JP2018083381A - ブックカバー及びブックカバーの製造方法 - Google Patents

ブックカバー及びブックカバーの製造方法 Download PDF

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敬博 浅倉
Takahiro Asakura
敬博 浅倉
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Abstract

【課題】異なるデザインを少量だけ簡易に印刷することができるブックカバーを提供すること。
【解決手段】第一シート11及び第二シート12を重ねて構成され、ブックカバー1の長手方向に沿って延びる第一端縁部20A,20Bがシールされる。第一シート11には、第一端縁部20A,20Bと交差する第二端縁部21A,Bからそれぞれ中央側に離れた位置に第一スリット30及び第二スリット31が設けられる。第一スリット30から第二端縁部21Aに向けた領域と第二シート12とで第一ポケット40が形成され、第二スリット31から第二端縁部21Bに向けた領域と第二シート12とで第二ポケット41が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブックカバー及びブックカバーの製造方法に関する。
書籍、雑誌、ノート、手帳、その他、本類の表表紙、背表紙及び裏表紙を覆うブックカバーが用いられている。
ブックカバーには、紙や合成樹脂から形成された長方形のシート本体の端部に表紙差し込み用のポケットを設けた従来例がある(特許文献1)。
特許文献1の従来例では、シート本体の端縁部とポケットの端縁部とを重ね、重ねられた端縁部の3方を熱溶着で一体化する。
以上の構成のブックカバーでは、書店名、その他の文字や図形等のデザインを印刷することが多い。
ブックカバーの印刷は、ポケットを熱融着する前のシート本体に、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷等で行われることが多い。
昨今、SOHO(Small Office Home Office)等で、少量で特別な製品を製作することが考えられている。そのため、顧客の要望に応じて、デザイン等が異なるブックカバーを少量だけ求められることがあり、この場合、グラビア印刷等では顧客の要望に応えられない。
そのため、少量印刷のために、インクジェットプリンタやレーザプリンタを用いることが考えられる。
特開2003−72261号公報
特許文献1の従来例のブックカバーを製造するにあたり、まず、インクジェットプリンタやレーザプリンタでシート本体を印刷し、その後、シート本体の端部にポケットを重ねて周辺部を熱融着するのでは、熱溶着装置を持っていない業者はブックカバーを製造することができない。例えば、ブックカバーは書店等の販売店で顧客に提供されることがあるが、販売店は、インクジェットプリンタやレーザプリンタを所持することがあっても、熱溶着装置を所持することが少ない。
そのため、販売店等では、印刷されていないブックカバーを業者から提供してもらい、この印刷されていないブックカバーにレーザプリンタ等を用いてデザインを印刷することが考えられる。
特許文献1の従来例では、シート本体の端部にポケットを重ねて熱融着する構成であるため、シート本体の中央部ではシート1枚分の厚さであるのに対して、シート本体の端部ではシート2枚分の厚さとなる。このブックカバーにレーザプリンタで印刷をすると、厚さの異なる部分で転写圧の差が生じることになり、印刷ムラが生じるという課題が生じる。
本発明の目的は、異なるデザインを必要なときに必要量だけ簡易に印刷することができるブックカバー及びブックカバーの製造方法を提供することにある。
本発明のブックカバーは、本類の表表紙、背表紙及び裏表紙を覆うブックカバーであって、第一シートと第二シートとが重ねられ互いに反対側に位置する一組の第一端縁部が少なくともシールされたカバー本体を備え、前記第一シートにスリットが形成され、前記スリットは、前記第一端縁部と交差する方向に延び互いに反対側に位置する一組の第二端縁部からそれぞれ中央側に向けて離れた位置に前記第二端縁部と平行にそれぞれ形成された第一スリット及び第二スリットを有し、前記第一シートのうち前記第一スリットから前記一組の第二端縁部のうち一方の第二端縁部に向けた領域と前記第二シートとで前記表表紙が保持される表表紙用ポケットが構成され、前記第一シートのうち前記第二スリットから前記一組の第二端縁部のうち他方の第二端縁部に向けた領域と前記第二シートとで前記裏表紙が保持される裏表紙用ポケットが構成され、前記第一シートの中央部が前記背表紙を覆うことを特徴する。
