JP2018089898A - 繊維補強木質集成材 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、集成材は、ひき板、小角材を集成するため寸法、形状の自由度が高く、製品強度のばらつきや干割れ、狂いなどが小さい上に、曲がり材を容易に製造できるなどの優れた特性を持っている。
しかしこのような薄く広げられた繊維束では、繊維の絶対量が不足し、十分な補強強度を確保できないという問題があった。
しかし、そこで用いられる複合シートはその接着性を施工時まで保つために、揮発分を乾燥させる程度の低温乾燥を行っており、またこの複合シートを接着して木材と一体化するためには、積層後高温状態にて長時間加熱処理することが必要であった(特許文献2、第[0027]、[0032]、[0035]項等)。
さらに比較的多くの繊維を用いる特許文献2の技術であっても繊維層はまだまだ薄く、繊維の絶対量が不足し、十分な補強強度を確保できないという問題があった。
さらには、補強用繊維が補強材の長さ方向に配向したものであることや、補強用繊維が連続繊維であること、補強用繊維が炭素繊維、ガラス繊維または芳香族ポリアミド繊維であることが好ましい。また、補強用繊維が補強材の周辺部に主に配置されたものであることや、補強材が矩形であること、補強材が管状であることが好ましい。
またもう一つの本発明の繊維補強木質集成材の製造方法は、補強材と木材とが幅方向に配置されている補強ラミナと、木材のみからなる木質ラミナとからなり、補強ラミナを構成する補強材が補強用繊維と樹脂であり、補強ラミナと木質ラミナとを幅方向と垂直な方向に積層して接着処理することを特徴とする。
通常木質集成材は、複数の木材素材層(ラミナ)を相互に接合し集成して形成されるが、本発明の繊維補強木質集成材では、その木材素材層(ラミナ)の1枚または複数に、補強用繊維と樹脂とからなる補強材を構成要素とする補強ラミナを用いることを必須要件としている。さらに補強ラミナとしてはそのような補強材と木材とが幅方向に配置されているものであることが好ましい。
本発明にて好ましく用いられる木質系シートについて、さらにその詳細を以下に述べる。ここで木質系シートとは、スライスされた木材及び/または木質パルプを必須成分として含み、さらに熱硬化性樹脂を含むものである。
そしてこのような本発明の繊維補強木質集成材の大きさとしては、特に梁用途に用いる場合、その長さ方向が2,850〜18,000mm、幅方向が105〜240mm、厚さ方向が120〜2,000mmの範囲であることが一般的である。
そしてもう一つの本発明の繊維補強木質集成材の製造方法は、補強材と木材とが幅方向に配置されている補強ラミナと、木材のみからなる木質ラミナとからなり、補強ラミナを構成する補強材が補強用繊維と樹脂であり、補強ラミナと木質ラミナとを幅方向と垂直な方向に積層して接着処理する発明である。
そしてこのような本発明の繊維補強木質集成材は、通常の木材および集成材として使用される用途に適用できるが、特に、学校、体育館、講堂、各種室内球技場やドームなどの大型建築物、3階以上の住宅、木橋の骨材として好適である。
繊維補強された補強材から、幅10mm、長さ50mm、厚さ3mmの測定用試料を切り出した。ステンレス製長さ2mm、幅4mmの圧縮端子を補強材の長さ方向に直交する向きで上から置き、圧縮速度0.5mm/分で圧縮し、試料が破壊された時の最大荷重(N)を測定した。
得られた集成材から、サンプルとして幅25mm、長さ30mm、厚み60mm(木質ラミナ―補強ラミナ各1層、計2層分)を切り出し、補強ラミナ側を固定し木質ラミナ側を木目方向に沿って小口面上から圧縮力を印加することで、主にサンプルの接着面をせん断破壊させた。せん断破壊時の荷重を接着面積(25mm×30mm)で除することでせん断接着応力度を算出した。
