JP3775178B2 - 薄鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱間圧延または熱間圧延後に冷間圧延した薄鋼板に関し、さらにその薄鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の足廻り部品、ボイラーの構造部品などは、連続鋳造された鋳片を素材として熱間圧延された薄鋼板を、またはその熱間圧延された鋼材を素材としてさらに冷間圧延された薄鋼板を、プレス加工することなどにより製造される。
【0003】
ところで、連続鋳造された断面形状が長方形の鋳片の厚さ中心部近傍には、中心偏析やV偏析と呼ばれる内部欠陥が発生する場合がある。中心偏析は鋳片の最終凝固部にC、S、P、Mnなどの偏析成分が濃化して現れるもので、V偏析は鋳片の最終凝固部近傍に、これらの偏析成分がV字状に濃化するものである。これら偏析は、鋳片からの圧下比が小さい厚鋼板では、靱性の低下の原因となり、また、厚板から曲げ加工後溶接して製造される大径鋼管の水素誘起割れの原因となることが知られている。
【0004】
一方、薄鋼板では、従来、これら偏析はあまり問題となっていなかった。薄鋼板では、鋳片からの圧下比が大きく、これら偏析が軽減されているからである。しかし、近年、連続鋳造における生産性の向上の要望が高まり、鋳造速度を速くすることが指向され、これら偏析の発生程度が著しくなる傾向が顕在化してきた。さらに、自動車の足廻り部品、ボイラーの構造部品などでは、より複雑なプレス加工が行われるようになり、さらに加工性の優れた薄鋼板が要望されている。鋳片のこれら偏析が悪化する状況下で、プレス加工が複雑になることから、このような用途に用いられる薄鋼板では、プレス加工時の割れ発生が問題となっている。
【0005】
これらの偏析の生成機構は、次のように考えられている。凝固が進むにつれて、凝固組織であるデンドライト樹間に偏析成分が濃化する。この偏析成分の濃化した溶鋼が、凝固時の鋳片の収縮またはバルジングと呼ばれる鋳片のふくれなどにより、デンドライト樹間より流出する。流出した偏析成分の濃化した溶鋼は、最終凝固部の凝固完了点に向かって流動し、そのまま凝固して偏析成分の濃化帯が形成される。これらの濃化帯が中心偏析またはV字状偏析である。
これら偏析の防止対策として、たとえば特開平7−210382号公報には、未凝固部を含む鋳片を20mm以上バルジングさせ、凝固が完了する前に圧下ロール対により、バルジング量相当分の厚みを圧下する方法が提案されている。デンドライト樹間に残った偏析成分の濃化した溶鋼を鋳造方向の上流側に強制的に排出することにより、中心偏析およびV字状偏析を防止する方法である。しかし、この方法では、未凝固部を含む鋳片を圧下するために、専用の圧下ロール対が必要であり、設備が過大となる。
【0006】
特開平9−67619号公報には、Pを0.05〜0.1質量%含有させることにより耐腐食性を向上した薄鋼板において、さらに加工性を向上させるために、中心偏析の軽減処理を実施した鋳片を素材として熱間圧延を行うに際し、仕上温度をAr3 〜(Ar3 +100℃)とし、その後の冷却速度を50℃/sとし、巻き取り温度を300〜500℃とする方法が提案されている。具体的な中心偏析の軽減方法は、未凝固部を含む鋳片を軽圧下すること、未凝固溶鋼を電磁攪拌すること、または低温鋳造することが提案されている。しかし、軽圧下法では、P含有率が多い場合には効果はあるが、通常のP含有率では、効果は少ない。また、電磁攪拌装置を備えるには設備が過大となる。さらに、低温鋳造の際の具体的なタンデイッシュ内の溶鋼の過熱度の提案はないが、低温鋳造では浸漬ノズルに詰まりが発生し、操業の継続が困難となりやすい。
【0007】
上述のとおり、鋳片の中心偏析およびV字状偏析に起因して、薄鋼板のプレス加工時に割れが発生する問題に対し、プレス加工などの際に割れが発生することなく、加工性のよい薄鋼板およびその熱間圧延用素材である中心偏析およびV字状偏析の発生のない鋳片を、安価な設備費で安定して得ることが望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、プレス加工などの際に割れの発生がなく、加工性のよい熱間圧延した薄鋼板または熱間圧延後に冷間圧延した薄鋼板を提供することを目的とし、さらに、これら薄鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記(1)と(2)に示す薄鋼板、および下記(3)と(4)に示す薄鋼板の製造方法にある。
