以下、本発明の一実施形態について説明する。下記の実施形態1〜3は、本発明の様々な実施形態の一部に過ぎない。また、下記の実施形態1〜3は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(実施形態1)
実施形態1のセンサ装置1及び照明器具10について、図1〜図8を参照して説明する。本実施形態の照明器具10は、例えば建物に設けられた階段の踊り場の壁面に設置される。なお、以下の説明では特に断りのない限り、図1〜図8に示す矢印により、センサ装置1及び照明器具10の上下、左右及び前後の各方向を規定する。すなわち、照明器具10が踊り場の壁面に設置された状態を正面から見て、鉛直方向(上下方向)を上下方向とし、左右方向を左右方向とし、壁面の法線方向を前後方向とする。ただし、これらの方向はセンサ装置1及び照明器具10の使用方向を規定する趣旨ではない。また、図1〜図8に示す矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。
本実施形態の照明器具10は、図1に示すように、光源ユニット11と、器具本体12と、センサ取付台13と、センサ装置1とを備えている。
光源ユニット11は、カバー111と、光源112とを備えている。
カバー111は、透光性を有する合成樹脂(例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等)により、後面が開口した箱状に形成されている。カバー111は、左右方向に長い長尺状である。
光源112は、左右方向に長い平板状の実装基板を有している。実装基板の一面(前面)には、複数のLED(発光ダイオード)が左右方向(実装基板の長手方向)に沿って等間隔に実装されている。
これらのカバー111及び光源112は、取付部材に取り付けられ、取付部材を介して器具本体12に取り付けられる。取付部材は、左右方向に長い平板状の底板と、底板の幅方向(上下方向)における両端から後方に突出する一対の側板とで、左右方向から見た形状がU字状に形成されている。光源112は、取付部材の底板の一面(前面)に取り付けられる。カバー111は、光源112を覆うようにして取付部材に取り付けられる。取付部材には、制御ユニットと電源ユニットとが更に取り付けられる。
制御ユニットは、電源から電力が供給されることで動作し、センサ装置1から入力される検知信号(後述する)に応じて、光源112の点灯・消灯を制御するように構成されている。制御ユニットは、例えば、センサ装置1からの検知信号が入力されている状態では、光源112を点灯させるように指示する制御信号を電源ユニットに出力することにより、光源112を点灯させる。また、制御ユニットは、センサ装置1からの検知信号が入力されなくなってから所定の待機時間(例えば、数十秒)が経過すると、光源112を消灯又は調光させるように指示する制御信号を電源ユニットに出力することにより、光源112を消灯又は調光させる。
ここに、「点灯」とは、100%の調光レベルで光源112を点灯させることをいい(つまり全点灯)、「調光」とは、0%よりも大きく、かつ100%よりも小さい調光レベルで光源112を点灯させることをいう。つまり、本実施形態では、制御ユニットに検知信号が入力されなくなると、光源112が暗くなるように構成されている。
電源ユニットは、電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を光源112に供給するように構成されている。また、電源ユニットは、制御ユニットからの制御信号に応じて、光源112に供給する直流電力を増減するように構成されている。電源ユニットは、例えば、制御ユニットから点灯を指示する制御信号が入力されると、光源112の点灯に必要な直流電力を光源112に供給する。また、電源ユニットは、制御ユニットから消灯を指示する制御信号が入力されると、光源112への直流電力の供給を停止する。
器具本体12は、例えば金属板が曲げ加工されることで、前面が開口した長尺の箱状に形成されている。器具本体12は、左右方向に長い平板状の背板と、背板の幅方向(短手方向)における両端からそれぞれ前方に突出する上板及び下板と、背板の長手方向における両端からそれぞれ前方に突出する左側板及び右側板とを有している。器具本体12の背板には、複数の孔が左右方向に沿って設けられている。そして、器具本体12は、踊り場の壁面から突出する複数のアンカーボルトをそれぞれ対応する孔に通した後、各アンカーボルトにナットを締め付けることで、壁面に固定される。
