JP6981512B2 - 電子制御装置 - Google Patents
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Description
また、本開示の一態様は、電子制御装置(3)であって、1つのAD変換器を共用する複数のコアを備える。複数のコアのうち少なくとも1つである指示コアは、変換指示部(S170)と、時間取得部(S110)と、時間判断部(S130)と、データ取得部(S190)と、を備える。変換指示部は、変換指示に従ってAD変換処理により変換データを生成するAD変換器に、指示コア自らが用いる変換データに加え複数のコアのうち残りのコアが用いる変換データを生成させる変換指示を出力する。そして、変換指示部は、変換指示に従って生成された指示コア自らが用いる変換データと残りのコアが用いる変換データとを含む両方の変換データをメモリに記憶させる。時間取得部は、変換指示に従ってAD変換器によるAD変換処理が完了してから経過した時間である経過時間を取得する。時間判断部は、経過時間が予め定められた時間の長さである許容閾値以上であるか否かを判断する。データ取得部は、メモリから、指示コア自らが用いる変換データを取得する。変換指示部は、指示コア自らが用いる変換データについて、経過時間が許容閾値未満である場合に、AD変換器に、両方の変換データを新たに生成させる変換指示を出力しない。データ取得部は、指示コア自らが用いる変換データについて、経過時間が許容閾値未満である場合に、メモリから、既に記憶されている指示コア自らが用いる変換データを取得する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示す制御システム1は、車両に搭載されるシステムである。以下では、制御システム1が搭載された車両を自車両ともいう。制御システム1は、電子制御装置(以下、ECU)3を備える。制御システム1は、クランク角センサ5、筒内圧センサ6、燃圧センサ7、インジェクタ8を備えていてもよい。ECUは、Electronic Control Unitの略である。
変換データとは、ECU3における各種機能を実現するためにECU3に入力されたアナログ信号を元として、該アナログ信号をAD変換器14にAD変換処理を行わせて生成したデジタルデータ、をいう。複数の変換データは、図2に示すように、筒内圧、燃圧、クランク角度等といった、複数の種類に分類される。
ここでいう許容時間とは、変換データが生成されてから該変換データが用いられるまでに許容される時間、をいう。用いられるとは、各種の制御や制御を行うための演算等に利用されること、をいう。
メモリ13には、CPU11がマイコン10の各種機能を実現するためのプログラムが記録されている。また、メモリ13には、前述の許容時間がCPU11毎に記録されている。また、メモリ13には、CPU11の演算結果等を示すデータが記録される。
AD変換器14は、図示しない複数のチャネルを有する。複数のチャネルには、それぞれ、例えば、筒内圧、燃圧、クランク角度等、といった、AD変換処理の対象となり得るアナログ信号が入力される。また、AD変換器14は、設定レジスタ45、状態レジスタ46、データバッファ47といった複数の記憶領域を有する。
[1−2−1.データ取得処理]
次に、CPU11が実行するデータ取得処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。データ取得処理は、CPU11で用いられる変換データをメモリ13から取得するための処理である。データ取得処理は、CPU11が変換データを用いる処理である利用処理を行うことをきっかけとして、実行される。
自CPU11aでは本データ取得処理とは別の処理によって経過時間が算出されており、自CPU11aは算出された該経過時間を取得する。
自CPU11aは、経過時間が許容閾値以上である場合に移行するS140では、換言すれば、自CPU11aがAD変換器14にAD変換処理を行わせたいときに移行するS140では、AD変換器14がAD変換処理を行っているか否かを判断する。より詳しくは、自CPU11aは、自CPU11a以外の指示によってAD変換器14がAD変換処理を行っている最中であるか否かを判断する。
自CPU11aは、S170では、後述する変換指示処理を実行する。変換指示処理は、AD変換器14にAD変換処理を行わせるための処理である。本実施形態では、自CPU11aは、変換指示処理を実行することにより、自CPU11aで用いられる変換データに加え、他のCPU11bで用いられる変換データを、AD変換器14に生成させる。そして、生成された変換データをメモリ13に記録させる。自CPU11aは、変換指示処理を終了すると、処理をS180へ移行させる。