(1)全板厚の平均の化学組成における含有率が、質量%で、C:0.03〜0.16%、Si:0.2%以下、Mn:1.4%以下、P:0.03%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.10%以下であり、残部がFeおよび不純物元素からなる厚さが8mm以下の薄鋼板であって、下記の(イ)式および(ロ)式を満足する伸びが25.1%以上かつ穴拡げ率が69%以上である薄鋼板。
【0010】
1<(C)t/(C)o≦1.5 ・・・(イ)
1<(Mn)t/(Mn)o≦1.5 ・・・(ロ)
ここで、(C)t:厚さ中心から厚さ方向両側にそれぞれ全厚さの10%以内の領域における平均のCの含有率(質量%)
(C)o:全板厚の平均のCの含有率(質量%)
(Mn)t:厚さ中心から厚さ方向両側にそれぞれ全厚さの10%以内の領域における平均のMnの含有率(質量%)
(Mn)o:全板厚の平均のMnの含有率(質量%)
(2)上記(1)に記載の薄鋼板であって、さらに質量%で、Nb:0.2%以下、Ti:0.2%以下およびV:0.2%以下のうちの1種または2種以上を含有する薄鋼板。
(3)質量%で、C:0.03〜0.16%、Si:0.2%以下、Mn:1.4%以下、P:0.03%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.10%以下を含有する鋼を溶製して、タンデッシュ内の溶鋼の過熱度を80℃以下、鋳片断面形状が長方形で厚さ300mm以下、鋳造速度1.2m/分〜3m/分および厚さ中心部が凝固完了するまでの鋳片の領域において互いに隣接する鋳片支持用ガイドロールの軸芯間距離を300〜450mmとする条件で鋳造し、次いで圧延して薄鋼板とする薄鋼板の製造方法。
(4)質量%で、C:0.03〜0.16%、Si:0.2%以下、Mn:1.4%以下、P:0.03%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.10%以下を含有し、さらに、Nb:0.2%以下、Ti:0.2%以下およびV:0.2%以下のうちの1種または2種以上を含有する鋼を溶製して、タンデッシュ内の溶鋼の過熱度を80℃以下、鋳片断面形状が長方形で厚さ300mm以下、鋳造速度1.2m/分〜3m/分および厚さ中心部が凝固完了するまでの鋳片の領域において互いに隣接する鋳片支持用ガイドロールの軸芯間距離を300〜450mmとする条件で鋳造し、次いで圧延して薄鋼板とする薄鋼板の製造方法。
【0011】
本発明者らは、前述の課題を、下記の知見を得て対策を採ることにより解決した。
▲1▼鋳片の厚さ中心部近傍に発生する中心偏析およびV字状偏析は、鋼の化学組成、鋳片の厚さ、鋳造速度などの影響を受け、たとえば、偏析しやすいC、S、P、Mnなどの含有率が多い場合、鋳片が厚い場合、または鋳造速度が速い場合に偏析の程度が高く、かつ鋳片の厚さ方向に広がったこれら偏析帯が発生する。これら鋳片の偏析帯は、薄鋼板において偏析帯として残存する。薄鋼板の偏析帯の厚さは、熱間圧延の際の加熱温度、時間などの熱間圧延条件、薄鋼板の熱処理条件などの影響を受けるが、ほぼ鋳片から薄鋼板までの圧下比に比例して残存しやすい。
【0012】
また、鋳片を熱間圧延した薄鋼板、または熱間圧延後に冷間圧延した薄鋼板をプレス加工する際の割れの発生のしやすさは、これら薄鋼板の全厚に対する偏析帯の厚さの比に依存する。さらに、これらの割れの発生のしやすさが、低炭素鋼〜中炭素鋼の薄鋼板では、偏析線に存在するCおよびMnの偏析状況に依存する。
【0013】
▲2▼そこで、本発明の薄鋼板では、全板厚の平均の化学組成における含有率が、質量%で、C:0.03〜0.16%、Si:0.2%以下、Mn:1.4%以下、P:0.03%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.10%以下であり、残部がFeおよび不純物元素からなる厚さ8mm以下の薄鋼板であって、薄鋼板の全板厚の平均のCの含有率(C)oおよび全板厚の平均のMnの含有率(Mn)oに対する、厚さ中心から厚さ方向両側にそれぞれ全厚さの10%以内の領域における平均のCの含有率(C)tおよび平均のMnの含有率(Mn)tの比(C)t/(C)oおよび(Mn)t/(Mn)oが、それぞれ1.5以下とする。これにより、鋳片を熱間圧延した薄鋼板、または熱間圧延後に冷間圧延した薄鋼板をプレス加工する際に、割れの発生を防止できる。
