JP6973199B2 - 液滴吐出手段、液滴形成装置及び分注装置 - Google Patents

液滴吐出手段、液滴形成装置及び分注装置 Download PDF

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Description

本発明は、液滴吐出手段、液滴形成装置及び分注装置に関する。
近年、幹細胞技術の進展に伴い、複数の細胞をインクジェット方式で吐出し組織体を形成する技術開発が行われている。このようなインクジェット方式としては、圧電素子を用いた圧電加圧方式、ヒータを用いたサーマル方式、静電引力によって液を引っ張る静電方式などが挙げられる。これらの中でも、圧電加圧方式は、他の方式と比べて熱や電場によるダメージを細胞に与え難いため、細胞溶液の液滴形成に用いるのに好適である。
一般的な圧電加圧方式のインクジェットヘッドは、加圧液室における液の圧縮を利用して液滴を形成するが、加圧液室内に気泡が混入した際には液を圧縮することができず、不吐出になるという問題がある。また、細胞溶液は溶媒が水であり、一般的なインクジェットインクで用いられる界面活性剤は細胞へのダメージがあることから用いることができず、水は高い表面張力を持つために気泡を巻き込みやすいという大きな問題がある。
更に、一般的なインクジェットヘッドでは気泡が混入した状態から通常の状態に復帰させるためには、液室を加圧する、又はノズル部から液を吸引することによって、ノズル部から多量の液を排出し気泡を同時に取り除くことを実施している。しかし、細胞溶液は通常のインクジェットインクよりも高価で貴重なため、この手法で気泡を排除することは望ましくない。
一方、膜を屈曲モードのアクチュエータによって振動させることにより、細胞溶液を吐出する液滴形成装置が開示されている。この装置では、液室における加圧力を用いることなく、膜の上に保持された液を直接飛翔させることが可能である。そのため、一般的なインクジェットヘッドに比べて気泡の影響を低減することができる(例えば、特許文献1参照)。
また、液滴形成装置の膜に撹拌振動を付与することにより、細胞溶液の細胞数濃度を均一にし、吐出する細胞数のバラツキを軽減させることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、所定数の粒子を繰り返し安定に吐出できる液滴吐出手段を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の液滴吐出手段は、液を保持する液保持部と、前記液保持部に設けられる液滴吐出口と、前記液保持部を振動させる第一の振動部材と、前記第一の振動部材を支持する固定部と、を有し、前記液保持部は、大気開放部を有し、かつ前記液滴吐出口の吐出方向に対して、垂直に切断したときの前記液保持部の内壁で形成される断面が、前記大気開放部側から前記液滴吐出口へ向けて小さくなる構造を有する。
本発明によると、所定数の粒子を繰り返し安定に吐出できる液滴吐出手段を提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係る液滴形成装置の一例を示す概略断面図である。 図2は、第2の実施形態に係る液滴形成装置の一例を示す概略断面図である。 図3Aは、ノズル詰まりの解消方法の一例を示す概略断面図である。 図3Bは、ノズル詰まりの解消方法の他の一例を示す概略断面図である。 図3Cは、ノズル詰まりの解消方法の他の一例を示す概略断面図である。 図4は、液滴形成装置における第一の振動と第二の振動の波形の一例を示すグラフである。 図5は、液滴形成装置における第一の振動と第二の振動の波形の一例を示すグラフである。 図6は、第3の実施形態に係る液滴形成装置の一例を示す概略断面図である。 図7は、第4の実施形態に係る液滴形成装置の一例を示す概略図である。 図8は、図7の制御手段のハードウェアブロックを例示する図である。 図9は、図7の制御手段の機能ブロックを例示する図である。 図10は、液滴形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図11は、第5の実施形態に係る液滴形成装置の一例を示す概略図である。 図12は、第6の実施形態に係る液滴形成装置の一例を示す概略図である。 図13Aは、飛翔する液滴に2個の蛍光粒子が含まれる場合を例示する図である。 図13Bは、飛翔する液滴に2個の蛍光粒子が含まれる場合を例示する図である。 図14は、粒子同士の重なりが生じない場合の輝度値Liと、実測される輝度値Leとの関係を例示する図である。 図15は、本発明の分注装置の一例を示す概略図である。 図16は、本発明の分注装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図17は、本発明の分注装置の動作の他の一例を示すフローチャートである。
(液滴吐出手段)
本発明の液滴吐出手段は、液を保持する液保持部と、液保持部に設けられる液滴吐出口と、液保持部を振動させる第一の振動部材と、第一の振動部材を支持する固定部と、を有し、液保持部は、大気開放部を有し、かつ液滴吐出口の吐出方向に対して、垂直に切断したときの液保持部の内壁で形成される断面が、大気開放部側から液滴吐出口へ向けて小さくなる構造を有し、更に必要に応じてその他の部材を有する。
本発明の液滴吐出手段は、従来技術では、液滴吐出口付近の細胞数がランダムに変化するため、吐出細胞数のバラツキ抑制には限界がある。一般に、撹拌のような所定時間間隔で行われる離散的な事象の発生確率は、統計学及び確率論におけるポアソン分布で表せる。吐出細胞数のバラツキもまたポアソン分布で表され、一定量のバラツキを持っている。一方、組織体を形成する技術開発においては、所定細胞数の繰り返し安定吐出が要求され、更なるバラツキ抑制が望まれているという知見に基づくものである。
本発明においては、液を保持する液保持部と、液保持部に設けられる液滴吐出口と、液保持部を振動させる第一の振動部材と、第一の振動部材を支持する固定部と、を有し、液保持部は、大気開放部を有し、かつ液滴吐出口の吐出方向に対して、垂直に切断したときの液保持部の内壁で形成される断面(断面積)が、大気開放部側から液滴吐出口へ向けて小さくなる構造を有することにより、液保持部に充填した溶液中の粒子(細胞)は、液保持部の内壁で形成される傾斜面に沿って液滴吐出口へと向かって沈降する。所定時間経過後、ノズル直上には、運動が抑制された一定密度の細胞が滞留した状態となっており、所定数の粒子を繰り返し安定に吐出できる。
<液保持部>
液保持部は、液を保持する部材である。
液保持部に設けられる液滴吐出口と、該液滴吐出口とは反対側に大気開放部を有する。これにより、液体中に混入した気泡は大気開放部から排出可能である。
液保持部は、大気開放部を有し、かつ液滴吐出口の吐出方向に対して、垂直に切断したときの液保持部の内壁で形成される断面(断面積)が、大気開放部側から液滴吐出口へ向けて小さくなる構造を有し、液保持部の内壁で形成される断面(断面積)連続的に狭くなる構造であっても、非連続的に狭くなる構造であってもよく、平面だけでなく曲面を含んでいてもよい。これにより、液保持部に充填した溶液中の粒子(細胞)を、液保持部の内壁で形成される傾斜面に沿って液滴吐出口へと向かって沈降させることができる。
中でも、液保持部は、液滴吐出口の吐出方向に対して、垂直に切断したときの液保持部の内壁で形成される断面が、大気開放部側から液滴吐出口へ向けて漸減する構造を有することが、粒子の沈降効果により優れている点から好ましい。
液滴保持部の内壁面は、液滴吐出口の吐出方向に対して、垂直に切断したときの液保持部の内壁で形成される断面が大気開放部側から液滴吐出口へ向けて漸減するテーパー面を有し、テーパー面からなる傾斜線と液滴吐出口を通る垂線とのなす角度は、5度以上60度以下が好ましく、10度以上40度以下がより好ましい。
