JP2018099706A - 鋼の連続鋳造鋳片および連続鋳造方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造鋳片および連続鋳造方法 Download PDF

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【課題】連続鋳造鋳片の厚み中央部におけるセンターポロシティーおよび中心偏析を無くすことが可能な鋼の連続鋳造鋳片および連続鋳造方法を提供する。【解決手段】所定の鋼成分を含有し、鋳片厚み中央部における円相当直径が0.1mm以上のポロシティー個数が10個/105mm3以下であり、鋳片厚み中央部におけるMnの偏析比が1.05以下である連続鋳造鋳片。鋳片が完全凝固した後であって、圧下直前の200mm位置の鋳片の表面温度が1000℃〜700℃、表面と中央の温度差が150〜400℃であり、圧下直後の200mm位置の鋳片の表面温度が800℃〜500℃、表面と中央の温度差が50〜200℃であり、クレータエンドと圧下ロールの距離が1m以内において、圧下率が5〜50%となるように鋳片を圧下し、圧下直後の冷却水密度を300リットル/m2分以上とすることにより製造できる。【選択図】図1

Description

本発明は、センターポロシティーおよび中心偏析のない鋼の連続鋳造鋳片、およびその連続鋳造鋳片を製造する連続鋳造方法に関する。
省エネルギーや生産性の向上の観点から構造物の大型化や高強度化への要求が厳しくなっており、構造物の素材となる極厚鋼板に対する品質の向上が、コストの低減とともに課題となっている。特にこれまで、極厚鋼板は、いったんインゴット鋳造法で製造された大型鋼塊を分塊圧延することで分塊スラブを作製し、これを圧延することで製造されてきた。しかし、この分塊スラブを用いる場合には、大型鋼塊の上部に設けられた押し湯部や、底部に生成する偏析、粗大な介在物や引け巣を除去する必要があり、歩留まりが著しく低下するという問題があった。また、鋼板を製造するには分塊圧延といった工程が必要であり、温度の低下した分塊スラブを加熱炉に入れて昇温する工程が必要になり、製造コストが大幅に増大するとともに製造工程も長くなり、生産効率の低下を招いていた。
この問題を解決するため、極厚鋼板用の鋳片の製造に連続鋳造法が適用されつつあり、歩留まりの向上および生産効率の向上が図られてきている。しかし、その場合、連続鋳造鋳片も極厚化するため、鋳片内部、特に中央部における凝固組織の粗大化にともない鋳片の中央部においてポロシティーの生成が著しくなる。このポロシティーの生成により鋳片全体の品質向上を阻害してしまうため、連続鋳造鋳片においてポロシティーを低減する技術について、従来から多くの提案がなされている。
特許文献1には、鍛造圧下時に連続鋳造スラブと鍛造金敷との接触長を一定値以上に大きく取れば、板厚中心部に大きな塑性歪みを加えられること、さらに、鍛伸方向を連続鋳造スラブの長手方向と幅方向の双方について実施することにより、連続鋳造スラブのセンターポロシティーの圧着効果と偏析帯の粉砕効果が同時に得られる技術が開示されている。極厚鋼板の製造方法を、連続鋳造スラブに全圧下率29〜66%の鍛造および圧延を施して極厚鋼板を製造するに当たり、前記連続鋳造スラブを1000℃以上に加熱した後、前記鍛造工程において圧下率20〜56%のクロス鍛造をB/H比を0.7〜1.0として行い、しかる後、圧延工程で仕上げ成形圧延を行うこととするものである。なお、Bは鍛造圧下時の鍛造金敷と連続鋳造スラブとの接触長であり、Hは鍛造圧下時の連続鋳造スラブ厚さである。しかしながら、連続鋳造スラブを鍛造金敷を用いて圧下するため間欠的な圧下であり、金敷による圧下領域とその両側の非圧下領域の境界部で表面割れが生じ、製品の歩留まりが低下する。また、連続鋳造スラブを再加熱することから製造コストが上昇することになる。
特許文献2には、鋼の連続鋳造において、面部材を用いて、鋼塊の未凝固末端部を狭持するに当り、所定の時間間隔で鋼塊を断続的に圧下することで、バルジングを防止して、同時に面部材で挟持する範囲内で鋼塊を完全凝固させると、小さい圧力でマクロ偏析や点状偏析が著しく改善された凝固組織が効率的に得られる技術が開示されている。しかしながら、凝固末期においては液相界面近傍における凝固シェルの強度は小さく、面圧下による力が凝固シェルの強度を超えると内部割れが生じてしまい、また、連続鋳造の操業時の温度変動や鋳造速度の変化による面圧下位置での凝固シェルの厚みや温度の変動で所望の面圧下条件を満たすことが困難である。
