JP2018096273A - 電子制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のコアを備える電子制御装置において処理を高速化する技術を提供する。【解決手段】ECU3は、1つのAD変換器14を共用する複数のコア11a、11bを備える。複数のコア11a、11bのそれぞれは、変換指示部と、データ取得部と、を備える。変換指示部は、AD変換器14にAD変換処理を行わせる。データ取得部は、AD変換処理により生成されたデジタルデータである変換データが記録されるメモリ13から、変換データを取得する。第1のコア11aが備える変換指示部は、第1のコア11aで用いられる変換データに加え、第2のコア11bで用いられる変換データを、AD変換器14に生成させる。【選択図】図1

Description

本開示は、複数のコアを備える電子制御装置に関する。
複数のコアを備える電子制御装置が知られている。特許文献1には、複数のコアを備える電子制御装置において、各コアが独立して演算を行う技術が開示されている。
特開2009−199462号公報
特許文献1に記載のように複数のコアを備える電子制御装置では、複数のコアが1つのAD変換装置を共通に用いてAD変換データを生成する状況が生じうる。このような場合、各コアが、演算に用いるAD変換データを各コアが必要とするタイミングで個々にAD変換装置に生成させようとすると、AD変換装置に対するAD変換処理の要求がほぼ同じタイミングに重なる状況が生じる。
AD変換処理の要求が重なった際、後からAD変換を要求したコアは、先にAD変換を要求したコアのAD変換データの生成が終了するまで待機し、待機した後にAD変換装置にAD変換データを生成させるため、演算を開始する迄に待ち時間が生じる。このため、複数のコアを備えるにもかかわらず、該電子制御装置において処理の高速化が阻害されるという問題が生じうる。
本開示の一局面は、複数のコアを備える電子制御装置において処理を高速化する技術を提供する。
本開示の一態様は、電子制御装置(3)であって、該電子制御装置は、1つのAD変換器(14)を共用する複数のコア(11a、11b)を備える。複数のコアのそれぞれは、変換指示部(S170)と、データ取得部(S190)と、を備える。変換指示部は、AD変換器にAD変換処理を行わせる。データ取得部は、AD変換処理により生成されたデジタルデータである変換データが記録されるメモリ(13)から、変換データを取得する。複数のコアは、第1のコア(11a)と、第2のコア(11b)と、を有する。第1のコアが備える変換指示部は、第1のコアで用いられる変換データに加え、第2のコアで用いられる変換データを、AD変換器に生成させる。
このような構成によれば、第2のコアは、第1のコアが生成させた第2のコアで用いられる変換データを用いることが可能となる。そのため、第2のコアが共用のAD変換器にAD変換処理を行わせる頻度を低減することができる。換言すれば、複数のコアのそれぞれが共用のAD変換器にAD変換処理を行わせようとするタイミングが重なる状況が低減される。この結果、待ち時間が低減されるので、複数のコアを備える電子制御装置において、処理を高速化することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
制御システムの構成を示すブロック図。 入力チャネルと、変換データの種類と、許容時間と、許容閾値との対応関係を説明する図。 第1実施形態のデータ取得処理のフローチャート。 変換指示処理のフローチャート。 変換データの種類と、変換データと、変換終了時刻との対応関係を説明する図。 ECUにおけるCPUの作動を説明する図。 第2実施形態のデータ取得処理のフローチャート。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示す制御システム1は、車両に搭載されるシステムである。以下では、制御システム1が搭載された車両を自車両ともいう。制御システム1は、電子制御装置(以下、ECU)3を備える。制御システム1は、クランク角センサ5、筒内圧センサ6、燃圧センサ7、インジェクタ8を備えていてもよい。ECUは、Electronic Control Unitの略である。
クランク角センサ5は、クランク角度の検出結果を示す検出信号を出力する。筒内圧センサ6は、エンジンにおけるシリンダ内の圧力(以下、筒内圧)の検出結果を示す検出信号を出力する。燃圧センサ7は、エンジンに圧送された燃料圧力(以下、燃圧)の検出結果を示す検出信号を出力する。インジェクタ8は、図示しないエンジン内に燃料を噴射する。
ECU3は、クランク角度、筒内圧、燃圧等といった複数種類のアナログ信号に基づいて、例えばエンジンにおけるインジェクタ8による燃料噴射量の制御等といった、種々の車両の制御を行う。
ECU3は、マイクロコンピュータ(以下、マイコン)10を中心に構成される。マイコン10は、複数のCPU11a、11bと、1つのメモリ13と、1つのAD変換器14と、を備える。AD変換器は、Analog Digital変換器の略である。
以下では、複数のCPU11a、11bに共通する説明を記載する場合、CPU11といったように添え字を省略して記載する。また、CPU11aを自CPU、CPU11bを他のCPU、のようにも記載する。
マイコン10の各種機能は、CPU11が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ13が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、ECU3を構成するマイコン10の数は1つでも複数でもよい。
マイコン10の各種機能を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の要素について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。例えば、上記機能がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路、あるいはこれらの組合せによって実現してもよい。
CPU11aとCPU11bとは、それぞれ、独立して演算を実行することにより、各種機能を実現する。CPU11a、11bは、メモリ13を共通に用いる。また、CPU11a、11bはAD変換器14を共通に用いる。
CPU11a、11bは、各種機能を実現するために、複数の変換データを用いる。
