JP2018104168A - シート搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シートが複数枚重なった状態で給送されたか否かを検知するセンサを設けることに起因して、シート搬送装置が大型化する。【解決手段】 トルク電流成分の値に基づいて、シートが重送されたか否かを検知する。具定的には、トルク電流成分の値が所定値より大きい場合は、シートが重送されていないと判断する。また、トルク電流成分の値が所定値より小さい場合は、シートが重送されたと判断する。更に、シートが重送されていない場合は給紙ローラによるシートの給送を継続させ、シートが重送された場合は給紙ローラによるシートの給送を停止させる。【選択図】 図9
Description
本発明は、給紙ローラによるシートの給送を制御するシート搬送装置に関する。
従来、シート搬送装置において、シート積載部に積載されたシートを給紙ローラによって給送する構成が知られている。
積載されたシートが給紙ローラによって給送される際には、最上部のシートだけでなく、例えば、2枚のシートが重なった状態で給送されてしまうことがある。
特許文献1では、図11に示すように、給紙ローラ54の下流側に設けられた搬送ローラ55と分離ローラ56とのニップ位置に、シートが複数枚重なった状態で給送されたか否かを検知するセンサK4a及びK4bが設けられている。
図11に示すように、ニップ位置にセンサを設ける場合、センサを設けるスペースが必要となるため、シート搬送装置が大型化してしまう。
上記課題に鑑み、本発明は、モータの回転子の回転位相を基準とした回転座標系において表される、回転子にトルクを発生させるトルク電流成分に基づいて、給紙ローラによるシートの給送を制御するシート搬送装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、
シート積載部に積載されたシートを給送する給紙ローラと、
前記給紙ローラによって給送された前記シートを搬送方向に搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラに対向する位置に設けられ、前記給紙ローラによって重なった状態で搬送された複数枚の前記シートを分離する分離部材と、
前記搬送ローラを駆動するモータと、
前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
前記位相決定手段によって決定された前記回転位相を基準とした回転座標系において表される、前記回転子にトルクを発生させるトルク電流成分と前記モータの巻線を貫く磁束の強度に影響する励磁電流成分とに基づいて、前記回転位相と前記回転子の目標位相を表す指令位相との偏差が小さくなるように前記モータを制御する第1制御手段と、
前記トルク電流成分の値が所定値より小さい場合は、前記給紙ローラによる前記シートの給送を停止させ、前記トルク電流成分の値が前記所定値より大きい場合は、前記給紙ローラによる前記シートの給送を継続させる第2制御手段と、
を有することを特徴とする。
シート積載部に積載されたシートを給送する給紙ローラと、
前記給紙ローラによって給送された前記シートを搬送方向に搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラに対向する位置に設けられ、前記給紙ローラによって重なった状態で搬送された複数枚の前記シートを分離する分離部材と、
前記搬送ローラを駆動するモータと、
前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
前記位相決定手段によって決定された前記回転位相を基準とした回転座標系において表される、前記回転子にトルクを発生させるトルク電流成分と前記モータの巻線を貫く磁束の強度に影響する励磁電流成分とに基づいて、前記回転位相と前記回転子の目標位相を表す指令位相との偏差が小さくなるように前記モータを制御する第1制御手段と、
前記トルク電流成分の値が所定値より小さい場合は、前記給紙ローラによる前記シートの給送を停止させ、前記トルク電流成分の値が前記所定値より大きい場合は、前記給紙ローラによる前記シートの給送を継続させる第2制御手段と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、モータの回転子の回転位相を基準とした回転座標系において表される、回転子にトルクを発生させるトルク電流成分に基づいて、給紙ローラによるシートの給送を制御することができる。
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の形状及びそれらの相対配置などは、この発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。なお、以下の説明では、原稿や記録媒体等のシートを搬送するシート搬送装置としての画像形成装置にモータ制御装置が設けられる場合について説明するが、モータ制御装置が設けられるのは画像形成装置に限定されず、その他のシート搬送装置にも用いられる。
〔第1実施形態〕
[画像形成装置]
図1は、本実施形態で用いられる画像形成装置であるモノクロの電子写真方式の複写機(以下、画像形成装置と称する)100の構成を示す断面図である。画像形成装置は複写機に限定されず、例えば、ファクシミリ装置、印刷機、プリンタ等であっても良い。また、記録方式は、電子写真方式に限らず、例えば、インクジェット等であっても良い。更に、画像形成装置はモノクロ及びカラーのいずれの形式であっても良い。
[画像形成装置]
図1は、本実施形態で用いられる画像形成装置であるモノクロの電子写真方式の複写機(以下、画像形成装置と称する)100の構成を示す断面図である。画像形成装置は複写機に限定されず、例えば、ファクシミリ装置、印刷機、プリンタ等であっても良い。また、記録方式は、電子写真方式に限らず、例えば、インクジェット等であっても良い。更に、画像形成装置はモノクロ及びカラーのいずれの形式であっても良い。
以下に、画像形成装置100の構成および機能について説明する。画像形成装置100は、原稿読取装置201及び画像形成装置本体301を有する。
<原稿読取装置>
図2は、原稿読取装置201の制御構成の例を示すブロック図である。
図2は、原稿読取装置201の制御構成の例を示すブロック図である。
まず、図1及び図2を用いて、原稿読取装置201の構成および機能について説明する。
原稿読取装置201の原稿積載部2に積載された原稿Pは、給紙ローラ3によって給紙され、その後、搬送ローラ4によって搬送される。給紙ローラ3と搬送ローラ4は揺動アーム12によって連結されている。即ち、揺動アーム12は連結部材として機能する。揺動アーム12は、搬送ローラ4の回転軸を中心にして回動できるように搬送ローラ4の回転軸によって支持されている。なお、給紙ローラ3、搬送ローラ4、揺動アーム12の具体的な構成については後述する。
原稿Pは、搬送ローラ4等によって一定速度で搬送されて、排紙ローラ11によって排紙トレイ10へ排紙される。なお、図1に示すように、原稿積載部2には、原稿積載部2に原稿が積載されているか否かを検知する原稿セットセンサSS1が設けられている。また、原稿が通過する搬送路には、原稿の先端を検知するシートセンサSS2乃至SS5が設けられている。