【0014】
▲3▼本発明の薄鋼板の製造方法では、まず、連続鋳造において、厚さ300mm以下の鋳片を1.2〜3m/分の速度で鋳造し、その際にタンデッシュ内の溶鋼の過熱度を80℃以下とし、かつ、厚さ中心部が凝固完了するまでの鋳片の領域において、互いに隣接する鋳片支持用ガイドロールの軸芯間距離を450mm以下とする条件で鋳造する。
【0015】
鋳片の厚さを300mm以下とし、1.2〜3m/分の速度で鋳造すると、鋳片の厚さ中心部近傍の凝固組織は微細な等軸晶が多く形成されるようになり、偏析成分が濃化した溶鋼は等軸晶の間に分散して保持されるので、中心偏析などが発生しにくい。また、タンデッシュ内の溶鋼の過熱度を80℃以下と適正にするので、鋳片の厚さ中心部近傍の凝固組織は微細な等軸晶が多く形成されるようになる。
【0016】
さらに、厚さ中心部が凝固完了するまでの鋳片の領域において、互いに隣接する鋳片支持用ガイドロールの軸芯間距離を450mm以下とすると、鋳片がバルジングすることを抑制できる。
【0017】
図2は、ガイドロールの軸心間距離を示す模式図である。ロールの軸心間距離7とは、鋳造方向8に隣り合うガイドロールのロール6の軸心と軸心の距離を意味する。厚さ中心部が凝固完了するまでの鋳片の領域では、とくに、偏析成分の濃化した溶鋼が多く存在するので、鋳片のバルジングを抑制することによる中心偏析などの発生を防止する効果は大きい。
【0018】
これら鋳片の厚さ、鋳造速度、溶鋼過熱度、およびガイドロール対の軸芯間距離の各条件を組み合わせて適正な範囲の条件とするので、中心偏析などの発生のない鋳片を得ることができる。このような中心偏析などのない鋳片を素材として熱間圧延した薄鋼板、またはその熱間圧延した薄鋼板を素材として、さらに冷間圧延した薄鋼板では、プレス加工などの際に割れは発生しにくい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の薄鋼板およびその薄鋼板の製造方法を以下に説明する。以下の%表示は質量%を意味する。
まず、化学組成を説明する。
C:0.03〜0.16%
Cは、鋼の強度を確保する上で安価で有用な元素であり、その効果を発揮するために、その下限は0.03%とする。多く含有させると鋼の加工性を悪化させる元素であり、また、平衡分配係数が小さく、偏析しやすい元素であり、その上限は0.16%とする。したがって、Cは、0.03〜0.16%とする。
【0020】
Si:0.2%以下
Siは、通常、脱酸と鋼の強化のために添加されるが、加工性を劣化することなく強度を高めることができる元素であり、その効果を発揮させるためには、0.01%以上含有させることが望ましい。ただし、多く含有させると鋼材の化成処理性が悪化するので、その上限は0.2%とする。
【0021】
Mn:1.4%以下
Mnは強度を増す元素として安価な元素であり、その効果を発揮させるためには、0.2%以上含有させることが望ましい。ただし、偏析しやすい元素であり、その上限は1.4%とする。
【0022】
P:0.03%以下
Pは、不純物元素であり、多く含有させると鋼の加工性を悪化させる元素であり、また偏析しやすい元素であり、その上限は0.03%とする。
【0023】
S:0.02%以下
Sは、不純物元素であり、鋼の熱間脆性を悪化させる元素であり、その上限は0.02%とする。
【0024】
sol.Al:0.10%以下
Alは脱酸に効果的な元素であり、その効果を発揮させるためには、0.005%以上含有させるのが望ましい。ただし、多く含有させると鋳片表面に表面疵が発生しやすく、また連続鋳造中に浸漬ノズルが詰まりやすくなるので、その上限は0.10%とする。
【0025】
以下に記すTi、NbおよびVは、必要に応じて添加する元素であり、必要に応じて1種または2種以上添加するのがよい。
【0026】
Ti:≦0.2%
Tiは、脱酸、およびC、Nを固定するのに有効な元素である。ただし、0.2%を超えて多く含有させるとその効果が飽和するばかりでなく、鋼の加工性が悪くなるので、その上限は0.2%とする。
【0027】
Nb:≦0.2%
Nbは、C、Nを固定するのに有効な元素で、鋼の耐時効性を向上させる。0.2%を超えると、その効果が飽和するとともに、鋼の加工性が悪くなるので、その上限は0.2%とする。
【0028】
