JP6262510B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、生理用ナプキン、パンティーライナー(おりものシート)、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。
排泄があった場合に芳香が漂う吸収性物品が知られている。例えば特許文献1には、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体を有する吸収性物品において、吸収体と裏面シートとの間、吸収体と表面シートとの間、又は吸収体内に、芳香の発散性を有する揮発性物質を含有する水溶性樹脂の層と、該水溶性樹脂の層の少なくとも一面に設けられた該揮発性物質を実質的に含有しない水溶性樹脂の層とを有する芳香発散層を設けることが記載されている。この芳香発散層の具体例として、特許文献1には、上下層とそれらの間の中間層とからなる3層構造の芳香シートが記載されており、該中間層が、前記「芳香の発散性を有する揮発性物質を含有する水溶性樹脂の層」、該上下層それぞれが、前記「芳香の発散性を有する揮発性物質を実質的に含有しない水溶性樹脂の層」である。斯かる芳香シートを具備する特許文献1記載の吸収性物品は、その使用前(保管時)においては、揮発性物質を含む中間層の上下面が上下層によって被覆されているため、該揮発性物質の揮発散逸が防止され、該揮発性物質由来の香りは知覚できないが、着用中に尿等の体液が排泄されると、その体液は表面シート等を透過して芳香シートに達し、該芳香シートを溶解させ、それによって、中間層に含まれている揮発性物質が揮散し、吸収性物品の外部へと放出される結果、排泄があったことが知覚される。
また特許文献2には、着用中の吸収性物品の交換時期を、吸収した排泄物の量により判断し得る吸収性物品として、排泄物と接触することにより芳香を発する第1芳香部及び第2芳香部を有し、該第1芳香部が、着用者の排尿部に当接される受尿部(表面シートと吸収体との間、あるいは吸収体の内部)に配され、該第2芳香部が、該受尿部を避けて、吸収体の長手方向端部(裏面シートと吸収体との間)に配されているものが記載されている。第1芳香部及び第2芳香部は、互いに異なる芳香が付与されている。特許文献2記載の吸収性物品は、使用前(保管時)においては芳香を知覚できないが、着用中に体液が排泄されると、その体液が芳香部と接触して、該芳香部内の芳香発散材の周囲に存するマイクロカプセルや水溶性樹脂を溶解する結果、該芳香発散材の芳香が知覚できるようになる。
特開2002−369838号公報 特開2011−103923号公報
使用前は無臭であるが、着用中に体液と接触すると香気成分を放出する吸収性物品は、特許文献1及び2にも開示されており公知である。この公知の吸収性物品において、香気成分を放出する主たる目的は、排泄があったことを知らせて吸収性物品の交換時期を認識させること、及び、排泄に起因する悪臭を防止することにある。一方、使用前から香気成分を放出し、且つ着用中に体液と接触すると、放出される香気成分が変化する吸収性物品は知られていない。このような、放出される香気成分が使用(排泄)の前後で異なる吸収性物品は、香りの変化によって使用者の気分転換が図られるため、有用である。
従って本発明は、使用の前後で香りが異なり、使用者の気分転換を図ることができる吸収性物品に関する。
本発明は、肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート、及び両シート間に介在された吸収体を具備し、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部を有する吸収性物品であって、前記排泄部対向部に2種の香料成分を含み、そのうちの1種は、大気圧下で香気成分を大気中に蒸散し得る香料であり、他の1種は、水分と接触することによって香気成分を放出する香料前駆体であり、前記香料と前記香料前駆体とは、前記吸収性物品の平面視において重なっている吸収性物品である。
本発明によれば、使用の前後で香りが異なり、使用者の気分転換を図ることができる吸収性物品が提供される。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキンの肌対向面側(表面シート側)を示す平面図である。 図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキンの他の例の横方向に沿う断面図(図2相当図)である。 図4(a)は、本発明に係る表面シートの一実施形態の肌対向面を模式的に示す斜視図、図4(b)は、図4(a)に示す表面シートの縦断面を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明に係る表面シートの他の実施形態の肌対向面を模式的に示す斜視図である。 図6は、本発明に係る表面シートの更に他の実施形態を模式的に示す断面図である。 図7(a)は、本発明に係る表面シートの更に他の実施形態の肌対向面を模式的に示す斜視図、図7(b)は、図7(a)のII−II線断面(縦断面)を模式的に示す断面図、図7(c)及び図7(d)は、それぞれ、図7(a)に示す表面シートの変形例の断面図(図7(b)相当図)である。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態である生理用ナプキン(以下、ナプキンとも言う)に基づき図面を参照して説明する。本実施形態のナプキン1は、図1及び図2に示すように、肌対向面を形成する表面シート2、非肌対向面を形成する裏面シート3、及び両シート2,3間に介在された吸収体4を具備する吸収性本体5を備えている。
本明細書において、肌対向面は、ナプキン1及びその構成部材(例えば吸収性本体5)における、着用状態において着用者の肌側に向けられる面(相対的に着用者の肌に近い側)であり、非肌対向面は、ナプキン1及びその構成部材における、着用状態において着用者の肌側とは反対側に向けられる面(相対的に着用者の肌から遠い側)である。
ナプキン1(吸収性本体5)は、図1に示すように、着用時に着用者の液排泄部(膣口等)に対向配置される領域である排泄部対向部B、該排泄部対向部Bより着用者の腹側(前側)に配される前方部A、及び該排泄部対向部Bよりも着用者の背側(後側)に配される後方部Cを有している。また、ナプキン1(吸収性本体5)は、着用時に着用者の前後方向に相当する縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有している。ナプキン1(吸収性本体5)の縦方向Xは、前方部Aと後方部Cとの間を排泄部対向部Bを介して延びる方向である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置(当該吸収性物品の正しい着用位置)が維持された状態を意味し、吸収性物品が該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。
ナプキン1は、吸収性本体5に加えて更に、吸収性本体5における排泄部対向部Bの縦方向Xに沿う両側部それぞれから横方向Yの外方に延出する一対のウイング部7,7と、吸収性本体5における後方部Cの縦方向Xに沿う両側部それぞれから横方向Yの外方に延出する一対の後方フラップ部8,8とを有している。このような、後方フラップ部を有する生理用ナプキンは、就寝時等に長時間使用するのに適しており、夜用の生理用ナプキンとして特に有用である。夜用のナプキンとしては、縦方向Xの全長が30cm以上のものが好適であり、特に、35cm以上のものが好ましい。
尚、本発明の吸収性物品において、排泄部対向部は、本実施形態のナプキン1のようにウイング部を有する場合には、吸収性物品の縦方向(吸収性物品の長手方向、図中のX方向)においてウイング部を有する領域(ウイング部の縦方向一方側の付け根と他方側の付け根とに挟まれた領域)である。ウイング部を有しない吸収性物品における排泄部対向部は、吸収性物品が3つ折りの個装形態に折り畳まれた際に生じる、該吸収性物品を横方向(吸収性物品の幅方向、図中のY方向)に横断する2本の折曲線(図示せず)について、該吸収性物品の縦方向の前端から数えて第1折曲線と第2折曲線とに囲まれた領域と同じか又は該領域よりも狭い領域である。
図2に示すように、表面シート2は、吸収体4の肌対向面の全域を被覆し、その縦方向Xに沿う両側縁は、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁と略同位置に存している。一方、裏面シート3は、吸収体4の非肌対向面の全域を被覆し、更に吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出して、後述するサイドシート10と共にサイドフラップ部6を形成している。裏面シート3とサイドシート10とは、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁からの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。また、表面シート2及び裏面シート3は、図1に示すように、吸収体4の縦方向Xの前端及び後端それぞれから縦方向Xの外方に延出し、それらの延出部において、公知の接合手段によって互いに接合されてエンドシール部を形成している。表面シート2及び裏面シート3それぞれと吸収体4との間は接着剤によって接合されていても良い。
吸収性本体5の肌対向面(表面シート2の肌対向面)における縦方向Xに沿う両側部には、図1に示すように、平面視において吸収体4の縦方向Xに沿う左右両側部に重なるように、一対のサイドシート10,10が吸収性本体5の縦方向Xの略全長に亘って配されている。一対のサイドシート10,10は、それぞれ、縦方向Xに延びる接合線11にて吸収性本体5(表面シート2)に接合されている。
