JP2018087713A - ヘリウムリークディテクタ用ノズルおよびヘリウムリークディテクタシステム - Google Patents
ヘリウムリークディテクタ用ノズルおよびヘリウムリークディテクタシステム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】パージガスによるヘリウムガスの置換効率を向上させることができるヘリウムリークディテクタ用ノズルを提供する。【解決手段】ヘリウム充填空間の、パージガスによって置換された置換後ヘリウムガスを流通させるガス流通管体82と、ガス流通管体82の管内部に貫通され、ヘリウム充填空間に吹き付けるためのヘリウムガスおよびパージガスを流通させるガス導入管体81とを備えた。【選択図】図2
Description
この発明は、ヘリウムリークディテクタによるヘリウムリークテストにて用いられるヘリウムリークディテクタ用ノズル、および、ヘリウムリークディテクタシステムに関するものである。
従来から、ヘリウムリークディテクタを用いて部材の気密性を判定するヘリウムリークテストに関する技術が知られている。ヘリウムリークテストでは、リークチェック箇所において検出されるヘリウムガス量を計測することでリークチェックを行うが、当該ヘリウムガスのリークチェック後は、ヘリウムリークディテクタ内のヘリウム濃度を速やかに下げるようにしている。
例えば、半導体圧力センサの気密試験において、ヘリウムリークディテクタを用いて加圧室をヘリウム加圧することでヘリウムガスのリーク量を計測した後、窒素を供給して窒素置換を行い、ヘリウム濃度を低下させる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
例えば、半導体圧力センサの気密試験において、ヘリウムリークディテクタを用いて加圧室をヘリウム加圧することでヘリウムガスのリーク量を計測した後、窒素を供給して窒素置換を行い、ヘリウム濃度を低下させる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
また、従来から、吹き付け法を適用したリーク検出装置において、真空ポンプにより内部を中真空状態にしたワークに対して、トレーサーガスを、トレーサーガス供給部と連結するノズルの先端から吹き付ける技術が開示されている(例えば、特許文献2)。
従来の技術では、例えば、ヘリウムガスをリークチェック箇所に吹き付けてヘリウムガス量を計測することでリークチェックを行う内部真空吹き付け法においては、ヘリウムガス供給部と連結するノズルから、リークチェック箇所にヘリウムガスを吹き付けてリークチェックを行い、当該ノズルから、パージガスである窒素等をリークチェック箇所に供給してヘリウム濃度を低下させることになる。
すなわち、1箇所の導入口から、ヘリウムガスとパージガスの2系統のガスを供給または排出することになる。
そのため、ノズル内部でのパージガスの経路が複雑になり、当該パージガスの流れる方向が規制されず、ヘリウムガスの置換効率が悪くなってヘリウム濃度の低下に時間を要するという課題があった。
すなわち、1箇所の導入口から、ヘリウムガスとパージガスの2系統のガスを供給または排出することになる。
そのため、ノズル内部でのパージガスの経路が複雑になり、当該パージガスの流れる方向が規制されず、ヘリウムガスの置換効率が悪くなってヘリウム濃度の低下に時間を要するという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ガスの経路を規制することで、パージガスによるヘリウムガスの置換効率を向上させることができるヘリウムリークディテクタ用ノズルを提供することを目的とする。
この発明に係るヘリウムリークディテクタ用ノズルは、被検査体のヘリウムリークテストを実施するヘリウムリークディテクタに用いられるヘリウムリークディテクタ用ノズルであって、ヘリウム充填空間の、パージガスによって置換された置換後ガスを流通させるガス流通管体と、ガス流通管体の管内部に貫通され、ヘリウム充填空間に吹き付けるためのヘリウムガスおよびパージガスを流通させるガス導入管体とを備えたものである。
この発明によれば、ガスの経路を規制することで、パージガスによるヘリウムガスの置換効率を向上させることができるヘリウムリークディテクタ用ノズルを提供することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1におけるヘリウムリークディテクタシステムの構成の一例を説明する図である。
