JP5956132B2 - 不織布 - Google Patents

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Description

本発明は不織布に関する。
生理用ナプキン、パンティーライナー、及び使い捨ておむつ等といった吸収性物品において、その機能に応じて、シート材の片面に突出した部分を配したものや、筋状に隆起した部分を配したもの、多数の小さな孔をあけたものなどが開発されている。
特許文献1には、凹凸ないし起伏のあるシート材において、凸状部分と、開孔されている凹状部分とが全体に分散配置され、凹状部分の繊維集合密度が凸状部分の繊維集合密度より低いものが開示されている。これにより、高粘性体液の漏れを確実に抑制または防止し、しかも必要とされる他の特性をも備えており、上記吸収性物品の表面材として総合的に優れた性能を有しているとされる。
また、特許文献2、3にはシート材の片面が筋状に延びる突出部であり、その断面がかまぼこ(略半円)形状にされた積層シートが開示されている。これにより、排泄物等の所定の液体を透過させやすくなり、また液が溝部に落ちるため拡散面積が小さく、肌との接触面積小さく(触感性良好)、液戻りが抑制される。したがって、シート表面に液体が残留しにくくなり、肌に液体を広く長時間付着させてしまうことを防止できるとしている。
さらに特許文献4には、表面シートは中央領域に、長手方向に長い形状の凸部を有しており、中央領域の前後に位置する端部領域に幅方向に長い凸部を有する吸収性物品が開示されている。また中央領域よりも端部領域の凸部の高さが高いことが開示されている。これにより、中央領域の長手方向に長い凸部により長手方向に液を拡散しやすく、端部領域の幅方向に長い凸部により、液漏れを防ぐとされる。さらに中央領域よりも端部領域の凸部高さが高いことにより、効果的に液を堰き止めるとされる。
特開平03−137258号公報 特開2008−025081号公報 特開2008−025082号公報 特開2009−136349号公報
本発明は、肌面等の被接触面への接触面積が少なく、シート面方向の通気性が高い不織布を提供することにある。
本発明は、シート状の不織布を平面視した側の第1面側に突出し内部空間を有する第1突出部と、前記第1面側とは反対側の第2面側に突出し内部空間を有する第2突出部とを有し、前記第1、第2突出部は、該不織布の平面視交差する異なる方向のそれぞれに交互に連続して配され、前記第2突出部の頂部は同一平面上にあり、前記異なる方向のうちの少なくとも1方向に前記第2突出部を介して隣り合う一方の前記第1突出部の頂部と他方の前記第1突出部の頂部とは前記第2突出部の頂部で規定される前記同一平面からの高さが異なる不織布を提供する。
本発明の不織布は、第1面側に被接触面として肌面がある場合、第1突出部の肌接触面積が小さくなるので、肌に優しい感触が得られる。また、第1面側の液体等を捕捉しうる捕捉空間が大きくなるので、高い通気性が得られ、蒸れにくくなり、肌面がかぶれ難くなる。それとともに多量の液、固形分、高粘性液体等を十分に捕捉することができるので、これらの漏れを抑制できる。
本発明の不織布の好ましい一実施形態を示した要部を模式的に示した部分断面斜視図である。 本発明の不織布と肌面との関係を示した概略構成断面図である。 本発明の不織布の第1、第2突出部の好ましい配設例(第1配設例)を示した平面配設図である。 本発明の不織布の第1、第2突出部の第1配設例の変形例を示した平面配設図である。 本発明の不織布の第1、第2突出部の第2配設例を示した平面配設図である。 本発明の不織布の第1、第2突出部の第3配設例を示した平面配設図である。 本発明の不織布の製造方法の好ましい一例を示した要部断面図である。 本発明の不織布を表面シートに適用した使い捨ておむつを一部切欠して模式的に示した斜視図である。
本発明に係る不織布の好ましい一実施形態について、図1および図2を参照しながら、以下に説明する。
本発明の不織布10は例えば生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品の表面シートに適用することが好ましく、第1面側Z1を着用者の肌面側に向けて用い、第2面側Z2を物品内部の吸収体(図示せず)側に配置して用いることが好ましい。以下、図面に示した不織布10の第1面側Z1を着用者の肌面に向けて用いる実施態様を考慮して説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
図1に示すように、本発明の不織布10は、シート状の不織布を平面視した側の第1面側Z1に突出し内部空間11Kを有する第1突出部11と、第1面側Z1とは反対側の第2面側Z2に突出し内部空間12Kを有する第2突出部12とを有している。これらの第1,第2突出部11,12は、不織布10の例えば全面にわたって平面視交差する異なる方向のそれぞれに交互に連続して配されている。ここでは、第1面側Z1からみた凸部が第1突出部11であり、凹部が第2突出部12となる。また、第2面側Z2からみた凸部が第2突出部12であり、凹部が第1突出部11となる。したがって、第1突出部11と第2突出部12とは一部が共有されている。この第1,第2突出部11,12の平面配設例の詳細については、後述する。