本発明では、第一スリットが表表紙を差し込む差込口となり、第二スリットが裏表紙を差し込む差込口となる。第一シートの中央部に本類の背表紙を位置させた状態で、第一スリットから表表紙を表表紙用ポケットに差し込み、第二スリットから裏表紙を裏表紙用ポケットに差し込む。この状態では、本類の背表紙が第一シートと第二シートとで覆われ、表表紙及び裏表紙がそれぞれ第一シートと第二シートとの間に挟まれた状態となる。
本発明のブックカバーでは、第一シートと第二シートとが重合されているので、その厚さが第一端縁部に平行な方向に沿って一定となる。ブックカバーを一葉ずつレーザプリンタの印刷部に送ることができるので、このレーザプリンタを用いて少量のブックカバーを精度よく印刷することができる。そのため、印刷前のブックカバーをまとめて製造しておき、ブックカバーの印刷を書店等の顧客にあるレーザプリンタを用いて実施することで、異なるデザインを必要なときに必要な量だけ印刷することができる。
なお、本発明のブックカバーは、書籍、雑誌、ノート、手帳等、表表紙、裏表紙及び背表紙を有する本類に適用できる。
本発明では、前記第一シート及び第二シートはそれぞれ不織布から形成される構成が好ましい。
本発明では、不織布から形成されるブックカバーは、製造コストを低く抑えられるだけでなく、強度や耐久性がある。しかも、不織布から形成されたブックカバーは、薄くすることが可能であるため、レーザプリンタを用いた印刷に好適である。
本発明のブックカバーの製造方法は、本類の表表紙、背表紙及び裏表紙を覆うブックカバーを製造する方法であって、第一シートと第二シートとを重ねるシート重合工程と、前記シート重合工程で重ね合わされた前記第一シート及び前記第二シートの互いに反対側に位置する一組の第一端縁部を少なくともシールしてカバー本体を成形するカバー本体成形工程と、前記カバー本体形成工程の完了前に実施され、かつ、前記第一シートの前記一組の第一端縁部と交差する方向にそれぞれ延びかつ所定間隔開けて第一スリット及び第二スリットを形成するスリット形成工程と、を備えることを特徴とする。
本発明では、シート重合工程、カバー本体成形工程及びスリット成形工程を実施することで、印刷前のブックカバーが製造されるが、スリット形成工程は、例えば、シート重合工程の前、シート重合工程とカバー本体成形工程との間、あるいは、カバー本体成形工程の途中で実施される。
このように一連の工程で印刷前のブックカバーを効率的に製造することができる。製造された印刷前のブックカバーは、書店等の顧客のレーザプリンタを用いて一葉ずつ印刷されるから、印刷されるデザインが異なるブックカバーを少量製造することができる。
本発明では、前記スリット形成工程は、前記シート重合工程の前に実施される構成が好ましい。
スリット形成工程は、例えば、ロールから送られる第一シートに第一スリット及び第二スリットを形成する。第一スリット及び第二スリットが形成された第一シートと、別のロールから送られる第二シートとをシート重合工程を実施することで重合し、その後、カバー本体成形工程を実施して少なくとも一組の第一端縁部をシールする。そして、必要に応じて、第二端縁部をシールした後、1枚のブックカバーとなるように切断される。切断されたブックカバーは書店等の顧客のレーザプリンタで、印刷される。
本発明では、スリット形成工程をシート重合工程の前に実施するので、シート重合工程の後、特に、カバー本体成形工程の途中の実施する場合に比べて、第一スリットと第二スリットを形成するに際して第二シートが邪魔となることがないので、スリットの形成を容易に行うことができる。
本発明の一実施形態にかかるブックカバーを示すもので、(A)はブックカバーの表面を示す平面図、(B)はブックカバーの裏面を示す平面図、(C)は(A)のC−C線に沿った断面図。 書籍を覆った状態のブックカバーの断面図。 ブックカバーの製造方法を説明する概略図。 (A)〜(D)はブックカバーの製造手順の各工程を示す概略図。
[ブックカバー]
本発明の一実施形態にかかるブックカバー1及びその製造方法を図面に基づいて説明する。
本実施形態のブックカバーは、書籍、雑誌、ノート等の本類であって、表表紙と裏表紙及び背表紙を有する本類に適用できる。
図1及び図2には本実施形態にかかるブックカバー1が示されている。
図1のうち(A)はブックカバー1の平面が示され、(B)はブックカバー1の裏面が示されている。
