JP2018091444A - 撓み噛合い式歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】主軸受を介して相対回転する部材間の同軸度を向上できる技術を提供する。
【解決手段】撓み噛合い式歯車装置100は、ケーシング10と、ケーシング10と別体とされケーシング10に一体化された内歯歯車6と、内歯歯車6と噛合う外歯歯車4と、外歯歯車4の自転成分と同期するキャリヤ部材8と、ケーシング10とキャリヤ部材8との間に配置された主軸受16と、を備える。ケーシング10は、主軸受16の転動体の転走面10aを有し、ケーシング10と内歯歯車6は、一方の外周と他方の内周がインロー嵌合され、かつ締り嵌めとされ、少なくとも、ケーシング10と内歯歯車6とのインロー嵌合部48におけるケーシング10の表面硬さが、インロー嵌合部48における内歯歯車6の表面硬さよりも高い。
【選択図】図2

Description

本発明は、撓み噛合い式歯車装置に関する。
特許文献1に、図3に示されるような撓み噛合い式歯車装置(波動歯車装置ユニット)が開示されている。
図3において、波動歯車装置ユニット200は、カップ型の波動歯車装置110と、主軸受であるクロスローラベアリング150と、を有する。波動歯車装置110は、内歯123が内周面に形成されている環状の剛性内歯歯車120と、この内側に配置されたカップ型の可撓性外歯歯車130と、この内側にはめ込まれている波動発生器140とを備えている。クロスローラベアリング150は、剛性内歯歯車120と可撓性外歯歯車130を相対回転自在の状態で連結している。
波動発生器140が回転すると、可撓性外歯歯車130と剛性内歯歯車120との間に歯数差に応じた相対回転であって波動発生器140の回転に対して大幅に減速された相対回転が生じる。例えば剛性内歯歯車120が固定されている場合は可撓性外歯歯車130が回転し、そこに接続されたクロスローラベアリング150の内輪155に大幅に減速された回転が伝達される。
特開2000−186718号公報
特許文献1に記載されるような従来の撓み噛合い式歯車装置では、主軸受を介して相対回転する部材間の同軸度ひいては撓み噛合い式歯車装置の回転精度に改善の余地があった。回転精度が改善されれば、撓み噛合い式歯車装置の振動や騒音をより低減できる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、主軸受を介して相対回転する部材間の同軸度を向上できる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の撓み噛合い式歯車装置は、ケーシングと、ケーシングと別体とされケーシングに一体化された内歯歯車と、内歯歯車と噛合う外歯歯車と、外歯歯車の自転成分と同期するキャリヤ部材と、ケーシングとキャリヤ部材との間に配置された主軸受と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であって、ケーシングは、主軸受の転動体の外輪側転走面を有する。ケーシングと内歯歯車は、一方の外周と他方の内周がインロー嵌合され、かつ締り嵌めとされ、少なくとも、ケーシングと内歯歯車とのインロー嵌合部におけるケーシングの表面硬さが、当該インロー嵌合部における内歯歯車の表面硬さよりも高い。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、主軸受を介して相対回転する部材間の同軸度を向上できる。
実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置を示す断面図である。 図1の内歯歯車とその周辺を拡大して示す拡大断面図である。 従来の波動歯車装置ユニットを示す断面図である。
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、工程には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
図1は、実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置100を示す断面図である。撓み噛合い式歯車装置100は、入力された回転を減速して出力する。撓み噛合い式歯車装置100は、波動発生器2と、外歯歯車4と、内歯歯車6と、キャリヤ部材8と、ケーシング10と、第1規制部材12と、第2規制部材14と、主軸受16と、第1軸受ハウジング18と、第2軸受ハウジング20と、を備える。