上記第2突出部頂部12Tは同一平面S上にあり、異なる方向のうちの少なくとも1方向に第2突出部12を介して隣り合う一方の第1突出部11(11A)の頂部11T(11AT)と他方の第1突出部11(11B)の頂部11T(11BT)とは同一平面Sからの垂直方向の高さが異なる。以下、一方の第1突出部11Aを高第1突出部11Aといい、他方の第1突出部11Bを低第1突出部11Bという。例えば、同一平面Sから高第1突出部11Aの頂部11ATまでの高さH1より、低第1突出部11Bの頂部11BTまでの高さH2の方が低く、突出部の高さの差分比(以下、差分比という。){(H1−H2)/H1}×100(%)の値が、好ましくは10%以上90%以下であり、より好ましくは20%以上80%以下である。
上記差分比が、10%未満であると、高第1突出部11Aと低第1突出部11Bの高さの差分が小さすぎることにより、吸収性物品を装着した圧力である1kPaの低荷重下において、高第1突出部11Aも低第1突出部11Bも肌と接触してしまうため、肌接触面積を小さくする効果を十分に発揮できない。また、十分な捕捉空間を確保することが困難になり、高い通気性を得て蒸れにくくする効果や、多量の液、固形分、高粘性液体等を十分に捕捉し漏れを抑制する効果を十分に発揮できなくなる。一方、90%を超えると、高第1突出部11Aと低第1突出部11Bの高さの差分が大きすぎることにより、使用者が着座したときを想定した圧力である3.5kPaの高荷重下において、不織布の耐圧縮性が低下し、不織布が潰れてしまう。これにより、肌接触面積率が大きくなり、かつ補足空間が小さくなることで十分な効果を発揮できない。
本実施形態において第1,第2突出部11,12は頂部11T,12Tに丸みをもった円錐台形状もしくは半球状にされている。より詳細にみれば、第1突出部11の突出形状はどちらかというと半球状であり、他方、第2突出部12の突出形状は頂部に丸みのある円錐ないし円錐台形状になっている。なお、本実施形態において第1,第2突出部11,12は上記形状に限定されず、どのような突出形態でもよく、例えば、様々な錐体形状(本明細書において錐体形状とは、円錐、円錐台、角錐、角錐台、斜円錐等を広く含む意味である。)であることが実際的である。本実施形態において第1,第2突出部11,12はその外径と相似する頂部に丸みのある円錐台形状もしくは半球状の内部空間11K,12Kを保持している。
上記第1突出部11の頂部(以下、第1突出部頂部ともいう。)11Tとその開口部11Hとの間に壁部13(13A,13B)を有する。この壁部13は、第1突出部11において環状構造を成している。また第2突出部12の頂部(以下、第2突出部頂部ともいう。)12Tとその開口部12Hとの間に壁部14を有する。この壁部14は、第2突出部12において環状構造を成している。そして、この壁部14は上記壁部13に一部分と共有している。ここでいう「環状」とは、平面視において無端の一連の形状をなしていれば特に限定されず、平面視において円、楕円、矩形、多角形など、どのような形状であってもよい。シートの連続状態を好適に維持する上では円又は楕円が好ましい。さらに、「環状」を立体形状としていえば、円柱状、斜円柱状、楕円柱状、切頭円錐状、切頭斜円錐状、切頭楕円錐状、切頭四角錐状、切頭斜四角錐状など任意の環構造が挙げられ、連続したシート状態を実現する上では、円柱状、楕円柱状、切頭円錐状、切頭楕円錐状が好ましい。
上述の第1配設例のように配設された第1,第2突出部11,12を有する不織布10は、屈曲部を有さず、全体が連続した曲面で構成されている。
このように上記不織布10は、面方向に連続した構造を有していることが好ましい。この「連続」とは、断続した部分や小孔がないことを意味する。ただし、繊維間の隙間のような微細孔は上記小孔に含めない。上記小孔とは、例えば、その孔径が円相当の直径で1.0mm以上のものと定義することができる。
本発明の不織布10に用いることができる繊維材料は特に限定されない。具体的には、下記の繊維などが挙げられる。ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維等のポリオレフィン繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を単独で用いてなる繊維;芯鞘型、サイドバイサイド型等の構造の複合繊維、例えば鞘成分がポリエチレン又は低融点ポリプロピレンである芯鞘構造の繊維が好ましく挙げられ、該芯/鞘構造の繊維の代表例としては、PET(芯)とPE(鞘)、PP(芯)とPE(鞘)、PP(芯)と低融点PP(鞘)等の芯鞘構造の繊維。更に具体的には、上記構成繊維は、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレン複合繊維、ポリプロピレン複合繊維を含むのが好ましい。ここで、該ポリエチレン複合繊維の複合組成は、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンであり、該ポリプロピレン複合繊維の複合組成が、ポリエチレンテレフタレートと低融点ポリプロピレンであるのが好ましく、より具体的には、PET(芯)とPE(鞘)、PET(芯)と低融点PP(鞘)が挙げられる。また、これらの繊維は、単独で用いて不織布を構成してもよいが、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
壁部13を構成する繊維は、第1突出部頂部11Tとその開口部11Hの縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有する。言い換えれば、壁部13の起立する方向に繊維配向性を有する。したがって、第1突出部頂部11Tに向かうような放射状の繊維配向性を有している。そして、高第1突出部11Aとその開口部11Hを結ぶ壁部13Aの配向性と低第1突出部11Bとその開口部11Hを結ぶ壁部13Bの配向性とは異なり、壁部13Aの配向性のほうが壁部13Bの配向性よりも大きい。