図1(A)(B)において、ブックカバー1は、それぞれ平面長方形の不織布から形成された第一シート11及び第二シート12を重ねてカバー本体10が構成されている。
ブックカバー1の長手方向に沿って延びる第一端縁部20A,20Bと、第一端縁部20A,20Bと交差する方向に沿って延びる第二端縁部21A,21Bとは、それぞれ超音波溶着によってシールされている。つまり、ブックカバー1は、4辺をシールされた袋状の構造となっている。
ここで、不織布は、レーザプリンタで印刷可能であり、繊維の脱落が起きないスパンボンド法や延展法による長繊維からなるものが望ましい。不織布の材質は、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、その他の材料から構成され、アクリル系接着剤含浸等でフラットな形状を保持している。ポリエステル繊維等は、静電気が発生しやすく樹脂含浸により静電気の発生を少なくすることで利用可能となる。不織布の厚みは、50g/m以上120g/m以下である。
図1(A)において、ブックカバー1の表面を構成する第二シート12には、後述するレーザプリンタを用いて種々の文字や図形等のデザインが印刷される印刷可能領域2が形成されている。なお、本実施形態では、第一シート11にも印刷可能領域2を形成してもよい。
図1(C)にはブックカバー1の断面が示されている。
図1(B)(C)において、ブックカバー1の裏面を構成する第一シート11には、ブックカバー1の第二端縁部21A,21Bからそれぞれ中央側に向けて離れた位置に、第二端縁部21A,21Bと平行にそれぞれ形成された第一スリット30及び第二スリット31が設けられている。
また、第一シート11において、第一スリット30から第二端縁部21Aに向けた領域と第二シート12とで第一ポケット40が形成されている。第一スリット30は第一ポケット40へ表表紙あるいは裏表紙を挿入する挿入口である。第二スリット31から第二端縁部21Bに向けた領域と第二シート12とで第二ポケット41が形成されている。第二スリット31は第二ポケット41へ表表紙あるいは裏表紙を挿入する挿入口である。さらに、第一シート11の第一スリット30と第二スリット31との間には、中央部42が形成されている。
図2には、書籍を覆った状態のブックカバー1の断面図が示されている。
図2において、書籍Aの表表紙A1は第一スリット30から第一ポケット40に差し込まれ、裏表紙A2は第二スリット31から第二ポケット41に差し込まれ、背表紙A3は第一シート11の中央部42に覆われている。すなわち、書籍Aの表表紙A1は第一ポケット40に保持され、裏表紙A2は第二ポケット41に保持されることにより、書籍Aにブックカバー1が取り付けられる。この時、書籍Aの背表紙A3は第一シート11の中央部42と第二シート12とで二重に覆われることになる。
[ブックカバーの製造装置]
次に、本発明の一実施形態にかかるブックカバー1の製造装置を図3に基づいて説明する。
図3に示される通り、製造装置の主要部100は、第一ロール110と、第二ロール111と、第一シート11の流れ方向に沿って第一スリット30及び第二スリット31を形成するスリット形成部120と、第一シート11と第二シート12とを重合する重合部130と、重合部130で重合された第一シート11及び第二シート12からカバー本体10を形成するカバー本体成形部140と、カバー本体10を一葉毎に切断する切断部150と、切断された一葉のカバー本体10を収納する収納部160と、を備える。
スリット形成部120は、2枚の回転刃12A(図3では1枚のみ示す)を有するカッタ部121と、第一ロール110から引き出された第一シート11を回転しながら支持する筒状の受部122とを有する。カッタ部121と受部122とは第一シート11を挟んで配置される。
重合部130は、第一シート11及び第二シート12を、上部から抑える上部ローラ131と、下部から抑える下部ローラ132とを有している。
カバー本体成形部140は、第一シート11及び第二シート12の送り方向の上流に配置された第一成形部141と、下流側に配置された第二成形部142とを備えている。
第一成形部141は、超音波を発生させて第一シート11と第二シート12との両側部分をトリミング接着するか、第一シート11及び第二シート12の第二端縁部21A,21Bを彫刻ロールにより点シールにて溶着する。
第二成形部142は、超音波を発生させて第一シート11と第二シート12の第一端縁部20A,20Bに相当する部分を溶断接着するか彫刻ロール接着(図示せず)をする。
