JP2018087305A - シート状熱硬化性樹脂組成物、並びにそれを用いた樹脂シート、モジュール部品、パワーデバイス及びコイル部品 - Google Patents

シート状熱硬化性樹脂組成物、並びにそれを用いた樹脂シート、モジュール部品、パワーデバイス及びコイル部品 Download PDF

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Abstract

【課題】高耐熱性に追加して高熱伝導性や高透磁率を両立するシート状熱硬化性樹脂組成物、それを用いた各種部品を提供すること。【解決手段】シート状熱硬化性樹脂組成物であって、(A)分子中にイミド骨格を有し、かつアリル基を官能基として有する熱硬化性樹脂と、(B)マレイミド化合物と、(C)有機溶剤と、(D)無機フィラーとを含有し、前記(C)有機溶剤の揮発量がシート状熱硬化性樹脂組成物に対して0.85〜1.5質量%であり、かつ前記(D)無機フィラーの含有量がシート状熱硬化性樹脂組成物に対して80質量%以上であることを特徴とする、シート状熱硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、高耐熱性を有する熱硬化性樹脂組成物に関し、更に放熱性を付加したり磁性特性を付加したりして、各種部品の絶縁層として好適に用いられるシート状熱硬化性樹脂組成物に関する。
近年、電子機器においては高性能化、小型化、軽量化等に伴い半導体パッケージの高密度実装化、LSIの高集積化及び高速化等が進み、電子部品において単位面積あたりの発熱量が増大している。そのため、電子機器に用いられる材料においては、電子部品から熱を外部へ効果的に放散させるべく熱伝導性を向上させることが重要である。
一方で、SiCチップに代表されるような部品においては、きわめて高温になるために、このような部品に用いられる材料に対する高熱伝導性と同時に高耐熱性への要求が高まっており、これら特性を両立させることが課題となっている。
更に、高機能化を競い合うモジュール部品が増えている中、発熱部品の熱の影響を受ける部品が出て来ており、チップインダクタやチップ抵抗、チップコンデンサ等の受動部品においてもその耐熱性の必要性が増大している。
従来、電子機器に用いられる材料としてはエポキシ樹脂が広く用いられているが、これまでのエポキシ樹脂では、要求される高耐熱性を達成できないのが現状である。
更にセラミックス基板が高耐熱性と高熱伝導性を両立させた基板材料として提案されているが、セラミックスは薄くすると割れやすくなり、標準的な厚みである400μより薄くすることはあまり利点がなく、熱抵抗をこれ以上下げることができないので、高放熱特性を向上させることには限界があった。高放熱特性を向上させるには材質をアルミナから窒化アルミ等に変更するしか手段がなく、非常に高価格となると言う課題がある。
この点、イミド樹脂組成物は、その優れた耐熱性、および高いガラス転移温度等で知られているが、ポリイミドは軟化点が高く、さらに溶剤に溶けにくいため、使いにくいという難点があった。これまでに、そのようなイミド樹脂とエポキシ樹脂とを併用して、半導体用接着組成物などに使用されることが報告されている(特許文献1)。
また別の特許には基本となるナジイミド樹脂とマレイミド樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物について記載されているが、Bステージ化については特に記載がなく、シートの柔軟性やシート化後の流動性については語られていない(特許文献2)。
更に、エラストマー成分を含有させて柔軟性を発現させることが記載されているが、柔軟性成分を含有させたフィルムの流動性については語られていない(特許文献3)。
特開2008−94870号公報 特開平7−224121号公報 特開2010−229274号公報
イミド樹脂は優れた耐熱性を有する樹脂であるが、ポリイミド単独で用いようとすると、上述したように溶剤に溶けにくいために使用にくいという問題があった。
この点、特許文献1記載のように、ポリイミドを変性して官能基を付け、エポキシ樹脂と併用することは可能であったが、エポキシ樹脂と併用すると、結局エポキシとの結合部分が切れやすくなってしまい、近年要求されているような高耐熱性を達成できない。
よって、従来の技術では、高耐熱性、高熱伝導性、磁性特性、加工性、フィラー高充填性等を全て満たすイミド樹脂組成物を得ることはできなかった。更に、セラミックス基板の代替として使用出来るシート状の高耐熱樹脂が求められているが、加熱加圧時に軟化して流動性が発現するようなシート材はなく、フレキシブル基板材料のようにフィルム状で流動性がない高耐熱材が存在するのみである。