変換データとは、ECU3における各種機能を実現するためにECU3に入力されたアナログ信号を元として、該アナログ信号をAD変換器14にAD変換処理を行わせて生成したデジタルデータ、をいう。複数の変換データは、図2に示すように、筒内圧、燃圧、クランク角度等といった、複数の種類に分類される。
なお、図示していないが、エンジンは4気筒で構成されており、クランク角センサ5、筒内圧センサ6、燃圧センサ7は気筒毎に設けられている。それぞれの気筒に設けられたそれぞれのセンサが、検出結果としてのアナログ信号を出力する。図示されている変換データの種類において「クランク角度1」のように最後に付されている数字は、気筒の番号を示している。
CPU11a、11bが用いる変換データの種類は、CPU11a、11bのそれぞれについて予め定められている。例えば、CPU11aは「筒内圧1」〜「筒内圧4」及び「燃圧1」〜「燃圧4」の変換データを用い、CPU11bは「クランク角度1」〜「クランク角度4」の変換データを用いる、といった具合である。
また、複数の変換データのそれぞれについては、許容時間が予め設定されており、許容時間は変換データの種類毎にメモリ13に予め記録されている。
ここでいう許容時間とは、変換データが生成されてから該変換データが用いられるまでに許容される時間、をいう。用いられるとは、各種の制御や制御を行うための演算等に利用されること、をいう。
また、許容されるとは、元となるアナログ信号に基づいて変換データが新たに生成し直されなくても、つまり更新されなくても、該変換データを用いる制御及び演算等に支障をきたさないこと、をいう。すなわち、許容されるとは、変換データが更新されなくても該変換データを用いる制御及び演算等に影響を及ぼさないこと、をいう。許容時間は、変換データの使用期限を表している。
また、本実施形態では、複数の変換データについて設定されている許容時間のうち、最も短い時間を後述する許容閾値として設定している。許容閾値は、CPU11毎に設定されている。例えば、CPU11aについては2500μsecが許容閾値として設定され、CPU11bについては2000μsecが許容閾値として設定されている。許容閾値はメモリ13に予め記録されている。
CPU11は、許容閾値に基づいて、変換データを取得する処理であるデータ取得処理を実行する。また、CPU11は、変換データをAD変換器14に生成させる処理である変換指示処理を実行する。
また、CPU11は、変換データを用いて各種機能を実現するための処理(以下、利用処理)を実行する。
メモリ13には、CPU11がマイコン10の各種機能を実現するためのプログラムが記録されている。また、メモリ13には、前述の許容時間がCPU11毎に記録されている。また、メモリ13には、CPU11の演算結果等を示すデータが記録される。
AD変換器14は、CPU11からのAD変換器14にAD変換処理を実行させる指示(以下、変換指示)に従って、変換データを生成する。
AD変換器14は、図示しない複数のチャネルを有する。複数のチャネルには、それぞれ、例えば、筒内圧、燃圧、クランク角度等、といった、AD変換処理の対象となり得るアナログ信号が入力される。また、AD変換器14は、設定レジスタ45、状態レジスタ46、データバッファ47といった複数の記憶領域を有する。
AD変換器14は、CPU11によって変換指示が設定レジスタ45に書き込まれると、作動を開始する。変換指示とは、CPU11から出力される指示であって、AD変換処理の対象となるアナログ信号が入力される一または複数のチャネルを指定するものである。
AD変換器14は、設定レジスタ45に変換指示が書き込まれると、状態レジスタ46にビジー状態を示す値を書き込む。ビジー状態とは、AD変換器14がAD変換処理を実行中である状態をいう。
AD変換器14は、変換指示によって指定されたチャネルから入力されるアナログ信号の変換データを生成し、データバッファ47に生成した変換データを書き込む、といった作動を、変換指示によって指定された複数のチャネル分繰り返し実行する。
AD変換器14は、変換指示によって指定された複数のチャネル分全ての変換データの生成を終了すると、状態レジスタ46にアイドル状態を示す値を書き込む。アイドル状態とは、AD変換器14がAD変換処理を実行中でない状態をいう。
なお、CPU11は、マイコン10に電源が投入されて以降に経過した時間をカウントする図示しないタイマを有する。以下でいう時刻とは、該タイマによってカウントされた時間で表されるものである。
[1−2.処理]
[1−2−1.データ取得処理]
次に、CPU11が実行するデータ取得処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。データ取得処理は、CPU11で用いられる変換データをメモリ13から取得するための処理である。データ取得処理は、CPU11が変換データを用いる処理である利用処理を行うことをきっかけとして、実行される。
なお、データ取得処理が開始される際、例えば「筒内圧1」や「燃圧1」等といった、CPU11において用いられる変換データの種類は、利用処理に基づいてCPU11によって予め特定可能である。
CPU11bは、CPU11aと同様にデータ取得処理を実行するよう構成されうる。本実施形態では、CPU11a、11bが同様にデータ取得処理を実行するように構成されているものとする。以下では、CPU11aを自CPU11aとし、CPU11bを他のCPU11bとして、自CPU11aがデータ取得処理を実行する例を説明する。
自CPU11aは、はじめにS110では、経過時間を取得する。経過時間とは、AD変換器14によるAD変換処理が完了してから経過した時間をいう。
自CPU11aでは本データ取得処理とは別の処理によって経過時間が算出されており、自CPU11aは算出された該経過時間を取得する。
なお、これに限定されるものではなく、自CPU11aは、本ステップにおいて、タイマが表す現時点での時刻(以下、現在時刻)とメモリ13に記録されている変換終了時刻との差分を算出し、算出した差分を経過時間として取得してもよい。ここでいう変換終了時刻とは、直近においてAD変換器14がAD変換処理を完了した時刻をいう。
自CPU11aは、続くS120では、許容閾値を取得する。許容閾値とは、予め定められた長さの時間を表しており、メモリ13に予め記録されている。前述のように、本実施形態では、複数の変換データのそれぞれについて設定されている許容時間のうち最も短い許容時間を許容閾値として用いる。許容閾値はCPU11毎に設定されている。
