JP6888289B2 - 液滴形成装置、液滴形成方法、及び分注装置 - Google Patents

液滴形成装置、液滴形成方法、及び分注装置 Download PDF

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Description

本発明は、液滴形成装置、液滴形成方法、及び分注装置に関する。
近年、幹細胞技術の進展に伴い、複数の細胞をインクジェットで吐出し組織体を形成する技術の開発が行われている。細胞を代表とする粒子状の物質を含む液滴を吐出する際に、吐出された液滴中にどの程度の粒子が含まれているかを検知することは重要である。
このような機能を備えた装置の一例として、吐出装置のキャビティとノズルの間に設けられた検出部を通過する液状体に含まれる粒子の個数を検出することができる吐出装置が知られている。
また、微小粒子を含む液滴に対して光を照射することにより微小粒子から発生する光を検出する粒子計数装置が知られている。
例えば、未知の微生物を高確率で分離するスクリーニング装置、方法の効率を大幅に向上させることが目的で、微生物の分離及び/又は配列手段が、微生物を分散させた液体を保持する保持容器と、保持容器に連通し、液体を液滴として又は連続流体として媒体上に吐出する吐出ヘッドを有する吐出機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、細胞内の含硫化化合物含有量が上昇した酵母等の微生物を迅速にスクリーニングする方法を提供することが目的であり、親株に遺伝子改変処理を施して得られた微生物細胞群に−SH基と結合する蛍光指示薬を導入し含硫化物を標識させ、励起光照射によって細胞内の蛍光指示薬が発する蛍光を光学的に検出し、処理細胞群の中から蛍光強度が相対的に高い細胞を選択する過程を踏むことにより、硫化物含有量が親株よりも上昇した微生物を極めて効率的に選抜する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、吐出された液滴中の粒子数測定の精度を向上させることができる液滴形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段としての本発明の液滴形成装置は、光を受光したときに発光可能な粒子の発光強度を測定することで粒子を篩い分取する手段と、
篩い分取された粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出手段と、
液滴吐出手段から吐出された液滴に光を照射する光照射手段と、
光を照射された粒子からの発光を受光する受光手段と、
受光手段により受光した発光に基づき、液滴に含まれる粒子を計数する粒子計数手段と、を有する。
本発明によると、吐出された液滴中の粒子数測定の精度を向上させることができる液滴形成装置を提供することができる。
図1Aは、篩い分取における対象粒子と対象外粒子の発光強度の差の一例を示す図である。 図1Bは、篩い分取における対象粒子と対象外粒子の発光強度の差の他の一例を示す図である。 図2は、本発明の液滴形成装置の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の液滴形成装置の他の一例を示す概略図である。 図4は、本発明の液滴形成装置の他の一例を示す概略図である。 図5は、本発明の液滴形成装置の他の一例を示す概略図である。 図6は、本発明の液滴形成装置の他の一例を示す概略図である。 図7は、本発明の液滴形成装置の他の一例を示す概略図である。 図8は、本発明の液滴形成装置における液滴吐出手段の吐出面の複数の吐出口の配置状態の一例を示す概略平面図である。 図9は、本発明の液滴形成装置における液滴吐出手段の吐出面の複数の吐出口の配置状態の他の一例を示す概略平面図である。 図10は、本発明の液滴形成装置における液滴吐出手段の吐出面の複数の吐出口の配置状態の他の一例を示す概略平面図である。 図11は、本発明の液滴形成装置における液滴吐出手段の吐出面の複数の吐出口の配置状態の他の一例を示す概略平面図である。 図12は、本発明の液滴形成装置における液滴吐出手段の吐出面の複数の吐出口の配置状態の他の一例を示す概略平面図である。 図13は、図3に示した液滴形成装置における2つの受光手段の位置関係の一例を示す説明図である。 図14は、図13に示した位置関係とした2つの受光手段により得られる発光の画像の説明図である。 図15Aは、2つの発光が重なる場合における発光の輝度値及び発光の受光面における形状のシミュレーション画像の一例を示す説明図である。 図15Bは、2つの発光が重なる場合における発光の輝度値及び発光の受光面における形状のシミュレーション画像の他の一例を示す説明図である。 図15Cは、2つの発光が重なる場合における発光の輝度値及び発光の受光面における形状のシミュレーション画像の他の一例を示す説明図である。 図16Aは、粒子が液滴の外辺部近傍に存在する場合における発光の輝度値及び発光の受光面における形状のシミュレーション画像の一例を示す説明図である。 図16Bは、粒子が液滴の外辺部近傍に存在する場合における発光の輝度値及び発光の受光面における形状のシミュレーション画像の他の一例を示す説明図である。 図17Aは、受光手段により受光した発光の輝度値及び発光の受光面における形状の一例を示す画像である。 図17Bは、受光手段により受光した発光の輝度値及び発光の受光面における形状の他の一例を示す画像である。 図17Cは、受光手段により受光した発光の輝度値及び発光の受光面における形状の他の一例を示す画像である。 図18は、2以上の受光手段により受光された発光の輝度値に基づき粒子の個数を判定する検量線の一例を示すグラフである。 図19は、本発明の液滴形成装置を用いて、液滴吐出手段から吐出された液滴に含まれる粒子を計数するフローの一例を示すフローチャートである。 図20は、本発明の液滴形成装置を用いて、液滴吐出手段から吐出された液滴に含まれる粒子を計数するフローの他の一例を示すフローチャートである。 図21は、本発明の液滴形成装置を用いて、液滴吐出手段から吐出された液滴に含まれる粒子を計数するフローの他の一例を示すフローチャートである。 図22は、本発明の液滴形成装置を用いて、液滴吐出手段から吐出された液滴に含まれる粒子を計数するフローの他の一例を示すフローチャートである。 図23は、本発明の液滴形成装置を用いて、液滴吐出手段から吐出された液滴に含まれる粒子を計数するフローの他の一例を示すフローチャートである。 図24は、本発明の液滴形成装置を用いて、液滴吐出手段から吐出された液滴に含まれる粒子を計数するフローの他の一例を示すフローチャートである。 図25は、本発明の分注装置の一例を示す概略図である。 図26は、本発明の分注装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図27は、本発明の分注装置の動作の他の一例を示すフローチャートである。
(液滴形成装置及び液滴形成方法)
本発明の液滴形成装置は、光を受光したときに発光可能な粒子の発光強度を測定することで粒子を篩い分取する手段(以下、「篩い分取手段」と称する)と、液滴吐出手段と、光照射手段と、受光手段と、粒子計数手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の液滴形成方法は、光を受光したときに発光可能な粒子の発光強度を測定することで粒子を篩い分取する工程(以下、「篩い分取工程」と称する)と、液滴吐出工程と、光照射工程と、受光工程と、粒子計数工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の液滴形成方法は、本発明の液滴形成装置により好適に実施することができ、篩い分取工程は篩い分取手段により行うことができ、液滴吐出工程は液滴吐出手段により行うことができ、光照射工程は光照射手段により行うことができ、受光工程は受光手段により行うことができ、粒子計数工程は粒子計数手段により行うことができ、その他の工程はその他の手段により行うことができる。
以下、本発明の液滴形成装置の説明を通じて、本発明の液滴形成方法の詳細についても明らかにする。
本発明の液滴形成装置及び液滴形成方法は、従来の粒子計数装置では、吐出する粒子(細胞)は染色剤等を用いて染色をしているが、染色が不十分な細胞が含まれている場合には、光を照射しても十分な強度の光を検出することができないため、吐出された液滴中の粒子数測定の精度が低下してしまうという知見に基づくものである。
<篩い分取手段及び篩い分取工程>
篩い分取手段は、光を受光したときに発光可能な粒子の発光強度を測定することで粒子を篩い分取する手段である。
篩い分取工程は、光を受光したときに発光可能な粒子の発光強度を測定することで粒子を篩い分取する工程であり、篩い分取手段により好適に行うことができる。
篩い分取手段としては、例えば、フローサイトメーターで発光強度を測定し、その測定結果をもとにセルソーターでスクリーニングする方法などが挙げられる。
フローサイトメーターとしては、例えば、BD社製のLSR Fortessa X−20やSONY株式会社製のSP6800Zなどが挙げられる。
セルソーターとしては、例えば、BD社製のBD FACSARIA IIIやSONY株式会社製のSH800などが挙げられる。
篩い分取する際の発光強度の閾値については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、分取率が20%以上となるように設定することが好ましい。
ここで、分取率は、全粒子に対する閾値を満たしている粒子の割合により求めることができる。
なお、篩い分取する際の条件として、発光強度以外にも、例えば、粒子の大きさ、粒子の形状などが挙げられる。
光を受光したときに発光可能な粒子としては、例えば、蛍光を受光して飛翔液滴中の粒子数をカウントできる点から、蛍光タンパク質を発現する細胞、蛍光色素により染色された染色細胞、蛍光色素により染色された無機微粒子、蛍光色素により染色された有機ポリマー粒子が好ましく、蛍光タンパク質を発現する細胞、蛍光色素により染色された染色細胞が特に好ましい。
蛍光タンパク質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP;Green Fluorescent Protein)、赤色蛍光タンパク質(RFP;Red Fluorescent Protein)、黄色蛍光タンパク質(YFP;Yellow Fluorescent Protein)などが挙げられる。
染色細胞における蛍光色素としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セルトラッカーオレンジ、セルトラッカーレッド、エオシン、ローダミン6G、エバンスブルー、ヘマトキシリン、トリパンブルー、アレクサフルオロ532、エムバナナなどが挙げられる。
蛍光色素により染色された有機ポリマー粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SPHERO Fluorescent Nile Red particles(ベイバイオサイエンス株式会社製、1%(w/v)、直径10μm〜14μm)などが挙げられる。
細胞としては、分類学的に、例えば、真核細胞、原核細胞、多細胞生物細胞、単細胞生物細胞を問わず、すべての細胞について使用することができる。
真核細胞としては、例えば、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、真菌などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、動物細胞、真菌が好ましく、細胞が細胞集合体を形成する場合は、細胞と細胞とが互いに接着し、物理化学的な処理を行わなければ単離しない程度の細胞接着性を有する接着性細胞がより好ましい。
接着性細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分化した細胞、未分化の細胞などが挙げられる。