液保持部の形状、大きさ、材質、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液保持部の材質としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム等の金属、ABS、ポリカーボネート、フッ素樹脂等のプラスチックス、二酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニア等のセラミックスなどが挙げられる。
これらの中でも、粒子として細胞やタンパク質を用いる際には、細胞やタンパク質に対する付着性の低い材料を用いることが好ましい。
細胞の付着性は一般的に材質の水との接触角に依存性があると言われており、材質の親水性が高い又は疎水性が高いときには細胞の付着性が低い。親水性の高い材料としては各種金属材料やセラミックス(金属酸化物)を用いることが可能であり、疎水性が高い材料としてはフッ素樹脂等を用いることが可能である。
これら以外にも、材料表面をコーティングすることで細胞接着性を低下させることも考えられる。例えば、材料表面を前述の金属又は金属酸化物材料でコーティングすることや、細胞膜を模した合成リン脂質ポリマー(例えば、日油株式会社製、Lipidure)によってコーティングすることが可能である。
−液滴吐出口−
液滴吐出口としては、その配列数、配列態様、間隔(ピッチ)、開口形状、開口の大きさなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液滴吐出口の配列数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液滴吐出手段の吐出面の長さ方向に沿って1列配設されていることが好ましい。
液滴吐出口の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、2個以上100個以下が好ましく、2個以上50個以下がより好ましく、2個以上12個以下が更に好ましい。液滴吐出口の数が2個以上100個以下であると、単位時間当りの吐出する液滴数を増加させることができる高い生産性を有する液滴形成装置を提供することができる。
液滴吐出口は、等間隔に並んで配列されていることが好ましく、隣接する液滴吐出口の中心間の最短距離である間隔(ピッチ)Pとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、50μm以上1,000μm以下が好ましい。
液滴吐出口の開口形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形、楕円形、四角形などが挙げられる。
液滴吐出口の平均径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粒子が液滴吐出口に詰まることを避けるため、粒子の大きさの2倍以上とすることが好ましい。
粒子が、例えば、動物細胞、特にヒトの細胞である場合、ヒトの細胞の大きさは、一般的に、5μm以上50μm以下であるため、液滴吐出口の平均径は、使用する細胞に合わせて、10μm以上100μm以下が好ましい。
一方で、液滴が大きくなり過ぎると、微小液滴を形成するという目的の達成が困難となるため、液滴吐出口の平均径は、200μm以下であることが好ましい。したがって、液滴吐出口の平均径は、10μm以上200μm以下がより好ましい。
−第一の振動部材及び第二の振動部材−
第一の振動部材は、液保持部を略重力方向に振動させ、固定部に支持されている。
第二の振動部材は、液保持部を略重力方向に垂直な方向に振動させ、固定部又は液保持部に設けられることが好ましい。
第一の振動部材による第一の振動の位相と、第二の振動部材による第二の振動の位相とが異なり、第一の振動と第二の振動とが交互に行われることが、ノズル詰まり解消効果を最大限に高めつつ液滴吐出を行える点から好ましい。
第一の振動部材及び第二の振動部材の形状、大きさ、材質、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第一の振動部材及び第二の振動部材の形状及び大きさとしては、特に制限はなく、液保持部や固定部の形状に合わせて適宜設計することができる。
第一の振動部材及び第二の振動部材としては、圧電素子が好適に用いられる。
圧電素子としては、例えば、圧電材料の上面及び下面に電圧を印加するための電極を設けた構造とすることができる。この場合、駆動手段から圧電素子の上下電極間に電圧を印加することによって膜の面横方向に圧縮応力が加わり、液保持部を振動させることができる。
圧電材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ビスマス鉄酸化物、ニオブ酸金属物、チタン酸バリウム、又はこれらの材料に金属や異なる酸化物を加えたものなどが挙げられる。これらの中でも、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)が好ましい。
液保持部は、粒子を含む液体を保持し、液滴吐出口から液滴として吐出する。
<液滴>
液滴は、粒子を含むことが好ましい。
液滴中に含まれる粒子の個数は、1個以上が好ましく、1個以上5個以下がより好ましい。
液滴の直径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25μm以上150μm以下が好ましい。液滴の直径が25μm以上であると、内包する粒子の直径が適正となり、適用できる粒子の種類が多くなる。また、液滴の直径が150μm以下であると、液滴の吐出が安定となる。
また、液滴の直径をRとし、粒子の直径をrとすると、R>3rであることが好ましい。R>3rであると、粒子の直径と液滴の直径との関係が適正であり、液滴の縁の影響を受けることがないため、粒子の計数精度が向上する。
液滴の液量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000pL以下が好ましく、100pL以下がより好ましい。
液滴の液量は、例えば、液滴の画像から液滴の大きさを求め、液量を算出する方法などにより測定することができる。
液滴に含まれる粒子としては、例えば、金属微粒子、無機微粒子、細胞などが挙げられる。これらの中でも、細胞が好ましい。
細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真核細胞、原核細胞、多細胞生物細胞、単細胞生物細胞を問わず、すべての細胞について使用することができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
真核細胞としては、特に制限はなく、目的応じて適宜選択することができ、例えば、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、真菌、藻類、原生動物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、動物細胞、真菌が好ましく、ヒト由来の細胞がより好ましい。
接着性細胞としては、組織や器官から直接採取した初代細胞でもよく、組織や器官から直接採取した初代細胞を何代か継代させたものでもよく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分化した細胞、未分化の細胞などが挙げられる。
分化した細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、肝臓の実質細胞である肝細胞;星細胞;クッパー細胞;血管内皮細胞;類道内皮細胞、角膜内皮細胞等の内皮細胞;繊維芽細胞;骨芽細胞;砕骨細胞;歯根膜由来細胞;表皮角化細胞等の表皮細胞;気管上皮細胞;消化管上皮細胞;子宮頸部上皮細胞;角膜上皮細胞等の上皮細胞;乳腺細胞;ペリサイト;平滑筋細胞、心筋細胞等の筋細胞;腎細胞;膵ランゲルハンス島細胞;末梢神経細胞、視神経細胞等の神経細胞;軟骨細胞;骨細胞などが挙げられる。
