JP2018096413A - フロントフォーク - Google Patents
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Abstract
【課題】 アクスルブラケットの加工難易度を低くできるとともに、チューブ部材の車輪側開口から注液したり、部品交換をしたりする場合であっても、アクスルブラケットに注液用の孔を設ける必要がなく、部品交換を容易にできるフロントフォークを提供する。
【解決手段】 フロントフォークFが車体側のアウターチューブ40と、車輪側のインナーチューブ41とを有するテレスコピック型のチューブ部材4と、インナーチューブ41の端部に着脱可能に装着されて、インナーチューブ41の車輪側開口を閉塞するボトムキャップ46と、ボトムキャップ46を介してインナーチューブ41に取り付けられて、インナーチューブ41を車輪の車軸に連結するアクスルブラケット3とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】 フロントフォークFが車体側のアウターチューブ40と、車輪側のインナーチューブ41とを有するテレスコピック型のチューブ部材4と、インナーチューブ41の端部に着脱可能に装着されて、インナーチューブ41の車輪側開口を閉塞するボトムキャップ46と、ボトムキャップ46を介してインナーチューブ41に取り付けられて、インナーチューブ41を車輪の車軸に連結するアクスルブラケット3とを備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、フロントフォークに関する。
従来、二輪車又は三輪車等の鞍乗型車両に利用されるフロントフォークは、車体側チューブと車輪側チューブとを有して構成されるテレスコピック型のチューブ部材と、このチューブ部材の車輪側チューブを前輪の車軸に連結するアクスルブラケットとを備える。また、チューブ部材の内部には液体、気体等の作動流体が収容されており、チューブ部材の車体側開口をキャップで塞ぐとともに、車輪側開口をアクスルブラケットで塞いで上記作動流体の流出を防いでいる(例えば、特許文献1)。
例えば、特開平6−42569号公報に記載のフロントフォークでは、アクスルブラケットが有底筒状のソケット部を有する。当該ソケット部における筒部の内周には、車輪側チューブを螺合するための螺子溝が形成されるとともに、その下側に周方向に沿って環状溝が形成されている。そして、当該環状溝には、Oリング等の環状のシールが装着されており、車輪側チューブをアクスルブラケットに螺合した状態で車輪側チューブの外周をシールできるようになっている。
しかしながら、このように筒部の内周に環状溝を形成する加工は、外周に環状溝を形成する加工と比較して格段に難易度が高く、このような加工ができないことがある。
また、上記従来のアクスルブラケットでは、アクスルブラケットと車輪側チューブとの螺子締結が緩むのを確実に防ぐため、アクスルブラケットに車輪側チューブを螺合した後、当該部分を潰して回り止めするのが一般的である。この場合、アクスルブラケットと車輪側チューブの着脱が不能になるものの、チューブ部材の車体側開口に設けたキャップの着脱が可能であれば、チューブ部材の車体側開口からチューブ部材内に液体を供給したり、チューブ部材の内部に収容される部品を交換したりできる。
よって、回り止めのためアクスルブラケットと車輪側チューブを着脱不能にしてもメンテナンスに支障はでないが、場合によっては、チューブ部材の車輪側開口から注液したり、メンテナンスのための部品交換をしたりするのが好ましいことがある。このような場合において、前述のようにアクスルブラケットと車輪側チューブとを着脱不能にすると、注液用の孔をアクスルブラケットに別途設ける必要が生じるとともに、強度上の観点から上記孔をそれほど大きくできず、部品交換ができなくなったり、困難になったりする問題がある。
そこで、本発明は、このような不具合を解消し、アクスルブラケットの加工難易度を低くできるとともに、チューブ部材の車輪側開口から注液したり、部品交換をしたりする場合であっても、アクスルブラケットに注液用の孔を設ける必要がなく、部品交換を容易にできるフロントフォークの提供を目的とする。
上記課題を解決するフロントフォークは、車体側チューブと車輪側チューブとを有するテレスコピック型のチューブ部材と、前記車輪側チューブの端部に着脱可能に装着されて、前記車輪側チューブの車輪側開口を閉塞するボトムキャップと、前記ボトムキャップを介して前記車輪側チューブに取り付けられるアクスルブラケットとを備える。
上記構成によれば、車輪側チューブの車輪側開口をボトムキャップで塞いでいるので、アクスルブラケットの筒部の内周にシールを装着するための環状溝を設ける必要がない。また、アクスルブラケットがボトムキャップを介して車輪側チューブに取り付けられるとともに、当該ボトムキャップを車輪側チューブに着脱できる。よって、アクスルブラケットと車輪側チューブの回り止めをしても、アクスルブラケットをボトムキャップとともに車輪側チューブから取り外すことができ、ボトムキャップを外せば車輪側チューブの開口を開放できる。
