JP2018087770A - 液滴分注装置、液滴分注方法、及び被着対象物 - Google Patents

液滴分注装置、液滴分注方法、及び被着対象物 Download PDF

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Abstract

【課題】粒子計数の処理時間を大幅に短縮できる液滴分注装置の提供。【解決手段】粒子を含む液滴が着滴する複数の凹部が形成された被着対象物と、粒子を含む液滴を形成し、液滴を被着対象物の所定の凹部内の所定の位置に着滴させる液滴形成手段と、着滴した液滴に含まれる粒子を撮像する撮像手段と、撮像手段により撮影した画像から液滴に含まれる粒子を計数する粒子計数手段と、を有する液滴分注装置である。【選択図】図1

Description

本発明は、液滴分注装置、液滴分注方法、及び被着対象物に関する。
単一細胞、既知数の細胞を分注する技術は、例えば、癌の研究分野や細胞の診断手法において、非常に重要である。分注する技術としては、例えば、限界希釈法、マニピュレータ、マイクロ流路、フローサイトメーターを用いる手法等が存在するが、いずれにおいても分注後の細胞数の検査精度、及び効率が課題である。
このため、例えば、マルチウェルプレートのウェル内に存在する細胞を効率よく検出するためのスクリーニング方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この提案では、ウェル内を複数領域に分割及びスキャンすること、蛍光標識が加えられた細胞に光を照射し細胞が発する光を検出すること、及び焦点をウェル内の細胞に合わせるオートフォーカス機能を備えること、により細胞を数個レベルで検出可能であり、効率的な細胞スクリーニングを可能としている。
本発明は、粒子計数の処理時間を大幅に短縮できる液滴分注装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段としての本発明の液滴分注装置は、粒子を含む液滴が着滴する複数の凹部が形成された被着対象物と、
粒子を含む液滴を形成し、液滴を被着対象物の所定の凹部内の所定の位置に着滴させる液滴形成手段と、
着滴した液滴に含まれる粒子を撮像する撮像手段と、
撮像手段により撮影した画像から液滴に含まれる粒子を計数する粒子計数手段と、を有する。
本発明によると、粒子計数の処理時間を大幅に短縮できる液滴分注装置を提供することができる。
図1は、本発明の液滴分注装置の一例を示す概略図である。 図2Aは、被着対象物の凹部に着弾した直後の液滴及び液滴内の粒子の状態を示す写真である。 図2Bは、乾燥後の液滴に含まれていた粒子の状態を示す写真である。 図3Aは、撮像手段の走査部による対物レンズの焦点位置の間隔Zが0mmのときの粒子像を示す写真である。 図3Bは、撮像手段の走査部による対物レンズの焦点位置の間隔Zが0.02mmのときの粒子像を示す写真である。 図3Cは、撮像手段の走査部による対物レンズの焦点位置の間隔Zが0.05mmのときの粒子像を示す写真である。 図3Dは、撮像手段の走査部による対物レンズの焦点位置の間隔Zが0.1mmのときの粒子像を示す写真である。 図4は、本発明の液滴分注装置の他の一例を示す概略図である。 図5は、本発明の液滴分注装置の他の一例を示す概略図である。 図6は、本発明の液滴分注装置の他の一例を示す概略図である。 図7は、本発明の液滴分注装置における液滴吐出部の吐出面の複数の吐出口の配置状態の一例を示す概略平面図である。 図8は、本発明の液滴分注装置における液滴吐出部の吐出面の複数の吐出口の配置状態の他の一例を示す概略平面図である。 図9は、本発明の液滴分注装置における液滴吐出部の吐出面の複数の吐出口の配置状態の他の一例を示す概略平面図である。 図10は、本発明の液滴分注装置における液滴吐出部の吐出面の複数の吐出口の配置状態の他の一例を示す概略平面図である。 図11は、本発明の液滴分注装置における液滴吐出部の吐出面の複数の吐出口の配置状態の他の一例を示す概略平面図である。 図12は、本発明の液滴分注装置の他の一例を示す概略図である。 図13Aは、本発明の液滴分注装置における液滴形成手段の一例を示す概略図である。 図13Bは、本発明の液滴分注装置における撮像手段の一例を示す概略図である。 図14Aは、本発明の液滴分注装置における液滴形成手段の他の一例を示す概略図である。 図14Bは、本発明の液滴分注装置における撮像手段の他の一例を示す概略図である。
(液滴分注装置及び液滴分注方法)
本発明の液滴分注装置は、被着対象物と、液滴形成手段と、撮像手段と、粒子計数手段とを有し、乾燥手段、移動手段、及び制御手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の液滴分注方法は、液滴形成工程と、撮像工程と、粒子計数工程とを含み、乾燥工程、移動工程、及び制御工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の液滴分注装置及び液滴分注方法は、従来の細胞スクリーニング方法では、凹部(ウェル)内における細胞の存在位置が不明であることが前提となっており、ウェル内を微小分割した領域を順次スキャンして細胞数をカウントするなどの操作が必要であり、処理時間がかかってしまうという知見に基づくものである。
また、本発明の液滴分注装置及び液滴分注方法は、被着対象物の複数の凹部(ウェル)の所定位置に液滴を着滴させることで、ウェル内において粒子を探すための所作が不要となるため、粒子計数にかかる処理時間を短縮することができる。
本発明の液滴分注方法は、本発明の液滴分注装置により好適に実施することができ、液滴形成工程は液滴形成手段により行うことができ、撮像工程は撮像手段により行うことができ、粒子計数工程は粒子計数手段により行うことができ、乾燥工程は乾燥手段により行うことができ、移動工程は移動手段により行うことができ、制御工程は制御手段により行うことができ、その他の工程はその他の手段により行うことができる。
以下、本発明の液滴分注装置の説明を通じて、本発明の液滴分注方法の詳細についても明らかにする。
<被着対象物>
被着対象物は、液滴形成手段で形成された粒子を含む液滴が着滴する複数の凹部が形成された部材である。
被着対象物としては、液滴形成手段から吐出された液滴が付着することができれば、その材質、形状、大きさ、構造などについて特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
被着対象物の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、半導体、セラミックス、金属、ガラス、石英ガラス、プラスチックスなどで形成されたものが好適に挙げられる。
なお、被着対象物の下方から凹部内に着滴された粒子を撮像する場合には、透明性の高い材質を用いることが好ましく、例えば、樹脂製、ガラス製のプレートが好適に使用される。
被着対象物の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、板状、プレート状などが好ましい。
被着対象物の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層構造であっても複数層構造であっても構わない。
被着対象物に設ける凹部の数は、複数であり、2つ以上が好ましく、5つ以上がより好ましく、50以上が更に好ましい。
被着対象物としては、具体的には、マルチウェルプレートが好適である。マルチウェルプレートとしては、24、48、96、又は384のウェルプレートが挙げられる。なお、プレート形状ではなく、8連チューブ等の連結タイプのウェルチューブであってもよい。
被着対象物は、液滴誘導手段を有することが好ましい。
液滴誘導手段は、被着対象物の凹部の中央部に設けられていることが、少なくとも1つの凹部が形成された被着対象物の凹部の中央部に、液滴を高い精度で着滴させることができる点から好ましい。
液滴誘導手段としては、被着対象物の少なくとも1つの凹部の中央部と周辺部とを異なる電荷状態にするため、凹部の中央部及び周辺部の少なくともいずれかに配置された液滴誘導用電極であることが好ましい。これにより、液滴吐出部により吐出された液滴を電気的に凹部の中央部へ引っ張って誘導することができる。また、凹部の中央部及び周辺部の少なくともいずれかを同時に荷電することができ、高スループット化できる。
周辺部に配置された液滴誘導用電極は、吐出された液滴と反発する電荷を有することが好ましい。
中央部に配置された液滴誘導用電極は、吐出された液滴を引き寄せる電荷を有することが好ましい。
凹部の中央部は、凹部の中心から半径2.5mm以下が好ましく、半径1.0mm以下がより好ましく、半径0.25mmが更に好ましい。凹部の周辺部は、凹部の中央部以外である。
液滴誘導用電極を凹部の周辺部に配置する場合には、凹部の周縁に環状(リング状)に設けることが好ましい。
液滴誘導用電極の形状、材質、大きさ、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液滴誘導用電極の材質としては、例えば、ニッケル、銅、銀、金、ニッケル−クロム合金、ステンレス鋼、あるいはこれらの合金又は混合物、カーボン、白金、タンタル、ITO(Indium Tin Oxide)、亜鉛、カーボンナノチューブ、チオフェン、グラフェン、ピロール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
液滴誘導用電極は、被着対象物の凹部を跨ぐような棒状形状であってもよい。液滴誘導用電極を被着対象物の凹部を跨ぐように設けることにより、液滴誘導用電極同士をつなぐ配線数を減らすことができ、液滴分注装置の構成部品を少なくすることができる。
液滴誘導用電極の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などが挙げられる。また、電極の材料が塗布形成できるものであれば、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法などが挙げられる。