特許文献3には、鋳片厚み中心部の少なくとも5mm以上、30mm以下の領域におけるC、Si、Mn、P、S等の各種元素の濃度と厚み該中心部を除く部分の濃度の比が0.9〜1.0の範囲にあり、且つ該中心部において、最大径が0.1mmのセンターポロシティーが全く存在しない熱間圧延用連続鋳造鋳片の製造技術が開示されている。しかしながら、濃度の比が0.9〜1.0となるためには、凝固にともなう溶質元素の濃化を抑制する必要があり、これには中心部での液相を流動させる必要がある。また、鋳片を軽圧下させるためにウォーキングバー方式を採用しているが、本方式では鋳造方向において間欠的に軽圧下されるため、鋳造方向において均一な軽圧下を行うことが困難であり、結果的に鋳片厚み中央部に残存する液相の流動も不均一になり、所望の濃度の比の範囲を満たすことも困難である。
特許文献4には、連続鋳造鋳片を凝固した直後に圧下することで、圧下を行うことなく製造した場合の鋳片の厚さ方向中心におけるデンドライト1次アーム間隔λ0を基準とし、鋳片の厚さ方向中心におけるデンドライト1次アーム間隔λと前記λ0の比の値λ/λ0が0.1〜0.9となるような技術が開示されている。本技術により偏析の拡散を促進することができるが、ポロシティーを完全に無くすことが困難な場合があった。ポロシティーを完全に無くすには更に圧下を行う必要がある。
センターポロシティーの低減を目的として、連続鋳造中において鋳片が完全凝固した後に鋳片を圧下する方法が知られている。圧下ロールとして幅方向に太さが均一なロール(以下、フラットロールという。)を用いる場合、鋳片幅方向の全幅を圧下することとなる。凝固完了直後における鋳片厚み中央部の鋳片温度について検討すると、鋳片の幅両端部については厚み中央部を含めて温度が低下しているため、鋳片幅両端部は全厚にわたって変形抵抗が大きく、フラットロールを用いて圧下しようとすると大きな圧下力が必要となる。
鋳片中心部のポロシティーを圧下する方法として、特許文献5には鋳片が完全凝固した後に、鋳片の表面温度が700℃以上1000℃以下で、鋳片の内部温度と表面との温度差が250℃以上となる領域において、ロールの幅中央部が幅端部に比較して太くなるロール(以下「中太ロール」という。)を用いて鋳片の幅5%以上40%以下の範囲を鋳片の厚み2%以上20%以下の大圧下を実施することにより、鋳片中心のポロシティーを抑制する方法が開示されている。中太ロールを用いて鋳片の幅中央部のみを圧下するため、鋳片中心部のポロシティーを効率的に抑制することができる。
特許文献5に記載のように中太ロールを用いる場合、鋳片の幅両端部を圧下しないので過剰な圧下力を用いなくても圧下は可能であるが、鋳片の圧下量が大きい場合、その後の圧延工程で鋳片に形成された鋳片のへこみが原因となって表面疵が発生する。そのため、中太ロールを用いた凝固後大圧下法では圧下率の上限に制約が生じる。
特開2000−263103号公報 特開昭59−202145号公報 特開平6−297090号公報 特開2015−6680号公報 特開2009−279652号公報
ISIJ International, vol.42(2002), No.8, pp.964-973. Hideo Mizukami, Akihiro Yamanaka and Tadao Watanabe
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、連続鋳造鋳片の厚み中央部におけるセンターポロシティーおよび中心偏析を無くすことが可能な鋼の連続鋳造鋳片および連続鋳造方法を提供することを目的とする。
大型構造物の素材となる極厚鋼板の機械的特性を確保するには、組成が鋼板内で均一であることが前提となる。連続鋳造法で製造され、極厚鋼板用の素材となる鋳片には、厚さ方向の中心近傍で粗大なデンドライトを含む凝固組織が形成されており、このデンドライトの凝固に伴ってミクロ偏析が生じ、デンドライトの成長方向およびデンドライトの間隙における溶質元素の濃度が高くなる。これにともない、凝固が完了する温度が低下し、この濃度が高くなった位置が最終凝固部になり、凝固収縮や液相中に溶解していたガスが溶解度の低下により排出されてポロシティーが生成する。また、凝固収縮による未凝固領域における液相の流動や、ロール間でのバルジングが起因で生じる液相の流動により中心偏析が生成する。
従来の技術は、未凝固の状態で軽圧下を行い、最終凝固位置で生じる凝固収縮に相当する体積を補完するものである。しかしながら、軽圧下を行うと固液界面に応力が作用し、この応力が凝固シェルの強度よりも大きくなると割れが生じることになる。未凝固状態にある凝固シェルの強度は、非特許文献1に記載されているように小さいため、軽圧下で付与できる応力には限度があるためポロシティーを完全に潰すことはできない。また、固液共存状態における鋼の強度は小さいことから、未凝固圧下によって鋳片厚み中央部の最終凝固位置における濃化溶鋼を排出させるまで圧下を加えることはできない。過度に圧下すると固液界面の固相側に割れが発生するためである。このため濃化溶鋼が中心部に残存することになり、中心偏析を無くすことはできない。