また、上記フロントフォークでは、前記アクスルブラケットが有底筒状のソケット部を有し、その内側に前記車輪側チューブが挿入されるとともに、前記アクスルブラケットと前記ボトムキャップが、前記ソケット部の底部を貫き先端が前記ボトムキャップに螺合されるボルトで連結されているとよい。当該構成によれば、ボトムキャップに対してアクスルブラケットを着脱可能にできるので、車輪側チューブに対してボトムキャップを着脱しやすい。
本発明のフロントフォークによれば、アクスルブラケットの加工難易度を低くできるとともに、チューブ部材の車輪側開口から注液したり、部品交換をしたりする場合であっても、アクスルブラケットに注液用の孔を設ける必要がなく、部品交換を容易にできる。
以下に本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品を示す。
図1に示す本発明の一実施の形態に係るフロントフォークFは、二輪車又は三輪車等の鞍乗型車両において、前輪Wを懸架するための懸架装置である。以下、車両に取り付けられた状態でのフロントフォークFの上下を、特別な説明がない限り単に「上」「下」という。
フロントフォークFは、前輪Wの両側に起立する一対の緩衝器1,1と、これら緩衝器1,1の上端部を連結する車体側ブラケット2と、各緩衝器1,1の下端部を前輪Wの車軸にそれぞれ連結するアクスルブラケット3とを備える。また、上記車体側ブラケット2には、ステアリングシャフト20が取り付けられている。
図示しないが、ステアリングシャフト20は、車体の骨格となる車体フレームのヘッドパイプ内に回転自在に挿入されており、ハンドルの操作により回転する。そして、ステアリングシャフト20を回転すると、フロントフォークFが前輪Wを支持しつつステアリングシャフト20を中心に回転するので、ハンドル操作により前輪Wの向きを変えられる。
一対の緩衝器1,1は、フロントフォークFにおいて前輪Wを支える一対の脚部を構成し、共通の構成を備える。具体的に、各緩衝器1は、図2に示すように、アウターチューブ40と、アウターチューブ40に出入りするインナーチューブ41とを有して構成されるテレスコピック型のチューブ部材4と、このチューブ部材4の内部に収容される緩衝器本体5と、緩衝器本体5の内部に収容される懸架ばね9と、チューブ部材4の上端開口を塞ぐキャップ42と、チューブ部材の下端開口を塞ぐボトムキャップ46とを有する。
また、チューブ部材4において、アウターチューブ40とインナーチューブ41との重複部の間は、オイルシール43とダストシール44により塞がれる。これらオイルシール43とダストシール44は、環状に形成されてアウターチューブ40の下端部内周に装着されており、インナーチューブ41の外周に摺接する。このため、チューブ部材4の内部は、キャップ42、ボトムキャップ46、オイルシール43、及びダストシール44によって外部と区画され、チューブ部材4の内部に収容される液体と気体が外部へ漏れるのを防止できる。
本実施の形態において、チューブ部材4は、倒立型に設定されており、アウターチューブ40が車体側チューブ、インナーチューブ41が車輪側チューブとなっている。そして、アウターチューブ40が車体側ブラケット2に固定され、インナーチューブ41がアクスルブラケット3に固定されている。
アウターチューブ40は、筒状であり、上から小内径部40a、本体部40b、及びケース部40cをこの順に有している。小内径部40aの内径は、それよりも下側の本体部40bの内径及びケース部40cの内径よりも小さく、当該小内径部40aの内周にキャップ42が装着される。
また、ケース部40cの内径は、本体部40bの内径よりも大きく、当該ケース部40cの内周に上記オイルシール43及びダストシール44が装着される。さらに、当該ケース部40cの内周には、インナーチューブ41を摺動自在に軸支する環状のブッシュ45が装着されている。
また、本体部40bの内径は、インナーチューブ41の外周に摺接可能な径に設定されている。つまり、本体部40bの内径は、ブッシュ45の内径と略同じであり、本体部40bは、ブッシュ45とともにインナーチューブ41を摺動自在に軸支する。インナーチューブ41において、アウターチューブ40の内側に挿入され、直接的、又はブッシュ等を介して間接的にアウターチューブに軸支される部分を摺動部とする。すると、上記構成によれば、当該摺動部の外径が小内径部40aの内径よりも大きくなる。
小内径部40aを含むアウターチューブ40の上部は、車体側ブラケット2に溶接により固定される。より詳しくは、車体側ブラケット2は、金属製であり、図3(a)(b)に示すように、略板状の天板21と、この天板21の底に溶接固定される断面コ字状のブラケット本体22とを有する。
ブラケット本体22は、鋼板を折り曲げて形成されており、略矩形の底部22aと、この底部22aの向かい合う二辺から向い合せに起立する一対の耳部22b,22bとを有する。底部22aにおいて、耳部22bが連なっていない方の二辺は、円弧状に窪んでいる。これらの窪み22c,22cは、アウターチューブ40の上部外周に沿った形状となっている。
そして、本実施の形態において、アウターチューブ40を車体側ブラケット2に溶接するとき、底部22aの窪み22cにそれぞれアウターチューブ40を挿入した状態で、アウターチューブ40の上端と一対の耳部22b,22bの上端を天板21の底面に突き当てて、当該当接部の外周を一周するように溶接する。
