JP2012064819A - リークチェック方法、リークチェック装置及びプログラム - Google Patents

リークチェック方法、リークチェック装置及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な方法で検査精度の向上と検査時間の短縮が可能なリークチェック方法及びリークチェック装置を提供する。
【解決手段】リークチェック方法は、排気装置により真空容器の内部を排気する工程と、前記排気を停止後、前記真空容器内の全圧力及び水分の分圧を計測する工程と、前記排気を停止してから所定時間経過後にそれぞれ計測された前記全圧力から前記水分の分圧分を除いた値に基づき真空容器のリークレートを検査する工程と、を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、リークチェック方法、リークチェック装置及びプログラムに関する。
半導体の製造工程では、真空容器内を減圧状態にし、処理ガスを真空容器内に導入して高周波のエネルギーによりガスを反応させることによりプラズマを生成し、生成されたプラズマによってエッチング処理、成膜処理等のプラズマ処理を被処理体に施すことが行われている。
真空容器や排気系にリークがあったり、真空容器の内壁に外気の水分等が付着していると、ガスの反応が良好に行われなかったり、反応生成物中に不純物が混入したりして、プロセスの精度が悪化する。よって、プロセスを良好行うためには、真空容器内は所定の真空度に保たれていなければならない。このため、従来から、真空容器のリーク漏れのチェックが行われている。リークの検査は、ガス種やガス流量、複数ガスの流量比等に敏感なプロセス装置だけでなく、危険なガスを使用する装置にも出荷前等に欠かせないチェック項目である。よって、リークの検査は、主に新規に真空装置が製造された時や、真空装置のメンテナンス直後に行われる。
リークの検査方法としては、一般に、排気バルブを開き、真空容器の内部を所定時間真空引きした後、排気バルブを閉じて真空容器内の圧力上昇を測定する「ビルドアップ法」や、真空容器を加圧して圧力変化を測定する「加圧チェック法」等が提案されている。
ビルドアップ法では、具体的には、図2(b)に示すように、例えば、ターボ分子ポンプ97やドライポンプ98等の排気系のポンプの駆動を行い、排気バルブ92を開ける操作により、真空容器94内の排気を行って真空容器94内を大気圧から所定の真空圧力まで減圧する。この到達圧力時点で排気バルブ92を閉じる。その後、所定時間経過後の真空容器94内の圧力上昇分を圧力計96で計測する。ビルドアップ法では、所定時間経過後の真空容器94内の全圧力の上昇分をリークによる真空容器94内の圧力上昇とみなし、全圧力の単位時間当たりの圧力上昇分をリークレートとして算出する。このリークレートの値の検査のことを以下、リークチェックと称する。
質量分析器等を用いて真空容器内のガス成分を分析し、分析結果に基づきリークチェックを行う技術も提案されている。例えば、特許文献1では、減圧処理装置内の気体の一部を質量分析器に導入することより、質量分析器にてH、N 、O の少なくとも一つのイオン強度を検出し、検出結果からリークチェックを行う。特許文献2は、エッチング処理装置の真空容器にリークが発生し、外部から真空容器内に空気が混入する場合のリークチェックである。特許文献2では、外部から真空容器内に空気が混入すると、エッチング処理が施されるダミーウエハの発光データにおいて、空気を構成する気体に起因する光の発光量が増加することを利用してリークチェックを行う。具体的には、空気を構成する気体のうち、例えば窒素Nガスの流入に応じて発光量が変化する波長における発光データをモニタすることによりリークチェックを行う。
特開2002−110653号公報 特開2006−140237号公報
しかしながら、計測された真空容器内の全圧力の上昇分には、外部から進入するガスによる圧力上昇分だけでなく、排気後に真空容器の内壁から脱離するガスによる圧力上昇分が加わっている。真空容器の内壁は例えば、アルミアルマイトのような材料により形成されており、内部に無数の微細な穴がある。このような穴に付着している水や滞留しているガスが脱離してくる(アウトガス)。よって、ビルドアップ法では、真空容器の内壁からのアウトガスが十分に減少している状態まで真空容器内を真空引きした後、リークチェックを行う必要があった。よって、通常の場合、真空容器内の真空引き時間は6時間又はそれ以上の時間を要し、特に装置製造時には真空容器の内壁への水の吸着量が大きいため10時間以上の時間を要していた。その結果、真空装置の生産性に大きな影響を与えていた。