<液滴形成手段及び液滴形成工程>
液滴形成手段は、粒子を含む液滴を形成し、液滴を被着対象物の所定の凹部内の所定の位置に着滴させる手段である。
液滴形成工程は、粒子を含む液滴を形成し、液滴を被着対象物の所定の凹部内の所定の位置に着滴させる工程であり、液滴形成手段により好適に行うことができる。
液滴形成手段は、液滴吐出部と、第2の光照射部と、受光部と、粒子計数部とを有し、更に必要に応じてその他の部を有する。
−液滴吐出部−
液滴吐出部は、粒子を含む液滴を吐出させる部である。
液滴吐出部の動作方式としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧電素子を用いた圧電加圧方式、ヒータを用いたサーマル方式、静電引力によって液を引っ張る静電方式等によるインクジェットヘッドなどが挙げられる。これらの中でも、粒子に対する熱や電場のダメージが比較的小さい点から、圧電加圧方式が好ましい。
粒子としては、光を受光したときに発光可能な粒子であることが好ましい。
光を受光したときに発光可能な粒子としては、蛍光を受光して飛翔液滴中の粒子数をカウントできる点から、蛍光タンパク質を発現する細胞、蛍光色素により染色された染色細胞、蛍光色素により染色された無機微粒子、蛍光色素により染色された有機ポリマー粒子が好ましく、蛍光タンパク質を発現する細胞、蛍光色素により染色された染色細胞が特に好ましい。
蛍光タンパク質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP;Green Fluorescent Protein)、赤色蛍光タンパク質(RFP;Red Fluorescent Protein)、黄色蛍光タンパク質(YFP;Yellow Fluorescent Protein)などが挙げられる。
染色細胞における蛍光色素としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セルトラッカーオレンジ、セルトラッカーレッド、エオシン、ローダミン6Gなどが挙げられる。
蛍光色素により染色された有機ポリマー粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SPHERO Fluorescent Nile Red particles(ベイバイオサイエンス株式会社製、1%(w/v)、直径10μm〜14μm)などが挙げられる。
細胞としては、分類学的に、例えば、真核細胞、原核細胞、多細胞生物細胞、単細胞生物細胞を問わず、すべての細胞について使用することができる。
真核細胞としては、例えば、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、真菌などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、動物細胞、真菌が好ましく、細胞が細胞集合体を形成する場合は、細胞と細胞とが互いに接着し、物理化学的な処理を行わなければ単離しない程度の細胞接着性を有する接着性細胞がより好ましい。
接着性細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分化した細胞、未分化の細胞などが挙げられる。
分化した細胞としては、例えば、肝臓の実質細胞である肝細胞;星細胞;クッパー細胞;血管内皮細胞;類道内皮細胞、角膜内皮細胞等の内皮細胞;繊維芽細胞;骨芽細胞;砕骨細胞;歯根膜由来細胞;表皮角化細胞等の表皮細胞;気管上皮細胞;消化管上皮細胞;子宮頸部上皮細胞;角膜上皮細胞等の上皮細胞;乳腺細胞;ペリサイト;平滑筋細胞、心筋細胞等の筋細胞;腎細胞;膵ランゲルハンス島細胞;末梢神経細胞、視神経細胞等の神経細胞;軟骨細胞;骨細胞などが挙げられる。接着性細胞は、組織や器官から直接採取した初代細胞でもよく、又はそれらを何代か継代させたものでもよい。
未分化の細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、未分化細胞である胚性幹細胞、多分化能を有する間葉系幹細胞等の多能性幹細胞;単分化能を有する血管内皮前駆細胞等の単能性幹細胞;iPS細胞などが挙げられる。
原核細胞としては、例えば、真正細菌、古細菌などが挙げられる。
細胞の中でも、細胞周期制御が容易である点から、細菌、菌類、ウイルス、微細藻類、原生動物等の微生物が好ましく、微生物の中でも、酵母が好ましい。
液滴中に含まれる粒子の個数は、1個以上が好ましく、1個以上5個以下がより好ましい。液滴中に粒子としての細胞が含まれていないとその部分の組織が欠落してしまう。液滴中に粒子としての細胞が過剰に含まれていると、酸素や栄養が欠乏し、細胞の定着率が低下することがある。
なお、粒子が凝集する場合には、粒子を含む液体の粒子の濃度を調整することにより、液体中の粒子の濃度と、液体中の粒子の個数とがポアソン分布に従う理論から、液体中の粒子の個数を適宜調整することができる。
液体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、蒸留水、純水、生理食塩水などが挙げられる。
液滴の直径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25μm以上150μm以下が好ましい。液滴の直径が25μm以上であると、内包する粒子の直径が適正となり、適用できる粒子の種類が多くなる。また、液滴の直径が150μm以下であると、液滴の吐出が安定となる。
また、液滴の直径をRとし、粒子の直径をrとすると、R>3rであることが好ましい。R>3rであると、粒子の直径と液滴の直径との関係が適正であり、液滴の縁の影響を受けることがないため、粒子の計数精度が向上する。
液滴の液量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000pL以下が好ましく、100pL以下がより好ましい。
液滴の液量は、例えば、液滴の画像から液滴の大きさを求め、液量を算出する方法などにより測定することができる。
液滴吐出部は、液体保持部と、膜状部材と、振動部材とを有することが好ましく、更に必要に応じてその他の部材を有することがより好ましい。
液滴吐出部としては、オープンヘッド、及びクローズヘッドのいずれであっても構わない。
−液体保持部−
液体保持部は、光を照射されたときに発光可能な粒子を含む液体を保持する部である。
液滴吐出部がオープンヘッドの場合には、大気開放部を上部側に有している。なお、大気開放部の位置は上部に限定されない。液体中に混入した気泡は大気開放部から排出可能に構成されている。
液体保持部の形状、大きさ、材質、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液体保持部の材質としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム等や、二酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニアなどが挙げられる。
これらの中でも、粒子として細胞やタンパク質を用いる際には、細胞やタンパク質に対する付着性の低い材料を用いることが好ましい。
細胞の付着性は一般的に材質の水との接触角に依存性があると言われており、材質の親水性が高い又は疎水性が高いときには細胞の付着性が低い。親水性の高い材料としては各種金属材料やセラミックス(金属酸化物)を用いることが可能であり、疎水性が高い材料としてはフッ素樹脂等を用いることが可能である。
これら以外にも、材料表面をコーティングすることで細胞接着性を低下させることも考えられる。例えば、材料表面を前述の金属又は金属酸化物材料でコーティングすることや、細胞膜を模した合成リン脂質ポリマー(例えば、日油株式会社製、Lipidure)によってコーティングすることが可能である。
−膜状部材−
膜状部材は、吐出口(ノズル)が形成され、液体保持部に保持された液体をその振幅運動による振動により吐出口から液滴として吐出する部材である。
膜状部材は、液滴吐出部がオープンヘッドの場合には、液体保持部の下端部に固定されている。
膜状部材は、液滴吐出部がクローズヘッドの場合には、液体保持部の上端部に固定されている。
液体保持部に保持された液体は、膜状部材の振動により貫通孔である吐出口から液滴として吐出される。
膜状部材の平面形状、大きさ、材質、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
膜状部材の平面形状としては、例えば、円形、楕円形、長方形、正方形、菱形などが挙げられる。
膜状部材の材質としては、柔らかすぎると膜状部材が簡単に振動し、吐出しないときに直ちに振動を抑えることが困難であるため、ある程度の硬さを有する材質を用いることが好ましく、例えば、金属、セラミックス、高分子材料などが挙げられ、具体的には、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、二酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニアなどが挙げられる。これらの中でも、液体保持部と同様に、粒子として細胞やタンパク質を用いる場合には、細胞やタンパク質に対する付着性の低い材料を用いることが好ましい。
−吐出口−
吐出口としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1つであってもよいが、複数の吐出口であることが、単位時間当りの吐出する液滴数を増加させることができ、生産性を向上できる点から好ましい。
複数の吐出口としては、その配列数、配列態様、間隔(ピッチ)、開口形状、開口の大きさなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