また、天板21と、ブラケット本体22と、その両側のアウターチューブ40,40とで囲われた空間を車体側ブラケット2の内部とすると、上記溶接方法によれば、アウターチューブ40の上端において車体側ブラケット2の内部に面する部分に、天板21と溶接されていない部分ができる(図3(b)中矢印M)。よって、緩衝器1では、キャップ42を設けて、アウターチューブ40の上側開口を塞いでいる。
キャップ42の外周には、周方向に沿う環状溝が形成されており、当該環状溝に環状のシール42aが装着されている。また、キャップ42には、上下に開口する螺子孔42b,42cが形成されており、天板21には、上側の螺子孔42bと対向する位置にボルト挿通孔21aが形成されている。そして、キャップ42をアウターチューブ40の下側から小内径部40aの内側に挿入し、天板21の上側から螺子孔42b内にボルト23を捻じ込むと、キャップ42が車体側ブラケット2及びアウターチューブ40に固定される。
シール42aは、ゴム等で形成されており、小内径部40aに対して所定の締め代を有する。よって、キャップ42を小内径部40aの内側に挿入すると、当該小内径部40aでシール42aが圧縮されて、その外周が小内径部40aの内周に密着するので、小内径部40aの内周がシールされる。本実施の形態において、シール42aはOリングであるが、これ以外のシールであってもよい。
また、本実施の形態において、キャップ42は、環状溝、及び螺子孔42b,42cが形成されるキャップ本体(符示せず)と、当該キャップ本体の環状溝に装着されるシール42aとを有して構成される。しかし、キャップ本体とシールを一体形成してもよく、アウターチューブの上端開口を密に塞げる限り、キャップの構成を適宜変更できる。
つづいて、インナーチューブ41は、図2に示すように、筒状であり、上側がアウターチューブ40の内側に摺動自在に挿入されている。また、インナーチューブ41の下端部外周には、ボトムキャップ46を介してアクスルブラケット3がボルト47の利用により着脱可能に固定される。
より詳しくは、ボトムキャップ46は、インナーチューブ41の内側に挿入されるキャップ本体46aと、インナーチューブ41から外方へ突出して外径がキャップ本体46aの外径よりも大きいフランジ部46bと、このフランジ部46bの下方に連なり外径がフランジ部46bの外径よりも小さい把持部46cとを有する。
キャップ本体46aの外周には螺子溝が形成されており、インナーチューブ41の下端部内周にボトムキャップ46が螺合により固定される。また、キャップ本体46aの外周であって、螺子溝が形成された部分の下側には周方向に沿う環状溝が形成されており、当該環状溝に環状のシール46dが装着される。
当該シール46dは、ボトムキャップ46をインナーチューブ41に螺合した状態でインナーチューブ41の外周に密着し、当該部分をシールする。本実施の形態において、シール46dはOリングであるが、これ以外のシールであってもよい。
また、キャップ本体46aの上端部には、凸部46eが設けられており、当該凸部46eの外周に後述する緩衝器本体5のシリンダ6が嵌合できるようになっている。また、把持部46cの外周には、二面幅が形成されていて、工具等で掴み易い形状となっている。さらに、ボトムキャップ46には、下側に開口する螺子孔46fが形成されている。
つづいて、アクスルブラケット3は、アルミ等の金属製であり、内側にインナーチューブ41の下端部が挿入される有底筒状のソケット部3aを有する。また、アクスルブラケット3には、当該アクスルブラケット3を前輪Wの車軸へ連結するための取付孔3bと、ソケット部3aの底部を貫通するボルト挿通孔3cが形成されている。
ボルト挿通孔3cは、ボトムキャップ46の螺子孔46fと対向する位置に設けられている。そして、ボルト47をボルト挿通孔3cから挿通して螺子孔46fに螺合すると、ボルト47のヘッド部とボトムキャップ46とでソケット部3aの底部が挟まれる。このように、アクスルブラケット3とボトムキャップ46はボルト47により締結されるとともに、ボルト47を外せば分解される。
また、図示しないが、アクスルブラケット3とインナーチューブ41との間、又は、アクスルブラケット3とボトムキャップ46との間には、アクスルブラケット3とインナーチューブ41の相対回転を阻止する回り止めが設けられている。
例えば、当該回り止めは、キーとキー溝により構成されていて、キーとキー溝のうちの一方がインナーチューブ41の外周に設けられ、他方がソケット部3aの筒部の内周に設けられている。なお、回り止めは、ピンとピン穴により構成されて、ピンとピン穴のうちの一方がボトムキャップ46の下端部に設けられ、他方がソケット部3aの底部に設けられるとしてもよい。
このように、回り止めは、インナーチューブ41に対するアクスルブラケット3の回転を阻止しつつ、インナーチューブ41にボトムキャップ46を着脱する際の妨げとならない構造となっている限り、適宜構成を変更できる。