自CPU11aは、S130では、S110にて取得された経過時間がS120にて取得された許容閾値以上であるか否かを判断する。ここでいう経過時間が許容閾値以上であるとは、元となるアナログ信号に基づいて変換データを新たに生成する必要があること、つまり変換データの更新が必要であることを表す。また、経過時間が許容閾値未満であるとは、変換データの更新が必要無いことを表す。
自CPU11aは、経過時間が許容閾値以上である場合に処理をS140へ移行させ、許容閾値未満である場合に処理をS190へ移行させる。
自CPU11aは、経過時間が許容閾値以上である場合に移行するS140では、換言すれば、自CPU11aがAD変換器14にAD変換処理を行わせたいときに移行するS140では、AD変換器14がAD変換処理を行っているか否かを判断する。より詳しくは、自CPU11aは、自CPU11a以外の指示によってAD変換器14がAD変換処理を行っている最中であるか否かを判断する。
具体的には、自CPU11aは、排他フラグを取得し、該排他フラグに基づいてAD変換器14がAD変換処理を行っているか否かを判断する。排他フラグは、AD変換器14の作動状態を示すフラグであり、メモリ13に記録されている。
排他フラグは、AD変換器14がAD変換処理を実行中でないときは0にセットされる。排他フラグは、AD変換器14がAD変換処理を実行中である場合は、実行中であるAD変換処理を指示したCPUを表す識別番号にセットされる。識別番号は、自CPU11aについては1、他のCPU11bについては2、といったように、CPU毎に予め定められており、メモリ13に記録されている。
つまり、自CPU11aは、0及び自CPU11aを表す識別番号、以外に排他フラグがセットされている場合に、自CPU11a以外のCPUによる指示によってAD変換器14がAD変換処理を行っていると判断する。ここでいう自CPU11a以外のCPUとは他のCPU11bを意味する。
自CPU11aは、AD変換器14がAD変換処理を実行中でない場合に処理をS160へ移行させ、他のCPU11bによってAD変換器14がAD変換処理を実行中である場合に処理をS150へ移行させる。
自CPU11aは、S150では、AD変換器14によるAD変換処理が終了したか否かを判断する。具体的には、自CPU11aは、排他フラグを取得し、排他フラグの値が0である場合にAD変換器14によるAD変換処理が終了したと判断する。自CPU11aは、排他フラグの値が0になるまで待機し、AD変換処理が終了すると処理をS190へ移行させる。
つまり、自CPU11aは、他のCPU11bによってAD変換器14にてAD変換処理が実行されている場合は、該他のCPU11bによるAD変換処理が終了するまで待機し、他のCPU11bによるAD変換処理が終了すると処理をS190へ移行させる。
自CPU11aは、AD変換器14がAD変換処理を実行中でない場合に移行するS160では、自CPU11aを表す識別番号を排他フラグとしてセットする。
自CPU11aは、S170では、後述する変換指示処理を実行する。変換指示処理は、AD変換器14にAD変換処理を行わせるための処理である。本実施形態では、自CPU11aは、変換指示処理を実行することにより、自CPU11aで用いられる変換データに加え、他のCPU11bで用いられる変換データを、AD変換器14に生成させる。そして、生成された変換データをメモリ13に記録させる。自CPU11aは、変換指示処理を終了すると、処理をS180へ移行させる。
自CPU11aは、S180では、排他フラグをリセットする。具体的には、自CPU11aは、0を排他フラグの値としてセットする。
自CPU11aは、S190では、メモリ13に記録されている変換データを取得する。自CPU11aは、変換データを取得した後に本データ取得処理を終了する。なお、本ステップで取得される変換データには、例えば、本データ取得処理が開始されるきっかけとなった利用処理に用いられる変換データが少なくとも含まれうる。または、本ステップで取得される変換データには、自CPU11aで用いられる変換データの全てが含まれうる。
[1−2−2.変換指示処理]
次に、自CPU11aがS170にて実行する変換指示処理を図4のフローチャートを用いて説明する。
自CPU11aは、S210では、変換指示を生成する。本実施形態では、マイコン10が備える複数のCPU11a、11bにて用いられる変換データの元となるアナログ信号の全てをAD変換処理の対象とする。つまり、自CPU11aは、図2に示すように、0チャネルを開始チャネルとし11チャネルを終了チャネルとして、開始チャネルから終了チャネルまでの複数の入力チャネルを指定する変換指示を生成する。
なお、変換指示はこれに限定されるものではない。自CPU11aは、例えば、AD変換器14が備える全ての入力チャネルを指定する変換指示を生成してもよい。
自CPU11aは、S220では、S210にて生成した変換指示をAD変換器14へ出力する。具体的には、自CPU11aは変換指示を設定レジスタ45に書き込む。これにより、AD変換器14は、変換指示に従って、0チャネルから11チャネルまでのアナログ信号についてのAD変換処理を開始する。つまり、自CPU11a及び他のCPU11bにおいて用いられる変換データの全てについて、新たに変換データの生成が開始される。
自CPU11aは、S230では、AD変換器14においてAD変換処理が完了したか否かを判断する。具体的には、自CPU11aは、状態レジスタ46の値を取得し、該値がアイドル状態を示す値である場合に、AD変換処理が完了したと判断する。自CPU11aは、AD変換器14においてAD変換処理が完了するまで待機し、AD変換処理が完了した場合に処理をS240へ移行させる。
なお、AD変換処理が完了した時点では、変換指示にて指定された入力チャネル分の全ての変換データがAD変換器14のデータバッファ47に書き込まれている。
自CPU11aは、S240では、AD変換器14のデータバッファ47から生成された変換データを全て取得してメモリ13へ書き込む。ここでいう、書き込むとは、データを上書きすることをいう。つまり、本ステップでは、マイコン10が備える複数のCPU11a、11bにて用いられる変換データの全てが、新たに生成された変換データに上書きされる。
自CPU11aは、S250では、タイマから現時点での時刻を取得し、取得した時刻を変換終了時刻としてメモリ13に記録する。そして、自CPU11aは本変換指示処理を終了する。
