JP6106541B2 - リークチェック方法及び処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リークチェック方法及び処理装置に関する。
装置を真空引きした後は、リークチェックが行われる。リークチェックの一例としては、(1)圧力計により真空到達度を確認する手法と、(2)排気バルブを閉じ、装置内を封じ切り状態にすることにより生じる装置内の圧力上昇からリークレートを計算するビルドアップ法が挙げられる。エッチング装置等の処理装置のリークの有無の判断には、主に(2)のビルドアップ法が用いられる。
このビルドアップ法は、簡単な方法でリーク量を計測できる。しかし、ビルドアップ法で算出される圧力上昇には、「外部からのリークガス」によるものと「装置の内壁から放出されるアウトガス」によるものが含まれる。したがって、ビルドアップ法では、封じ切り状態にした後の装置内の圧力上昇から算出されるリークレートには、計測対象である外部からのリークガスだけでなく、計測対象でない装置の構成部材から放出されるアウトガスも含まれる。
このアウトガスは、真空装置内の真空引きを開始した直後に多く発生し、時間の経過とともに減少する。アウトガスの影響が少なくなるのは、真空引きを開始してから短くても数時間経過後であり、長いときには数日を要する場合もある。そのため、通常、真空引きを開始してから約数時間〜1日以上真空引きを行い、その後に圧力上昇を計測し、その圧力上昇値からリークレートを算出する。これにより、リークレートに生じるアウトガスの影響を抑制することができる。
しかし、新規な真空装置の立ち上げや真空装置を長時間大気に開放した後等には、装置の内壁から放出されるアウトガスが多く発生し、ビルドアップ法によりリークチェックを行うために要する時間が長くなる。
そこで、リークチェックに要する時間を短くする方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1では、真空引きを停止してから約1〜2時間経過後に圧力計で計測された真空装置の全圧力から水分モニタで計測された水の分圧を除いた後の圧力に基づき、リークレートを算出する。これにより、リークチェックに要する時間を短くするとともに、リークレートからアウトガスの一要因である水分HOの影響を除くことでリークレートの精度を高めることができる。
特開2012−64819号公報
しかしながら、特許文献1のリークチェック方法によっても、リークチェック前に行う真空引きに1〜2時間程度の時間が費やされる。その後のリークチェックの結果、装置のリークが確認されると、更にリーク要因の確認等に時間が費やされ、時間のロスが大きくなる。これに対して、従来よりも短い時間で真空引きを完了し、リークチェックを行うことができれば、リークチェックまでの無駄な待ち時間やリークチェックの結果に対する対応までの時間のロスを少なくでき、スループットを向上させ、処理装置にて製造される製品の生産性を高めることができる。
上記課題に対して、一側面では、リークチェックに要する時間を短縮しながら、精度の高いリークチェックを行うことが可能な、リークチェック方法及び処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、一の態様によれば、処理容器の内部を排気するステップと、前記排気するステップを終了した後、前記処理容器の内部に窒素N及び酸素Oを供給するステップと、前記窒素N及び酸素Oを供給するステップを終了した後、前記処理容器の内部の全圧力及び水分圧を計測するステップと、前記計測された全圧力から前記水分圧を除いた値に基づき、前記処理容器のリークレートを検査するステップと、を含み、前記窒素N及び酸素Oを供給するステップは、窒素N のアウトガス平衡圧力に到達するまで窒素N を供給するステップと、酸素O のアウトガス平衡圧力に到達するまで酸素O を供給するステップと、を含み、前記リークレートを検査するステップは、前記窒素N のアウトガス平衡圧力に到達するまで窒素N を供給し、かつ、前記酸素O のアウトガス平衡圧力に到達するまで酸素O を供給した後、所定時間の前記全圧力から水分圧を除いた値の単位時間当たりの圧力上昇値から前記リークレートを検査する、ことを特徴とするリークチェック方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、他の態様によれば、処理容器の内部を排気するステップと、前記排気するステップを終了した後、前記処理容器の内部に水分HO、窒素N及び酸素Oを供給するステップと、前記水分HO、窒素N及び酸素Oを供給するステップを終了した後、前記処理容器の内部の全圧力を計測するステップと、前記計測された全圧力に基づき、前記処理容器のリークレートを検査するステップと、を含み、前記水分H O、窒素N 及び酸素O を供給するステップは、水分H Oのアウトガス平衡圧力に到達するまで水分H Oを供給するステップと、窒素N のアウトガス平衡圧力に到達するまで窒素N を供給するステップと、酸素O のアウトガス平衡圧力に到達するまで酸素O を供給するステップと、を含み、前記リークレートを検査するステップは、前記水分H Oのアウトガス平衡圧力に到達するまで水分H Oを供給し、かつ、前記窒素N のアウトガス平衡圧力に到達するまで窒素N を供給し、かつ、前記酸素O のアウトガス平衡圧力に到達するまで酸素O を供給した後、所定時間の前記全圧力の単位時間当たりの圧力上昇値から前記リークレートを検査する、ことを特徴とするリークチェック方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、他の態様によれば、処理容器の内部を排気する排気装置と、前記排気を終了した後、前記処理容器の内部に窒素N及び酸素Oを供給するガス供給源と、前記排気を終了した後、前記処理容器の内部に水分HOを供給する水導入機構と、前記水分HO、窒素N及び酸素Oの供給を終了した後、前記処理容器の内部の全圧力を計測する圧力計と、前記計測された全圧力に基づき、前記処理容器のリークレートを検査する制御部と、を有し、前記水導入機構は、水分H Oのアウトガス平衡圧力に到達するまで水分H Oを供給し、前記ガス供給源は、窒素N のアウトガス平衡圧力に到達するまで窒素N を供給し、酸素O のアウトガス平衡圧力に到達するまで酸素O を供給し、前記制御部は、前記水分H Oのアウトガス平衡圧力に到達するまで水分H Oを供給し、かつ、前記窒素N のアウトガス平衡圧力に到達するまで窒素N を供給し、かつ、前記酸素O のアウトガス平衡圧力に到達するまで酸素O を供給した後、所定時間の前記全圧力の単位時間当たりの圧力上昇値から前記リークレートを検査する、ことを特徴とする処理装置が提供される。
