JP2018103472A - 光学的立体造形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】見る角度の違いによる虹の発生、乱反射等の光学異常のない、不適当な光学現象を起こしにくい立体造形物を製造できる光学的立体造形方法の提供。【解決手段】コンピューター上の3次元データに基づき光学的立体造形用樹脂組成物に光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する1層分の光硬化樹脂層を形成し、更に当該光硬化樹脂層に1層分の未硬化の光学的立体造形用樹脂組成物を供給してコンピューター上の3次元データに基づき光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する次の光硬化樹脂層を形成して前記光硬化樹脂層に積層する操作を繰り返して立体造形物を製造する方法において、隣接する光硬化樹脂層を、0.3×D(mm)〜3.0×D(mm)[Dは光硬化樹脂層を形成するためのコンピューターに予め設定した基本をなす積層ピッチ(mm)を示す]の範囲内の積層ピッチを採用しつつ、互いに異なる積層ピッチで形成する方法。【選択図】図1

Description

本発明は、見る角度によって虹が見えたり、乱反射が生じたりするなどの光学現象がなく、不適当な光学現象を起こさない立体造形物を製造することのできる光学的立体造形方法およびそれにより得られる立体造形物に関する。
近年、コンピューターに入力された三次元データに基づいて液状の光硬化性樹脂組成物を立体的に光学造形する方法が、金型などを作製することなく目的とする立体造形物を良好な寸法精度で製造し得ることから、広く採用されるようになっている(例えば、特許文献1、特許文献2など)。
光学的立体造形法の代表的な例としては、造形槽(造形浴)に収容した光学的立体造形用樹脂組成物の表面に、コンピューターに記憶されている3次元立体データに基づいて光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する1層分の光硬化樹脂層を形成し、次いで当該光硬化樹脂層に1層分の未硬化の光学的立体造形用樹脂組成物を供給してコンピューターに記憶されている3次元立体データに基づいて光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する次の光硬化樹脂層を形成し、当該操作を多数回繰り返して目的とする立体造形物を製造する方法を挙げることができる。この光学的立体造形方法により、形状のかなり複雑な造形物をも、容易に且つ比較的短時間に製造することができる。
光学的立体造形用樹脂組成物を用いて光学的立体造形を行って得られる立体造形物は、設計の途中で各種工業製品の外観デザインを検証するためのモデル、部品の機能性をチェックするためのモデル、鋳型を製作するための樹脂型、金型を製作するためのベースモデルなどとして広く利用されており、近年では、例えば、自動車やオートバイのレンズなどの光学部品のプロトタイピングモデル、美術品の復元、模造や現代アート、ガラス張りの建築物のデザインプレゼンテーションモデルのような美術工芸品分野などのような、均質な光学特性と高い透明性が求められる用途にも利用されるようになっている。
コンピューターに記憶されている3次元立体データに基づいて光硬化性樹脂組成物面に光を選択的に照射して光硬化樹脂層を形成して積層する操作を多数回繰り返して立体造形物を製造する光学的立体造形技術では、従来、各光硬化樹脂層を同じ積層ピッチで形成することが一般に行われてきた。
しかし、そのような従来技術によって製造される立体造形物は、見る角度によって、本来虹が見えないような形であるのに虹が見えたり、乱反射が生ずるなどの不適当な光学現象が起こり、自動車やオートバイのレンズなどの光学製品のプロトタイプモデル、美術品の復元、模造や現代アート、ガラス張りの建築物のデザインプレゼンテーションモデルなどの用途では、当該虹や乱反射などのような不適当な光学現象の生じない立体造形物が求められている。
一方、光硬化樹脂層の積層ピッチに大小を設けて光学的立体造形を行って立体造形物を製造する方法が知られている(特許文献3および4を参照)。しかし、これらの従来技術は、サイズおよび形状が同じかまたはほぼ同じである部分では大きな積層ピッチ(光硬化樹脂層の厚み)を採用して光硬化樹脂層の形成と積層を行って造形速度を上げ、サイズおよび形状に違いのある部分では寸法精度の低下を防ぐために小さな積層ピッチ(光硬化樹脂層の厚み)を採用して光硬化樹脂層の形成と積層を行って立体造形物を高速で製造しようとする技術であり、立体造形物における見る角度による虹の発生や乱反射などの不適当な光学現象の発生防止を目的とするものではない。
特開平3−227222号公報 特開2000−62030号公報 特開平8−85155号公報 特開平8−156108号公報
本発明の目的は、見る角度が違っても虹などの発生がなく、乱反射などもなくて、不適当な光学現象を起こさない立体造形物を提供すること、およびその製造方法を提供することである。
上記の目的を達成するために本発明者らが検討を行い、その過程において、同じ積層ピッチを採用して立体造形物を製造する上記した従来技術で得られた立体造形物について、その屈折率を調査した。その結果、図2の模式図に示すように、同じ積層ピッチを採用して製造した各光硬化樹脂層の厚みが同じである立体造形物において、光硬化樹脂層の面1内では屈折率に殆ど差がないが、同じ厚みを有する複数の光硬化樹脂層2a,2b,2c,2d,2e,・・・・・が積層(2a=2b=2c=2d=2e=・・・・・)している積層断面(立体造形物の側面)2において、各光硬化樹脂層の上部Xの屈折率n1と下部Yの屈折率n2が異なっていて、その状態で、各層の積層ピッチ(各光硬化樹脂層の厚み)が同じであるという積層構造を反映して、立体造形物の積層断面(立体造形物の側面)に沿って当該屈折率が等間隔でn1/n2/n1/n2/n1/n2/n1/n2/・・・・・という周期構造をなしていることが判明した。その際に、使用する光学的立体造形用樹脂組成物の種類や成分組成、光照射に用いた光源の種類、光の強度などによって、n1<n2である場合もあるし、または、n1>n2である場合もある。また、立体造形物の屈折率はn1〜n2に亘って徐々に変化していくが、層の深さ(厚み)に対して一次関数的に変化することもあるし、指数関数的に変化することもある。