分化した細胞としては、例えば、肝臓の実質細胞である肝細胞;星細胞;クッパー細胞;血管内皮細胞;類道内皮細胞、角膜内皮細胞等の内皮細胞;繊維芽細胞;骨芽細胞;砕骨細胞;歯根膜由来細胞;表皮角化細胞等の表皮細胞;気管上皮細胞;消化管上皮細胞;子宮頸部上皮細胞;角膜上皮細胞等の上皮細胞;乳腺細胞;ペリサイト;平滑筋細胞、心筋細胞等の筋細胞;腎細胞;膵ランゲルハンス島細胞;末梢神経細胞、視神経細胞等の神経細胞;軟骨細胞;骨細胞などが挙げられる。接着性細胞は、組織や器官から直接採取した初代細胞でもよく、又はそれらを何代か継代させたものでもよい。
未分化の細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、未分化細胞である胚性幹細胞、多分化能を有する間葉系幹細胞等の多能性幹細胞;単分化能を有する血管内皮前駆細胞等の単能性幹細胞;iPS細胞などが挙げられる。
原核細胞としては、例えば、真正細菌、古細菌などが挙げられる。
細胞の中でも、細胞周期制御が容易である点から、細菌、菌類、ウイルス、微細藻類、原生動物等の微生物が好ましく、微生物の中でも、酵母が好ましい。
ここで、図1Aに示すように、対象外粒子(染色されていない細胞)に光を照射しても自家蛍光の強度しか得られないため、発光強度が低い。これに対して、対象粒子(染色した細胞)は相対的に発光強度が高いため、発光強度の閾値を設けることによりスクリーニングが可能となる。なお、染色していても染色剤や細胞種の違いなどの理由により、精度良く粒子数測定できるだけの発光強度がない場合もある。また、図1Bに示すように、対象粒子と対象外粒子とが一部で重なる場合がある。このような場合でも、発光強度の閾値を設けることにより、対象粒子と対象外粒子とを篩い分けることができる。
したがって、篩い分取を行い、発光強度が不十分な粒子をあらかじめ除外することで、粒子数測定の精度を高めることができる。
<液滴吐出手段及び液滴吐出工程>
液滴吐出手段は、篩い分取された粒子を含む液滴を吐出させる手段である。
液滴吐出工程は、篩い分取された粒子を含む液滴を吐出させる工程であり、液滴吐出手段により好適に行うことができる。
液滴吐出手段の動作方式としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧電素子を用いた圧電加圧方式、ヒータを用いたサーマル方式、静電引力によって液を引っ張る静電方式等によるインクジェットヘッドなどが挙げられる。これらの中でも、粒子に対する熱や電場のダメージが比較的小さい点から、圧電加圧方式が好ましい。
液滴中に含まれる粒子の個数は、1個以上が好ましく、1個以上5個以下がより好ましい。液滴中に粒子としての細胞が含まれていないとその部分の組織が欠落してしまう。液滴中に粒子としての細胞が過剰に含まれていると、酸素や栄養が欠乏し、細胞の定着率が低下することがある。
なお、粒子が凝集する場合には、粒子を含む液体の粒子の濃度を調整することにより、液体中の粒子の濃度と、液体中の粒子の個数とがポアソン分布に従う理論から、液体中の粒子の個数を適宜調整することができる。
液体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、蒸留水、純水、生理食塩水などが挙げられる。
液滴の直径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25μm以上150μm以下が好ましい。液滴の直径が25μm以上であると、内包する粒子の直径が適正となり、適用できる粒子の種類が多くなる。また、液滴の直径が150μm以下であると、液滴の吐出が安定となる。
また、液滴の直径をRとし、粒子の直径をrとすると、R>3rであることが好ましい。R>3rであると、粒子の直径と液滴の直径との関係が適正であり、液滴の縁の影響を受けることがないため、粒子の計数精度が向上する。
液滴の液量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000pL以下が好ましく、100pL以下がより好ましい。
液滴の液量は、例えば、液滴の画像から液滴の大きさを求め、液量を算出する方法などにより測定することができる。
液滴吐出手段は、液体保持部と、膜状部材と、振動部材とを有することが好ましく、更に必要に応じてその他の部材を有することがより好ましい。
液滴吐出手段としては、オープンヘッド、及びクローズヘッドのいずれであっても構わない。
−液体保持部−
液体保持部は、光を照射されたときに発光可能な粒子を含む液体を保持する部である。
液滴吐出手段がオープンヘッドの場合には、大気開放部を上部側に有している。なお、大気開放部の位置は上部に限定されない。液体中に混入した気泡は大気開放部から排出可能に構成されている。
液体保持部の形状、大きさ、材質、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液体保持部の材質としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム等や、二酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニアなどが挙げられる。
これらの中でも、粒子として細胞やタンパク質を用いる際には、細胞やタンパク質に対する付着性の低い材料を用いることが好ましい。
細胞の付着性は一般的に材質の水との接触角に依存性があると言われており、材質の親水性が高い又は疎水性が高いときには細胞の付着性が低い。親水性の高い材料としては各種金属材料やセラミックス(金属酸化物)を用いることが可能であり、疎水性が高い材料としてはフッ素樹脂等を用いることが可能である。
これら以外にも、材料表面をコーティングすることで細胞接着性を低下させることも考えられる。例えば、材料表面を前述の金属又は金属酸化物材料でコーティングすることや、細胞膜を模した合成リン脂質ポリマー(例えば、日油株式会社製、Lipidure)によってコーティングすることが可能である。
−膜状部材−
膜状部材は、吐出口(ノズル)が形成され、液体保持部に保持された液体をその振幅運動による振動により吐出口から液滴として吐出する部材である。
膜状部材は、液滴吐出手段がオープンヘッドの場合には、液体保持部の下端部に固定されている。
膜状部材は、液滴吐出手段がクローズヘッドの場合には、液体保持部の上端部に固定されている。
液体保持部に保持された液体は、膜状部材の振動により貫通孔である吐出口から液滴として吐出される。
膜状部材の平面形状、大きさ、材質、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
膜状部材の平面形状としては、例えば、円形、楕円形、長方形、正方形、菱形などが挙げられる。
膜状部材の材質としては、柔らかすぎると膜状部材が簡単に振動し、吐出しないときに直ちに振動を抑えることが困難であるため、ある程度の硬さを有する材質を用いることが好ましく、例えば、金属、セラミックス、高分子材料などが挙げられ、具体的には、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、二酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニアなどが挙げられる。これらの中でも、液体保持部と同様に、粒子として細胞やタンパク質を用いる場合には、細胞やタンパク質に対する付着性の低い材料を用いることが好ましい。
−吐出口−
吐出口としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1つであってもよいが、複数の吐出口であることが、単位時間当りの吐出する液滴数を増加させることができ、生産性を向上できる点から好ましい。
複数の吐出口としては、その配列数、配列態様、間隔(ピッチ)、開口形状、開口の大きさなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
吐出口の配列数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液滴吐出手段の吐出面の長さ方向に沿って1列以上配設されていることが好ましく、1列以上4列以下がより好ましい。吐出口を1列以上設けることにより、単位時間当りの吐出する液滴数を増加させることができると共に、粒子の種類(例えば、細胞の種類など)応じて列を変えて一度に吐出することができる。
1列当たりの吐出口の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、2個以上100個以下が好ましく、2個以上50個以下がより好ましく、2個以上12個以下が更に好ましい。1列当たりの吐出口の数が2個以上100個以下であると、単位時間当りの吐出する液滴数を増加させることができる高い生産性を有する液滴形成装置を提供することができる。
複数の吐出口の配列態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、規則配列(例えば、千鳥格子配列など)であっても、不規則配列であってもよい。
複数の吐出口が、複数列である場合には、隣接する吐出口から吐出される液滴同士の干渉を防止でき、粒子の検出感度を向上させるため、各列の間に仕切り部材を設けることが好ましい。仕切り部材としては、例えば、仕切り板などが挙げられる。
複数の吐出口は、等間隔に並んで配列されていることが好ましく、隣接する吐出口の中心間の最短距離である間隔(ピッチ)Pとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、50μm以上1,000μm以下が好ましい。
複数の吐出口の開口形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形、楕円形、四角形などが挙げられる。
複数の吐出口の平均径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粒子が吐出口に詰まることを避けるため、粒子の大きさの2倍以上とすることが好ましい。
粒子が、例えば、動物細胞、特にヒトの細胞である場合、ヒトの細胞の大きさは、一般的に、5μm以上50μm以下であるため、複数の吐出口の平均径は、使用する細胞に合わせて、10μm以上100μm以下が好ましい。
一方で、液滴が大きくなり過ぎると、微小液滴を形成するという目的の達成が困難となるため、複数の吐出口の平均径は、200μm以下であることが好ましい。したがって、複数の吐出口の平均径は、10μm以上200μm以下がより好ましい。
−振動部材−
振動部材は、膜状部材を振動させて吐出口(ノズル)から液滴を吐出させる部材である。
振動部材は、液滴吐出手段がオープンヘッドである場合には、膜状部材の下面側に形成されている。
振動部材は、液滴吐出手段がクローズヘッドである場合には、膜状部材の上面側に形成されている。
振動部材の形状、大きさ、材質、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
振動部材の形状としては、特に制限はなく、膜状部材の形状に合わせて適宜設計することができるが、例えば、膜状部材の平面形状が円形である場合には、クローズヘッドの場合には、円形の振動部材を設けることが好ましい。また、オープンヘッドの場合には、複数の吐出口の周囲に平面形状が円環状(リング状)の振動部材を形成することが好ましい。
振動部材としては、圧電素子が好適に用いられる。圧電素子としては、例えば、圧電材料の上面及び下面に電圧を印加するための電極を設けた構造とすることができる。この場合、駆動手段から圧電素子の上下電極間に電圧を印加することによって膜の面横方向に圧縮応力が加わり、膜状部材を膜の面上下方向に振動させることができる。
圧電材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ビスマス鉄酸化物、ニオブ酸金属物、チタン酸バリウム、又はこれらの材料に金属や異なる酸化物を加えたものなどが挙げられる。これらの中でも、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)が好ましい。
<光照射手段及び光照射工程>
光照射手段は、液滴吐出手段から吐出された液滴に光を照射する手段である。
光照射工程は、液滴吐出工程で吐出された液滴に光を照射する工程であり、光照射手段により好適に行うことができる。
光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固体レーザー、半導体レーザー、色素レーザーなどが挙げられる。