ポロシティーおよび中心偏析を無くすことと、凝固シェルの固液界面に割れを発生させないことを両立させる技術が不可欠である。
鋳片厚み中央部に大きな応力を付与しても、凝固シェルの固液界面に割れを発生させないためには、圧下位置の前までで凝固を完了させて凝固界面を無くせばよい。また、鋳片厚み中央部に生成するポロシティーを潰すには、鋳片厚み中央部に大きな応力を付与すればよい。鋳片厚み中央部に大きな応力を付与するには、ロール圧延や鍛造により大きな変形を与えればよい。ただし、ロール圧延や鍛造の設備費が大きいと、製品のコストも増大し工業的に製造することは困難になる。
特許文献4に開示されている技術により、連続鋳造鋳片が凝固完了した直後の鋳片内部に温度勾配が存在する状態で圧下することで、鋳片表層部よりも厚み中央部の温度が高く強度も小さい領域に付与される応力を増大させることが可能になる。しかしながら、ポロシティーを完全に潰して無くすことは困難であった。完全に潰すには更に大きな応力を鋳片厚み中央部に付与することが必要である。
ところで、連続鋳造過程において、凝固完了直後における鋳片は、厚み方向に温度勾配があるだけでなく、鋳造方向においても温度勾配が存在する。鋳造方向上流側の温度が高く、下流側の温度が低い。鋳造方向に温度勾配、特に、厚み中央部で温度勾配がある状態で圧下を行うと、温度が高く強度の小さい鋳造方向と逆の方向(上流側)に、厚み中央領域が延伸する範囲が存在することを、汎用の有限要素法による熱応力解析ソフトDEFORMを用いた解析で見出した。圧下前および圧下後の鋳片の厚み中央部の温度、表面温度と圧下率を変えた熱応力解析を行い、圧下により鋳片中央部が鋳造方向と逆の方向に延伸して、この延伸部の温度が固相線温度以上になる条件と、延伸する長さを求めた。ここで、圧下前後の鋳造方向における鋳片の温度勾配を評価するに際し、上流側については圧下直前200mm位置、下流側については圧下直後200mm位置における鋳片温度によって代表させることとした。
圧下はロールを用いた圧下でもよく、鋳造方向に間隔が狭くなるように傾斜させた金型を用いた圧下でもよい。圧下位置、圧下直前200mm、圧下直後200mm位置を定めるための規準となる圧下点は、圧下量が最大となる最終圧下位置(「ロール最下位置」ともいう。)を規準とする。
この現象を利用すれば、鋳造方向上流側に延伸した部分を固相線温度以上の高温の領域に送入することができる。固相線温度以上の温度に達すると、固相が部分的あるいは全体が再溶融することになり、センターポロシティーの存在する領域や中心偏析が存在する領域が溶けることになる。さらに、この再溶融した液相が、未凝固状態にある液相中に浸入することで濃度が均一になる。このようにしてセンターポロシティーおよび中心偏析を消滅させることができる。
さらに、この現象を顕著にさせるには、圧下直後の下流側で鋳片を冷却すればよい。凝固直後に圧下すると、鋳片の厚み方向に温度勾配が存在していることから、厚み中央領域に大きな歪みが加わり、厚み中央領域が鋳片の鋳造方向に延伸し易くなる。ここで、圧下直後に鋳片を冷却すれば、圧下部下流側の鋳片厚み中央領域の温度が低下し強度が上昇するため、下流側へ延伸し難くなり、鋳片の圧下前の上流側領域への延伸量が増大する。この量が増大すると、固相線温度以上、さらには液相線温度以上の高温領域への延伸量も増え、センターポロシティーおよび中心偏析の消滅効果も大きくなる。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものであり、その要旨は、下記の(1)〜(4)に示す鋼の連続鋳造鋳片および連続鋳造方法にある。
(1)質量%で、C:0.05%〜0.3%、Si:0.05%〜0.4%、Mn:1.0%〜3.0%、P:0.02%以下、S:0.003%以下、Al:0.1%以下、N:0.001%〜0.01%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物であり、鋳片厚さが100mm以上であって、鋳片厚み中央部における円相当直径が0.1mm以上のポロシティー個数が10個/105mm3以下であり、鋳片厚み中央部におけるMnの偏析比が1.05以下であることを特徴とする連続鋳造鋳片。