サイドフラップ部6は、図1に示すように、排泄部対向部Bにおいて横方向Yの外方に向かって大きく張り出しており、これにより吸収性本体5の縦方向Xに沿う左右両側に、一対のウイング部7,7が延設されている。ウイング部7は、図1に示す如き平面視において、下底(上底よりも長い辺)が吸収性本体5の側部側に位置する略台形形状を有しており、その非肌対向面には、該ウイング部7をショーツ等の着衣に固定するウイング部粘着部(図示せず)が形成されている。ウイング部7は、ショーツ等の着衣のクロッチ部の非肌対向面(外面)側に折り返されて用いられる。また、サイドフラップ部6は、後方部Cにおいても横方向Yの外方に向かって大きく張り出しており、これにより吸収性本体5の縦方向Xに沿う左右両側に、一対の後方フラップ部8,8が延設されている。後方フラップ部8は、これを着衣に固定する際に折り返されず、その非肌対向面が広げられた状態(吸収性本体5の側方に延ばされた状態)で、その非肌対向面に形成された後方粘着部(図示せず)を介して、着衣の肌対向面(内面)に固定される。前記ウイング部粘着部及び前記後方粘着部は、その使用前においてはフィルム、不織布、紙等からなる剥離シート(図示せず)によって被覆されている。
図1〜図3に示すように、吸収性本体5の肌対向面(表面シート2の肌対向面)には、表面シート2及び吸収体4が裏面シート3側に向かって一体的に凹陥してなる溝51,61が形成されている。溝51は、前方部Aから後方部Cに亘って縦方向Xに延びており、吸収性本体5を横方向Yに二分する仮想中心線(図示せず)を基準として左右対称に一対形成されている。溝61は、後方部Cに形成され、一対の溝51,51の間に位置し、平面視において吸収性本体5の縦方向Xの後端に向かって凸のU字状部分を有している。溝51,61は、熱を伴うか又は伴わない圧搾加工、あるいは超音波エンボス等のエンボス加工により常法に従って形成することができる。溝51,61においては、表面シート2及び吸収体4が熱融着等により一体化している。溝51,61がナプキン1の肌対向面に形成されていることにより、吸収体4の平面方向の液の拡散が効果的に抑制されるようになり、また、吸収体4のヨレを防止できる。
本実施形態における吸収体4は、図2に示すように、吸収性シート401及び402の積層体からなり、図1及び図2に示すように、排泄部対向部Bに中高部42を有している。吸収体4は、1枚の吸収性シート401の折り畳み構造の内部に別の吸収性シート402が内包された構造を有し、この別の吸収性シート402は中高部42に配されている。中高部42は、排泄部対向部Bのみに形成され、前方部A及び後方部Cには形成されていない。中高部42は、図2に示すように、吸収体4を構成する吸収性シートの積層枚数が、その周囲に位置する部分より多く、厚みが大きい部分である。このため、ナプキン1は、排泄部対向部Bに、表面シート2側(ナプキン1の肌対向面側)に突出した隆起部を形成している。
また、吸収体4は、吸収体4の外形を形成する主吸収体40と、主吸収体40の一部に重ねて配された主吸収体40より小型の補助吸収体41とを有している。主吸収体40は、平面視において角が丸みを帯びた略矩形形状で且つ前方部Aから排泄部対向部Bを経て後方部Cに亘って延びる1枚の吸収性シート401からなり、補助吸収体41は、平面視において略矩形形状であり、排泄部対向部Bからその近傍の後方部Cに亘って配されている。主吸収体40は、1枚の吸収性シート401を折り畳んで複数層の構造としたものであり、主吸収体40における、相対向する2枚の吸収性シート401,401間に、1枚の吸収性シート402を折り畳んでなる補助吸収体41が配されている。より具体的には、主吸収体40は、ナプキン1よりも横方向Yの長さ(幅)が長い、1枚の平面視矩形形状の吸収性シート401を用い、その縦方向Xに沿う両側部を該吸収性シート401の非肌対向面側に折り返し、且つその縦方向Xに沿う両側縁どうしを横方向Yの中央にて重ね合わせて構成されている。また、補助吸収体41は、1枚の平面視矩形形状の吸収性シート403を横方向Yに3つ折りして構成されており、3層構造である。このように、主吸収体40の一部(排泄部対向部Bに位置する部分)に補助吸収体41を配することで、吸収体4の一部の吸収容量を容易且つ効率的に増大させることができる。
尚、補助吸収体41は、主吸収体40を構成する相対向する2枚の吸収性シート401,401間に配置するのに代えて、主吸収体40を構成する上側(肌対向面側)の吸収性シート401の肌対向面側に積層しても良いし、主吸収体40を構成する下側の(非肌対向面側)の吸収性シート401の非肌対向面側に積層しても良い。また、吸収性シート間は、接合されていなくても良いし、まばらに散布した接着剤等によって接着されていても良い。
吸収体4は、中高部42の厚みが、好ましくは0.7mm以上、更に好ましくは1mm以上であり、また、好ましくは5mm以下、更に好ましくは4mm以下である。より具体的には、中高部42の厚みは0.7mm以上5mm以下が好ましく、更には1mm以上4mm以下であることが好ましい。中高部42の厚みをこの範囲とすることで、中高部42が形成されている排泄部対向部Bにおける良好な着用感と高い吸収性能とを両立することが容易となる。また、本実施形態のナプキン1のように吸収性物品がウイング部を備えている場合には、その着用時に排泄部対向部での吸収体のヨレを抑制しやすくなる。中高部42以外の吸収体4の厚み、即ち主吸収体40(相対向する2枚の吸収性シート401,401の積層体)の厚みに関しては、好ましくは0.3mm以上、更に好ましくは0.5mm以上であり、また、好ましくは3mm以下、更に好ましくは2.5mm以下である。より具体的には、主吸収体40の厚みは、0.5mm以上3mm以下、更には0.6mm以上2.5mm以下であることが、高い吸収性能と着用者の動きへの追従性を高める観点から好ましい。前述した吸収体4の各部の厚みは下記方法により測定される。
<吸収体の厚みの測定方法>
測定対象物である吸収体を水平な場所にシワや折れ曲がりがないように静置し、5cN/cm2の荷重下での厚みを測定する。本発明における厚みの測定には、厚み計 PEACOCK DIAL UPRIGHT GAUGES R5-C(OZAKI MFG.CO.LTD.製)を用いた。このとき、厚み計の先端部と測定対象物における測定部分との間に、平面視円形状又は正方形状のプレート(厚さ5mm程度のアクリル板)を配置して、荷重が5cN/cm2となるようにプレートの大きさを調整する。
本実施形態のナプキン1の主たる特徴の1つとして、排泄部対向部Bに2種の香料成分を含む点が挙げられる。その2種の香料成分のうちの1種は、大気圧下で香気成分を大気中に蒸散し得る香料であり、他の1種は、水分と接触することによって香気成分を放出する香料前駆体である。そして、本実施形態においては、香料と香料前駆体とは、ナプキン1の平面視において重なっている。
ここで、「平面視において重なっている」には、A)香料を含む層と香料前駆体を含む層とがそれぞれ独立して存在し、吸収性物品の平面視において、両層の少なくとも一部が重なっている形態(形態A)、及びB)香料と香料前駆体とが1つの層の中で併存している形態(形態B)が含まれる。前記形態Aは、香料及び香料前駆体を含む部材が少なくとも2層以上の多層構造の形態であり、前記形態Bは、香料及び香料前駆体を含む部材が単層構造の形態である。
前記形態Aは更に、A−1)香料前駆体を含む層が着用者の肌に近い側に位置し、香料を含む層が着用者の肌から遠い側に位置する形態と、A−2)香料を含む層が着用者の肌に近い側に位置し、香料前駆体を含む層が着用者の肌から遠い側に位置する形態と、に分けられる。
前記形態Bは更に、B−1)1つの層の中に、香料が偏在している香料存在領域と、香料前駆体が偏在している香料前駆体存在領域とが存在し、且つ該香料前駆体存在領域が着用者の肌に近い側に位置し、該香料存在領域が着用者の肌から遠い側に位置し、且つ両領域の少なくとも一部どうしが平面視において重なっている形態と、B−2)1つの層の中で香料と香料前駆体とが混在(均一分散)している形態、とに分けられる。
前記形態B−1の一例として、1つの層の中の厚み方向の中央に、前記香料存在領域が位置し、該香料存在領域の肌対向面側及び非肌対向面側それぞれに、前記香料前駆体存在領域が位置する形態が挙げられる。この一例においては、厚み方向の中央に位置する香料存在領域は、1つの層の平面方向の全域に亘って存在していても良く、該平面方向の一部(例えば、縦方向X及び横方向Yの両方向の中央部)のみに存在していても良い。
このように、排泄部対向部Bに2種の香料成分(香料、香料前駆体)を含み、且つその2種がナプキン1の平面視において重なっている、即ち、前記A)又はB)の形態で配置されていることにより、2種の香料成分の香気成分の放出特性の違いと相俟って、ナプキン1の香りをその使用の前後で異ならせることが可能となる。即ち、常温常圧の環境下において、ナプキン1の使用前(ナプキン1の着用後で経血等の体液の排泄前)には、ナプキン1から香料由来の香気が放出され、該香料由来の香気は感じられるが、香料前駆体、及び香料前駆体由来の香気は発散されていないか、香料由来の香気に比して極めて弱い。従って、ナプキン1の使用前においては、香料由来の香気が支配的になっている。そして、ナプキン1の着用後、着用者からナプキン1の排泄部対向部Bに向けて経血、汗等の体液が排泄され、その体液が香料前駆体と接触すると、その体液中の水分によって香料前駆体が加水分解等され、それによって香料前駆体由来の香気成分が放出される。香料由来の香気と香料前駆体由来の香気とは異なっているので、ナプキン1の使用者には、使用の前後で香りが変化したことが知覚され、この香りの変化が使用者にとって良い気分転換となる。