V:≦0.2%
Vは、脱酸、およびC、Nを固定するのに有効な元素であり、0.2%を超えて多く含有させると効果が飽和するとともに、鋼の加工性が悪くなるので、その上限は0.2%とする。
【0029】
その他の元素として、Nなど不可避的に含まれる元素は、鋼の特性に実質的に影響を及ぼさない限り許容される。
【0030】
つぎに、薄鋼板の厚さおよび厚さ中心部の偏析を説明する。
薄鋼板の厚さの上限は8mmとする。通常、用いられる鋳片の厚さは、200〜300mmであり、薄鋼板の厚さが8mmを超えると、通常の鋳片からの圧下比が小さくなり、薄鋼板の靱性の低下などを招きやすい。さらに、薄鋼板の厚さの上限を8mmとするのは、自動車の足廻り部品、ボイラーの構造部品など、薄鋼板が対象とする製品用途からである。薄鋼板の厚さの下限は、とくに限定しないが、製品用途から0.7mmが望ましい。
【0031】
薄鋼板の全板厚の平均のC含有率(C)oおよび平均のMn含有率(Mn)oに対する厚さ中心から厚さ方向両側にそれぞれ全厚さの10%以内の領域における平均のC含有率(C)tおよび平均のMn含有率(Mn)tの比(C)t/(C)oおよび(Mn)t/(Mn)oは、それぞれ1.5以下とする。
【0032】
図3は、(C)o、(Mn)o、(C)tおよび(Mn)tを示す模式図である。たとえば、(C)tは、厚さ中心10から厚さ方向両側にそれぞれ全厚さ12の10%以内の領域11、すなわち、厚さ中心部における全厚さの20%以内の領域である偏析帯9におけるCの平均の含有率を意味する。
【0033】
CおよびMnは、鋼の強度向上に有用な元素であるが、一方、平衡分配係数が小さく、偏析しやすい元素である。したがって、鋳片厚さ中心部近傍に中心偏析およびV字状偏析が発生し、これら偏析が薄鋼板に偏析帯として残存すると、その偏析帯にCおよびMnが偏析している。このような偏析帯を有する薄鋼板をプレス加工などを行うと、割れを生じたり、伸びフランジ性が悪化する場合がある。これら割れなどの発生のしやすさは、これら薄鋼板の全厚に対する偏析帯の厚さの比、および偏析帯に存在するCおよびMnの偏析状況に依存する。
【0034】
具体的には、薄鋼板の全厚の20%までを偏析帯とすれば、偏析帯内のCおよびMnの偏析度、すなわち、薄鋼板の全厚さの平均のCまたはMnの含有率に対する偏析帯内のCまたはMnの含有率が、それぞれ1.5を超えると、割れなどが発生しやすくなる。
【0035】
偏析帯にCおよびMnが上述のように偏析すると、偏析帯の部分が硬化し、プレス加工などで薄鋼板が剪断加工を受けると、その硬化した偏析帯を起点として、割れが発生したり、伸びフランジ性が悪化する。とくに、Cは炭化物を形成するので、その炭化物が割れの起点となるばかりでなく、炭化物に沿って割れが伝播しやすくなり、著しく伸びフランジ性を悪化させる。
【0036】
後述する鋳片を素材として熱間圧延して薄鋼板を得る際に、圧延前の鋳片の加熱温度、加熱時間などの加熱条件、および圧延温度、巻き取り温度などの圧延条件は、鋼に応じた通常の条件で加熱および圧延を行うことができる。さらに、熱間圧延して得られた鋼材を素材として、冷間圧延して薄鋼板を得る際に、酸洗条件、冷間圧延条件、熱処理条件など、通常の方法を用いることができる。
【0037】
つぎに、上述する薄鋼板を得るための製造方法を説明する。
まず、鋳片を連続鋳造する際には、上述のような偏析線を有する薄鋼板を得るために、厚さ300mm以下の鋳片を1.2〜3m/分の速度で鋳造し、その際にタンデッシュ内の溶鋼の過熱度を80℃以下とし、かつ、厚さ中心部が凝固完了するまでの鋳片の領域において、互いに隣接する鋳片支持用ガイドロールの軸芯間距離を450mm以下とする条件で鋳造する。
【0038】
鋳片の厚さが300mmを超えると、厚さ中心部近傍に中心偏析またはV字状偏析が発生しやすい。また、連続鋳造機が大型になる。したがって、鋳片の厚さは300mm以下とする。
【0039】
鋳造速度が1.2m/分未満では、鋳片厚さ中心部に中心偏析またはV字状偏析が発生することを抑制できるが、鋳片表層部の清浄度が悪化する。鋳片表層部の清浄度が悪化すると、薄鋼板の表面の光沢などの表面品質が悪化する。3m/分を超えると、鋳片表面に割れが発生しやすく、さらに、中心偏析またはV字状偏析が発生しやすい。
【0040】
タンデッシュ内の溶鋼の過熱度が80℃を超えると、鋳片の凝固組織が柱状晶となりやすく、中心偏析またはV字状偏析が発生しやすい。
