JP2013099372A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の吸収性物品1は、吸収体4及び該吸収体4の肌対向面側に配された表面シート2を具備する吸収性物品であって、表面シート2は、水との接触角が90〜110°の繊維を含んで構成され且つ着用者の肌側に向けて突出する凸部21と該凸部21に隣接する凹部22とをそれぞれ複数有している。凸部21は、凹部22に比して繊維密度が低い。
【選択図】図2
Description
測定装置として、協和界面科学株式会社製の自動接触角計MCA−Jを用いる。接触角測定には蒸留水を用いる。インクジェット方式水滴吐出部(クラスターテクノロジー社製、吐出部孔径が25μmのパルスインジェクターCTC−25)から吐出される液量を20ピコリットルに設定して、水滴を、繊維の真上に滴下する。滴下の様子を水平に設置されたカメラに接続された高速度録画装置に録画する。録画装置は後に画像解析や画像解析をする観点から、高速度キャプチャー装置が組み込まれたパーソナルコンピュータが望ましい。本測定では、17msec毎に、画像が録画される。録画された映像において、繊維に水滴が着滴した最初の画像を、付属ソフトFAMAS(ソフトのバージョンは2.6.2、解析手法は液滴法、解析方法はθ/2法、画像処理アルゴリズムは無反射、画像処理イメージモードはフレーム、スレッシホールドレベルは200、曲率補正はしない、とする)にて画像解析を行い、水滴の空気に触れる面と繊維とのなす角を算出し、接触角とする。尚、測定用サンプル(表面シートから取り出して得られる繊維)は、表面シートの測定対象部位に位置する繊維を、最表層から繊維長1mmで裁断し、該繊維を接触角計のサンプル台に載せて、水平に維持し、該繊維1本につき異なる2箇所の位置で接触角を測定する。前記測定対象部位において、N=5本の接触角を小数点以下1桁まで計測し、合計10箇所の測定値を平均した値(小数点以下第2桁で四捨五入)を、該測定対象部位での接触角と定義する。
表面シートの測定対象部位(凸部又は凹部)を、走査型電子顕微鏡(例えばKEYENCE製、MICRO SCOPE VHX-1000)により倍率200倍で観察し、当該測定対象部位において、繊維間空隙が大きい順に10個を選択し、それら10個の繊維間空隙の最大径をそれぞれ測定し、それらの平均値を、当該測定対象部位(凸部又は凹部)における最大平均空隙径とする。
凸部21の高さL1(図3参照)は、好ましくは0.5〜3.5mm、更に好ましくは1.5〜2.5mmである。
凸部21の最大径L2(図3参照)は、好ましくは1〜10mm、更に好ましくは2〜5mmである。
凸部21の数は、表面シート2の肌対向面2aの1cm四方の単位面積当たり、好ましくは1〜20個、更に好ましくは5〜10個である。
表面シート2の坪量は、好ましくは5〜45g/cm2、更に好ましくは15〜25g/cm2である。
表面シート2を構成する繊維(前記弱疎水性繊維)の繊維径は、好ましくは10〜40μm、更に好ましくは15〜25μmである。
凸部21の繊維密度は、好ましくは0.5〜2.0g/cm3、更に好ましくは0.7〜1.5g/cm3であり、凹部22の繊維密度は、好ましくは0.6〜3.0g/cm3、更に好ましくは0.8〜2.3g/cm3である。繊維密度は次のようにして測定される。
表面シートより測定対象部位(凸部及び凹部)を直径3mm程度の大きさに切り出し測定用サンプルを30個調製し、電子天秤(A&D社製電子天秤GR−300、精度:小数点以下4桁)を用い、全サンプルの総重量(繊維の総重量)を測定する。また、30個の測定用サンプルそれぞれの外形(輪郭線)をOHPシートに写し取り、該OHPシートをスキャナー(セイコーエプソン社製EPSON Scan)でスキャンしてそのデータをパーソナルコンピュータに取り込んだ後、面積計算ソフト(NVS社製Image-Pro Plus)を用い、全サンプルの総面積を測定する。また、計算定圧式厚み計(測定時圧力は49Pa)を用い、全サンプルの厚みをそれぞれ測定し、それらの平均値を算出して平均厚みを求める。全サンプルの総重量(繊維の総重量)を、全サンプルの総体積(平均厚み×全サンプルの総面積)で除して、当該測定対象部位の繊維密度を算出する。