香料前駆体由来の香気成分が放出されている最中は、使用前から放出されている香料の香気も未だ発散されている場合があるが、香料及び香料前駆体の配置、並びにそれらの含有量等を適宜調整することで、香料前駆体由来の香気成分放出後は、香料前駆体由来の香気の方が香料由来の香気よりも強くすることが可能である。また、香料由来の香気は、通常、ナプキン1の製造直後から放出が開始されており、香料前駆体由来の香気成分放出の相当前から放出され続けているので、香料前駆体由来の香気成分放出時点(ナプキン1の着用時点)では、香料由来の香気はその放出当初に比して弱まっており、そのため、香料前駆体由来の香気成分放出後は、香料前駆体由来の香気の方が香料由来の香気よりも強くなりやすい。また、ナプキン1は、使用前、通常個別に別体の包装材に覆われて個別包装体の形態とされており、使用に際して該包装体が開封されるので、その開封の際には、開封者(ナプキン1の着用予定者)に対して、香料由来の最も強い香りの印象を与えるが、開封後にナプキン1を着用し、経血や汗等の体液の排泄が無い状態である程度時間が経過すると、着用者が香料の香りに慣れてしまうので、その香料由来の香りの印象は弱まる。しかし、体液の排泄後には、それによって発散が開始された香料前駆体由来の香気が、着用者に新しい香りの印象を与える。従って、ナプキン1の使用者は、ナプキン1の着用後で経血等の体液の排泄後は、実質的に香料前駆体由来の香気のみを知覚し得る。
例えば、香料由来の香気が、人の気持ちをリラックスさせ得る香気、香料前駆体から放出される香気成分の香気が、人を活気付ける香気である場合、就寝前にナプキン1を装着する時点、及び装着後から体液を排泄するまでの間は、ナプキン1からは香料由来の香気のみが発散されているので、該香気を知覚した使用者は、憂鬱、疲労感、倦怠感等から解放されて気分的にリラックスすることができ、よく眠れるようになる。そして、使用者の就寝中に排泄された経血や汗が、ナプキン1に含まれている香料前駆体に接触すると、香料前駆体由来の香気が発散され、該香気が、香料由来の香気よりも強い状態となる。その状態で、使用者の起床時間を迎えると、使用者は香料前駆体由来の香気により活気付けられ、シャキッとした気分になり、目覚めが良くなる。
このように、使用前は香料由来の香気のみが発散され、使用後(体液の排泄後)は香料前駆体由来の香気が支配的となるようにするためには、ナプキン1の厚み方向において、着用者の肌に近い側に香料前駆体を配置し、着用者の肌から遠い側に香料を配置する、即ち、前記形態A−1及びB−1が効果的である。そうすることによって、香料前駆体が、着用者から排泄された体液と接触しやすくなるので、体液の排泄後速やかに且つより確実に香料前駆体由来の香気が発散されやすくなり、また、香料前駆体が香料よりも着用者の肌に近接しているので、香料由来の香気が香料前駆体由来の香気によってマスキングされやすく、香料前駆体由来の香気が支配的となりやすい。従って、前記のように2種の香料成分の配置を工夫することで、ナプキン1の使用時間(着用時間)が短い場合、あるいは香料前駆体由来の香気成分放出の起因物質である排泄物の量が少ない場合にも、ナプキン1の使用の前後で香りをより確実に変化させることでき、使用者の気分転換をより確実に図ることが可能となる。
本実施形態では前記形態A−1を採用している。即ち、吸収体4は、着用者の肌に近い側に位置する上層と、着用者の肌から遠い側に位置する下層とを有し、該上層に香料前駆体、該下層に香料がそれぞれ含まれている。より具体的には、吸収体4の中高部42においてこれを構成する吸収性シート401及び402のうち、吸収体4の肌対向面を形成する吸収性シート401(主吸収体40)に香料前駆体が含まれ、相対向する2枚の吸収性シート401,401間に介在された吸収性シート402(補助吸収体41)に香料が含まれている。
また、吸収体4において、香料前駆体を含む吸収性シート401(着用者の肌に近い側に位置する上層)に、該吸収性シート401を厚み方向に貫通するスリット状の開口部(図示せず)が設けられていると、吸収性シート401の表面積が増大するため、香料前駆体由来の香料成分の放出(香気の発散)が起こりやすくなり、好ましい。斯かるスリット状の開口部は、吸収性シート401における香料前駆体含有領域の全域に規則的に多数配置(例えば千鳥状に配置)するとより効果的である。
また、2種の香料成分(香料、香料前駆体)は、排泄部対向部Bに含まれていることに加えて更に、香料前駆体含有領域の面積が香料含有領域の面積に比して大きいことが好ましい。斯かる構成により、香料前駆体由来の香気発散後に、該香気によって香料由来の香気が一層マスキングされやすくなり、ナプキン1の使用の前後で香りをより確実に変化させることが可能となる。従って、2種の香料成分(香料、香料前駆体)の配置を、前述したように、厚み方向において工夫する(前記形態A−1又はB−1を採用する)と共に、このように、平面方向においても2種の香料成分の配置(面積)を工夫することにより、ナプキン1の使用前は香料由来の香気のみが発散され、使用後(体液の排泄後)は香料前駆体由来の香気が支配的となりやすくなる。
香料前駆体含有領域の面積S1(香料前駆体含有領域が複数存在する場合はそれらの総面積)と香料含有領域の面積S2(香料含有領域が複数存在する場合はそれらの総面積)との比(S1/S2)は、好ましくは1以上、更に好ましくは3以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは7以下、より具体的には、好ましくは1〜10、更に好ましくは3〜7である。
香料前駆体含有領域の面積S1は、好ましくは0.002m2以上、更に好ましくは0.003m2以上、そして、排泄物の吸収性の観点から、好ましくは0.04m2以下、更に好ましくは0.03m2以下、より具体的には、好ましくは0.002〜0.04m2、更に好ましくは0.003〜0.03m2である。
香料含有領域の面積S2は、好ましくは0.001m2以上、更に好ましくは0.002m2以上、そして、排泄物の吸収性の観点から、好ましくは0.03m2以下、更に好ましくは0.02m2以下、より具体的には、好ましくは0.001〜0.03m2、更に好ましくは0.002〜0.02m2である。
また、前述した2種の香料成分(香料、香料前駆体)による作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、香料前駆体の単位面積当たりの香りの強さは、香料のそれに比して強いことが好ましい。斯かる香りの強弱関係は、例えば、香料前駆体の単位面積当たりの含有量を、香料のそれよりも多くすることで実現し得る。また、そのような強弱関係が成立するように、2種の香料成分を選択することによっても実現し得る。
香料前駆体の、吸収体単位面積当たりの含有量(坪量)P1と香料の吸収体単位面積当たりの含有量(坪量)P2との比(P1/P2)は、好ましくは1以上、更に好ましくは5以上、そして、好ましくは30以下、更に好ましくは15以下、より具体的には、好ましくは1〜30、更に好ましくは5〜15である。
香料前駆体の、吸収体単位面積当たりの含有量(坪量)P1は、好ましくは3mg/m2以上、更に好ましくは5mg/m2以上、そして、好ましくは1000mg/m2以下、更に好ましくは500mg/m2以下、より具体的には、好ましくは3〜1000mg/m2、更に好ましくは5〜500mg/m2である。
香料の単位面積当たりの含有量(坪量)P2は、好ましくは1mg/m2以上、更に好ましくは3mg/m2以上、そして、好ましくは500mg/m2以下、更に好ましくは100mg/m2以下、より具体的には、好ましくは1〜500mg/m2、更に好ましくは3〜100mg/m2である。
また、吸収性物品(ナプキン1)における吸収容量1g当たりの、香料前駆体の含有量(坪量)P1’は、好ましくは1mg/g以上、更に好ましくは3mg/g以上、そして、好ましくは10mg/g以下、更に好ましくは7mg/g以下、より具体的には、好ましくは1〜10mg/g、更に好ましくは3〜7mg/gである。
吸収性物品(ナプキン1)における吸収容量1g当たりの、香料の含有量(坪量)P2’は、好ましくは0.1mg/g以上、更に好ましくは0.2mg/g以上、そして、好ましくは1mg/g以下、更に好ましくは0.6mg/g以下、より具体的には、好ましくは0.1〜1mg/g、更に好ましくは0.2〜0.6mg/gである。
吸収性物品における吸収容量は、以下のようにして測定される。
〔吸収容量の測定方法〕
測定対象の吸収性物品における吸収体に対して、高吸水性樹脂の吸水試験法であるJIS K 7223−1996に準拠して吸収容量の測定を行う。吸収性物品(ナプキン1)から吸収体を取り出し、25℃に調温した生理食塩水(0.9質量%塩化ナトリウム水)に全体が浸かるように浸漬させる。浸漬開始から10分後に吸収体を生理食塩水から取り出し、遠心脱水器(コクサン(株)、型式130c特型)を用いて脱水する。脱水条件は800rpm×5分とする。脱水後、試料の質量を測定し、次式に従って遠心保持量(単位:g/g)を算出し、その算出値を当該吸収性物品の吸収容量とする。次式中、各質量はg単位である。
遠心保持量=(遠心脱水後の吸収体の質量−吸水前の吸収体の質量)/吸水前の吸収体の質量
測定は5回行い、上下各1点の値を除外し、残る3点の平均値を測定値とした。尚、測定は23±2℃、湿度50±5%で行い、測定の前には試料である吸収体を測定と同じ環境で24時間以上保存する。
本実施形態においては、図2に示すように、表面シート2の肌対向面側が凹凸形状をなしている。即ち、表面シート2の肌対向面側は、多数の凸部21及び凹部22を有する凹凸形状となっている。凹部22は、熱エンボス加工、超音波エンボス加工等のエンボス加工によって形成されたエンボス部からなり、凹部22においては表面シート2の構成繊維が熱及び/又は圧力によって結合している。凸部21は凹部22,22間に位置している。一方、表面シート2の非肌対向面側(中間シート10との対向面側)は、実質的に凹凸形状をなしていない平坦面となっている。
