JP2019120090A - 木質床材料および施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲げやせん断に対して高剛性であり、かつ施工性が良い木質床材料を提供する。【解決手段】木質板材11とその少なくとも一方の面に複数本配置された木質軸部材12とからなり、木質軸部材の内部に非木質補強材13が内挿されている木質床材料。【選択図】図1

Description

本発明は曲げやせん断に対して高剛性であり、かつ施工性が良い木質床材料に関する。
近年、木材の有効活用の観点から、建築物における木材の利用の拡大が進められている。これまで木造建築は戸建住宅が主な対象であったが、今後は非住宅用途の建築物やや大規模な建築物への展開が期待されている。これらの場合には戸建住宅よりも柱間隔が大きくなることが多いため、水平材料である梁や床には、撓みや水平力の増加に耐え得る性能が求められる。
一般的な床構造として、梁上に一定の間隔を空けて根太を設け、根太の上面に床材料を固定する根太工法による床構造がある。この床構造の場合、撓みに対する性能を向上させるためには、根太の断面を大きくするか根太の本数を増やすことが必要になる。しかし、根太の断面を大きくするほど建物の階高が高くなるか天井高が低くなり、また、根太の本数を増やすほど建築材料費が高くなる。そこで、根太に対して直交する方向に複数の補強部材を配置して、並行に隣り合う根太を一体化することで、根太の断面や本数を変えることなく剛性や強度を改善することが提案されている(特許文献1)。しかし、この方法では施工時に使用する部材が増え、施工方法が複雑となる。
他方、根太工法に比較して施工を簡略化することができることから、厚み24mm程度の構造用合板を用いる床工法(根太レス工法)による床構造が近年主流になりつつある。また、CLT(Cross Laminated Timber)を床板に用いる工法も増えつつある。これらの工法は施工性が比較的よいものの、いまだ大規模な建築物に対して十分な剛性や強度を提供できていない。
特許第5758839号公報
本発明は、木造建築に用いられ、曲げやせん断に対して高剛性であり、かつ施工性が良い木質床材料を提供することを課題とする。
本発明は、木質板材とその少なくとも一方の面に複数本固着された木質軸部材とからなり、該木質軸部材の内部に非木質補強材が内挿されていることを特徴とする木質床材料である。
本発明によれば、木造建築に用いられ、曲げやせん断に対して高剛性であり、かつ施工性が良い木質床材料を提供することができる。
本発明の木質床材料の概要を説明するための図である。 本発明の木質床材料の一例を示す図である。(実施例1) 本発明の木質床材料の一例を示す図である。(実施例2) 本発明の木質床材料の一例を示す図である。(実施例3)
本発明の木質床材料において、木質軸部材は木質板材の一方の面にのみ固着され、木質板材が木質床材料の上面を構成していることが好ましい。すなわち、本発明の木質床材料は、木質板材の裏面に木質軸部材が複数本固着されており、かつ木質軸部材の内部に非木質補強材が内挿されている態様をとる。
[木質板材]
木質板材としては、板状の木質材料を用いることができる。木質材料として無垢の木材を用いてもよく、木質材料を接着剤で集積した材料(集成材)を用いてもよい。この場合、構造用合板かCLT(直交集成板)が好ましい。このCLTは、ひき板または小角材(これらをその繊維方向を互いにほぼ平行にして長さ方向に接合接着して調整したものを含む)をその繊維方向を互いにほぼ平行にして幅方向に並べまたは接着したものを、主としてその繊維方向を互いにほぼ直角にして積層接着し3層以上の構造を持たせた木質材料である。
[木質軸部材]
木質軸部材の素材としては、無垢の木材を用いてもよく、集成材を用いてもよいが、強度と施工性の観点から集成材が好ましい。
建築物において本発明の木質床材料はそれを支える大梁や小梁の隙間に設置することになるため、木質軸部材は一般的に用いられる梁の断面の寸法、例えば幅105〜180mmかつ高さ120〜1000mmより断面の寸法が小さいことが望ましい。この理由で、本発明における木質軸部材の断面の寸法は幅40〜150mmかつ高さ40〜600mmであることが好ましい。長さは木質軸部材を固着する木質板材の寸法に応じて適宜設定でき、好ましくは木質板材の寸法と同じ長さにする。