切断部150は、1枚の刃を有するカッタ部151と、カバー本体成形部140で溶着された第一シート11及び第二シート12を支持する受台152とを有する。
カッタ部151と受台152とは、第一シート11及び第二シート12を挟んで配置される。カッタ部151が受台152に向けて移動すると、第一シート11及び第二シート12がカットされ、印刷前の一葉のブックカバー1が製造されて図示しない受台又は収納部160に積層され、あるいは、第二成形部142で溶断カットされた印刷前のブックカバー1がそのまま図示しない受台又は収納部160まで送られて積層される。
収納部160は、切断部150で切断されたブックカバー1を収納する収納ケース161を有する。なお、収納ケース161に代えて受台(図示せず)を用いてもよい。
ブックカバー1はレーザプリンタ170で印刷される。
レーザプリンタ170は、本体ケース171と、本体ケース171の内部に配置され印刷前のブックカバー1を複数枚収納するカセット172と、カセット172に収納されたブックカバー1を一葉毎送る送りローラ173と、本体ケース171の内部に配置されブックカバー1を印刷する印刷部174とを備えている。
[ブックカバーの製造方法]
次に、本実施形態のブックカバー1の製造方法を図3及び図4に基づいて説明する。
[スリット形成工程]
まず、図3に示される通り、第一ロール110から引き出された第一シート11は、スリット形成部120に送られる。
スリット形成部120では、図4(A)で示される通り、2枚の回転刃12Aにより第一シート11に第一スリット30及び第二スリット31を連続して形成する。第一スリット30と第二スリット31とは、第一シート11の流れ方向に沿って形成されることになる。
第一スリット30及び第二スリット31が形成された第一シート11は重合部130に送られる。第二シート12は第二ロール111から重合部130に送られる。
[重合工程]
重合部130では、上部ローラ131及び下部ローラ132が回転して、第一シート11及び第二シート12を上下から押圧する。
[カバー本体成形工程]
重合工程で重ね合わされた第一シート11及び第二シート12は、カバー本体成形部140に移動する。
カバー本体成形部140では、まず、図4(B)に示される通り、第一成形部141により、第一シート11及び第二シート12の流れ方向に両端部をトリミングのために溶断カットするか彫刻ロールで溶着する。溶着された後はシールS1として第二端縁部21A,21Bに沿って形成される。彫刻ロールを使用した場合は、シールS1の表面は凹凸状とされている。なお、本実施形態では、彫刻ロールを用いないで、第一シート11及び第二シート12の流れ方向に両端部を溶断カットし、トリミングと第二端縁部21A,21Bの形成とを同時に実施するものでもよい。
その後、図4(C)で示される通り、第二成形部142により、第一シート11及び第二シート12の第一端縁部20A,20Bに相当する部分を溶着する。溶着された後がシールS2として第一シート11及び第二シート12の流れ方向と直交する方向に形成される。第二成形部142では彫刻シールを使用しているので、シールS2の表面は凹凸状とされている。なお、本実施形態では、第二成形部142において、彫刻ロールを用いることなく、シールS2の形成と切断とを同時に行う溶断カットを実施してもよい。この溶断カットによれば、印刷前のブックカバーが一葉毎に形成されることになるので、後工程の切断工程が不要となる。
本実施形態で超音波溶着を採用しているが、超音波シールに代えて熱溶着を採用しても良い。
[切断工程]
図3に示される通り、カバー本体成形工程で溶着された第一シート11及び第二シート12は、切断部150の受台152に移動する。そして、この受台152の上面に支持された第一シート11及び第二シート12は、シールS2の中心がカッタ部151によりカットされ、印刷前の一葉のブックカバーが形成される(図4(D)参照)。この時、カッタ部151は、第二端縁部21A,21Bと直交する方向であってシールS2の中央を切断する。なお、第二成形部142が彫刻ロールのない溶断タイプであれば、直接、図示しない受台まで搬送される。このように製造された一葉のブックカバー1は、4辺をシールされた袋状の構造となる。
[収納工程]
図3に示される通り、切断部150で製造されたブックカバー1は、収納部160の収納ケース161に積み重ねられて収納される。
