JP6220286B2 - 漏れ試験方法及び装置 - Google Patents

漏れ試験方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6220286B2
JP6220286B2 JP2014036218A JP2014036218A JP6220286B2 JP 6220286 B2 JP6220286 B2 JP 6220286B2 JP 2014036218 A JP2014036218 A JP 2014036218A JP 2014036218 A JP2014036218 A JP 2014036218A JP 6220286 B2 JP6220286 B2 JP 6220286B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
path
gas
compression
chamber
test
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014036218A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015161555A (ja
Inventor
順 猪股
順 猪股
大亮 宮嶋
大亮 宮嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fukuda Co Ltd
Original Assignee
Fukuda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fukuda Co Ltd filed Critical Fukuda Co Ltd
Priority to JP2014036218A priority Critical patent/JP6220286B2/ja
Publication of JP2015161555A publication Critical patent/JP2015161555A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6220286B2 publication Critical patent/JP6220286B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Examining Or Testing Airtightness (AREA)

Description

本発明は、水素等の検査成分を含むトレーサガスを用いて被検体(ワーク)の漏れ試験(リークテスト)を行なう漏れ試験方法及び装置に関し、特に、チャンバ残空間等の第2室を減圧するとともに第2室のガスを検知手段まで移送して検知する漏れ試験方法及び装置に関する。
一般に、水素リークテストでは、被検体をチャンバ(収容部)で覆い、被検体の内部に水素を含むトレーサガスを導入するとともに、チャンバの内壁と被検体との間のチャンバ残空間の被検ガスを吸引して水素センサ(検知手段)へ移送する。この水素センサによって、被検ガス中の水素を検知することによって、被検体からの漏れの有無を検査する。チャンバ残空間には、上記移送のためのキャリアガスが供給される。通常、キャリアガスとしては清浄な空気が用いられる。その理由は、安価に入手できることに加えて、現在一般的な水素センサとして半導体ガスセンサが使用されていることも挙げられる。半導体ガスセンサは、半導体の表面に空気中の酸素を吸着させておく。そこに水素が流入して来たときは、上記酸素と水素とが反応して酸素吸着量が減り、半導体の電気伝導度(電流)が変化することで、水素が検知される。したがって、半導体ガスセンサからなる水素センサは、酸素を必要とする。この酸素源として空気が用いられている。
この種の水素リークテスタによる水素検知濃度C(ppm)は、式1で表される。
Figure 0006220286

ここで、Qは、トレーサガスの漏れ流量(mL/min at 1atm)である。rは、トレーサガス中の水素の体積流量比である。通常、水素5%、窒素95%の混合ガスをトレーサガスとして使用するため、r=0.05である。被検体内の残留空気などによりトレーサガス濃度が変化した場合、rの値はこの限りでない。Qは、チャンバ残空間からの被検ガスの移送流量(mL/min at 1atm)である。被検体からトレーサガスの漏れが有った場合、被検ガスはキャリアガスとトレーサガスとの混合ガスとなる。移送流量Qの殆どはキャリアガスの流量によって占められる。
式1から解るように、移送流量Qが大きいと、被検体から漏れ出たガスが薄められ、検知濃度が下がる。したがって、移送流量Qは小さい方が高感度に測定できる。しかし、式2から明らかな通り、移送流量Qが小さいと、漏れ出たガスが水素センサに到達するまでの移送時間t(min)が長くなる。更にチャンバの残容積(チャンバ容積から被検体の体積を引いたチャンバ残空間の容積)が大きいと、移送時間tが一層長くなる。
Figure 0006220286

;チャンバの残容積及びチャンバから水素センサまでのガス路の容積の合計(mL)
そこで、特許文献1には、チャンバ内を減圧して気体量を減らすことにより、移送流量Qが小さくても移送時間tを短くする方法が開示されている。この場合、移送時間t(min)は式3で表される。
Figure 0006220286

