JP2018095786A - 樹脂組成物およびその架橋体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高集積化演算装置に向けた回路基板用の層間絶縁フィルムおよび回路基板等に好適な高周波領域での誘電特性、耐熱性および機械的特性に優れた架橋体を得ることが可能な樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明の樹脂組成物は、環状オレフィン(共)重合体(P)と、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド樹脂、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、液晶ポリマー、マレイミド樹脂、およびポリブタジエン樹脂からなる群から選択される1種または2種以上の樹脂(Q)と、を含む。そして、当該樹脂組成物中の環状オレフィン(共)重合体(P)の含有量に対する樹脂(Q)の含有量の質量比((Q)/(P))が0.2以上5以下であり、環状オレフィン(共)重合体(P)が、環状オレフィン共重合体(m)と、環状オレフィン共重合体(m)とは異なる環状オレフィン(共)重合体(n)と、を含む。樹脂組成物に含まれる環状オレフィン共重合体(m)と環状オレフィン(共)重合体(n)との合計量を100質量%としたとき、環状オレフィン共重合体(m)の含有量が5質量%以上95質量%以下であり、環状オレフィン(共)重合体(n)の含有量が5質量%以上95質量%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物およびその架橋体に関する。
昨今、高周波帯域を使用する無線通信機器等の増加に加え、通信速度の高速化によって、必然的に高い帯域の周波数帯が用いられることが多くなってきた。これに伴い、高周波における伝送ロスを極限まで軽減するために絶縁性が高く誘電正接が小さい回路基板用材料が求められている。
このような回路基板に用いる樹脂材料としては、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されたジエンを共重合させた環状オレフィン共重合体が挙げられる。
特許文献1および特許文献2には、特定のジエン化合物を共重合した環状オレフィン共重合体を有機過酸化物等で架橋することにより得られるシートが優れた誘電特性を示すことが開示されている。
さらに、特許文献3には、特定のジエン化合物を共重合した環状オレフィン共重合体と種々の樹脂を含む樹脂組成物が開示されている。
特開2010−100843号公報 国際公開第2012/046443号 特開2015−067822号公報
本発明者らの検討によれば、特許文献1〜3に記載の環状オレフィン共重合体から得られる架橋体を回路基板用材料として使用するには、誘電特性を維持しながら、さらに耐熱性および機械的強度を向上させる必要があることが明らかになった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、回路基板用材料として、高集積化演算装置に向けた回路基板等に好適な高周波領域での誘電特性、耐熱性および機械的特性に優れた架橋体を得ることが可能な樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のジエン化合物を共重合した環状オレフィン共重合体と特定の環状オレフィン(共)重合体の混合物に、特定の割合でポリフェニレンエーテル、ポリイミド樹脂、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、液晶ポリマー、マレイミド樹脂、およびポリブタジエン樹脂からなる群から選択される1種または2種以上の樹脂を混合することにより回路基板用の層間絶縁フィルムや回路基板等に求められる高周波領域での誘電特性を満足しながら、耐熱性と機械的強度が向上することを見出し、本発明を完成させた。
本発明は以下に示すとおりである。
[1]
環状オレフィン(共)重合体(P)と、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド樹脂、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、液晶ポリマー、マレイミド樹脂、およびポリブタジエン樹脂からなる群から選択される1種または2種以上の樹脂(Q)と、を含む樹脂組成物であって、
当該樹脂組成物中の上記環状オレフィン(共)重合体(P)の含有量に対する上記樹脂(Q)の含有量の質量比((Q)/(P))が0.2以上5以下であり、
上記環状オレフィン(共)重合体(P)が、環状オレフィン共重合体(m)と、上記環状オレフィン共重合体(m)とは異なる環状オレフィン(共)重合体(n)と、を含み、
上記環状オレフィン共重合体(m)は、
(A)下記一般式(I)で表される1種以上のオレフィン由来の繰り返し単位と、
(B)下記一般式(III)で表される1種以上の環状非共役ジエン由来の繰り返し単位と、
(C)下記一般式(V)で表される1種以上の環状オレフィン由来の繰り返し単位と、を含み、
上記環状オレフィン共重合体(m)中の繰り返し単位の合計モル数を100モル%とした場合に、上記オレフィン由来の繰り返し単位(A)の含有量が10モル%以上90モル%以下、上記環状非共役ジエン由来の繰り返し単位(B)の含有量が1モル%以上40モル%以下、および上記環状オレフィン由来の繰り返し単位(C)の含有量が1モル%以上30モル%以下であり、
上記環状オレフィン(共)重合体(n)は、エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体(n1)(ただし、上記共重合体(n1)は下記一般式(III)で表される環状非共役ジエン由来の繰り返し単位を含まない)および環状オレフィンの開環重合体(n2)から選択される少なくとも一種を含み、
上記環状オレフィン共重合体(m)と上記環状オレフィン(共)重合体(n)との合計量を100質量%としたとき、
上記環状オレフィン共重合体(m)の含有量が5質量%以上95質量%以下であり、上記環状オレフィン(共)重合体(n)の含有量が5質量%以上95質量%以下である樹脂組成物。
Figure 2018095786
〔上記一般式(I)において、R300は水素原子または炭素原子数1〜29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。〕
Figure 2018095786
〔上記一般式(III)中、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R61〜R76ならびにRa1およびRb1は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R104は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、tは0〜10の正の整数であり、R75およびR76は互いに結合し
て単環または多環を形成していてもよい。〕
Figure 2018095786
〔上記一般式(V)中、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R61〜R78ならびにRa1およびRb1は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R75〜R78は互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。〕
[2]
上記樹脂(Q)がポリフェニレンエーテルを含む上記[1]に記載の樹脂組成物。
[3]
上記環状非共役ジエン由来の繰り返し単位(B)を構成する環状非共役ジエンが、5−ビニル−2−ノルボルネンまたは8−ビニル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンである上記[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4]
上記環状オレフィン由来の繰り返し単位(C)を構成する環状オレフィンが、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンまたはテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンである上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[5]
耐熱安定剤、耐候安定剤、耐放射線剤、可塑剤、滑剤、離型剤、核剤、摩擦磨耗性向上剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、着色剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、耐衝撃剤、表面ぬれ改善剤、充填材、塩酸吸収剤、金属不活性化剤および硬化促進剤からなる群から選択される一種または二種以上の添加剤をさらに含む上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[6]
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の樹脂組成物と溶媒を含有するワニス。
[7]
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の樹脂組成物の架橋体。
[8]
上記[7]に記載の架橋体を含むフィルムまたはシート。
[9]
上記[8]に記載のフィルムまたはシートを基材に積層した積層体。
[10]
上記[7]に記載の架橋体を含む電気絶縁層と、上記電気絶縁層上に設けられた導体層とを含む回路基板。
[11]
上記[10]に記載の回路基板を備えた電子機器。
[12]
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の樹脂組成物とシート状繊維基材とを含むプリプレグ。
[13]
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の樹脂組成物が表層に厚み100μm以下で形成された多層成形体または多層積層フィルム。
本発明によれば、高集積化演算装置に向けた回路基板用の層間絶縁フィルムおよび回路基板等に好適な高周波領域での誘電特性、耐熱性および機械的特性に優れた架橋体を得ることが可能な樹脂組成物を提供することができる。
さらに本発明によれば、上記樹脂組成物を用いることにより、回路基板用材料として好適な架橋体、フィルムまたはシート、積層体、回路基板、多層成形体または多層積層フィルム、プリプレグおよび電子機器を提供することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。なお、本実施形態では、数値範囲を示す「A〜B」はとくに断りがなければ、A以上B以下を表す。
まず、本発明に係る実施形態の樹脂組成物について説明する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、環状オレフィン(共)重合体(P)と、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド樹脂、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、液晶ポリマー、マレイミド樹脂、およびポリブタジエン樹脂からなる群から選択される1種または2種以上の樹脂(Q)と、を含む。そして、当該樹脂組成物中の環状オレフィン(共)重合体(P)の含有量に対する樹脂(Q)の含有量の質量比((Q)/(P))が0.2以上5以下であり、好ましくは0.2以上3以下であり、より好ましくは0.2以上2以下、特に好ましくは0.2以上1.5以下である。また、環状オレフィン(共)重合体(P)が、環状オレフィン共重合体(m)と、環状オレフィン共重合体(m)とは異なる環状オレフィン(共)重合体(n)と、を含む。
(Q)/(P)が上記下限値以上であることにより、得られる架橋体について、良好な誘電特性および機械的強度を満たしながら耐熱性を向上させることができる。また、(Q)/(P)が上記上限値以下であることにより、得られる架橋体について、良好な耐熱性を満たしながら誘電特性および機械的強度を向上させることができる。
以上から、(Q)/(P)が上記範囲内であることにより、高集積化演算装置に向けた回路基板用の層間絶縁フィルムおよび回路基板等に好適な高周波領域での誘電特性、耐熱性および機械的特性に優れた架橋体を得ることが可能となる。
本実施形態に係る樹脂組成物に含まれる環状オレフィン共重合体(m)と環状オレフィン(共)重合体(n)との合計量を100質量%としたとき、環状オレフィン共重合体(m)の含有量が5質量%以上95質量%以下、好ましくは10質量%以上90質量%以下、より好ましくは20質量%以上80質量%以下、さらに好ましくは25質量%以上75質量%以下であり、環状オレフィン(共)重合体(n)の含有量が5質量%以上95質量%以下、好ましくは10質量%以上90質量%以下、より好ましくは20質量%以上80質量%以下、さらに好ましくは25質量%以上75質量%以下である。
以下、各成分について具体的に説明する。
[環状オレフィン共重合体(m)]
本実施形態の環状オレフィン共重合体(m)は、(A)下記一般式(I)で表される1種以上のオレフィン由来の繰り返し単位と、(B)下記一般式(III)で表される1種以上の環状非共役ジエン由来の繰り返し単位と、(C)下記一般式(V)で表される1種以上の環状オレフィン由来の繰り返し単位と、を含む。
Figure 2018095786
上記一般式(I)において、R300は水素原子または炭素原子数1〜29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。
Figure 2018095786
上記一般式(III)中、uは0または1であり、vは0または正の整数、好ましくは0以上2以下の整数、より好ましくは0または1であり、wは0または1であり、R61〜R76ならびにRa1およびRb1は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R104は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、tは0〜10の正の整数であり、R75およびR76は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。
Figure 2018095786
上記一般式(V)中、uは0または1であり、vは0または正の整数、好ましくは0以上2以下の整数、より好ましくは0または1であり、wは0または1であり、R61〜R78ならびにRa1およびRb1は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R75〜R78は互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。
環状オレフィン共重合体(m)において、環状オレフィン共重合体(m)中の繰り返し単位の合計モル数を100モル%とした場合に、オレフィン由来の繰り返し単位(A)の含有量が10モル%以上90モル%以下、好ましくは15モル%以上85モル%以下、より好ましくは20モル%以上80モル%以下、さらに好ましくは30モル%以上80モル%以下、さらにより好ましくは35モル%以上80モル%以下、特に好ましくは40モル%以上80モル%以下であり、環状非共役ジエン由来の繰り返し単位(B)の含有量が1モル%以上40モル%以下、好ましくは2モル%以上35モル%以下、さらに好ましくは3モル%以上30モル%以下であり、環状オレフィン由来の繰り返し単位(C)の含有量が1モル%以上30モル%以下、好ましくは3モル%以上25モル%以下、さらに好ましくは5モル%以上20モル%以下である。
環状オレフィン共重合体(m)中の繰り返し単位の各含有量が上記範囲内であると、上記樹脂組成物から得られる架橋体は、誘電特性の経時的安定性が優れるとともに耐熱性にも優れる。さらに、機械的特性、誘電特性、透明性およびガスバリア性にも優れた架橋体(L)を得ることができる。言い換えればこれらの物性のバランスに優れた架橋体(L)を得ることができる。
環状オレフィン共重合体(m)の共重合原料の一つであるオレフィンモノマーは、付加共重合して上記式(I)で表される骨格を与えるモノマーであり、下記一般式(Ia)で表されるオレフィンである。
Figure 2018095786
上記一般式(Ia)中、R300は水素原子または炭素原子数1〜29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。上記一般式(Ia)で表されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられる。より優れた耐熱性、機械的特性、誘電特性、透明性およびガスバリア性を有する架橋体(L)を得る観点から、これらの中でも、エチレンとプロピレンが好ましく、エチレンが特に好ましい。上記一般式(Ia)で表されるオレフィンモノマーは二種類以上を用いてもよい。
