以下、各図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお各図は、本実施形態を説明するための例示に過ぎない。
1.システムの概略説明:
図1は、本実施形態にかかる印刷処理システム(以下、システム)1の構成を簡易的に示している。システム1を、印刷管理システム等と呼んでもよい。システム1は、印刷管理装置10、画像処理装置20およびプリンター30を含んでいる。
印刷管理装置10、画像処理装置20およびプリンター30は、例えば、有線あるいは無線のLAN(Local Area Network)40に接続されており、互いに通信可能である。より具体的には、図示しないルーターを介して公衆通信回線たるインターネット通信網50に接続されたLAN40に、印刷管理装置10、画像処理装置20、プリンター30などの各種装置が接続されている。これら各種装置のそれぞれは、システム1内に複数含まれていてもよい。特に本実施形態では、システム1に複数台のプリンター30が含まれていることを想定する。
インターネット通信網50には、プリンター30のファームウェアFWや、後述するメディアファイルMF等、システム1の運用に必要な各種情報を保持し且つ公開するメディアサーバー60が少なくとも1台接続される。メディアサーバー60は、インターネット通信網50を介したクラウドサービスを提供するクラウド環境の一部(仮想サーバー)として実現されたり、物理サーバーにより実現されたりする。システム1の範疇にメディアサーバー60が含まれるとしてもよい。
印刷管理装置10や画像処理装置20は、例えば、パーソナルコンピューター(PC)や、PCと同等の処理機能を有する情報端末により実現される。メディアサーバー60も、インターネット上のサーバーに要求される通信や記憶といった各処理に関する通常の機能を有する情報処理装置である。
印刷管理装置10は、制御部11、記憶部12、表示部13、操作受付部14、通信インターフェイス(IF)15等を含んでいる。制御部11は、例えば、CPU、ROM、RAM等を有するICや、その他のメモリー等により構成される。制御部11では、CPUが、プログラムに従った演算処理を、RAM等をワークエリアとして用いて実行することにより印刷管理装置10の動作を制御する。制御部11は、このようなプログラムの一種として、印刷管理に関する処理を印刷管理装置10に実行させる印刷管理プログラム16を搭載している。また、印刷管理プログラム16は、印刷に関連する表示処理を印刷管理装置10に実行させる表示制御プログラムとしても機能する。このような表示制御プログラムを搭載する印刷管理装置10は、本発明にかかる表示装置の具体例に該当する。
記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリー等の記憶媒体により構成される。記憶部12は、制御部11の一部であってもよい。通信IF15は、例えばLAN40を介して外部と通信するための所定の通信規格に対応したIFの総称である。制御部11および通信IF15は、それらが協働することにより、外部との通信を制御する印刷管理装置10における通信制御部として機能する。
表示部13は、視覚的情報を表示するための手段であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や、有機ELディスプレイ等により構成される。表示部13は、ディスプレイと、当該ディスプレイを駆動するための駆動回路とを含む構成であってもよい。操作受付部14は、ユーザーによる操作を受け付けるための手段であり、例えば、物理的なボタンや、タッチパネルや、マウスや、キーボード等によって実現される。むろん、タッチパネルは、表示部13の一機能として実現されるとしてもよい。また、表示部13および操作受付部14を含めて操作パネル等と呼ぶことができる。印刷管理装置10の全体ではなく一部分(制御部11および表示部13を含む一部分)を指して表示装置と呼んでもよい。
画像処理装置20は、制御部21、記憶部22、表示部23、操作受付部24、通信IF25等を含んでいる。制御部21は、例えば、CPU、ROM、RAM等を有するICや、その他のメモリー等により構成される。制御部21では、CPUが、プログラムに従った演算処理を、RAM等をワークエリアとして用いて実行することにより画像処理装置20の動作を制御する。制御部21は、このようなプログラムの一種として画像処理プログラム26を搭載している。画像処理プログラム26は、プリンター30が印刷に使用する色(例えば、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K))毎の、ビットマップ展開されたラスターデータ(印刷データ)の生成を専門的に行うRIP(Raster Image Processor)ソフトウェアとしても機能する。そのため、画像処理プログラム26をRIPソフトウェアと呼び、画像処理プログラム26を搭載する画像処理装置20をRIP装置と呼んでもよい。
RIPは、比較的高画質の印刷成果物を得るために用いられる。例えば、印刷会社で用いられる業務用の高画質かつ大判のプリンター(LFP)に印刷を実行させるために、RIPによる印刷データの生成が行われる。記憶部22、表示部23、操作受付部24、通信IF25に関する基本的説明は、記憶部12、表示部13、操作受付部14、通信IF15に関して行った前記説明を準用することができる。制御部21および通信IF25は、それらが協働することにより、外部との通信を制御する画像処理装置20における通信制御部として機能する。
プリンター30は、ネットワークプリンターとしての一般的な構成を有しており、制御部31、記憶部32、表示部33、操作受付部34、通信IF35、プリンターエンジン36等を含んでいる。制御部31は、例えば、CPU、ROM、RAM等を有するICや、その他のメモリー等により構成される。制御部31では、CPUが、ファームウェアFWに従った演算処理を、RAM等をワークエリアとして用いて実行することによりプリンター30の動作を制御する。記憶部32、表示部33、操作受付部34、通信IF35に関する基本的説明は、記憶部12、表示部13、操作受付部14、通信IF15に関して行った前記説明を準用することができる。制御部31および通信IF35は、それらが協働することにより、外部との通信を制御する印刷装置30における通信制御部として機能する。
プリンターエンジン36は、制御部31による制御下で印刷メディアへの印刷動作を実行する機構である。印刷メディアとは、用紙に限られず、フィルムや繊維等、インクやトナーを付着させることができる種々の素材による媒体を指す。プリンターエンジン36は、例えば、インクジェット方式によりインク等の液体を吐出して印刷を行う機構である。プリンターエンジン36は、インク等の液体を吐出する印刷ヘッド、印刷ヘッドを一定の走査方向へ移動させるキャリッジ、印刷メディアを搬送する搬送機構、印刷メディアを乾燥させるためのヒーター等の構成を備える。なお、プリンターエンジン36が採用する印刷方式はインクジェット方式に限定されず、電子写真方式など様々な方式を採用可能である。
システム1は、ユーザーに指定された画像から画像処理装置20が印刷データを生成し、プリンター30が指定された印刷メディアに対して印刷データに基づく印刷を実行するシステムである。印刷すべき画像としては、文書作成ソフトウェアで作成されたテキスト画像、描画ソフトウェアで形成されたグラフィック画像、デジタルカメラで撮影された写真、スキャナーで読み込まれた画像など種々のものがある。
2.メディアテーブルの説明:
次に、メディアテーブルMTについて説明する。図1に示すように、印刷管理装置10は、記憶部12にメディアテーブルMTを記憶させている。メディアテーブルMTには、印刷メディアへの印刷を実現するために画像処理装置20、プリンター30がそれぞれ必要とする情報が記述されている。
図2は、メディアテーブルMTの構成を例示している。メディアテーブルMTは、システム1において印刷管理装置10が管理対象として認識している(予め印刷管理装置10に登録されている)プリンター30毎にまとめられたメディアファイルMFの集まりである。例えば、システム1には、プリンター識別情報“AAA”、“BBB”、“CCC”…で識別される複数台のプリンター30が含まれているとする。プリンター識別情報には、例えば、プリンター30の機種名、IPアドレス、シリアルナンバー、ファームウェアFWのバージョン情報等が含まれる。後述する機種名“xxx”、“yyy”、“zzz”は、プリンター識別情報に含まれるプリンター30の機種名の例である。
図2に例示するメディアテーブルMTでは、プリンター識別情報“AAA”のプリンター30に対応して、符号“aaa”、“bbb”、“ccc”…で示される印刷メディア毎のメディアファイルMFが用意されている。また、プリンター識別情報“BBB”のプリンター30に対応して、符号“aaa”、“bbb”、“ddd”…で示される印刷メディア毎のメディアファイルMFが用意されている。また、プリンター識別情報“CCC”のプリンター30に対応して、符号“eee”、“fff”、“ggg”…で示される印刷メディア毎のメディアファイルMFが用意されている。つまり、メディアテーブルMTには、プリンター30毎に、プリンター30が使用可能な印刷メディア毎のメディアファイルMFが格納されている。前記符号“aaa”、“bbb”、“ccc”、“ddd”…は、印刷メディアつまり後述のメディア基本情報MIを区別するための便宜上の表記でもある。
1つのメディアファイルMFは、1種類の印刷メディアに対応しており、メディア基本情報MI、画像処理情報PIおよび印刷設定情報SIが対応付けられた情報である。
メディア基本情報MIは、印刷メディアに関する様々な情報を含んでおり、例えば、印刷メディアの名称(メディア名称)、印刷メディアの素材のタイプ(メディアタイプ)、印刷メディアを市場に提供する提供元(メディアベンダー)、印刷メディアのサイズ(長さ、幅、重さ)、メディアファイルMFの更新日時、当該印刷メディアを使用可能なプリンター30の機種名等が含まれ得る。さらにメディア基本情報MIには、想定される印刷メディアの使用地域(リージョン)や、印刷メディアを顧客に販売する販売者(メディアディーラー)等の情報が含まれる場合がある。