本発明者らは、光学的立体造形の積層断面(側面)における前記した屈折率差の周期構造によって光の回折などの光学現象が生じ、それによって見る角度の違いによる虹の発生や、乱反射などが引き起こされるのではないかと考えた。
そこで、光硬化樹脂層を順次形成し積層して立体造形物を製造するに当たって、各光硬化樹脂層の積層ピッチ(光硬化樹脂層の厚み)を同じにせずに、所定の積層ピッチ(所定の厚み)の範囲内で、隣接する光硬化樹脂層の形成ピッチ(積層ピッチ)を変えてみたところ、前記した屈折率の周期構造がなくなって、見る角度の違いによる虹の発生や、乱反射などが生じなくなり、不適当な光学現象を起こさない立体造形物が得られることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) 造形槽に収容した光学的立体造形用樹脂組成物の表面または底面に、コンピューターに記憶されている3次元立体データに基づいて光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する1層分の光硬化樹脂層を形成し、次いで当該光硬化樹脂層に1層分の未硬化の光学的立体造形用樹脂組成物を供給してコンピューターに記憶されている3次元立体データに基づいて光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する次の光硬化樹脂層を形成して前記した光硬化樹脂層の上または下に積層する操作を繰り返して立体的造形物を製造する光学的立体造形方法であって;
隣接する光硬化樹脂層を、0.3×D(mm)〜3.0×D(mm)[式中、Dは光硬化樹脂層を形成するためのコンピューターに予め設定した基本をなす積層ピッチ(mm)を示す。]の範囲内の積層ピッチを採用しながら、互いに異なる積層ピッチで形成する;
ことを特徴とする光学的立体造形方法である。
そして、本発明は、
(2) 隣接する光硬化樹脂層の一方の積層ピッチともう一方の積層ピッチの差が、1.5mm以下である前記(1)の光学的立体造形方法;
(3) 光硬化樹脂層の積層方向に沿って積層ピッチがランダムになるようにして光硬化樹脂層の形成と積層を行う前記(1)または(2)の光学的立体造形方法;
(4) 同じ積層ピッチの割合が、立体造形物を構成する光硬化樹脂層の全積層数の20%以下になるように光硬化樹脂層の形成と積層を行う(1)〜(3)のいずれかの光学的立体造形方法;および、
(5) 光硬化樹脂層を形成するためのコンピューターに予め設定した基本をなす積層ピッチD(mm)が、0.01〜2.0mmの範囲内の一定値である前記(1)〜(4)のいずれかの光学的立体造形方法;
である。
さらに、本発明は、
(6) 積層した複数の光硬化樹脂層から構成される立体造形物であって、隣接する光硬化樹脂層の厚みが互いに異なっており、当該隣接する光硬化樹脂層の厚みがいずれも0.3×D(mm)〜3.0×D(mm)[式中、Dは光硬化樹脂層を形成するための設計上の基本厚み(mm)を示す。]の範囲内の値であり、且つ立体造形物を構成する各光硬化樹脂層の厚みが、光硬化樹脂層の積層方向に沿ってランダムになっていることを特徴とする立体造形物である。
そして、本発明は、
(7) 隣接する光硬化樹脂層の一方の光硬化樹脂層の厚みともう一方の光硬化樹脂層の厚みの差が、1.5mm以下の範囲内である前記(6)の立体造形物;および、
(8) 厚みの同じ光硬化樹脂層の割合が、立体造形物を構成する光硬化樹脂層の全積層数の20%以下である前記(6)または(7)の立体造形物;
である。
本発明の光学的立体造形方法を行うことによって、見る角度の違いによる虹の発生や、乱反射などの光学的な異常がなく、不適当な光学現象を起こさない立体造形物を円滑に製造することができる。
そのため、本発明の光学的立体造形方法は、例えば、自動車やオートバイのレンズなどの光学製品のプロトタイピングモデル、美術品の復元、模造や現代アート、ガラス張りの建築物のデザインプレゼンテーションモデルのような美術工芸品分野などの、虹の発生や、乱反射などの不適当な光学現象を起こさないことが求められる立体造形物の製造技術として極めて有効である。
図1は、互い異なる積層ピッチで隣接する光硬化樹脂層の形成と積層を行って立体造形物を製造する本発明の光学的立体造形方法によって得られる立体造形物の積層構造を模式的に示した図である。 図2は、同じ積層ピッチを採用して光硬化樹脂層の形成と積層を行って得られる立体造形物の積層構造を模式的に示した図である。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明では、立体造形物の製造に当たって、造形槽(造形浴)に収容した光学的立体造形用樹脂組成物の表面または底面に、コンピューターに記憶されている3次元立体データに基づいて光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する1層分の光硬化樹脂層を形成し、次いで当該光硬化樹脂層に1層分の未硬化の光学的立体造形用樹脂組成物を供給してコンピューターに記憶されている3次元立体データに基づいて光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する次の光硬化樹脂層を形成して前記した光硬化樹脂層の上または下に積層する操作を繰り返して立体的造形物を製造する光学的立体造形方法(以下、「光学的立体造形」を「光造形」ということがある)が採用される。
本発明において、造形槽(造形浴)に収容した光学的立体造形用樹脂組成物の表面に、コンピューターに記憶されている3次元立体データに基づいて光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する1層分の光硬化樹脂層を形成し、次いで当該光硬化樹脂層に1層分の未硬化の光学的立体造形用樹脂組成物を供給してコンピューターに記憶されている3次元立体データに基づいて光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する次の光硬化樹脂層を形成して前記した光硬化樹脂層の上に積層する操作を繰り返して立体的造形物を製造するに当たっては、光照射により形成した光硬化樹脂層(光硬化樹脂層の積層物)を造形槽の下方に一層分だけ降下させ、その上に一層分の光硬化性樹脂組成物を供給する方式が好ましく採用される。
