JP2018083064A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】汗を素早く吸収して着用者の肌から遠ざけるように拡散することができ、吸収した汗を素早く蒸発させ、汗疹などの肌トラブルを起こし難い吸収性物品を提供すること。【解決手段】吸収性物品における着用時に着用者の肌と接触し得る部位に吸汗性シート10が配されている。吸汗性シート10は、着用者の肌に最も近い第1層10Aと、該第1層10Aの非肌対向面に重ねて配される第2層10Bとを有する。第1層10Aの平面視において、親水領域11が複数散在し、その複数の親水領域11それぞれの周囲に疎水領域12が存しており、第2層10Bが親水性不織布からなる。【選択図】図6

Description

本発明は、吸汗作用を有する吸汗性シートを備えた吸収性物品に関する。
従来、使い捨ておむつなどの吸収性物品において、汗疹などの肌トラブルを低減する目的で、着用時に着用者の肌と接触し得る部位に、親水性素材からなる吸汗性シートを配置することが行われている。
特許文献1〜3には、吸汗性シートとして、2層以上の繊維層が積層してなる積層構造を用いることが記載されている。特許文献1に記載の吸汗性シートは、着用者の肌に最も近い内側親水性シートと、該内側親水性シートの非肌対向面側に配される外側親水性シートとを有するもので、特許文献1によれば、該外側親水性シートが、該内側親水性シートに比して、液体の拡散性が高いため、該外側親水性シートに移行した汗を素早く拡散できるとされている。特許文献1には、これら親水性シートの具体的な構成として、外側親水性シートの構成繊維を吸収性物品の横方向(着用者の前後方向に対応する縦方向と直交する方向)に配向させること、内側親水性シートが外側親水性シートよりも圧縮変形し易いこと、外側親水性シートが内側親水性シートよりも密度が高いことなどが記載されている。
一方、特許文献2に記載の吸汗性シートは、着用者の肌に最も近い層が、親水性繊維と疎水性繊維との混合層からなる。特許文献2記載の吸汗性シートによれば、肌に接触する層に含まれている親水性繊維が、汗を吸って肌を乾燥させ、また、該層に含まれている疎水性繊維が、汗を吸って湿っている親水性繊維の肌への密着を阻害するので、肌に清涼感を与えることができるとされている。また特許文献2には、最外層に位置する2層の前記混合層の間に、親水性繊維を主体とする中間層を介在配置させた3層構造の吸汗性シートが記載されており、この3層構造の吸汗性シートによれば、最外層で吸った汗を、中間層の親水性繊維に向かって浸透、拡散させて肌から離間させることができるため、肌に与える清涼感が一層向上するとされている。
また、特許文献3に記載の吸汗性シートは、着用者の肌に最も近い内層と、該内層に隣接する外層とを有し、両層の何れも親水性繊維と疎水性繊維との混合層であるが、内層は疎水性繊維を主体とし、外層は親水性繊維を主体とする。また、外層の親水性繊維の一部が、内層の繊維間空隙を通って吸汗性シートの肌対向面に達しており、この外層から延びた親水性繊維の吸汗作用により、着用者の汗が内層から外層へ移行して、肌の表面が湿ることなく常に乾燥した状態になるとされている。
特開2010−246901号公報 特開2007−301346号公報 特開2001−327534号公報
特許文献1〜3に記載の吸汗性シートに関する技術は、汗疹などの肌トラブルの発生をある程度は抑制し得るが、まだ改善の余地がある。汗を素早く吸収して着用者の肌から遠ざけることができ、吸収した汗を素早く蒸発させ、着用者の肌を常時乾燥した状態に保ち、汗疹などの肌トラブルを起こし難い吸収性物品は未だ提供されていない。
従って本発明の課題は、汗を素早く吸収して着用者の肌から遠ざけるように拡散させ、素早く蒸発させることができ、汗疹などの肌トラブルを起こし難い吸収性物品を提供することに関する。
本発明は、着用時に着用者の肌と接触し得る部位に吸汗性シートが配された吸収性物品であって、前記吸汗性シートは、着用者の肌に最も近い第1層と、該第1層の非肌対向面に重ねて配される第2層とを有し、前記第1層の平面視において、親水領域が複数散在し、その複数の親水領域それぞれの周囲に疎水領域が存しており、前記第2層が親水性不織布である吸収性物品である。
本発明によれば、汗を素早く吸収して着用者の肌から遠ざけるように拡散・蒸発させることができ、汗疹などの肌トラブルを起こし難い吸収性物品が提供される。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつを模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示すおむつの展開且つ伸長状態における肌対向面側(内面側)を模式的に示す展開平面図である。 図3は、図2のI−I線断面を模式的に示す横断面図である。 図4は、図2のII−II線断面を模式的に示す横断面図である。 図5は、図1に示すおむつを分解して模式的に示す分解斜視図である。 図6は、本発明に係る吸汗性シートの一例における第1層側表面即ち肌対向面を模式的に示す平面図である。 図7(a)〜図7(c)は、それぞれ、本発明に係る吸汗性シートの一例における接合部のパターンのバリエーションであり、シート厚み方向に沿う断面を模式的に示す断面図である。 図8(a)〜図8(c)は、それぞれ、本発明に係る吸汗性シートの他の一例における第1層側表面即ち肌対向面を模式的に示す平面図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1〜図4には、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1Aが示されている。おむつ1Aは、図1〜図5に示すように、着用者の前後方向に相当する縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有すると共に、股下部B並びに該股下部Bの前後から縦方向Xに延出する腹側部A及び背側部Cを有し、液保持性の吸収体23を股下部Bに具備する。股下部Bは、おむつ1Aの着用状態において着用者の股間部に配される部位であり、腹側部Aは、おむつ1Aの着用状態において股下部Bよりも着用者の腹側即ち縦方向Xの前側に配される部位であり、背側部Cは、おむつ1Aの着用状態において股下部Bよりも着用者の背側即ち縦方向Xの後側に配される部位である。
おむつ1Aは、吸収体23を含む吸収性本体2を横方向Yの中央部に備えると共に、該吸収性本体2の非肌対向面側即ち該吸収性本体2よりも着用者の身体から遠い側に配された外装体3を備え、腹側部A及び背側部Cそれぞれにおける外装体3の縦方向Xに沿う両側縁部AS,CSどうしが、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されて、図1に示すように、一対のサイドシール部S,S、並びに着用者の胴が通されるウエスト開口部WH、及び着用者の下肢が通される一対のレッグ開口部LH,LHが形成されている。
吸収性本体2は、図2に示す如きおむつ1Aの展開且つ伸長状態において、平面視長方形形状をなし、腹側部Aから背側部Cにわたって縦方向Xに延在しており、その長手方向を展開且つ伸長状態におけるおむつ1Aの縦方向Xに一致させて、外装体3の横方向Yの中央部に配置され、接着剤により外装体3に接合されている。おむつ1Aの「展開且つ伸長状態」とは、おむつ1Aをサイドシール部Sで切り離して展開状態とし、その展開状態のおむつ1Aを各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。