収納ケース161は、定数量梱包されトラック等の運搬車両により書店等の顧客に送られる。
[顧客における印刷]
次に、収納ケース161に収納されたブックカバー1は印刷工程に送られる。
顧客は、まず、複数枚のブックカバー1をレーザプリンタ170のカセット172にセットする。
カセット172にセットされたブックカバー1は、送りローラ173に一葉ずつ印刷部174に送られる。ブックカバー1は、送りローラ173で送られながら印刷部174によって印刷される。
本実施形態では、ブックカバー1の四辺が溶着されているので、印刷に際してのブックカバー1の送り方向は、第一端縁部20A,20Bに沿った方向でもよく、第二端縁部21A,21Bに沿った方向でもよい。いずれの方向であっても、レーザプリンタ170で、紙詰まりすることなく印刷できる。
従って、本実施形態では、次の効果を奏することができる。
(1)ブックカバー1は、第一シート11と第二シート12とが重合されて構成されているので、その厚さが一定となる。そのため、レーザプリンタ170での印刷において、転写圧の差が生じることが少なく、印刷ムラが生じにくい。レーザプリンタ170を用いることで、少量のブックカバー1を一葉ずつ精度よく印刷することができる。従って、印刷前のブックカバー1をまとめて製造しておき、ブックカバー1の印刷を書店等の顧客にあるレーザプリンタ170を用いて実施することで、異なるデザインを必要なときに必要な量だけ印刷することができる。
(2)ブックカバー1は、不織布から形成されるため、製造コストを低く抑えられるだけでなく、強度や耐久性がある。しかも、不織布から形成されたブックカバー1は、薄くすることが可能であるため、レーザプリンタ170を用いた印刷に好適である。
(3)スリット形成工程で第一ロール110から送られる第一シート11に第一スリット30及び第二スリット31を形成した後、第一シート11と、第二ロール111から送られる第二シート12とをシート重合工程を実施することで重合し、その後、カバー本体成形工程により、第一シート11及び第二シート12を平面長方形状にシールする。そして、1葉のブックカバー1となるように第一端縁部20A,20Bとなる部分が切断される。そのため、印刷前のブックカバー1を一連の工程により効率的に製造することができる。
(4)スリット形成工程で第一シート11に第一スリット30及び第二スリット31を形成した後、重合工程により第一シート11及び第二シート12を重ね合わせる。このため、重合工程の後、特に、カバー本体成形工程の途中でスリット形成工程を実施する場合に比べて、第一スリット30及び第二スリット31を形成するに際して、第二シート12にスリットが入らないように第一シート11と第二シート12との間に受け板を設ける等する必要がなく、第二シート12が邪魔となることがないので、スリットの形成を容易に行うことができる。
(5)ブックカバー1を書籍に取り付けた際、書籍の背表紙は第一シート11の中央部42と第二シート12とで二重に覆われる。これにより、第二シート12の背表紙部分に点字用の凹凸を付けても、この凹凸部が直接の背表紙と触れることはないため、背表紙が凹凸部で劣化するのを防止できる。
また、第一シート11と第二シート12とで色の異なるシートを使用し、かつ、この第二シートの背表紙部分にモザイク状等の孔を開ければ、この孔部分から第一シート11が露出されるようになって、斬新なデザインとすることができる。
[変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、第一端縁部20A,20Bと第二端縁部21A,21Bとの双方をシールしたが、本発明では、少なくとも第一端縁部20A,20Bをシールすれば足りる。第二端縁部21A,21Bをシールしなければ、表表紙と裏表紙が幅方向に長本類である場合、表表紙と裏表紙との先端縁がブックカバーを貫通して保持されることになる。なお、第一端縁部20A,20Bのみを溶着し第二端縁部21A,21Bが開口されたブックカバー1を製造するには、第一成形部141において、第一シート11及び第二シート12の両側部分の切断のみ行い、第一端縁部20A,20Bに相当する部分を溶着してシールS2を形成した後、シールS2の中心を切断部150において、超音波カットを実施する。そして、第一端縁部20A,20Bのみを溶着するブックカバー1を印刷する際には、ブックカバー1の印刷方向(送り方向)を第二端縁部21A,21Bに沿った方向とする。
また、第一端縁部20A,20Bの端縁を含めてシールしていたが、端縁から1〜3mm程度内側をシールするのでもよい。