ヘリウムリークディテクタシステムでは、被検査体(ワーク)100に漏れ(リーク)が生じていないかどうかを判定するヘリウムリークテストを行う。
なお、ヘリウムリークディテクタシステムを構成する各部は、例えば、ネットワークと介して各部と接続される制御装置(図1においては図示省略)の制御に基づいて動作する。
また、この実施の形態1において、ヘリウムリークテストは、内部真空吹き付け法によって実施されるものとする。
図1は、この発明の実施の形態1におけるヘリウムリークディテクタシステムの構成の一例を説明する図である。
ヘリウムリークディテクタシステムでは、被検査体(ワーク)100に漏れ(リーク)が生じていないかどうかを判定するヘリウムリークテストを行う。
なお、ヘリウムリークディテクタシステムを構成する各部は、例えば、ネットワークと介して各部と接続される制御装置(図1においては図示省略)の制御に基づいて動作する。
また、この実施の形態1において、ヘリウムリークテストは、内部真空吹き付け法によって実施されるものとする。
ヘリウムリークディテクタシステムは、図1に示すように、治具1と、ヘリウムリークディテクタ2と、ヘリウム供給源3と、MCF(Mass Flow Controller)4,6と、ヘリウム供給バルブ4a,4bと、パージガス供給源5と、パージガス供給バルブ6a,6bと、ガス供給部8と、排気バルブ7aとを備える。
治具1は、被検査体100を収納し、真空室1aとヘリウム充填室1bとを有する。真空室1aとヘリウム充填室1bとは独立している。真空室1aは、少なくとも被検査体100のリークチェック箇所を収納する。
ヘリウムリークテストが実施される際、真空室1aの内部は、真空引きが行われ、真空状態である真空引き空間となり、ヘリウム充填室1bの内部は、ヘリウムガスが充填されるヘリウム充填空間となる。
ヘリウムリークテストが実施される際、真空室1aの内部は、真空引きが行われ、真空状態である真空引き空間となり、ヘリウム充填室1bの内部は、ヘリウムガスが充填されるヘリウム充填空間となる。
ヘリウムリークテストが実施される際は、ヘリウム充填空間において被検査体100のリークチェック箇所にヘリウムガスが吹き付けられ、ヘリウム充填室1bにヘリウムガスが充填される。そして、ヘリウム充填室1bに充填されたヘリウムガスについて、被検査体100を介して真空引き空間に漏れるヘリウムガスの漏れ量をヘリウムリークディテクタ2が検出して、当該検出結果に基づき、制御装置が、被検査体100に漏れが生じていないかどうかを判定する。
なお、被検査体100と真空室1aとはシールされているので、真空室1aへ漏れたヘリウムガスはヘリウム充填室1bに流出することはない。
なお、被検査体100と真空室1aとはシールされているので、真空室1aへ漏れたヘリウムガスはヘリウム充填室1bに流出することはない。
ヘリウムガスの吹き付けは、ガス供給部8から、当該ガス供給部8と連結するノズル10によって行われる。ノズル10の詳細については、図2を用いて後述する。
ヘリウムリークディテクタ2は、分析管(図示省略)によって、ヘリウム充填室1bに充填されたヘリウムガスの、真空室1aへの漏れ量を検出する。なお、ヘリウムリークディテクタ2は、一般的に知られているヘリウムリークディテクタとすればよい。ヘリウムリークディテクタ2と真空室1aとは、例えば、配管で接続される。
ヘリウム供給源3は、ヘリウムリークテストの際に、ヘリウム充填空間に吹き付けられるヘリウムガスを供給する。ヘリウム供給源3から供給されたヘリウムガスは、ヘリウムガス導入管31を流通し、ガス供給部8から、当該ガス供給部8と連結するノズル10を介してヘリウム充填空間に吹き付けられる。具体的には、ヘリウムガスは、ノズル10内のガス導入管体81から、ヘリウム充填空間に吹き付けられる。ガス導入管体81の詳細については、図2を用いて後述する。
MCF4は、ヘリウム供給源3から供給されるヘリウムガスの流量制御を行う。
ヘリウム供給バルブ4a,4bは、MCF4の制御に基づき、ヘリウム供給源3から供給されるヘリウムガスの流路を開放または閉鎖する。
ヘリウム供給バルブ4a,4bは、MCF4の制御に基づき、ヘリウム供給源3から供給されるヘリウムガスの流路を開放または閉鎖する。