【0041】
溶鋼の過熱度が80℃以下では、鋳片の凝固組織は微細な等軸晶が多く形成される。鋳片中心部近傍が微細な等軸晶で充填されると、偏析成分が濃化した溶鋼は等軸晶の間に分散して保持されるので、中心偏析などが発生しにくくなる。ただし、タンデッシュ内の溶鋼の過熱度は10℃以上が望ましい。10℃未満では、浸漬ノズルが詰まりやすく、また鋳型内の溶鋼表面が凝固しやすく、操業が不安定になりやすい。
【0042】
厚さ中心部が凝固完了するまでの鋳片の領域において、互いに隣接する鋳片支持用ガイドロールの軸芯間距離を450mm以下とするのは、厚さ中心固相率が零を超える鋳片の領域で、隣接するガイドロールとガイドロールの間で鋳片がバルジングすることを抑制するためである。
【0043】
厚さ中心部が凝固完了するまでの鋳片の領域において、鋳片のバルジング量が多くなると、著しい中心偏析またはV字状偏析が発生しやすい。これらの鋳片の領域には偏析成分の濃化した溶鋼が多く存在するからである。また、ガイドロールの軸芯間距離が450mmを超えると、厚さ中心部が凝固完了するまでの鋳片の領域において、鋳片のバルジング量が多くなる。
【0044】
ガイドロールの軸芯間距離を小さくしすぎると、ガイドロールのロール径が小さくなりすぎ、ガイドロールが溶鋼静圧などで曲がりやすくなり、かえって、鋳片がバルジングしやすくなる。したがって、ガイドロールの軸芯間距離は300mm以上とする。
【0045】
このようにして得られた中心偏析などのない鋳片を素材として熱間圧延して薄鋼板を得る際の、鋳片の加熱条件、圧延条件などは、通常の条件で構わない。また、これら熱間圧延した薄鋼板を素材として、さらに冷間圧延する際の、酸洗条件、圧延条件、熱処理条件などは、通常の条件で構わない。
【0046】
【実施例】
垂直部長さ3m、円弧半径10m、5点曲げ4点矯正、機長45mの垂直曲げ型連続鋳造機を用い、厚さ230mm、幅1800mmの鋳片を鋳造する試験を実施した。
【0047】
用いた鋼は、C含有率が0.04〜0.16質量%の低炭素鋼および中炭素鋼である。鋳造速度は1.2〜1.5m/分の範囲で変更して試験した。連続鋳造機のガイドロールの軸心間距離は、通常、垂直部で250mm、湾曲部で250〜400mm、水平部で400〜450mmであり、試験では、水平部の軸心間距離を350〜500mmの範囲で変更して試験した。この水平部はメニスカスから22〜45mの長さの範囲にある。また、タンディッシュ内の溶鋼の過熱度は20〜95℃の範囲内で変化させた。二次冷却の比水量は1〜2リットル/kg−鋼とした。
【0048】
上述の試験条件の範囲内では、水平部において、鋳片の中心固相率が零を超えることを、鋳片厚み方向での1次元の非定常伝熱解析により確認している。さらに、一部の試験では、鋳片表面温度を連続的に測定すること、および水平部の位置にある鋳片に鋲打ち試験を行い、鋳片の中心固相率が零を超えることを確認した。
【0049】
各試験で得られた鋳片を素材として熱間圧延を行い、厚さ6mmの鋼帯を製造した。その際、鋳片の加熱温度は1180〜1270℃の範囲とし、1100℃前後で粗圧延を終え、引き続き930〜870℃の温度で仕上圧延し、500〜600℃の温度でコイル形状に巻き取った。一部の試験では、さらに、この鋼帯を素材として酸洗後に冷間で圧延し、厚さ2mmの鋼帯とした。この鋼帯を800℃で連続焼鈍した。
【0050】
本試験においては実施していないが、連続鋳造スラブを粗圧延した後、仕上圧延の前に誘導加熱ヒータ等を用いて、粗バーの加熱を行ってもよい。また連続焼鈍後に、インラインにて合金化亜鉛メッキなどを施しても良い。
【0051】
熱間圧延およびその後冷間圧延して得た各鋼帯について、幅方向中央部からサンプルを採取し、機械的性質、化学組成、および伸びフランジ性の評価を行うために穴拡げ試験を実施した。機械的性質は通常のJISで定める方法に基づき、引張強度および伸びを調査した。
【0052】
各鋼帯の化学組成は、下記に示す方法で調査した。まず、鋼帯の平均の化学組成は、全厚の鋼帯サンプルから、直径5mmのドリル刃で切り削を採取し、化学分析法により各元素を分析し、それぞれ各元素の平均の含有率とした。つぎに、厚さ中心から厚さ方向両側にそれぞれ全厚さの10%以内の領域における平均のCおよびMn含有率は、鋼帯を厚さ方向に段削りを行い、所定の厚さ部分の切り削を採取してCおよびMnの含有率を化学分析法により求めた。厚さ方向の断面をEPMAなどを用いる機器分析法によりCおよびMnを分析してもよい。