環状オレフィン共重合体(m)の共重合原料の一つである環状非共役ジエン単量体は付加共重合して上記一般式(III)で表される構成単位を形成するものである。具体的には、上記一般式(III)に対応する下記一般式(IIIa)で表される環状非共役ジエンが用いられる。
Figure 2018095786
上記一般式(IIIa)中、uは0または1であり、vは0または正の整数、好ましくは0以上2以下の整数、より好ましくは0または1であり、wは0または1であり、R61〜R76ならびにRa1およびRb1は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R104は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、tは0〜10の正の整数であり、R75およびR76は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。
上記一般式(IIIa)で表される環状非共役ジエンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、下記化学式で表される環状非共役ジエンを挙げることができる。これらのうち5−ビニル−2−ノルボルネン、8−ビニル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが好ましく、5−ビニル−2−ノルボルネンが特に好ましい。
Figure 2018095786
Figure 2018095786
上記一般式(IIIa)で表される環状非共役ジエンは、具体的には以下の一般式(IIIb)で表すこともできる。
Figure 2018095786
上記一般式(IIIb)中のnは0〜10の整数であり、Rは水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Rは水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。
本実施形態の環状オレフィン共重合体(m)には、上記一般式(III)で表される環状非共役ジエン由来の構成単位が含まれることにより、側鎖部分、すなわち共重合の主鎖以外の部分に二重結合を有することが特徴である。
環状オレフィン共重合体(m)の共重合原料の一つである環状オレフィンモノマーは付加共重合して上記式(V)で表される構成単位を形成するものである。具体的には、上記一般式(V)に対応する下記一般式(Va)で表される環状オレフィンモノマーが用いられる。
Figure 2018095786
上記一般式(Va)中、uは0または1であり、vは0または正の整数、好ましくは0以上2以下の整数、より好ましくは0または1であり、wは0または1であり、R61〜R78ならびにRa1およびRb1は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基、または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R75〜R78は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。
上記一般式(Va)で表される環状オレフィンの具体例については国際公開第2006/118261号に記載の化合物を用いることができる。
上記一般式(Va)で表される環状オレフィンとしては、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン(ノルボルネンとも呼ぶ。)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(テトラシクロドデセンとも呼ぶ。)が好ましく、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンがより好ましい。これらの環状オレフィンは剛直な環構造を有するため共重合体および架橋体の弾性率が保持され易く、また異種二重結合構造を含まないため架橋の制御をし易くなる利点がある。
共重合成分として、前述した一般式(Ia)で表されるオレフィンモノマー、一般式(Va)で表される環状オレフィンを用いることにより、環状オレフィン共重合体(m)の溶媒への溶解性がより向上するため成形性が良好となり、製品の歩留まりが向上する。
環状オレフィン共重合体(m)は、(A)一般式(I)で表される1種以上のオレフィン由来の繰り返し単位、(B)一般式(III)で表される環状非共役ジエン由来の繰り返し単位および(C)一般式(V)で表される1種以上の環状オレフィン由来の繰り返し単位に加えて、一般式(III)で表される環状非共役ジエンおよび一般式(V)で表される環状オレフィン以外の環状オレフィン、および/または鎖状ポリエン由来の繰り返し単位とから構成されていてもよい。
この場合、環状オレフィン共重合体(m)の共重合原料として、一般式(Ia)で表されるオレフィンモノマー、一般式(IIIa)で表される環状非共役ジエンモノマー、一般式(Va)で表される環状オレフィンモノマーに加えて、一般式(IIIa)で表される環状非共役ジエンモノマーおよび一般式(Va)で表される環状オレフィンモノマー以外の環状オレフィンモノマー、および/または鎖状ポリエンモノマーを用いることができる。
このような環状オレフィンモノマーおよび鎖状ポリエンモノマーとしては下記一般式(VIa)または(VIIa)で表される環状オレフィン、または下記一般式(VIIIa)で表される鎖状ポリエン等が挙げられる。これらの環状オレフィンや鎖状ポリエンは異なる二種以上を用いてもよい。
Figure 2018095786
一般式(VIa)中、xおよびdは0または1以上の整数、好ましくは0以上2以下の整数、より好ましくは0または1であり、yおよびzは0、1または2であり、R81〜R99は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基もしくは炭素原子数3〜15のシクロアルキル基である脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。
Figure 2018095786
上記一般式(VIIa)中、R100およびR101は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基を示し、fは1≦f≦18である。
Figure 2018095786
上記一般式(VIIIa)中、R201からR206は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、Pは炭素原子数1〜20の直鎖または分岐状の炭化水素基で、二重結合および/または三重結合を含んでいてもよい。
一般式(VIa)および一般式(VIIa)で表される環状オレフィンの具体例については国際公開第2006/118261号の段落0037〜0063に記載の化合物を用いることができる。
一般式(VIIIa)で表される鎖状ポリエンとして、具体的には、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、DMDT、1,3−ブタジエン,1,5−ヘキサジエン等が挙げられる。また1,3−ブタジエン、1,5−ヘキサジエン等のポリエンから環化した環化性のポリエンを用いてもよい。
環状オレフィン共重合体(m)が、上記一般式(VIIIa)で表される鎖状ポリエン由来の構成単位、あるいは一般式(III)で表される環状非共役ジエンおよび一般式(V)で表される環状オレフィン以外の環状オレフィン〔例えば、一般式(VIa)、一般式(VIIa)〕に由来する構成単位を含む場合は、該構成単位の含有量は、上記一般式(I)で表される1種以上のオレフィン由来の繰り返し単位、上記一般式(III)で表される1種以上の環状非共役ジエン由来の繰り返し単位、上記一般式(V)で表される1種以上の環状オレフィン由来の繰り返し単位の合計モル数に対して、通常0.1〜100mol%、好ましくは0.1〜50mol%である。
共重合成分として、前述した一般式(I)で表されるオレフィンモノマー、一般式(VIa)または(VIIa)で表される環状オレフィンおよび一般式(VIIIa)で表される鎖状ポリエンを用いることにより、本発明の効果が得られるとともに、環状オレフィン共重合体の溶媒への溶解性がより向上するため成形性が良好となり、製品の歩留まりが向上する。これらのうちでも一般式(VIa)または(VIIa)で表される環状オレフィンが好ましい。これらの環状オレフィンは剛直な環構造を有するため共重合体および架橋体の弾性率が保持され易く、また異種二重結合構造を含まないため架橋の制御をし易くなる利点がある。
環状オレフィン共重合体(m)は目的とする用途に応じて、モノマーの仕込み比により、そのコモノマー含有量、およびガラス転移点(Tg)をコントロールできる。環状オレフィン共重合体(m)のTgは、通常300℃以下、好ましくは250℃以下、さらに好ましくは200℃以下、とりわけ好ましくは170℃以下である。Tgが上記上限値以下であると、環状オレフィン共重合体(m)の溶融成形性が向上する。
環状オレフィン共重合体(m)の、135℃中デカリン中で測定した極限粘度[η]は、通常0.10〜15dl/g、好ましくは0.10〜5dl/g、より好ましくは0.15〜3dl/gの範囲である。極限粘度[η]が上記上限値以下であると、成形性が向上する。また、極限粘度[η]が上記下限値以上であると、樹脂組成物を架橋することによって得られる架橋体(L)の耐熱性や機械的特性が向上する。
なお、環状オレフィン共重合体(m)の極限粘度[η]は、重合触媒、助触媒、H添加量、重合温度等の重合条件により制御することが可能である。
[環状オレフィン共重合体(m)の製造方法]
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(m)は、例えば、国際公開第2012/046443号の段落0075〜0219に記載の環状オレフィン共重合体の製造方法にしたがって製造することができる。ここでは詳細は省略する。
[環状オレフィン(共)重合体(n)]
環状オレフィン(共)重合体(n)は、環状オレフィン共重合体(m)とは異なる環状オレフィン共重合体である。具体的には、環状オレフィン(共)重合体(n)は、エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体(n1)(ただし、共重合体(n1)は上記一般式(III)で表される環状非共役ジエン由来の繰り返し単位を含まない)および環状オレフィンの開環重合体(n2)から選択される少なくとも一種を含む。本実施形態に係る樹脂組成物は、環状オレフィン(共)重合体(n)を含むことにより、樹脂組成物を架橋して得られる架橋体の誘電特性をより一層良好なものとすることができる。
ここで、上記共重合体(n1)は上記一般式(III)で表される環状非共役ジエン由来の繰り返し単位を含まない。本実施形態において、上記共重合体(n1)が上記一般式(III)で表される環状非共役ジエン由来の繰り返し単位を含まないとは、上記共重合体(n1)中の繰り返し単位の合計モル数を100モル%とした場合に、上記一般式(III)で表される環状非共役ジエン由来の繰り返し単位の含有量が0.05モル%以下であることを意味する。
エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体(n1)としては、例えば、国際公開第2008/047468号の段落0030〜0123に記載の重合体を用いることができる。
例えば、繰り返し構造単位の少なくとも一部に脂環族構造を有する重合体(以下、単に「脂環族構造を有する重合体」ともいう)であり、重合体の繰り返し単位の少なくとも一部に脂環族構造を有するものであればよく、具体的には下記一般式(3)で表される1種ないし2種以上の構造を有する重合体を含むことが好ましい。
Figure 2018095786
(式(3)中、x、yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x、yはモル基準である。
nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の実数である。
は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基である。
は、水素原子、又は炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基である。
Qは、COOR(Rは、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)である。
、R、RおよびQは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。)
また上記一般式(3)において、Rは、好ましくは、炭素原子数2〜12の炭化水素基から選ばれる1種ないし2種以上の2価の基であり、さらに好ましくはn=0の場合、下記一般式(7)で表される2価の基であり、最も好ましくは、下記一般式(7)において、pが0または1である2価の基である。Rの構造は1種のみ用いても、2種以上を併用しても構わない。
Figure 2018095786
ここで、式(7)中、pは、0〜2の整数である。
また、エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体(n1)としては、下記一般式(4)で表現される環状オレフィン系共重合体である。例えば、エチレンまたは炭素原子数が3〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィン由来の構成単位(A)と、環状オレフィン由来の構成単位(B)とからなる。
Figure 2018095786
(式(4)中、Rは、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2価の基である。
は、水素原子、または炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
およびRは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
x、yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。好ましくは50/50≦y/x≦95/5、さらに好ましくは、55/45≦y/x≦80/20である。x、yはモル基準である。
エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体(n1)は、エチレンおよび環状オレフィンからなる共重合体が好ましく、環状オレフィンがビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン、シクロペンタジエン−ベンザイン付加物およびシクロペンタジエン−アセナフチレン付加物からなる群から選ばれる一種または二種以上であるものが好ましく、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選択される少なくとも一種であるものがより好ましい。
エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体(n1)としては、上記一般式(3)で表される1種ないし2種以上の構造を有する重合体または上記一般式(4)で表現される環状オレフィン系共重合体が水素添加処理された重合体であってもよい。
また、エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体(n1)としては、炭素数4〜12のα-オレフィンと環状オレフィンとの共重合体も好ましい。炭素数4〜12のα-オレフィンと環状オレフィンとの共重合体としては、例えば、国際公開第2015/178145号の段落0056〜0070に記載の重合体を用いることができる。
炭素数4〜12のα-オレフィンと環状オレフィンとの共重合体を構成する環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン及び置換ノルボルネンが挙げられ、ノルボルネンが好ましい。上記環状オレフィンは、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記置換ノルボルネンは特に限定されず、この置換ノルボルネンが有する置換基としては、例えば、ハロゲン原子、1価又は2価の炭化水素基が挙げられる。置換ノルボルネンの具体例としては、下記一般式(A)で示されるものが挙げられる。
Figure 2018095786
(式中、R〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、RとR10、R11とR12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。また、nは、0又は正の整数を示し、nが2以上の場合には、R〜Rは、それぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。ただし、n=0の場合、R〜R及びR〜R12の少なくとも1個は、水素原子ではない。)