これにより、変換指示処理が実行されるときは、図5に示すように、自CPU11aで用いられる変換データに加え、他のCPU11bで用いられる変換データが、新たに生成されメモリ13に記録される。また、変換終了時刻がメモリ13に記録される。図5では、変換データ、及び変換終了時刻は、説明を分かり易くするためにアナログ値で記載されているが、実際にはこれらのデジタルデータがメモリ13に記録される。
なお、本実施形態では、自CPU11aは、ECU3に電源が投入された直後にも、本変換指示処理を実行するように構成されている。
[1−3.作動]
このように構成されたECU3におけるCPU11の作動について、図6を用いて説明する。CPU11は、ECU3への電源投入直後に、初期化を行う。CPU11は、初期化を行った後は、例えば数ミリ〜数百ミリ秒といった予め定められた周期毎に予め定められた処理(以下、定期タスク)を実行する。定期タスクは、自CPU11a、他のCPU11bのそれぞれにおいて、個別に設定されている。定期タスクには、複数の変換データのうち少なくとも一つを利用する処理である利用処理が含まれうる。
以下では、定期タスクに利用処理が含まれ、自CPU11aと他のCPU11bとが互いに異なる定期タスクを実行する例について説明する。
時刻t0におけるECU3への電源投入直後、S301では、自CPU11aは、初期化を行う中で変換指示処理を実行する。これにより、AD変換器14ではAD変換処理が実行され、自CPU11a及び他のCPU11bで用いられる変換データの全てが生成される。自CPU11aは、生成された変換データD1を変換終了時刻t1とともにメモリ13に記録する。
S302では、自CPU11aは、定期タスクを行う中で利用処理が実行されることをきっかけとして、データ取得処理を実行する。ここで、S302では経過時間が許容閾値未満である。このため、自CPU11aは、この時点でメモリ13に記録されている変換データを取得してデータ取得処理を終了する。
S303では、他のCPU11bは、定期タスクを行う中で利用処理が実行されることをきっかけとして、データ取得処理を実行する。ここで、S303では経過時間が許容閾値未満である。このため、他のCPU11bは、この時点でメモリ13に記録されている変換データを取得してデータ取得処理を終了する。
S304では、自CPU11aは、定期タスクを行う中で利用処理が実行されることをきっかけとして、データ取得処理を実行する。ここで、S303では経過時間が許容閾値以上である。このため、自CPU11aは、データ取得処理の中で変換指示処理を実行する。これにより、AD変換器14ではAD変換処理が実行され、自CPU11a及び他のCPU11bで用いられる変換データの全てが生成される。自CPU11aは、生成された変換データD2を変換終了時刻t2とともにメモリ13に記録する。そして、自CPU11aは、メモリ13に新たに記録された変換データを取得して、データ取得処理を終了する。
なお定期タスクでは、毎周期同じ内容の処理が実行されうる。つまり、毎周期、定期タスク開始から同じタイミングで、前述の変換データを用いる処理が実行されうる。ただし、より優先度の高い割り込み処理が行われる場合はこの限りではない。
S305では、自CPU11aは、次の周期における定期タスクを行う中で、S302と同じタイミングで利用処理が実行されることをきっかけとして、データ取得処理を実行する。ここで、S305ではS302と同様に経過時間が許容閾値未満である。自CPU11aは、S302にと同様に作動する。
ここで、自CPU11a及び他のCPU11bにおいて、優先度の高い割り込み処理が実行された場合は、S306、S307に示すように、優先度の高い割り込み処理による処理遅れ時間が発生する。つまり、本来のタイミングよりも遅れたタイミングで前述の利用処理が実行される。このような場合、CPU11は次のように作動する。
S306では、他のCPU11bは、定期タスクを行う中で、割り込み処理による処理遅れ時間が発生した後に利用処理が実行されると、該利用処理の実行をきっかけとして、データ取得処理を実行する。ここで、S306では経過時間が許容閾値以上である。このため、他のCPU11bは、データ取得処理の中で変換指示処理を実行する。これにより、AD変換器14ではAD変換処理が実行され自CPU11a及び他のCPU11bで用いられる全ての変換データが生成される。他のCPU11bは、生成された変換データD3を変換終了時刻t3とともにメモリ13に記録する。そして、他のCPU11bは、メモリ13に新たに記録された変換データを取得して、データ取得処理を終了する。
S307では、自CPU11aは、次の周期における定期タスクを行う中で、割り込み処理による処理遅れ時間が発生した後に利用処理が実行されると、該利用処理の実行をきっかけとして、データ取得処理を実行する。ここで、S307では経過時間が許容閾値未満である。このため、自CPU11aは、この時点でメモリ13に記録されている変換データを取得してデータ取得処理を終了する。
なお、S306とS307とにおいては、データ取得処理が実行されるタイミングは近いが、経過時間が許容閾値未満であるか否かの結果が異なるため、CPU11a、11bのそれぞれは、異なる作動をしている。
[1−4.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1a)ECU3は、1つのAD変換器14を共用する複数のCPU11a、11bを備える。複数のCPU11a、11bのそれぞれは、S170では、AD変換器14にAD変換処理を行わせる。S190では、AD変換処理により生成されたデジタルデータである変換データが記録されるメモリ13から、変換データを取得する。複数のCPU11a、11bは、自CPU11aと、他のCPU11bと、を有する。自CPU11aが備えるS170では、自CPU11aで用いられる変換データに加え、他のCPU11bで用いられる変換データを、AD変換器14に生成させる。
これによれば、自CPU11aが、自CPU11aで用いられる変換データに加え、他のCPU11bで用いられる変換データを、共用するAD変換器14に生成させる構成を備えるので、他のCPU11bは、自CPU11aが生成させた他のCPU11bで用いられる変換データを利用することが可能となる。