画像処理情報PIは、対応する印刷メディア用の印刷データの生成のために画像処理装置20にとって必要となる情報である。例えば、画像処理情報PIには、カラープロファイル、色変換テーブル、ドット振分テーブル等が含まれ得る。カラープロファイルは、例えば、対応する印刷メディアの発色特性に関連して規定されたICC(International Color Consortium)プロファイルである。ICCプロファイルは、印刷データの生成工程の色変換処理において、対応する印刷メディア上で画像の色合いを高精度に再現するための情報であり、画像処理の分野で事実上標準化された客観性を有するものである。
色変換テーブルは、画像の表色系の変換(例えば、RGB(レッド、グリーン、ブルー)表色系からCMYK表色系への色変換)に際して用いられるルックアップテーブル(LUT)であり、これも対応する印刷メディアの特性に応じて規定されている。ドット振分テーブルは、色変換処理により得られたプリンター30が印刷に使用するインク色(例えば、CMYK)毎のラスターデータを、さらに画素毎に複数サイズのドットのいずれかに振り分けるドット振り分け処理のためのテーブルである。例えば、プリンター30が一滴あたりのインク重量が異なる3種類のドット(大ドット、中ドット、小ドット)を吐出可能なインクジェットプリンターであるとした場合、インク色毎のラスターデータは、画素毎の階調値がこのような3種類のいずれかのドットのオン情報またはドットのオフ情報に変換される。
さらに画像処理情報PIについて詳細に説明すると、画像処理情報PIは、ユーザーが任意に選択可能な印刷モード別に情報を有している。
図3は、ある1種類の印刷メディア(例えば、メディア基本情報MIが“aaa”である印刷メディア)に対応する画像処理情報PIであって、印刷モード別に情報が分けられている構造を例示している。当該印刷メディアを用いて印刷する場合、ユーザーは、複数の印刷モード1,2,3…のいずれかを選択可能であるとする。
印刷モードが異なることで、印刷に要する時間や画質が異なる。図3に例示するように、画像処理情報PIにおいては、印刷モード1,2,3…毎に、適切なパス数、印刷解像度、ICCプロファイル、色変換テーブル、ドット振分テーブル等がそれぞれ定義されている。パス数とは、プリンター30のキャリッジに搭載された印刷ヘッドが印刷メディアの一定領域を印刷するために当該領域上を移動する回数であり、基本的には、パス数が多い程、印刷に要する時間は長くなるが画質は高くなる。必要とされるICCプロファイル、色変換テーブル、ドット振分テーブル等は、基本的には印刷モード毎に異なるが、一部の印刷モード間で共通していることもある。
印刷設定情報SIは、対応する印刷メディアへの印刷のためにプリンター30にとって必要となる情報である。例えば、印刷設定情報SIには、前記ヒーターの温度、印刷メディアの搬送に関するパラメーター、印刷メディアの乾燥時間、印刷メディアを支持するプラテンから印刷ヘッドまでの高さであるプラテンギャップ、印刷ヘッドが有するノズルのクリーニング頻度等の様々な項目毎の設定値が含まれている。
このようなメディアテーブルMTを記憶している点で、印刷管理装置10の記憶部12は、各印刷メディア用の印刷データの生成のために必要となる画像処理情報PIと各印刷メディアへの印刷のために必要となる印刷設定情報SIとを対応付けた情報であるメディア印刷情報(印刷メディア毎のメディアファイルMF)を、プリンター30毎に記憶するメディア印刷情報記憶部、に該当すると言える。また、このような印刷メディア毎のメディアファイルMFは、印刷メディアに応じた印刷に必要な設定情報を含んだメディア印刷情報であると言える。ここで言う“設定情報”には、画像処理情報PIや印刷設定情報SIが含まれる。
3.メディアサーバーの説明:
メディアサーバー60は、市場に流通する種々の印刷メディア毎のメディアファイルMFを登録したメディアリスト61(図1)を保有している。印刷メディア毎のメディアファイルMFは、例えば、各印刷メディアのメディアベンダーによって生成され、インターネット通信網50を介してメディアサーバー60にアップロードされ、メディアリスト61に登録される。また、メディアベンダーがメディアサーバー60を管理、運営する立場の事業者(メディアサーバー管理者)に対して自社の印刷メディアに関する情報を提供し、当該提供された情報に基づいてメディアサーバー管理者が生成したメディアファイルMFがメディアリスト61に登録されるとしてもよい。
メディアベンダーの中には、プリンターを市場に提供する提供元(プリンターベンダー)も含まれ得る。また、メディアベンダーやプリンターベンダーがメディアサーバー管理者であってもよい。また、メディアサーバー60は、このようなメディアサーバー管理者の数に応じて存在していてもよい。
上述したように1つのメディアファイルMFは1種類の印刷メディアに対応しているが、1種類の印刷メディアに対応するメディアファイルMFは1つとは限らない。
例えば、1種類の印刷メディアに対応するメディアファイルMFとして、対応するリージョン(例えば、日本、北米、欧州、中国…等)毎に設定情報を異ならせた複数のメディアファイルMFが生成され、メディアリスト61に登録される。印刷物の色に関する嗜好は、世界の地域毎に異なることがある。例えば、ある地域では原色に近い派手な色使いが好まれたり、また別の地域では比較的淡い色使いが好まれたりする。そのため、1種類の印刷メディアに関して、リージョン毎の前記嗜好に応じて画像処理情報PIや印刷設定情報SIが調整された結果、リージョン毎のメディアファイルMFが生成され、メディアリスト61に登録され得る。リージョン毎に生成されたメディアファイルMFのメディア基本情報MIには、該当するリージョンが記述される。
またメディアファイルMFは、メディアディーラーによってカスタマイズされた上で、メディアリスト61に登録されることもある。メディアディーラーは、商習慣上、メディアベンダーと比べて、ユーザーとの結びつきが強い場合が多い。典型的には、メディアベンダーからメディアディーラーへ商品(印刷メディア等)が卸され、ユーザーは、メディアディーラーから商品を購入する。そのため、メディアディーラーは、自身の顧客毎の印刷物の色に関する嗜好や、画質や印刷時間の長短に関するこだわり等を把握し易い。また、例えばプリンター30を使用する印刷業者(ユーザー)は、付き合いのあるメディアディーラーに対し、所望の印刷結果が得られるようにメディアファイルMFのカスタマイズを要望することも考えられる。
このような状況を鑑みて、メディアディーラーは、メディアリスト61に登録されている(あるいは登録される予定の)メディアファイルMFを、メディアサーバー60やメディアベンダー等から取得し、自身の顧客の嗜好やこだわりに応じて画像処理情報PIや印刷設定情報SIを独自に調整したメディアファイルMFを生成し、メディアリスト61に登録することができる。そのため、1種類の印刷メディアに関して、メディアディーラー毎のメディアファイルMFが生成され、メディアリスト61に登録され得る。メディアディーラーが生成したメディアファイルMFのメディア基本情報MIには、該当するメディアディーラーが記述される。なお、メディアベンダーとメディアディーラーとを厳格に分けることは必須ではなく、メディアベンダーに該当し得る事業者をメディアベンダーと呼び、メディアディーラーに該当し得る事業者をメディアディーラーと呼べばよい。また、メディアベンダーがメディアディーラーを兼ねることも有り得る。
このように、メディアファイルMFのメディア基本情報MIには、リージョンやメディアディーラーの情報が含まれることから、メディアサーバー60は、表示装置(印刷管理装置10)に対して、地域情報を含むメディア印刷情報(メディアファイルMF)や、販売者情報を含むメディア印刷情報(メディアファイルMF)を提供すると言える。
メディアサーバー60では、メディアリスト61に一旦載せたメディアファイルMFを後に更新する場合がある。例えば、印刷メディアの仕様変更や、印刷メディアへの印刷品質を向上させるための各種情報(画像処理情報PI、印刷設定情報SI)の改善などが行われる場合がある。また、プリンター30のファームウェアFWが更新されることに伴い、当該プリンター30で使用可能な各印刷メディアのメディアファイルMFの更新が必要となる場合もある。メディアサーバー60において、このようなメディアファイルMFの更新がされたとき、当該更新の日時が、当該メディアファイルMFのメディア基本情報MI内の前記更新日時に反映される。
印刷管理装置10では、制御部11が印刷管理プログラム16を実行することにより、メディアサーバー60から必要なメディアファイルMFを取得する。つまり制御部11は、メディアサーバー60が保持する複数の印刷メディア毎のメディア印刷情報(メディアファイルMF)の中から、選択した(所望の)メディアファイルMFを取得し、メディア印刷情報記憶部(記憶部12)に記憶させる。制御部11は、通信IF15を介して、メディアサーバー60へアクセスし、管理対象としているあるプリンター30(ここでは便宜上、特定プリンターと呼ぶ。)が使用可能な印刷メディアに対応するメディアファイルMFをメディアサーバー60に要求する。メディアサーバー60は、当該要求にかかるメディアファイルMFをメディアリスト61から抽出し、抽出したメディアファイルMFをインターネット通信網50を通じて印刷管理装置10へ送信する。このようにして、メディアファイルMFがメディアサーバー60から印刷管理装置10へダウンロードされる。
制御部11は、ダウンロードしたメディアファイルMFを、前記特定プリンターに対応付けて記憶部12に記憶させる(メディアテーブルMT内に前記特定プリンターに対応するメディアファイルMFの1つとして記憶させる)。このとき、ダウンロードしたメディアファイルMFが、現在のメディアテーブルMTにおいて前記特定プリンターに対応するメディアファイルMFとして存在しないものであれば、当該ダウンロードしたメディアファイルMFを前記特定プリンターに対応付けてメディアテーブルMTに新たに追加する。一方、ダウンロードしたメディアファイルMFと同じ印刷メディアに対応するメディアファイルMFであって、前記更新日時が当該ダウンロードしたメディアファイルMFの前記更新日時よりも古いメディアファイルMFが、現在のメディアテーブルMTにおいて前記特定プリンターに対応するメディアファイルMFとして存在していれば、当該ダウンロードしたメディアファイルMFを前記更新日時が古いメディアファイルMFに対して上書きする。
