JP2018095559A - メイクアップ化粧料及びメイクアップ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】加齢により、顔に生じたシミやそばかす、くすみ等を、色材と物理的な引き締め力との相乗効果で隠蔽力を高めて、さらに皮膚のたるみや皮膚の凹凸等を物理的に収縮変化させて、若々し肌状態に補正したまま長時間維持させる汗や雨に強いメイクアップ化粧料及びメイクアップ方法の提供。【解決手段】アクリル系共重合体、水膨潤性無機高分子、解膠剤、色材を含有する物理的な引き締め力が発現するメイクアップ化粧料。前記、メイクアップ化粧料がアクリル系共重合体をメイクアップ化粧料の全体に対して0.5〜4質量%含有し、水膨潤性無機高分子をメイクアップ化粧料全体に対して3〜15質量%含有するメイクアップ化粧料であって、解膠剤をメイクアップ化粧料全体に対し0.2〜1.2質量%含有し、色材をメイクアップ化粧料全体に対して0.1〜20質量%含有するメイクアップ化粧料。【選択図】図3
Description
本願発明は、加齢により、顔に生じたシミやそばかす、くすみなどの色調トラブルを色材と物理的な引き締め力の相乗効果で隠蔽力を高めて、皮膚のたるみや皮膚の凹凸や輪郭の緩み等の皮膚形状トラブルを物理的に収縮変化させ、たるみや凹凸のない肌状態に補正したまま長時間維持させ、表情を若々しい物理的な形状に補正するメイクアップ化粧料とメイクアップ方法に関する。
従来から、加齢による皮膚のシミやそばかす、くすみ、シワやたるみ、顔の輪郭の緩みを目立たなくして若々しい表情を作るメイクアップ化粧料あるいは、メイクアップ方法の技術が求められていた。
従来のメイクアップに関する技術には、酸化チタンで着色された雲母チタン系顔料の下地化粧料を塗布した上にファンデーションを重ねることで、鼻筋やフェイスラインをすっきり立体的に見せる特許文献1のメイクアップ化粧料が示されている。また、本出願人は天然高分子と水膨潤性無機高分子及びポリエーテル変性シリコーンを組み合わせた特許文献2のスプレー用組成物を顔にスプレー塗布することで顔全体の皮膚のたるみと輪郭の緩みを物理的に収縮させた状態を長時間持続させることで表情を若々しい物理的な形状に補正するメイクアップ方法を開発している。
しかしながら、[特許文献1]のメイクアップ化粧料は、色彩による隠蔽力でシミ、そばかす、くすみなどの皮膚に生じる色調トラブルを隠すことや、色彩による視覚的な錯覚を利用することで顔の輪郭をすっきりした印象に見せる事はできるが、皮膚形状そのものを物理的に変化させて、若々しい印象に変えるものではないため、加齢によって生じた皮膚の比較的な大きな形状変化を物理的に元に戻すような補正をできない点で問題があった。
一方、[特許文献2]のスプレー用化粧組成物及びメイクアップ方法では、シワやたるみなどの物理的な皮膚の形状を若々しい物理的な形状に補正する場合には全く問題がないが、色材を含むようにしたとしても濃いシミ、そばかす、濃いくすみなどのような皮膚の強い色調トラブルを隠蔽しようとする場合には、隠蔽が不十分になりやすいため、一般的な色材を多く含むファンデーションを下地として塗布し、皮膚の強い色調トラブルの隠蔽を十分に行った上からスプレー用化粧組成物をスプレーする必要があった。
また、下地に使用されるファンデーションに含まれる色材が少なく、隠蔽力の弱い下地の上から特許文献2のスプレー化粧組成物をスプレー塗布した場合には、シワやたるみ等の物理的な補正が行われる反面、濃いシミやソバカス、濃いくすみのような強い皮膚の色調トラブルを隠蔽出来ない状態でメイクアップがなされ、色調トラブルの不十分な隠蔽を修正するためにメイクアップを全て一度除去した上で下地の塗布作業からやり直さなければならない点で問題がある。
さらに、色調トラブルの隠蔽力が弱いスプレー用化粧組成物を、特に色材の少ない薄づきのファンデーションの上から何度も重ね塗りすることで強い皮膚の色調トラブルを隠蔽しようとした場合には、スプレー用化粧組成物に使用される天然高分子の透明皮膜の層が表面に厚く積層されると、皮膚上に塗られた色材の少ない薄づきのファンデーションの不透明色材の透過率が増大して、地肌が透けやすい現象が見られ(例えば、不透明なすりガラスに透明テープを貼り付けると、すりガラスのミー散乱現象が減衰して、透過性が増大して透けるようになる現象)、色材による隠蔽効果を却って弱める作用が懸念される。
また、下地に色材を多く含むファンデーションを使用しない場合や従来のスプレー化粧組成物のみで強い色調トラブルを隠蔽するためには、隠蔽が不十分にならないようにスプレー化粧組成物を重ね塗りすることが考えられる。しかし、従来のスプレー化粧組成物は、水溶性の天然高分子を使用するために、スプレー化粧組成物の乾燥後の耐水性が低い。一度塗りの場合には問題ないが、時間をおいて更に重ね塗りする場合には、重ね塗りしたスプレー用化粧組成物の水分が最初に塗布して乾燥した天然高分子の皮膜を溶かしてしまう点で問題があった。そのために化粧を施した顔に水分で溶けた皮膜の液垂れが生じ、塗布ムラや色ムラができる問題があった。また、日常生活での使用中において、汗や雨でスプレー化粧組成物の天然高分子が溶け出して色材が脱落して隠蔽効果が低下する場合があった。
メイクアップ化粧料は、最初の使用時はもちろん、時間経過による化粧直しで色調や色ムラ、仕上がり感などを微調整するケースが一般的であり、色調トラブルを防止するファンデーションによる下地のやり直しを伴うこと無く、2回、3回と重ね塗りによる色調等のメイクアップ後の仕上がりの微調整ができることはもちろん、汗や雨などで脱落しないことが大切である。
本願発明は、上記問題に鑑み、加齢により、顔に生じた濃いシミやそばかす、濃いくすみなどの強い色調トラブルを色材と物理的な引き締め力の相乗効果で隠蔽力を高めて皮膚のたるみ、皮膚の凸凹や輪郭の緩みなどの皮膚の形状トラブルを物理的に収縮変化させた状態を長時間持続させ、表情を若々しい物理的な形状に補正すると共に、肌に生じる色調トラブルの隠蔽のためにメイクアップ化粧料の重ね塗りを行っても皮膜の液だれ等による仕上がりムラが発生せず、無駄な重ね塗りをしなくても十分な隠蔽効果を得ることで皮膜の透過性の増大による隠蔽効果の低下が発生せず、メイクアップのやり直しを防止して重ね塗りによる隠蔽効果の微調整を容易に行うことの出来るメイクアップ化粧料及びメイクアップ方法を提供するものである。
前記目的を達成するために、請求項1に係るメイクアップ化粧料は、アクリル系共重合体をメイクアップ化粧料の全体に対して0.5〜4質量%含有し、水膨潤性無機高分子をメイクアップ化粧料全体に対して3〜15質量%含有するメイクアップ化粧料であって、解膠剤をメイクアップ化粧料全体に対し0.2〜1.2質量%含有し、色材をメイクアップ化粧料全体に対して0.1〜20質量%含有することにした。