未分化の細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、未分化細胞である胚性幹細胞、多分化能を有する間葉系幹細胞等の多能性幹細胞;単分化能を有する血管内皮前駆細胞等の単能性幹細胞;iPS細胞などが挙げられる。
真菌としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カビ、酵母菌などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、細胞周期を調節することができ、1倍体を使用することができる点から、酵母菌が好ましい。
細胞周期とは、細胞が増えるとき、細胞分裂が生じ、細胞分裂で生じた細胞(娘細胞)が再び細胞分裂を行う細胞(母細胞)となって新しい娘細胞を生み出す過程を意味する。
酵母菌としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、細胞周期をG1期に制御するフェロモン(性ホルモン)の感受性が増加したBar−1欠損酵母が好ましい。酵母菌がBar−1欠損酵母であると、細胞周期が制御できていない酵母菌の存在比率を低くすることができるため、容器内に収容された細胞の特定の核酸の数の増加等を防ぐことができる。
原核細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真正細菌、古細菌などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
細胞としては、死細胞が好ましい。死細胞であると、分取後に細胞分裂が起こることを防ぐことができる。
細胞としては、光を受光したときに発光可能な細胞であることが好ましい。光を受光したときに発光可能な細胞であると、細胞の数を高精度に制御して被着対象物に着弾させることができる。
受光とは、光を受けることを意味する。
光学センサとは、人間の目で見ることができる可視光線と、それより波長の長い近赤外線や短波長赤外線、熱赤外線領域までの光のいずれかの光をレンズで集め、対象物である細胞の形状などを画像データとして取得する受動型センサを意味する。
−−光を受光したときに発光可能な細胞−−
光を受光したときに発光可能な細胞としては、光を受光したときに発光可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、蛍光色素によって染色された細胞、蛍光タンパク質を発現した細胞、蛍光標識抗体により標識された細胞などが挙げられる。
細胞における蛍光色素による染色部位、蛍光タンパク質の発現部位、又は蛍光標識抗体による標識部位としては、特に制限はなく、細胞全体、細胞核、細胞膜などが挙げられる。
−−−蛍光色素−−−
蛍光色素としては、例えば、フルオレセイン類、アゾ類、ローダミン類、クマリン類、ピレン類、シアニン類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、フルオレセイン類、アゾ類、ローダミン類が好ましく、エオシン、エバンスブルー、トリパンブルー、ローダミン6G、ローダミンB、ローダミン123がより好ましい。
蛍光色素としては、市販品を用いることができ、市販品としては、例えば、商品名:EosinY(和光純薬工業株式会社製)、商品名:エバンスブルー(和光純薬工業株式会社製)、商品名:トリパンブルー(和光純薬工業株式会社製)、商品名:ローダミン6G(和光純薬工業株式会社製)、商品名:ローダミンB(和光純薬工業株式会社製)、商品名:ローダミン123(和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
−−−蛍光タンパク質−−−
蛍光タンパク質としては、例えば、Sirius、EBFP、ECFP、mTurquoise、TagCFP、AmCyan、mTFP1、MidoriishiCyan、CFP、TurboGFP、AcGFP、TagGFP、Azami−Green、ZsGreen、EmGFP、EGFP、GFP2、HyPer、TagYFP、EYFP、Venus、YFP、PhiYFP、PhiYFP−m、TurboYFP、ZsYellow、mBanana、KusabiraOrange、mOrange、TurboRFP、DsRed−Express、DsRed2、TagRFP、DsRed−Monomer、AsRed2、mStrawberry、TurboFP602、mRFP1、JRed、KillerRed、mCherry、mPlum、PS−CFP、Dendra2、Kaede、EosFP、KikumeGRなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−蛍光標識抗体−−−
蛍光標識抗体としては、蛍光標識されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CD4−FITC、CD8−PEなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
細胞は、特定の核酸を有することが好ましい。特定の核酸を有する細胞の細胞数は、複数であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−特定の核酸−−−
特定の核酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感染症検査に用いられる塩基配列、自然界には存在しない核酸、動物細胞由来の塩基配列、植物細胞由来の塩基配列などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、特定の核酸としては、プラスミドも好適に使用することができる。
核酸とは、プリン又はピリミジンから導かれる含窒素塩基、糖、及びリン酸が規則的に結合した高分子の有機化合物を意味する。
特定の核酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、DNA、RNAなどが挙げられる。これらの中でも、ノロウイルスなどの感染症固定領域に由来するRNAに対応するDNA、自然界に存在しないDNAなどが好適に用いることができる。
特定の核酸を有する複数の細胞は、使用する細胞由来の特定の核酸であってもよく、遺伝子導入により導入された特定の核酸であってもよい。特定の核酸として、遺伝子導入により導入された特定の核酸、及びプラスミドを使用する場合は、1細胞に1コピーの特定の核酸が導入されていることを確認することが好ましい。1コピーの特定の核酸が導入されていることの確認方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シーケンサー、PCR法、サザンブロット法などを用いて確認することができる。
遺伝子導入の方法としては、特定の核酸配列が狙いの場所に狙いの分子数導入できれば特に制限がなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、相同組換え、CRISPR/Cas9、TALEN、Zinc finger nuclease、Flip−in、Jump−inなどが挙げられる。特に、酵母菌の場合は、効率の高さ、及び制御のしやすさの点から、相同組換えが好ましい。
金属微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銀粒子、銅粒子などが挙げられる。これらは吐出した液滴によって配線を描画する用途に用いることができる。
無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素等が白色インクとしての用途やスペーサ材料の塗布用途等で用いられる。