原稿読取装置201には、搬送される原稿の第1面の画像を読み取る原稿読取部16が設けられている。読取位置において照明20によって照明された原稿画像からの反射光は、反射ミラーからなる光学系によって画像読取部21に導かれ、画像読取部21によって画像信号に変換される。画像読取部21は、レンズ、光電変換素子であるCCD、CCDの駆動回路等で構成される。画像読取部21から出力された画像信号は、ASIC等のハードウェアデバイスで構成される画像処理部22によって、各種補正処理が行われた後、図2に示すシステムコントローラ251によって画像形成装置本体301へ出力される。
また、原稿読取装置201には、搬送される原稿の第2面の画像を読み取る原稿読取部17が設けられている。原稿読取部17の構成は、原稿読取部16の構成と同様の構成である。原稿読取部17に読み取られた画像情報は、原稿読取部16において説明した方法と同様にして画像形成装置本体301へ出力される。
前述の如くして、原稿の読取が行われる。
システムコントローラ251は、図2に示すように、CPU251a、ROM251b、RAM251cを備えている。また、システムコントローラ251は、原稿セットセンサSS1、シートセンサSS2乃至SS5と接続されている。更に、システムコントローラ251は、給紙ローラ4を駆動するモータM1を制御するモータ制御装置261、揺動アーム12を回動するモータM2を制御するモータ制御装置262、原稿読取部16,17、画像形成装置本体301等と接続されている。システムコントローラ251は、接続された各ユニットとの間でデータやコマンドの送受信をすることが可能である。なお、システムコントローラ251に接続されているユニットは図2に示すものに限らず、例えば、原稿読取装置201内部に設けられた負荷を駆動するモータを制御するモータ制御装置等のユニットも接続されているものとする。
CPU251aは、ROM251bに格納された各種プログラムを読み出して実行することによって、予め定められた画像形成シーケンスに関連する各種シーケンスを実行する。
RAM251cは記憶デバイスである。RAM251cには、例えば、モータ制御装置に対する指令値及び画像読取装置16,17から受信される情報等の各種データが格納される。
システムコントローラ251は、各種センサ(SS1乃至SS5)の検知結果に基づいて、各種モータ制御装置に指令信号を出力する。また、システムコントローラ251は、例えば、モータ制御装置261からの信号に基づいてモータ制御装置262を制御する。なお、本実施形態においては、モータ1個に対してモータ制御装置が1個設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、モータ制御装置1個で複数個のモータを制御する構成であっても良い。また、モータ1個を用いて複数個の負荷を駆動させる構成であっても良い。また、図2においては、モータ制御装置が2個しか設けられていないが、これに限定されるものではない。実際には、原稿読取装置内部に設けられている各種負荷を駆動するモータを制御するモータ制御装置が複数個設けられているものとする。
前述の如くして、システムコントローラ251は、原稿読取装置201の動作シーケンスを制御する。なお、原稿読取装置201における、原稿読取部16、17を除く部分は、本発明における原稿給送装置に対応する。
<画像形成装置本体>
次に、図1及び図3を用いて、画像形成装置本体301の構成および機能について説明する。
次に、図1及び図3を用いて、画像形成装置本体301の構成および機能について説明する。
図3は、画像形成装置本体301の制御構成の例を示すブロック図である。
画像形成装置本体301の内部には、シート収納トレイ302、304が設けられている。シート収納トレイ302、304には、それぞれ異なる種類の記録媒体を収納することができる。例えば、シート収納トレイ302にはA4サイズの普通紙が収納され、シート収納トレイ304にはA4サイズの厚紙が収納される。なお、記録媒体とは、画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、用紙、樹脂シート、布、OHPシート、ラベル等が含まれる。
シート収納トレイ302に収納された記録媒体は、給紙ローラ303によって給送されて、搬送ローラ306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。また、シート収納トレイ304に収納された記録媒体は、給紙ローラ305によって給送されて、搬送ローラ307及び306によってレジストレーションローラ308へ送り出される。
システムコントローラ251から出力された画像信号は、半導体レーザ及びポリゴンミラーを含む光走査装置311に入力される。また、感光ドラム309は、帯電器310によって外周面が帯電される。感光ドラム309の外周面が帯電された後、システムコントローラ251から光走査装置311に入力された画像信号に応じたレーザ光が、光走査装置311からポリゴンミラー及びミラー312、313を経由し、感光ドラム309の外周面に照射される。この結果、感光ドラム309の外周面に静電潜像が形成される。なお、感光ドラムの帯電には、例えば、コロナ帯電器や帯電ローラを用いた帯電方法が用いられる。
続いて、静電潜像が現像器314内のトナーによって現像され、感光ドラム309の外周面にトナー像が形成される。感光ドラム309に形成されたトナー像は、感光ドラム309と対向する位置(転写位置)に設けられた転写帯電器315によって記録媒体に転写される。この際、レジストレーションローラ308は、トナー像にタイミングを合わせて、記録媒体を転写位置へ送り込む。
前述の如くして、トナー像が転写された記録媒体は、搬送ベルト317によって定着器318へ送り込まれ、定着器318によって加熱加圧されて、トナー像が記録媒体に定着される。このようにして、画像形成装置100によって記録媒体に画像が形成される。
片面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318を通過した記録媒体は、排紙ローラ319、324によって、不図示の排紙トレイへ排紙される。また、両面印刷モードで画像形成が行われる場合は、定着器318によって記録媒体の第1面に定着処理が行われた後に、記録媒体は、排紙ローラ319、搬送ローラ320、及び反転ローラ321によって、反転パス325へと搬送される。その後、記録媒体は、搬送ローラ322、323によって再度レジローラ308へと搬送され、前述した方法で記録媒体の第2面に画像が形成される。その後、記録媒体は、排紙ローラ319、324によって不図示の排紙トレイへ排紙される。
また、第1面に画像形成された記録媒体をフェースダウンで画像形成装置100の外部へ排紙する場合は、定着器318を通過した記録媒体を、排紙ローラ319を通って搬送ローラ320へ向かう方向へ搬送する。その後、記録媒体の後端が搬送ローラ320のニップ部を通過する直前に、搬送ローラ320の回転を反転させる。この結果、記録媒体の第1面が下向きになった状態で、記録媒体が排紙ローラ324を経由して、画像形成装置100の外部へ排出される。
システムコントローラ151は、図3に示すように、CPU151a、ROM151b、RAM151cを備えている。また、システムコントローラ151は、システムコントローラ251、操作部152、アナログ・デジタル(A/D)変換器153、高圧制御部155、モータ制御装置157、センサ類159、ACドライバ160と接続されている。システムコントローラ151は、接続された各ユニットとの間でデータやコマンドの送受信をすることが可能である。