ここで、Pは、チャンバ内圧(Pa abs)である。Pは、大気圧(101,325Pa abs)である。この方法によれば、例えば、チャンバ内圧PをP=1kPaまで減圧すると、移送時間tは、チャンバ内が大気圧(P=P)である場合の約100分の1にできる。
さらに、特許文献1では、チャンバから吸引したガスを真空ポンプによって大気圧まで昇圧し、この真空ポンプの下流側の大気圧路に水素センサを接続して水素検知を行なっている。その理由としては、上述したように水素センサが大気圧下相当の酸素分圧を必要とすること、及び減圧下では水素分圧が下がるため検出感度が低下することが考えられる。
特許第4374241号公報
上掲特許文献1では、チャンバから吸引したガスを真空ポンプに通し、真空ポンプの下流側で水素検知を行なうものであるため、以下のような制約又は欠点がある。
(1)真空ポンプとして一般的な油回転ポンプ(ロータリーポンプ)は、安価で、かつ100Pa(abs)程度の高真空まで減圧可能であるが、被検ガスが通過する際、回転体のシール用の油に水素等の検査成分が溶け込んで残留することで、漏れ試験の信頼性が損なわれるおそれがある。信頼性を確保するには、被検ガスが油と接触することの無いダイヤフラムポンプやドライポンプを使用せざるを得ない。しかし、ダイヤフラムポンプは、到達真空度が低いために、移送時間tをあまり短縮できない。また、ドライポンプは高価であり、設備コストが嵩んでしまう。
(2)また、ダイヤフラムポンプにおいては出口圧が脈動する。したがって、ダイヤフラムポンプの出口の直近に水素センサを配置すると、水素センサが脈動の影響を受ける。そのため、水素センサをダイヤフラムポンプから下流側にある程度離す必要があり、それだけ移送時間が長くなる。
(3)さらに、真空ポンプの種類に拘わらず、真空ポンプ内の昇圧後の内部容積の分だけ移送時間をロスしてしまう。
本発明は、上記事情に鑑み、被検体の内部等の第1室に水素等の検査成分を含むトレーサガスを導入し、かつチャンバ残空間等の第2室を減圧するとともに、第2室のガスを水素センサ等の検知手段まで移送して水素等の検査成分の検知を行なう漏れ試験において、減圧又は移送のために種々の真空ポンプを大きな支障無く用いることができ、漏れ試験の信頼性を確保したり、移送時間を短縮したりすることを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明方法は、検査成分を含むトレーサガスを用いて被検体を漏れ試験する漏れ試験方法において、
前記被検体を収容部に収容する収容工程と、
前記被検体の内部又は前記被検体及び前記収容部の間によって画成された第1室及び第2室のうち第1室に前記トレーサガスを導入するトレーサガス導入工程と、
前記第2室を減圧する減圧工程と、
前記検査成分を実質的に含まないキャリアガスを前記第2室に前記減圧状態を維持する流量で供給しながら、前記第2室から延びる圧縮路の内部に前記第2室からガス(以下「被検ガス」と称す)を引き込む移送工程と、
前記キャリアガスより高圧かつ大流量の圧縮ガスを前記移送工程後の第2室ひいては前記圧縮路に導入し、前記圧縮ガスによって前記被検ガスを前記圧縮路の下流側へ圧縮する圧縮工程と、
前記圧縮路に接続された検知手段によって前記圧縮された被検ガス中の前記検査成分を検知する検知工程と、
を備えたことを特徴とする。
上記の発明方法によれば、減圧下でキャリアガスを流しながら移送工程を行なうことによって移送を効率化して移送時間を短くできる。加えて、圧縮工程において、圧縮路の被検ガスを真空ポンプの圧縮力ではなく圧縮ガスの圧力によって圧縮して昇圧できる。したがって、昇圧した被検ガスを、真空ポンプを介さずに又は真空ポンプに導入される前に、検知手段に導入して検知工程を行なうことができる。したがって、例えば、減圧工程又は移送工程のための真空ポンプとして油回転ポンプを用いることで、その回転体のシール用の油に水素等の検査成分が溶け込んで残留したとしても、それによって検知手段の検知結果に影響が及ぶことはなく、漏れ試験の信頼性が損なわれることがない。そして、油回転ポンプを用いることで、減圧工程において第2室を高真空にでき、移送工程における移送時間を確実に短くできるとともに、設備コストを低減できる。また、上記真空ポンプとしてダイヤフラムポンプのような出口圧が脈動するポンプを用いたとしても、検知手段が上記脈動の影響を受けることはない。さらに、真空ポンプ内の昇圧後の内部容積の分だけ移送時間をロスすることもない。
前記圧縮路の流路断面積(又は内直径)の設定により、前記圧縮工程における前記圧縮路において、前記圧縮ガスと前記被検ガスとの混合を制限することが好ましい。前記圧縮路の流路断面積を小さく設定することにより、前記圧縮ガスと前記被検ガスとの接触面積を小さくでき、これら圧縮ガス及び被検ガスどうしが互いの接触面で拡散混合するのを制限できる。これによって、検査成分の濃度が低下するのを抑制でき、検査成分の検出感度を確保できる。
前記圧縮路の流路断面積が大き過ぎると、圧縮工程において圧縮ガスが被検ガスと混ざりやすくなる。
したがって、圧縮ガスと被検ガスの混合を抑制する観点からは、前記圧縮路の流路断面積はなるべく小さいことが好ましい。ただし、前記圧縮路の流路断面積が小さ過ぎると、移送工程に長時間を要するようになる。したがって、前記圧縮路の流路断面積は、前記圧縮ガス及び被検ガスどうしの接触混合を有効に制限でき、かつ移送工程の時間が過度に長くならない範囲で設定することが好ましい。
また、前記圧縮路の内面は滑らかであることが好ましい。これによって、圧縮路内のガスの流れを層流若しくはそれに近い流れにでき、圧縮路内で渦又は流れの乱れが起きるのを抑制又は防止でき、このような渦又は流れの乱れによって圧縮ガス及び被検ガスどうしが混合するのを制限できる。
さらに、前記圧縮路は、被検ガスを検知手段にて検知する際に必要なガス量を確保できる長さを有していることが好ましい。圧縮路の流路断面積を制限し、かつ検知に必要なガス量を確保するには、圧縮路を長くする必要があるが、上述したように、この圧縮路の内面を滑面とすることで、圧縮路が長くても圧縮ガス及び被検ガスどうしの混合が起きるのを抑制できる。
前記圧縮工程において、前記被検ガスを圧縮して前記圧縮路から前記検知手段へ延びる導入路に集め、前記検知工程において、前記圧縮した被検ガスを前記導入路から前記検知手段に供給することが好ましい。これによって、被検ガスを圧縮して検知手段の近くに集めたうえで検知手段に導入できる。
また、前記検査成分として水素を用い、前記検知手段として吸着酸素と水素との反応によって水素を検知する半導体ガスセンサを用い、前記検知工程の直前まで前記半導体ガスセンサに空気を供給することにすれば、吸着酸素量を安定させることができる。そして、前記検知工程の開始時に前記半導体ガスセンサに送るガスを空気から前記導入路からの被検ガスに直ちに切り替えることができる。これよって、半導体ガスセンサの出力を安定させることができる。
前記導入路の流路断面積(又は内直径)の設定によって、前記圧縮工程における前記導入路において、前記圧縮ガスと前記被検ガスとの混合を制限することが好ましい。前記導入路の流路断面積を小さく設定することにより、前記圧縮ガスと前記被検ガスとの接触面積を小さくでき、これら圧縮ガス及び被検ガスどうしが互いの接触面で拡散混合するのを制限できる。これによって、検査成分の濃度が低下するのを抑制でき、検査成分の検出感度を確保できる。
前記導入路の流路断面積が、前記圧縮路の流路断面積より小さいことが好ましい。
そうすることによって、導入路での被検ガスと圧縮ガスとの接触面積を、圧縮路での被検ガスと圧縮ガスとの接触面積よりも小さくできる。したがって、圧縮工程から検知工程までの間の、被検ガスを導入路内に一時的に蓄えている期間中に、導入路において、圧縮により高密度になった被検ガスと圧縮ガスとが、互いの接触面で拡散混合するのを確実に抑制することができる。これによって、被検ガス中の検査成分の濃度が低下するのを一層確実に抑制でき、検査成分の検出感度を確保できる。
前記圧縮工程において、前記圧縮ガスとしてほぼ大気圧の空気を前記第2室ひいては前記圧縮路に導入することが好ましい。
これによって、運転コストを低減できる。第2室を減圧しておくことによって、ほぼ大気圧の空気を前記圧縮ガスとして用いることができ、空気を高圧化する必要は無い。
ここで、「ほぼ大気圧」とは、例えば大気圧±5kPa程度の範囲を言う。
また、本発明装置は、検査成分を含むトレーサガスを用いて被検体を漏れ試験する漏れ試験装置において、
前記被検体を収容する収容部と、
前記被検体の内部又は前記被検体及び前記収容部の間によって画成された第1室及び第2室のうち第1室に前記トレーサガスを導入するトレーサガス導入手段と、
前記第2室を減圧する減圧手段と、
前記第2室から延びる圧縮路と、
前記検査成分を実質的に含まないキャリアガスを前記第2室に前記減圧状態を維持する流量で供給するキャリア供給手段と、
前記圧縮路に接続され、前記キャリアガスの供給と併行して、前記第2室からガス(以下「被検ガス」と称す)を前記圧縮路の内部に引き込む引込手段と、
前記被検ガスを前記圧縮路の下流側へ圧縮するための圧縮ガスを、前記キャリアガスより高圧かつ大流量で、前記引き込み後の第2室ひいては前記圧縮路に導入する圧縮ガス導入手段と、
前記引込手段を介さずに前記圧縮路と接続され、前記圧縮された被検ガス中の前記検査成分を検知する検知手段と、
を備えことを特徴とする。