吸収性本体2は、図3に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート21、非肌対向面を形成する液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の裏面シート22、及び両シート21,22間に介在配置された液保持性の吸収体23を具備しており、これらが接着剤等の公知の接合手段により一体化されて構成されている。本実施形態においては、吸収体23は、液保持性の吸収性コア231と、該吸収性コア231の外面(肌対向面及び非肌対向面の両面)を被覆するコアラップシート232とを含んで構成されている。吸収性コア231とコアラップシート232との間は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により接合されている。
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば表面シート)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌から遠い側である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、即ち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
表面シート21、裏面シート22並びに吸収体23を構成する吸収性コア231及びコアラップシート232としては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができ、裏面シート22としては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。吸収性コア231は、吸収性材料を含むコア形成材料の堆積物である。吸収性材料としては、この種の吸収性コアの形成材料として通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、木材パルプ、親水化剤により処理された合繊繊維等の親水性繊維や吸水性ポリマー粒子が挙げられる。即ち、吸収性コア231は、親水性繊維の積繊体、あるいは該積繊体に吸水性ポリマー粒子を担持させたものであり得る。コアラップシート232としては、紙、不織布等の液透過性シートを用いることができる。
図2及び図3に示すように、吸収性本体2の肌対向面における縦方向Xに沿う左右両側部には、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性の防漏カフ形成用シート25から構成された一対の防漏カフ24,24が設けられている。各防漏カフ24の自由端部の近傍には糸状の防漏カフ形成用弾性部材26が1本以上縦方向Xに伸長状態で配されている。防漏カフ24は、伸長状態で配された弾性部材26がおむつ1Aの着用時に収縮することによって少なくとも股下部Bで起立し、それによって尿等の排泄液の横方向Yの外方への流出を阻止する。
外装体3は、図2に示す如き展開且つ伸長状態のおむつ1Aの外形を形作っており、外装体3の周縁は、その状態のおむつ1Aの輪郭線、即ち腹側部A、股下部B及び背側部Cそれぞれの輪郭線を形成している。外装体3は、図2に示すように、腹側部A及び背側部Cにおいては、縦方向Xよりも横方向Yの長さが長い矩形形状をなし、腹側部Aと背側部Cとの間に位置する股下部Bにおいては、外装体3の縦方向Xに沿う両側縁部即ち一対のレッグ縁部LS,LSが横方向Yの中央に向かって凸の円弧状に湾曲しており、図2に示す如き平面視において、縦方向Xの中央域が横方向Yの内方に向けて括れた砂時計状をなしている。
外装体3は、図3〜図5に示すように、着用状態においておむつ1Aの外面即ち非肌対向面を形成する外層シート31と、外層シート31の肌対向面に対向配置された内層シート32との積層体を含んで構成されている。おむつ1Aの着用状態において、外層シート31は着用者の身体から遠い側に位置して、おむつ1Aの非肌対向面(外面)を形成し、内層シート32は着用者の身体に近い側に位置して、おむつ1Aの肌対向面(内面)を形成する。外層シート31と内層シート32とは、所定の部位において接着剤等の接合手段を介して互いに接合されている。外層シート31は、図4及び図5に示すように、腹側部A及び背側部Cに、内層シート32の縦方向Xの端縁から延出し、内層シート32の肌対向面側に折り返される折り返し部31Eを有し、該折り返し部31Eは、図2及び図4に示すように、吸収性本体2の縦方向Xの端部を被覆している。
本実施形態においては、図5に示すように、内層シート32は1枚の連続したシートから構成されているのに対し、外層シート31は複数枚のシートが組み合わされて構成されており、具体的には、腹側部Aを構成する腹側外層シート31Aと、背側部Cを構成する背側外層シート31Cと、両シート31A,31C間に位置して股下部Bを構成する股下外層シート31Bとを含んで構成されている。外層シート31を構成する各シート31A,31B,31Cは、それらの縦方向Xの端部どうしが重ね合わされ、その重ね合わせ部分において接着剤、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合され一体化されている。シート31A,31Cとシート31Bとの重ね合わせ部分においては、それぞれ、縦方向Xの中央に位置するシート31Bが吸収性本体2から相対的に近い側に位置し、シート31Bの縦方向Xの両端部の非肌対向面はシート31A,31Cで被覆されている。
外装体3を構成するシート31(31A,31B,31C),32は、互いに同種のシートでも良く、あるいは異種のシートでも良く、後者の例として、伸縮性が互いに異なる形態が挙げられる。具体的には例えば、腹側外層シート31A及び背側外層シート31Cとしては、横方向Yに伸縮性を有する伸縮シートを用い、外層シート31の残りの部分即ち股下外層シート31B及び内層シート32は、伸縮性を有していない非伸縮シートを用いることができる。外装体3として使用可能な伸縮シートとしては、例えば、弾性繊維層の両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されている伸縮シートが挙げられ、弾性繊維層と伸長可能な繊維層との一体化の方法としては、例えば、両者を積層して水流交絡する方法、エアスルー等により繊維を交絡させる方法、ヒートエンボス、接着剤、超音波等によって接合させる方法が挙げられる。また、外装体3として使用可能な非伸縮シートとしては、例えば、各種製法による不織布が挙げられ、具体的にはスパンボンド不織布、エアスルー不織布、ニードルパンチ不織布を例示できる。
図1、図2、図4及び図5に示すように、腹側部A及び背側部Cそれぞれには、糸状又は帯状の胴周り弾性部材33が横方向Yに伸長状態で複数本配され、それら複数本の胴周り弾性部材33は縦方向Xに所定間隔を置いて間欠配置されている。このように、胴周り弾性部材33がその弾性伸縮性が発現される状態で配されていることにより、ウエスト開口部WHの開口縁部には、その全周にわたって実質的に連続した環状のウエストギャザーが形成される。また、一対のレッグ開口部LH,LHそれぞれの開口縁部を形成するレッグ縁部LSには、糸状又は帯状の1本又は複数本のレッグギャザー形成用のレッグ弾性部材34が伸長状態で配されており、これによって一対のレッグ開口部LH,LHそれぞれの開口縁部には、その全周にわたって実質的に連続した環状のレッグギャザーが形成される。これらの弾性部材33,34は、何れも外装体3を構成する外層シート31と内層シート32との間に接着剤等の接合手段により挟持固定されている。
おむつ1Aにおける着用時に着用者の肌と接触し得る部位には、吸汗性シート10が配されている。本実施形態においては、図2及び図4に示すように、吸汗性シート10は、外層シート31の折り返し部31Eの肌対向面に重ねて配されている。より具体的には、吸汗性シート10は、平面視において一方向に長い形状、具体的には長方形形状をなし、その長手方向を横方向Yに一致させて、腹側部A及び背側部Cそれぞれのウエスト部D及び胴周り部Eにおいて、着用者の肌から最も近い位置即ちおむつ1Aの内面側(肌対向面側)の最表面を形成するように、おむつ1Aの横方向Yの全長にわたって配されている。