一の態様によれば、リークチェックに要する時間を短縮しながら、精度の高いリークチェックを行うことができる。
第1実施形態に係る処理装置の概略を示した縦断面図。 第1実施形態に係るリークチェック方法を実行した結果を示す図。 真空装置内のガスの吸着及び脱離の一実施形態を説明するための図。 第2実施形態に係る処理装置の概略を示した縦断面図。 第2実施形態に係るリークチェック方法を説明するための図。 大気開放時の窒素Nのアウトガスの挙動を示した図。 時間経過((a)は装置の封じ切り初期、(b)は封じ切り後期)に伴うガス成分比の推移の一実施形態を示した図。 第3実施形態に係る処理装置の概略を示した縦断面図。 第3実施形態に係るリークチェック方法を説明するための図。 吸収分光法を説明するための図。 第4実施形態に係るリークレートの算出方法を説明するための図。 第4実施形態の変形例に係るリークレートの算出方法を説明するための図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。なお、圧力値については、1Torrを133.322Paとして換算可能である。
<第1実施形態>
最初に、第1実施形態に係る処理装置の概略的な構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る処理装置の概略を示した縦断面図である。
[処理装置の構成]
本実施形態に係る処理装置10は、表面が陽極酸化処理されたアルミニウム(以下、アルミアルマイトと称する。)またはイットリアYからなる略円筒状の真空容器100を有している。真空容器100は接地されている。真空容器100は、内部を排気され、リークチェックの対象となる処理容器の一例である。本実施形態では、主に真空容器100の側壁及び天井壁の表面Sがアルミアルマイト及びイットリアYにより形成されている。本実施形態に係る処理装置10では、真空容器100の内部にてプラズマの作用によりエッチング処理が行われる。しかしながら、処理装置10は、エッチング処理装置に限られず、成膜処理が行われる成膜装置であってもよいし、処理装置で行われる処理は、プラズマを用いる処理であってもよく、プラズマを用いない処理であってもよい。
真空容器100内には、ウエハWを保持する保持部20(下部電極としても機能)と上部電極25とが対向して配置されている。保持部20には、高周波電源27からプラズマ生成用の高周波(RF)電力が印加される。
真空容器100の底部に設けられた排気管には排気装置30が接続されている。本実施形態では、ドライポンプ45で真空容器100内を粗引きした後、ターボ分子ポンプ40で真空引きすることにより、真空容器100内を所望の真空度まで減圧する。APC(Automatic Pressure Control)バルブ35は、自動圧力調整器であり、バルブの開閉により真空容器100内の圧力を自動制御する。
なお、ターボ分子ポンプ40、ドライポンプ45などの真空ポンプは、排気装置30の一例であり、真空容器100には、ターボ分子ポンプ40及びドライポンプ45の両方が取り付けられていてもよく、ドライポンプ45だけが取り付けられていてもよい。また、必ずしもAPCバルブ35を配設する必要はなく、これに替えて図示しない排気バルブを排気管に取り付けてもよい。
ガス供給源15は、所望のガスを所定の流量で真空容器100内へ供給する。ガスは、プラズマ生成用の高周波(RF)電力により電離及び解離し、これにより、プラズマが生成される。生成されたプラズマは、ウエハWのプラズマ処理に使われる。
本実施形態に係る処理装置10では、真空容器100の内部の圧力を計測するための圧力計50が取り付けられている。圧力計50は、真空容器100内の全圧力を計測する。圧力計50としては、例えばキャパシタンスマノメータが挙げられる。
制御部200は、図示しないCPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有し、CPUはこれらの記憶領域に格納された各種レシピや各種データに従ってウエハWにエッチング処理等の処理を施す。また、CPUはこれらの記憶領域に格納されたリークレートを計測するための各種データに基づき、リークレートを算出する。なお、制御部200の機能は、ソフトウエアを用いて動作することにより実現されてもよく、ハードウエアを用いて動作することにより実現されてもよい。
[リークチェック]
次に、本実施形態に係るリークチェック方法について説明する。排気装置30により処理装置10を真空引きした後は、真空容器100のリークチェックが行われる。リークチェックの一例としては、真空容器100内を封じ切り状態にすることにより生じる真空容器100内の圧力上昇からリークレートを計算するビルドアップ法が挙げられる。以下の各実施形態では、ビルドアップ法により真空容器100のリークレートが検査される。
まず、第1実施形態に係るリークチェック方法を実行した結果を示す図2を用いて、ビルドアップ法による、第1実施形態に係るリークチェック方法について説明する。図2の横軸は時間を示し、縦軸は圧力を示す。
(ステップA)
まず、排気装置30が、真空容器100内を真空引きする。
(ステップB)
ステップAの真空引きが完了した後、APCのバルブを閉め、真空容器100内を封じ切る。真空容器100内が封じ切り状態にされたときが、図2の横軸の時間が「0」のときであり、ステップBが開始されるときである。図2では、ステップBにて、真空容器100内を500分程度封じ切り状態にしているが、ステップBの時間は、これに限られず、数10分から数時間であってもよい。