図1及び図2に示すおむつ1と同様の基本構成を有する展開型の使い捨ておむつを作製し、これを実施例1のサンプルとした。表面シートとしては、図3及び図4に示す単層構造の凹凸形状を有する表面シート2と概ね同様の構成のものを用いた。具体的には、弱疎水性繊維Aが100質量%からなる平坦状のスパンボンド不織布(坪量18g/m2)を用い、図7に示す如き加工装置により該平坦状のスパンボンド不織布に凹凸形状を付与したものを実施例1の表面シートとした。前記弱疎水性繊維Aは、ポリプロピレン樹脂製の合成繊維で、水との接触角98°、繊維径20μmであった。また、実施例1の表面シートにおける凸部の高さ(図3のL1に相当)は1.6mm、該凸部の最大径(図3のL2に相当)は3mm、該凸部の数は、該表面シートの肌対向面の1cm四方の単位面積当たり9個であった。裏面シートとしては、坪量20g/m2の液不透過性且つ透湿性のポリエチレン製樹脂フィルム(炭酸カルシウム配合)を用いた。吸収性コアとしては、繊維集合体に粒子状の吸水性ポリマーを保持させたものとして、フラッフパルプ200g/m2と吸水性ポリマー286g/m2との均一混合物からなる総坪量486g/m2の吸収性コアを用いた。この吸収性コアの長手方向の全長は360mm、幅方向の全長(最大長さ)は110mmであった。コアラップシートとしては、坪量16g/m2の液透過性のティッシュペーパーを用いた。
表面シートとして、図6に示す2層構造(第1層及び第2層)の凹凸形状を有する表面シート2Aと概ね同様の構成のものを用いた。具体的には、前記弱疎水性繊維Aが100質量%からなる平坦状のスパンボンド不織布(坪量18g/m2)を用い、図7に示す如き加工装置により該平坦状のスパンボンド不織布に凹凸形状を付与したものを前記第1層、該平坦状のスパンボンド不織布そのもの(凹凸形状を付与しないもの)を前記第2層とし、両層を接合(熱融着)して実施例2の表面シートとした。第1層における凸部の高さ、最大径及び数は、実施例1の表面シートの凸部と同じであった。以上の点以外は、実施例1と同様にして展開型の使い捨ておむつを作製し、実施例2のサンプルとした。
実施例1において、前記弱疎水性繊維Aが100質量%からなる平坦状のスパンボンド不織布に凹凸形状を付与せず、該平坦状のスパンボンド不織布をそのまま表面シートとして用いた以外は、実施例1と同様にして展開型の使い捨ておむつを作製し、比較例1のサンプルとした。
親水性繊維Aが100質量%からなる平坦状のスパンボンド不織布(坪量18g/m2)を用い、図7に示す如き加工装置により該平坦状のスパンボンド不織布に凹凸形状を付与したものを比較例2の表面シートとした。前記親水性繊維Aは、ポリエチレン樹脂を鞘としポリプロピレン樹脂を芯とする合成繊維で、水との接触角74°、繊維径20μmであった。以上の点以外は、実施例1と同様にして展開型の使い捨ておむつを作製し、比較例2のサンプルとした。
比較例2において、前記親水性繊維Aが100質量%からなる平坦状のスパンボンド不織布に凹凸形状を付与せず、該平坦状のスパンボンド不織布をそのまま表面シートとして用いた以外は、比較例2と同様にして展開型の使い捨ておむつを作製し、比較例3のサンプルとした。
疎水性繊維Aが100質量%からなる平坦状のスパンボンド不織布(坪量18g/m2)を用い、図7に示す如き加工装置により該平坦状のスパンボンド不織布に凹凸形状を付与したものを比較例4の表面シートとした。前記疎水性繊維Aは、ポリプロピレン樹脂製合成繊維で、水との接触角134°、繊維径20μmであった。以上の点以外は、実施例1と同様にして展開型の使い捨ておむつを作製し、比較例4のサンプルとした。