上記の発明装置によれば、第2室を減圧手段によって減圧したうえで被検ガスを第2室から圧縮路へ移送できる。加えて、キャリア供給手段及び引込手段によって被検ガスをキャリアガスの流れに乗せて第2室から圧縮路へ移送できる。そして、圧縮路の被検ガスを圧縮ガスによって圧縮して昇圧できる。この昇圧した被検ガスを検知手段に導入して、検査成分の検知を行なうことができ、ひいては被検体の漏れ試験を行なうことができる。検知手段が引込手段を介さずに前記圧縮路と接続されているから、引込手段として種々の真空ポンプを採用できる。
例えば、上記真空ポンプとして油回転ポンプを用いることで、その回転体のシール用の油に水素等の検査成分が溶け込んで残留したとしても、漏れ試験の信頼性が損なわれるのを回避できる。また、減圧手段として上記油回転ポンプを兼用した場合、第2室を高真空にでき、キャリア供給手段及び引込手段による被検ガスの移送時間を確実に短くできる。さらに、油回転ポンプを用いることで、設備コストを低減できる。
また、上記真空ポンプとしてダイヤフラムポンプのような出口圧が脈動するポンプを用いたとしても、検知手段が上記脈動の影響を受けることはない。
さらに、真空ポンプ内の昇圧後の内部容積の分だけ移送時間をロスすることもない。
前記圧縮路が、前記圧縮された被検ガスの前記検知に要する所要体積を前記減圧時の値に換算した換算体積以上の容積を有していることが好ましい。
これによって、検知に必要な量の被検ガスを減圧状態で圧縮路に移送しておくことができる。したがって、検査成分の検知ひいては被検体の漏れ試験を確実に行なうことができる。
前記漏れ試験装置が、前記圧縮路から前記検知手段へ延びる導入路と、
前記導入路から前記検知手段を介さずに前記引込手段へ延びる導出路と、
前記圧縮路から、前記導入路及び前記導出路ならびに前記検知手段を介さずに前記引込手段へ延びる直通路と、
前記引き込み時に前記圧縮路を前記直通路と前記導入路及び導出路とを介して前記引込手段に連ね、前記圧縮時に前記直通路及び前記導出路を閉止し、前記検知時に前記導入路と前記検知手段とを連通させる流路制御手段と、
を更に備えていることが好ましい。
これによって、引き込み時には、引込手段にて被検ガスを圧縮路に引き込むとともに圧縮路から更に導入路へも引き込むことができる。圧縮時には、被検ガスが引込手段に流れないようにでき、ひいては圧縮ガスを確実に圧縮できる。そして、検知時には、被検ガスを導入路から検知手段へ導入できる。
なお、前記流路制御手段が、前記圧縮路を前記直通路を介して前記引込手段に連ね、それからある時間経過後に、前記圧縮路を前記導入路及び導出路を介して前記引込手段に連ねてもよい。
前記流路制御手段が、前記引き込みの終期において前記直通路を閉止し、この閉止時から遅延時間が経過した後、前記導出路を閉止することが好ましい。
これによって、被検ガスを導入路に確実に引き込むことができる。
前記検査成分が水素であり、前記検知手段が吸着酸素と水素との反応によって水素を検知する半導体ガスセンサであり、
さらに、前記半導体ガスセンサに空気を供給するセンサ用空気供給路を備え、
前記流路制御手段が、前記検知の直前まで前記センサ用空気供給路を前記半導体ガスセンサに連ね、前記検知開始時に前記センサ用空気供給路を前記半導体ガスセンサから遮断するとともに前記導入路を前記半導体ガスセンサに連ねることが好ましい。
これによって、前記検知の直前まで半導体ガスセンサに空気を供給でき、吸着酸素量を安定させることができる。そして、検知開始時に前記半導体ガスセンサに送るガスを空気から前記被検ガスに直ちに切り替えることができる。これよって、半導体ガスセンサの出力を安定させることができる。
前記圧縮路が、前記圧縮された被検ガスの前記検知に要する所要体積を前記減圧時の値に換算した換算体積以上の容積を有していることが好ましい。また、前記導入路が、前記所要体積以上の容積を有していることが好ましい。
これによって、引き込み時には、検知に必要な量の被検ガスを減圧状態で圧縮路に確実に収容できる。圧縮時には、上記必要量の被検ガスを圧縮して導入路に確実に収容できる。したがって、検知手段において、検査成分の検知を確実に行なうことができ、ひいては被検体の漏れ試験を確実に行なうことができる。
本発明によれば、漏れ試験において、減圧又は移送のために種々の真空ポンプを大きな支障無く用いることができ、漏れ試験の信頼性を確保するとともに、移送時間を短縮できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る漏れ試験装置を示す回路図である。 図2は、上記第1実施形態における漏れ試験方法のタイムチャートである。 図3は、本発明の第2実施形態を示し、圧縮路から下流側の回路の詳細構造の断面図である。 図4(a)は、図3における圧縮路と直通路との間の開閉弁の弁部分を、閉状態で示す拡大断面図である。図4(b)は、上記弁部分を、開状態で示す拡大断面図である。 図5は、本発明の第3実施形態に係る漏れ試験装置を示す回路図である。 図6は、本発明の実施例1の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1及び図2は、本発明の第1実施形態を示したものである。図1に示すように、漏れ試験装置1は、トレーサガスを用いて被検体9を漏れ試験するものであり、トレーサガス導入手段2と、真空ポンプ4(減圧手段、引込手段)と、チャンバ10(収容部)と、清浄空気供給部20と、センサユニット30とを備えている。被検体9としては、特に限定が無く、機械要素、電子部品、微小デバイス等、種々の分野の部品ないしは製品に適用できる。被検体9は、好ましくは内部空間を有している。この内部空間は、密封空間であってもよく、開口されていてもよい。チャンバ10の底面等によって、被検体9の上記開口を塞ぐことで上記内部空間を密封することにしてもよい。
チャンバ10の内部に被検体9が収容される。チャンバ10の内面と被検体9との間のチャンバ残空間及び被検体9の内部空間のうち何れか一方が「第1室11」を構成し、他方が「第2室12」を構成する。つまりは、被検体9の内部又はチャンバ10及び被検体9の間によって、第1室11及び第2室12が画成されている。ここでは、被検体9の内部空間が第1室11を構成し、チャンバ残空間が、第2室12を構成する。2つの室11,12は、それぞれ密封されている。好ましくは、チャンバ10の内面形状は、被検体9の外形状に倣っており、チャンバ10の内面と被検体9の外面との間の隙間の厚さが場所によらずほぼ一定になっている。
第1室11にトレーサガス導入手段2が接続されている。トレーサガス導入手段2は、トレーサガスのボンベを有している。このボンベからトレーサガスが第1室11に導入される。トレーサガスは、検査成分を含み、必要に応じ希釈成分を含む。検査成分としては、水素(H)が用いられている。希釈成分としては、通常、窒素(N)が用いられている。具体的には、トレーサガスは、窒素95体積%、水素5体積%の混合ガスにて構成されている。勿論、水素と窒素の混合比は上記に限られず、適宜変更してもよい。
清浄空気供給部20は、空気導入部20aと、供給路21〜23を有している。装置1の周辺の空気が、フィルタ等の空気清浄化手段(図示省略)によって清浄化されるとともに空気導入部20aに取り込まれる。空気導入部20aにおける清浄空気は大気圧である。清浄空気は、検査成分(水素)を実質的に含まない。「実質的に」とは、清浄空気中の水素濃度が完全に0である場合に限られず、漏れ試験に殆ど影響を与えない程度に0より大きい値であってもよいことを意味する。例えば、清浄空気が、大気中のバックグラウンドレベルの水素を含んでいてもよい。
空気導入部20aから3つの供給路21〜23が分岐して延びている。センサ用空気供給路21は、センサユニット30へ直接的に延びている。移送用供給路22は、チャンバ10へ延び、第2室12に連なっている。移送用供給路22には、流量調節絞り25が設けられている。移送用供給路22と流量調節絞り25とによって、キャリア供給手段26が構成されている。圧縮用供給路23は、チャンバ10へ延び、第2室12に連なっている。圧縮用供給路23には電磁開閉弁24が設けられている。圧縮用供給路23と開閉弁24とによって、圧縮ガス導入手段27が構成されている。2つの供給路22,23の下流端は、チャンバ10ひいては第2室12の互いに同じ側の端部(図1において左)に近接して配置されている。
チャンバ10の第2室12から圧縮路41が延びている。圧縮路41の上流端は、チャンバ10ひいては第2室12における供給路23,22とは反対側の端部(図1において右)に配置されている。つまり、第2室12の一端部に供給路23,22が接続されるとともに、第2室12の他端部に圧縮路41が接続されている。
圧縮路41は、1本の細長い樹脂チューブ又は金属管にて構成されている。圧縮路41の流路断面積A41(内直径)及び長さL41は、後述する大きさに設定されている。例えば、圧縮路41の内直径は、8mm〜20mm程度である。圧縮路41の流路断面積A41は、全長にわたって一様であるが、これに限られず、圧縮路41の下流側に向かうにしたがって流路断面積A41が漸次小さくなるようにしてもよい。さらに、圧縮路41の内面は滑らかになっていることが好ましい。圧縮路41の内面を滑面化処理してもよい。
圧縮路41の下流端は、開閉弁51に接続されている。開閉弁51から直通路44が延びている。この直通路44が、共通排気路49を介して真空ポンプ4に接続されている。したがって、開閉弁51を開くことで、第2室12が、圧縮路41、直通路44及び共通排気路49を順次介して真空ポンプ4と連なる。直通路44は、圧縮路41を、後記導入路42及び導出路43ならびにセンサユニット30を介さずに真空ポンプ4に連ねる。