このように、表面シート2の肌対向面側が凹凸形状をなしていることにより、表面シート2の肌対向面側が凹凸形状をなしていない平坦面である場合に比して、ナプキン1の着用者の肌と表面シート2との接触面積が低減するので、香気成分の表面シート2を介しての着用者の肌との直接的な接触の機会が低減し、デリケートな肌に対して優しい設計となり、香気成分に起因する肌トラブル(かゆみ、カブレ等)を一層抑制することが可能となる。また、ナプキン1の着用者の肌と表面シート2との接触面積が低減することで、香料及び/又は香料前駆体を含む部位(本実施形態では吸収体4)の、着用者の体温による温度上昇が抑制されるため香料や香料前駆体からの香気成分の蒸散が適度に抑制され、その結果、香気成分の発散が長時間に亘って維持されるので、排泄したことが周囲の他人に悟られる可能性が低くなる。
また、本実施形態においては、凸部21には繊維が充填されており、凸部21は中実である。このように、表面シート2の凹凸形状を構成する凸部21内が、該表面シート2の構成繊維で満たされていると、前述した表面シート2による、香料や香料前駆体からの香気成分の蒸散抑制効果(香りの長期持続効果)がより一層確実に奏される。
ナプキン1における各部の形成材料について説明すると、表面シート2としては、この種の吸収性物品において従来用いられている液透過性の表面シートを用いることができ、例えば、カード法により製造された不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布及びニードルパンチ不織布等の種々の不織布;開口手段によって液透過可能とされたフィルム等が挙げられる。これらの不織布やフィルムには、界面活性剤等の親水化剤を用いた親水化処理が施されていても良い。表面シート2の坪量は、好ましくは10g/m2以上、更に好ましくは20g/m2以上、そして、好ましくは80g/m2以下、更に好ましくは60g/m2以下、より具体的には、好ましくは10〜80g/m2、更に好ましくは20〜60g/m2である。表面シート2の具体例については後述する。
また、裏面シート3は、透湿性を有していることが好ましい。裏面シート3が透湿性を有していることにより、ナプキン1内が蒸れ難くなると共に、外部に香気が拡散し易く、憂鬱な気分を一層和らげることが可能となる。特に夜用ナプキンであるナプキン1を夜間に使用する場合には、香料としてリラックス効果のあるものを使用すれば、睡眠中にその効果を享受しやすくなるという効果が奏される。ここで「透湿性」とは、JIS Z0208やASTM E398に開示された概念の如く、気流移動を伴わず、熱力学の第二法則に従って、高湿度側から低湿度側に水蒸気拡散する性質であり、極微小の開孔を有する多孔フィルムや、水と相溶性の高い無孔フィルムで発現する性質である。透湿性を有する裏面シート3としては、例えば、透湿性フィルム単独、又は透湿性フィルムと不織布との積層体、撥水性不織布等を用いることができる。透湿性の裏面シート3による前記効果をより確実に奏させるようにする観点から、裏面シート3は、透湿性に加えて更に、通気性を有することが好ましい。ここで「通気性」とは、文字通り通気する性質であり、典型的には各種布地のように気流が通る性質である。裏面シート3の坪量は、好ましくは18g/m2以上、更に好ましくは25g/m2以上、そして、好ましくは70g/m2以下、更に好ましくは60g/m2以下、より具体的には、好ましくは18〜70g/m2、更に好ましくは25〜60g/m2である。
吸収体4としては、ナプキン1の薄型化、低剛性化の観点から、木材パルプ等の繊維材料を積繊してなる積繊体ではなく、該積繊体に比して厚みが薄く低剛性の吸収性シートを用いることが望ましい。本実施形態のナプキン1において、吸収性シート401及び402としては、湿潤状態の吸水性ポリマーに生じる粘着力や別に添加した接着剤や接着性繊維等のバインダーを介して、構成繊維間や構成繊維と吸水性ポリマーとの間を結合させてシート状としたもの等を好ましく用いることができる。また、吸収性シートとしては、特開平8−246395号公報記載の方法にて製造された吸収性シート、気流に乗せて供給した粉砕パルプ及び吸水性ポリマーを堆積させた後、接着剤(例えば酢酸ビニル系の接着剤、PVA等)で固めた乾式シート、紙や不織布の間にホットメルト接着剤等を塗布した後高吸収性ポリマーを散布して得られた吸収性シート、スパンボンド又はメルトブロー不織布製造工程中に高吸収性ポリマーを配合して得られた吸収性シート等を用いることができる。吸収性シートとして好適なものとしては、パルプ繊維の集合体に吸水性ポリマーを固定させたもの、エアレイド法で製造された乾式パルプシート、2枚の不織布間に粒子状の吸水性ポリマーを散布したものが挙げられる。これらの吸収性シートは、一枚を所定形状に裁断してシート状吸収体として用いることができる。吸収性シートの1枚あたりの厚みとしては、好ましくは0.1mm以上、特に0.3mm以上であり、また、好ましくは2mm以下、特に1.5mm以下であることが好ましい。より具体的には、0.1mm以上2mm以下、特に0.3mm以上1.5mm以下であることが好ましい。
しかしながら、吸収体4としては、前述した吸収性シートに代えて、積繊型の吸収体を用いても良い。積繊型の吸収体の一例として、繊型の吸収体を複数(2個)積層してなる積層構造が挙げられる。斯かる積繊型の吸収体の積層構造は、例えば、平面視において角が丸みを帯びた略矩形形状で且つ前方部Aから排泄部対向部Bを経て後方部Cに亘って延びる、下層吸収体(前記主吸収体40と平面視において同形状の吸収体)と、該下層吸収体よりも幅狭で且つ排泄部対向部Bにおいて該下層吸収体の横方向Yの中央部の肌対向面側に配置された、上層吸収体(前記補助吸収体41と平面視において同形状の吸収体)とを有し、両吸収体の積層体が中高部42を形成している。積繊型の吸収体を構成する材料としては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば、木材パルプ、合繊繊維等の親水性繊維からなる繊維集合体、又は該繊維集合体に粒子状の吸水性ポリマーを保持させたもの等を用いることができる。また、積繊型の吸収体は、前記繊維集合体等からなる液保持性の吸収性コアと、該吸収性コアを被覆する液透過性のコアラップシートとを含んで構成されていても良く、その場合、吸収性コアとコアラップシートとの間は、所定の部位においてホットメルト粘着剤等の接合手段により接合されていても良い。吸収性コアを被覆するコアラップシートとしては、例えば、ティッシュペーパー等の紙、各種不織布、開孔フィルム等の液透過性シートを用いることができる。
サイドシート10としては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布との積層体等を用いることができる。その他の材料としては、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド不織布(S)とメルトブロー不織布(M)とが複合化されたシート(例えばSM、SMS、SMMS等)、ヒートロール不織布、エアスルー不織布等の撥水性(疎水性)不織布が挙げられる。
本発明で用いる香料としては、大気圧下で香気成分を大気中に蒸散し得るものであれば良く、常温常圧の環境下でその香気を知覚し得る通常の香料を特に制限なく用いることができ、当該技術分野において従来用いられてきたものと同様のものも用いることができ、例えば、沸点が約250℃以下の高揮発性香料成分、又は沸点が約250〜約300℃の中揮発性香料成分が好ましく用いられる。
前記高揮発性香料成分としては、例えばアニソール、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、ギ酸ベンジル、酢酸イソボルニル、シトロネラール、シトロネロール、酢酸シトロネリル、パラシメン、デカナール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメチルフェニルカルビノール、ユーカリプトール、1−カルボン、ゲラニアール、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、ゲラニルニトリル、ネロール、酢酸ネリル、酢酸ノニル、リナロール、酢酸リナリル、フェニルエチルアルコール、α−ピネン、β−ピネン、γ−ピネン、α−ヨノン、β−ヨノン、γ−ヨノン、α−テルピネオール、β−テルピネオール、酢酸テルピニル、テンタローム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記中揮発性香料成分としては、例えばアミルシンナムアルデヒド、ジヒドロジャスモン酸メチル、サリチル酸イソアミル、β−カリオフィレン、セドレン、セドリルメチルエーテル、桂皮アルコール、クマリン、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エチルバニリン、オイゲノール、イソオイゲノール、γ−メチルヨノン、ヘリオトロピン、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シス−3−ヘキセニル、フェニルヘキサノール、バニリン、ペンタライド等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いる香料としては、前述の高揮発性及び中揮発性香料成分以外に、あるいはこれら香料成分に加えて更に、ラベンダー香調、ジャスミン香調、イランイラン香調を有する香料を含有した香料組成物を用いることもできる。斯かる香料組成物としては、例えば、ラバンジュロール、ジャスマール、シクロピデン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いる香料には、前述した香料素材単体、及び天然精油や調合ベースのように、「複数の香料によって構成される香料素材が組み合わされたもの(香料組成物)で、溶剤によって希釈・調整されたもの」が含まれる。本発明において香料として、ラベンダー、ジャスミン、イランイラン様香気を有する香料を含有する香料組成物を用いることで、該香料から生じる香気の作用によって、月経随伴性症状の中でも特に精神的な不快症状を、身体に物理的刺激を与えること無く、また経口投与にもよらず、安全且つ簡便に緩和させることが可能になる。これに加え、快適感も得られる。