つづいて、緩衝器本体5は、シリンダ6と、シリンダ6内に摺動自在に挿入されるピストン70と、下端がピストン70に連結されて上端がシリンダ6外へ突出するロッド7と、シリンダ6の上端開口部に取り付けられて、ロッド7を摺動自在に軸支する環状のロッドガイド60と、ロッドガイド60とピストン70との間に配置される伸切ばね8とを備える。
シリンダ6は、インナーチューブ41の内側に当該インナーチューブ41の軸方向に沿って配置される。そして、インナーチューブ41に螺合されたボトムキャップ46の凸部46eにシリンダ6の下端を嵌合するとともに、ロッドガイド60をシリンダ6の上端に嵌合した状態で、インナーチューブ41の上端を内側に加締めると、シリンダ6及びロッドガイド60がインナーチューブ41に固定される。
より詳しくは、ロッドガイド60は、図4に示すように、シリンダ6内に挿入される環状の嵌合部60aと、シリンダ6外へ突出して外径が嵌合部60aの外径よりも大きい大外径部60bとを有する。そして、ロッドガイド60の外周には、嵌合部60aと大外径部60bの境界に、環状の段差60cが形成されており、当該段差60cにシリンダ6の上端を突き当てられる。
そして、シリンダ6の下端をボトムキャップ46の凸部46e(図2)に嵌合するとともに、シリンダ6の上端にロッドガイド60の嵌合部60a(図4)を嵌合し、シリンダ6の上端を段差60cに突き当てた状態でインナーチューブ41の上端を内側へ加締めると、当該加締め部41bとボトムキャップ46とでシリンダ6とロッドガイド60が挟まれる。よって、シリンダ6とロッドガイド60がインナーチューブ41に固定される。このように、本実施の形態ではシリンダ6とインナーチューブ41が一体化されて、複筒型のシリンダ部材Sを構成する。
つづいて、シリンダ5の内側は、ピストン60で二つの部屋に仕切られている。これら二つの部屋のうち、緩衝器1の伸長時に縮小する一方の部屋を伸側室R1、緩衝器1の収縮時に縮小する他方の部屋を圧側室R2とすると、本実施の形態では、伸側室R1が上側に、圧側室R2が下側に配置される。これら伸側室L1と圧側室L2には、作動油等の液体が充填されている。
また、シリンダ6の外側であって、インナーチューブ41とシリンダ6との間にできる筒状の空間をシリンダ外周室R1(図4)とし、シリンダ6外へ突出するロッド7とアウターチューブ40との間にできる空間をロッド外周室R2(図4)とすると、これらはロッドガイド60の大外径部60bに形成された通孔60dにより連通される。
つまり、当該通孔60dの存在により、シリンダ外周室R1とロッド外周室R2が大外径部60bで仕切られず、一続きの部屋となっている。そして、当該部屋は、液溜室L3とされており、液体が貯留されるとともにその液面の上方に気体が封入されて気室Gが形成されている。
シリンダ6には、シリンダ6内外を連通する伸側連通孔6aと圧側連通孔6bが形成されている。伸側連通孔6aと圧側連通孔6bは、絞りとして機能し、液体の流れに抵抗を与える。伸側連通孔6aは、シリンダ6の上部であって、液溜室L3の液面よりも常に低くなる位置に形成されている。また、圧側連通孔6bは、伸側連通孔6aよりもさらに低い位置に形成されている。そして、フロントフォークFが通常のストローク範囲内で伸縮する場合には、ピストン70が伸側連通孔6aと圧側連通孔6bの間を移動するようになっている。
つづいて、ピストン70は、環状に形成されており、ロッド7の下端部外周に固定されている。ピストン70には、伸側室L1と圧側室L2とを連通する連通路70aが形成されるとともに、連通路70aを開閉する圧側バルブ71が装着されている。
本実施の形態において、圧側バルブ71は環板状のリーフバルブであり、ピストン70の上側に積層された状態で、内周部がピストン70とともにロッド7の外周に固定され、外周側の撓みが許容されている。当該圧側バルブ71の外周部は、連通路70aの上側開口を囲う弁座70b(図4)に離着座可能となっている。
そして、伸側室L1の圧力は、圧側バルブ71の外周部を弁座70bに押し付けて、圧側バルブ71を閉弁させる方向に作用する。その一方、圧側室L2の圧力は、連通路70aを通じて圧側バルブ71に作用し、当該圧側バルブ71の外周部を弁座70bから離座させて、圧側バルブ71を開弁させる方向に作用する。
また、本実施の形態において、圧側バルブ71はチェックバルブであり、圧側室L2の圧力が伸側室L1の圧力を上回ると、圧側バルブ71の外周部が弁座70bから離れて連通路70aを速やかに開放する。
上記圧側バルブ71が離着座する弁座70bには、切欠きが形成されている。そして、当該切欠きによってオリフィス72(図4)が形成される。このため、圧側バルブ71が閉弁し、圧側バルブ71の外周部が弁座70bに着座した状態であっても、伸側室L1と圧側室L2は、上記オリフィス72を介して連通されている。
なお、圧側バルブ71の構成は適宜変更できる。例えば、圧側バルブ71がポペット弁等、リーフバルブ以外のバルブであってもよい。また、オリフィスの形成方法も上記の限りではなく、適宜変更できる。例えば、リーフバルブの外周部に切欠きを形成し、当該切欠きによってオリフィスを形成してもよい。
つづいて、シリンダ6内に挿入されるロッド7の下端には、ピストン70より下端にばね受け90が取り付けられている。そして、当該ばね受け90で懸架ばね9の上端を支持する。