また、請求項2は、請求項1に記載のメイクアップ化粧料であって、前記アクリル系共重合体が、アクリル酸アルキル共重合体、アクリレーッコポリマー、アクリレーッコポリマーアンモニウム、アクリル樹脂アルカノールアミン液 、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、(アクリル酸アルキル/オクチルアクリルアミド)共重合体、シリコーン変性アクリル共重合体、またはアクリル酸オクチルアミド・アクリル酸共重合体のうち、少なくとも一種を含むようにした。
また、請求項3は、請求項1または2のいずれかに記載のメイクアップ化粧料であって、前記水膨潤性無機高分子が、ケイ酸化合物であるケイ酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸(Na/Mg)、ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸カルシウム、若しくはケイ酸アルミニウムを主成分とするケイ酸塩、またはシリカ(二酸化ケイ素)のうち少なくとも一種を含むようにした。
また、請求項4は、請求項1から3のうちいずれかに記載のメイクアップ化粧料であって、解膠剤が塩基性の炭酸ソーダ、ケイ酸ナトリウム、タンニン酸ソーダ、クエン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化マグネシウムまたは塩化ナトリウムのうち少なくとも一種を含むようにした。
また、請求項5は、請求項1から4のうちいずれかに記載のメイクアップ化粧料であって、色材が、有機合成色素、天然色素、無機顔料、または高分子粉体のうちいずれかであり、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、群青、ベンガラ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイトの無機粉体類、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、またはステアリン酸亜鉛のうち少なくとも一種以上を含み、かつフッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、シリカ、油脂、または炭化水素により表面処理を施されるようにした。
また、請求項6のメイクアップ方法は、請求項1から5のうちに記載のメイクアップ化粧料により、加齢により、顔に生じたシミやそばかす、くすみなどの色調トラブルを色材と物理的な引き締め力の相乗効果で隠蔽力を高めて、皮膚のたるみ、皮膚の凸凹や輪郭の緩みなどの皮膚の形状トラブルを物理的に収縮変化させた状態を長時間持続させ、表情を若々しい物理的な形状に補正するようにした。
尚、請求項1から請求項5のメイクアップ化粧料は、アクリル系共重合体が0.5質量%未満の場合、メイクアップ化粧料の皮膚への固着力が弱く、シワやたるみなど持続的な引き締め効果が期待できず、重ね付けの際のメイクアップ化粧料の耐水性が低く、最初の皮膜が溶け出して色材が脱落し隠蔽効果が低下する。さらに、アクリル系共重合体が4質量%を超える場合は、皮膜が厚く、硬くなり、皮膚の柔軟性についていけずに皮膜の破断が起き、使用感が悪く、使用中の違和感が増大する。
請求項1から請求項5のメイクアップ化粧料において色材を相当量含有させる場合において、色材に油剤を多く使用した分散系は、色材そのもの又は油剤には乾燥固着する性質が無い為に、色材及び油剤はアクリル系共重合と水膨潤性無機高分子、解膠剤の固着収縮力を緩和させる作用がある。ゆえに、皮膚の色彩トラブルを隠蔽させるために色材を相当量含有させる場合において、水膨潤性無機高分子の含有量が3質量%未満の場合は皮膜の収縮力が弱くなって皮膚を引き締めて補正する固着力が弱くなる。さらに、水膨潤性無機高分子が15質量%を超える場合には、水膨潤性無機高分子の分散が難しくなり、使用感や仕上がりが悪くなり、良好な分散が得られないために乾燥時の体積収縮率も低くなり、逆にたるみや皮膚の凹凸の引き締め効果が期待できない。
このことから、メイクアップ化粧料をスプレー塗布する場合や、BBファンデーションや CCファンデーションのように色材を少なく、パフなどで薄付け使用する場合には、メイクアップ化粧料の粘度を低くする必要があり、このような場合は、水膨潤性無機高分子の含有量は3〜10質量%が望ましい。さらに、色材を多くする場合は、色材及び油剤の含有量に応じて引き締め力が緩和される傾向があるので、水膨潤性無機高分子の含有量を10〜15質量%にするのが望ましい。
また、請求項1から請求項5のメイクアップ化粧料に使用する解膠剤は、本願発明で使用されるアクリル系共重合体を解膠剤の塩基により中和度を調整することで、アクリル系共重合体の皮膜を耐水性から水難容性、水部分溶解性、水溶性と皮膜性状をコントロールすることができる。同時に同解膠剤は水膨潤性無機高分子の水溶液中の凝集及び凝結を防ぎ、水膨潤性無機高分子の分散安定剤として使用されるため、同解膠剤はアクリル系共重合体と水膨潤性無機高分子の両方に作用してアクリル系共重合体と水膨潤性無機高分子の親和性を向上させてメイクアップ化粧料の収縮時の引き締め力を向上させることが判った。このことから、メイクアップ化粧料に使用される解膠剤は、アクリル系共重合体、水膨潤性無機高分子の含有量に比例して、0.2〜1.2質量%の範囲にするのが望ましい。
このように、請求項1から請求項5のメイクアップ化粧料に使用する解膠剤はメイクアップ化粧料の適度な耐水性による重ね塗りのし易さやメイクアップ化粧料の皮膚収縮力などを向上させる。
しかし、メイクアップ化粧料全体に対し解膠剤0.2質量%未満以下の場合にはアクリル系共重合体の中和度が低くなるので耐水性が強くなり、使用感が悪く、使用中の違和感が増大するほかメイクアップ化粧料の皮膜が洗顔で落下しにくくなる。
また、メイクアップ化粧料全体に対し解膠剤0.2質量%未満の場合は、水膨潤性無機高分子に対して解膠作用が弱く、粘度が急激に上昇して分散し難くなるために水膨潤性無機高分子の分散状態が悪くなり、均等な強い引き締め効果が期待できない。さらに、メイクアップ化粧料全体に対し解膠剤が1.2質量%を超える場合には、アクリル系共重合体の中和度が過剰になり、メイクアップ化粧料の耐水性が低下し、また、水膨潤性無機高分子の過剰な凝集緩和作用により、乾燥時の皮膜収縮効果が低下するので、たるみや皮膚の凹凸の引き締め効果が期待できない。
請求項1から請求項5のメイクアップ化粧料に使用する色材は、有機合成色素、天然色素、無機顔料などから調整される肌色色材であり、また、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、シリカ、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したもので、一般的に化粧品に使用できるものであれば良い。これらの一種以上から選択されたものである。特に好ましいのは無機顔料である酸化チタン、酸化鉄、アルミナ、酸化亜鉛、タルク、マイカ、雲母チタンである。