CPU151aは、ROM151bに格納された各種プログラムを読み出して実行することによって、予め定められた画像形成シーケンスに関連する各種シーケンスを実行する。
RAM151cは記憶デバイスである。RAM151cには、例えば、高圧制御部155に対する設定値、モータ制御装置157に対する指令値及び操作部152から受信される情報等の各種データが記憶される。
システムコントローラ151は、画像読取装置16及び17における画像処理に必要となる、画像形成装置本体301の内部に設けられた各種装置の設定値データをシステムコントローラ251に送信する。更に、システムコントローラ151は、各種装置からの信号(センサ類159からの信号)を受信して、受信した信号に基づいて高圧制御部155の設定値を設定する。高圧制御部155は、システムコントローラ151によって設定された設定値に応じて、高圧ユニット156(帯電器310、現像器314、転写帯電器315等)に必要な電圧を供給する。
モータ制御装置157は、CPU151aから出力された指令に応じて、画像形成装置本体301の内部に設けられた負荷を駆動するモータM6を制御する。
A/D変換器153は、定着ヒータ161の温度を検出するためのサーミスタ154が検出した検出信号を受信し、検出信号をアナログ信号からデジタル信号に変換してシステムコントローラ151に送信する。システムコントローラ151は、A/D変換器153から受信したデジタル信号に基づいて、ACドライバ160の制御を行う。ACドライバ160は、定着ヒータ161の温度が定着処理を行うために必要な温度となるように定着ヒータ161を制御する。なお、定着ヒータ161は、定着処理に用いられるヒータであり、定着器318に含まれる。
システムコントローラ151は、使用する記録媒体の種類等の設定をユーザが行うための操作画面を、操作部152に設けられた表示部に表示するように、操作部152を制御する。システムコントローラ151は、ユーザが設定した情報を操作部152から受信し、ユーザが設定した情報に基づいて画像形成装置本体301の動作シーケンスを制御する。また、システムコントローラ151は、画像形成装置の状態を示す情報を操作部152に送信する。なお、画像形成装置の状態を示す情報とは、例えば、画像形成枚数、画像形成中か否か、ジャム発生及びその発生箇所等の情報である。操作部152は、システムコントローラ151から受信した情報を表示部に表示する。
前述の如くして、システムコントローラ151は、画像形成装置本体301の動作シーケンスを制御する。
以上が画像形成装置100の構成および機能についての説明である。
[給紙制御]
次に、給紙ローラ3が原稿積載部2に積載された原稿を給送する構成について説明する。
次に、給紙ローラ3が原稿積載部2に積載された原稿を給送する構成について説明する。
図4は、給紙ローラ3が原稿読取装置201の原稿積載部2に積載された原稿を給紙して搬送する(給送する)構成を説明する図である。
図4に示すように、搬送ローラ4はモータM1によって駆動される。また、モータM1は、モータ制御装置261によって制御される。モータ制御装置261は、CPU251aから出力される指令に基づいてモータM1を制御する。
また、揺動アーム12は、モータM2によって回動される。なお、モータM2は、モータ制御装置262によって制御される。モータ制御装置262は、CPU251aから出力される指令に基づいてモータM2を制御する。
なお、給紙ローラ3や搬送ローラ6は、不図示のモータによって駆動され、当該モータは不図示のモータ制御装置によって制御されるものとする。
給紙ローラ3が原稿P1を給送したあとに給紙ローラ3が回転している状態が継続すると、給紙ローラ3は、原稿P1の後端が給紙ローラ3を通過した直後に、原稿P2を給送してしまう。この結果、例えば、原稿P1の後端側と原稿P2の先端側とが重なった状態で原稿P1及び原稿P2が搬送されてしまう。
本実施形態においては、揺動アーム12を回動させることによって、給紙ローラ3を退避位置と給紙位置との間で移動させることができる。なお、プリントジョブが開始されるまでは、給紙ローラ3は予め退避位置に退避しており、プリントジョブが開始されると、CPU251aは給紙ローラ3を給紙位置に移動させる(下降させる)ものとする。
CPU251aは、給紙ローラ3を下降させる制御を行ってから所定時間T1が経過すると、給紙ローラ3を退避位置に退避させるようにモータ制御装置262を制御する。この結果、揺動アーム12が回動し、給紙ローラ3を退避位置に退避させることができる。その結果、原稿P1の後端側と原稿P2の先端側とが重なった状態で原稿P1及び原稿P2が搬送されてしまうことを抑制することができる。なお、所定時間T1は、CPU251aが給紙ローラ3を下降させる制御を行ってから原稿P1の後端側が原稿P2の先端側を通過するまでの時間であるものとする。
搬送ローラ6の下流側には、原稿の先端を検知するシートセンサSS2が設けられている。シートセンサSS2が原稿の先端を検知する(シートセンサSS2からの信号が‘L’になる)と、CPU251aは、給紙ローラ3を下降させるようにモータ制御装置262を制御する。なお、給紙ローラ3は、不図示のモータによって駆動された状態で、退避位置と給紙位置との間を回動するものとする。この結果、揺動アーム12が回動して給紙ローラ3を給紙位置に移動させることができ、給紙ローラ3による原稿の給送を再開することができる。
また、シートセンサSS2が原稿の先端を検知すると、CPU251aは、搬送ローラ4の駆動を停止するようにモータ制御装置261を制御する。この場合、搬送ローラ4は搬送ローラ6によって搬送される原稿に従動する。搬送ローラ4の駆動を停止させる際には、例えば、クラッチを切ることによってモータの駆動を伝達しないようにしたり搬送ローラ4を駆動するモータの駆動を停止させたりする方法が用いられる。
なお、シートセンサSS2が搬送ローラ6のニップ部から遠すぎると、給紙ローラ3による原稿の給送が再開されるタイミングが遅くなり、原稿を搬送する時間間隔が長くなってしまう。また、シートセンサSS2が搬送ローラ6のニップ部に近すぎると、搬送される原稿同士の間隔が短くなってしまう。シートセンサSS2は、このようなことを考慮して配置される。本実施形態においては、シートセンサSS2の検知結果に基づいて給紙ローラ3を給紙位置に戻したが、例えば、原稿読取装置の動作シーケンスによって予め決定されるタイミングにおいて給紙ローラ3を給紙位置に戻しても良い。
なお、搬送ローラ4及び搬送ローラ6の駆動が再開されるタイミングは、例えば、給紙ローラ3が給紙位置に戻されるタイミングであるものとする。
ところで、原稿積載部2に積載された原稿が給紙ローラ3によって給送される際には、原稿が2枚重なった状態で給送されることがある。本実施形態においては、図4に示すように、搬送ローラ4と対向する位置に、搬送ローラ4に圧接する分離ローラ5が設けられている。分離ローラ5は、該分離ローラ5に所定のトルク以上の負荷トルクがかかると、回転する構成となっている。分離ローラ5は、2枚重なった状態で給送された原稿を分離する分離部材として機能する。本実施形態においては、分離ローラ5の外周面は、搬送ローラ4等の外周面を構成する素材が有する静止摩擦係数及び動摩擦係数以上の静止摩擦係数及び動摩擦係数を有する素材によって構成されているものとする。
以下に、2枚重なった状態で給送された原稿を分離ローラ5が分離する構成について説明する。