尚、ウエスト部Dは、着用者の腰回りに位置する部位であり、通常、おむつ1Aの腹側部A側又は背側部C側の縦方向Xの端部からおむつ1Aの縦方向Xの全長の1〜15%の長さまでの領域である。また、胴周り部Eは、腹側部A及び背側部Cそれぞれのウエスト部Dと股下部Bとの間に位置する領域である。
吸汗性シート10は、図4に示すように、着用者の肌に最も近い第1層10Aと、該第1層10Aの非肌対向面に重ねて配される第2層10Bとを有する。第1層10Aと第2層10Bとは、接着剤や融着などの公知の接合手段によって接合されている。第1層10Aと第2層10Bとは、平面視における形状及び寸法が互いに同一であり、一方の一面の全域が他方の一面によって被覆されている。
図6には、吸汗性シート10の第1層10A側の表面即ち吸汗性シート10の肌対向面、図7には、吸汗性シート10の厚み方向に沿う断面のバリエーションが示されている。おむつ1Aにおいては、第1層10Aは部分的に親水性を有する不織布からなり、図6に示す如き第1層10Aの平面視において、親水領域11が複数散在し、その複数の親水領域11それぞれの周囲に疎水領域12が存している。疎水領域12は、第1層10Aの平面視において連続しており、複数の親水領域11をそれぞれ包囲している。複数の親水領域11は、それぞれ図7に示すように、吸汗性シート10の厚み方向の全長にわたって存在している。
尚、前記の「複数の親水領域11それぞれの周囲に疎水領域12が存している」には、複数の親水領域11の全部の周囲に疎水領域12が存している形態と、複数の親水領域11のうちの一部の周囲に疎水領域12が存している形態(該一部を除く他の親水領域11の周囲に疎水領域12が存していない形態)とが包含される。本発明の所定の効果をより確実に奏させるようにする観点から、吸汗性シート10の肌対向面(第1層10Aの表面)に存している親水領域11の全数に占める、周囲に疎水領域12が存している親水領域11の数の割合は、80%以上が好ましく、100%即ち複数の親水領域11の全部の周囲に疎水領域12が存していることがさらに好ましい。
また、前記の「親水領域11の(それぞれ)の周囲」は、吸汗性シート10(第1層10A)が存在する範囲(疎水領域12が存在し得る範囲)での親水領域11の周囲を意味する。例えば図2を参照して、親水領域11が第1層10Aの縦方向Xの中央部を横方向Yの一端から他端にわたって延在している場合、「該親水領域11の周囲」には、該親水領域11の横方向Yの両外方、即ち第1層10Aの横方向Yの両外方は含まれない。
図6に示す第1層10Aにおいては、平面視において一方向に長い形状、具体的には長方形形状の複数の親水領域11が、その長手方向を横方向Yに一致させて、縦方向X及び横方向Yの両方向において間欠配置されている。また、複数の親水領域11が縦方向Xに間欠配置されてなる、親水領域縦方向列に着目して、任意の親水領域縦方向列と、該任意の親水領域縦方向列と横方向Yにおいて隣り合う他の親水領域縦方向列とで、それらを構成する親水領域11の縦方向Xの位置が一致している。尚、図6では第1層10Aの肌対向面のみを示しているが、該肌対向面とは反対側に位置する非肌対向面即ち第2層10Bとの対向面においても、該肌対向面の親水領域11に対応する位置に親水領域11が存在し、該肌対向面と同様に親水領域11と疎水領域12とが混在している。
部分親水不織布である第1層10Aは、疎水性繊維からなる不織布(疎水性不織布)に親水化剤が部分的に付着したもの、即ちシート状の不織布に親水化剤を部分的に付着させて得られるものであり、親水領域11は、親水化剤の付着部分である。この点、例えば特許文献2及び3に記載の吸汗性シートは、親水性繊維と疎水性繊維とを混合してなる混合層を備え、該混合層中に分布している多数の親水性繊維1本ずつの吸汗作用によって汗を吸収するようになされているのとは対照的である。第1層10Aにおいて吸汗作用を有する親水領域11は、不織布に親水化剤を付着させてなるものであるから、通常、繊維1本あるいは数本の集合体よりも大きな面積を有する。
第1層10Aは、疎水性繊維からなる不織布(ベース不織布)に親水化剤を付着させることで製造することができる。親水化剤のベース不織布への付着方法は特に限定されず、ベース不織布に部分的に親水化剤を付着させ得る方法であれば良く、例えば、親水化剤を含む塗布液の塗布又は噴霧が挙げられる。第1層10Aのベース不織布としては、表面シートなどの吸収性物品の構成部材として使用可能なものを特に制限なく用いることができ、例えば、カード法により製造された不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布などが挙げられる。特に、肌触り等の観点から、スパンボンド不織布及びエアスルー不織布が好ましい。
第1層10Aのベース不織布の構成繊維である疎水性繊維は、界面活性剤などの親水化剤を含んでおらず、少なくとも親水部を形成するための親水化剤の付着前の時点では、親水化剤による処理、プラズマ処理などの親水化処理が施されていないもの、即ち本来的に疎水性の繊維である。疎水性繊維としては、各種の熱可塑性樹脂からなる繊維(熱融着繊維)を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。疎水性繊維は、短繊維でも長繊維でも良い。疎水性繊維としては、芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型等の複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。前記ベース不織布における疎水性繊維の含有率は、少なくとも50質量%以上であり、通常は基本的には100質量%である。
吸汗性シート10において、第1層10Aが部分親水不織布であるのに対し、第2層10Bは親水性不織布からなる。即ち、第2層10Bは疎水領域を有しておらず、その全体が親水領域である。
第2層10Bを構成する親水性不織布としては、親水性繊維を構成繊維とすることを前提として、各種製法による不織布を特に制限なく用いることができ、例えば、第1層10Aのベース不織布と同様の不織布を用いることができる。また、親水性繊維としては、第1層10Aのベース不織布の構成繊維として使用可能な疎水性繊維に親水化処理を施したもの、具体的には例えば、親水化剤が練り込まれた疎水性繊維、表面に親水化剤が付着した疎水性繊維などを用いることができる。また、本来的に親水性を有する繊維、例えばセルロース繊維などの天然系や半天然系の繊維を用いることもできる。第2層10Bを構成する親水性不織布としては、第1層10Aのベース不織布の全体に対し、親水化剤による処理、プラズマ処理などの親水化処理を施したものを用いることもできる。
本発明において、シートあるいはその一部の領域が親水性であるか疎水性であるかは、下記方法で測定される繊維の接触角に基づき判断される。具体的には、繊維の接触角が90度未満であれば親水性、90度以上であれば疎水性である。下記方法で測定される繊維の接触角が小さいほど親水性が高く(疎水性が低く)、該接触角が大きいほど親水性が低い(疎水性が高い)。例えば吸汗性シート10において、第1層10Aの親水領域11は、下記方法で測定される繊維の接触角が90度未満の領域であり、疎水領域12は、該接触角が90度以上の領域である。また、第2層10Bはその全体が、下記方法で測定される繊維の接触角が90度未満である。
<接触角の測定方法>