真空ポンプ4は、上記第2室12内のガスを路41,44,49に引き込んで排出することにより、第2室12の内圧を所要真空圧PC1まで減圧する。真空ポンプ4は、第2室12を大気圧Pから所要真空圧PC1まで減圧できるポンプであれば種別は問わない。ここでは、真空ポンプ4として一般的な油回転ポンプ(ロータリーポンプ)が用いられている。油回転ポンプ(ロータリーポンプ)は、100Pa(abs)程度の高真空まで到達可能な減圧能力を有し、しかも比較的安価である。
圧縮路41の下流端(開閉弁51の直前部)から導入路42が分岐してセンサユニット30へ延びている。導入路42は、1本の細長い樹脂チューブ又は金属管にて構成されている。導入路42の流路断面積A42(内直径)及び長さL42は、後述する大きさに設定されている。好ましくは、導入路42の流路断面積A42は、圧縮路41の流路断面積A41よりも小さい(A42<A41)。例えば、導入路42の内直径は、1mm〜5mm程度である。さらに、導入路42の内面は滑らかになっていることが好ましい。導入路42の内面を滑面化処理してもよい。
導入路42の下流端に導出路43が連なっている。導出路43には電磁開閉弁52が設けられている。導出路43は、直通路44と合流している。この合流部から共通排気路49が延びて真空ポンプ4の入口ポートに接続されている。したがって、導出路43は、後記センサユニット30ひいては半導体ガスセンサ31を介さずに真空ポンプ4へ延びている。導出路43の流路断面積(内径)及び長さは、導入路42からのガスを共通排気路49ひいては真空ポンプ4に送ることができれば特に制約はない。好ましくは、導出路43の流路断面積A43(内径)は、導入路42の流路断面積A42(内径)と同程度かそれより大きく、導出路43の長さL43は、導入路42の長さL42より短い。
センサユニット30は、水素センサ31(検知手段)と、電磁弁53,54とを含む。これら要素31,53,54等がハウジング39に収容されることによってユニットになっている。ハウジング39には、3つの接続口30b〜30cが設けられている。接続口30aにセンサ用空気供給路21の下流端が接続されている。接続口30bには導入路42の下流端及び導出路43の上流端が接続されている。接続口30bを介して導入路42及び導出路43どうしが連なっている。
電磁弁53は、2つの入口ポートと1つの出口ポートを有する2位置3ポートの方向制御弁(三方弁)である。以下、電磁弁53を「三方弁53」と称す。接続口30a,30bからそれぞれ接続路32,33が延びている。これら接続路32,33が三方弁53の2つの入口ポートにそれぞれ接続されている。三方弁53の出口ポートからセンサ路36が延びている。センサ路36に水素センサ31が設けられている。したがって、三方弁53は、2つの接続路32,33の何れか1つを選択的にセンサ路36に連ねる。ひいては、センサ用空気供給路21と導入路42との何れか1つを選択的に水素センサ31に連ねる。ここでは、三方弁53が第1位置(ソレノイド・オフ)にあるとき、接続路32がセンサ路36と連通され、接続路33がセンサ路36と遮断される。これによって、センサ用空気供給路21が水素センサ31と連なるとともに、導入路42が水素センサ31と遮断される。一方、三方弁53が第2位置(ソレノイド・オン)にあるとき、接続路33がセンサ路36と連通され、接続路32がセンサ路36と遮断される。これによって、導入路42ひいては圧縮路41が水素センサ31と連なるとともに、センサ用空気供給路21が水素センサ31と遮断される。したがって、水素センサ31は、真空ポンプ4を介さずに圧縮路41と接続される。
水素センサ31は、半導体ガスセンサにて構成されている。以下、水素センサ31を適宜「半導体ガスセンサ31」と称す。半導体ガスセンサ31は、半導体を有し、この半導体表面には、センサ路36を通るガス中の酸素が吸着されている。更に上記ガスに水素が含まれていると、半導体表面上で吸着酸素と水素とが反応して酸素吸着量が減り、半導体の電気伝導度が変化する。ひいては、半導体ガスセンサ31の出力(電流又は電圧)が変化する。これによって、センサ路36を通るガス中の水素の有無又は水素流量を検知できる。
センサ路36における半導体ガスセンサ31の下流側(三方弁53とは反対側)には絞り34が設けられている。
また、接続路33からセンサ引込路37が分岐されている。好ましくは、上記分岐部(センサ引込路37の上流端)は、接続路33における三方弁53の直近に配置されている。センサ引込路37には電磁開閉弁54が介在されている。さらに、センサ引込路37における開閉弁54の下流側には、絞り35が設けられている。
上記開閉弁51〜54によって、流路制御手段50が構成されている。
センサ路36及びセンサ引込路37の下流端どうしは、互いに合流するとともに接続口30cに接続されている。接続口30cからセンサ排出路48が延びている。センサ排出路48は、共通排気路49を介して真空ポンプ4の入口ポートに接続されている。
上記の漏れ試験装置1によって被検体9を漏れ試験する方法を図2のタイムチャートにしたがって説明する。
<収容工程>
被検体9をチャンバ10に収容する(収容工程)。このとき、開閉弁24,51,52,54は共に閉じておく。三方弁53は第1位置(ソレノイド・オフ)にしておく。
<ゼロレベル化工程>
真空ポンプ4は常時作動させる。これによって、空気導入部20aからの大気圧の清浄空気が、センサ用空気供給路21、接続口30a、接続路32、三方弁53、及びセンサ路36の順に流れ、半導体ガスセンサ31へ導かれる。これによって、半導体ガスセンサ31の半導体表面に清浄空気中の酸素を飽和するまで十分に吸着させることができ、半導体ガスセンサ31の出力をゼロレベルに維持又は復帰させることができる(ゼロレベル化工程)。この結果、半導体ガスセンサ31の水素感知能力を十分に高めておくことができる。半導体ガスセンサ31を通過後の清浄空気は、絞り34、接続口30c、センサ排出路48、及び共通排気路49を順次経て、真空ポンプ4によって排出される。
なお、ゼロレベル化工程は、後述する検知工程の直前まで継続して実行される。
<トレーサガス導入工程>
被検体9をチャンバ10に収容した後、トレーサガス導入手段2から第1室11にトレーサガスを導入する(トレーサガス導入工程)。
<減圧工程>
また、開閉弁51を開く。これによって、第2室12が、圧縮路41、開閉弁51、直通路44、共通排気路49を順次介して真空ポンプ4と連通される。この真空ポンプ4によって、第2室12内のガスが上記経路41,51,44,49を経て排気される。これによって、第2室12の内圧が所要真空圧PC1まで減圧される(減圧工程)。このとき、真空ポンプ4は、第2室12を所要真空圧PC1まで減圧する減圧手段として機能する。開閉弁51の開時から第2室12が所要真空圧PC1に達するまでの減圧時間tは、第2室12の容積及び真空ポンプ4の排気能力に依存する。真空ポンプ4として油回転ポンプ(ロータリーポンプ)を用いることで排気能力を十分に大きくでき、減圧時間tを短縮できる。
第2室12の減圧によって、被検体9に密封不良があった場合には、第1室11に導入したトレーサガスが被検体9の不良箇所から第2室12へ漏れる。
<移送工程(引込工程)>
第2室12の内圧が所要真空圧PC1に達した後も継続して、真空ポンプ4によって第2室12内からガスを圧縮路41の内部に引き込む(移送工程)。これに伴なって、空気導入部20aからの清浄空気の一部が、キャリア供給手段26の移送用供給路22を経て第2室12内に流入する。この流入空気は「キャリアガス」を構成する。キャリアガスの流量QC1は、第2室12の減圧状態(真空圧PC1)が維持される大きさであり、流量調節絞り25によって調節できる。これによって、第2室12内には、移送用供給路22との接続端(図1において左)から圧縮路41との接続端(図1において右)へ向かう気流が形成される。被検体9からトレーサガスの漏れが有った場合、このトレーサガスが第2室12に入ってキャリアガスと混ざるとともに、上記気流に乗って圧縮路41内に移送される。移送用供給路22と圧縮路41とをチャンバ10における一端部と他端部に離して接続し、かつチャンバ10の内面形状を被検体9の外形状に倣わせることによって、キャリアガス(空気)が被検体9の表面上を一端側から他端側へスムーズに流れるようにでき、漏れたトレーサガスを空気の流れに確実に乗せることができる。これによって、第2室12内でガスの滞留が起きるのを防止できる。
移送工程におけるキャリア供給手段26及び真空ポンプ4は、キャリアガスを第2室12に供給しながら、圧縮路41に第2室12からガスを移送する移送手段として機能する。また、真空ポンプ4は、第2室12からガスを圧縮路41の内部に引き込む引込手段としても機能する。したがって、真空ポンプ4は、減圧手段と引込手段を兼ねている。移送工程において第2室12から圧縮路41に移送されるガスを「被検ガス」と称す。上述したように、被検ガスは、空気供給部20からの空気の他、被検体9から漏れたトレーサガスを含み得る。
上記減圧工程の開始(開閉弁51の開操作)とほぼ同時に又は前後して、開閉弁52を開く。したがって、圧縮路41が、直通路44を介してだけでなく、導入路42及び導出路43を介しても真空ポンプ4と連ねられる。これによって、被検ガスの一部が、圧縮路41から導入路42へ引き込まれる。
なお、開閉弁52の開タイミングは、第2室12が所要真空圧Pに達する前後(減圧工程の終期)であってもよく、移送工程の途中であってもよく、更には圧縮路41が被検ガスで満たされる前後(移送工程の終期)であってもよい。
<移送時間tC1
第2室12の内圧が所要真空圧PC1(Pa abs)に達した以降の移送時間(移送工程の時間)tC1は、式4によって求められる。
Figure 0006220286