図5は、原稿読取装置201の原稿積載部2に積載された原稿が2枚重なった状態で給送される様子を説明する図である。
原稿が2枚重なった状態で給送される場合においては、原稿P1には、原稿P1と原稿P2との摩擦によって搬送方向と逆方向に摩擦力F1が働く。更に、原稿P1には、搬送ローラ4が回転することによって生じる搬送ローラ4と原稿P1との摩擦による摩擦力F2が搬送方向に働く。通常、摩擦力F2は摩擦力F1よりも大きい力となる。したがって、原稿P1は搬送方向へ搬送される。
また、原稿が2枚重なった状態で給送される場合においては、原稿P2には、原稿P1と原稿P2との摩擦によって摩擦力F1が搬送方向に働いている。搬送ローラ4と分離ローラ5とのニップ部に原稿が2枚重なった状態で到達すると、原稿P2には、原稿P2と分離ローラ5との摩擦によって搬送方向と逆方向に摩擦力F3が働く。通常、摩擦力F3は摩擦力F1よりも大きい力となる。したがって、原稿P2は分離ローラ5によって原稿P1から分離されて搬送方向に搬送されなくなる。
なお、前述したように、搬送ローラ4の駆動はシートセンサSS2が原稿の先端を検知するタイミングで停止されている。分離ローラ5によって原稿P1から分離された原稿P2は、搬送ローラ4の駆動が再び開始されることによって搬送される。
分離ローラ5によって原稿P1と原稿P2とが分離されて原稿P1のみが搬送されてから、原稿P1の先端がシートセンサSS2に検知されるまでには所定の時間がかかる。原稿P1の先端がシートセンサSS2に検知されるまで搬送ローラ3は退避位置に退避されないため、前記所定の時間中は、給紙ローラ3による原稿P2の給送が継続される。この結果、原稿P2が搬送ローラ4と分離ローラ5とのニップ部と給紙ローラ3との間でたわんだり座屈したりしてしまう。
そこで、図11に示すように、搬送ローラと分離ローラとのニップ部に、原稿が2枚重なった状態で給送されたか否かを検知するセンサを設ける構成が知られている。図11に示すようにニップ部にセンサを設ける場合、センサを設けるスペースが必要となるため、画像形成装置が大型化してしまう。また、センサを設けることによってコストが増大してしまう。
そこで、本実施形態では、以下の構成を用いることによって、画像形成装置が大型化したりコストが増大したりすることを抑制する。
[重送検知]
本実施形態では、給紙ローラ4を駆動するモータM1の巻線に流れる駆動電流の電流値に基づいて、原稿が2枚重なった状態で給送されたか(重送されたか)否かを検知する。以下に、原稿が重送されたか否かを検知する方法を説明する。
本実施形態では、給紙ローラ4を駆動するモータM1の巻線に流れる駆動電流の電流値に基づいて、原稿が2枚重なった状態で給送されたか(重送されたか)否かを検知する。以下に、原稿が重送されたか否かを検知する方法を説明する。
<モータ制御装置>
まず、給紙ローラ4を駆動するモータM1を制御するモータ制御装置261について説明する。本実施形態におけるモータ制御装置261は、ベクトル制御を用いてモータM1を制御する。なお、本実施形態におけるモータM1には、モータの回転子の回転位相を検出するためのロータリエンコーダなどのセンサは設けられていないが、センサが設けられている構成であっても良い。
まず、給紙ローラ4を駆動するモータM1を制御するモータ制御装置261について説明する。本実施形態におけるモータ制御装置261は、ベクトル制御を用いてモータM1を制御する。なお、本実施形態におけるモータM1には、モータの回転子の回転位相を検出するためのロータリエンコーダなどのセンサは設けられていないが、センサが設けられている構成であっても良い。
まず、図6及び図7を用いて、本実施形態におけるモータ制御装置261がベクトル制御を行う方法について説明する。
図6は、A相(第1相)とB相(第2相)との2相から成るステッピングモータ(以下、モータと称する)M1と、d軸及びq軸によって表される回転座標系との関係を示す図である。図6では、静止座標系として、A相の巻線に対応した軸であるα軸と、B相の巻線に対応した軸であるβ軸とが定義される。また、図6では、回転子402に用いられる永久磁石の磁極によって作られる磁束の方向がd軸方向と定義され、d軸から反時計回りに90度進んだ方向(d軸に直交する方向)がq軸方向と定義される。α軸とd軸との成す角度はθと定義され、回転子402の回転位相は角度θによって表される。ベクトル制御では、回転子402の回転位相θを基準とした回転座標系が用いられる。具体的には、巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルの、回転座標系における電流成分であって、回転子にトルクを発生させるq軸成分(トルク電流成分)の電流値と巻線を貫く磁束の強度に影響するd軸成分(励磁電流成分)の電流値とが用いられる。
ベクトル制御とは、回転子の目標位相を表す指令位相と実際の回転位相との偏差が小さくなるようにトルク電流成分の値と励磁電流成分の値とを制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する。また、回転子の目標速度を表す指令速度と実際の回転速度との偏差が小さくなるようにトルク電流成分の値と励磁電流成分の値とを制御する速度フィードバック制御を行うことによってモータを制御する手法もある。
図7は、給紙ローラ4を駆動するモータM1を制御するモータ制御装置261の構成の例を示すブロック図である。
モータ制御装置261は、ベクトル制御を行う回路として、位相制御器502、電流制御器503、座標逆変換器505、座標変換器511、モータの巻線に駆動電流を供給するPWMインバータ506等を有する。座標変換器511は、モータM1のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルを、α軸及びβ軸で表される静止座標系から、q軸及びd軸で表される回転座標系に座標変換する。この結果、モータM1のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流の静止座標系における電流値を、回転座標系における電流値である、q軸成分の電流値(q軸電流)及びd軸成分の電流値(d軸電流)を用いて表すことができる。なお、q軸電流は、モータM1の回転子402にトルクを発生させるトルク電流に相当する。また、d軸電流は、モータM1の巻線を貫く磁束の強度に影響する励磁電流に相当し、回転子402のトルクの発生には寄与しない。モータ制御装置261は、q軸電流及びd軸電流をそれぞれ独立に制御することができる。即ち、モータ制御装置261は、回転子402にかかる負荷トルクに応じてq軸電流を制御することによって、回転子402が回転するために必要なトルクを効率的に発生させることができる。
モータ制御装置261は、モータM1の回転子402の回転位相θを後述する方法により決定し、その決定結果に基づいてベクトル制御を行う。CPU251aは、モータM1の回転子402の目標位相を表す指令位相θ_refを生成し、所定の時間周期で指令位相θ_refをモータ制御装置261へ出力する。
減算器101は、モータM1の回転子402の回転位相θと指令位相θ_refとの偏差を演算し、該偏差を位相制御器502に出力する。