また、本発明において、造形槽(造形浴)に収容した光学的立体造形用樹脂組成物の底面に(底面側から)コンピューターに記憶されている3次元立体データに基づいて光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する1層分の光硬化樹脂層を形成し、次いで当該光硬化樹脂層に1層分の未硬化の光学的立体造形用樹脂組成物を供給してコンピューターに記憶されている3次元立体データに基づいて光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する次の光硬化樹脂層を形成して前記した光硬化樹脂層の下に積層する操作を繰り返して立体的造形物を製造するに当たっては、造形槽として底面が光透過性であるもの使用して底面から光を照射して光硬化樹脂層を形成させる。そして、当該光硬化樹脂層(光硬化樹脂層の積層物)を造形槽の上方に一層分だけ上昇させて造形槽の底面と光硬化樹脂層(光硬化樹脂層積層物)の底面との間に1層分の光硬化性樹脂組成物を供給して次の光硬化樹脂層を形成する方式が好ましく採用される。
光学的立体造形に当たっては、上記した形式のものであれば、従来既知の光学的立体造形方法および装置のいずれもが採用でき、特に限定されない。
光硬化性樹脂組成物としては、光学的立体造形を行う温度において液状を呈し、透明な立体造形物を形成することのできる光硬化性樹脂組成物が好ましく採用される。
光硬化性樹脂組成物を硬化させるための光としては、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線などが用いることができるが、紫外線が好ましく用いられる。そのうちでも、300〜400nmの波長を有する紫外線が経済的な観点からより好ましく用いられる。その際の光源としては、紫外線レーザー(例えば半導体励起固体レーザー、Arレーザー、He−Cdレーザーなど)、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、紫外線LED(発光ダイオード)、紫外線蛍光灯などを挙げることができる。
光学的立体造形用樹脂組成物よりなる造形面に活性エネルギー線を照射して所定の形状パターンを有する各硬化樹脂層を形成するに当たっては、レーザー光などのような点状に絞られた光線を使用して点描または線描方式で硬化樹脂層を形成してもよいし、または液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッター(DMD)などのような微小光シャッターを複数配列して形成した面状描画マスクを通して造形面に活性エネルギー線を面状に照射して硬化樹脂層を形成させる造形方式を採用してもよい。
本発明においては、造形槽に収容した光学的立体造形用樹脂組成物の表面または底面に、コンピューターに記憶されている3次元立体データに基づいて光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する1層分の光硬化樹脂層を形成し、次いで当該光硬化樹脂層に1層分の未硬化の光学的立体造形用樹脂組成物を供給してコンピューターに記憶されている3次元立体データに基づいて光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する次の光硬化樹脂層を形成して前記した光硬化樹脂層の上または下に積層する操作を繰り返して立体的造形物を製造するに当たって、隣接する光硬化樹脂層を、0.3×D(mm)〜3.0×D(mm)[式中、Dは光硬化樹脂層を形成するためのコンピューターに予め設定した基本をなす積層ピッチ(mm)を示す。]の範囲内の積層ピッチを採用しながら、互いに異なる積層ピッチで形成する。
そのうちでも、隣接する光硬化樹脂層を、0.5×D(mm)〜2.0×D(mm)の範囲内で互いに異なる積層ピッチで形成することが好ましく、0.75×D(mm)〜1.5×D(mm)の範囲内で互いに異なる積層ピッチで形成することがより好ましい。
ここで、上記した「D」は、光硬化によって形成される光硬化樹脂層の実際の厚みではなくて、光硬化樹脂層を形成するためにコンピューターに予め設定した基本をなす積層ピッチ(mm)(コンピューター上の設定値)をいう。
また、それぞれの光硬化樹脂層を形成する際の「積層ピッチ」も、光硬化によって形成される光硬化樹脂層の実際の厚みではなく、それぞれの光硬化樹脂層を形成するためのコンピューター上の設定ピッチをいう。
光の照射によって形成される光硬化樹脂層の実際の厚みは、通常、コンピューターに設定されている積層ピッチとほとんど同じであるが、場合によっては、光硬化性樹脂組成物の種類、物性(例えば表面張力の大小など)、造形物の形状、形成する薄層の形状、リコート(光照射により形成した光硬化樹脂層の表面に供給した1層分の光硬化性樹脂組成物の上面を平坦化するための操作)の回数や速度などによって、実際に形成される光硬化樹脂層の厚みがコンピューターに設定されている積層ピッチの値よりも僅かに増減することがあり、本発明では当該僅かな増減を許容するものである。
光学的立体造形では、1層分の光硬化性樹脂組成物に光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する光硬化した樹脂層を形成するに当たって、製造を目的とする3次元立体造形物を所定の間隔で輪切り(スライス)した多数の断層データをコンピューターに記憶させておき、当該断層データに基づいて光造形を行うが、本発明の光学的立体造形方法によって立体造形物を製造する際の具体的な方法としては、例えば、以下の《1》〜《3》の方法を挙げることができる。但し、以下の《1》〜《3》の方法に限定されるものではない。
《1》 基本をなす一定の積層ピッチを決め、当該基本をなす積層ピッチをベースとしてそれぞれの光硬化した樹脂層を形成するための実際の厚みを乱数等によって算出し、その上で、乱数等によって算出した当該実際の厚みに応じたそれぞれの層の断層データをコンピュータに入力・記憶させ、コンピューターに入力・記憶させた当該断層データに基づいてそれぞれの光硬化した樹脂層を順次形成して立体造形物を製造する方法。
《2》 コンピューター上に一定の積層ピッチ(スライスピッチ)を設定(例えばコンピューター上でスライスピッチを0.1mmに設定)し、当該一定の積層ピッチをベースとして乱数等を用いて所定の層の実際の積層ピッチを決め、当該所定の層の前後の層の積層ピッチに応じて、内挿法によって当該所定の層の断層データをコンピューター上で決定し、当該断層データに基づいて当該所定の層に係る光硬化した樹脂層を順次形成して立体造形物を製造する方法。