本発明で用いる香料前駆体としては、水分と接触することによって香気成分を放出するもの(水分と接触しなければ香気成分を放出しないもの)が用いられ、具体的には例えば、香気成分が封入されたマイクロカプセルが挙げられる。このマイクロカプセルの皮膜は、経血、汗、尿等の体液に含まれる水分によって、湿潤して崩壊する物質から構成されている。
マイクロカプセル以外の、本発明で用いる香料前駆体の一例として、下記一般式(1)又は(2)で表されるケイ酸エステル化合物(以下、特定ケイ酸エステル化合物ともいう)が挙げられる。以下、この特定ケイ酸エステル化合物について説明する。
Figure 0006262510
(式中、R1は置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数4〜22の脂肪族炭化水素基を示し、R2は機能性アルコールから水酸基1個を除いた残基を示し、複数個のR2は同一でも異なっていても良い。R3は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
前記一般式(1)又は(2)において、R1は置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数4〜22の脂肪族炭化水素基を示し、置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数4〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、炭素数6〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましく、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基等の炭素数6〜18の直鎖アルキル基が更に好ましく、炭素数8〜18の直鎖アルキル基が更により好ましい。
前記一般式(1)又は(2)において、R2は機能性アルコールから水酸基1個を除いた残基を示し、前記一般式(1)又は(2)における複数個のR2は同一でも異なっていても良い。
2を形成する機能性アルコールとしては、調合香料成分である香料アルコール、防菌防黴性を有する抗菌性アルコール、保湿性を有する保湿性アルコール、生理活性を有する生理活性アルコール、着色性を有する着色性アルコール、一般的な表面活性を有する表面改質性アルコール等が挙げられ、香料アルコール、抗菌性アルコールが好ましく、香料アルコールがより好ましい。例えば、特定ケイ酸エステル化合物のR2を形成する機能性アルコールが香料アルコールの場合、該特定ケイ酸エステル化合物の加水分解(排泄物由来の水分との加水分解)により、該香料アルコールに由来する香料成分が生成され、該香料成分が空気中に放たれるので、体液の排泄後は、その香気が、前記恒久香料の香気に対して優位となる。
機能性アルコールとしては、炭素数3〜40の機能性アルコールが好ましく、炭素数3〜15の機能性アルコールがより好ましい。機能性アルコールの具体例としては、n−ヘキサノール、trans−2−ヘキセノール、青葉アルコール(cis−3−ヘキセノール)、3−オクタノール、1−オクテン−3−オール、2,6−ジメチル−2−ヘプタノール、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、4−イソプロピルシクロヘキシルメタノール、1−(4−イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、p−tert−ブチルシクロヘキサノール、o−tert−ブチルシクロヘキサノール、4−メチル−3−デセン−5−オール、9−デセノール、10−ウンデセノール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ロジノール、ジメチルオクタノール、ヒドロキシシトロネロール、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロール、ラバンジュロール、ムゴール、ミルセノール、ターピネオール、L−メントール、ボルネオール、イソプレゴール、テトラヒドロムゴール、ノポール、ファルネソール、ネロリドール、アンブリノール、1−(2−tert−ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−ブタノール、ペンタメチルシクロヘキシルプロパノール、1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−ヘキサノール、サンタロール、3,7−ジメチル−7−メトキシオクタン−2−オール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ペンタノール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテノール、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテノール、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−1−ブタノール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、セドロール、ベチベロール、パチュリアルコール、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、シンナミックアルコール、アニスアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、メチルフェニルカルビノール、ジメチルフェニルカルビノール、フェノキシエチルアルコール、スチラリルアルコール、ジメチルフェニルエチルカルビノール、チモール、カルバクロール、オイゲノール、イソオイゲノール、エチルバニリン、メタ−クロロキシレノール、2,4−ジクロロフェノール、2,4−ジクロロベンジルアルコール、ヒノキチオール、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)プロパノール、3−メチル−5−フェニルペンタノール、フェニルエチルメチルエチルカルビノール、トリクロサン、カプサイシン、トコフェロール、グリセロールモノラウレート、トリ(ヒドロキシメチル)ニトロメタン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5’−ジメチルヒダントイン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(ヒドロキシエチル)−S−トリアジン等が挙げられる。
これらの機能性アルコールの中では炭素数5〜15の香料アルコール又は炭素数3〜15の抗菌性アルコールがより好ましく、炭素数5〜15の香料アルコールが更に好ましい。
炭素数5〜15の香料アルコールとしては、例えば合成香料(化学工業日報社)記載のアルコールが挙げられ、具体的には、青葉アルコール(cis−3−ヘキセノール)、3−オクテノール(1−オクテン−3−オール)、9−デセノール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ロジノール、ファルネソール、ヒドロキシシトロネロール、3,7−ジメチル−7−メトキシオクタン−2−オール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ペンタノール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテノール、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテノール、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−1−ブタノール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール等の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖アルコール;ベンジルアルコール、2−フェニルエタノール(β−フェニルエチルアルコール)、シンナミックアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、アニスアルコール、フェノキシエチルアルコール、スチラリルアルコール、3−メチル−5−フェニルペンタノ−ル、2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)−プロパノール等の芳香族アルコール;2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−イソプロピルシクロヘキシルメタノール、1−(4−イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、p−tert−ブチルシクロヘキサノール、o−tert−ブチルシクロヘキサノール、L−メントール、1−(2−tert−ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−ブタノール、ペンタメチルシクロヘキシルプロパノール、1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−ヘキサノール、サンタロール、ベチベロール等の飽和又は不飽和の環式アルコール等が挙げられる。