(2)さらに質量%で、Mo:1.5%以下、Ni:3.0%以下、Cr:5.0%以下、Cu:1.5%以下、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、B:0.01%以下およびV:0.1%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)に記載の連続鋳造鋳片。
(3)質量%で、C:0.05%〜0.3%、Si:0.05%〜0.4%、Mn:1.0%〜3.0%、P:0.02%以下、S:0.003%以下、Al:0.1%以下、N:0.001%〜0.01%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物である溶鋼を連続鋳造するに際し、鋳片が完全凝固した後であって、圧下直前の200mm位置の鋳片の表面温度が1000℃〜700℃、表面と中央の温度差が150〜400℃であり、圧下直後の200mm位置の鋳片の表面温度が800℃〜500℃、表面と中央の温度差が50〜200℃であり、クレータエンドと圧下ロールの距離が1m以内において、圧下率が5〜50%となるように鋳片を圧下し、圧下直後の冷却水密度が300リットル/m2分以上であることを特徴とする連続鋳造方法。
(4)前記溶鋼はさらに質量%で、Mo:1.5%以下、Ni:3.0%以下、Cr:5.0%以下、Cu:1.5%以下、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、B:0.01%以下およびV:0.1%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする(3)に記載の連続鋳造方法。
本発明の鋼の連続鋳造鋳片は、中心偏析およびセンターポロシティーがないので、品質良好な鋼材とすることができる。本発明の連続鋳造方法によって当該連続鋳造鋳片の製造が可能である。
鋳片圧下直前の厚み中央部の鋳造方向歪みシミュレーション結果を示す図である。 温度均一鋳片圧下時の鋳片内メタルフロー模式図を示す図である。 従来の鋳片圧下時の鋳片内メタルフロー模式図を示す図である。 本発明の鋳片圧下時の鋳片内メタルフロー模式図を示す図である。
鋳片圧下によって鋳片厚み中央部のピンホールを潰してなくすためには、鋳片の厚み中央部の凝固が完了し、しかも鋳片の表面と厚み中央の温度差が大きく、厚み中央部の温度が高い方が良い。鋳片の表面温度は放射温度計あるいは接触式の熱電対で測定可能であるが、鋳片厚み中央領域の温度を測定することは困難であるため、凝固解析を予め行い、鋳片の表面温度と厚み中央の温度を求めた。その後、凝固解析で得られた温度分布を初期条件として入力した熱応力解析を行い、圧下による厚み中央部の変形量を求めた。なお、圧下後の鋳片の表面温度および表面と中心との温度差は、水スプレーによる冷却だけでなく、圧下ロールへの抜熱もある。また、鋳片の温度は、圧下時の加工発熱による温度上昇もある。解析では、これらの影響も考慮した。
凝固解析及び熱応力解析に用いた解析条件は以下のとおりである。
鋳造速度:1.0m/分
スラブ厚み:240mm
圧下率:30%
圧下ロール直径:550mm
対象鋼種:0.12%C−0.15%Si−1.2%Mn−0.01%P−0.001%S鋼
圧下直前200mm位置の表面温度:900℃
圧下直前200mm位置の表面と厚み中心の温度差:300℃
圧下直後200mm位置の表面温度:600℃
圧下直後200mm位置の表面と厚み中心の温度差:100℃
圧下位置:完全凝固位置の下流側500mm
圧下直後の水スプレーの水量密度:500リットル/m2分、当該水量密度での冷却長さ(鋳造方向):100mm
図1に解析結果例を示す。図1において、横軸はロール圧下位置(ロール最下位置)を規準とした鋳造方向距離(鋳造方向(下流側)をプラス)、縦軸は厚み中央部における鋳造方向の歪み(引張をプラス)を表している。図1から明らかなように、圧下により、鋳片厚み中央位置において、圧下前900mm位置までの鋳造方向と逆の方向(上流側)に、マイナス歪み(圧縮歪み)が作用することが分かった。
ここで、本発明で規定するような鋳片温度分布において鋳片を圧下することにより、厚み中央部が上流側に延伸してセンターポロシティーと中心偏析を改善することができるようになるメカニズムについて、図面に基づいて説明する。
図2は、厚さ方向と鋳造方向(圧延方向)に温度が均一である鋳片を圧下した場合のシミュレーション結果を示すものである。[1]圧下力Pにより生じるロールバイト(ロールと鋳片の接触領域とその近傍)内の静水圧応力(圧縮を正)は板厚方向に概ね均等である。[2]圧下により生じるメタルフローは,中立線(ロール回転速度と材料速度の圧延方向成分が同一となる線)を境界に,上流へのメタルフローと下流へのメタルフローに分かれ,一般には前者の方が大きい。[3]両メタルフローは静水圧応力(正確には静水圧応力を降伏応力で除した値)の圧延方向勾配に略比例する。[4]均一温度の場合には[1]のように静水圧応力は板厚方向に概ね均等のため,上流/下流へのメタルフローは板厚方向に略均一となる。
