理部5の位置に、入金処理時に装置外から硬貨が投入される上方開口のホッパからなる硬貨入金口22が設けられている。硬貨入金口22は、複数金種が混在する金種混合状態で硬貨が装置外から一括投入可能であり、このように入れられた硬貨を貯留しつつ一枚ずつ分離して装置内に繰り出す。貨幣処理装置1の上面20における硬貨入金口22の左側には、硬貨処理部5の位置に、操作者による操作入力が入力されると共に操作者に対して表示を行う操作表示部23が設けられている。
また、硬貨処理部5には、前面21側に、硬貨入金口22に投入されたものの受け入れ不可と識別された受入不可硬貨を装置外に取り出し可能に貯留する硬貨リジェクト口24と、硬貨の放出関連処理時に装置内から放出される硬貨を受け取って装置外に取り出し可能に貯留する硬貨出金口25とが設けられている。硬貨リジェクト口24と硬貨出金口25とは、前面21よりも前方に突出しており、上方開口の受け皿状をなしている。硬貨リジェクト口24と硬貨出金口25とは、貨幣処理装置1の前部において左右方向に並設されている。以上により、硬貨処理部5を含む本体部2は、硬貨入金口22と硬貨リジェクト口24と硬貨出金口25とを有している。
貨幣処理装置1の上面20の前面21側の左側には、紙幣処理部6の位置に、入金処理時に装置外からバラ紙幣が投入される上方開口の紙幣入金口26が設けられている。また、紙幣処理部6の位置には、上面20における紙幣入金口26の後側に、出金処理時に装置内から出金紙幣が繰り出されると共に入金処理時に受け入れ不可と識別された受入不可紙幣が装置内から繰り出される紙幣出金口27が設けられている。紙幣入金口26には、複数金種が混在する金種混合状態で紙幣が装置外から一括投入可能であり、このように入れられた紙幣を一枚ずつ分離して装置内に繰り出す。
硬貨処理部5は、図4に示す概略構成となっている。硬貨処理部5には、硬貨入金口22に入れられた硬貨を一枚ずつ分離して左方に搬送する第1入金搬送路31と、第1入金搬送路31で搬送されてきた硬貨を後方に向けて搬送する第2入金搬送路32(搬送路)と、第2入金搬送路32に設けられ、第2入金搬送路32で後方に向けて搬送中の硬貨を識別する硬貨識別部33(識別部)とが設けられている。
図5に示すように、第1入金搬送路31は、硬貨入金口22の鉛直下方から左方に延出する無端のベルトコンベア61と、硬貨入金口22よりも左側においてベルトコンベア61の上側に配置され、ベルトコンベア61の搬送方向とは逆方向に対向部分を移動させる分離ローラ62とを有している。第1入金搬送路31は、硬貨入金口22に投入された硬貨を、回転するベルトコンベア61によって左方に送り、途中位置に設けられた分離ローラ62で一枚ずつに分離して更に左方に搬送する。
第1入金搬送路31は、分離ローラ62で一枚ずつに分離されてベルトコンベア61で左方に搬送されてきた硬貨を更に搬送する通路63及び搬送ベルト64を有している。通路63及び搬送ベルト64は、左右方向に延在しており、ベルトコンベア61から通路63上に送り出された硬貨を搬送ベルト64が上側から通路63に押し付けて更に左方に搬送する。
第2入金搬送路32は、第1入金搬送路31の通路63及び搬送ベルト64で搬送されてきた硬貨を更に搬送する搬送路本体71及び無端の搬送ベルト72を有している。搬送路本体71及び搬送ベルト72は、前後方向に延在しており、第1入金搬送路31から搬送路本体71上に送り出された硬貨を搬送ベルト72が上側から搬送路本体71に押し付けて後方に搬送する。搬送路本体71は水平に配置されて上面で硬貨の下面に接触して硬貨の移動を案内する。
ここで、硬貨識別部33で受け入れ不可と識別された受入不可硬貨は、第2入金搬送路32のスイッチバックによる逆転搬送で前方に搬送される。硬貨処理部5には、硬貨識別部33よりも前側に第2入金搬送路32から硬貨を落下させる開閉可能なリジェクト振分ゲート36が設けられている。リジェクト振分ゲート36は、閉状態では第2入金搬送路32から硬貨を落下させることはなく、開作動することで、上記の第2入金搬送路32の逆転搬送で前方に向けて搬送される受入不可硬貨を第2入金搬送路32から落下させる。硬貨処理部5には、リジェクト振分ゲート36で第2入金搬送路32から落下させられた硬貨を硬貨リジェクト口24に案内するリジェクトシュータ37が設けられている。
硬貨処理部5には、硬貨識別部33よりも後方に、それぞれが所定の単一金種のバラ硬貨を収納すると共に、収納しているバラ硬貨を繰り出す複数の金種別のスタッカ41a,41b,41c,41d,41e,41fが設けられている。金種別のスタッカ41a〜41fは、それぞれが左右方向に長い形状をなしており、左右方向の位置を合わせて前後方向に並んで配置されている。例えば、最も前側のスタッカ41aには1円硬貨が、前側から二番目のスタッカ41bには10円硬貨が、前側から三番目のスタッカ41cには100円硬貨が、前側から四番目のスタッカ41dには5円硬貨が、前側から五番目のスタッカ41eには500円硬貨が、最も後側のスタッカ41fには50円硬貨が、それぞれ収納される。
ここで、スタッカ41a〜41fは、硬貨識別部33側の3つのスタッカ41a〜41cが、入金・出金で取り扱う枚数が比較的多い金種である1円硬貨用、10円硬貨用および100円硬貨用のグループであり、スタッカ41a〜41cよりも硬貨識別部33とは反対側の3つのスタッカ41d〜41fが、入金・出金で取り扱う枚数が比較的少ない金種である5円硬貨用、50円硬貨用および500円硬貨用のグループであれば、順番は適宜設定可能である。但し、5円硬貨用、50円硬貨用および500円硬貨用のスタッカ41d〜41fのうち、最も硬貨識別部33とは反対側のスタッカ41fは、その硬貨識別部33側に隣り合うスタッカ41eよりも小径の硬貨用となっている。つまり、上記のようにスタッカ41fが50円硬貨用であれば、スタッカ41eは5円硬貨用および500円硬貨用のいずれでも良く、スタッカ41fが5円硬貨用であれば、スタッカ41eは500円硬貨用となる。スタッカ41fが500円硬貨用に設定されることはない。
第2入金搬送路32は、すべてのスタッカ41a〜41fを前後方向に結ぶように延在しており、硬貨処理部5には、硬貨識別部33よりも後方側に、開閉可能であって識別部33の識別結果に基づいて駆動されて開状態となることで対象硬貨を第2入金搬送路32から落下孔301a,301b,301c,301d,301eに落下させて選別する金種振分ゲート42a,42b,42c,42d,42eと、金種振分ゲート42a〜42eの硬貨識別部33とは反対側に設けられて金種振分ゲート42e(上流側選別部)および落下孔301e(上流側選別部)の落下対象硬貨よりも小径の硬貨を第2入金搬送路32から常時落下させる常時開状態の落下孔301f(下流側選別部)とを有している。金種振分ゲート42a〜42eは、いずれも、非駆動状態では閉状態とされ、閉状態では第2入金搬送路32から硬貨を落下させることはなく、開作動時に第2入金搬送路32から硬貨を落下させる。金種振分ゲート42a〜42eは、硬貨識別部33の識別結果に基づいて駆動されて開状態となることで対応する金種の硬貨を第2入金搬送路32からスタッカ41a〜41fの対応する金種のものに落下させる。
すなわち、金種振分ゲート42a〜42eのうち最も前側の金種振分ゲート42aは、駆動された開作動時に、落下孔301aを介して、スタッカ41a〜41fのうち最も前側のスタッカ41aに第2入金搬送路32から硬貨を落下させて選別することになる。同様に、前から二番目の金種振分ゲート42bが落下孔301bを介して前から二番目のスタッカ41bに、前から三番目の金種振分ゲート42cが落下孔301cを介して前から三番目のスタッカ41cに、前から四番目の金種振分ゲート42dが落下孔301dを介して前から四番目のスタッカ41dに、前から五番目の金種振分ゲート42eが落下孔301eを介して前から五番目のスタッカ41eに、それぞれ駆動された開作動時に第2入金搬送路32から硬貨を落下させて選別する。最も後側の常時開状態の落下孔301fは、最も後側のスタッカ41fに第2入金搬送路32から硬貨を落下させて選別する。
図5〜図8に示すように、金種振分ゲート42a〜42eは、全金種数である6金種よりも一つ少ない5金種分設けられている。
最も硬貨識別部33側の落下孔301aおよび金種振分ゲート42aは、1円硬貨を対象硬貨として第2入金搬送路32から落下させて選別するものである。金種振分ゲート42aは、落下孔301a内に設けられており、その硬貨識別部33とは反対側に設けられた支軸302aを中心に回動可能となっている。金種振分ゲート42aは、搬送路本体71の上面と面一の状態が、落下孔301aを閉塞する閉状態であり、非駆動状態では閉状態とされ、この閉状態では、硬貨識別部33側から搬送されてきた硬貨を落下孔301aから落下させることなく通過させる。金種振分ゲート42aは、搬送路本体71の上面よりも上側に突出するように支軸302aを中心に回動することで、落下孔301aを開放する開状態となる。金種振分ゲート42aは、この開状態では、硬貨識別部33側から搬送されてきた硬貨を落下孔301aに落下させる。搬送路本体71の上面には、硬貨識別部33と落下孔301aとの間に、第2入金搬送路32で搬送中の硬貨が硬貨識別部33を通過した後に落下孔301aおよび金種振分ゲート42aに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ303aが設けられている。
硬貨識別部33側から2番目の落下孔301bおよび金種振分ゲート42bは10円硬貨を対象硬貨として第2入金搬送路32から落下させて選別するものである。金種振分ゲート42bは、落下孔301b内に設けられており、その硬貨識別部33とは反対側に設けられた支軸302bを中心に回動可能となっている。金種振分ゲート42bは、金種振分ゲート42aと同様に開閉して硬貨を落下孔301bに落下させたり、落下させずに通過させたりする。搬送路本体71には、落下孔301aと落下孔301bとの間に、第2入金搬送路32で搬送中の硬貨が落下孔301aおよび金種振分ゲート42aを通過して落下孔301bおよび金種振分ゲート42bに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ303bが設けられている。この硬貨検知センサ303bの検知結果と上記した硬貨検知センサ303aの検知結果とから、これらの間にある落下孔301aに硬貨が落下したか否かを検知する。
硬貨識別部33側から3番目の落下孔301cおよび金種振分ゲート42cは100円硬貨を対象硬貨として第2入金搬送路32から落下させて選別するものである。金種振分ゲート42cは、落下孔301c内に設けられており、その硬貨識別部33とは反対側に設けられた支軸302cを中心に回動可能となっている。金種振分ゲート42cは、金種振分ゲート42a,42bと同様に開閉して硬貨を落下孔301cに落下させたり、落下させずに通過させたりする。搬送路本体71には、落下孔301bと落下孔301cとの間に、第2入金搬送路32で搬送中の硬貨が落下孔301bおよび金種振分ゲート42bを通過して落下孔301cおよび金種振分ゲート42cに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ303cが設けられている。この硬貨検知センサ303cの検知結果と上記した硬貨検知センサ303bの検知結果とから、これらの間にある落下孔301bに硬貨が落下したか否かを検知する。
硬貨識別部33側から4番目の落下孔301dおよび金種振分ゲート42dは5円硬貨を対象硬貨として第2入金搬送路32から落下させて選別するものである。金種振分ゲート42dは、落下孔301d内に設けられており、その硬貨識別部33とは反対側に設けられた支軸302dを中心に回動可能となっている。金種振分ゲート42dは、金種振分ゲート42a〜42cと同様に開閉して硬貨を落下孔301dに落下させたり、落下させずに通過させたりする。搬送路本体71には、落下孔301cと落下孔301dとの間に、第2入金搬送路32で搬送中の硬貨が落下孔301cおよび金種振分ゲート42cを通過して落下孔301dおよび金種振分ゲート42dに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ303dが設けられている。この硬貨検知センサ303dの検知結果と上記した硬貨検知センサ303cの検知結果とから、これらの間にある落下孔301cに硬貨が落下したか否かを検知する。
