JP2018088911A - 飲料組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、濁り成分増加による風味向上と、濁り成分の沈降抑制による美観向上とを両立させた飲料組成物を提供するものである。
下記の(A)、(B)及び(C)の要件を満たす、飲料組成物を提供するものである。
(A)カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が0.180以下である。
(B)該飲料組成物中に含まれる粒子の平均粒子径が3μm以下である。
(C)濁度が30NTU以上である。
(A)カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が0.180以下であり、
非重合体カテキン類濃度が175mg/100mLとなるように濃度調整したときに、下記の(B)及び(C)の要件を満たす、緑茶抽出物を提供するものである。
(B)濃度調整液中に含まれる粒子の平均粒子径が3μm以下である。
(C)濃度調整液の濁度が30NTU以上である。
(A)カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が0.180以下であり、
非重合体カテキン類濃度が175mg/100mLとなるように濃度調整したときに、下記の(B)及び(C)の要件を満たす、緑茶抽出物を提供するものである。
(B)濃度調整液中に含まれる粒子の平均粒子径が3μm以下である。
(C)濃度調整液の濁度が30NTU以上である。
本発明の飲料組成物は、非重合体カテキン類及びカフェインを含有するものである。ここで、本明細書において「非重合体カテキン類」とは、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びカテキンガレートからなるガレート型非重合体カテキン類と、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びカテキンからなる遊離型非重合体カテキン類を併せての総称である。なお、非重合体カテキン類の含有量は、上記8種の合計量に基づいて定義され、本発明においては、上記8種の非重合体カテキン類のうち少なくとも1種を含有すればよい。
本発明の緑茶抽出物は、非重合体カテキン類及びカフェインを含有するものであり、カフェイン含有量が通常含まれる量よりも顕著に低減されている。具体的には、緑茶抽出物中のカフェイン/非重合体カテキン類の質量比は0.180以下であるが、0.175以下が好ましく、0.170以下がより好ましく、0.165以下が更に好ましく、0.160以下がより更に好ましい。なお、かかるカフェイン/非重合体カテキン類の質量比は0であっても構わないが、生産効率の観点から、0.001以上でも、0.01以上であっても良い。かかるカフェイン/非重合体カテキン類の質量比の範囲としては、好ましくは0〜0.180、より好ましくは0.001〜0.175、更に好ましくは0.001〜0.170、より更に好ましくは0.01〜0.165、殊更に好ましくは0.01〜0.160である。
なお、平均粒子径及び濁度は、緑茶抽出物中の非重合体カテキン類濃度を175mg/100mLとするために緑茶抽出物を希釈又は濃縮して濃度調整した後、測定することができる。緑茶抽出物を希釈する際の溶媒として通常水が使用されるが、水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、天然水、水道水等が挙げられ、中でもイオン交換水が好ましい。濃縮方法としては、常圧にて溶媒の蒸発を行う常圧濃縮法、減圧にて溶媒の蒸発を行う減圧濃縮法、膜分離により溶媒を除去する膜濃縮法等が挙げられる。濃縮時の温度や圧力条件は適宜選択可能である。
工程(a)は、生茶葉を温水と接触させる工程である。これにより、カフェインを選択的に除去することができる。ここで、本明細書において「生茶葉」とは、摘採後、熱処理前の茶葉、又は摘採後、熱処理前に冷蔵若しくは冷凍保存した茶葉をいい、発酵抑制の観点から、生茶葉として、摘採後24時間以内のものを使用するか、又は摘採後24時間以内に冷蔵若しくは冷凍保存したものを使用することが好ましい。
また、接触させる温水の温度は、カフェインの選択的除去の観点から、83℃以上が好ましく、85℃以上がより好ましく、87℃以上が更に好ましく、そして温度制御の観点から、99℃以下が好ましく、98℃以下がより好ましく、97℃以下が更に好ましい。かかる温水の温度の範囲としては、好ましくは83〜99℃、より好ましくは85〜98℃、更に好ましくは87〜97℃である。
また、工程(a)後、接触処理後の茶葉をそのまま次工程に用いても構わないが、茶葉の表面に付着した水分を除去することもできる。除去方法としては、振とう等により取り除いても、ウエス、ペーパー等で軽く拭き取ってもよい。また、工程(a)後の茶葉を乾燥することもできる。