図3は、厚さ方向に温度分布を有して厚み中央部の温度が高く、鋳造方向(圧延方向)の温度低下は少ない鋳片(通常の連続鋳造中の圧下を模擬)を圧下した場合のシミュレーション結果を示すものである。[5]上下面冷却により,表裏面に近い低温の部分の材料は硬くなり,相対的に高温の厚さ中央部分の材料は相対的に軟らかくなる。[6]略同一の圧下方向応力(静水圧応力とは異なる)を受けるロールバイト(以下,RBと略す)内の材料は,軟らかい厚さ中央部分の材料が優先的に塑性変形,即ち圧延方向に延び,表裏面側の硬い材料は厚さ中央の材料の延びに引っ張られて塑性変形を始める。[7][6]の作用により,表裏面近傍では相対的に引張応力(即ち,圧縮:小)となり,厚さ中央では相対的に圧縮応力(圧縮:大)が生じる。[8]上記[7]の様な静水圧応力分布が生じるため,[3]の作用を介して,上下流へのメタルフロー量は厚さ中央で大きくなる。
図4は、厚さ方向に温度分布を有して厚み中央部の温度が高く、さらに圧下直後に強冷却を行った鋳片(本発明の圧下を模擬)を圧下した場合のシミュレーション結果を示すものである。[9]RB出側が冷却され,RB内に比べて厚さ方向全域に渡って材料が硬くなると,RB出側の塑性変形域が狭まり,かつ下流へのメタルフローが厚さ方向に均一化する,即ちRB出側近傍で剛体運動(並進運動)しか許容されないようになる。[10]このため,前述の[8]で生じていた下流へのメタルフローの厚さ方向差(厚さ中央で大)を上流側で補うことになり,中立線より上流側の静水圧応力の厚さ方向の不均一さが顕著に増大し,表裏面に比べてRB入側近傍の厚さ中央の圧縮応力が非常に大きくなる.[11]この作用によりRB入側厚さ中央での静水圧の圧延方向勾配が極めて大きくなり,上流へのメタルフローが顕著に増大する。
上記凝固解析及び熱応力解析結果を踏まえ、鋳造速度、圧下前の表面温度、圧下前の表面と厚み中央の温度勾配、圧下後の表面温度、圧下後の表面と厚み中央の温度勾配、圧下後の水スプレーの水量密度を変えて検討を行い、実際の連続鋳造装置において実験を行った。
圧下直前200mm位置の鋳片の表面温度が1000℃を超えると、厚み中央部の温度が固相線温度を超えてしまい、圧下による内部割れが発生してしまう。また、表面温度が700℃に満たない場合には、中央部の温度が低くなり、鋳片厚み中央部の延伸量が少なくなる。そこで、圧下直前200mm位置の表面温度は1000〜700℃がよい。このときの表面と厚み中央の温度差は、400〜150℃になる。温度差が150℃未満では、厚み中央部の温度が低くなりすぎ、厚み中央部の延伸量が少なくなる。一方、温度差が400℃を超えると、厚み中央部の温度が固相線温度を超えてしまい、圧下による内部割れが発生してしまうためである。
圧下直後200mm位置の鋳片の表面温度が800℃を超えると、厚み中央における鋳造方向(下流側)への延伸量が大きくなり、鋳造方向と逆の方向(上流側)への延伸量が少なくなり、所望の効果を得ることができない。表面温度が500℃に満たない場合は、圧下に要する荷重が大きくなり、設備費が高くなる。そこで、圧下直後200mm位置の鋳片の表面温度は800〜500℃がよい。この時の表面と厚み中央の温度差は、200〜50℃になる。温度差が200℃を超えると、厚み中央部の温度が高くなりすぎ、下流側への延伸量が大きくなりすぎる。一方、温度差が50℃未満では、圧下に要する荷重が大きくなり、設備費が高くなるためである。
ここで、圧下直前200mm、圧下直後200mm位置における、鋳片の温度評価方法について説明する。鋳片表面温度の測定は、接触式の熱電対を鋳片表面に押し当てることで測定することができる。また鋳片厚み中央部の温度については、測定した鋳片表面温度情報を用いて凝固解析を予め行い、その後、凝固解析で得られた温度分布を初期条件として入力した熱応力解析を行い、圧下による影響を含めて、厚み中央部の温度を定めることができる。
通常の連続鋳造の鋳造中において、凝固が完了した以降においては二次冷却の冷却能を低減し、鋳片表面温度の低下を防いでいる。鋳造後鋳片の顕熱を高く保持し、後工程の熱間圧延での省エネルギーを図るためである。これに対して本発明では、圧下直後200mm位置の鋳片表面温度を800℃以下まで低減することが特徴である。本発明のように圧下後の鋳片の表面温度を低減して変えるには、圧下直後に水冷することが有効であり、冷却水量を変えることが有効である。冷却水量を変えることで、圧下直後200mm位置の鋳片の表面温度を800〜500℃の範囲に調整することができる。具体的には、圧下直後の冷却水密度が300リットル/m2分以上であれば、本発明の圧下直前と圧下直後の鋳片温度の関係を実現することができる。350リットル/m2分以上であればより好ましい。冷却水量密度を300リットル/m2分以上に増大する鋳造方向範囲の長さは、100mm以上であればよい。