そこで、本発明は上記課題に鑑みて、高耐熱性に追加して高熱伝導性や磁性特性等を両立する新規なシート状熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の手段により前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下を包含する:
シート状熱硬化性樹脂組成物であって、(A)分子中にイミド骨格を有し、かつアリル基を官能基として有する熱硬化性樹脂と、(B)マレイミド化合物と、(C)有機溶剤と、(D)無機フィラーとを含有し、前記(C)有機溶剤の揮発量がシート状熱硬化性樹脂組成物に対して0.85〜1.5質量%であり、かつ前記(D)無機フィラーの含有量がシート状熱硬化性樹脂組成物に対して80質量%以上であることを特徴とする、シート状熱硬化性樹脂組成物。
上記シート状熱硬化性樹脂組成物において、(A)熱硬化性樹脂が、下記化学式(I)で表されるアリルナジイミド樹脂であることが好ましい。
Figure 2018087305
(式中、Rは下記化学式(II)または(III)または(IV)で表される官能基である)
Figure 2018087305
Figure 2018087305
Figure 2018087305
前記(A)及び前記(B)以外の樹脂成分として、ビスマレイミドオリゴマーを、樹脂組成物中の樹脂成分に対して10〜50質量%含有することを特徴とする、上述のシート状熱硬化性樹脂組成物。
前記(C)有機溶剤として少なくとも2種類の溶剤を含み、沸点が100℃以上の溶剤と100℃未満の溶剤をそれぞれ含むことを特徴とする、上述のシート状熱硬化性樹脂組成物。
前記2種類の溶剤がN,N−ジメチルホルムアミドとメチルエチルケトンであることを特徴とする、上述のシート状熱硬化性樹脂組成物。
前記(D)無機フィラーとして、熱伝導率20W/mK以上の無機フィラーを少なくとも1種含有する、前記いずれかのシート状熱硬化性樹脂組成物。
前記(D)無機フィラーとして、球状無機フィラーを含有する、前記いずれかのシート状熱硬化性樹脂組成物。
前記球状無機フィラーとして、平均粒子径が20μm以上である球状無機フィラーを少なくとも1種含有する、前記シート状熱硬化性樹脂組成物。
前記(D)無機フィラーとして、軟磁性フィラーを含有する、前記いずれかのシート状熱硬化性樹脂組成物。
前記シート状熱硬化性樹脂組成物がさらにカーボンブラックを含有することが好ましい。
上述のシート状熱硬化性樹脂組成物において、熱伝導率が3W/mK以上であることが好ましい。
フィルム状基材と、上述のいずれかに記載のシート状熱硬化性樹脂組成物と、有機フィルムカバーとをこの順に熱ラミネートして積層した、樹脂シート。
前記シート状熱硬化性樹脂組成物の厚みが、前記フィルム状基材の厚みの2倍以上の厚みであることを特徴とする、前記樹脂シート。
前記いずれかに記載のシート状熱硬化性樹脂組成物の硬化物を絶縁層としたことを特徴とするモジュール部品。
前記シート状熱硬化性樹脂組成物の硬化物の両面に300μm以上の銅板が形成されてなる厚銅回路基板を備えるパワーデバイス。
前記軟磁性フィラーを含有するシート状熱硬化性樹脂組成物をコイル間に充填しているコイル部品。
本発明によれば、高耐熱性に加えて高熱伝導性や磁性特性を両立するシート状熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
また、前記組成物を硬化させてなる高熱伝導性高耐熱性の絶縁層や磁性特性を有する高耐熱性の絶縁層、ならびに前記絶縁層を用いて形成される厚銅回路基板(パワーデバイス)や磁性部品(コイル部品)を提供することができる。
(シート状熱硬化性樹脂組成物)
以下に本発明を実施するための一実施形態を具体的に説明する。
本実施形態に係るシート状熱硬化性樹脂組成物は、(A)分子中にイミド骨格を有し、かつアリル基を官能基として有する熱硬化性樹脂と、(B)マレイミド化合物と、(C)有機溶剤と、(D)無機フィラーとを含有し、前記(C)有機溶剤の揮発量がシート状熱硬化性樹脂組成物に対して0.85〜1.5質量%であり、かつ前記(D)無機フィラーの含有量がシート状熱硬化性樹脂組成物に対して80質量%以上であることを特徴とする。
このような構成とすることにより、高耐熱性および高熱伝導性を併せ持つ優れたシート状熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
なお、本実施形態において「シート状」とは、(A)分子中にイミド骨格を有し、かつアリル基を官能基として有する熱硬化性樹脂と、(B)マレイミド化合物と、(C)有機溶剤と、(D)無機フィラーとを含有したスラリー状の熱硬化性樹脂組成物がシート状の半硬化物(Bステージ状態)であることをいう。