センサ装置1は、例えばミリ波帯の電波を媒体として物体の移動を検知するように構成された電波センサである。本実施形態では、センサ装置1は、周波数が24〔GHz〕の電波を媒体として物体の移動を検知する。また、本実施形態では、センサ装置1が検知対象とする物体は、例えば階段への出入口に設けられた扉、及び扉を開けて踊り場に出入りする人である。
ここに、本実施形態では、センサ装置1は、ドップラー効果を応用したドップラー式の電波センサであり、センサ素子6(図6参照)から送信される電波(送信波)と、センサ素子6で受信する電波(反射波)との周波数差を利用して物体の移動を検知する。センサ装置1は、図1に示すように、センサ取付台13を介して器具本体12の下板の左右方向における中央に取り付けられる。言い換えると、器具本体12は、センサ取付台13を介してセンサ装置1を保持するように構成されている。
センサ装置1は、図2及び図3に示すように、ケース4と、ケース4に収納される基板5とを備えている。ケース4は、例えばポリスチレン(polystyrene)、ポリプロピレン(polypropylene)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)等の合成樹脂により形成されている。ケース4は、基板5を支持する支持体2と、支持体2に支持された基板5を覆うように支持体2に取り付けられるカバー3とを含む。
支持体2は、後面が開口した箱状である。支持体2は、図4A〜図4Dに示すように、対向部21と、第1側壁部22と、第2側壁部23と、第3側壁部24と、第4側壁部25とを有している。対向部21は、左右方向に長い平板状である。第1側壁部22及び第2側壁部23は、対向部21の上下方向(短手方向)の両端から後方に突出している。第3側壁部24及び第4側壁部25は、対向部21の左右方向(長手方向)の両端から後方に突出している。
対向部21の前面における外周縁には、前方に突出する複数(図示例では7つ)の支持部211が周方向に沿って間隔を空けて設けられている(図4B参照)。複数の支持部211の各々の先端(前端)には段差が設けられており、これらの段差に基板5の周縁部を載せることにより支持体2に基板5が支持される。また、対向部21の下側かつ左側の位置には、前後方向(対向部21の厚み方向)に貫通する矩形の露出孔212が設けられている。この露出孔212は、支持体2に基板5を支持させた状態において、基板5の第2面52に実装されたコネクタ7(後述する)と対向する位置に設けられている(図3参照)。したがって、支持体2に基板5を支持させた状態では、コネクタ7は露出孔212内に配置される。
第1側壁部22の左側には、第1引掛部221が設けられている。第1引掛部221は、前後方向に長い矩形の溝である。支持体2にカバー3が取り付けられた状態では、カバー3の第1側面部32に設けられた第1突起321(後述する)が第1引掛部221の前端縁に引っ掛かる。
第2側壁部23には、小開口部231aと大開口部231bとで構成される第1開口部231が設けられている。小開口部231aは、上下方向から見た形状が矩形状であり、対向部21に設けられた露出孔212と連続するように形成されている。大開口部231bは、上下方向から見た形状が矩形状であり、上下方向において小開口部231aと連続するように形成されている。大開口部231bは、小開口部231aよりも開口面積が大きい。小開口部231aの右側には、第2引掛部232と解除部233とが左右方向に並ぶように設けられている。第2引掛部232は、後方から見た形状が矩形の溝であり、後端部において大開口部231bと連続するように形成されている。支持体2にカバー3が取り付けられた状態では、カバー3の第2側面部33に設けられた第2突起332(後述する)が第2引掛部232の前端縁に引っ掛かる。解除部233は、左右方向に沿った断面形状が三角状の差込溝2330であり、支持体2からカバー3を取り外す際に後述の第2解除用治具9B(解除用治具)が差し込まれる。
カバー3は、支持体2と同様に、後面が開口した箱状である。カバー3は、図5A〜図5Dに示すように、底面部31と、第1側面部32と、第2側面部33と、第3側面部34と、第4側面部35とを有している。底面部31は、左右方向に長い平板状である。第1側面部32及び第2側面部33は、底面部31の上下方向(短手方向)の両端から後方に突出している。第3側面部34及び第4側面部35は、底面部31の左右方向(長手方向)の両端から後方に突出している。