ここで、VC1は、第2室12と圧縮路41の合計容積である。Pは、大気圧(101,325Pa abs)である。なお、実際の移送時間tC1は、式4による計算値から多少増減させてもよい。第2室12の減圧下で被検ガスの移送を行なうことによって、大気圧P下で移送を行なうよりも移送時間を短縮できる(式2参照)。
<移送工程の終期>
上記の移送時間tC1の設定によって、圧縮路41のほぼ全体が被検ガスによって置換されたタイミングで開閉弁51を閉じることで、移送工程を終了できる。これによって、直通路44が閉止され、圧縮路41から直通路44を通って排出されるガスの流れが停止される。
<遅延工程>
開閉弁51を閉じた以降も、開閉弁52は開状態をしばらく維持することで、導出路43を開通させておき、圧縮路41、導入路42、導出路43を順次経て真空ポンプ4へ向かうガスの流れを継続して形成する。これによって、被検ガスを圧縮路41から導入路42に確実に引き込むことができる(遅延工程)。ひいては、被検ガスをセンサユニット30の近傍まで到達させることができる。
開閉弁51を閉時(直通路44の閉止時)から所定の遅延時間tが経過した時、開閉弁52を閉じることで導出路43を閉止する。これによって、導入路42から導出路43を経て真空ポンプ4へ向かうガスの流れが停止される。好ましくは、遅延時間tは、開閉弁52の閉時に導入路42のほぼ全体が被検ガスによって置換されているように設定する。例えば、遅延時間tは、数秒〜10秒程度である。
<圧縮工程>
開閉弁52の閉操作とほぼ同時に開閉弁24を開き、圧縮用供給路23を開通する。これによって、ほぼ大気圧の清浄空気が、空気導入部20aから圧縮用供給路23を経て、第2室12に導入される(圧縮工程)。この清浄空気は、上記移送工程における清浄空気(キャリアガス)と比べて遙かに大流量であり、被検ガスに対する圧縮ガスとして作用する。以下、圧縮工程において第2室12に導入される清浄空気を適宜「圧縮ガス」と称す。清浄空気供給部20は、圧縮ガス導入手段として機能する。すなわち、清浄空気供給部20からの圧縮ガス(清浄空気)は、第2室12内の被検ガスを圧縮して圧縮路41へ押し出す。さらに、圧縮ガスは、圧縮路41に入り込むことで、圧縮路41内の被検ガスを圧縮路41の下流側へ向けて圧縮する。これによって、被検ガスが所要真空圧Pからほぼ大気圧Pまで昇圧される。被検ガスの体積は圧縮前のほぼ(P/P)分の1になる。
<圧縮路41の流路断面積A41
ここで、圧縮路41の流路断面積A41(内直径)を、圧縮工程の圧縮路41内において圧縮ガスと被検ガスとの混合が制限される大きさに設定しておく。つまりは、圧縮路41の内直径をなるべく小さくすることにより、圧縮路41内における圧縮ガスと被検ガスとの接触面積を小さくできる。したがって、これら圧縮ガス及び被検ガスどうしが、互いの接触面で拡散混合するのを制限できる。また、圧縮路41の内面を滑面にすることによって、圧縮路41内のガスの流れを層流若しくはそれに近い流れにすることができ、圧縮路41内で渦又は流れの乱れが起きるのを抑制又は防止できる。したがって、圧縮路41内において、圧縮ガス及び被検ガスどうしが、このような渦又は流れの乱れによって混合するのを制限できる。
<導入路42の流路断面積A42
さらに、圧縮ガスは、圧縮した被検ガスを圧縮路41から導入路42へ押し出しながら、自身も導入路42に入り込もうとする。圧縮された被検ガスは、導入路42に集められる。ここで、導入路42の流路断面積A42(内直径)を、圧縮工程の導入路42内において圧縮ガスと被検ガスとの混合が制限される大きさに設定しておく。つまりは、導入路42の内直径をなるべく小さくすることにより、導入路42内における圧縮ガスと被検ガスとの接触面積を小さくでき、導入路42内でこれら圧縮ガス及び被検ガスどうしが互いの接触面で拡散混合するのを制限できる。また、導入路42の内面を滑面にすることによって、導入路42内のガスの流れを層流若しくはそれに近い流れにすることができ、導入路42内で渦又は流れの乱れが起きるのを抑制又は防止できる。したがって、導入路42内において、圧縮ガス及び被検ガスどうしが、このような渦又は流れの乱れによって混合するのを制限できる。これによって、被検ガス中の検査成分の濃度が低下するのを確実に抑制できる。
導入路42は、検知時間のロスを防ぐため被検ガスをセンサユニット30の近くまで導く役割の他に、圧縮後の被検ガスを後記検知工程まで一時的に蓄える役割をも果たす。ここで、導入路42を圧縮路41よりも小径にすることで(A42<A41)、導入路42での被検ガスと圧縮ガスとの接触面積を、圧縮路41での被検ガスと圧縮ガスとの接触面積よりも小さくできる。したがって、上記被検ガスを導入路42内に一時的に蓄えている期間中に、導入路42において、圧縮により高密度になった被検ガスと圧縮ガスとが、互いの接触面で拡散混合するのを確実に抑制することができる。これによって、被検ガス中の検査成分の濃度が低下するのを一層確実に抑制できる。
<センサ引込工程>
次に、開閉弁54を開く。これによって、センサ引込路37が開通し、導入路42の被検ガスが接続路33に引き込まれる(センサ引込工程)。続いて、開閉弁54を閉じてセンサ引込路37を閉止する。開閉弁54を開いている時間(センサ引込時間)tは、十分短時間であり、例えば0.1秒以下〜1秒程度である。
<検知工程>
開閉弁54の閉操作(センサ引込路37の閉止)とほぼ同時に、三方弁53を第2位置(ソレノイド・オン)に切り替える。これによって、センサ用空気供給路21が半導体ガスセンサ31から遮断(ゼロレベル化工程の停止)されるとともに、導入路42が、接続口30b、接続路33、三方弁53、センサ路36を順次介して半導体ガスセンサ31に連なり、更に接続口30c、センサ排出路48を順次介して真空ポンプ4に連なる。これによって、導入路42の被検ガスが半導体ガスセンサ31に供給され、被検ガス中の水素濃度を半導体ガスセンサ31によって検知できる。上述したように、圧縮工程において、圧縮路41及び導入路42内での圧縮ガスと被検ガスとの混合を制限することによって、被検ガス中の検査成分の濃度が低下するのを抑制できるから、検査成分の検知感度を十分に確保できる。この検知結果に応じて、被検体9からの漏れを判定でき、被検体9の良否判定を行なうことができる。
検知工程の直前まで、センサ用空気供給路21からの空気を半導体ガスセンサ31に継続して当てることによって、半導体ガスセンサ31の酸素吸着量を十分に大きくかつ安定させておくことができ、ひいては検知工程における半導体ガスセンサ31の出力を安定させることができる。
<圧縮路41の容積V41
ここで、半導体ガスセンサ31が水素検知を行なうのに必要な被検ガスの大気圧Pにおける所要体積をV31とすると、圧縮路41の容積V41が、上記所要体積V31を所要真空圧Pでの体積(上記減圧時の値)に換算した換算体積V31’以上になるように設定しておく(式5)。
Figure 0006220286