吐出口の配列数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液滴吐出部の吐出面の長さ方向に沿って1列以上配設されていることが好ましく、1列以上4列以下がより好ましい。吐出口を1列以上設けることにより、単位時間当りの吐出する液滴数を増加させることができると共に、粒子の種類(例えば、細胞の種類など)応じて列を変えて一度に吐出することができる。
1列当たりの吐出口の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、2個以上100個以下が好ましく、2個以上50個以下がより好ましく、2個以上12個以下が更に好ましい。1列当たりの吐出口の数が2個以上100個以下であると、単位時間当りの吐出する液滴数を増加させることができる高い生産性を有する液滴分注装置を提供することができる。
複数の吐出口の配列態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、規則配列(例えば、千鳥格子配列など)であっても、不規則配列であってもよい。
複数の吐出口が、複数列である場合には、隣接する吐出口から吐出される液滴同士の干渉を防止でき、粒子の検出感度を向上させるため、各列の間に仕切り部材を設けることが好ましい。仕切り部材としては、例えば、仕切り板などが挙げられる。
複数の吐出口は、等間隔に並んで配列されていることが好ましく、隣接する吐出口の中心間の最短距離である間隔(ピッチ)Pとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、50μm以上1,000μm以下が好ましい。
複数の吐出口の開口形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形、楕円形、四角形などが挙げられる。
複数の吐出口の平均径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粒子が吐出口に詰まることを避けるため、粒子の大きさの2倍以上とすることが好ましい。
粒子が、例えば、動物細胞、特にヒトの細胞である場合、ヒトの細胞の大きさは、一般的に、5μm以上50μm以下であるため、複数の吐出口の平均径は、使用する細胞に合わせて、10μm以上100μm以下が好ましい。
一方で、液滴が大きくなり過ぎると、微小液滴を形成するという目的の達成が困難となるため、複数の吐出口の平均径は、200μm以下であることが好ましい。したがって、複数の吐出口の平均径は、10μm以上200μm以下がより好ましい。
−振動部材−
振動部材は、膜状部材を振動させて吐出口(ノズル)から液滴を吐出させる部材である。
振動部材は、液滴吐出部がオープンヘッドである場合には、膜状部材の下面側に形成されている。
振動部材は、液滴吐出部がクローズヘッドである場合には、膜状部材の上面側に形成されている。
振動部材の形状、大きさ、材質、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
振動部材の形状としては、特に制限はなく、膜状部材の形状に合わせて適宜設計することができるが、例えば、膜状部材の平面形状が円形である場合には、クローズヘッドの場合には、円形の振動部材を設けることが好ましい。また、オープンヘッドの場合には、複数の吐出口の周囲に平面形状が円環状(リング状)の振動部材を形成することが好ましい。
振動部材としては、圧電素子が好適に用いられる。圧電素子としては、例えば、圧電材料の上面及び下面に電圧を印加するための電極を設けた構造とすることができる。この場合、駆動部から圧電素子の上下電極間に電圧を印加することによって膜の面横方向に圧縮応力が加わり、膜状部材を膜の面上下方向に振動させることができる。
圧電材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ビスマス鉄酸化物、ニオブ酸金属物、チタン酸バリウム、又はこれらの材料に金属や異なる酸化物を加えたものなどが挙げられる。これらの中でも、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)が好ましい。
−第2の光照射部−
第2の光照射部は、液滴吐出部から吐出された液滴に光を照射する部である。
第2の光照射部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固体レーザー、半導体レーザー、色素レーザーなどが挙げられる。
固体レーザーとしては、例えば、YAGレーザー、ルビーレーザー、ガラスレーザーなどが挙げられる。
YAGレーザーの市販品としては、例えば、Explorer ONE−532−200−KE(スペクトラ・フィジックス株式会社製)などが挙げられる。
レーザーのスポット径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100μm以上2,000μm以下が好ましい。スポット径が100μm以上2,000μm以下であると、飛翔液滴の吐出ばらつきが発生した場合においても液滴にレーザーが照射される確率が高くなるため、液滴内の粒子のカウント精度低下を抑制可能であるという利点がある。
第2の光照射部から照射される光は、パルス光であることが好ましい。これにより、液滴中の粒子数のカウント精度を向上させることができる。
パルス光のパルス幅としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μs以下が好ましく、1μs以下がより好ましい。
単位パルスあたりのエネルギーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、集光の有無等の光学系に大きく依存するが、0.1μJ以上が好ましく、1μJ以上がより好ましい。
第2の光照射部は、飛翔中の液滴に光を照射する。なお、飛翔中とは、液滴が吐出されてから、被着対象物に液滴が着滴するまでの状態を意味する。
第2の光照射部としては、液滴の吐出に同期して光を照射できることが好ましい。これにより、異なる位置から吐出された液滴に、光をより確実に照射することができる。
ここで、同期するとは、液滴が吐出されて所定位置に達したときに第2の光照射部が光を照射することを意味する。つまり、第2の光照射部は、液滴の吐出に対して、所定時間だけ遅延して光を照射する。
第2の光照射部から照射される光は、飛翔中の液滴1つに照射されることが好ましい。
−受光部−
受光部は、光を照射された粒子からの発光を受光する部である。
受光部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一次元素子、二次元素子を有するカメラなどが挙げられる。これらの中でも、二次元素子を有するカメラが好ましい。受光部が二次元素子を有するカメラであると、発光の輝度値のみならず、発光の受光面における形状を得やすい点で有利である。
一次元素子としては、例えば、フォトダイオード、フォトセンサなどが挙げられる。これらの中でも、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオードが好ましい。一次元素子が光電子増倍管、アバランシェフォトダイオードであると、高感度な測定が可能となる。
二次元素子としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子、ゲートCCDなどが挙げられる。
受光部としては、CMOS撮像素子を有するカメラが好ましい。
CMOS撮像素子を有するカメラの市販品としては、例えば、高感度カメラ(pco.edge、sCMOS、株式会社東京インスツルメンツ製)などが挙げられる。
受光部は、飛翔中の液滴に光を照射されたときに発光可能な粒子が含有されていた場合に、粒子が光を励起光として吸収して発する蛍光を受光する。蛍光は、粒子から四方八方に発せられるため、受光部は粒子からの発光を受光可能な任意の位置に配置することができる。この際、コントラストを向上するため、第2の光照射部から出射される光が直接入射しない位置に受光部を配置することが好ましい。
本発明においては、受光部を2以上備えていることが好ましく、それぞれの受光部が異なる方向から粒子からの発光を受光することが好ましい。2以上の受光部を有することにより、1つの受光部により発光が重なった状態を受光した場合であっても、他の受光部により発光が重なっていない状態を受光できていれば、他の受光部により受光された発光に基づいて、液滴に含まれる粒子を精度よく計数することができる。
発光は、光が照射されたときに発光可能な粒子から四方八方に発せられるため、2以上の受光部は、光が照射されたときに発光可能な粒子から異なる方向に発せられる発光を受光できる任意の位置に配置することができる。なお、光が照射されたときに発光可能な粒子から異なる方向に発せられる発光を受光できる位置に3以上の受光部を配置してもよい。また、各受光部は同一仕様としてもよいし、異なる仕様としてもよい。
受光部が1つであると、飛翔する液滴に複数個の光が照射されたときに発光可能な粒子が含まれる場合に、光が照射されたときに発光可能な粒子同士が重なることに起因して、粒子計数手段が液滴に含有された光が照射されたときに発光可能な粒子の個数を誤検知する(カウントエラーが発生する)おそれがあるが、受光部を2以上設けることで光が照射されたときに発光可能な粒子が重なる影響を低減することが可能である。
後述する粒子計数部としては、光が照射されたときに発光可能な粒子の輝度値あるいは面積値と、予め設定された閾値とを比較することで実行可能である。受光部を2以上設置する場合、それぞれの受光部から得られる輝度値あるいは面積値のうち、最大値を示すデータを採択することで、カウントエラーの発生を抑制することが可能である(粒子の重なりが生じた場合、輝度値及び面積値のいずれも低減する結果となるため)。また、二次元受光素子を複数設置する場合、得られる複数の形状データを基に、粒子数を推定するアルゴリズムにより粒子数を決定づけてもよい。
