JP2018102616A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品 Download PDF

Info

Publication number
JP2018102616A
JP2018102616A JP2016252365A JP2016252365A JP2018102616A JP 2018102616 A JP2018102616 A JP 2018102616A JP 2016252365 A JP2016252365 A JP 2016252365A JP 2016252365 A JP2016252365 A JP 2016252365A JP 2018102616 A JP2018102616 A JP 2018102616A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fragrance
sheet
absorbent article
skin
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016252365A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6836389B2 (ja
Inventor
絵里香 渡邉
Erika Watanabe
絵里香 渡邉
石黒 健司
Kenji Ishiguro
健司 石黒
敬一 吉川
Keiichi Yoshikawa
敬一 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2016252365A priority Critical patent/JP6836389B2/ja
Publication of JP2018102616A publication Critical patent/JP2018102616A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6836389B2 publication Critical patent/JP6836389B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)

Abstract

【課題】排泄物の吸収に起因して生じる臭気を香料によって効果的に抑制し得る吸収性物品を提供すること。【解決手段】吸収性物品10は、表面シート2と、裏面シート3と、両シート間に配置された吸収性コア4aとを有する。更に表面シート2と吸収性コア4aとの間に下側シート6が配置されている。表面シート2は、その肌対向面側が凹凸構造を有しており、該凹凸構造における凸条部13が中空構造になっている。吸収性コア4aよりも着用者の肌側に位置する部材のうち、密度が最も高い高密度部材における肌対向面に香料が含まれているか、又は該高密度部材における該肌対向面よりも着用者の肌側に位置する部材のうちの少なくともいずれかに香料が含まれている。【選択図】図1