硬貨識別部33側から5番目の落下孔301eおよび金種振分ゲート42eは500円硬貨を対象硬貨として第2入金搬送路32から落下させて選別するものである。金種振分ゲート42eは、落下孔301e内に設けられており、その硬貨識別部33とは反対側に設けられた支軸302eを中心に回動可能となっている。金種振分ゲート42eは、金種振分ゲート42a〜42dと同様に開閉して硬貨を落下孔301eに落下させたり、落下させずに通過させたりする。搬送路本体71には、落下孔301dと落下孔301eとの間に、第2入金搬送路32で搬送中の硬貨が落下孔301dおよび金種振分ゲート42dを通過して落下孔301eおよび金種振分ゲート42eに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ303eが設けられている。この硬貨検知センサ303eの検知結果と上記した硬貨検知センサ303dの検知結果とから、これらの間にある落下孔301dに硬貨が落下したか否かを検知する。
落下孔301eおよび金種振分ゲート42eの硬貨識別部33とは反対側に、落下孔301fが設けられている。落下孔301fは、ゲートがなく常時硬貨を落下可能な開状態であり、硬貨識別部33側に隣り合う落下孔301eが落下させる500円硬貨よりも小径の50円硬貨を対象硬貨として第2入金搬送路32から落下させて選別する。搬送路本体71には、落下孔301eと落下孔301fとの間に、第2入金搬送路32で搬送中の硬貨が落下孔301eおよび金種振分ゲート42eを通過して落下孔301fに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ303f(通過センサ)が設けられている。この硬貨検知センサ303fの検知結果と上記した硬貨検知センサ303eの検知結果とから、これらの間にある落下孔301eに硬貨が落下したか否かを検知する。また、この硬貨検知センサ303fの検知結果から末端の落下孔301fから硬貨が落下したか否かを検知する。落下孔301eおよび金種振分ゲート42eが、硬貨識別部33の識別結果に基づいて駆動されて対象硬貨を第2入金搬送路32から選別する選別部となっており、落下孔301fが、落下孔301eおよび金種振分ゲート42eの識別部202とは反対側に設けられてこれらで第2入金搬送路32から選別する対象硬貨よりも小径の硬貨を第2入金搬送路32から選別する選別部となっている。
第2入金搬送路32には、図9に示すように落下孔301a〜301fを上方で覆う全体カバー305と、図10〜図12に示すように、落下孔301fをさらに上方で覆う上部カバー306とが設けられている。図12に示すように、上部カバー306は、搬送路本体71の落下孔301fよりも金種振分ゲート42eとは反対側から金種振分ゲート42e側に延出して落下孔301fの上方を覆っている。全体カバー305は、第2入金搬送路32で硬貨識別部33側から搬送されてきた硬貨の移動、金種振分ゲート42a〜42eの開作動および落下孔301a〜301fへの硬貨の落下を阻害せずに落下孔301a〜301fを上方で覆う。上部カバー306は、第2入金搬送路32で金種振分ゲート42e側から搬送されてきた硬貨の移動および落下孔301fへの落下を阻害せずに落下孔301fを上方で覆う。
全体カバー305には、図9に示すように、二つのガイド壁部310,311が設けられている。二つのガイド壁部310,311は、図8に示すように、搬送路本体71の上面上に、落下孔301a〜301fを両側で挟むように設けられている。一方のガイド壁部310は直線状であり、他方のガイド壁部311は段付き形状となっている。ガイド壁部310,311は、落下孔301a〜301eおよび金種振分ゲート42a〜42eの幅方向の両側に配置された一対の平行な移動ガイド312a,312aと、落下孔301fの幅方向の両側に配置された一対の平行な移動ガイド312f,312fとを有している。
一対の移動ガイド312a,312aは、500円硬貨の直径よりも広い間隔となっており、500円硬貨およびこれより小径の10円硬貨、100円硬貨、5円硬貨、50円硬貨および1円硬貨つまり全金種が通過可能となっている。一対の移動ガイド312f,312fは、50円硬貨の直径よりも広く、500円硬貨の直径よりも狭い間隔となっており、50円硬貨が通過可能となっている。詳しくは、一対の移動ガイド312f,312fは、50円硬貨の直径よりも広く、5円硬貨の直径よりも狭い間隔となっている。第2入金搬送路32の終端部の落下孔301fは、正常に第2入金搬送路32上を搬送されてきた50円硬貨を良好に落下させるように、ガイド壁部310,311および上部カバー306で、水平方向および鉛直方向がともにガードされている。
段付き形状のガイド壁部311は、移動ガイド312aと移動ガイド312fとを繋ぐ規制ガイド313aを有している。規制ガイド313aは、落下孔301eおよび金種振分ゲート42eと、落下孔301fとの間に設けられており、移動ガイド312fに近づくほどガイド壁部310との間隔が狭くなるように傾斜している。規制ガイド313aは、ガイド壁部310との最大間隔が隣り合う移動ガイド312aと同じで500円硬貨の直径よりも広く、ガイド壁部310との最小間隔が隣り合う移動ガイド312fと同じで500円硬貨の直径よりも狭く且つ50円硬貨の直径よりも広い。これにより、規制ガイド313aは、落下孔301fで落下する50円硬貨の径よりも大径の500円硬貨の落下孔301f側への移動を規制する。ここで、規制ガイド313aで落下孔301f側への移動が規制されて停止した状態にある500円硬貨は、硬貨検知センサ303fの鉛直上方で停止することになる。よって、硬貨検知センサ303fは、規制ガイド313aで落下孔301f側への移動が規制された状態の500円硬貨を検知する。
ここで、金種振分ゲート42a〜42eは、スタッカ41a〜41fと同様、硬貨識別部33側の3つの金種振分ゲート42a〜42cが、入金・出金で取り扱う枚数が比較的多い金種である1円硬貨用、10円硬貨用および100円硬貨用のグループであり、金種振分ゲート42a〜42eの硬貨識別部33とは反対側の残り2つの金種振分ゲート42d,42eおよび落下孔301fは、入金・出金で取り扱う枚数が比較的少ない金種である5円硬貨用、50円硬貨用および500円硬貨用のグループであれば、順番は適宜設定可能である。但し、5円硬貨用、50円硬貨用および500円硬貨用の金種振分ゲート42d,42eおよび落下孔301fのうち、最も硬貨識別部33とは反対側の落下孔301fは、落下対象の硬貨よりも大径の硬貨を規制ガイド313aで停止させることから、その硬貨識別部33側に隣り合う金種振分ゲート42eよりも小径の硬貨用となっている。つまり、上記のように落下孔301fが50円硬貨用であれば、金種振分ゲート42eは5円硬貨用および500円硬貨用のいずれでも良く、落下孔301fが5円硬貨用であれば、金種振分ゲート42eは500円硬貨用となる。落下孔301fが500円硬貨用に設定されることはない。落下対象の硬貨よりも大径の硬貨を規制ガイド313aで停止させることから、落下孔301fは、5円硬貨用、50円硬貨用および500円硬貨用のうち最小径の50円硬貨を落下させるのが好ましい。金種振分ゲート42a〜42cは、例えば、金種振分ゲート42aが1円硬貨用、金種振分ゲート42bが100円硬貨用、金種振分ゲート42cが10円硬貨用であっても良い。
ここで、上記した第1入金搬送路31、第2入金搬送路32及び金種振分ゲート42a〜42eが、硬貨入金口22に入れられた硬貨をスタッカ41a〜41fに搬送する入金搬送部43を構成している。入金搬送部43は硬貨処理部5に設けられており、よって硬貨処理部5を含む図2に示す本体部2に設けられている。
図4に示すスタッカ41a〜41fは、それぞれが収納している硬貨を一枚ずつに分離して右方に繰り出すことになり、硬貨処理部5には、スタッカ41a〜41fの右方に、スタッカ41a〜41fから繰り出された硬貨を前方に搬送する中間搬送路46が設けられている。この中間搬送路46は、前後方向に長く硬貨入金口22に硬貨を搬送可能となっており、スタッカ41a〜41fのそれぞれに対して直交する方向に延在している。硬貨処理部5には、中間搬送路46から硬貨を落下させる開閉可能な出金口振分ゲート47が、硬貨入金口22とスタッカ41aとの間に設けられている。出金口振分ゲート47は、閉状態では中間搬送路46から硬貨を落下させることはなく、開作動時に中間搬送路46から硬貨を落下させる。硬貨処理部5には、出金口振分ゲート47の下方に、出金口振分ゲート47で中間搬送路46から落下させられた硬貨を硬貨出金口25に搬送する出金搬送路48が設けられている。
硬貨処理部5には、スタッカ41aよりも前方に、バラ硬貨を収納すると共に、収納しているバラ硬貨を繰り出す予備収納庫51が設けられている。予備収納庫51は、前後方向に長い形状をなしており、中間搬送路46の左側に、これと平行に並んで設けられている。予備収納庫51は、スタッカ41a〜41fのそれぞれに対して直交する方向に延在している。
硬貨処理部5には、硬貨入金口22と出金口振分ゲート47との間に、中間搬送路46から硬貨を落下させる開閉可能な予備振分ゲート52が設けられている。予備振分ゲート52は、閉状態では中間搬送路46から硬貨を落下させることはなく、開作動時に中間搬送路46から硬貨を落下させる。中間搬送路46は、予備振分ゲート52から落下しなかった硬貨を末端から硬貨入金口22に落下させる。硬貨処理部5には、予備振分ゲート52の下方に、予備振分ゲート52で中間搬送路46から落下させられた硬貨を予備収納庫51に案内する予備収納庫シュータ53が設けられている。
予備収納庫51は、収納している硬貨を一枚ずつに分離して後方に繰り出すことになり、硬貨処理部5には、予備収納庫51とスタッカ41aとの間に、予備収納庫51から繰り出された硬貨を左右に振り分け搬送する振分搬送部56が設けられている。この振分搬送部56は、左右方向に長く、予備収納庫51と直交し、スタッカ41a〜41fのそれぞれに対して平行する方向に延在している。振分搬送部56は、予備収納庫51から繰り出された硬貨を右方に搬送して中間搬送路46のスタッカ41aと出金口振分ゲート47との間位置に繰り出す。この振分搬送部56の左方には、硬貨処理部5から下方に開口する繰出口57が設けられており、振分搬送部56は、予備収納庫51から繰り出された硬貨を左方に搬送して繰出口57に落下させる。このように振分搬送部56が繰出口57に落下させた硬貨は、硬貨処理部5つまり図2に示す本体部2から繰り出されて下方に落下する。
ここで、図4に示す中間搬送路46、出金搬送路48、出金口振分ゲート47、予備振分ゲート52及び予備収納庫シュータ53が、スタッカ41a〜41fから繰り出された硬貨を硬貨出金口25、予備収納庫51及び硬貨入金口22に選択的に搬送する出金搬送部58を構成している。出金搬送部58は硬貨処理部5に設けられており、よって硬貨処理部5を含む図2に示す本体部2に設けられている。図4に示す振分搬送部56は、予備収納庫51から繰り出された硬貨を、出金搬送部58及び繰出口57に選択的に搬送する。その結果、予備収納庫51は、出金搬送部58で搬送される硬貨を収納可能であると共に、収納している硬貨を振分搬送部56を介して出金搬送部58に繰り出し可能となっている。
硬貨識別部33は、図5に示す搬送路本体71の一部を構成するように設けられており、搬送ベルト72で搬送されて通過する硬貨をその画像や材質から識別する。硬貨識別部33は、硬貨が受け入れ可能な受入可能硬貨であるか、受け入れ不可な受入不可硬貨であるかを識別し、受入可能硬貨については金種を識別して計数する。
リジェクト振分ゲート36は、第2入金搬送路32における第1入金搬送路31と硬貨識別部33との間位置に配置されており、閉状態では搬送路本体71の一部を構成する。リジェクト振分ゲート36は、開状態ではその硬貨識別部33側が搬送路本体71よりも上側に位置するように回動し、この状態で搬送ベルト72によって硬貨識別部33側から搬送路本体71上を移動させられる硬貨を落下させる。リジェクト振分ゲート36で第2入金搬送路32から落下させられた硬貨は、リジェクトシュータ37を介して硬貨リジェクト口24に放出される。