光を照射された粒子からの発光は、粒子から全方位に発せられる。このため、2以上の受光部としては、発光を受光可能な位置に配することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、それぞれの受光方向とのなす角が0°とならない位置に配されることが好ましい。発光の重なりが少ない状態の情報が得られる点で有利である。
2以上の受光手段が2つの受光手段である場合、一の受光手段は、その受光方向が他の受光手段の受光方向と略直交方向に位置するように配することが好ましい。これにより、一の受光手段及び他の受光手段を用いた場合、一の受光手段及び他の受光手段により受光した情報のうち、いずれかの情報を選択する際に、発光の重なりが少ない状態の情報を選択できる。なお、略直交とは、80°以上100°以下を意味する。
上記の2つの受光部以外の受光部における受光方向としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。受光部が2以上の場合、2以上の受光部を同一平面上に位置するように配するとき、隣り合う受光部の受光方向がなす角を、360°を受光部の個数で等分した角度になるようにすることが好ましい。例えば、3つの受光部を同一平面上に位置するように配するときは、隣り合う受光部の受光方向をそれぞれ120°となる位置するように配することが好ましい。
受光部は、その受光方向が液滴の吐出方向と略直交方向に位置するように配することが好ましく、すべての受光部がその受光方向が液滴の吐出方向と略直交方向に位置するように配することがより好ましい。これにより、受光部の位置を調整しやすくすることができ、液滴分注装置の構造が複雑にならない点で有利である。
なお、コントラストを向上するため、第2の光照射部から出射される光が直接入射しない位置に受光部を配置することが好ましい。
受光部としては、受光面の略法線方向に受光した発光の輝度値及び発光の受光面における形状の情報を得ることが好ましい。これにより、粒子計数部は、発光の輝度値に基づいて液滴に含まれる粒子を計数する第一の計数処理、及び、発光の受光面における形状の情報に基づいて液滴に含まれる粒子を計数する第二の計数処理の少なくともいずれかを行うことができるため、粒子の計数精度を向上させることができる。
受光部としては、複数の液滴の吐出に同期して発光を受光できることが好ましい。これにより、異なる位置から吐出された複数の液滴に、第2の光照射部から光が照射され、粒子からの発光をより確実に受光することができる。
なお、ここで、「同期する」とは、例えば、複数の液滴が吐出されて所定位置に達したときに液滴に光が照射され、光が照射されたときに発光可能な粒子が発光するタイミングで、受光部が発光を受光することを意味する。つまり、受光部は、異なる位置からの複数の液滴の吐出、及び光照射部による光の照射に対して、それぞれ所定時間だけ遅延して発光を検出する。
なお、第2の光照射部が照射する光と比較して粒子からの発光が弱い場合、受光部の受光面側に光の波長域を減衰させるフィルタを設置してもよい。フィルタを設置することにより、ノイズの少ない状態で受光部が発光を受光できる。
フィルタとしては、例えば、光の波長を含む特定波長域を減衰させるノッチフィルタなどが挙げられる。
前述のように、第2の光照射部から照射される光は、パルス光が好ましいが、連続発振させた光としてもよい。この場合、吐出された飛翔中の液滴に連続発振させた光が照射されるタイミングで受光部が発光を受光可能となるように制御することが好ましい。
−粒子計数部−
粒子計数部は、受光部により受光した発光に基づき、液滴に含まれる粒子を計数する部である。
粒子計数部としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、メインメモリ等を含む構成とすることができる。この場合、粒子計数部の各種機能は、ROM等に記録されたプログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現できる。但し、粒子計数部の一部又は全部は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。また、粒子計数部は、物理的に複数の装置等により構成されてもよい。
粒子計数部は、例えば、受光部が受光した光量と予め設定された閾値とを比較して、粒子の個数を検知することができる。この場合には、受光部として一次元素子を用いても二次元素子を用いても構わない。
粒子計数部は、例えば、受光部が受光した光量と予め設定された閾値とを比較して、粒子の個数を検知することができる。この場合には、受光部として一次元素子を用いても二次元素子を用いても構わない。
受光部として二次元素子を用いる場合は、粒子計数部は、受光部から得られた二次元画像に基づいて、粒子の輝度値或いは面積を算出するための画像処理を行う手法を用いてもよい。この場合、粒子計数部は、画像処理により粒子の輝度値或いは面積値を算出し、算出された輝度値或いは面積値と、予め設定された閾値とを比較することにより、粒子の個数を検知することができる。また、二次元素子を用いる場合には、発光を受光する直前のタイミングにて液滴の画像を撮影することで、不吐出検知も可能となる。
粒子計数部が、粒子の個数が0個であると判定したとき、液滴を更に吐出することが好ましい。これにより、被着対象物に所定の個数の粒子を付着させることができる。
なお、粒子の個数が0個である液滴を被着対象物に付着させないようにすることもできる。これにより、被着対象物の汚損を防止することができる。
また、粒子計数部が、粒子の数が1個以上であると判定したとき、粒子の個数が1個以上であると判定した液滴を被着対象物に付着させた後、被着対象物に付着させた位置とは別の位置(例えば、別の凹部)に、液滴を吐出する工程などの次工程に移行するようにしてもよい。なお、同じ凹部の所定の領域で前回の吐出位置とは異なる位置に向かって、粒子を吐出させてもよい。この場合、粒子計数時の計数の容易性が向上する。
更に、異なる位置から所定の回数の液滴を吐出した後に、後述する記録部に記録した発光の輝度値及び発光の受光面における形状の情報を読み出し、吐出させた各々の液滴に含まれる粒子の個数を計数するようにしてもよい。
−その他の部−
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、駆動部、光学系、記録部を有することが好ましい。
駆動部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液滴吐出部が圧電加圧方式によるインクジェットヘッドである場合、液滴吐出部に駆動電圧を入力する手段などが挙げられる。この場合、駆動部が圧電素子を変形させることにより微小な液滴を吐出させることができる。
光学系としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第2の光照射部から出射された光を液滴に集光させるためのレンズ、光をフィルタリングして受光部が発光を受光しやすくするためのフィルタなどが挙げられる。
記録部としては、受光部により受光された発光の輝度値及び発光の受光面における形状の情報を記録できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、RAM(Random Access Memory)などが挙げられる。
<撮像手段及び撮像工程>
撮像手段は、被着対象物に着滴した液滴に含まれる粒子を撮像する手段である。
撮像工程は、被着対象物に着滴した液滴に含まれる粒子を撮像する工程であり、撮像手段により好適に行うことができる。
撮像手段は、対物レンズと、撮像素子と、対物レンズの焦点位置を走査させる走査部とを有することが好ましい。
走査部による対物レンズの走査により、深さ方向の焦点深度を50μm以下の間隔において、撮像素子による複数枚の撮影を行うことが好ましい。
これにより、複数枚の画像の中から、コントラストの高い画像を選択取得できるため、ウェル内の粒子数のカウント精度を向上させることができる。
対物レンズは、高倍率のレンズを用いるほど検出感度は高くなるが、視野が狭くなるため、視野外に液滴が着弾しやすくなり、カウントエラー頻度が高くなってしまう。一方、低倍率のレンズを用いると視野が広がるためカウントエラー頻度を下げることができるが、低倍率であるため10μm以下の細胞を捉えることが困難となる。したがって、液滴形成手段の着弾精度から、0.5mm角程度の視野の対物レンズを用いることが好ましい。このような対物レンズとしては、例えば、ミツトヨ株式会社製、無限補正対物レンズ、M−PLAN APO 5Xなどが挙げられる。
撮像素子としては、粒子の画像を取得できる素子が用いられ、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、ゲートCCD等の二次元素子が好適に用いられる。
凹部に着弾した液滴内の粒子は液滴周縁部の影に隠れてしまい、粒子数のカウントが困難になってしまう。そのため、液滴が着弾した後、乾燥するまでのタイムディレイを設けた後に撮像することが好ましい。
この際、被着対象物の凹部に着滴している液滴を乾燥させるための乾燥手段を有していると、液滴が乾燥するための時間を短縮化できるので好ましい。
乾燥手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、温風ヒータ、赤外線ヒータ、赤外線乾燥装置、マイクロ波乾燥装置などが挙げられる。
走査部は、対物レンズの焦点位置を走査して撮像するための部であり、例えば、走査装置などが用いられる。
粒子は焦点位置がずれると画像のコントラストが悪化するため、取得した画像から粒子数を正確にカウントすることが困難となってしまう。そのため、凹部内に液滴が着弾した後、走査装置により複数枚の画像を取得することにより、コントラストの高い画像を選択・取得することが可能となる。