木質軸部材は、高い強度を得る観点から同じ方向に向けて、木質軸部材同士が平行になるように、木質板材に固着されていることが好ましい。また、均一な強度を得る観点から木質軸部材同士が等間隔になるように木質板材に固着されていることが好ましい。
木質軸部材を木質板材に固着させる方法としては、両者の木質部をボルトなど金物を用いて固着してもよく、接着剤を用い接着により一体化してもよい。非木質補強材の物性を木質床材料の物性として発現するには接着が好ましい。接着剤としては、木材の接着に用いられる水溶性高分子−イソシアネート系接着剤やレゾルシノール系接着剤などを用いることができ市販品を利用することができる。
本発明の木質床材料における木質板材に対する木質軸部材の方向は、木質床材料の使用方法に応じて設計することでき、剛性を担保したい方向に沿って木質軸部材を配置して固着する。例えば、CLTを木質板材として用いCLTの長手方向をロングスパンとして使用する場合、長手方向の剛性向上が必要となるため、木質軸部材はCLTの長手方向に平行となる向きに配置して固着する。また、同じCLTでも長手方向にロングスパンとせず、短手方向(弱軸方向)の物性強化を望む場合には、CLTの長手方向と垂直となる方向に木質軸部材を配置して固着する。このように一体化された木質板材と木質軸部材をもって、本発明では高剛性な木質床材料を得る。
木質板材に配置して固着する木質軸部材の本数は必要に応じて決めることができるが、本数が増える程コストも高くなるため、木質板材の幅が910mm程度までは両端の2本のみか、中心に1本を加えた3本程度が妥当である。
[非木質補強材]
本発明においては、非木質補強材を木質軸部材に内挿して木質軸部材の内部に固着することで木質軸部材の補強を行う。本発明において最も重要な特徴は、木質軸部材に内挿された非木質補強材の断面のサイズと木質軸部材内部での配置を適宜変更することにより、木質床材料の物性をコントロールできることにある。つまり、木質床材料における木質軸部材の断面や使用本数、木質板材の厚さを変えることなく、木質床材料の剛性や強度を増加させることができる。非木質補強材は、その断面サイズが木質軸部材のサイズを超えずに内部に収まる範囲で断面サイズを設計することができる。
非木質補強材の素材は、例えば鉄やアルミニウムといった金属を用いてもよいが、木質板材として用いる木材との相性、例えば、熱膨張係数や熱伝導率、材料物性の異方性、重量などの観点から、補強繊維とマトリクス樹脂とからなる繊維補強樹脂であることが好ましい。繊維補強樹脂のマトリクス樹脂として、熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、エポキシ樹脂やビニルエステル樹脂、フェノール樹脂を例示することができる。補強繊維は、長さ方向に引き揃えられた長繊維であることが好ましい。
本発明において、非木質補強材の好ましい態様は、補強繊維として長さ方向に引き揃えられた長繊維の炭素繊維を用い、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂またはフェノール樹脂を用いた炭素繊維強化樹脂(CFRP)である。
非木質補強材として炭素繊維強化樹脂を用いる場合、その硬さのゆえに木質軸部材の表面に非木質補強材を配置すると木材用仕上げ加工機械で加工することが難しい。本発明ではCFRPを木質軸部材の内部に配置しており表面にCFRPが露出しないため、従来の木材用仕上げ加工機械を使用できる。
繊維補強樹脂における補強繊維とマトリクス樹脂の体積分率は好ましくは40/60〜60/40である。この範囲の体積分率であることによって、好ましい曲げ強度および曲げ弾性率を得ることができる。繊維補強樹脂は、引抜成形により成形されたものであることが好ましい。この成形方法で成形することで、均一断面で長さ方向に繊維が引き揃えられたCFRPを比較的安価に製造することができる。