底面部31の後面における外周縁には、後方に突出する複数(図示例では6つ)の支持突起311が周方向に沿って間隔を空けて設けられている(図5C参照)。これら複数の支持突起311は、支持体2にカバー3が取り付けられた状態において基板5の第1面51に接触し、支持体2の複数の支持部211とともに基板5を支持するように構成されている(図6参照)。また、底面部31の後面における中央寄りの位置には、左右方向に並べて配置された一対の突台部312が設けられている。これら一対の突台部312は、支持体2にカバー3が取り付けられた状態において基板5の第1面51に実装されたセンサ素子6と対向する(図6参照)。
また、底面部31の後面における一対の突台部312の右側には、前後方向(底面部31の厚み方向)に凹む凹部314が設けられている。凹部314は、上下方向に長い矩形状であり、支持体2にカバー3が取り付けられた状態において、基板5に実装された赤外線受光素子8(後述する)と対向する。さらに、底面部31の後面には、前後方向から見た形状が十字状であり、後方に突出する突起部313が設けられている。突起部313は、支持体2にカバー3が取り付けられた状態において、基板5の第2面52に実装されたコネクタ7と前後方向に重なる。このように、突起部313の形状を十字状にすることにより、突起部の形状が角柱状である場合に比べて、強度を保ちながらも成形に必要な樹脂の量を少なくすることができる。
第1側面部32は、第1突起321を有している。第1突起321は、第1側面部32の内周面(下面)における左側で、かつ前後方向の中央寄りに設けられている。第1突起321は、支持体2にカバー3が取り付けられた状態で、支持体2の第1側壁部22に設けられた第1引掛部221の前端縁に引っ掛けられる。
第2側面部33は、第2開口部331と、第2突起332とを有している。第2開口部331は、上下方向から見た形状が矩形状であり、支持体2に設けられた大開口部231bと開口面積がほぼ等しい。したがって、支持体2にカバー3が取り付けられた状態では、第1開口部231の大開口部231bと第2開口部331とが上下方向において重なる。第2突起332は、第2側面部33の内周面(上面)における右寄りの後端部に設けられている。第2突起332は、支持体2にカバー3が取り付けられた状態で、支持体2の第2側壁部23に設けられた第2引掛部232の前端縁に引っ掛けられる。ここに、第1突起321と第2突起332とは、前後方向において同じ位置で、かつ底面部31の中心に対して点対称な位置に設けられている。
第3側面部34及び第4側面部35の各々の後端部には、外向き(左向き又は右向き)に突出する矩形の取付片341,351が設けられている。これらの取付片341,351は、センサ装置1をセンサ取付台13に取り付ける際に用いられる。
基板5は、図3に示すように、左右方向に長い平板状のプリント配線板であり、第1面51と第2面52とを有している。基板5の前面となる第1面51には、センサ素子6と赤外線受光素子8とが左右方向に並べて実装されている。センサ素子6は、第1面51の左右方向における中央寄りに位置し、赤外線受光素子8は、第1面51の左右方向における右寄りに位置している(図6参照)。基板5の後面となる第2面52には、外部からの給電を受けるためのコネクタ7が実装されている。コネクタ7は、第2面52の左右方向における左側で、かつ下側に位置している(図3参照)。
センサ素子6は、電波を送信する送信アンテナと、電波を受信する受信アンテナとを有している。このように、送信アンテナと受信アンテナとが一体に構成されている場合、送信アンテナと受信アンテナとの電界結合が強く、送信アンテナから送信される電波が受信アンテナに直接入射する可能性がある。本実施形態では、送信アンテナと受信アンテナとの電界結合を弱めるために、カバー3の底面部31においてセンサ素子6と対向する位置に一対の突台部312を設けている。この場合、一対の突台部312の各々と、送信アンテナ又は受信アンテナとの電界結合が強くなることで、送信アンテナと受信アンテナとの電界結合を弱めることができる。ただし、この場合には、比誘電率が相対的に低い合成樹脂(例えばABS樹脂など)によりカバー3が形成されていることが好ましい。