また、第2突出部12の壁部14を構成する繊維は、第2突出部頂部12Tとその開口部12Hの縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有する。この壁部14の繊維配向性は、上述の壁部13と共通部分では、壁部13の繊維配向性と同じになっている。
また、高第1突出部11Aと低第1突出部11Bとの繊維密度が異なっている。具体的には、高第1突出部頂部11AT付近と低第1突出部頂部11BT付近とは繊維密度が異なっている。例えば、1方向に第2突出部12を介して隣り合う高第1突出部11Aは低第1突出部11Bよりも同一平面からの垂直方向の高さが高い場合、高第1突出部頂部11AT付近、低第1突出部頂部11BT付近、第2突出部頂部12T付近の順に繊維密度が高くなっている。すなわち、高第1突出部頂部11AT付近よりも低第1突出部頂部11BT付近のほうが繊維密度が高く、低第1突出部頂部11BT付近よりも第2突出部頂部12T付近のほうが繊維密度が高くなっている。
このように繊維密度に差が生じていることから、不織布10を吸収性物品の表面シートに用いた場合において、不織布10の第1面側Z1から液体が供給された場合、肌に接触する高さが高い高第1突出部11Aへの液移行を防ぎ、吸収体に近い高さが低い低第1突出部11Bへの液移行を進めることになる。このため、不織布10の表面側(第1面側Z1)の液残りが少なくなる。
次に、本実施形態の不織布10における寸法諸元について以下に説明する。
シートの厚さについては、不織布10の側面視としてみたときの全体の厚さをシート厚みTS(=H1)とし、その凹凸に湾曲したシートの局部的な厚さを層厚みTLとする。シート厚みTSは、用途によって適宜調節すればよいが、おむつや生理用品等の表面シートとして用いる場合、1mm〜7mmが好ましく、1.5mm〜5mmがより好ましい。その範囲とすることにより、使用時の体液吸収速度が速く、吸収体からの液戻りを抑え、さらには、適度なクッション性を実現することができる。層厚みTLは、シート内の各部位において異なっていてよく、用途によって適宜調節すればよい。おむつや生理用品等の表面シートとして用いる場合、第1突出部頂部11T(11AT,11BT)の層厚みTL1は0.1mm〜3mmであることが好ましく、0.4mm〜2mmがより好ましい。好ましい層厚みの範囲としては第2突出部頂部12Tの層厚みTL2および壁部13の層厚みTL3も同様である。各層厚みTL1、TL2、TL3の関係は、TL1>TL3>TL2であることが好ましい。これにより、第1突出部11において、特に肌面側では、繊維密度が低く、良好な肌当たりを実現することができる。一方、第2突出部12は繊維密度が高くなり、潰れにくく、型崩れせずに良好なクッション性と液体の吸収速度に優れた不織布とすることができる。
上記第1突出部11と第2突出部12との間隔は、用途によって適宜調節すればよく、おむつや生理用品等の表面シートとして用いる場合、1mm〜15mmが好ましく、3mm〜10mmがより好ましい。また上記不織布10の坪量は特に限定されないが、シート全体の平均値で15〜50g/mが好ましく、20〜40g/mがより好ましい。
上記実施形態で説明した不織布10は、以下のような効果を奏する。
図2に示すように、第1面側Z1に肌面50Sがある場合、高第1突出部11Aより高さが低い低第1突出部11Bは肌面50Sに接触しにくくなるので、肌面50Sに対して低第1突出部頂部11BTが接触する接触点が少なくなる。したがって、不織布10の第1突出部11の肌接触面積が小さくなるので、肌に優しい感触が得られる。
また、高第1突出部11Aより低第1突出部11Bの高さが低い[H1−H2(図1参照)]分だけ液体等を捕捉しうる捕捉空間16が大きくなる。これにより高い通気性が得られるので、本発明の不織布10を吸収性物品の表面シートとして使用した場合、蒸れにくくなり、肌面がかぶれ難くなる。さらに、多量の液、固形分、高粘性液体等が供給されても、捕捉空間16が増えたことにより、十分に捕捉することができる。そして高第1突出部頂部11ATおよびそれを結ぶ一連の連なりと、これと並列に配される低第1突出部頂部11BTを結ぶ一連の連なりによって、高第1突出部11Aの連なりで挟まれた空間が一方向に連なることから、その空間によってより高い通気性が得られる。さらに捕捉した多量の液を上記空間の連なり方向に拡散させることができ、高第1突出部11Aの連なりによって、横方向への液漏れを防止できる。
上記不織布10(前記図1参照)は、優れたクッション性を有する。
本実施形態の不織布10は表裏の片面だけではなく、両面において突出した部分を有するため、その構造に特有のクッション性を発現する。例えば筋状の突起や片面の突起ではどうしても線ないし面としての弾力性を発現することとなるが、本実施形態によれば三次元的な動きに対してもよく追従して両面において点で支持された立体的なクッション性を奏する。また、壁部13の起立する方向に向けて配向した繊維配向性を有する。そのため、壁部13にしっかりとしたコシが生まれ、繊維が厚み方向に潰れてしまうことのない適度のクッション性を有する。さらに、壁部13の繊維配向性により、押圧力を受けて不織布10が潰されても、その形状復元力が大きく、梱包状態や着用が継続されても初期のクッション力が維持されやすい。すなわち、第1、第2突出部11、12は、潰れ難く、変形が起こっても回復し易い。