測定対象のシート(不織布)の厚み方向に沿う断面が上面となるようにセットし、シートの厚み方向へシートの最表面から厚みの1/10までの区間の繊維をランダムに複数サンプリングし、水の接触角を測定する。測定装置として、協和界面科学株式会社製の自動接触角計MCA−Jを用いる。接触角の測定には蒸留水を用いる。インクジェット方式水滴吐出部(クラスターテクノロジー社製、吐出部孔径が25μmのパルスインジェクターCTC−25)から吐出される液量を15ピコリットルに設定して、水滴を、それぞれの繊維の中央の真上に滴下する。滴下の様子を水平に設置されたカメラに接続された高速度録画装置に録画する。録画装置は後に画像解析をする観点から、高速度キャプチャー装置が組み込まれたパーソナルコンピュータが望ましい。本測定では、17msecごとに画像が録画される。録画された映像において、繊維に水滴が着滴した最初の画像を、付属ソフトFAMAS(ソフトのバージョンは2.6.2、解析手法は液滴法、解析方法はθ/2法、画像処理アルゴリズムは無反射、画像処理イメージモードはフレーム、スレッシホールドレベルは200、曲率補正はしない、とする)にて画像解析を行い、水滴の空気に触れる面と繊維とのなす角を算出し、接触角とする。繊維は、繊維長1mm程度に裁断し、該繊維を接触角計のサンプル台に載せて、水平に維持する。N=5本の接触角を小数点以下1桁まで計測し、合計10箇所の測定値を平均した値(小数点以下第1桁で四捨五入)を接触角と定義する。接触角の低いものほど親水性が高いことを意味する。測定環境は、室温22±2℃、湿度65±2%RHとする。
尚、吸収性物品からその構成部材(例えば吸汗性シート)を取り出して評価測定する場合において、その構成部材が、接着剤、融着などによって他の構成部材に固定されている場合には、固定されていない部分において測定するか、その固定部分を除去してから取り出す。その際、構成部材に付与された親水化剤への影響を最小限に抑える観点から、固定部分の除去方法として、溶剤の塗布やドライヤーによる熱風吹き付けのような、油剤の変質、喪失を招くおそれのある方法は採用しないことが好ましい。
吸汗性シートが吸収すべき「汗」は、その99質量%以上が水であるから、吸収性物品において吸汗性シートが実用上十分な吸汗性を発現するためには、少なくとも汗を分泌する着用者の肌と当接し得る、吸汗性シートの肌対向面側は、親水性を有することが必要である。しかし、吸汗性シートの肌対向面全体が親水性であると、該肌対向面と肌との間の広範囲にわたって汗を含む液の層が形成されやすくなり、肌に対するドライ感が低下し、汗疹などの肌トラブルが起こりやすくなる。
この点、吸汗性シート10においては、おむつ1Aの着用者の肌と当接し得る第1層10Aは、一部に疎水領域12を有する部分親水不織布であるから、肌に対するドライ感が向上しており、肌トラブルを起こし難い。一方、吸汗性シートがこのような部分親水性であると、吸汗機能の低下が懸念されるかもしれないが、吸汗性シート10においては、液吸収性及び液拡散性に優れる親水性不織布からなる第2層10Bが、第1層10Aの非肌対向面に重ねて配されているため、斯かる懸念は払拭されている。即ち、吸汗性シート10においては、着用者の肌に近い第1層10Aは、図6に示す如き肌対向面側の平面視において疎水領域12中に複数の親水領域11が個々独立に存在しているような、部分親水不織布であるから、第1層10Aでは面方向に汗が拡散することはなく、第2層10Bの親水性不織布にすみやかに汗が移行し、面方向に広く拡散する。このように、部分親水不織布であり面方向に拡散性の低い第1層10Aと液拡散性が高い第2層10Bとが積層されることで、厚み方向に「液拡散性の勾配」が付与されており、これにより、着用者の肌に付着したかきはじめの小さな汗滴を第1層10Aの親水領域11にて素早く吸収し、該肌とは反対側の第2層10Bの全域にて拡散させることが可能となる。特に、第1層10Aにおいて汗の吸収機能を有する親水領域11は、液拡散性に乏しい疎水領域12によって包囲された比較的小面積の部位であって、いわば汗を吸う「ストロー」のようなものであるから、親水領域11で吸収された汗は第1層10Aの面方向には拡散し難く、第1層10Aを厚み方向に速やかに移行して、全体が親水性の第2層10Bに到達し、そこで面方向に拡散されて吸収保持される。つまり、第1層10Aは、主として、汗を第2層10Bへ移行する役割を担い、第2層10Bは、主として、第1層10Aによって移行された汗を吸収保持する役割を担い、この両者がその役割を果たすことによってはじめて、着用者の肌上に存する汗を素早く吸収して該肌から遠ざけるように拡散させることが可能となる。また、汗を第2層10Bでのみ面方向に広く拡散させることにより、汗の表面積を大きく空気に触れるようにすることで素早く汗を蒸発させることができる。その結果、汗疹などの肌トラブルの発生が効果的に防止されるのである。
第1層10Aの親水領域11による汗の移行をより速やかに行うようにする観点から、親水領域11の前記方法で測定される接触角は、好ましくは80度以下、さらに好ましくは70度以下である。
同様の観点から、相対的に着用者の肌に近い第1層10Aの親水領域11の親水性は、相対的に着用者の肌から遠い第2層10B(親水性不織布)の親水性と同じか、又は第2層10Bの親水性よりも高いことが好ましい。即ち、前記方法で測定される接触角を親水性の指標として用いた場合、第1層10Aの親水領域11の該接触角は、親水性不織布たる第2層10Bの該接触角と同じかそれよりも小さいことが好ましい。
親水領域11の接触角と第2層10Bの接触角との差は、後者−前者として、好ましくは5度以上、さらに好ましくは10度以上、そして、好ましくは30度以下、さらに好ましくは40度以下である。
第2層10Bの接触角は、好ましくは85度以下、さらに好ましくは83度以下である。
第1層10Aの親水領域11は、前述した通り、疎水性不織布に親水化剤を付着させて得ることができる。この場合、使用する親水化剤の種類、濃度、粘度、印圧、温度、塗布する場合の塗布スピードなどを適宜調整することで、親水領域11の親水性、即ち前記方法で測定される接触角を調整することが可能である。具体的には例えば、親水領域11に存する親水化剤の親水性が、第2層10Bに存する親水化剤のそれと比べて同等以上であれば、前記の通り、親水領域11の接触角を、第2層10Bの接触角と同じかそれよりも小さくすることができる。
第1層10Aにおける親水化剤の付着量は、第1層10Aの全質量に対して固形分換算で、好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
第1層10Aから第2層10Bへの汗の移行をより速やかに行うようにする観点からは、第2層10Bの繊維間距離は、第1層10Aの繊維間距離と同じかそれよりも短いことが好ましい。一般に、構成繊維の繊維化距離が短いほど毛管力が強いところ、吸汗性シート10においては、着用者の肌から相対的に遠い側に位置する第2層10Bの繊維間距離を第1層10Aのそれよりも短くして相対的に毛管力を強力にすることで、汗の厚み方向における移行速度をより一層高めることが可能となる。
第1層10Aの繊維間距離と第2層10Bの繊維間距離との差は、前者−後者として、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは15μm以上、そして、好ましくは35μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。両者の繊維間距離の差が大きすぎると、第1層10Aでの毛管力の低下及び第2層10Bでの吸汗容量の減少により吸汗性能が低下するおそれがある。繊維間距離は、下記式(1)により求めることができる。
Figure 2018083064
同様の観点から、第1層10Aの坪量は少ないことが好ましく、また、第1層10Aの厚みは小さいことが好ましい。