つまり、他のCPU11bが共用のAD変換器14にAD変換処理を行わせる頻度を、該構成を備えない場合よりも、低減することができる。換言すれば、複数のCPU11a、11bのそれぞれが共用のAD変換器14にAD変換処理を行わせようとするタイミングが重なる状況が低減される。この結果、待ち時間が低減されるので、複数のCPU11a、11bを備えるECU3において、処理を高速化することができる。
なお、本実施形態では、他のCPU11bも、他のCPU11bが備えるS170では、他のCPU11bで用いられる変換データに加え、自CPU11aで用いられる変換データを、AD変換器14に生成させるように構成されている。この結果、待ち時間がより低減されるので、複数のCPU11a、11bを備えるECU3において、処理をより高速化することができる。
(1b)複数のCPU11a、11bのそれぞれは、更に、S110では、AD変換器14によるAD変換処理が完了してから経過した時間である経過時間を取得する。S130では、経過時間が予め定められた時間の長さである許容閾値以上であるか否かを判断する。S170では、経過時間が許容閾値以上である場合に、AD変換器14にAD変換処理を行わせる。
これによれば、複数のCPU11a、11bのそれぞれは、経過時間が許容閾値以上である場合に、AD変換器14にAD変換処理を行わせる構成を備えるので、経過時間が許容閾値以上となった変換データが制御や演算等に用いられることを抑制できる。また、これによれば、例えば許容閾値よりも短い時間間隔で変換データを生成させるような構成を備える場合よりも、AD変換器14においてAD変換処理が重なる状況を低減することができる。
(1c)ECU3は、メモリ13に、変換データと共に、変換データの生成が終了した時刻である変換終了時刻が記録されるように構成されている。
これによれば、メモリ13に変換終了時刻が記録されるので、該時刻に基づいて経過時間を算出することが可能となる。
(1d)複数のCPU11a、11bのそれぞれは、複数種類の変換データを用いるように構成されている。変換データのそれぞれには、変換データが生成されてから用いられるまでの許容される時間である許容時間が予め設定されている。複数のCPU11a、11bのそれぞれは、S130では、変換データのそれぞれについて設定されている許容時間のうち最も短い許容時間を許容閾値として用いる。
これによれば、複数のCPU11a、11bのそれぞれにおいて、用いられる複数の変換データのうち最も頻繁に更新が必要な変換データに合わせたタイミングで、複数のCPU11a、11bにて用いられる変換データの全てが更新される。このため、複数のCPU11a、11bのそれぞれにおいて、許容時間を超えて変換データが用いられることを抑制することができる。
(1e)複数のCPU11a、11bのそれぞれは、更に、S140では、AD変換器14がAD変換処理を行っているか否か判断する。S190では、S170にてAD変換器14にAD変換処理を行わせようとしたときにAD変換器14がAD変換を行っている場合は、AD変換器14によるAD変換処理が完了した後に、メモリ13に記録された変換データを取得する。
これによれば、複数のCPU11a、11bのそれぞれは、AD変換器14がAD変換処理を行っている場合は、AD変換処理の終了後にメモリ13に記録された変換データを取得するので、更新後の最新の変換データを用いることが可能となる。例えば、他のCPU11bは、自CPU11aがAD変換処理を行っている場合は、自らAD変換器14にAD変換処理を行わせること無く、自CPU11aによって更新された最新の変換データを用いることが可能となる。
この結果、共用するAD変換器14にAD変換処理を行わせる頻度が低減され、AD変換処理の要求が重なる状況を低減することができる。すなわち、上記(1a)と同様の効果が奏される。
[1−5.変形例]
上記実施形態では、他のCPU11bは、他のCPU11bが備えるS170では、他のCPU11bで用いられる変換データに加え、自CPU11aで用いられる変換データを、AD変換器14に生成させるように構成されていた。ただし、これに限定されるものではない。他のCPU11bは、他のCPU11bが備えるS170では、他のCPU11bで用いられる変換データのみをAD変換器14に生成させるように構成されていてもよい。
[2.第2実施形態]
[2−1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
前述した第1実施形態では、複数の変換データのそれぞれについて設定されている許容時間のうち、最も短い許容時間を許容閾値として用いていた。
これに対し、第2実施形態では、複数の変換データのそれぞれについて設定されている許容時間を該それぞれの変換データの許容閾値として用いる点で、第1実施形態と相違する。
また、複数の変換データのうち少なくとも一部の予め特定された変換データ(以下、特定データ)については、自車両の作動条件に応じて許容時間を変更する点で、第1実施形態と相違する。
これらの相違点に伴い、本実施形態におけるデータ取得処理は第1実施形態におけるデータ取得処理と相違する。具体的には、図7に示すフローチャートに基づく本実施形態のデータ取得処理では、図3に示す第1実施形態におけるデータ取得処理におけるフローチャートのS120がS121〜S127に置換される。
[2−2.処理]
次に、第2実施形態のCPU11が実行するデータ取得処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、図7におけるS140〜S190の処理は、図3におけるS140〜S190の処理と同様であるため、説明を一部簡略化している。
ここで、本実施形態では、自CPU11a及び他のCPU11bのうち、自CPU11aは、複数の変換データのそれぞれについて設定されている許容時間を該変換データの許容閾値として用い、且つ、特定データについては、自車両の作動条件に応じて許容時間を変更するように構成されている。具体的には、自CPU11aは、燃圧の変換データを特定データとして、燃圧の変換データについては自車両のエンジン回転数に応じて許容時間を変更する。つまり、自CPU11aは、図7に示すデータ取得処理を実行するように構成されている。
一方、他のCPU11bは、複数の変換データのそれぞれについて設定されている許容時間をそれぞれの変換データの許容閾値として用いるものとする。つまり、他のCPU11bは、図7に示すデータ取得処理から、S122、S124〜S127を削除し、S121、S123、S130、の順に処理を実行するように構成されている。