一般式(A)で示される置換ノルボルネンについて説明する。一般式(A)におけるR〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものである。
〜Rの具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;炭素数1以上20以下のアルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
また、R〜R12の具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;炭素数1以上20以下のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ナフチル基、アントリル基等の置換又は無置換の芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基、その他アルキル基にアリール基が置換したアラルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
とR10、又はR11とR12とが一体化して2価の炭化水素基を形成する場合の具体例としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基等のアルキリデン基等を挙げることができる。
又はR10と、R11又はR12とが、互いに環を形成する場合には、形成される環は単環でも多環であってもよく、架橋を有する多環であってもよく、二重結合を有する環であってもよく、またこれらの環の組み合わせからなる環であってもよい。また、これらの環はメチル基等の置換基を有していてもよい。
一般式(A)で示される置換ノルボルネンの具体例としては、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン等の2環の環状オレフィン;トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン;トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,8−ジエン又はこれらの部分水素添加物(又はシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン;5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンといった3環の環状オレフィン;テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4,4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンといった4環の環状オレフィン;8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン;テトラシクロ[7.4.13,6.01,9.02,7]テトラデカ−4,9,11,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.14,7.01,10.03,8]ペンタデカ−5,10,12,14−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−へキサヒドロアントラセンともいう);ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.02,7.13,6.110,13]−4−ペンタデセン;ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.03,8.14,7.012,17.113,l6]−14−エイコセン;シクロペンタジエンの4量体等の多環の環状オレフィンを挙げることができる。
中でも、アルキル置換ノルボルネン(例えば、1個以上のアルキル基で置換されたビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン)、アルキリデン置換ノルボルネン(例えば、1個以上のアルキリデン基で置換されたビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン)が好ましく、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:5−エチリデン−2−ノルボルネン、又は、単にエチリデンノルボルネン)が特に好ましい。
炭素数4〜12のα-オレフィンと環状オレフィンとの共重合体を構成する炭素数4〜12のα-オレフィンとしては、例えば、炭素数4〜12のα-オレフィンや、ハロゲン原子等の少なくとも1種の置換基を有する炭素数4〜12のα-オレフィンが挙げられ、炭素数4〜12のα-オレフィンが好ましい。
炭素数4〜12のα-オレフィンは特に限定されないが、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−へキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−へキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。中でも、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンが好ましい。
本実施形態に係る炭素数4〜12のα-オレフィンと環状オレフィンとの共重合体は、当該共重合体中に含まれる繰り返し単位の合計を100モル%としたとき、炭素数4〜12のα-オレフィン由来の繰り返し単位の割合が、好ましくは10モル%以上90モル%以下、より好ましくは15モル%以上80モル%以下、さらに好ましくは20モル%以上70モル%以下である。
また、本実施形態に係る炭素数4〜12のα-オレフィンと環状オレフィンとの共重合体は、当該共重合体中に含まれる繰り返し単位の合計を100モル%としたとき、環状オレフィン由来の繰り返し単位の割合が、好ましくは10モル%以上90モル%以下、より好ましくは20モル%以上85モル%以下、さらに好ましくは30モル%以上80モル%以下である。
炭素数4〜12のα-オレフィンと環状オレフィンとの共重合体を得るための重合工程の条件は、所望の共重合体が得られる限り、特に限定されず、公知の条件を用いることができ、重合温度、重合圧力、重合時間等は適宜調整される。
また、環状オレフィン(共)重合体(n)としては、環状オレフィンの開環重合体(n2)を用いることができる。
環状オレフィンの開環重合体(n2)としては、例えば、ノルボルネン系単量体の開環重合体およびノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体、ならびにこれらの水素化物等が挙げられる。
ノルボルネン系単量体としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)およびその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ[4.3.01,6.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)およびその誘導体、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名メタノテトラヒドロフルオレン:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)およびその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(慣用名:テトラシクロドデセン)およびその誘導体等が挙げられる。
これらの誘導体の環に置換される置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基等が挙げられる。なお、置換基は、1個または2個以上を有することができる。このような環に置換基を有する誘導体としては、例えば、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体、またはノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体は、単量体成分を、公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。
開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、オスミウム等の金属のハロゲン化物と、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒;チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデン等の金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒;等を用いることができる。
ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の単環の環状オレフィン系単量体等を挙げることができる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体の水素化物や、ノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体の水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウム等の遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
本実施形態において環状オレフィン(共)重合体(n)は1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、本実施形態に係る樹脂組成物中の環状オレフィン(共)重合体(P)および樹脂(Q)の合計含有量は、得られる架橋体の誘電特性、耐熱性、および熱安定性の性能バランスをより向上させる観点から、当該樹脂組成物の全体を100質量%としたとき、好ましくは20質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上99質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以上99質量%以下である。
以下、各成分について具体的に説明する。
[樹脂(Q)]
本実施形態に係る樹脂(Q)としては、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド樹脂、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、液晶ポリマー、マレイミド樹脂、およびポリブタジエン樹脂からなる群から選択される1種または2種以上が挙げられる。これらの中でも、得られる架橋体の誘電特性、耐熱性および機械的強度の性能バランスをより一層向上できる観点からポリフェニレンエーテルが好ましい。
本実施形態に係るポリフェニレンエーテルとしては、例えば、未変性ポリフェニレンエーテルおよび変性ポリフェニレンエーテルから選択される少なくとも一種を用いることができる。
変性ポリフェニレンエーテルは特に限定はされないが、例えば、国際公開第2014/203511号の段落0018〜0061に記載のものを用いることができる。
より具体的には、以下のとおりである。
本実施形態に係る変性ポリフェニレンエーテルは特に限定されないが、炭素−炭素不飽和結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテルであることが好ましい。
炭素−炭素不飽和結合を有する置換基としては、特に限定はされないが、例えば、下記式(1)で示される置換基が挙げられる。
Figure 2018095786
上記式(1)中、nは0〜10の整数を示し、Zはアリーレン基を示し、R〜Rは独立して水素原子またはアルキル基を示す。
ここで、上記式(1)においてn=0の場合は、Zがポリフェニレンエーテルの末端に直接結合しているものを示す。また、Zのアリーレン基としては、例えば、フェニレン基等の単環芳香族基やナフタレン環等の多環芳香族基が挙げられ、芳香族環に結合する水素原子がアルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基等の官能基で置換された誘導体も含む。
上記式(1)に示す官能基としては、例えば、ビニルベンジル基を含む官能基が挙げられる。より具体的には、下記式(2)または式(3)から選択される少なくとも1つの置換基等が挙げられる。
Figure 2018095786
Figure 2018095786
上記炭素−炭素不飽和結合を有する他の置換基としては、例えば、下記式(4)で示される(メタ)アクリレート基が挙げられる。
Figure 2018095786
上記式(4)中、Rは水素原子またはアルキル基を示す。
本実施形態に係るポリフェニレンエーテルの数平均分子量は特に限定されないが、得られる硬化物の誘電特性、接着性、耐熱性のバランスをより良好にできる観点から、500以上7000以下であることが好ましく、1000以上5000以下であることがより好ましく、1000以上3000以下であることがさらに好ましい。ここで、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した値である。
また、本実施形態に係るポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエーテル鎖を分子中に有しており、例えば、下記式(5)で表される繰り返し単位を分子中に有していることが好ましい。
Figure 2018095786
上記式(5)において、mは1〜50を示す。また、R、R、R及びRは、それぞれ独立し、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。また、R、R、R及びRは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基を示す。これらの中でも、水素原子及びアルキル基が好ましい。
上記アルキル基は特に限定されないが、例えば、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、及びデシル基等が挙げられる。
アルケニル基は特に限定されないが、例えば、炭素数2〜18のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルケニル基がより好ましい。より具体的には、ビニル基、アリル基、及び3−ブテニル基等が挙げられる。
アルキニル基は特に限定されないが、例えば、炭素数2〜18のアルキニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルキニル基がより好ましい。より具体的には、エチニル基、及びプロパ−2−イン−1−イル基(プロパルギル基)等が挙げられる。
アルキルカルボニル基はアルキル基で置換されたカルボニル基であれば特に限定されないが、例えば、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基がより好ましい。より具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、及びシクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
アルケニルカルボニル基はアルケニル基で置換されたカルボニル基であれば特に限定されないが、例えば、炭素数3〜18のアルケニルカルボニル基が好ましく、炭素数3〜10のアルケニルカルボニル基がより好ましい。より具体的には、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びクロトノイル基等が挙げられる。
アルキニルカルボニル基はアルキニル基で置換されたカルボニル基であれば特に限定されないが、例えば、炭素数3〜18のアルキニルカルボニル基が好ましく、炭素数3〜10のアルキニルカルボニル基がより好ましい。より具体的には、プロピオロイル基等が挙げられる。
また、変性ポリフェニレンエーテルが、上記式(5)で表される繰り返し単位を分子中に有している場合、mは変性ポリフェニレンエーテルの数平均分子量が上述したような範囲内になるような数値であることが好ましい。具体的には1〜50であることが好ましい。
本実施形態に係る変性ポリフェニレンエーテルの合成方法は、炭素−炭素不飽和結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテルを合成することができれば特に限定されない。例えば、末端のフェノール性水酸基の水素原子をナトリウムやカリウム等のアルカリ金属原子で置換したポリフェニレンエーテルと、下記式(6)で示されるような化合物とを反応させる方法等が挙げられる。