ばね受け90の外径はシリンダ6の内径よりも小さく、ばね受け90には軸方向に沿って切欠き90a(図4)が形成されている。よって、連通路70aを介して伸側室L1と圧側室L2との間を行き来する液体の流れがばね受け90によって妨げられることがない。また、ばね受け90で伸側連通孔6aと圧側連通孔6bを塞ぐこともない。
懸架ばね9は、コイルばねであり、圧縮量に応じた弾性力を発揮する。懸架ばね9の下端は、アクスルブラケット3で支えられており(図2)、懸架ばね9の弾性力は、ピストン70を上方へ押し上げて、ロッド7をシリンダ6から退出させる方向に作用する。
図2に示すように、シリンダ6外へ突出するロッド7の上端部外周には、螺子溝7aが形成されており、当該部分がキャップ42の螺子孔42cに螺合する。そして、ロッド7はキャップ42を介してアウターチューブ40に連結される。よって、懸架ばね9の弾性力は、アウターチューブ40からインナーチューブ41を退出させてチューブ部材4を伸長させる方向に作用する。
また、キャップ42の上部外周には二面幅が形成されていて、キャップ42をロッド7に螺合する際に工具等で掴み易い形状となっている。
以下、本実施の形態に係るフロントフォークFの組立方法について説明する。
本実施の形態に係るフロントフォークFは、インナーチューブ41、緩衝器本体5、及びキャップ42を予め組み立ててサブアッセンブリA(図5)を構成するサブアッセンブリ工程と、当該工程により形成されたサブアッセンブリAをアウターチューブ40に組み付ける成果物組立工程と、当該工程により形成された緩衝器1の内部に液体を注ぐ注液工程と、アクスルブラケット3を組み付けるアクスルブラケット組付工程とを経て製造される。以下、各工程について詳細に説明する。
まず、サブアッセンブリ工程では、図5中左側に示すように、インナーチューブ41の内側に緩衝器本体5を挿通し、インナーチューブ41外へ突出させたロッド7の上端部外周にキャップ42を装着して、サブアッセンブリAを形成する。
つづいて、成果物組立工程では、車体側ブラケット2に溶接固定されたアウターチューブ40の内側にサブアッセンブリAをキャップ42側から挿入し、キャップ42を小内径部40aの内側へ押し込む。そして、車体側ブラケット2の天板21の上側からキャップ42の螺子孔42bにボルト23を捻じ込み、当該ボルト23でキャップ42をアウターチューブ40に固定する。さらに、アウターチューブ40のケース部40cに、ブッシュ45、オイルシール43、及びダストシール44を装着する。
前述のように、フロントフォークFでは、アウターチューブ40の上側開口が車体側ブラケット2の天板21で塞がれており、アウターチューブ40の上側からその内部へ部品を取り付けられない構造となっている。そこで、本実施の形態に係るフロントフォークFでは、アウターチューブ40の下側からサブアッセンブリAとして一体化したキャップ42、緩衝器本体5、及びインナーチューブ41を組み付けている。
このように、アウターチューブ40の下側からキャップ42を挿入し、キャップ42をその取付位置となるアウターチューブ40の上端部の小内径部40aまでキャップ42をスライドさせる場合であっても、アウターチューブ40では小内径部40aの内径よりもその下側の内径が大きく、キャップ42の取付作業が容易である。
また、当該成果物組立工程を終了した段階で、シリンダ6の内側に懸架ばね9が収容されるようになっている。つまり、成果物組立工程を終了すると、緩衝器1の内部に液体を注入し、チューブ部材4の下側開口をボトムキャップ46で塞いでアクスルブラケット3を装着すれば、フロントフォークFが完成する状態となっている。
なお、図5には、アウターチューブ40に連結される前の緩衝器本体5に懸架ばね9が収容された状態を示しているが、アウターチューブ40に緩衝器本体5のロッド7をボルト23で連結した後、緩衝器本体5の内部に懸架ばね9を収容してもよい。
また、図5には、インナーチューブ41からボトムキャップ46が外された状態を示しているが、ボトムキャップ46を装着した状態でサブアッセンブリAをアウターチューブ40に組み付けてもよい。つまり、緩衝器1に液体を注入する注液工程よりも前に、ボトムキャップ46が取り外された状態になっていればよい。
つづいて、注液工程では、図6に示すように成果物組立工程で形成されたフロントフォークFの上下を逆さにし、インナーチューブ41を上側に、アウターチューブ40を下側に向けて配置する。そして、図6中上側を向くインナーチューブ41の車輪側開口から緩衝器1の内部へ液体を注ぐ。
このとき、シリンダ6の車輪側開口も上側を向いているので、緩衝器1の内部へ注がれた液体は、圧側室L2と液溜室L3に流入し、圧側バルブ71を開いて伸側室L1へ移動する。また、圧側室L2に流入した液体は、圧側連通孔6bからシリンダ6外へも移動する。
そして、規定量の液体を緩衝器1の内部へ注いだ後に、インナーチューブ41にボトムキャップ46を螺合するとともに、ボトムキャップ46の凸部46eをシリンダ6に嵌合する。すると、チューブ部材4とシリンダ6の車輪側開口(取付状態における下側開口)がボトムキャップ46で塞がれる。このように、当該注液工程は、規定量の液体を緩衝器1の内部へ注いだ後にチューブ部材4の開口をボトムキャップ46で塞ぐと終了する。