また、特許文献1、2では、真空容器内のガス成分を細かく分析することによりリークチェックする方法であり、根本的にビルドアップ法を用いていない。つまり、計測された真空容器内の全圧力の上昇分には、主に外部から進入するガスによる圧力上昇分だけでなく、排気後に真空容器の内壁からのアウトガスによる圧力上昇分が含まれることに着目した比較的簡単なリークチェック方法とは全く異なるリークチェック方法であった。このため、精度の高いガス成分分析に高価な質量分析器を用いなければならず、測定機器自体が高価であったり、質量分析器による分析のために真空ポンプ等を使用するため、設備が大掛かりになったりして実用的でなかった。よって、簡易な方法でより短時間にリークチェックが可能な方法が望まれていた。
上記課題に対して、本発明の目的とするところは、簡易な方法で検査精度の向上と検査時間の短縮が可能なリークチェック方法、リークチェック装置及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、排気装置により真空容器の内部を排気する工程と、前記排気を停止後、前記真空容器内の全圧力及び水分の分圧を計測する工程と、前記排気を停止してから所定時間経過後にそれぞれ計測された前記全圧力から前記水分の分圧分を除いた値に基づき前記真空容器のリークレートを検査する工程と、を含むことを特徴とするリークチェック方法が提供される。
計測された真空容器内の全圧力の上昇分には、主に外部から進入するガスによる圧力上昇分だけでなく、排気後に真空容器の内壁からのアウトガスによる圧力上昇分が含まれる。アウトガスには比較的水分が多く含まれる。これに着目し、本発明では、到達圧力まで真空引き後、排気バルブ92を閉じてから所定時間経過後の真空容器内の全圧力及び水分の分圧を計測し、真空容器内の全圧力から水分の分圧分を引いた差分をリークによる真空容器内の圧力上昇とみなし、該差分の単位時間当たりの圧力上昇分をリークレートとして算出する。これにより、アウトガスによる圧力上昇分を考慮してリークレートを検査することができる。よって、リークチェック前に真空容器の内壁からのアウトガスが十分に減少する状態まで真空容器内を排気する必要がない。これにより、排気時間からリークチェック時間までを飛躍的に短縮でき、真空装置の稼働率の向上及び真空装置製造工程の短縮を図ることができる。
前記排気を停止してから所定時間経過後にそれぞれ計測された前記全圧力と前記水分の分圧との差分を求め、該差分の単位時間当たりの圧力上昇分をリークレートとして算出し、該リークレートと予め定められた基準リークレートとを比較することにより前記真空容器のリークレートを検査してもよい。
前記リークチェック工程は、前記排気工程にて少なくとも50分の真空引き時間経過後に計測された全圧力及び水分の分圧に基づきリークチェックを実行してもよい。
前記リークチェック工程は、前記排気工程にて少なくとも5時間の真空引き時間経過後に計測された全圧力及び水分の分圧に基づき前記リークチェックを実行してもよい。
前記計測工程は、前記真空容器に設けられた全圧力を計測する圧力計と、前記真空容器に設けられた水分の分圧を計測する水分圧モニタとを用いて前記計測を実行してもよい。
前記水分圧モニタは、前記真空容器内への入射光に対して水分に吸収された光の量を分析する吸収分光法を用いて前記真空容器内の水分の分圧を計測してもよい。
前記真空容器は、該真空容器の表面が陽極酸化処理されたアルミニウムから主に形成されていてもよい。