位相制御器502は、比例制御(P)、積分制御(I)、微分制御(D)に基づいて、減算器101から出力された偏差が小さくなるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。具体的には、位相制御器502は、P制御、I制御、D制御に基づいて、減算器101から出力された偏差が0になるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する。なお、P制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差に比例する値に基づいて制御する制御方法である。また、I制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間積分に比例する値に基づいて制御する制御方法である。また、D制御とは、制御する対象の値を指令値と推定値との偏差の時間変化に比例する値に基づいて制御する制御方法である。本実施形態における位相制御器502は、PID制御に基づいてq軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成しているが、例えば、位相制御器502は、PI制御に基づいてq軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成しても良い。また、回転子402に永久磁石を用いる場合、通常は回転子402の磁束強度に影響するd軸電流指令値id_refは0に設定されるが、これに限定されるものではない。
モータM1のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流は、電流検出器507、508によって検出され、その後、A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換される。
A/D変換器510によってアナログ値からデジタル値へと変換された電流値は、静止座標系における電流値iα及びiβとして、図6に示す電流ベクトルの位相θeを用いて次式によって表される。なお、電流ベクトルの位相θeは、α軸と電流ベクトルとの成す角度と定義される。また、Iは電流ベクトルの大きさを示す。
iα=I*cosθe (1)
iβ=I*sinθe (2)
iα=I*cosθe (1)
iβ=I*sinθe (2)
これらの電流値iα及びiβは、座標変換器511と誘起電圧決定器512に入力される。
座標変換器511は、次式によって、電流値iα及びiβを回転座標系におけるq軸電流の電流値iq及びd軸電流の電流値idに座標変換する。
id= cosθ*iα+sinθ*iβ (3)
iq=−sinθ*iα+cosθ*iβ (4)
id= cosθ*iα+sinθ*iβ (3)
iq=−sinθ*iα+cosθ*iβ (4)
座標変換器511によって座標変換された電流値iqは重送検知器550及び減算器102に出力される。また、座標変換器511によって座標変換された電流値idは減算器103に出力される。なお、重送検知器550については後述する。
減算器102は、位相制御器502から出力されたiq_refと座標変換器511から出力された電流値iqとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。また、減算器103は、位相制御器502から出力されたid_refと座標変換器511から出力された電流値idとの偏差を演算し、該偏差を電流制御器503に出力する。
電流制御器503は、PID制御に基づいて、前記偏差がそれぞれ小さくなるように駆動電圧Vq及びVdを生成する。具体的には、電流制御器503は、前記偏差がそれぞれ0になるように駆動電圧Vq及びVdを生成して座標逆変換器505に出力する。即ち、電流制御器503は、生成手段として機能する。なお、本実施形態における電流制御器503は、PID制御に基づいて駆動電圧Vq及びVdを生成しているが、例えば、電流制御器503は、PI制御に基づいて駆動電圧Vq及びVdを生成しても良い。
座標逆変換器505は、電流制御器503から出力された回転座標系における駆動電圧Vq及びVdを、次式によって、静止座標系における駆動電圧Vα及びVβに座標逆変換する。
Vα=cosθ*Vd−sinθ*Vq (5)
Vβ=sinθ*Vd+cosθ*Vq (6)
Vα=cosθ*Vd−sinθ*Vq (5)
Vβ=sinθ*Vd+cosθ*Vq (6)
座標逆変換器505は、回転座標系における駆動電圧Vq及びVdを静止座標系における駆動電圧Vα及びVβに座標逆変換した後、Vα及びVβを誘起電圧決定器512とPWMインバータ506に出力する。
PWMインバータ506は、フルブリッジ回路を有している。フルブリッジ回路は座標逆変換器505から入力された駆動電圧Vα及びVβに基づくPWM信号によって駆動される。その結果、PWMインバータ506は、駆動電圧Vα及びVβに応じた駆動電流iα及びiβを生成し、駆動電流iα及びiβをモータM1の各相の巻線に供給することによって、モータM1を駆動させる。即ち、PWMインバータ506は、モータM1の各相の巻線に電流を供給する供給手段として機能する。なお、本実施形態においては、PWMインバータはフルブリッジ回路を有しているが、ハーフブリッジ回路等であっても良い。
次に、回転位相θの決定方法について説明する。回転子402の回転位相θの決定には、回転子402の回転によってモータM1のA相及びB相の巻線に誘起される誘起電圧Eα及びEβの値が用いられる。誘起電圧の値は誘起電圧決定器512によって決定(算出)される。具体的には、誘起電圧Eα及びEβは、A/D変換器510から誘起電圧決定器512に入力された電流値iα及びiβと、座標逆変換器505から誘起電圧決定器512に入力された駆動電圧Vα及びVβとから、次式によって決定される。
Eα=Vα−R*iα−L*diα/dt (7)
Eβ=Vβ−R*iβ−L*diβ/dt (8)
Eα=Vα−R*iα−L*diα/dt (7)
Eβ=Vβ−R*iβ−L*diβ/dt (8)
ここで、Rは巻線レジスタンス、Lは巻線インダクタンスである。R及びLの値は使用されているモータM1に固有の値であり、ROM151b又はモータ制御装置261に設けられたメモリ(不図示)等に予め格納されている。
誘起電圧決定器512によって決定された誘起電圧Eα及びEβは、位相決定器513に入力される。位相決定器513は、誘起電圧決定器512から出力された誘起電圧Eαと誘起電圧Eβとの比に基づいて、次式によってモータM1の回転子402の回転位相θを決定する。
θ=tan^−1(−Eβ/Eα) (9)
θ=tan^−1(−Eβ/Eα) (9)
なお、本実施形態においては、位相決定器513は、式(9)に基づく演算を行うことによって回転位相θを決定したが、この限りではない。例えば、位相決定器513は、ROM151b等に記憶された、誘起電圧Eα及び誘起電圧Eβと誘起電圧Eα及び誘起電圧Eβとに対応する回転位相θとの関係を示すテーブルを参照することによって回転位相θを決定してもよい。
前述の如くして得られた回転子402の回転位相θは、減算器101、座標逆変換器505及び座標変換器511に入力される。
モータ制御装置261は、この制御を繰り返し行う。
以上のように、本実施形態におけるベクトル制御では、指令位相θ_refと回転位相θとの偏差が小さくなるように、回転座標系における電流値を制御する位相フィードバック制御を行うことによってモータを制御する。ベクトル制御を行うと、モータが脱調状態となることや、余剰トルクに起因してモータ音が増大すること及び消費電力が増大することを抑制することができる。
<重送検知方法>