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
使い捨ておむつ、失禁パッド及び生理用ナプキンなどの各種の吸収性物品においては、吸収した排泄物から生ずる臭気が知覚されないようにする目的で、該吸収性物品に香料を施して臭気をマスキングすることがしばしば行われている。マスキングの効果を高めるためには、香料の香りを強くする必要があるが、香料の香りが強すぎると、着用者や他者の気分を悪くさせることがある。
香料によるマスキング効果を高める目的で、香料は一般に吸収性物品における吸収体に施されることが多い。しかし、吸収体に吸収された尿等の排泄物が香料と混ざり合うことで別の臭いが発生し、香料によるマスキング効果が低下する場合がある。
吸収性物品に吸収保持された排泄物から生ずる臭気を香料によるマスキングで抑制する従来の技術として、例えば特許文献1には、排泄部対向部に2種の香料成分を含む吸収性物品が記載されている。この吸収性物品においては、表面シートと吸収体との間に中間シートが介在され、中間シートに香料前駆体が含まれており、且つ吸収体に香料が含まれている。また、この吸収性物品における表面シートは、その肌対向面側が凹凸形状をなしており、該凹凸形状の凸部は、繊維が充填された中実構造になっている。
吸収性物品に吸収保持された排泄物から生ずる臭気を抑制する他の技術として、特許文献2には、表面シートと吸収体との間に消臭シートが積層されている吸収性物品が記載されている。表面シートと消臭シートとの間には空気層が形成されている。この空気層によって、消臭シートによる消臭作用が発揮され、且つ消臭能力の低下が起きにくくなると、同文献には記載されている。
特開2015−107151号公報 特開2008−245959号公報
しかし、生活の質の一層の向上化の要求は益々高くなってきており、吸収性物品に要求される臭気の抑制効果も、これまでよりも高いレベルが要求されている。したがって、特許文献1及び2に記載の技術を超える高い消臭の抑制効果が必要である。
したがって本発明の課題は、賦香された吸収性物品の改良にあり、更に詳しくは排泄物の吸収に起因して生じる臭気を香料によって効果的に抑制し得る吸収性物品を提供することにある。
本発明は、表面シートと、裏面シートと、両シート間に配置された吸収性コアとを有し、更に該表面シートと該吸収性コアとの間に下側シートが配置されている吸収性物品であって、
前記表面シートは、その肌対向面側が凹凸構造を有しており、該凹凸構造における凸部が中空構造になっており、
前記吸収性コアよりも着用者の肌側に位置する部材のうち、密度が最も高い高密度部材における肌対向面に香料が含まれているか、又は該高密度部材における該肌対向面よりも着用者の肌側に位置する部材のうちの少なくともいずれかに香料が含まれている吸収性物品を提供するものである。
本発明によれば、排泄物の吸収に起因して生じる尿臭等の臭気を、香料によって効果的に抑制し得る吸収性物品が提供される。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態を示す長手方向中央域における幅方向に沿った厚み方向断面図である。 図2(a)及び(b)はそれぞれ、図1に示す吸収性物品における吸収体の要部を示す断面図である。 図3は、図1に示す吸収性物品における肌対向面側の要部を拡大して示す一部破断斜視図である。 図4は、図3における要部拡大模式図である。 図5(a)は、目的の臭い分子が嗅覚受容体を活性化させる機序を示す模式図であり、図5(b)は、嗅覚受容体アンタゴニズムによって、目的の臭い分子に対する受容体の活性化が阻害される機序を示す模式図である。 図6は、本発明の吸収性物品に用いられる表面シートの別の実施形態を示す斜視図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の吸収性物品の一実施形態が示されている。同図は、吸収性物品の長手方向中央域(つまり着用状態における着用者の股下部)における幅方向に沿った厚み方向断面図である。図1に示すとおり、吸収性物品10は、肌当接面を形成する液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在された吸収体4を具備する。液不透過性は、液難透過性を含む。吸収性物品10は、縦長の形状を有し、図1における紙面と直交する方向である長手方向、及び幅方向Yを有している。長手方向は、吸収性物品10を着用したときの着用者の前後方向と一致し、幅方向Yは、吸収性物品10の平面視において、長手方向Xと直交する方向である。吸収性物品10は、これを長手方向に沿って見たとき、中央域と、該中央域から前後方向に延出する前方域及び後方域を有している。
表面シート2及び裏面シート3は、吸収体4の周縁から延出した部分が、吸収性物品10の周縁部7において互いに接合されている。吸収性物品10の裏面シート3側の面(非肌対向面)には、吸収性物品10の具体的な用途に応じて、粘着剤層(図示せず)が設けられていてもよい。粘着剤層は、吸収性物品10の着用状態において、該吸収性物品10を、下着や別の吸収性物品に固定するために用いられる。肌当接面は、吸収性物品又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側とは反対側(通常、下着側)に向けられる面である。
吸収体4は、例えば図2(a)に示すとおり吸収性コア4aと、該吸収性コア4aの周囲を被覆する被覆シート4bとを備えている。吸収性コア4aは、水を吸収して膨潤し且つ水を保持する性質を有するヒドロゲル材料からなる高吸収性ポリマーを含んで構成されている。吸収性コア4aは、高吸収性ポリマーに加えて、パルプ繊維を始めとする各種の吸水性繊維を含んでいてもよい。吸収性コア4aは、高吸収性ポリマーのみから構成されているか、吸水性繊維のみから構成されているか、又は高吸収性ポリマー及び吸水性繊維の双方を含んでいてもよい。被覆シート4bは液透過性のシートからなる。被覆シートとしては、例えば各種の不織布に親水化処理を施したものや、ティッシュペーパーなどを用いることができる。
吸収体4は、図2(b)に示す構成を有していてもよい。同図に示す吸収体4は、高吸収性ポリマーを含む層からなる吸収性コア4aと、該吸収性コア4aを挟むように配置された一対の被覆シート4b,4cとを具備する吸収性シートからなる。被覆シート4bとしては、図2(a)に示すものと同様のものを用いることができる。この吸収性シートは、湿潤状態の高吸収性ポリマーに生じる粘着力や、別に添加した接着剤や接着性繊維等のバインダーを介して、吸収性コア4aと、被覆シート4bを構成する繊維を結合させてシート状としたものである。この吸収性シートは、例えば特開平8−246395号公報に記載の方法で製造することができる。
裏面シート3の形成材料としては、吸収性物品の裏面シートに従来使用されている各種のもの等を特に制限なく用いることができ、例えば、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布とのラミネートシート等を用いることができる。
表面シート2は、その肌対向面側が凹凸構造を有している。つまり表面シート2の肌対向面側には凸部と凹部とが形成されている。詳細には、図1及び図3に示すとおり、表面シート2の肌対向面側には、一方向に延びる筋状の凸条部13及び凹条部14が幅方向に交互に配された凹凸構造が形成されている。表面シート2は、その凹条部14において、隣接する下側シート6と接合部14sにおいて接合されており、凸条部13は表面シート2と下側シート6との間で中空構造を有している。