波動発生器2は、起振体軸22と、複数の第1転動体24aと、複数の第2転動体24bと、第1保持器26aと、第2保持器26bと、第1外輪部材28aと、第2外輪部材28bとを含む。起振体軸22は、入力軸であり、例えばモータ等の回転駆動源に接続され、回転軸Rを中心に回転する。起振体軸22には、回転軸Rに直交する断面が略楕円形状である起振体22aが一体に形成されている。
複数の第1転動体24aはそれぞれ、略円柱形状を有し、軸方向が回転軸R方向と略平行な方向を向いた状態で周方向に間隔を空けて設けられる。第1転動体24aは、第1保持器26aにより転動自在に保持され、起振体22aの外周面22bを転走する。第2転動体24bは、第1転動体24aと同様に構成される。複数の第2転動体24bは、第1保持器26aと軸方向に並ぶように配置された第2保持器26bにより転動自在に保持され、起振体22aの外周面22bを転走する。以降では、第1転動体24aと第2転動体24bとをまとめて「転動体24」とも呼ぶ。また、第1保持器26aと第2保持器26bとをまとめて「保持器26」とも呼ぶ
第1外輪部材28aは、複数の第1転動体24aを環囲する。第1外輪部材28aは、可撓性を有し、複数の第1転動体24aを介して起振体22aにより楕円状に撓められる。第1外輪部材28aは、起振体22a(すなわち起振体軸22)が回転すると、起振体22aの形状に合わせて連続的に撓み変形する。第2外輪部材28bは、第1外輪部材28aと同様に構成される。第2外輪部材28bは、第1外輪部材28aとは別体として形成される。なお、第2外輪部材28bは、第1外輪部材28aと一体に形成されてもよい。以降では、第1外輪部材28aと第2外輪部材28bとをまとめて「外輪部材28」とも呼ぶ。
外歯歯車4は、可撓性を有する環状の部材であり、その内側には起振体22a、転動体24および外輪部材28が嵌まる。外歯歯車4は、起振体22a、転動体24および外輪部材28が嵌まることによって楕円状に撓められる。外歯歯車4は、起振体22aが回転すると、起振体22aの形状に合わせて連続的に撓み変形する。外歯歯車4は、第1外歯部4aと、第2外歯部4bと、基材4cと、を含む。第1外歯部4aと第2外歯部4bとは単一の基材である基材4cに形成されており、同歯数である。
内歯歯車6は、剛性を有する環状の部材である。内歯歯車6の第1内歯部6aは、楕円状に撓められた外歯歯車4の第1外歯部4aを環囲し、起振体22aの長軸近傍の所定領域で第1外歯部4aと噛み合う。第1内歯部6aは、第1外歯部4aよりも多くの歯を有する。
キャリヤ部材8は、剛性を有する円筒状の部材である。本実施の形態では、キャリヤ部材8の内周に第2内歯部8aが形成されている。キャリヤ部材8の第2内歯部8aは、楕円状に撓められた外歯歯車4の第2外歯部4bを環囲し、起振体22aの長軸方向の2領域で第2外歯部4bと噛み合う。第2内歯部8aは、第2外歯部4bと同数の歯を有する。したがって、キャリヤ部材8は、第2外歯部4bひいては外歯歯車4の自転と同期して回転する。
第1規制部材12は、平たいリング状の部材であり、外歯歯車4、第1外輪部材28aおよび第1保持器26aの各軸方向端面に対向するように、外歯歯車4、第1外輪部材28aおよび第1保持器26aと第1軸受ハウジング18との間に配置される。第2規制部材14は、平たいリング状の部材であり、外歯歯車4、第2外輪部材28bおよび第2保持器26bの各軸方向端面に対向するように、外歯歯車4、第2外輪部材28bおよび第2保持器26bと第2軸受ハウジング20との間に配置される。第1規制部材12および第2規制部材14は、外歯歯車4、外輪部材28および保持器26の軸方向の移動を規制する。
ケーシング10は、略円筒状の部材であり、キャリヤ部材8を環囲する。ケーシング10には、内歯歯車6が後述のように連結されて一体化される。ケーシング10とキャリヤ部材8との間には主軸受16が配置される。主軸受16は、本実施の形態ではクロスローラ軸受であり、周方向に間隔を空けて設けられる複数のローラ(転動体)46を含む。複数のローラ46は、キャリヤ部材8の転走面8bおよびケーシング10の転走面10aを転走する。つまり、キャリヤ部材8の外周側は主軸受16の内輪として機能し、ケーシング10の内周側は主軸受16の外輪として機能する。ケーシング10は、主軸受16を介して、キャリヤ部材8を相対回転自在に支持する。