《3》 コンピューター上に一定の積層ピッチ(スライスピッチ)(例えば0.1mm)を断層データとして記憶させ、当該断層データをベースにして乱数等を用いて実際の積層ピッチをコンピューター上で求め、コンピューター上で求めた当該実際の積層ピッチに従って光硬化した樹脂層を順次形成して立体造形物を製造する方法。
上記《1》の方法は、基本をなす一定の積層ピッチを決め、当該基本をなす積層ピッチをベースとしてそれぞれの光硬化した樹脂層を形成するための実際の厚みを乱数等によって算出してから、乱数等によって算出した当該実際の厚みに応じたそれぞれの層の断層データをコンピューターに入力・記憶させる必要があるため、多少煩雑であるが、造形精度に優れる立体造形物を得ることができる。
上記《2》の方法は、上記《1》の方法に比べて簡便であり、また造形精度に優れる立体造形物を得ることができる。
上記《3》の方法は、コンピューターに記憶させる断層データに変化を加える必要がないため、上記《1》および《2》の方法に比べて簡便であるという利点がある。但し、立体造形物の形状などによっては造形精度が十分でないことがある。
本発明において、光硬化樹脂層間の積層ピッチを異ならせる(積層ピッチをランタ゛ムにする)に当たっては、例えば、乱数発生装置、乱数生成アルゴリズムなどを用いることができる。ここで、乱数を発生させるアルゴリスムは、隣接する層の厚さが異なるようになればどのようなものでもよい。具体的には、例えば、乱数表から選んでもよいし、平方採中法や線形合同法などの擬似乱数発生アルゴリズムを用いてもよい。
また、乱数を用いると、積層ピッチの分布に部分的な偏りが生ずることがあり(例えば、コンピューター上の設定値が0.1mmである場合に、実際の積層ピッチの値が、0.085→0.092→0.079→0.090というように続けて0.1未満になる場合や、反対に、0.12→0.15→0.13→0.11というように続けて0.1を超える場合など)、その場合には光学的立体造形を行って得られる立体造形物の形状や物性に部分的な歪みを生ずることがある。
そのため、立体造形物の形状や物性の部分的な歪みの発生を防止するために、例えば、
(a)乱数の値に応じて交互に加減する(例えば、0から適当な値までの乱数をRandとしたとき、設定値を0.1mmとすると0.1+Rand、0.1−Rand、0.1+Rand・・・とするなどの方法);
(b)実際の厚みを決定する際に乱数だけでなく設定値から外れることを防ぐ補正値を加える(狭義での乱数ではなくなるが、本発明でいう乱数とは規則正しくない数列という程度の意味で用いている);
(c)前の層と次の層の厚みが異なるような補正係数を導入する;
(d)積層ピッチを決定する処理を行うときに、乱数的な方法で求めた厚みを採用すると、部分的な分布に偏りが生じたり、近接あるいは隣接する層と厚みを決定する層の間で厚みに差が小さかったりした場合に、当該決定して積層ピッチを棄却し、新たな積層ピッチを選択する;
などの処理を行ってもよい。
本発明では、立体造形物を構成する全光硬化樹脂層の90%以上、特に全ての光硬化樹脂層が、0.3×D(mm)〜3.0×D(mm)の範囲内の積層ピッチで形成されていることが、虹の発生や、乱反射などの不適当な光学現象を起こさない立体造形物となることから好ましい。
立体造形物を構成する光硬化樹脂層を形成する際の積層ピッチが0.3×D(mm)よりも小さいと、立体造形物の製造に長い時間を要するようになったり、リコートの際に均一な光硬化性樹脂組成物層が得られなくなったり、照射エネルギーが硬化に必要なエネルギーよりも高くなって立体造形物の黄変や反り変形が生じ易くなる。一方、立体造形物を構成する光硬化樹脂層を形成する際の積層ピッチが3.0×D(mm)を超えると、光造形して得られる立体造形物の寸法精度の低下、強度の低下、光照射エネルギーが硬化に必要なエネルギーよりも低くなって光硬化樹脂層(硬化薄層)の剥離が起こりやすくなり、また硬化に必要なエネルギーは層の厚みに対し指数関数的に大きくなるため、局所的に過露光の状態となって、立体造形物の黄変や反り変形が生じ易くなるなどの問題が生じ易くなる。
本発明においては、隣接する光硬化樹脂層の一方の積層ピッチともう一方の積層ピッチの差が、1.5mm以下、更には1.0mm以下、特に0.5mm以下になるようにして光硬化樹脂層の形成と積層を行うことが好ましい。
隣接する光硬化樹脂層の一方の積層ピッチともう一方の積層ピッチの差が大きすぎると、得られる立体造形物の力学的特性やその他の物性の低下が生じ易くなる。一方、積層ピッチともう一方の積層ピッチの差が小さすぎると、立体造形物を構成する光硬化樹脂層がほぼ同じ積層ピッチによって形成される従来技術とほぼ同じになり、立体造形物の積層断面(側面)に、屈折率の違いによる前記したn1/n2/n1/n2/n1/n2/n1/n2/・・・・・というような周期構造が生じて、不適当な光学現象を起こし易くなる。
本発明では、立体造形物の製造に当たって、立体造形物の積層断面(光硬化樹脂層の積層方向)に沿って、積層断面の全体またはほぼ全体に沿って、交互に同じ積層ピッチ(例えば、積層ピッチA/積層ピッチB/積層ピッチA/積層ピッチB/積層ピッチA/積層ピッチB/・・・・・というような積層構造、積層ピッチA/積層ピッチB/積層ピッチC/積層ピッチA/積層ピッチB/積層ピッチC/積層ピッチA/積層ピッチB/積層ピッチC/・・・・・というような積層構造)にならないようにして光硬化樹脂層の形成と積層を行うとよい。
特に、本発明では、立体造形物の製造に当たって、立体造形物の積層断面(光硬化樹脂層の積層方向)に沿って、積層ピッチがランダムになるようにして光硬化樹脂層の形成と積層を行うことが、立体造形物の不適当な光学現象を起こさないことから好ましい。
本発明では、立体造形物を製造する際に、同じ積層ピッチの割合が、立体造形物を構成する光硬化樹脂層の全積層数の20%以下、更には10%以下、特に5%以下になるようにして光硬化樹脂層の形成と積層を行うことが、虹の発生や、乱反射などの不適当な光学現象を起こさない立体造形物が得られる点から、好ましい。
立体造形物を構成する光硬化樹脂層を形成するための積層ピッチをランダムにすること、また同じ積層ピッチの割合を低くすることは、例えば、立体造形物の製造に係る三次元データーが入力されているコンピューターで(疑似)乱数を発生させることによって行うことができる。