固体レーザーとしては、例えば、YAGレーザー、ルビーレーザー、ガラスレーザーなどが挙げられる。
YAGレーザーの市販品としては、例えば、Explorer ONE−532−200−KE(スペクトラ・フィジックス株式会社製)などが挙げられる。
レーザーのスポット径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100μm以上2,000μm以下が好ましい。スポット径が100μm以上2,000μm以下であると、飛翔液滴の吐出ばらつきが発生した場合においても液滴にレーザーが照射される確率が高くなるため、液滴内の粒子のカウント精度低下を抑制可能であるという利点がある。
光照射手段から照射される光は、パルス光であることが好ましい。これにより、液滴中の粒子数のカウント精度を向上させることができる。
パルス光のパルス幅としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μs以下が好ましく、1μs以下がより好ましい。
単位パルスあたりのエネルギーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、集光の有無等の光学系に大きく依存するが、0.1μJ以上が好ましく、1μJ以上がより好ましい。
光照射手段は、飛翔中の液滴に光を照射する。なお、飛翔中とは、液滴が吐出されてから、被着対象物に液滴が着滴するまでの状態を指す。
光照射手段としては、液滴の吐出に同期して光を照射できることが好ましい。これにより、異なる位置から吐出された液滴に、光をより確実に照射することができる。
ここで、同期するとは、液滴が吐出されて所定位置に達したときに光照射手段が光を照射することを意味する。つまり、光照射手段は、液滴の吐出に対して、所定時間だけ遅延して光を照射する。
光照射手段から照射される光は、飛翔中の液滴1つに照射されることが好ましい。
<受光手段及び受光工程>
受光手段は、光を照射された粒子からの発光を受光する手段である。
受光工程は、光を照射された粒子からの発光を受光する工程であり、受光手段により好適に行うことができる。
受光手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一次元素子、二次元素子を有するカメラなどが挙げられる。これらの中でも、二次元素子を有するカメラが好ましい。受光手段が二次元素子を有するカメラであると、発光の輝度値のみならず、発光の受光面における形状を得やすい点で有利である。
一次元素子としては、例えば、フォトダイオード、フォトセンサなどが挙げられる。これらの中でも、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオードが好ましい。一次元素子が光電子増倍管、アバランシェフォトダイオードであると、高感度な測定が可能となる。
二次元素子としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子、ゲートCCDなどが挙げられる。
受光手段としては、CMOS撮像素子を有するカメラが好ましい。
CMOS撮像素子を有するカメラの市販品としては、例えば、高感度カメラ(pco.edge、sCMOS、株式会社東京インスツルメンツ製)などが挙げられる。
受光手段は、飛翔中の液滴に光を照射されたときに発光可能な粒子が含有されていた場合に、粒子が光を励起光として吸収して発する蛍光を受光する。蛍光は、粒子から四方八方に発せられるため、受光手段は粒子からの発光を受光可能な任意の位置に配置することができる。この際、コントラストを向上するため、光照射手段から出射される光が直接入射しない位置に受光手段を配置することが好ましい。
本発明においては、受光手段を2以上備えていることが好ましく、それぞれの受光手段が異なる方向から粒子からの発光を受光することが好ましい。2以上の受光手段を有することにより、1つの受光手段により発光が重なった状態を受光した場合であっても、他の受光手段により発光が重なっていない状態を受光できていれば、他の受光手段により受光された発光に基づいて、液滴に含まれる粒子を精度よく計数することができる。
発光は、光が照射されたときに発光可能な粒子から四方八方に発せられるため、2以上の受光手段は、光が照射されたときに発光可能な粒子から異なる方向に発せられる発光を受光できる任意の位置に配置することができる。なお、光が照射されたときに発光可能な粒子から異なる方向に発せられる発光を受光できる位置に3以上の受光手段を配置してもよい。また、各受光手段は同一仕様としてもよいし、異なる仕様としてもよい。
受光手段が1つであると、飛翔する液滴に複数個の光が照射されたときに発光可能な粒子が含まれる場合に、光が照射されたときに発光可能な粒子同士が重なることに起因して、粒子計数手段が液滴に含有された光が照射されたときに発光可能な粒子の個数を誤検知する(カウントエラーが発生する)おそれがあるが、受光手段を2以上設けることで光が照射されたときに発光可能な粒子が重なる影響を低減することが可能である。
後述する粒子計数手段としては、光が照射されたときに発光可能な粒子の輝度値あるいは面積値と、予め設定された閾値とを比較することで実行可能である。受光手段を2以上設置する場合、それぞれの受光手段から得られる輝度値あるいは面積値のうち、最大値を示すデータを採択することで、カウントエラーの発生を抑制することが可能である(粒子の重なりが生じた場合、輝度値及び面積値のいずれも低減する結果となるため)。また、二次元受光素子を複数設置する場合、得られる複数の形状データを基に、粒子数を推定するアルゴリズムにより粒子数を決定づけてもよい。
光を照射された粒子からの発光は、粒子から全方位に発せられる。このため、2以上の受光手段としては、発光を受光可能な位置に配することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、それぞれの受光方向とのなす角が0°とならない位置に配されることが好ましい。発光の重なりが少ない状態の情報が得られる点で有利である。
2以上の受光手段が2つの受光手段である場合、一の受光手段は、その受光方向が他の受光手段の受光方向と略直交方向に位置するように配することが好ましい。これにより、一の受光手段及び他の受光手段を用いた場合、一の受光手段及び他の受光手段により受光した情報のうち、いずれかの情報を選択する際に、発光の重なりが少ない状態の情報を選択できる。なお、略直交とは、80°以上100°以下を意味する。
上記の2つの受光手段以外の受光手段における受光方向としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。受光手段が2以上の場合、2以上の受光手段を同一平面上に位置するように配するとき、隣り合う受光手段の受光方向がなす角を、受光手段の個数で360°を等分した角度になるようにすることが好ましい。例えば、3つの受光手段を同一平面上に位置するように配するときは、隣り合う受光手段の受光方向をそれぞれ120°となる位置するように配することが好ましい。
受光手段は、その受光方向が液滴の吐出方向と略直交方向に位置するように配することが好ましく、すべての受光手段がその受光方向が液滴の吐出方向と略直交方向に位置するように配することがより好ましい。これにより、受光手段の位置を調整しやすくすることができ、液滴形成装置の構造が複雑にならない点で有利である。
なお、コントラストを向上するため、光照射手段から出射される光が直接入射しない位置に受光手段を配置することが好ましい。
受光手段としては、受光面の略法線方向に受光した発光の輝度値及び発光の受光面における形状の情報を得ることが好ましい。これにより、粒子計数手段は、発光の輝度値に基づいて液滴に含まれる粒子を計数する第一の計数処理、及び、発光の受光面における形状の情報に基づいて液滴に含まれる粒子を計数する第二の計数処理の少なくともいずれかを行うことができるため、粒子の計数精度を向上させることができる。
受光手段としては、複数の液滴の吐出に同期して発光を受光できることが好ましい。これにより、異なる位置から吐出された複数の液滴に、光照射手段から光が照射され、粒子からの発光をより確実に受光することができる。
なお、ここで、「同期する」とは、例えば、複数の液滴が吐出されて所定位置に達したときに液滴に光が照射され、光が照射されたときに発光可能な粒子が発光するタイミングで、受光手段が発光を受光することを意味する。つまり、受光手段は、異なる位置からの複数の液滴の吐出、及び光照射手段による光の照射に対して、それぞれ所定時間だけ遅延して発光を検出する。
なお、光照射手段が照射する光と比較して粒子からの発光が弱い場合、受光手段の受光面側に光の波長域を減衰させるフィルタを設置してもよい。フィルタを設置することにより、ノイズの少ない状態で受光手段が発光を受光できる。
フィルタとしては、例えば、光の波長を含む特定波長域を減衰させるノッチフィルタなどが挙げられる。
前述のように、光照射手段から照射される光は、パルス光が好ましいが、連続発振させた光としてもよい。この場合、吐出された飛翔中の液滴に連続発振させた光が照射されるタイミングで受光手段が発光を受光可能となるように制御することが好ましい。
<粒子計数手段及び粒子計数工程>
粒子計数手段は、受光手段により受光した発光に基づき、液滴に含まれる粒子を計数する手段である。
粒子計数工程は、受光手段により受光した発光に基づき、液滴に含まれる粒子を計数する工程であり、粒子計数手段により好適に行うことができる。
粒子計数手段は、発光の輝度値に基づいて液滴に含まれる粒子を計数する第一の計数処理、及び、発光の受光面における形状の情報に基づいて液滴に含まれる粒子を計数する第二の計数処理の少なくともいずれかを行うことが好ましい。
次に、粒子計数手段が行う第一の計数処理及び第二の計数処理について説明する。
[発光の輝度値に基づいて粒子を計数する第一の計数処理]
発光の輝度値に基づいて粒子を計数する第一の計数処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)少なくとも2つの受光手段が受光した発光の輝度値に基づき、あらかじめ取得した検量線を用いて粒子の個数を判定する処理、(2)受光手段が受光した発光の個数のうち最も多い発光の個数を粒子の個数として計数する処理などが挙げられる。
上記(1)の処理では、発光が透過可能な粒子であれば、発光が重なる場合でも、発光の総輝度値により検量線を用いて粒子の個数を判定することができる。発光が透過しない粒子であっても、2以上の受光手段から発光の輝度値を得るため、発光が重なっていない、あるいは発光の重なりが少ない発光の輝度値に基づいて、粒子を計数することができる。
上記(2)の処理では、それぞれの受光手段が受光した発光の輝度値に基づいて、輝度値が所定の範囲内にある発光の個数をそれぞれ求め、求めた発光の個数のうち最も多い発光の個数を粒子の個数として計数することができる。
これらの中でも、上記(1)の処理が好ましい。第一の計数処理が上記(1)の処理であると、粒子の個数を計数する精度が高まる点で有利である。
第一の計数処理を行う場合、受光手段としては、一次元素子を用いてもよく、二次元素子を用いてもよい。
[発光の受光面における形状の情報に基づいて粒子を計数する第二の計数処理]
発光の受光面における形状の情報に基づいて粒子を計数する第二の計数処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(3)発光の受光面における形状の曲率半径を求め、求めた曲率半径のうち所定の範囲内にある曲率半径の中心の個数を粒子の個数として計数する処理、(4)発光の受光面における形状の外周の長さが所定の範囲内にある発光の個数を計数する処理、(5)発光の受光面における形状の外周の変曲点の個数を粒子の個数として計数する処理、(6)発光の受光面における形状の外周の接線の傾きの符号が変わる回数を粒子の個数として計数する処理などが挙げられる。
上記(3)の処理では、曲率半径が所定の範囲より小さい場合、粒子からの発光以外の屈折した光や散乱した光などが受光されているため、曲率半径が所定の範囲より小さい発光は除外する。また、曲率半径が所定の範囲より大きい場合、粒子が液滴の外辺部近傍に存在しているとき、光を照射して粒子を発光させると、粒子からの発光が液滴の球面内側に反射する現象により、液滴の外辺部が発光して見えるため、粒子からの発光ではないと判定して除外する。発光の受光面における形状の情報に基づき算出した曲率半径のうち所定の範囲内にある曲率半径を算出した際の円の中心の個数を粒子の個数として計数することができる。