粒子が凝集する場合には、粒子を含む液体の粒子の濃度を調整することにより、液体中の粒子の濃度と、液体中の粒子の個数とがポアソン分布に従う理論から、液体中の粒子の個数を適宜調整することができる。
液体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、蒸留水、純水、生理食塩水、アルコール、鉱物油、植物油等の様々な有機溶媒を用いることができる。
溶媒として水を使用する際には、水分の蒸発を抑えるための湿潤剤や、表面張力を下げるための界面活性剤が含まれていることが好ましい。これらの処方には、インクジェットインクに用いられるごく一般的な材料を用いることができる。
<固定部>
固定部は、第一の振動部材を支持する。更に、第二の振動部材を設けることが好ましい。
固定部の形状、大きさ、材質、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
固定部の材質としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム等の金属、ABS、ポリカーボネート、フッ素樹脂等のプラスチックス、二酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニア等のセラミックスなどが挙げられる。
<その他の部材>
その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、制御部材を有することが好ましい。
(液滴形成装置)
本発明の液滴形成装置は、本発明の液滴吐出手段を備え、駆動手段及び粒子数計数手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を備える。
<駆動手段>
駆動手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液滴吐出手段が圧電加圧方式によるインクジェットヘッドである場合、液滴吐出手段に駆動電圧を入力する手段などが挙げられる。この場合、駆動手段が圧電素子を変形させることにより微小な液滴を吐出させることができる。
<粒子数計数手段>
粒子数計数手段は、液滴に含まれる粒子を計数する手段であり、液滴の吐出後、かつ液滴の被着対象物への着弾前に、液滴に含まれる粒子数をセンサによって計数する手段であることが好ましい。
センサとは、自然現象や人工物の機械的・電磁気的、熱的、音響的、又は化学的性質、或いはそれらにより示される空間情報・時間情報を、何らかの科学的原理を応用して、人間や機械が扱い易い別媒体の信号に置き換える装置を意味する。
粒子数計数手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、吐出前に粒子を観測する処理、着弾後の粒子をカウントする処理を含んでもよい。
液滴の吐出後、かつ液滴の被着対象物への着弾前に、液滴に含まれる粒子数の計数としては、液滴が被着対象物としてのプレートのウェルに確実に入ることが予測されるウェル開口部の直上の位置にあるタイミングにて液滴中の粒子を観測することが好ましい。
プレートとしては、特に制限はなく、バイオ分野において一般的に用いられる穴が形成されたものを用いることが可能である。
プレートにおけるウェルの数は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単数であってもよく、複数であってもよい。
ウェルの数が複数であるプレートとしては、ウェルの数が24個、96個、384個など業界において一般的な個数及び寸法で穴が形成されたものを用いることが好ましい。
プレートの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後の処理のために、細胞や核酸の壁面への付着が抑制されているものを用いることが好ましい。
液滴中の粒子を観測する方法としては、例えば、光学的に検出する方法、電気的・磁気的に検出する方法などが挙げられる。
<その他の手段>
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、制御手段、表示手段、記録手段などを有することが好ましい。
ここで、本発明の液滴形成装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の液滴形成装置は、液滴吐出手段として本発明の液滴吐出手段を用いており、本発明の液滴吐出手段は本発明の液滴形成装置に含まれるため、以下の本発明の液滴形成装置の実施形態の説明を通じて、本発明の液滴吐出手段の実施形態についても説明する。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
また、以下の説明では、粒子としての細胞を懸濁した細胞溶液の吐出を対象として例示するが、その他の分野の粒子を懸濁した粒子懸濁液の吐出に適用するのでも構わない。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る液滴形成装置200の一例を示す図である。図1を参照すると、液滴形成装置200は、液滴吐出手段100と、駆動手段40とを有する。
液滴吐出手段100は、内部に三角錐形状の空間を有し、その先端部に液滴吐出口2を有する液保持部3、液保持部3内部に充填される溶液300、液保持部3を支持する支持板5、支持板5を振動する第一の振動部材6、これらを支持する固定部7を有する。なお、各部材は接着剤で接着固定されている。
液保持部3は、液滴吐出口2と反対側に大気開放部55を有する。液保持部1は、大気開放部55有することにより、溶液300中に混入した気泡を大気開放部から排出可能である。
液保持部3は、液滴吐出口2の吐出方向に対して、垂直に切断したときの液保持部の内壁で形成される断面(断面積)が、大気開放部55側から液滴吐出口2へ向けて小さくなる構造を有する。図1では、液滴吐出口の吐出方向に対して、垂直に切断したときの内壁で形成される断面(断面積)が、大気開放部側から液滴吐出口へ向けて漸減する構造(テーパー構造)を有している。
液滴保持部3の内壁面は、液滴吐出口2の吐出方向に対して、垂直に切断したときの液保持部の内壁で形成される断面が大気開放部55側から液滴吐出口2へ向けて漸減するテーパー面を有し、テーパー面からなる傾斜線と液滴吐出口を通る垂線とのなす角度は、20度である。
液滴吐出手段100において、液保持部1は、粒子350を含有する(粒子350が分散された)溶液300を保持しており、例えば、金属、樹脂、シリコン、セラミック等から形成されている。
粒子350を含有する溶液300において、粒子350としては、例えば、金属微粒子、無機微粒子、細胞などが挙げられる。これらの中でも、細胞が好ましい。
液滴吐出口(ノズル)2は、液保持部3の先端部に実質的に真円状の貫通孔として形成されていることが好ましい。この場合、ノズル2の径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粒子350がノズル2に詰まることを避けるため、粒子350の大きさの2倍以上とすることが好ましい。
第一の振動部材6は、圧電素子から構成される。圧電素子としては、図1中の8に示す運動を行うベンド型タイプが用いられる。第一の振動部材6の駆動信号は、駆動手段40より命令される。
溶液300の充填後、粒子350としての細胞は、液保持部3のテーパー面に沿って11の矢印の向きに沈降し、液滴吐出口2付近に集まり互いに隙間を埋めるように堆積する。その結果、液滴吐出口2付近には、密度が均一かつ運動が抑制された状態の粒子(細胞)350が滞留する。この状態で、第一の振動部材6により8の運動を起こすと、振動は支持板5を伝達し先端部では増幅され12の上下動を起こし、粒子数(細胞数)の安定した吐出液滴310を吐出することができる。