立体造形物を構成する光硬化樹脂層を形成するための積層ピッチが変化しても十分に且つ均一に光硬化した光硬化樹脂層が形成されるように、積層ピッチの値(大小)に応じて、光硬化樹脂層の面上に供給する未硬化の光学的立体造形用樹脂組成物の厚み、光照射強度(レーザーの強度)、レーザーの走査速度、レーザーの照射回数などをコンピューターで自動制御し、光照射量を制御してもよい。また、光学的立体造形での光照射量は、硬化させる対象の厚み(積層ピッチ)よりも、厚い層を硬化させることが出来るようにやや強い光を用いることで、層間の接着を強固にしているため、ある程度の硬化膜厚の増加に対応することが出来る。従って、簡便にはコンピューター上の設定ピッチに対応する光照射量を一定に保って硬化させることも出来る。
本発明では、光硬化樹脂層を形成するためのコンピューターに予め設定した基本をなす積層ピッチD(mm)が、0.01〜2.0mmの範囲内の一定値であることが好ましく、0.01〜1.0mmの範囲内の一定値であることが好ましく、0.02〜0.5mmの範囲内の一定値であることが更に好ましく、0.025〜0.3mmの範囲内の一定値であることが一層好ましく、0.05〜0.15mmの範囲内の一定値であることが特に好ましい。
積層ピッチDの値が小さすぎると、各光硬化樹脂層を形成するための積層ピッチも小さくなり過ぎて、光造形に時間がかかるようになり易く、一方積層ピッチDの値が大きすぎると、各光硬化樹脂層を形成するための積層ピッチも大きくなって、光造形して得られる立体造形物の寸法精度の低下、強度の低下などが生じ易くなる。
上記した本発明の光学的立体造形方法によって、複数の光硬化樹脂層が積層してなる立体造形物であって、隣接する光硬化樹脂層の厚みが互いに異なっており、立体造形物を構成する各光硬化樹脂層の厚みが、立体造形物の積層断面(光硬化樹脂層の積層方向)に沿ってランダムまたはほぼランダムになっている立体造形物が製造される。この立体造形物は、見る角度によって虹が見えたり、乱反射が生じたりするなどの光学現象が生じず、不適当な光学現象を起こしにくい特性を有している。
本発明で得られる立体造形物においては、本発明の光学的立体造形方法に基づいて、隣接する光硬化樹脂層の厚みが、いずれも0.3×D(mm)〜3.0×D(mm)の範囲内の値で互いに異なっており、且つ光硬化樹脂層の積層方向(立体造形物の積層断面)に沿ってランダムになっていることが好ましい。
また、その際に、隣接する光硬化樹脂層の一方の光硬化樹脂層の厚みともう一方の光硬化樹脂層の厚みの差が、1.5mm以下、更には1.0mm以下、特に0.5mm以下であることが好ましい。
そして、本発明で得られる立体造形物では、厚みの同じ光硬化樹脂層の割合が、立体造形物を構成する光硬化樹脂層の全積層数の20%以下、更には10%以下、特に5%以下であることが好ましい。
ここで、本発明の光学的立体造形方法で得られる立体造形物を構成する光硬化樹脂層の厚みは、立体造形物の積層断面での屈折率などを測定することにより測定することができる。
何ら限定されるものではないが、本発明で得られる立体造形物における光硬化樹脂層の積層構造の例を図1に模式的に示す。
図1に示すように、本発明の光学的立体造形方法で得られる立体造形物では、隣接する光硬化樹脂層の厚みが異なっており(2a≠2b≠2c≠2d≠2e≠・・・・・)、規則性がないもしくは少ないために、立体造形物における光硬化樹脂層の積層方向に沿って屈折率の周期構造が形成されない。従って、回折や干渉などの現象が起こらないか起こっても程度が小さい。その結果、見る角度の違いによる虹の発生や、乱反射などが生じなくなり、不適当な光学現象を起こしにくいものになると推定される。
本発明では、立体造形物を製造するための光学的立体造形用樹脂組成物として、《1》ラジカル重合性有機化合物および光感受性ラジカル重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物、《2》カチオン重合性有機化合物および光感受性カチオン重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物、または《3》ラジカル重合性有機化合物、カチオン重合性有機化合物、光感受性ラジカル重合開始剤および光感受性カチオン重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物のいずれを用いてもよい。
そのうちでも、前記《3》の光硬化性樹脂組成物が、立体造形物を製造する際の光造形速度が速く、しかも力学的特性、造形精度などに優れる立体造形物が得られることから好ましく用いられる。
前記《1》および《3》の光硬化性樹脂組成物で用いるラジカル重合性有機化合物としては、光感受性ラジカル重合開始剤の存在下に光を照射したときに重合反応および/または架橋反応を生ずる化合物のいずれもが使用でき、代表例としては、(メタ)アクリレート系化合物、不飽和ポリエステル化合物、アリルウレタン系化合物、ポリチオール化合物などを挙げることができ、前記したラジカル重合性有機化合物の1種または2種以上を用いることができる。そのうちでも、1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリル基を有する化合物が好ましく用いられ、具体例としては、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応生成物、アルコール類の(メタ)アクリル酸エステル、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
上記したエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応生成物としては、芳香族エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物および/または脂肪族エポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸との反応により得られる(メタ)アクリレート系反応生成物を挙げることができる。芳香族エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応により得られる(メタ)アクリレート系反応生成物の具体例としては、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノール化合物またはそのアルキレンオキサイド付加物とエピクロルヒドリンなどのエポキシ化剤との反応によって得られるグリシジルエーテルを、(メタ)アクリル酸と反応させて得られる(メタ)アクリレート、エポキシノボラック樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる(メタ)アクリレート系反応生成物などを挙げることができる。