非木質補強材の断面形状は任意であり、例えば円形であっても正方形または長方形の矩形であってもよいが、円形の場合には左右上下のラミナとの間に隙間ができ、ラミナとの接着面が十分にとれず接着力が得られにくいため、好ましい断面形状は正方形または長方形の矩形である。その幅は好ましくは30〜120mmであり、高さは好ましくは0.3〜30mmである。高さが0.3mm未満であると木質軸部材の集成材および木質床材料に必要な強度と剛性が十分に得られない可能性があり、高さが30mmを超えると非木質補強材を成形することが難しくなるほか、木質軸部材の集成材への内挿にも特殊なプロセスが必要となり、コストが高くなることがある。
木質軸部材として集成材を用いる場合、集成材を構成する引き板(ラミナ)の厚さは一般的に30mm程度であり、これ以上に非木質補強材の高さが大きいと1枚のラミナ内に非木質補強材が納まらず、2枚以上のラミナにわたり非木質補強材が存在することになる。この場合、ラミナに接着剤を塗付し、積層して集成材を作製する工程が複雑になり、ラミナに非木質補強材を挿入するための凹凸加工を施したり、凹凸があるラミナに接着剤を塗付する設備を設けたりする必要がでてきてしまう。したがって、効率よく木質軸部材の集成材の内部に非木質補強材を内挿するために、非木質補強材の高さは30mm以下であることが好ましい。
木質軸部材において非木質補強材を内挿する位置は、木質床材料の剛性を向上させる目的から、木質軸部材の断面の中心点から極力下側、つまり木質板材から遠い位置とすることが望ましい。ただし、非木質補強材が木質軸部材の表面に露出しないようにする必要がある。このことから非木質補強材の最適な内挿位置は、木質軸部材が集成材である場合、集成材の最下ラミナの内側、すなわち下から2番目のラミナ内である。
[補強繊維]
補強繊維としては、例えば、炭素繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサザール繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリイミド繊維、四フッ化エチレン繊維、ガラス繊維を用いることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。補強繊維のなかでも炭素繊維が最も好ましい。
補強繊維の形態としては、例えば連続繊維を一方向に繊維を引き揃えたUD基材や、UD基材の複数を組み合わせたもの、織物、不織布を用いることができ、必要とする強度に応じて設計することができる。性能とコストとのバランスの観点から、連続繊維を一方向に引き揃えたUD基材が特に好ましい。
[マトリクス樹脂]
マトリクス樹脂としては熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、なかでもフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂が好ましい。物性や成形性のバランスの観点からはエポキシ樹脂やビニルエステル樹脂が特に好ましく、木質系シートや最終的な木質軸部材との接着性や耐熱性の観点からはフェノール樹脂が特に好ましい。
[木質軸部材と非木質補強材との一体化]
非木質補強材は、木質軸部材の内部で接着剤を介して木質軸部材と一体化される。接着剤としては、エポキシ系接着剤やアクリル系接着剤など、木材と樹脂とを接着できるものを用いることができる。
木質軸部材が集成材である場合、作製に使用される水溶性高分子−イソシアネート系接着剤やレゾルシノール系接着剤を接着剤として用いることが、プロセスコストを低減するためにも好ましい。接着方法は、接着剤の反応に合わせて選定することでき、常温でプレスしてもよく、高周波を印加して接着してもよい。接着効果を高めるために非木質補強材の表面に凹凸をつけて接着面積を多くしてもよい。
[木質系シート]
非木質補強材は、その表面に木質系シートが一体化されていることが好ましい。すなわち、非木質補強材は、好ましくは少なくとも一面、さらに好ましくは少なくとも二面、特に好ましくは全ての面に木質系シートが一体化されている。この木質系シートは、スライスされた木材および/または木質パルプと熱硬化性樹脂とを含む組成物をシート状に成形したものである。一体化は、例えば上述の接着剤を用いた接着により行うことができる。