下側シート6は、例えば、表面シート2と吸収体4との間に配された、熱可塑性樹脂の繊維の集合体からなるセカンドシートであり得る。熱可塑性樹脂の繊維の集合体としては、一般に不織布を用いることができる。セカンドシートに代えて、下側シート6として、上述した吸収体4を構成する吸収性コア4aを被覆する被覆シート4bを用いてもよい。
表面シート2は、図4に示すとおり、構成繊維11どうしの交点を熱融着して形成された融着部を複数備えた不織布である。この不織布としては、例えばエアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布などを始めとして、吸収性物品の技術分野においてこれまで用いられてきたものと同様のものを特に制限なく用いることができる。また、表面シート2においては、図3に示すとおり、凸条部13及び凹条部14が延びる「一方向」は、吸収性物品10の長手方向Xと同方向である。
図3に示す表面シート2の厚み方向の断面を示す模式図である図4に示すとおり、表面シート2は、表裏両面a,bの断面形状がともに厚み方向(Z方向)の上方に向かって凸状をなす複数の凸条部13と、隣り合う凸条部13,13どうしの間に位置する凹条部14とを有している。凹条部14は、表裏両面a,bの断面形状がともに表面シート2の厚み方向(Z方向)の上方に向かって凹状をなしている。言い換えれば、凹条部14は、表裏両面a,bの断面形状がともに表面シート2の厚み方向(Z方向)の下方に向かって凸状をなしている。そして、複数の凸条部13は、それぞれ、表面シート2のX方向に連続して延びており、複数の凹条部14も、表面シート2のX方向に連続して延びる溝状をなしている。凸条部13及び凹条部14は、互いに平行であり、X方向に直交するY方向に沿って交互に配されている。
表面シート2は、図4に示すとおり表面シート2を厚み方向Zに沿って断面視したとき、頂部域13a、底部域13b、及びこれらの間に位置する側部域13cとから構成される。頂部域13a、底部域13b及び側部域13cは、表面シート2のX方向に連続して延びている。頂部域13a、底部域13b及び側部域13cは、表面シート2を厚み方向Zに沿って断面視したとき、表面シート2のZ方向の厚みを三等分して、厚み方向Zの上方の部位を頂部域13a、中央の部位を側部域13c、下方の部位を底部域13bとして区別する。凸条部13の頂部は、頂部域13aから形成されている。凹条部14の底部は、底部域13bから形成されている。
表面シート2は、その厚み方向Zに沿って観察したとき、側部域13cの繊維密度又は底部域13bの繊維密度は、頂部域13aの繊維密度よりも低くなっている。本実施形態においては、図4に示すとおり、側部域13cの繊維密度が、頂部域13aの繊維密度及び底部域13bの繊維密度よりも低くなっている。繊維密度とは、表面シート2の断面における単位面積当たりの繊維の本数のことである。したがって、側部域13c又は底部域13bは、頂部域13aに比べて繊維の本数が少ない(繊維間距離の大きい)、疎な領域になっている。このことに起因して、側部域13c又は底部域13bは、頂部域13aに比べて通気性が高くなっている。その結果、吸収性物品10は、その装着状態において、凹条部14に沿って空気が流通するとともに、凸条部13において、側部域13c又は底部域13bを通じて、凸条部13と直交する方向に空気が流通する。このように、吸収性物品10は、肌対向面側において長手方向X及び幅方向Yのいずれの方向にも空気が流通する構造になっているので、肌対向面側における通気性が良好で、着用状態での蒸れが起こりにくいものとなる。しかも、表面シート2からなる凸条部13と凹条部14とが交互に形成されているので、吸収性物品10の着用状態において、表面シート2の凹凸構造が着用者の動作に追従しやすく、肌あたりが良好である。
頂部域13aでの繊維密度(D13a)に対する側部域13cの繊維密度(D13c)、又は頂部域13aでの繊維密度(D13a)に対する底部域13bでの繊維密度(D13b)の比率(D13c/D13a,D13b/D13a)は、好ましくは0.15以上0.9以下、更に好ましくは0.2以上0.8以下である。具体的に、表面シート2の繊維密度の値は、頂部域13aでの繊維密度(D13a)は、好ましくは90本/mm以上200本/mm以下、更に好ましくは100本/mm以上180本/mm以下である。また、底部域13bでの繊維密度(D13b)は、好ましくは80本/mm以上200本/mm以下、更に好ましくは90本/mm以上180本/mm以下である。また、側部域13cの繊維密度(D13c)は、好ましくは30本/mm以上80本/mm以下、更に好ましくは40本/mm以上70本/mm以下である。繊維密度の測定方法は以下のとおりである。
〔頂部域13a、底部域13b及び側部域13cでの繊維密度の測定方法〕
フェザー剃刀(品番FAS‐10、フェザー安全剃刀(株)製)を用いて表面シート2を厚み方向Zに沿って切断する。頂部域13aでの繊維密度に関しては、表面シートの切断面の厚みをZ方向に三等分した際の上方の部位である頂部域13aを、走査電子顕微鏡を用いて拡大観察(繊維断面が30〜60本程度計測できる倍率に調整;150〜500倍)し、一定面積当たり(0.5mm程度)の前記切断面によって切断されている繊維の断面数を数える。次に1mm当たりの繊維の断面数に換算し、これを頂部域13aでの繊維密度とする。測定は3箇所行い、平均してそのサンプルの繊維密度とする。同様に、底部域13bでの繊維密度に関しては、表面シートの切断面の厚みをZ方向に三等分した際の下方の部位を測定して求める。同様に、側部域13cの繊維密度に関しては、表面シートの切断面の厚みをZ方向に三等分した際の中央の部位を測定して求める。なお、走査電子顕微鏡としては、日本電子(株)社製のJCM−5100(商品名)を用いる。
凸条部13及び凹条部14からなる表面シート2の凹凸構造は、吸収性物品10の幅方向Yにおける中央域に少なくとも形成されていることが好ましい。これによって、着用者の肌と最も当接しやすい部位に凹凸構造を設けることができるので、上述した蒸れ防止の効果や、着用者の動作への追従効果が確実に発揮される。特に、表面シート2は、周縁部7(図1参照)よりも内側の領域の全域に凹凸構造を有していることが、これらの効果が一層顕著なものとなる点から好ましい。
吸収性物品10には香料が含まれている。吸収性物品10において香料を含む位置は、(i)吸収性コア4a(図2(a)及び(b)参照)よりも着用者の肌側に位置する部材のうち、密度が最も高い高密度部材における肌対向面であるか、又は(ii)該高密度部材における該肌対向面よりも着用者の肌側に位置する部材のうちの少なくともいずれかである。本発明は、(i)又は(ii)のいずれかの構成を具備する吸収性物品であっても良く、(i)及び(ii)の両方の構成を具備する吸収性物品であっても良い。(i)及び(ii)のいずれの場合であっても、本発明によれば以下の有利な効果(イ)ないし(ニ)等が奏される。
(イ)吸収性コア4aよりも着用者の肌の近くに位置する部材に香料が含まれていることで、尿臭よりも先に香料の香りが着用者又は周囲の者に到達しやすい。したがって、香料による尿臭の抑制効果が高くなる。
(ロ)香料が含まれている部材は、吸収性コア4aよりも着用者の肌の近くに位置する部材であって、且つそれらの部材のうち密度が最も高い高密度部材における肌対向面又は高密度部材よりも着用者の肌の近くに位置する部材であることから、尿臭はその通過が高密度部材によって妨げられて、着用者又は周囲の者に到達しにくく、その状況下に、尿臭よりも先に香料の香りが着用者又は周囲の者に到達しやすいので、香料による尿臭の抑制効果が一層高くなる。
(ハ)表面シート2は、凸条部13及び凹条部14を備えた凹凸の立体構造を有しているので尿臭がこもりづらい。しかも、凹凸構造に起因して、吸収性物品10の着用状態において表面シート2と着用者の肌との間に空間が生じ、香料の拡散性が向上する。