上記不織布10(前記図1参照)は、肌触りに優れる。
本実施形態の不織布10には両面方向に第1、第2突出部11、12を有し、その頂部11T、12Tは丸みを帯びている。そのため、そのどちらの面を肌面側にしても、表面シートが肌に対して点で柔らかく接触する良好な肌触りが実現される。また、装着時の圧力に対しても接触する点が面状に増減することで肌触りを良好としながら、圧力に対する表面シート全体の形状変形を抑えることができ、また、圧力変形からの形状復元も容易にできる。上記の良好なクッション性に起因する作用もあり、点接触による動的な作用と相俟って、独特の良好な肌触りが得られる。また、排泄等を受けたときにも、上述した点接触が効果を奏し、サラッとした肌触りが実現される。このサラッとした肌触り(吸収性の効果)について補足すると、壁部13の起立する方向に向け配向した繊維配向性を有することから、壁部13の厚み方向に配向した繊維によって、液がスムースに繊維を伝い流れることによって、不織布10の下面に配された吸収体に移行し、且つ、壁部13の繊維配向性により液戻りが少なく、サラッとした肌触りが実現される。また、上述した構造の維持による不織布10自体の通気性に優れ、点接触の効果により、カブレの防止に役立つ。
上記不織布10(前記図1参照)は排泄物の捕捉性に優れる。
本実施形態の不織布10においては、その両面に突出する第1,第2突出部11,12のそれぞれの内部に内部空間11K,12Kを有することから、排泄液や排泄物の物性に応じて多様な形態でこれらを捕捉し対応することができる。例えば、不織布10の第1面側Z1を肌面側として説明すると、粘度が高く浸透性の低い排泄物であれば、不織布10の表面シートを透過せずに、内部空間12Kに一時その排泄物が溜められる。一方、粘度が低く透過しやすい排泄液であれば、不織布10の表面シートを透過したのち、内部空間11Kにこれが捕捉される。このいずれの場合にも、肌面にまず当たる部分が第1突出部頂部11Tであり、上記捕捉された排泄液ないし排泄物は肌に接触しにくくされている。これにより、尿や便、経血や下り物の排泄ののちにも、幅広く対応して極めて良好なサラッと感じが持続される。
次に、上記の第1,第2突出部11,12の好ましい平面配設例について、図3ないし図6を参照して説明する。
第1配設例は、図3に示すように、シート状の不織布を平面視した側の第1面側Z1(紙面上方)に突出した第1突出部11と、第1面側Z1とは反対側の第2面側Z2(紙面下方)に突出した第2突出部12とが、不織布10の全面にわたって平面視交差する異なる方向として、第1方向Xおよび第2方向Yのそれぞれの方向に、交互に連続して配されている。したがって、1方向についてみれば、第1突出部11と第2突出部12とは、シート面に対して交互に反対方向に突出している。第1方向Xおよび第2方向Yの交差角は、30°以上90°(直交)以下とすることが好ましく、図示例は90°である。図示例の場合、第1面側Z1に突出する第1突出部11と同等数の第2突出部12が第2面側Z2に突出するように配されている。また、上記第2突出部頂部12は同一平面S上にあり、異なる方向のうちの少なくとも1方向に第2突出部12を介して隣り合う一方の第1突出部11(11A)の頂部11T(11AT)と他方の第1突出部11(11B)の頂部11T(11BT)とは同一平面Sからの垂直方向の高さが異なる。例えば、同一平面Sから高第1突出部11Aの頂部11ATまでの高さH1より、低第1突出部11Bの頂部11BTまでの高さH2の方が低く、突出部の高さの差分比(以下、差分比という。){(H1−H2)/H1}×100(%)の値が、好ましくは10%以上90%以下であり、より好ましくは20%以上80%以下である。
上記差分比が、10%未満であると、高第1突出部11Aと低第1突出部11Bの高さの差分が小さすぎることにより、吸収性物品を装着した圧力である1kPaの低荷重下において、高第1突出部11Aも低第1突出部11Bも肌と接触してしまうため、肌接触面積を小さくする効果を十分に発揮できない。また、十分な捕捉空間を確保することが困難になり、高い通気性を得て蒸れにくくする効果や、多量の液、固形分、高粘性液体等を十分に捕捉し漏れを抑制する効果を十分に発揮できなくなる。一方、90%を超えると、高第1突出部11Aと低第1突出部11Bの高さの差分が大きすぎることにより、使用者が着座したときを想定した圧力である3.5kPaの高荷重下において、不織布の耐圧縮性が低下し、不織布が潰れてしまう。これにより、肌接触面積率が大きくなり、かつ補足空間が小さくなることで十分な効果を発揮できない。
そして、それぞれに隣接する第1突出部11を結ぶ間が稜部15となる。したがって、高さの高い高第1突出部11Aが稜部15Aを介して平面視斜め方向に連なって配されている。その高第1突出部11Aの連なりの間に低第1突出部11Bが稜部15Bを介して高第1突出部11Aと並列に連なっている。また前記図1によって説明したように、第1突出部11には内部空間11Kが保持され、第2突出部12には内部空間12Kが保持されている。
上記内部空間11K、12Kは、稜部15を境にして壁部13(14)によって隔てられており実質的に連続しない空間として構成されている。この「稜部」は、傾斜を有して断面凸状に合わさる2面の境界線をいい、この場合、隣接する第2突出部12の内部空間12Kの面の交差部(境界線)となる。言い換えれば、第2突出部12を介して隣り合う第1突出部11の高第1突出部11Aからこの第2突出部12を囲むように第2突出部12間を通って低第1突出部11Bに至る稜線に沿った部分をいう。この「稜線」とは、最も近い第1突出部11の頂部11T同士を結ぶ線に対して連続的に見た垂直方向縦断面において前記同一平面S(前記図1参照)からの高さが最も高い位置を連続的に繋いで得られる線をいう。