金種振分ゲート42a〜42eは、第2入金搬送路32における硬貨識別部33に対して第1入金搬送路31とは反対側に直列状に配置されており、いずれも閉状態では搬送路本体71の一部を構成する。金種振分ゲート42a〜42eは、いずれも開状態ではその硬貨識別部33側が搬送路本体71よりも上側に位置するように回動し、この状態で搬送ベルト72により硬貨識別部33側から搬送路本体71上を移動する硬貨を落下させる。金種振分ゲート42a〜42eで第2入金搬送路32から落下させられた硬貨は、スタッカ41a〜41fの対応するものに収納される。ここで、POSレジ11の制御部18は、硬貨識別部33の識別結果に基づいて、各スタッカ41a〜41fへの硬貨の入金量を把握する。
スタッカ41a〜41fは、それぞれ、壁部76と、壁部76の下側に配置されて左右に延在する無端のベルトコンベア77と、ベルトコンベア77の上側に配置された分離ローラ78とを有している。スタッカ41a〜41fは、それぞれ、壁部76内の分離ローラ78よりも左方のベルトコンベア77上に、金種振分ゲート42a〜42eで振り分けられて落下孔301a〜301fから落下する硬貨を収納することになり、ベルトコンベア77は、収納している硬貨を右方に搬送する。分離ローラ78は、ベルトコンベア77の搬送方向とは逆方向に対向部分を移動させることにより、ベルトコンベア77上の硬貨を一枚ずつに分離する。ベルトコンベア77は、分離ローラ78で一枚ずつに分離された硬貨を更に右方に搬送する。スタッカ41a〜41fは、それぞれ、ベルトコンベア77の右端位置に、ベルトコンベア77及び分離ローラ78で一枚ずつに分離されて搬送される硬貨を計数しつつ一枚ずつ中間搬送路46に繰り出す繰出機構79を有している。ここで、POSレジ11の制御部18は、上記のように各スタッカ41a〜41fへの硬貨の入金量を把握しており、これと繰出機構79の計数値とから、各スタッカ41a〜41fに収納されている硬貨の収納量を把握する。
スタッカ41a〜41fの右側には、前後方向に延在する無端のベルトコンベア81が設けられている。このベルトコンベア81は、図6に示すようにスタッカ41a〜41fに近い部分が中間搬送路46を構成する中間搬送路構成部82となっており、スタッカ41a〜41fから遠い部分が出金搬送路48を構成する出金搬送路構成部83となっている。中間搬送路構成部82のうちスタッカ41a〜41fに近い部分は、水平に配置されており、スタッカ41a〜41fから繰り出された硬貨を上面に受け入れる。中間搬送路構成部82のうちスタッカ41a〜41fから遠い前側の部分は、前上がりに傾斜している。出金搬送路構成部83は、中間搬送路構成部82の前側の部分から段差状をなして下側に配置されて前方に延出している。
ベルトコンベア81の中間搬送路構成部82の上側には、スタッカ41a〜41fよりも前側に分離ローラ85が配置されている。分離ローラ85は、中間搬送路構成部82の搬送方向とは逆方向に対向部分を移動させることにより、中間搬送路構成部82上の硬貨を一枚ずつに分離して前方に繰り出させる。ベルトコンベア81の中間搬送路構成部82及び分離ローラ85は、中間搬送路46を構成している。
ベルトコンベア81の中間搬送路構成部82よりも前方には、分離ローラ85で一枚ずつに分離されてベルトコンベア81の中間搬送路構成部82で前方に搬送されてきた硬貨を更に前方に搬送する通路87及び搬送ベルト88が設けられている。通路87及び搬送ベルト88は、中間搬送路構成部82の前側で前後方向に延在しており、通路87は、中間搬送路構成部82の前上がりの部分の延長線上で前上がりに傾斜している。通路87及び搬送ベルト88は、ベルトコンベア81の中間搬送路構成部82から通路87上に送り出された硬貨を搬送ベルト88が上側から通路87に押し付けて更に前方に搬送する。
通路87に出金口振分ゲート47が設けられている。出金口振分ゲート47は、閉状態では通路87の一部を構成している。出金口振分ゲート47は、開状態ではその中間搬送路構成部82側が通路87よりも上側に位置するように回動し、この状態でベルトコンベア81の中間搬送路構成部82により通路87側に搬送される硬貨を落下させる。出金口振分ゲート47で中間搬送路構成部82から落下させられた硬貨は、ベルトコンベア81の出金搬送路構成部83上に落下する。
予備振分ゲート52は、通路87の出金口振分ゲート47よりも中間搬送路構成部82とは反対側に設けられており、閉状態では通路87の一部を構成している。予備振分ゲート52は、開状態ではその中間搬送路構成部82側が通路87よりも上側に位置するように回動し、この状態で搬送ベルト88により通路87上を移動する硬貨を落下させる。予備振分ゲート52で通路87から落下させられた硬貨は、予備収納庫シュータ53を介して図5に示す予備収納庫51に落下する。
図6に示す通路87及び搬送ベルト88は、出金口振分ゲート47及び予備振分ゲート52のいずれでも落下させなかった硬貨を末端位置から硬貨入金口22を介して第1入金搬送路31のベルトコンベア61上に落下させる。
ベルトコンベア81の中間搬送路構成部82及び分離ローラ85に加えて、通路87及び搬送ベルト88が、スタッカ41a〜41fから繰り出された硬貨を硬貨入金口22に搬送可能な中間搬送路46を構成している。
ベルトコンベア81の出金搬送路構成部83の上側には、分離ローラ91が配置されている。分離ローラ91は、出金搬送路構成部83の搬送方向とは逆方向に対向部分を移動させることにより、出金搬送路構成部83上の硬貨を一枚ずつに分離する。出金搬送路構成部83は、分離ローラ91で一枚ずつに分離された硬貨を前方に搬送する。
ベルトコンベア81の出金搬送路構成部83よりも前方には、分離ローラ91で一枚ずつに分離されてベルトコンベア81の出金搬送路構成部83で前方に搬送されてきた硬貨を更に前方に搬送する通路92及び搬送ベルト93が設けられている。通路92及び搬送ベルト93は、出金搬送路構成部83の前側で前後方向に延在しており、出金搬送路構成部83から通路92上に送り出された硬貨を搬送ベルト93が上側から通路92に押し付けて更に前方に搬送する。通路92及び搬送ベルト93は、硬貨を末端位置から硬貨出金口25に放出する。
ベルトコンベア81の出金搬送路構成部83、分離ローラ91、通路92及び搬送ベルト93が、出金口振分ゲート47で中間搬送路46から落下させられた硬貨を硬貨出金口25に搬送する出金搬送路48を構成している。この出金搬送路48は、スタッカ41a〜41fから繰り出され中間搬送路46で搬送されてきた硬貨を硬貨出金口25に搬送する。
図7に示すように、予備収納庫51は、壁部95と、壁部95の下部に配置されて前後方向に延在する無端のベルトコンベア96とを有している。ベルトコンベア96は、その後側の部分が鉛直に近い角度で後ろ上がりに立ち上がっており、図示略の係止片で硬貨を一枚ずつ持ち上げて振分搬送部56に繰り出す。これにより、予備収納庫51は、硬貨を一枚ずつに分離して振分搬送部56に繰り出す。
振分搬送部56は、図5に示すように、左右方向に延在するベルトコンベア98と、その上側の分離ローラ99と、ベルトコンベア98と繰出口57とを結ぶように延在する通路100と、通路100上で左右方向に延在する無端の搬送ベルト101とを有している。ベルトコンベア98は、通路100と中間搬送路46のベルトコンベア81とを結ぶように設けられており、予備収納庫51よりも通路100側に分離ローラ99が設けられている。分離ローラ99は、ベルトコンベア98の通路100側への搬送方向とは逆方向に対向部分を移動させることにより、ベルトコンベア98上の硬貨を一枚ずつに分離することになり、ベルトコンベア98は、分離ローラ99で一枚ずつに分離された硬貨を通路100側に搬送する。ベルトコンベア98の他端側は、ベルトコンベア81のスタッカ41aと分離ローラ85との間位置に硬貨を繰り出すようになっている。通路100には、搬送ベルト101で繰出口57側に搬送される硬貨の金種を識別しつつ計数する繰出識別部102が設けられている。ここで、POSレジ11の制御部18は、繰出識別部102の計数結果から、繰出口57に落下する硬貨の在高を把握している。
図13に示すように、紙幣処理部6には、前側から順に、紙幣入金口26、紙幣出金口27、紙幣を収納可能な着脱式の紙幣カセット118、紙幣を収納するとともに収納した紙幣を紙幣出金口27に出金させる複数具体的には四つの着脱不可な紙幣収納庫120,121,122,123が設けられている。紙幣カセット118は、紙幣収納庫120〜123からの紙幣を収納可能となっている。
例えば、紙幣収納庫120〜122は、それぞれが単一金種収納用となっており、紙幣収納庫120には千円紙幣が収納され、紙幣収納庫121には五千円紙幣が収納され、紙幣収納庫122には万円紙幣が収納される。また、紙幣収納庫123は、金種混合収納用となっており、紙幣収納庫120〜122に収納しきれないオーバーフロー紙幣や流通量が少ない二千円紙幣が収納される。勿論、紙幣収納庫120〜123への収納パターンは、これに限らず、種々の設定が可能である。
紙幣入金口26、紙幣出金口27、紙幣カセット118及び紙幣収納庫120〜123は、いずれも左右方向に長い横長の形状をなしており、すべて、長辺が上端及び下端で左右方向に沿う姿勢(横長の姿勢)の紙幣を受け入れるようになっている。
上記した紙幣入金口26、紙幣出金口27、紙幣カセット118及び紙幣収納庫120〜123は、紙幣処理部6の内部の右側に寄せられて設けられており、これにより紙幣処理部6の内部の左側に設けられたスペースに、これら紙幣入金口26、紙幣出金口27、紙幣カセット118及び紙幣収納庫120〜123を接続させて紙幣のやり取りを行う紙幣搬送部127が配置されている。なお、この紙幣搬送部127も紙幣を常に長辺が上端及び下端となる姿勢で搬送する。
紙幣搬送部127は、紙幣入金口26と紙幣収納庫123とを結ぶ主搬送路128と、主搬送路128の紙幣出金口27の近傍から分岐して紙幣出金口27に接続される分岐搬送路129と、主搬送路128の紙幣カセット118の近傍から分岐して紙幣カセット118に接続される分岐搬送路130と、主搬送路128の紙幣収納庫120の近傍から分岐して紙幣収納庫120に接続される分岐搬送路132と、主搬送路128の紙幣収納庫121の近傍から分岐して紙幣収納庫121に接続される分岐搬送路133と、主搬送路128の紙幣収納庫122の近傍から分岐して紙幣収納庫122に接続される分岐搬送路134とを有している。
紙幣搬送部127は、主搬送路128を介して紙幣収納庫120〜123側から搬送されてきた紙幣を、駆動状態で分岐搬送路129に案内して紙幣出金口27に搬送させる一方、非駆動状態ではそのまま主搬送路128で搬送させる振分部129Gを有している。分岐搬送路129は、紙幣出金口27に向けて回転して紙幣を紙幣出金口27に送り込むローラ対129Rを有している。
また、紙幣搬送部127は、主搬送路128を介して紙幣収納庫120〜123側から搬送されてきた紙幣を、駆動状態で分岐搬送路130に案内して紙幣カセット118に搬送させる一方、非駆動状態ではそのまま主搬送路128で搬送させる振分部130Gを有している。分岐搬送路130は、紙幣カセット118に向けて回転して紙幣を紙幣カセット118に送り込むローラ対130Rを有している。
また、紙幣搬送部127は、主搬送路128を介して紙幣入金口26側から搬送されてきた紙幣を、駆動状態で分岐搬送路132に案内して紙幣収納庫120に搬送させる一方、非駆動状態ではそのまま主搬送路128で搬送させる振分部132Gを有している。分岐搬送路132は、紙幣収納庫120に向けて回転して紙幣を紙幣収納庫120に送り込むローラ132Ra,132Rbを有している。紙幣収納庫120には、ローラ132Ra,132Rbに向けて紙幣を蹴り出す蹴出ローラ120Rが設けられている。一方のローラ132Raは、紙幣収納庫120から紙幣を繰り出す際に回転し、他方のローラ132Rbは、紙幣収納庫120から紙幣を繰り出す際には停止して紙幣を一枚ずつに分離する。