本実施形態における(A)熱硬化性樹脂とは、分子中にイミド骨格を有するイミド樹脂であって、官能基としてアリル基を有する熱硬化性樹脂である。
本実施形態の樹脂組成物では、樹脂成分として、上述の(A)熱硬化性樹脂を単独重合させるので、なかでも高いTgを有する樹脂を用いることが好ましい。なお、(A)熱硬化性樹脂については、一種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、例えば、アリルナジイミド等を用いることができ、より好ましくは、下記化学式(I)で表されるビスアリルナジイミドを用いる。
Figure 2018087305
(式中、Rは下記化学式(II)または(III)または(IV)で表される官能基である)
Figure 2018087305
Figure 2018087305
Figure 2018087305
ビスアリルナジイミドはTgが300℃以上であり、このようなポリイミドを用いることにより、シート状熱硬化性樹脂組成物の硬化物を用いて形成される絶縁層の耐熱性を非常に高くすることができる。すなわち、高耐熱樹脂シートを熱硬化させてから絶縁層等に使用することで高耐熱性が発現する。
ビスアリルナジイミドは公知の化合物であり、通常知られている製造方法によって製造することができる。あるいは、市販品を用いることもでき、市販品としては、例えば、丸善石油化学株式会社製のBANI−H、BANI−M、BANI−Xなどを用いることができる。
熱硬化性樹脂組成物中の前記(A)成分の含有割合としては、熱硬化性樹脂組成物全量中に通常6〜17質量%であり、さらには8〜16質量%であることがより好ましい。前記(A)樹脂成分の含有割合が6質量%以上であれば、高Tgや高耐熱性が確実に得られ、17質量%未満であれば、硬化反応時間を短縮ことができるが、逆に17質量%以上になってくると、硬化反応に長時間必要となるため実用的ではない。
次に、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物における(B)マレイミド化合物については、マレイミド化合物として、n−エチルマレイミド、n−フェニルマレイミドなどが使用できるが、反応性や硬化時の耐熱性をより向上させるために、ビスマレイミドを用いる方がより好ましい。より具体的には、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、ビスフェノール A ジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、フェニルメタンマレイミドなどが挙げられる。
このようなマレイミド化合物を含むことにより、硬化反応時間が短縮できるだけでなく、樹脂組成物はより高い耐熱性を有するようになる。
熱硬化性樹脂組成物中の前記(B)成分の含有割合としては、通常、熱硬化性樹脂組成物全量中に3〜14質量%であり、さらには4〜12質量%であることがより好ましい。前記(B)成分の含有割合が3質量%未満だと硬化反応時間が長くなり実用上に不利となり、14質量%を超えると耐熱性やTgが低くなってしまう。
また、(B)マレイミド化合物をあらかじめ、オリゴマー化したものを配合することで成型時間の短縮や硬化物の強度を安定化させることが可能となる。
オリゴマー化はごく一般的な方法を使用することができ、例えば各種マレイミド化合物とDDM(ジアミノジフェニルメタン)を加熱縮合反応させることで、オリゴマー化させることが可能である。
このようにオリゴマー化したビスマレイミドオリゴマーを樹脂組成物における樹脂成分(無機フィラーは含まない)中に10〜50質量%含有させることが好ましい。ビスマレイミドオリゴマーが10質量%以上含まれることにより、例えばA−A−A−AやB−B−B−Bと言う反応のみが起きるのではなく、あらかじめA−Bのような反応を作っておいてやると、均一な反応が起き易く耐熱性を向上させやすいという利点がある。一方、50質量%以下であることにより、樹脂の骨格が縦と横に均一に形成されやすく、ある反応のみが一方向にのみ長く伸びて耐熱性が低下することを防止するため好適である。
次に(C)有機溶剤であるが、樹脂成分の良溶媒を使用することは当然であるが、少なくとも2種類以上の混合溶剤を使用することが好ましい。より具体的には、シート化する際の含有揮発分をある程度確保するために100℃以上の溶剤と、乾燥速度を早くするために100℃未満の溶剤とを混合溶剤として使用することが好ましい。