前記真空容器は、プラズマにより被処理体に微細加工を施すプラズマ処理装置又は被処理体を搬送する搬送容器のいずれかであってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、真空容器の内部を排気する排気装置と、前記排気を停止後、前記真空容器内の全圧力を計測する圧力計と、前記排気を停止してから所定時間経過後にそれぞれ計測された前記全圧力から前記水分の分圧分を除いた値に基づき前記真空容器のリークレートを検査するコントローラと、を備えることを特徴とするリークチェック装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、排気装置により真空容器の内部を排気する処理と、前記排気を停止後、前記真空容器内の全圧力及び水分の分圧を計測する処理と、前記排気を停止してから所定時間経過後にそれぞれ計測された前記全圧力から前記水分の分圧分を除いた値に基づき前記真空容器のリークレートを検査する処理と、をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
以上説明したように本発明によれば、簡易な方法で検査精度の向上と検査時間の短縮が可能なリークチェック方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置の縦断面図である。 真空容器のリーク状態を検査するための装置の概略構成図である。 吸収分光法を説明するための図である。 リークレート計測のための時間と真空容器内の全圧力と水分の分圧との計測値を示したグラフである。 真空引き時間とリークレートとの関係を示したグラフ及び表である。 排気時間とガス成分との関係を示した図である。 アルミアルマイトからのアウトガス成分と排気時間との関係を示した図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の各実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(プラズマ処理装置の全体構成)
まず、本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置の縦断面図である。プラズマ処理装置10は、表面が陽極酸化処理されたアルミニウム(以下、アルミアルマイトと称する。)からなる略円筒状の真空容器100を有している。本実施形態では、真空容器100の側壁及び天井壁の表面Sが陽極酸化処理されている。つまり、真空容器100の内壁の殆どはアルミアルマイトから形成されている。
真空容器100は接地されている。プラズマ処理装置10は、真空容器100の内部にて下部電極であるサセプタ20と上部電極25とが対向配置された、下部RF印加タイプの容量結合型平行平板プラズマエッチング装置である。プラズマ処理装置10には、サセプタ20に高周波電源27からプラズマ生成用の高周波(RF)電力が印加される。
真空容器100の底部には排気ライン30を介してAPCバルブ35、ターボ分子ポンプ(TMP)40、ドライポンプ45が接続されている。本実施形態では、ドライポンプ45で真空容器100内を粗引きした後、ターボ分子ポンプ40で真空引きすることにより、真空容器100内を所望の真空度まで減圧する。APC(Automatic Pressure Control)バルブ35は、自動圧力調整器であり、バルブの開閉により真空容器100内の圧力を自動制御する。
なお、ターボ分子ポンプ40、ドライポンプ45などの真空ポンプは、排気装置の一例であり、真空容器100には、ターボ分子ポンプ40及びドライポンプ45の両方が取り付けられていてもよく、ドライポンプ45だけが取り付けられていてもよい。また、必ずしもAPCバルブ35を配設する必要はなく、これに替えて単なるバルブを排気管30に取り付けてもよい。
かかる構成のプラズマ処理装置10では、図示しないガス供給源から所望のガスを所定の流量で真空容器100内へ供給し、プラズマ生成用の高周波(RF)電力を印加することにより、上部電極25及びサセプタ20間にプラズマが生成される。生成されたプラズマは、サセプタ20の上に載置された半導体ウエハWのプラズマ処理に使われる。
本実施形態に係るプラズマ処理装置10では、真空容器100の内部の圧力を計測するために圧力計50及び水分圧モニタ55が取り付けられている。圧力計50は、真空容器100内の全圧力を計測する。圧力計50としては、例えばキャパシタンスマノメータが挙げられる。
水分圧モニタ55は、真空容器100内の水分の分圧を計測する。例えば、水分圧モニタ55は、真空容器100内への入射光に対して水分に吸収された光の量を分析する吸収分光法を用いて真空容器100内の水分の分圧を計測してもよい。
吸収分光法の原理を簡単に説明する。図3に示したように、ある物質(試料、ここでは空間中の水分)に強度Iの光が入射され、これに対して強度Iの光が透過された場合、(1)式が成り立つ。