Figure 2018095786
上記式(6)中、上記式(1)と同様に、nは0〜10の整数を示し、Zはアリーレン基を示し、R〜Rは独立して水素原子またはアルキル基を示す。また、Xは、ハロゲン原子を示し、具体的には、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、及びフッ素原子等が挙げられる。この中でも、塩素原子が好ましい。
また、上記式(6)で表される化合物は、特に限定されないが、例えば、p−クロロメチルスチレンやm−クロロメチルスチレンが好ましい。
また、上記式(6)で表される化合物は、上記例示したものを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
原料であるポリフェニレンエーテルは、最終的に、所定の変性ポリフェニレンエーテルを合成することができるものであれば、特に限定されない。具体的には、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなるポリアリーレンエーテル共重合体やポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)等のポリフェニレンエーテルを主成分とするもの等が挙げられる。このようなポリフェニレンエーテルは、より具体的には、例えば、下記式(7)に示す構造を有するポリフェニレンエーテル等が挙げられる。
Figure 2018095786
上記式(7)中、s、tは、例えば、sとtとの合計値が、1〜30であることが好ましい。また、sが、0〜20であることが好ましく、tが、0〜20であることが好ましい。すなわち、sは、0〜20を示し、tは、0〜20を示し、sとtとの合計は、1〜30を示すことが好ましい。
本実施形態に係るポリイミド樹脂は特に限定はされないが、例えば、特開2009−120696号公報の段落0008〜0011に記載のものを用いることができる。
より具体的には、以下のとおりである。
本実施形態に係るポリイミド樹脂は、例えば、テトラカルボン酸の無水物、ジイミド又はモノイミド(以下、テトラカルボン酸の無水物等と略す)とジアミンとを反応させて得ることができる。テトラカルボン酸の無水物等とジアミンとの反応は一般的に公知の方法を用いておこなうことができる。また、本実施形態に係るポリイミド樹脂としては、市販品を用いることもできる。
また、本実施形態に係るポリイミド樹脂としては、線状ポリイミドが好ましい。
テトラカルボン酸の無水物等としては、マレイン酸、トリメリト酸、ピロメリト酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル等の無水物、ジイミド又はモノイミドが挙げられる。これらの中でもテトラカルボン酸ジイミドが好ましく、ビスマレイミドが特に好ましい。
上記ビスマレイミドとしては特に限定されないが、例えば、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、マレイン酸N,N'−エチレン−ビスイミド、マレイン酸N,N'−ヘキサメチレン−ビスイミド、マレイン酸N,N'−メタフェニレン−ビスイミド、マレイン酸N,N'−4,4'−ジフェニルメタン−ビスイミド(N,N'−メチレンビス(−N−フェニルマレイミドともいう)、マレイン酸N,N'−4,4'−ジフェニルエーテル−ビスイミド、マレイン酸N,N'−4,4'−ジフェニルスルホン−ビスイミド、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン−ビスイミド、マレイン酸4,4'−メチレン−ジ−2,6−ジイソプロピルアニリン−ビスイミド等が挙げられる。これらは単独あるいは併用して使用することができる。
上記ジアミンとしては特に限定されないが、例えば、4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、2,6−ジアミノピリジン、メタフェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、1,3−ビス(2−p−アニリノプロピリデン)ベンゼン、1,4−ビス(2−p−アニリノプロピリデン)ベンゼン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、ジシアンジアミド、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、m−トルイレンジアミン、2,4−ジアミノ−6−(2'−ウンデシルイミダゾリル−(1')−)エチル−S−トリアジン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス−4−(4−アミノフェノキシ)フェニルスルホン、ビス−4−(3−アミノフェノキシ)フェニルスルホン等が挙げられる。これらは単独あるいは併用して使用することができる。
上記ジアミンは、例えば、テトラカルボン酸無水物等1モル当たりジアミン0.3〜1.2モルの比率で、テトラカルボン酸無水物等と反応させることが好ましく、0.5〜1.0モルの比率で反応させることがより好ましい。
本実施形態に係る液晶ポリマーは特に限定はされないが、例えば、特開2008−19400号公報の段落0023〜0029に記載のものを用いることができる。
より具体的には、以下のとおりである。
本実施形態に係る液晶ポリマーとは、光学異方性溶融相を形成し得る性質を有する溶融加工性ポリマーを指す。異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用の偏光検査法により確認することができる。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用し、Leitzホットステージに載せた溶融試料を窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することができる。本実施形態に係る液晶ポリマーは直交偏光子の間で検査したときに、たとえ溶融静止状態であっても偏光は通常透過し、光学的に異方性を示す。
本実施形態に係る液晶ポリマーとしては特に限定されないが、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドであることが好ましく、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドを同一分子鎖中に部分的に含むポリエステルもその範囲にある。これらは60℃でペンタフルオロフェノールに濃度0.1重量%で溶解したときに、好ましくは少なくとも約2.0dl/g、さらに好ましくは2.0〜10.0dl/gの対数粘度(I.V.)を有するものが使用される。
本実施形態に係る液晶ポリマーとしての芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドとしては、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンの群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物を構成成分として有する芳香族ポリエステルおよび芳香族ポリエステルアミドが特に好ましい。
より具体的には、
(1)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上からなるポリエステル;
(2)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(b)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(c)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオールおよびその誘導体の少なくとも1種又は2種以上、とからなるポリエステル;
(3)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンおよびその誘導体の1種又は2種以上と、(c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上、とからなるポリエステルアミド;
(4)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンおよびその誘導体の1種又は2種以上と、(c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(d)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオールおよびその誘導体の少なくとも1種又は2種以上、とからなるポリエステルアミド等が挙げられる。さらに上記の構成成分に必要に応じ分子量調整剤を併用してもよい。
本実施形態に係る液晶ポリマーを構成する具体的な化合物の好ましい例としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、下記式(I)および下記式(II)で表される化合物等の芳香族ジオール;テレフタル酸、イソフタル酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および下記式(III)で表される化合物等の芳香族ジカルボン酸;p−アミノフェノール、p−フェニレンジアミン等の芳香族アミン類が挙げられる。
Figure 2018095786
(ただし、X:アルキレン(C1〜C4)、アルキリデン、−O−、−SO−、−SO−、−S−、−CO−より選ばれる基、Y:−(CH−(n=1〜4)、−O(CHO−(n=1〜4)より選ばれる基である。)
本実施形態に係るマレイミド樹脂は特に限定はされないが、例えば、特開2006−124494号公報の段落0009〜0013に記載のものを用いることができる。
より具体的には、以下のとおりである。
本実施形態に係るマレイミド樹脂は、1分子内に2個以上のマレイミド基を有するマレイミド化合物(X)から得られるマレイミド樹脂であれば特に限定されない。
上記マレイミド化合物(X)としては、例えば、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス{4−(4−マレイミドフェノキシ)−フェニル}プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2'−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ポリフェニルメタンマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、p−フェニレンビスマレイミド、3,3'−ジメチル−5,5'−ジエチル−4,4'−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、4,4'−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4'−ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,6'−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、1,2−ビスマレイミドエタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、ポリテトラメチレンオキサイド−ビス(4−マレイミドベンゾエート)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。またマレイミド化合物(X)のプレポリマーもしくはマレイミド化合物(X)とアミン化合物のプレポリマー等も使用可能である。
本実施形態に係るマレイミド樹脂には、例えば、マレイミド樹脂と、マレイミド化合物(X)およびシアン酸エステル化合物(Y)を反応させて得られるトリアジン樹脂との混合物(ビスマレイミドトリアジン樹脂とも呼ぶ。)も含まれる。
ここで、上記シアン酸エステル化合物(Y)としては、例えば、1分子内に2個以上のシアネート基を有するシアン酸エステル化合物であれば特に限定されない。
上記シアン酸エステル化合物(Y)としては、例えば、1,3−または1,4−ジシアネートベンゼン、1,3,5−トリシアネートベンゼン、1,3−、1,4−、1,6−、1,8−、2,6−または2,7−ジシアネートナフタレン、1,3,6−トリシアネートナフタレン、4,4−ジシアネートビフェニル、ビス(4−シアネートフェニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアネートフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−シアネートフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−シアネートフェニル)プロパン、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアネートフェニル)スルホン、トリス(4−シアネートフェニル)ホスファイト、トリス(4−シアネートフェニル)ホスフェート、オリゴマー(ノボラック、水酸基含有熱可塑性樹脂(ヒドロキシポリフェニレンエーテル、ヒドロキシポリスチレン、ヒドロキシポリカーボネート等))等とハロゲン化シアンとの反応により得られるシアン酸エステル化合物、フェノールをジシクロペンタジエンで結合した多官能フェノールとハロゲン化シアンとを反応させて得られるシアン酸エステル化合物等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
本実施形態に係るポリブタジエン樹脂としては特に限定はされないが、例えば、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、末端アクリレート変性ポリブタジエン、末端ウレタンメタクリレート変性ポリブタジエン等が挙げられる。
本実施形態において樹脂(Q)は1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[相溶化剤(R)]
本実施形態において、相溶化剤(R)は環状オレフィン(共)重合体(P)と樹脂(Q)とを相溶化させる化合物である。
相溶化剤(R)としては、例えば、変性ポリオレフィン、変性エラストマー、分子内に極性基と、重合反応に寄与することのできる不飽和炭素結合とを備えた化合物等が挙げられる。
変性ポリオレフィンとしては、極性基を有する単量体をグラフトまたはグラフト重合させたポリオレフィン、オレフィンと極性基を有する単量体との共重合体等が挙げられる。
これらの中でも極性基を有する単量体をグラフトさせたポリオレフィンが好ましい。ここで、「グラフト」とは、主鎖である幹ポリマーに、極性基を有する化合物を導入することをいう。「グラフト重合させた」とは、主鎖である幹ポリマーに、主鎖とは異なる重合体からなる枝ポリマーを導入することをいう。
極性基としては、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、ニトリル基、ニトロ基、アルデヒド基、アミド基、エステル基、酸無水物等が挙げられる。これらは単独または2種以上の組み合わせで用いられる。これらの中でも、得られる架橋体の機械的強度をより一層向上できる観点から、カルボキシル基および酸無水物から選択される少なくとも一種が好ましい。
このような極性基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルメタクリレート、プロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピリジン、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、オキサゾリン等が挙げられる。上記化合物は、単独または2種以上の組み合わせで用いることができる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。
また、ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、ポリ−4−メチルペンテン、ポリブテン等のポリオレフィン類またはオリゴマー類、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、クロロスルフィン化ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、塩素化ポリエチレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。これらの単独または2種以上の組み合わせで用いることができる。
このような極性基を有する単量体をグラフトさせたポリオレフィンとしては、例えば、極性基を有する単量体をグラフトしたプロピレン・1−ブテン共重合体等が挙げられる。