また、上記したアルコール類の(メタ)アクリル酸エステルとしては、分子中に少なくとも1個の水酸基をもつ芳香族アルコール、脂肪族アルコール、脂環族アルコールおよび/またはそれらのアルキレンオキサイド付加体と、(メタ)アクリル酸との反応により得られる(メタ)アクリレートを挙げることができる。
また、上記したウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとイソシアネート化合物を反応させて得られる(メタ)アクリレートを挙げることができる。前記水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、脂肪族2価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。また、前記イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのような1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物が好ましい。
さらに、上記したポリエステル(メタ)アクリレートとしては、水酸基含有ポリエステルと(メタ)アクリル酸との反応により得られるポリエステル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
また、上記したポリエーテル(メタ)アクリレートとしては、水酸基含有ポリエーテルとアクリル酸との反応により得られるポリエーテルアクリレートを挙げることができる。
上記《2》および《3》の光硬化性樹脂組成物で用い得るカチオン重合性有機化合物としては、例えば、<1>脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、芳香族エポキシ樹脂などのエポキシ化合物;<2>環状エーテルまたは環状アセタール化合物(オキセタン化合物、テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフランのようなオキソラン化合物、トリオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオクタンなど);<3>環状ラクトン化合物(β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトンなど);<4>チイラン化合物(エチレンスルフィド、チオエピクロロヒドリンなど);<5>チエタン化合物(1,3−プロピンスルフィド、3,3−ジメチルチエタンなど);<6>ビニルエーテル化合物[エチレングリコールジビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、3,4−ジヒドロピラン−2−メチル(3,4−ジヒドロピラン−2−カルボキシレート)、トリエチレングリコールジビニルエーテルなど];<7>エポキシ化合物とラクトンとの反応によって得られるスピロオルソエステル化合物;<8>ビニルシクロヘキサン、イソブチレン、ポリブタジエンのようなエチレン性不飽和化合物などを挙げることができる。
上記したうちでも、カチオン重合性有機化合物としては、エポキシ化合物[特に1分子中に2個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(エポキシ樹脂)]が好ましく用いられ、当該エポキシ化合物とオキセタン化合物の併用がより好ましい。特に、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する脂環式ポリエポキシ化合物(脂環族エポキシ樹脂)とオキセタン化合物を併用すると、光硬化性樹脂組成物の粘度が低くなって造形が円滑に行われ、しかもカチオン重合速度、厚膜硬化性、解像度、紫外線透過性などが良好になり、得られる立体造形物の体積収縮率が小さくなる。
上記した脂環族エポキシ樹脂(脂環式ポリエポキシ化合物)としては、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル、或いはシクロヘキセンまたはシクロペンテン環含有化合物を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化して得られるシクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物などを挙げることができる。
また、上記した脂肪族エポキシ樹脂としては、例えば、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートのホモポリマー、コポリマーなどを挙げることができる。
また、上記した芳香族エポキシ樹脂としては、例えば少なくとも1個の芳香核を有する1価または多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のモノまたはポリグリシジルエーテルを挙げることができ、具体的には、例えばビスフェノールAやビスフェノールFまたはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
また、上記したオキセタン化合物としては、分子中にオキセタン基を1個有するモノオキセタン化合物(OXm)および分子中にオキセタン基を2個以上有するポリオキセタン化合物(OXp)の1種または2種以上を用いることができる。
モノオキセタン化合物(OXm)としては、1分子中にオキセタン基を1個有する化合物であればいずれも使用でき、例えば、トリメチレンオキシド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメチルオキセタン、3−メチル−3−フェノキシメチルオキセタン、分子中にオキセタン基1個とアルコール性水酸基1個を有するモノオキセタンモノアルコールなどを挙げることができ、そのうちでも、反応性、光硬化性樹脂組成物の粘度などの点からモノオキセンタンモノアルコール化合物が好ましく用いられる。