(ニ)凸条部13が中空構造であることから、通気性が向上することに起因して、香料の拡散性も向上する上、中空の空間に香料が充満することで、尿臭が揮発しづらくなる。
更に、凸条部13の側部域13c又は底部域13bが、頂部域13aに比べて通気性が高くなっている場合には、吸収性物品10の装着状態において、凹条部14に沿って空気が流通するとともに、凸条部13において、側部域13c又は底部域13bを通じて、凸条部13と直交する方向に空気が流通しやすいので、このことによっても香料の拡散性が向上するという付加的な効果も奏される。
本発明において、吸収性物品10を構成する各部材の密度は、次の方法で測定される。各部材を例えば30mm×30mmの大きさに切り出し測定片を得る。この測定片の質量W(g)を測定する。またこの測定片の厚みT(cm)を測定する。厚みTの測定には、2つの平行な加圧面(固定加圧面と可動加圧面)を持つマイクロメーターであるピーコック式精密測定器(型式R1−C)を用い、測定子可動加圧面の直径は5mm、圧力は100kPa以下で測定する。試験片上に20mm×20mmのプレート(質量5.4g)を置き、測定子可動加圧面を2mm/secの速度で操作し、該プレートに当て、安定直後の値を読み取る。加圧面間(試験片に加わる圧力)の圧力は1.3kPa以下になる。密度ρ(g/cm)は、W/(T・S)から算出される。Sは測定片の面積(cm)である。
以上の方法で測定された密度が最も高い部材である高密度部材が例えば吸収体4を構成する被覆シート4bである場合、香料は、(a)被覆シート4bにおける肌対向面に含まれているか、(b)被覆シート4bと表面シート2との間にセカンドシートが配されている場合には該セカンドシートに含まれているか、又は(c)セカンドシートが配されているか否かにかかわらず表面シート2に含まれている。
高密度部材が、被覆シート4bと表面シート2との間に配されているセカンドシートである場合、香料は、(d)セカンドシートにおける肌対向面に含まれているか、又は(e)表面シート2に含まれている。
高密度部材が表面シート2である場合、香料は、(f)表面シート2における肌対向面に含まれている。
上述した(a)、(d)及び(f)の形態の場合、香料は、被覆シート4b、セカンドシート又は表面シート2の少なくとも肌対向面に含まれていればよく、これらの部材の非肌対向面に付加的に含まれていることは何ら妨げられない。同様に、これらの部材の厚み方向の全域に含まれていることも何ら妨げられない。
(b)、(c)及び(e)の形態の場合、香料は、セカンドシート又は表面シート2における厚み方向のいずれかの部位に含まれていればよい。例えば、これらの部材の厚み方向における肌対向面若しくは非肌対向面に香料を含むことができるか、又は厚み方向の全域に香料を含むことができる。
特に、(b)、(e)及び(f)の場合、つまり香料を表面シート2に含む場合には、該表面シート2における凸条部13の頂部に香料を含むことが有利である。凸条部13の頂部は、吸収性物品10の着用状態において着用者の身体に直接に触れる部材なので、該頂部と着用者の身体との接触に起因する摩擦によって、凸条部13の頂部に含まれている香料が揮散しやすい。香料の揮散は、着用者の体温によって促進される。その結果、吸収性物品10に吸収保持された液から生じる臭気に先んじて香料が一層香るようになり、臭気が一層知覚されづらくなる。
なお、「表面シート2における凸条部13の頂部に香料を含む」とは、香料を含む部位を凸条部13の頂部に限定する意図はなく、少なくとも凸条部13の頂部に香料を含むことをことが好適であると位置づけるものである。したがって、表面シート2における凸条部13の頂部に加えて、該頂部以外の凸条部13の部位に香料を含むことは何ら妨げられない。同様に、凸条部13の頂部に加えて、表面シート2における凸条部13以外の部位に香料を含むことも何ら妨げられない。
(a)ないし(f)のいずれの形態の場合であっても、吸収性物品10を平面視したときの香料の位置は、吸収性物品10をその長手方向に沿って見て、中央域と、該中央域から前後方向に延出する前方域及び後方域とに区分したとき、後方域であることが好ましい。特に、香料を表面シート2に含む場合には、平面視での香料の位置は、表面シート2の後方域における凸条部13の頂部であることが好ましい。表面シート2のうち、着用者の肌と最も接触しやすい領域は後方域であることから、該後方域における凸条部13の頂部に香料が含まれていることで、該頂部と着用者の身体との接触に起因する摩擦によって、香料が一層揮散しやすくなる。
特に、表面シート2の後方域だけでなく、前方域における凸条部13の頂部にも香料が含まれていると、該頂部と着用者の身体との接触に起因する摩擦が一層生じることによって、香料が更に一層揮散しやすくなる。
先に述べたとおり、表面シート2は、その凹条部14において、隣接する下側シート6、例えば上述したセカンドシートや被覆シート4bと接合部14sにおいて接合されており、凸条部13は表面シート2と下側シート6との間で中空構造を有している。そのことに起因して、吸収性物品10の着用状態において凸条部13に着用者の体圧が加わったとしても、中空構造が確実に維持され、それによって香料の揮散性が維持される。
吸収性物品10を構成する各部材に香料を含ませる方法としては、例えば、使用される香料を適当な溶媒(例えば水、エタノール、低分子炭化水素類、多価アルコール類、液体LPGガス、ジメチルエーテル等)に希釈したものや原液そのものを、各部材に塗布、噴霧又は含浸させて塗工する方法等が挙げられる。
本発明で用いられる香料としては、大気圧下で香気を大気中に蒸散し得るものであればよく、常温常圧の環境下で、その香気を知覚し得る通常の香料を特に制限なく用いることができ、当該技術分野において従来用いられてきたものと同様のものも用いることができる。例えば、香料としては、沸点が約250℃以下の高揮発性香料成分、又は沸点が約250〜約300℃の中揮発性香料成分が好ましく用いられる。
前記高揮発性香料成分としては、例えばアニソール、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、ギ酸ベンジル、酢酸イソボルニル、シトロネラール、シトロネロール、酢酸シトロネリル、パラシメン、デカナール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメチルフェニルカルビノール、ユーカリプトール、1−カルボン、ゲラニアール、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、ゲラニルニトリル、酢酸ネリル、酢酸ノニル、リナロール、エチルリナロール、酢酸リナリル、フェニルエチルアルコール、α−ピネン、β−ピネン、γ−ピネン、α−ヨノン、β−ヨノン、γ−ヨノン、α−テルピネオール、β−テルピネオール、酢酸テルピニル、テンタローム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記中揮発性香料成分としては、例えばアミルシンナムアルデヒド、ジヒドロジャスモン酸メチル、サリチル酸イソアミル、β−カリオフィレン、セドレン、セドリルメチルエーテル、桂皮アルコール、クマリン、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、イソオイゲノール、γ−メチルヨノン、ヘリオトロピン、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シス−3−ヘキセニル、フェニルヘキサノール、ペンタライド等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