第1軸受ハウジング18は、環状の部材であり、起振体軸22を環囲する。同様に、第2軸受ハウジング20は、環状の部材であり、起振体軸22を環囲する。第1軸受ハウジング18と第2軸受ハウジング20とは、外歯歯車4、転動体24、保持器26、外輪部材28、第1規制部材12および第2規制部材14を軸方向に挟むよう配置される。第1軸受ハウジング18は、内歯歯車6に対してインロー嵌合される。第2軸受ハウジング20は、キャリヤ部材8に対してインロー嵌合される。第1軸受ハウジング18の内周には軸受30が組み込まれ、第2軸受ハウジング20の内周には軸受32が組み込まれており、起振体軸22は、軸受30および軸受32を介して、第1軸受ハウジング18および第2軸受ハウジング20に対して回転自在に支持される。
起振体軸22と第1軸受ハウジング18の間にはオイルシール40が配置され、第1軸受ハウジング18と内歯歯車6の間にはOリング34が配置され、内歯歯車6とケーシング10との間にはOリング36が配置され、ケーシング10とキャリヤ部材8との間にはオイルシール42が配置され、キャリヤ部材8と第2軸受ハウジング20との間にはOリング38が配置され、第2軸受ハウジング20と起振体軸22との間にはオイルシール44が配置される。これにより、撓み噛合い式歯車装置100内の潤滑剤が漏れるのを抑止できる。
以上のように構成された撓み噛合い式歯車装置100の動作を説明する。ここでは、第1外歯部4aの歯数が100、第2外歯部4bの歯数が100、第1内歯部6aの歯数が102、第2内歯部8aの歯数が100の場合を例に説明する。また、内歯歯車6および第1軸受ハウジング18が固定状態にある場合を例に説明する。
第1外歯部4aが楕円形状の長軸方向の2箇所で第1内歯部6aと噛み合っている状態で、起振体軸22が回転すると、これに伴って第1外歯部4aと第1内歯部6aとの噛み合い位置も周方向に移動する。第1外歯部4aと第1内歯部6aとは歯数が異なるため、この際、第1内歯部6aに対して第1外歯部4aが相対的に回転する。内歯歯車6および第1軸受ハウジング18が固定状態にあるため、第1外歯部4aは、歯数差に相当する分だけ自転することになる。つまり、起振体軸22の回転が大幅に減速されて第1外歯部4aに出力される。その減速比は以下のようになる。
減速比=(第1外歯部4aの歯数−第1内歯部6aの歯数)/第1外歯部4aの歯数
=(100−102)/100
=−1/50
第2外歯部4bは、第1外歯部4aと一体的に形成されているため、第1外歯部4aと一体に回転する。第2外歯部4bと第2内歯部8aは歯数が同一であるため、相対回転は発生せず、第2外歯部4bと第2内歯部8aとは一体に回転する。このため、第1外歯部4aの自転と同一の回転が第2内歯部8aに出力される。結果として、第2内歯部8aからは起振体軸22の回転を−1/50に減速した出力を取り出すことができる。
続いて、内歯歯車6とケーシング10および第1軸受ハウジング18との連結構造について詳細に説明する。
図2は、内歯歯車6とその周辺を拡大して示す拡大断面図である。内歯歯車6は、第1内歯部6aが形成された内側部分6bと、内側部分6bの径方向外側に位置する外側部分6cと、有する。外側部分6cの軸方向端面6gにはケーシング10の軸方向端面10cが当接している。内側部分6bの軸方向端面6hは外側部分6cの軸方向端面6gよりも軸方向においてキャリヤ部材8側(図2では左側)に突出し、内側部分6bの外周6dはケーシング10の内周10bと嵌合している。すなわち、内歯歯車6の内側部分6bの外周6dとケーシング10の内周10bとがインロー嵌合されている。特に、内側部分6bの外周6dとケーシング10の内周10bとは、締り嵌めにてインロー嵌合されている。
内側部分6bには、軸方向端面6hからキャリヤ部材8とは反対側(図2では右側)に凹む凹部6eが形成される。凹部6eは、好ましくは、無端リング状の凹部となるよう形成される。また、凹部6eは、軸方向における最大深さDが、インロー嵌合部48の軸方向における長さHよりも大きくなるよう形成される。また、凹部6eは、インロー嵌合部48の径方向内側に設けられ、凹部6eとインロー嵌合部48は、径方向から見て重なる。