上記(4)の処理は、上記(3)の処理における曲率半径を発光の受光面における形状の外周の長さに置き換えたものである。
上記(5)の処理では、例えば、2つの発光が重なったときには変曲点の個数が2個になり、3つの発光が重なったときには変曲点の個数が3個になるため、変曲点の個数を粒子の個数として計数することができる。
上記(6)の処理では、例えば、2つの発光が重なったときには接線の傾きの符号が2回変わり、3つの発光が重なったときには接線の傾きの符号が3回変わるため、接線の傾きの符号が変わる回数を粒子の個数として計数することができる。
これらの中でも、上記(3)の処理が好ましい。即ち、粒子計数手段が、発光の受光面における形状の情報に基づき曲率半径を算出し、所定の範囲内にある曲率半径を算出した際の円の中心の個数を粒子の個数として計数する第二の計数処理を行うことがより好ましい。第二の計数処理が上記(3)の処理であると、粒子が複数であっても計数が容易となり、粒子を計数する精度が高まる点で有利である。
第二の計数処理を行う場合、受光手段としては、二次元素子を用いることが好ましい。受光手段が二次元素子であれば、二次元画像を得やすい点で有利である。
受光手段から得られた二次元画像に基づいて、発光の受光面における形状に基づいて曲率半径を算出するための画像処理を行うソフトウェアを用いてもよい。
画像処理を行うソフトウェアとしては、例えば、Image J(アメリカ国立衛生研究所製、オープンソース)などが挙げられる。
[第一の計数処理と第二の計数処理の順序]
第一の計数処理と第二の計数処理の順序としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粒子計数手段が、第一の計数処理を行い、粒子を計数できないと判定したとき、第二の計数処理を行い、粒子を計数することが好ましい。
第一の計数処理のほうが第二の計数処理よりも処理速度が速いため、第一の計数処理を先に行う。第一の計数処理の際に、例えば、粒子からの発光が液滴の球面内側に反射する現象のため、発光の輝度値に基づいて検量線により粒子を計数することが困難な場合がある。この場合、あらかじめ検量線に判定不可領域を設けておくことにより、第一の計数処理では粒子を計数できないと判定し、第二の計数処理に切り換えることにより、液滴に含まれる粒子の計数精度を向上させることができる。
粒子計数手段が、粒子の個数が0個であると判定したとき、液滴を更に吐出することが好ましい。これにより、被付着物に所定の個数の粒子を付着させることができる。
なお、粒子の個数が0個である液滴を被付着物に付着させないようにすることもできる。これにより、被付着物の汚損を防止することができる。
また、粒子計数手段が、粒子の数が1個以上であると判定したとき、粒子の個数が1個以上であると判定した液滴を被付着物に付着させた後、被付着物に付着させた位置とは別の位置に、液滴を吐出する工程などの次工程に移行するようにしてもよい。
更に、異なる位置から所定の回数の液滴を吐出した後に、後述する記録手段に記録した発光の輝度値及び発光の受光面における形状の情報を読み出し、吐出させた各々の液滴に含まれる粒子の個数を計数するようにしてもよい。
粒子計数手段は、本発明の液滴形成装置の各動作を制御するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、メインメモリなどを有し、液滴形成装置全体の動作を制御するための制御プログラムに基づいて各種処理を実行する。
<その他の手段及びその他の工程>
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、駆動手段、光学系、記録手段を有することが好ましい。
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、駆動工程、記録工程を含むことが好ましい。
駆動手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液滴吐出手段が圧電加圧方式によるインクジェットヘッドである場合、液滴吐出手段に駆動電圧を入力する手段などが挙げられる。この場合、駆動手段が圧電素子を変形させることにより微小な液滴を吐出させることができる。
光学系としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光照射手段から出射された光を液滴に集光させるためのレンズ、光をフィルタリングして受光手段が発光を受光しやすくするためのフィルタなどが挙げられる。
記録手段としては、受光手段により受光された発光の輝度値及び発光の受光面における形状の情報を記録できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、RAMなどが挙げられる。
ここで、本発明の液滴形成装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
<第1の実施形態>
図2は、第1の実施形態の液滴形成装置の一例を示す概略図である。
この図2の液滴形成装置1Aは、液滴吐出手段10、駆動手段20、光照射手段30、受光手段41、及び粒子計数手段50を有している。
図2では、吐出口14から1つの液滴を吐出している状態を示しているが、液滴を吐出するタイミングを適宜調整して、吐出口14から、液滴210を連続的に吐出することができる。
液滴吐出手段10は、本実施形態ではクローズヘッドであり、液体保持部11と、吐出口14が形成され、液体保持部11に保持された光を照射されたときに発光可能な粒子200を含む液体201を振動部材13の振動により吐出口14から、図2中D3で示す吐出方向に液滴210を吐出する膜状部材12とを有する。
液滴吐出手段10の動作方式としては、圧電素子を用いた圧電加圧方式が用いられている。
液体保持部11は、粒子200を含む液体201を保持する部であり、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム等の金属、シリコン、セラミックスなどから形成されている。
液体保持部11の下面側には貫通孔である吐出口14が設けられており、吐出した液滴210に光照射手段30からの光Lを照射することが可能な構成となっている。
吐出口14の径としては、粒子200の大きさの2倍以上とすることが好ましく、10μm以上100μm以下とすることがより好ましい。
膜状部材12は、吐出口14が形成され、液体保持部11に保持された粒子200を含む液体201を振動により吐出口14から液滴210を吐出する部であり、本実施形態では、液滴吐出手段10がクローズヘッドであるため、液体保持部11の上端部に固定されている。膜状部材12の平面形状は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形、楕円形、四角形などが挙げられる。
振動部材13は、本実施形態では、液滴吐出手段10がクローズヘッドであるため、膜状部材12の上面に配置されている。振動部材13に駆動手段20から駆動信号を供給することにより、膜状部材12を振動させることができる。それによって、吐出口14から液滴210を吐出することができる。
振動部材13の形状は、膜状部材12の形状に合わせて設計することができる。例えば、膜状部材12の平面形状が円形である場合には、円形の振動部材13を設けることが好ましい。
振動部材13としては圧電素子を用いており、圧電素子としては、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を用いている。
光照射手段30は、飛翔中の液滴210に光を照射する。光照射手段30は、液滴吐出手段10による液滴の吐出に同期して(駆動手段20から液滴吐出手段10に供給される駆動信号に同期して)光を発することができる。なお、飛翔中とは、液滴210が液滴吐出手段10から吐出されてから、被着対象物に液滴が着滴するまでの状態を指す。
ここで、同期するとは、液滴吐出手段10による液滴の吐出と同時に(駆動手段20が液滴吐出手段10に駆動信号を供給するのと同時に)発光することではなく、液滴が飛翔して所定位置に達したときに液滴に光が照射されるタイミングで、光照射手段30が発光することを意味する。つまり、光照射手段30は、液滴吐出手段10による液滴210の吐出(駆動手段20から液滴吐出手段10に供給される駆動信号)に対して、所定時間だけ遅延して発光する。
光照射手段30より照射される光Lは、飛翔中の液滴1つに照射されることが好ましい。吐出口14から同時に液滴210が吐出され、光Lが液滴210に同時に照射された場合、液滴中に含まれる粒子200からの発光を同時に受光してしまうため、それぞれの液滴に含まれる粒子200の数をカウントすることが困難となってしまう。つまり、液滴中の粒子数カウントの精度を向上させるためには吐出口14から液滴が吐出されるタイミングをずらすことが好ましい。
光照射手段30から発せられる光Lはパルス光であることが好ましく、例えば、固体レーザー、半導体レーザー、色素レーザーなどが好適に用いられる。光がパルス光である場合のパルス幅は10μs以下が好ましく、1μs以下がより好ましい。単位パルス当たりのエネルギーとしては、集光の有無等、光学系に大きく依存するが、0.1μJ以上が好ましく、1μJ以上がより好ましい。
受光手段41は、飛翔中の液滴に粒子200が含有されていた場合に、粒子200が光を励起光として吸収して発する蛍光を受光する。蛍光は、粒子200から四方八方に発せられるため、受光手段41は蛍光を受光可能な任意の位置に配置することができる。この際、コントラストを向上するため、光照射手段30から出射される光が直接入射しない位置に受光手段41を配置することが好ましい。
受光手段41としては、例えば、フォトダイオード、フォトセンサ等の一次元素子が挙げられるが、高感度な測定が必要な場合には、光電子増倍管やアバランシェフォトダイオードを用いることが好ましい。受光手段として、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、ゲートCCD等の二次元素子を用いてもよい。
なお、光照射手段30が発する光と比較して粒子200からの発光が弱いため、受光手段41の前段(受光面側)に光の波長域を減衰させるフィルタを設置してもよい。これにより、受光手段41において、非常にコントラストの高い光が粒子200の画像を得ることができる。フィルタとしては、例えば、光の波長を含む特定波長域を減衰させるノッチフィルタ等を用いることができる。
粒子計数手段50は、受光手段41からの情報に基づいて、液滴中の粒子200の個数(ゼロである場合も含む)を検知する。
粒子計数手段50としては、例えば、CPU、ROM、RAM、メインメモリ等を含む構成とすることができる。この場合、粒子計数手段50の各種機能は、ROM等に記録されたプログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現できる。但し、粒子計数手段50の一部又は全部は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。また、粒子計数手段50は、物理的に複数の装置などにより構成されてもよい。
粒子計数手段50は、例えば、受光手段41が受光した光量と予め設定された閾値とを比較して、粒子200の個数を検知することができる。この場合には、受光手段41として一次元素子を用いても二次元素子を用いても構わない。
受光手段41として二次元素子を用いる場合は、粒子計数手段50は、受光手段41から得られた二次元画像に基づいて、粒子200の輝度値或いは面積を算出するための画像処理を行う手法を用いてもよい。この場合、粒子計数手段50は、画像処理により粒子200の輝度値或いは面積値を算出し、算出された輝度値或いは面積値と、予め設定された閾値とを比較することにより、粒子200の個数を検知することができる。また、二次元素子を用いる場合には、発光を受光する直前のタイミングにて液滴の画像を撮影することで、不吐出検知も可能となる.