本願発明では、これらの色材は一般的に水や多価アルコールあるいはO/W、W/Oの乳化系に分散して使用されるが、水分の含有量が低いか、あるいは全く水分が含有しないシリコーンや油剤に分散した系は、メイクアップ化粧料が皮膚上で皮膜化する際にシリコーンや油剤が皮膚とメイクアップ化粧料の密着力を弱め、アクリル系共重合体、水膨潤性無機高分子、解膠剤の固着力が緩和されて、引き締め力が弱められる傾向がある。そのため、水や多価アルコールに分散あるいはO/W乳化分散系が良い。
その結果、請求項6のメイクアップ方法は、請求項1から請求項5のいずれかのメイクアップ化粧料を顔に使用することにより、加齢により、顔に生じたシミやそばかす、くすみなどの色調トラブルを色材と物理的な引き締め力の相乗効果で隠蔽力を高めて、皮膚のたるみ、皮膚の凸凹や輪郭の緩みなどの皮膚の形状トラブルを物理的に収縮変化させた状態を長時間持続させ、表情を若々しい物理的な形状に補正することが出来る。
ここで、請求項1から請求項5に示すメイクアップ化粧料とこれらのメイクアップ化粧料を使用して請求項6の方法によるメイクアップを行う際の収縮力の発現メカニズムと色材と収縮力の相乗効果で皮膚トラブルの隠蔽力が向上する方法を説明する。本発明で使用される水膨潤性無機高分子は乾燥時の粒子径が10nm〜50nmと超微細な粒子から構成され、水中ではチキソトロピーの三次元構造に分散するので粒子間の空隙は小さくなり表面張力による毛管作用が大きくなる。これによって、水分が離脱する際には、粒子間の空隙が微細に狭まり、強い体積収縮力が発生し、超微粒子どうしが引き寄せられて徐々に固着する。この時に、皮膚もメイクアップ化粧料に密着して一緒に収縮する為に、余分な皮膚が引き締められて皮膚の凹凸が平滑になる。しかし、水膨潤性無機高分子の塗膜は、一般に単独で連続皮膜化はせず、固くて砂のように脆い塊状である。水膨潤性無機高分子のケイ酸(Na/Mg)などは、単独で乾燥皮膜化するが、やはり柔軟性のある皮膚上ではすぐ破断して粉状になる点で問題がある。
一方、水膨潤性無機高分子にアクリル系共重合体を含有させた場合には、連続被膜化する一方、水膨潤性無機高分子とアクリル系共重合体の含有濃度に比例して固着皮膜が厚く、硬くなる。しかし、アクリル系共重合体と水膨潤性無機高分子からなる厚く硬い被膜は、耐水性であり、肌や水分に対する馴染み(親和性)が乏しく、皮膚に対する違和感を強く感じさせ、柔軟性の不足から顔の表情の動きに追随できずに破断や引きつれ、剥離するなど、皮膚面で長時間(約6時間〜8時間)皮膜を持続させることは出来ない。このように、アクリル系共重合体は耐水性であり、水膨潤性無機高分子は親水性であるためにお互いの親和性は悪く、アクリル系共重合体と水膨潤性無機高分子の添加量に引き締め力が比例しない。また、色材を相当量含有させ、3〜4時間経過後に化粧直しを想定して最初の塗膜の上にさらに上塗りすると最初に塗られたメイクアップ化粧料の耐水性が強く、上塗りするメイクアップ化粧料の水分が馴染まず、メイクアップ化粧料が滑って定着せずに綺麗に載せることができない。
そこで、本願発明者が研究を重ねた結果、アクリル系共重合体と水膨潤性無機高分子に加えて解膠剤を請求項1に記載した割合で含有させた場合、得られるメイクアップ化粧料は、アクリル系共重合体と水膨潤性無機高分子の親和性はもちろん、肌との親和性が飛躍的に向上して、耐水性で有るにも拘らずメイクアップ化粧料の保水性能が著しく向上することにより、柔軟性のある皮膜を長時間保つことが判った。さらに前記の3〜4時間経過後に化粧直しを想定した使用も、問題なく綺麗に上塗りされた。即ち、解膠剤を含有させ、アクリル系共重合体を解膠剤の塩基により中和度を調整することで親水性を付与させたメイクアップ化粧料は、解膠剤を含有させない場合と比較して、皮膚上でのアクリル系共重合体と水膨潤性無機高分子の親和性が飛躍的に向上、皮膚との密着性や、固着皮膜の柔軟性などに優れ、アクリル系共重合体と水膨潤性無機高分子の含有量に比例して皮膚を収縮させる引き締め力が増大することが判った。
加齢による顔の皮膚トラブルは、シミやソバカス、くすみなどの色彩トラブルとシワやたるみなどの形態トラブルに大別される。化粧の定義からすれば、化粧で美化し、魅力を増し、容貌を変えることであるが、現在、色彩で隠す技術は進んでいるが容貌を変える形態補正の技術はまだまだ充分とは言えない。しかし、加齢による顔の皮膚トラブルを色彩だけ、あるいは形態補正だけの一方で補完することはできない。一般的に「シワを伸ばす」と言う表現がなされるが、シワを引っ張って伸ばせば良いのではなく、その真逆である。シワやたるみは加齢により顔全体の皮膚の張りが失われて皮膚が弛み、顔の特定の部位(目の周りや口角の周り、あるいは額の部位、顔の輪郭など)に集中し、寄せ集まって発現するが、このことは顔全体の皮膚の緩みである。この為に、シワやたるみ、顔の輪郭の緩みを補正する場合は、顔全体から余分な皮膚を引き締めて収縮させて皮膚に強い人為的なハリを創り出して凹凸を目立たなくするのである。
このように、形態補正は顔全体の皮膚表面に人為的なハリを創り出して皮膚表面を平滑なフラットの形状にするので皮膚表面が均等な平面になり、色材が均一に塗布される。逆に、従来のメイクアップ化粧料は形態補正をしないまま色材を塗布する為に皮膚の凹凸に色材が埋まり、逆に皮膚の凹凸を目立たせてしまう。このために、従来のメイクアップ化粧料は皮膚の凹凸を目立たなくするためには必然的に色材の含有量を増やすことになり、さらに厚塗りするメイク方法になる。
通常、色材の隠蔽力は色材の濃度が高い場合には下地の影響は少なく、それ自体で発色し隠蔽力が保たれる。しかし、隠蔽力が低い色材は下地の反射により発色し、下地の影響を強く受ける。したがって色材の粒径が大きいほど隠蔽力は高くなるが色材の隠蔽力は光の錯乱によるものであるため、これを多量に配合すると仕上がりにおいて透明感にかけ、素肌っぽい自然な仕上がりは得られない。このために、通常使用されるメイクアップ化粧料の色材の使用量は10質量%〜30質量%である。本願発明は、物理的な引き締め力で皮膚表面の凹凸を平滑にすることで下地の光反射率を増大させることと、色材を含まない状態でのアクリル系共重合体と水膨潤性無機高分子の混合物が乳白色の基材であり、顔に生じた薄いシミやそばかす、薄いくすみなどの色調トラブルには肌色調整するための色材0.1質量%を含有させたもので重ね塗りすることで隠蔽することができる。また、比較的濃いシミやそばかす、濃いくすみなどの強い色調トラブルは色材を最大20質量%含有させることで透明感を損なわず、自然な仕上がりで完全に隠蔽できる。このように、下地の皮膚を平滑にすることで色調トラブルを隠蔽するための色材の使用料を節約できる。
一般的なファンデーションは色材を多くすれば皮膚の色調トラブルの隠蔽力は向上するが、シワやたるみなどの皮膚形状のトラブルまで隠蔽することはできない。さらに、色材が多くなることで使用方法や色調、色ムラ、仕上がり感など使用者自身の使い方が難しくなる。そして、最近は金属アレルギーなどの報告が多く聞かれ、酸化チタンや酸化鉄などを減じる方向で考慮する必要がある。このために、できるだけ少ない色材で皮膚の色調トラブルの隠蔽する方法として本願発明は有効である。