ポリオキセタン化合物(OXp)としては、オキセタン基を2個以上有する化合物、例えばオキセタン基を2個、3個または4個以上有する化合物のうちのいずれもが使用でき、そのうちでもオキセタン基を2個有するジオキセタン化合物が好ましく用いられる。
上記《2》および《3》の光硬化性樹脂組成物では、光硬化性樹脂組成物中に含まれるカチオン重合性有機化合物の質量に基づいて、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物(エポキシ樹脂)を30質量%以上、更には40質量%以上、特に50質量%以上の割合で含有することが好ましい。
また、上記《2》および《3》の光硬化性樹脂組成物が、カチオン重合性有機化合物の一部としてオキセタン化合物を含有する場合は、オキセタン化合物の含有量は、カチオン重合性有機化合物の質量に基づいて、1〜70質量%であることが好ましく、1〜60質量%であることがより好ましい。
また、上記《3》の光硬化性樹脂組成物では、ラジカル重合性有機化合物:カチオン重合性有機化合物の含有割合が、質量比で、9:1〜1:9であることが好ましく、8:2〜2:8であることがより好ましい。
上記《1》および《3》の光硬化性樹脂組成物が含有する光感受性ラジカル重合開始剤(以下「光ラジカル重合開始剤」という)としては、光を照射したときにラジカル重合性有機化合物のラジカル重合を開始させ得る重合開始剤のいずれもが使用でき、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトンなどのフェニルケトン系化合物、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタールなどベンジルまたはそのジアルキルアセタール系化合物、ベンゾインまたはそのアルキルエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物などを挙げることができる。
上記《1》および《3》の光硬化性樹脂組成物は、光硬化性樹脂組成物の質量に基づいて、光ラジカル重合開始剤を0.5〜10質量%の割合で含有することが好ましく、1〜5質量%の割合で含有することがより好ましい。
上記《2》および《3》の光硬化性樹脂組成物が含有する光感受性カチオン重合開始剤(以下「光カチオン重合開始剤」という)としては、光を照射したときにカチオン重合性有機化合物のカチオン重合を開始させ得る重合開始剤のいずれもが使用でき、例えば、テトラフルオロホウ酸トリフェニルフェナシルホスホニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸トリフェニルスルホニウム、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス−[4−(ジフェニルスルフォニオ)フェニル]スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート、ビス−[4−(ジ4’−ヒドロキシエトキシフェニルスルフォニォ)フェニル]スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス−[4−(ジフェニルスルフォニォ)フェニル]スルフィドビスジヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロホウ酸ジフェニルヨードニウム、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェートなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
また、反応速度を向上させる目的で、必要に応じて、カチオン重合開始剤と共に光増感剤、例えばベンゾフェノン、ベンゾインアルキルエーテル、チオキサントン、ジアルコキシアントラセンなどを用いてもよい。
上記《2》および《3》の光硬化性樹脂組成物は、光硬化性樹脂組成物の質量に基づいて、光カチオン重合開始剤を1〜10質量%の割合で含有することが好ましく、2〜6質量%の割合で含有することがより好ましい。
立体造形物の製造に用いる光学的立体造形用樹脂組成物(光硬化性樹脂組成物)は、必要に応じて、染料等の変色剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、改質用樹脂などの1種または2種以上を適量含有していることができる。
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
以下の例中、光学的立体造形用樹脂組成物の粘度は、25℃の恒温槽で光学的立体造形用樹脂組成物の温度を25℃に調節した後、B型粘度計(ブルックフィールド製「LVDV2T」)を使用して測定した。
《実施例1》
(1) 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(株式会社ダイセル製「セロキサイド2021P」)13.0質量部、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル]エチル]フェニル]プロパン(上記したVG3101L)24.0質量部、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル(四日市合成株式会社社製「エポゴーセーPT」、テトラメチレンオキシド単位の結合数≒9、平均分子量≒780)1.9質量部、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成株式会社製「OXT−101」)4.5質量部、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(東亞合成株式会社製「OXT−221」)12.0質量部、ジペンタエリスリトールポリアクリレート(新中村化学工業株式会社製「A−9550W」、ペンタアクリレートとヘキサアクリレートの混合物)8.0質量部、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製「A−PTMG−65」、平均分子量≒650)10.0質量部、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(日本油脂株式会社製「ブレンマーAP−150」6.0質量部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製「A−DCP」)12.0質量部、カチオン重合開始剤(サンアプロ株式会社製「CPI−200K」)3.0質量部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「イルガキュア184」)(ラジカル重合開始剤)3.0質量部、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(保土谷化学工業株式会社製「PTG−850SN」2.0質量部、2−ナフタレンチオール0.020質量部および蒸留水0.3質量部をよく混合して光学的立体造形用樹脂組成物を調製した。この光学的立体造形用樹脂組成物の粘度は370MPa・s(25℃)であった。