木質系シートにおける熱硬化性樹脂は、硬化度が40〜90%であることが好ましい。非木質強化材との接着時に、木質系シートの熱硬化性樹脂の硬化度をこの範囲内にすることにより、強固な接着を得ることができる。熱硬化性樹脂の硬化度が90%を超えると木材用接着剤との反応による化学結合が形成されにくく、非木質補強材料を木質軸部材に内挿したときに木質軸部材の木材と木質系シートとの界面の接着力が低下して好ましくない。他方、硬化度が40%未満であると木質系シート自体の強度が弱くなり、木質系シートが破れ、木質軸部材の木材と木質系シートが乖離する懸念が生じて好ましくない。
この木質系シートとしては、多孔質構造を有するシートが特に好ましい。接着剤が孔内に浸透し、アンカー効果が発揮されやすくなり、接着性能が向上するからである。このような木質系シートとして、具体的には、ダオ、ナラ、パーチ、ビーチ、檜、杉、桜、メープル、チークなどの公知の天然木材をスライサーを用いて作られるもの、および木質系のパルプを用いた紙、不織布などの薄板、あるいは繊維シートを用いることができる。
木質系シートの厚みは、好ましくは0.01〜0.3mmである。厚みが0.01mm以下であると取扱いが困難になる傾向にあり、0.3mmを超えると柔軟性が低下するため後加工性が悪くなる傾向にあり好ましくない。
木質系シートの熱硬化性樹脂としては、具体的にはフェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、クロルフェノール、ブロモフェノールの如きフェノール水酸基を1個有するフェノール類あるいはオリゴマーおよびレゾルシン、ハイドロキノン、カテコール、フロログリシノールなどフェノール性水酸基を2個以上有するフェノール類と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、トリオキサン、テトラオキサンの如きアルデヒド類とをフェノール類/アルデヒド類=2/1〜1/3、好ましくは5/4〜2/5のモル比で、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムの如きアルカリ触媒の存在下でメチロール化して得られる公知のレゾール型フェノール樹脂(フェノールホルムアルデヒド類初期付加縮合樹脂)およびレゾルシノール樹脂を例示することができる。
[製造方法]
非木質補強材の作成方法を、非木質補強材と木質系シートに同じ熱硬化性樹脂を用いる場合を例として説明する。熱化硬化性樹脂と硬化剤または硬化触媒を混合した液状樹脂に補強繊維のストランドを連続的にディップして、補強繊維を100重量%に対する液状樹脂の量が30〜80重量%になるように補強繊維に液状樹脂を含浸させて、樹脂含浸補強繊維のストランドとする。その後、予めドラムに巻き付けておいた木質系シートを、樹脂含浸補強繊維のストランドの少なくとも一面に接触させ、必要に応じて加圧・加熱したあとドラムの幅方向に切断して非木質補強材を得る。液状樹脂は、取扱い性と接着性の観点から25℃における粘度が3〜150ポイズの範囲で用いることが好ましい。
非木質補強材の木質軸部材への内挿は、木質軸部材が集成材である場合には集成材の製造時に集成材を構成する木材ラミナを非木質補強材に置き換えることで、容易に行うことができる。非木質補強材がCLTである場合も同様である。なお、木質軸部材が無垢の木材であるなど、木質軸部材の製造時に木材ラミナと置き換えることができない場合には、木質軸部材の軸方向に連続する孔を空けて接着剤を塗布した非木質補強材を内挿すればよい。
いずれの場合も接着剤の使用量は、非木質補強材の表面積を基準に例えば100〜300g/mである。非木質補強材と木質軸部材との一体化では高周波プレスを適用してもよく、その場合プレス圧は例えば5×10〜15×10Pa、プレス時間は例えば1〜15分間である。
[施工方法]
本発明の木質床材料は、従来の構造用合板やCLTなどの床材料と同様の要領で施工することができる。例えば、構造用合板と同様に、梁の上に本発明の木質床材料を置き、釘やビス、ボルトによって固定することができる。この状態で施工を完了しても、木質床材料は非木質補強材が内挿された木質軸部材によって裏面から補強されているため、高い剛性と強度を発現することができる。