言い換えると、圧縮路41の流路断面積A41及び長さL41を、A41×L41=V41≧V31’となるように設定しておく。これによって、上記移送工程において、所要真空圧Pの被検ガスを体積V31’以上、圧縮路41に引き込んで収容しておくことができる。圧縮路41の流路断面積A41を制限し、かつ検知に必要なガス量に対応する体積V31’を確保するには、圧縮路41の長さL41を長くする必要があるが、圧縮路41の内面を滑面にしておくことで、圧縮路41が長くても、圧縮路41内において圧縮ガス及び被検ガスどうしの混合が起きるのを抑制でき、ひいては検知感度を良好に維持できる。
<導入路42の容積V42
また、導入路42の容積V42は、上記所要体積V31以上になるように設定しておく(V42≧V31)。つまり、導入路42の流路断面積A42及び長さL42を、A42×L42=V42≧V31となるように設定しておく。これによって、圧縮工程において、導入路42にほぼ大気圧の被検ガスを所要体積V31以上収容することができる。これによって、検知工程において、所要体積V31以上の被検ガスを半導体ガスセンサ31に確実に供給でき、水素検知を確実に行なうことができる。導入路42の流路断面積A42制限し、かつ検知に必要なガス量に対応する体積V31を確保するには、導入路42の長さL42を長くする必要があるが、導入路42の内面を滑面にしておくことで、導入路42が長くても、導入路42内において圧縮ガス及び被検ガスどうしの混合が起きるのを抑制でき、ひいては検知感度を良好に維持できる。
半導体ガスセンサ31から出た被検ガスは、その後、絞り34、接続口30c、センサ排出路48、及び共通排気路29を順次経て、真空ポンプ4に導入されて排出される。
すなわち、被検ガスは、真空ポンプ4に導入される前に、半導体ガスセンサ31において水素検知される。したがって、例えば、真空ポンプ4として油回転ポンプを用いることで、被検ガス中の水素が真空ポンプ4の回転体のシール用の油に溶け込んで残留したとしも、それによって半導体ガスセンサ31の検知結果に影響が及ぶことはなく、漏れ試験の信頼性が損なわれることがない。そして、真空ポンプ4として油回転ポンプを用いることで、減圧工程において第2室12を高真空にでき、移送工程における移送時間tC1を確実に短縮できる。また、真空ポンプ4は比較的安価であるから、設備コストを低減できる。
また、半導体ガスセンサ31が真空ポンプ4の上流側に配置されているから、真空ポンプ4としてダイヤフラムポンプのような出口で脈動を起こすポンプを用いたとしても、半導体ガスセンサ31が上記脈動の影響を受けることはない。
さらに、真空ポンプ4内の昇圧後の内部容積が移送時間tC1に影響することもなく、上記内部容積によって移送時間のロスが生じることはない。
よって、漏れ試験装置1によれば、真空ポンプ4(減圧手段又は引込手段)として種々の種類のポンプを採用することができる。
<検知工程の終了>
図2に示すように、三方弁53を第2位置(ソレノイド・オン)にしておく時間(検知時間)tは、その時間t内に所要体積V31の被検ガスを半導体ガスセンサ31に供給しきれるように設定する。例えば、検知時間tは、数秒〜数十秒である。上記検知時間tの経過後、三方弁53を第2位置から第1位置(ソレノイド・オフ)に切り替える。これによって、検知工程が終了し、接続路33ひいては導入路42がセンサ路36から遮断されるとともに、接続路32ひいてはセンサ用空気供給路21がセンサ路36と連通される。したがって、空気導入部20aからの清浄空気が、半導体ガスセンサ31へ供給され、ゼロレベル化工程が再開される。これによって、半導体ガスセンサ31の吸着酸素量を飽和値まで戻すことで、水素感知能力を十分に高めておくことができる。
なお、圧縮ガス導入手段27の開閉弁24は、上記圧縮工程の開始以降、検知工程まで開いておく。したがって、圧縮工程〜検知工程におけるガス経路23,12,41,42,33,36,31,34,48,49は、ほぼ大気圧になっている。検知工程の終了時に開閉弁24を閉じる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を省略する。
図3及び図4は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態は、開閉弁51及び路41〜44等の接続構造の具体形態に係る。図3に示すように、開閉弁51には接続ブロック60が固定されている。接続ブロック60には、導入接続路61と、導出接続路62とが形成されている。導入接続路61の上流端が、接続ブロック60の一側面(図3において上面)に達して圧縮路41と接続されている。導出接続路62の下流端は、接続ブロック60の他側面(図3において下面)に達して直通路44と接続され、ひいては直通路44を介して真空ポンプ4に接続されている。
開閉弁51は、ボディ70と、弁体71と、弁座部材72と、弁駆動機構73とを含む。ボディ70は、筒状になっている。ボディ70の内部に弁体71が収容されている。図4に示すように、弁体71は、弁駆動機構73によって閉位置(図4(a))と開位置(図4(b))との間でボディ70の軸線に沿って変位される。
図3に示すように、ボディ70内における弁体71より接続ブロック60側(図3において下側)の部分に弁座部材72が収容されている。弁座部材72は、ボディ70と同軸の円筒状になっている。弁座部材72の中心孔が弁孔72aを構成している。また、弁座部材72には、弁孔72aと平行に連通孔72bが形成されている。これら弁孔72a及び連通孔72bの両端部(図3において上下端部)が、弁座部材72の軸方向の両端面に開口されている。弁孔72aにおける弁体71側(図3において上側)の端部の開口が、開閉弁51の開閉ポート72pを構成している。弁孔72aにおける接続ブロック60側(図3において下側)の端部は、導入接続路61と連なっている。したがって、導入接続路61を介して、圧縮路41と弁孔72aとが接続されている。また、連通孔72bにおける接続ブロック60側(図3において下側)の端部が、導出接続路62と連なっている。したがって、導出接続路62を介して、連通孔72bと直通路44とが接続されている。
図4(a)及び図3に示すように、弁体71が閉位置のとき、該弁体71が弁座部材72に着座して、開閉ポート72pを塞ぐ。これによって、開閉弁51が閉じられ、導入接続路61と導出接続路62とが遮断される。ひいては圧縮路41と直通路44とが遮断される。
図4(b)に示すように、弁体71が開位置のとき、該弁体71が弁座部材72から離座し、開閉ポート72pを開通させる。これによって、開閉弁51が開き、圧縮路41が、導入接続路61、弁孔72a、開閉ポート72p、連通孔72b、導出接続路62を順次介して直通路44と連通される。
図3に示すように、導入接続路61における開閉弁51側(図3において右側)の部分の内部に連通管63が設けられている。連通管63の一端部(図3において上端部)は、導入接続路61から突出して弁孔72a内に挿入されている。図4に示すように、この連通管63の突出端は、開閉ポート72pより僅かに弁孔72a内に引っ込んでいる。したがって、弁体71が開位置であるか閉位置であるかに拘わらず、連通管63の上記突出端が常時開口され、弁孔72aと連通管63の内部とが常時連なっている。連通管63の他端部(図3において下端部)は、導入路42に連なっている。よって、圧縮路41と導入路42とは、導入接続路61、弁孔72a及び連通管63を介して常時連通している。
第2実施形態によれば、移送工程では、弁体71を開位置(図4(b))にすることで、開閉ポート72pを開く。これによって、圧縮路41のガスが、導入接続路61及び弁孔72aを経て、一部のガスは開閉ポート72pを通り、連通孔72b、導出接続路62、直通路44の順に流れ、真空ポンプ4へ送られて排気される。これによって、被検ガスが圧縮路41に引き込まれる。また、残りのガスは、連通管63、導入路42、導出路43の順に流れて真空ポンプ4から排出される。これによって、被検ガスを圧縮路41から導入路42に引き込むことができる。
圧縮工程においては、弁体71を閉位置(図4(a))にすることで、開閉ポート72pを閉じる。そして、圧縮路41内に圧縮ガス(ほぼ大気圧の清浄空気)が導入されることによって、被検ガスが圧縮路41の下流側へ向けて圧縮される。この圧縮された被検ガスが、導入接続路61及び弁孔72aを経て、開閉ポート72pの近傍において連通管63に入り込む。開閉ポート72pと連通管63とが近接しているため、被検ガスを開閉ポート72pの周辺部に滞留させることなく連通管63に流入させることができる。この結果、被検ガスを、圧縮路41から殆どロス無く導入路42に送り込むことができる。
図5は、本発明の第3実施形態を示したものである。第3実施形態では、第2室12から圧縮路41とは別に減圧路45が延びている。減圧路45は、圧縮路41よりも十分に大きなコンダクタンスを有している。減圧路45の上流端は、チャンバ10における圧縮路41の上流端の近くに配置されているが、特にこれに限定されるものではない。減圧路45の下流端は、共通排気路49を介して、真空ポンプ4の入口ポートに接続されている。減圧路45に電磁開閉弁55が設けられている。開閉弁55の開時の開度は、十分に大きい。開閉弁55は、流路制御手段50の要素を構成する。
第3実施形態においては、減圧工程において開閉弁55を開き、減圧路45を開通させる。これによって、第2室12のガスを減圧路45を通して排気できる。減圧路45は圧縮路41よりもコンダクタンスが大きいから、圧縮路41を通して減圧するよりも排気速度を高めることができ、減圧時間tを短縮できる。第2室12の内圧が所要真空圧Pに達したときは、開閉弁55を閉じることで、減圧路45を閉止する。これによって、減圧工程が停止される。
開閉弁55の閉操作とほぼ同時に開閉弁51,52を開くことで、圧縮路41と直通路44を連通するとともに導出路43を開通させる。これによって、第2室12から被検ガスが圧縮路41へ移送される(移送工程)。
なお、開閉弁51,52を開くタイミング(移送工程の開始時)は、開閉弁55の開時(減圧工程の開始時)とほぼ同時であってもよく、開閉弁55を閉じる前(減圧工程の途中)であってもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、漏れ試験装置1の回路構成は適宜変更可能である。
圧縮路41の流路断面積(内直径)及び長さは、圧縮ガスの供給流量、半導体ガスセンサ31による検知のための所要体積等によって好適な数値範囲が変わり得る。
また、導入路42の流路断面積(内直径)及び長さは、圧縮ガスの導入流量、半導体ガスセンサ31による検知のための所要体積等によって好適な数値範囲が変わり得る。
圧縮路41が、金属等のブロック内に形成した通路によって構成されていてもよい。導入路42が、金属等のブロック内に形成した通路によって構成されていてもよい。
チャンバ残空間が第1室を構成し、被検体9の内部空間が第2室を構成していてもよい。チャンバ残空間にトレーサガスを導入し、被検体9の内部空間のガスを被検ガスとして圧縮路41に移送してもよい。
移送工程で被検ガスが導入路42に十分引き込まれる場合は、遅延工程を省略してもよい。
減圧手段としての真空ポンプと、引込手段としての真空ポンプとが互いに別の真空ポンプであってもよい。第3実施形態において、引込用真空ポンプ4とは別の減圧用真空ポンプを減圧路45に接続してもよい。
トレーサガスの検査成分として、水素に代えてヘリウム(He)等を用いてもよい。また、希釈成分として空気を用いてもよい。検査成分によっては希釈成分を省略してもよい。検知手段は、検査成分に応じて選択される。
被検ガスの圧縮手段として、圧縮ガスに代えて、シリンダ及びピストン等の物理的圧縮手段(真空ポンプを除く)を用いてもよい。例えば、チャンバ10とセンサユニット30との間に圧縮管41に代えてシリンダを設け、第2室12からの低圧PC1の被検ガスをシリンダ内に導き、ピストンによってほぼ大気圧Pまで物理的に圧縮することにしてもよい。
実施例を説明する。ただし、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
第1実施形態(図1)の漏れ試験装置1と実質的に同一回路の漏れ試験装置を用いた。この漏れ試験装置の開閉弁51及び各路41〜44,48ならびにセンサユニット30の接続構造は、第2実施形態(図3〜図4)と同様であった。
装置の各要素の仕様及び実験条件等は以下の通り。
第2室12の容積 1000 mL
所要真空圧PC1 270 Pa abs
大気圧との比(PC1/P) 1/375
圧縮路41
材質及び構造 ナイロンチューブ
容積V41 1360 mL
内直径 12 mm
長さ 12 m
構成
導入路42
材質及び構造 ナイロンチューブ
容積V42 3.4 mL
内径 2.5mm
長さ 700 mm
キャリアガス(清浄空気)流量QC1 10 mL/min (at 1atm)
トレーサガス
組成 H 5% N 95%
疑似漏れ流量 約4.59×10-6 Pa・m3/sec
減圧時間t 15 sec(実測により決定)
移送時間tC1 38 sec(式4から計算)
遅延時間t 10 sec
圧縮時間t 15 sec(実測により決定)
センサ引込時間t 1 sec
検知時間t 30 sec
センサ31における被検ガス所要量
所要流量 20 mL/min(at 1atm)
所要時間 10 sec
所要体積V31 3.3 mL(at 1atm)
換算体積V31’(圧縮路41の必要容積) 1237 mL
なお、センサ31における被検ガスの測定に要する所要時間が10secであるのに対し、検知時間tを30secとしたのは、被検ガスの濃度減衰を実験で確認するためである。
実験は、疑似漏れを起こした場合と起こさない場合とで複数回行った。
実験の結果を図6に示す。
同図から明らかな通り、疑似漏れを起こした場合は検知工程においてセンサ出力(電圧)が明瞭に変化した。このセンサ出力は、上記の疑似漏れ流量に対する計算値(電圧)に比べ約40%ではあったが、本発明によって漏れを検知できることが確認された。
さらに、上記漏れ試験装置において、開閉弁24,51等の開口径を大きくするとともに、遅延時間tを3〜5secに短縮し、圧縮時間tを5〜8secに短縮する等の改良をしたところ、センサ出力を計算値の約70%にまで改善できた。
したがって、回路構成や工程時間を適宜設定することにより、感度をより改善できると考えられる。
本発明は、例えば電子部品や自動車部品などの工業製品を良否判定するための漏れ試験技術に適用可能である。
1 漏れ試験装置
2 トレーサガス導入手段
4 真空ポンプ(減圧手段、引込手段)
9 被検体
10 チャンバ(収容部)
11 第1室
12 第2室
26 キャリア供給手段
27 圧縮ガス導入手段
31 半導体ガスセンサ(検知手段)
42 導入路
43 導出路
44 直通路
50 流路制御手段