細胞のスケールは、約10μm程度であり、10μmの粒子を用いた場合には焦点位置が50μmより大きくずれた場合には細胞の輪郭を抽出することが困難になり、良好な個数カウントができなくなってしまう。そのため、走査する焦点位置の間隔は50μm以下に設定することが好ましい。走査する間隔を小さくするほどカウントエラーの発生頻度を抑制可能であるが、同時に走査回数(撮影枚数)が増えるため、処理時間の増大に繋がる。したがって、測定する粒子の大きさに合わせてスキャンする間隔を最適値に設定することがより好ましい。
なお、焦点位置のずれは、ウェルプレートのウェルの形状(例えば、平底、丸底、U底、V底など)やウェルプレートの公差等によって発生するため、それら全てを考慮した上で想定される焦点位置のずれを予め見積もった上で、スキャン回数(取得する画像の数)を設定することが好ましい。
撮像手段が、第1の光照射部と、ダイクロイックミラーとを更に有することが好ましい。
第1の光照射部により粒子に光を照射し、粒子からの発光を撮像素子が受光することが好ましい。
これにより、粒子(細胞)が発光するため、液滴の溶媒の蒸発が完了していない場合、あるいは被着対象物の凹部を形成していない側から撮像する場合の検出感度を向上させることができる。したがって、乾燥手段は不要である。
第1の光照射部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固体レーザー、半導体レーザー、色素レーザーなどが挙げられる。
固体レーザーとしては、例えば、YAGレーザー、ルビーレーザー、ガラスレーザーなどが挙げられる。
YAGレーザーの市販品としては、例えば、Explorer ONE−532−200−KE(スペクトラ・フィジックス株式会社製)などが挙げられる。
レーザーのスポット径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100μm以上2,000μm以下が好ましい。
<粒子計数手段及び粒子計数工程>
粒子計数手段は、撮像手段により撮影した画像から液滴に含まれる粒子を計数する手段である。
粒子計数工程は、撮像工程で撮影した画像から液滴に含まれる粒子を計数する工程であり、粒子計数手段により好適に行うことができる。
液滴が着滴した凹部内の所定の位置を含む撮影した画像を優先して、粒子計数手段により粒子を計数することが好ましい。これにより、計数時間の短縮が実現できる。
粒子計数手段は、本発明の液滴分注装置の各動作を制御するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、メインメモリなどを有し、液滴分注装置全体の動作を制御するための制御プログラムに基づいて各種処理を実行する。
粒子計数手段は、撮像素子として二次元素子を用いる場合には、画像処理により蛍光粒子の面積値を算出し、予め設定された閾値と比較することにより、個数を検知することができる。画像の形状をもとにした個数判定アルゴリズムを加えると更に好ましい。
撮像素子として1次元素子を用いる場合には、得られた蛍光量をもとに、予め設定された閾値と比較することにより、粒子の個数のカウントが可能である。
<移動手段及び移動工程>
移動手段は、被着対象物を平面内で移動させる手段である。
移動工程は、被着対象物を平面内で移動させる工程であり、移動手段により好適に行うことができる。
移動手段としては、例えば、移動ステージなどが挙げられる。
被着対象物の凹部が形成されていない側に移動ステージを有しているので、撮像手段による粒子の撮像は、被着対象物の凹部が形成されている側から行われる。
これにより、被着対象物として透明性の高い材料を用いる必要がなく、不透明な材料として、例えば、金属材料、セラミックス材料等も適用可能である。
<制御手段及び制御工程>
制御手段は、液滴形成手段と複数の凹部との相対的な位置関係を制御する手段である。
制御工程は、液滴形成手段と複数の凹部との相対的な位置関係を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
制御手段としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、メインメモリなどを有し、分注装置全体の動作を制御するための制御プログラムに基づいて各種処理を実行する。
<その他の手段及びその他の工程>
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、記録手段、培養手段、加熱手段、攪拌手段、洗浄手段などを有することが好ましい。
本発明の液滴分注装置は、処理時間を大幅に短縮できるので、再生医療、医薬、化粧品、化学物質の安全性や効能の評価などの各種分野に幅広く用いることができる組織体、特に三次元組織体の作製に好適に用いられる。
ここで、本発明の液滴分注装置の一例について図面を参照して説明する。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態の液滴分注装置の一例を示す説明図である。この図1Aの液滴分注装置1Aは、液滴形成手段100と、被着対象物200と、撮像手段300と、粒子計数手段400とを有する。
液滴形成手段100は、粒子3を含む液滴4を吐出する液滴吐出部10を有している。
液滴吐出部10は、本実施形態ではクローズヘッドであり、液体保持部11と、吐出口14が形成され、液体保持部11に保持された光を照射されたときに発光可能な粒子3を含む液体2を振動部材13の振動により吐出口14から、図1中D3で示す吐出方向に液滴4を吐出する膜状部材12とを有する。
液滴吐出部10の動作方式としては、圧電素子を用いた圧電加圧方式が用いられている。
液体保持部11は、粒子3を含む液体2を保持する部であり、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム等の金属、シリコン、セラミックスなどから形成されている。
液体保持部11の下面側には貫通孔である吐出口14が設けられている。
吐出口14の径としては、粒子3の大きさの2倍以上とすることが好ましく、10μm以上100μm以下とすることがより好ましい。
膜状部材12は、吐出口14が形成され、液体保持部11に保持された粒子3を含む液体2を振動により吐出口14から液滴4を吐出する部であり、本実施形態では、液滴吐出部10がクローズヘッドであるため、液体保持部11の上端部に固定されている。
膜状部材12の平面形状は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形、楕円形、四角形などが挙げられる。
振動部材13は、本実施形態では、液滴吐出部10がクローズヘッドであるため、膜状部材12の上面に配置されている。振動部材13に駆動部20から駆動信号を供給することにより、膜状部材12を振動させることができる。それによって、吐出口14から液滴4を吐出することができる。
振動部材13の形状は、膜状部材12の形状に合わせて設計することができる。例えば、膜状部材12の平面形状が円形である場合には、円形の振動部材13を設けることが好ましい。
振動部材13としては圧電素子を用いており、圧電素子としては、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を用いている。
粒子3としては、光を受光したときに発光可能な粒子であることが好ましく、蛍光粒子、蛍光色素によって染色された細胞、及び蛍光タンパク質を発現可能な細胞の少なくともいずれかがより好ましい。
蛍光色素としては、例えば、セルトラッカーオレンジ、セルトラッカーレッドなどが挙げられる。
蛍光タンパク質としては、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP;green fluorescent protein)、赤色蛍光タンパク質(RFP;Red Fluorescent Protein)、黄色蛍光タンパク質(YFP;Yellow Fluorescent Protein)などが挙げられる。
粒子3を含む液滴4が着滴する複数の凹部(ウェル)201が形成された被着対象物200としては、例えば、マルチウェルプレートが挙げられる。
マルチウェルプレートとしては、例えば、24ウェル、48ウェル、98ウェル、又は384ウェルプレートがある。また、プレート形状ではなく、8連チューブ等の連結タイプのウェルチューブであってもよい。
被着対象物200の材質としては、本実施形態のようにウェルプレートの下方から撮像手段300により凹部内の粒子を観察する場合には透明性の高い基材を用いる必要があり、例えば、樹脂製のプレート、ガラス製のプレートなどが好適に使用される。
撮像手段300は、対物レンズ32と、走査部33と、撮像素子35を有している。
対物レンズ32は、被着対象物200の凹部201内に着弾した液滴に含まれる粒子3が観察可能な位置に設置されている。
粒子3から発せられた光Lfが対物レンズ32を通過し、撮像素子35に入射することで画像情報が取得される。
対物レンズ32としては、高倍率のレンズを用いると検出感度は高くなるが、視野が狭くなるため、視野外に液滴が着弾しやすくなり、カウントエラー頻度が高くなってしまう。一方、低倍率のレンズを用いると視野が広がるためカウントエラー頻度を下げることができるが、低倍率であるため10μm以下の細胞を捉えることが困難となる。したがって、液滴形成手段100の着弾精度から、0.5mm角程度の視野の対物レンズを用いることが好ましい。このような対物レンズとしては、例えば、ミツトヨ株式会社製、無限補正対物レンズ、M−PLAN APO 5Xなどが挙げられる。
撮像素子35としては、粒子の画像を取得できる素子が用いられ、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、ゲートCCD等の二次元素子が好適に用いられる。