従来の引き締め機能のない色材のみで隠蔽するファンデーション系に比べて、色材に引き締め機能を付与することで、皮膚上のメイクアップ化粧料が乾燥収縮するときに顔全体の皮膚の凸凹を平滑にするために色材層が圧縮されて平滑になり、色材層の顔料や粉体の光反射率が向上する。さらに、本発明の色材を含有したメイクアップ化粧料は皮膚上で乾燥固着するときに、皮膚を強く収縮させてメイクアップ化粧料が立体的に体積収縮するために、分散されている色材顔料や粉体の微細な間隔を狭めて高密度になるために色材層の密度が高くなり、隠蔽力が向上することになる。それゆえ、色材と物理的な引き締め力の相乗効果で、従来の経験的に知られている肌トラブルの隠蔽に必要なファンデーションの色材である顔料や粉体の添加量の割合を減らすことができることを見出した。
また、本願のメイクアップ化粧料及びメイクアップ方法によれば、肌に生じる色調トラブルの隠蔽のためにメイクアップ化粧料の重ね塗りを行っても皮膜の液だれ等による塗布ムラや色ムラ等の仕上がりムラが発生せず、メイクアップ化粧料を無駄に重ね塗りしなくても十分な隠蔽効果を得られることで皮膜の透過性を増大させないために隠蔽効果の低下が発生せず、メイクアップを一からやり直ししなくても重ね塗りによる隠蔽効果の微調整を容易に行うことが出来る。
次に、本発明について詳細に説明する。
まず、表−1に一般的なBBファンデーション(参考例1)と本願発明のアクリル系共重合体、水膨潤性無機高分子、解膠剤、色材を含有する物理的な収縮力が発現するメイクアップ化粧料(参考例2)を示す。(参考例1)と(参考例2)との比較でそれぞれの収縮率を試験より算出してみた。どちらも比重1として計算。
一般的なBBファンデーションa(参考例1)と本願発明のメイクアップ化粧料のb(参考例2)をそれぞれ1質量%ずつガラス板に塗布し、36度恒温室で30分放置して、乾燥後の体積(質量%)を測定した。相対的なの比較するために、同じ条件で測定した。
(a)1質量%→30分放置後の質量%は0.81質量%である。
(b)1質量%→30分放置後の質量%は0.21質量%であった。
(a)1質量%→30分放置後の質量%は0.81質量%である。
(b)1質量%→30分放置後の質量%は0.21質量%であった。
(a)下記数式で参考例1の体積収縮率を算出してみると
Y、体積収縮率 V1、乾燥前の体積 V2、乾燥後の体積
Y=V1-V2/V1×100(%)から Y=(1−0.81)/1×100
(a)の体積種縮率=19%
(b)下記数式で参考例2の体積収縮率を算出してみると
Y=V1-V2/V1×100(%)から Y=(1−0.21)/1×100
(b)の体積収縮率=79%
水分を多く含む粘性物質は収縮に伴って、ねじれ、縮みなどを含む複雑な変形を行うので、表面積、長さ及び厚さの測定は困難である。しかし、この何れも収縮率に比例して変化するとして、体積変化率を収縮率として表した。
この試験はあくまで相対的な比較であるが、いかに本願発明の体積収縮力(=皮膚の引き締め力)が大きいか推察できる。
この試験はあくまで相対的な比較であるが、いかに本願発明の体積収縮力(=皮膚の引き締め力)が大きいか推察できる。
ここで、一般的なBBファンデーション(参考例1)と本願発明のアクリル系共重合体、水膨潤性無機高分子、解膠剤、色材を含有する物理的な収縮力が発現するメイクアップ化粧料(参考例2)との皮膚トラブルの隠蔽力の比較試験を行った。(下記の比較写真参照)
[比較試験]
1、図1は、40代女性である第1被験者の素顔の写真(図1から図3は同一人物である)
2、図2は、40代女性である第1被験者が一般的なBBファンデーション(参考例1)を使用した際の顔写真。
3、図3は、40代女性である第1被験者が本願発明のメイクアップ化粧料(参考例2)を使用した際の顔写真。
4、図4は、60代女性である第2被験者が一般的なBBファンデーション (参考例1)を使用した際の顔写真。(図4及び図5は同一人物である)
5、図5は、60代女性である第2被験者が本願発明のメイクアップ化粧料(参考例2)を使用した際の顔写真。
1、図1は、40代女性である第1被験者の素顔の写真(図1から図3は同一人物である)
2、図2は、40代女性である第1被験者が一般的なBBファンデーション(参考例1)を使用した際の顔写真。
3、図3は、40代女性である第1被験者が本願発明のメイクアップ化粧料(参考例2)を使用した際の顔写真。
4、図4は、60代女性である第2被験者が一般的なBBファンデーション (参考例1)を使用した際の顔写真。(図4及び図5は同一人物である)
5、図5は、60代女性である第2被験者が本願発明のメイクアップ化粧料(参考例2)を使用した際の顔写真。
図1は40代女性である第1被験者の素顔の写真である。
図2の写真においては、40代女性である第1被験者の肌を化粧水→乳液→化粧下地で整えた上から一般的なBBファンデーション(参考例1)をパフで上塗りした。
図3の写真においては、40代女性である第1被験者の肌を化粧水→乳液→化粧下地で整えた上から、本願発明のメイクアップ化粧料(参考例2)をパフで上塗りした。
図4の写真においては、60代女性である第2被験者の肌を化粧水→乳液→化粧下地で整えた上から、一般的なBBファンデーション(参考例1)をパフで上塗りした。
同じく、図5の写真においては60代女性である第2被験者の肌を化粧水→乳液→化粧下地で整えた上から本願発明のメイクアップ化粧料(参考例2)をパフで上塗りした。いずれの図も塗布後5分経過した顔写真である。
同じく、図5の写真においては60代女性である第2被験者の肌を化粧水→乳液→化粧下地で整えた上から本願発明のメイクアップ化粧料(参考例2)をパフで上塗りした。いずれの図も塗布後5分経過した顔写真である。
表−1の一般的なBBファンデーション(参考例1)に使用される色材含有量と、アクリル系共重合体、水膨潤性無機高分子、解膠剤、色材を含有する本願発明の物理的な収縮力が発現するメイクアップ化粧料(参考例2)に使用される色材含有量は、一般的なBBファンデーション(参考例1)の色材量はBBファンデーション全体の約10.3質量%であり、本願発明の物理的な収縮力が発現するメイクアップ化粧料(参考例2)の色材量はメイクアップ化粧料全体の約7.17質量%である。
一般的なBBファンデーション(参考例1)と本願発明の物理的な収縮力が発現するメイクアップ化粧料(参考例2)の比較では、洗顔後に、化粧水→乳液→化粧下地と整肌条件を同じにして使用試験をした。40代女性である第1被験者、及び60代女性である第2被験者において、皮膚のシミやくすみなどの色彩トラブルの隠蔽に付いては同等の隠蔽力があるが、見た目の印象は40代女性である第1被験者、及び60代女性である第2被験者共に本願発明の物理的な収縮力が発現するメイクアップ化粧料(参考例2)の方が優れ、若々しく綺麗に見える。