本発明では、図1の想像線で示される通り、ブックカバー1の角部に湾曲部Rをつけてもよい。湾曲部Rにより、ブックカバー1の角部が尖っていないので、使用者の手が角部に当たっても痛く感じることはなく、利用が容易となる。
前記実施形態では、ブックカバー1の製造方法において、重合工程の前にスリット形成工程を実施したが、本発明では、重合工程とカバー本体成形工程との間にスリットを形成してもよい。この場合、第一シート11と第二シート12との間に受け板を設けることが好ましく、これにより、第二シート12にスリットが形成されることを阻止できる。
また、本実施形態では、ロール状に巻き取られた第一シート11及び第二シート12から製造していたが、予め平面長方形に切断された第一シート11及び第二シート12から製造してもよい。
第一シート11及び第二シート12として、不織布と防水用合成樹脂層とを積層したシートを用いてもよい。不織布シートに代えて合成樹脂製シートを用いてもよい。また、第一シート11と第二シート12とで、異なる材質のシートを使用してもよい。
本発明では、インクジェットプリンタで印刷工程を実施するものでもよい。
前記実施形態では、第一シート11と第二シート12との2枚のシートを重合させてブックカバー1を構成していたが、第一シート11と第二シート12との間に1枚あるいは複数枚の他のシートを挟んで3枚以上のシートを重合させても良い。例えば3枚のシートを重合させてブックカバーを構成した場合、裏面側に配置された第一シートと中間に配置された第二シートとにスリットを形成し、第二シートと第三シートとで形成されたポケットに表表紙及び裏表紙を差し込んで保持するとともに、第一シートと第二シートとで形成されたポケットに栞等を収納することができる。
1…ブックカバー、10…カバー本体、11…第一シート、12…第二シート、20A,20B…第一端縁部、21A,21B…第二端縁部、30…第一スリット、31…第二スリット、40…第一ポケット、41…第二ポケット、42…中央部、100…製造装置、110…第一ロール、111…第二ロール、120…スリット形成部、130…重合部、140…カバー本体成形部、141…第一成形部、142…第二成形部、150…切断部、151…カッタ部、170…レーザプリンタ

Claims (4)

  1. 本類の表表紙、背表紙及び裏表紙を覆うブックカバーであって、
    第一シートと第二シートとが重ねられ互いに反対側に位置する一組の第一端縁部が少なくともシールされたカバー本体を備え、
    前記第一シートにスリットが形成され、
    前記スリットは、前記第一端縁部と交差する方向に延び互いに反対側に位置する一組の第二端縁部からそれぞれ中央側に向けて離れた位置に前記第二端縁部と平行にそれぞれ形成された第一スリット及び第二スリットを有し、
    前記第一シートのうち前記第一スリットから前記一組の第二端縁部のうち一方の第二端縁部に向けた領域と前記第二シートとで前記表表紙が保持される表表紙用ポケットが構成され、
    前記第一シートのうち前記第二スリットから前記一組の第二端縁部のうち他方の第二端縁部に向けた領域と前記第二シートとで前記裏表紙が保持される裏表紙用ポケットが構成され、
    前記第一シートの中央部が前記背表紙を覆う
    ことを特徴するブックカバー。
  2. 請求項1に記載されたブックカバーにおいて、
    前記第一シート及び第二シートはそれぞれ不織布から形成される
    ことを特徴とするブックカバー。
  3. 本類の表表紙、背表紙及び裏表紙を覆うブックカバーを製造する方法であって、
    第一シートと第二シートとを重ねるシート重合工程と、
    前記シート重合工程で重ね合わされた前記第一シート及び前記第二シートの互いに反対側に位置する一組の第一端縁部を少なくともシールしてカバー本体を成形するカバー本体成形工程と、
    前記カバー本体形成工程の完了前に実施され、かつ、前記第一シートの前記一組の第一端縁部と交差する方向にそれぞれ延びかつ所定間隔開けて第一スリット及び第二スリットを形成するスリット形成工程と、を備える
    ことを特徴とするブックカバーの製造方法。
  4. 請求項3に記載されたブックカバーの製造方法において、
    前記スリット形成工程は、前記シート重合工程の前に実施される
    ことを特徴とするブックカバーの製造方法。
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