【0053】
また、穴拡げ試験は、日本鉄鋼連盟規格JFST1001−1996に基づき実施した。
図1は、穴拡げ試験の概略を示す模式図である。図1(a)は薄鋼板に初期の穴を開けた状態を示し、図1(b)は、その初期の穴を拡げた状態を示す。穴拡げ試験では、試験片である薄鋼板1にまず外径10mmのポンチ2による打抜き穴3を開け、つぎに円錐のポンチ2でその穴3を押し拡げる。穴の縁に亀裂が発生し、その後、その亀裂が板厚方向に貫通するまで穴を押し拡げる。亀裂が板厚方向に貫通した際の穴4の直径を求め、その直径を当初の穴の直径10mmで除した値を下記(A)式で示す穴拡げ率λとして、薄鋼板の伸びフランジ性、すなわち加工性を評価する。今回の試験では、ポンチ先端角度、ダイス5とポンチ2の間隙等の条件は、上記規格に沿った条件とした。
λ=(Dh-D0)/D0×100 ・・・(A)
ここで、λ:穴拡げ率(%)
D0 :初期の穴の直径(10mm)
Dh :亀裂が板厚を貫通したときの穴の直径(mm)
各試験条件および各試験結果を表1および表2に示す。
【0054】
【表1】
【表2】
本発明例の試験No.1〜19及び21〜23では、連続鋳造の際の鋳片厚さは230mm、鋳造速度は1.2m/分、1.5m/分、または2.5m/分、タンディッシュ内の溶鋼の過熱度は22〜75℃、水平部のガイドロールの軸心間距離は350〜450mmであり、いずれも本発明の連続鋳造方法で規定する条件の範囲内で連続鋳造を行った。
【0055】
試験No.1〜No.5では、用いた鋼は、C含有率0.11質量%の中炭素鋼であり、その他の元素を含めて、本発明で規定する化学組成の条件の範囲内の鋼である。その内、試験No.1〜No.4では、鋳片を熱間圧延し、厚さ6mmの鋼帯とした。鋼帯の全厚さの平均のCおよびMnの含有率に対する厚さ中心から厚さ方向両側にそれぞれ10%以内の領域における平均のCおよびMnの含有率の比(以下、偏析帯の偏析度と記す)は1.2〜1.5の範囲内の値であり、本発明で規定する条件の範囲内であった。引張強度は44〜47kgf/mm2 、伸びは35〜38%の範囲内であり、良好な機械的性質であった。また、穴拡げ率は92〜95%で、良好な加工性を有する鋼帯であった。また試験No.5では、冷間圧延した厚さ2mmの鋼帯とした。偏析線の偏析度はCが1.5、Mnが1.2であり、本発明で規定する条件の範囲内であった。引張強度は46kgf/mm2 、伸びは38%であり良好な機械的性質であった。また、穴拡げ率は111%で、良好な加工性を有する鋼帯であった。
【0056】
試験No.6〜No.9では、C含有率が0.16質量%の中炭素鋼、また試験No.10〜No.13では、C含有率が0.04質量%の低炭素鋼を用いて、それぞれ上述の試験No.1〜No.5の試験内容に準じて、いずれも本発明の連続鋳造方法で規定する条件の範囲内で連続鋳造を行った。いずれも、CおよびMnの偏析帯の偏析度は1.1〜1.5であり、そのため、引張強度は46〜52kgf/mm2 、伸びは32〜36%で良好な機械的性質であった。さらに、穴拡げ率は75〜117%で良好な結果が得られた。
【0057】
試験No.14〜No.19では、C含有率が0.11質量%の本発明で規定する化学組成の条件の範囲内の中炭素鋼とし、さらに鋼帯の強度を向上させるのに望ましい元素としてTi、Nb、Vのうち1種または2種を添加した化学組成の鋼として試験した。それぞれ上述の試験No.1〜No.4の試験内容に準じて、いずれも本発明の連続鋳造方法で規定する条件の範囲内で連続鋳造を行った。同じC含有率の鋼を用いた試験No.1〜No.4に比べて、引張強度が約20kgf/mm2 程度向上し、64〜66kgf/mm2 となり、また、伸びは26〜27%であり、良好な機械的性質であった。穴拡げ率は71〜75%で良好な結果が得られた。
【0058】
試験No.21では、C含有率が0.16質量%の本発明で規定する化学組成の条件の範囲内の中炭素鋼とし、さらにNb及びVを添加した化学組成の鋼として試験した。上述の試験No.6〜No.8の試験内容に準じて、本発明の連続鋳造方法で規定する条件の範囲内で連続鋳造を行った。同じC含有率の鋼を用いた試験No.6〜No.8に比べて、引張強度が約20kgf/mm2 程度向上し、71.3kgf/mm2 となり、また、伸びは25.1%であり、良好な機械的性質であった。穴拡げ率は69%で良好な結果が得られた。