これにより、本願発明の物理的な収縮力が発現するメイクアップ化粧料(参考例2)は色材と物理的な引き締め力の相乗効果で隠蔽力が向上するために、一般的なメイクアップ化粧料の約30%以上の色材量の節約ができることになる。さらに、一般的なBBファンデーション(参考例1)を使用した図2(40代女性:第1被験者)、図4(60代女性:第2被験者)両者共にファンデーションで隠蔽しているにも拘らず、目尻や額のシワ、皮膚のたるみなど皮膚の形態トラブルを隠すことができない。しかし、本願発明の物理的な収縮力が発現するメイクアップ化粧料(参考例2)を使用した図3(40代女性:第1被験者)の場合、あるいはメイクアップ化粧料(参考例2)を使用した図5(60代女性:第2被験者)の場合、両者共に目の周りや額のシワ、皮膚のたるみを隠している。
本願発明のメイクアップ化粧料は、アクリル系共重合体、水膨潤性無機高分子に加えて、解膠剤と色材を含有する。
前記、メイクアップ化粧料がアクリル系共重合体の含有量はメイクアップ化粧料の全体に対して0.5〜4質量%であり、水膨潤性無機高分子をメイクアップ化粧料全体に対して3〜15質量%になるように含有される。さらに、解膠剤をメイクアップ化粧料全体に対し0.2〜1.2質量%含有され、色材をメイクアップ化粧料全体に対して0.1〜20質量%含有される。
また、本願発明のアクリル系共重合体がアクリル酸アルキル共重合体、アクリレーッコポリマー、アクリレーッコポリマーアンモニウム、アクリル樹脂アルカノールアミン液 、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、(アクリル酸アルキル/オクチルアクリルアミド)共重合体、シリコーン変性アクリル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸共重合体のうち、少なくとも一種を含むものである。特に、本願発明に使用するアクリル系共重合はアクリルアルキルコポリマー又はアクリレーッコポリマーなどが好ましい。
また、本願発明の水膨潤性無機高分子は、天然または合成由来のあらゆるケイ酸化合物を意味する。例えば、ケイ酸化合物であるケイ酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸(Na/Mg)、ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸カルシウム、若しくはケイ酸アルミニウムを主成分とするケイ酸塩、またはシリカ(二酸化ケイ素)の中から少なくとも一種を含むものである。これらは、天然物および合成物のいずれであってもよい。尚、本願発明の水膨潤性無機高分子は、シリカ(二酸化ケイ素)とケイ酸(Na/Mg)などを組み合わせたものが好ましい。
シリカは他のケイ酸化合物に比べて表面積が大きく、水中分散粒子径が極小である為に毛官作用が大きく、乾燥するときに強い収縮力が発生するが、皮膜にならず粉状になる。ケイ酸(Na/Mg)は、皮膜になるものの収縮力は弱い。しかし、シリカ(二酸化ケイ素)とケイ酸(Na/Mg)にアクリル系共重合体に解膠剤を組み合わせて、本実施形態に示す割合でメイクアップ化粧料に含有させた場合には、適度な収縮力が長時間持続する柔軟な皮膜ができる。
また、本願発明の水膨潤性無機高分子の平均粒子径は5nm〜1μmとすることが好ましく、例えばシリカ(二酸化ケイ素)の場合には、5nm〜50nmとすることが好ましい。尚、他のケイ酸化合物は、20nm〜1μmが好ましく、比表面積(BET法による)では、50m2/g〜500m2/gとすることが好ましい。これらの水膨潤性無機高分子は、水中で三次元的な網目構造を形成し、ゾル、ゲルの構造を呈しコロイド状となる。
本願発明の解膠剤は、メイクアップ化粧料全体に対し0.2〜1.2質量%の範囲で含有させるが、解膠剤には後述する塩類などを用いることができ、解膠剤の含有量は、アクリル系共重合体の総量に比例して含有させ、アクリル系共重合体: 解膠剤を75:25〜60:40質量比とすることが好ましく、さらに水膨潤性無機高分子の総量に比例して水膨潤性無機高分子: 解膠剤を93 : 7〜90:10質量比が好ましい。
本願発明では、塩基性の解膠剤が炭酸ソーダ、ケイ酸ナトリウム、タンニン酸ソーダ、クエン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウムなどの中から少なくとも一種を含む。特に、本願発明に使用する解膠剤はピロリン酸ナトリウムなどが好ましい。
本願発明のメイクアップ化粧料に使用する色材は、有機合成色素、天然色素、無機顔料、または高分子粉体のうちいずれかであり、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、群青、ベンガラ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイトの無機粉体類、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、またはステアリン酸亜鉛のうち少なくとも一種を含み、かつフッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、シリカ、油脂、または炭化水素により表面処理を施されたもので、一般的に化粧品に使用できるものであれば良い。尚、色材は、有機合成色素、天然色素、無機顔料、または高分子粉体であれば上記列挙した内容に限られず、色材の表面処理方法もまた、他の公知の表面処理方法を使用することが出来る。
これらの色材は一般的に水や多価アルコールあるいはO/W、W/Oの乳化系に分散して使用されるが、水分の含有量が低いか、あるいは全く水分が含有しないシリコーンや油剤に分散した系は、メイクアップ化粧料が皮膚上で皮膜化する際にシリコーンや油剤が皮膚とメイクアップ化粧料の密着力を弱め、アクリル系共重合体、水膨潤性無機高分子、解膠剤の固着力が緩和されて、引き締め力が弱められる傾向がある。そのため、色材は、水や多価アルコールに分散系あるいはO/W乳化分散系が好ましい。
尚、本願発明のメイクアップ化粧料は、アクリル系共重合体と水膨潤性無機高分子、または解膠剤の組み合わせに加え、色材を必須成分とする他、更に他の成分等を少なくとも一種以上配合してもかまわない。前記他の成分は、化粧品、医薬部外品の成分として用いられるものであれば特に限定されない。本発明に配合できる前記他の成分等を以下に列挙する。
即ち、本願発明のメイクアップ化粧料には、保湿成分として、コラーゲン、ヒアルロン酸、トレハロース、キトサン、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1・3ブタノール、1,2−ペンタンジオール、などを配合できる。
また、本願発明のメイクアップ化粧料には、細胞賦活成分として、ローヤルゼリーエキス、レチノール、チアミン、リボフラビン、ビタミン類:グリコール酸、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素などを配合できる。
また、本願発明のメイクアップ化粧料には、抗シワ成分として、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、カイネチン、アスタキサンチンなどを配合できる。
また、本願発明のメイクアップ化粧料には、美白成分として、パントテン酸、その誘導体、エラグ酸、フィチン酸、ビタミンC、ビタミンA、その誘導体、ビタミンE、プラセンタ、アルブチン、その誘導体を配合できる。