自CPU11aは、S190では、メモリ13に記録されている変換データを取得する。自CPU11aは、変換データを取得した後に本データ取得処理を終了する。なお、本ステップで取得される変換データには、例えば、本データ取得処理が開始されるきっかけとなった利用処理に用いられる変換データが少なくとも含まれうる。または、本ステップで取得される変換データには、自CPU11aで用いられる変換データの全てが含まれうる。
次に、自CPU11aがS170にて実行する変換指示処理を図4のフローチャートを用いて説明する。
自CPU11aは、S220では、S210にて生成した変換指示をAD変換器14へ出力する。具体的には、自CPU11aは変換指示を設定レジスタ45に書き込む。これにより、AD変換器14は、変換指示に従って、0チャネルから11チャネルまでのアナログ信号についてのAD変換処理を開始する。つまり、自CPU11a及び他のCPU11bにおいて用いられる変換データの全てについて、新たに変換データの生成が開始される。
自CPU11aは、S240では、AD変換器14のデータバッファ47から生成された変換データを全て取得してメモリ13へ書き込む。ここでいう、書き込むとは、データを上書きすることをいう。つまり、本ステップでは、マイコン10が備える複数のCPU11a、11bにて用いられる変換データの全てが、新たに生成された変換データに上書きされる。
[1−3.作動]
このように構成されたECU3におけるCPU11の作動について、図6を用いて説明する。CPU11は、ECU3への電源投入直後に、初期化を行う。CPU11は、初期化を行った後は、例えば数ミリ〜数百ミリ秒といった予め定められた周期毎に予め定められた処理(以下、定期タスク)を実行する。定期タスクは、自CPU11a、他のCPU11bのそれぞれにおいて、個別に設定されている。定期タスクには、複数の変換データのうち少なくとも一つを利用する処理である利用処理が含まれうる。
時刻t0におけるECU3への電源投入直後、S301では、自CPU11aは、初期化を行う中で変換指示処理を実行する。これにより、AD変換器14ではAD変換処理が実行され、自CPU11a及び他のCPU11bで用いられる変換データの全てが生成される。自CPU11aは、生成された変換データD1を変換終了時刻t1とともにメモリ13に記録する。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1a)ECU3は、1つのAD変換器14を共用する複数のCPU11a、11bを備える。複数のCPU11a、11bのそれぞれは、S170では、AD変換器14にAD変換処理を行わせる。S190では、AD変換処理により生成されたデジタルデータである変換データが記録されるメモリ13から、変換データを取得する。複数のCPU11a、11bは、自CPU11aと、他のCPU11bと、を有する。自CPU11aが備えるS170では、自CPU11aで用いられる変換データに加え、他のCPU11bで用いられる変換データを、AD変換器14に生成させる。
これによれば、メモリ13に変換終了時刻が記録されるので、該時刻に基づいて経過時間を算出することが可能となる。
上記実施形態では、他のCPU11bは、他のCPU11bが備えるS170では、他のCPU11bで用いられる変換データに加え、自CPU11aで用いられる変換データを、AD変換器14に生成させるように構成されていた。ただし、これに限定されるものではない。他のCPU11bは、他のCPU11bが備えるS170では、他のCPU11bで用いられる変換データのみをAD変換器14に生成させるように構成されていてもよい。
[2−1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
これに対し、第2実施形態では、複数の変換データのそれぞれについて設定されている許容時間を該それぞれの変換データの許容閾値として用いる点で、第1実施形態と相違する。
次に、第2実施形態のCPU11が実行するデータ取得処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、図7におけるS140〜S190の処理は、図3におけるS140〜S190の処理と同様であるため、説明を一部簡略化している。
自CPU11aは、S121では、自CPU11aで用いられる変換データの種類を特定する。前述のように、自CPU11aは、利用処理に基づいて、自CPU11aで用いられる変換データの種類を特定可能である。ここでいう自CPU11aで用いられる変換データには、自CPU11aで用いられる変換データの全てまたは一部が含まれる。また、自CPU11aで用いられる変換データには、例えば、本データ取得処理を開始するきっかけとなった利用処理において用いられる変換データが含まれうる。