ステップBでは、真空容器100内にてアウトガスが発生する。特に、ステップBの初期にはアウトガスの発生量が多い。このため、圧力は、ステップBの初期において急上昇し、その後緩やかに上昇する。これに伴い、リークレートは、ステップBの初期において急激に高くなり、その後緩やかに減少する。
真空容器100内が封じ切られた状態での真空容器100内のガスの吸着及び脱離について、図3の模式図を参照しながら説明すると、真空容器100の内壁から放出されるアウトガスは、式(1)により示される。
アウトガス=ガスの放出量−ガスの吸着量・・・(1)
また、真空容器100の圧力上昇値は式(2)により示される。
圧力上昇値=アウトガス+リークガス・・・(2)
式(1)によれば、ガスの放出量とガスの吸着量とが等しいとき、内壁から放出されるアウトガスは「0」になる。
また、ガスの放出量は、真空容器100内の圧力が低いほど多くなり、真空容器100内の圧力が高いほど少なくなる。一方、ガスの吸着量は、真空容器100内の圧力が高いほど多くなり、真空容器100内の圧力が低いほど少なくなる。これを式(1)に当てはめると、アウトガスの発生量は真空容器100内の圧力が低いほど多くなり、これによって、内壁に付着しているガス成分を早く除去できる。よって、より大きな排気速度のポンプで真空引きを行うことが好ましい。
そこで、図2に示したステップAでは、真空容器100内ができるだけ低圧になるように排気装置30で真空引きを行う。ステップAを終了してから数分〜30分程度経過後、真空容器100内を封じ切り、ステップBを開始する。ステップBでは、真空容器100内は低圧状態になっているため、アウトガスが発生し、真空容器100内に蓄積され、真空容器100内の圧力が上昇する。
真空容器100内の圧力が800mTになったとき、ステップBを終了し、ステップCを開始する。800mTは、水分HO,窒素N及び酸素Oの全アウトガスの平衡圧力である。つまり、800mTまで真空容器10内の圧力を上昇させれば、水分HO,窒素N及び酸素Oの吸着量と放出量との平衡状態を意図的に作ることができる。以下では、水分HOを単にHOと表示し,窒素Nを単にNと表示し,酸素Oを単にOと表示する。
(ステップC)
ステップCでは、式(1)よりアウトガスは0であるから、式(2)より、ステップCにおける圧力上昇値はリークガス成分のみによるものと推定される。よって、ステップCの所定時間の圧力上昇値を計測すれば、リークレートを算出できる。
例えば、HO,N及びOのアウトガスの平衡圧力の実測値y(=800mT)になった時刻xと、それから予め定められた時間経過後(数分後)の時刻xのときの圧力の実測値yを計測する。2点の実測値(x、y)、(x、y)を一次関数式y=Ax+B(A:リークレート、B:係数)に代入すれば、リークレートA(単位時間当たりの圧力上昇値)が算出できる。
圧力計50により計測された真空容器100内の全圧力は、図1に示した制御部200に送られる。制御部200は、圧力計50が検知した圧力値に基づき真空容器100内の圧力が800mTになったかを判定する。制御部200は、リークレートを検査するための制御プログラムを実行する。これにより、制御部200は、真空容器100内の圧力が800mTに到達してから所定時間に計測された2点の実測値に基づき、真空容器100内の単位時間当たりの圧力上昇値からリークレートを算出する。そして、制御部200は、算出したリークレートが予め定められた基準リークレートより大きければ、処理装置10にリークが生じていると判断する。なお、制御部200が実行する制御プログラムや各種データは、図示しないハードディスクや半導体メモリに記憶されていてもよいし、CDROM、DVD等の可搬性のコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体に収容されてもよい。
例えば、図2に示した時刻「0」秒の近傍における圧力上昇の傾き、つまり、リークレートA1は、4.9mT/minであった。この値には、計測対象であるリークガス成分による圧力上昇だけでなく、計測対象でない処理装置10の構成部材(アルマイト及びイットリア)からのアウトガスによる影響が含まれる。つまり、このとき算出されたリークレートには、アウトガスの影響による誤差が含まれている。
これに対して、ステップCのある時刻におけるリークレートA2は、0.49mT/minであった。この値は、ほぼ計測対象であるリークガス成分によるものであり、計測対象でないアウトガスによる影響は抑制されている。つまり、算出されたリークレートには、アウトガスの影響による誤差はほとんど含まれていないと推定できる。
実際、図2の実測例は、10分程度の真空引き後にアウトガスを蓄積させてリークを計測した例であるが、2日以上真空引き後に本実施形態のリークチェック方法を用いてリークチェックを行ったところ、算出されたリークレートは、0.45mT/minであった。つまり、10分程度の真空引き後にアウトガスを蓄積させて計測したリークレートは、2日以上真空引き後にアウトガスを蓄積させて計測したリークレートと近似する値であった。以上から、第1実施形態に係るリークチェック方法によれば、リークチェックに要する時間を短縮しながら、精度の高いリークチェックを行うことができることが証明された。
図2に示したように、ビルドアップ法によるリークチェックでは、初期において真空容器100内の圧力が低いほどアウトガスの発生が促進され、圧力上昇率が高くなる。このため、ビルドアップを長時間連続した場合、徐々に圧力上昇のレートが小さくなるような曲線を描く。
この現象から、ビルドアップ法によるリークチェックは、意図的に高い圧力帯で実施したほうがアウトガスの発生を抑制することができる。この結果、より正確なリークレートを計測することができる。以下に説明する第2及び第3実施形態に係るリークチェック方法では、意図的に高い圧力になるようにアウトガス成分のガスを導入する。