上述の第1配設例の不織布10は、高第1突出部11Aが図面縦方向に稜部15Aを介して連なり、その高第1突出部11Aの連なりの間に、並列に低第1突出部11Bが稜部15Bを介して連なっている。さらに、高第1突出部11Aの連なりと低第1突出部11Bの連なりとの間に並列に第2突出部12が連なっている。このような配置形態であることから、高第1突出部11Aの連なりの間に捕捉空間16(図3と併せて前記図2参照)を有する。また、その捕捉空間16が液拡散経路になり、高第1突出部11Aの連なりが液の横漏れを防止する。なお、高第1突出部11Aと低第1突出部11Bとの間に稜部15ABが連なっているが、その稜部15ABは高第1突出部11A間の稜部15Aよりも低い部分が大部分であるので、図面縦方向への液の拡散を大きく阻害するものではない。
上記第1、第2突出部11、12の配列形態の第1配設例の変形例について図4を参照して以下に説明する。
図4に示すように、第1配設例の変形例の配列形態は、上記第1配設例において、第1方向Xと第2方向Yの交差角が鋭角の場合である。
すなわち、シート状の不織布を平面視した側の第1面側Z1に突出した第1突出部11と、第1面側Z1とは反対側の第2面側Z2に突出した第2突出部12とが、不織布10の全面にわたって平面視交差する異なる方向として、第1方向Xおよび第2方向Yのそれぞれの方向(図面1点鎖線で示す線に沿う方向)に、交互に連続して配されている。したがって、各1方向についてみれば、第1突出部11と第2突出部12とは、シート面に対して交互に反対方向に突出している。第1方向Xと第2方向Yの交差角は、30°以上90°未満とすることが好ましく、図示例は、第1方向Xと第2方向Yの交差角が60°である。
この場合、第2突出部12の数が第1突出部11の数を上回るため、第2突出部12同士が隣接する状態が生じる。しかしながら、全体において連続したシート状態が構成される限りにおいて、このような形態の配列も、平面視交差する異なる方向として、第1、第2方向X、Yのそれぞれの方向に、第1、第2突出部11、12が交互に連続して配されていることから、第1突出部11と第2突出部12とが「交互」に配列したという意味に含まれる。
上記第2突出部12の頂部12Tは同一平面S(前記図1参照)上にあり、異なる方向のうちの少なくとも1方向(図面X方向)に第2突出部12を介して隣り合う高第1突出部頂部11T(11AT)と低第1突出部頂部11T(11BT)とは、同一平面Sからの垂直方向の高さが異なっている。例えば、同一平面から高第1突出部頂部11ATまでの高さより、低第1突出部頂部11BTまでの高さの方が低い。この突出部の高さの差分比は、前記第1配設例で説明したのと同様である。一方、前記1方向(図4、X方向)と異なる方向(図4、Y方向)には、第2突出部12を介して隣り合う第1突出部頂部11Tは、同一平面Sからの垂直方向の高さが異なっておらず、同じ高さとなっている。
上述の第1配設例の変形例の不織布10は、高第1突出部11Aと低第1突出部11Bとが、図面縦方向に稜部15ABを介して連なっている。またその高第1突出部11Aと低第1突出部11Bとの連なりの間に、並列に第2突出部12が連なっている。このような配置形態であることから、稜部15ABを介しての高第1突出部11Aと低第1突出部11Bとの連なりの間に捕捉空間16(前記図2参照)を有する。また、その捕捉空間16が液拡散経路になり、高第1突出部11Aと低第1突出部11Bとの連なりが液の横漏れを防止する。なお、高第1突出部11Aと低第1突出部11Bとの連なりにおいて低第1突出部11Aの部分が低くなるが、第2突出部12の連なりより高いので、一度に多量の液が供給されない限り、その部分からの横漏れの可能性は低い。
上記のようにして平面視第1方向(X方向)および第2方向(Y方向)にそれぞれ配列された第1突出部11と第2突出部12とは、曲面で全体が連続した状態で、不織布10を構成している。なお、上記第1突出部11と第2突出部12との配列形態は上記に限定されず、連続しうる配列で配置しうる形態であればよい。例えば、第1突出部11を中心に6角形の頂点に6つの第2突出部12が配置し、そのパターンが面内に広がる配列であってもよい。また、第1突出部11を中心に正方形の頂点に4つの第2突出部12が配置され、さらに各頂点間の中心にそれぞれ第2突出部12が配置されて、計8つの第2突出部12が配置され、そのパターンが面内に広がる配列であってもよい。
次に、上記第1、第2突出部11、12の配列形態の第2配設例について図5を参照して以下に説明する。
図5に示すように、第2配設例の配列形態は、上述の第1突出部11を中心に6角形の頂点に6つの第2突出部12が配置され、そのパターン構成が不織布10の面内全域に配列されたものである。
すなわち、シート状の不織布を平面視した側の第1面側Z1に突出した第1突出部11と、第1面側Z1とは反対側の第2面側Z2に突出した第2突出部12とが、不織布10の全面にわたって平面視交差する異なる方向として、第1方向X、第2方向Yおよび第3方向Wのそれぞれの方向(図面1点鎖線で示す線に沿う方向)に、交互に連続して配されている。したがって、各1方向についてみれば、第1突出部11と第2突出部12とは、シート面に対して交互に反対方向に突出している。第1方向X、第2方向YおよびW方向の交差角は、30°以上90°(直交)以下とすることが好ましく、図示例は、第1方向Xと第2方向Yの交差角が60°であり、第2方向Yと第3方向Wの交差角が60°である。この交差角は、上述のように均等であってもよく、または均等でなくてもよく、例えばXY方向の交差角とそれとは別のYW方向の交差角が異なっていてもよい。