ここで、kは比例定数、cは空間中の水分濃度、Lは試料の光路長である。
(1)式から次の式(2)が導かれる。
ここで、Aは吸光度である。
この吸光度Aに基づき、試料中にて水分に吸収された光の量を計測することができる。
水分圧モニタ55は、この吸収分光法の原理を用いて真空容器100内の水分の分圧を計測する。つまり、水分子が吸収する波長の光を真空容器100に入射し、対向側に設置した水分圧モニタ55(光検出器)により真空容器100から出射した光の減衰量を計測する。この光の減衰量が、水分による光の吸収量に対応する。つまり、光の吸収量と水分子の量は比例する。これにより、水分圧モニタ55は真空容器100に存在する水分子量から真空容器100内の水分の分圧を計測する。
水分圧モニタ55の一例としては、赤外分光法IRを用いた計測機器として、FTIR(Fourier transform infrared spectroscopy:フーリエ変換赤外分光光度計)や、NDIR(Non Dispersive Infra Red:赤外線式ガス分析計)が挙げられる。
水分圧モニタ55により随時計測された真空容器100内の水分の分圧及び圧力計50により随時計測された真空容器100内の全圧力は、図1に示した制御装置200に送られる。送られたデータは、制御装置内のRAM等の記憶領域に蓄積される。制御装置200は、リークレートを検査するための制御プログラムを実行することにより、排気を停止してから所定時間経過後に計測された真空容器100内の全圧力と水分の分圧との差分を求め、該差分の単位時間当たりの圧力上昇分をリークレートとして算出し、該リークレートと予め定められた基準リークレートとを比較することにより真空容器100のリークレートを検査する。制御プログラムや必要なデータは、図示しないハードディスクや半導体メモリに記憶されていてもよいし、CDROM、DVD等の可搬性のコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体に収容されてもよい。
(リークチェック方法)
次に、以上に説明したプラズマ処理装置10にて実行されるリークチェック方法について詳細に説明する。
(1)排気工程
最初に真空容器100内を排気する。例えば、APCバルブ35を開き、ドライポンプ45により真空容器100内を真空引き後、ターボ分子ポンプ40により真空容器100内を更に真空引きする。図4の上のグラフの左側には、ドライポンプ45による真空引き後、ターボ分子ポンプ40により約3000秒真空引きを行った場合の真空容器100内の圧力の変化が示されている。
(2)計測工程
APCバルブ35を閉じ、所定時間経過後、真空容器100内の圧力上昇を圧力計50により計測すると同時に、真空容器100内の水分の分圧の上昇を水分圧モニタ55により計測する。図4では、上のグラフと、その一部を拡大した下のグラフに示したように、排気開始から3800秒経過後、全圧力と水分の分圧との計測が開始されている。
(3)規定時間待機
例えば、数十分間待機する。規定時間は、リークチェックを始めるに当たって必要な所定時間に予め定められている。
(4)リークチェック工程
排気を停止してから所定時間(規定時間)経過後、計測された全圧力と水分の分圧とを、制御装置200に内蔵されたRAM等のメモリに保存し始める。図4の下グラフでは、排気を停止した3800秒から100秒後を所定時間として所定時間経過後の3900秒より、真空容器100内の全圧力(A)、及び、真空容器100内の水分の分圧(B)がメモリに保存されている。リークチェック工程では、全圧力(A)と水分の分圧(B)との差分(A)−(B)を求め、該差分の単位時間当たりの圧力上昇分をリークレートとして算出し、該リークレートと予め定められた基準リークレートとを比較することにより真空容器100のリークレートを検査する。
(5)リークチェック終了
リークチェック終了後、APCバルブ35を開く。
(リークチェック結果)