変性エラストマーとしては、極性基を有する単量体をグラフトまたはグラフト重合させたエラストマー等が挙げられる。
極性基としては、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、ニトリル基、ニトロ基、アルデヒド基、アミド基、エステル基、酸無水物等が挙げられる。これらは単独または2種以上の組み合わせで用いられる。これらの中でも、得られる架橋体の機械的強度をより一層向上できる観点から、カルボキシル基および酸無水物から選択される少なくとも一種が好ましい。
このような極性基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルメタクリレート、プロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピリジン、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、オキサゾリン等が挙げられる。上記化合物は、単独または2種以上の組み合わせで用いることができる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。
また、エラストマーとしては、例えば、スチレン・共役ジエンブロック共重合樹脂(共役ジエンとしてはブタジエン、イソプレン等)、スチレン・共役ジエンブロック共重合樹脂の水素添加物(共役ジエンとしてはブタジエン、イソプレン等)、スチレン・共役ジエン・スチレンのトリブロック共重合樹脂(共役ジエンとしてはブタジエン、イソプレン等)、スチレン・共役ジエン・スチレンのトリブロック共重合樹脂の水素添加物(共役ジエンとしてはブタジエン、イソプレン等)等のスチレン系エラストマー;天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体)、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ポリウレタンエラストマー、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ニトリルイソプレンゴム等の合成ゴム;ポリエステルエラストマー、ウレタンエラストマー等が挙げられる。これらの単独または2種以上の組み合わせで用いることができる。
このような極性基を有する単量体をグラフトさせたエラストマーとしては、例えば、無水マレイン酸をグラフトしたスチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加物等のマレイン酸変性エラストマー等が挙げられる。
さらに、相溶化剤(R)としては上述のような変性ポリオレフィンや変性エラストマーに代表される高分子化合物には限定されず、繰り返し単位を有さない低分子化合物を用いることができる。
このような低分子化合物としては、分子内に極性基と重合反応に寄与することのできる不飽和炭素結合とを備えた化合物が好ましい。ここで示した、極性基としてはアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、ニトリル基、ニトロ基、アルデヒド基、アミド基、エステル基、グリシジル基等が挙げられる。これらの中でも、得られる架橋体の機械的強度をより一層向上できる観点から、エポキシ基、グリシジル基が好ましい。
分子内に極性基と重合反応に寄与することのできる不飽和炭素結合とを備えた化合物としては、入手容易性等の観点から、アクリル酸やメタクリル酸、あるいはこれらの誘導体を用いることが好ましい。
アクリル酸誘導体の例としてはアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸グリシジル、アクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
また、メタクリル酸誘導体の例としてはメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸グリシジル、メタクリルアミド、N−シクロプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、メタクリロニトリル等が挙げられる。
これらの中でも、得られる架橋体の機械的強度をより一層向上できる観点から、メタクリル酸グリシジルが好ましい。
上に相溶化剤(R)として用いることのできる化合物の例を列挙したが、これらは単独で用いることもできるし、複数種類を組み合わせて使用することもできる。
相溶化剤(R)の含有量は、当該樹脂組成物中の環状オレフィン(共)重合体(P)を100質量部としたとき、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは2〜15質量部である。
[添加剤]
本実施形態に係る樹脂組成物には、目的に応じて、各種添加剤を添加してもよい。添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲内で用途に応じて適宜選択される。
上記添加剤としては、耐熱安定剤、耐候安定剤、耐放射線剤、可塑剤、滑剤、離型剤、核剤、摩擦磨耗性向上剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、着色剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、耐衝撃剤、表面ぬれ改善剤、充填材、塩酸吸収剤、金属不活性化剤および硬化促進剤からなる群から選択される一種または二種以上の添加剤が挙げられる。
上記耐熱安定剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4'−ジイルビスホスフォナイト、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等のホスファイト系耐熱安定剤;3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンとの反応生成物等のラクトン系耐熱安定剤;3,3',3",5,5',5"−ヘキサ−tert−ブチル−a,a',a"−(メチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンジルベンゼン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のヒンダードフェノール系耐熱安定剤;硫黄系耐熱安定剤;アミン系耐熱安定剤等を挙げることができる。また、これらを一種単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることもできる。中でも、ホスファイト系耐熱安定剤、およびヒンダードフェノール系耐熱安定剤が好ましい。
上記耐候安定剤としては、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等から選ばれる1種または2種以上の化合物を使用することができる。
上記光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N' −ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N' −ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N' −ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−N−オキシル、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−N−オキシルピペリジン)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−N−オキシピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−(トリス(2,2,6,6−テトラメチル−N−オキシルピペリジル−4−オキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ)エチル)2,4,6,10−テトラオキサロスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(例えば、サノールLS−2626、三共社製))、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸−ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(例えば、Tinuvin144、BASF社製)、ビス(2,2',6,6'−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(例えば、TINUVIN770、BASF社製)、ポリ[6− (1,1,3,3−テトラメ
チルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ](例えば、CHIMASSORB944、BASF社製)等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート等の特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系フェノール化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン[すなわち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]、トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)、トコフェノール等のアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン基含有フェノール系化合物;等が挙げられる。これらの中でも、アクリレート系フェノール化合物やアルキル置換フェノール系化合物が好ましく、アルキル置換フェノール系化合物が特に好ましい。
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン等のモノホスファイト系化合物;4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4'−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)、4,4'−イソプロピリデン−ビス(ジフェニルモノアルキル(C12〜C15)ホスファイト)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(イソデシルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(ノニルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジメチルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)等のジホスファイト系化合物等が挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が特に好ましい。
上記イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
上記チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、テトラキス{メチレン−3−(ラウリルチオ)プロピオネート}メタン、ビス〔メチル−4−{3−n−アルキル(C12 or C14)チオプロピオニオジル}−5−t−ブチルフェニル〕スルフィド、ジトリデシル−3,3'−チオジプロピオネート等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリレート系紫外線吸収剤、金属錯塩系紫外線吸収剤等を挙げることができる。
上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸3水和物、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデカロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
上記サリチル酸系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサルチレート,4−t−ブチルフェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、フェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
上記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミジルメチル)フェノール、2,2'−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]]等が挙げられる。
上記アクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2'−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
上記金属錯塩系紫外線吸収剤としては、通常ニッケルやコバルトの錯塩が用いられる。具体的には、ニッケル[2,2'チオビス(4−t−オクチル)フェノレート]ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルビス[o−エチル−3,5−(ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)]ホスフェート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェート、[1−フェニル,3−メチル,4−デカノニル,ピラゾレート(5)2]ニッケル等が挙げられる。
上記耐放射線剤としては、例えば、ロジン、ロジン誘導体(例えば、水素化ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等の変性ロジン、およびこれらの変性ロジンエステル)、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水素化テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、水素化石油樹脂、アルキルフェノール樹脂等が挙げられる。
上記可塑剤としては、例えば、トリクレジルフォスフェート、トリキシリルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリエチルフェニルフォスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェート、モノフェニルジクレジルフォスフェート、ジクレジルモノキシレニルフォスフェート、アリールアルキルフォスフェート、ジフェニルモノキシレニルフォスフェート、モルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフェート等のリン酸トリエステル系可塑剤;フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル系可塑剤;オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル等の脂肪酸一塩基酸エステル系可塑剤;アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−脂肪酸二塩基酸エステル系可塑剤;二価アルコールエステル系可塑剤;オキシ酸エステル系可塑剤等が挙げられる。
上記滑剤としては、例えば、ワックス類、油剤、カプリン類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸類またはこれらの金属塩類、すなわちリチウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩等、パルミチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の脂肪族アルコール類、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリル酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪族アミド類、脂肪酸とアルコールとのエステル類、フルオロアルキルカルボン酸またはその金属塩、フルオロアルキルスルホン酸金属塩等のフッ素化合物類等が挙げられる。
上記ワックス類の例としては、モンタンワックス、ピートワックス、オゾケライト・セレシンワックス、石油ワックス等の鉱物性ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス、Fischer−Tropschワックス、化学修飾炭化水素ワックス、置換アミドワックス等の合成ワックス、植物ろう、動物ろう等が挙げられる。