より高い剛性と強度を発現するためには、木質軸部材の少なくとも一端を大梁や小梁、柱、壁などの本発明の木質床材料を支持する部材に固定することが望ましい。木質軸部材の固定には一般的な金物を用いることができる。例えば、梁に固定する場合には、L字金物で木質軸部材を下から受け、ビスなどで動かないように固定する方法をとることができる。また、木質軸部材が接触する梁側面と逆の側面から木質軸部材の断面に向かってボルト穴をあけてボルト締めすること固定してもよい。
床構造全体の剛性と強度を高めるために、隣り合う木質床材料を一体化することが好ましい。例えば、本発明の木造床材料が木質板材として構造用合板を用いその両端部の裏面に木質軸部材を固着している態様である場合、隣り合う木質床材料においてそれぞれの両端部にある木質軸部材も隣接した状態になる。この状態では、左の木質床材料の右端部と右の木質床材料の左端部で木質軸部材が隣り合い接触している。この状態で木質軸部材を金物または接着剤により接着することで、隣り合う木質床材料を一体化することができる。このように、隣り合う木質床材料を一体化することで、複数の木質床材料が一体物となり、より高い剛性と強度を発現することができる。
すなわち、本発明の木質床材料は、木質軸部材の少なくとも一端が床材料を支える梁、柱または壁と、金物部材を介して一体化され、かつ、隣り合う木質床材料がそれぞれの裏面に固着される木質軸部材同士を接合することで一体化して用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明の具体的な使用例を説明する。
[実施例1]
補強繊維として炭素繊維(東邦テナックス株式会社製「HTS40」)を用い、マトリックス樹脂としてビニルエステル樹脂を用いて引抜成形によって非木質補強材を作製した。この非木質補強材においては、補強繊維とマトリックス樹脂との体積比率は60/40であり、断面形状は幅50mm×高さ10mmの長方形とし、長さは730mmとした。また、引抜成形時に非木質補強材の表面の全面に木質系シートを一体化し、その木質系シートの樹脂硬化度が85%になるように調整した。
得られた非木質補強材を、断面が幅105mm×高さ210mmの集成材の下限面からラミナ1枚分(30mm)内側で、かつ集成材の両側面から27.5mm内側に配置(内挿)した木質軸部材を得た。木材の種類としてはスギを用い、スギのラミナ同士の接着およびスギのラミナと非木質補強材との接着には、レゾルシノール系接着剤(オーシカ化学株式会社製、D300/DL880を100:30重量部で混合したもの)を使用した。
接着剤の塗布量は、ラミナの表面積を基準に125g/mとして高周波プレス(プレス圧7.5×10Pa、プレス時間5分間)により長さ790mmの木質軸部材を作製した。
得られた木質軸部材を、厚み24mmの構造用合板(幅910mm×長さ1820mm)の短尺と平行の向きに752.5mmの間隔をあけて3本の木質軸部材を接着した。短尺方向の接着位置は大梁へビス止めする余地を残すため、両端から60mm内側とした。接着剤には木質軸部材と同様にレゾルシノール接着剤を使用した。
このようにして得られた木質床材料を、梁間隔790mmの大梁(幅120mm×高さ300mm)間に木質軸部材が大梁と垂直方向となるように上部から置き、構造用合板を大梁上面にビス止めした(図2)。
このように構造用合板の剛性・強度を向上した木質床材料を簡単に施工することができる。さらに床構造として剛性・強度を向上させる場合には、大梁に木質軸部材の端部を金物固定してもよい。使用される金物はL字金物で木質軸部材を下から固定する方法が簡易で望ましい。大梁は任意の方法で柱や壁と接合されておればよく、本発明の木質床材料が大梁の接合に影響を及ぼすことはない。
[実施例2]
構造用合板の長尺方向を木質軸部材で補強する方法を説明する。
非木質補強材は実施例1と同様とし、長さは2950mmとした。また、実施例1と同様の位置に非木質補強材を配置(内挿)した木質軸部材を得た。長さは3010mmとした。