集成材の曲げ弾性率および曲げ強度は、JAS Z2101に準じて測定した。すなわち、支点間距離は梁成の18倍とし、支点間距離を3等分する箇所それぞれに荷重を印加する4点曲げ試験を実施した。
曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ以下式にて算出した。
P:最大荷重
L:支点間距離
L1:荷重点間距離
b:試験体幅
h:試験体厚み(梁成)
ΔF:最大荷重の10%−最大荷重の40%間の荷重増分
Δy:ΔFに対応するたわみ増分
である。
接合構造体梁部材の接合部の降伏耐力として、2本の柱及び1本の梁をH型に接合させた接合体を準備し、めり込み防止用のH鋼を介して梁部分に一定のひずみ速度(1.0mm/s)で荷重が最大荷重の80%未満に低下するまで圧縮荷重を印加し、得られた荷重―ひずみ曲線から接合部の降伏耐力(kN)を得た。
管状(中空パイプ形状)の補強材として、補強繊維に炭素繊維(東邦テナックス株式会社製、アクリルニトリル系炭素繊維「HTS40、24K」、直径7μm)を用いたマトリックス樹脂がビニルエステル樹脂(硬化温度110−150℃、硬化所要時間5−10min)である引抜成形材を作製した。この補強材における補強繊維とマトリックス樹脂の体積比率は60/40であり、断面における炭素繊維の存在密度は15000本/mm2の密度であった。さらに引抜成形時に、補強材表面の全面に木質シート(フェノール樹脂含浸紙、目付280g/m2、厚み0.3mm、樹脂含浸率:50−60wt%)を一体化した。そして木質シートの樹脂硬化度は85%になるように調整した。得られた補強材の断面形状は中空な正方形(矩形)であって、外寸は30mm×30mm、厚さは全辺均一で3mmとした(内径24mm角)。
上記の補強材2本の両端に、厚さ30mm、幅15mmの木材2本を、補強材の間に厚さ30mm、幅30mmの木材1本を配置し、接着ラミナとした。また厚さ各30mmの木質ラミナを5枚と、接着ラミナ2枚とを用いて、繊維補強木質集成材を作成した。
木質ラミナと、接着ラミナとを積層し、積層方向、横方向からプレス処理(プレス圧73.5kPa[7.5kgf/cm2]、プレス時間5分間)するとともに、積層の横方向から高周波効率0.2〜0.8W/cm2(高周波出力/接着剤塗布面積)の条件にて高周波プレス処理を行い、集成材の積層面及び積層面と直交する面をモルダーにより表面切削処理し、平滑面を得るとともに寸法を調整した。作製した繊維補強木質集成材の断面図を図1に、得られた物性を表1に示す。なお構造用集成材のJAS規格に基づき、ブロックせん断試験を実施し、スギと補強材の接着強度が6.3MPaであることを確認した(ちなみにスギ集成材の接着強度に関する規格は5.4MPa以上である)。
実施例1で用いた補強材の各辺の厚さを短辺(縦辺)2mm、長辺(横辺)を、集成材断面の中心に近い方を3mm、遠い方を5mmとしたこと以外は、実施例1と同様繊維補強木質集成材を作製した。作製した集成材の断面図を図2に、得られた物性を表1に併せて示す。なおスギと補強材の接着強度は6.1MPaであった。
実施例1で用いた補強ラミナの配置を、上、下面から各ラミナ1枚分(30mm)内側への配置から、上面からラミナ2枚分(60mm)内側と下側からラミナ1枚分(30mm)内側に変更した以外は、実施例1と同様繊維補強木質集成材を作製した。作製した集成材の断面図を図3に示す。なおスギと補強材の接着強度は6.3MPaであった。
補強材を使用せず、厚さ30mmの木質ラミナのみを用いて、幅120mm×高さ210mmの断面であるスギの集成材を得た。このスギとスギの接着強度は5.8MPaであった。得られた集成材の曲げ試験結果を表1に併せて示す。