【0059】
試験No.22およびNo.23では、C含有率が0.04質量%の本発明で規定する化学組成の条件の範囲内の低炭素鋼とし、さらにTi、Nb、Vのうち2種を添加した化学組成の鋼として試験した。それぞれ上述の試験No.10〜No.12の試験内容に準じて、いずれも本発明の連続鋳造方法で規定する条件の範囲内で連続鋳造を行った。同じC含有率の鋼を用いた試験No.10〜No.12に比べて、引張強度が約15〜20kgf/mm2 程度向上し、61〜65kgf/mm2 となり、伸びは27〜29%であり、良好な機械的性質であった。穴拡げ率は74〜77%で良好な結果であった。
【0060】
比較例の試験No.24〜No.28では、連続鋳造の際の鋳片厚さは230mmで、鋳造速度は1.5m/分とし、本発明の連続鋳造方法で規定する条件の範囲内としたが、No.24およびNo.25では、水平部のガイドロールの軸心間距離を480mmとし、本発明の連続鋳造方法で規定する条件の範囲外として試験を行い、またNo.26〜No.28では、タンディッシュ内の溶鋼の過熱度を85℃または90℃とし、本発明の連続鋳造方法で規定する条件の範囲外として試験した。これら試験に用いた鋼は、試験No.1〜No.5と同じ本発明で規定する化学組成の条件の範囲内のC含有率0.11質量%の中炭素鋼とした。
【0061】
その内、試験No.24〜No.27では、鋳片を熱間圧延し、厚さ6mmの鋼帯とした。鋼帯のCおよびMnの偏析帯の偏析度は、1.5〜1.7の範囲内の値であり、少なくともCまたはMnの偏析帯の偏析度が本発明で規定する条件を外れた値であった。そのため、引張強度はとくに問題ないが、伸びは24〜29%と低く、さらに穴拡げ率は60〜68%で悪い結果であった。
【0062】
また、試験No.28では、冷間圧延した厚さ2mmの鋼帯とした。偏析帯の偏析度はCが1.6、Mnが1.7であり、本発明で規定する条件を外れた値であった。そのため、引張強度はとくに問題ないが、伸びは29%と低く、さらに穴拡げ率は58%で悪い結果であった。
【0063】
試験No.29〜No.32では、C含有率が0.16質量%の中炭素鋼、また試験No.33〜No.36では、C含有率が0.04質量%の低炭素鋼を用いて、それぞれ上述の試験No.24〜No.28の試験内容に準じて試験を実施した。すなわち、少なくとも水平部のガイドロールの軸心間距離、またはタンディッシュ内の溶鋼の過熱度を本発明の連続鋳造方法で規定する条件の範囲外として試験した。いずれも鋼帯のCおよびMnの偏析帯の偏析度が1.5〜1.7の範囲内の値であり、少なくともCまたはMnの偏析帯の偏析度が本発明で規定する条件を外れた値であった。そのため、引張強度はとくに問題ないが、伸びが23〜29%と低く、さらに穴拡げ率も熱間圧延した鋼帯で52〜74%と低く、また冷間圧延した鋼帯で66%または79%と低く、悪い結果であった。
【0064】
試験No.37〜No.42では、C含有率が0.11質量%の本発明で規定する化学組成の条件の範囲内の中炭素鋼とし、鋼帯の強度を向上させるのに望ましい元素としてTi、Nb、Vのうち1種または2種を添加した化学組成の鋼として試験した。それぞれ上述の試験No.24〜No.27の試験内容に準じて試験を実施した。すなわち、少なくとも水平部のガイドロールの軸心間距離、またはタンディッシュ内の溶鋼の過熱度を、本発明の連続鋳造方法で規定する条件の範囲外として試験した。いずれも鋼帯のCおよびMnの偏析帯の偏析度が1.4〜1.6の範囲内の値であり、少なくともCまたはMnの偏析帯の偏析度が本発明で規定する条件を外れた値であった。そのため、引張強度はとくに問題ないが、伸びが20〜22%と低く、さらに穴拡げ率も49〜72%と低く悪い結果であった。
【0065】
試験No.43およびNo.44では、C含有率が0.16質量%の本発明で規定する化学組成の条件の範囲内の中炭素鋼とし、さらにTi、Nb、Vのうち2種を添加した化学組成の鋼として試験した。それぞれ上述の試験No.29〜No.31の試験内容に準じて試験を実施した。すなわち、水平部のガイドロールの軸心間距離、またはタンディッシュ内の溶鋼の過熱度を、本発明の連続鋳造方法で規定する条件の範囲外として試験した。いずれも鋼帯のCまたはMnの偏析帯の偏析度が1.6または1.7の値であり、本発明で規定する条件を外れた値であった。そのため、引張強度はとくに問題ないが、伸びが16〜17%と低く、さらに穴拡げ率も48〜49%と低く悪い結果であった。