次に、原稿が重送されたか否かを検知する方法について説明する。本実施形態では、モータ制御装置261に設けられた重送検知器550が、原稿が重送されたか否かを回転子402にかかる負荷トルクに基づいて検知する。具体的には、重送検知器550は、回転子402にかかる負荷トルクに対応する値である電流値iqに基づいて、原稿が重送されたか否かを検知する。
次に、原稿が重送されたか否かを検知する方法について説明する。本実施形態では、モータ制御装置261に設けられた重送検知器550が、原稿が重送されたか否かを回転子402にかかる負荷トルクに基づいて検知する。具体的には、重送検知器550は、回転子402にかかる負荷トルクに対応する値である電流値iqに基づいて、原稿が重送されたか否かを検知する。
以下に、原稿が重送されていない場合及び原稿が重送された場合において回転子402にかかる負荷トルクについて説明する。
まず、図4に示す場合、即ち、原稿が給送されていない場合において回転子402にかかる負荷トルクについて説明する。前述したように、分離ローラ5は、該分離ローラ5に所定のトルク以上の負荷トルクがかかると、回転する構成となっている。具体的には、搬送ローラ4が回転することによって分離ローラ5に生じる摩擦力が前記所定のトルク以上になると、分離ローラ5は搬送ローラ4の回転に従動して回転する。この場合、モータM1の回転子には、前記所定のトルクに相当する負荷トルクがかかる。
次に、原稿が1枚だけ給送された場合において回転子402にかかる負荷トルクについて説明する。図8は、給紙ローラ3が原稿読取装置201の原稿積載部2に積載された原稿の最上部の原稿P1を給送する様子を説明する図である。給紙ローラ3によって原稿P1が搬送ローラ4と分離ローラ5とのニップ部に給送されると、原稿P1には、搬送ローラ4が回転することによって生じる搬送ローラ4と原稿P1との摩擦による摩擦力F4が搬送方向に働く。更に、原稿P1には、原稿P1と分離ローラ5との摩擦によって搬送方向と逆方向に摩擦力F5が働く。また、分離ローラ5には、摩擦力F5と同じ大きさの摩擦力が、分離ローラ5が反時計回りに回転する方向に働く。なお、摩擦力F4の大きさと摩擦力F5の大きさは同じあるものとする。したがって、搬送ローラ4と分離ローラ5とを回転させて原稿P1を搬送方向に搬送するためには、モータM1の回転子に前記所定のトルク以上のトルクを与える必要がある。即ち、モータM1の回転子には前記所定のトルクに相当する負荷トルクがかかっている。
次に、図5に示す場合、即ち、原稿が重送された場合においてモータM1の回転子にかかる負荷トルクについて説明する。図5において説明したように、原稿が重送された場合、原稿P1は搬送方向へ搬送され、原稿P2は分離ローラ5によって原稿P1から分離されて搬送方向に搬送されなくなる。このとき、搬送ローラ4には、原稿P1と原稿2との摩擦によって生じる摩擦力F1に相当する負荷トルクがかかる。即ち、原稿が重送された場合、モータM1の回転子にかかる負荷トルクは前記所定のトルクよりも小さい。
以上のように、原稿が重送された場合において回転子402にかかる負荷トルクの大きさは、原稿が給送されていない場合及び原稿が1枚だけ給送された場合において回転子402にかかる負荷トルクの大きさよりも小さい。
即ち、原稿が重送された場合における電流値iqは、原稿が給送されていない場合及び原稿が1枚だけ給送された場合における電流値iqよりも小さい。
したがって、重送検知器550は、座標変換器511から出力される電流値iqが所定値よりも大きいか否かに基づいて、原稿が重送されたか否かを検知する。具体的には、重送検知器550は、電流値iqが所定値以上である場合は、原稿が重送されていないと判断する。また、重送検知器550は、電流値iqが所定値未満である場合は、原稿が重送されたと判断する。なお、原稿が重送されたか否かを重送検知器550が判断するタイミングは、重送検知器550が電流値iqを取得するタイミングであるとする。重送検知器550が電流値iqを取得する周期は、電流検出器507、508が電流値を検出する周期と同期しているものとする。また、前記所定値は、原稿が給送されていない場合において回転子にかかる負荷トルクに対応する電流値iqよりも小さい値であって、原稿が重送された場合において回転子にかかる負荷トルクに対応する電流値iqよりも大きい値に設定され、予めROM151bに記憶されているものとする。
重送検知器550は、判断結果をCPU151aに出力する。CPU151aは、判断結果に基づいて、揺動アーム12を回動させるモータM2を制御するモータ制御装置262を制御する。
具体的には、原稿が重送された場合は、CPU251aは、給紙ローラ3を退避位置に退避させるようにモータ制御装置262を制御する。この結果、揺動アーム12が回動し、給紙ローラ3を退避位置に退避させることができる。その結果、原稿が搬送ローラ4と分離ローラ5とのニップ部と給紙ローラ3との間でたわんだり座屈したりすることを抑制することができる。なお、この場合、原稿P1の先端をシートセンサSS2が検知したら、CPU251aは、給紙ローラ3を下降させるようにモータ制御装置262を制御する。この結果、揺動アーム12が回動し、給紙ローラ3を給紙位置に移動させることができる。その結果、給紙ローラ3による原稿の給送を再開することができる。
また、原稿が重送されていない場合は、CPU251aは、給紙ローラ3を下降させる制御を行ってから所定時間T1が経過すると、給紙ローラ3を退避位置に退避させるようにモータ制御装置262を制御する。この結果、揺動アーム12が回動し、給紙ローラ3を退避位置に退避させることができる。その結果、原稿P1の後端側と原稿P2の先端側とが重なった状態で原稿P1及び原稿P2が搬送されてしまうことを抑制することができる。なお、この場合、原稿P1の先端をシートセンサSS2が検知したら、CPU251aは、給紙ローラ3を下降させるようにモータ制御装置262を制御する。この結果、揺動アーム12が回動し、給紙ローラ3を給紙位置に移動させることができ、給紙ローラ3による原稿の給送を再開することができる。
図9は、本実施形態における重送検知方法及び原稿読取装置の動作シーケンスを説明するフローチャートである。以下、図9を用いて、本実施形態における重送検知方法及び原稿読取装置の動作シーケンスについて説明する。このフローチャートの処理は、CPU251aによって実行される。
プリントジョブが開始されると、S1001において、CPU251aは、給紙ローラ3を下降させるようにモータ制御装置262を制御する。この結果、揺動アーム12が回動し、給紙ローラ3を給紙位置に移動させることができる。
その後、S1002において、システムコントローラ251は、原稿読取装置201の動作シーケンスを実行し、原稿積載部2に積載された原稿の給送が開始される。また、モータ制御装置261によるモータM1の制御が開始される。
次に、S1003において、重送検知器550に入力された電流値iqが所定値未満である場合は、S1004において、CPU151aは、給紙ローラ3を退避位置に退避させるようにモータ制御装置262を制御する。この結果、揺動アーム12が回動し、給紙ローラ3を退避位置に退避させることができる。その後、CPU151aは処理をS1007に進める。
また、S1003において、重送検知器550に入力された電流値iqが所定値以上である場合は、CPU151aは処理をS1005に進める。
S1005において、給紙ローラ3を下降させる制御を行ってから所定時間T1が経過すると、S1006において、CPU151aは、給紙ローラ3を退避位置に退避させるようにモータ制御装置262を制御する。この結果、揺動アーム12が回動し、給紙ローラ3を退避位置に退避させることができる。その後、CPU151aは処理をS1007に進める。