また、紙幣搬送部127は、主搬送路128を介して紙幣入金口26側から搬送されてきた紙幣を、駆動状態で分岐搬送路133に案内して紙幣収納庫121に搬送させる一方、非駆動状態ではそのまま主搬送路128で搬送させる振分部133Gを有している。分岐搬送路133は、紙幣収納庫121に向けて回転して紙幣を紙幣収納庫121に送り込むローラ133Ra,133Rbを有している。紙幣収納庫121には、ローラ133Ra,133Rbに向けて紙幣を蹴り出す蹴出ローラ121Rが設けられている。一方のローラ133Raは、紙幣収納庫121から紙幣を繰り出す際に回転し、他方のローラ133Rbは、紙幣収納庫121から紙幣を繰り出す際には停止して紙幣を一枚ずつに分離する。
また、紙幣搬送部127は、主搬送路128を介して紙幣入金口26側から搬送されてきた紙幣を、駆動状態で分岐搬送路134に案内して紙幣収納庫122に搬送させる一方、非駆動状態ではそのまま主搬送路128で搬送させる振分部134Gを有している。分岐搬送路134は、紙幣収納庫122に向けて回転して紙幣を紙幣収納庫122に送り込むローラ134Ra,134Rbを有している。紙幣収納庫122には、ローラ134Ra,134Rbに向けて紙幣を蹴り出す蹴出ローラ122Rが設けられている。一方のローラ134Raは、紙幣収納庫122から紙幣を繰り出す際に回転し、他方のローラ134Rbは、紙幣収納庫122から紙幣を繰り出す際には停止して紙幣を一枚ずつに分離する。
また、主搬送路128は、紙幣収納庫123に向けて回転して紙幣を紙幣収納庫123に送り込むローラ135Ra,135Rbを有している。紙幣収納庫123には、ローラ135Ra,135Rbに向けて紙幣を蹴り出す蹴出ローラ123Rが設けられている。一方のローラ135Raは、紙幣収納庫123から紙幣を繰り出す際に回転し、他方のローラ135Rbは、紙幣収納庫123から紙幣を繰り出す際には停止して紙幣を一枚ずつに分離する。
紙幣入金口26は、主搬送路128に向けて紙幣を蹴り出す蹴出ローラ26Raと、蹴出ローラ26Raで蹴り出された紙幣を主搬送路128に繰り出す繰出ローラ26Rbと、繰出ローラ26Rbで繰り出される紙幣を、停止することにより一枚ずつに分離する分離ローラ26Rcとを有している。
主搬送路128には、分岐搬送路129,130間に、紙幣を識別する紙幣識別部140が設けられている。
図14に示すように、補助収納庫3は、前方に開口する箱形の筐体部151と、筐体部151に対して前方に水平に引き出し可能に支持された第1収納ドロア152とを有する第1補助収納部153と、前方に開口する箱形の筐体部155と、筐体部155に対して前方に水平に引き出し可能に支持された第2収納ドロア156とを有する第2補助収納部157とを有している。第1収納ドロア152の前面には、LEDからなる第1表示ランプ158が設けられており、第2収納ドロア156の前面には、LEDからなる第2表示ランプ159が設けられている。
第1補助収納部153は、筐体部151に第1収納ドロア152が押し込まれた閉状態では、第1収納ドロア152内への操作者によるアクセスが不可であり、第1収納ドロア152が筐体部151から引き出された開状態で、第1収納ドロア152内への操作者によるアクセスが可能となる。第1補助収納部153には、筐体部151に第1収納ドロア152を閉状態でロックする電磁ロックである第1ロック機構160が設けられている。この第1ロック機構160は、POSレジ11の制御部18からの解除信号でロックが解除されることになり、ロックが解除されると、筐体部151から第1収納ドロア152を少し突出させる。これにより、筐体部151からの第1収納ドロア152の引き出しが可能になる。その後、第1収納ドロア152が筐体部151に押し込まれて閉状態になると第1ロック機構160は、自動的に第1収納ドロア152を筐体部151にロックする。
第2補助収納部157も、第1補助収納部153と同様であり、筐体部155に第2収納ドロア156を閉状態でロックする電磁ロックである第2ロック機構161が設けられている。この第2ロック機構161も、POSレジ11の制御部18からの解除信号でロックが解除されることになり、その後、第2収納ドロア156が筐体部155に押し込まれて閉状態になると自動的に第2収納ドロア156を筐体部155にロックする。
第1補助収納部153の筐体部151の上板部164には、上方に開口して内外を連通させる導入口165が形成されており、この筐体部151上に図2に示すように硬貨処理部5が位置を合わせて載置されると、図14に示す導入口165は、図5に示す硬貨処理部5の繰出口57と水平方向の位置が合い、硬貨処理部5の繰出口57から落下する全ての硬貨を、この導入口165から第1補助収納部153内に受け入れる。
第1収納ドロア152には、この第1収納ドロア152が筐体部151に押し込まれた閉状態で、硬貨処理部5の繰出口57から繰り出され導入口165に導入された硬貨を収納する回収硬貨収納トレー166が設けられている。回収硬貨収納トレー166は、上方開口の有底箱状であり、第1収納ドロア152に対して着脱可能に設けられている。
次に、第2実施形態の貨幣処理装置1の各種処理について説明する。
「入金処理」
POSレジ11において、バーコード読取部14による商品バーコードの読み取り等で顧客が購入する商品の代金が確定し、入力操作部12に入金操作が入力されると、POSレジ11の制御部18は、貨幣処理装置1の硬貨入金口22へ硬貨が投入されていれば、硬貨処理部5による硬貨入金処理を開始させることになり、貨幣処理装置1の紙幣入金口26へ紙幣が投入されていれば、紙幣処理部6による紙幣入金処理とを開始させる。
硬貨入金処理では、硬貨処理部5が、硬貨入金口22の硬貨を第1入金搬送路31のベルトコンベア61及び分離ローラ62で一枚ずつ分離して第2入金搬送路32に繰り出し、第2入金搬送路32の搬送路本体71及び搬送ベルト72で搬送しつつ閉状態のリジェクト振分ゲート36を越えて硬貨識別部33まで搬送し、硬貨識別部33で識別させる。硬貨識別部33では受け入れの可不可及び受入可能硬貨については金種を識別して計数し、この識別結果に基づき、受入不可硬貨を、搬送ベルト72の逆転搬送とリジェクト振分ゲート36の開作動とでリジェクトシュータ37を介して硬貨リジェクト口24に放出する入金リジェクト処理を行う。これにより、受入不可硬貨が硬貨リジェクト口24に収容され、操作者は、この受入不可硬貨を硬貨リジェクト口24から取り出すことができる。
他方、硬貨識別部33の識別結果に基づき、受入可能硬貨を、そのまま第2入金搬送路32の下流側に移動させる。その結果、受入可能硬貨を、金種振分ゲート42a〜42eの対応するもので選別してスタッカ41a〜41fの対応する金種のものに収納する。つまり、1円硬貨は金種振分ゲート42aで落下させてスタッカ41aに収納し、10円硬貨は金種振分ゲート42bで落下させてスタッカ41bに収納し、100円硬貨は金種振分ゲート42cで落下させてスタッカ41cに収納し、5円硬貨は金種振分ゲート42dで落下させてスタッカ41dに収納し、500円硬貨は金種振分ゲート42eで落下させてスタッカ41eに収納し、50円硬貨は落下孔301fで落下させてスタッカ41fに収納する。
より具体的に、制御部18は、例えば、硬貨識別部33で検出された1円硬貨については、当該1円硬貨が硬貨識別部33を通過したタイミングから所定時間経過後に1円硬貨用の金種振分ゲート42aを開作動させることによって、当該1円硬貨を落下孔301aから落下させてスタッカ41aに収納する。その際に、制御部18は、当該1円硬貨が硬貨検知センサ303aを通過したタイミングで金種振分ゲート42aを閉作動させる。なお、硬貨識別部33で1円硬貨が連続して検出されると、制御部18は、先頭の1円硬貨が硬貨識別部33を通過したタイミングから所定時間経過後に金種振分ゲート42aを開作動させ、その後、開状態を維持し、最後尾の1円硬貨が硬貨検知センサ303aを通過したことを検知すると金種振分ゲート42aを閉作動させる。なお、硬貨識別部33で兼用せずに1円硬貨用の開作動用のタイミングセンサを設けても良い。制御部18は、硬貨識別部33で検出された1円硬貨が硬貨検知センサ303aを通過後、所定時間の間に硬貨検知センサ303bで検知されないことを確認することで、当該1円硬貨の落下孔301aからの落下を検出する。
制御部18は、硬貨識別部33で検出された10円硬貨については、当該10円硬貨が硬貨検知センサ303aを通過したタイミングで10円硬貨用の金種振分ゲート42bを開作動させることによって、当該10円硬貨を落下孔301bから落下させてスタッカ41bに収納する。その際に、制御部18は、当該10円硬貨が硬貨検知センサ303bを通過したタイミングで金種振分ゲート42bを閉作動させる。なお、硬貨識別部33で10円硬貨が連続して検出されると、制御部18は、先頭の10円硬貨が硬貨検知センサ303aを通過したタイミングで金種振分ゲート42bを開き、最後尾の10円硬貨が硬貨検知センサ303bを通過したタイミングで金種振分ゲート42bを閉じる。制御部18は、硬貨識別部33で検出された10円硬貨が硬貨検知センサ303bを通過後、所定時間の間に硬貨検知センサ303cで検知されないことを確認することで、当該10円硬貨の落下孔301bからの落下を検出する。
制御部18は、硬貨識別部33で検出された100円硬貨については、当該100円硬貨が硬貨検知センサ303bを通過したタイミングで100円硬貨用の金種振分ゲート42cを開作動させることによって、当該100円硬貨を落下孔301cから落下させてスタッカ41cに収納する。その際に、制御部18は、当該100円硬貨が硬貨検知センサ303cを通過したタイミングで金種振分ゲート42cを閉作動させる。この場合も、硬貨識別部33で100円硬貨が連続して検出されると、制御部18は、先頭の100円硬貨が硬貨検知センサ303bを通過したタイミングで金種振分ゲート42cを開き、最後尾の100円硬貨が硬貨検知センサ303cを通過したタイミングで金種振分ゲート42cを閉じる。制御部18は、硬貨識別部33で検出された100円硬貨が硬貨検知センサ303cを通過後、所定時間の間に硬貨検知センサ303dで検知されないことを確認することで、当該100円硬貨の落下孔301cからの落下を検出する。
制御部18は、硬貨識別部33で検出された5円硬貨については、当該5円硬貨が硬貨検知センサ303cを通過したタイミングで5円硬貨用の金種振分ゲート42dを開作動させることによって、当該5円硬貨を落下孔301dから落下させてスタッカ41dに収納する。その際に、制御部18は、当該5円硬貨が硬貨検知センサ303dを通過したタイミングで金種振分ゲート42dを閉作動させる。この場合も、硬貨識別部33で5円硬貨が連続して検出されると、制御部18は、先頭の5円硬貨が硬貨検知センサ303cを通過したタイミングで金種振分ゲート42dを開き、最後尾の5円硬貨が硬貨検知センサ303dを通過したタイミングで金種振分ゲート42dを閉じる。制御部18は、硬貨識別部33で検出された5円硬貨が硬貨検知センサ303dを通過後、所定時間の間に硬貨検知センサ303eで検知されないことを確認することで、当該5円硬貨の落下孔301dからの落下を検出する。
制御部18は、硬貨識別部33で検出された500円硬貨については、当該500円硬貨が硬貨検知センサ303dを通過したタイミングで500円硬貨用の金種振分ゲート42eを開作動させることによって、当該500円硬貨を落下孔301eから落下させてスタッカ41eに収納する。その際に、制御部18は、当該500円硬貨が硬貨検知センサ303eを通過したタイミングで金種振分ゲート42eを閉作動させる。この場合も、硬貨識別部33で500円硬貨が連続して検出されると、制御部18は、先頭の500円硬貨が硬貨検知センサ303dを通過したタイミングで金種振分ゲート42eを開き、最後尾の500円硬貨が硬貨検知センサ303eを通過したタイミングで金種振分ゲート42eを閉じる。制御部18は、硬貨識別部33で検出された500円硬貨が硬貨検知センサ303eを通過後、所定時間の間に硬貨検知センサ303fで検知されないことを確認することで、当該500円硬貨の落下孔301eからの落下を検出する。
制御部18は、硬貨識別部33で検出された50円硬貨については、落下孔301fから落下させてスタッカ41fに収納する。制御部18は、硬貨識別部33で検出された50円硬貨が硬貨検知センサ303fを通過すると、当該50円硬貨の落下孔301fからの落下を検出する。