<第2の実施形態>
図2は、第2の実施形態の液滴形成装置を示す。この第2の実施形態の液滴形成装置200は、液滴吐出手段固定部14に取り付けた第二の振動部材15を固定部7に接着固定している点が、第1の実施形態と異なる。なお、既に説明した第1の実施形態と同一構成についての説明は省略する場合がある。
第二の振動部材15は、積層型の圧電素子から構成される。第二の振動部材15の駆動信号は、駆動手段40より命令され、図2中16で示す左右方向の第二の振動を固定部7に付与する。これにより、液保持部3を左右に揺動させてノズル詰まりの解消ができる。
図3A〜図3Cは、液保持部3を切り出し、ノズル詰まり解消方法を説明する図である。粒子の種類や溶媒等の条件によっては、ノズル詰まりが発生し液滴吐出困難となる場合がある。
図3Aは、粒子350としての細胞自体がノズル内に詰まった状態を示す。その場合に、第二の振動16により液保持部を右方向に振動すると、図3Bに示すように粒子350としての細胞は矢印の方向に動く。左側内壁面に接した細胞はテーパーに沿って上方に移動し、右側内壁面に接した細胞は内壁面から離れる。
次に、図3Cに示すように左方向へ振動すると、右側内壁面に接した細胞は上方に移動し、左側内壁面に接した細胞は内壁面から離れる。このように、粒子350としての細胞を上方へ移動させかつ壁面から離反させることで、17に示す細胞が少ない領域ができて詰まりを解消できる。なお、図3Cは、説明のために17を大きく描いており、細胞密度が変化しているように見えるが、実際の詰まり解消動作では、17は極めて小さくても詰まりを解消できる。その結果、ノズル詰まりの解消と粒子数(細胞数)の安定した吐出を両立できる。
図4は、第一の振動8と第二の振動16の波形を重ねて示したものである。実線は第一の振動8を示し、破線は第二の振動16を示す。第二の振動16の矢印17は、図3B及び図3Cの16で示す左右の運動に相当する。
第一の振動8と第二の振動16によるノズル詰まり解消を交互に行うことにより、ノズル詰まりを防止しながら、粒子数(細胞数)の安定した連続安定吐出を行うことが可能となる。
図5は、第一の振動8と第二の振動16の入力方法の別の実施形態を示す。図5に示すように、第二の振動16を小振幅かつ高周波で常時行うことで、詰まり防止効果を連続的に得ることができ、より安定的な吐出が可能となる。
<第3の実施形態>
図6は、第3の実施形態の液滴形成装置を示す。この第3の実施形態の液滴形成装置200は、液保持部3に第二の振動部材15を直接1つ取り付けた液滴吐出手段101を有する点が、第1の実施形態と異なる。なお、既に説明した第1の実施形態と同一構成についての説明は省略する場合がある。
この第3の実施形態の場合には、積層型の圧電素子で構成される第二の振動部材15による振動を直接ノズル付近へと伝達することが可能となり、小さなエネルギーでも大きな揺動を発生することができる。
なお、第3の実施形態の場合には、第一の振動部材18も積層型の圧電素子で構成する。
<第4の実施形態>
−光学的に検出する方法−
図7、図11、及び図12を用いて、光学的に検出する方法に関して以下に説明する。
図7は、液滴形成装置の一例を示す模式図である。図11、及び図12は、液滴形成装置の他の一例を示す模式図である。
図7に示すように、第4の実施形態の液滴形成装置200Aは、液滴吐出手段100と、駆動手段40と、光源50と、受光素子60と、制御手段70とを有する。液滴吐出手段100としては、第1の実施形態と同様である。
図7では、細胞懸濁液として細胞を特定の色素によって蛍光染色した後に所定の溶液に分散した液を用いており、液滴吐出手段100から形成した液滴310に光源50から発せられる特定の波長を有する光Lを照射し細胞から発せられる蛍光を受光素子60によって検出することによって計数を行う。このとき、蛍光色素によって細胞を染色する方法に加え、細胞中に元々含まれる分子が発する自家蛍光を利用してもよいし、細胞に蛍光タンパク質(例えば、GFP(Green Fluorescent Protein))を生産するための遺伝子を予め導入しておき細胞が蛍光を発するようにしておいてもよい。
光源50は、飛翔中の液滴310に光Lを照射する。なお、飛翔中とは、液滴310が液滴吐出手段100から吐出されてから、着滴対象物に着滴するまでの状態を意味する。飛翔中の液滴310は、光Lが照射される位置では略球状となっている。また、光Lのビーム形状は略円形状である。
ここで、液滴310の直径に対し、光Lのビーム直径が10倍〜100倍程度であることが好ましい。これは、液滴310の位置ばらつきが存在する場合においても、光源50からの光Lを確実に液滴310に照射するためである。
ただし、液滴310の直径に対し、光Lのビーム直径が100倍を大きく超えることは好ましくない。これは、液滴310に照射される光のエネルギー密度が下がるため、光Lを励起光として発する蛍光Lfの光量が低下し、受光素子60で検出し難くなるからである。
光源50から発せられる光Lはパルス光であることが好ましく、例えば、固体レーザー、半導体レーザー、色素レーザー等が好適に用いられる。光Lがパルス光である場合のパルス幅は10μs以下が好ましく、1μs以下がより好ましい。単位パルス当たりのエネルギーとしては、集光の有無等、光学系に大きく依存するが、概ね0.1μJ以上が好ましく、1μJ以上がより好ましい。
受光素子60は、飛翔中の液滴310に蛍光染色細胞350が含有されていた場合に、蛍光染色細胞350が光Lを励起光として吸収して発する蛍光Lfを受光する。蛍光Lfは、蛍光染色細胞350から四方八方に発せられるため、受光素子60は蛍光Lfを受光可能な任意の位置に配置することができる。この際、コントラストを向上するため、光源50から出射される光Lが直接入射しない位置に受光素子60を配置することが好ましい。
受光素子60は、蛍光染色細胞350から発せられる蛍光Lfを受光できる素子であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液滴に特定の波長を有する光を照射して液滴内の細胞からの蛍光を受光する光学センサが好ましい。
受光素子60としては、例えば、フォトダイオード、フォトセンサ等の1次元素子が挙げられるが、高感度な測定が必要な場合には、光電子増倍管やアバランシェフォトダイオードを用いることが好ましい。受光素子60として、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、ゲートCCD等の2次元素子を用いてもよい。
なお、光源50が発する光Lと比較して蛍光染色細胞350の発する蛍光Lfが弱いため、受光素子60の前段(受光面側)に光Lの波長域を減衰させるフィルタを設置してもよい。これにより、受光素子60において、非常にコントラストの高い蛍光染色細胞350の画像を得ることができる。フィルタとしては、例えば、光Lの波長を含む特定波長域を減衰させるノッチフィルタ等を用いることができる。
また、前述のように、光源50から発せられる光Lはパルス光であることが好ましいが、光源50から発せられる光Lを連続発振の光としてもよい。この場合には、連続発振の光が飛翔中の液滴310に照射されるタイミングで受光素子60が光を取り込み可能となるように制御し、受光素子60に蛍光Lfを受光させることが好ましい。
制御手段70は、駆動手段40及び光源50を制御する機能を有している。また、制御手段70は、受光素子60が受光した光量に基づく情報を入手し、液滴310に含有された蛍光染色細胞350の個数(ゼロである場合も含む)を計数する機能を有している。
以下、図8〜図10を参照し、制御手段70の動作を含む液滴形成装置200Aの動作について説明する。