粒子200としては、細胞が好ましく、蛍光色素によって染色された細胞及び蛍光タンパク質を発現可能な細胞の少なくともいずれかがより好ましい。これらは、自家蛍光を受光手段41が受光し、粒子計数手段50が液滴に含有された細胞の個数を検知することができる。
蛍光色素としては、例えば、セルトラッカーオレンジ、セルトラッカーレッドなどが挙げられる。
蛍光タンパク質としては、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP;green fluorescent protein)、赤色蛍光タンパク質(RFP;Red Fluorescent Protein)、黄色蛍光タンパク質(YFP;Yellow Fluorescent Protein)などが挙げられる。
<第1の実施形態の変形例1>
図3は、第1の実施形態の変形例1の液滴形成装置の一例を示す概略図である。なお、第1の実施形態の変形例1において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図3に示す液滴形成装置1Bにおいて、図2に示す第1の実施形態の液滴形成装置1Aとの違いは、吐出口14から吐出される液滴210に含まれる粒子からの発光を、2つの受光手段41、42によりそれぞれ異なる方向から受光している点である。
液滴形成装置1Bは、液滴吐出手段10と、駆動手段20と、光照射手段30と、受光手段41及び42と、粒子計数手段50とを有する。
なお、図3中、受光手段41、42の位置及び数は一例であり、吐出口14から吐出される液滴210に含まれる粒子200からの発光を受光可能な任意の位置及び数に配することができる。
液滴吐出手段10は、クローズヘッドであり、液体保持部11に光が照射されたときに粒子200を含む液体201を収容し、液体保持部11の上側に配置された振動部材13の振動により、粒子200を含んだ液滴210を、図3中のD3で示す吐出方向に吐出口14から吐出することができる。
駆動手段20は、液滴吐出手段10の振動部材13と電気的に接続されており、振動部材13に駆動電圧を印加し、振動部材13を振動させることにより吐出口14から液滴210を吐出させる。
光照射手段30は、駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された光照射手段30は、液滴吐出手段10による液滴210の吐出タイミングに合わせて、光としてのレーザー光Lを液滴210に照射する。
2つの受光手段41及び42は、いずれも光照射手段30を介して駆動手段20と電気的に接続されており、駆動手段20から同期信号を入力される。同期信号を入力された受光手段41及び42は、光照射手段30のレーザー光Lにより粒子200が発光するタイミングに合わせて、発光Lf1及び発光Lf2を受光する。これにより、受光手段41及び42は、発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値、並びに発光Lf1の受光面における形状及び発光Lf2の受光面における形状の情報をそれぞれ得る。
粒子計数手段50は、2つの受光手段41及び42により受光した発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値、並びに発光Lf1の受光面における形状及び発光Lf2の受光面における形状の情報に基づき、液滴210に含まれる粒子200を計数する。
図13は、図3に示した液滴形成装置1Bにおける2つの受光手段41、42の位置関係の一例を示す説明図である。図13では、液滴210の吐出方向を紙面奥行き方向としており、吐出口14の直下には、被着対象物300が配置されている。
図13に示すように、光照射手段30、ミラー60、及びレンズ70は、光照射手段30により照射されたレーザー光Lがミラー60に反射してレンズ70を介して吐出方向に吐出された液滴(図13中の吐出口14の位置)に集光されるように配置されている。
2つの受光手段41及び42は、吐出方向を法線とする平面上に、受光手段41の受光方向D1と、受光手段42の受光方向D2とがなす角を90°として配置されている。
図14は、図13に示した位置関係とした2つの受光手段により得られる発光の画像の説明図である。図14では、受光手段41が受光した発光の輝度及び発光の受光面における形状を1つの画像P1に示し、受光手段42が受光した発光の輝度及び発光の受光面における形状を1つの画像P2に示している。
図14に示すように、画像P1では発光が重なっていないが、画像P2では発光が重なっている。
画像P1及び画像P2から発光の輝度に基づいて粒子200を計数するとき、上記(1)又は(2)の処理のいずれかを行い、粒子200の個数を計数してもよい。
画像P1及び画像P2から発光の受光面における形状に基づいて粒子200を計数するとき、上記(3)〜(6)の処理のいずれかを行い、粒子200の個数を計数してもよい。
図15A〜図15Cは、2つの発光が重なる場合における発光の輝度値及び発光の受光面における形状のシミュレーション画像の一例を示す説明図である。図15A〜図15Cでは、発光が透過可能な粒子を想定しており、画像の濃淡が発光の輝度を示し、淡色であるほど発光の輝度が高いことを示している。
図15Aに示すように、粒子からの発光の重なり程度であれば、発光の輝度値に基づいて粒子の個数を判定できる。
図15Bに示すように、粒子からの発光の重なり程度である場合、発光の輝度値に基づいて粒子の個数を判定できないとき、発光の受光面における形状に基づいて発光の受光面における形状の曲率半径を算出し、算出した曲率半径の中心の個数を粒子の個数として判定する。
図15Cに示すように、粒子からの発光が完全に重なった場合でも、輝度が高いほど重なっている粒子の個数が多いと判定できるため、検量線を用いて粒子の個数を判定することができる。
なお、発光が透過しない粒子であっても、2以上の受光手段を有することにより、いずれかの受光手段により発光が重なっていない状態を受光できていれば、粒子同士が接触した重なりでない限り、発光の輝度値に基づいて粒子の個数を判定できる。
図16A及び図16Bは、粒子が液滴の外辺部近傍に存在する場合における発光の輝度及び発光の受光面における形状のシミュレーション画像の一例を示す説明図である。図16A及び図16Bでは、図15A〜図15Cと同様に、画像の濃淡が発光の輝度を示し、淡色であるほど発光の輝度が高いことを示している。ただし、液滴の中に粒子が1個含まれており、粒子が液滴の外辺部近傍に存在する点で図15A〜図15Cと異なる。
図16Aに示すように、液滴の外辺部が発光しており、発光の輝度値に基づいて粒子の個数を判定しようとすると、粒子が1個であるか2個であるかの判定が困難であるが、発光の受光面における形状に基づいて粒子の個数を判定すると、液滴の外辺部の発光における曲率半径が大きいため除外することができる。
図16Bに示すように、図16Aの場合と同様に、発光の輝度値に基づいて粒子の個数を判定しようとすると、粒子が1個であるか2個であるかの判定が困難であるが、発光の受光面における形状に基づいて粒子の個数を判定すると、発光の曲率半径から1個であると判定できる。
図17A〜図17Cは、受光手段により受光した発光の輝度値及び発光の受光面における形状の一例を示す画像である。図17A〜図17Cは、粒子としてSPHERO Fluorescent Nile Red particles(ベイバイオサイエンス株式会社製、1%(w/v)、直径10μm〜14μm)、液体としてイオン交換水を用いて、圧電素子を用いたメンブレン振動方式のインクジェットヘッドを正弦波電圧(20,000Hz、1周期、4.6V)で圧電素子を駆動させ、粒子を含む液滴を直径80μmの球体になるように吐出させ、受光手段として高感度カメラ(pco.edge、株式会社東京インスツルメンツ製)の露光時間を10msに設定し、吐出させた液滴に光照射手段としてのYAGレーザー(Explorer ONE−532−200−KE、スペクトラ・フィジックス株式会社製)が出射したレーザービーム(10kHzで100μJ)を照射して粒子を発光させた状態の画像である。なお、インクジェットヘッド、YAGレーザー、及び高感度カメラを同期させ、YAGレーザーのみを遅れさせるようにディレイ時間を0.1msとした。ただし、上記の条件は、画像が得られる条件であれば、特に制限はなく、用いる機器や吐出する液の物性及び粒子などにより、適宜選択することができる。
図17Aは、奥行きがある球体あるいは楕円体の液滴の中に粒子が2つ存在し、粒子の1つは液滴の中の紙面手前側に存在し、もう1つの粒子は液滴の中の紙面奥側に存在するような受光方向から受光されたときの画像である。
図17Aに示すように、液滴の中の紙面奥側に存在する粒子からの発光は、液滴を通過する分だけ、屈折や散乱などにより発光の輝度値が減衰するため、受光手段に対する液滴の中の位置に起因して発光の輝度値がばらつくときがある。
図17Bは、奥行きがある球体あるいは楕円体の液滴の中に粒子が3つ存在し、粒子の1つが液滴の外辺部近傍に存在するような受光方向から受光されたときの画像である。
図17Bに示すように、液滴の外辺部近傍に存在する粒子からの発光は、液滴の球面内側に反射するときがある。
図17Cは、奥行きがある球体あるいは楕円体の液滴の中に粒子が1つ存在し、粒子が紙面奥側における液滴の外辺部近傍に存在するような受光方向から受光されたときの画像である。
図17Cに示すように、粒子が紙面奥側における液滴の外辺部近傍に存在する場合の粒子からの発光は、輝度値が低く、受光面における形状が不明瞭となるときがある。
図18は、2以上の受光手段により受光された発光の輝度値に基づき粒子の個数を判定する検量線の一例を示すグラフである。
図18に示すように、発光の輝度値に基づき粒子の個数を判定する検量線を用いることにより、第一の受光手段により受光された発光の輝度値1と、第二の受光手段により受光された発光の輝度値2に基づいて、粒子の個数を判定することができる。
また、図17A〜図17Cに示したように、発光の輝度値が不明確となり、検量線を求めることができない場合があるため、この場合、境界線近傍の所定の領域において粒子の個数を判定できない領域を判定不可領域として設けるようにする。2つの受光手段により受光された輝度値に基づき判定不可領域にプロットされる場合、輝度値だけでは粒子を計数できないと判定して、発光の受光面における形状の情報に基づき粒子の個数を計数するようにすることが好ましい。
なお、検量線のデータは、粒子の種類や発光条件などに応じてあらかじめ取得し、記録手段などに記録させておく。
次に、本発明の液滴形成装置を用いて、液滴吐出手段から吐出された液滴に含まれる粒子を計数するフローを、図19に示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって、図3などを参照しながら説明する。
本フローチャートは、発光が重なることがない場合、あるいは発光が液滴の球面内側に反射して不明確になることがない場合に用いられる手順である。
S101では、駆動手段20から駆動電圧を印加された液滴吐出手段10により、粒子200を含んだ液滴210を、図3中のD3で示す吐出方向に吐出口(ノズル)14から吐出する。また、駆動手段20は、液滴吐出手段10に駆動電圧を印加するとともに、光照射手段30及び2つの受光手段41及び42に同期信号を出力する。その後、粒子計数手段50は、処理をS102に移行させる。
S102では、駆動手段20から同期信号を入力された液滴吐出手段10は、液滴210の吐出タイミングに合わせて、光としてのレーザー光Lを液滴210に照射する。また、同期信号を入力された受光手段41及び42は、光照射手段30のレーザー光Lにより粒子200が発光するタイミングに合わせて、発光Lf1及び発光Lf2を受光する。これにより、受光手段41及び42は、発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値、並びに発光Lf1の受光面における形状及び発光Lf2の受光面における形状の情報を得る。その後、粒子計数手段50は、処理をS103に移行させる。
S103では、粒子計数手段50は、2つの受光手段41及び42により受光した、発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値、並びに発光Lf1の受光面における形状及び発光Lf2の受光面における形状の情報に基づき、図18に示した検量線を用いて液滴210に含まれる粒子200を計数して、本処理を終了する。
次に、本発明の液滴形成装置を用いて、液滴吐出手段から吐出された複数の液滴に含まれる粒子を計数するフローを、図20に示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図3などを参照しながら説明する。
本フローチャートは、例えば、液滴吐出手段10により吐出させる液滴210に含まれる粒子200の個数が吐出毎にばらつく場合に用いられる手順である。即ち、粒子200の個数のばらつき程度を確認するため、吐出する毎に粒子200からの発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値、並びに発光Lf1の受光面における形状及び発光Lf2の受光面における形状の情報を得て、発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値のみに基づき、粒子200の計数を行う手順である。
S201では、駆動手段20から駆動電圧を印加された液滴吐出手段10により、粒子200を含んだ液滴210を、図3中のD3で示す吐出方向に吐出口14から吐出する。また、駆動手段20は、液滴吐出手段10に駆動電圧を印加するとともに、光照射手段30及び2つの受光手段41及び42に同期信号を出力する。その後、粒子計数手段50は、処理をS202に移行する。