そして、制御信号ノイズ等の影響により金種振分ゲート42eを開口するはずが開口せず、または開口動作が遅れるなどして、500円硬貨が、その次の下流の落下孔301fに向けて移動してしまった場合等の金種振分ゲート42eの動作不良発生時や、500円硬貨が、これを落下させるべき落下孔301eを越えてオーバーランしてしまった場合等の搬送不良発生時に、振り分け不良となった500円硬貨は、落下させるべき所定の落下孔301eを越えると、規制ガイド313aによって落下孔301fの手前で停止させられて、落下させるべき所定の落下孔301eとは異なる落下孔301fに落下することが規制される。
よって、常時開状態の50円硬貨の落下孔301fへの500円硬貨の落下を規制することができる。制御部18は、硬貨検知センサ303fで所定時間以上連続して硬貨を検知すると、規制ガイド313aで500円硬貨が停止させられていると判断して、ベルトコンベア61、搬送ベルト64および搬送ベルト72とを停止させ、図示略の表示部等に報知を行う。
なお、このように、振り分け不良硬貨を硬貨検知センサ303fが検出した場合、制御部18は搬送ベルト72の回動動作を緊急停止させて、第2入金搬送路32上を搬送する全ての硬貨を停止させても良いが、これに限らない。例えば、制御部18は、振り分け不良硬貨の後続の第2入金搬送路32上を搬送する全ての硬貨が硬貨識別部33で50円硬貨ではないと識別されたことを条件として、識別された硬貨を搬送して金種振分ゲート42a〜42eおよび落下孔301a〜301eに振り分けしきった後に通常停止させるようにしても良い。
制御部18は、上述したように金種別の各スタッカ41a〜41fに収納されている硬貨の収納量を把握しており、入金処理で新たに入金された硬貨によってスタッカ41a〜41fのいずれかの収納量が、所定の適正上限量を超える場合、スタッカ41a〜41fの適正上限量を超えるものから、繰出機構79によって適正上限量を超える分の硬貨を計数しつつ中間搬送路46に繰り出させて、入金処理後の収納量が適正上限量を超えないようにして、全てのスタッカ41a〜41fの収納量を適正上限量以下に保つ。これにより、全てのスタッカ41a〜41fの収納量を、多くても、収納量が適正上限量となるニアフル状態に保つようにする。
このようにスタッカ41a〜41fから中間搬送路46に硬貨を繰り出させる場合、制御部18は、出金口振分ゲート47を閉状態のまま、予備振分ゲート52を開状態として、ベルトコンベア81の中間搬送路構成部82及び搬送ベルト88で硬貨を予備振分ゲート52に向けて搬送する。すると、硬貨は、中間搬送路46の分離ローラ85で一枚ずつに分離された後、出金口振分ゲート47を越えて予備振分ゲート52の位置で中間搬送路46から落下して予備収納庫シュータ53を介して予備収納庫51に収納される。このとき、制御部18は、繰出機構79の計数値から予備収納庫51に収納された硬貨の金種別の入金量を把握している。
ここで、上述したように、制御部18は、振分搬送部56で予備収納庫51から繰出口57に繰り出された硬貨の金種別の繰出量を把握しており、この金種別の繰出量と、上記の予備収納庫51への硬貨の金種別の入金量とから予備収納庫51に収納されている硬貨の金種別の収納量を把握している。入金処理で予備収納庫51に入金された硬貨によって予備収納庫51の収納量が所定の適正上限量を超える場合、予備収納庫51からベルトコンベア96によって、硬貨を振分搬送部56に繰り出させて、振分搬送部56のベルトコンベア98及び搬送ベルト101によって、繰出口57に向けて搬送する。そして、繰出識別部102の計数結果に基づいて適正上限量を超える分の硬貨を繰出口57に落下させる。このようにして入金処理後の予備収納庫51の収納量が適正上限量を超えないようにして適正上限量以下に保つ。振分搬送部56から繰り出された硬貨は、繰出口57及び図14に示す導入口165を介して補助収納庫3の第1収納ドロア152の回収硬貨収納トレー166に収納される。制御部18は、振分搬送部56の繰出識別部102の識別結果から、本体部2から補助収納庫3へ繰り出した硬貨の金種別の繰出量を把握している。
紙幣入金処理では、紙幣処理部6が、紙幣入金口26の紙幣を一枚ずつ分離して主搬送路128に送り出し、主搬送路128で紙幣収納庫120〜123に向けて搬送し、紙幣識別部140で識別させる。紙幣識別部140では、受け入れの可不可及び受入可能紙幣についての金種が識別され、この識別結果に基づき、受入可能紙幣を、紙幣収納庫120〜123用の振分部132G〜134Gのうち該当する金種用のものを駆動して、金種の紙幣収納庫120〜123のうちの該当する金種のものに収納する。つまり、千円紙幣は、振分部132Gで分岐搬送路132に送り込み、ローラ132Ra,132Rbで紙幣収納庫120に収納する。また、五千円紙幣は、振分部133Gで分岐搬送路133に送り込み、ローラ133Ra,133Rbの駆動で紙幣収納庫121に収納する。更に、万円紙幣は、振分部134Gで分岐搬送路134に送り込み、ローラ134Ra,134Rbの駆動で紙幣収納庫122に収納する。更に、二千円紙幣及び紙幣収納庫120〜122に収納しきれないオーバーフロー紙幣は、ローラ135Ra,135Rbの駆動で紙幣収納庫123に収納する。
他方、紙幣識別部140で入金不可と識別された紙幣は、主搬送路128の逆転駆動によって上記とは逆方向に搬送し、振分部129Gで分岐搬送路129に送り込んでローラ対129Rの駆動で紙幣出金口27に搬送する。これにより、受入不可紙幣が紙幣出金口27に収容され、操作者は、この受入不可紙幣を紙幣出金口27から取り出すことができる。
硬貨入金口22の硬貨が、すべて、硬貨リジェクト口24及びスタッカ41a〜41fのいずれかに搬送され、紙幣入金口26の紙幣がすべて、紙幣収納庫120〜123及び紙幣出金口27のいずれかに搬送されると、POSレジ11の制御部18は、今回の入金処理において受け入れた硬貨及び紙幣の計数結果と、入金取消をするか、入金確定をするかの選択操作を促す表示とを入力表示部13に表示させる。
上記した入金取消をするか、入金確定をするかの問いに対して、操作者が、承認操作入力である入金確定の選択操作をPOSレジ11の入力操作部12に入力すると、制御部18は、今回の入金処理で受け入れた硬貨及び紙幣の計数値を確定して記憶すると共に、その合計金額から商品代金を減算して釣銭金額を算出し、入金処理を終了する。釣銭がある場合には、引き続き、後述の出金処理を行う。
「入金返却処理」
他方、入金処理における上記した入金取消をするか、入金確定をするかの問いに対して、操作者が、取り消し操作入力である入金取消の選択操作をPOSレジ11の入力操作部12に入力すると、制御部18は、貨幣処理装置1の硬貨処理部5について、出金口振分ゲート47を開状態にして、スタッカ41a〜41fのベルトコンベア77を駆動し、入金された金額のうち硬貨部分を構成する返却硬貨を、スタッカ41a〜41fの対応するものから繰出機構79で計数しつつ、中間搬送路46のベルトコンベア81の中間搬送路構成部82上に繰り出させる。すると、ベルトコンベア81の中間搬送路構成部82が硬貨を出金口振分ゲート47に向けて搬送する。その途中、硬貨は、中間搬送路46の分離ローラ85で一枚ずつに分離された後、出金口振分ゲート47から、出金搬送路48のベルトコンベア81の出金搬送路構成部83上に落下する。すると、出金搬送路48の出金搬送路構成部83上で分離ローラ91によって再び一枚ずつに分離され、搬送ベルト93の駆動で通路92上を移動して硬貨出金口25に放出される。
また、制御部18は、貨幣処理装置1の紙幣処理部6について、紙幣収納庫120〜122の対応するものから、入金された金額のうち紙幣部分を構成する返却紙幣を、分岐搬送路132〜134の対応するもの及び主搬送路128を介して紙幣出金口27に搬送することになる。つまり、紙幣収納庫120から紙幣を繰り出す場合、紙幣を、蹴出ローラ120Rがローラ132Ra,132Rbに向けて蹴り出し、ローラ132Rbで一枚に分離しながらローラ132Raが分岐搬送路132に繰り出す。紙幣収納庫121から紙幣を繰り出す場合、紙幣を、蹴出ローラ121Rがローラ133Ra,133Rbに向けて蹴り出し、ローラ133Rbで一枚に分離しながらローラ133Raが分岐搬送路133に繰り出す。紙幣収納庫122から紙幣を繰り出す場合、蹴出ローラ122Rが紙幣をローラ134Ra,134Rbに向けて蹴り出し、ローラ134Rbで一枚に分離しながらローラ134Raが分岐搬送路134に繰り出す。このようにして紙幣収納庫120〜122の対応するものから繰り出された紙幣を主搬送路128で搬送し、振分部129Gで分岐搬送路129に導入して紙幣出金口27に送り込む。
入金された金額の硬貨部分を構成する返却硬貨が硬貨出金口25に放出され、入金された金額の紙幣部分を構成する返却紙幣が紙幣出金口27に放出されると、入金返却処理を終了することになり、操作者は、返却硬貨を硬貨出金口25から、返却紙幣を紙幣出金口27から取り出すことになる。
「出金処理」
POSレジ11の制御部18は、上記したように入金処理で受け入れた硬貨及び紙幣の合計金額から商品代金を減算して釣銭金額を算出し、釣銭がある場合には、釣銭金額を出金させるように貨幣処理装置1を制御する。
制御部18の制御により、貨幣処理装置1は、硬貨処理部5について、出金口振分ゲート47を開状態にして、釣銭金額のうち硬貨部分を構成する出金硬貨を、スタッカ41a〜41fのベルトコンベア77を駆動し、スタッカ41a〜41fの対応するものから繰出機構79で計数しつつ、中間搬送路46のベルトコンベア81の中間搬送路構成部82上に繰り出させる。すると、中間搬送路構成部82が硬貨を出金口振分ゲート47に向けて搬送する。その途中、硬貨は、中間搬送路46の分離ローラ85で一枚ずつに分離された後、出金口振分ゲート47から、出金搬送路48のベルトコンベア81の出金搬送路構成部83上に落下する。すると、出金搬送路48の出金搬送路構成部83上で分離ローラ91によって再び一枚ずつに分離され、搬送ベルト93の駆動で通路92上を移動して硬貨出金口25に放出される。
また、貨幣処理装置1は、紙幣処理部6について、紙幣収納庫120,121の対応するものから、釣銭金額のうち紙幣部分を構成する出金紙幣を、入金返却処理と同様にして、分岐搬送路132,133の対応するもの及び主搬送路128を介して紙幣出金口27に向けて搬送することになる。そして、主搬送路128で搬送される紙幣を、振分部129Gで分岐搬送路129に導入して紙幣出金口27に送り込む。
釣銭金額の硬貨部分を構成する出金硬貨が硬貨出金口25に放出され、釣銭金額の紙幣部分を構成する出金紙幣が紙幣出金口27に放出されると、出金処理を終了することになり、操作者は、出金硬貨を硬貨出金口25から、出金紙幣を紙幣出金口27から、それぞれ取り出すことになる。
「内部硬貨補充処理」
出金処理後に、制御部18は、金種別のスタッカ41a〜41fのいずれかの硬貨の収納量が、所定の適正下限量を下回る場合、つまり収納量が適正下限量であるニアエンド状態よりも少ない場合に、内部硬貨補充処理を行う。ここで、出金処理後にスタッカ41a〜41fのいずれかの収納量が適正下限量を下回る場合に自動的に内部硬貨補充処理を行うようにしても良く、POSレジ11の入力表示部13に収納量がニアエンド状態よりも少ない状態にあることを表示し、入力操作部12に内部硬貨補充処理の操作が入力された場合に限り内部硬貨補充処理を行うようにしても良い。ここで、制御部18は、金種別のスタッカ41a〜41fの収納量にかかわらず、POSレジ11の入力操作部12に操作が入力されると内部硬貨補充処理を実行する。
内部硬貨補充処理では、制御部18が、予備収納庫51からベルトコンベア96によって、硬貨を振分搬送部56に繰り出させて、振分搬送部56のベルトコンベア98によって、中間搬送路46に向けて搬送する。そして、出金口振分ゲート47及び予備振分ゲート52を閉状態のまま、ベルトコンベア81の中間搬送路構成部82及び搬送ベルト88で硬貨を硬貨入金口22に向けて搬送する。すると、硬貨は、出金口振分ゲート47及び予備振分ゲート52を越えて、中間搬送路46の末端位置である通路87の末端位置から落下して硬貨入金口22内に落下する。