また、ケーシング10および内歯歯車6は、少なくとも、インロー嵌合部48におけるケーシング10の表面硬さが、インロー嵌合部48における内歯歯車6の表面硬さよりも高くなるよう形成される。例えば、インロー嵌合部48に対応するケーシング10の表面に浸炭熱処理や高周波熱処理などの熱処理を施すことにより、これを実現できる。本実施の形態では、ケーシング10は主軸受16の転走面10aを有するため、転走面としての硬度を確保するためにケーシング10には熱処理が施されている。その結果インロー嵌合部48におけるケーシング10の表面硬さも転走面10aと同様に確保されている。
なお、「表面硬さ」とは、例えば高周波熱処理を施した場合はJIS G0559に規定される測定方法によりビッカース硬さ試験のくぼみの対角線長さの2.5倍に相当する深さ位置で測定した硬さをいい、例えば浸炭熱処理を施した場合はJIS B0557に規定される測定方法によりビッカース硬さ試験のくぼみの対角線長さの2.5倍に相当する深さ位置で測定した硬さをいう。ケーシング10および内歯歯車6は、好ましくは、インロー嵌合部48におけるケーシング10の表面硬さが、インロー嵌合部48における内歯歯車6の表面硬さよりも、ビッカース硬さの値で50以上となるよう形成される。
また、内歯歯車6の内側部分6bの内周6fは、第1軸受ハウジング18の外周18aと嵌合している。すなわち、内歯歯車6の内側部分6bの内周6fと第1軸受ハウジング18の外周18aとがインロー嵌合されている。本実施の形態では特に、内歯歯車6の内側部分6bの内周6fと第1軸受ハウジング18の外周18aとは、中間嵌めにてインロー嵌合されている。なお、内歯歯車6と第1軸受ハウジング18とのインロー嵌合部50の締め代が、内歯歯車6とケーシング10とのインロー嵌合部48の締め代よりも小さくなるよう構成されれば、内歯歯車6と第1軸受ハウジング18との嵌め合いの種類は問わない。
以上説明した実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置100によれば、内歯歯車6とケーシング10とはインロー嵌合される。これにより、内歯歯車6とケーシング10とを連結する際の芯出しを精度よく行うことが可能となる。また、撓み噛合い式歯車装置100によれば、締り嵌めにてインロー嵌合される。これにより、内歯歯車6とケーシング10とを中間嵌めや隙間嵌めにより連結する場合に比べて芯ずれが生じにくくなる。さらに撓み噛合い式歯車装置100によれば、インロー嵌合部48におけるケーシング10の表面硬さが、インロー嵌合部48における内歯歯車6の表面硬さよりも高くなるよう構成される。これにより、締り嵌めにてインロー嵌合する際に、かじりが生じるのを抑止できる。以上より、本実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置100によれば、内歯歯車6とケーシング10との同軸度を向上させることができ、その結果、主軸受16を介して相対回転する内歯歯車6とキャリヤ部材8との同軸度が向上する。
また、実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置100によれば、内歯歯車6の内側部分6bに、軸方向端面6hからキャリヤ部材8とは反対側に凹む凹部6eが形成される。好ましくは、凹部6eは無端リング状となるよう形成される。また、好ましくは、凹部6eは、その軸方向における最大深さDがインロー嵌合部48の軸方向における長さHより大きくなるよう形成される。これにより、内歯歯車6の内側部分6bをケーシング10に嵌め込む際にインロー嵌合部48に過度な力が掛かっても、内側部分6bの一部(すなわちインロー嵌合部48近傍の部分)が変形するだけで済み、ケーシング10や内歯歯車6の内側部分6bの全体が変形するのを抑止できる。その結果、ケーシング10の転走面10aの変形を抑制できる。
また、撓み噛合い式歯車装置100では、サイズの異なる外歯歯車4を組み換えながら最適な噛合いが得られる外歯歯車4を選択するので、第1軸受ハウジング18は着脱の機会が多く、したがって内歯歯車6と第1軸受ハウジング18との締め代は小さい方が望ましい。これに対し、実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置100によれば、内歯歯車6と第1軸受ハウジング18とのインロー嵌合部50の締め代は、内歯歯車6とケーシング10とのインロー嵌合部48の締め代よりも小さくなるよう構成される。すなわち、内歯歯車6と第1軸受ハウジング18とのインロー嵌合部50の締め代は、比較的小さく構成される。これにより、組立性が向上する。