以上の説明を踏まえ、更に本実施形態の詳細を説明する。
4.メディアファイルMFのダウンロード:
図4は、印刷管理プログラム16を実行する制御部11が提供するユーザーインターフェイス(UI)画面160を例示している。UI画面160は、表示部13に表示され、ユーザーは、操作受付部14を操作することにより、UI画面160に対する入力を行うことができる。あるいは、UI画面160は、印刷管理装置10に接続する画像処理装置20の表示部23に表示され、ユーザーは、操作受付部24を操作することにより、UI画面160に対する入力を行うとしてもよい。
UI画面160は、印刷管理装置10が管理対象としている複数のプリンター30それぞれについて、種々の関連情報を表示し、またユーザーからの入力を受け付けるための画面の一例である。図4の例では、UI画面160は、印刷管理装置10が管理対象としている3台のプリンター30それぞれに対応した3つのタブ161,162,163が表示されている。むろん、管理対象のプリンター30の台数に応じて当該タブの数が決まる。各タブ161,162,163には、分かり易いように、例えば夫々のプリンター30のプリンター識別情報のうちの機種名(機種名“xxx”、“yyy”、“zzz”)が表示されている。ユーザーは、このような機種名を見て所望のタブを選択することにより、印刷管理装置10が管理対象としている複数台のプリンター30のうちのいずれか1つのプリンター30に関する専用画面を閲覧することができる。図4の例では、タブ161が選択されており、その結果、タブ161が対応するプリンター30(機種名“xxx”のプリンター30)の専用画面164が開かれている。
専用画面164には、第1メディア登録リスト165、第2メディア登録リスト166、サーバーアクセスボタン167等が表示されている。メディアサーバー60からのメディアファイルMFの取得を望むユーザーは、サーバーアクセスボタン167を操作(クリックやタップ)する。制御部11は、サーバーアクセスボタン167への操作を検知した場合、メディアファイルMFのダウンロード用画面170を新たに生成した上で、通信IF15を介してメディアサーバー60へアクセスしてメディアリスト61を表示部13(あるいは表示部23)に表示させる。
図5は、ダウンロード用画面170を例示している。ダウンロード用画面170は、制御部11が提供するウェブページである。ダウンロード用画面170には、メディアサーバー60が有するメディアリスト61が表示される。メディアリスト61は、メディアサーバー60が有するメディアファイルMFの存在を、例えば、メディアベンダー、メディア名称、メディアタイプ、機種名(当該メディアファイルMFが対応する印刷メディアを使用可能なプリンターの機種名)、更新日時等といったメディア基本情報MIに含まれる幾つかの項目によって示している。
ユーザーは、ダウンロード用画面170に表示されたメディアリスト61から任意にメディアファイルMFを選択した上で、ダウンロードする所定の操作(例えば、ダウンロード用画面170に用意されたダウンロードボタン178の操作)を行う。当該操作を受けると、印刷管理装置10は、メディアサーバー60に対して当該選択されたメディアファイルMFを指定してダウンロード要求を行う。この要求を受けたメディアサーバー60は、当該選択されたメディアファイルMFを印刷管理装置10へ送信する。図4の例では、機種名“xxx”のプリンター30の専用画面164が開かれており、この専用画面164のサーバーアクセスボタン167の操作の結果、ダウンロード用画面170が開かれていることから、ユーザーは、メディアリスト61から機種名が“xxx”であるメディアファイルMFを選択し、ダウンロードすることができる。
なお、図4の例のように機種名“xxx”のプリンター30の専用画面164が開かれ、この専用画面164のサーバーアクセスボタン167の操作の結果、ダウンロード用画面170が生成される場合、制御部11は、メディアサーバー60に、メディアサーバー60が有するメディアファイルMFのうち機種名“xxx”に対応するメディアファイルMFのみを表示するためのデータを要求する。メディアサーバー60は、当該要求に応え、保有する大量のメディアファイルMFのうち機種名“xxx”に対応するメディアファイルMFのみを表示するためのデータを制御部11へ送信する。制御部11は、当該取得したデータに基づいて、メディアサーバー60が有するメディアファイルMFのうち機種名“xxx”に対応するメディアファイルMFのみを列挙したリスト(メディアリスト61の一部分)をダウンロード用画面170に表示させる。この結果、ユーザーは、ダウンロード用画面170に表示されたメディアリスト61から任意にメディアファイルMFを選択することにより、機種名“xxx”に対応するメディアファイルMFを容易かつ確実にダウンロードすることができる。
さらに本実施形態では、ダウンロード用画面170には、メディアリスト61から所望のメディアファイルMFを検索して表示するための検索ツール171が表示される。検索ツール171は、リージョン(地域)、メディアベンダー、メディアディーラー、機種名、メディアタイプといった種々の制限情報(検索条件)を夫々選択するための条件選択欄172,173,174,175,176や、検索ボタン177を含んでいる。条件選択欄172,173,174,175,176は、例えばプルダウンメニュー形式のGUIとなっている。ただし、検索ツール171は、図5に示す条件選択欄172,173,174,175,176の一部を有していないとしてもよいし、条件選択欄172,173,174,175,176以外の条件選択欄を更に有しているとしてもよい。
図6A,6Bは、このような条件選択欄が操作される様子を示しており、代表例として、図6Aは制限情報としての地域情報、つまり前記リージョンを選択するための条件選択欄172が操作される様子を示している。また図6Bは、制限情報としての販売者情報、つまり前記メディアディーラーを選択するための条件選択欄174が操作される様子を示している。ユーザーは、図6Aに例示したように、条件選択欄172に提示された“全て”、“日本”、“北米”、“欧州”、“中国”…等の選択肢の中から所望のリージョンを選択することができる。また、ユーザーは、図6Bに例示したように、条件選択欄174に提示された“全て”、“ディーラーA”、“ディーラーB”、“ディーラーC”…等の選択肢の中から所望のメディアディーラーを選択することができる。
言うまでもなく、1つの条件選択欄における“全て”とは、当該条件選択欄において条件を制限しないことを意味する。また、条件選択欄172,173,174,175,176におけるデフォルトの選択状況は、機種名を選択するための条件選択欄175を除いて、“全て”である。機種名を選択するための条件選択欄175におけるデフォルトの選択状況は、当該ダウンロード用画面170の表示の契機となったサーバーアクセスボタン167を有する専用画面164が対応するプリンター30の機種名(図4の例では、機種名“xxx”)となる。
制御部11は、検索ボタン177が操作された時点で条件選択欄172,173,174,175,176で選択されている制限情報(検索条件)の組合せを取得する。そして、取得した当該検索条件の組合せに対応するメディアファイルMFのみを表示するためのデータを、メディアサーバー60に要求する。メディアサーバー60は、当該要求に応え、保有する大量のメディアファイルMFのうち、メディア基本情報MIが当該検索条件の組合せに対応しているメディアファイルMFのみを表示するためのデータを制御部11へ送信する。制御部11は、当該取得したデータに基づいて、メディアサーバー60が有するメディアファイルMFのうち当該検索条件の組合せに対応するメディアファイルMFのみを列挙したリスト(メディアリスト61の一部分)をダウンロード用画面170に表示させる。この結果、ユーザーは、ダウンロード用画面170に表示されたメディアリスト61から任意にメディアファイルMFを選択することにより、所望の具体的な条件に合致するメディアファイルMFを容易にダウンロードすることができる。
このような検索ツール171を備えたダウンロード用画面170を表示し、検索ツール171を介して検索条件を取得し、検索条件に合うメディアファイルMFのリスト(メディアリスト61の一部分)をダウンロード用画面170に表示させる点で、印刷管理装置10は、印刷メディア毎のメディア印刷情報(メディアファイルMF)の中から、制限情報に基づいてメディアファイルMFを抽出し、当該抽出したメディアファイルMFを表示する表示装置に該当すると言える。印刷管理装置10とメディアサーバー60との関係性においては、印刷管理装置10が実質的に、メディアサーバー60が有するメディアリスト61の中から制限情報に基づいて一部のメディアファイルMFを抽出していると言える。あるいは、メディアサーバー60が、印刷管理装置10から前記抽出の要求を受けて、自身のメディアリスト61の中から制限情報に基づいて一部のメディアファイルMFを抽出し、抽出したメディアファイルMFを所定の表示部(表示部13等)に表示させるとも表現できる。従って、メディアサーバー60を、メディアリスト61の表示を制御する表示装置と捉えることも可能である。
ダウンロード用画面170に表示されるメディアリスト61は、メディアファイルMF毎のダウンロードの状況を示す表示欄が含まれているとしてもよい(図5参照)。当該状況の表示欄には、対応するメディアファイルMFが印刷管理装置10へ既にダウンロードされたか(取得済みか)未だダウンロードされていないか(未取得か)が示される。また、図5ではダウンロード用画面170の大きさの都合により表示していないが、メディアリスト61においては、当然、メディアファイルMF毎のリージョンやメディアディーラーの項目を示す表示欄が更に設けられるとしてもよい。