コネクタ7は、外部からの給電を受けるための受電側コネクタであり、電線を介して外部電源に電気的に接続された給電側コネクタが電気的に接続されることで給電される。コネクタ7は、センサ装置1が組み立てられた状態において、支持体2の対向部21に設けられた露出孔212内に配置される。したがって、作業者は、露出孔212を通して露出するコネクタ7に対して給電側コネクタを接続することになる。
赤外線受光素子8は、施工者等によって操作されるリモコンからの赤外線信号を受信するように構成されている。赤外線信号には、センサ装置1の機能に関する設定内容(例えば、電波センサの受信感度等)が含まれている。本実施形態では、カバー3の底面部31において赤外線受光素子8と対向する部位に凹部314を設けることで、当該部位の厚みを薄くしており、これによりリモコンからの赤外線信号を受信しやすくなっている。
次に、センサ装置1の組立手順について説明する。支持体2の対向部21と基板5の第2面52とが対向するように基板5の向きを調整して基板5を支持体2に支持させる。このとき、基板5は、対向部21から突出する複数の支持部211が第2面52の周縁部に接触することによって、対向部21との間に間隔を空けた状態で支持体2に支持される。そして、支持体2にカバー3を取り付けることで、センサ装置1が組み立てられる。このとき、支持体2に設けられた第1開口部231とカバー3に設けられた第2開口部331とが同じ向き(下向き)となるようにした状態で、支持体2にカバー3が取り付けられる。
支持体2にカバー3が取り付けられた状態では、支持体2の第1側壁部22とカバー3の第1側面部32とが対向し、かつ支持体2の第2側壁部23とカバー3の第2側面部33とが対向している。また、支持体2にカバー3が取り付けられた状態では、第1開口部231の一部である大開口部231bと第2開口部331とが上下方向において重なっている(図2参照)。さらに、支持体2にカバー3が取り付けられた状態では、第2突起332が第2引掛部232の前端縁に引っ掛かり、第1突起321が第1引掛部221の前端縁に引っ掛かっている。また、支持体2にカバー3が取り付けられた状態では、基板5は、支持体2側の複数の支持部211とカバー3側の複数の支持突起311とで前後方向に挟まれており、これにより基板5がケース4に保持される。
図6は、基板5を支持する支持体2にカバー3が取り付けられた状態の断面図である。この状態では、基板5は、支持体2に設けられた複数の支持部211とカバー3に設けられた複数の支持突起311とで保持されている。また、この状態では、基板5の第2面52に実装されたコネクタ7は、支持体2の対向部21に設けられた露出孔212内に配置されている。さらに、この状態では、カバー3の底面部31から突出する突起部313は、基板5の第1面51に接触している。
ところで、基板5に実装されたコネクタ7には、上述したように、外部電源に電気的に接続された給電側コネクタが接続される。このとき、本実施形態の支持体2及びカバー3のように、前後方向の寸法(深さ寸法)が大きい場合、コネクタ7までの距離が長く、作業性がよくないため、給電側コネクタとコネクタ(受電側コネクタ)7との間で接触不良が起こる可能性がある。そこで、本実施形態では、上述したように、支持体2に第1開口部231を設け、かつカバー3に第2開口部331を設けている。これらの第1開口部231及び第2開口部331を設けることで、コネクタ7までの距離を短くすることができ、その結果、給電側コネクタの接続作業性が低下するのを抑えることができ、さらに給電側コネクタとコネクタ7との間の接触不良も抑えることができる。
また、本実施形態のセンサ装置1では、前後方向においてコネクタ7と重なる位置に突起部313が設けられている。そのため、コネクタ7に給電側コネクタを接続する際に基板5に加えられる力を突起部313により支えることができ、その結果、基板5が前後方向(厚み方向)に撓むのを抑えることができる。
ここで、本実施形態のセンサ装置1では、センサ装置1を組み立てた後で、例えば基板5の不具合によって基板5を交換する場合が想定される。この場合、支持体2からカバー3を取り外して、基板5を交換しなければならない。以下、支持体2からカバー3を取り外す方法について図7A及び図7Bを参照して説明する。図7A及び図7Bは、本実施形態のセンサ装置1の要部を示す断面図である。