特に、(C)有機溶剤の揮発分が0.85%未満となると、シート状の形状を保持することが出来なくなり、割れやクラックが発生して破片状や粉状となってしまう。逆に揮発分が1.5%以上になると溶剤成分が多過ぎてシートがタック性を有するようになり、更に硬化成型した際に硬化物の耐熱性を阻害する揮発分が残留しやすくなり、硬化物を高温にした際にフクレ等が発生しやすくなる。よって、本実施形態の樹脂組成物中における(C)有機溶剤の揮発量は0.85%〜1.5質量%とする。なお、ここでいう揮発量とは、組成物中の有機溶剤量を測定する場合に、その組成物を高温にして溶剤成分を揮発させて組成物から除去して何質量%軽くなったかで溶剤成分の量すなわち揮発分を測定した量を意味する。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物には、さらに(D)無機フィラーが充填されている。無機フィラーを高充填させることにより、樹脂組成物の熱伝導性、磁性特性及び難燃性等を向上させることができる。
本実施形態において用いることができる無機フィラーとしては、特に限定はないが、熱伝導率が20W/mK以上である無機フィラーを用いることが好ましい。それにより、より高い熱伝導率を有する樹脂組成物を得ることができる。
さらに、無機フィラーとして少なくとも1種の球状無機フィラーを有することが好ましい。球状の無機フィラーを含有することにより、フィラーの高充填が可能であるからである。
さらに、球状フィラーのなかでも、平均粒子径が20μm以上である無機フィラーを少なくとも1種含有していることが好ましい。平均粒子径は20μm以上100μm以下であることがより望ましい。平均粒径が20μ以下特に小粒径になればなるほど高充填が難しくなり、表面積が増大するので、樹脂組成物の流動性も悪化する。一方、100μmを越える大粒径になってくるとシートの厚みはそれ以上でなくてはならず、そもそも薄いシート形成ができなくなるだけでなく、薄い隙間に高耐熱樹脂を流動させたい場合には、フィラーが引っかかって流動しない等の不具合が発生するおそれがある。ただし、例えば、30μm平均粒径のフィラー1種類と1μm平均粒径のフィラー1種を混在させて高充填設計をするといった調整を適宜実施すれば、より高充填化も可能となると考えられる。
具体的な無機フィラーの例示としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、炭化珪素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムなど絶縁性を示す無機フィラーを使用することが好ましい。さらに高熱伝導性を向上させる目的では、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム等を用いることがより好ましい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
シート状熱硬化性樹脂組成物中の前記(D)成分の含有割合としては、通常、熱硬化性樹脂組成物全量中に80〜98質量%であり、さらには85〜96質量%であることがより好ましい。前記(D)成分の含有割合が80質量%未満だと充分な熱伝導性が得られないことがあり、また、96質量%を超えると流動性が悪くなり、絶縁層として使用する上でのプレス成型性が極端に悪くなってしまうからである。
一方、前記(D)無機フィラーとして軟磁性フィラーを含有することも出来る。軟磁性フィラーは、比重が上記の各種酸化物よりも大きいため、98重量%程度は含有させることができる。軟磁性フィラーとしては特に限定はしないが、好ましくは、鉄、鉄系合金、コバルト系合金からなる群より選ばれた少なくとも1種を含有する。
鉄は、例えば99.90〜99.95%の純度の高純度鉄(純鉄)を意味する。鉄の具体例としては、カーボニル鉄、アームコ鉄、海綿鉄、電解鉄を挙げることができる。カーボニル鉄は、鉄カーボニルFe(CO)を熱分解して得られる。
鉄系合金の具体例として、軟磁性鉄合金を挙げることができる。前記軟磁性鉄合金の具体例として、軟時勢鉄−シリコン系合金、軟磁性鉄(Fe)−窒素(N)系合金、軟磁性鉄(Fe)−炭素(C)系合金、軟磁性鉄(Fe)−ホウ素(B)系合金、軟磁性鉄(Fe)−リン(P)系合金、軟磁性鉄(Fe)−アルミニウム(Al)系合金、軟磁性鉄(Fe)−アルミニウム(Al)−シリコン(Si)系合金、パーメンジュール(Fe−Co)、Fe−Co−V合金を挙げることができる。さらに、各種フェライトを含有させることもできる。
更に、高温で樹脂の変色を防止するために、カーボンブラックを適量含有させて黒色にすることで、変色のない絶縁層とすることが可能である。
さらに、本実施形態に係るシート状熱硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲でその他の添加剤、例えば、エラストマー成分、硬化促進剤、難燃剤、難燃助剤、レベリング剤、着色剤等を必要に応じて含有してもよい。
(熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた樹脂シートの製造方法)