炭素数3〜15の抗菌性アルコールとしては、日本防菌防黴剤辞典(日本防菌防黴学会発行)記載の防菌防黴用に用いられるアルコールが挙げられ、具体的には、グリセロールモノラウレート、トリ(ヒドロキシメチル)ニトロメタン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5’−ジメチルヒダントイン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(ヒドロキシエチル)−S−トリアジン等が挙げられる。
本発明で用いる特定ケイ酸エステル化合物は、例えば下記方法1又は2により製造することができる。
方法1:下記一般式(3)で表される化合物(以下、化合物(3)ともいう)と機能性アルコールとをエステル交換反応させる方法。
Figure 0006262510
(式中、R1及びR3は前記と同じ意味を示し、3個のR3は同一でも異なっていても良い。)
方法2:下記一般式(4)で表されるトリハロゲン化シラン(以下、トリハロゲン化シラン(4)ともいう)と機能性アルコールとをエステル化反応させる方法。
Figure 0006262510
(式中、R1は前記と同じ意味を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
前記方法1において、前記一般式(3)中のR3は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示すところ、入手性等の点からメチル基又はエチル基が好ましく、エチル基がより好ましい。
前記方法1における化合物(3)と機能性アルコールとのエステル交換反応においては、化合物(3)に対して加える機能性アルコールのモル比を適宜調整することにより、前記一般式(1)又は(2)で表されるケイ酸エステル化合物の置換度を調整することができる。化合物(3)に対する機能性アルコールのモル比は、0.1以上が好ましく、1以上がより好ましく、2以上が更に好ましく、また、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、4以下が更に好ましく、より具体的には、0.1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、2〜4が更に好ましく、2.5〜3が更により好ましい。
前記方法1におけるエステル交換反応の反応温度は、化合物(3)及び機能性アルコールの沸点以下が好ましく、室温(20℃)〜200℃がより好ましく、50〜170℃が更に好ましく、70〜150℃更により好ましく、90〜130℃が特に好ましい。
前記方法1におけるエステル交換反応は、減圧下で行うことが、反応を速やかに進行させることができる等の点から好ましい。減圧度は反応温度にもよるが、化合物(3)及び機能性アルコールの沸点以下で行えばよく、1.3Pa〜常圧(0.1MPa)が好ましく、130Pa〜40kPaがより好ましく、1.3kPa〜13kPaが更に好ましい。反応は反応初期から減圧下で行っても、途中から減圧下で行っても良い。
前記方法1におけるエステル交換反応は、触媒を添加することが、反応を速やかに進行させることができる等の点から好ましい。触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ触媒や、アルミニウムテトライソプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド等のルイス酸触媒を用いることができる。
前記方法2において、前記一般式(4)中のXはハロゲン原子を示すところ、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、塩素原子が好ましい。
前記方法2におけるトリハロゲン化シラン(4)と機能性アルコールとのエステル化反応においては、トリハロゲン化シラン(4)に対して加える機能性アルコールのモル比を適宜調整することにより、本発明で用いる特定ケイ酸エステル化合物の置換度を調整することができる。トリハロゲン化シラン(4)に対する機能性アルコールのモル比は、0.1以上が好ましく、1以上がより好ましく、2以上が更に好ましく、また、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、4以下が更に好ましく、より具体的には、0.1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、2〜4が更に好ましく、2.7〜3.3が更により好ましい。
前記方法2においては、反応の進行に伴い酸が副生するため、塩基を加えて反応することが好ましい。用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン等の3級アミンやピリジン等が挙げられる。
前記方法2のエステル化反応では、多量の塩副生等の点から、溶媒を用いても良く、反応温度は、基質や溶媒が凝固しない低温で行うこともできる。反応終了後、溶媒を除去する必要がある場合には、各種公知の装置・設備を用いることができ、また脱塩には濾過や抽出、電機透析等、公知の方法を用いることができる。
本発明の吸収性物品は、前記香料前駆体として、特定ケイ酸エステル化合物(前記一般式(1)又は(2)で表されるケイ酸エステル化合物)の何れか一方のみを含有していても良く、両方を含有していても良い。吸収性物品に特定ケイ酸エステル化合物を含有させる方法としては、特定ケイ酸エステル化合物単独、又は特定ケイ酸エステル化合物を適当な溶媒(例えば水、エタノール、低分子炭化水素類、液体LPGガス、ジメチルエーテル等)に希釈したものを、吸収性物品の所定部位に塗布、噴霧又は含浸する方法が挙げられる。特定ケイ酸エステル化合物は、常温常圧下において液体であり、それ単独で吸収性物品に塗布、噴霧等が可能である。特定ケイ酸エステル化合物を適当な溶媒に希釈したものを吸収性物品に付与した場合、その溶媒は速やかに揮発するため、吸収性物品には実質的に残留しない。
本発明の吸収性物品における特定ケイ酸エステル化合物の含有量(前記一般式(1)又は(2)で表されるケイ酸エステル化合物の両方を含有する場合はそれらの総含有量)は、特に限定されず用途に応じて適宜変更することができる。例えば、特定ケイ酸エステル化合物中のR2(機能性アルコールから水酸基1個を除いた残基)が、香料アルコールから水酸基1個を除いた残基である場合において、本発明の吸収性物品における該特定ケイ酸エステル化合物の含有量(坪量)は、好ましくは0.25g/m2以上、更に好ましくは0.40g/m2以上、そして、好ましくは40g/m2以下、更に好ましくは25g/m2以下、より具体的には、好ましくは0.25〜40g/m2、更に好ましくは0.40〜25g/m2である。
図3には、本発明の吸収性物品の他の実施形態が示されている。後述する他の実施形態については、前記実施形態と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、前記実施形態についての説明が適宜適用される。
図2に示すナプキン1Aにおいても、前述したナプキン1と同様に、2種の香料成分(香料、香料前駆体)の配置(厚み方向の配置)に関して、前記形態A−1が採用されている。即ち、ナプキン1Aにおいては、表面シート2と吸収体4との間に中間シート9が介在され、中間シート9に香料前駆体、吸収体4に香料がそれぞれ含まれている。中間シート9が前記「着用者の肌に近い側に位置する上層」であり、吸収体4が前記「着用者の肌から遠い側に位置する下層」である。ナプキン1Aにおいて、香料は、中高部42における、中間シート9と吸収性シート402(補助吸収体41)との間に位置する吸収性シート401(主吸収体40)に含まれている。ナプキン1Aによっても、ナプキン1と同様の効果が奏される。
中間シート9としては、香料成分を吸収保持し得るシートが用いられ、例えば、1枚の単層構造の繊維シートが挙げられる。中間シート9を構成する繊維シートとしては、例えば、湿式抄紙により得られた紙;カード法により製造された不織布、エアスルー不織布、レジンボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布及びニードルパンチ不織布等の種々の不織布等を用いることができる。これらの不織布には、界面活性剤等の親水化剤を用いた親水化処理が施されていても良い。中間シート9を構成する繊維シートの坪量は、好ましくは10g/m2以上、更に好ましくは15g/m2以上、そして、好ましくは50g/m2以下、更に好ましくは45g/m2以下、より具体的には、好ましくは10〜50g/m2、更に好ましくは15〜45g/m2である。
図4〜図7には、本発明に係る表面シートの実施形態が示されている。後述する表面シートの実施形態については、前記実施形態(表面シート2)と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、前記実施形態についての説明が適宜適用される。
図4に示す表面シート2A(表面層)は、着用者の肌に近い側に位置する第1繊維層23Aと、着用者の肌から遠い側に位置する第2繊維層24Aとを有し、両繊維層23A,24Aが、部分的に形成された多数の接合部(凹部22)によって厚さ方向に一体化されており、第1繊維層23Aにおける、複数の該接合部(凹部22)どうし間に位置する部分が凸状に隆起して、肌対向面側の凹凸形状の凸部21を形成している。
凸部21は、第1繊維層23Aの構成繊維及び第2繊維層24Aの構成繊維によって形成されている。凸部21は、複数の凹部22(接合部)によって取り囲まれている。凸部21の突出を一層顕著なものとする観点からは、凸部21は3つ以上の凹部22によって取り囲まれていることが好ましい。この場合、凸部21は、複数の凹部22によって囲まれた領域の略中央部に頂部を有していることが好ましい。