支持体2にカバー3が取り付けられた状態では、第1側壁部22の第1引掛部221に第1側面部32の第1突起321が引っ掛かっている(以下、この状態を係止状態という。)。また、支持体2にカバー3が取り付けられた状態では、第2側壁部23の第2引掛部232に第2側面部33の第2突起332が引っ掛かっている。
最初に、施工者は、第1側壁部22の第1引掛部221に第1解除用治具9Aを差し込む(図7A参照)。第1解除用治具9Aは、例えばマイナスドライバである。第1引掛部221の長手方向に沿って第1解除用治具9Aが前向き(図7A中の矢印A1の向き)に差し込まれることで、第1側壁部22と第1側面部32とが互いに離れる方向に撓み、その結果、第1突起321と第1引掛部221との係止状態が解除される。本実施形態では、上述のステップが取り外し方法における1つ目のステップである。
次に、施工者は、第1引掛部221に第1解除用治具9を差し込んだ状態で、第2側壁部23と第2側面部33との間に第2解除用治具9Bを差し込む(図7B参照)。第2解除用治具9Bは、例えば、第1解除用治具9Aと同じマイナスドライバである。第2側壁部23と第2側面部33との間に第2解除用治具9Bが差し込まれることで、第2突起332と第2引掛部232との係止状態が解除される。本実施形態では、上述のステップが取り外し方法における2つ目のステップである。
そして最後に、施工者は、第2側壁部23の解除部233の後端に第2解除用治具9Bの先端を引っ掛けた状態で、第2側面部33から離れる向き(図7B中の矢印A2の向き)に第2解除用治具9Bを回転させる。このとき、第2解除用治具9Bから第2側面部33に作用するモーメントによって支持体2が回転し、その結果、カバー3から支持体2が取り外される。本実施形態では、上述のステップが取り外し方法における3つ目のステップである。
本実施形態のセンサ装置1によれば、上述のように、第1解除用治具9A及び第2解除用治具9Bを用いることにより、支持体2からカバー3を容易に取り外すことができる。特に、本実施形態のように、解除部233が差込溝2330である場合には、差込溝2330に差し込まれた第2解除用治具9Bの先端を回転中心として回転させることにより、支持体2からカバー3を容易に取り外すことができる。
以下、実施形態1の照明器具10及びセンサ装置1の変形例について説明する。
上述の実施形態1で説明した照明器具10は一例であって、照明器具は、例えば停電等の非常時に点灯する非常用光源を一体に備えた階段通路誘導灯であってもよい。
上述の実施形態1で説明した支持体2は一例であって、支持体2は、例えば図8に示すように第1側壁部22及び第2側壁部23のみであってもよい。言い換えると、第3側壁部24及び第4側壁部25が省略されていてもよい。つまり、支持体2は、少なくとも第1側壁部22と第2側壁部23とを有していればよい。
また、上述の実施形態1では、カバー3の第1側面部32に第1突起321が設けられ、支持体2の第1側壁部22に第1突起321が引っ掛かる第1引掛部221が設けられているが、逆であってもよい。つまり、支持体2の第1側壁部22に第1突起が設けられ、カバー3の第1側面部32に第1引掛部が設けられていてもよい。また、第2突起及び第2引掛部についても、支持体2の第2側壁部23に第2突起が設けられ、カバー3の第2側面部33に第2引掛部が設けられていてもよい。
さらに、上述の実施形態1では、第1解除用治具9A及び第2解除用治具9Bがマイナスドライバである場合を例として説明したが、第1解除用治具9A及び第2解除用治具9Bはマイナスドライバに限らない。第1解除用治具9Aについては、第1側壁部22の第1引掛部221に差し込むことで、第1突起321と第1引掛部221との係止状態が解除されるようになっていればよく、例えば針金等であってもよい。また、第2解除用治具9Bについては、第2側壁部23の解除部233に先端を引っ掛けた状態で回転させることにより、第2突起332と第2引掛部232との係止状態が解除され、かつ支持体2がカバー3から外れるようになっていればよい。
また、上述の実施形態1では、第1突起321が引掛けられる第1引掛部221に第1解除用治具9Aを差し込むように構成されているが、例えば第1解除用治具9Aが差し込まれる解除用の溝が、第1引掛部221とは別に設けられていてもよい。
(実施形態2)