以上、実施の形態に係る撓み噛合い式歯車装置について説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下変形例を示す。
(変形例1)
実施の形態では、ケーシング10の内周10bと内歯歯車6の外周6dがインロー嵌合される場合、すなわちケーシング10の径方向内側にインロー嵌合部48が設けられる場合について説明したが、これに限られない。図3のごとく、ケーシング10(すなわち主軸受16の外輪として機能する部材)の径方向外側にインロー嵌合部が設けられてもよい。すなわち、ケーシング10の外周と内歯歯車6の内周とが締り嵌めにてインロー嵌合されてもよい。
(変形例2)
実施の形態では、2つの内歯部(第1内歯部6a、第2内歯部8a)を有し、外歯歯車4が筒型であるフラット型の撓み噛合い式歯車装置について説明したが、これに限られない。本実施の形態の技術思想は、内歯部が1つのカップ型、シルクハット型、その他のタイプの撓み噛合い式歯車装置にも適用できる。
例えば、図3に示されるようなカップ型の撓み噛合い式歯車装置において、剛性内歯歯車120の内周120aとケーシングに相当する外輪151の外周151aとが締り嵌めにてインロー嵌合され、かつ、剛性内歯歯車120および外輪151が、剛性内歯歯車120と外輪151とのインロー嵌合部148における外輪151の表面硬さ(すなわち外周151aの表面硬さ)がインロー嵌合部148における剛性内歯歯車120の表面硬さ(すなわち内周120aの表面硬さ)よりも高くなるよう形成されてもよい。この場合、剛性内歯歯車120と外輪151との同軸度を向上させることができ、その結果、主軸受であるクロスローラベアリング150を介して相対回転する剛性内歯歯車120と内輪155との同軸度が向上する。
上述した実施の形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
4 外歯歯車、 6 内歯歯車、 6d 外周、 8 キャリヤ部材、 10 ケーシング、 10a 転走面、 10b 内周、 16 主軸受、 48,100 撓み噛合い式歯車装置。

Claims (5)

  1. ケーシングと、前記ケーシングと別体とされ前記ケーシングに一体化された内歯歯車と、前記内歯歯車と噛合う外歯歯車と、前記外歯歯車の自転成分と同期するキャリヤ部材と、前記ケーシングと前記キャリヤ部材との間に配置された主軸受と、を備えた撓み噛合い式歯車装置であって、
    前記ケーシングは、前記主軸受の転動体の外輪側転走面を有し、
    前記ケーシングと前記内歯歯車は、一方の外周と他方の内周がインロー嵌合され、かつ締り嵌めとされ、
    少なくとも、前記ケーシングと前記内歯歯車とのインロー嵌合部における前記ケーシングの表面硬さが、当該インロー嵌合部における前記内歯歯車の表面硬さよりも高いことを特徴とする撓み噛合い式歯車装置。
  2. 前記ケーシングの内周と前記内歯歯車の外周がインロー嵌合され、
    前記内歯歯車には、前記ケーシングと前記内歯歯車とのインロー嵌合部の径方向内側に、凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の撓み噛合い式歯車装置。
  3. 前記凹部は、無端リング状であることを特徴とする請求項2に記載の撓み噛合い式歯車装置。
  4. 前記ケーシングと前記内歯歯車とのインロー嵌合部の軸方向長さより、前記凹部の軸方向深さの方が大きいことを特徴とする請求項2または3に記載の撓み噛合い式歯車装置。
  5. 前記内歯歯車にインロー嵌合され、前記外歯歯車を撓み変形させる起振体軸を支持する軸受が組み込まれた軸受ハウジングをさらに備え、
    前記内歯歯車と前記軸受ハウジングとのインロー嵌合部の締め代は、前記内歯歯車と前記ケーシングとのインロー嵌合部の締め代より小さいことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の撓み噛合い式歯車装置。
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