なお、リークにより外部から真空容器100内に混入するガスの量は、真空容器100内の圧力によっても変化する。しかし、圧力が1Torr以下程度であれば、大気圧760Torrと真空容器100内の圧力1Torrとの差圧は759Torrであり、十分に大きな差圧となっている。この場合には、真空容器100内の圧力が0.1Torrであって、大気圧との差圧が759.9Torrの場合と大差ない状態といえる。つまり、ある程度以下(例えば、1Torr以下)の圧力帯であれば、リークレートの計測時に多少真空容器100内の圧力を上昇させても問題ないと考えることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る処理装置及びリークチェック方法について説明する。第2実施形態に係るリークチェック方法では、真空容器100内にアウトガス成分を供給することで早期にアウトガスの平衡圧力状態にする点で、アウトガスを蓄積させてゆっくりとアウトガスの平衡圧力状態にする第1実施形態に係るリークチェック方法と異なる。よって、本実施形態では、上記相違点を中心に説明する。
[処理装置の構成]
第2実施形態に係るリークチェック方法について説明する前に、第2実施形態に係る処理装置の構成について、図4を参照しながら説明する。図4は、第2実施形態に係る処理装置の概略を示した縦断面図である。
第1実施形態に係る処理装置10(図1)と比較して異なる点は、第2実施形態に係る処理装置10には、水導入機構47が設けられている点である。水導入機構47は、所定の流量のHO(水蒸気)を真空容器100内に供給する機構である。
[リークチェック]
次に、第2実施形態に係るリークチェック方法について、図5を参照しながら説明する。
(ステップA)
第2実施形態に係るリークチェック方法においても、まず、排気装置30が、真空容器100内を真空引きする。
(ステップB)
ステップAの真空引きが完了した後、ステップBでは、真空容器100の内部にアウトガス成分が強制的に供給される。具体的には、所定の流量のN及びOが、ガス供給源15から真空容器100内に供給される。また、所定の流量のHOが水導入機構47から真空容器100内に供給される。
O、N及びOの供給は、真空容器100内の圧力が800mTになるまで行われる。800mTは、HO,N及びOのアウトガスの平衡圧力である。つまり、真空容器100内の圧力を800mTまで上昇させれば、HO,N及びOの吸着量と放出量との平衡状態を意図的に作ることができる。制御部200は、圧力計50が検知した圧力に基づき真空容器100内の圧力が800mTになったかを判定する。真空容器100内の圧力が800mTになったと判定されたとき、制御部200は、HO、N及びOの供給を停止する。
(アウトガス平衡圧力)
図3に示したように、真空容器100へのガスの吸着と脱離とは、ガス種(HO,N,O)毎に並行して行われていると考えられる。よって、ガス毎にガスの吸着と脱離とが平衡状態になる、つまり、アウトガスが0になる平衡圧力が存在する。
例えば、大気開放時のNのアウトガスの挙動を検証するための実験の結果を示した図6を参照しながら、Nのアウトガスの平衡圧力について説明する。図6に示した実験では、真空引き後、Nの単一ガスを真空容器100に導入し、Nのアウトガス成分が0になると推定される圧力を計測した。その結果、160mTのとき、真空容器100内でのNのアウトガス成分が0になることが計測された。つまり、Nのアウトガス平衡圧力は160mTであることがわかった。
同様の実験から、HOのアウトガス平衡圧力は、560mTであり、Oのアウトガス平衡圧力は、80mTであることが計測された。このようにして予め計測されたガス種毎のアウトガス平衡圧力は、制御部200の記憶領域に保存される。
(ガスの成分比)
第1実施形態では、ステップAの真空引き後、ステップBにて真空容器100内を封じ切り状態にし、アウトガスを真空容器100内に蓄積させた。ステップBを開始してから15分後における真空容器100内のガスの成分比をQMS(Quadrupole Mass Spectrometer:四重極質量分析計)により測定した結果を図7の(a)に示す。また、ステップBを開始してから4064分後における真空容器100内のガスの成分比をQMSにより測定した結果を図7の(b)に示す。
この結果、図7の(a)に示したように、ステップBの初期では、真空容器100内のガスの成分比は、HOが66%、Nが21%、Oが9%であった。一方、図7の(b)に示したように、ステップBの後期では、真空容器100内のガスの成分比は、HOが1.4%、Nが77%、Oが20.6%であった。
この結果から、ステップBの後期では、真空容器100内のガスはほぼ大気成分であることがわかった。つまり、ステップBの後期では、真空容器100内のガスは、大気成分と同じリークガスが支配的であることを示す。これに対して、ステップBの初期では、真空容器100内のガスは、アウトガスが支配的であることを示す。
従って、第2実施形態に係るリークチェック方法では、ステップBにおいて、アウトガスの成分比に近似するHO66%、N21%、O9%の成分比でHO、N、Oを真空容器100内に供給する。そして、ステップBでは、真空容器100内の圧力が、全アウトガスの平衡圧力である800mTに到達するまで、HO、N、Oを真空容器100内に供給するようにする。なお、以上のガスの制御は、制御部200により実行される。
これにより、真空容器100内の圧力が800mTに到達したとき、HOの供給により真空容器100内の圧力が560mT上昇し、真空容器100内にてHOのガスの吸着量と放出量との平衡状態が意図的に作られる。同時に、Nの供給により真空容器100内の圧力が160mT上昇し、真空容器100内にてNのガスの吸着量と放出量との平衡状態が意図的に作られる。同時に、Oの供給により真空容器100内の圧力が80mT上昇し、真空容器100内にてOのガスの吸着量と放出量との平衡状態が意図的に作られる。これにより、真空容器100内にてHO,N及びOのアウトガスの放出をほぼ0にすることができる。この時点で、図5に示したように、ガス導入を終了し、ステップBを終了してステップCに移行する。
(ステップC)