S202では、駆動手段20から同期信号を入力された液滴吐出手段10は、液滴210の吐出タイミングに合わせて、光としてのレーザー光Lを液滴210に照射する。また、同期信号を入力された受光手段41及び42は、光照射手段30のレーザー光Lにより粒子200が発光するタイミングに合わせて、発光Lf1及び発光Lf2を受光する。これにより、受光手段41及び42は、発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値、並びに発光Lf1の受光面における形状及び発光Lf2の受光面における形状の情報を得る。その後、粒子計数手段50は、処理をS203に移行する。
S203では、粒子計数手段50は、2つの受光手段41及び42により受光した発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値に基づき、図18に示した検量線を用いて液滴210に含まれる粒子200を計数する。その後、粒子計数手段50は、処理をS204に移行する。
S204では、液滴210に含まれる粒子200を計数した粒子計数手段50は、液滴吐出手段10が所定の回数の液滴210を吐出したか否かを判定する。粒子計数手段50は、液滴吐出手段10により液滴210を所定の回数吐出したと判定すると、本処理を終了する。粒子計数手段50は、液滴吐出手段10により液滴210を所定の回数吐出していないと判定すると、処理をS201に戻す。
次に、本発明の液滴形成装置を用いて、液滴吐出手段から吐出された複数の液滴に含まれる粒子を計数するフローを、図21に示すフローチャートの図21中Sで表すステップにしたがって図3などを参照しながら説明する。
本フローチャートは、例えば、液滴吐出手段10により液滴210を連続して吐出させた後、連続して吐出させた液滴210に粒子200がどのくらい含まれたのか確認したい場合に用いられる手順である。
S301では、駆動手段20から駆動電圧を印加された液滴吐出手段10により、粒子200を含んだ液滴210を、図3中のD3で示す吐出方向に吐出口14から吐出する。また、駆動手段20は、液滴吐出手段10に駆動電圧を印加するとともに、光照射手段30及び2つの受光手段41及び42に同期信号を出力する。その後、粒子計数手段50は、処理をS302に移行する。
S302では、駆動手段20から同期信号を入力された液滴吐出手段10は、液滴210の吐出タイミングに合わせて、光としてのレーザー光Lを液滴210に照射する。また、同期信号を入力された受光手段41及び42は、光照射手段30のレーザー光Lにより粒子200が発光するタイミングに合わせて、発光Lf1及び発光Lf2を受光する。これにより、受光手段41及び42は、発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値、並びに発光Lf1の受光面における形状及び発光Lf2の受光面における形状の情報を得る。粒子計数手段50は、液滴210毎に発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値、並びに発光Lf1の受光面における形状及び発光Lf2の受光面における形状の情報を図示しない記録手段に記録し、処理をS303に移行する。
S303では、液滴210に含まれる粒子200を計数した粒子計数手段50は、液滴吐出手段10が所定の回数の液滴210を吐出したか否かを判定する。粒子計数手段50は、液滴吐出手段10により液滴210を所定の回数吐出したと判定すると、処理をS304に移行する。粒子計数手段50は、液滴吐出手段10により液滴210を所定の回数吐出していないと判定すると、処理をS301に戻す。
S304では、液滴210を所定の回数吐出したと判定した粒子計数手段50は、記録手段に記録した発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値、並びに発光Lf1の受光面における形状及び発光Lf2の受光面における形状の情報に基づき、図18に示した検量線を用いて液滴210毎に粒子200を計数して、本処理を終了する。
次に、本発明の液滴形成装置を用いて、液滴吐出手段から吐出された複数の液滴に含まれる粒子を計数するフローを、図22に示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図3などを参照しながら説明する。
本フローチャートは、発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値のみに基づいて粒子200の個数を計数できないと判定した場合、発光Lf1の受光面における形状及び発光Lf2の受光面における形状に基づいて粒子200の個数を判定する手順である。
S401では、駆動手段20から駆動電圧を印加された液滴吐出手段10により、粒子200を含んだ液滴210を、図3中のD3で示す吐出方向に吐出口14から吐出する。また、駆動手段20は、液滴吐出手段10に駆動電圧を印加するとともに、光照射手段30及び2つの受光手段41及び42に同期信号を出力する。その後、粒子計数手段50は、処理をS402に移行する。
S402では、駆動手段20から同期信号を入力された液滴吐出手段10は、液滴210の吐出タイミングに合わせて、光としてのレーザー光Lを液滴210に照射する。また、同期信号を入力された受光手段41及び42は、光照射手段30のレーザー光Lにより粒子200が発光するタイミングに合わせて、発光Lf1及び発光Lf2を受光する。これにより、受光手段41及び42は、発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値、並びに発光Lf1の受光面における形状及び発光Lf2の受光面における形状の情報を得る。その後、粒子計数手段50は、処理をS403に移行する。
S403では、粒子計数手段50は、2つの受光手段41及び42により受光した発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値に基づき、図18に示した検量線を用いて液滴210毎に粒子200の個数を判定する。このとき、粒子計数手段50は、受光した発光Lf2の輝度値が図18に示した判定不可領域に含まれないと判定すると、処理をS404に移行する。粒子計数手段50は、判定不可領域に含まれると判定すると、処理をS405に移行する。
S404では、判定不可領域に含まれないと判定した粒子計数手段50は、2つの受光手段41及び42により受光した発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値に基づき、図18に示した検量線を用いて液滴210に含まれる粒子200を計数して、本処理を終了する。
S405では、判定不可領域に含まれると判定した粒子計数手段50は、2つの受光手段41及び42により受光した発光Lf1の受光面における形状及び発光Lf2の受光面における形状の情報、即ち、形状データに基づき、曲率半径を求める。
次に、粒子計数手段50は、求めた曲率半径が所定の範囲内であるか否かを判定する。粒子計数手段50は、求めたすべての曲率半径が所定の範囲内であると判定すると、処理をS406に移行し、求めた曲率半径が1つでも所定の範囲内にないと判定すると、処理をS404に移行する。
S406では、すべての曲率半径が所定の範囲内であると判定した粒子計数手段50は、求めた曲率半径の中心の個数を液滴210に含まれる粒子200の個数として計数し、本処理を終了する。
次に、本発明の液滴形成装置を用いて、液滴吐出手段から吐出された複数の液滴に含まれる粒子を計数するフローを、図23に示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図3などを参照しながら説明する。
S501では、駆動手段20から駆動電圧を印加された液滴吐出手段10により、粒子200を含んだ液滴210を、図3中のD3で示す吐出方向に吐出口14から吐出する。また、駆動手段20は、液滴吐出手段10に駆動電圧を印加するとともに、光照射手段30及び2つの受光手段41及び42に同期信号を出力する。その後、粒子計数手段50は、処理をS502に移行する。
S502では、駆動手段20から同期信号を入力された液滴吐出手段10は、液滴210の吐出タイミングに合わせて、光としてのレーザー光Lを液滴210に照射する。また、同期信号を入力された受光手段41及び42は、光照射手段30のレーザー光Lにより粒子200が発光するタイミングに合わせて、発光Lf1及び発光Lf2を受光する。これにより、受光手段41及び42は、発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値、並びに発光Lf1の受光面における形状及び発光Lf2の受光面における形状の情報を得る。その後、粒子計数手段50は、処理をS503に移行する。
S503では、粒子計数手段50は、2つの受光手段41及び42により受光した発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値に基づき、図18に示した検量線を用いて液滴210に含まれる粒子200を計数する。その後、粒子計数手段50は、処理をS504に移行する。
S504では、粒子計数手段50は、計数した粒子200が0個であるか否かを判定する。粒子計数手段50は、計数した粒子200が0個であると判定すると、処理をS501に移行する。粒子計数手段50は、計数した粒子200が0個でないと判定すると、本処理を終了する。
次に、本発明の液滴形成装置を用いて、粒子計数手段が、吐出させた複数の液滴に含まれる粒子は0個であると判定した場合、液滴吐出手段により液滴を再度吐出させ、粒子200が計数されるまで繰り返すフローを、図24に示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図3などを参照しながら説明する。
S601では、駆動手段20から駆動電圧を印加された液滴吐出手段10により、粒子200を含んだ液滴210を、図3中のD3で示す吐出方向に吐出口14から吐出する。また、駆動手段20は、液滴吐出手段10に駆動電圧を印加するとともに、光照射手段30及び2つの受光手段41及び42に同期信号を出力する。その後、粒子計数手段50は、処理をS602に移行する。
S602では、駆動手段20から同期信号を入力された液滴吐出手段10は、液滴210の吐出タイミングに合わせて、光としてのレーザー光Lを液滴210に照射する。また、同期信号を入力された受光手段41及び42は、光照射手段30のレーザー光Lにより粒子200が発光するタイミングに合わせて、発光Lf1及び発光Lf2を受光する。これにより、受光手段41及び42は、発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値、並びに発光Lf1の受光面における形状及び発光Lf2の受光面における形状の情報を得る。その後、粒子計数手段50は、処理をS603に移行する。
S603では、粒子計数手段50は、2つの受光手段41及び42により受光した発光Lf1の輝度値及び発光Lf2の輝度値に基づき、図18に示した検量線を用いて液滴210に含まれる粒子200を計数する。その後、粒子計数手段50は、処理をS604に移行する。
S604では、粒子200を計数した粒子計数手段50は、計数した粒子200が0個であるか否かを判定する。粒子計数手段50は、計数した粒子200が0個であると判定すると、処理をS605に移行する。粒子計数手段50は、計数した粒子200が0個でないと判定すると、本処理を終了する。
S605では、粒子計数手段50は、粒子200が0個であると判定した液滴210を被付着物に付着させないように排出して、処理をS601に戻す。
<第1の実施形態の変形例2>
図4は、第1の実施形態の変形例2の液滴形成装置の一例を示す概略図である。なお、第1の実施形態の変形例2において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図4に示す液滴形成装置1Cにおいて、図2に示す第1の実施形態の液滴形成装置1Aとの違いは、4つの吐出口14から液滴を吐出可能としている点である。図4では、4つの吐出口14のうちの1つから、1つの液滴210を吐出している状態を代表的に示しているが、液滴を吐出するタイミングを適宜調整して、4つの吐出口14から、4つの液滴210を連続的に吐出することができる。
なお、図4では、受光手段41は1つだけを代表させて示しているが、4つの吐出口14から吐出される4つの液滴に含まれる粒子からの発光を受光可能な任意の位置及び数に配することができる。
液滴形成装置1Cは、液滴吐出手段10と、駆動手段20と、光照射手段30と、受光手段41及び42と、粒子計数手段50とを有する。
液滴吐出手段10は、本実施形態ではクローズヘッドであり、液体保持部11と、4つの吐出口14が形成され、液体保持部11に保持された光を照射されたときに発光可能な粒子200を含む液体201を振動部材13の振動により4つの吐出口14から、図1中D3で示す吐出方向に4つの液滴210を吐出する膜状部材12とを有する。
なお、液体保持部11は、隔壁によって、4つの吐出口14毎に4つの液室に分けて構成することもできる。
液体保持部11は、粒子200を含む液体201を保持する部であり、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム等の金属、シリコン、セラミックスなどから形成されている。
液体保持部11の下面側には貫通孔である吐出口14が4つ設けられているが、吐出口の数は、4つに限定されるものではない。4つの吐出口14は一列に整列して配置されており、吐出した4つの液滴210に光照射手段30からの光Lを照射することが可能な構成となっている。
4つの吐出口14の径としては、粒子200の大きさの2倍以上とすることが好ましく、10μm以上100μm以下とすることがより好ましい。
ここで、複数の吐出口14の液滴吐出手段の吐出面での配置状態について説明する。