図5に5時間大気開放していた装置の真空引き時間に対するリークレートの変化を示す。図5には、本実施形態に係るリークレート計測方法(実施例)によるリークレートと、従来のリークレート計測方法(比較例)によるリークレートが示されている。従来のリークレート計測方法(比較例)では、圧力計により計測された真空容器100内の全圧力の変化が、リークによる真空容器100内の圧力上昇に等しいとしてリークレートを算出する。これに対して、本実施形態に係るリークレート計測方法では、真空容器100の内壁からのアウトガス成分の絶対圧を測定可能な計測器として、ここでは水分圧モニタ55を使用して脱離した水分の絶対圧を計測し、真空容器100内の全圧力と水分の絶対圧との差分が、リークによる真空容器100内の圧力上昇に等しいとしてリークレートを算出する。
図5では、リークレート値が1(mT/min)以下に推移しているとき、正確なリークレートを計測可能とする。従来のリークチェック方法(比較例)では、大気開放時に内壁への付着するガス成分が存在し、それらがなくなるまでに数時間以上の時間を要する。規定のリークレート値(1mT/min)に到達するまでに少なくとも2.2時間(=約132分)以上、好ましくは、6時間以上かかっていた。
これに対して、本実施形態に係るリークレート計測方法(実施例)では、リークレート値の真空引き時間依存が殆どなく、規定のリークレート値(1mT/min)に到達するまでに0.9時間(=約50分)以上、好ましくは、1.5時間の真空引きで正確なリークチェックが可能となっている。よって、本実施形態に係るリークチェック方法では、従来のリークチェック方法(比較例)に比べて、真空引き時間を大幅に短縮することができる。
なお、本実施形態に係るリークチェック方法を用いても、真空引き時間に依存してわずかにリークレート値が変化しているのは、真空容器100の内壁からのアウトガス中1〜2割はNガスやOといった水以外の成分を含んでいるためであり、これらの成分が時間とともに減少しているからである。よって、この水以外のガス成分による影響を少なくするためには、リークレートの検査開始前に少なくとも50分程度の真空引きを実行するとよく、リークレートの検査開始前に少なくとも5時間程度の真空引きを実行するとより好ましい。
(成分分析)
以下では、水及び水以外のガス(例えば有機物)をリークチェックと同時にモニタリングすることにより、ビルドアップ時の圧力上昇がリークなのか、水なのか、それ以外の物質なのかを評価した。評価にあったては、質量分析器(QMAS)を用いた。その時の測定装置の簡略構成を図2(c)に示す。
図2(c)の真空容器100には、排気ライン30に接続されたAPCバルブ35、ターボ分子ポンプ40及びドライポンプ45の他に、測定装置側に連結される排気ライン95が設けられ、排気バルブ85及びオリフィス90を介して質量分析器80(QMAS)が接続されている。排気ライン95には、別途、ターボ分子ポンプ83及びドライポンプ84が取り付けられている。
排気ライン30側の排気系により真空容器100の内部は所望の減圧状態を維持するように排気される。質量分析器80により真空容器100内のガス成分が検出される。質量分析器80としては、たとえば四重極質量分析計や、磁場偏向型質量分析計などが挙げられる。
図2(c)に示される実験系を用いて、実際に真空容器100内を真空引きしながら、排気系でリークを生じさせたときの真空容器100内のガス成分を調べた。図2(c)の実験系では、APCバルブ35を閉じてビルドアップ法によりリークチェックを行う場合、ビルドアップ中でも質量分析器80側のTMPで装置内のガスを引いていることになる。
そこで、リークによる真空容器100内へのガス流入量が質量分析器80へのガス流入量より大きくなるようにオリフィス90の径を調整するか、或いは、オリフィス90と真空容器100との間に排気バルブ85を設置し、次のように排気バルブ85の開閉を制御しながら、ビルドアップ法によるリークチェック中の、真空容器100内のガス成分を質量分析器80により分析した。
図2(c)の実験系を用いたリークチェック及び質量分析では次の工程が実行される。
(1)排気工程
最初に真空容器100内を排気する。例えば、APCバルブ35を開き、ドライポンプ45により真空容器100内を排気後、ターボ分子ポンプ40により真空容器100内を更に真空引きする。
(2)計測工程
APCバルブ35及び排気バルブ85を閉じ、所定時間経過後、真空容器100内の圧力上昇を圧力計50により計測する。
(3)規定時間待機
例えば、数十分間待機する。規定時間は、リークチェックを始めるに当たって必要な所定時間に予め定められている。
(4)リークチェック工程