前述のように、ボトムキャップ46はインナーチューブ41の内周に螺合されており、ボトムキャップ46を取り外した状態では、インナーチューブ41の図中6上端開口(車輪側開口)が完全に開放された状態(全開)となる。このため、インナーチューブ41の車輪側開口全てを注液口として利用でき、注液口を大きくできる。よって、注液作業が容易である。
つづいて、アクスルブラケット組付工程では、注液工程を終了した緩衝器1のボトムキャップ46側の端部をアクスルブラケット3のソケット部3aに挿入し、図6中上側からボルト47をボルト挿通孔3cへ挿通してボトムキャップ46の螺子孔46fに螺合する。すると、緩衝器1のボトムキャップ46にアクスルブラケット3がボルト47で締結されて、フロントフォークFが完成する。
前述のように、アクスルブラケット3がボトムキャップ46を介してインナーチューブ41に装着されている。このため、フロントフォークFが一旦完成した後であっても、メンテナンス時には、ボトムキャップ46とともにアクスルブラケットをインナーチューブ41から取り外すことができる。
また、前述のように、ボトムキャップ46を外すと、インナーチューブ41の車輪側開口を全開にできるので、注液作業を容易にできるとともに、インナーチューブ41内に収容される懸架ばね9等の部品の交換を容易にできる。よって、メンテナンス作業を容易にできる。
また、ボルト47を外せば、アクスルブラケット3をボトムキャップ46から取り外すことができる。つまり、アクスルブラケット3をボトムキャップ46から取り外した状態で、インナーチューブ41へボトムキャップ46を着脱できる。よって、ボトムキャップ46の着脱作業も容易であり、メンテナンス作業を一層容易にできる。
以下、本実施の形態に係るフロントフォークFの作動について説明する。
車両が凹凸のある路面を走行する等して前輪W(図1)が上下に振動すると、インナーチューブ41がアウターチューブ40に出入りしてチューブ部材4が伸縮し、ロッド7がシリンダ6に出入りして緩衝器本体5が伸縮するので緩衝器1が伸縮する。また、緩衝器1が伸縮すると、ばね受け90がシリンダ6内を上下に動いてアクスルブラケット3に遠近するので、懸架ばね9が緩衝器1とともに伸縮し、フロントフォークFが伸縮する。
懸架ばね9は、ピストン70を図2中上方へ押し上げてフロントフォークFを伸長方向へ附勢するようになっており、車体を弾性支持する。当該懸架ばね9の弾性力は、フロントフォークFの収縮量が大きくなる程大きくなる。
また、インナーチューブ41がアウターチューブ40から退出するとともに、ロッド7がシリンダ6から退出するフロントフォークFの伸長時には、ピストン70がシリンダ6内を図2中上方へ移動する。すると、縮小される伸側室L1の液体がオリフィス72(図4)を通って拡大する圧側室L2へ移動するとともに、伸側連通孔6aを通って液溜室L3へ移動する。
伸側室L1から圧側室L2又は液溜室L3へ流出する液体の流れに対しては、オリフィス72(図4)又は伸側連通孔6aによって抵抗が与えられるので、伸側室L1の圧力が上昇し、緩衝器1がフロントフォークFの伸長作動を抑制する伸側減衰力を発揮する。また、フロントフォークFの伸長時において、シリンダ6から退出するロッド体積分の液体がシリンダ6内で不足するが、その不足分の液体は、圧側連通孔6bを介して液溜室L3から圧側室L2へ供給される。
また、フロントフォークFの伸長時であって、当該フロントフォークFの伸長側へのストローク量が通常のストローク範囲を超えて大きくなると、ピストン70が伸側連通孔6aを超えて上方へ移動する。すると、伸側室L1の液体が伸側連通孔6aを通って液溜室L3へ移動できなくなるので、伸側室L1の液体はオリフィス72(図4)のみを通って伸側室L1外へ流出するようになる。
つまり、フロントフォークFの伸長側へのストローク量が大きくなると、伸側室L1外へ流出する液体の流れを許容する流路の流路面積が小さくなるので、緩衝器1の発揮する伸側減衰力が大きくなる。
加えて、フロントフォークFの伸長側へのストローク量が大きく場合には、ピストン70がロッドガイド60に接近して伸切ばね8が圧縮される。すると、伸切ばね8が圧縮量に応じた弾性力を発揮する。当該伸切ばね8の弾性力は、フロントフォークFを収縮させる方向に作用する。
よって、フロントフォークFの伸長時であって、当該フロントフォークFの伸長側へのストローク量が通常のストローク範囲を超えて大きくなると、伸切ばね8の弾性力と、緩衝器1の発揮する上記大きな伸側減衰力によりフロントフォークFの伸長速度が減速される。このため、フロントフォークFの最伸長時の衝撃が緩和される。
反対に、インナーチューブ41がアウターチューブ40内に進入するとともに、ロッド7がシリンダ6内に進入するフロントフォークFの収縮時には、ピストン70がシリンダ6内を図2中下方へ移動する。すると、縮小される圧側室L2の液体が圧側バルブ71を開き、連通路70aを通って伸側室L1へ移動する。前述のように、圧側バルブ71はチェックバルブであるので、フロントフォークFの収縮時において、伸側室L1と圧側室L2の圧力は略同圧になる。