更に、硬貨入金口22の硬貨を第1入金搬送路31のベルトコンベア61及び分離ローラ62で一枚ずつ分離して第2入金搬送路32に繰り出し、第2入金搬送路32で搬送しつつ硬貨識別部33で金種を識別させる共に計数させる。この識別結果に基づき、硬貨を金種振分ゲート42a〜42eの対応するもので選別してスタッカ41a〜41fの対応する金種のものに収納する。そして、制御部18は、全てのスタッカ41a〜41fの収納量が、適正下限量と適正上限量との間の所定の適正中間量以上になるか、適正下限量以上となってから所定時間が経過すると、予備収納庫51からの硬貨の繰り出しを停止させる。
ここで、このように予備収納庫51からスタッカ41a〜41fに硬貨を補充する内部硬貨補充処理時に、スタッカ41a〜41fの補充が不要なものには、補充される硬貨によって収納量が、適正上限量を超える場合がある。このような場合、制御部18は、スタッカ41a〜41fの適正上限量を超えるものから、繰出機構79によって適正上限量を超える分の硬貨を計数しつつ中間搬送路46に繰り出させて、入金処理後の収納量が適正上限量を超えないようにして全てのスタッカ41a〜41fの収納量を適正上限量以下に保つ。スタッカ41a〜41fの適正上限量を超えるものから繰り出された硬貨は、中間搬送路46で予備収納庫51から繰り出された硬貨と同様に搬送される。
全てのスタッカ41a〜41fの収納量が適正下限量と適正上限量との間の所定の適正中間量以上になるか、適正下限量以上となってから所定時間が経過するか、適正下限量以上とならずに所定時間が経過すると、制御部18は、予備収納庫51からの硬貨の繰り出しを停止させると共に、予備振分ゲート52を開き、振分搬送部56、中間搬送路46、第1入金搬送路31、第2入金搬送路32上に硬貨がなくなると、内部硬貨補充処理を終了する。この内部硬貨補充処理では、硬貨を予備収納庫51から中間搬送路46を含む出金搬送部58に繰り出し出金搬送部58で硬貨入金口22に搬送し、更に硬貨入金口22から、第1入金搬送路31及び第2入金搬送路32を含む入金搬送部43に繰り出し入金搬送部43で搬送して硬貨識別部33で識別した後、スタッカ41a〜41fに搬送する。
なお、内部硬貨補充処理中に、500円硬貨が、金種振分ゲート42eを越えて、その次の下流の落下孔301fに向けて移動してしまった場合、落下させるべき所定の落下孔301eを越えると、規制ガイド313aで停止させられて、落下させるべき所定の落下孔301eとは異なる落下孔301fに落下することが規制されることになる。制御部18は、硬貨検知センサ303fで所定時間以上連続して硬貨を検知すると、規制ガイド313aで500円硬貨が停止させられていると判断して、ベルトコンベア77、ベルトコンベア96、ベルトコンベア98、ベルトコンベア81、搬送ベルト88、ベルトコンベア61、搬送ベルト64および搬送ベルト72を停止させて、図示略の表示部等に報知を行う。
「硬貨精査処理」
硬貨精査処理時には、POSレジ11に、入力操作部12を介して硬貨精査処理の操作入力が入力され、その際に、精査対象の金種が指定される。勿論、全金種の指定も可能である。硬貨精査処理の操作入力が入力されると、制御部18は、その開始にあたって、予備収納庫51が空の状態にあるか否かを判定する。
予備収納庫51が空の状態にあると、スタッカ41a〜41fのうち指定された今回精査対象の一つについての単一精査処理を行う。つまり、先ず、スタッカ41a〜41fのうち指定された今回精査対象の一つから、これが空になるまで、予備収納庫51に硬貨を移動させる。すなわち、予備振分ゲート52を開き、スタッカ41a〜41fのベルトコンベア77を駆動し、スタッカ41a〜41fのうちの今回精査対象の一つから、繰出機構79によって中間搬送路46のベルトコンベア81の中間搬送路構成部82上に硬貨を繰り出させる。そして、ベルトコンベア81で硬貨を予備振分ゲート52に向けて搬送し、硬貨を、予備振分ゲート52の位置で落下させ、予備収納庫シュータ53を介して予備収納庫51に収納させる。このようにして、今回精査対象の一つのスタッカから全ての硬貨を予備収納庫51に移動させる。
次に、制御部18は、予備振分ゲート52を閉じ、上記した内部硬貨補充処理と同様に、予備収納庫51からベルトコンベア96によって、硬貨を振分搬送部56に繰り出させ、振分搬送部56のベルトコンベア98によって、中間搬送路46に繰り出させる。そして、硬貨を、中間搬送路46のベルトコンベア81の中間搬送路構成部82及び搬送ベルト88で硬貨入金口22に搬送し、硬貨入金口22から、第1入金搬送路31及び第2入金搬送路32で搬送する。第2入金搬送路32での搬送中に硬貨識別部33で硬貨の金種を識別させ計数させる。この識別結果に基づき、硬貨を金種振分ゲート42a〜42eの対応するもので選別してスタッカ41a〜41fの対応する金種のものに収納する。硬貨は、基本的には今回精査対象の一つのスタッカに戻される。その際に、500円硬貨が、金種振分ゲート42eを越えて、その次の下流の落下孔301fに向けて移動してしまった場合、落下させるべき所定の落下孔301eを越えると、規制ガイド313aで停止させられて、落下させるべき所定の落下孔301eとは異なる落下孔301fに落下することが規制されることになる。制御部18は、硬貨検知センサ303fで所定時間以上連続して硬貨を検知すると、規制ガイド313aで500円硬貨が停止させられていると判断して、ベルトコンベア96、ベルトコンベア98、ベルトコンベア81、搬送ベルト88、ベルトコンベア61、搬送ベルト64および搬送ベルト72を停止させ、図示略の表示部等に報知を行う。
そして、制御部18は、予備収納庫51に収納されていた硬貨が全てスタッカ41a〜41fに収納されると、スタッカ41a〜41fのうち今回精査対象の一金種の硬貨についての硬貨識別部33の計数結果を、スタッカ41a〜41fのうち今回精査対象の一金種のスタッカの収納量として、単一精査処理を終了する。
スタッカ41a〜41fについて、指定された精査対象が複数ある場合(全指定を含む)、上記と同様の単一精査処理を順次行って、精査処理を終了する。つまり、精査処理は、硬貨を、スタッカ41a〜41fの対象の一つから、中間搬送路46を含む出金搬送部58に繰り出し、この出金搬送部58で予備収納庫51に搬送することにより、スタッカ41a〜41fの対象の一つから全ての硬貨を予備収納庫51に移送した後、硬貨を予備収納庫51から出金搬送部58に繰り出し出金搬送部58で硬貨入金口22に搬送し、更に硬貨入金口22から、第1入金搬送路31及び第2入金搬送路32を含む入金搬送部43に繰り出し入金搬送部43で搬送して硬貨識別部33で識別した後、スタッカ41a〜41fの対象の一つに搬送する。
他方、硬貨精査処理開始にあたって、予備収納庫51が空の状態にない場合、制御部18は、予備収納庫51に収納されている硬貨の金種別の収納量と、各スタッカ41a〜41fの収納量とから、予備収納庫51に収納されている全ての硬貨をスタッカ41a〜41fに上限収納量を超えずに収納可能であるか否かを判定する。
上限収納量を超えずに収納可能である場合、予備収納庫51に収納されている全ての硬貨をスタッカ41a〜41fに収納して予備収納庫51を空にする全補充空化処理を行う。つまり、上記した内部硬貨補充処理と同様に、硬貨を、予備収納庫51からベルトコンベア96によって振分搬送部56に繰り出させ、振分搬送部56のベルトコンベア98によって中間搬送路46に繰り出させる。そして、硬貨を中間搬送路46のベルトコンベア81の中間搬送路構成部82及び搬送ベルト88で硬貨入金口22に搬送し、更に、第1入金搬送路31、第2入金搬送路32で搬送しつつ硬貨識別部33で金種を識別させる共に計数させる。この識別結果に基づき、硬貨を金種振分ゲート42a〜42eの対応するもので選別してスタッカ41a〜41fの対応する金種のものに収納する。その際に、500円硬貨が、金種振分ゲート42eを越えて、その次の下流の落下孔301fに向けて移動してしまった場合、落下させるべき所定の落下孔301eを越えると、規制ガイド313aで停止させられて、落下させるべき所定の落下孔301eとは異なる落下孔301fに落下することが規制されることになる。制御部18は、硬貨検知センサ303fで所定時間以上連続して硬貨を検知すると、規制ガイド313aで500円硬貨が停止させられていると判断して、ベルトコンベア96、ベルトコンベア98、ベルトコンベア81、搬送ベルト88、ベルトコンベア61、搬送ベルト64および搬送ベルト72を停止させ、図示略の表示部等に報知を行う。
予備収納庫51から全ての硬貨が繰り出され、振分搬送部56、中間搬送路46、第1入金搬送路31及び第2入金搬送路32に硬貨がなくなると、全補充空化処理を終了し、上記と同様の単一精査処理を、スタッカ41a〜41fのうち指定された精査対象のスタッカについて行って、精査処理を終了する。
予備収納庫51を空にする際に、予備収納庫51に収納されている全ての硬貨をスタッカ41a〜41fに上限収納量を超えずに収納可能でない場合、制御部18は、予備収納庫51に収納されている硬貨の一部をスタッカ41a〜41fに収納する一部補充空化処理、及び、予備収納庫51に収納されている全ての硬貨を補助収納庫3の回収硬貨収納トレー166に収納させる全回収予備収納庫空化処理のいずれか選択された一方の処理を行う。この選択は、POSレジ11の入力操作部12への入力で行われるが、いずれか一方をデフォルトとして設定しておいても良い。
一部補充空化処理では、制御部18が、上記した内部硬貨補充処理と同様に、硬貨を、予備収納庫51からベルトコンベア96によって振分搬送部56に繰り出させ、振分搬送部56のベルトコンベア98によって中間搬送路46に繰り出させる。そして、硬貨を中間搬送路46のベルトコンベア81の中間搬送路構成部82及び搬送ベルト88で硬貨入金口22に搬送し、更に、第1入金搬送路31、第2入金搬送路32で搬送しつつ硬貨識別部33で金種を識別させる共に計数させる。この識別結果に基づき、硬貨を金種振分ゲート42a〜42eの対応するもので選別してスタッカ41a〜41fの対応する金種のものに収納する。そして、スタッカ41a〜41fのいずれかにおいて、補充される硬貨によって収納量が適正上限量を超える場合、制御部18は、スタッカ41a〜41fの適正上限量を超えるものから、繰出機構79によって適正上限量を超える分の硬貨を計数しつつ中間搬送路46に繰り出させて、入金処理後の収納量が適正上限量を超えないようにして全てのスタッカ41a〜41fの収納量を適正上限量以下に保つ。スタッカ41a〜41fの適正上限量を超えるものから繰り出された硬貨は、中間搬送路46で予備収納庫51から繰り出された硬貨と同様に搬送される。
一部補充空化処理開始後、所定時間が経過すると、制御部18は、予備振分ゲート52を開くと共に、振分搬送部56の搬送方向を繰出口57に向けた方向とし、硬貨を、振分搬送部56のベルトコンベア98及び搬送ベルト101で繰出口57に落下させて、補助収納庫3の回収硬貨収納トレー166に収納させる。そして、予備収納庫51、振分搬送部56、中間搬送路46、第1入金搬送路31、第2入金搬送路32上に硬貨がなくなると、制御部18は、一部補充空化処理を終了し、上記と同様の単一精査処理を、スタッカ41a〜41fのうち指定された精査対象のスタッカについて順次行って、精査処理を終了する。
一部補充空化処理中に、500円硬貨が、金種振分ゲート42eを越えて、その次の下流の落下孔301fに向けて移動してしまった場合、落下させるべき所定の落下孔301eを越えると、規制ガイド313aで停止させられて、落下させるべき所定の落下孔301eとは異なる落下孔301fに落下することが規制されることになる。制御部18は、硬貨検知センサ303fで所定時間以上連続して硬貨を検知すると、規制ガイド313aで500円硬貨が停止させられていると判断して、ベルトコンベア77、ベルトコンベア96、ベルトコンベア98、ベルトコンベア81、搬送ベルト88、ベルトコンベア61、搬送ベルト64および搬送ベルト72を停止させ、図示略の表示部等に報知を行う。