固液分離としては、食品工業で通常使用されている方法を採用することができる。例えば、濾過、遠心分離、膜処理等が挙げられ、1種又は2種以上組み合わせて行うことができる。
また、ろ紙濾過は、例えば、ろ紙上に濾過助剤をプレコートしてもよい。濾過助剤としては、例えば、珪藻土、セルロース及びこれらを組み合わせたものが挙げられ、その使用量は適宜選択可能である。また、加圧濾過、吸引濾過等の濾過方法も採用することもできる。
遠心分離する際の温度は、非重合体カテキン類の回収率向上、夾雑物除去の観点から、好ましくは5〜70℃、更に好ましくは10〜40℃である。また、回転数と時間は適宜設定可能であるが、例えば、分離板型の場合、回転数は、好ましくは2000〜10000r/min、より好ましくは2500〜9000r/min、更に好ましくは3000〜8000r/minであり、時間は、好ましくは0.2〜75分、より好ましくは0.5〜60分、更に好ましくは1〜30分である。
膜孔径は、非重合体カテキン類の回収率向上、夾雑物除去の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.15μm以上がより好ましく、0.2μm以上が更に好ましく、そして10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、2μm以下が更に好ましい。かかる膜孔径の範囲としては、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.15〜5μm、更に好ましくは0.2〜2μmである。なお、膜孔径の測定方法としては、水銀圧入法、バブルポイント試験、細菌ろ過法等を用いた一般的な測定方法が挙げられるが、バブルポイント試験で求めた値を用いることが好ましい。
膜の材質としては、例えば、高分子膜、セラミック膜、ステンレス膜等を挙げることができる。
緑茶抽出物の形態としては、例えば、液体、スラリー、半固体、固体等の種々のものが挙げられる。緑茶抽出物の製品形態として液体が望ましい場合は、例えば、減圧濃縮、逆浸透膜濃縮等により濃縮することが可能であり、また固体が望ましい場合は、例えば、噴霧乾燥や凍結乾燥等により粉体とすることもできる。
非重合体カテキン類及びカフェインを含有する緑茶抽出物であって、
(A)カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が0.180以下であり、
非重合体カテキン類濃度を175mg/100mLとなるように濃度調整したときに、下記の(B)及び(C)の要件を満たす、緑茶抽出物。
(B)濃度調整液中に含まれる微粒子の平均粒子径が3μm以下である。
(C)濃度調整液の濁度が30NTU以上である。
生茶葉を温水と接触させる工程(a)を経て得られる緑茶抽出物であって、
(A)カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が0.180以下であり、
非重合体カテキン類濃度が175mg/100mLとなるように濃度調整したときに、下記の(B)及び(C)の要件を満たす、緑茶抽出物。
(B)濃度調整液中に含まれる粒子の平均粒子径が3μm以下である。
(C)濃度調整液の濁度が30NTU以上である。
生茶葉を温水と接触させる工程(a)を含む、緑茶抽出物の製造方法。
当該緑茶抽出物は、カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が、好ましくは0〜0.180、より好ましくは0.001〜0.175、更に好ましくは0.001〜0.170、より更に好ましくは0.01〜0.165、殊更に好ましくは0.01〜0.160である、前記<1−1>又は<1−2>記載の緑茶抽出物、又は前記<1−3>記載の緑茶抽出物の製造方法(以下、「緑茶抽出物又は緑茶抽出物の製造方法」を「緑茶抽出物等」と称する)。
<1−5>
当該緑茶抽出物は、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは25〜50質量%、更に好ましくは30〜40質量%である、前記<1−1>〜<1−4>のいずれか一に記載の緑茶抽出物等。
<1−6>
当該緑茶抽出物は、固形分中のカフェインの含有量が、好ましくは0〜11質量%、より好ましくは0.03〜9質量%、更に好ましくは0.3〜6.5質量%である、前記<1−1>〜<1−5>のいずれか一に記載の緑茶抽出物等。
<1−7>
当該緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度を175mg/100mLとなるように濃度調整したときに、該濃度調整液中に含まれる粒子の平均粒子径が、好ましくは0.1〜3μm、より好ましくは0.1〜1.5μm、更に好ましくは0.2〜0.9μm、より更に好ましくは0.3〜0.6μmである、前記<1−1>〜<1−6>のいずれか一に記載の緑茶抽出物等。