第1層10Aの坪量は、好ましくは20g/m2以下、さらに好ましくは17g/m2以下である。また、第1層10Aの坪量の下限については、実用上十分な強度を確保する観点から、好ましくは9g/m2以上、さらに好ましくは10g/m2以上である。
第1層10Aの厚みは、好ましくは0.19mm以上、さらに好ましくは0.20mm以上、そして、好ましくは0.7mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下である。
また、吸汗性シート10による汗の吸収容量を向上させ、大量の汗にも対応可能とする観点から、第2層10Bの坪量は、第1層10Aの坪量と同じかそれよりも大きいことが好ましい。
また、同様の観点から、第2層10Bの厚みは、第1層10Aの厚みと同じかそれよりも大きいことが好ましい。
厚みの測定方法は、測定対象の不織布に0.05kPaの荷重を加えた状態で、厚み測定器を用いて測定した。厚み測定器にはオムロン社製のレーザー変位計を用いた。厚み測定は、10点測定し、それらの平均値を算出して厚みとした。
第1層10Aの坪量と第2層10Bの坪量との差は、後者−前者として、好ましくは1g/m2以上、さらに好ましくは2g/m2以上、そして、好ましくは11g/m2以下、さらに好ましくは10g/m2以下である。
第2層10Bの坪量は、好ましくは10g/m2以上、さらに好ましくは13g/m2以上、そして、好ましくは23g/m2以下、さらに好ましくは22g/m2以下である。
第1層10Aの厚みと第2層10Bの厚みとの差は、後者−前者として、好ましくは0.05mm以上、さらに好ましくは0.1mm以上、そして、好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.4mm以下である。
第2層10Bの厚みは、好ましくは0.1mm以上、さらに好ましくは0.15mm以上、そして、好ましくは0.4mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下である。
前述したように、汗疹などの肌トラブルを抑制するためには、汗を素早く吸収して着用者の肌から遠ざけて拡散し、素早く蒸発させ、着用者の肌を常時乾燥した状態に保つことが必要である。斯かる観点から、第1層10Aにおける複数の親水領域11それぞれの面積は、好ましくは1cm2以下、さらに好ましくは0.9cm2以下である。また、親水領域11の面積の下限については、その役割を果たし得る上で最小限の大きさを確保する観点から、好ましくは0.01cm2以上、さらに好ましくは0.02cm2以上である。親水領域の面積は下記方法により測定される。
<親水領域の面積の測定方法>
蒸留水に青色1号や赤色2号などの色素を、該色素の濃度が0.01重量%となるように混和溶解し、着色水を調製する。測定対象の吸汗シートを吸収性物品より切り出し、着色水内に浸漬しすぐに取り出す。吸汗シートの第1層(吸収性物品に配されていたときの肌対向面側)上での着色水の拡散領域の輪郭を透明OHPシートなどに写し取り、その転写した輪郭に基づいて画像解析装置を用いて着色水の拡散面積を算出し、その算出値を当該親水領域の面積とする。
また、複数の親水領域11それぞれの面積を前記範囲として、個々の親水領域11における液の厚み方向における移行速度を高めても、そのような親水領域11が第1層10Aの所定箇所に高い比率で存在していると、肌に汗が触れる面積の比率が高くなり肌トラブルを十分に抑制できないおそれがある。斯かる観点から、第1層10Aにおける親水領域11の面積率は、20%以下であることが好ましく、さらに好ましくは15%以下である。また、親水領域11の面積率の下限については、その役割を果たし得る上で最小限の大きさを確保する観点から、好ましくは5%以上、さらに好ましくは8%以上である。ここでいう「親水領域の面積率」は、単位領域の面積に対する、該単位領域に存する親水領域11の総面積の割合であり、ここでいう「単位領域」とは、縦方向10mm、横方向10mmの平面視四角形形状の領域である。
また、複数の親水領域11それぞれの面積を前記範囲として、個々の親水領域11における液の厚み方向における移行速度を高めても、そのような親水領域11が第1層10Aの所定箇所に複数高密度で存在していると、その親水領域11の高密度存在領域自体が実質的に1つの親水領域となって、面方向への液拡散性が高まる結果、厚み方向における液移行速度が却って低下するおそれがある。
従って、親水領域11の間隔は、一定程度は置く必要があるが、該間隔が広すぎると、第1層10Aに存する親水領域11の数が低減し、吸汗性の低下を招くおそれがある。
斯かる観点から、疎水領域12を挟んで隣り合う2個の親水領域11,11どうしの間隔は、おむつ1Aの着用者の前後方向に相当する縦方向Xにおいては、間隔Lx(図6参照)として、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上、そして、好ましくは20mm以下、さらに好ましくは15mm以下である。
また、横方向Yにおいては、間隔Ly(図6参照)として、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは2mm以上、そして、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは9mm以下である。
前述したように、おむつ1Aの着用者の肌と吸汗性シート10の肌対向面即ち第1層10Aとの間に汗を含む液の層が形成されると、汗疹などの肌トラブルの原因となる。本発明者らは、この液の層の形成性の指標として、下記方法により測定される吸汗性シートの表面液残り量に着目して種々検討したところ、第1層10Aにおける親水領域11の親水性が高いほど、吸汗性シートの表面液残り量が低減し、第1層10Aと着用者の肌との間に汗を含む液の層が肌から離れやすい傾向があることを知見した。第1層10Aの親水領域11の親水性(接触角)は、前述した通り、親水領域11に存する親水化剤の種類や濃度を適宜調整することで調整可能であり、親水領域11の親水性を高める方法としては、例えば、親水化剤として高親水性のものを用いる方法が挙げられる。
<表面液残り量の測定方法>
疎水性不織布に親水化剤を部分的に付着させて作製した第1層と、親水性不織布からなる第2層とを積層し、両層を接着剤により一体化させて、縦50mm、横50mmの平面視四角形形状の吸汗性シートの測定サンプルを作製した。疎水性不織布として、坪量13g/m2以上のスバンボンド不織布を用い、親水性不織布として、坪量15g/m2以上のスバンボンド不織布を用いた。第1層における親水化剤のパターンは図6に示すものと同様とした。
全長60mm×幅60mmのアクリル板上の中央に、試験液(純水)50mgを滴下する。次いで、測定サンプルを第1層が下方を向くように、アクリル板上に滴下した試験液上に静かに載せる。1分経過後に、試験液を吸収した測定サンプルを取り除き、その際のアクリル板上に残った試験液を、既知の重量(W0)のろ紙で吸水し、その吸水後のろ紙の重量(W1)を測定する。そして、重量W1から重量W0を差し引く(W1−W0)ことで、当該サンプルの表面液残り量(mg)を算出する。
前記<表面液残り量の測定方法>では、アクリル板上に滴下された試験液(純水)は、アクリル板と測定サンプルである第1層10A即ち部分親水不織布に付着し界面に広がり、親水領域11に到達し、親水領域11の繊維内に吸水されて表面張力により親水領域11内部とアクリル板との界面において液の層を形成する。その後、第2層に液が移行し第2層の面方向に拡散することで前記界面の液がアクリル板から離れるが、その液の一部が移行しきれずにアクリル板上に残る。本発明者らの知見によれば、第1層10Aにおける親水領域11の形成材料として使用される親水化剤の親水性が高いほど、第1層10Aの接触角が小さくなり、前記界面の液が第2層に移行しやすく、アクリル板側に残りにくくなる。