ステップCでは、制御部200は、リーク検査を開始し、リークレートを計測する。本実施形態におけるリーク検査は、第1実施形態で説明したリーク検査と同様であるため、ここでは説明を省略する。
以上に説明した、第2実施形態に係るリークチェック方法によれば、アウトガス成分を真空容器100内に導入することにより、アウトガスの吸着量と放出量との平衡状態が意図的に作られる。これにより、リークチェックに要する時間を更に短縮しながら、リークチェックを計測することができる。
例えば、第1実施形態に係るステップBでは、真空容器100内にアウトガスを蓄積させる時間が必要なため、リークチェックに数時間〜1日程度を要する場合もある。これに対して、第2実施形態に係るステップBでは、真空容器100内にアウトガスを蓄積させる替わりにアウトガス成分を導入するため、リークチェックに要する時間をより短縮することができる。具体的には、第2実施形態に係るリークチェック方法では、リークチェックに要する時間を約1分(圧力上昇まで30秒+圧力が安定するまで30秒)程度まで短縮することができる。
また、より検査し易い圧力帯でリークレートの測定を行うことができる。更に、アウトガスの影響を抑えることで、より精度の高いリークレートを算出することができる。
このように、より短い時間でより精度の高いリークレートの算出を行うことで、メンテナンス中にリークトラブルを発見するまでの時間が短くなる。これにより、リークトラブルが発生したときのリカバリ作業も迅速に行うことができる。また、真空引きに多くの時間を要してリカバリ作業に取り掛かるまでの時間を延ばしてしまうことを回避できる。
さらに、真空容器100内の圧力が低圧時のリークレートと高圧時のリークレートとを比較することで、リークの有無に加え、異常なアウトガス(例えば、想定しないガス種や想定しないアウトガスガス量)の発生を容易に検出することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る処理装置及びリークチェック方法について説明する。第3実施形態に係るリークチェック方法では、ステップBにて、真空容器100内に供給するガス種が第2の実施形態に係るリークチェック方法と異なる。よって、本実施形態では、上記相違点を中心に説明する。
[処理装置の構成]
第3実施形態に係るリークチェック方法について説明する前に、第3実施形態に係る処理装置の構成について、図8を参照しながら説明する。図8は、第3実施形態に係る処理装置の概略を示した縦断面図である。
第3実施形態に係る処理装置10には、水分圧モニタ55が設けられ、第2実施形態に係る処理装置10(図4)で使用した水導入機構47は設けない構成となっている。
本実施形態では、図9に示したステップBにて、真空容器100内にアウトガス成分のうちのNとOとを供給する。
本実施形態では、アウトガス成分の一つであるHOによる真空容器100内の圧力上昇分(以下、水分圧ともいう。)は、水分圧モニタ55により計測される。そして、本実施形態では、計測された真空容器100内の全圧から水分圧モニタ55により計測された水分圧を差し引くことにより、真空容器100内の圧力上昇値からHOのアウトガスによる圧力上昇分を取り除くことで正確なリークレートの算出が可能となる。
よって、第3実施形態に係る処理装置10では、圧力計50により真空容器100内の全圧が計測される。また、水分圧モニタ55により真空容器100内の水分圧が計測される。なお、水分圧モニタ55に替えてQMSを使用することもできる。水分圧モニタ55及びQMSは、検出器の一例である。
例えば、水分圧モニタ55は、真空容器100内への入射光に対して水分に吸収された光の量を分析する吸収分光法を用いて真空容器100内の水分圧を計測してもよい。
吸収分光法の原理について、図10を参照して簡単に説明する。ある物質(試料、ここでは空間中の水分)に強度Iの光が入射され、これに対して強度Iの光が透過された場合、(3)式が成り立つ。
Figure 0006106541

ここで、kは比例定数、cは空間中の水分濃度、Lは試料の光路長である。

(3)式から次の式(4)が導かれる。
Figure 0006106541

ここで、DAは吸光度である。この吸光度DAに基づき、試料中にて水分に吸収された光の量を計測することができる。
水分圧モニタ55は、この吸収分光法の原理を用いて真空容器100内の水分圧を計測する。つまり、水分子が吸収する波長の光を真空容器100に入射し、対向側に設置した水分圧モニタ55により真空容器100から出射した光の減衰量を計測する。この光の減衰量が、水分による光の吸収量に対応する。つまり、光の吸収量と水分子の量は比例する。これにより、水分圧モニタ55は真空容器100に存在する水分子量から真空容器100内の水分圧を計測する。
水分圧モニタ55の一例としては、赤外分光法IRを用いた計測機器として、FTIR(Fourier transform infrared spectroscopy:フーリエ変換赤外分光光度計)や、NDIR(Non Dispersive Infra Red:赤外線式ガス分析計)が挙げられる。
計測された全圧及び水分圧は、図8に示した制御部200に送られる。送られたデータは、制御部200内のRAM等の記憶領域に蓄積される。制御部200は、リークレートを検査するための制御プログラムを実行する。これにより、制御部200は、排気を停止してから所定時間経過後に計測された真空容器100内の全圧力と水分圧との差分を求め、その差分値の単位時間当たりの圧力上昇値をリークレートとして算出する。そして、制御部200は、そのリークレートと予め定められた基準リークレートとを比較することにより真空容器100のリークレートを検査する。制御部200は、算出したリークレートが基準リークレートより大きければ、処理装置10にリークが生じていると判断する。
[リークチェック]
次に、第3実施形態に係るリークチェック方法について、図9を参照しながら説明する。
(ステップA)
第2実施形態に係るリークチェック方法においても、まず、排気装置30が真空容器100内を真空引きする。
(ステップB)