<1−8>
当該緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度を175mg/100mLとなるように濃度調整したときに、該濃度調整液の濁度が、好ましくは30〜300NTU、より好ましくは40〜300NTU、更に好ましくは50〜250NTU、より更に好ましくは60〜200NTU、殊更に好ましくは80〜200NTU、殊更に好ましくは85〜200NTUである、前記<1−1>〜<1−7>のいずれか一に記載の緑茶抽出物等。
非重合体カテキン類及びカフェインを含有する緑茶抽出物であって、
(A)カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が0.01〜0.160であり、
非重合体カテキン類濃度を175mg/100mLとなるように濃度調整したときに、下記の(B)及び(C)の要件を満たす、緑茶抽出物。
(B)濃度調整液中に含まれる微粒子の平均粒子径が0.2〜0.9である。
(C)濃度調整液の濁度が80〜200NTUである。
当該緑茶抽出物は、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が好ましくは30〜40質量%である、前記<1−9>に記載の緑茶抽出物。
<1−11>
粒子が、好ましくは水不溶性の浮遊性物質及び/又は沈降性浮遊物質であり、更に好ましくは緑茶抽出物に含まれる水不溶性の浮遊性物質及び/又は沈降性浮遊物質である、前記<1−1>〜<1−10>のいずれか一に記載の緑茶抽出物等。
<1−12>
当該緑茶抽出物の形態が、好ましくは液体、スラリー、半固体又は固体である、前記<1−1>〜<1−11>のいずれか一に記載の緑茶抽出物等。
<1−13>
非重合体カテキン類が、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、カテキンガレート、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びカテキンから選択される少なくとも1種であり、更に好ましくは前記8種のすべてである、前記<1−1>〜<1−12>のいずれか一に記載の緑茶抽出物等。
前記<1−1>、<1−2>、<1−4>〜<1−13>のいずれか一に記載の緑茶抽出物を配合してなる、飲料組成物。
非重合体カテキン類及びカフェインを含有する飲料組成物であって、
下記(A)、(B)及び(C)の要件を満たす、飲料組成物。
(A)カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が0.180以下である。
(B)該飲料組成物中に含まれる粒子の平均粒子径が3μm以下である。
(C)濁度が30NTU以上である。
カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が、好ましくは0〜0.180、より好ましくは0.001〜0.175、更に好ましくは0.001〜0.170、より更に好ましくは0.01〜0.165、殊更に好ましくは0.01〜0.160である、前記<2−1>又は<2−2>記載の飲料組成物。
<2−4>
非重合体カテキン類の含有量が、飲料組成物中に、好ましくは30〜200mg/100mL、より好ましくは40〜190mg/100mL、更に好ましくは80〜180mg/100mL、殊更に好ましくは110〜180mg/100mLである、前記<2−1>〜<2−3>のいずれか一に記載の飲料組成物。
<2−5>
カフェインの含有量が、飲料組成物中に、好ましくは0〜36mg/100mL、より好ましくは0.18〜33mg/100mL、更に好ましくは1.8〜30mg/100mLである、前記<2−1>〜<2−4>のいずれか一に記載の飲料組成物。
<2−6>
飲料組成物中に含まれる粒子の平均粒子径が、好ましくは0.1〜3μm、より好ましくは0.1〜1.5μm、更に好ましくは0.2〜0.9μm、より更に好ましくは0.3〜0.6μmである、前記<2−1>〜<2−5>のいずれか一に記載の飲料組成物。
<2−7>
濁度が、好ましくは30〜300NTU、より好ましくは40〜300NTU、更に好ましくは50〜250NTU、より更に好ましくは60〜200NTU、より更に好ましくは80〜200NTU、殊更に好ましくは85〜200NTUである、前記<2−1>〜<2−6>のいずれか一に記載の飲料組成物。
非重合体カテキン類及びカフェインを含有する飲料組成物であって、
下記(A)、(B)及び(C)の要件を満たす、飲料組成物。
(A)カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が0.01〜0.160である。
(B)該飲料組成物中に含まれる粒子の平均粒子径が0.2〜0.9μm以下である。
(C)濁度が80〜200NTUである。