凹部22(接合部)は、表面シート2Aを第1繊維層23A側(肌対向面側)から目視にて平面視したときに、表面シート2Aの全域に亘って多数が散点状に規則的に分散配置されており、またほぼ均一に分散されている。複数の凹部22が一つの列をなすように配置されており、該列が多列に配置されている場合には、一つの列における凹部22は、該列に隣接する列に含まれる凹部22と互い違いに配置されて、凹部22全体として千鳥模様の配置になっていても良く、あるいは各列における凹部22が縦横の位置を揃えて配置されていても良い。
凹部22の平面視形状は特に制限されず、円形、三角形、矩形、六角形等の多角形、楕円形、十字形等の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。凹部22は、第1繊維層23Aの原反であるウェブ又は不織布と、第2繊維層24Aの原反であるウェブ又は不織布とを積層し、その積層体に、熱を伴うか又は伴わないエンボス加工、超音波エンボス加工等のエンボス加工を施して形成されている。凹部22は、エンボス加工に代えて、両繊維層23A,24A間を、接着剤を介して接合することで形成することもできる。
第1繊維層23Aには熱融着性繊維が含まれている。この繊維は、高融点樹脂からなる第1樹脂成分と、該第1樹脂成分の融点より低い融点又は軟化点を有する低融点樹脂からなる第2樹脂成分からなる2成分系複合繊維である。この複合繊維としては、例えば芯鞘型(同心芯鞘型及び偏心芯鞘型の双方を含む)のものであるか、又はサイド・バイ・サイド型のものを用いることができる。複合繊維の熱融着性は、主として第2樹脂成分によって発現する。従って、複合繊維が例えば芯鞘型のものである場合には、第2樹脂成分は、鞘を構成する成分となる。
第1繊維層23Aに含まれる熱融着性繊維は、熱伸長性繊維が熱処理によって伸長したもの、つまり、伸長した後の熱伸長性繊維からなることが好ましい。また、第1繊維層23Aは、熱融着性繊維のみから構成されていても良く、あるいは、これに加えて熱融着性を有さない繊維を含んでいても良い。また第1繊維層23Aは、第2繊維層24Aに含まれる捲縮した潜在捲縮性繊維をはじめとする熱収縮性繊維(つまり収縮後の熱収縮性繊維)を含有しないことが好ましい。
凸部21は、その肌対向面側(上側)が第1繊維層23Aの構成繊維で主として構成され、且つその非肌対向面側(下側)が第2繊維層24Aの構成繊維で主として構成されている。そして、図3(b)に示す如き、凸部21の頂部と凹部22(接合部)とを含む面での縦断面視において、第2繊維層24Aが第1繊維層23Aの側へ向けて隆起して第1繊維層23A内に入り込んでいる。これに加えて、同断面視において、第1繊維層23Aの非肌対向面側(下側)の面と第2繊維層24Aの肌対向面側(上側)の面とが密着している。更に、凸部21の内部は、両繊維層23A,24Aの構成繊維で満たされている。凸部21がこのような構造になっていることで、表面シート2Aの肌対向面側に経血等の体液が排泄された場合、その体液は、凸部21の内部を素早く透過することができる。この理由は、第2繊維層24Aの構成繊維が第1繊維層23Aへ向けて隆起して第1繊維層23Aの構成繊維を言わば押し上げる状態になっているので、第1繊維層23Aと第2繊維層24Aとの密着が良好になるからである。また、このような構造の凸部21は、吸収体に一旦吸収された液の逆戻りの防止にも効果的である。
凸部21は、それに含まれる熱融着性繊維が、略アーチ状の上に凸の滑らかな曲線を描くような形態になっている。この滑らかな曲線は、熱融着性繊維の原料である熱伸長性繊維が、熱処理によって、上に凸の曲線を描くように伸長することで形成される。そしてこの伸長によって、第2繊維層24Aの構成繊維が第1繊維層23A内に入り込む。
第1繊維層23A及び第2繊維層24Aの坪量は、それらの層の厚みとの関係で、各層の繊維密度が、第1繊維層23A<第2繊維層24Aとなるような値とすることが好ましい。具体的には、第1繊維層23Aの坪量は、好ましくは10g/m2以上、更に好ましくは20g/m2以上、そして、好ましくは50g/m2以下、更に好ましくは40g/m2以下、より具体的には、好ましくは10〜50g/m2、特に20〜40g/m2である。また第2繊維層24Aの坪量は、好ましくは20g/m2以上、更に好ましくは30g/m2以上、そして、好ましくは60g/m2以下、更に好ましくは50g/m2以下、より具体的には、好ましくは20〜60g/m2、特に30〜50g/m2である。
前述した表面シート2Aの構成をまとめると次のようになる。即ち、肌対向面側に第1繊維層23Aを有し、これに隣接する第2繊維層24Aを非肌対向面側に有し、前記第1繊維層23Aは、芯鞘型の熱融着性複合繊維を含み、該熱融着性複合繊維は、熱伸長性繊維が熱処理によって伸長したものからなり、前記第2繊維層24Aは、捲縮性繊維を含む繊維層からなり、前記第1繊維層23Aと前記第2繊維層24Aとが多数の接合部(凹部22)によって接合されており、多数の該接合部に囲まれて該第1繊維層23Aの肌対向面側に隆起する凸部21が、該第1繊維層23A側の肌対向面側に多数形成されており、前記凸部21において、前記第2繊維層24Aは前記第1繊維層23Aの肌対向面側へ向けて隆起して該第1繊維層23A内に入り込んでおり、前記凸部21において、前記第2繊維層24Aの非肌対向面側の面が平坦である。
表面シート2Aは、下記工程1〜4に従って製造することができる。下記工程中、「上層」は第1繊維層23A又はその前駆体に相当し、「下層」は第2繊維層24A又はその前駆体に相当する。表面シート2Aは、例えば特開2012−5701号公報に記載の製造方法に従って製造することができる。
・工程1:熱伸長性の芯鞘繊維を原料として用いてカード法でウェブを形成する。
・工程2:前記ウェブをエアスルー方式の熱風処理に付して前記熱伸長性の芯鞘繊維の交点を熱融着させると共に、該熱伸長性の芯鞘繊維を熱伸長させないか又は再度の熱伸長の余地を残した状態で該熱伸長性の芯鞘繊維を伸長させてなる上層不織布を形成する。
・工程3:前記上層不織布の形成とは別に、潜在捲縮性繊維を原料として用いてカード法で下層ウェブを形成し、前記上層不織布と該下層ウェブとを重ね合わせて、両者を複数の接合部によって接合して積層ウェブを得る。
・工程4:前記積層ウェブをエアスルー方式の熱風処理に付して、前記下層ウェブに含まれる前記潜在捲縮性繊維を捲縮させるとともに、前記上層不織布中の前記熱伸長性の芯鞘繊維を熱伸長させる。
図5に示す表面シート2B(表面層)においては、肌対向面側の凹凸形状を構成する凸部21が中空である。更に説明すると、表面シート2Bは、単層構造の不織布からなるもので、凹部22以外の部分において着用者の肌側に向けて突出しており凸部21を形成している。凹凸形状を構成する凸部21と凹部22とは、交互に且つ一方向に列をなすように配置されている。凸部21内には、表面シート2Bの構成繊維が実質的に存在していない空間25が形成されている。凹部22は、実質的に凹凸の無い平坦状である。表面シート2Bは、公知のエンボス加工を利用して形成することができ、例えば、表面シート原反(凹凸の無い平坦状のシート)を、周面が凹凸形状となっている第1ロールと該第1ロールの凹凸形状に対して噛み合い形状となっている凹凸形状を周面に有する第2ロールとの噛み合わせ部に噛み込ませて、該表面シート原反を凹凸賦形することにより得られる。表面シート2Bの坪量は、好ましくは10g/m2以上、更に好ましくは15g/m2以上、そして、好ましくは40g/m2以下、更に好ましくは30g/m2以下、より具体的には、好ましくは10〜40g/m2、更に好ましくは15〜30g/m2である。
図6に示す表面シート2C(表面層)は、着用者の肌に近い側に位置する第1繊維層23Cと、着用者の肌から遠い側に位置する第2繊維層24Cとを有する2層構造の不織布であり、両繊維層23C,24Cが、部分的に形成された多数の接合部(凹部22)によって厚さ方向に一体化されており、第1繊維層23Cにおける、複数の該接合部(凹部22)どうし間に位置する部分が凸状に隆起して、肌対向面側の凹凸形状の凸部21を形成している。第1繊維層23Cと第2繊維層24Cとは、互いに組成が異なっていても良く、同じであっても良い。
第1繊維層23Cは、前記表面シート2B(図4参照)と同様に構成されており、その一面(表面シート2Cの肌対向面を形成する面)に凸部21と凹部22とによる凹凸形状を有しているのに対し、第2繊維層24Cは、そのような凹凸形状を有しておらず、実質的に凹凸の無い平坦状であり、そのため、表面シート2Cの非肌対向面(中間シート10との対向面)は、凹凸の無い平坦面となっている。第1繊維層23Cと第2繊維層24Cとは、複数の凹部22それぞれにおいて、融着、接着剤等の公知の接合手段により部分的に接合されており、各凹部22は、第1繊維層23Cと第2繊維層24Cとの接合部となっている。第1繊維層23Cは、凹部22(接合部)以外の部分において着用者の肌側に向けて突出して中空の凸部21を形成しており、凸部21内には空間25が形成されている。表面シート2Cを構成する両繊維層23C,24Cの坪量は、それぞれ、表面シート2Bの坪量と同じに設定することができる。
図7に示す表面シート2D(表面層)は、単層構造の不織布からなるもので、図7(a)に示すように、一方向(ナプキン1の縦方向X)に延びる畝部26(凸部)及び溝部27(凹部)を有し、畝部26及び溝部27が表面シート2Dの肌対向面側の凹凸形状を構成している。畝部26と溝部27とは、それらの延びる方向である縦方向Xと直交する横方向Yに交互に配されている。畝部26は、表面シート2Dにおける相対的に厚みの大きな部位から構成されており、溝部36は、表面シート2Dにおける相対的に厚みの小さな部位から構成されている。その結果、畝部26の実質厚みは、溝部27の厚みよりも大きい。ここで実質厚みとは、表面シート2Dの裏面から各々の最上部までの長さ(見掛け厚み)ではなく、表面シート2Dの構成繊維が存在する部分の長さを意味する。