ステップAの真空引きが完了した後、図9に示したように、真空容器100の内部にN及びOが供給される。ガス供給源15は、所定の流量のN及びOを真空容器100内に供給する。
(ガスの成分比)
図7の(b)に示したように、ステップBの後期では、真空容器100内のガスの成分比は、HOが1.4%、Nが77%、Oが20.6%である。これは、ステップBの後期では、真空容器100内のガスはほぼ大気成分と同じリークガスが支配的であることを示す。リークガスの成分に含まれるNの割合は約77%、Oの割合は約21%である。リークガスの成分に含まれるHOの割合は1%程度であり、非常に少ない。
一方、図7の(a)に示したように、真空容器100内を封じ切り状態にした初期(ステップBのの初期)では、真空容器100内のガスの成分比は、HOが66%、Nが21%、Oが9%である。これは、ステップBの初期では、真空容器100内のガスは、アウトガスが支配的であることを示す。
以上から、リークガスに含まれるHOの割合は約1%と非常に少なく、アウトガスに含まれるHOの割合は66%と非常に多いことがわかる。つまり、水分圧モニタ55で計測される水分圧は、ほとんどアウトガス成分に含まれるHOによる圧力上昇分であると推定できる。一方、窒素及び酸素には、リークガス成分にもアウトガス成分にも多く含まれる。このため、真空容器100内に含まれるN及びOは、アウトガス成分であるのかリークガス成分であるのかを推定できない。よって、N及びOについては、ガス供給源15から真空容器100内にN及びOのガスを導入してガス毎の平衡状態になるように強制的に制御し、計測された真空容器100内の全圧中にNやOのアウトガス成分による圧力上昇分が含まれないようにする。
具体的には、ステップBでは、真空容器100内の圧力が、Nの平衡圧力160mT及びOの平衡圧力80mTの合計である240mTに到達するまで、N及びOを真空容器100内に供給するようにする。なお、以上のガスの制御は、制御部200により実行される。
これにより、真空容器100内の圧力が240mTに到達したとき、Nの供給により真空容器100内の圧力が160mT上昇し、真空容器100内にてNのガスの吸着量と放出量との平衡状態が意図的に作られる。同時に、Oの供給により真空容器100内の圧力が80mT上昇し、真空容器100内にてOのガスの吸着量と放出量との平衡状態が意図的に作られる。これにより、真空容器100内にてN及びOのアウトガスの放出をほぼ0にすることができる。この時点で、図9に示したように、ガス導入を終了し、ステップBを終了してステップCに移行する。
(ステップC)
ステップCでは、制御部200は、リーク検査を開始し、リークレートを計測する。本実施形態では、アウトガスとして流入した水分圧は、水分圧モニタ55により計測される。また、真空容器100内の全圧力は、圧力計50により計測される。計測された水分圧及び真空容器100内の全圧力は、図8に示した制御部200に送られる。送られたデータは、制御部200内の記憶領域に蓄積される。
制御部200は、リークレートを検査するための制御プログラムを実行する。これにより、制御部200は、計測された真空容器100内の全圧からアウトガス成分である水分圧を差し引いた値に基づき、真空容器100内の単位時間当たりの圧力上昇値をリークレートとして算出する。制御部200は、計測したリークレートが予め定められた基準リークレートより大きければ、処理装置10にリークが生じていると判断する。
以上に説明した、第3実施形態に係るリークチェック方法によれば、リークチェックに要する時間を更に短縮しながら、精度の高いリークチェック値を計測することができる。
例えば、第3実施形態のステップBにおけるガス導入の時間は、第2実施形態のステップBにおけるガス導入の時間よりも短くなるであろう。よって、第3実施形態に係るリークチェック方法では、第2実施形態よりもリークチェックに要する時間を更に短縮することができる。
また、第3実施形態では、HOを導入するための専用のガスライン(水導入機構47)を設ける必要がない。よって、第3実施形態に係る処理装置10は、簡易な構成で足り、製造コストの上昇を抑制することができ、また、装置のメンテナンスを容易にすることができる。
また、より検査し易い圧力帯でリークレートの測定を行うことができる等、第1実施形態や第2実施形態で記載した効果と同様な効果を得ることができる。
<第4実施形態>
以下に説明する第4実施形態では、第1〜第3実施形態に係るリークチェック方法におけるリークレートの算出方法について説明する。なお、以下に説明するリークレートの算出は、制御部200によりリークチェック中に実行され得る。よって、実行結果は、リアルタイムに処理装置10のメンテナンスに利用することができる。これにより、リークトラブルが生じているときのリカバリ作業をより迅速に行うことができる。
(圧力の変化から直接リークレートを算出する方法)
まず、第4実施形態に係るリークレートの算出方法について、図11を参照しながら説明する。第4実施形態に係るリークレートの算出方法では、制御部200は、真空容器100内の圧力の変化から直接リークレートを算出する。本算出方法を使用可能な処理装置10としては、例えば、図1のように、少なくとも圧力計50と制御部200とを有する第1実施形態に係る処理装置10の構成であればよい。ただし、本算出方法を使用可能な処理装置10は、これに限らず、図4に示した第2実施形態に係る処理装置10であってもよいし、図8に示した第3実施形態に係る処理装置10であってもよい。
上記各実施形態にて説明したように、ビルドアップ法によるリークチェックでは、真空引き後、真空容器100内が封じ切り状態にされる。その後、真空容器100内で生じる圧力上昇値には、「外部からのリークガス」によるものと「真空容器100の内壁から放出されるアウトガス」によるものが含まれる。具体的には、下記の式(5)で示したように、圧力上昇値は、「Ax+B」の直線で示される「リークガス」による圧力上昇を示す第1項と、指数関数で示される「アウトガス」による圧力上昇を示す第2項との和で求められる。
Figure 0006106541