実施形態2のセンサ装置1について、図9A及び図9Bを参照して説明する。上述の実施形態1では、支持体2からカバー3を取り外す際に2つの第1解除用治具9A及び第2解除用治具9Bを用いている。これに対して、本実施形態では、第2解除用治具9Bの代わりに、カバー3の第2側面部33に設けられた摘み片3330を用いて、支持体2からカバー3を取り外すように構成されている。なお、それ以外の構成については実施形態1と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のセンサ装置1は、ケース4と、基板5とを備えている。ケース4は、支持体2と、カバー3とを含む。
カバー3は、図9A及び図9Bに示すように、第2突起332と、解除部333とを有している。第2突起332は、第2側面部33の内周面(第2側壁部23との対向面)から上向き(第2側壁部23に近づく向き)に突出した三角状である。解除部333は、第2側面部33の後端縁(図9A中の上端縁)から後方に突出する板状の摘み片3330である。
第2側壁部23は、図9A及び図9Bに示すように、第2引掛部232を有している。第2引掛部232は、左右方向に沿った断面形状が三角状の溝である。支持体2にカバー3が取り付けられた状態では、第2引掛部232の前端縁に第2突起332が引っ掛かっている(図9A参照)。
次に、支持体2からカバー3を取り外す手順について、図9A及び図9Bを参照して説明する。なお、支持体2にカバー3が取り付けられた状態では、第2側壁部23の第2引掛部232の前端縁に、第2側面部33の第2突起332が引っ掛かっている(図9A参照)。
最初に、施工者は、第1側壁部22に設けられた第1引掛部221に第1解除用治具9Aを差し込んで、第1側壁部22と第1側面部32とを互いに離れる向きに撓ませる。これにより、第1突起321と第1引掛部221との係止状態が解除される。
次に、施工者は、第1解除用治具9Aにより第1突起321と第1引掛部221との係止状態を解除した状態で、第2側面部33の摘み片3330を下向き(図9A中の矢印A3の向き)に引っ張り、第2側壁部23から離れる向きに第2側面部33を撓ませる。これにより、第2突起332と第2引掛部232との係止状態が解除される。
そして最後に、施工者は、第1突起321と第1引掛部221との係止状態、及び第2突起332と第2引掛部232との係止状態が解除された状態で、支持体2を後方(図9B中の矢印A4の向き)に引っ張る。これにより、支持体2からカバー3が取り外される。
本実施形態のセンサ装置1によれば、摘み片3330によって第2側壁部23から離れる向きに第2側面部33を撓ませるだけで、第2突起332と第2引掛部232との係止状態を解除することができる。そのため、支持体2の第2側壁部23に設けられた解除部233に第2解除用治具9Bを差し込む場合に比べて、作業性が更に向上するという利点がある。
以下、実施形態2のセンサ装置1の変形例について説明する。
上述の実施形態2では、摘まみ片3330が第2側面部33に設けられている場合を例として説明したが、摘み片は第2側壁部23に設けられていてもよい。
また、上述の実施形態2で説明した第2突起332及び第2引掛部232の形状は一例であって、第2側壁部23と第2側面部33とが引っ掛かるようになっていれば他の形状であってもよい。
さらに、本実施形態で説明した構成は、実施形態1の変形例とも、適宜組み合わせて適用可能である。
(実施形態3)
実施形態3のセンサ装置1及び取り外し用治具14について、図10を参照して説明する。上述の実施形態1では、別々に設けられた2つの第1解除用治具9A及び第2解除用治具9Bを用いて、支持体2からカバー3を取り外す場合を例として説明した。これに対して、本実施形態では、第1解除用治具と第2解除用治具とが一体に形成された取り外し用治具14を用いて、支持体2からカバー3を取り外すように構成されている。なお、それ以外の構成については実施形態1と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のセンサ装置1は、ケース4と、基板5とを備えている。ケース4は、支持体2と、カバー3とを含む。本実施形態のセンサ装置1では、図10に示すように、取り外し用治具14を用いて支持体2からカバー3を取り外す。
取り外し用治具14は、例えば鉄などの金属材料により左右方向から見た形状がU字状に形成されている。取り外し用治具14は、第1差込片141と、第2差込片142と、連結片143とを有している。