パージガス供給源5は、ヘリウムリークテストの際に、ヘリウム充填空間に充填されたヘリウムガスを置換し、ヘリウム濃度を下げるためのパージガスを供給する。なお、この実施の形態1では、パージガスとして窒素ガスを使用し、ヘリウムガスが窒素ガスに置換されるものとする。当該窒素ガスのように、パージガスによって置換された後の、ヘリウム充填空間内のヘリウムガスを、置換後ガスともいうものとする。
パージガス供給源5から供給されたパージガスは、パージガス導入管51を流通し、ガス供給部8から、当該ガス供給部8と連結するノズル10を介して、ノズル10内のガス導入管体81からヘリウム充填空間に導入される。
MCF6は、パージガス供給源5から供給されるパージガスの流量制御を行う。
パージガス供給源5から供給されたパージガスは、パージガス導入管51を流通し、ガス供給部8から、当該ガス供給部8と連結するノズル10を介して、ノズル10内のガス導入管体81からヘリウム充填空間に導入される。
MCF6は、パージガス供給源5から供給されるパージガスの流量制御を行う。
パージガス供給バルブ6a,6bは、MCF6の制御に基づき、パージガス供給源5から供給されるパージガスの流路を開放または閉鎖する。
パージガスが吹き付けられることで置換された置換後ガスは、ノズル10内のガス流通管体82を流通して、当該ガス流通管体82と接続される排気管7より排出される。
パージガスが吹き付けられることで置換された置換後ガスは、ノズル10内のガス流通管体82を流通して、当該ガス流通管体82と接続される排気管7より排出される。
パージガスによる置換は、ヘリウムリークテストを繰り返すことによりヘリウム充填空間から真空引き空間に漏れて蓄積されていくヘリウムガスを極力取り除くために行われる。
真空引き空間にヘリウムガスが漏れると、ヘリウムリークディテクタ2内の検知管等において当該漏れたヘリウムガスが蓄積されていく。漏れたヘリウムガスが蓄積されていくと、ヘリウムガスの漏れ量の正しい検出が行われなくなってしまう。
そこで、パージガスを吹き付け、ヘリウムガスを置換して、置換後ガスを大気開放することで、真空引き空間に漏れて蓄積されていくヘリウムガスを極力取り除くようにする。
真空引き空間にヘリウムガスが漏れると、ヘリウムリークディテクタ2内の検知管等において当該漏れたヘリウムガスが蓄積されていく。漏れたヘリウムガスが蓄積されていくと、ヘリウムガスの漏れ量の正しい検出が行われなくなってしまう。
そこで、パージガスを吹き付け、ヘリウムガスを置換して、置換後ガスを大気開放することで、真空引き空間に漏れて蓄積されていくヘリウムガスを極力取り除くようにする。
排気管7は、ノズル10内のガス流通管体82を流通するヘリウム充填空間からの置換後ガスを排出する。
排気バルブ7aは、排気管7における置換後ガスの流路を開放または閉鎖する。
接続部81aは、ヘリウムガス導入管31とパージガス導入管51とを接続し、当該接続部81aにおいて、ヘリウムガス導入管31とパージガス導入管51とが1本のガス導入管体81となる。
排気バルブ7aは、排気管7における置換後ガスの流路を開放または閉鎖する。
接続部81aは、ヘリウムガス導入管31とパージガス導入管51とを接続し、当該接続部81aにおいて、ヘリウムガス導入管31とパージガス導入管51とが1本のガス導入管体81となる。
図2は、実施の形態1のヘリウムリークディテクタシステムにおいて、ガス供給部8と連結するノズル10の構成の一例を説明する図である。
図2に示すように、ノズル10は、内部に、ガス導入管体81とガス流通管体82とを有する。
ガス流通管体82は、管内部において、ヘリウム充填空間からの置換後ガスを流通させる(図2の矢印C)。
ガス流通管体82の管内部を流通した置換後ガスは、排気管7から排出され、大気開放される。
図2に示すように、ノズル10は、内部に、ガス導入管体81とガス流通管体82とを有する。
ガス流通管体82は、管内部において、ヘリウム充填空間からの置換後ガスを流通させる(図2の矢印C)。
ガス流通管体82の管内部を流通した置換後ガスは、排気管7から排出され、大気開放される。
ガス導入管体81は、ガス流通管体82の管内部に貫通され、ガス導入管体81の管内部において、ヘリウム充填空間に吹きつけるためのヘリウムガス(図2の矢印A)およびパージガス(図2の矢印B)を流通させる。