以下では、自CPU11aが図7のデータ取得処理を実行する例を説明する。本実施形態におけるデータ取得処理は、自CPU11aにおいて利用処理が行われることをきっかけとして、実行される。
自CPU11aは、S110では経過時間を取得する。
自CPU11aは、S121では、自CPU11aで用いられる変換データの種類を特定する。前述のように、自CPU11aは、利用処理に基づいて、自CPU11aで用いられる変換データの種類を特定可能である。ここでいう自CPU11aで用いられる変換データには、自CPU11aで用いられる変換データの全てまたは一部が含まれる。また、自CPU11aで用いられる変換データには、例えば、本データ取得処理を開始するきっかけとなった利用処理において用いられる変換データが含まれうる。
自CPU11aは、S122では、S121で特定された自CPU11aで用いられる変換データの種類に特定データが含まれるか否かを判断する。特定データは、メモリ13に予め記録されている。
具体的には、本実施形態では燃圧が特定データとしてメモリ13に記録されており、自CPU11aは、S121で特定された自CPU11aで用いられる変換データの種類に燃圧が含まれるか否かを判断する。自CPU11aは、燃圧が含まれない場合は処理をS123へ移行させ、含まれる場合は処理をS124へ移行させる。
ここで、自CPU11aで用いられる変換データの種類に燃圧が含まれない場合に移行するS123では、自CPU11aは、自CPU11aで用いられる変換データのうち燃圧以外の変換データについて、変換データの種類毎に許容閾値を設定する。
具体的には、自CPU11aで用いられる変換データのうち燃圧以外の変換データのそれぞれについて、図2に示すように変換データの種類毎に設定されている許容時間を許容閾値として設定する。
一方、自CPU11aで用いられる変換データの種類に燃圧が含まれる場合に移行するS124では、自CPU11aは、自車両におけるエンジン回転数を取得する。なお、自CPU11aはクランク角センサ5が出力するエンジン回転数を取得するように構成されている。
自CPU11aは、S125では、エンジン回転数が回転閾値以上であるか否かを判断する。回転閾値は、予め定められたエンジンの回転数の大きさであり、メモリ13に予め記録されている。回転閾値は、例えばアイドル状態のような、低い回転数に定められている。ただし、回転閾値はこれに限定されるものではない。
自CPU11aは、エンジン回転数が回転閾値以上である場合は処理をS126へ移行させ、回転閾値未満である場合に処理をS127へ移行させる。
自CPU11aは、エンジンの回転数が回転閾値以上である場合に移行するS126では、第1の設定時間を燃圧の変換データに対する許容時間として設定する。そして、自CPU11aは、処理をS130へ移行させる。第1の設定時間は、図2に示す許容時間に設定される。ただし、これに限定されるものではなく、第1の設定時間は、所定の機能を実現させるために任意の値に設定されうる。第1の設定時間はメモリ13に予め記録されている。
自CPU11aは、エンジンの回転数が回転閾値未満であるときに移行するS127では、第2の設定時間を燃圧の変換データに対する許容時間として設定する。そして、自CPU11aは、処理をS130へ移行させる。第2の設定時間は第1の設定時間よりも長い値であり、メモリ13に予め記録されている。
つまり、自CPU11aは、S126、S127では、例えば燃圧の変換データといった特定データ、すなわち複数種類の変換データのうち少なくとも一部の変換データ、について設定されている許容時間を、車両の作動状態を表すエンジン回転数に応じて変更する。
自CPU11aは、S130では、自CPU11aで用いられる複数の変換データの全てについて、S123、S126、S127において変換データ毎に設定された許容閾値を用いて、経過時間が許容閾値以上であるか否かを判断する。
自CPU11aは、自CPU11aで用いられる複数の変換データのうち、少なくとも一つの変換データにおいて経過時間が許容閾値以上である場合に処理をS140へ移行させ、全ての変換データにおいて経過時間が許容閾値未満である場合に処理をS190へ移行させる。
自CPU11aは、S140〜S190においては、第1実施形態におけるS140〜S190と同様の処理を実行する。
[2−3.作動]
本実施形態のデータ取得処理を実行する自CPU11aの作動について説明する。ここで、自CPU11aは、「筒内圧1」、「筒内圧2」、及び「燃圧1」の変換データを用いる処理を利用処理として、該利用処理をきっかけとして前述のデータ取得処理を開始するものとする。
例えば、「燃圧1」については、第1の設定時間は図2に示すように2000μsecに設定され、第2の設定時間はこれよりも長い時間である例えば7000μsecといった時間に設定されているものとする。ここで、エンジン回転数は回転閾値未満であるものとする。このような場合に、自CPU11aは次のように作動する。
(1)自CPU11aは、「筒内圧1」については3000μsec、「筒内圧2」については2800μsecといった許容時間を許容閾値として設定する。また、「燃圧1」については7000μsecといった許容時間を許容閾値として設定する。
(2)自CPU11aは、経過時間が、「筒内圧1」、「筒内圧2」、「燃圧1」のうちいずれかの許容閾値以上である場合には、変換指示処理を実行する。これにより、自CPU11a、及び他のCPU11bにて用いられる変換データの全てが、AD変換器14により新たに生成され、メモリ13に記録される。自CPU11aは、例えば、メモリ13に記録された「筒内圧1」、「筒内圧2」、「燃圧1」の変換データを取得し、データ取得処理を終了する。自CPU11aは、この後、取得した変換データを用いた利用処理を実行することが可能となる。
(3)自CPU11aは、経過時間が、「筒内圧1」、「筒内圧2」、「燃圧1」のうちいずれかの許容閾値未満である場合には、例えば、メモリ13に既に記録されている「筒内圧1」、「筒内圧2」、「燃圧1」の変換データを取得する。そして、データ取得処理を終了する。自CPU11aは、この後、取得した変換データを用いて利用処理を実行することが可能となる。
[2−4.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(2a)複数のCPU11a、11bのそれぞれは、複数種類の変換データを用いるように構成されている。これらの変換データのそれぞれには、変換データが生成されてから用いられるまでに許容される時間である許容時間が予め設定されている。複数のCPU11a、11bのそれぞれは、S130では、変換データ毎に設定された許容時間を許容閾値として用いる。なお、本実施形態では、CPU11aにおいては、変換データが燃圧である場合はこの限りではない。