第1メディア登録リスト165(図4)には、専用画面164のプリンター30(機種名“xxx”のプリンター30)に対応して上述のようにメディアサーバー60から印刷管理装置10へダウンロードされたメディアファイルMFが表示されている。図4の例では、第1メディア登録リスト165には、メディアベンダー、メディア名称、メディアタイプ…といったメディア基本情報MIに含まれる幾つかの項目により、ダウンロードされた各メディアファイルMFの存在がユーザーに示されている。専用画面164においては、第1メディア登録リスト165内のメディアファイルMFを、第2メディア登録リスト166(図4)に登録することができる。第2メディア登録リスト166は、印刷メディアにメディア番号を付して登録する。メディア番号とは、例えば、♯1から始まる連番であり、プリンター30毎に、そのプリンター30を含むシステム1内のみで印刷メディアを識別するための便宜上の番号である。メディア番号は、メディア基本情報MIとしてメディアサーバー60からダウンロードされるものではない。
例えば、ユーザーは、第2メディア登録リスト166に登録したいメディアファイルMFを第1メディア登録リスト165内で選択するとともに、対応付けたいメディア番号(例えば、メディア番号♯1)を第2メディア登録リスト166内で選択する。この状況で、ユーザーは、専用画面164内に用意されたコピーボタン168を操作する。このような操作に応じて、制御部11は、第1メディア登録リスト165内で選択されているメディアファイルMFに関する表示を、第2メディア登録リスト166内で選択されているメディア番号に対応する欄にコピーして表示させる。図4では、第1メディア登録リスト165、第2メディア登録リスト166夫々の大きさの都合により表示していないが、これらリスト165,166においても当然、メディアファイルMF毎のリージョンやメディアディーラーの項目を示す表示欄が更に設けられるとしてもよい。
印刷管理装置10の記憶部12には、メディアサーバー60から前記のようにダウンロードされた各メディアファイルMFを記憶する第1記憶領域(第1メディア登録リスト165内の各メディアファイルMFを実際に記憶する領域)と、第2メディア登録リスト166に登録するメディアファイルMFをメディア番号と対応付けて実際に記憶する第2記憶領域とが用意されている。従って、制御部11は、第1記憶領域に記憶されている前記選択されたメディアファイルMFをコピーして、第2記憶領域に前記選択されたメディア番号と対応付けて貼り付ける処理を実行する。つまり、第1記憶領域、第2記憶領域ともに、印刷管理装置10が管理対象とするプリンター30毎に、プリンター30に対応付けられた各メディアファイルMFが記憶されることとなる。このように、第1記憶領域または第2記憶領域に記憶されている、プリンター30毎に対応付けられた各メディアファイルMFが、メディアテーブルMT(図2)の具体的内容例に該当する。
第1メディア登録リスト165には、同じ印刷メディアに対応しつつ異なるリージョンに対応する複数のメディアファイルMFが表示されることが有り得る。そのため、第2メディア登録リスト166には、同じ印刷メディアに対応しつつ異なるリージョンに対応する複数のメディアファイルMFがそれぞれ異なるメディア番号に対応付けられて登録されることがある。同様に、第1メディア登録リスト165には、同じ印刷メディアに対応しつつ異なるメディアディーラーに対応する複数のメディアファイルMFが表示されることが有り得る。そのため、第2メディア登録リスト166には、同じ印刷メディアに対応しつつ異なるメディアディーラーに対応する複数のメディアファイルMFがそれぞれ異なるメディア番号に対応付けられて登録されることがある。
5.印刷設定情報SIの編集:
ユーザーは、第2メディア登録リスト166に登録したメディアファイルMFの印刷設定情報SIを編集することができる。ユーザーは、印刷設定情報SIを編集する対象のメディアファイルMF(編集対象ファイル)を第2メディア登録リスト166内で選択した状態で、編集開始のための所定操作を実行する。すると制御部11は、当該操作に応じて、編集対象ファイルの印刷設定情報SIを編集するための編集用画面180を、表示部13(あるいは表示部23)に表示させる。
図7は、編集用画面180を例示している。編集画面180は、編集対象ファイルのメディア基本情報MIの一部、例えばメディア名称(メディア設定名)等を編集可能な編集入力欄181を有するが、主に、印刷設定情報SIの各項目を編集可能な編集入力欄182を有している。ユーザーは、編集入力欄182に対して任意の入力を行うことで、編集対象ファイルの現在の印刷設定情報SIの各項目(プラテンギャップ、ヒーターの温度、印刷メディアの搬送に関するパラメーター、印刷メディアの乾燥時間、クリーニング頻度…等の各項目)の設定値を変更(編集)することができる。
ユーザーは、編集入力欄182等への任意の入力をした上で、編集用画面180に用意されているOKボタン183を操作する。当該OKボタン183への操作に応じて、制御部11は、編集用画面180の表示を終了させるとともに、当該OKボタン183が操作された時点での編集用画面180内での編集内容により、第2記憶領域に記憶されている編集対象ファイルの印刷設定情報SI等を更新する。これにより、ユーザーが第2メディア登録リスト166内で編集対象ファイルとして任意に選択したメディアファイルMF(例えば、メディア番号♯1のメディアファイルMF)の印刷設定情報SIが編集されたことになる。制御部11は、記憶部12の第1記憶領域に記憶されているメディアファイルMFは編集の対象とせず、記憶部12の第2記憶領域に記憶されているメディアファイルMFの印刷設定情報SIを編集の対象とすることで、メディアサーバー60から取得した状態のままのメディアファイルMFも保持することができる。
このようにメディア印刷情報記憶部(記憶部12)が記憶する印刷設定情報SIは、編集された後の印刷設定情報SIを含むと言える。また、印刷管理装置10は、制御部11、表示部13、操作受付部14等が、印刷設定情報SIに対する編集を受け付ける編集受付部としても機能すると言え、当該編集受付部は、受け付けた操作に応じて編集した印刷設定情報SIにより、メディア印刷情報記憶部(記憶部12)が記憶している印刷設定情報SIを更新する。
6.プリンター30との印刷設定情報SIの同期:
本実施形態では、印刷管理装置10は、管理対象とするプリンター30毎に対応付けて記憶部12に記憶しているメディアファイルMFの印刷設定情報SIを、夫々が対応する各プリンター30にも記憶させる。つまり各プリンター30は、印刷管理装置10が記憶する印刷設定情報SIを記憶するための記憶部32(印刷設定情報記憶部)を備え、記憶部32は、印刷管理装置10から取得した印刷設定情報SIを格納する印刷設定情報テーブル320(図1)を有している。
この場合、制御部11は、管理対象としているプリンター30に対応付けて記憶部12の第2記憶領域に記憶している各メディアファイルMFの印刷設定情報SIを、当該メディアファイルMFのメディア基本情報MIとともに、通信IF15を介して、対応するプリンター30へ送信する。より具体的には、ユーザーは、例えば専用画面164に用意された適用ボタン169(図4)を操作する。制御部11は、適用ボタン169が操作されたことに応じて、当該適用ボタン169を有する専用画面164が対応するプリンター30(例えば、機種名“xxx”のプリンター30)に対応付けて記憶部12の第2記憶領域に現在記憶されている各メディアファイルMFのメディア基本情報MIと印刷設定情報SIとを、当該プリンター30へ送信する。
図8は、プリンター30が有する印刷設定情報テーブル320を例示している。プリンター30の制御部31は、印刷管理装置10から送信された、自身が使用可能な印刷メディア毎のメディア基本情報MIと印刷設定情報SIとの組み合わせを、記憶部32の印刷設定情報テーブル320に格納する。上述したように、メディア基本情報MIには、メディア名称、メディアタイプ、メディアベンダー、印刷メディアのサイズ、メディアファイルMFの更新日時、当該印刷メディアを使用可能なプリンター30の機種名、リージョン、メディアディーラー等、様々な情報が含まれる。しかし、印刷設定情報テーブル320においては、このようなメディア基本情報MIの全てが必要な訳ではなく、印刷設定情報テーブル320内で印刷設定情報SIと一対一で対応付けられた情報が有ればよい。
本実施形態では、印刷設定情報テーブル320には、印刷メディア毎のメディア基本情報MIの他に、プリンター30を特定したシステム1内でのみ通用する前記メディア番号が格納されるとする(図8参照)。つまり、制御部11は、適用ボタン169が操作された場合、当該適用ボタン169を有する専用画面164が対応するプリンター30に対応付けて記憶部12の第2記憶領域に現在記憶されている各メディアファイルMFの、メディア番号と、メディア基本情報MIと、印刷設定情報SIとを、当該プリンター30へ送信する。ただし、メディア番号は必須ではなく、メディアファイルMF毎の印刷設定情報SIを識別可能な情報であればよい。
プリンター30が記憶部32(印刷設定情報テーブル320)に記憶する印刷メディア毎の印刷設定情報SIは、内容が印刷管理装置10側の印刷設定情報SIと一致していることが望ましい。そこで、制御部11は、記憶部12においてプリンター30毎に記憶されている印刷設定情報SIと、各プリンター30に記憶させる印刷設定情報SIとを同期させる。上述したように、制御部11は、適用ボタン169が操作された場合、当該適用ボタン169を有する専用画面164が対応するプリンター30に対応付けて記憶部12の第2記憶領域に“現在”記憶されている各メディアファイルMFの印刷設定情報SIを、当該プリンター30へ送信する。あるプリンター30に関し、上述したように編集用画面180を通じて、第2記憶領域に記憶されている編集対象ファイル(メディアファイルMF)の印刷設定情報SIが編集された場合、その後に当該プリンター30へ送信される印刷設定情報SIは、当然、編集後の印刷設定情報SIとなる。