図2で明らかなように、ガス流通管体82の内周面とガス導入管体81の外周面との間には隙間83が設けられ、当該隙間83を、パージガスがヘリウム充填空間に導入されることでヘリウムガスから置換された、置換後ガスが流通する。
図2で明らかなように、ガス流通管体82の内周面とガス導入管体81の外周面との間には隙間83が設けられ、当該隙間83を、パージガスがヘリウム充填空間に導入されることでヘリウムガスから置換された、置換後ガスが流通する。
また、図2に示すように、排気管7には排気ポンプ11を設置するようにしてもよい。排気ポンプ11を設置することで、コンダクタンスが大きい配管でも置換後ガスの吸引効果を大きくしてヘリウム濃度の低下を促進させることができる。
なお、排気ポンプ11は設置されない構成としてもよい。
なお、排気ポンプ11は設置されない構成としてもよい。
また、図2に示すように、ガス導入管体81におけるヘリウム充填空間側の一端は、ガス流通管体82のヘリウム充填空間側の端部より、ヘリウム充填空間側に対して突出させるようにすると、置換効率を向上させることができる。
なお、この実施の形態1では、図2に示すように、ガス導入管体81におけるヘリウム充填空間側の一端は、ガス流通管体82のヘリウム充填空間側の端部より、ヘリウム充填空間側に対して突出させるようにしたが、これに限らず、ガス導入管体81におけるヘリウム充填空間側の端部は、ガス流通管体82のヘリウム充填空間側の端部と揃うようにしてもよい。
なお、この実施の形態1では、図2に示すように、ガス導入管体81におけるヘリウム充填空間側の一端は、ガス流通管体82のヘリウム充填空間側の端部より、ヘリウム充填空間側に対して突出させるようにしたが、これに限らず、ガス導入管体81におけるヘリウム充填空間側の端部は、ガス流通管体82のヘリウム充填空間側の端部と揃うようにしてもよい。
ここで、図3A,図3Bは、実施の形態1において、ガス導入管体81におけるヘリウム充填空間側の一端を、ガス流通管体82のヘリウム充填空間側の端部より、ヘリウム充填空間側に対して突出させた場合の、突出割合と置換効率の関係についての実験結果を示す図である。
当該実験は、ヘリウムリークディテクタ2で検出されるヘリウムリーク量の減少が最も大きくなる置換開始後10秒間のグラフを式y=ax+bと線形近似し、傾きaの絶対値が大きいほど置換効率はよくなるとして評価を行ったものである(図3A参照)。
実験は、ガス導入管体81の端部とガス流通管体82の端部とが揃っている状態をノズルの長さ0%、ガス導入管体81がガス流通管体82の端部から突出して、リークチェック箇所(図2のD)に接する状態をノズルの長さ100%とし、ノズルの長さ0%、30%、100%の場合を例にとって行っている。
当該実験は、ヘリウムリークディテクタ2で検出されるヘリウムリーク量の減少が最も大きくなる置換開始後10秒間のグラフを式y=ax+bと線形近似し、傾きaの絶対値が大きいほど置換効率はよくなるとして評価を行ったものである(図3A参照)。
実験は、ガス導入管体81の端部とガス流通管体82の端部とが揃っている状態をノズルの長さ0%、ガス導入管体81がガス流通管体82の端部から突出して、リークチェック箇所(図2のD)に接する状態をノズルの長さ100%とし、ノズルの長さ0%、30%、100%の場合を例にとって行っている。
図3Bは、ノズルの長さと傾きaとの関係を示している。
図3Bに示すように、ノズルの長さが長いほど、すなわち、ガス導入管体81の一端がヘリウム充填空間側に突出すればするほど、置換効率はよくなることがわかった(図3Bのa)。
また、ヘリウムガス吹き付け効率も、ノズルの長さが長いほど改善することがわかった。
図3Bに示すように、ノズルの長さが長いほど、すなわち、ガス導入管体81の一端がヘリウム充填空間側に突出すればするほど、置換効率はよくなることがわかった(図3Bのa)。
また、ヘリウムガス吹き付け効率も、ノズルの長さが長いほど改善することがわかった。
図4は、一般的なノズル構造の一例を説明するための図である。
一般的なノズル構造は、ノズル内部が一重構造となっており、ヘリウムガスのヘリウム充填空間への導入と、ヘリウム充填空間からのパージガスによって置換された置換後ガスの排出が同一経路内で行われるため、ヘリウムガスおよびパージガスの経路が複雑であった。これにより、充填空間内のヘリウムガスが希薄化し、ヘリウムガスの吹き付け量の増大につながっていた。