この形態の場合、第2突出部12の数が第1突出部11の数を上回るため、第2突出部12同士が隣接する状態が生じる。しかしながら、全体において連続したシート状態が構成される限りにおいて、このような形態の配列も、平面視交差する異なる方向として、第1,第2,第3方向X,Y,Wのそれぞれの方向に、第1,第2突出部11,12が交互に連続して配されていることから、第1突出部11と第2突出部12とが「交互」に配列したという意味に含まれる。
上記第2突出部頂部12Tは第1配設例で説明したのと同様に同一平面S(前記図1参照)上にあり、異なる方向のうちの少なくとも1方向に第2突出部12を介して隣り合う高第1突出部頂部11T(11AT)と低第1突出部頂部11T(11BT)とは同一平面Sからの垂直方向の高さが異なっている。例えば、同一平面Sから高第1突出部頂部11ATまでの高さより、低第1突出部頂部11BTまでの高さの方が低い。この突出部の高さの差分比は、前記第1配設例で説明したのと同様である。一方、前記1方向(図5、X方向)と異なる方向(図5、Y方向)には、第2突出部12を介して隣り合う第1突出部頂部11Tは、同一平面Sからの垂直方向の高さが異なっておらず、同じ高さとなっている。
そして、第2突出部12を介して隣り合う第1突出部頂部11T同士は、その間の第2突出部12の両側を通って結ぶ線上にそって稜部15(15Aまたは15B)を有する。したがって、高第1突出部11Aが稜部15Aを介して1方向に連なって配されている。その高第1突出部11Aの連なりの間に、低第1突出部11Bが稜部15Bを介して高第1突出部11Aの連なり方向と並列に連なっている。この稜部15Bは、第2突出部12を介して隣り合う第1突出部11Bの頂部11BT同士を、その間の第2突出部12の両側を通って結ぶ線上にそって配されている。ここでいう連なり方向とは、例えば、Y方向で見た場合、Y方向における高第1突出部11A間の部分的な方向ではなく、Y方向全体を見た方向をいう。違う見方をすると、稜部15Aは、第2突出部12を介して隣り合う高第1突出部11A間において、一方の高第1突出部頂部11ATから、高第1突出部頂部11AT間の第2突出部12Cを含む二つの隣接する第2突出部12A,12C間および第2突出部12C,12B間を通り、他方の高第1突出部頂部11ATを結ぶ線(稜線)に上にある。ここでの「稜線」とは、第2突出部12Cを介して隣り合う高第1突出部11Aの頂部11AT同士を、その間の第2突出部12Cの両側を通って結ぶ線に対して、垂直方向断面を連続的に見たときに前記同一平面Sからの高さが最も高い位置を連続的に繋いで得られる線をいう。また低第1突出部11B間の両側についても稜部15Bとして上記稜部15Aと同様のことが言える。
上述の第2配設例の不織布10は、高第1突出部11Aが、Y方向に高第1突出部11A間の第2突出部12の両側を通る稜部15Aを介して連なっている。またその高第1突出部11Aの連なりの間に、並列に低第1突出部11Bが、Y方向に低第1突出部11B間の第2突出部12の両側を通る稜部15Bを介して連なっている。さらにY方向に、高第1突出部11Aの連なりと低第1突出部11Bの連なりとの間に並列に第2突出部12が連なっている。このような配置形態であることから、稜部15Aを介しての高第1突出部11Aの連なりの間に捕捉空間16を有する。この捕捉空間16が液拡散経路になり、高第1突出部11Aの連なりが液の横漏れを防止する。なお、高第1突出部11Aと低第1突出部11Bとの間に稜部15ABが連なっているが、その稜部15ABは高第1突出部11A間の稜部15Aよりも低いので、Y方向への液の拡散を大きく阻害するものではない。
次に、上記第1、第2突出部11、12の配列形態の第3配設例について図6を参照して以下に説明する。
図6に示すように、第3配設例の配列形態は、第1突出部11を中心に四角形の頂点に4つの第2突出部12が配置され、さらにそれらの頂点間に4つの合計8つの第2突出部12が配置され、そのパターン構成が不織布10の面内全域に配列されたものである。すなわち、異なる4方向のそれぞれに第1、第2突出部11,12が交互に連続して配置された例である。
すなわち、シート状の不織布10を平面視した側の第1面側Z1に突出した第1突出部11と、第1面側Z1とは反対側の第2面側Z2に突出した第2突出部12とが、不織布10の全面にわたって平面視交差する異なる方向として、第1方向X、第2方向Yおよび第3方向W、第4方向Uのそれぞれの方向(図面1点鎖線で示す線に沿う方向)に、交互に連続して配されている。したがって、各1方向についてみれば、第1突出部11と第2突出部12とは、シート面に対して交互に反対方向に突出している。第1方向X、第2方向YおよびW方向、U方向の交差角は、30°以上90°以下とすることが好ましく、図示例は、第1方向Xと第3方向W、第2方向Yと第3方向Wおよび第2方向Yと第4方向Uのそれぞれの交差角が45°である。この交差角は、上述のように均等であってもよく、または均等でなくてもよく、例えばXW方向、WY方向、YU方向のそれぞれの交差角が異なっていてもよい。