Claims (12)

  1. 検査成分を含むトレーサガスを用いて被検体を漏れ試験する漏れ試験方法において、
    前記被検体を収容部に収容する収容工程と、
    前記被検体の内部又は前記被検体及び前記収容部の間によって画成された第1室及び第2室のうち第1室に前記トレーサガスを導入するトレーサガス導入工程と、
    前記第2室を減圧する減圧工程と、
    前記検査成分を実質的に含まないキャリアガスを前記第2室に前記減圧状態を維持する流量で供給しながら、前記第2室から延びる圧縮路の内部に前記第2室からガス(以下「被検ガス」と称す)を引き込む移送工程と、
    前記キャリアガスより高圧かつ大流量の圧縮ガスを前記移送工程後の第2室ひいては前記圧縮路に導入し、前記圧縮ガスによって前記被検ガスを前記圧縮路の下流側へ圧縮する圧縮工程と、
    前記圧縮路に接続された検知手段によって前記圧縮された被検ガス中の前記検査成分を検知する検知工程と、
    を備えたことを特徴とする漏れ試験方法。
  2. 前記圧縮路の流路断面積の設定によって、前記圧縮工程における前記圧縮路において、前記圧縮ガスと前記被検ガスとの混合を制限することを特徴とする請求項1に記載の漏れ試験方法。
  3. 前記圧縮工程において、前記被検ガスを圧縮して前記圧縮路から前記検知手段へ延びる導入路に集め、
    前記検知工程において、前記圧縮した被検ガスを前記導入路から前記検知手段に供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の漏れ試験方法。
  4. 前記導入路の流路断面積の設定によって、前記圧縮工程における前記導入路において、前記圧縮ガスと前記被検ガスとの混合を制限することを特徴とする請求項3に記載の漏れ試験方法。
  5. 前記圧縮工程において、前記圧縮ガスとしてほぼ大気圧の空気を前記第2室ひいては前記圧縮路に導入することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の漏れ試験方法。
  6. 検査成分を含むトレーサガスを用いて被検体を漏れ試験する漏れ試験装置において、
    前記被検体を収容する収容部と、
    前記被検体の内部又は前記被検体及び前記収容部の間によって画成された第1室及び第2室のうち第1室に前記トレーサガスを導入するトレーサガス導入手段と、
    前記第2室を減圧する減圧手段と、
    前記第2室から延びる圧縮路と、
    前記検査成分を実質的に含まないキャリアガスを前記第2室に前記減圧状態を維持する流量で供給するキャリア供給手段と、
    前記圧縮路に接続され、前記キャリアガスの供給と併行して、前記第2室からガス(以下「被検ガス」と称す)を前記圧縮路の内部に引き込む引込手段と、
    前記被検ガスを前記圧縮路の下流側へ圧縮するための圧縮ガスを、前記キャリアガスより高圧かつ大流量で、前記引き込み後の第2室ひいては前記圧縮路に導入する圧縮ガス導入手段と、
    前記引込手段を介さずに前記圧縮路と接続され、前記圧縮された被検ガス中の前記検査成分を検知する検知手段と、
    を備えたことを特徴とする漏れ試験装置。
  7. 前記圧縮路が、前記圧縮された被検ガスの前記検知に要する所要体積を前記減圧時の値に換算した換算体積以上の容積を有していることを特徴とする請求項6に記載の漏れ試験装置。
  8. 前記圧縮路から前記検知手段へ延びる導入路と、
    前記導入路から前記検知手段を介さずに前記引込手段へ延びる導出路と、
    前記圧縮路から、前記導入路及び前記導出路ならびに前記検知手段を介さずに前記引込手段へ延びる直通路と、
    前記引き込み時に前記圧縮路を前記直通路と前記導入路及び導出路とを介して前記引込手段に連ね、前記圧縮時に前記直通路及び前記導出路を閉止し、前記検知時に前記導入路と前記検知手段とを連通させる流路制御手段と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載の漏れ試験装置。
  9. 前記流路制御手段が、前記引き込みの終期において前記直通路を閉止し、この閉止時から遅延時間が経過した後、前記導出路を閉止することを特徴とする請求項8に記載の漏れ試験装置。
  10. 前記検査成分が水素であり、前記検知手段が吸着酸素と水素との反応によって水素を検知する半導体ガスセンサであり、
    さらに、前記半導体ガスセンサに空気を供給するセンサ用空気供給路を備え、
    前記流路制御手段が、前記検知の直前まで前記センサ用空気供給路を前記半導体ガスセンサに連ね、前記検知開始時に前記センサ用空気供給路を前記半導体ガスセンサから遮断するとともに前記導入路を前記半導体ガスセンサに連ねることを特徴とする請求項8又は9に記載の漏れ試験装置。
  11. 前記導入路の流路断面積が、前記圧縮路の流路断面積より小さいことを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の漏れ試験装置。
  12. 前記圧縮路が、前記圧縮された被検ガスの前記検知に要する所要体積を前記減圧時の値に換算した換算体積以上の容積を有し、かつ前記導入路が、前記所要体積以上の容積を有していることを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の漏れ試験装置。
JP2014036218A 2014-02-27 2014-02-27 漏れ試験方法及び装置 Active JP6220286B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014036218A JP6220286B2 (ja) 2014-02-27 2014-02-27 漏れ試験方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014036218A JP6220286B2 (ja) 2014-02-27 2014-02-27 漏れ試験方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015161555A JP2015161555A (ja) 2015-09-07
JP6220286B2 true JP6220286B2 (ja) 2017-10-25