規定時間経過後、計測された全圧力を、制御装置200に内蔵されたRAM等のメモリに保存し始める。
(5)質量分析工程
排気バルブ85を開き、質量分析器80にて真空容器100内のガスの成分を分析する。
(6)リークチェック終了
リークチェック終了後、APCバルブ35を開く。
質量分析工程にてガス組成を分析した結果を図6に示す。図6の各棒グラフの底部にはリーク成分が示され、その上部にはアウトガス成分として各ガスの内訳が示されている。リーク成分としては、図示していないがNガスとCOガスとが支配的である。アウトガス成分としては、真空引きが短い段階ではHOガスが支配的である。しかし、真空引き時間が経過するほどHOガスを中心としたアウトガス成分が減り、アウトガス成分に対するリーク成分の比率が高くなる。真空引き時間が62時間程度になるとほぼリーク成分のみとなる。
以上から、計測された真空容器100内の全圧力の上昇分には、外部から進入するガス(リーク成分)による圧力上昇分と、排気後に真空容器100の内壁から脱離する水分(アウトガス成分)による圧力上昇分とが主に含まれることが証明された。これに着目し、本実施形態にかかるリークチェック方法では、前記排気を停止してから所定時間経過後にそれぞれ計測された真空容器100内の全圧力及び水分の分圧の差分を求め、該差分の単位時間当たりの圧力上昇分をリークレートとして算出し、該リークレートと予め定められた基準リークレートとを比較することにより真空容器100のリークレートを検査する。例えば、真空容器100内を20分真空引き後にAPCバルブ35を閉じて、ビルドアップ法によるリークチェックを行った結果が以下の場合のリークレートの算出方法を具体的に説明する。
・リークチェックを行った結果
(1)圧力計(キャパシタンスマノメータ)による計測値
48.8mT(封じ切時間:10分)
(2)質量分析器(四重極質量分析計)による計測値
ガス組成 N:16.2%、O:5.8%、HO:71.2%
分析結果から、真空容器100内ガスのうち、内壁からのアウトガス(水分)は、71.2%であるから、真空容器100内の全圧力48.8mTに対して、水分の分圧は48.8mT×0.712=34.7mTとなる。その結果、真空容器100内の全圧力と水分の分圧との差圧は14.1mTとなり、リークレートは1.41mT/minと計算できる。
(アウトガス成分)
真空容器100は、その表面がアルミアルマイトから主に形成されている。そこで、アルミアルマイトからのアウトガス成分を質量分析器により計測した。この結果を図7に示す。これによれば、アルミアルマイトからのアウトガス成分のうち、顕著に多い成分が水であることがわかった。この結果から、容器100の内壁の大部分をアルミアルマイトが占めるプラズマ処理装置等の真空容器100において、本実施形態に係るリークチェック方法は有益であることがわかった。
以上のように、計測された真空容器100内の全圧力の上昇分には、外部から進入するガスだけでなく、排気後に真空容器100の内壁からのアウトガスによる圧力上昇分が多く含まれる。本実施形態に係るリークチェック方法では、これに着目して、排気を停止してから所定時間経過後の真空容器100内の全圧力から水分の分圧分を除いた値に基づき真空容器100のリークレートを検査する。これにより、従来のように真空容器100の内壁からのアウトガスが十分に減少する状態まで真空容器100内を排気してから、リークチェックを行う必要がなくなる。その結果、デバイスメーカ側から見れば、装置の稼働率向上を達成でき、装置製造メーカ側から見れば、装置製造工期の大幅短縮が可能となる。
例えば、通常の装置メンテナンス後の真空引きや、新規装置製造時の真空引き時には、大量の装置内壁からのアウトガスが存在する。このような状況でも、本実施形態に係るリークチェック方法によれば、アウトガスの主な成分である水分圧をモニタリングすることにより、「リークによる外部からのガス流入」と「装置内壁からのガス脱離の主な成分(水分)」とを切り分けることができる。これにより、従来のように長時間の真空引き時間を費やさなくてもすぐにリークレート計測が可能となる。