香料としては、前述の高揮発性及び中揮発性香料成分以外に、あるいはこれら香料成分に加えて更に、バラ香調、ラベンダー香調、ジャスミン香調、イランイラン香調を有する香料を含有した香料組成物を用いることもできる。かかる香料組成物としては、例えば、ネロール、ラバンジュロール、ジャスマール、シクロピデン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、香料には、前述した香料組成物の単体、及び天然精油や調合ベースのように、「複数の香料によって構成される香料素材が組み合わされたもの(香料組成物)で、溶剤によって希釈・調整されたもの」が含まれる。例えば、香料として、バラ、ラベンダー、ジャスミン、イランイラン様香気を有する香料を含有する香料組成物を用いることができる。
特に、香料は、尿臭成分に起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を阻害する物質(以下、この物質のことを「アンタゴニスト香料」とも言う。)を含むことが好ましい。アンタゴニストとは、結合部位を奪い合うことで作用を阻害する競合的拮抗薬のことであり、アンタゴニスト香料とは、図5(a)に示すとおり、結合部位が嗅覚受容体20である場合に、目的の臭い分子21が嗅覚受容体20に結合して該受容体20が活性化して臭い情報が伝達されるときに、図5(b)に示すとおり、目的の臭い分子21と他の分子22をともに適用することにより、当該他の分子22によって目的の臭い分子21に対する受容体の活性化を阻害し、結果的に個体に認識される臭いを抑制するために用いられる当該他の分子のことである。つまり、アンタゴニスト香料を用いることで、嗅覚受容体アンタゴニズムによる臭いの抑制を達成することができる。このように、アンタゴニスト香料を用いることで、該アンタゴニスト香料自体の香気が強くなくても、高い尿臭の抑制効果が発現する。
嗅覚受容体アンタゴニズムによる臭いの抑制は、同様に他の分子を用いる手段であっても、芳香剤による消臭のように、目的の臭いを香料の香気によって隠蔽(マスキング)する手段とは区別される。嗅覚受容体アンタゴニズムによる臭いの抑制の一例は、アンタゴニスト等の嗅覚受容体の活性化を阻害する物質を使用するケースである。特定の臭いをもたらす臭い分子の受容体にその活性化を阻害する物質を適用すれば、当該受容体の当該臭い分子に対する活性が阻害されるため、最終的に個体に知覚される臭いを抑制することができる。
尿臭成分としては、p−クレゾール及び2−メトキシ−4−ビニルフェノールが代表的なものとして知られている。これらの物質の臭いを嗅覚受容体アンタゴニズムによって抑制することが、効果的な臭気の抑制の点から好ましい。p−クレゾール及び2−メトキシ−4−ビニルフェノールは、放尿又は採尿後時間が経った尿又は飛び散って乾燥した尿から発せられる臭い、あるいは使用後放置した吸収性物品から発せられる尿の臭いの代表的なものである。
本明細書において、「尿臭」とは、好適には、放尿又は採尿後時間が経った尿から発せられる臭いである。例えば、本明細書における「尿臭」は、飛び散って乾燥した尿の臭い又は使用後放置した吸収性物品から発する尿の臭いであり得る。また好適には、本明細書における「尿臭」は、βグルクロニダーゼ処理された尿又はその抽出物の臭いである。
特に、アンタゴニスト香料は、ヒトの嗅覚受容体としてのOR9Q2、OR10G4、OR10G7又はOR2W1の活性化を阻害する物質のいずれかであることが好ましい。これによって尿臭成分に対する活性が一層抑制され、最終的に個体に知覚される臭いを更に一層抑制することができる。これらの嗅覚受容体のうち、OR9Q2又はOR2W1にアンタゴニスト香料を適用することで、p−クレゾールに対して特異的に臭いの抑制効果が発揮される。また、OR10G4又はOR10G7にアンタゴニスト香料を適用することで、2−メトキシ−4−ビニルフェノールに対して特異的に臭いの抑制効果が発揮される。
本発明において、特に好ましく用いられるアンタゴニスト香料としては、例えばOR9Q2に結合し得る以下の化合物が挙げられる。これらの化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
・3−(4−tert−ブチルフェニル)プロパナール(Bourgeonal)
・3,7,11−トリメチルドデカ−1,6,10−トリエン−3−オール(Nerolidol)
・メチルセドリルケトン(1−[(1S,2R,5R,7S)−2,6,6,8−tetramethyltricyclo[5.3.1.01,5]undec−8−en−9−yl]ethanone;Acetyl cedrene)
・1−(2−tert−ブチルシクロヘキシル)オキシブタン−2−オール(Ambercore)
・2,2,7,7−テトラメチルトリシクロ[6.2.1.01,6]ウンデカン−5−オン(iso−Longifolanone)
本発明においてアンタゴニスト香料として、OR2W1に結合し得る以下の化合物も好ましく挙げられる。
・(3R,3aS,6S,7R,8aS)−Octahydro−6methoxy−3,6,8,8,−tetramethyl−1H−3a,7−methanoazulene(Methyl Cedryl Ether)
本発明においてアンタゴニスト香料として、OR10G4に結合し得る以下の化合物も好ましく挙げられる。
・5−メチル−2−(1−メチルエチル)−フェノール(Thymol)
本発明においてアンタゴニスト香料として、OR10G7に結合し得る以下の化合物も好ましく挙げられる。
・2−メチルウンデカナール(Aldehyde C−12 MNA)
・Benzoin Siam
上述したOR9Q2アンタゴニスト香料、OR2W1アンタゴニスト香料、OR10G4アンタゴニスト香料及びOR10G7アンタゴニスト香料は、これまで香料素材として知られていたが、これらの嗅覚受容体に対するアンタゴニスト作用を有することや、p−クレゾール臭を始めとする尿臭を選択的に抑制する機能があることは知られていなかった。本発明において香料は、上述した化合物より選択される少なくとも1種を有効成分とするアンタゴニスト香料であることが好ましい。
上述した各種の嗅覚受容体に対するアンタゴニスト香料は、いずれも市販のものを購入して使用することができる(「合成香料 化学と商品知識」増補改訂版、印藤元一著、化学工業日報社、 2005年3月発行を参照)。例えば、OR9Q2アンタゴニスト香料は、Firmenich S. A.,Givaudan S. A.,International Flavors & Fragrances Inc.,SIGMA−ALDRICH Corporation、高砂香料工業株式会社、花王株式会社などから入手することが可能である。あるいは、化学合成によって、該市販品と同一物質又はそれを含む組成物を製造することが可能である。
また、本発明の吸収性物品において、香料の含有量は特に制限されず、所望の消臭性能や吸収性能等に応じて適宜設定することができる。例えば、吸収性物品1枚当たり0.5mg以上100mg以下の香料を含むことができる。特に、香料としてアンタゴニスト香料を用いた場合には、0.1mg以上50mg以下程度の比較的少ない含有量としても、十分な尿臭抑制効果が得られる点で好ましい。
本発明の適用の対象となる吸収性物品は、ヒトの排泄物を吸収保持するために用いられる各種の製品を広く包含する。例えばベビー用及び大人用の使い捨ておむつ、軽失禁用の失禁パッド、大人用の使い捨ておむつの内側に配置して使用される補助パッド、生理用ナプキン及びパンティライナなどが挙げられるが、これらに限られない。