上記油剤の例としては、芳香族系油、ナフテン系油、パラフィン系油の鉱物油、植物油、シリコンオイル等の天然および合成油等が挙げられる。シリコンオイルは粘度10〜5000cSt、好ましくは500cStのジメチルポリシロキサンを使用することができる。
上記離型剤としては、例えば、高級脂肪酸の低級(C1〜4)アルコールエステル(ステアリン酸ブチル等)、脂肪酸(C4〜30)の多価アルコールエステル(硬化ヒマシ油等)、脂肪酸のグリコールエステル、流動パラフィン等が挙げられる。
上記核剤としては、例えば、ナトリウム−2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、[リン酸−2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)]ジヒドロオキシアルミニウム、ビス[リン酸−2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)]ヒドロオキシアルミニウム、トリス[リン酸−2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)]アルミニウム、ナトリウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、安息香酸ナトリウム等の安息香酸金属塩、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム、1,3:2,4−ビス(O−ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(O−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(O−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−O−3,4−ジメチルベンジリデン−2,4−O−ベンジリデンソルビトール、1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−3,4−ジメチルベンジリデンソルビトール、1,3:2,4−ビス(O−3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−O−p−クロロベンジリデン−2,4−O−3,4−ジメチルベンジリデンソルビトール、1,3−O−3,4−ジメチルベンジリデン−2,4−O−p−クロロベンジリデンソルビトール、1,3:2,4−ビス(O−p−クロロベンジリデン)ソルビトール、およびこれらの混合物等が挙げられる。
上記摩擦磨耗性向上剤としては、例えば、超高分子量ポリエチレンフィラー、PTFEフィラー、ポリイミドフィラー等の樹脂フィラーや、窒化ホウ素フィラー、窒化アルミフィラー等の無機フィラー等が挙げられる。
上記難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、含窒素難燃剤、アンチモン系難燃剤を使用することができる。
上記ハロゲン系難燃剤としては、塩素系および臭素系の種々の難燃剤が使用可能であるが、難燃化効果、成形時の耐熱性、樹脂への分散性、樹脂の物性への影響等の面から、ペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモエチルベンゼン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモジフェニル、ヘキサブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、デカブロモジフェニルオキサイド、ペンタブロモシクロヘキサン、テトラブロモビスフェノールA、およびその誘導体[例えば、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(アリルエーテル)等]、テトラブロモビスフェノールS、およびその誘導体[例えば、テトラブロモビスフェノールS−ビス(ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等]、テトラブロモ無水フタル酸、およびその誘導体[例えば、テトラブロモフタルイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド等]、エチレンビス(5,6−ジブロモノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)、トリス−(2,3−ジブロモプロピル−1)−イソシアヌレート、ヘキサクロロシクロペンタジエンのディールス・アルダー反応の付加物、トリブロモフェニルグリシジルエーテル、トリブロモフェニルアクリレート、エチレンビストリブロモフェニルエーテル、エチレンビスペンタブロモフェニルエーテル、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキサイド、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリカーボネート、ポリペンタブロモベンジルアクリレート、オクタブロモナフタレン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド、N−メチルヘキサブロモジフェニルアミン等の臭素系難燃剤;塩素化パラフィン等の塩素系難燃剤を使用するのが好ましい。
上記リン系難燃剤としては、例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等の含ハロゲン系リン酸エステル難燃剤;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート等の脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルフホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリ(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリ(t―ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等の芳香族リン酸エステル等のノンハロゲン系リン酸エステル難燃剤;ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム等のホスフィン酸アルミニウム系難燃剤等が挙げられる。
上記含窒素難燃剤としては、メラミンシアヌレート、イソシアヌル酸、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、塩酸グアニジン、硝酸グアニジン、リン酸グアニジン、硫酸グアニジン、スルファミン酸グアニジン、テトラホウ酸グアニジン、炭酸グアニジン、リン酸グアニル尿素、硫酸グアニル尿素、メラミン、メラミン・メラム・メレム、メラミンシアヌレート、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン・メラム・メレム、硫酸メラミン等が挙げられる。
上記アンチモン系難燃剤としては、酸化アンチモン、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、四酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ等が挙げられる。
上記帯電防止剤、防曇剤としては、例えば、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
上記カチオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
上記アニオン系界面活性剤としては、例えば、デカンスルホン酸ナトリウム、インデカンスルホン酸ナトリウム、ドデカンスルホン酸ナトリウム、トリデンカンスルホン酸ナトリウム、テトラデカンスルホン酸ナトリウム、ペンタデンカンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデカンスルホン酸ナトリウム、ヘプタデンカンスルホン酸ナトリウム、オクタデカンスルホン酸ナトリウム、ノナデカンスルホン酸ナトリウム、ヘエイコサンスルホン酸ナトリウム、デカンスルホン酸カリウム、ウンデカンスルホン酸カリウム、ドデカンスルホン酸カリウム、トリデカンスルホン酸カリウム、テトラデカンスルホン酸カリウム、ペンタデカンスルホン酸カリウム、ヘキサデカンスルホン酸カリウム、ヘプタデカンスルホン酸カリウム、オクタデカンスルホン酸カリウム、ノナデカンスルホン酸カリウム、ヘエイコサンデカスルホン酸カリウム等のアルキルスルホン酸塩、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ペンタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘプタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルホスフェート等が挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ステアリルアミドプロピルベタイン等のベタイン化合物、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジメチルアミンオキサイド等のジメチルアミンオキサイド化合物、N-ステアリル-α-アラニナート、N-ラウリル-α-アラニナート等のアラニン化合物等が挙げられる。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸モノグリセライド、パルミチン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライド、カプリル酸モノグリセライド、ヤシ脂肪酸モノグリセライド、ラウリン酸ジグリセライド、パルミチン酸ジグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、オレイン酸ジグリセライド、ベヘニン酸ジグリセライド、カプリル酸ジグリセライド、ヤシ脂肪酸ジグリセライド、ラウリン酸トリグリセライド、パルミチン酸トリグリセライド、ステアリン酸トリグリセライド、オレイン酸トリグリセライド、ベヘニン酸トリグリセライド、カプリル酸トリグリセライド、ヤシ脂肪酸トリグリセライド、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジラウレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトララウレート等のペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールの脂肪酸エステルポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の多価アルコールの脂肪酸エステル、ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド等のジエタノールアミド類等が挙げられる。
上記着色剤としては、例えば、天然系、合成系各種染料や無機系、有機系各種顔料を任意に使用することができる。
上記アンチブロッキング剤としては、シリカ、アルミナ、アルミナシリケート、珪藻土等の微粒子無機化合物や、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、架橋ポリメチルメタクリレート等の微粒子状有機化合物等が挙げられる
上記耐衝撃剤としては、例えば、コアシェル型構造を有する(メタ)アクリル酸エステル系耐衝撃剤等、種々のものを用いることができる。
上記表面ぬれ改善剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3-グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等が挙げられる。
上記充填材としては、無機充填材、有機充填材等が挙げられる。
上記無機充填材としては、例えば、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記有機充填材としては、例えば、デンプンおよびその誘導体、セルロースおよびその誘導体、パルプおよびその誘導体、紙およびその誘導体、小麦粉、おから、ふすま、ヤシ殻、コーヒー糟、タンパクや、フタル酸系、脂肪族多塩基酸系、グリセリン系、クエン酸系、グリコール系、オレフィン系の低分子量体や、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、アラミド繊維等が挙げられる。
上記塩酸吸収剤としては、例えば、高級脂肪酸金属塩がある。具体的には、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛等がある。また、エポキシ化ステアリン酸オクチル、エポキシ化大豆油等のエポキシ系化合物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルナイト等の無機化合物等が挙げられる。
上記金属不活性化剤としては、例えば、N,N'−ジフェニルオキサミド、N−サリチ
ラル−N'−サリチロイルヒドラジン、N,N'−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N'−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N'−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N'−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド等が挙げられる。
[樹脂組成物の調製方法]
本実施形態に係る樹脂組成物は、環状オレフィン共重合体(m)と、環状オレフィン(共)重合体(n)と、樹脂(Q)と、必要に応じて相溶化剤(R)と、各種添加剤と、を混合することにより調製できる。混合方法としては、押出機等で溶融ブレンドする方法、または適当な溶媒、例えばヘプタン、ヘキサン、デカン、シクロヘキサンのような飽和炭化水素;トルエン、ベンゼン、キシレンのような芳香族炭化水素等に溶解、分散させて行う溶液ブレンド法等を採用することができる。
[ワニス]
本実施形態の樹脂組成物は、溶媒と混合することによりワニスとすることができる。
上記ワニスを調製するための溶媒としては、環状オレフィン(共)重合体(P)を構成する環状オレフィン共重合体(m)および環状オレフィン(共)重合体(n)ならびに樹脂(Q)に対して溶解性または親和性を損なわないものであれば特に限定されない。溶媒として好ましく用いられるものは、例えば、ヘプタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の飽和炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン等の脂環状炭化水素;トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレン、プソイドクメン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、プロパンジオール、フェノール等のアルコール;アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のセルソルブ類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、ギ酸ブチル等のエステル類;トリクロルエチレン、ジクロルエチレン、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が用いられる。好ましくはヘプタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレン、プソイドクメン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンが用いられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。
本実施形態において、ワニスを作製する方法としては、いかなる方法で実施してもよいが、通常は樹脂組成物と溶媒とを混合する工程を含む。各成分の混合については、その順序に制限はなく、一括または分割等のいかなる方式でも実施することができる。ワニスを調製する装置としても、制限はなく、撹拌、混合が可能な、バッチ式、もしくは連続式の、いかなる装置で実施してもよい。ワニスを調製する際の温度は、室温から溶媒の沸点までの範囲で任意に選択することができる。
なお、環状オレフィン(共)重合体(P)が得られた際の反応溶液をそのまま溶媒として用い、そこへ樹脂(Q)を溶解させることによりワニスを調製してもよい。また、環状オレフィン(共)重合体(P)を精製した後、別途樹脂(Q)および溶媒を添加することによりワニスを調製してもよい。