また、S1005において、給紙ローラ3を下降させる制御を行ってから所定時間T1が経過していない場合は、処理は再びS1003に戻る。
S1007において、プリントジョブが継続される場合は、処理はS1008に進む。
S1008において、シートセンサSS2が原稿の先端を検知すると、処理はS1001に戻る。
以降、プリントジョブが完了するまで、CPU151aは、上述した処理を繰り返し行う。
以上のように、本実施形態においては、電流値iqに基づいて、原稿が重送されたか否かを検知する。具定的には、電流値iqが所定値以上である場合は、原稿が重送されていないと判断する。また、電流値iqが所定値未満である場合は、原稿が重送されたと判断する。この結果、センサを設けることなく原稿が重送されたか否かを検知することができる。即ち、シート搬送装置が大型化したりコストが増大したりすることなく原稿が複数枚重なった状態で給送されたか否かを検知することができる。なお、原稿が重送されたか否かを重送検知器550が判断するタイミングは、重送検知器550が電流値iqを取得するタイミングであるとする。重送検知器550が電流値iqを取得する周期は、電流検出器507、508が電流値を検出する周期と同期しているものとする。
更に、原稿が重送されていない場合は、給紙ローラ3を下降させる制御を行ってから所定時間T1が経過すると、給紙ローラ3を退避位置に退避させるようにモータ制御装置262を制御する。この結果、揺動アーム12が回動し、給紙ローラ3を退避位置に退避させることができる。その結果、原稿P1の後端側と原稿P2の先端側とが重なった状態で原稿P1及び原稿P2が搬送されてしまうことを抑制することができる。また、原稿が重送された場合には、給紙ローラを退避位置に退避させる。その結果、原稿が搬送ローラ4と分離ローラ5とのニップ部と給紙ローラ3との間でたわんだり座屈したりすることを抑制することができる。なお、所定時間T1が経過したことによって給紙ローラ3を退避位置に退避させるタイミングは、原稿が重送されたと判断されたことによって給紙ローラ3を退避位置に退避させるタイミングよりも遅いタイミングであるものとする。
本実施形態においては、電流値iqに基づいて、原稿が重送されたか否かを検知したが、q軸電流指令値iq_refに基づいて、原稿が重送されたか否かを検知しても良い。
また、本実施形態においては、分離ローラを分離部材として用いたが、この限りではない。例えば、摩擦ブレーキ板を用いたブレーキパッドを分離部材として用いても良い。
本実施形態においては、原稿が2枚重なった状態で搬送される場合について説明したが、原稿が3枚以上(複数枚)重なった状態で搬送される場合についても、本実施形態を適用できる。
本実施形態においては、原稿読取装置201における原稿の給紙について説明したが、本実施形態が適用されるのは原稿読取装置201に限定されるわけではない。例えば、画像形成装置本体301において、シート収納トレイ302、304に収納されている記録媒体を給紙する場合においても、本実施形態を適用することができる。
なお、本実施形態においては、給紙ローラ3を退避位置に退避させる際に給紙ローラ3は回転したままの状態であったが、回転を停止させても良い。また、給紙ローラ3を退避位置に退避させずに、給紙ローラ3の駆動を停止させる構成であっても良い。この場合、給紙ローラ3は搬送ローラ4によって搬送される原稿に従動する。給紙ローラ3の駆動を停止させる際には、例えば、クラッチを切ることによってモータの駆動を伝達しないようにしたり給紙ローラ3を駆動するモータの駆動を停止させたりする方法が用いられる。
また、本実施形態においては、CPU251aが給紙ローラ3を下降させる制御を行ってから所定時間T1が経過したら給紙ローラ3を退避位置に退避させたが、例えば、原稿の搬送路に設けられたセンサをトリガーにして給紙ローラ3を退避させても良い。
また、本実施形態においては、予め設定された原稿読取装置の動作シーケンスによって決定されるタイミングにおいて搬送ローラ4の駆動を停止させたが、例えば、原稿の搬送路に設けられたセンサをトリガーにして搬送ローラ4の駆動を停止させても良い。
なお、本実施形態における負荷とはモータによって駆動される対象物である。例えば、給紙ローラ3、303、305、レジストレーションローラ308及び排紙ローラ319等の各種ローラ(搬送ローラ)や感光ドラム309、搬送ベルト208、317、照明系209及び光学系等は負荷に対応する。また、本実施形態においては、負荷を駆動するモータとしてステッピングモータが用いられているが、DCモータ等の他のモータであっても良い。また、モータは2相モータに限らず、3相モータ等の他のモータであっても本実施形態を適用することができる。
なお、本実施形態におけるベクトル制御では、位相フィードバック制御を行うことによってモータM1を制御しているが、これに限定されるものではない。例えば、回転子402の回転速度ωをフィードバックしてモータM1を制御する構成であっても良い。具体的には、図10に示すように、モータ制御装置内部に速度決定器515を設け、速度決定器515が位相決定器513から出力された回転位相θの時間変化に基づいて回転速度ωを決定する。速度の決定には、次式(10)が用いられるものとする。
ω=dθ/dt (10)
ω=dθ/dt (10)
そして、CPU151aは回転子の目標速度を表す指令速度ω_refを出力する。更に、モータ制御装置内部に設けられた速度制御器500が回転速度ωと指令速度ω_refとの偏差が小さくなるように、q軸電流指令値iq_ref及びd軸電流指令値id_refを生成して出力する構成とする。このような速度フィードバック制御を行うことによって、モータM1を制御する構成であっても良い。
3 給紙ローラ
4 搬送ローラ
5 分離ローラ
251a CPU
261 モータ制御装置
402 回転子
502 位相制御器
507,508 電流検出器
509 ステッピングモータ
513 位相決定器
4 搬送ローラ
5 分離ローラ
251a CPU
261 モータ制御装置
402 回転子
502 位相制御器
507,508 電流検出器
509 ステッピングモータ
513 位相決定器
Claims (12)
- シート積載部に積載されたシートを給送する給紙ローラと、
前記給紙ローラによって給送された前記シートを搬送方向に搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラと対向する位置に設けられ、前記給紙ローラによって重なった状態で搬送された複数枚の前記シートを分離する分離部材と、
前記搬送ローラを駆動するモータと、
前記モータの回転子の回転位相を決定する位相決定手段と、
前記位相決定手段によって決定された前記回転位相を基準とした回転座標系において表される、前記回転子にトルクを発生させるトルク電流成分と前記モータの巻線を貫く磁束の強度に影響する励磁電流成分とに基づいて、前記回転位相と前記回転子の目標位相を表す指令位相との偏差が小さくなるように前記モータを制御する第1制御手段と、
前記トルク電流成分の値が所定値より小さい場合は前記給紙ローラによる前記シートの給送を停止させ、前記トルク電流成分の値が前記所定値より大きい場合は前記給紙ローラによる前記シートの給送を継続させる第2制御手段と、
を有することを特徴とするシート搬送装置。 - シート積載部に積載されたシートを給送する給紙ローラと、