本発明の熱硬化性樹脂組成物としては、通常、上述した成分に更に有機溶剤を混合し、ワニス状またはスラリー状にしたものを用いる。こうすることにより、無機フィラー高充填しても樹脂組成物の粘度を低粘度にすることができる。
より具体的には、本実施形態に係るシート状熱硬化性樹脂組成物は、例えば、以下のようにして調製される。
つまり、上述した樹脂組成物の各成分に有機溶剤を配合し、さらに前記無機フィラー及び必要に応じてその他の添加剤を添加して、ボールミル、ビーズミル、ミキサー、ブレンダー等を用いて均一に分散・混合し、ワニス状またはスラリー状に調製することができる。
前記有機溶剤としては、特に限定されず、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、メタノール、エタノール等のアルコール類、セロソルブ類等を挙げることができる。これらは2種以上を組み合わせて用いるのが良い。好ましい溶剤は低沸点溶剤である事が望ましいが、混合溶剤として使用する事により、乾燥させたシートの表面形状が良好となる。高沸点溶剤を含有させることで、乾燥時にシートの柔軟性を保持させることが容易となるからである。特に100℃以上であるDMFと100℃未満であるメチルエチルケトンとを混合溶剤として使用することが良い。
次に、本実施形態の樹脂組成物を用いて樹脂シートを形成する場合、上記で粘度を調整したスラリーを銅箔やPET等のフィルム状基材に塗布乾燥して樹脂シートとすることができる。またその際は、乾燥後の巻取り易さやフィルムとの剥離性を良くするために、基材の厚みの2倍以上の樹脂シート厚み(乾燥後の厚み)になるようにスラリーを塗布することが好ましい。
樹脂組成物スラリーを加熱乾燥するための方法、装置、それらの条件については、従来と同様のものとして、あるいはその改良としての各種の手段であってよい。例えば、スラリーを標準的なコーティング装置で加熱乾燥してシート状熱硬化性樹脂組成物を得るときの加熱乾燥条件は、特に限定はされないが、例えば、100〜160℃で5〜20分間加熱する。この加熱により、樹脂組成物は半硬化状態(Bステージ状の硬化物)となる。
更に、塗布乾燥後にPET等の有機フィルムカバーを積層し、熱ラミネートすることで、本実施形態の樹脂組成物シートを得ることができる。このようにすることで、乾燥面の平滑性や適度なタック性をもたせることができるため、本実施形態の樹脂組成物を絶縁層として使用する時のプレス成型性が良好となると考えられる。
(各種機能性部品、モジュール部品)
上述のようにして得られたシート状熱硬化性樹脂組成物は、加熱乾燥し、溶剤を蒸発させながら、硬化反応を進め、Bステージ状のシートになっており、当該シートの硬化物を用いて高熱伝導性高耐熱性の絶縁層を得ることができる。
得られた高熱伝導性高耐熱性絶縁層硬化物は、3W/mK以上の熱伝導率を有し、例えば、両面を銅板でサンドイッチさせた状態で真空加熱加圧プレス成型することで、両面銅張積層板となり、片面を回路形成することで、厚銅回路基板とすることが出来る。銅板を300μ以上の厚さとすることも出来るし、500μ程度の厚みのリードフレームとシート状熱硬化性樹脂組成物とを金型内で真空成型することで厚銅回路基板とすることも可能である。さらには、本実施形態に係るシート状熱硬化性樹脂組成物の硬化物を絶縁層として用いた厚銅回路基板は非常に耐熱性が高く熱伝導率も高いため、実装する部品が高温に発熱するSiC等を搭載したパワーデバイス、パワー半導体モジュールに使用することも可能である。
一方で軟磁性フィラーを含有させたシート状熱硬化性樹脂組成物をコイルに充填させるために、使用することも出来る。真空状態で100〜150℃で加熱加圧することで、揮発分を抜きながら、樹脂組成物を軟化させて流動しやすくしてコイル等を充填させてコイル部品を作ることが可能となる。
ここで、絶縁層の熱硬化条件は適宜設定可能であり、真空加熱成形プレスや金型を利用する手段を用いることができるが、例えば、180℃で2時間+200℃で1時間+250℃で1時間等の段階的な加熱成形などが例示される。このように段階的に高温での硬化をさせることで、硬化する末端基が変化し、剛直な硬化物を形成することが出来て耐熱性が発現すると考えられる。
以上、説明したように、本発明のシート状熱硬化性樹脂組成物は、(A)分子中にイミド骨格を有し、かつアリル基を官能基として有する熱硬化性樹脂と、(B)マレイミド化合物と、(C)有機溶剤と、(D)無機フィラーとを含有し、前記(C)有機溶剤の揮発量がシート状熱硬化性樹脂組成物に対して0.85〜1.5質量%であり、かつ前記(D)無機フィラーの含有量がシート状熱硬化性樹脂組成物に対して80質量%以上であることを特徴とする。このような構成とすることにより、高耐熱性および高熱伝導性を併せ持つ優れたシート状熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