本発明の鋳片の圧下率範囲について説明する。鋳片の圧下率が5%より小さいと、鋳片の鋳造方向と逆の方向(上流側)への、鋳片厚み中央領域の伸展量が少なく、センターポロシティーや中心偏析を消滅することができない。また、圧下率が50%を超えると、圧下に要する力が大きくなり、設備費が高くなる。このため圧下率は5〜50%とした。ここで、圧下率(%)の定義は、前述のとおり、「(圧下前鋳片厚み−圧下後鋳片厚み)/圧下前鋳片厚み×100」である。
本発明の連続鋳造鋳片の含有成分、及び連続鋳造方法で用いる溶鋼の含有成分については、後述のように成分範囲を限定している。このような成分範囲に限定した結果として、連続鋳造中の凝固完了後において鋳片の高温強度が過度に高くなることがなくなった。そして、本発明の成分範囲において高温強度を反映させて高温変形特性を有限要素法で数値解析した結果、上記圧下率の範囲で充分に圧下可能であることが判明した。
上記圧下を行う鋳造方向の位置は、鋳片が完全凝固した後であって、クレータエンド(完全凝固位置)と圧下ロール(ロール最下位置)の距離が1m以内とする。圧下位置が完全凝固位置よりも上流側であると、液相が存在する位置で圧下することになるので、本発明の作用を得ることができず、また鋳片の内部割れが発生することとなる。一方、完全凝固位置よりも1mを超えて下流側で圧下すると、圧下によって厚み中央部が上流側に延伸することによって中心偏析を改善するという本発明の効果を十分に発揮することができなくなる。
上記のクレータエンド(完全凝固位置)は、圧下を行わない場合のクレータエンドを意味する。当該クレータエンド位置(鋳造方向における位置)を定めるに際しては、凝固解析を行うことにより、中心部固相率が1.0未満からちょうど1.0となる位置として、算出することができる。
なお、本発明では、板厚が30mm以上の海洋構造物などに用いられる厚みが100mm以上の鋳片を対象にした。これは、熱間圧延時の圧下比が通常3.0以上必要なためである。
鋳片を圧延した鋼材の強度の向上、靭性の向上には、鋳片における直径0.5mm以上のポロシティーの影響が大きく、その個数を低減する必要がある。また、今後さらなる強度の向上および靭性の向上がめ要求されているが、これには直径0.1mm以上のポロシティーの抑制が必要である。直径0.1mm以上のポロシティーが10個/105mm3を越えると、強度および靭性が急激に低下することから、本発明の連続鋳造鋳片では、10個/105mm3以下とした。上記本発明の連続鋳造方法を適用することにより、ポロシティーの密度を上記範囲とすることができる。
また、センターポロシティーの他に、強度と靭性の低下の原因には、中心偏析がある。鋳片厚み中心を基準として、厚み方向に±15mm、鋳造方向に±15mmの試料を採取し、この面内をビーム系50μmの条件でEPMAで分析を行い、Mn濃度の最大値Cmaxを求めた。この最大値を、初期の溶鋼のMn濃度C0で割った値を偏析比(Cmax/C0)と定義した。この偏析比が1.05を超えると強度および靭性が急激に低下することから、本発明での連続鋳造鋳片では偏析比が1.05以下とした。上記本発明の連続鋳造方法を適用することにより、中心偏析の偏析比を上記範囲とすることができる。
以下、本発明の連続鋳造鋳片の含有成分、及び連続鋳造方法で用いる溶鋼の含有成分について説明する。%は質量%を意味する。
C:0.05〜0.3%
Cは、強度および靱性を確保するために有効な元素である。その含有量が0.05%未満では、上記の効果が充分に得られず、一方、その含有量が0.3%を超えて高くなると母材およびHAZ部の靭性が低下する。そこで、Cの適正範囲を0.05〜0.3%とした。
Si:0.05〜0.4%
Siは、0.05%未満では母材の強度を確保できないので下限を0.05%とした。また、0.4%を超えると溶接性が低下するため上限を0.4%とした。上記の理由から、その適正範囲を0.05〜0.4%とした。
Mn:1.0〜3.0%
Mnは、鋼板の高強度化と靱性の確保のために有効な元素である。上記の効果を得るためには、その含有量を1.0%以上とする必要がある。一方、その含有量が3.0%を超えて高くなると、粗大な介在物MnSを生成する。このため、Mn含有量の適正範囲を1.0〜3.0%とした。
P:0.02%以下