実施例3で得られた繊維補強木質集成材を980mmの梁用の部材とした。そして梁部材の両側に120mm×120mmの断面で長さが750mmの柱を接合した。接合箇所は柱の長さ方向の中心部分であった。
接合方法としては、梁となる繊維補強木質集成材の断面にある中空部(内寸:24mm×24mm)4か所に相当する柱の部分に、23mm×23mmの角穴を4か所あけ、その角穴に鉄製(SS400)の棒状部材(断面は23mm×23mmである)を差し込んだ。棒状部材の長さは300mmであり、梁への差し込み長さは180mmであった。
作製したH型接合試験体の概要図と断面図を図3に示す。
得られた試験体の梁中心部分を加圧し、接合部のせん断強度を測定したところ、降伏点のせん断強度は83kNであった。
実施例1で用いた中空な正方形の繊維樹脂複合体を補強材(外寸は30mm角、内径は24mm角)として用いた。この補強材料の圧縮強度は3700N/mmであった。そして補強材と木材とからなる厚さ30mmの接着ラミナを用意した。この接着ラミナと同じく厚さ30mmの木質ラミナを用いて、幅120mm×梁成210mm、長さ982mmの繊維補強木質集成材を得て、梁部材とした。補強繊維と樹脂からなる補強材は上下、左右が梁材の外側から30mmの位置の4隅に配置された。補強材間の距離は30mmであった(図4)。
繊維補強材料のマトリックス樹脂はビニルエステル系樹脂を用い、他の木質材料との接着には水性高分子−イソシアネート系接着剤(エチレン・酢酸ビニル共重合体を30〜50重量部、スチレン・ブタジエン共重合体を5〜15重量部含有する)を用いた繊維補強木質集成材であった。
一方、柱部材としては2本(150mm×150mm、長さ750mm)用意した。梁、柱共に樹種はスギ(E65−F225)を用いた。
接合方法としては、柱部材に接合金具の階段状の段差と同じ穴を加工し、梁部材に接合金具を取り付け、その接合金具の梁と反対側の階段状の突起を、柱部材の穴に組み合わせた(図5参照)。
接合構造体の接合部材種数は1つ、接合構造体サンプル組立にかかる時間は30分/1セット、さらに梁部材の小口面プレカット加工は不要であって、非常に施工性に優れた材料であった。またこの接合構造体梁部材の降伏耐力(kN)は82.4kNであった。
32 鉄製の棒状部材
41 接合金具(梁側面)
42 接合金具(梁側面)
43 梁部材(集成材)
51 柱部材
Claims (8)
- 補強材と木材とが幅方向に配置されている補強ラミナと、木材のみからなる木質ラミナとからなり、補強ラミナを構成する補強材が補強用繊維と樹脂とからなるものであり、補強ラミナと木質ラミナとが幅方向と垂直な方向に積層していることを特徴とする繊維補強木質集成材。
- 補強用繊維が補強材の長さ方向に配向したものである請求項1記載の繊維補強木質集成材。
- 補強用繊維が連続繊維である請求項1または2記載の繊維補強木質集成材。
- 補強用繊維が炭素繊維、ガラス繊維または芳香族ポリアミド繊維である請求項1〜3のいずれか1項である繊維補強木質集成材。
- 補強用繊維が補強材の周辺部に主に配置されたものである請求項1〜4のいずれか1項である繊維補強木質集成材。
- 補強材が矩形である請求項1〜5のいずれか1項である繊維補強木質集成材。
- 補強材が管状である請求項1〜6のいずれか1項である繊維補強木質集成材。
- 補強材と木材とが幅方向に配置されている補強ラミナと、木材のみからなる木質ラミナとからなり、補強ラミナを構成する補強材が補強用繊維と樹脂であり、補強ラミナと木質ラミナとを幅方向と垂直な方向に積層して接着処理することを特徴とする繊維補強木質集成材の製造方法。
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