Family

ID=54184740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014036218A Active JP6220286B2 (ja) 2014-02-27 2014-02-27 漏れ試験方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6220286B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109752139A (zh) * 2018-12-14 2019-05-14 兰州空间技术物理研究所 一种氮氢混合气体真空漏孔校准装置及方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114354078B (zh) * 2021-11-25 2023-10-20 中国核电工程有限公司 一种核电站重要可居留区密封性测试与评价方法
DE102022129858A1 (de) 2022-11-11 2024-05-16 Inficon Gmbh Trägergas-Lecksuchsystem und Trägergas-Lecksuchverfahren zur Leckagedetektion an einem Prüfling

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59180340A (ja) * 1983-03-31 1984-10-13 Toshiba Corp 漏洩試験装置
JPH10300626A (ja) * 1997-04-25 1998-11-13 Gas Mitsukusu Kogyo Kk リーク検査方法及びその装置
JP4605927B2 (ja) * 2001-03-16 2011-01-05 ヤマハファインテック株式会社 漏洩試験装置
JP2003083837A (ja) * 2001-09-11 2003-03-19 Toyota Motor Corp 漏洩試験方法
JP4374241B2 (ja) * 2003-12-05 2009-12-02 アディクセン スカンディナビア エービー 対象物の密封性を測定するためのシステム及び方法
US7905132B1 (en) * 2007-08-14 2011-03-15 LACO Technologies, Inc. Leak testing using tracer gas permeable membrane
JP2009236747A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Sumitomo Heavy Ind Ltd リークテスト方法及びリークテスト装置
JP2011179975A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Ts:Kk 漏れ検査装置及び漏れ検査方法
JP5858472B2 (ja) * 2012-04-09 2016-02-10 フィガロ技研株式会社 ガス検出装置とガス検出方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109752139A (zh) * 2018-12-14 2019-05-14 兰州空间技术物理研究所 一种氮氢混合气体真空漏孔校准装置及方法
CN109752139B (zh) * 2018-12-14 2020-08-18 兰州空间技术物理研究所 一种氮氢混合气体真空漏孔校准装置及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015161555A (ja) 2015-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6099617B2 (ja) 気密性を検査するための方法及び装置
JP6220286B2 (ja) 漏れ試験方法及び装置
CN107850508B (zh) 用于检验密封产品的密闭度的方法和用于检测泄漏的设备
US11846566B2 (en) System and method for detecting a possible loss of integrity of a flexible bag for biopharmaceutical product
JP2011179975A (ja) 漏れ検査装置及び漏れ検査方法
JP6018632B2 (ja) 漏れ検出装置及び漏れ検出装置を用いて気密性に関して物体を検査するための方法
JP2008209220A (ja) 漏れ検査方法及び装置
JP2022539069A (ja) バイオ医薬製品用可撓性バッグの完全性の可能な喪失を検出するためのシステムおよび方法
JP2007271558A (ja) 漏れ検査装置
JP2012047651A (ja) リーク検出装置
JP4665004B2 (ja) 漏れ検査装置および漏れ検査方法
JP4374241B2 (ja) 対象物の密封性を測定するためのシステム及び方法
JP3151843U (ja) ガス導入装置
JP2015040836A (ja) 水素リークテスト方法及び装置
US20210396622A1 (en) Apparatus and method for automatic leak detection
CN106568674B (zh) 流体测试装置及测试加压流体溶解和/或夹带气体的方法
JP2004085254A (ja) 洩れ検査方法及び装置
CN107907672A (zh) 一种流路系统
JPH09196797A (ja) 漏洩検査装置
JP2024033484A (ja) 漏れ試験方法及び装置
JP2005315784A (ja) リーク検出方法及びその検出装置
JP2010060542A (ja) 気密部品の欠陥検査方法および装置
JP2007147559A (ja) リーク検査方法およびリーク検査装置
JP2011069834A (ja) ヘリウムリークデテクタ
JPH1048087A (ja) ヘリウムリークディテクタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170911

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6220286

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250