[架橋体(L)の製造方法]
架橋体(L)は、本実施形態に係る樹脂組成物の架橋体であり、上述の樹脂組成物中の環状オレフィン共重合体(m)を架橋することにより得られる。環状オレフィン共重合体(m)の架橋方法としては特に制限はないが、ラジカル重合開始剤、ヒドロシリル基含有化合物、電子線や他の放射線を用いて、任意の形に成形しながら、または成形後に架橋する方法等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤による架橋は、ポリオレフィンで適用されている通常のラジカル重合開始剤による架橋方法をそのまま適用できる。すなわち樹脂組成物にジクミルペルオキシドのようなラジカル重合開始剤を配合し、加熱、架橋する。ラジカル重合開始剤の配合割合は特に制限がないものの、環状オレフィン共重合体(m)100質量部あたり通常は0.02〜20質量部、好ましくは0.05〜10質量部であり、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。ラジカル重合開始剤の配合割合が上記上限値以下であると、架橋体(L)の誘電特性が向上し、上記下限値以上であると、架橋体(L)の耐熱性、機械的特性を向上させることができる。
上記ラジカル重合開始剤としては、公知の熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤およびこれらを併用することができる。これらのラジカル重合開始剤のうち、熱ラジカル重合開始剤を使用する場合は、保存安定性の観点から10時間半減期温度が通常80℃以上、好ましくは120℃以上のものである。このような開始剤として、例えば、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)2,5−ジメチルヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキシド、イソプロピルクミル−t−ブチルパーオキシド、ビス(α−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、等のジアルキルパーオキシド類;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、エチル−3,3−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブチレート、3,3,6,6,9,9−ヘキサメチル−1,2,4,5−テトラオキシシクロノナン等のパーオキシケタール類;ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル類;t−ブチルハイドロパーオキシド、t−ヘキシルハイドロパーオキシド、クミンハイドロパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、p−メンタンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド類;2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等のビベンジル化合物類;3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤のうち、光ラジカル重合開始剤は具体的には、例えば、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォーメート、イソプロピルチオキサントンおよびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。また、これらの光ラジカル重合開始剤とともに増感剤を使用することもできる。増感剤の例としては、アントラキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン、ベンズアントロン、p,p'−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、クロラニル等のカルボニル化合物、ニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼン、2−ニトロフルオレン等のニトロ化合物、アントラセン、クリセン等の芳香族炭化水素、ジフェニルジスルフィド等の硫黄化合物、ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、5−ニトロ−2−アミノトルエン、テトラシアノエチレン等の窒素化合物等を挙げることができる。
樹脂組成物をラジカル重合開始剤で架橋する温度は通常100〜300℃、好ましくは120〜250℃、さらに好ましくは120〜220℃の温度で行い、温度を段階的に変化させて架橋を行ってもよい。上記下限値以上であると、架橋を十分に進行させることができる。また、上記上限値以下であると、得られる架橋体の着色が抑制できたり、プロセスを簡略化できたりする。なお、参考として、代表的な二重結合含有重合体であるポリブタジエンは、一般に上記のような条件では架橋できず、300℃のような高温での架橋条件を必要とする。
本実施形態に係る樹脂組成物は、ヒドロシリル基を1分子中に少なくとも2つ有するヒドロシリル基含有化合物を用いて架橋することもできる。ヒドロシリル基含有化合物を用いた架橋については、例えば、特開2015−193680号公報に記載の方法にしたがって行うことができる。ここでは詳細は省略する。
電子線や他の放射線を用いて架橋する方法は、成型時の温度、流動性の制限を伴わないという利点があり、放射線としては、電子線の他、γ線、UV等を挙げることができる。
ラジカル重合開始剤や、ヒドロシリル基含有化合物等を用いる方法、放射線を用いて架橋する方法のいずれの場合も、架橋助剤の併用下に架橋することができる。
架橋助剤としては特に制限はないが、例えば、p−キノンジオキシム、p,p'−ジベンゾイルキノンジオキシム等のオキシム類;エチレンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アクリル酸/酸化亜鉛混合物、アリルメタクリレート等のアクリレートもしくはメタクリレート類;ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニルピリジン等のビニルモノマー類;ヘキサメチレンジアリルナジイミド、ジアリルイタコネート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル化合物類;N,N'−m−フェニレンビスマレイミド、N,N'−(4,4'−メチレンジフェニレン)ジマレイミド等のマレイミド化合物類等、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状非共役ジエン類等が挙げられる。これらの架橋助剤は単独で用いてもよいし、組み合わせて使用することもできる。
これらの中でも、ジビニルベンゼンおよびトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
本実施形態に係る樹脂組成物が架橋助剤を含む場合、得られる架橋体(L)について、良好な誘電特性を満たしながら耐熱性をより向上させる観点から、当該樹脂組成物中の樹脂の含有量を100質量部としたとき、架橋助剤の含有量が1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、5質量部以上50質量部以下であることがより好ましい。
架橋反応は、樹脂組成物と、上記したラジカル重合開始剤や、ヒドロシリル基含有化合物等の化合物との混合物を溶融状態として行うこともできるし、または該混合物を溶媒に溶解、または分散させた溶液状態で行うこともできるし、または溶媒に溶解した溶液状態から溶媒を揮発させフィルム、コーティング等任意の形に成形した後にさらに架橋反応を進行させることもできる。
溶融状態で反応を行う場合はミキシングロール、バンバリーミキサー、押出機、ニーダ、連続ミキサー等の混練装置を用いて、原料の混合物を溶融混練して反応させる。また、任意の手法で成形した後に更に架橋反応を進行させることもできる。
溶液状態で反応を行う場合に使用する溶媒としては上記溶液ブレンド法で用いた溶媒と同様の溶媒が使用できる。
電子線またはその他の放射線、UVを用いて架橋反応を行う場合には、任意の方法で賦形した後に、反応を行うことができる。
[フィルムまたはシート]
本実施形態に係る樹脂組成物の架橋体はフィルムまたはシートに成形して各種用途に用いることができる。本実施形態に係る樹脂組成物を用いて、フィルムまたはシートを形成する方法としては、各種公知の方法が適用可能である。例えば、熱可塑性樹脂フィルム等の支持基材上に上述したワニスを塗布して乾燥後、加熱処理等して樹脂組成物を架橋することにより形成する方法が挙げられる。ワニスの支持基材への塗布方法は特に限定されないが、例えば、スピンコーターを用いた塗布、スプレーコーターを用いた塗布、バーコーターを用いた塗布等を挙げることができる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物を溶融成形して、フィルムまたはシートを得る方法も挙げることができる。
[積層体]
本実施形態の上記フィルムまたはシートは基材に積層することにより、積層体として各種用途に用いることができる。本実施形態の積層体を形成する方法は各種公知の方法が適用可能である。
例えば、基材に対し、上述の方法により製造したフィルムまたはシートを積層し、必要に応じてプレス等により加熱硬化することにより積層体を作製することができる。
また、導体層に対して、前述した架橋体を含む電気絶縁層を積層することにより積層体を作製することもできる。
[多層成形体または多層積層フィルム]
本実施形態に係る樹脂組成物は、各種の多層成形体または多層積層フィルムの表層に形成してもよい。このとき、樹脂組成物により形成された樹脂層は100μm以下であるのが好ましい。
各種の多層成形体または多層積層フィルムとしては、例えば、樹脂光学レンズ表面に本実施形態に係る樹脂組成物が形成された光学レンズ用多層成形体や、PETフィルムやPEフィルム等の樹脂フィルム表面にガスバリア性付与のために本実施形態に係る樹脂組成物が形成された多層ガスバリアフィルム等が挙げられる。
[層間絶縁フィルム]
本実施形態に係る樹脂組成物は、複数層の電子回路を積み上げた多層回路基板におけるビルドアップ層中の絶縁層を形成するための層間絶縁フィルムとしても用いることができる。すなわち、本実施形態に係る樹脂組成物は多層回路基板に用いることができる。
[プリプレグ]
また、本実施形態のプリプレグは、本実施形態に係る樹脂組成物とシート状繊維基材とを複合して形成されたものである。
プリプレグの製造方法としては特に限定されず、各種公知の方法が適用可能である。例えば、上述したワニスをシート状繊維基材に含浸し含浸体を得る工程と、得られた含浸体を加熱し上記ワニスに含まれる溶媒を乾燥する工程とを含む方法が挙げられる。
上記ワニスのシート状繊維基材への含浸は、例えば、所定量のワニスを、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法等の公知の方法によりシート状繊維基材に塗布し、必要に応じてその上に保護フィルムを重ね、上側からローラー等で押圧することにより行うことができる。
また、上記含浸体を加熱し、上記ワニスに含まれる溶媒を乾燥する方法はとくに限定されないが、例えば、バッチ式で送風乾燥機により空気中あるいは窒素中で乾燥する、あるいは、連続工程で加熱炉を通すことによって乾燥する、等の方法を挙げることができる。
本実施形態においては、ワニスをシート状繊維基材に含浸させた後、得られた含浸体を所定温度に加熱することにより、上記ワニスに含まれる溶媒が蒸発し、プリプレグが得られる。
本実施形態に係るシート状繊維基材を構成する繊維としては無機系および/または有機系の繊維が使用でき、特に限定されないが、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、アラミド繊維、超高分子ポリエチレン繊維、ポリアミド(ナイロン)繊維、液晶ポリエステル繊維等の有機繊維;ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、タングステン繊維、モリブデン繊維、チタン繊維、スチール繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、シリカ繊維等の無機繊維;等を挙げることができる。これらの中でも、有機繊維やガラス繊維が好ましく、特にアラミド繊維、液晶ポリエステル繊維、ガラス繊維が好ましい。ガラス繊維としては、Eガラス、NEガラス、Sガラス、Dガラス、Hガラス、Tガラス等を挙げることができる。
シート状繊維基材へのワニスの含浸は、例えば、浸漬および塗布によって実施される。含浸は必要に応じて複数回繰り返してもよい。
これらのシート状繊維基材は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は、所望により適宜選択されるが、プリプレグあるいは積層体中の、通常、10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%の範囲である。この範囲にあれば、得られる積層体の誘電特性と機械的強度が高度にバランスされ、好適である。
本実施形態に係るプリプレグの厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常は0.001〜10mmであり、好ましくは0.005〜1mmであり、より好ましくは0.01〜0.5mmである。この範囲にあれば、積層時の賦形性や、硬化して得られる積層体の機械的強度や靭性等の特性が充分に発揮され好適である。
[回路基板]
上述したように、本実施形態に係る樹脂組成物は、誘電特性、耐熱性、機械的特性等に優れることから、回路基板に好適に用いることができる。
回路基板の製造方法としては一般的に公知の方法を採用でき特に限定されないが、例えば、前述の方法により製造したフィルム、シートまたはプリプレグを積層プレス等により加熱硬化し、電気絶縁層を形成する。次いで、得られた電気絶縁層に導体層を公知の方法で積層し、積層体を作製する。その後、該積層体中の導体層を回路加工等することにより、回路基板を得ることができる。
導体層となる金属としては、銅、アルミニウム、ニッケル、金、銀、ステンレス等の金属を用いることができる。導体層の形成方法としては、例えば、該金属類を箔等にして電気絶縁層上に熱融着させる方法、該金属類を箔等にして電気絶縁層上に接着剤を用いて張り合わせる方法、あるいはスパッタ、蒸着、めっき等の方法で電気絶縁層上に該金属類からなる導体層を形成する方法等が挙げられる。回路基板の態様としては、片面板、両面板のいずれでもよい。
このような回路基板は、例えば、半導体素子等の電子部品を搭載することにより、電子機器として使用することができる。電子機器は公知の情報に基づいて作製することができる。
このような電子機器としては、例えば、サーバ、ルータ、スーパーコンピューター、メインフレーム、ワークステーション等のICTインフラ機器;GPSアンテナ、無線基地局用アンテナ、ミリ波アンテナ、RFIDアンテナ等のアンテナ類;携帯電話、スマートフォン、PHS、PDA、タブレット端末等の通信機器;パーソナルコンピューター、テレビ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、POS端末、ウェアラブル端末、デジタルメディアプレーヤー等のデジタル機器;電子制御システム装置、車載通信機器、カーナビゲーション機器、ミリ波レーダー、車載カメラモジュール等の車載電子機器;半導体試験装置、高周波計測装置;等が挙げられる。
[用途]
本実施形態に係る樹脂組成物および架橋体(L)は、特に、誘電特性および誘電特性の経時安定性に優れ、耐溶剤性、耐熱性、透明性、機械的特性等にも優れる。このため、高周波回路基板、層間絶縁フィルム、積層体等の高周波用途に好適に用いることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明を合成例、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何等制限されるものではない。
なお、合成例、実施例および比較例で用いた環状オレフィン(共)重合体(P)の組成および極限粘度[η]は、次に述べる方法で測定した。
組成;H−NMR測定を行い、二重結合炭素に直接結合している水素由来のピークとそれ以外の水素のピークの強度により環状非共役ジエン含量を算出した。
極限粘度[η];135℃デカリン中で測定した。
実験には以下の原材料を用いた。
(遷移金属化合物)
遷移金属化合物(1):
特開2004−331965号公報に記載の方法により合成した。
Figure 2018095786
遷移金属化合物(2):CpTiCl(N=CBu
J.Am.Chem.Soc.2000,122,5499−5509.に記載の方法により合成した。