全回収空化処理では、制御部18が、硬貨を、予備収納庫51からベルトコンベア96によって振分搬送部56に繰り出させ、振分搬送部56のベルトコンベア98及び搬送ベルト101で繰出口57に落下させて、補助収納庫3の回収硬貨収納トレー166に収納させる。予備収納庫51及び振分搬送部56上に硬貨がなくなると、制御部18は、全回収空化処理を終了し、上記と同様の単一精査処理を、スタッカ41a〜41fのうち指定された精査対象のスタッカについて順次行って、精査処理を終了する。
「投入硬貨補充処理」
POSレジ11の入力操作部12に投入硬貨補充処理の実行が入力されると、制御部18は、補助収納庫3の第2補助収納部157の第2ロック機構161によるロックを解除すると共に第2表示ランプ159を点滅させる。すると、第2補助収納部157の筐体部155から第2収納ドロア156の引き出しが可能になり、操作者は、第2収納ドロア156を引き出して、補充に必要な金種の棒金を取り出し、棒金の包装を解いてバラ硬貨としバラ硬貨を硬貨入金口22に投入する。第2収納ドロア156が筐体部155に押し込まれて閉状態になると、制御部18は、硬貨入金口22に投入された硬貨を上記した入金処理と同様にしてスタッカ41a〜41fに補充する投入硬貨補充処理を行う。つまり、硬貨入金口22から繰り出された硬貨を、第1入金搬送路31、第2入金搬送路32で搬送しつつ硬貨識別部33で識別させる。硬貨識別部33の識別結果に基づき、受入不可硬貨を硬貨リジェクト口24に放出する一方、受入可能硬貨を、金種振分ゲート42a〜42eの対応するもので選別してスタッカ41a〜41fの対応する金種のものに収納する。このときも、制御部18は、投入硬貨補充処理で補充される硬貨によってスタッカ41a〜41fのいずれかの収納量が、所定の適正上限量を超える場合、適正上限量を超える分の硬貨を中間搬送路46によって予備収納庫51に収納して、全てのスタッカ41a〜41fの収納量を適正上限量以下に保つ。また、予備収納庫51の収納量が、適正上限量を超える場合、予備収納庫51の硬貨を振分搬送部56によって補助収納庫3の回収硬貨収納トレー166に収納させて、予備収納庫51の収納量を適正上限量に保つ。これにより、スタッカ41a〜41fの収納量から硬貨の補充量を厳密に検討しなくても済む。
投入硬貨補充処理中に、500円硬貨が、金種振分ゲート42eを越えて、その次の下流の落下孔301fに向けて移動してしまった場合、落下させるべき所定の落下孔301eを越えると、規制ガイド313aで停止させられて、落下させるべき所定の落下孔301eとは異なる落下孔301fに落下することが規制されることになる。制御部18は、硬貨検知センサ303fで所定時間以上連続して硬貨を検知すると、規制ガイド313aで500円硬貨が停止させられていると判断して、ベルトコンベア77、ベルトコンベア96、ベルトコンベア98、ベルトコンベア81、搬送ベルト88、ベルトコンベア61、搬送ベルト64および搬送ベルト72を停止させ、図示略の表示部等に報知を行う。
「出金口回収処理」
POSレジ11の入力操作部12に出金口回収処理の実行が入力されると、制御部18は、スタッカ41a〜41f及び予備収納庫51に収納されている硬貨を硬貨出金口25に全て放出させる出金口回収処理を行う。スタッカ41a〜41fの硬貨については、出金処理と同様、出金口振分ゲート47を開状態にして、スタッカ41a〜41fから繰り出して中間搬送路46で搬送し、出金口振分ゲート47から落下させて、出金搬送路48の出金搬送路構成部83及び搬送ベルト93で硬貨出金口25に放出させることになり、予備収納庫51の硬貨については、予備収納庫51から振分搬送部56で中間搬送路46に繰り出し、スタッカ41a〜41fからの硬貨と同様に硬貨出金口25に放出させることになる。操作者は、硬貨出金口25に放出された硬貨を回収する。
「補助収納庫回収処理」
POSレジ11の入力操作部12に補助収納庫回収処理の実行が入力されると、制御部18は、補助収納庫3の第1収納ドロア152の第1ロック機構160がロック状態にあること、言い換えれば第1収納ドロア152が閉状態にあることを条件として、スタッカ41a〜41f及び予備収納庫51に収納されている硬貨を第1収納ドロア152の回収硬貨収納トレー166に収納する。つまり、制御部18は、予備振分ゲート52を開くと共に、予備収納庫51及び振分搬送部56の搬送方向を繰出口57に向けた方向として、スタッカ41a〜41fの硬貨を中間搬送路46から予備振分ゲート52で予備収納庫51に搬送する。これにより、スタッカ41a〜41f及び予備収納庫51の硬貨を補助収納庫3の回収硬貨収納トレー166に回収する。硬貨処理部5の硬貨が全て回収硬貨収納トレー166に搬送されると、制御部18は、それまでロック状態にあった第1補助収納部153の第1ロック機構160のロックを解除し、第1収納ドロア152の第1表示ランプ158を点滅させる。操作者は、第1収納ドロア152を筐体部151から引き出し、露出した回収硬貨収納トレー166を第1収納ドロア152から取り外して硬貨を回収する。
「紙幣補充処理」
POSレジ11の入力操作部12に紙幣補充処理の実行が入力されると、制御部18は、補助収納庫3の第2補助収納部157の第2ロック機構161によるロックを解除すると共に第2表示ランプ159を点滅させる。すると、第2補助収納部157の筐体部155から第2収納ドロア156の引き出しが可能になり、操作者は、第2収納ドロア156を引き出して、補充に必要な金種の紙幣を取り出し、紙幣入金口26に投入する。第2収納ドロア156が筐体部155に押し込まれて閉状態になると、制御部18は、紙幣入金口26に投入された紙幣を上記した入金処理と同様にして紙幣収納庫120〜123に補充する紙幣補充処理を行う。
以上に述べた第2実施形態によれば、金種振分ゲート42eで、落下孔301eから落下させるべき対象の500円硬貨が、この落下孔301eで落下することなく金種振分ゲート42eの識別部202とは反対側の落下孔301fに向け移動しようとすると、規制ガイド313aが落下孔301fで落下する50円硬貨の径よりも大径の500円硬貨の落下孔301f側への移動を規制する。すなわち、落下孔301eの金種振分ゲート42eで落下させるべき硬貨がこの金種振分ゲート42eで落下しなかったとしても、この金種振分ゲート42eの直後の規制ガイド313aで移動を規制することができる。したがって、落下させるべき選別部である金種振分ゲート42eとは異なる下流の選別部である落下孔301fに硬貨を落下させてしまうことを抑制することができる。
また、金種振分ゲート42eと落下孔301fとの間に設けられて、第2入金搬送路32で搬送中の硬貨が金種振分ゲート42eを通過して落下孔301fに至ることを検知する硬貨検知センサ303fが、規制ガイド313aで移動が規制された硬貨を検知する。このように硬貨の通過を検知するセンサで振り分け不良硬貨の停止を検知するため、センサの数を減らすことができる。加えて、操作者に対して振り分け不良硬貨を検出したエラー状況の報知が明確に可能となる。すなわち規制ガイド313aに当接した状態で停止し、且つ硬貨検知センサ303f上に存在する振り分け不良硬貨の位置情報を明確に操作者に報知して、排除を促すことが可能となる。
また、落下孔301fは常時開状態であるため、金種振分ゲート42eで落下孔301eから落下させるべき対象の500円硬貨が、落下孔301eで落下することなく金種振分ゲート42eの識別部202とは反対側の落下孔301fに向け移動しようとすると、落下孔301fに落下しやすい。このため、規制ガイド313aが落下孔301fで落下する50円硬貨の径よりも大径の500円硬貨の落下孔301f側への移動を規制することによる効果が高い。
また、搬送路201には、常時開状態の落下孔301fを上方で覆う上部カバー306が設けられているため、規制ガイド313aで移動が規制された硬貨を手作業で取り出す際に、誤って落下孔301fに落としてしまうことを抑制できる。
また、硬貨識別部33側の3つの金種振分ゲート42a〜42cが、1円硬貨用、10円硬貨用および100円硬貨用のグループであり、硬貨識別部33とは反対側の残り2つの金種振分ゲート42d,42e及び落下孔301fが、5円硬貨用、50円硬貨用および500円硬貨用のグループであるため、取り扱う枚数が比較的多い金種である1円硬貨用、10円硬貨用および100円硬貨用のグループが硬貨識別部33に近くなり、取引に係る計数処理時間をより短くすることができる。
なお、1本の搬送路本体71に別体のガイド壁部310,311を取り付けて規制ガイド313aを設けても良く、1本の搬送路本体71そのものに規制ガイド313aを含むガイド壁部310,311を形成しても良い。
一方のガイド壁部310を直線状にし他方のガイド壁部311を一方のガイド壁部310との間隔が硬貨識別部33から離れるほど狭くなるように段付き形状としている。この場合、硬貨を搬送する搬送ベルト72を、第2入金搬送路32の上流から下流に向けて、直線状に形成される一方のガイド壁部310に近づくように、斜めに配置するようにしても良い。
第2実施形態において、ベルトコンベア61および搬送ベルト64,72を、正逆回転可能とし、本来落下すべき落下孔301eを通り過ぎてしまった500円硬貨を、落下孔301eの硬貨識別部33側まで戻し、再度、金種振分ゲート42eで落下孔301eに落下させるようにしても良い。
すなわち、硬貨を硬貨識別部33から金種振分ゲート42a〜42eに向けて移動させる方向を正回転とし、硬貨を金種振分ゲート42a〜42eから硬貨識別部33に向けて移動させる方向を逆回転とすると、制御部18は、ベルトコンベア61および搬送ベルト64,72の正回転中、規制ガイド313aで落下孔301a側への移動が規制された500円硬貨を硬貨検知センサ303fが検知すると、ベルトコンベア61および搬送ベルト64,72を逆回転させて金種振分ゲート42eよりも硬貨識別部33側の硬貨入金口22まで硬貨を移動させた後、ベルトコンベア61および搬送ベルト64,72を正回転させて、上記と同様に振り分けを行う。すると、500円硬貨が適正に振り分けられれば、落下孔301eから落下する。これにより、金種振分ゲート42eの落下孔301eに落下させるべきであって金種振分ゲート42eを通過してしまった500円硬貨を落下孔301eに落下させることができる。
第2実施形態の貨幣処理装置1によれば、金種別のスタッカ41a〜41fとは別に予備収納庫51が設けられているため、スタッカ41a〜41fに収納しきれないオーバーフロー硬貨が発生しても、硬貨をスタッカ41a〜41fから繰り出して出金搬送部58で搬送し予備収納庫51に収納して、全てのスタッカ41a〜41fの収納量が過大になることを防ぐことができる。これにより、スタッカ41a〜41fの硬貨を適正量に保つために装置外に回収する頻度を減らすことができる。つまり、装置外に硬貨を回収することなくスタッカ41a〜41fが適正な状態で作動できる時間を長くできる。したがって、処理効率を向上可能となる。
また、金種別のスタッカ41a〜41fとは別に予備収納庫51が設けられているため、貨幣処理装置1内に金種別のスタッカ41a〜41fの収納容量よりも多い硬貨を収納することができる。そして、予備収納庫51に収納されている硬貨を、予備収納庫51から繰り出して出金搬送部58、硬貨入金口22及び入金搬送部43で搬送し、硬貨識別部33で識別してスタッカ41a〜41fに収納することができるため、硬貨を装置外から補充することなく装置内でスタッカ41a〜41fに補充することができる。よって、装置外から硬貨を補充することなくスタッカ41a〜41fが適正な状態で作動できる時間を長くできる。したがって、処理効率を向上可能となる。
また、予備収納庫51は、スタッカ41a〜41fから繰り出された硬貨を硬貨出金口25及び硬貨入金口22に選択的に搬送する出金搬送部58の中間搬送路46の硬貨を収納可能であると共に、この出金搬送部58の中間搬送路46に硬貨を繰り出し可能であるため、予備収納庫51を設けても構成を簡素化できる。したがって、コスト増を抑制することができる。