上記一実施形態に係るリークチェック方法において、各動作は互いに関連しており、互いの関連を考慮しながら、一連の動作及び一連の処理として置き換えることができる。これにより、リークチェック方法の実施形態を、リークチェック装置の実施形態及びリークチェック装置が有する機能をコンピュータに実行させるプログラムの実施形態とすることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本発明に係るリークチェック方法を実施する真空容器は、内部を減圧状態に保持する容器であればよく、例えば、プラズマにより被処理体に微細加工を施すプラズマ処理装置や、被処理体を搬送する搬送容器に適用可能である。
なお、本発明に係るプラズマ処理装置は、エッチング処理装置であっても成膜装置であってもよい。また、平行平板型のプラズマ処理装置に限られず、ICP(Inductively Coupled Plasma)プラズマ処理装置等のプラズマ処理装置でもよい。
10 プラズマ処理装置
20 サセプタ
25 上部電極
30 排気管
35 APCバルブ
40 ターボ分子ポンプ
45 ドライポンプ
50 圧力計
55 水分圧モニタ
80 質量分析器
85 排気バルブ
90 オリフィス
95 排気管
100 真空容器
200 制御装置

Claims (10)

  1. 排気装置により真空容器の内部を排気する工程と、
    前記排気を停止後、前記真空容器内の全圧力及び水分の分圧を計測する工程と、
    前記排気を停止してから所定時間経過後にそれぞれ計測された前記全圧力から前記水分の分圧分を除いた値に基づき前記真空容器のリークレートを検査する工程と、
    を含むことを特徴とするリークチェック方法。
  2. 前記排気を停止してから所定時間経過後にそれぞれ計測された前記全圧力と前記水分の分圧との差分を求め、該差分の単位時間当たりの圧力上昇分をリークレートとして算出し、該リークレートと予め定められた基準リークレートとを比較することにより前記真空容器のリークレートを検査することを特徴とする請求項1に記載のリークチェック方法。
  3. 前記リークチェック工程は、前記排気工程にて少なくとも50分の真空引き時間経過後に計測された全圧力及び水分の分圧に基づきリークチェックを実行することを特徴とする請求項1に記載のリークチェック方法。
  4. 前記リークチェック工程は、前記排気工程にて少なくとも5時間の真空引き時間経過後に計測された全圧力及び水分の分圧に基づきーク検査を実行することを特徴とする請求項1に記載のリークチェック方法。
  5. 前記計測工程は、前記真空容器に設けられた全圧力を計測する圧力計と、前記真空容器に設けられた水分の分圧を計測する水分圧モニタとを用いて計測を実行することを特徴とする請求項1に記載のリークチェック方法。
  6. 前記水分圧モニタは、前記真空容器内への入射光に対して水分に吸収された光の量を分析する吸収分光法を用いて前記真空容器内の水分の分圧を計測することを特徴とする請求項5に記載のリークチェック方法。
  7. 前記真空容器は、該真空容器の表面が陽極酸化処理されたアルミニウムから主に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリークチェック方法。
  8. 前記真空容器は、プラズマにより被処理体に微細加工を施すプラズマ処理装置又は被処理体を搬送する搬送容器のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のリークチェック方法。
  9. 真空容器の内部を排気する排気装置と、
    前記排気を停止後、前記真空容器内の全圧力を計測する圧力計と、
    前記排気を停止後、前記真空容器内の水分の分圧を計測する水分圧モニタと、
    前記排気を停止してから所定時間経過後にそれぞれ計測された前記全圧力から前記水分の分圧分を除いた値に基づき前記真空容器のリークレートを検査するコントローラと、
    を備えることを特徴とするリークチェック装置。
  10. 排気装置により真空容器の内部を排気する処理と、
    前記排気を停止後、前記真空容器内の全圧力及び水分の分圧を計測する処理と、
    前記排気を停止してから所定時間経過後にそれぞれ計測された前記全圧力から前記水分の分圧分を除いた値に基づき前記真空容器のリークレートを検査する処理と、
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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