(2) 上記(1)で得られた光学的立体造形用樹脂組成物を用いて、半導体レーザー(定格出力200mW;波長355nm;スペクトラフィジックス社製)を使用して、液面照射エネルギー50〜150mJ/cm2の条件下に、基本をなす積層ピッチDを0.1mmに設定し、それぞれの光硬化樹脂層を形成するための積層ピッチを0.075〜0.125mmの数値範囲内でランダムに変化させて、縦×横×厚み=5mm×40mm×30mmの直方体状の立体造形物を製造した。得られた立体造形物に紫外線(メタルハライドランプ、波長365nm、強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化した。
(3) 上記(2)で得られた直法体状の立体造形物について、その6個の面の方向、12個の辺の方向および8個の頂点の方向から目視によって観察したところ、どの方向から見ても虹の発生や乱反射などの光学現象がなく、不適当な光学現象を起こさない特性と高い透明性を有していた。
《比較例1》
(1) 実施例1の(1)で調製したのと同じ光学的立体造形用樹脂組成物を用いて、半導体レーザー(定格出力200mW;波長355nm;スペクトラフィジックス社製)で、液面照射エネルギー100mJ/cm2の条件下に、全ての光硬化樹脂層を積層ピッチ0.10mmで形成して、縦×横×厚み=5mm×40mm×30mmの直方体状の立体造形物を製造した。得られた立体造形物に紫外線(メタルハライドランプ、波長365nm、強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化した。
(2) 上記(1)で得られた直法体状の立体造形物について、その6個の面の方向、12個の辺の方向および8個の頂点の方向から目視によって観察したところ、横の方向(30mm×40mmの方向)からみたときに虹が発生し、また乱反射があり、不適当な光学現象を起こさない点および透明性の点で不十分であった。
本発明の光学的立体造形方法を行うことによって、見る角度の違いによる虹の発生や、乱反射などの光学的な異常のない立体造形物を円滑に製造することができるので、本発明の光学的立体造形方法は、自動車やオートバイのレンズなどの光学製品のプロトタイピングモデル、美術品の復元、模造や現代アート、ガラス張りの建築物のデザインプレゼンテーションモデルのような美術工芸品分野などの不適当な光学現象を起こさない点が要求される立体造形物の製造方法として極めて有効である。
1 光学的立体造形における光硬化樹脂層の面
2 光学的立体造形物の積層断面(側面)
X 光硬化樹脂層の上部
Y 光硬化樹脂層の下部

Claims (8)

  1. 造形槽に収容した光学的立体造形用樹脂組成物の表面または底面に、コンピューターに記憶されている3次元立体データに基づいて光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する1層分の光硬化樹脂層を形成し、次いで当該光硬化樹脂層に1層分の未硬化の光学的立体造形用樹脂組成物を供給してコンピューターに記憶されている3次元立体データに基づいて光を選択的に照射して所定の形状・パターンを有する次の光硬化樹脂層を形成して前記した光硬化樹脂層の上または下に積層する操作を繰り返して立体的造形物を製造する光学的立体造形方法であって;
    隣接する光硬化樹脂層を、0.3×D(mm)〜3.0×D(mm)[式中、Dは光硬化樹脂層を形成するためのコンピューターに予め設定した基本をなす積層ピッチ(mm)を示す。]の範囲内の積層ピッチを採用しながら、互いに異なる積層ピッチで形成する;
    ことを特徴とする光学的立体造形方法。
  2. 隣接する光硬化樹脂層の一方の積層ピッチともう一方の積層ピッチの差が、1.5mm以下である請求項1に記載の光学的立体造形方法。
  3. 光硬化樹脂層の積層方向に沿って積層ピッチがランダムになるようにして光硬化樹脂層の形成と積層を行う請求項1または2に記載の光学的立体造形方法。
  4. 同じ積層ピッチの割合が、立体造形物を構成する光硬化樹脂層の全積層数の20%以下になるように光硬化樹脂層の形成と積層を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学的立体造形方法。
  5. 光硬化樹脂層を形成するためのコンピューターに予め設定した基本をなす積層ピッチD(mm)が、0.01〜2.0mmの範囲内の一定値である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学的立体造形方法。
  6. 積層した複数の光硬化樹脂層から構成される立体造形物であって、隣接する光硬化樹脂層の厚みが互いに異なっており、当該隣接する光硬化樹脂層の厚みがいずれも0.3×D(mm)〜3.0×D(mm)[式中、Dは光硬化樹脂層を形成するための設計上の基本厚み(mm)を示す。]の範囲内の値であり、且つ立体造形物を構成する各光硬化樹脂層の厚みが、光硬化樹脂層の積層方向に沿ってランダムになっていることを特徴とする立体造形物。
  7. 隣接する光硬化樹脂層の一方の光硬化樹脂層の厚みともう一方の光硬化樹脂層の厚みの差が、1.5mm以下の範囲内である請求項6に記載の立体造形物。
  8. 厚みの同じ光硬化樹脂層の割合が、立体造形物を構成する光硬化樹脂層の全積層数の20%以下である請求項6または7に記載の立体造形物。
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