第1差込片141は、前後方向に長い丸棒状である。第1差込片141の外径寸法は、第1側壁部22に設けられた第1引掛部221の上下寸法(深さ寸法)よりも大きい。そのため、第1引掛部221に第1差込片141を差し込むことにより、第1側壁部22及び第1側面部32を互いに離れる方向に撓めることができ、その結果、第1突起321と第1引掛部221との係止状態を解除することができる。ここで、第1差込片141は、実施形態1で説明した第1解除用治具9Aに相当する。
第2差込片142は、第1差込片141と同様に、前後方向に長い丸棒状である。第2差込片142の先端(前端)には、円錐状の引掛突起1421が一体に設けられている。この引掛突起1421は、第2側壁部23と第2側面部33との間に差し込まれ、第2側壁部23に設けられた解除部233の後端縁に引っ掛けられる。第2差込片142は、第1差込片141よりも短い。第2差込片142の外径寸法は、第2側壁部23と第2側面部33との間に第2差込片142が差し込まれた状態で、第2突起332と第2引掛部232との係止状態が解除される寸法である。ここで、第2差込片142は、実施形態1で説明した第2解除用治具9Bに相当する。
連結片143は、第1差込片141と第2差込片142とを連結する。連結片143の長さ寸法は、支持体2の上下方向の寸法とほぼ同じである。
次に、取り外し用治具14を用いて、支持体2からカバー3を取り外す手順について説明する。
施工者は、支持体2の第1側壁部22に設けられた第1引掛部221に取り外し用治具14の第1差込片141を差し込む。このとき、第1側壁部22と第1側面部32とが互いに離れる向きに撓むことで、第1突起321と第1引掛部221との係止状態が解除される。
続けて、施工者は、第2側壁部23と第2側面部33との間に第2差込片142を差し込んで、第2差込片142の先端に設けられた引掛突起1421を解除部233の後端縁に引っ掛ける。このとき、第2側壁部23と第2側面部33とが互いに離れる向きに撓むことで、第2突起332と第2引掛部232との係止状態が解除される。
そして最後に、施工者は、連結片143を持って取り外し用治具14を後方(図10中の矢印A5の向き)に引き上げる。このとき、第1突起321と第1引掛部221との係止状態、及び第2突起332と第2引掛部232と係止状態が解除されているため、取り外し用治具14を上向きに引き上げることにより、カバー3から支持体2を取り外すことができる。
本実施形態の取り外し用治具14によれば、第1引掛部221に第1差込片141を差し込み、かつ解除部233に第2差込片142の引掛突起1421を引っ掛けた状態で、取り外し用治具14を引っ張ることで支持体2からカバー3を取り外すことができる。つまり、本実施形態の取り外し用治具14によれば、2つの第1解除用治具9A及び第2解除用治具9Bを用いて支持体2からカバー3を取り外す場合に比べて作業性を向上させることができる。
以下、実施形態3の取り外し用治具14の変形例について説明する。
上述の実施形態3では、取り外し用治具14を金属材料により形成しているが、取り外し用治具の材料は金属に限らず、第1側壁部22と第1側面部32との間、及び第2側壁部23と第2側面部33との間に差し込める強度を有していればよい。したがって、例えばアクリル樹脂のような高強度の合成樹脂により取り外し用治具14が形成されていてもよい。
また、上述の実施形態3では、第2差込片142の先端に設けられた引掛突起1421を解除部233の後端縁に引っ掛けているが、第2差込片142は、第1差込片141と同様に、第2引掛部232に差し込まれる構成であってもよい。
さらに、上述の実施形態3で説明した取り外し用治具14の形状は一例であって、第1差込片と第2差込片とが連結片を介して一体に構成されている形状であれば他の形状であってもよい。
また、本実施形態で説明した構成は、実施形態1の変形例又は実施形態2の変形例とも、適宜組み合わせて適用可能である。