本実施形態では、図2Aに示したように、着弾した液滴内の粒子3は液滴周縁部の影に隠れてしまい、粒子数のカウントが困難になってしまう。そのため、液滴が着弾した後、乾燥するまでのタイムディレイを設けた後に撮像することが好ましい(図2B参照)。
この際、被着対象物の凹部に着滴している液滴を乾燥させるための乾燥手段(図示せず)を有していると、液滴が乾燥するための時間を短縮化できるので好ましい。
撮像素子35において、高感度な測定が必要な場合には、光電子増倍管やアバランシェフォトダイオードを用いることが好ましい。
走査部33は、対物レンズ32の焦点位置をスキャンして撮像するための部であり、走査装置が好適に用いられる。
粒子は焦点位置がずれると画像のコントラストが悪化するため、取得した画像から粒子数を正確にカウントすることが困難となってしまう。そのため、凹部内に液滴が着弾した後、走査装置により複数枚の画像を取得することにより、コントラストの高い画像を選択・取得することが可能となる。即ち、細胞のスケールは約10μm程度であり、10μmの粒子を用いた場合には走査する焦点位置の間隔Zが50μmより大きくずれた場合には細胞の輪郭を抽出することが困難になり、良好な個数カウントができなくなってしまう(図3Aから図3D参照)。そのため、走査する焦点位置の間隔は50μm以下に設定することが好ましい。走査する焦点位置の間隔を小さくするほどカウントエラーの発生頻度を抑制可能であるが、同時に走査回数(撮影枚数)が増えるため、処理時間の増大に繋がる。したがって、測定する粒子の大きさに合わせて走査する焦点距離の間隔を最適値に設定することがより好ましい。
なお、焦点位置のずれは、被着対象物の凹部の形状(例えば、平底、丸底、U底、V底など)や被着対象物の公差等によって発生するため、それら全てを考慮した上で想定される焦点位置のずれを予め見積もった上で、スキャン回数(取得する画像の数)を設定することが好ましい。
粒子計数手段400は、撮像素子35として二次元素子を用いる場合には、画像処理により粒子の面積値を算出し、予め設定された閾値と比較することにより、粒子の個数を計数することができる。画像の形状をもとにした個数判定アルゴリズムを加えると更に好ましい。
撮像素子35として1次元素子を用いる場合には、得られた発光量をもとに、予め設定された閾値と比較することにより、粒子の個数のカウントが可能である。
第1の実施形態に係る液滴分注装置によれば、被着対象物の複数の凹部(ウェル)の所定位置に液滴を着滴させることができ、ウェル内において粒子を探すための所作が不要となるため、粒子数の計数にかかる処理時間を短縮することができる。
<第1の実施形態の変形例1>
図4は、第1の実施形態の変形例1の液滴分注装置の一例を示す概略図である。なお、第1の実施形態の変形例1において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図4に示す液滴分注装置1Bにおいて、図1に示す第1の実施形態の液滴分注装置1Aとの違いは、撮像手段300が、第1の光照射部30と、ダイクロイックミラー34とを有しており、第1の光照射部30により、粒子3に光を照射し、粒子3からの発光Lfを撮像素子35が受光するように構成している点である。
この第1の実施形態の変形例1の液滴分注装置1Bにおいて、撮像手段300は、対物レンズ32と、走査部33と、第1の光照射部30と、ダイクロイックミラー34と、撮像素子35とを有している。
対物レンズ32は、ウェル201内に着弾した液滴に含まれる粒子3が観察可能な位置に設置されている。
第1の光照射部30から発せられた励起光がダイクロイックミラー34を介して対物レンズ32を通り、ウェル201内の粒子3に照射される。粒子3から発せられた蛍光Lfが対物レンズ32を通過し、撮像素子35に入射することで画像情報が取得される。
第1の光照射部30としては、固体レーザー、半導体レーザー、色素レーザー、LEDなどが挙げられる。第1の光照射部30を設けることにより、凹部(ウェル)201内に着弾した液滴に含まれる粒子3が発光するため、粒子の検出感度が向上する。
第1の光照射部30を用いて、発光量をもとに粒子数を判断する場合には、フォトダイオード、フォトセンサ等の1次元素子を用いることができる。なお、高感度な測定が必要な場合には、光電子増倍管やアバランシェフォトダイオードを用いることが好ましい。
また、第1の光照射部30を用いる場合、液滴内の粒子3が蛍光を発し、粒子の確認が容易になるため、液滴が乾燥する前に撮像することが可能となり、被着対象物の凹部に着滴した液滴を乾燥させる乾燥手段を設ける必要がない。
なお、第1の光照射部30が発する励起光と比較して粒子の発する蛍光が弱いため、撮像素子35の前段(受光面側)に励起光の波長域を減衰させるフィルタを設置してもよい。これにより、撮像素子35において、非常にコントラストの高い蛍光粒子の画像を得ることができる。フィルタとしては、例えば、励起光の波長を含む特定波長域を減衰させるノッチフィルタ等を用いることができる。
<第1の実施形態の変形例2>
図5は、第1の実施形態の変形例2の液滴分注装置の一例を示す概略図である。なお、第1の実施形態の変形例2において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図5に示す液滴分注装置1Cにおいて、図4に示す第1の実施形態の変形例1の液滴分注装置1Bとの違いは、液滴形成手段100が、液滴吐出部10から吐出された液滴に光を照射する第2の光照射部31と、光を照射された粒子からの発光を受光する受光部41と、受光部41により受光した発光に基づき、液滴4に含まれる粒子3を計数する粒子計数部50とを有する点である。
第1の実施形態の変形例2の液滴分注装置によれば、飛翔液滴内の粒子を計数することにより、着滴後の撮影不良やカウントミスの影響を低減させることができる。
第2の光照射部31は、飛翔中の液滴4に光を照射する。第2の光照射部31は、液滴吐出部10による液滴の吐出に同期して(駆動部20から液滴吐出部10に供給される駆動信号に同期して)光を発することができる。なお、飛翔中とは、液滴4が液滴吐出部10から吐出されてから、被着対象物200に液滴4が着滴するまでの状態を意味する。
ここで、同期するとは、液滴吐出部10による液滴の吐出と同時に(駆動部20が液滴吐出部10に駆動信号を供給するのと同時に)発光することではなく、液滴が飛翔して所定位置に達したときに液滴に光が照射されるタイミングで、第2の光照射部31が発光することを意味する。つまり、第2の光照射部31は、液滴吐出部10による液滴4の吐出(駆動部20から液滴吐出部10に供給される駆動信号)に対して、所定時間だけ遅延して発光する。第2の光照射部31より照射される光Lは、飛翔中の液滴1つに照射されることが好ましい。
第2の光照射部31から発せられる光Lはパルス光であることが好ましく、例えば、固体レーザー、半導体レーザー、色素レーザーなどが好適に用いられる。光がパルス光である場合のパルス幅は10μs以下が好ましく、1μs以下がより好ましい。単位パルス当たりのエネルギーとしては、集光の有無等、光学系に大きく依存するが、0.1μJ以上が好ましく、1μJ以上がより好ましい。
受光部41は、飛翔中の液滴に粒子3が含有されていた場合に、粒子3が光を励起光として吸収して発する蛍光を受光する。蛍光は、粒子3から四方八方に発せられるため、受光部41は蛍光を受光可能な任意の位置に配置することができる。この際、コントラストを向上するため、第2の光照射部31から出射される光が直接入射しない位置に受光部41を配置することが好ましい。
受光部41としては、例えば、フォトダイオード、フォトセンサ等の一次元素子が挙げられるが、高感度な測定が必要な場合には、光電子増倍管やアバランシェフォトダイオードを用いることが好ましい。受光部として、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、ゲートCCD等の二次元素子を用いてもよい。
なお、第2の光照射部31が発する光と比較して粒子3からの発光が弱いため、受光部41の前段(受光面側)に光の波長域を減衰させるフィルタを設置してもよい。これにより、受光部41において、非常にコントラストの高い光が粒子3の画像を得ることができる。フィルタとしては、例えば、光の波長を含む特定波長域を減衰させるノッチフィルタ等を用いることができる。
粒子計数部50は、受光部41からの情報に基づいて、液滴中の粒子3の個数(ゼロである場合も含む)を検知する。
粒子計数部50としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、メインメモリ等を含む構成とすることができる。この場合、粒子計数部50の各種機能は、ROM等に記録されたプログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現できる。但し、粒子計数部50の一部又は全部は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。また、粒子計数部50は、物理的に複数の装置等により構成されてもよい。
粒子計数部50は、例えば、受光部41が受光した光量と予め設定された閾値とを比較して、粒子3の個数を検知することができる。この場合には、受光部41として一次元素子を用いても二次元素子を用いても構わない。
受光部41として二次元素子を用いる場合は、粒子計数部50は、受光部41から得られた二次元画像に基づいて、粒子3の輝度値或いは面積を算出するための画像処理を行う手法を用いてもよい。この場合、粒子計数部50は、画像処理により粒子3の輝度値或いは面積値を算出し、算出された輝度値或いは面積値と、予め設定された閾値とを比較することにより、粒子3の個数を検知することができる。また、二次元素子を用いる場合には、発光を受光する直前のタイミングにて液滴の画像を撮影することで、不吐出検知も可能となる.