【0066】
試験No.45およびNo.46では、C含有率が0.04質量%の本発明で規定する化学組成の条件の範囲内の中炭素鋼とし、さらにTi、Nb、Vのうち2種を添加した化学組成の鋼として試験した。それぞれ上述の試験No.33〜No.35の試験内容に準じて試験を実施した。すなわち、水平部のガイドロールの軸心間距離、またはタンディッシュ内の溶鋼の過熱度を、本発明の連続鋳造方法で規定する条件の範囲外として試験した。少なくとも鋼帯のCまたはMnの偏析帯の偏析度が1.6または1.7の値であり、本発明で規定する条件を外れた値であった。そのため、引張強度はとくに問題ないが、伸びが19〜21%と低く、さらに穴拡げ率も50〜57%と低く悪い結果であった。
【0067】
【発明の効果】
本発明の薄鋼板および連続鋳造方法の適用により、プレス加工などの際に割れの発生がなく、加工性のよい熱間圧延した薄鋼板または熱間圧延後に冷間圧延した薄鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】穴拡げ試験の概略を示す模式図である。
【図2】ガイドロールの軸心間距離を示す模式図である。
【図3】(C)o、(Mn)o、(C)tおよび(Mn)tを示す模式図である。
【符号の説明】
1:薄鋼板 2:ポンチ 3:穴
4:亀裂が板厚方向に貫通した際の穴 5:ダイス
6:ガイドロールのロール 7:ロールの軸心間距離
8:鋳造方向 9:偏析帯
10:厚さ中心 11:全厚さの10%以内の領域
12:全厚さ
D0 :初期の穴の直径(10mm)
Dh :亀裂が板厚を貫通したときの穴の直径(mm)
Claims (4)
- 全板厚の平均の化学組成における含有率が、質量%で、C:0.03〜0.16%、Si:0.2%以下、Mn:1.4%以下、P:0.03%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.10%以下であり、残部がFeおよび不純物元素からなる厚さが8mm以下の薄鋼板であって、下記の(イ)式および(ロ)式を満足することを特徴とする伸びが25.1%以上かつ穴拡げ率が69%以上である薄鋼板。
1<(C)t/(C)o≦1.5 ・・・(イ)
1<(Mn)t/(Mn)o≦1.5 ・・・(ロ)
ここで、(C)t:厚さ中心から厚さ方向両側にそれぞれ全厚さの10%以内の領域における平均のCの含有率(質量%)
(C)o:全板厚の平均のCの含有率(質量%)
(Mn)t:厚さ中心から厚さ方向両側にそれぞれ全厚さの10%以内の領域における平均のMnの含有率(質量%)
(Mn)o:全板厚の平均のMnの含有率(質量%) - 請求項1に記載の薄鋼板であって、さらに質量%で、Nb:0.2%以下、Ti:0.2%以下およびV:0.2%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする薄鋼板。
- 質量%で、C:0.03〜0.16%、Si:0.2%以下、Mn:1.4%以下、P:0.03%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.10%以下を含有する鋼を溶製して、タンデッシュ内の溶鋼の過熱度を80℃以下、鋳片断面形状が長方形で厚さ300mm以下、鋳造速度1.2m/分〜3m/分および厚さ中心部が凝固完了するまでの鋳片の領域において互いに隣接する鋳片支持用ガイドロールの軸芯間距離を300〜450mmとする条件で鋳造し、次いで圧延して薄鋼板とすることを特徴とする薄鋼板の製造方法。
- 質量%で、C:0.03〜0.16%、Si:0.2%以下、Mn:1.4%以下、P:0.03%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.10%以下を含有し、さらに、Nb:0.2%以下、Ti:0.2%以下およびV:0.2%以下のうちの1種または2種以上を含有する鋼を溶製して、タンデッシュ内の溶鋼の過熱度を80℃以下、鋳片断面形状が長方形で厚さ300mm以下、鋳造速度1.2m/分〜3m/分および厚さ中心部が凝固完了するまでの鋳片の領域において互いに隣接する鋳片支持用ガイドロールの軸芯間距離を300〜450mmとする条件で鋳造し、次いで圧延して薄鋼板とすることを特徴とする薄鋼板の製造方法。
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