前記知見に基づき、本発明において親水領域11の形成材料として好ましく用いられる親水化剤としては、ラウリルヒドロキシスルホベタイン(花王株式会社製、商品名「アンヒトール20HD」)を例示できる。
前述した通り、吸汗性シート10を構成する第1層10Aと第2層10Bとは、接着剤や融着などの公知の接合手段によって接合されており、両層10A,10Bの間には図7に示すように、その接合部13が配されている。接合部13は通常疎水性であるところ、接合部13の配置パターンによっては吸汗性シート10の吸汗性などに影響が出るおそれがある。斯かる観点から、接合部13は、第1層10Aの親水領域11と部分的に重なり、親水領域11は、接合部13と重ならない部分を有することが好ましい。図7(a)〜図7(c)に示す接合部13のバリエーションは、この好ましい形態の例示である。図7(a)〜図7(c)に示す形態であれば、液を移行する役割を果たす第1層10Aの親水領域11と、親水領域11から移行された液を吸収保持する第2層10Bとが、接合部13を介して密着し、且つ接合部13によってその液の移行が阻害されることがないため、前述した本発明の作用効果がより確実に奏されるようになる。
図7(a)に示す形態においては、接合部13は、第1層10Aにおける複数の親水領域11それぞれに対応して、平面視において親水領域11と重なる部分のみに配されているが、図7(a)に示す如き吸汗性シート10の厚み方向に沿う断面視において、接合部13の幅は対応する親水領域11の幅よりも小さく、それ故、接合部13は親水領域11と部分的に重なり、親水領域11は接合部13と重ならない部分を有している。
図7(b)に示す形態においては、接合部13は、第1層10Aにおける親水領域11と疎水領域12との境界及びその近傍に跨って配されている。
図7(c)に示す形態においては、接合部13は、第1層10Aにおける複数の疎水領域12それぞれに対応して配され、且つ図7(c)に示す如き吸汗性シート10の厚み方向に沿う断面視において、接合部13の幅は対応する疎水領域12の幅よりも大きく、それ故、接合部13は疎水領域12の非肌対向面(第2層10Bとの対向面)の全域と重なり、さらにその疎水領域12の周囲に位置する親水領域11の一部とも重なっているが、該親水領域11の全域とは重なっていない。
本発明に係る吸汗性シートにおいて、第1層における親水領域のパターンは、図6に示す形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に選択し得る。図8(a)〜図8(c)には、第1層における親水領域のパターンの具体例が示されている。尚、図8に示す各形態においては、吸汗性シート10の第1層10A(図6参照)と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、吸汗性シート10についての説明が適宜適用される。
図8(a)に示す第1層10Aにおいては、複数の親水領域11は千鳥状に配置されている。即ち図8(a)に示す第1層10Aにおいては、複数の親水領域11が縦方向Xに間欠配置されてなる親水領域縦方向列が、横方向Yに所定間隔を置いて複数配されており、且つ該親水領域縦方向列を横方向Yに投影したときに、該親水領域縦方向列を構成する親水領域11の投影像の間に、該親水領域縦方向列と横方向Yにおいて隣接する他の親水領域11の投影像が配置される。
図6に示す親水領域11のパターンと図8(a)に示す親水領域11のパターンとは、平面視においてドット状の親水領域11が散点状に配されている点で共通している。
図6に示す親水領域11のパターンは、特に、親水領域11,11どうしの横方向Yにおける間隔Lyを比較的狭くする(前記特定範囲に設定する)ことで、着用者の肌からじわじわ出てくる汗を効率良く吸収し得る。
一方、図8(a)に示す親水領域11の千鳥状パターンは、特に、着用者の皮膚の汗腺から分泌された汗が皮膚上で集まってある程度の大きさの液滴になった段階で、この汗の液滴を効率良く吸収し得る。
図8(b)及び図8(c)に示す第1層10Aにおいては、それぞれ、一方向(具体的には横方向Y)に延びる平面視線状の親水領域11が該一方向と直交する方向(具体的には縦方向X)に複数間欠配置されている。親水領域11の平面視形状は、図8(b)ではらせん状(連続曲線状)、図8(c)では直線状であり、図8(b)はいわゆるスパイラルパターン、図8(c)はいわゆるストライプパターンである。図8(b)及び図8(c)に示す形態によれば、第1層10Aにおける着用者の肌との当接部分に、該当接部分の横方向Yの全長にわたって延びる線状の親水領域11が複数配置されているため、汗を効率良く吸収し得る。尚、図8(b)及び図8(c)に示す如き平面視線状の親水領域11が、第1層10Aの横方向Yの一端から他端にわたって延在している場合、該親水領域11の横方向Yの両端よりも横方向Yの外方に位置する部分は、第1層10A(吸汗性シート10)の非存在領域であり、「該親水領域11の周囲」ではないことは前述した通りである。
本発明においては、第1層における親水領域の平面視形状は、図示の形態に限定されず適宜選択し得る。親水領域11の平面視形状を例示すると、円形、楕円形、三角形、四角形、六角形などのドット状;直線、曲線、破線などの線状が挙げられる。また、第1層の一面に存する複数の親水領域は、互いに平面視形状が同じでも良く、異なっていても良い。
本発明に係る吸汗性シートに用いる親水化剤としては、例えば下記が挙げられる。
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル等のエーテル型非イオン系界面活性剤。
・アルキルグリコシド等の多価アルコールエーテル型非イオン系界面活性剤。
・ポリエチレングリコールエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル等のエステル型非イオン系界面活性剤。
・ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル等の多価アルコールエステル型非イオン系界面活性剤。
・脂肪酸アルカノールアミド、炭素数8〜18のアシル基を有する脂肪族アミドのアルキレンオキサイド付加物等のアミド系非イオン系界面活性剤。
・アルキルエトキシレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、アルキルエトキシレート化アミン。
・ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、メチル(ポリオキシエチレン)ポリシロキサン共重合体、メチル(ポリオキシプロピレン)ポリシロキサン共重合体、メチル(ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン)ポリシロキサン共重合体、メチル(ポリオキシエチレン/ポリオキシブチレン)ポリシロキサン共重合体等のポリオキシアルキレン変性シリコーン。
本発明に係る吸汗性シートに用いる親水化剤は、水不溶性のものが好ましい。水不溶性の親水化剤を用いることで、吸収性物品の着用中に吸汗性シートが汗や尿などの体液と接触した場合に、親水化剤が滲んだり流れたりする不都合が発生し難くなる。水不溶性の親水化剤は、下記方法で測定される25℃の水に対する溶解度が1質量%以下であるものを意味する。水不溶性の親水化剤は、例えば、親水化剤の重量平均分子量を3000以上とする、親水化剤が有するアルキル鎖の鎖長を長くする、などの方法で得ることができる。水不溶性の親水化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ラウリルヒドロキシスルホベタインが挙げられる。
<親水化剤の溶解度の測定方法>
25℃の純水100gに対して、親水化剤を投入し、スターラー又は振とう機で撹拌して溶解させ、1時間撹拌しても溶解できない直前の投入量を、当該親水化剤の、25℃の水に対する溶解度とする。