図8は、図7の制御手段70のハードウェアブロックを例示する図である。図9は、図7の制御手段70の機能ブロックを例示する図である。図10は、液滴形成装置200Aの動作の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、制御手段70は、CPU71と、ROM72と、RAM73と、I/F74と、バスライン75とを有している。CPU71、ROM72、RAM73、及びI/F74は、バスライン75を介して相互に接続されている。
CPU71は、制御手段70の各機能を制御する。記憶手段であるROM72は、CPU71が制御手段70の各機能を制御するために実行するプログラムや、各種情報を記憶している。記憶手段であるRAM73は、CPU71のワークエリア等として使用される。また、RAM73は、所定の情報を一時的に記憶することができる。I/F74は、液滴形成装置200Aを他の機器等と接続するためのインターフェイスである。液滴形成装置200Aは、I/F74を介して、外部ネットワーク等と接続されてもよい。
図9に示すように、制御手段70は、機能ブロックとして、吐出制御手段701と、光源制御手段702と、細胞数計数手段(細胞数検知手段)703とを有している。
図9及び図10を参照しながら、液滴形成装置200Aの粒子数計数について説明する。
まず、ステップS11において、制御手段70の吐出制御手段701は、駆動手段40に吐出の指令を出す。吐出制御手段701から吐出の指令を受けた駆動手段40は、第一の振動部材6に駆動信号を供給して液保持部3を振動させる。液保持部3の振動により、蛍光染色細胞350を含有する液滴310が、ノズル131から吐出される。
次に、ステップS12において、制御手段70の光源制御手段702は、液滴310の吐出に同期して(駆動手段40から液滴吐出手段100に供給される駆動信号に同期して)光源50に点灯の指令を出す。これにより、光源50が点灯し、飛翔中の液滴310に光Lを照射する。
なお、ここで、同期するとは、液滴吐出手段100による液滴310の吐出と同時に(駆動手段40が液滴吐出手段100に駆動信号を供給するのと同時に)発光することではなく、液滴310が飛翔して所定位置に達したときに液滴310に光Lが照射されるタイミングで、光源50が発光することを意味する。つまり、光源制御手段702は、液滴吐出手段100による液滴310の吐出(駆動手段40から液滴吐出手段100に供給される駆動信号)に対して、所定時間だけ遅延して発光するように光源50を制御する。
例えば、液滴吐出手段100に駆動信号を供給した際に吐出する液滴310の速度vを予め測定する。そして、測定した速度vに基づいて液滴310が吐出されてから所定位置まで到達する時間tを算出し、液滴吐出手段100に駆動信号を供給するタイミングに対して、光源50が光を照射するタイミングをtだけ遅延させる。これにより、良好な発光制御が可能となり、光源50からの光を確実に液滴310に照射することができる。
次に、ステップS13において、制御手段70の細胞数計数手段703は、受光素子60からの情報に基づいて、液滴310に含有された蛍光染色細胞350の個数(ゼロである場合も含む)を計数する。ここで、受光素子60からの情報とは、蛍光染色細胞350の輝度値(光量)や面積値である。
細胞数計数手段703は、例えば、受光素子60が受光した光量と予め設定された閾値とを比較して、蛍光染色細胞350の個数を計数することができる。この場合には、受光素子60として1次元素子を用いても2次元素子を用いても構わない。
受光素子60として2次元素子を用いる場合は、細胞数計数手段703は、受光素子60から得られた2次元画像に基づいて、蛍光染色細胞350の輝度値或いは面積を算出するための画像処理を行う手法を用いてもよい。この場合、細胞数計数手段703は、画像処理により蛍光染色細胞350の輝度値或いは面積値を算出し、算出された輝度値或いは面積値と、予め設定された閾値とを比較することにより、蛍光染色細胞350の個数を計数することができる。
なお、蛍光染色細胞350は、細胞や染色細胞であってもよい。染色細胞とは、蛍光色素によって染色された細胞、又は蛍光タンパク質を発現可能な細胞を意味する。
このように、液滴形成装置200Aでは、蛍光染色細胞350を縣濁した細胞懸濁液300を保持する液滴吐出手段100に、駆動手段40から駆動信号を供給して、蛍光染色細胞350を含有する液滴310を吐出させ、飛翔中の液滴310に光源50から光Lを照射する。そして、飛翔する液滴310に含有された蛍光染色細胞350が光Lを励起光として蛍光Lfを発し、蛍光Lfを受光素子60が受光する。更に、受光素子60からの情報に基づいて、細胞数計数手段703が、飛翔する液滴310に含有された蛍光染色細胞350の個数を計数(カウント)する。
つまり、液滴形成装置200Aでは、飛翔する液滴310に含有された蛍光染色細胞350の個数を実際にその場で観察するため、蛍光染色細胞350の個数の計数精度を従来よりも向上することが可能となる。また、飛翔する液滴310に含有された蛍光染色細胞350に光Lを照射して蛍光Lfを発光させて蛍光Lfを受光素子60で受光するため、高いコントラストで蛍光染色細胞350の画像を得ることが可能となり、蛍光染色細胞350の個数の誤計数の発生頻度を低減できる。
<第5の実施形態>
図11は、図7の液滴形成装置200Aの変形例を示す模式図である。図11に示すように、液滴形成装置200Bは、受光素子60の前段にミラー45を配置した点が、液滴形成装置200A(図7参照)と相違する。なお、既に説明した実施形態と同一構成についての説明は省略する場合がある。
このように、第5の実施形態の液滴形成装置200Bでは、受光素子60の前段にミラー45を配置したことにより、受光素子60のレイアウトの自由度を向上することができる。
例えば、ノズル131と着滴対象物を近づけた際に、図7のレイアウトでは着滴対象物と液滴形成装置200Aの光学系(特に受光素子60)との干渉が発生するおそれがあるが、図11のレイアウトにすることで、干渉の発生を回避することができる。
即ち、図11のように受光素子60のレイアウトを変更することにより、液滴310が着滴する着滴対象物とノズル131との距離(ギャップ)を縮めることが可能となり、着滴位置のばらつきを抑制することができる。その結果、分注の精度を向上することが可能となる。
<第6の実施形態>
図12は、図7の液滴形成装置200Aの他の変形例を示す模式図である。図12に示すように、第6の実施形態の液滴形成装置200Cは、蛍光染色細胞350から発せられる蛍光Lfを受光する受光素子60に加え、蛍光染色細胞350から発せられる蛍光Lfを受光する受光素子61を設けた点が、液滴形成装置200A(図7参照)と相違する。なお、既に説明した実施形態と同一構成についての説明は省略する場合がある。
ここで、蛍光Lf及びLfは、蛍光染色細胞350から四方八方に発せられる蛍光の一部を示している。受光素子60及び61は、蛍光染色細胞350から異なる方向に発せられる蛍光を受光できる任意の位置に配置することができる。なお、蛍光染色細胞350から異なる方向に発せられる蛍光を受光できる位置に3つ以上の受光素子を配置してもよい。また、各受光素子は同一仕様としてもよいし、異なる仕様としてもよい。
受光素子が1つであると、飛翔する液滴310に複数個の蛍光染色細胞350が含まれる場合に、蛍光染色細胞350同士が重なることに起因して、細胞数計数手段703が液滴310に含有された蛍光染色細胞350の個数を誤計数する(カウントエラーが発生する)おそれがある。
図13A及び図13Bは、飛翔する液滴に2個の蛍光染色細胞が含まれる場合を例示する図である。例えば、図13Aに示すように、蛍光染色細胞350と350とに重なりが発生する場合や、図13Bに示すように、蛍光染色細胞350と350とに重なりが発生しない場合があり得る。受光素子を2つ以上設けることで、蛍光染色細胞が重なる影響を低減することが可能である。