前記親水性繊維Aが100質量%からなる平坦状のスパンボンド不織布(坪量18g/m2)を用い、図7に示す如き加工装置により該平坦状のスパンボンド不織布に凹凸形状を付与したものを前記第1層、該平坦状のスパンボンド不織布そのもの(凹凸形状を付与しないもの)を前記第2層とし、両層を接合(熱融着)して比較例5の表面シートとした。以上の点以外は、実施例2と同様にして展開型の使い捨ておむつを作製し、比較例5のサンプルとした。
実施例及び比較例の各サンプル(使い捨ておむつ)について、液戻り量、尿吸収時間を下記方法により評価した。また、各サンプルの表面シートについて、接触角並びに各部の繊維密度、最大平均空隙径を前記方法により測定した。表面シートが複数の凸部及び凹部からなる凹凸形状を有している場合は、それら複数の凸部のうちの任意の1つ及び複数の凹部のうちの任意の1つそれぞれについて、繊維密度及び最大平均空隙径をそれぞれ測定した。それらの結果を下記表1に示す。
使い捨ておむつを平面状に拡げ、表面シートを上に向けて水平面上に固定した状態で、おむつの表面シート上に、円筒状の注入部の付いたアクリル板をのせ、更にそのアクリル板上に錘をのせ、吸収体部分に対して2kPa(20gf/cm2)の荷重を加えた。アクリル板に設けられた注入部は、内径36mmの円筒(高さ53mm)状をなし、アクリル板には、長手方向の1/3の部分、幅方向の中心軸に、該円筒状注入部の中心軸線が一致し、該円筒状注入部の内部とアクリル板の表面シート対向面との間を連通する内径36mmの貫通孔が形成されている。おむつの吸収性コアを覆っているコアラップシートの長手方向の腹側部分の先端から123mmの位置にアクリル板の円筒状注入部の中心軸が来るように配置し、人工尿40gを注入して吸収させ、10分間放置し、更に人工尿40gを注入して吸収させた。斯かる人工尿の注入操作を4回繰り返し、合計160gの人工尿をおむつに吸収させた。次いで、おむつにおける人工尿の吸収部位上にToyo Roshi Kaisha,Ltd製(10cm×10cm)の4Aろ紙20枚重ね、更にその上に荷重を2分間加えて、おむつに吸収させた人工尿をろ紙に吸収させた。荷重は10cm×10cmの面積に3.5kgが加わるようにした。2分経過後荷重を取り除き、人工尿を吸収したろ紙の重量を測定した。この重量から人工尿吸収前のろ紙の重量を差し引き、その値を液戻り量とした。また、液戻り量の測定において、4回目の人工尿の注入時間(注入開始から全量がおむつに吸収されるまでの時間)を尿吸収時間とした。液戻り量が少ないほど、液戻りが生じ難く高評価となり、また尿吸収時間が短いほど、排泄液の吸収性に優れ高評価となる。
2,2A 表面シート
2a 表面シートの肌対向面
2b 表面シートの非肌対向面
21 凸部
22 凹部
23 第1層
24 第2層
25 空間
3 裏面シート
4 吸収体
40 吸収性コア
41 コアラップシート
Claims (4)
- 吸収体及び該吸収体の肌対向面側に配された表面シートを具備する吸収性物品であって、
前記表面シートは、水との接触角が90〜110°の繊維を含んで構成され且つ着用者の肌側に向けて突出する凸部と該凸部に隣接する凹部とをそれぞれ複数有しており、
前記凸部は、前記凹部に比して繊維密度が低い吸収性物品。 - 前記表面シートの最大平均空隙径は、前記凸部が前記凹部の1.3倍以上である請求項1記載の吸収性物品。
- 前記表面シートはスパンボンド不織布である請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 前記表面シートは、前記凸部及び前記凹部をそれぞれ複数有する第1層と、該第1層に重ね合わされた第2層とを含み、該第1層及び該第2層は、それぞれ、水との接触角が90〜110°の前記繊維を含んで構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収性物品。
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