また、フロントフォークFの収縮時には、シリンダ6内に進入するロッド体積分の液体がシリンダ6内で余剰になるので、この余剰分の液体が圧側連通孔6bを通り、圧側室L2から液溜室L3へ流出する。当該液体の流れに対して圧側連通孔6bによって抵抗が与えられるので、シリンダ6内の圧力が上昇し、緩衝器1がフロントフォークFの収縮作動を抑制する圧側減衰力を発揮する。
また、フロントフォークFの収縮時には、インナーチューブ41がアウターチューブ40に進入して気室Gの容積が小さくなる。よって、気室G内の気体が圧縮されて気室Gの圧力が上昇し、当該圧力によってフロントフォークFが伸長方向へ附勢される。つまり、上記気室Gを有してエアばねが構成されており、フロントフォークFを伸長方向へ附勢する。
そして、上記エアばねの弾性力は、フロントフォークFの収縮側へのストローク量が大きくなると、急激に大きくなるようになっている。よって、フロントフォークFの収縮側へのストローク量が大きくなると、フロントフォークF全体としての弾性力が急激に大きくなり(図7中実線)、当該大きな弾性力によりフロントフォークFの収縮速度が減速される。よって、フロントフォークFの最収縮時の衝撃を緩和できる。
以下、本実施の形態に係るフロントフォークFの作用効果について説明する。
本実施の形態において、液溜室L3の液面の上方に気体が封入されて気室Gが形成されており、当該気室Gを有してエアばねが構成されている。また、ロッド7は、懸架ばね(コイルばね)9でシリンダ6から退出する方向へ附勢されている。
上記構成によれば、フロントフォークFの収縮側へのストローク量が大きくなった場合にエアばねの弾性力を立ち上げて、フロントフォークFの最収縮時の衝撃を緩和できる。また、通常のストローク範囲では、エアばねの弾性力を小さく維持してフロントフォークF全体としての弾性力が過大になるのを防止できる。よって、車両の乗り心地を良好にできる。
なお、フロントフォークFにおいて、懸架ばね9はコイルばねであるが、エアばねであってもよい。また、フロントフォークFは、一対の脚部を備える。そして、一対の脚部がともに緩衝器1であって共通の構成を備える。しかし、フロントフォークの構成は、この限りではない。例えば、フロントフォークが一対の脚部を備える場合、片方の脚部のみが上記緩衝器1であるとしてもよい。また、フロントフォークは片脚型であってもよく、フロントフォークが減衰力発生機能を有していないばね脚等の脚部を有する場合には、当該脚部に本発明が具現化されるとしてもよい。
また、本実施の形態において、シリンダ部材Sは、シリンダ6と、シリンダ6の外周に配置されるインナーチューブ41とを有して、複筒型となっている。さらに、シリンダ6とインナーチューブ41との間には、シリンダ外周室R1が形成されており、シリンダ6外へ突出したロッド7とアウターチューブ40との間には、ロッド外周室R2が形成されている。そして、シリンダ外周室R1とロッド外周室R2は、連通して一続きの液溜室L3とされており、当該液溜室L3に液体が貯留されている。
このため、シリンダ部材Sの外周となるインナーチューブ41の外周を上記液体で潤滑できる。よって、シリンダ部材Sがアウターチューブ40内を円滑に摺動できる。さらに、上記構成によれば、液溜室L3の液面をシリンダ外周室R1内まで下げられる。このため、気室G容積を確保し易く、気室G内の圧力が過大になるのを防止できる。
また、本実施の形態では、液溜室L3がシリンダ6内に連通されている。このため、ロッド出没体積分のシリンダ内容積変化、及び温度変化による液体の体積変化を液溜室L3で補償できる。つまり、液溜室L3がリザーバの液体貯留室として機能し、チューブ部材4がリザーバのハウジングを構成する。しかし、液溜室L3は、シリンダ6内に連通されていなくてもよく、シリンダ部材Sが単筒型とされていてもよい。そして、このような変更は、懸架ばねの構成、並びに、フロントフォークの脚部及び緩衝器の数によらず可能である。
また、本実施の形態において、緩衝器1は、アウターチューブ40と、アウターチューブ40内に摺動可能に挿入されるシリンダ部材Sと、シリンダ部材Sに出入りするロッド7と、シリンダ部材Sの外方へ突出したロッド7の上端(先端)に取り付けられてアウターチューブ40の上端開口(車体側開口)を塞ぐキャップ42とを備える。そして、アウターチューブ40の上端部(車体側端部)に形成された小内径部40aの内周にキャップ42が装着されており、小内径部40aの内径は、シリンダ部材Sの摺動部となるインナーチューブ41の摺動部の外径よりも小さい。
上記構成によれば、シリンダ部材Sの挿入側となるアウターチューブ40の下側の内径が小内径部40aの内径よりも大きくなる。このため、キャップ42をシリンダ部材Sの挿入側となるアウターチューブ40の下側からその内側に挿入し、アウターチューブ40の上端部に位置する取付位置までキャップ42をスライドさせたとしても、キャップ42が小内径部40aに達するまでの間は、比較的抵抗なくキャップ42を移動できる。よって、上記緩衝器1によれば、アウターチューブ40の上端部に装着されるキャップ42をアウターチューブ40の上側から取り付けられない場合であっても、キャップ組付時の作業性を良好にできる。