また前記実施形態は、表面シートの肌対向面側に形成された凹凸構造が、筋状の凸条部13及び凹条部14が幅方向に交互に配されたものから構成されていたが、凹凸構造はこれに限らない。例えば図6に示すとおり、表面シート2に、散点状に凸部13’を配置することができる。詳細には、表面シート2においては、その面内における一方向Aに沿って凸部13’と凹部14’とを交互に配置することができる。これとともに、A方向に直交するB方向に沿って凸部13’と凹部14’とを交互に配置することができる。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の吸収性物品を開示する。
<1>
表面シートと、裏面シートと、両シート間に配置された吸収性コアとを有し、更に該表面シートと該吸収性コアとの間に下側シートが配置されている吸収性物品であって、
前記表面シートは、その肌対向面側が凹凸構造を有しており、該凹凸構造における凸部が中空構造になっており、
前記吸収性コアよりも着用者の肌側に位置する部材のうち、密度が最も高い高密度部材における肌対向面に香料が含まれているか、又は該高密度部材における該肌対向面よりも着用者の肌側に位置する部材のうちの少なくともいずれかに香料が含まれている吸収性物品。
<2>
前記表面シートは、長手方向に延びる筋状の凸条部及び凹条部が幅方向に交互に配された前記凹凸構造を有する前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記表面シートは、前記凹条部において、隣接する前記下側シートと接合されている前記<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記表面シートは、頂部域、底部域、及びこれらの間に位置する側部域を有し、
前記側部域の繊維密度又は前記底部域の繊維密度が、前記頂部域の繊維密度よりも低くなっている前記<1>ないし<3>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<5>
前記香料が、尿臭成分に起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を抑制する物質を含む前記<1>ないし<4>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<6>
前記香料が、p−クレゾール又は2−メトキシ−4−ビニルフェノールに起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を抑制する物質を含む前記<5>に記載の吸収性物品。
<7>
前記嗅覚受容体がOR9Q2、OR10G4、OR10G7及びOR2W1のいずれかである前記<5>又は<6>に記載の吸収性物品。
<8>
前記吸収性コアの周囲を被覆する被覆シートを備えている前記<1>ないし<7>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<9>
前記吸収性コアを挟むように配置された一対の被覆シートを備えている前記<1>ないし<7>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<10>
前記被覆シートが、前記吸収性コアよりも着用者の肌の近くに位置する部材であって、且つそれらの部材のうち密度が最も高い前記高密度部材である前記<8>又は<9>に記載の吸収性物品。
<11>
前記被覆シートにおける肌対向面に前記香料を含む前記<8>ないし<10>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<12>
前記表面シートに前記香料を含む前記<1>ないし<11>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<13>
前記表面シートが、長手方向に延びる筋状の凸条部及び凹条部が幅方向に交互に配された前記凹凸構造を有し、
前記表面シートにおける前記凸条部の頂部に前記香料を含む前記<1>ないし<12>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<14>
前記表面シートは、頂部域、底部域、及びこれらの間に位置する側部域を有し、
前記側部域の繊維密度が、前記頂部域の繊維密度及び前記底部域の繊維密度よりも低くなっている前記<1>ないし<13>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<15>
前記香料が、Bourgeonal、Nerolidol、Acetyl cedrene、Ambercore、iso−Longifolanone、Methyl Cedryl Ether、Thymol、Aldehyde C−12 MNA及びBenzoin Siamからなる群より選択されるいずれか1種を有効成分とするアンタゴニスト香料である前記<1>ないし<14>のいずれか1に記載の吸収性物品。
<16>
前記表面シートは、頂部域、底部域、及びこれらの間に位置する側部域を有し、
前記頂部域での繊維密度(D13a)に対する前記側部域の繊維密度(D13c)、又は前記頂部域での繊維密度(D13a)に対する前記底部域での繊維密度(D13b)の比率(D13c/D13a,D13b/D13a)が、好ましくは0.15以上0.9以下、更に好ましくは0.2以上0.8以下であり、具体的に、前記頂部域での繊維密度(D13a)は、好ましくは90本/mm以上200本/mm以下、更に好ましくは100本/mm以上180本/mm以下であり、また、前記底部域での繊維密度(D13b)は、好ましくは80本/mm以上200本/mm以下、更に好ましくは90本/mm以上180本/mm以下であり、また、前記側部域の繊維密度(D13c)は、好ましくは30本/mm以上80本/mm以下、更に好ましくは40本/mm以上70本/mm以下である前記<1>ないし<15>のいずれか1に記載の吸収性物品。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1及び2〕
吸収性物品として、花王株式会社の軽失禁パッド50ccタイプ(商品名:ロリエさらピュア50cc)を用いた。この吸収性物品は、その吸収体が図2(a)に示す構造を有しており、更に吸収体と表面シートとの間に液透過性の不織布からなるセカンドシートを備えたものである。また、この吸収性物品の表面シートは、図3及び図4に示す構造を有するものであった。この吸収性物品において、吸収性コアよりも着用者の肌側に位置する部材のうち最も高密度な部材は被覆シートであった。
香料として以下の表1に示すものを用いた。この香料を、被覆シートの肌対向面に塗布した吸収性物品を実施例とした。塗布は、吸収性物品の全長にわたって被覆シートにのみ行った。
〔比較例1〕
比較例1として、実施例と同構造の吸収性物品において、吸収性コアに香料を含んでいるものを用いた。比較例における香料の塗布量は、各実施例とすべて同じとした。
〔評価〕
各実施例及び比較例の吸収性物品に人尿を各20g注入し、尿臭を官能で評価した。以下の6段階で評価を行い、3名の評価者による評価の平均値を求めた。その評価結果を以下の表1に示す。
1:尿臭がしない
2:尿臭がほとんどしない
3:尿臭が弱くする
4:尿臭がする
5:尿臭が楽にする
6:尿臭が強くする
Figure 2018102616
表1に示す結果から明らかなとおり、各実施例の値は3未満となり、比較例1に比べて、臭気の抑制効果が高いことが分かる。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
4a 吸収性コア
4b 被覆シート
6 下側シート
10 吸収性物品
11 構成繊維
13 凸条部
13a 頂部域
13b 底部域
13c 側部域
14 凹条部
14s 接合部