ここで、式(5)のA,B,C,Dは「係数」、xは「時間」、yは「真空容器100内の圧力」である。ここで、4つの係数A,B,C,Dは、処理装置10の構成や真空容器100の内壁を構成する部材等の環境に依存して変化する。式(5)は制御部200に設けられた記憶領域に予め記憶されている。
よって、制御部200は、図11に示した任意の時刻xにおける圧力yの実測値(x、y)を圧力計50を用いて4点以上実測し、式(5)にそれぞれ代入する。これにより、係数A,B,C,Dの値が決定する。このうちの係数Aは、「Ax+B」の直線の傾きであり、リークレートを示す。
上記実測は、真空引き後、真空容器100内を封じ切り状態にしてから300秒経過後の時間帯が好ましい。これにより、より高い精度でリークレートや平衡圧力を求めることができる。
このようにして係数A,B,C,Dの数値が決定された式(5)により表される曲線は、図11に示したように、真空容器内の圧力の実測値の圧力変化を示す曲線とほぼ同じ曲線を示す。これにより、ビルドアップ法によるリークチェックでは、真空容器100内の圧力yは、「Ax+B」の直線で示される「リークガス」による圧力上昇を示す第1項と、指数関数で示される「アウトガス」による圧力上昇を示す第2項との和で求められることが証明された。
制御部200は、このようにして算出されたリークレートAと、予め定められた基準リークレートとを比較し、リークレートAが予め定められた基準リークレートより大きければ、処理装置10にリークが生じていると判断する。制御部200は、リークが生じていると判断した場合、オペレータにその旨を通知してもよい。
(圧力の変化から直接リークレートを算出する方法:変形例1)
次に、第4実施形態の変形例1に係るリークレートの算出方法について、図12を参照しながら説明する。変形例1に係るリークレートの算出方法では、制御部200は、真空容器100の圧力の変化からアウトガスの平衡圧力を算出する。本算出方法を使用可能な処理装置10としては、例えば、少なくとも圧力計50と制御部200とガスを導入する機構(例えば、ガス供給源や水導入機構)を有する第2実施形態に係る処理装置10(図4)や第3実施形態に係る処理装置10(図8)であってもよい。
本変形例1においても、任意の時刻xにおける圧力yの実測値(x、y)を圧力計50を用いて4点以上実測し、式(5)にそれぞれ代入する。これにより、係数A,B,C,Dの値を決定することができる。このうちの係数Aは、リークレートである。
次に、本変形例1では、制御部200は、式(5)の第2項がほぼ「0」になるときの(x、y)を算出する。第2項がほぼ「0」になるとき、アウトガスの発生はほぼ「0」になる。つまり、第2項がほぼ「0」になるときの時刻xに対応する圧力yは、全アウトガスの平衡圧力と考えられる。
そこで、制御部200は、真空容器100内の圧力が、図12に示した圧力yになるまでHO,N及びOのガスを真空容器100内に供給するように制御する。制御部200は、真空容器100内の圧力が圧力yに到達した後に真空容器100内の全圧を計測する。制御部200は、計測された真空容器100内の全圧に基づき、真空容器100内の単位時間当たりの圧力上昇値をリークレートとして算出する。
本変形例1によれば、第4実施形態に係るリークレートの算出方法と比較して、リークレート自体は実測されるため、更に高精度なリークレートを算出することができる。また、本変形例1に係るリークレートの算出方法では、全アウトガスの平衡圧力を式(5)に基づき算出することができるため、全アウトガスの平衡圧力を予め実測する手間を省くことができる。
なお、変形例2は、第2実施形態に係るリークチェック方法に基づく場合について説明したが、第2実施形態に係るリークチェック方法に基づく場合にも応用できる。その場合には、真空容器100内の圧力が、図12に示した圧力yになるまでN及びOのガスを真空容器100内に供給するように制御する。制御部200は、真空容器100内の圧力が圧力yに到達した後に真空容器100内の全圧及び水分圧を計測する。制御部200は、計測された真空容器100内の全圧から水分圧を引いた差分値に基づき、真空容器100内の単位時間当たりの圧力上昇値をリークレートとして算出する。
(圧力の変化から直接リークレートを算出する方法:変形例2)
次に、第4実施形態の変形例2に係るリークレートの算出方法について説明する。なお、本変形例2の算出方法を使用可能な処理装置10は、第4実施形態の算出方法を使用可能な処理装置であればよい。
変形例2に係るリークレートの算出方法は、第4実施形態に係るリークレートの算出方法よりも精度の高いリークレートを算出するために、式(5)に替えて、下記式(6)を用いて圧力yを求める。式(6)は制御部200に設けられた記憶領域に予め記憶されている。
具体的には、下記式(6)で示したように、真空容器100内の圧力は、「Ax+B」の直線で示される「リークガス」による圧力上昇の項(第1項)と、指数関数で示される「各アウトガス(HOのアウトガス、Nのアウトガス、Oのアウトガス)」による圧力上昇の項(第2項〜第4項)との和で示される。
Figure 0006106541

ここで、式(6)のA,B,C,D,E,F,G,Hは「係数」、xは「時間」、yは「真空容器100内の圧力」である。ここで、8つの係数A,B,C,D,E,F,G,Hは、処理装置10の構成や真空容器100の内壁を構成する部材等の環境に依存して変化する。
よって、図11に示した任意の時刻xにおける圧力yの実測値(x、y)を圧力計50を用いて8点以上実測し、式(6)にそれぞれ代入する。これにより、係数A,B,C,D,E,F,G,Hの値が決定する。このうちの係数Aは、リークレートである。
上記実測は、真空引き後、真空容器100内を封じ切り状態にしてから300秒経過後の時間帯が好ましい。これにより、より高い精度でリークレートや平衡圧力を求めることができる。
本変形例2に係るリークレートの算出方法によれば、HO,N及びOの各アウトガス成分に対する圧力上昇値がそれぞれ算出される。これにより、第4実施形態に係るリークレートの算出方法と比較してより精度の高いリークレートを算出することができる。