Pは、鋼板の延性および靱性および加工性を劣化させる元素であることから、その含有量を0.02%以下に制限する。
S:0.003%以下
Sは、Mnと反応して結晶粒内にフェライトの生成を促進する効果があるが、粗大な介在物MnSを形成して鋼材の延性を低下させることから、その含有量を0.003%以下に制限する。
Al:0.1%以下
Alは、鋼を脱酸させるために添加される元素である。0.1%を超えると、酸化物系介在物のサイズが大きくなるため、鋼板の表面性状も劣化する。これらのことから、本発明では、Al含有率の適正範囲を0.1%以下とすることが好ましい。Alは含有しなくても良い。
N:0.001〜0.01%
Nは、鋼に不可避的に含有される不純物であり、鋼板の曲げ性の観点からは、含有率は低いほど好ましいが、窒化物を活用するには0.001%以上必要である。そのため、本発明では、N含有率を0.001〜0.01%とすることが好ましい。
本発明は、さらに必要に応じて下記元素を含有することとしても良い。
Mo:1.5%以下
Moは、含有させれば焼入れ性の向上および強度の向上に有効な作用を発揮する元素である。しかし、Mo含有率が1.5%を超えると粗大な介在物を形成し、靭性を低下させる。そこで、Mo含有率の適正範囲を1.5%以下とすることが好ましい。
Ni:3.0%以下
Niは、含有させれば母材の靭性を向上させる作用を有する元素である。Ni含有率が3.0%を超えて高くなると、焼入れ性が過剰となり、鋼の靭性に悪影響を及ぼす。そこで、Niを含有させる場合のNi含有率の範囲を3.0%以下とした。
Cr:5.0%以下
Crは、含有させれば焼入れ性の向上、および析出強化による母材強度の向上に有効な作用を発揮する元素である。Cr含有率が5.0%を超えて高くなると、鋼の靭性および溶接性が劣化する傾向が認められる。そこで、Crを含有させる場合のCr含有率の適正範囲を5.0%以下とした。
Cu:1.5%以下
Cuは、含有させれば焼入れ性の向上および析出強化に有効な作用を有する元素である。Cu含有率が1.5%を超えて高くなると、鋼の熱間加工性が低下する。上記の理由から、Cuを含有させる場合のCu含有率の範囲を1.5%以下とした。
Ti:0.1%以下
Tiは、主として炭窒化物を析出し、その析出強化作用により母材強度の向上に寄与する有効な元素である。Ti含有率が0.1%を超えて高くなると、鋼中に粗大な析出物や介在物を形成して、鋼の靭性を低下させる。上記の理由から、Ti含有率の適正範囲を0.1%以下とした。
Nb:0.1%以下
Nbは、含有させれば炭化物や窒化物を生成して鋼の強度を向上させる作用を有する元素である。Nb含有率が0.1%を超えて高くなると、鋼中に粗大な炭化物や窒化物を形成するため、逆に靭性を低下させる。上記の理由から、Nbを含有させる場合のNb含有率の範囲を0.1%以下とした。
V:0.1%以下
Vは、含有させれば炭化物や窒化物を生成して鋼の強度を向上させる効果を有する元素である。V含有率が0.1%を超えて高くなると、鋼の靭性を低下させる。上記の理由から、Vを含有させる場合のV含有率の範囲を0.1%以下とした。
B:0.01%以下
Bは、含有させれば焼入れ性を増大させるとともに、BNを生成することで固溶Nの含有率を低下させ、HAZの靭性を向上させる効果がある。ただし、B含有率が0.01%を超えて高くなると、鋼中に粗大な硼化物が析出し、これにより鋼の靭性が劣化する。上記の理由から、Bを含有させる場合のB含有率の範囲を0.01%以下とした。
本発明の鋳片の連続鋳造方法の効果を確認するため、以下に示す試験を実施して、その結果を評価した。
(1)鋳造条件
溶鋼成分:表1に記載
溶鋼温度:1570℃(タンディッシュ内溶鋼温度)
鋳型サイズ:幅1600mm×厚さ240mm
鋳造速度:1.2m/分
圧下用ロール径:直径550mm(フラットロール)
クレータエンドと圧下位置との距離:表2の「クレータエンドと圧下開始位置距離」に記載
圧下率:表2に記載
圧下直前200mm位置の鋳片表面温度、圧下直前200mm位置の鋳片表面と厚み中央の温度差、圧下直後200mm位置の鋳片表面温度、圧下直後200mm位置の鋳片表面と厚み中央の温度差:表2の「表面温度」「温度差」の欄に記載
圧下直後の水スプレーの水量密度:表2の「圧下直後冷却水量密度」欄に記載、当該水量密度での鋳造方向冷却範囲:100mm
(2)評価方法
圧下直前と直後200mm位置の鋳片表面温度の測定は、接触式の熱電対を鋳片表面に押し当てることで測定した。圧下直前と直後200mm位置の鋳片厚み中央部温度は、DEFORMを用いた前述の方法を採用して計算により求めた。表2において、圧下直前・直後200mm位置の鋳片表面温度を「表面温度」欄に、圧下直前・直後200mm位置の鋳片表面と厚み中央部の温度差を「温度差」の欄にそれぞれ記載している。