また、パージガスの流れ方向が規制されていないため、ヘリウム充填空間においてパージガスが撹乱し、置換効率が悪くなって、ヘリウム濃度を低下させるのに時間がかかっていた。
図3Bにも示すように、上述したような一般的な一重管のノズル(図3Bのb)では、この実施の形態1のノズル10のように二重管としたノズル(図3Bのa)と比べると、置換効率が悪い。
一般的なノズル構造は、ノズル内部が一重構造となっており、ヘリウムガスのヘリウム充填空間への導入と、ヘリウム充填空間からのパージガスによって置換された置換後ガスの排出が同一経路内で行われるため、ヘリウムガスおよびパージガスの経路が複雑であった。これにより、充填空間内のヘリウムガスが希薄化し、ヘリウムガスの吹き付け量の増大につながっていた。
また、パージガスの流れ方向が規制されていないため、ヘリウム充填空間においてパージガスが撹乱し、置換効率が悪くなって、ヘリウム濃度を低下させるのに時間がかかっていた。
図3Bにも示すように、上述したような一般的な一重管のノズル(図3Bのb)では、この実施の形態1のノズル10のように二重管としたノズル(図3Bのa)と比べると、置換効率が悪い。
このように、ガス導入管体81が、ガス流通管体82に貫通されるようにし、ノズル10を二重管としたことで、ヘリウムガスまたはパージガス等、流体の流通する経路は規制され、吹き付けられるヘリウムガスまたはパージガスと、パージガスによって置換された後排出される置換後ガスの流路とは別の流路となるため、パージガスによるヘリウムガス置換効率を向上させることができる。また、ヘリウムガスの吹き付け量を無用に増大させることなく、ヘリウムガスの吹き付け量および吹き付け時間を減少させることができる。
図5は、この実施の形態1のヘリウムリークシステムにおいてヘリウムリークテストが実施されるプロセスの一例について説明するフローチャートである。
まず、真空引き空間の真空引きを行う(ステップST501)。具体的には、例えば、制御装置からの制御に基づき、真空室1aに、例えば配管で接続された真空引きポンプ(図1においては図示省略)が、真空室1aの真空引きを行う。なお、真空引きポンプはヘリウムリークディテクタ2が備えるようにしてもよい。
まず、真空引き空間の真空引きを行う(ステップST501)。具体的には、例えば、制御装置からの制御に基づき、真空室1aに、例えば配管で接続された真空引きポンプ(図1においては図示省略)が、真空室1aの真空引きを行う。なお、真空引きポンプはヘリウムリークディテクタ2が備えるようにしてもよい。
パージガスを導入する(ステップST502)。具体的には、例えば、制御装置からの制御に基づき、MCF6がパージガス供給源5から供給されるパージガスの流量を制御し、当該パージガスがノズル10を介して導入される。導入されるパージガスは、例えば、2.0L/min程度とすればよい。
このとき、制御装置は、排気バルブ7aを開放させるようにする。これにより、パージガスにより置換された置換後ガスが排気管7から大気開放される。
また、制御装置は、排気ポンプ11を稼働させるようにする。これにより、排気管7から排出される置換後ガスの吸引効果を大きくしてヘリウム濃度の低下を促進させることができる。
このとき、制御装置は、排気バルブ7aを開放させるようにする。これにより、パージガスにより置換された置換後ガスが排気管7から大気開放される。
また、制御装置は、排気ポンプ11を稼働させるようにする。これにより、排気管7から排出される置換後ガスの吸引効果を大きくしてヘリウム濃度の低下を促進させることができる。
真空室1aの圧力が予め設定された値になり真空状態となると、制御装置は真空引きを完了し、ヘリウムリークテストを開始させる(ステップST503)。
上述のとおり、ノズル10は二重構造であり、パージガス供給源5から供給されたパージガスは、ノズル10内のガス導入管体81からヘリウム充填空間に導入され、ヘリウムガスを置換後、置換後ガスがノズル10内のガス流通管体82から排出される。
ノズル10内を流通する流体の経路は規制され、置換効率が向上するため、より短い時間でヘリウム濃度を低下させることができる。すなわち、当該ステップST503において真空引き完了とするまでの時間を、従来の一般的な一重構造のノズルを採用した場合よりも短縮させることができる。
上述のとおり、ノズル10は二重構造であり、パージガス供給源5から供給されたパージガスは、ノズル10内のガス導入管体81からヘリウム充填空間に導入され、ヘリウムガスを置換後、置換後ガスがノズル10内のガス流通管体82から排出される。