前述のように、細胞数計数手段703は、画像処理により蛍光粒子の輝度値或いは面積値を算出し、算出された輝度値或いは面積値と、予め設定された閾値とを比較することにより、蛍光粒子の個数を計数することができる。
受光素子を2つ以上設置する場合、それぞれの受光素子から得られる輝度値或いは面積値のうち、最大値を示すデータを採択することで、カウントエラーの発生を抑制することが可能である。これに関して、図14を参照して、より詳しく説明する。
図14は、粒子同士の重なりが生じない場合の輝度値Liと、実測される輝度値Leとの関係を例示する図である。図14に示すように、液滴内の粒子同士の重なりがない場合には、Le=Liとなる。例えば、細胞1個の輝度値をLuとすると、細胞数/滴=1個の場合には、Le=Luであり、粒子数/滴=n個の場合はLe=nLuである(n:自然数)。
しかし、実際には、nが2以上の場合には粒子同士の重なりが発生し得るため、実測される輝度値はLu≦Le≦nLu(図14の網掛部分)となる。そこで、細胞数/滴=n個の場合、例えば、閾値を(nLu−Lu/2)≦閾値<(nLu+Lu/2)と設定することができる。そして、複数の受光素子を設置する場合、それぞれの受光素子から得られたデータのうち最大値を示すものを採択することで、カウントエラーの発生を抑制することが可能となる。なお、輝度値に代えて面積値を用いてもよい。
また、受光素子を複数設置する場合、得られる複数の形状データを基に、細胞数を推定するアルゴリズムにより粒子数を決定づけてもよい。
このように、液滴形成装置200Cでは、蛍光染色細胞350が異なる方向に発した蛍光を受光する複数の受光素子を有しているため、蛍光染色細胞350の個数の誤計数の発生頻度を更に低減できる。
本発明の液滴形成装置は、所定数の粒子を繰り返し安定に吐出できるので、各種分野に好適に用いられるが、以下に説明する本発明の分注装置に特に好適に用いられる。
(分注装置)
本発明の分注装置は、本発明の上記液滴形成装置と、被着対象物とを有し、制御手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有する。
液滴形成装置の粒子数計数手段が、液滴に含まれる粒子の数が0個であると判定したとき、液滴吐出手段が、同じ凹部に対して液滴を再度吐出することが、凹部に確実に粒子を分注することができる点から好ましい。
<被着対象物>
被着対象物は、液滴形成装置の液滴吐出手段から吐出された液滴が着滴する複数の凹部が形成された部材である。
被着対象物としては、吐出された液滴が付着することができれば、その材質、形状、大きさ、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
被着対象物の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、半導体、セラミックス、金属、ガラス、石英ガラス、プラスチックスなどで形成されたものが好適に挙げられる。
被着対象物の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、板状、プレート状などが好ましい。
被着対象物の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層構造であっても複数層構造であっても構わない。
被着対象物に設ける凹部の数は、複数であり、2つ以上が好ましく、5つ以上がより好ましく、50つ以上が更に好ましい。
<制御手段>
制御手段は、液滴吐出手段と複数の凹部との相対的な位置関係を制御する手段であり、CPU(Central Processing Unit)ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、メインメモリなどを有し、分注装置全体の動作を制御するための制御プログラムに基づいて各種処理を実行する。
<その他の手段>
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、記録手段、培養手段、加熱手段、攪拌手段、洗浄手段などを有することが好ましい。
本発明の分注装置は、吐出された液滴に含まれる粒子の検知精度が向上すると共に、単位時間当りの吐出する液滴数を増加させることができる高い生産性を有する本発明の粒子計数装置を有しているので、再生医療、医薬、化粧品、化学物質の安全性や効能の評価などの各種分野に幅広く用いることができる組織体、特に三次元組織体の作製に好適に用いられる。
ここで、本発明の分注装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<分注装置の第1の実施形態>
図15は、第1の実施形態の分注装置の一例を示す概略図である。第1の実施形態の分注装置では、本発明の液滴形成装置を、被着対象物の凹部に粒子を分注する分注装置として用いる形態である。なお、第1の実施形態の分注装置において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図15に示す分注装置220は、液滴形成装置200と、被着対象物301と、ステージ400と、制御手段500とを有している。
液滴形成装置200としては、図1に示す第1の実施形態の液滴形成装置200を用いている。
なお、液滴形成装置200に代えて、図7、図11、及び図12に示す液滴形成装置200Aから200Cのいずれかを用いてもよい。
被着対象物301は、移動可能に構成されたステージ400上に配置されている。被着対象物301には、液滴形成装置200の液滴吐出手段100から吐出された液滴310が着滴する複数の凹部(ウェル)330が形成されている。
制御手段500は、ステージ400を移動させ、液滴形成装置200の液滴吐出手段100とそれぞれの凹部330との相対的な位置関係を制御する。これにより、液滴形成装置200の液滴吐出手段100からそれぞれの凹部330中に順次粒子350を含む液滴310を吐出することができる。
制御手段500は、例えば、CPU、ROM、RAM、メインメモリ等を含む構成とすることができる。この場合、制御手段500の各種機能は、ROM等に記録されたプログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現できる。但し、制御手段500の一部又は全部は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。また、制御手段500は、物理的に複数の装置等により構成されてもよい。
図16は、第1の実施の形態に係る分注装置の動作を示すフローチャートの例である。まず、ステップS101では、液滴形成装置200の液滴吐出手段100は、所定の凹部330に向けて液滴310を吐出する。
次に、ステップS102では、液滴形成装置200の粒子数計数手段62は、飛翔する液滴310に含有された粒子350の個数を検知し、検知結果を制御手段500に送る。粒子数計数手段62の検知結果が『1個以上』でない場合(ゼロ個の場合)には、ステップS101の動作を繰り返す。
ステップS102で粒子数計数手段62の検知結果が『1個以上』である場合には、ステップS103に移行する。ステップS103では、制御手段500はステージ400を制御し、液滴形成装置200の液滴吐出手段100と次の凹部330とが対向する位置になるように被着対象物301を移動する。その後、ステップS101に移行して同様の動作を繰り返す。
これにより、凹部330に向けて飛翔する液滴310に含有された粒子350の個数がゼロ個である場合には同じ凹部330に向けて液滴310を再度吐出するため、複数の凹部330中に確実に粒子350を分注することが可能となる。
また、飛翔する液滴310に含有された粒子350の有無ではなく、図17に示すように飛翔する液滴310に含有された粒子350の個数を検知することも可能である。
図17は、第1の実施形態に係る分注装置の動作を示すフローチャートの他の例である。