図7(b)に示すように、畝部26及び溝部27は、それぞれ、表面シート2Dの構成繊維で満たされており、中実である。但し、畝部26と溝部27とは繊維量が異なっており、溝部27に比べて畝部26の方が繊維量が実質的に多い。畝部26は、図7(b)に示す如き、その延びる方向と直交する方向(ナプキン1の横方向Y)に沿う断面において、肌対向面側(図中の上面側)は、上側(着用者の肌側)に凸の滑らかな曲線を描く輪郭となっており、非肌対向面側(図中の下面側)は、下側(中間シート10側)に凸の滑らかで且つ緩やかな曲線を描く輪郭となっている。畝部26における肌対向面側は、非肌対向面側よりも高く盛り上がっており、これが周期的に連続している。これによって表面シート2Dの肌対向面側は、横方向Yに沿って波形形状になっている。従って、表面シート2Dの肌対向面側が着用者の肌と接する場合には、畝部26の頂部及びその近傍の領域が部分的に接触することになり、全面接触に起因する蒸れによるべたつき感や、こすれに起因する刺激感が低減される。また、着用者から排泄された液が、着用者の肌に付着し難くなる。
尚、畝部26の断面形状は図7(b)に示す如き形状に限られず、例えば、図7(c)に示すように、非肌対向面側が、肌対向面側に凸の滑らかで且つ緩やかな曲線を描く輪郭となっている形状、あるいは図7(d)に示すように、非肌対向面側が平坦である形状もある。
畝部26(凸部)の坪量は、好ましくは30g/m2以上、更に好ましくは40g/m2以上、そして、好ましくは150g/m2以下、更に好ましくは100g/m2以下、より具体的には、好ましくは30〜150g/m2、更に好ましくは40〜100g/m2である。
溝部27(凹部)の坪量は、好ましくは10g/m2以上、更に好ましくは15g/m2以上、そして、好ましくは70g/m2以下、更に好ましくは50g/m2以下、より具体的には、好ましくは10〜70g/m2、更に好ましくは15〜50g/m2である。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、ナプキン1は、ウイング部7を有しないものであっても良い。また、吸収性本体5の非肌対向面(裏面シート3の非肌対向面)に、該本体5(ナプキン1)をショーツ等の着衣に固定する本体粘着部を設けても良い。本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンの他、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド、使い捨ておむつ等にも適用できる。前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
<1>
肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート、及び両シート間に介在された吸収体を具備し、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部を有する吸収性物品であって、
前記排泄部対向部に2種の香料成分を含み、そのうちの1種は、大気圧下で香気成分を大気中に蒸散し得る香料であり、他の1種は、水分と接触することによって香気成分を放出する香料前駆体であり、
前記香料と前記香料前駆体とは、前記吸収性物品の平面視において重なっている吸収性物品。
<2>
前記吸収性物品の厚み方向において、前記香料前駆体は前記香料よりも着用者の肌に近い部位に設けられている前記<1>記載の吸収性物品。
<3>
前記吸収体は、着用者の肌に近い側に位置する上層と、着用者の肌から遠い側に位置する下層とを有し、該上層に前記香料前駆体、該下層に前記香料がそれぞれ含まれている前記<2>記載の吸収性物品。
<4>
前記表面シートと前記吸収体との間に中間シートが介在され、該中間シートに前記香料前駆体、該吸収体に前記香料がそれぞれ含まれている前記<2>記載の吸収性物品。
<5>
前記中間シートは紙又は不織布である前記<4>記載の吸収性物品。
<6>
前記香料前駆体は、前記一般式(1)又は(2)で表されるケイ酸エステル化合物である前記<1>〜<5>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<7>
前記表面シートの肌対向面側が凹凸形状をなしている前記<1>〜<6>の何れか1つに吸収性物品。
<8>
前記表面シートの凹凸形状を構成する凹部は、エンボス加工によって形成されている前記<7>記載の吸収性物品。
<9>
前記表面シートの凹凸形状を構成する凸部は中実である前記<7>又は<8>記載の吸収性物品。
<10>
前記表面シートの凹凸形状を構成する凸部は中空である前記<7>又は<8>記載の吸収性物品。
<11>
前記表面シートの凹凸形状を構成する凸部は、縦方向に延びる畝部、該凹凸形状を構成する凹部は、縦方向に延びる凹部であり、該凹部と該凸部とが横方向に交互に配されて畝溝構造を形成している前記<7>〜<10>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<12>
前記裏面シートは透湿性を有する前記<1>〜<11>の何れか1つに記載の吸収性物品。<13>
前記香料前駆体の含有領域の面積は、前記香料の含有領域の面積に比して大きい前記<1>〜<12>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<14>
前記吸収体において、前記香料前駆体を含む前記上層に、該上層を厚み方向に貫通するスリット状の開口部が設けられている前記<3>〜<13>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<15>
前記吸収体は、該吸収体の外形を形成する主吸収体と、該主吸収体の一部に重ねて配され且つ該主吸収体より小型の補助吸収体とを有している前記<3>〜<14>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<16>
前記排泄部対向部より着用者の腹側に配される前方部、及び該排泄部対向部よりも着用者の背側に配される後方部を有し、
前記主吸収体は、平面視において角が丸みを帯びた略矩形形状で且つ前記前方部から前記排泄部対向部を経て前記後方部に亘って延びる1枚の吸収性シートからなり、
前記補助吸収体は、平面視において略矩形形状であり、前記排泄部対向部からその近傍の前記後方部に亘って配されている前記<15>記載の吸収性物品。
<17>
前記主吸収体は、1枚の吸収性シートを折り畳んで複数層の構造としたものである前記<15>又は<16>記載の吸収性物品。
<18>
前記吸収体における前記ケイ酸エステル化合物の含有量は0.25〜40g/m2である前記<6>〜<16>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<19>
前記吸収性物品が生理用ナプキンである前記<1>〜<18>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<20>
前記生理用ナプキンの縦方向の全長が30cm以上である前記<19>記載の吸収性物品。
1,1A 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 表面シート
21 凸部
22 凹部
23A,23C 第1繊維層
24A,24C 第2繊維層
26 畝部(凸部)
27 溝部(凹部)
3 裏面シート
4 吸収体
40 主吸収体
41 補助吸収体
401,402 吸収性シート
42 中高部
5 吸収性本体
7 ウイング部
8 後方フラップ部
9 中間シート
A 前方部
B 排泄部対向部
C 後方部
X 縦方向
Y 横方向

Claims (6)

  1. 肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート、及び両シート間に介在された吸収体を具備し、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部を有する吸収性物品であって、
    前記排泄部対向部に2種の香料成分を含み、そのうちの1種は、大気圧下で香気成分を大気中に蒸散し得る香料であり、他の1種は、水分と接触することによって香気成分を放出する香料前駆体であり、
    前記香料由来の香気と前記香料前駆体由来の香気とは異なっており、
    前記香料と前記香料前駆体とは、前記吸収性物品の平面視において重なっており、
    前記吸収性物品の厚み方向において、前記香料前駆体は前記香料よりも着用者の肌に近い部位に設けられている吸収性物品。
  2. 前記吸収体は、着用者の肌に近い側に位置する上層と、着用者の肌から遠い側に位置する下層とを有し、該上層に前記香料前駆体、該下層に前記香料がそれぞれ含まれている請求項記載の吸収性物品。
  3. 前記表面シートと前記吸収体との間に中間シートが介在され、該中間シートに前記香料前駆体、該吸収体に前記香料がそれぞれ含まれている請求項記載の吸収性物品。
  4. 前記香料前駆体は、下記一般式(1)又は(2)で表されるケイ酸エステル化合物である請求項1〜の何れか一項に記載の吸収性物品。

    Figure 0006262510
    (式中、R1は置換基としてフェニル基、水酸基又はアルコキシ基を有していても良い総炭素数4〜22の脂肪族炭化水素基を示し、R2は機能性アルコールから水酸基1個を除いた残基を示し、複数個のR2は同一でも異なっていても良い。R3は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
  5. 前記表面シートの肌対向面側が凹凸形状をなしている請求項1〜の何れか一項に吸収性物品。
  6. 前記裏面シートは透湿性を有する請求項1〜の何れか一項に記載の吸収性物品。
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