以上、リークチェック方法及び処理装置を上記実施形態及び変形例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。また、上記実施例及び変形例を矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
例えば、本発明に係るリークチェック方法を実施する真空容器は、内部を減圧状態に保持する容器であればよく、例えば、プラズマにより被処理体に微細加工を施すプラズマ処理装置や、被処理体を搬送する搬送容器に適用可能である。
なお、本発明に係る処理装置は、エッチング装置であってもよく、成膜装置であってもよく、アッシング装置であってもよい。また、本発明に係る処理装置は、平行平板型のプラズマ処理装置に限られず、ICP(Inductively Coupled Plasma)プラズマ処理装置等のプラズマ処理装置でもよいし、プラズマを用いない処理装置であってもよい。
10:処理装置
15:ガス供給源
20:保持部
25:上部電極
27:高周波電源
30:排気装置
35:APCバルブ
40:ターボ分子ポンプ
45:ドライポンプ
47:水導入機構
50:圧力計
55:水分圧モニタ
100:真空容器
200:制御部

Claims (5)

  1. 処理容器の内部を排気するステップと、
    前記排気するステップを終了した後、前記処理容器の内部に窒素N及び酸素Oを供給するステップと、
    前記窒素N及び酸素Oを供給するステップを終了した後、前記処理容器の内部の全圧力及び水分圧を計測するステップと、
    前記計測された全圧力から前記水分圧を除いた値に基づき、前記処理容器のリークレートを検査するステップと、
    を含み、
    前記窒素N及び酸素Oを供給するステップは、
    窒素N のアウトガス平衡圧力に到達するまで窒素N を供給するステップと、
    酸素O のアウトガス平衡圧力に到達するまで酸素O を供給するステップと、
    を含み、
    前記リークレートを検査するステップは、
    前記窒素N のアウトガス平衡圧力に到達するまで窒素N を供給し、かつ、前記酸素O のアウトガス平衡圧力に到達するまで酸素O を供給した後、所定時間の前記全圧力から水分圧を除いた値の単位時間当たりの圧力上昇値から前記リークレートを検査する、
    ことを特徴とするリークチェック方法。
  2. 前記窒素Nのアウトガス平衡圧力は、前記処理容器から放出される窒素Nの放出量と前記処理容器に吸着される窒素Nの吸着量とが平衡状態になる圧力に定められ、
    前記酸素Oのアウトガス平衡圧力は、前記処理容器から放出される酸素Oの放出量と前記処理容器に吸着される酸素Oの吸着量とが平衡状態になる圧力に定められる、
    ことを特徴とする請求項に記載のリークチェック方法。
  3. 処理容器の内部を排気するステップと、
    前記排気するステップを終了した後、前記処理容器の内部に水分HO、窒素N及び酸素Oを供給するステップと、
    前記水分HO、窒素N及び酸素Oを供給するステップを終了した後、前記処理容器の内部の全圧力を計測するステップと、
    前記計測された全圧力に基づき、前記処理容器のリークレートを検査するステップと、
    を含み、
    前記水分H O、窒素N 及び酸素O を供給するステップは、
    水分H Oのアウトガス平衡圧力に到達するまで水分H Oを供給するステップと、
    窒素N のアウトガス平衡圧力に到達するまで窒素N を供給するステップと、
    酸素O のアウトガス平衡圧力に到達するまで酸素O を供給するステップと、
    を含み、
    前記リークレートを検査するステップは、
    前記水分H Oのアウトガス平衡圧力に到達するまで水分H Oを供給し、かつ、前記窒素N のアウトガス平衡圧力に到達するまで窒素N を供給し、かつ、前記酸素O のアウトガス平衡圧力に到達するまで酸素O を供給した後、所定時間の前記全圧力の単位時間当たりの圧力上昇値から前記リークレートを検査する、
    ことを特徴とするリークチェック方法。
  4. 前記水分HOのアウトガス平衡圧力は、前記処理容器から放出される水分HOの放出量と前記処理容器に吸着される水分HOの吸着量とが平衡状態になる圧力に定められ、
    前記窒素Nのアウトガス平衡圧力は、前記処理容器から放出される窒素Nの放出量と前記処理容器に吸着される窒素Nの吸着量とが平衡状態になる圧力に定められ、
    前記酸素Oのアウトガス平衡圧力は、前記処理容器から放出される酸素Oの放出量と前記処理容器に吸着される酸素Oの吸着量とが平衡状態になる圧力に定められる、
    ことを特徴とする請求項に記載のリークチェック方法。
  5. 処理容器の内部を排気する排気装置と、
    前記排気を終了した後、前記処理容器の内部に窒素N及び酸素Oを供給するガス供給源と、
    前記排気を終了した後、前記処理容器の内部に水分HOを供給する水導入機構と、
    前記水分HO、窒素N及び酸素Oの供給を終了した後、前記処理容器の内部の全圧力を計測する圧力計と、
    前記計測された全圧力に基づき、前記処理容器のリークレートを検査する制御部と、
    を有し、
    前記水導入機構は、
    水分H Oのアウトガス平衡圧力に到達するまで水分H Oを供給し、
    前記ガス供給源は、
    窒素N のアウトガス平衡圧力に到達するまで窒素N を供給し、
    酸素O のアウトガス平衡圧力に到達するまで酸素O を供給し、
    前記制御部は、
    前記水分H Oのアウトガス平衡圧力に到達するまで水分H Oを供給し、かつ、前記窒素N のアウトガス平衡圧力に到達するまで窒素N を供給し、かつ、前記酸素O のアウトガス平衡圧力に到達するまで酸素O を供給した後、所定時間の前記全圧力の単位時間当たりの圧力上昇値から前記リークレートを検査する、
    ことを特徴とする処理装置。
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