つまり、制御部11は、記憶部12(第2記憶領域)における編集後の印刷設定情報SIをプリンター30へ送信して記憶させることにより、印刷管理装置10とプリンター30との間で印刷設定情報SIの同期を実現すると言える。プリンター30側では、自身が使用可能な印刷メディアに対応したメディア基本情報MI(およびメディア番号)と印刷設定情報SIとの組み合わせを印刷管理装置10から受信した場合、印刷設定情報テーブル320に当該受信した印刷設定情報SIと同じメディア基本情報MI(およびメディア番号)に対応する印刷設定情報SIが既に格納されている場合には、当該受信した印刷設定情報SIを当該同じメディア基本情報MI(およびメディア番号)に対応する印刷設定情報SIに上書きする。このように印刷設定情報SIが印刷管理装置10からプリンター30へ送信される処理について、プリンター30側の視点で表現すると、制御部31は、印刷管理装置10に記憶されている印刷設定情報SIと、記憶部32(印刷設定情報テーブル320)に記憶されている印刷設定情報SIとを同期させると言える。つまり、制御部31は、印刷管理装置10における編集後の印刷設定情報SIを印刷管理装置10から取得して記憶部32(印刷設定情報テーブル320)に記憶させることにより、印刷設定情報SIの同期を実現すると言える。
なお、制御部11は、編集用画面180のOKボタン183が操作され、かつその後に、専用画面164の適用ボタン169が操作された場合に、当該OKボタン183が操作された時点での編集用画面180内での編集内容による第2記憶領域に記憶されている編集対象ファイル(メディアファイルMF)の印刷設定情報SIの更新と、当該更新後(編集後)の印刷設定情報SIを対応するプリンター30へ送信する処理とを、同時に実行するとしてもよい。このような構成によれば、印刷管理装置10側での印刷設定情報SIの編集を、即座に、プリンター30側で保有する印刷設定情報SIに反映させることができる。
上述したような、UI画面160における専用画面を通じたメディアファイルMFのダウンロードや、ダウンロードしたメディアファイルMFとメディア番号とを対応付ける処理や、印刷設定情報SIを編集する処理や、印刷設定情報SIをプリンター30へ送信する処理(印刷設定情報SIを同期させる処理)の手順は、印刷管理装置10が管理対象としている他のプリンター30(機種名“yyy”や“zzz”のプリンター30)のタブ162,163(図4)が選択された場合も同様である。また、制御部11は、管理対象としている各プリンター30が使用可能な印刷メディア毎のメディアファイルMFが、メディアサーバー60のメディアリスト61において新たに登録されたり更新されたりすることを、メディアサーバー60との通信により定期的にチェックし、チェックの結果に応じ、ダウンロード未実施のメディアファイルMFをプリンター30に対応付けてメディアサーバー60から自動的にダウンロードするとしてもよい。
プリンター30は、印刷設定情報SIの編集や同期に関して常に受け身であるとは限らない。制御部31は、印刷設定情報テーブル320に格納されている印刷設定情報SIのいずれかを選択した編集の要求を、操作受付部34への所定操作に応じて受け付ける。制御部31は、このような編集の要求を受け付けたとき、例えば、上述の編集用画面180に相当する編集用画面(プリンター側編集用画面)を表示部33へ表示させる。そして制御部31は、表示部33に表示させたプリンター側編集用画面を通じて、前記選択された印刷設定情報SIに対する、ユーザーによる操作受付部34の操作に応じた任意の編集を受け付ける。
ユーザーは、プリンター側編集用画面への任意の入力をした上で、例えば、プリンター側編集用画面に用意されているOKボタンを操作する。当該OKボタンへの操作に応じて、制御部31は、プリンター側編集用画面の表示を終了させるとともに、当該OKボタンが操作された時点でのプリンター側編集用画面内での編集内容により、印刷設定情報テーブル320に格納されている前記選択された印刷設定情報SIを更新する。これにより、ユーザーがプリンター30が有する印刷設定情報テーブル320内で編集対象として任意に選択した印刷設定情報SIが編集されたことになる。
このようにプリンター30は、制御部31、表示部33、操作受付部34等が、印刷設定情報SIに対する編集を受け付ける編集受付部としても機能すると言え、当該編集受付部は、受け付けた操作に応じて編集した印刷設定情報SIにより、印刷設定情報記憶部(記憶部32)が記憶している印刷設定情報テーブル320内の印刷設定情報SIを更新する。
プリンター30は、上述したようにプリンター側編集用画面を通じて、印刷設定情報テーブル320内の印刷設定情報SIが編集された場合、当該編集後の印刷設定情報SIを、対応するメディア基本情報MI(および又はメディア番号)とともに通信IF35を介して印刷管理装置10へ送信する。つまり、制御部31は、印刷設定情報記憶部(記憶部32)における編集後の印刷設定情報SIを印刷管理装置10へ送信して記憶させることにより印刷設定情報SIの同期を実現する。印刷管理装置10側では、メディア基本情報MI(および又はメディア番号)と印刷設定情報SIとの組み合わせをプリンター30から受信した場合、当該プリンター30および当該受信したメディア基本情報MI(および又はメディア番号)に対応して記憶部12の第2記憶領域に記憶されている印刷設定情報SIを、当該受信した印刷設定情報SIにより上書きする。これを印刷管理装置10側の視点で表現すると、制御部11は、プリンター30における編集後の印刷設定情報SIをプリンター30から取得してメディア印刷情報記憶部(記憶部12)に記憶させることにより印刷設定情報SIの同期を実現すると言える。
このように本実施形態では、印刷管理装置10、プリンター30のいずれにおいても印刷設定情報SIを編集し、編集結果を両装置間で同期させることができる。そのため、印刷メディア毎のプリンター30の設定を編集したいと望むユーザーの利便性が向上する。
7.画像処理装置20による印刷データ生成処理:
次に、システム1における画像処理装置20の動作を説明する。
図9は、画像処理装置20の制御部21が画像処理プログラム26を実行することにより実現する印刷データ生成処理をフローチャートにより示している。
制御部21は、印刷すべき画像を示す画像データをユーザーの操作に応じて取得する(ステップS100)。ここで言う画像データとは、例えば、画像処理装置20が搭載する文書作成ソフトウェアや描画ソフトウェアにより生成された画像データ、外部のデジタルカメラやスキャナーやその他のPC等から入力した画像データ等である。
制御部21は、印刷処理を実行させるプリンター30および印刷に使用する印刷メディアの指定を受け付ける(ステップS110)。制御部21は、例えば、管理対象とされているプリンター30および各プリンター30が使用可能な印刷メディアを、通信IF25を介して印刷管理装置10へ問い合わせる。当該問い合わせを画像処理装置20から受けた印刷管理装置10の制御部11は、管理対象としている各プリンター30のプリンター識別情報と、記憶部12(第2記憶領域)に各プリンター30に対応付けて記憶されている各メディアファイルMFのメディア基本情報MIとを、通信IF15を介して、当該問い合わせの送信元である画像処理装置20へ送信する。このとき、制御部11は、各プリンター30のプリンター識別情報と、記憶部12(第2記憶領域)に各プリンター30に対応付けて記憶されている各メディアファイルMFのメディア基本情報MIとに加え、各プリンター30に対応付けて記憶されている各メディアファイルMFのメディア番号を画像処理装置20へ送信してもよい。以下では、印刷メディアに関するメディア基本情報MIおよびメディア番号をまとめて、メディア基本情報MI等、と呼ぶ。
制御部21は、印刷管理装置10から上述のように送信された各プリンター30のプリンター識別情報と、各プリンター30に対応するメディア基本情報MI等とに基づいて、プリンター30および印刷メディアの指定を入力するためのUI画面(印刷条件入力UI画面)を生成し、表示部23に表示させる。印刷条件入力UI画面には、例えば、各プリンター30のプリンター識別情報に基づいて、各プリンター30の機種名、IPアドレス、シリアルナンバー、ファームウェアのバージョン等が表示される。さらに、印刷条件入力UI画面には、例えば、各プリンター30に対応するメディア基本情報MI等に基づいて、プリンター30毎の使用可能な印刷メディアの情報(メディア名称、メディアタイプ、メディアベンダー、リージョン、メディアディーラー、メディア番号等)が表示される。従って、ユーザーは、印刷条件入力UI画面を見ることにより、指定可能なプリンター30とプリンター30毎の指定可能な印刷メディアとを知ることができる。ユーザーは、操作受付部24を操作することにより、印刷条件入力UI画面に対して、プリンター30を指定する入力と、当該指定したプリンター30において使用可能な印刷メディアの中から印刷メディアを指定する入力とを行う。制御部21は、このような指定を受け付ける。
プリンター30および印刷メディアの指定を受け付けた画像処理装置20は、当該指定されたプリンター30および印刷メディアに対応する画像処理情報PIを、印刷管理装置10から取得する(ステップS120)。この場合、画像処理装置20は、プリンター30を指定するプリンター指定情報および印刷メディアを指定するメディア指定情報を、通信IF25を介して印刷管理装置10へ送信する。プリンター指定情報とは、印刷管理装置10が管理対象としているプリンター30のそれぞれを一義的に示す情報であればよく、例えば、プリンター30の機種名である。あるいは、印刷管理装置10が管理する複数台のプリンター30の中に同一機種のプリンター30が複数含まれている場合を想定して、プリンター指定情報は、例えば機種名とIPアドレスやシリアルナンバーとの組み合わせ等であってもよい。