図8は、液滴吐出手段10の吐出面11aの吐出口14の配置状態の一例を示す概略平面図であり、吐出口14が吐出面11aの長さ方向に沿って1列に6個配設されている。
図9は、液滴吐出手段10の吐出面11aの吐出口14の配置状態の一例を示す概略平面図であり、吐出口14が吐出面11aの長さ方向に沿って1列に12個配設されている。
図10は、液滴吐出手段10の吐出面11aの吐出口14の配置状態の一例を示す概略平面図であり、吐出口14が吐出面11aの長さ方向に沿って3列に合計36個配設されている。
図11は、液滴吐出手段10の吐出面11aの吐出口14の配置状態の一例を示す概略平面図であり、吐出口14が吐出面11aの長さ方向に沿って3列に合計20個配設されている(いわゆる千鳥格子配列)。
図12は、液滴吐出手段10の吐出面11aの吐出口14の配置状態の一例を示す概略平面図であり、吐出口14が吐出面11aの長さ方向に沿って3列に合計36個配設されており、各列の間に仕切り部材25が設けられている。
<第2の実施形態>
図5は、第2の実施形態の液滴形成装置の一例を示す概略図である。なお、第2の実施形態において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図5に示す液滴形成装置1Dにおいて、図2に示す第1の実施形態の液滴形成装置1Aとの違いは、液滴吐出手段10をオープンヘッドに変更した点である。
この図5の液滴形成装置1Dは、液滴吐出手段10、駆動手段20、光照射手段30、受光手段41、及び粒子計数手段50を有している。
液滴吐出手段10は、本実施形態ではオープンヘッドであり、液体保持部11と、吐出口14が形成され、液体保持部11に保持された液体201を振動部材13の振動により吐出口14から液滴210として吐出する膜状部材5とを有する。
液体保持部11は、光が照射されたときに発光可能な粒子200を含む液体201を保持する部であり、本実施形態ではオープンヘッドであるため、上部に大気開放部15を有している。こりにより、液体201中に混入した気泡を大気開放部から排出可能である。
振動部材13は、本実施形態では、液滴吐出手段10がオープンヘッドであるため、膜状部材12の下面に配置されている。振動部材13の形状は、膜状部材12の形状に合わせて設計することができる。例えば、膜状部材12の平面形状が円形である場合には、吐出口14の周囲に平面形状が円環状(リング状)の振動部材13を形成することが好ましい。
振動部材13に駆動手段20から駆動信号を供給することにより、膜状部材12を振動させることができる。それによって、吐出口14から液滴210を吐出することができる。
本実施形態では、膜状部材12の振動の慣性により液滴を形成するため、高表面張力(高粘度)の粒子縣濁液でも吐出が可能である。
膜状部材12の材質としては、柔らか過ぎると膜状部材12が簡単に振動し、吐出しないときに直ちに振動を抑えることが困難であるため、ある程度の硬さがある材質を用いることが好ましい。膜状部材12の材質としては、例えば、金属材料やセラミック材料、ある程度硬さのある高分子材料などを用いることができる。
液体保持部11及び膜状部材12の材質としては、粒子として細胞を用いる場合には、細胞やタンパク質に対する付着性の低い材料を用いることができる。
駆動手段20は、膜状部材12を振動させて液滴を形成する吐出波形と、液滴を形成しない範囲で膜状部材12を振動させる撹拌波形とを振動部材13に選択的に(例えば、交互に)付与することができる。
つまり、駆動手段20は、吐出波形を振動部材13に加え、膜状部材12の振動状態を制御することにより、液体保持部11に保持された粒子200を含む液体201を吐出口14から液滴として吐出させることができる。また、駆動手段20は、撹拌波形を振動部材13に加え、膜状部材12の振動状態を制御することにより、液体保持部11に保持された粒子200を含む液体201を撹拌することができる。なお、撹拌時には、吐出口14から液滴は吐出されない。
このように、液滴を形成していない間に液体保持部11に保持された粒子200を含む液体201を撹拌することにより、粒子200が膜状部材12上に沈降、凝集することを防ぐと共に、粒子200を液体201中にムラなく分散させることができる。これにより、吐出口の詰まり、及び吐出する液滴中の粒子200の個数のばらつきを抑えることが可能となる。その結果、粒子200を含有する液体201を、長時間連続して安定的に液滴として吐出することができる。
液滴形成装置1Dにおいては、液体201中に気泡が混入する場合がある。この場合でも、本実施形態では、液体保持部11の上部に大気開放部15が設けられているため、液体201中に混入した気泡を、大気開放部15を通じて外気に排出できる。これによって、気泡排出のために大量の液を捨てることなく、連続して安定的に液滴を形成することが可能となる。即ち、吐出口14の近傍に気泡が混入した場合や、膜状部材12上に多数の気泡が混入した場合には吐出状態に影響を及ぼすため、長い時間安定的に液滴の形成を行うためには、混入した気泡を排出する必要がある。通常、膜状部材12上に混入した気泡は、自然に若しくは膜状部材12の振動によって上方に移動するが、液体保持部11には大気開放部15が設けられているため、混入した気泡を大気開放部15から排出可能となる。そのため、液体保持部11に気泡が混入しても不吐出が発生することを防止可能となり、連続して安定的に液滴を形成することができる。
なお、液滴を形成しないタイミングで、液滴を形成しない範囲で膜状部材12を振動させ、積極的に気泡を液体保持部11の上方に移動させてもよい。
<第2の実施形態の変形例1>
図6は、第2の実施形態の変形例1の液滴形成装置の一例を示す概略図である。なお、第2の実施形態の変形例1において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図6に示す第2の実施形態の変形例1の液滴形成装置1Eは、図3に示す第1の実施形態の変形例1の液滴形成装置1Bに対応し、液滴吐出手段10をオープンヘッドに変更した点以外は、第1の実施形態の変形例1の液滴形成装置1Bと共通するので、第2の実施形態及び第1の実施形態の変形例1の説明を参照して、詳細な説明を省略する。
<第2の実施形態の変形例2>
図7は、第2の実施形態の変形例2の液滴形成装置の一例を示す概略図である。なお、第2の実施形態の変形例2において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図7に示す第2の実施形態の変形例2の液滴形成装置1Fは、図4に示す第1の実施形態の変形例2の液滴形成装置1Cに対応し、液滴吐出手段10の吐出口14を4つに変更した点以外は、第1の実施形態の変形例2の液滴形成装置1Cと共通するので、第2の実施形態及び第1の実施形態の変形例2の説明を参照して、詳細な説明を省略する。
本発明の液滴形成装置は、吐出された液滴に含まれる粒子の検知精度が向上すると共に、単位時間当りの吐出する液滴数を増加させることができる高い生産性を有しているので、各種分野に好適に用いられるが、以下に説明する本発明の分注装置に特に好適に用いられる。
(分注装置)
本発明の分注装置は、本発明の液滴形成装置と、被着対象物とを有し、制御手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有する。
液滴形成装置の粒子計数手段が、液滴に含まれる粒子の数が0個であると判定したとき、液滴吐出手段が、同じ凹部に対して液滴を再度吐出することが、凹部に確実に粒子を分注することができる点から好ましい。
<被着対象物>
被着対象物は、液滴形成装置の液滴吐出手段から吐出された液滴が着滴する複数の凹部が形成された部材である。
被着対象物としては、吐出された液滴が付着することができれば、その材質、形状、大きさ、構造などについて特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
被着対象物の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、半導体、セラミックス、金属、ガラス、石英ガラス、プラスチックスなどで形成されたものが好適に挙げられる。
被着対象物の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、板状、プレート状などが好ましい。
被着対象物の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層構造であっても複数層構造であっても構わない。
被着対象物に設ける凹部の数は、複数であり、2つ以上が好ましく、5つ以上がより好ましく、50以上が更に好ましい。
<制御手段>
制御手段は、液滴吐出手段と複数の凹部との相対的な位置関係を制御する手段であり、CPU(Central Processing Unit)ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、メインメモリなどを有し、分注装置全体の動作を制御するための制御プログラムに基づいて各種処理を実行する。
<その他の手段>
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、記録手段、培養手段、加熱手段、攪拌手段、洗浄手段などを有することが好ましい。
本発明の分注装置は、吐出された液滴に含まれる粒子の検知精度が向上すると共に、単位時間当りの吐出する液滴数を増加させることができる高い生産性を有する本発明の液滴形成装置を有しているので、再生医療、医薬、化粧品、化学物質の安全性や効能の評価などの各種分野に幅広く用いることができる組織体、特に三次元組織体の形成に好適に用いられる。
ここで、本発明の分注装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第3の実施形態>
図25は、第3の実施形態の分注装置の一例を示す概略図である。第3の実施の形態では、第1及び第2の実施形態の液滴形成装置を、被着対象物の凹部に粒子を分注する分注装置として用いる形態である。なお、第3の実施形態において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図25に示す分注装置2は、液滴形成装置1Cと、被着対象物300と、ステージ400と、制御手段500とを有している。
液滴形成装置1としては、図4に示す第1の実施形態の変形例2の液滴形成装置1Cを用いている。第1の実施形態において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
なお、液滴形成装置1Cに代えて、図2、図3、図5〜図7に示す液滴形成装置1A、1B、及び1Dから1Fのいずれかを用いてもよい。
被着対象物300は、移動可能に構成されたステージ400上に配置されている。被着対象物300には、液滴形成装置1Cの液滴吐出手段10から吐出された4つの液滴210が着滴する複数の凹部(ウェル)310が形成されている。
制御手段500は、ステージ400を移動させ、液滴形成装置1Cの液滴吐出手段10とそれぞれの凹部310との相対的な位置関係を制御する。これにより、液滴形成装置1Cの液滴吐出手段10からそれぞれの凹部310中に順次、粒子200を含む液滴210を吐出することができる。
制御手段500は、例えば、CPU、ROM、RAM、メインメモリ等を含む構成とすることができる。この場合、制御手段500の各種機能は、ROM等に記録されたプログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現できる。但し、制御手段500の一部又は全部は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。また、制御手段500は、物理的に複数の装置等により構成されてもよい。
図26は、第3の実施の形態に係る分注装置の動作を示すフローチャートの例である。まず、ステップS701では、液滴形成装置1Cの液滴吐出手段10は、所定の凹部310に向けて液滴210を吐出する。
次に、ステップS702では、液滴形成装置1Cの粒子計数手段50は、飛翔する液滴210に含有された粒子200の個数を検知し、検知結果を制御手段500に送る。粒子計数手段50の検知結果が『1個以上』でない場合(ゼロ個の場合)には、ステップS701の動作を繰り返す。
ステップS702で粒子計数手段50の検知結果が『1個以上』である場合には、ステップS703に移行する。ステップS703では、制御手段500はステージ400を制御し、液滴形成装置1Cの液滴吐出手段10と次の凹部310とが対向する位置になるように被着対象物300を移動する。その後、ステップS701に移行して同様の動作を繰り返す。
これにより、凹部310に向けて飛翔する液滴210に含有された粒子200の個数がゼロ個である場合には同じ凹部310に向けて液滴210を再度吐出するため、複数の凹部310中に確実に粒子200を分注することが可能となる。
また、飛翔する液滴210に含有された粒子200の有無ではなく、図26に示すように飛翔する液滴210に含有された粒子200の個数を検知することも可能である。
図27は、第3の実施の形態に係る分注装置の動作を示すフローチャートの他の例である。
図27では、まず、図26のステップS701と同様のステップS801を実施後、ステップS802において、液滴形成装置1Cの粒子計数手段50は、飛翔する液滴210に含有された粒子200の個数を検知し、検知結果を制御手段500に送る。粒子計数手段50の検知結果が『3個』となるまで、ステップS801の動作を繰り返す。
なお、液滴210に含有された粒子200の個数が増えると粒子計数手段50の検知精度が低下するおそれがあるため、必ずしも1回に吐出する液滴210に含有された粒子200の個数が3個になるように設定する必要はない。例えば、1回に吐出する液滴210に含有された粒子200の個数が0個又は1個になるように設定してもよい。この場合、液滴210に含有された粒子200の個数の合計が3個となるまで、ステップS801の動作を繰り返す。