ノズル10内を流通する流体の経路は規制され、置換効率が向上するため、より短い時間でヘリウム濃度を低下させることができる。すなわち、当該ステップST503において真空引き完了とするまでの時間を、従来の一般的な一重構造のノズルを採用した場合よりも短縮させることができる。
ヘリウムリークテストを開始すると、ヘリウムガスの吹き付けを行う(ステップST504)。具体的には、例えば、制御装置からの制御に基づき、MCF4がヘリウム供給源3から供給されるヘリウムガスの流量を制御し、当該ヘリウムガスがノズル10を介して吹き付けられる。
ステップST504でヘリウムガスの吹き付けが開始されてから、予め設定された時間が経過すると、制御装置は、排気バルブ7aを閉鎖させ、吹き付けられたヘリウムガスがヘリウム充填空間に封止されるようにする(ステップST505)。ヘリウムガスの吹き付け開始から排気バルブ7aを閉鎖させるまでの時間は、例えば、5秒等、予め、ユーザ等が設定しておくようにすればよい。
上述のとおり、ノズル10は二重構造であり、ヘリウム供給源3から供給されたヘリウムガスは、ノズル10内のガス導入管体81から、ヘリウム充填空間に吹き付けられる。流体の流通する経路は規制され、導入されるヘリウムガスは、排出される流体の経路とは別の経路となるため、ヘリウムガスの吹き付け量および吹き付け時間を減少させることができる。
上述のとおり、ノズル10は二重構造であり、ヘリウム供給源3から供給されたヘリウムガスは、ノズル10内のガス導入管体81から、ヘリウム充填空間に吹き付けられる。流体の流通する経路は規制され、導入されるヘリウムガスは、排出される流体の経路とは別の経路となるため、ヘリウムガスの吹き付け量および吹き付け時間を減少させることができる。
ヘリウムリークディテクタ2は、分析管(図示省略)によって、ヘリウム充填室1bに充填されたヘリウムガスの、真空室1aへの漏れ量を検出し、制御装置は、リークチェック箇所にリークが生じていないかどうかの判定を行う(ステップST506)。
リークが生じていないかどうかの判定が完了すると、パージガスを導入する(ステップST507)。具体的な動作はステップST502と同様であるため重複した説明を省略する。
なお、ここでは、ステップST507の後、処理終了するものとしているが、検査対象の被検査体が複数存在する場合は、全ての被検査体のヘリウムリークテストが完了するまで、被検査体を入れ替えて、図5で説明したステップが繰り返される。
上述のとおり、この実施の形態1では、ノズル10を二重構造とし、パージガスによる置換効率を向上させ、また、ヘリウムガスの吹き付け量および吹き付け時間を減少させることができるので、例えば1日等、決められた期間内での被検査体のヘリウムリークテストの作業時間を短くすることができる。
上述のとおり、この実施の形態1では、ノズル10を二重構造とし、パージガスによる置換効率を向上させ、また、ヘリウムガスの吹き付け量および吹き付け時間を減少させることができるので、例えば1日等、決められた期間内での被検査体のヘリウムリークテストの作業時間を短くすることができる。
また、ここでは、図1で説明したように、ヘリウムリークディテクタシステムにおいてヘリウムリークテストを実施する被検査体100のヘリウムリークチェック箇所は1箇所とする例を示したが、これに限らない。例えば、図6に示すように、真空室1c,1dを2つ備え、被検査体を、2つのワッシャ200a,200bが溶接により接合された導圧管200として、ヘリウムリークディテクタ2は、当該導圧管200とワッシャ200a,200bそれぞれとの溶接部分の漏れ量を検出するようなヘリウムリークディテクタシステムとしてもよい。
以上のように、この実施の形態1によれば、ノズル10を、被検査体のヘリウムリークテストを実施するヘリウムリークディテクタ2に用いられるヘリウムリークディテクタ用ノズルであって、ヘリウム充填空間の、パージガスによって置換された置換ガスを流通させるガス流通管体82と、ガス流通管体82の管内部に貫通され、ヘリウム充填空間に吹き付けるためのヘリウムガスおよびパージガスを流通させるガス導入管体81とを備えるようにしたので、ノズル10内部で流体の流通する経路が規制され、パージガスによるヘリウムガスの置換効率を向上させることができる。また、ヘリウムガスの吹き付け量および吹き付け時間を減少させることができる。