また、本願発明のメイクアップ化粧料には、油脂類として以下のものを配合できる。即ち、セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール、ラウリルアルコールなどの天然または合成高級アルコールを配合できる。また、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステル、エーテル類を配合できる。また、綿実油、ゴマ油、サフラワー油、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、椿油、ヒマワリ油、パーム油、アマ油、シソ油、シア油、サル油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、アボガド油などの植物油脂を配合できる。また、牛脂、乳脂などの動物油脂を配合できる。また、ミツロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウなどのロウ類を配合できる。また、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリンなどの炭化水素類を配合できる。また、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸などの天然または合成脂肪酸等を配合できる。また、シリコーン油などを配合できる。
また、本願発明のメイクアップ化粧料には、界面活性剤として、ポリオキシエチレン、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、レシチンやベタインなどを配合できる。
また、本願発明のメイクアップ化粧料には、植物抽出物として、アロエ、オウゴン、カッコン、クジン、クロレラ、コムギ、コメ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、ウコン、カミツレ、カロット、センブリ、ローズマリー、海藻、納豆、ウイキョウ、クララ(クジン)、オオムギなどを配合できる。
また、本願発明のメイクアップ化粧料には、アミノ酸類として、アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニン、これらの誘導体などを配合できる。
また、本願発明のメイクアップ化粧料には、抗酸化成分として、トコフェロール、その誘導体、エリソルビン酸、その塩、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリンなどが配合できる。尚、配合する上で特に好ましいのは、トコフェロール及びその誘導体、フラボノイド、チオレドキシン、チオタウリン、ヒポタウリンである。
また、本願発明のメイクアップ化粧料には、収斂成分として、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛若しくは硫酸アルミニウムカリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等の金属塩を配合でき、タンニン酸、クエン酸、乳酸若しくはコハク酸などの有機酸を配合できる。
また、本願発明のメイクアップ化粧料には、抗菌成分として、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノールまたは1,2−ペンタンジオールなどを配合できる。
また、本願発明のメイクアップ化粧料には、紫外線防止剤として、酸化チタン、オキシベンゾン及びその誘導体、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンまたは酸化亜鉛などを配合できる。
以上に示すように、本願発明のアクリル系共重合体と水膨潤性無機高分子、または解膠剤の組み合わせに色材を含有した本願発明のメイクアップ化粧料はファンデーション類で使用される保湿成分などを配合することにより、シミ、くすみ、毛穴、あざなどを隠蔽しながら、物理的な引き締め力と潤いで若々しい引き締まった表情を演出するメイクアップを可能にする。
また、皮膚のたるみや顔輪郭のゆるみなど、顔の形状の変化は、個人差があるが、年齢が増すごとに変化の度合いが大きくなることが知られている。しかし、本願発明のメイクアップ方法は、通常の使用方法でシミ、くすみ、毛穴、あざなどの皮膚の色彩トラブルとシワやたるみ、顔輪郭のゆるみなどの皮膚の形状トラブルの両方に対して特別なテクニックなどは必要がなく簡便に使用できる。
尚、本願発明の物理的な形状補正、あるいは物理的な引き締め補正と言う意味は、化粧品業界で永年周知されて来た従来の感覚的な官能では無く、明らかに物理的な変化で顔の印象を変えることをいう。しかも、この物理的な形状補正が視覚的に長時間持続するということである。メイクアップ製品は、本人の感覚的な官能もさることながら、他人から見た目に若々しく綺麗に見える演出ができることが重要である。
以下に本願発明の好適な実施例(実施形態)を説明する、尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。配合量は質量%である。
本願発明は、実施例1〜3及び比較例1〜9のメイクアップ化粧料を後述する表−2の成分含有量(単位:質量%、残りは水とする)により、以下の(1)〜(4)の処方手順で作成した。即ち、(1):シリカとケイ酸(Na/Mg)(水膨潤性無機高分子)、ピロリン酸Na(解膠剤)、水をホモミキサー分散させる。(2):別槽で、BG、EDTA-2NA、防腐剤、ポリクオタニウム-7、ペンチレングリコール、グリセリン、エチルヘキシルグリセリン、シメチコン、ラウリル酸ソルビタン、ベタイン、水添パーム油脂肪酸グリセリズ、トリオレイン酸ソルビタン、パルミチン酸スクロースに酸化チタン、アルミナ、酸化鉄(赤、黄、黒)の色材を分散する。(3):(1)を撹拌しながら(2)を混入する。(3)の混合物をよく撹拌しながら、60℃まで加温する。さらに、60℃で(4):アクリル酸アルキルコポリマー(アクリル系共重合体)を添加して、撹拌し、その後、混合物を冷却してホモミキサーで分散した後に各メイクアップ化粧料を得た。そして、本願発明者は加齢によるシミやくすみなど色調トラブルがあり、あるいはシワやたるみ、輪郭の緩みなど形状トラブルについて悩みのあるパネラ−30名に対し、実施例1〜3及び比較例1〜9のメイクアップ化粧料を使用して評価試験を行った。
試験は、実施例1〜3及び比較例1〜9のメイクアップ化粧料を使用した場合におけるシミくすみの隠蔽力あるいは、皮膚のシワやたるみの引き締め効果と顔輪郭の引き締め効果を使用直後、3時間経過後及び6時間経過後に評価することによって行った。ただし、実施例1は下地に一般的なファンデーションを塗布した上からパフで上付けして、塗りムラや耐水性や隠蔽力の差異などを試験した。尚、実施例3のメイクアップ化粧料は、参考例2のメイクアップ化粧料と同一である。