これによれば、複数のCPU11a、11bのそれぞれは、経過時間が許容閾値以上となった変換データが有る場合にのみ変換データを生成するので、例えば最も短い許容時間を許容閾値とする場合よりも、AD変換器14にAD変換処理を行わせる頻度を低減させることができる。この結果、AD変換器14にてAD変換の要求が重なる状況を低減させることができる。結果として、ECU3において処理を高速化することができる。
(2b)ECU3は、車両に搭載される。自CPU11aによって、許容時間は、複数種類の変換データのうち少なくとも一部の変換データについて設定されうる。少なくとも自CPU11aは、S124では、車両におけるエンジンの回転数を取得する。S125では、エンジンの回転数が、予め定められたエンジンの回転数の大きさである回転閾値以上であるか否か、を判断する。S126では、エンジンの回転数が回転閾値以上である場合は、予め定められた時間の長さである第1の設定時間を許容時間として設定する。S127では、エンジンの回転数が回転閾値未満であるときは、第1の設定時間よりも長い第2の設定時間を許容時間として設定する。
例えばアイドル状態のようにエンジン回転数が低いときは、例えば燃圧といった特定の変換データにおいては、変化が生じ難いと考えられる。つまり、頻繁に更新する必要が無いと考えられる。これによれば、エンジン回転数が回転閾値未満である場合は、第1の設定時間よりも長い第2の設定時間を許容時間として用いるので、AD変換器14にAD変換処理を行わせる頻度を低減することができる。この結果、AD変換器14にてAD変換の要求が重なる状況を低減させることができ、ECU3において処理を高速化することができる。
[2−5.変形例]
他のCPU11bは、自CPU11aと同様に、特定データについては自車両の作動条件に応じて許容時間を変更するように構成されてもよい。つまり、他のCPU11bは、図7に示すデータ取得処理を実行するように構成されていてもよい。ここで、例えば他のCPU11bは、クランク角度の変換データを特定データとして、該クランク角度についての許容時間を自車両の作動状態に応じて変更するように構成されてもよい。作動状態は任意の状態に設定されうる。
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(3a)上記実施形態では、ECU3において、他のCPU11bは、自CPU11aと同様のデータ取得処理を行うように構成されていた。ただし、他のCPU11bの構成は、これに限定されるものではない。
他のCPU11bは、S170にて実行する変換指示処理において、他のCPU11bに加え自CPU11aで用いられる変換データを生成させる構成を備えていなくてもよい。すなわち、他のCPU11bは、変換指示処理において、他のCPU11bで用いられる変換データのみをAD変換器14に生成させるように構成されうる。
(3b)自CPU11a及び他のCPU11bのそれぞれは、経過時間が許容値以上である場合に変換指示処理を実行させる構成を備えていなくてもよい。例えば、自CPU11a及び他のCPU11bのそれぞれは、データ取得処理を実行する毎に変換指示処理を実行するように構成されうる。
(3c)ECU3は、メモリ13に変換終了時刻を記録させる構成を備えていなくてもよい。ECU3は、例えば、AD変換器14が備えるデータバッファ47に変換終了時刻を記録させるように構成されうる。
(3d)自CPU11a及び他のCPU11bのそれぞれは、複数種類の変換データを用いるものでなくてもよい。自CPU11a及び他のCPU11bのそれぞれにおいては、少なくとも一つの変換データが用いられうる。
(3e)上記実施形態では、CPU11a、CPU11bのそれぞれにおいて、用いられる複数の変換データの全てについて許容時間が設定されていたが、これに限定されるものではない。例えば、許容時間は、該複数の変換データのうちの一部であって、より頻繁に更新が必要とされる変換データについてのみ設定されうる。
また例えば、図2の例において、「筒内圧1」〜「筒内圧4」については2500μsecを許容時間とし、「燃圧1」〜「燃圧4」については4000μsecを許容時間とする、といったように、複数の変換データは「筒内圧グループ」、「燃圧グループ」といった複数のグループに分類されてもよく、該グループ毎に許容時間が設定されうる。
(3f)上記実施形態では、CPU11a、CPU11bのそれぞれにおいて、用いられる複数の変換データのそれぞれについて設定されている許容時間のうち、最も短い許容時間を許容閾値として用いていた。ただし、これに限定されるものではない。例えば、最も短い許容時間以下の値が許容閾値として用いられうる。
(3g)上記実施形態では、変換データ毎に設定された許容時間を許容閾値として用いたが、これに限定されるものではない。例えば、許容時間以下の値が許容閾値として用いられうる。
(3h)上記実施形態ではエンジン回転数が回転閾値以上であるか否かに基づいて燃圧の変換データについて許容時間を変更していた。ただし、これに限定されるものではない。
回転閾値が複数に設定され、燃圧の変換データに対する許容時間がエンジン回転数の大きさに応じて複数種類に設定されてもよい。
また、自車両の作動条件に応じた許容時間は、燃圧に限定されることなく、任意の変換データに対して設定されうる。また、自車両の作動条件は、エンジン回転数に限定されることなく、任意に設定されうる。
(3i)上記実施形態では、筒内圧、燃圧、クランク角度といったデジタルデータが変換データとして用いられていた。但し、これに限定されるものではない。任意のデジタルデータが変換データとして用いられうる。また、許容時間、許容閾値、変換データ、変換終了時刻等の値は説明に用いた値に限定されるものではなく任意の値が用いられうる。
(3j)上記実施形態では、変換指示に基づいて変換データの全てが生成された時点での時刻が変換終了時刻としてメモリ13に記録されていたが、これに限定されるものではない。自CPU11a及び他のCPU11bのそれぞれは、AD変換器14にて変換データが生成される毎に、そのときの時刻と生成された変換データとを対応付けてメモリ13に記録するよう構成されてもよい。また、これに基づいて、変換データ毎の経過時間が取得されてもよい。また、変換データ毎に経過時間に基づいて、メモリ13に記録されている変換データをそのまま取得するか否か、変換指示処理を実行するか否か、が判断されてもよい。