Claims (7)

  1. 表面シートと、裏面シートと、両シート間に配置された吸収性コアとを有し、更に該表面シートと該吸収性コアとの間に下側シートが配置されている吸収性物品であって、
    前記表面シートは、その肌対向面側が凹凸構造を有しており、該凹凸構造における凸部が中空構造になっており、
    前記吸収性コアよりも着用者の肌側に位置する部材のうち、密度が最も高い高密度部材における肌対向面に香料が含まれているか、又は該高密度部材における該肌対向面よりも着用者の肌側に位置する部材のうちの少なくともいずれかに香料が含まれている吸収性物品。
  2. 前記表面シートは、長手方向に延びる筋状の凸条部及び凹条部が幅方向に交互に配された前記凹凸構造を有する請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記表面シートは、前記凹条部において、隣接する前記下側シートと接合されている請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記表面シートは、頂部域、底部域、及びこれらの間に位置する側部域を有し、
    前記側部域の繊維密度又は前記底部域の繊維密度が、前記頂部域の繊維密度よりも低くなっている請求項1ないし3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記香料が、尿臭成分に起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を阻害する物質を含む請求項1ないし4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記香料が、p−クレゾール又は2−メトキシ−4−ビニルフェノールに起因するヒトの嗅覚受容体の活性化を阻害する物質を含む請求項5に記載の吸収性物品。
  7. 前記嗅覚受容体がOR9Q2、OR10G4、OR10G7及びOR2W1のいずれかである請求項5又は6に記載の吸収性物品。
JP2016252365A 2016-12-27 2016-12-27 吸収性物品 Active JP6836389B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016252365A JP6836389B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 吸収性物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016252365A JP6836389B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 吸収性物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018102616A true JP2018102616A (ja) 2018-07-05
JP6836389B2 JP6836389B2 (ja) 2021-03-03