また、精査処理時には、硬貨をスタッカ41a〜41fのうちの対象の一つから出金搬送部58の中間搬送路46に繰り出し中間搬送路46で予備収納庫51に搬送することにより、この対象のスタッカから全ての硬貨を予備収納庫51に移送した後、硬貨を予備収納庫51から出金搬送部58の中間搬送路46に繰り出し中間搬送路46で硬貨入金口22に搬送し、更に硬貨入金口22から入金搬送部43の第1入金搬送路31に繰り出し第1入金搬送路31及び第2入金搬送路32で搬送して硬貨識別部33で識別した後、対象のスタッカに搬送することになる。これにより、対象のスタッカの硬貨を全て一旦出金口に繰り出し操作者による手作業で入金口に投入させて対象のスタッカに戻すといった、手間と時間が掛かる作業が不要となり、人の手を介さずに装置内で自動的に自己精査することができる。したがって、処理効率を向上可能となる。
また、補充処理時には、硬貨を予備収納庫51から出金搬送部58の中間搬送路46に繰り出し中間搬送路46で硬貨入金口22に搬送し、更に硬貨入金口22から入金搬送部43の第1入金搬送路31に繰り出し第1入金搬送路31及び第2入金搬送路32で搬送して硬貨識別部33で識別した後、スタッカ41a〜41fに搬送することになって、予備収納庫51に収納している硬貨をスタッカ41a〜41fに補充することができる。よって、予め予備収納庫51に硬貨を収納しておくことで、装置外から硬貨を補充しなくても、貨幣処理装置1内でスタッカ41a〜41fへの硬貨の補充が可能となり、スタッカ41a〜41fが適正な状態で作動できる時間を長くできる。したがって、処理効率を向上可能となる。
また、振分搬送部56が、予備収納庫51から繰り出された硬貨を、出金搬送部58及び補助収納庫3に選択的に搬送するため、補助収納庫3に搬送すれば、補助収納庫3に回収することができる。よって、予備収納庫51の硬貨を、貨幣処理装置1内で補助収納庫3に回収することができるため、予備収納庫51の収納量を適正量に保つために硬貨を貨幣処理装置1外に回収する頻度を減らすことができる。したがって、処理効率を更に向上可能となる。
以上においては、硬貨の入出金を行う硬貨処理部5と紙幣の入出金を行う紙幣処理部6とを有する貨幣処理装置1を例にとり説明したが、硬貨処理部5及び紙幣処理部6のうちの硬貨処理部5のみを有し、硬貨及び紙幣のうち硬貨のみの入出金を行う貨幣処理装置にも適用可能である。この場合、例えば、補助収納庫3についても、硬貨処理部5から繰り出された硬貨を収納する回収硬貨収納トレー166を有する一つの第1補助収納部153のみを硬貨処理部5と組み合わせて設けることができる。
なお、補助収納庫3は上記構成に限定されるものではなく、例えば、収納ドロアとして、本体部2からの硬貨を収納する回収硬貨収納部を有する一つの収納ドロアのみを有する補助収納庫や、ドロアがなく本体部2からの硬貨を収納する回収庫が筐体に着脱可能に設けられた補助収納庫を採用することも可能である。補助収納庫として従来公知の他のいずれのものを採用することも可能である。
<第3実施形態>
本発明に係る硬貨処理装置の第3実施形態を図15を参照して以下に説明する。
第3実施形態は、硬貨を金種別に振り分ける振り分け処理を少なくとも行う硬貨処理装置400となっている。第3実施形態の硬貨処理装置400は、硬貨を搬送するベルトコンベア式の搬送路401と、搬送路401で搬送中の硬貨の金種を識別する識別部402と、識別部402の識別結果に基づいて駆動されることで対象硬貨を搬送路401から側方の金種別硬貨収納部405a〜405eに向け押し出して選別する複数のソレノイド式の押出部406a〜406eと、常時対象硬貨を搬送路401から側方の金種別硬貨収納部405fに向けて案内して選別するガイド部406fとを有している。
搬送路401は、無端ベルトである搬送ベルト410と、搬送ベルト410の上面上に搬送ベルト410の幅方向の金種別硬貨収納部405a〜405f側に配置された壁部411と、搬送ベルト410の幅方向の金種別硬貨収納部405a〜405fとは反対側に配置された壁部412とを有している。
押出部406aは、金種別硬貨収納部405aと搬送路401の搬送方向の位置を合わせて設けられ、駆動され励磁状態となることで壁部412から突出する作動片421aにより搬送ベルト410上の硬貨を選別し側方の壁部411の通過口422aに押し出して金種別硬貨収納部405aに収納させる。押出部406bは、金種別硬貨収納部405bと搬送路401の搬送方向の位置を合わせて設けられ、駆動され励磁状態となることで壁部412から突出する作動片421bにより搬送路401上の硬貨を選別し側方の壁部411の通過口422bに押し出して金種別硬貨収納部405bに収納させる。押出部406cは、金種別硬貨収納部405cと搬送路401の搬送方向の位置を合わせて設けられ、駆動され励磁状態となることで壁部412から突出する作動片421cにより搬送路401上の硬貨を選別し側方の壁部411の通過口422cに押し出して金種別硬貨収納部405cに収納させる。押出部406dは、金種別硬貨収納部405dと搬送路401の搬送方向の位置を合わせて設けられ、駆動され励磁状態となることで壁部412から突出する作動片421dにより搬送路401上の硬貨を選別し側方の壁部411の通過口422dに押し出し金種別硬貨収納部405dに収納させる。押出部406eは、金種別硬貨収納部405eと搬送路401の搬送方向の位置を合わせて設けられ、駆動され励磁状態となることで壁部412から突出する作動片421eにより搬送路401上の硬貨を選別し側方の壁部411の通過口422eに押し出し金種別硬貨収納部405eに収納させる。
ガイド部406fは、金種別硬貨収納部405fと搬送路401の搬送方向の位置を合わせて設けられ、常時搬送ベルト410上の硬貨を側方に移動させて側方の壁部411の通過口422fに案内して金種別硬貨収納部405fに収納させる。
ここで、硬貨処理装置400も、1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨および500円硬貨の全6金種の硬貨を金種混合の状態から金種別に振り分けるものである。
押出部406a〜406eは、全金種数である6金種よりも一つ少ない5金種分設けられている。押出部406a〜406eは、最小径の1円硬貨を除く5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨および500円硬貨を大径のものから順に搬送路401から側方に選別するようになっている。
最も識別部402側の押出部406aは最大径の500円硬貨を対象硬貨として搬送路401から側方に選別し通過口422aを介して金種別硬貨収納部405aに収納させる。搬送路401の上方には、識別部402と押出部406aとの間に、識別部402を通過後、搬送路401で搬送中の硬貨が押出部406aに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ424a(通過センサ)が設けられている。硬貨検知センサ424aは、押出部406aの駆動および駆動解除のタイミングを計るものである。
識別部402側から2番目の押出部406bは10円硬貨を対象硬貨として搬送路401から側方に選別し通過口422bを介して金種別硬貨収納部405bに収納させる。押出部406aと押出部406bとの間には、搬送路401で搬送中の硬貨が押出部406aを通過して押出部406bに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ424b(通過センサ)が設けられている。硬貨検知センサ424bは、押出部406bの駆動および駆動解除のタイミングを計るものである。
識別部402側から3番目の押出部406cは100円硬貨を対象硬貨として搬送路401から側方に選別し通過口422cを介して金種別硬貨収納部405cに収納させる。押出部406bと押出部406cとの間には、搬送路401で搬送中の硬貨が押出部406bを通過して押出部406cに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ424c(通過センサ)が設けられている。硬貨検知センサ424cは、押出部406cの駆動および駆動解除のタイミングを計るものである。
識別部402側から4番目の押出部406dは5円硬貨を対象硬貨として搬送路401から側方に選別し通過口422dを介して金種別硬貨収納部405dに収納させる。押出部406cと押出部406dとの間には、搬送路401で搬送中の硬貨が押出部406cを通過して押出部406dに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ424d(通過センサ)が設けられている。硬貨検知センサ424dは、押出部406dの駆動および駆動解除のタイミングを計るものである。
識別部402側から5番目の押出部406eは50円硬貨を対象硬貨として搬送路401から側方に選別し通過口422eを介して金種別硬貨収納部405eに収納させる。押出部406dと押出部406eとの間には、搬送路401で搬送中の硬貨が押出部406dを通過して押出部406eに至る際にこの硬貨を検知する硬貨検知センサ424e(通過センサ)が設けられている。硬貨検知センサ424eは、押出部406eの駆動および駆動解除のタイミングを計るものである。
押出部406eの識別部402とは反対側に、ガイド部406fが設けられている。ガイド部406fは、1円硬貨を対象硬貨として常時搬送路401から側方に選別し通過口422fを介して金種別硬貨収納部405fに収納させる。
押出部406a〜406eが、識別部402の識別結果に基づいて駆動されて対象硬貨を搬送路401から選別する選別部となっており、ガイド部406fが、押出部406a〜406eの識別部402とは反対側に設けられてこれらで搬送路401から選別する対象硬貨よりも小径の硬貨を搬送路401から選別する選別部となっている。
搬送路401には、押出部406a〜406eおよびガイド部406fとは反対側の壁部411に、規制ガイド431a〜431eが設けられている。規制ガイド431aは、押出部406aと押出部406bとの間に設けられており、壁部412との間隔が500円硬貨の直径よりも狭く且つ10円硬貨の直径よりも広い。これにより、規制ガイド431aは、押出部406bで選別される10円硬貨の径よりも大径の500円硬貨の押出部406b側への移動を規制する。ここで、規制ガイド431aで停止させられた状態にある500円硬貨は、硬貨検知センサ424bで検知される。
規制ガイド431bは、押出部406bと押出部406cとの間に設けられており、壁部412との間隔が10円硬貨の直径よりも狭く且つ100円硬貨の直径よりも広い。これにより、規制ガイド431bは、押出部406cで選別される100円硬貨の径よりも大径の10円硬貨の押出部406c側への移動を規制する。ここで、規制ガイド431bで停止させられた状態にある10円硬貨は、硬貨検知センサ424cで検知される。
規制ガイド431cは、押出部406cと押出部406dとの間に設けられており、壁部412との間隔が100円硬貨の直径よりも狭く且つ5円硬貨の直径よりも広い。これにより、規制ガイド431cは、押出部406dで選別される5円硬貨の径よりも大径の100円硬貨の押出部406d側への移動を規制する。ここで、規制ガイド431cで停止させられた状態にある100円硬貨は、硬貨検知センサ424dで検知される。
規制ガイド431dは、押出部406dと押出部406eとの間に設けられており、壁部412との間隔が5円硬貨の直径よりも狭く且つ50円硬貨の直径よりも広い。これにより、規制ガイド431dは、押出部406eで選別される50円硬貨の径よりも大径の5円硬貨の押出部406e側への移動を規制する。ここで、規制ガイド431dで停止させられた状態にある5円硬貨は、硬貨検知センサ424eで検知される。
規制ガイド431eは、押出部406eとガイド部406fとの間に設けられており、壁部412との間隔が50円硬貨の直径よりも狭く且つ1円硬貨の直径よりも広い。これにより、規制ガイド431eは、ガイド部406fで選別される1円硬貨の径よりも大径の50円硬貨のガイド部406f側への移動を規制する。ここで、規制ガイド431eで停止させられた状態にある50円硬貨は、硬貨検知センサ424fで検知される。
以上により、ガイド部406fは常時最小径の金種の1円硬貨を搬送路401から選別することになり、押出部406a〜406eが、識別部402の識別結果に基づいて駆動されて、搬送路401で搬送中の硬貨を金種別に大径のものから順次搬送路401から選別するように全金種数よりも一つ少なく設けられている。
第3実施形態は、第1実施形態と同様に作動が制御される。