本発明の吸収性物品において、吸汗性シートは、着用時に着用者の肌と接触し得る部位に配される。おむつ1Aにおいては、吸収性本体2や外装体3(外層シート31、内層シート32)のような吸収性物品の基本構成部材とは別体のシート材(バリアシート)を吸汗性シート10とし、この吸汗性シート10を所定部位、具体的には外層シート31の折り返し部31Eに固定することで、着用者の腰回り対応するウエスト部Dの全域に配置していたが、吸汗性シートの配置形態はこれに限定されない。例えば、本発明の吸収性物品においては、該吸収性物品としての体をなす上で必要な基本構成部材が吸汗性シートであっても良い。例えばおむつ1Aにおいて、ウエスト部D及び/又は胴回り部Eに配された外装体3が吸汗性シートであっても良く、より具体的には例えば、外層シート31の折り返し部31E、あるいは内層シート32が吸汗性シートであっても良い。
また、本発明の吸収性物品が、おむつ1Aの如きパンツ型使い捨ておむつではなく、いわゆる展開型使い捨ておむつである場合には、吸収体の横方向外方において着用者の肌に最も近い位置に配されている構成部材(例えば、サイドシート、防漏カフ形成用シート)の肌対向面に、これとは別体の吸汗性シートを固定しても良く、あるいは、該構成部材自体が本発明に係る吸汗性シートであっても良い。
以上、本発明をその実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。例えば、パンツ型使い捨ておむつ1Aにおける外装体3は、図2に示すように、腹側部Aと背側部Cとで分割されずに、腹側部A、股下部B及び背側部Cにわたる砂時計状等の連続した形状を有していたが、本発明に係る外装体は、このような連続した形状に制限されず、例えば、着用者の腹側(前側)に配される腹側シート部材と、着用者の背側(後側)に配される背側シート部材とに分割されており、吸収性本体がこれら両シート部材に架け渡して固定されていても良い。前述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
<1>
着用時に着用者の肌と接触し得る部位に吸汗性シートが配された吸収性物品であって、
前記吸汗性シートは、着用者の肌に最も近い第1層と、該第1層の非肌対向面に重ねて配される第2層とを有し、
前記第1層の平面視において、親水領域が複数散在し、その複数の親水領域それぞれの周囲に疎水領域が存しており、
前記第2層が親水性不織布である吸収性物品。
<2>
前記親水領域の接触角が80度以下である前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記親水領域の接触角が70度以下である前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記親水領域の接触角は、前記親水性不織布の接触角と同じかそれよりも小さい前記<1>〜<3>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<5>
前記親水領域の接触角と前記親水性不織布(前記第2層)の接触角との差が、後者−前者として、好ましくは5度以上、さらに好ましくは10度以上、そして、好ましくは30度以下、さらに好ましくは40度以下である前記<4>に記載の吸収性物品。
<6>
前記親水性不織布(前記第2層)の接触角が、好ましくは85度以下、さらに好ましくは83度以下である前記<1>〜<5>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<7>
前記第1層の坪量が20g/m2以下である前記<1>〜<6>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<8>
前記第1層の坪量が17g/m2以下であり、また、好ましくは9g/m2以上、さらに好ましくは10g/m2以上である前記<1>〜<7>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<9>
前記第2層の坪量は、前記第1層の坪量と同じかそれよりも大きい前記<1>〜<8>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<10>
前記第1層の坪量と前記第2層の坪量との差が、後者−前者として、好ましくは1g/m2以上、さらに好ましくは2g/m2以上、そして、好ましくは11g/m2以下、さらに好ましくは10g/m2以下である前記<9>に記載の吸収性物品。
<11>
前記第2層の坪量が、好ましくは10g/m2以上、さらに好ましくは13g/m2以上、そして、好ましくは23g/m2以下、さらに好ましくは22g/m2以下である前記<1>〜<10>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<12>
前記第1層の厚みが0.7mm以下である前記<1>〜<11>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<13>
前記第1層の厚みが0.5mm以下であり、また、好ましくは0.19mm以上、さらに好ましくは0.20mm以上である前記<1>〜<12>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<14>
前記第2層の厚みは、前記第1層の厚みと同じかそれよりも大きい前記<1>〜<13>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<15>
前記第1層の厚みと前記第2層の厚みとの差が、後者−前者として、好ましくは0.05mm以上、さらに好ましくは0.1mm以上、そして、好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.4mm以下である前記<14>に記載の吸収性物品。
<16>
前記第2層の繊維間距離は、前記第1層の繊維間距離と同じかそれよりも短い前記<1>〜<15>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<17>
前記第1層の繊維間距離と前記第2層の繊維間距離との差は、前者−後者として、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは15μm以上、そして、好ましくは35μm以下、さらに好ましくは30μm以下である前記<16>に記載の吸収性物品。
<18>
複数の前記親水領域それぞれの面積が1cm2以下であり、前記吸汗性シートにおける前記第1層の前記親水領域の面積率が20%以下である前記<1>〜<17>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<19>
前記第1層における複数の前記親水領域それぞれの面積が0.9cm2以下であり、また、好ましくは0.01cm2以上、さらに好ましくは0.02cm2以上である前記<1>〜<18>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<20>
前記第1層における前記親水領域の面積率が15%以下であり、また、好ましくは5%以上、さらに好ましくは8%以上である前記<1>〜<19>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<21>
前記第1層と前記第2層とが接合部を介して互いに接合されており、該接合部は前記親水領域と部分的に重なり、該親水領域は該接合部と重ならない部分を有する前記<1>〜<20>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<22>