Family

ID=62784868

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016252365A Active JP6836389B2 (ja) 2016-12-27 2016-12-27 吸収性物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6836389B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023105588A1 (ja) * 2021-12-06 2023-06-15 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001517992A (ja) * 1997-03-25 2001-10-09 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー トップシートの上側面に剥離可能な保護カバーを有する吸収性製品
JP2006288982A (ja) * 2005-04-15 2006-10-26 Kao Corp 吸収性物品の包装材
JP2014068948A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Uni Charm Corp 吸収性物品
JP2015107151A (ja) * 2013-12-03 2015-06-11 花王株式会社 吸収性物品
JP2015211667A (ja) * 2014-04-14 2015-11-26 花王株式会社 尿臭抑制剤の探索方法
JP2016077888A (ja) * 2014-10-17 2016-05-16 花王株式会社 吸収性物品
JP2016097106A (ja) * 2014-11-21 2016-05-30 日本製紙クレシア株式会社 吸収性物品およびその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001517992A (ja) * 1997-03-25 2001-10-09 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー トップシートの上側面に剥離可能な保護カバーを有する吸収性製品
JP2006288982A (ja) * 2005-04-15 2006-10-26 Kao Corp 吸収性物品の包装材
JP2014068948A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Uni Charm Corp 吸収性物品
JP2015107151A (ja) * 2013-12-03 2015-06-11 花王株式会社 吸収性物品
JP2015211667A (ja) * 2014-04-14 2015-11-26 花王株式会社 尿臭抑制剤の探索方法
JP2016077888A (ja) * 2014-10-17 2016-05-16 花王株式会社 吸収性物品
JP2016097106A (ja) * 2014-11-21 2016-05-30 日本製紙クレシア株式会社 吸収性物品およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023105588A1 (ja) * 2021-12-06 2023-06-15 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP6836389B2 (ja) 2021-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3753581B2 (ja) 吸収性物品
JP6416516B2 (ja) 吸収性物品
JP6462356B2 (ja) 吸収性物品
JP7007801B2 (ja) パンツ型着用物品
JP6478495B2 (ja) 吸収性物品
JP6307184B2 (ja) 吸収性物品
JP6659242B2 (ja) 吸収性物品
TWI823861B (zh) 吸收性物品
JP6473492B2 (ja) 吸収性物品
JP5944167B2 (ja) 吸収性物品
JP6836389B2 (ja) 吸収性物品
JP6262510B2 (ja) 吸収性物品
JP6920059B2 (ja) 吸収性物品
JP2020058635A (ja) 吸収性物品
JP2019084141A (ja) 吸収性物品
JP2018102614A (ja) 吸収性物品
JPH10508218A (ja) 臭気抑制物質としてのベントナイト
JP2018102613A (ja) 吸収性物品
WO2018123434A1 (ja) 吸収性物品
JP7285136B2 (ja) 吸収性物品
JP3242253U (ja) 吸収性物品
JP7429520B2 (ja) 吸収性物品
JP7194718B2 (ja) 吸収性物品
JP7170489B2 (ja) 吸収性物品
JP7295611B2 (ja) 吸収性物品及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190905

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200807

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200901

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201007

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210205

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6836389

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250