<第1の実施形態の変形例3>
図6は、第1の実施形態の変形例3の液滴分注装置の一例を示す概略図である。なお、第1の実施形態の変形例3において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図6に示す液滴分注装置1Dにおいて、図4に示す第1の実施形態の変形例1の液滴分注装置1Bとの違いは、液滴吐出部10の4つの吐出口14から液滴を吐出可能としている点である。図6では、4つの吐出口14のうちの1つから、1つの液滴4を吐出している状態を代表的に示しているが、液滴を吐出するタイミングを適宜調整して、4つの吐出口14から、4つの液滴4を連続的に吐出することができる。
第1の実施形態の変形例3の液滴分注装置によれば、単位時間当りの吐出する液滴数を増加させても液滴内の粒子数が検知可能な高い生産性を有している。
液滴吐出部10は、本実施形態ではクローズヘッドであり、液体保持部11と、4つの吐出口14が形成され、液体保持部11に保持された光を照射されたときに発光可能な粒子3を含む液体2を振動部材13の振動により4つの吐出口14から、図6中D3で示す吐出方向に4つの液滴4を吐出する膜状部材12とを有する。
なお、液体保持部11は、隔壁によって、4つの吐出口14毎に4つの液室に分けて構成することもできる。
液体保持部11は、粒子3を含む液体2を保持する部であり、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム等の金属、シリコン、セラミックスなどから形成されている。
液体保持部11の下面側には貫通孔である吐出口14が4つ設けられているが、吐出口の数は、4つに限定されるものではない。
4つの吐出口14の径としては、粒子3の大きさの2倍以上とすることが好ましく、10μm以上100μm以下とすることがより好ましい。
ここで、複数の吐出口14の液滴吐出部の吐出面での配置状態について説明する。
図7は、液滴吐出部10の吐出面11aの吐出口14の配置状態の一例を示す概略平面図であり、吐出口14が吐出面11aの長さ方向に沿って1列に6個配設されている。
図8は、液滴吐出部10の吐出面11aの吐出口14の配置状態の一例を示す概略平面図であり、吐出口14が吐出面11aの長さ方向に沿って1列に12個配設されている。
図9は、液滴吐出部10の吐出面11aの吐出口14の配置状態の一例を示す概略平面図であり、吐出口14が吐出面11aの長さ方向に沿って3列に合計36個配設されている。
図10は、液滴吐出部10の吐出面11aの吐出口14の配置状態の一例を示す概略平面図であり、吐出口14が吐出面11aの長さ方向に沿って3列に合計20個配設されている(いわゆる千鳥格子配列)。
図11は、液滴吐出部10の吐出面11aの吐出口14の配置状態の一例を示す概略平面図であり、吐出口14が吐出面11aの長さ方向に沿って3列に合計36個配設されており、各列の間に仕切り部材25が設けられている。
<第1の実施形態の変形例4>
図12は、第1の実施形態の変形例4の液滴分注装置の一例を示す概略図である。なお、第1の実施形態の変形例4において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図12に示す液滴分注装置1Eにおいて、図4に示す第1の実施形態の変形例1の液滴分注装置1Bとの違いは、液滴吐出部10がオープンヘッドである点である。
図12の液滴吐出部10は、本実施形態ではオープンヘッドであり、液体保持部11と、吐出口14が形成され、液体保持部11に保持された液体2を振動部材13の振動により吐出口14から液滴4として吐出する膜状部材5とを有する。
液体保持部11は、粒子3を含む液体2を保持する部であり、本実施形態ではオープンヘッドであるため、上部に大気開放部15を有している。これにより、液体2中に混入した気泡を大気開放部から排出可能である。
振動部材13は、本実施形態では、液滴吐出部10がオープンヘッドであるため、膜状部材12の下面に配置されている。振動部材13の形状は、膜状部材12の形状に合わせて設計することができる。例えば、膜状部材12の平面形状が円形である場合には、吐出口14の周囲に平面形状が円環状(リング状)の振動部材13を形成することが好ましい。
振動部材13に駆動部20から駆動信号を供給することにより、膜状部材12を振動させることができる。それによって、吐出口14から液滴4を吐出することができる。
本実施形態では、膜状部材12の振動の慣性により液滴を形成するため、高表面張力(高粘度)の粒子縣濁液でも吐出が可能である。
膜状部材12の材質としては、柔らか過ぎると膜状部材12が簡単に振動し、吐出しないときに直ちに振動を抑えることが困難であるため、ある程度の硬さがある材質を用いることが好ましい。膜状部材12の材質としては、例えば、金属材料やセラミックス材料、ある程度硬さのある高分子材料などを用いることができる。
液体保持部11及び膜状部材12の材質としては、粒子として細胞を用いる場合には、細胞やタンパク質に対する付着性の低い材料を用いることができる。
駆動部20は、膜状部材12を振動させて液滴を形成する吐出波形と、液滴を形成しない範囲で膜状部材12を振動させる撹拌波形とを振動部材13に選択的に(例えば、交互に)付与することができる。
つまり、駆動部20は、吐出波形を振動部材13に加え、膜状部材12の振動状態を制御することにより、液体保持部11に保持された粒子3を含む液体2を吐出口14から液滴として吐出させることができる。また、駆動部20は、撹拌波形を振動部材13に加え、膜状部材12の振動状態を制御することにより、液体保持部11に保持された粒子3を含む液体2を撹拌することができる。なお、撹拌時には、吐出口14から液滴は吐出されない。
このように、液滴を形成していない間に液体保持部11に保持された粒子3を含む液体2を撹拌することにより、粒子3が膜状部材12上に沈降、凝集することを防ぐと共に、粒子3を液体2中にムラなく分散させることができる。これにより、吐出口の詰まり、及び吐出する液滴中の粒子3の個数のばらつきを抑えることが可能となる。その結果、粒子3を含有する液体2を、長時間連続して安定的に液滴として吐出することができる。
液滴分注装置1Eにおいては、液体2中に気泡が混入する場合がある。この場合でも、本実施形態では、液体保持部11の上部に大気開放部15が設けられているため、液体2中に混入した気泡を、大気開放部15を通じて外気に排出できる。これによって、気泡排出のために大量の液を捨てることなく、連続して安定的に液滴を形成することが可能となる。即ち、吐出口14の近傍に気泡が混入した場合や、膜状部材12上に多数の気泡が混入した場合には吐出状態に影響を及ぼすため、長い時間安定的に液滴の形成を行うためには、混入した気泡を排出する必要がある。通常、膜状部材12上に混入した気泡は、自然に若しくは膜状部材12の振動によって上方に移動するが、液体保持部11には大気開放部15が設けられているため、混入した気泡を大気開放部15から排出可能となる。そのため、液体保持部11に気泡が混入しても不吐出が発生することを防止可能となり、連続して安定的に液滴を形成することができる。
なお、液滴を形成しないタイミングで、液滴を形成しない範囲で膜状部材12を振動させ、積極的に気泡を液体保持部11の上方に移動させてもよい。
<第2の実施形態>
図13Aは、第2の実施形態の液滴分注装置の液滴形成手段の一例を示す概略図である。図13Bは、第2の実施形態の液滴分注装置の撮像手段の一例を示す概略図である。なお、第2の実施形態において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図13Aの液滴分注装置の液滴形成手段1F−1及び図13Bの液滴分注装置の撮像手段1F−2において、図4に示す第1の実施形態の変形例1の液滴分注装置1Bとの違いは、被着対象物200が平面内を移動可能なステージ202上に設置されている点、及びに被着対象物200の凹部201が形成されている側から撮像手段300による撮像が行われる点である。
図13Aに示すように、液滴形成手段100により凹部201内の所定位置に粒子3を含む液滴4を着弾させた後、図13Bに示すように、凹部201内の所定位置を観察可能な撮像手段300が設置されている場所までステージ202が可動し、撮像手段300により撮像処理が行われる。
被着対象物200の凹部201が形成されている側から撮像手段300による撮像が行われるため、被着対象物200として透明性の高い材料を用いる必要がなく、不透明な材料、例えば、金属材料、セラミックス材料等も適用可能である。
なお、液滴分注装置の液滴形成手段1F−1と撮像手段1F−2とは別体となっているが、一体に構成することもできる。
<第2の実施形態の変形例1>
図14Aは、第2の実施形態の変形例1の液滴分注装置の液滴形成手段の一例を示す概略図である。図14Bは、第2の実施形態の変形例1の液滴分注装置の撮像手段の一例を示す概略図である。なお、第2の実施形態の変形例1において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図14Aの液滴分注装置の液滴形成手段1G−1及び図14Bの液滴分注装置の撮像手段1G−2において、図13Aの液滴分注装置の液滴形成手段1F−1及び図13Bの液滴分注装置の撮像手段1F−2との違いは、被着対象物200の凹部201の中央部に液滴4を誘導する液滴誘導手段203を有する点である。
液滴誘導手段203としての液滴誘導用電極は、液滴吐出部10から吐出された液滴4を引き寄せる電荷を荷電しており、凹部201の中央部に配置されている。これにより、吐出された液滴は荷電されているため、電気的に引っ張られ凹部の中央部に誘導することができる。
液滴誘導手段203としては、被着対象物の少なくとも1つの凹部の中央部と周辺部とを異なる電荷状態にするため、凹部の中央部及び周辺部の少なくともいずれかに配置された液滴誘導用電極であることが好ましい。これにより、液滴吐出部10により吐出された液滴を電気的に凹部の中央部へ引っ張って誘導することができる。また、凹部の中央部及び周辺部の少なくともいずれかを同時に荷電することができ、高スループット化できる。
周辺部に配置された液滴誘導用電極は、吐出された液滴と反発する電荷を有することが好ましい。
中央部に配置された液滴誘導用電極は、吐出された液滴を引き寄せる電荷を有することが好ましい。
凹部の中央部は、凹部の中心から半径2.5mm以下が好ましく、半径1.0mm以下がより好ましく、半径0.25mmが更に好ましい。凹部の周辺部は、凹部の中央部以外である。
液滴誘導用電極を凹部の周辺部に配置する場合には、凹部の周縁に環状(リング状)に設けることが好ましい。
液滴誘導用電極の形状、材質、大きさ、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液滴誘導用電極の材質としては、例えば、ニッケル、銅、銀、金、ニッケル−クロム合金、ステンレス鋼、あるいはこれらの合金又は混合物、カーボン、白金、タンタル、ITO(Indium Tin Oxide)、亜鉛、カーボンナノチューブ、チオフェン、グラフェン、ピロール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、液滴誘導用電極の材質が透明なものであれば、撮像手段による粒子の撮像を、被着対象物の凹部が形成されていない側から行うことができる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 粒子を含む液滴が着滴する複数の凹部が形成された被着対象物と、