鋳片厚み中央部のポロシティーの個数の測定は、鋳片厚み中央を中心として厚み方向に±5mm、鋳片幅方向に±50mm、鋳造方向に±50mmの板状の試験片(厚10mm×幅100mm×長100mm、体積:105mm3)を10枚採取し、透過X線写真を撮影し、円相当直径が0.1mm以上のポロシティーの個数を数え、表2の「ポロシティー」欄にその平均値を記載した。なお、ポロシティー個数が1個/105mm3以下の数値が見られるのは測定した試験片の中には円相当径が0.1mm以下のポロシティーが観察されなかったものがあることを意味する。
中心偏析の評価は、鋳片厚み中心を基準として、厚み方向に±15mm、鋳造方向に±15mmの試料を採取し、この面内をビーム系50μmの条件でEPMAで分析により行った。試料内でMn濃度の最大値Cmaxを求めた。この最大値を、初期の溶鋼のMn濃度C0で割った値を偏析比(Cmax/C0)と定義し、表2の「中心偏析比」欄に記載した。
鋳片断面の内部割れ有無を評価し、表2の「内部割れ」欄に記入した。
クレータエンド(完全凝固位置)と圧下位置(ロール最下位置)の距離は、圧下前の鋳片の表面温度と厚み中央の温度を基にして凝固解析により求めた値である。
表1、2の本発明例1〜6が本発明例である。本発明範囲内での圧下条件と冷却条件で鋳造を行った結果、センターポロシティー、中心偏析比ともに、良好な結果を得ることができた。
比較例1は圧下を行わず、比較例2は圧下率が本発明範囲よりも低く、いずれもセンターポロシティー、中心偏析比ともに不良であった。比較例3は圧下前と圧下後200mm位置の鋳片表面温度がともに本発明範囲を外れ、圧下位置が完全凝固前であるため、センターポロシティー、中心偏析比ともに不良であり、さらに内部割れの発生が見られた。比較例4は圧下位置がクレータエンド位置よりも1mを超えて下流側にあるため、センターポロシティー、中心偏析比ともに不良であった。
本発明の連続鋳造方法によれば、中心偏析およびポロシティーがなく、機械的特性が良好な鋼板用の素材を製造することができる。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.05%〜0.3%、Si:0.05%〜0.4%、Mn:1.0%〜3.0%、P:0.02%以下、S:0.003%以下、Al:0.1%以下、N:0.001%〜0.01%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物であり、鋳片厚さが100mm以上であって、鋳片厚み中央部における円相当直径が0.1mm以上のポロシティー個数が10個/105mm3以下であり、鋳片厚み中央部におけるMnの偏析比が1.05以下であることを特徴とする連続鋳造鋳片。
  2. さらに質量%で、Mo:1.5%以下、Ni:3.0%以下、Cr:5.0%以下、Cu:1.5%以下、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、B:0.01%以下およびV:0.1%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造鋳片。
  3. 質量%で、C:0.05%〜0.3%、Si:0.05%〜0.4%、Mn:1.0%〜3.0%、P:0.02%以下、S:0.003%以下、Al:0.1%以下、N:0.001%〜0.01%を含有し、残部Fe及び不可避的不純物である溶鋼を連続鋳造するに際し、鋳片が完全凝固した後であって、
    圧下直前の200mm位置の鋳片の表面温度が1000℃〜700℃、表面と中央の温度差が150〜400℃であり、
    圧下直後の200mm位置の鋳片の表面温度が800℃〜500℃、表面と中央の温度差が50〜200℃であり、
    クレータエンドと圧下ロールの距離が1m以内において、
    圧下率が5〜50%となるように鋳片を圧下し、
    圧下直後の冷却水密度が300リットル/m2分以上であることを特徴とする連続鋳造方法。
  4. 前記溶鋼はさらに質量%で、Mo:1.5%以下、Ni:3.0%以下、Cr:5.0%以下、Cu:1.5%以下、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、B:0.01%以下およびV:0.1%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項3に記載の連続鋳造方法。
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