メディア指定情報とは、指定されたプリンター30が使用可能な印刷メディアのそれぞれを一義的に示す情報であり、メディア名称等であってもよい。ただしメディア指定情報は、同じ印刷メディアを指す場合であっても、対応するリージョンやメディアディーラーが異なれば、それらの違いに応じた異なる情報である必要がある。本実施形態では、メディア指定情報として前記メディア番号を用いる。制御部21は、上述したようにステップS110で印刷条件入力UI画面を表示する際に、印刷管理装置10から印刷メディア毎のメディア基本情報MI等を取得済みであり、メディア番号はこのメディア基本情報MI等に含まれている。例えば、ユーザーが、印刷条件入力UI画面を通じて、機種名“xxx”のプリンター30を指定し、かつ当該機種名“xxx”のプリンター30が使用可能な複数の印刷メディアの中からメディア番号♯1が付された印刷メディアを指定したと仮定する。この場合、画像処理装置20は、機種名“xxx”のプリンター30を指定するプリンター指定情報と、メディア指定情報(=メディア番号♯1)とを印刷管理装置10へ送信する。
プリンター指定情報およびメディア指定情報を画像処理装置20から入力した印刷管理装置10の制御部11は、プリンター指定情報が指定するプリンター30およびメディア指定情報に対応して記憶部12(第2記憶領域)に記憶されているメディアファイルMFから、画像処理情報PIを読み出す。そして、当該読み出した画像処理情報PIを、通信IF15を介して、前記プリンター指定情報およびメディア指定情報の送信元である画像処理装置20へ送信する。これにより、画像処理装置20は、指定されたプリンター30および印刷メディアに対応する印刷データの生成に必要な画像処理情報PIを取得できたことになる。
次に、制御部21は、前記取得した画像処理情報PIに基づいて、前記指定された印刷メディア用の印刷データを生成する(ステップS130)。この場合、前記取得した画像データに対して、画像処理情報PIに基づく画像処理を実行することにより、前記指定されたプリンター30が印刷に使用するインク色(例えば、CMYK)毎のラスターデータ(印刷データ)を生成する。例えば、制御部21は、画像データに対して、画像処理情報PIに含まれる印刷解像度に応じた解像度変換処理や、色変換テーブルを用いた色変換処理や、カラープロファイルを用いたカラーマッチングや、ドット振分テーブルを用いたドット振り分け処理や、パス数に応じたデータの並び替え処理を実行し、最終的にプリンター30へ提供する形態の印刷データを生成する。
上述したように、画像処理情報PIは印刷モード別に情報を有している場合がある(図3)。画像処理情報PIが印刷モード別の情報を有している場合、制御部21は、それら印刷モードのいずれかを指定させるためのUI画面を表示部23に表示させ、ユーザーの操作受付部24の操作による印刷モードの指定を受け付ける。そして、制御部21は、当該指定された印刷モードに対応するパス数、印刷解像度、カラープロファイル、色変換テーブル、ドット振分テーブル等の画像処理情報PIに基づいて、印刷データを生成する。つまり、ユーザーが任意に指定したプリンター30、印刷メディアおよび印刷モードの組合せに最適な印刷データが生成される。
制御部21は、前記のように生成した印刷データを、印刷メディアを指定する前記メディア指定情報とともに、通信IF25を介して前記指定されたプリンター30へ送信する(ステップS140)。むろん、ステップS140で印刷データとともに送信するメディア指定情報は、ステップS110で受け付けた指定にかかる印刷メディアを示す情報(ここでは、メディア番号)であり、ステップS140における送信先のプリンター30は、ステップS110で受け付けた指定にかかるプリンター30である。印刷データとともにメディア指定情報を送信するとは、印刷データにメディア指定情報を付随させたり紐づけたりして送信する態様や、印刷データ内にメディア指定情報を含めて送信する態様等を含む。なお、印刷データの生成に際して上述したように印刷モードの指定を受けた場合には、制御部21は、ステップS140では、この指定された印刷モード、つまり印刷に際して採用すべき印刷モードを指定する印刷モード指定情報も含めて、印刷データをプリンター30へ送信する。印刷モード指定情報は、印刷モードの具体的内容、例えば、パス数等を含む情報である。
8.プリンター30による印刷処理:
図10は、プリンター30の制御部31がファームウェアFWに従って実行する印刷処理をフローチャートにより示している。
制御部31は、通信IF35を介して外部から印刷データを受信したか否かを判定する(ステップS200)。印刷データを受信した場合(ステップS200において“Yes”)、処理をステップS210へ進める。上述したように画像処理装置20が送信した、メディア指定情報が指定する印刷メディア用に生成された印刷データと当該メディア指定情報とを、プリンター30が受信する。
ステップS210では、制御部31は、前記印刷データとともに受信したメディア指定情報を取得し、当該メディア指定情報(メディア番号)に対応する印刷設定情報SIを、記憶部32の印刷設定情報テーブル320から読み出す。つまりプリンター30は、印刷設定情報テーブル320を有しているため、印刷データに基づく印刷処理を実行する際に、その都度印刷管理装置10にアクセスせずとも、印刷処理に必要な印刷設定情報SIを取得することができる。
次に、制御部31は、ステップS210で読み出した印刷設定情報SIに従ってプリンターエンジン36各部の動作条件を設定する(ステップS220)。制御部31は、前記読み出した印刷設定情報SIに従って、例えば、ヒーターの温度、搬送機構による印刷メディアの搬送、印刷メディアの乾燥時間、プラテンギャップ、クリーニング頻度等の様々な項目を設定する。そして、制御部31は、前記受信した印刷データをプリンターエンジン36に転送し、プリンターエンジン36に、前記受信したメディア指定情報が指定する印刷メディアへの、印刷データに基づく印刷を実行させる(ステップS230)。つまり、制御部31およびプリンターエンジン36は、それらが協働することにより、印刷設定情報SIに従った設定で印刷データに基づく印刷を実行する印刷処理部として機能する。
制御部31は、画像処理装置20から印刷モード指定情報を含んだ印刷データを受信することがある。制御部31は、印刷モード指定情報を含んだ印刷データを受信した場合には、印刷モード指定情報が指定する印刷モードによりプリンターエンジン36に印刷を実行させる。例えば、制御部31は、印刷モード指定情報が示す印刷モードのパス数に応じて、プリンターエンジン36が有するキャリッジの動作や搬送機構の搬送タイミングを制御することができる。以上により、ユーザーが指定したプリンター30によるユーザーが指定した印刷メディアへの印刷が完了する。
9.まとめ:
このように本実施形態では、印刷管理装置10は、印刷メディアに応じた印刷に必要な設定情報(印刷メディア用の印刷データの生成のために必要となる画像処理情報PIや、印刷メディアへの印刷のために必要となる印刷設定情報SI)を含んだメディア印刷情報(メディアファイルMF)を、プリンター30毎に記憶するメディア印刷情報記憶部(記憶部12)を備える。そして、印刷管理装置10は、メディア指定情報が指定する印刷メディアに対応して記憶部12に記憶されている画像処理情報PIを、画像処理装置20へ送信可能である。画像処理装置20は、印刷管理装置10から取得した画像処理情報PIに基づいて、メディア指定情報が指定する印刷メディア用の印刷データを生成し、メディア指定情報と生成した印刷データとをプリンター30へ送信する。プリンター30は、メディア指定情報と、メディア指定情報が指定する印刷メディア用に画像処理装置20により生成された印刷データとを受信する。
印刷管理装置10は、プリンター30に対応付けて記憶部12に記憶させる印刷設定情報SIを、プリンター30へ送信可能である。プリンター30は、印刷管理装置10から(例えば、印刷設定情報テーブル320を介在させて)取得した印刷設定情報SIに従った設定で、前記受信した印刷データに基づく印刷を実行する。つまり、画像処理装置20は、メディア指定情報が指定する印刷メディアに対応する画像処理情報PIに基づいて印刷データを生成し、プリンター30は、当該メディア指定情報が指定する印刷メディアに対応する印刷設定情報SIに従った設定を採用して印刷データに基づく印刷を行うことができる。そのため、画像処理装置20が印刷データの生成に際して用いる画像処理情報PIと、プリンター30が印刷データに基づく印刷に際して用いる印刷設定情報SIとに不整合(対応する印刷メディアの不一致)が生じず、品質の良好な印刷成果物が得られる。
特に、RIP装置(画像処理装置20)においてICCプロファイルを用いたカラーマッチング等により印刷メディアの特性に応じた精密な色合わせをした刷データを生成し、LFP(プリンター30)で印刷メディアに応じた細かな印刷設定(例えば、ヒーター温度やプラテンギャップ等の設定)を行った上で印刷データに基づく高画質な印刷成果物を出力させる場面において、本実施形態は大きな効果を奏する。印刷データ生成時に対象としていた印刷メディアと、プリンター30による印刷設定時に対象とする印刷メディアとが相違していると、印刷データと印刷設定とが最適な組み合わせとならず、結果、ユーザーが期待する高画質な印刷成果物を得ることができない。しかし本実施形態によれば、上述したような印刷メディアの不一致が確実に防がれるため、ユーザーが期待する高画質な印刷成果物を得ることができる。
また本実施形態によれば、印刷管理装置10は、メディアサーバー60が大量に保有する印刷メディア毎のメディア印刷情報(メディアファイルMF)の中から、制限情報に基づいてメディアファイルMFを抽出し、当該抽出したメディアファイルMFをダウンロード用画面170において表示する。メディアサーバー60が保有するメディアファイルMFのメディア基本情報MIには、リージョンやメディアディーラー等の情報が含まれており、メディアサーバー60は、このようなメディアファイルMFを印刷管理装置10へ提供可能である。従ってユーザーは、リージョンやメディアディーラーといった各種の制限情報を、ダウンロード用画面170の検索ツール171を操作して任意に選択することにより、印刷のために利用する設定情報を含んだメディアファイルMFを容易に選択し、ダウンロードすることができる。