上記シート状熱硬化性樹脂組成物において、(A)熱硬化性樹脂が、下記化学式(I)で表されるアリルナジイミド樹脂であることが好ましい。
Figure 2018087305
(式中、Rは下記化学式(II)または(III)または(IV)で表される官能基である)
Figure 2018087305
Figure 2018087305
Figure 2018087305
このようなアリルナジイミド樹脂を用いることにより、非常に高い耐熱性を達成することができる。
さらに、前記(A)及び前記(B)以外の樹脂成分として、ビスマレイミドオリゴマーを、樹脂組成物中の樹脂成分に対して10〜50質量%含有することが好ましい。オリゴマー化したビスマレイミド化合物を配合することで成型時間の短縮や硬化物の強度を安定化させることが可能となるためである。
また、前記(C)有機溶剤として少なくとも2種類の溶剤を含み、沸点が100℃以上の溶剤と100℃未満の溶剤をそれぞれ含むことが好ましく、前記2種類の溶剤がN,N−ジメチルホルムアミドとメチルエチルケトンであることがさらに好ましい。低沸点溶剤を混合溶剤として使用する事により、乾燥させたシートの表面形状が良好となり、高沸点溶剤を含有させることで、乾燥時にシートの柔軟性を保持させることが容易となるからである。
また、前記(D)無機フィラーとしては、熱伝導率20W/mK以上の無機フィラーを少なくとも1種含有することが好ましい。これにより、より高い熱伝導率を確実に達成できる。
さらに、前記(D)無機フィラーとして、球状無機フィラーを含有することが好ましく、なかでも、平均粒子径が20μm以上である球状無機フィラーを少なくとも1種含有することが望ましい。
また、前記(D)無機フィラーとして、軟磁性無機フィラーを含有することが好ましい。軟磁性フィラーを用いることにより、より高い含有量にすることで、必要な透磁率等を発現させることが出来る。
また、前記シート状熱硬化性樹脂組成物がさらにカーボンブラックを含有することが好ましい。それにより、高温による樹脂の変色を防止することができるという利点がある。
上述のシート状熱硬化性樹脂組成物において、熱伝導率が3W/mK以上であることが好ましい。
本実施形態の他の局面に係る樹脂シートは、フィルム状基材と、上述のいずれかに記載のシート状熱硬化性樹脂組成物と、有機フィルムカバーとをこの順に熱ラミネートして積層して備えることを特徴とする。
前記樹脂シートにおいて、前記シート状熱硬化性樹脂組成物の厚みが、前記フィルム状基材の厚みの2倍以上の厚みであることが好ましい。
本発明のさらなる実施態様に係るモジュール品は、前記いずれかに記載のシート状熱硬化性樹脂組成物の硬化物を絶縁層としたことを特徴とする。
本発明のさらなる実施態様に係るパワーデバイスは、前記シート状熱硬化性樹脂組成物の硬化物の両面に300μm以上の銅板が形成されてなる厚銅回路基板を備えることを特徴とする。
本発明のさらなる実施態様に係るコイル部品は、前記軟磁性フィラーを含有するシート状熱硬化性樹脂組成物をコイル間に充填していることを特徴とする。
以下に、本発明について、実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
はじめに、本実施例で用いた原材料をまとめて示す。
〈熱硬化性樹脂〉
・成分(A):ビスアリルジイミド樹脂、丸善石油化学(株)製、「BANI−M」
・エポキシ樹脂:DIC製「HP−4700」
〈マレイミド化合物〉
・ビスマレイミド(フェニルメタンマレイミド):大和化学工業(株)製、「BMI−2300」
〈無機フィラー〉
・窒化アルミニウム:トクヤマ製「AlN−H」(平均粒径10μm)
・酸化マグネシウム:宇部マテリアルズ製「RF−10C」(平均粒径10μm)
・アルミナ:昭和電工社製「CB−P10」(平均粒径5μm)
・磁性材料:軟磁性鉄−シリコン系合金(平均粒径20μm):カーボニル鉄(平均粒径2μm)=70wt%:30wt%である混合磁性粉
〈硬化剤〉
・硬化剤:四国化成製 「2E4MZ」
(実施例1)
表1に示す配合量(数値は質量%を表す)で、ビスアリルナジイミド樹脂(丸善石油化学製 BANI−M)、ビスマレイミド樹脂(大和化成工業製 BMI2300)、窒化アルミニウム(トクヤマ製 AlN−H)、さらにメチルエチルケトンとDMF溶剤を、固形成分量が86質量%となるように添加した後、プラネタリーミキサーで混練し、樹脂組成物を得た。これを110℃で15分間加熱乾燥して、有機溶剤の揮発量が0.85質量%であるステージ状のシート状熱硬化性樹脂組成物を作成した。
(実施例2)