図17では、まず、図16と同様のステップS101を実施後、ステップS202において、液滴形成装置200の粒子数計数手段62は、飛翔する液滴310に含有された粒子350の個数を検知し、検知結果を制御手段500に送る。粒子数計数手段62の検知結果が『3個』となるまで、ステップS101の動作を繰り返す。
なお、液滴310に含有された粒子350の個数が増えると粒子数計数手段62の検知精度が低下するおそれがあるため、必ずしも1回に吐出する液滴310に含有された粒子350の個数が3個になるように設定する必要はない。例えば、1回に吐出する液滴310に含有された粒子350の個数が0個又は1個になるように設定してもよい。この場合、液滴310に含有された粒子350の個数の合計が3個となるまで、ステップS101の動作を繰り返す。
ステップS202で粒子数計数手段62の検知結果が『3個』である場合には、ステップS103に移行し、図16と同様のステップS103を実施する。その後、ステップS101に移行して同様の動作を繰り返す。これにより、各凹部330内の粒子350の個数が3個となるように分注することが可能になる。
なお、図16及び図17の処理において、ステージ400に沿って液滴形成装置200を所定の位置に移動させる機能は、例えば、制御手段500にプログラムとして組み込むことができる。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 液を保持する液保持部と、
前記液保持部に設けられる液滴吐出口と、
前記液保持部を振動させる第一の振動部材と、
前記第一の振動部材を支持する固定部と、を有し、
前記液保持部は、大気開放部を有し、かつ前記液滴吐出口の吐出方向に対して、垂直に切断したときの前記液保持部の内壁で形成される断面が、前記大気開放部側から前記液滴吐出口へ向けて小さくなる構造を有することを特徴とする液滴吐出手段である。
<2> 前記液保持部は、前記液滴吐出口の吐出方向に対して、垂直に切断したときの前記液保持部の内壁で形成される断面が、前記大気開放部側から前記液滴吐出口へ向けて漸減する構造を有する前記<1>に記載の液滴吐出手段である。
<3> 前記液滴保持部の内壁面は、前記液滴吐出口の吐出方向に対して、垂直に切断したときの前記液保持部の内壁で形成される断面が前記大気開放部側から前記液滴吐出口へ向けて漸減するテーパー面を有し、テーパー面からなる傾斜線と前記液滴吐出口を通る垂線とのなす角度が、5度以上60度以下である前記<2>に記載の液滴吐出手段である。
<4> 更に、第二の振動部材を有し、
前記第二の振動部材が、前記液保持部を略重力方向に垂直な方向に振動する前記<1>から<3>のいずれかに記載の液滴吐出手段である。
<5> 前記第二の振動部材が、前記固定部に設けられる前記<4>に記載の液滴吐出手段である。
<6> 前記第二の振動部材が、前記液保持部に設けられる前記<4>に記載の液滴吐出手段である。
<7> 前記第一の振動部材による第一の振動の位相と、前記第二の振動部材による第二の振動の位相とが異なり、前記第一の振動と前記第二の振動とが交互に行われる前記<4>から<6>のいずれかに記載の液滴吐出手段である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の液滴吐出手段を備えることを特徴とする液滴形成装置である。
<9> 液滴に含まれる粒子を計数する粒子数計数手段を有する前記<8>に記載の液滴形成装置である。
<10> 前記液滴が、光を照射されたときに発光可能な粒子を含む前記<8>から<9>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
<11> 前記光を照射されたときに発光可能な粒子が、細胞である前記<10>に記載の液滴形成装置である。
<12> 前記光を照射されたときに発光可能な粒子が、蛍光色素によって染色された細胞及び蛍光タンパク質を発現可能な細胞の少なくともいずれかである前記<10>から<11>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
<13> 前記<8>から<12>のいずれかに記載の液滴形成装置と、
液滴吐出手段から吐出された液滴が着滴する複数の凹部が形成された被着対象物と、
を有することを特徴とする分注装置である。
<14> 前記液滴吐出手段と前記複数の凹部との相対的な位置関係を制御する制御手段を有する前記<13>に記載の分注装置である。
<15> 前記液滴形成装置における粒子計数装置が、前記液滴に含まれる粒子の数が0個であると判定したとき、
前記液滴吐出手段が、同じ前記凹部に対して前記液滴を再度吐出する前記<13>から<14>のいずれかに記載の分注装置である。
前記<1>から<7>のいずれかに記載の液滴吐出手段、前記<8>から<12>のいずれかに記載の液滴形成装置、及び前記<13>から<15>のいずれかに記載の分注装置によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特許第2849647号公報 特開2016−203157号公報
2 液滴吐出口
3 液保持部
5 支持板
6 第一の振動部材
7 固定部
8 第一の振動
11 沈降
12 支持板の上下動
13 吐出液滴
14 液滴吐出手段固定部
15 第二の振動部材
16 第二の振動
17 粒子が少ない領域
18 第3の実施形態における第一の振動部材
40 駆動手段
100 液滴吐出手段
200 液滴形成装置
300 溶液
350 粒子

Claims (10)

  1. 液を保持する液保持部と、
    前記液保持部に設けられる液滴吐出口と、
    前記液保持部を振動させる第一の振動部材と、
    前記第一の振動部材を支持する固定部と、を有し、
    前記液保持部は、大気開放部を有し、かつ前記液滴吐出口の吐出方向に対して、垂直に切断したときの前記液保持部の内壁で形成される断面が、前記大気開放部側から前記液滴吐出口へ向けて小さくなる構造を有することを特徴とする液滴吐出手段。
  2. 前記液保持部は、前記液滴吐出口の吐出方向に対して、垂直に切断したときの前記液保持部の内壁で形成される断面が、前記大気開放部側から前記液滴吐出口へ向けて漸減する構造を有する請求項1に記載の液滴吐出手段。
  3. 前記液滴保持部の内壁面は、前記液滴吐出口の吐出方向に対して、垂直に切断したときの前記液保持部の内壁で形成される断面が前記大気開放部側から前記液滴吐出口へ向けて漸減するテーパー面を有し、テーパー面からなる傾斜線と前記液滴吐出口を通る垂線とのなす角度が、5度以上60度以下である請求項2に記載の液滴吐出手段。
  4. 更に、第二の振動部材を有し、
    前記第二の振動部材が、前記液保持部を重力方向と垂直な方向に振動させる請求項1から3のいずれかに記載の液滴吐出手段。
  5. 前記第二の振動部材が、前記固定部に設けられる請求項4に記載の液滴吐出手段。
  6. 前記第二の振動部材が、前記液保持部に設けられる請求項4に記載の液滴吐出手段。
  7. 前記第一の振動部材による第一の振動の位相と、前記第二の振動部材による第二の振動の位相とが異なり、前記第一の振動と前記第二の振動とが交互に行われる請求項4から6のいずれかに記載の液滴吐出手段。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の液滴吐出手段を備えることを特徴とする液滴形成装置。
  9. 液滴に含まれる粒子を計数する粒子数計数手段を有する請求項8に記載の液滴形成装置。
  10. 請求項8から9のいずれかに記載の液滴形成装置と、
    液滴吐出手段から吐出された液滴が着滴する複数の凹部が形成された被着対象物と、
    を有することを特徴とする分注装置。
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