より具体的には、例えば、北米地域向けの印刷結果物を得たいユーザーは、ダウンロード用画面170において、制限情報(検索条件)の1種として、リージョン=北米を選択する。これにより、印刷管理装置10は、メディアサーバー60が保有する同じ印刷メディア(例えば同じメディア名称)に対応しつつ異なる地域に対応付けられた複数のメディアファイルMFのうち、対応付けられたリージョンがダウンロード用画面170を通じて前記取得した地域情報(北米)に該当するメディアファイルMFを抽出し、ダウンロード用画面170に表示する。この結果、ユーザーは、ダウンロード用画面170を操作することにより、ある種類の印刷メディアに対応して北米向けに画像処理情報PIや印刷設定情報SIが最適化されたメディアファイルMFをダウンロードすることができる。そして、これら画像処理情報PIや印刷設定情報SIを利用した印刷データの生成や印刷設定下での印刷を画像処理装置20やプリンター30に実行させることで、当該種類の印刷メディアを用いて、地域の嗜好(北米における嗜好)に合った最適な印刷結果物を得ることができる。
また例えば、あるメディアディーラー(ディーラーB)の顧客であるユーザーは、ダウンロード用画面170において、制限情報の1種として、メディアディーラー=ディーラーBを選択する。これにより、印刷管理装置10は、メディアサーバー60が保有する同じ印刷メディアに対応しつつ異なるメディアディーラーに対応付けられた複数のメディアファイルMFのうち、対応付けられたメディアディーラーがダウンロード用画面170を通じて前記取得したメディアディーラー(ディーラーB)に該当するメディアファイルMFを抽出し、ダウンロード用画面170に表示する。この結果、ユーザーは、ダウンロード用画面170を操作することにより、ある種類の印刷メディアに対応してディーラーBにより画像処理情報PIや印刷設定情報SIが自身を含む顧客向けにカスタマイズされたメディアファイルMFをダウンロードすることができる。そして、これら画像処理情報PIや印刷設定情報SIを利用した印刷データの生成や印刷設定下での印刷を画像処理装置20やプリンター30に実行させることで、当該種類の印刷メディアを用いて、ディーラーBの顧客の嗜好(自身の嗜好)に合った最適な印刷結果物を得ることができる。
10.メディアファイルMFの閲覧制限システム:
本実施形態は、以下に説明するような各種実施例を含む。むろん、各実施形態や各実施例を適宜組み合わせた構成も本発明の開示範囲に含まれる。
上述したようにメディアディーラーは、顧客の要望に応じてカスタマイズしたメディアファイルMFをメディアサーバー60へ登録する。メディアディーラーがカスタマイズしたメディアファイルMFは特定の顧客にとって有用な情報を含んでいるため、何人も閲覧できる状況下に置くことは好ましくない場合がある。そこで、メディアディーラーに対応したメディアファイルMFについては、これを閲覧したりダウンロードしたりすることができるユーザーを制限する実施例を説明する。
図11は、メディアファイルMFの閲覧制限システム2の構成およびシステム2における処理の流れを簡易的に説明する図である。システム2は、メディアサーバー60、ディーラー端末70、印刷管理装置10等を含んでいる。システム1(図1)は、システム2を含む構成であってもよい。ディーラー端末70は、ある特定のメディアディーラー(例として、ディーラーA)が操作する端末であり、メディアサーバー60等と所定の通信網(インターネット通信網50等)を介して通信可能である。
ディーラー端末70は、メディアサーバー60に対し、自身の顧客グループの情報を登録することを要求する(ステップS300)。顧客グループとは、印刷に対する嗜好がある程度似た顧客の集まりであり、メディアディーラーは、自身の顧客を任意の数の顧客グループに分けて認識する。ディーラー端末70は、例えば、自身の複数の顧客グループ(ディーラーAの第1の顧客グループDAG1、ディーラーAの第2の顧客グループDAG2…)の情報の登録を、メディアサーバー60に要求する。メディアサーバー60は、当該要求に応え、ディーラー端末70に対応する各顧客グループの情報を自身の記憶部に登録する(ステップS310)。
ディーラー端末70は、メディアサーバー60に登録した自身の顧客グループ毎のメディアファイルMFを生成する(ステップS320)。つまり、あるメディアファイルMFを基にして、顧客グループDAG1,DAG2といった顧客グループ毎の嗜好に応じて画像処理情報PIや印刷設定情報SIをカスタマイズすることにより、顧客グループ毎のメディアファイルMFを生成する。ディーラー端末70は、このように生成した顧客グループ毎のメディアファイルMFをメディアサーバー60に登録するために送信する(ステップS330)。メディアファイルMFの送信を受けたメディアサーバー60は、受信した各メディアファイルMFを、登録済みの顧客グループに対応付けて記憶する(メディアリスト61に登録する、ステップS340)。例えば、ディーラー端末70から顧客グループDAG1用に生成されたメディアファイルMFを受信した場合は、メディアサーバー60は、そのメディアファイルMFを顧客グループDAG1に対応付けて記憶する。また、例えば、ディーラー端末70から顧客グループDAG2用に生成されたメディアファイルMFを受信した場合は、メディアサーバー60は、そのメディアファイルMFを顧客グループDAG2に対応付けて記憶する。
メディアサーバー60は、登録した顧客グループ毎に専用のキー(閲覧用コード)を生成する。そして、当該閲覧用コードを記述したファイルを暗号化した暗号化ファイルと、当該暗号化ファイルを解凍するための解凍用コードとを、前記顧客グループ用のメディアファイルMFの送信元となったディーラー端末70へ送信する(ステップS350)。これにより、例えば、顧客グループDAG1に専用の暗号化ファイルと解凍用コードのセットおよび顧客グループDAG2に専用の暗号化ファイルと解凍用コードのセットが、メディアサーバー60から前記ディーラーAのディーラー端末70へ送信される。
ディーラーA(ディーラー端末70)は、メディアサーバー60から受信した暗号化ファイルと解凍用コードのセットを、対応する顧客グループに属するユーザーへ提供する(ステップS360)。例えば、顧客グループDAG1に属するユーザーへは、顧客グループDAG1に専用の暗号化ファイルと解凍用コードのセットを提供し、顧客グループDAG2に属するユーザーへは、顧客グループDAG2に専用の暗号化ファイルと解凍用コードのセットを提供する。同じユーザーが、顧客グループDAG1および顧客グループDAG2の両方に属することも有り得る。顧客グループDAG1および顧客グループDAG2の両方に属するユーザーへは、顧客グループDAG1に専用の暗号化ファイルと解凍用コードのセットおよび顧客グループDAG2に専用の暗号化ファイルと解凍用コードのセットを提供することになる。
ディーラーAからユーザーへの暗号化ファイルと解凍用コードのセットの提供方法は、本実施形態では特に問わず、結果的に提供できる方法であればよい。例えば、ディーラーAは、暗号化ファイルと解凍用コードのセットを電子的に記録した記録媒体を、該当するユーザーへ発送する。あるいは、ディーラーA(ディーラー端末70)は、セキュリティを確保した電子的通信手段を用いて、暗号化ファイルと解凍用コードのセットを該当するユーザーが指定する端末へ送信するとしてもよい。
図11の例においては、ディーラーAの顧客であるユーザーUは、ディーラーAの顧客グループDAG1に属すると仮定する。従って、ユーザーUは、ディーラーA(ディーラー端末70)から、顧客グループDAG1に専用の暗号化ファイルと解凍用コードのセットを受け取る。ユーザーUは、印刷管理装置10あるいはその他の端末を操作することにより、受け取った顧客グループDAG1に専用の暗号化ファイルを印刷管理装置10へ入力する(ステップS370)。暗号化ファイルを入力した印刷管理装置10は、暗号化を解くための解凍用コードの入力を(例えば、解凍用コードの入力を促すメッセージをユーザーに提示する等して)ユーザーに要求する(ステップS380)。ユーザーUは、当該要求に応じて、顧客グループDAG1に専用の解凍用コードを印刷管理装置10へ入力する(ステップS390)。この結果、印刷管理装置10は、顧客グループDAG1に専用の暗号化ファイルを、入力された解凍用コードを用いて解凍し、顧客グループDAG1に専用の閲覧用コード(以下、閲覧用コードC‐DAG1)を取得する(ステップS400)。
なお、前記ステップS360においてディーラーA(ディーラー端末70)は、メディアサーバー60から受信した暗号化ファイルと解凍用コードのセットのうち、暗号化ファイルについては、対応する顧客グループに属するユーザーではなく、印刷管理装置10へ直接送信し、当該ユーザーへは解凍用コードだけを提供するとしてもよい。
印刷管理装置10は、上述したようにダウンロード用画面170にメディアリスト61を表示するためにメディアサーバー60へアクセスする際、取得済みの閲覧用コードをメディアサーバー60へ通知する(ステップS410)。メディアサーバー60は、印刷管理装置10から閲覧用コードの通知を伴うアクセスを受けた場合に、当該印刷管理装置10に対して、当該閲覧用コードが対応する顧客グループのメディアファイルMFの閲覧制限を解く(ステップS420)。
例えば、印刷管理装置10が、ダウンロード用画面170にメディアリスト61を表示するためにメディアサーバー60へアクセスする際、取得済みの閲覧用コードC‐DAG1をメディアサーバー60へ通知したとする。この場合、ユーザーが、ダウンロード用画面170の条件選択欄174で検索条件として“ディーラーA”を選択し、検索ボタン177を操作すると、この検索条件(メディアディーラー=ディーラーA)に対応するメディアファイルMFを表示するためのデータの要求が、当該印刷管理装置10からメディアサーバー60へ送信される。メディアサーバー60は、当該印刷管理装置10から閲覧用コードC‐DAG1の通知を受けているため、ディーラーAに対応するメディアファイルMFのうち顧客グループDAG1に対応付けられたメディアファイルMFを表示するためのデータを当該印刷管理装置10へ送信する(閲覧制限を解く)。しかし、メディアサーバー60は、当該印刷管理装置10から顧客グループDAG2に専用の閲覧用コードの通知は受けていないため、ディーラーAに対応するメディアファイルMFのうち顧客グループDAG2に対応付けられたメディアファイルMFを表示するためのデータは、当該印刷管理装置10へ送信しない(閲覧制限を維持する)。