表1に示す配合量で、ビスアリルナジイミド樹脂(丸善石油化学製 BANI−M)、ビスマレイミド樹脂(大和化成工業製 BMI2300)、酸化マグネシウムフィラー(宇部マテリアルズ製 RF−10C)、さらにMEKとDMF溶剤を固形成分量が88質量%となるように添加した後、プラネタリーミキサーで混練し、樹脂組成物を得た。これを120℃で10分間加熱乾燥して、有機溶剤の揮発量が1.5質量%であるBステージ状のシート状熱硬化性樹脂組成物を作成した。
(実施例3)
表1に示す配合量で、ビスアリルナジイミド樹脂(丸善石油化学製 BANI−M)、ビスマレイミド樹脂(大和化成工業製 BMI2300)、酸化アルミニウム(昭和電工製 CB−P10)、さらにMEKとDMF溶剤を固形成分量が94質量%となるように添加した後、プラネタリーミキサーで混練し、樹脂組成物を得た。これを120℃で6分間加熱乾燥して、有機溶剤の揮発量が1.0質量%であるBステージ状のシート状熱硬化性樹脂組成物を作成した。
(実施例4)
表1に示す配合量で、ビスアリルナジイミド樹脂(丸善石油化学製 BANI−M)、ビスマレイミド樹脂(大和化成工業製 BMI2300)、さらにBMI1000とDDMとを3:2当量で予備的に反応させたビスマレイミドオリゴマー、磁性粉(上記磁性材料)、さらにMEKとDMF溶剤を固形成分量が90質量%となるように添加した後、プラネタリーミキサーで混練し、樹脂組成物を得た。これを120℃で6分間加熱乾燥して、有機溶剤の揮発量が0.9質量%であるBステージ状のシート状熱硬化性樹脂組成物を作成した。
(比較例1)
表1に示す配合量で、ビスアリルナジイミド樹脂(丸善石油化学製 BANI−M)、ビスマレイミド樹脂(大和化成工業製 BMI2300)、窒化アルミニウム(トクヤマ製 AlN−H)、さらにMEKとDMF溶剤を固形成分量が75質量%となるように添加した後、プラネタリーミキサーで混練し、樹脂組成物を得た。これを120℃で20分間加熱乾燥したが、Bステージ状のシート状熱硬化性樹脂組成物を作成することができなかった。熱伝導率を測定するための硬化物も作成することが出来なかった。有機溶剤の揮発量は、0.5質量%であった。
(比較例2)
表1に示す配合量で、ビスアリルナジイミド樹脂(丸善石油化学製 BANI−M)、ビスマレイミド樹脂(大和化成工業製 BMI2300)と窒化アルミニウム(トクヤマ製 AlN−H)、さらにMEKとDMF溶剤を固形成分量が86質量%となるように添加した後、プラネタリーミキサーで混練し、樹脂組成物を得た。これを130℃で10分間加熱乾燥して、Bステージ状のシート状熱硬化性樹脂組成物を作成した。有機溶剤の揮発量は、2.5質量%であった。
(比較例3)
表1に示す配合量で、エポキシ樹脂(DIC製 HP−4700)、硬化剤(四国化成製 2E4MZ)と窒化アルミニウム(トクヤマ製 AlN−H)、さらにMEKとDMF溶剤を固形成分量が86質量%となるように添加した後、プラネタリーミキサーで混練し、樹脂組成物を得た。これを110℃で5分間加熱乾燥して、Bステージ状のシート状熱硬化性樹脂組成物を作成した。有機溶剤の揮発量は、0.2質量%であった。
尚、上記実施例、比較例で使用のDMFおよびMEKは同量づつを混ぜて、スラリー粘度が5000cpsになるように調整してからこれらのスラリーをPETフィルム50μm厚みにコーティングし乾燥することで、厚みが約100μmのシートを作成した。
Figure 2018087305
<評価>
上記の実施例1〜4および比較例2〜3において得られたシート状熱硬化性樹脂組成物を、175℃で90分間真空加熱成型して1mm厚みの板状硬化物を作製した。この硬化物を更に200℃で60分、その後250℃のオーブンで60分間加熱硬化させてから、それぞれの熱伝導率(放熱性)及び熱分解温度(耐熱性)、透磁率(磁性)を評価した。
(熱伝導率測定)
それぞれの板状硬化物について、レーザーフラッシュ法で熱伝導率を測定した。なお、レーザーフラッシュ法では、熱拡散率測定を実施し、次式より熱伝導率を算出した。
熱伝導率(W/m・K)=密度(kg/m)×比熱(J/kg・K)×熱拡散率(m/s)
なお、密度は水中置換法、比熱はDSC法でそれぞれ得た値である。
結果を表2に示す。
(熱分解温度評価)
それぞれの板状硬化物について、TG−DTA法で加熱重量減少を測定した。結果を表2に示す。
(透磁率評価)
実施例4では、ヒューレットパッカード社製の4291Aを使用して、1MHzでのμ’を測定した。
Figure 2018087305
これらの評価結果から、実施例1〜4に係るシート状熱硬化性樹脂組成物から構成されるいずれの硬化物も、熱分解温度は熱伝導率、透磁率と共に非常に優れていることがわかる。すなわち、本発明に係るシート状熱硬化性樹脂組成物は、高耐熱性に追加して高放熱性や磁性特性を両立することが可能な材料であると言える。