30名のパネラーには、メイクアップ化粧料の使用後の印象について、使用直後、3時間経過後及び6時間経過後に点数をつけさせた。点数は、「非常に効果がある」と感じた場合を2点、「効果がある」と感じた場合を1点「変わらない」と感じた場合を0点とした。評価は、各メイクアップ化粧料と各経過時点における30名のパネラーの点数の平均点を集計して以下のように行った。
[評価基準]
◎ :30名の平均点が2点(満点) →非常に効果がある
○ :30名の平均が1点以上2点未満→効果がある
△ :30名の平均が0点以上1点未満→あまり効果が無いものとした。
× :使用中に強い違和感がある。
××:分散ができず、製造困難である。
◎ :30名の平均点が2点(満点) →非常に効果がある
○ :30名の平均が1点以上2点未満→効果がある
△ :30名の平均が0点以上1点未満→あまり効果が無いものとした。
× :使用中に強い違和感がある。
××:分散ができず、製造困難である。
表−2の試験において、実施例1〜3のメイクアップ化粧料は、アクリル系共重合体(アクリル酸アルキルコポリマー)の含有量が0.5〜4質量%であり、水膨潤性無機高分子(シリカとケイ酸(Na/Mg))をメイクアップ化粧料全体に対して3〜15質量%含有する。さらに、解膠剤(ピロリン酸Na)がメイクアップ化粧料全体に対し0.2〜1.2質量%含有され、色材をメイクアップ化粧料全体に対して0.1〜20質量%含有するようにした。
表−2の試験において、実施例1、比較例9は化粧水→乳液→化粧下地で整えた上から一般的なファンデーションを塗布した上にパフで上付けした。実施例2〜3、比較例1〜8は化粧水→乳液→化粧下地で整えた上からそれぞれの試験体をパフで上塗りして経過観察した。
実施例1は、3時間後の重ね塗りによる塗りムラや耐水性、隠蔽力の差異や引き締め効果の持続など、さらに、6時間経過後の状態は穏やかな引き締め感がある皮膜を形成して良好であった。実施例2〜3においてはメイクアップ化粧料の色材を多く含有させて、パフで塗布した直後から、シミやくすみなどを隠蔽し、皮膚のシワやたるみ、顔の輪郭などの引き締めに優れ、良好であった。3時間後の重ね塗りによる塗りムラや耐水性、隠蔽力の差異や引き締め効果の持続など良好であり、さらに、6時間経過後の状態も良好であった。
実施例1は、3時間後の重ね塗りによる塗りムラや耐水性、隠蔽力の差異や引き締め効果の持続など、さらに、6時間経過後の状態は穏やかな引き締め感がある皮膜を形成して良好であった。実施例2〜3においてはメイクアップ化粧料の色材を多く含有させて、パフで塗布した直後から、シミやくすみなどを隠蔽し、皮膚のシワやたるみ、顔の輪郭などの引き締めに優れ、良好であった。3時間後の重ね塗りによる塗りムラや耐水性、隠蔽力の差異や引き締め効果の持続など良好であり、さらに、6時間経過後の状態も良好であった。
一方、表−2の試験において、比較例1及び2のメイクアップ化粧料は、アクリル系共重合体(アクリル酸アルキルコポリマー)の含有量が2質量%であって、水膨潤性無機高分子(シリカとケイ酸(Na/Mg))がメイクアップ化粧料全体に対して10質量%含有する。さらに色材をメイクアップ化粧料全体に対して7.16質量%含有するが、解膠剤(ピロリン酸Na)の含有量が、0.2質量%未満(0.1質量%)である場合と、1.2質量%を超えた(1.3質量%)場合を示す。
比較例1及び2は実施例3のメイクアップ化粧料と同様に、下地に一般的な化粧下地を塗布した上からパフで上付けした。その結果、解膠剤(ピロリン酸Na)を0.2質量%未満(0.1質量%)含有させた場合には、アクリル系共重合体(アクリル酸アルキルコポリマー)を塩基による中和度が低く、耐水性が強くなり、水膨潤性無機高分子(シリカとケイ酸(Na/Mg))の分散も悪く、アクリル系共重合体(アクリル酸アルキルコポリマー)と水膨潤性無機高分子(シリカとケイ酸(Na/Mg))との親和性が低いので、皮膜乾燥時に強烈な引き締めによる違和感が生じた。使用直後から皮膚の動きに皮膜が追随せず破断した。その為に、1時間を経過すると引き締め力が著しく低下することが判明し、前記効果の持続性が実施例3よりも劣ることが判明した。
また解膠剤(ピロリン酸Na)を1.2質量%を越えて(1.3質量%)含有させた場合にアクリル系共重合体(アクリル酸アルキルコポリマー)を塩基により中和度が過剰になり、耐水性が無くなるために重ね塗りができなくなり、皮膜も弱く、最初からたるみなど引き締め効果が著しく低下することが判明し、実施例3よりも顕著に劣ることが判明した。
また解膠剤(ピロリン酸Na)を1.2質量%を越えて(1.3質量%)含有させた場合にアクリル系共重合体(アクリル酸アルキルコポリマー)を塩基により中和度が過剰になり、耐水性が無くなるために重ね塗りができなくなり、皮膜も弱く、最初からたるみなど引き締め効果が著しく低下することが判明し、実施例3よりも顕著に劣ることが判明した。
一方、比較例4と5は、水膨潤性無機高分子(シリカとケイ酸(Na/Mg))がメイクアップ化粧料全体に対して10質量%含有し、解膠剤(ピロリン酸Na)がメイクアップ化粧料全体に対して0.5質量%含有し、さらに色材をメイクアップ化粧料全体に対して7.16質量%含有するがメイクアップ化粧料全体に対するアクリル系共重合体(アクリル酸アルキルコポリマー)の含有量が、0.5質量%未満(0.4質量%)である場合と、4質量%を超えた(4.1質量%)場合を示す。比較例4は、下地に一般的な化粧下地を塗布した上からパフで上付けしたがアクリル系共重合体(アクリル酸アルキルコポリマー)の含有量が少なく、耐水性が低く、皮膜が弱く、最初からたるみなど引き締め効果が弱く、3時間後の重ね塗り後、6時間経過後においても引き締め効果が弱かった。また、比較例5は、アクリル系共重合(アクリル酸アルキルコポリマー)体の含有量が多く、硬い皮膜になり、引き締めが強すぎて使用後3時間経過前にやめる人が続出して違和感を訴えるパネラーが多かった。上述の通り、メイクアップ化粧料全体に対するアクリル系共重合体(アクリル酸アルキルコポリマー)の含有量が0.5質量%未満(0.4質量%)となり、または4質量%を超えた(4.1質量%)場合、メイクアップ化粧料には、問題が発生する。
比較例6と7は、メイクアップ化粧料全体に対して、アクリル系共重合体(アクリル酸アルキルコポリマー)の含有量が2質量%であって解膠剤(ピロリン酸Na)の含有量がメイクアップ化粧料全体に対して0.5質量%であって、さらに色材をメイクアップ化粧料全体に対して7.16質量%含有する水膨潤性無機高分子(シリカとケイ酸(Na/Mg))の含有量がメイクアップ化粧料全体に対して3質量%未満(2.9質量%)である場合と、15質量%を超えた(15.1質量%)場合を示す。比較例6は、メイクアップ化粧料全体に対して水膨潤性無機高分子(シリカとケイ酸(Na/Mg))の含有量が少なく、収縮力が穏やかになるため、皮膚を補正する固着力が弱かった。比較例7は、メイクアップ化粧料全体に対して水膨潤性無機高分子(シリカとケイ酸(Na/Mg))の含有量が多くなり、粘度が高くなり、パフで塗布する場合のべたつきが強く、スムーズに塗ることができなかったので使用不可となった。上述のとおり、水膨潤性無機高分子(シリカとケイ酸(Na/Mg))の含有量がメイクアップ化粧料全体に対して3質量%未満(2.9質量%)であり、または15質量%を超えた(15.1質量%)場合、メイクアップ化粧料には問題が発生する。