この結果、当該印刷管理装置10は、取得したデータに基づいて、メディアサーバー60が有するディーラーAに対応するメディアファイルMFのうち顧客グループDAG1に対応付けられたメディアファイルMFを列挙したリスト(メディアリスト61の一部分)をダウンロード用画面170に表示させることができる。ダウンロード用画面170に表示したメディアファイルMFは、当然、ダウンロードの対象とすることができる。仮に、当該印刷管理装置10が、顧客グループDAG2に専用の閲覧用コードを取得していれば、ダウンロード用画面170には、メディアサーバー60が有するディーラーAに対応するメディアファイルMFのうち顧客グループDAG2に対応付けられたメディアファイルMFをリスト表示することができる。また、当該印刷管理装置10が、顧客グループDAG1に専用の閲覧用コード(閲覧用コードC‐DAG1)および顧客グループDAG2に専用の閲覧用コードの両方を取得していれば、ダウンロード用画面170には、メディアサーバー60が有するディーラーAに対応するメディアファイルMFであって顧客グループDAG1に対応付けられたメディアファイルMFおよび顧客グループDAG2に対応付けられたメディアファイルMFをリスト表示することができる。
このような実施例によれば、印刷管理装置10は、販売者情報(例えば、ディーラーA)に対応付けられたコード情報(閲覧用コード)を取得した場合に、対応付けられたメディアディーラーが、当該閲覧用コードが対応する販売者情報(ディーラーA)に該当するメディアファイルMFを、メディアサーバー60から抽出し表示する。従って、メディアディーラーに認められた権限、つまり閲覧用コードを、ユーザーの操作(解凍用コード等の入力)に応じて取得できた表示装置のみが、当該メディアディーラーに対応するメディアファイルMFを抽出してユーザーへ提示する。これにより、メディアディーラーの顧客でない者に、当該メディアディーラーが当該顧客のためにカスタマイズしたメディアファイルMFが閲覧されることを防止することができる。
さらに本実施例によれば、メディアディーラーは、自身の顧客を複数の顧客グループに分け、顧客グループの単位でメディアファイルMFの閲覧を制限することができる。これにより、同じメディアディーラー(例えば、ディーラーA)の顧客であっても、属する顧客グループ以外の顧客グループのために当該メディアディーラーがカスタマイズしたメディアファイルMFは閲覧できないようにすることができる。また本実施例によれば、ユーザーへは、解凍用コードだけが提示され、閲覧用コード自体は(暗号化されているため)提示されない。これにより、閲覧用コードがユーザーの目に触れたことをきっかけにして外部に漏えいすることが回避される。
11.その他の実施例:
印刷管理装置10の制御部11は、ダウンロード用画面170(図5)を介したユーザーによるリージョン(地域)の選択に因るのではなく、印刷管理装置10(表示装置)または印刷管理装置10が認識するプリンター30の位置情報に基づいて前記制限情報としての地域情報を取得するとしてもよい。印刷管理装置10の位置情報、プリンター30の位置情報は、例えば、該当の装置が所在する位置の経度および緯度であったり、該当の装置が設置されている建物の住所(県名、国名等でも可)であったりする。印刷管理装置10は、例えば、ユーザーによる事前の入力やGPS(グローバルポジショニングシステム)により、自身の位置情報を有している。また、各プリンター30は、例えば、ユーザーによる事前の入力やGPSにより自身の位置情報を有しており、かつ、印刷管理装置10は、管理対象の各プリンター30から夫々の位置情報を取得しているとする。
そして、印刷管理装置10は、あるプリンター30の専用画面164のサーバーアクセスボタン167が操作されたことに起因してダウンロード用画面170を表示させる場合、当該プリンター30の位置情報(あるいは印刷管理装置10の位置情報)が含まれるリージョンを上述したリージョンの選択肢の中から自動的に選択し、当該自動的に選択したリージョンを条件選択欄172に表示させる。また、印刷管理装置10は、当該自動的に選択したリージョンに対応するメディアファイルMFをメディアサーバー60から抽出してダウンロード用画面170にメディアリスト61として表示する。かかる構成によれば、ユーザーの操作負担を軽減しつつ、適切なリージョンによりダウンロード候補のメディアファイルMFの表示を絞ることができる。
プリンター30は、印刷設定情報テーブル320を有さないものであってもよい。この場合、プリンター30の制御部31は、上述したように印刷データをメディア指定情報とともに受信したら、印刷管理装置10へアクセスし、印刷管理装置10の記憶部12に、自身(プリンター30)に対応付けて記憶されている印刷メディア毎のメディアファイルMFの印刷設定情報SIのうち、メディア指定情報が指定する印刷設定情報SIを取得する。そして、制御部31は、印刷管理装置10から取得した印刷設定情報SIを用いて、ステップS220,S230(図10)の処理を実行する。かかる構成によれば、プリンター30が印刷設定情報テーブル320を保有する負担から解放される。
一方、画像処理装置20は、プリンター30や印刷メディアの指定の受け付けに必要な情報や画像処理情報PIを格納した画像処理情報テーブル220を印刷管理装置10から取得し、記憶部22に記憶させるとしてもよい(図1参照)。画像処理情報テーブル220は、メディアテーブルMTから印刷設定情報SIを除いた情報を含んだテーブルと言える。そして、画像処理装置20の制御部21は、画像処理情報テーブル220に格納されているプリンター識別情報やメディア基本情報MI等に基づいて前記印刷条件入力UI画面を表示部23に表示させることによりプリンター30および印刷メディアの指定をユーザーから受け付ける。そして、指定されたプリンター30および指定された印刷メディアに対応する画像処理情報PIを画像処理情報テーブル220から読み出して、ステップS130,S140(図9)の処理を実行する。かかる構成によれば、画像処理装置20は、画像処理情報テーブル220を有しているため、印刷データを生成する際に、その都度印刷管理装置10にアクセスせずとも、印刷データの生成に必要な画像処理情報PIを取得することができる。
印刷管理装置10は、LAN40の外のクラウドサーバー上で実現されており、画像処理装置20、プリンター30のそれぞれとは、公衆通信回線であるインターネット通信網50を介して通信するとしてもよい。当該クラウドサーバーは、メディアサーバー60と同様に、インターネット通信網50を介したクラウドサービスを提供するクラウド環境の一部(仮想サーバー)として実現されたり、物理サーバーにより実現されたりする。当該クラウドサーバーとメディアサーバー60は共通のサーバーであってもよい。このような構成によれば、印刷管理装置10に該当するクラウドサーバー上に、メディアテーブルMTを記憶する記憶部12が存在することになる。そのため、画像処理装置20やプリンター30は、インターネット通信網50に接続可能な状況であれば、画像処理情報PIや印刷設定情報SIといった必要な情報を必要なタイミングでその都度、クラウドサーバーから取得することができる。よって、画像処理装置20やプリンター30は、画像処理情報テーブル220や印刷設定情報テーブル320を保有する負担から開放される。
画像処理装置20が搭載する画像処理プログラム26は、RIPソフトウェアであるだけでなく、印刷データを生成し、プリンター30を制御して印刷データに基づく印刷を実行させるプリンタードライバーとして機能するものであってもよい。
また、これまで説明したソフトウェアとして実現される機能は、ハードウェアにより実現されるとしてもよい。
また、メディアサーバー60が有するメディアリスト61は、コンピューターに着脱可能な可搬型メモリー(例えば、USBメモリー)や光ディスクなどの種々の記憶媒体に記憶された状態でユーザーに配布されてもよい。
これまでの例では、プリンター30は、通信IF35を介してLAN40に接続されて複数の端末(画像処理装置20等)に共有され得るという点で、ネットワークプリンターと言える。ただし、プリンター30は、これまで説明した実施形態を実現可能な限り、例えば、印刷管理装置10に対してケーブル等を介してローカル接続された態様であってもよい。また、画像処理装置20は同様に、これまで説明した実施形態を実現可能な限り、印刷管理装置10に対してケーブル等を介してローカル接続された態様であってもよい。プリンター30や画像処理装置20がローカル接続されることで、これら装置におけるセキュリティが向上する。印刷管理装置10は、上述したようにインターネット通信網50に接続していてもよいし、画像処理装置20やプリンター30が必要とする印刷メディア毎のメディアファイルMFを格納したメディアテーブルMTを有している状態では、インターネット通信網50から遮断された状態であってもよい。例えば、画像処理装置20は、印刷データ等のプリンター30へ送信すべき情報を、印刷管理装置10へ送信し、プリンター30は、画像処理装置20から送信された印刷データ等の情報を、印刷管理装置10を介して受信することができる。
さらに、印刷管理装置10は画像処理装置20と共通の筐体内に実現されているとしてもよい。つまり、印刷管理装置10は、実態として画像処理装置20を兼ねている。従って、印刷管理装置10は、印刷管理プログラム16の他に、画像処理プログラム26も搭載している。画像処理装置20を兼ねる印刷管理装置10に対しては、プリンター30がケーブル等を介してローカル接続される。あるいは、画像処理装置20を兼ねる印刷管理装置10とプリンター30とは、インターネット通信網50を介して通信するとしてもよい。さらに、装置10,20,30間のローカル接続は、有線ではなく、アドホックモードによる直接的な無線通信により実現されてもよい。