非重合体カテキン類の含有量が、飲料組成物中に好ましくは110〜180mg/100mLである、前記<2−8>に記載の飲料組成物。
<2−10>
粒子が、好ましくは水不溶性の浮遊性物質及び/又は沈降性浮遊物質であり、更に好ましくは緑茶抽出物に含まれる水不溶性の浮遊性物質及び/又は沈降性浮遊物質である、前記<2−1>〜<2−9>のいずれか一に記載の飲料組成物。
<2−11>
好ましくは甘味料、香料、色素、ビタミン、果汁エキス、野菜エキス、花蜜エキス、ハーブ、有機酸、有機酸塩、無機酸、無機酸塩、無機塩、酸化防止剤、pH調整剤及び品質安定剤から選択される1種又は2種以上の添加剤を更に含有する、前記<2−1>〜<2−10>のいずれか一に記載の飲料組成物。
<2−12>
好ましくは茶飲料組成物又は非茶飲料組成物であり、より好ましくは茶飲料組成物であり、更に好ましくは緑茶飲料組成物である、前記<2−1>〜<2−11>のいずれか一に記載の飲料組成物。
<2−13>
茶飲料組成物が、好ましくは緑茶飲料、烏龍茶飲料又は紅茶飲料である、前記<2−12>記載の飲料組成物。
<2−14>
非茶系飲料組成物が、好ましくは非アルコール飲料又はアルコール飲料である、前記<2−12>記載の飲料組成物。
<2−15>
非アルコール飲料が、好ましくは炭酸飲料、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤又は美容ドリンク剤であり、アルコール飲料が、好ましくはビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン又はリキュールである、前記<2−14>記載の飲料組成物。
<2−16>
飲料組成物の形態が、好ましくは液体、ゲル状又はスラリー状である、前記<2−1>〜<2−15>のいずれか一に記載の飲料組成物。
<2−17>
容器詰飲料である、前記<2−1>〜<2−16>のいずれか一に記載の飲料組成物。
<2−18>
容器が、好ましくはポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、又は瓶である、前記<2−17>記載の飲料組成物。
<2−19>
加熱殺菌済である、前記<2−1>〜<2−18>のいずれか一に記載の飲料組成物。
<2−20>
殺菌方法が、好ましくは適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであり、更に好ましくはレトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、又は超高温殺菌法(UHT法)である、前記<2−19>記載の飲料組成物。
<2−21>
非重合体カテキン類が、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、カテキンガレート、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びカテキンから選択される少なくとも1種であり、更に好ましくは前記8種のすべてである、前記<2−1>〜<2−20>のいずれか一に記載の飲料組成物。
純水で希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラディエント条件は以下の通りである。
時間 A液濃度 B液濃度
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
60分 97% 3%
(1)カテキン(C):25.4分
(2)エピカテキン(EC):31.4分
(3)エピカテキンガレート(ECg):40.7分
(4)エピガロカテキンガレート(EGCg):31.7分
(5)ガロカテキンガレート(GCg):33.9分
(6)カテキンガレート(Cg):41.4分
(7)エピガロカテキン(EGC):23.5分
(8)ガロカテキン(GC) :14.7分
(9)カフェイン:26.9分
ここで求めたarea%から試薬(C、EC、ECg、EGCg、GCg、Cg、EGC、GC:三井農林社製、カフェイン:和光純薬)を標準物質とし、非重合体カテキン類及びカフェインの含有量(質量%)を求めた。
後述の各実施例及び比較例で得られた茶飲料の濁度を、濁度計(Turbidimeter/TN-100 EUTECH INSTRUMENTS社製)を用いて25℃にて測定した。
保存前の試料の濁度(NTU)と、5℃で7日間保存後の試料の濁度(NTU)から、下記式により濁度の変化率を求めた。
後述の各実施例及び比較例で得られた茶飲料中の粒子の平均粒子径を、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920 (HORIBA製)を用いて測定した。この際、必要により、適正な透過率になるようにイオン交換水を用いて、濃度調整した。