前記粒子を含む液滴を形成し、前記液滴を前記被着対象物の所定の凹部内の所定の位置に着滴させる液滴形成手段と、
着滴した前記液滴に含まれる前記粒子を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮影した画像から前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数手段と、
を有することを特徴とする液滴分注装置である。
<2> 前記液滴が着滴した凹部内の所定の位置を含む撮影した画像を優先して、前記粒子計数手段により前記粒子を計数する前記<1>に記載の液滴分注装置である。
<3> 前記撮像手段が、対物レンズと、撮像素子と、前記対物レンズの焦点位置を走査する走査部とを有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の液滴分注装置である。
<4> 前記走査部による前記対物レンズの走査により、深さ方向の焦点深度を50μm以下の間隔において、前記撮像素子による複数枚の撮影を行う前記<3>に記載の液滴分注装置である。
<5> 前記被着対象物の凹部に着滴した液滴を乾燥させる乾燥手段を有する前記<3>から<4>のいずれかに記載の液滴分注装置である。
<6> 前記粒子が、光を受光したときに発光可能な粒子である前記<1>から<5>のいずれかに記載の液滴分注装置である。
<7> 前記光を受光したときに発光可能な粒子が、蛍光粒子、蛍光色素によって染色された細胞、及び蛍光タンパク質を発現可能な細胞の少なくともいずれかである前記<6>に記載の液滴分注装置である。
<8> 前記撮像手段が、第1の光照射部と、ダイクロイックミラーとを更に有する前記<6>から<7>のいずれかに記載の液滴分注装置である。
<9> 前記第1の光照射部により前記粒子に光を照射し、前記粒子からの発光を前記撮像素子が受光する前記<8>に記載の液滴分注装置である。
<10> 前記液滴形成手段が、
前記粒子を含む液滴を吐出する液滴吐出部と、
吐出された前記液滴に光を照射する第2の光照射部と、
前記光を照射された前記粒子からの発光を受光する受光部と、
前記受光部により受光した前記発光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数部と、
を有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の液滴分注装置である。
<11> 前記被着対象物を平面内で移動させる移動手段を有し、
前記撮像手段による前記粒子の撮像が、前記被着対象物の凹部が形成されている側から行われる前記<1>から<10>のいずれかに記載の液滴分注装置である。
<12> 前記液滴吐出部と前記被着対象物における複数の凹部との相対的な位置関係を制御する制御手段を有する前記<10>から<11>のいずれかに記載の液滴分注装置である。
<13> 前記粒子計数部が、前記液滴に含まれる粒子の数が0個であると判定したとき、
前記液滴吐出部が、同じ前記凹部に対して前記液滴を再度吐出する前記<10>から<12>のいずれかに記載の液滴分注装置である。
<14> 前記被着対象物が、少なくとも1つの凹部の中央部に前記液滴を誘導する液滴誘導手段を有する前記<1>から<13>のいずれかに記載の液滴分注装置である。
<15> 組織体の形成に用いられる前記<1>から<14>のいずれかに記載の液滴分注装置である。
<16> 粒子を含む液滴を形成し、被着対象物の所定の凹部内の所定の位置に着滴させる液滴形成工程と、
着滴した前記液滴に含まれる前記粒子を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程により撮影した画像から前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数工程と、
を含むことを特徴とする液滴分注方法である。
<17> 前記粒子計数工程において、前記液滴が着滴した凹部内の所定の位置を含む撮影した画像を優先して前記粒子を計数する前記<16>に記載の液滴分注方法である。
<18> 前記撮像工程が、対物レンズと、撮像素子と、前記対物レンズの焦点位置を走査させる走査部とを有する撮像手段を用いて行われ、
前記走査部により深さ方向の焦点深度を50μm以下の間隔で複数枚の撮影を行う前記<16>から<17>のいずれかに記載の液滴分注方法である。
<19> 前記被着対象物の凹部に着滴している液滴を乾燥させる乾燥工程を含む前記<16>から<18>のいずれかに記載の液滴分注方法である。
<20> 前記粒子が、光を受光したときに発光可能な粒子である前記<16>から<19>のいずれかに記載の液滴分注方法である。
<21> 前記光を受光したときに発光可能な粒子が、蛍光粒子、蛍光色素によって染色された細胞、及び蛍光タンパク質を発現可能な細胞の少なくともいずれかである前記<20>に記載の液滴分注方法である。
<22> 前記撮像工程が、第1の光照射部と、ダイクロイックミラーとを更に有する撮像手段を用いて行われ、前記第1の光照射部が前記粒子に光を照射し、前記粒子の発光を前記撮像手段が受光する前記<20>から<21>のいずれかに記載の液滴分注方法である。
<23> 前記被着対象物を平面内で移動させる移動工程を含み、
前記撮像工程における前記粒子の撮像が、前記被着対象物の凹部が形成されている側から行われる前記<16>から<22>のいずれかに記載の液滴分注方法である。
<24> 前記液滴吐出部と前記被着対象物における複数の凹部との相対的な位置関係を制御する制御工程を含む前記<16>から<23>のいずれかに記載の液滴分注方法である。
<25> 組織体の形成に用いられる前記<16>から<24>のいずれかに記載の液滴分注方法である。
<26> 前記<1>から<15>のいずれかに記載の液滴分注装置を用いて、凹部内の粒子数が計数されており、凹部内の粒子数が既知であることを特徴とする被着対象物である。
前記<1>から<15>のいずれかに記載の液滴分注装置、前記<16>から<25>のいずれかに記載の液滴分注方法、及び前記<26>に記載の被着対象物によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1A、1B、1C、1D、1E 液滴分注装置
3 粒子
4 液滴
10 液滴吐出部
11 液体保持部
12 膜状部材
13 振動部材
14 吐出口
20 駆動部
30 第1の光照射部
32 対物レンズ
33 走査部
34 ダイクロイックミラー
35 撮像素子
100 液滴形成手段
200 被着対象物
201 凹部
202 ステージ
300 撮像手段
400 粒子計数手段
特許第5745752号公報

Claims (18)

  1. 粒子を含む液滴が着滴する複数の凹部が形成された被着対象物と、
    前記粒子を含む液滴を形成し、前記液滴を前記被着対象物の所定の凹部内の所定の位置に着滴させる液滴形成手段と、
    着滴した前記液滴に含まれる前記粒子を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮影した画像から前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数手段と、
    を有することを特徴とする液滴分注装置。
  2. 前記液滴が着滴した凹部内の所定の位置を含む撮影した画像を優先して、前記粒子計数手段により前記粒子を計数する請求項1に記載の液滴分注装置。
  3. 前記撮像手段が、対物レンズと、撮像素子と、前記対物レンズの焦点位置を走査する走査部とを有する請求項1から2のいずれかに記載の液滴分注装置。
  4. 前記走査部による前記対物レンズの走査により、深さ方向の焦点深度を50μm以下の間隔において、前記撮像素子による複数枚の撮影を行う請求項3に記載の液滴分注装置。
  5. 前記被着対象物の凹部に着滴した液滴を乾燥させる乾燥手段を有する請求項3から4のいずれかに記載の液滴分注装置。
  6. 前記粒子が、光を受光したときに発光可能な粒子である請求項1から5のいずれかに記載の液滴分注装置。
  7. 前記光を受光したときに発光可能な粒子が、蛍光粒子、蛍光色素によって染色された細胞、及び蛍光タンパク質を発現可能な細胞の少なくともいずれかである請求項6に記載の液滴分注装置。
  8. 前記撮像手段が、第1の光照射部と、ダイクロイックミラーとを更に有する請求項6から7のいずれかに記載の液滴分注装置。
  9. 前記第1の光照射部により前記粒子に光を照射し、前記粒子からの発光を前記撮像素子が受光する請求項8に記載の液滴分注装置。
  10. 前記液滴形成手段が、
    前記粒子を含む液滴を吐出する液滴吐出部と、
    吐出された前記液滴に光を照射する第2の光照射部と、
    前記光を照射された前記粒子からの発光を受光する受光部と、
    前記受光部により受光した前記発光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数部と、
    を有する請求項1から9のいずれかに記載の液滴分注装置。
  11. 前記被着対象物を平面内で移動させる移動手段を有し、
    前記撮像手段による前記粒子の撮像が、前記被着対象物の凹部が形成されている側から行われる請求項1から10のいずれかに記載の液滴分注装置。
  12. 前記液滴吐出部と前記被着対象物における複数の凹部との相対的な位置関係を制御する制御手段を有する請求項10から11のいずれかに記載の液滴分注装置。
  13. 前記粒子計数部が、前記液滴に含まれる粒子の数が0個であると判定したとき、
    前記液滴吐出部が、同じ前記凹部に対して前記液滴を再度吐出する請求項10から12のいずれかに記載の液滴分注装置。
  14. 前記被着対象物が、少なくとも1つの凹部の中央部に前記液滴を誘導する液滴誘導手段を有する請求項1から13のいずれかに記載の液滴分注装置。
  15. 組織体の形成に用いられる請求項1から14のいずれかに記載の液滴分注装置。
  16. 粒子を含む液滴を形成し、被着対象物の所定の凹部内の所定の位置に着滴させる液滴形成工程と、
    着滴した前記液滴に含まれる前記粒子を撮像する撮像工程と、
    前記撮像工程により撮影した画像から前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数工程と、
    を含むことを特徴とする液滴分注方法。
  17. 前記粒子計数工程において、前記液滴が着滴した凹部内の所定の位置を含む撮影した画像を優先して前記粒子を計数する請求項16に記載の液滴分注方法。
  18. 請求項1から15のいずれかに記載の液滴分注装置を用いて、凹部内の粒子数が計数されており、前記凹部内の粒子数が既知であることを特徴とする被着対象物。

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