この場合、第2突出部12の数が第1突出部11の数を上回るため、第2突出部12同士が隣接する状態が生じる。しかしながら、全体において連続したシート状態が構成される限りにおいて、このような形態の配列も、平面視交差する異なる方向として、第1,第2,第3,第4方向X,Y,W,Uのそれぞれの方向に、第1、第2突出部11、12が交互に連続して配されていることから、第1突出部11と第2突出部12とが「交互」に配列したという意味に含まれる。
上記第2突出部頂部12Tは同一平面S(前記図1参照)上にあり、異なる方向のうちの少なくとも1方向に第2突出部12を介して隣り合う高第1突出部11Aの頂部11T(11AT)と低第1突出部頂部11T(11BT)とは同一平面Sからの垂直方向の高さが異なっている。例えば、同一平面Sから高第1突出部頂部11ATまでの高さより、低第1突出部頂部11BTまでの高さの方が低い。この突出部の高さの差分比は、前記第1配設例で説明したのと同様である。一方、前記1方向(図6、X方向)と異なる方向(図6、Y方向)には、第2突出部12を介して隣り合う第1突出部頂部は、同一平面Sからの垂直方向の高さが異なっておらず、同じ高さとなっている。
そして、第2突出部12を介して隣り合う第1突出部頂部11T同士は、その間の第2突出部12の両側を通って結ぶ線上にそって稜部15(15Aまたは15B)を有する。したがって、高第1突出部11Aが稜部15Aを介して1方向に連なって配されている。その高第1突出部11Aの連なりの間に、低第1突出部11Bが稜部15Bを介して高第1突出部11Aの連なり方向と並列に連なっている。この稜部15Bは、第2突出部12を介して隣り合う第1突出部11Bの頂部11BT同士を、その間の第2突出部12の両側を通って結ぶ線上にそって有する。ここでいう連なり方向とは、例えば、Y方向で見た場合、Y方向における高第1突出部11A間の部分的な方向ではなく、Y方向全体を見た方向をいう。違う見方をすると、稜部15Aは、第2突出部12を介して隣り合う高第1突出部11A間において、一方の高第1突出部頂部11ATから、高第1突出部頂部11AT間の第2突出部12Cを含む三つの隣接する第2突出部12C,12A間、第2突出部12C,12B間および第2突出部12C,12D間を通り、他方の高第1突出部頂部11ATを結ぶ線(稜線)に上にある。また低第1突出部11B間の両側についても稜部15Bとして上記稜部15Aと同様のことが言える。
上述の第3配設例の不織布10は、高第1突出部11Aが、Y方向に高第1突出部11A間の第2突出部12の両側を通る稜部15Aを介して連なっている。またその高第1突出部11Aの連なりの間に、並列して低第1突出部11Bが、Y方向に低第1突出部11B間の第2突出部12の両側を通る稜部15Bを介して連なっている。さらにY方向に、高第1突出部11Aの連なりと低第1突出部11Bの連なりとの間に並列に第2突出部12が連なっている。このような配置形態であることから、稜部15Aを介しての高第1突出部11Aの連なりの間に捕捉空間16を有する。また、その捕捉空間16が液拡散経路になり、高第1突出部11Aの連なりが液の横漏れを防止する。なお、高第1突出部11Aと低第1突出部11Bとの間に稜部(図示せず)が連なっているが、その稜部15ABは高第1突出部11A間の稜部15Aよりも低いので、Y方向への液の拡散を大きく阻害するものではない。
次に、本発明の不織布10の製造方法の好ましい一実施形態について、図7を参照しながら、以下に説明する。
上述の実施形態の不織布10の製造方法は、この種の製品に一般的な方法を適宜採用すればよい。その際、ウェブ賦形の支持体として、図7(1)に示した構成の支持体30を用いる。この支持体30は、第2突出部12が賦形される位置に対応して多数の突起31を有し、第1突出部11が賦形される位置に対応して開口径の異なる二種の第1孔32A,第2孔32Bが配されている。第1孔32Aは第2孔32Bより開口率が大きく作られている。このため、支持体30に空気を吹き付けた場合、第1孔32Aのほうが第2孔32Bより単位時間当たり多量の空気が強く吹き抜けることになる。よって、第1孔32Aに対応して賦形された第1突出部11(11A)が第2孔32Bに対応して賦形された第1突出部11(11B)よりも高さが高く賦形されることになる。このような開口径の相違は二種に限定されず、第1突出部11の高さの相違によって、適宜決定される。
この製造方法の一例を挙げると、下記のような態様が挙げられる。
融着する前の繊維ウェブ20を、所定の厚みとなるようカード機(図示せず)からウェブ賦形装置に供給するウェブ装置では、まず上記支持体30に上記繊維ウェブ20を定着させる。次いで、図7(2)に示すように、その支持体30上の繊維ウェブ20に温風を吹きつけて賦形する。このときの温風の温度は、この種の製品に用いられる一般的な繊維材料を考慮すると、繊維ウェブを構成する熱可塑性繊維の融点に対して0〜70℃低いことが好ましく、5〜50℃低いことがより好ましい。
次いで各繊維が適度に融着可能な温度の空気の熱風(以下、熱風という。)を吹きつけて、各繊維を融着させる。このときの熱風の温度は、この種の製品に用いられる一般的な繊維材料を考慮すると、繊維ウェブ20を構成する熱可塑性繊維の融点に対して0〜70℃高いことが好ましく、5〜50℃高いことがより好ましい。