以上述べた実施形態から明らかなように、第1の態様のセンサ装置1は、合成樹脂からなるケース4と、ケース4に収納される基板5とを備える。ケース4は、基板5を支持する支持体2と、支持体2に支持された基板5を覆うように支持体2に取り付けられるカバー3とを含む。支持体2は、基板5と対向する矩形の対向部21と、対向部21の対向する二辺から基板5と反対側に突出する第1側壁部22及び第2側壁部23とを有する。カバー3は、基板5と対向する矩形の底面部31と、底面部31の対向する二辺から基板5側に突出する第1側面部32及び第2側面部33とを有する。支持体2及びカバー3は、支持体2にカバー3が取り付けられた状態で、第1側壁部22と第1側面部32とが対向し、かつ第2側壁部23と第2側面部33とが対向するように構成されている。第1側壁部22と第1側面部32との一方には、他方側に突出する第1突起321が設けられている。第1側壁部22と第1側面部32との他方には、第1突起321が引っ掛けられる第1引掛部221が設けられている。第2側壁部23と第2側面部33との一方には、他方側に突出する第2突起332が設けられている。第2側壁部23と第2側面部33との他方には、第2突起332が引っ掛けられる第2引掛部232が設けられている。第2側壁部23と第2側面部33との一方は、解除部233を有する。解除部233は、第2突起332が第2引掛部232から外れるように第2側壁部23と第2側面部33との間隔を広げる向きの力を、第2側壁部23と第2側面部33との少なくとも一方に作用させるように構成されている。
第1の態様によれば、解除部233によって第2側壁部23と第2側面部33との間隔を広げる向きの力を、第2側壁部23と第2側面部33との少なくとも一方に作用させることができる。これにより、第2突起332と第2引掛部232との係止状態を解除することができるので、第1突起321と第1引掛部221との係止状態が解除されていれば、支持体2からカバー3を容易に取り外すことができる。
第2の態様のセンサ装置1では、第1の態様において、解除部233は、第2側壁部23と第2側面部33との一方に設けられ、解除用治具(第2解除用治具9B)が差し込まれる差込溝2330である。
第2の態様によれば、差込溝2330に差し込まれた解除用治具によって第2突起332と第2引掛部232との係止状態を解除することができる。ただし、この構成はセンサ装置の必須の構成ではなく、解除部は、例えば第2側壁部23と第2側面部33との一方を貫通する貫通孔で構成されていてもよい。
第3の態様のセンサ装置1では、第1の態様において、解除部333は、第2側壁部23と第2側面部33との一方に一体に形成された摘み片3330である。
第3の態様によれば、摘み片3330によって第2側壁部23と第2側面部33との間隔を広げることで第2突起332と第2引掛部232との係止状態を解除することができる。ただし、この構成を採用するか否かは任意である。
第4の態様の照明器具10は、センサ装置1と、センサ装置1を保持する器具本体12とを備えている。
第4の態様によれば、上述のセンサ装置1を用いているので、支持体2からカバー3を容易に取り外すことができる。
第5の態様の取り外し治具14は、センサ装置1に用いられる。この取り外し用治具14は、第1引掛部221に差し込まれる第1差込片141と、差込溝2330に差し込まれる解除用治具としての第2差込片142と、第1差込片141と第2差込片142とを連結する連結片143とを備えている。
第5の態様によれば、第1引掛部221に第1差込片141を差し込み、差込溝2330に第2差込片142を差し込むことにより、第1突起321と第1引掛部221との係止状態、及び第2突起332と第2引掛部232との係止状態が解除される。そして、第1突起321と第1引掛部221との係止状態、及び第2突起332と第2引掛部232との係止状態が解除された状態で連結片143を引っ張ることにより、カバー3から支持体2を取り外すことができる。すなわち、第5の態様によれば、支持体2からカバー3を容易に取り外すことができる。
第6の態様の取り外し方法は、上述のセンサ装置1において支持体2からカバー3を取り外すための方法である。この取り外し方法は、3つのステップを備えている。1つ目のステップは、第1側壁部22と第1側面部32との間隔が広がるように第1引掛部221に第1解除用治具9Aを差し込むステップである。2つ目のステップは、第2側壁部23と第2側面部33との間隔が広がるように第2側壁部23と第2側面部33との間に解除用治具としての第2解除用治具9Bを差し込むステップである。3つ目のステップは、差込溝2330の端縁に第2解除用治具9Bの先端を接触させて当該先端を回転中心として第2解除用治具9Bを回転させることでカバー3から支持体2を取り外すステップである。
第6の態様によれば、上記3つのステップを実行することにより、支持体2からカバー3を容易に取り外すことができる。