(樹脂(Q))
樹脂(Q−1):以下の合成例3に従って合成した変性ポリフェニレンエーテル
樹脂(Q−2):上記式(7)のポリフェニレンエーテルの末端水酸基をメタクリル基で変性した変性ポリフェニレンエーテル(SABICイノベーティブプラスチックス社製SA9000)
(環状オレフィン(共)重合体(P))
環状オレフィン共重合体(m−1):以下の合成例1に従って合成した([η]=0.40dl/g)
環状オレフィン(共)重合体(n−1):以下の合成例2に従って合成した環状オレフィン共重合体([η]=0.17dl/g)
環状オレフィン(共)重合体(n−2):エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとからなる共重合体(製品名:アペル6509T、三井化学社製、[η]0.67dl/g)
環状オレフィン(共)重合体(n−3):エチレンとビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンとからなる共重合体(製品名:トパス6013S−04、ポリプラスチック社製、[η]=0.58dl/g)
環状オレフィン(共)重合体(n−4):環状オレフィンの開環重合体(製品名:ゼオネックス480、日本ゼオン社製、[η]=0.42dl/g)
(相溶化剤(R))
相溶化剤(R−1):以下の合成例4に従って合成した。
(耐候安定剤)
耐候安定剤1:チマソーブ944(BASF社製)
耐候安定剤2:イルガノックス1010(BASF社製)
(充填材)
充填材1:破砕シリカ(龍森社製、AS−1)
(ガラスクロス)
ガラスクロス1:1031NT S640 (有沢製作所製)
(ラジカル重合開始剤)
ラジカル重合開始剤1:ジクミルパーオキシド(日油社製、パークミルD)
(架橋助剤)
架橋助剤1:ジビニルベンゼン(東京化成工業社製)
(その他)
MMAO(東ソー・ファインケム社製)
MAO(日本アルキルアルミ株式会社製)
5−ビニル−2−ノルボルネン(東京化成工業株式会社製)
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(三井化学株式会社製)
〔合成例1:環状オレフィン共重合体(m−1)の合成〕
十分に窒素置換した内容積4LのSUS製オートクレーブに、キシレン1670ml、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)212ml、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(TD)120ml、MMAO(東ソーファインケム社製)のトルエン溶液をAl換算で4mmol、水素1984mlを投入した後、系中にエチレンを全圧0.6MPaになるまで導入した。遷移金属化合物(1)0.04mmolをトルエン10mlに溶解させて添加し、重合を開始した。エチレンガスを連続的に供給しながら圧力を保ち、25℃で60分間重合を行った後、5mlのメタノールを圧入することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を、20mlの濃塩酸を加えたアセトン15Lとメタノール5Lの混合溶媒に投入してポリマーを全量析出させ、撹拌後濾紙でろ過した。本操作を反応物がなくなるまで繰り返して得られた全ポリマーを80℃、10時間で減圧乾燥した後、エチレン/TD/VNB共重合体を得た。極限粘度[η]は0.40(dL/g)、NMRにより決定したポリマー中のVNB由来構造の組成比は25.7mol%、TD由来構造の組成比は10.6mol%であった。
〔合成例2:環状オレフィン共重合体(n−1)〕
十分に窒素置換したガラス製反応器にトルエン40mLを装入し、液相及び気相を30L/hの流量の窒素で飽和させた。つづいて、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(TD)20.0mL、1−ヘキセン28.2mL、メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で10mmolを添加した。トルエンに溶解させた遷移金属化合物(2)0.010mmolをさらに添加し、重合を開始した。25℃で15分間重合を継続した後、イソブチルアルコールを添加することで重合を停止した。反応物を0.5mLの濃塩酸を加えたアセトン/メタノール(それぞれ500ml)混合溶媒に投入してポリマーを全量析出し、撹拌後グラスフィルターでろ過した。ポリマーを130℃、10時間で減圧乾燥した後、TD/1−ヘキセン共重合体を得た。NMR分析法により決定したポリマー中のモノマー組成は、TD35mol%、1−ヘキセン65mol%、DSCで測定したガラス転移温度は188℃であった。
ここで、NMR分析法はMacromolecules 2016,49,59-70.に記載の方法に従った。
〔合成例3:ポリフェニレンエーテル(Q−1)の合成〕
国際公開第2014/203511号の変性ポリフェニレンエーテル1(変性PPE1)の合成に準じて合成した。具体的には以下のとおりである。
トルエン200gを装入したガラス製反応器に、ポリフェニレンエーテルオリゴマー(SABIC社製SA90)100g、クロロメチルスチレン15g、テトラブチルアンモニウムブロミド0.6gを加え、撹拌しながら75℃に加熱し溶解させた。次いで50wt%の水酸化ナトリウム水溶液20gを滴下し75℃で4時間撹拌した。その後、塩酸で中和し、メタノールを投入して生成物を析出させた。析出した生成物を、メタノールと水を重量比80:20で混合した溶液で洗浄した後、80℃、減圧下で10時間乾燥させ、末端ビニル変性ポリフェニレンエーテル(数平均分子量Mn=2300)を得た。
〔合成例4:無水マレイン酸変性ポリスチレン/ポリブタジエン/ポリスチレントリブロック共重合体(相溶化剤(R−1))の合成〕
撹拌翼を備えた容量1.0Lのガラス製オートクレーブに、ポリスチレン/ポリブタジエン/ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(シェル化学社製、クレイトンG1652、数平均分子量:8.5×10、スチレン含量:30質量%)105g、および脱水トルエン340mlを入れ、165℃に加熱して溶解させた。つづいて、無水マレイン酸3.46gを脱水トルエン40mlに溶解させた溶液、およびジ−t−ブチルパーオキサイド0.31gを脱水トルエン40mlに溶解させた溶液を調製し、両溶液を4時間かけて逐次滴下した。滴下終了後、165℃で2時間後反応を行った。
得られた変性共重合体の無水マレイン酸グラフト量を酸素分析により測定したところ、3.5質量%であった。
[実施例1]
(樹脂組成物ワニスの調製)
各原料を表1に記載の配合比(表中の数値は質量部を示す)でトルエンに溶解させ、樹脂組成物ワニスを得た。
(樹脂組成物フィルムの作製)
得られた樹脂組成物ワニスを、離型処理されたPETフィルム上に10mm/秒の速度で塗工した後、110℃に設定した窒素気流下送風乾燥機中で10分間乾燥した。次いで、180℃に昇温して2時間加熱して架橋体からなるフィルムを得た。
得られたフィルムをPETフィルムから剥がして、以下に示す方法により評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(1)耐熱性
耐熱性の指標として、250℃における貯蔵弾性率(E')を測定した。測定はRSA−III(TA−Instruments社製)を用いて窒素下、周波数1Hz、ひずみ0.1、25℃から300℃の範囲を3℃/minの昇温速度で走査して行った。測定には得られたフィルムから、長さ50mm、幅5mmに切り出した試験片を使用した。以下の基準で樹脂組成物の耐熱性を評価した。
○:250℃における貯蔵弾性率(E')が1×10Pa以上
×:250℃における貯蔵弾性率(E')が1×10Pa未満
ここで、貯蔵弾性率(E')が1×10Pa以上であれば、はんだ耐熱試験で外観異常が起こらないことを確認している。
(2)誘電特性
円筒空洞共振器法により、12GHzにおけるフィルムの誘電正接を測定した。具体的には、シンセサイズドスイーパー(YHP社製の8340B)、テストセット(8515A)を用い、12GHzにおけるフィルムの誘電正接を以下の基準で評価した。
○:誘電正接が0.0020未満
×:誘電正接が0.0020以上
(3)破断強度
万能材料試験機(201−5型 インテスコ社製)を用いて試験片両端より引っ張り速度30mm/minにて引っ張り、破断強度を測定した。測定には各実施例、比較例で得られたプレスフィルムから、長さ50mm、幅5mmのダンベル型に打ち抜いた試験片を使用した。破断強度を以下の基準で評価した。
○:破断強度が50MPa以上
×:破断強度が50MPa未満
[実施例2〜7、比較例1および2]
各成分の配合割合を表1に記載の配合割合に変えた以外は実施例1と同様にして、フィルムをそれぞれ作製し、評価を実施した。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2018095786
[実施例8]
(プリプレグ1の作製)
実施例2で得られた樹脂組成物ワニスをガラスクロス1に含浸し、送風乾燥機中120℃で10分間乾燥することにより、厚さ0.1mmのプリプレグ1を作製した。
(積層体1の作製)
150mm角に切り出したプリプレグ1を8枚重ね、真空プレス機にて圧力3.5MPa、200℃で2時間加熱することで積層体1を作製した。得られた積層体1に対し、以下に示す方法により評価を行った。得られた結果を表2に示す。
(1)はんだ耐熱性
積層体1を288℃の半田槽中に20秒間浸漬し、その後、積層体1の状態を観察した。以下の基準で積層体1のはんだ耐熱性を評価した。
○:変形および膨れの両方が発生しなかった
×:変形および膨れの少なくとも一方が発生した
(2)誘電特性
円筒空洞共振器法により、12GHzにおける積層体の誘電正接を測定した。具体的には、ネットワーク・アナライザー(YHP社製の8510B)を用い、12GHzにおける積層体の誘電正接を測定した。
○:誘電正接が0.0025未満
×:誘電正接が0.0025以上
(3)熱安定性
得られた積層体を温度200℃のオーブンに静置し、100時間後に取り出した。取り出した積層体の状態から熱安定性を評価した。
以下の基準で積層体の熱安定性を評価した。
○ :積層体に異常なし
× :積層体にクラックが入ったもの
[実施例9および比較例3]
樹脂組成物ワニスを、実施例6および比較例2に記載の樹脂組成物ワニスにそれぞれ変更した以外は実施例8と同様にしてプリプレグ2および3をそれぞれ作製し、さらに実施例8と同様にして積層体2および3を作製し、評価を実施した。
得られた結果を表2に示す。
Figure 2018095786

Claims (13)

  1. 環状オレフィン(共)重合体(P)と、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド樹脂、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、液晶ポリマー、マレイミド樹脂、およびポリブタジエン樹脂からなる群から選択される1種または2種以上の樹脂(Q)と、を含む樹脂組成物であって、
    当該樹脂組成物中の前記環状オレフィン(共)重合体(P)の含有量に対する前記樹脂(Q)の含有量の質量比((Q)/(P))が0.2以上5以下であり、
    前記環状オレフィン(共)重合体(P)が、環状オレフィン共重合体(m)と、前記環状オレフィン共重合体(m)とは異なる環状オレフィン(共)重合体(n)と、を含み、
    前記環状オレフィン共重合体(m)は、
    (A)下記一般式(I)で表される1種以上のオレフィン由来の繰り返し単位と、
    (B)下記一般式(III)で表される1種以上の環状非共役ジエン由来の繰り返し単位と、
    (C)下記一般式(V)で表される1種以上の環状オレフィン由来の繰り返し単位と、を含み、
    前記環状オレフィン共重合体(m)中の繰り返し単位の合計モル数を100モル%とした場合に、前記オレフィン由来の繰り返し単位(A)の含有量が10モル%以上90モル%以下、前記環状非共役ジエン由来の繰り返し単位(B)の含有量が1モル%以上40モル%以下、および前記環状オレフィン由来の繰り返し単位(C)の含有量が1モル%以上30モル%以下であり、
    前記環状オレフィン(共)重合体(n)は、エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体(n1)(ただし、前記共重合体(n1)は下記一般式(III)で表される環状非共役ジエン由来の繰り返し単位を含まない)および環状オレフィンの開環重合体(n2)から選択される少なくとも一種を含み、
    前記環状オレフィン共重合体(m)と前記環状オレフィン(共)重合体(n)との合計量を100質量%としたとき、
    前記環状オレフィン共重合体(m)の含有量が5質量%以上95質量%以下であり、前記環状オレフィン(共)重合体(n)の含有量が5質量%以上95質量%以下である樹脂組成物。
    Figure 2018095786
    〔上記一般式(I)において、R300は水素原子または炭素原子数1〜29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。〕
    Figure 2018095786
    〔上記一般式(III)中、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R61〜R76ならびにRa1およびRb1は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R104は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、tは0〜10の正の整数であり、R75およびR76は互いに結合し
    て単環または多環を形成していてもよい。〕
    Figure 2018095786
    〔上記一般式(V)中、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R61〜R78ならびにRa1およびRb1は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R75〜R78は互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。〕
  2. 前記樹脂(Q)がポリフェニレンエーテルを含む請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記環状非共役ジエン由来の繰り返し単位(B)を構成する環状非共役ジエンが、5−ビニル−2−ノルボルネンまたは8−ビニル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンである請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記環状オレフィン由来の繰り返し単位(C)を構成する環状オレフィンが、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンまたはテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 耐熱安定剤、耐候安定剤、耐放射線剤、可塑剤、滑剤、離型剤、核剤、摩擦磨耗性向上剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、着色剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、耐衝撃剤、表面ぬれ改善剤、充填材、塩酸吸収剤、金属不活性化剤および硬化促進剤からなる群から選択される一種または二種以上の添加剤をさらに含む請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の樹脂組成物と溶媒を含有するワニス。
  7. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の樹脂組成物の架橋体。
  8. 請求項7に記載の架橋体を含むフィルムまたはシート。
  9. 請求項8に記載のフィルムまたはシートを基材に積層した積層体。
  10. 請求項7に記載の架橋体を含む電気絶縁層と、前記電気絶縁層上に設けられた導体層とを含む回路基板。
  11. 請求項10に記載の回路基板を備えた電子機器。
  12. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の樹脂組成物とシート状繊維基材とを含むプリプレグ。
  13. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の樹脂組成物が表層に厚み100μm以下で形成された多層成形体または多層積層フィルム。
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