自CPU11aは、エンジンの回転数が回転閾値以上である場合に移行するS126では、第1の設定時間を燃圧の変換データに対する許容時間として設定する。そして、自CPU11aは、処理をS130へ移行させる。第1の設定時間は、図2に示す許容時間に設定される。ただし、これに限定されるものではなく、第1の設定時間は、所定の機能を実現させるために任意の値に設定されうる。第1の設定時間はメモリ13に予め記録されている。
[2−3.作動]
本実施形態のデータ取得処理を実行する自CPU11aの作動について説明する。ここで、自CPU11aは、「筒内圧1」、「筒内圧2」、及び「燃圧1」の変換データを用いる処理を利用処理として、該利用処理をきっかけとして前述のデータ取得処理を開始するものとする。
以上詳述した第2実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(2a)複数のCPU11a、11bのそれぞれは、複数種類の変換データを用いるように構成されている。これらの変換データのそれぞれには、変換データが生成されてから用いられるまでに許容される時間である許容時間が予め設定されている。複数のCPU11a、11bのそれぞれは、S130では、変換データ毎に設定された許容時間を許容閾値として用いる。なお、本実施形態では、CPU11aにおいては、変換データが燃圧である場合はこの限りではない。
他のCPU11bは、自CPU11aと同様に、特定データについては自車両の作動状態に応じて許容時間を変更するように構成されてもよい。つまり、他のCPU11bは、図7に示すデータ取得処理を実行するように構成されていてもよい。ここで、例えば他のCPU11bは、クランク角度の変換データを特定データとして、該クランク角度についての許容時間を自車両の作動状態に応じて変更するように構成されてもよい。作動状態は任意の状態に設定されうる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
また、自車両の作動条件に応じた許容時間は、燃圧に限定されることなく、任意の変換データに対して設定されうる。また、自車両の作動条件は、エンジン回転数に限定されることなく、任意に設定されうる。
なお、ECU3が電子制御装置に相当する。また、CPU11が、時間取得部、時間判断部、回転取得部、回転判断部、閾値設定部、実行判断部、変換指示部、データ取得部、に相当する。また、S110が時間取得部としての処理に相当し、S124が回転取得部としての処理に相当し、S125が回転判断部としての処理に相当し、S126、S127が閾値設定部としての処理に相当する。また、S130が時間判断部としての処理に相当し、S140が実行判断部としての処理に相当し、S170が変換指示部としての処理に相当し、S190がデータ取得部としての処理に相当する。
Claims (8)
- 1つのAD変換器を共用する複数のコアを備え、
複数の前記コアのうち少なくとも1つである指示コアは、
変換指示に従ってAD変換処理により変換データを生成する前記AD変換器に、前記指示コア自らが用いる前記変換データに加え複数の前記コアのうち残りの前記コアが用いる前記変換データを生成させる前記変換指示を出力し、前記変換指示に従って生成された前記指示コア自らが用いる変換データと前記残りのコアが用いる変換データとを含む両方の変換データをメモリに記憶させる変換指示部(S170)と、
前記変換指示に従って前記AD変換器による前記AD変換処理が完了してから経過した時間である経過時間を取得する時間取得部(S110)と、
前記経過時間が予め定められた時間の長さである許容閾値以上であるか否かを判断する時間判断部(S130)と、
前記メモリから、前記指示コア自らが用いる前記変換データを取得するデータ取得部(S190)と、
を備え、
前記変換指示部は、前記指示コア自らが用いる前記変換データについて、前記経過時間が前記許容閾値以上である場合に、前記AD変換器に、前記両方の変換データを新たに生成させる前記変換指示を出力し、前記変換指示に従って生成された前記両方の変換データを前記メモリに記憶させ、
前記データ取得部は、前記指示コア自らが用いる前記変換データについて、前記経過時間が前記許容閾値以上である場合に、前記変換指示部が起動され、前記変換指示によって新たに生成され前記メモリに記憶された、前記指示コア自らが用いる前記変換データを取得する
電子制御装置(3)。 - 請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記変換指示部は、前記指示コア自らが用いる前記変換データについて、前記経過時間が前記許容閾値未満である場合に、前記AD変換器に、前記両方の変換データを新たに生成させる前記変換指示を出力せず、