ステップS802で粒子計数手段50の検知結果が『3個』である場合には、ステップS803に移行し、図25と同様のステップS803を実施する。その後、ステップS801に移行して同様の動作を繰り返す。これにより、各凹部310内の粒子200の個数が3個となるように分注することが可能になる。
なお、図26及び図27の処理において、ステージ400に沿って液滴形成装置1Cを所定の位置に移動させる機能は、例えば、制御手段500にプログラムとして組み込むことができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
以下のようにして、染色条件を変化させて発光強度によりスクリーニングした分取率と、粒子計数手段による発光粒子の個数の検知(カウント)の一致率の評価を行った。
まず、1質量%のエオシンアルコール溶液(武藤化学株式会社製)をエタノールで希釈することにより0.01体積%の染色濃度とした。これを用いて、酵母(濃度5×10cell/mL、社内培養酵母(W303−1a))を30時間染色し、染色後の酵母を用いて、フローサイトメーターの機能付きセルソーター(SONY株式会社製、SH800)で発光強度を測定(波長:488nm)し、その測定結果をもとにスクリーニングを行い、全粒子に対する閾値を満たしている粒子の割合である分取率を測定した。
次に、図3に示す液滴形成装置1Bを用い、以下のようにして、液滴中の蛍光粒子の個数の検知(カウント)の一致率の評価を行った。
図3に示す液滴形成装置1Bにおいて、受光手段としては高感度カメラ(東京インスツルメンツ株式会社製、sCMOS pco.edge)を用い、光源としてはYAGレーザー(スペクトラ・フィジックス社製、Explorer ONE−532−200−KE)を用い、粒子計数手段としては画像処理ソフトウェアであるImage Jを用いた。
<一致率>
飛翔する液滴中の蛍光粒子の個数を粒子計数手段によって算出した結果Aと、着滴後の蛍光粒子の個数(真の蛍光粒子の個数)を目視で確認した結果Bと、をそれぞれ求め、次式、「一致率」=(A/B)×100、を算出した。なお、サンプル数は100個〜200個である。
(実施例2〜14及び比較例1)
実施例1において、表1から表4に示した染色剤の種類、染色剤の濃度、染色時間などの染色条件を変更した以外は、実施例1と同様にして、「分取率」及び「一致率」の評価を行った。結果を表1〜表4に示した。
実施例10の緑色蛍光タンパク質(GFP)に形質転換した酵母としては、GFP遺伝子を相同組換えにより酵母染色体に導入した酵母を用いた。
Figure 0006888289
Figure 0006888289
Figure 0006888289
Figure 0006888289
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 光を受光したときに発光可能な粒子の発光強度を測定することで前記粒子を篩い分取する手段と、
前記篩い分取された前記粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出手段と、
前記液滴吐出手段から吐出された液滴に前記光を照射する光照射手段と、
前記光を照射された前記粒子からの発光を受光する受光手段と、
前記受光手段により受光した前記発光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数手段と、
を有することを特徴とする液滴形成装置である。
<2> 前記篩い分取する手段における前記発光強度の測定が、フローサイトメーターを用いて行われる前記<1>に記載の液滴形成装置である。
<3> 前記篩い分取する手段が、前記フローサイトメーターからの信号に対して作動するセルソーターである前記<2>に記載の液滴形成装置である。
<4> 前記受光手段を2以上備えている前記<1>から<3>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
<5> 2以上の前記受光手段が、それぞれ異なる方向から前記光を受光する前記<4>に記載の液滴形成装置である。
<6> 前記受光手段が、受光面の略法線方向に受光した前記発光の輝度値及び前記発光の前記受光面における形状の情報を得て、
前記粒子計数手段が、前記発光の輝度値に基づいて前記液滴に含まれる前記粒子を計数する第一の計数処理、及び、前記発光の前記受光面における形状の情報に基づいて前記液滴に含まれる前記粒子を計数する第二の計数処理の少なくともいずれかを行う前記<5>に記載の液滴形成装置である。
<7> 前記粒子計数手段が、前記第一の計数処理を行い、前記粒子を計数できないと判定したとき、前記第二の計数処理を行い、前記粒子を計数する前記<6>に記載の液滴形成装置である。
<8> 前記粒子計数手段が、前記発光の前記受光面における形状の情報に基づき曲率半径を算出し、所定の範囲内にある前記曲率半径を算出した際の円の中心の個数を前記粒子の個数として計数する前記第二の計数処理を行う前記<6>から<7>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
<9> 2以上の前記受光手段のうち少なくとも1の前記受光手段が、その受光方向が他の前記受光手段の受光方向と略直交方向に位置するように配された前記<4>から<8>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
<10> 前記受光手段が、その受光方向が前記液滴の吐出方向と略直交方向に位置するように配された前記<4>から<9>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
<11> 前記光照射手段から照射される光が、パルス光である前記<1>から<10>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
<12> 前記パルス光のパルス幅が、10μs以下である前記<11>に記載の液滴形成装置である。
<13> 前記液滴吐出手段が、複数の吐出口を有する前記<1>から<12>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
<14> 前記複数の吐出口が、前記液滴吐出手段の吐出面の長さ方向に沿って1列以上配設されている前記<13>に記載の液滴形成装置である。
<15> 前記複数の吐出口の数が、1列当り2個以上100個以下である前記<14>に記載の液滴形成装置である。
<16> 前記液滴吐出手段が、
前記光を照射されたときに発光可能な粒子を含む液体を保持する液体保持部と、
吐出口が形成され、前記液体保持部に保持された前記液体を振動により前記吐出口から液滴として吐出する膜状部材と、
を有する前記<1>から<15>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
<17> 前記液体保持部が、大気開放部を有する前記<16>に記載の液滴形成装置である。
<18> 前記粒子が、蛍光色素によって染色された細胞、及び蛍光タンパク質を発現可能な細胞の少なくともいずれかである前記<1>から<17>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
<19> 前記細胞が、微生物である前記<18>に記載の液滴形成装置である。
<20> 光を受光したときに発光可能な粒子の発光強度を測定することで前記粒子を篩い分取する工程と、
前記篩い分取された前記粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出工程と、
前記液滴吐出工程で吐出された液滴に前記光を照射する光照射工程と、
前記光を照射された前記粒子からの発光を受光する受光工程と、
前記受光工程で受光した前記発光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数工程と、
を含むことを特徴とする液滴形成方法である。
<21> 前記粒子を篩い分取する工程における前記発光強度の測定が、フローサイトメーターにより行われる前記<20>に記載の液滴形成方法である。
<22> 前記篩い分取する工程が、前記フローサイトメーターからの信号に対して作動するセルソーターにより行われる前記<21>に記載の液滴形成方法である。
<23> 前記<1>から<19>のいずれかに記載の液滴形成装置と、
前記液滴吐出手段から吐出された前記液滴が着滴する複数の凹部が形成された被着対象物と、
を有することを特徴とする分注装置である。
<24> 前記液滴吐出手段と前記複数の凹部との相対的な位置関係を制御する制御手段を有する前記<23>に記載の分注装置である。
<25> 前記液滴形成装置における粒子計数手段が、前記液滴に含まれる粒子の数が0個であると判定したとき、
前記液滴吐出手段が、同じ前記凹部に対して前記液滴を再度吐出する前記<23>から<24>のいずれかに記載の分注装置である。
<26> 組織体の形成に用いられる前記<23>から<25>のいずれかに記載の分注装置である。
前記<1>から<19>のいずれかに記載の液滴形成装置、前記<20>から<22>のいずれかに記載の液滴形成方法、及び前記<23>から<26>のいずれかに記載の分注装置によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1A、1B、1C、1D、1E、1F 液滴形成装置
2 分注装置
10 液滴吐出手段
14 吐出口
20 駆動手段
30 光照射手段
41、42 受光手段
50 粒子計数手段
200 発光可能な粒子
201 液体
210 液滴
L 光
Lf 発光
特開2005−137288号公報 特開2007−37534号公報

Claims (19)

  1. 光を受光したときに発光可能な粒子の発光強度を測定することで前記粒子を篩い分取する手段と、
    前記篩い分取する手段によって篩い分取された前記粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出手段と、
    前記液滴吐出手段から吐出された液滴に前記光を照射する光照射手段と、
    前記光を照射された前記粒子からの発光を受光する受光手段と、
    前記受光手段により受光した前記発光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数手段と、
    を有することを特徴とする液滴形成装置。
  2. 前記篩い分取する手段における前記発光強度の測定が、フローサイトメーターを用いて行われる請求項1に記載の液滴形成装置。
  3. 前記篩い分取する手段が、前記フローサイトメーターからの信号に対して作動するセルソーターである請求項2に記載の液滴形成装置。
  4. 前記受光手段を2以上備えている請求項1から3のいずれかに記載の液滴形成装置。
  5. 2以上の前記受光手段が、それぞれ異なる方向から前記光を受光する請求項4に記載の液滴形成装置。
  6. 前記液滴吐出手段が、複数の吐出口を有する請求項1から5のいずれかに記載の液滴形成装置。
  7. 前記液滴吐出手段が、
    前記光を照射されたときに発光可能な粒子を含む液体を保持する液体保持部と、
    吐出口が形成され、前記液体保持部に保持された前記液体を振動により前記吐出口から液滴として吐出する膜状部材と、
    を有する請求項1から6のいずれかに記載の液滴形成装置。
  8. 前記液体保持部が、大気開放部を有する請求項7に記載の液滴形成装置。
  9. 前記粒子が、蛍光色素によって染色された細胞、及び蛍光タンパク質を発現可能な細胞の少なくともいずれかである請求項1から8のいずれかに記載の液滴形成装置。
  10. 前記細胞が、微生物である請求項9に記載の液滴形成装置。
  11. 光を受光したときに発光可能な粒子の発光強度を測定することで前記粒子を篩い分取する工程と、
    前記篩い分取する手段によって篩い分取された前記粒子を含む液滴を吐出させる液滴吐出工程と、
    前記液滴吐出工程で吐出された液滴に前記光を照射する光照射工程と、
    前記光を照射された前記粒子からの発光を受光する受光工程と、
    前記受光工程で受光した前記発光に基づき、前記液滴に含まれる前記粒子を計数する粒子計数工程と、
    を含むことを特徴とする液滴形成方法。
  12. 前記粒子を篩い分取する工程における前記発光強度の測定が、フローサイトメーターにより行われる請求項11に記載の液滴形成方法。
  13. 前記篩い分取する工程が、前記フローサイトメーターからの信号に対して作動するセルソーターにより行われる請求項12に記載の液滴形成方法。
  14. 請求項1から10のいずれかに記載の液滴形成装置と、
    前記液滴吐出手段から吐出された前記液滴が着滴する複数の凹部が形成された被着対象物を保持するステージと、
    を有することを特徴とする分注装置。
  15. 前記液滴吐出手段と前記複数の凹部との相対的な位置関係を制御する制御手段を有する請求項14に記載の分注装置。
  16. 前記液滴形成装置における粒子計数手段が、前記液滴に含まれる粒子の数が0個であると判定したとき、
    前記液滴吐出手段が、同じ前記凹部に対して前記液滴を再度吐出する請求項14から15のいずれかに記載の分注装置。
  17. 組織体の形成に用いられる請求項14から16のいずれかに記載の分注装置。
  18. 請求項1から10のいずれかに記載の液滴形成装置を用いて、
    前記液滴吐出手段から吐出された前記液滴を複数の凹部が形成された被着対象物に着滴させることを特徴とする方法。
  19. 請求項14から16のいずれかに記載の分注装置を組織体の形成に用いる方法。
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