しかし、キャップ42の取り付けが可能であれば、必ずしもアウターチューブ40にキャップ取付用の小内径部40aを設けなくてもよい。具体的には、シリンダ部材Sの摺動部と同径の部分にキャップ42を取り付けるとしてもよい。そして、このような変更は、懸架ばねの構成、フロントフォークの脚部及び緩衝器の数、並びにシリンダ部材Sの構成によらず可能である。
また、本実施の形態において、アクスルブラケット3は、インナーチューブ(車輪側チューブ)41が内側に挿入される有底筒状のソケット部3aを有している。そして、アクスルブラケット3とボトムキャップ46が、ソケット部3aの底部を貫き先端がボトムキャップ46に螺合されるボルト47で連結されている。このため、ボルト47を外せばアクスルブラケット3とボトムキャップ46を分解できる。
つまり、上記構成によれば、アクスルブラケット3をボトムキャップ46に着脱できるとともに、当該着脱を容易にできる。また、ボトムキャップ46をインナーチューブ(車輪側チューブ)に着脱する場合、アクスルブラケット3をボトムキャップ46から取り外した方が容易である。よって、上記構成によれば、ボトムキャップ46着脱時の作業性を良好にして、メンテナンス時の作業性を一層良好にできる。
なお、アクスルブラケット3をボトムキャップ46に着脱できれば、ボルト締結以外の方法を採用してもよく、この場合にも、同様の効果を得られる。また、車輪側チューブに対するボトムキャップの着脱を妨げない構造になっていれば、アクスルブラケット3とボトムキャップ46を着脱不能に連結してもよい。そして、このような変更は、懸架ばねの構成、フロントフォークの脚部及び緩衝器の数、シリンダ部材Sの構成、並びに小内径部40aの有無によらず可能である。
また、本実施の形態において、フロントフォークFは、アウターチューブ(車体側チューブ)40と、インナーチューブ(車輪側チューブ)41とを有するテレスコピック型のチューブ部材4と、インナーチューブ41の端部に着脱可能に装着されて、インナーチューブ41の車輪側開口を閉塞するボトムキャップ46と、ボトムキャップ46を介してインナーチューブ41に取り付けられて、インナーチューブ41を前輪(車輪)Wの車軸に連結するアクスルブラケット3とを備える。
上記構成によれば、インナーチューブ41の車輪側開口をボトムキャップ46で塞いでいるので、アクスルブラケット3のソケット部3aにおける筒部の内周にシールを装着するための環状溝を形成する必要がない。よって、アクスルブラケット3の加工難易度を低くできる。
さらに、上記構成によれば、アクスルブラケット3がボトムキャップ46を介してインナーチューブ41に取り付けられるとともに、ボトムキャップ46がインナーチューブ41に着脱できる。よって、アクスルブラケット3とインナーチューブ41との回り止めをしたとしても、ボトムキャップ46を外せばインナーチューブ41の車輪側開口からチューブ部材4内へ液体を注ぐことができ、部品交換を容易にできる。
つまり、上記フロントフォークFによれば、アクスルブラケット3の加工難易度を低くできるとともに、チューブ部材4の車輪側開口から注液したり、部品交換をしたりする場合であっても、アクスルブラケット3に注液用の孔を設ける必要がなく、部品交換を容易にできる。よって、メンテナンス作業を容易にできる。
なお、本実施の形態において、チューブ部材4が倒立型に設定されていて、車体側チューブがアウターチューブ40、車輪側チューブがインナーチューブ41であるが、この限りではない。具体的には、チューブ部材4が正立型に設定し、車体側チューブをインナーチューブ、車輪側チューブをアウターチューブにしてもよい。そして、このような変更は、懸架ばねの構成、フロントフォークの脚部及び緩衝器の数、シリンダ部材Sの構成、小内径部40aの有無、並びにボトムキャップ46に対するアクスルブラケット3の着脱の可否及び方法によらず可能である。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形および変更が可能である。
F・・・フロントフォーク、W・・・前輪(車輪)、3・・・アクスルブラケット、3a・・・ソケット部、4・・・チューブ部材、40・・・アウターチューブ(車体側チューブ)、41・・・インナーチューブ(車輪側チューブ)、46・・・ボトムキャップ、47・・・ボルト
Claims (2)
- 車体側チューブと、車輪側チューブとを有するテレスコピック型のチューブ部材と、
前記車輪側チューブの端部に着脱可能に装着されて、前記車輪側チューブの車輪側開口を閉塞するボトムキャップと、
前記ボトムキャップを介して前記車輪側チューブに取り付けられて、前記車輪側チューブを車輪の車軸に連結するアクスルブラケットとを備える
ことを特徴とするフロントフォーク。 - 前記アクスルブラケットは、前記車輪側チューブが内側に挿入される有底筒状のソケット部を有しており、
前記アクスルブラケットと前記ボトムキャップは、前記ソケット部の底部を貫き先端が前記ボトムキャップに螺合されるボルトで連結されている
ことを特徴とする請求項1に記載のフロントフォーク。
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