前記給紙ローラによって給送された前記シートを搬送方向に搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラと対向する位置に設けられ、前記給紙ローラによって重なった状態で搬送された複数枚の前記シートを分離する分離部材と、
前記搬送ローラを駆動するモータと、
前記モータの回転子の回転速度を決定する速度決定手段と、
前記位相決定手段によって決定された前記回転位相を基準とした回転座標系において表される、前記回転子にトルクを発生させるトルク電流成分と前記モータの巻線を貫く磁束の強度に影響する励磁電流成分とに基づいて、前記速度決定手段によって決定された回転速度と前記回転子の目標速度を表す指令速度との偏差が小さくなるように前記モータを制御する第1制御手段と、
前記トルク電流成分の値が所定値より小さい場合は前記給紙ローラによる前記シートの給送を停止させ、前記トルク電流成分の値が前記所定値より大きい場合は前記給紙ローラによる前記シートの給送を継続させる第2制御手段と、
を有することを特徴とするシート搬送装置。 - 前記シート搬送装置は、前記シートが搬送される搬送方向において前記搬送ローラの下流側に設けられた、前記シートの先端を検知する検知手段を有し、
前記第2制御手段は、前記検知手段が前記シートの先端を検知すると、前記給紙ローラによる前記シートの給送を開始させることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート搬送装置。 - 前記第2制御手段は、前記給紙ローラによる前記シートの給送を開始させてから所定時間が経過すると、前記給紙ローラによる前記シートの給送を停止させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
- 前記シート搬送装置は、前記給紙ローラと前記搬送ローラとを連結し、前記搬送ローラの回転軸を中心にして回動する連結部材を有し、
前記第2制御手段は、前記連結部材を回動させて前記給紙ローラを退避位置に退避させることによって前記給紙ローラによる前記シートの給送を停止させ、
更に、前記第2制御手段は、前記連結部材を回動させて前記給紙ローラを給紙位置に移動させることによって前記給紙ローラによる前記シートの給送を開始させることを特徴とする請求項3又は4に記載のシート搬送装置。 - 前記分離手段は、該分離手段に所定のトルク以上のトルクがかかると回転する分離ローラであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
- 前記第1制御手段は、
前記モータの第1相の巻線及び第2相の巻線それぞれに駆動電流を供給する供給手段と、
前記供給手段を駆動する駆動電圧を生成する生成手段と、
前記供給手段によって前記モータの第1相の巻線及び第2相の巻線それぞれに供給された駆動電流の電流値を検出する検出手段と、
前記生成手段によって生成された駆動電圧と、前記検出手段によって検出された電流値とに基づいて、前記モータの回転子の回転によって前記第1相の巻線及び第2相の巻線に誘起される誘起電圧の大きさを決定する誘起電圧決定手段と、
前記誘起電圧決定手段によって決定された前記第1相の誘起電圧の大きさと前記第2相の誘起電圧の大きさとに基づいて前記回転位相を決定する位相決定手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシート搬送装置。 - 前記第1制御手段は、
前記指令位相と前記位相決定手段によって決定された回転位相との偏差が小さくなるように前記トルク電流成分の値及び前記励磁電流成分の値を生成して出力する位相制御手段と、
前記位相決定手段によって決定された回転位相に基づいて、前記検出手段によって検出された静止座標系における電流値を前記回転座標系における電流値へと座標変換する座標変換手段と、
を有し、
前記生成手段は、前記位相制御手段から出力された前記トルク電流成分の値と前記座標変換手段によって座標変換されたトルク電流成分の値との偏差及び前記位相制御手段から出力された前記励磁電流成分の値と前記座標変換手段によって座標変換された励磁電流成分の値との偏差が小さくなるように前記回転座標系における駆動電圧を生成し、
前記第1制御手段は、前記位相決定手段によって決定された回転位相に基づいて、前記生成手段によって生成された前記回転座標系における駆動電圧を前記静止座標系における駆動電圧に座標逆変換する座標逆変換手段を有し、
前記供給手段は、前記座標逆変換手段によって座標逆変換された駆動電圧によって駆動されることを特徴とする請求項1を引用する請求項7に記載のシート搬送装置。 - 前記第1制御手段は、
前記指令速度と前記速度決定手段によって決定された回転速度との偏差が小さくなるように前記トルク電流成分の値及び前記励磁電流成分の値を生成して出力する速度制御手段と、
前記位相決定手段によって決定された回転位相に基づいて、前記検出手段によって検出された静止座標系における電流値を前記回転座標系における電流値へと座標変換する座標変換手段と、
を有し、
前記生成手段は、前記速度制御手段から出力された前記トルク電流成分の値と前記座標変換手段によって座標変換されたトルク電流成分の値との偏差及び前記速度制御手段から出力された前記励磁電流成分の値と前記座標変換手段によって座標変換された励磁電流成分の値との偏差が小さくなるように前記回転座標系における駆動電圧を生成し、
前記第1制御手段は、前記位相決定手段によって決定された回転位相に基づいて、前記生成手段によって生成された前記回転座標系における駆動電圧を前記静止座標系における駆動電圧に座標逆変換する座標逆変換手段を有し、
前記供給手段は、前記座標逆変換手段によって座標逆変換された駆動電圧によって駆動されることを特徴とする請求項2を引用する請求項7に記載のシート搬送装置。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシート搬送装置と、
原稿を積載する原稿積載部と、
を有し、
前記原稿積載部に積載された前記原稿を前記シート搬送装置が給送することを特徴とする原稿給送装置。 - 請求項10に記載の原稿給送装置と、
前記原稿給送装置によって給送された前記原稿を読み取る読取手段と、
を有することを特徴とする原稿読取装置。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシート搬送装置と、
記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
を有し、
前記画像形成手段は、前記シート搬送装置によって搬送された前記記録媒体に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2016254373A JP2018104168A (ja) | 2016-12-27 | 2016-12-27 | シート搬送装置 |
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JP2016254373A JP2018104168A (ja) | 2016-12-27 | 2016-12-27 | シート搬送装置 |
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2016
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