得られた木質軸部材を厚み12mmの構造用合板(幅910mm×長さ3010mm)の長尺と平行の向きに297.5mmの間隔をあけて3本の木質軸部材を接着した。長尺方向の接着位置は構造用合板と木質軸部材の端部を合せて接着した。接着剤には木質軸部材と同様にレゾルシノール接着剤を使用した。
このようにして得られた木質床材料を梁間隔910mmの大梁(幅120mm×高さ300mm)に、木質軸部材が大梁と垂直方向となるように上部から置き、木質軸部材を大梁に金物を用いて接合した(図3)。金物にはL字金物を使用し、木質軸部材の両側面において、木質軸部材の側面と大梁上面をビス止めした。
このように構造用合板の剛性・強度を向上した木質床材料を簡単に施工することができ、この場合は木質軸部材が従来工法の根太の役割を果たす。大梁は任意の方法で柱や壁と接合されておればよく、本発明の木質床材料が大梁の接合に影響を及ぼすことはない。
[実施例3]
CLT(Cross Laminated Timber)の長尺方向を木質軸部材で補強する方法を説明する。
非木質補強材は実施例1と同様とし、長さは4440mmとした。また、実施例1と同様の位置に非木質補強材を配置した木質軸部材を得た。長さは4500mmとした。
得られた木質軸部材を3プライ厚さ90mmのCLT(幅910mm×長さ4500mm)の長尺と平行の向きに297.5mmの間隔をあけて3本の木質軸部材を接着した。長尺方向の接着位置は構造用合板と木質軸部材の端部を合せて接着した。接着剤には木質軸部材と同様にレゾルシノール接着剤を使用した。
このようにして得られた木質床材料を従来のCLTの工法によって壁材料と接合し、隣り合う木質床材料は端部に接着された木質軸部材を左右からボルト締めして固定した(図4)。
このようにCLTの剛性・強度を向上した木質床材料を簡単に施工することができる。本発明の木質床材料は従来のCLTの施工方法で壁材と接合することができ、本発明の木質床材料がその接合方法に影響を及ぼすことはない。さらに床構造として剛性・強度を向上させる場合には、壁材料の木質軸部材が接する逆の面から木質軸部材の端面に対してボルトで固定してもよい。
本発明の木質床材料は、強度が高く施工性が良い木質床材料として、好適に用いることができる。
11 木質板材
12 木質軸部材
13 非木質補強材
21 木質板材
22 木質軸部材
23 梁
24 木質軸部材
25 釘、ビスまたはボルト
31 木質板材
32 木質軸材
33 梁
34 木質軸部材
35 梁
41 木質板材
42 木質軸部材
43 非木質補強材
44 木質軸部材
45 非木質補強材

Claims (6)

  1. 木質板材とその少なくとも一方の面に複数本固着された木質軸部材とからなり、該木質軸部材の内部に非木質補強材が内挿されていることを特徴とする木質床材料。
  2. 非木質補強材が、補強繊維として長さ方向に引き揃えられた長繊維の炭素繊維を用い、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂およびフェノール樹脂のいずれかを用いた炭素繊維強化樹脂である、請求項1記載の木質床材料。
  3. 非木質補強材はその表面に木質系シートが一体化されており、該木質系シートはスライスされた木材および/または木質パルプと熱硬化性樹脂とを含む組成物をシート状に成形したものであり、該熱硬化性樹脂の硬化度が40〜90%である、請求項2記載の木質床材料。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の木質床材料において、木質軸部材が木質板材の少なくとも一方の辺とそれに対向する辺に配置されている木質床材料。
  5. 請求項4に記載の木質床材料の少なくとも二つを、それらの木質軸部材の長辺と長辺とを相互に接するように接合して一体化した木質床材料。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の木質床材料を、その木質軸部材の少なくとも一端を床材料を支える梁、柱および/または壁と金物部材を介して一体化することを特徴とする、木質床材料を建築物に取り付ける施工方法。
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