比較例3と8は、メイクアップ化粧料全体に対して、アクリル系共重合体(アクリル酸アルキルコポリマー)の含有量が2質量%のであって、解膠剤(ピロリン酸Na)の含有量がメイクアップ化粧料全体に対して0.5質量%であって、水膨潤性無機高分子(シリカとケイ酸(Na/Mg))の含有量がメイクアップ化粧料全体に対して10質量%であって、メイクアップ化粧料に色材を含有させない場合と、メイクアップ化粧料全体に対する色材の含有量が20質量%を超えた(20.1質量%)場合を示す。比較例3は、メイクアップ化粧料のアクリル系共重合体(アクリル酸アルキルコポリマー)、水膨潤性無機高分子(シリカとケイ酸(Na/Mg))、解膠剤(ピロリン酸Na)の固着力を緩和させる色材成分を含有しない為、皮膜乾燥時に強烈な引き締めによる違和感が生じた。前述した通り、色材を含まない状態でのアクリル系共重合体と水膨潤性無機高分子の混合物が乳白色の基材であり、顔に生じた薄いシミやそばかす、薄いくすみなどの色調トラブルは隠蔽するも肌色調整するための色材を含まない為に、白色が強すぎて不自然な白浮き状態になる。また、比較例8の場合、色材の含有量が20質量%を超えた(20.1質量%)であり、前述の通り色材は固着化しない為に、メイクアップ化粧料のアクリル系共重合体(アクリル酸アルキルコポリマー)、水膨潤性無機高分子(シリカとケイ酸(Na/Mg))、解膠剤(ピロリン酸Na)の固着力が緩和されて、収縮力が穏やかになるため、皮膚を補正する固着力が弱かった。比較例9は、実施例1と同様にメイクアップ化粧料のアクリル系共重合体(アクリル酸アルキルコポリマー)が0.5質量%含有し、水膨潤性無機高分子(シリカとケイ酸(Na/Mg))が3.0質量%含有、解膠剤(ピロリン酸Na)0.2質量%含有するが、色材を含有しない。実施例1と同様に化粧水→乳液→化粧下地で整えた上から一般的なファンデーションを塗布した上にパフで上付けした。顔の形状トラブル(シワやたるみ、顔の輪郭の緩みなど)を補正するには問題がない。しかし、前述した通り、色材を含まない状態でのアクリル系共重合体と水膨潤性無機高分子の混合物が乳白色の基材であり、顔に生じた薄いシミやそばかす、薄いくすみなどの色調トラブルは隠蔽するも肌色調整するための色材を含まない為に、白色が強すぎて不自然な白浮き状態になる。さらに、色材を含まないために塗布する際の塗り加減が色判別できない問題がある。
即ち、上記表2の試験結果により、本願発明のメイクアップ化粧料の必須成分の好適な含有量は、実施例1〜3に示すアクリル系共重合体が0.5〜4質量%(更に好適な含有量は1〜3質量%)、水膨潤性無機高分子が実施例1〜3に示す3〜15質量%(更に好適な含有量は5〜13質量%)、解膠剤が実施例1〜3に示す0.2〜1.2質量%(更に好適な含有量は0.3〜1.0質量%)、色材が実施例1〜3に示す0.1〜20質量%(更に好適な含有量は0.1〜15質量%)である。
本願発明のメイクアップ化粧料は、従来の一般的なリキッドファンデーションと同様の使用方法で塗布することができ、従来のファンデーションでは不可能であった顔の形状トラブル(シワやたるみ、顔の輪郭の緩みなど)を補正する新しい隠蔽機能を提案することができる。前述の写真比較のように、色材では演出できない容貌の変化を可能にする。さらに、従来のリキッドファンデーションに比べ、色材の含有量を低減できることも大きなメリットである。
Claims (6)
- アクリル系共重合体をメイクアップ化粧料の全体に対して0.5〜4質量%含有し、水膨潤性無機高分子をメイクアップ化粧料全体に対して3〜15質量%含有するメイクアップ化粧料であって、解膠剤をメイクアップ化粧料全体に対し0.2〜1.2質量%含有し、色材をメイクアップ化粧料全体に対して0.1〜20質量%含有することを特徴とするメイクアップ化粧料。
- 前記アクリル系共重合体が、アクリル酸アルキル共重合体、アクリレーッコポリマー、アクリレーッコポリマーアンモニウム、アクリル樹脂アルカノールアミン液 、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、(アクリル酸アルキル/オクチルアクリルアミド)共重合体、シリコーン変性アクリル共重合体、またはアクリル酸オクチルアミド・アクリル酸共重合体のうち、少なくとも一種を含むことを特徴とする、請求項1に記載のメイクアップ化粧料。
- 前記水膨潤性無機高分子が、ケイ酸化合物であるケイ酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸(Na/Mg)、ケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸カルシウム、若しくはケイ酸アルミニウムを主成分とするケイ酸塩、またはシリカ(二酸化ケイ素)のうち少なくとも一種を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のメイクアップ化粧料。
- 前記、解膠剤が塩基性の炭酸ソーダ、ケイ酸ナトリウム、タンニン酸ソーダ、クエン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化マグネシウムまたは塩化ナトリウムのうち少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1から3のうちいずれかに記載のメイクアップ化粧料。
- 前記色材が、有機合成色素、天然色素、無機顔料、または高分子粉体のうちいずれかであり、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、群青、ベンガラ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイトの無機粉体類、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、またはステアリン酸亜鉛のうち少なくとも一種を含み、かつフッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、シリカ、油脂、または炭化水素により表面処理を施されたことを特徴とする請求項1から4のうちいずれかに記載のメイクアップ化粧料。
- 請求項1から5のうちいずれかに記載のメイクアップ化粧料により、加齢により、顔に生じたシミやそばかす、くすみなどの色調トラブルを色材と物理的な引き締め力の相乗効果で隠蔽力を高めて、皮膚のたるみ、皮膚の凸凹や輪郭の緩みなどの皮膚の形状トラブルを物理的に収縮変化させた状態を長時間持続させ、表情を若々しい物理的な形状に補正するメイクアップ方法。
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