(3k)上記実施形態では、CPU11がAD変換器14のデータバッファ47から変換データを読み出してメモリ13に書き込んでいたが、これに限定されるものではない。AD変換器14が、データバッファ47からメモリ13への変換データの書き込みを実行してもよい。
(3l)上記実施形態では、ECU3は第1のコアとしての自CPU11a及び第2のコアとしての他のCPU11bを備えていたがこれに限定されるものではない。ECU3は、自CPU11aと同様に構成された一又は複数のCPU、及び、他のCPU11bと同様に構成された一又は複数のCPUを、備えうる。すなわち、ECU3は、自CPU11aと同様に構成された一又は複数のCPU、または、他のCPU11bと同様に構成された一又は複数のCPUを、更に備えていてもよい。
(3m)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(3n)上述したCPU11、ECU3の他、CPU11、ECU3を機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、変換データ取得方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
[4.実施形態と特許請求の範囲との対応]
なお、ECU3が電子制御装置に相当し、自CPU11aが第1のコアに相当し、他のCPU11bが第2のコアに相当する。また、CPU11が、時間取得部、時間判断部、回転取得部、回転判断部、閾値設定部、実行判断部、変換指示部、データ取得部、に相当する。また、S110が時間取得部としての処理に相当し、S113が回転取得部としての処理に相当し、S114が回転判断部としての処理に相当し、S116が閾値設定部としての処理に相当する。また、S130が時間判断部としての処理に相当し、S140が実行判断部としての処理に相当し、S170が変換指示部としての処理に相当し、S190がデータ取得部としての処理に相当する。
3 ECU、11a、11b CPU、13 メモリ、14 AD変換器。

Claims (7)

  1. 1つのAD変換器(14)を共用する複数のコア(11a、11b)を備え、
    前記複数のコアのそれぞれは、
    前記AD変換器にAD変換処理を行わせる変換指示部(S170)と、
    前記AD変換処理により生成されたデジタルデータである変換データが記録されるメモリ(13)から、前記変換データを取得するデータ取得部(S190)と、
    を備え、
    前記複数のコアは、第1のコア(11a)と、第2のコア(11b)と、を有し、
    前記第1のコアが備える前記変換指示部は、前記第1のコアで用いられる前記変換データに加え、前記第2のコアで用いられる前記変換データを、前記AD変換器に生成させる、電子制御装置(3)。
  2. 請求項1に記載の電子制御装置であって、
    前記複数のコアのそれぞれは、
    前記AD変換器によるAD変換処理が完了してから経過した時間である経過時間を取得する時間取得部(S110)と、
    前記経過時間が予め定められた時間の長さである許容閾値以上であるか否かを判断する時間判断部(S130)と、
    を更に備え、
    前記変換指示部は、前記経過時間が前記許容閾値以上である場合に、前記AD変換器にAD変換処理を行わせる
    電子制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電子制御装置であって、
    前記メモリに、前記変換データと共に、前記変換データの生成が終了した時刻が記録されるように構成された
    電子制御装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の電子制御装置であって、
    前記複数のコアのそれぞれは、複数種類の前記変換データを用い、
    前記変換データのそれぞれには、前記変換データが生成されてから用いられるまでの許容される時間である許容時間が予め設定されており、
    前記時間判断部は、前記変換データのそれぞれについて設定されている前記許容時間のうち最も短い許容時間を前記許容閾値として用いる
    電子制御装置。
  5. 請求項2または請求項3に記載の電子制御装置であって、
    前記複数のコアのそれぞれは、複数種類の前記変換データを用い、
    前記変換データのそれぞれには、前記変換データが生成されてから用いられるまでに許容される時間である許容時間が予め設定されており、
    前記時間判断部は、前記変換データ毎に設定された前記許容時間を前記許容閾値として用いる
    電子制御装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の電子制御装置であって、
    当該電子制御装置は、車両に搭載され、
    前記許容時間は、前記複数種類の変換データのうち少なくとも一部の前記変換データについて設定されており、
    前記第1のコアは、
    前記車両におけるエンジンの回転数を取得する回転取得部(S113)と、
    前記エンジンの回転数が、予め定められた前記エンジンの回転数の大きさである回転閾値以上であるか否か、を判断する回転判断部(S114)と、
    前記エンジンの回転数が前記回転閾値以上である場合は、予め定められた時間の長さである第1の設定時間を前記許容時間として設定し、前記エンジンの回転数が前記回転閾値未満であるときは、前記第1の設定時間よりも長い第2の設定時間を前記許容時間として設定する閾値設定部(S116)と、
    を更に備える電子制御装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電子制御装置であって、
    前記複数のコアのそれぞれは、
    前記AD変換器がAD変換処理を行っているか否か判断する実行判断部(S140)
    を更に備え、
    前記データ取得部は、前記変換指示部が前記AD変換器にAD変換処理を行わせようとしたときに前記AD変換器がAD変換を行っている場合は、前記AD変換器によるAD変換処理が完了した後に、前記メモリに記録された変換データを取得する
    電子制御装置。
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