前記疎水領域を挟んで隣り合う2個の前記親水領域どうしの間隔が、着用者の前後方向に相当する縦方向においては5mm以上、該縦方向に直交する横方向においては1mm以上である前記<1>〜<21>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<23>
前記疎水領域を挟んで隣り合う2個の前記親水領域どうしの間隔が、着用者の前後方向に相当する縦方向においては6mm以上であり、また、好ましくは20mm以下、さらに好ましくは15mm以下である前記<1>〜<22>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<24>
前記疎水領域を挟んで隣り合う2個の前記親水領域どうしの間隔が、着用者の前後方向に直交する横方向においては2mm以上であり、また、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは9mm以下である前記<1>〜<23>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<25>
前記第1層における前記親水領域は、疎水性不織布に親水化剤を付着させて形成されたものであり、即ち、疎水性不織布における親水化剤付着部である前記<1>〜<24>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<26>
前記疎水性不織布における疎水性繊維の含有率が、好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは100質量%である前記<25>に記載の吸収性物品。
<27>
前記第1層における前記親水化剤の付着量は、該第1層の全質量に対して固形分換算で、好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である前記<25>又は<26>に記載の吸収性物品。
<28>
前記第1層における前記親水領域又は前記第2層を構成する前記親水性不織布に、水不溶性の親水化剤が付着している前記<1>〜<27>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<29>
前記水不溶性の親水化剤が、ポリオキシエチレンラウリルエーテル又はラウリルヒドロキシスルホベタインである前記<28>に記載の吸収性物品。
<30>
前記吸収性物品は、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有すると共に、着用者の股間部に配される股下部並びにその前後に延在する腹側部及び背側部を有し、吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、該外装体は、着用状態において該吸収性物品の外面を形成する外層シートと、該外層シートの肌対向面に対向配置された内層シートとの積層体を含んで構成され、
前記外層シートは、前記腹側部及び前記背側部に、前記内層シートの縦方向端から延出し、該内層シートの肌対向面側に折り返される折り返し部を有し、該折り返し部が前記吸収性本体の縦方向端部を被覆している前記<1>〜<29>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<31>
前記外層シートは、前記腹側部を構成する腹側外層シートと、前記背側部を構成する背側外層シートと、両シート間に位置して前記股下部を構成する股下外層シートとを含んで構成され、これらの外層シート構成シートは、それぞれの縦方向端部どうしが重ね合わされ、その重ね合わせ部分において互いに接合され一体化されており、
前記腹側外層シート及び前記背側外層シートそれぞれと前記股下外層シートとの重ね合わせ部分においては、それぞれ、該股下外層シートが前記吸収性本体から相対的に近い側に位置し、該股下外層シートの縦方向両端部の非肌対向面は該腹側外層シート及び該背側外層シートで被覆されている前記<30>に記載の吸収性物品。
<32>
前記腹側外層シート及び前記背側外層シートが、それぞれ、横方向に伸縮性を有する伸縮シートであり、前記股下外層シート及び前記内層シートが、それぞれ、伸縮性を有していない非伸縮シートである前記<31>に記載の吸収性物品。
<33>
前記吸汗性シートは、前記外層シートの前記折り返し部の肌対向面に重ねて配されている前記<30>〜<32>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<34>
前記吸汗性シートは、平面視において一方向に長い形状、具体的には長方形形状をなし、その長手方向を横方向に一致させて、前記腹側部及び前記背側部において前記吸収性物品の内面側の最表面を形成するように、該吸収性物品の横方向の全長にわたって配されている前記<30>〜<33>の何れか1項に記載の吸収性物品。
1A パンツ型使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 吸収性本体
21 表面シート(表面材)
22 裏面シート
23 吸収体
24 防漏カフ
3 外装体
31 外層シート
31E 外層シートの折り返し部
32 内層シート
10 吸汗性シート
10A 第1層
10B 第2層
11 親水領域
12 疎水領域
13 接合部
A 腹側部
B 股下部
C 背側部
D ウエスト部
E 胴周り部
X 縦方向
Y 横方向

Claims (11)

  1. 着用時に着用者の肌と接触し得る部位に吸汗性シートが配された吸収性物品であって、
    前記吸汗性シートは、着用者の肌に最も近い第1層と、該第1層の非肌対向面に重ねて配される第2層とを有し、
    前記第1層の平面視において、親水領域が複数散在し、その複数の親水領域それぞれの周囲に疎水領域が存しており、
    前記第2層が親水性不織布である吸収性物品。
  2. 前記親水領域の接触角が80度以下である請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記親水領域の接触角は、前記親水性不織布の接触角と同じかそれよりも小さい請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記第1層の坪量が20g/m2以下である請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記第2層の坪量は、前記第1層の坪量と同じかそれよりも大きい請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記第1層の厚みが0.7mm以下である請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記第2層の厚みは、前記第1層の厚みと同じかそれよりも大きい請求項1〜6の何れか1項に記載の吸収性物品。
  8. 前記第2層の繊維間距離は、前記第1層の繊維間距離と同じかそれよりも短い請求項1〜7の何れか1項に記載の吸収性物品。
  9. 複数の前記親水領域それぞれの面積が1cm2以下であり、前記吸汗性シートにおける前記第1層の前記親水領域の面積率が20%以下である請求項1〜8の何れか1項に記載の吸収性物品。
  10. 前記第1層と前記第2層とが接合部を介して互いに接合されており、該接合部は前記親水領域と部分的に重なり、該親水領域は該接合部と重ならない部分を有する請求項1〜9の何れか1項に記載の吸収性物品。
  11. 前記疎水領域を挟んで隣り合う2個の前記親水領域どうしの間隔が、着用者の前後方向に相当する縦方向においては5mm以上、該縦方向に直交する横方向においては1mm以上である請求項1〜10の何れか1項に記載の吸収性物品。
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