後述の各実施例及び比較例で得られた茶飲料を専門パネル4名が飲用し、緑茶のコクについて5段階で評価し、その後協議により最終スコアを決定した。
5:緑茶のコクが豊かである(実施例7よりコクを感じる)
4:緑茶のコクがある(実施例7相当)
3:緑茶のコクがややある(比較例4よりコクを感じるが、実施例7ほど感じない)
2:緑茶のコクがわずかにある(比較例4相当)
1:緑茶のコクがない(比較例4ほどコクを感じない)
フルリーフの生茶葉100gを、90℃のイオン交換水1000gにより180秒間浸漬した。次に、メッシュにより濾過して茶葉を回収し、茶葉抽出液を廃棄した。
次に、回収した茶葉をフードプロセッサーにより裁断した。裁断後の茶葉の大きさは約3mmであった。
次に、裁断後の茶葉に90℃のイオン交換水500gを投入し、ホモジナイザー(HSIANGTAI社製、翼径3cm)を用いて、回転数10,000rpm、30分間の条件で撹拌抽出した後、濾過して緑茶抽出物を得た。
得られた緑茶抽出物を、非重合体カテキン類濃度が0.175g/100mLとなるようにイオン交換水で希釈して茶飲料を調製し、分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1と同様の操作により緑茶抽出物を得た後、表1に示すカフェイン/非重合体カテキン類の質量比となるようにカフェインを添加した。次いで、得られた緑茶抽出物を、表1に示す非重合体カテキン類濃度となるようにイオン交換水で希釈して茶飲料を調製し、分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1と同様の操作により緑茶抽出物を得た後、該緑茶抽出物をフリーズドライして粉末緑茶抽出物を得た。得られた粉末緑茶抽出物を、表1に示す非重合体カテキン類濃度となるようにイオン交換水で希釈して茶飲料を調製し、分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1においてホモジナイザーの回転数を15,000rpmに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により緑茶抽出物を得た。次いで、得られた緑茶抽出物を、表1に示す非重合体カテキン類濃度となるようにイオン交換水で希釈して茶飲料を調製し、分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1と同様の操作により緑茶抽出物を得た後、表1に示すカフェイン/非重合体カテキン類の質量比となるようにカフェインを添加した。次いで、得られた緑茶抽出物を、表1に示す非重合体カテキン類濃度となるようにイオン交換水で希釈して茶飲料を調製し、分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
フルリーフの生茶葉100gに、100℃の蒸気1000gを60秒間接触させた。
次に、回収した茶葉に対し、実施例1と同様の操作により、裁断・抽出し、緑茶抽出物を得た。次いで、得られた緑茶抽出物を、表1に示す非重合体カテキン類濃度となるようにイオン交換水で希釈して茶飲料を調製し、分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
2Lの4つ口丸底フラスコに68質量%のエタノール水溶液800gに、粉末状の緑茶抽出物(ポリフェノンG、三井農林社製)200gを投入し、次いで酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)を37g、活性炭(GLC、クラレケミカル社製)を28g、ろ過助剤(ソルカフロック、栗田工業社製)12gを添加した。その後、25℃にて2時間撹拌した。次いで、濾過し、濾液を0.45μmのフィルター処理を行った。次いで、減圧濃縮によりエタノール溶媒を留去し緑茶抽出物を得た。次いで、得られた緑茶抽出物を、表1に示す非重合体カテキン類濃度となるようにイオン交換水で希釈して茶飲料を調製し、分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1と同様の操作により緑茶抽出物を得た後、該緑茶抽出物を精密濾過モジュールであるペンシル型モジュール(旭化成ケミカルズ社製、細孔径0.2μm、材質:ポリフッ化ビニリデン)を装着し、ゲージ圧100kPa、温度25℃にて、加圧濾過し緑茶抽出物を得た。得られた緑茶抽出物を、表1に示す非重合体カテキン類濃度となるようにイオン交換水で希釈して茶飲料を調製し、分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1において、ホモジナイザーによる撹拌抽出に代えてプロペラ撹拌翼(翼径5cm)を用いて回転数50rpmで撹拌抽出を行った以外は実施例1と同様の操作により緑茶抽出物を得た。次いで、得られた緑茶抽出物を、表1に示す非重合体カテキン類濃度となるようにイオン交換水で希釈して茶飲料を調製し、分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例5において、温水処理に代えて比較例2記載の蒸熱処理を行った以外は比較例5と同様の操作により緑茶抽出物を得た。次いで、得られた緑茶抽出物を、表1に示す非重合体カテキン類濃度となるようにイオン交換水で希釈して茶飲料を調製し、分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