これに対し、揮発分が低い比較例1ではシート状のサンプルを作成することができなかった。比較例2では、揮発分が高すぎて、タック性の高いシート材となり、耐熱性を有する硬化物を作成出来なかった。また、本発明に係るシート状熱硬化性樹脂組成物を含有していない比較例3の硬化物では熱伝導率が高いものの、耐熱性に劣ることがわかる。
これらの結果により、本発明に係るシート状熱硬化性樹脂組成物を用いることにより、高熱分解温度に追加して高熱伝導率や高透磁率を有する硬化物を得ることができることが示された。

Claims (16)

  1. シート状熱硬化性樹脂組成物であって、
    (A)分子中にイミド骨格を有し、かつアリル基を官能基として有する熱硬化性樹脂と、
    (B)マレイミド化合物と、(C)有機溶剤と、(D)無機フィラーとを含有し、
    前記(C)有機溶剤の揮発量がシート状熱硬化性樹脂組成物に対して0.85〜1.5質量%であり、かつ前記(D)無機フィラーの含有量がシート状熱硬化性樹脂組成物に対して80質量%以上であることを特徴とする、シート状熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(A)熱硬化性樹脂が、下記化学式(I)で表されるアリルナジイミド樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載のシート状熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2018087305
    (式中、Rは下記化学式(II)または(III)で表される官能基である)
    Figure 2018087305
    Figure 2018087305
    Figure 2018087305
  3. 前記(A)及び前記(B)以外の樹脂成分として、ビスマレイミドオリゴマーを、樹脂組成物中の樹脂成分に対して10〜50質量%含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のシート状熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(C)有機溶剤として少なくとも2種類の溶剤を含み、沸点が100℃以上の溶剤と100℃未満の溶剤をそれぞれ含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のシート状熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記2種類の溶剤がN,N−ジメチルホルムアミドとメチルエチルケトンであることを特徴とする、請求項4に記載のシート状熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記(D)無機フィラーとして、熱伝導率20W/mK以上の無機フィラーを少なくとも1種含有する、請求項1〜5のいずれかに記載のシート状熱硬化性樹脂組成物。
  7. 前記(D)無機フィラーとして、球状無機フィラーを含有する、請求項1〜6のいずれかに記載のシート状熱硬化性樹脂組成物。
  8. 前記球状無機フィラーとして、平均粒子径が20μm以上である球状無機フィラーを少なくとも1種含有する、請求項7に記載のシート状熱硬化性樹脂組成物。
  9. 前記(D)無機フィラーとして、軟磁性フィラーを含有する、請求項1〜8のいずれかに記載のシート状熱硬化性樹脂組成物。
  10. さらにカーボンブラックを含有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のシート状熱硬化性樹脂組成物。
  11. 熱伝導率が3W/mK以上である、請求項1〜10のいずれかに記載のシート状熱硬化性樹脂組成物。
  12. フィルム状基材と、請求項1〜11のいずれかに記載のシート状熱硬化性樹脂組成物と、有機フィルムカバーとをこの順に積層した、樹脂シート。
  13. 前記シート状熱硬化性樹脂組成物の厚みが、前記フィルム状基材の厚みの2倍以上の厚みであることを特徴とする、請求項12に記載の樹脂シート。
  14. 請求項1〜11のいずれかに記載のシート状熱硬化性樹脂組成物の硬化物を絶縁層としたことを特徴とするモジュール部品。
  15. 請求項1〜11のいずれかに記載のシート状熱硬化性樹脂組成物の硬化物の両面に300μm以上の銅板が形成されてなる厚銅回路基板を備えるパワーデバイス。
  16. 請求項9に記載のシート状熱硬化性樹脂組成物をコイル間に充填しているコイル部品。
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