前記データ取得部は、前記指示コア自らが用いる前記変換データについて、前記経過時間が前記許容閾値未満である場合に、前記メモリから、既に記憶されている前記指示コア自らが用いる前記変換データを取得する
電子制御装置。 - 1つのAD変換器を共用する複数のコアを備え、
複数の前記コアのうち少なくとも1つである指示コアは、
変換指示に従ってAD変換処理により変換データを生成する前記AD変換器に、前記指示コア自らが用いる前記変換データに加え複数の前記コアのうち残りの前記コアが用いる前記変換データを生成させる前記変換指示を出力し、前記変換指示に従って生成された前記指示コア自らが用いる変換データと前記残りのコアが用いる変換データとを含む両方の変換データをメモリに記憶させる変換指示部(S170)と、
前記変換指示に従って前記AD変換器による前記AD変換処理が完了してから経過した時間である経過時間を取得する時間取得部(S110)と、
前記経過時間が予め定められた時間の長さである許容閾値以上であるか否かを判断する時間判断部(S130)と、
前記メモリから、前記指示コア自らが用いる前記変換データを取得するデータ取得部(S190)と、
を備え、
前記変換指示部は、前記指示コア自らが用いる前記変換データについて、前記経過時間が前記許容閾値未満である場合に、前記AD変換器に、前記両方の変換データを新たに生
成させる前記変換指示を出力せず、
前記データ取得部は、前記指示コア自らが用いる前記変換データについて、前記経過時間が前記許容閾値未満である場合に、前記変換指示部を起動することなく、前記メモリから、既に記憶されている前記指示コア自らが用いる前記変換データを取得する
電子制御装置(3)。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子制御装置であって、
前記指示コア自らが用いる前記変換データは複数種類であり、複数種類の前記変換データのうちの少なくとも一部には、前記変換データが生成されてから用いられるまでの許容される時間である許容時間が予め設定されており、
前記時間判断部は、前記指示コア自らが用いる前記変換データについて設定されている前記許容時間のうち最も短い許容時間を前記許容閾値として用いる
電子制御装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子制御装置であって、
前記指示コア自らが用いる前記変換データは複数種類であり、複数種類の前記変換データのうちの少なくとも一部には、前記変換データが生成されてから用いられるまでの許容される時間である許容時間が予め設定されており、
前記時間判断部は、前記指示コア自らが用いる前記変換データ毎に設定された前記許容時間を前記許容閾値として用いる
電子制御装置。 - 請求項4または請求項5に記載の電子制御装置であって、
当該電子制御装置は、車両に搭載され、
前記指示コアは、
前記指示コア自らが用いる前記変換データのうちの少なくとも1つである特定データについて、前記車両の作動状態に応じて前記許容時間を変更する閾値設定部(S126、S127)、
を備える
電子制御装置。 - 請求項6に記載の電子制御装置であって、
前記指示コアは、
前記車両におけるエンジンの回転数を前記車両の前記作動状態として取得する回転取得部(S124)と、
前記エンジンの回転数が、予め定められた前記エンジンの回転数の大きさである回転閾値以上であるか否か、を判断する回転判断部(S125)と、
を備え、
前記閾値設定部は、前記エンジンの回転数が前記回転閾値以上である場合は、予め定められた時間の長さである第1の設定時間を前記特定データの前記許容時間として設定し、前記エンジンの回転数が前記回転閾値未満であるときは、前記第1の設定時間よりも長い第2の設定時間を前記特定データの前記許容時間として設定する
電子制御装置。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電子制御装置であって、
複数の前記指示コアを備え、
前記指示コアは、
前記AD変換器が前記AD変換処理を行っているか否か判断する実行判断部(S140)
を更に備え、
前記データ取得部は、前記変換指示部が前記AD変換器に前記AD変換処理を行わせようとしたときに前記AD変換器が前記AD変換処理を行っている場合は、前記AD変換器による前記AD変換処理が完了した後に、前記メモリから前記メモリに記録された前記指示コア自らが用いる前記変換データを取得する
電子制御装置。
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