フルリーフの生茶葉100gを、90℃のイオン交換水1000gにより180秒間浸漬した。次に、メッシュにより濾過して茶葉を回収し、茶葉抽出液を廃棄した。
次に、回収した茶葉をフードプロセッサーにより裁断した。裁断後の茶葉の大きさは約3mmであった。
次に、裁断後の茶葉に90℃のイオン交換水500gを投入し、プロペラ撹拌翼を用いて、回転数50rpm、30分間の条件で撹拌抽出した後、濾過して緑茶抽出物を得た。得られた緑茶抽出物を精密濾過モジュールであるペンシル型モジュール(旭化成ケミカルズ社製、細孔径0.2μm、材質:ポリフッ化ビニリデン)を装着し、ゲージ圧100kPa、温度25℃にて、加圧濾過し緑茶抽出物を得た。次いで、得られた緑茶抽出物を、表1に示す非重合体カテキン類濃度となるようにイオン交換水で希釈した後、抹茶を添加して茶飲料を調製し、分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例7において、温水処理に代えて比較例2記載の蒸熱処理を行った以外は比較例7と同様の操作により緑茶抽出物を得た。次いで、得られた緑茶抽出物を、表1に示す非重合体カテキン類濃度となるようにイオン交換水で希釈して茶飲料を調製し、分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
Claims (12)
- 非重合体カテキン類及びカフェインを含有する飲料組成物であって、
下記(A)、(B)及び(C)の要件を満たす、飲料組成物。
(A)カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が0.180以下である。
(B)該飲料組成物中に含まれる粒子の平均粒子径が3μm以下である。
(C)濁度が30NTU以上である。 - 非重合体カテキン類の含有量が30〜200mg/100mLである、請求項1記載の飲料組成物。
- 前記平均粒子径が0.2〜0.9μmである、請求項1又は2記載の飲料組成物。
- 前記濁度が80NTU以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料組成物。
- 前記カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が0.01〜0.160である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料組成物。
- 茶飲料組成物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料組成物。
- 非重合体カテキン類及びカフェインを含有する緑茶抽出物であって、
(A)カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が0.180以下であり、
非重合体カテキン類濃度を175mg/100mLとなるように濃度調整したときに、下記の(B)及び(C)の要件を満たす、緑茶抽出物。
(B)濃度調整液中に含まれる微粒子の平均粒子径が3μm以下である。
(C)濃度調整液の濁度が30NTU以上である。 - 固形分中の非重合体カテキン類の含有量が20〜60質量%である、請求項7記載の緑茶抽出物。
- 前記平均粒子径が0.2〜0.9μmである、請求項7又は8記載の緑茶抽出物。
- 前記濁度が80NTU以上である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の緑茶抽出物。
- 前記カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が0.01〜0.160である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の緑茶抽出物。
- 生茶葉を温水と接触させる工程を経て得られる緑茶抽出物であって、
(A)カフェイン/非重合体カテキン類の質量比が0.180以下であり、
非重合体カテキン類濃度が175mg/100mLとなるように濃度調整したときに、下記の(B)及び(C)の要件を満たす、緑茶抽出物。
(B)濃度調整液中に含まれる粒子の平均粒子径が3μm以下である。
(C)濃度調整液の濁度が30NTU以上である。
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