また、この実施の形態1によれば、ガス導入管体81におけるヘリウム充填空間側の一端は、ガス流通管体82のヘリウム充填空間側の端部より、ヘリウム充填空間側に対して突出するように構成したので、さらに置換効率を向上させることができる。
また、この実施の形態1によれば、ガス流通管体82に接続され、パージガスによって置換された置換後ガスを排出する排気管7と、排気管7に設置される排気ポンプ11とを備えるようにしたので、置換後ガスを大気開放する際の吸引力をあげることができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
1 治具
1a 真空室
1b ヘリウム充填室
2 ヘリウムリークディテクタ
3 ヘリウム供給源
31 ヘリウムガス供給管
4,6 MCF
4a,4b ヘリウム供給バルブ
5 パージガス供給源
51 パージガス供給管
6a,6b パージガス供給バルブ
7 排気管
7a 排気バルブ
8 ガス供給部
10 バルブ
11 排気ポンプ
81 ガス導入管体
81a 接続部
82 ガス流通管体
83 隙間
100 ワーク
200 導圧管
200a,200b ワッシャ
1a 真空室
1b ヘリウム充填室
2 ヘリウムリークディテクタ
3 ヘリウム供給源
31 ヘリウムガス供給管
4,6 MCF
4a,4b ヘリウム供給バルブ
5 パージガス供給源
51 パージガス供給管
6a,6b パージガス供給バルブ
7 排気管
7a 排気バルブ
8 ガス供給部
10 バルブ
11 排気ポンプ
81 ガス導入管体
81a 接続部
82 ガス流通管体
83 隙間
100 ワーク
200 導圧管
200a,200b ワッシャ
Claims (4)
- 被検査体のヘリウムリークテストを実施するヘリウムリークディテクタに用いられるヘリウムリークディテクタ用ノズルであって、
ヘリウム充填空間の、パージガスによって置換された置換後ガスを流通させるガス流通管体と、
前記ガス流通管体の管内部に貫通され、前記ヘリウム充填空間に吹き付けるためのヘリウムガスおよびパージガスを流通させるガス導入管体
とを備えたヘリウムリークディテクタ用ノズル。 - 前記ガス導入管体における前記ヘリウム充填空間側の一端は、前記ガス流通管体の前記ヘリウム充填空間側の端部より、当該ヘリウム充填空間側に対して突出する
ことを特徴とする請求項1記載のヘリウムリークディテクタ用ノズル。 - 前記ガス流通管体に接続され、前記パージガスによって置換された大気を排出する排気管と、
前記排気管に設置される排気ポンプとを備えた
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のヘリウムリークディテクタ用ノズル。 - 被検査体を収納する治具と、前記治具内のヘリウム充填空間において前記被検査体に吹き付けるヘリウムガスを供給するヘリウムガス供給源と、前記ヘリウムガスを置換するためのパージガスを供給するパージガス供給源と、前記治具内の真空空間における前記被検査体のヘリウムリークテストを実施するヘリウムリークディテクタと、前記ヘリウムガス、前記パージガス、または、当該パージガスによる置換後ガスを流通させるノズルとを備えたリークディテクタシステムであって、
前記ノズルは、
前記ヘリウム充填空間の、前記パージガスによって置換された置換後ガスを流通させるガス流通管体と、
前記ガス流通管体の管内部に貫通され、前記ヘリウム充填空間に吹き付けるための前記ヘリウムガスおよび前記パージガスを流通させるガス導入管体
とを備えたことを特徴とするヘリウムリークディテクタシステム。
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JP2016230085A JP2018087713A (ja) | 2016-11-28 | 2016-11-28 | ヘリウムリークディテクタ用ノズルおよびヘリウムリークディテクタシステム |
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- 2016-11-28 JP JP2016230085A patent/JP2018087713A/ja active Pending
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