熱可塑性繊維としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系、ポリエステル系、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系、ポリアクリルニトリル系等、またはこれら2種類以上からなる芯鞘型、サイドバイサイド型の複合繊維等を挙げることができる。熱可塑性繊維として、低融点成分および高融点成分を含む複合繊維を用いる場合、繊維ウェブ20に吹き付ける熱風の温度は、低融点成分の融点以上で、かつ高融点成分の融点未満であることが好ましい。繊維ウェブ20に吹き付ける熱風の温度は、低融点成分の融点以上高融点成分の融点より10℃低い温度であることがより好ましく、低融点成分の融点より5℃以上高く高融点成分の融点より20℃以上低い温度であることが更に好ましい。
繊維ウェブ20は、熱可塑性繊維を、30〜100質量%含んでいることが好ましく、より好ましくは40〜80質量%である。繊維ウェブ20は、本来的に熱融着性を有さない繊維(例えばコットンやパルプ等の天然繊維、レーヨンやアセテート繊維など)を含んでいてもよい。
繊維ウェブ20を賦形する温風の風速は、賦形性と風合いの観点から20〜150m/sとすることがより好ましく、より好ましくは30〜100m/sである。風速がこの下限値以上であると立体感が十分となり、通気性と排泄物の捕捉性の効果が十分に発揮され好ましい。また、繊維密度や配向が所定の範囲となり、体液の吸収速度が速くなり、液戻り量が少なくなるので好ましい。風速がこの上限値以下であるとシートが開孔せず、耐圧縮性が良好に維持されるため、肌触りがよく、通気性と排泄物の捕捉性の効果が十分に発揮でき、好ましい。連続生産を考慮すると、上記支持体30を搬送可能なコンベア式またはドラム式のものとし、搬送されてくる型付けされた不織布10を、ロールで巻き取っていく態様が挙げられる。このようにして、本発明の不織布10を得る。なお、本実施形態の不織布10についてMDおよびCDをどちらに向けてもよいが、前記図3に示したモデル図でいうと縦方向をMDとすることが好ましい。
上記MDとは、機械方向ともいい、不織布製造時における繊維ウエブの送給方向であり、「Machine Direction」の略語である。上記CDとはMDに対して直交する方向であり、「Cross Direction」の略語である。
次に、本発明の不織布10が吸収性物品の適用される一例として、おむつ100の吸収性本体4への適用例を図8によって説明する。
図8に示すように、本発明の不織布10を表面シート1に適用した使い捨ておむつを一部切欠して模式的に示す斜視図である。同図に示したおむつはテープ型の乳幼児用使い捨ておむつであり、平面に展開した状態のおむつを多少曲げて内側(肌当接面側)からみた状態で示している。
この使い捨ておむつ100は、肌当接面側に配置される液透過性の表面シート1と、非肌当接面側に配置される液不透過性の裏面シート2と、これらの間に介在する吸収体3とを有する。表面シート1には上記実施形態の不織布10が適用され、その第1突出部11側が肌当接面とされている。上記裏面シート2と表面シート1との間に吸収体3が介在配置されている。裏面シート2は展開状態で、その両側縁が長手方向中央部Cにおいて内側に括れた形状を有しており、1枚のシートからなるものであっても、複数のシートからなるものであってもよい。本例においては、サイドシート5がなす横漏れ防止ギャザー7が設けられており、これにより乳幼児の運動等による股関節部分における液体等の横漏れを効果的に防止しうる。本実施形態のおむつにおいては、さらに機能的な構造部やシート材等を設けてもよい。なお、図8においては各部材の配置関係や境界を厳密には図示しておらず、この種のおむつの一般的な形態とされていれば特にその構造は限定されない。
上記おむつはテープ型のものとして示しており、背側Rのフラップ部にはファスニングテープ6が設けられている。このファスニングテープ6を腹側Fのフラップ部に設けたテープ貼付部(図示せず)に貼付して、おむつを装着固定することができる。このとき、おむつ中央部Cを緩やかに内側に折り曲げて、吸収体3が乳幼児の臀部から下腹部にわたって沿わされるように着用する。これにより排泄物が的確に吸収体3に吸収保持される。このような形態で用いることにより、特に不織布10を表面シート1として適用したことによる良好な肌触り、クッション性、排泄物の捕捉性を示す。特に、排泄物の捕捉性については、従来の線状の突出物の表面シートや小孔の開いたものでは達成できない極めて高い性能を実現することができ、例えば、乳幼児の肌を下痢便や軟便等による肌荒れから好適に保護することできる。
本発明の不織布10は、その他、各種用途に用いることができる。例えば、上述した使い捨ておむつや、生理用ナプキン、パンティーライナー、尿取りパッド等の吸収性物品の表面シートとして好適に使用することができる。さらに不織布10の両面が凹凸構造であることに起因する通気性や液拡散性、押圧力時の変形特性、などに優れていることから、おむつや生理用品等の表面シートと吸収体との間に介在させるサブレイヤーとして用いることもできる。その他、吸収性物品の表面シート、ギャザー、外装シート、ウイングとして利用する形態も挙げられる。さらに、おしり拭きシート、清掃シート、フィルターとして利用する形態も挙げられる。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定して解釈されるものではない。
[実施例1−6、参考例1]
実施例1は、芯がポリエチレンテレフタレートで鞘がポリエチレンからなる2.4dtex×51mmの芯鞘型複合繊維を坪量30g/mとなるようカード機からウェブ賦形装置に供給した。ウェブ賦形装置では、多数の突起を有し通気性を有する台座の上に上記繊維ウェブを定着させた。この支持体30の突起31の平面視におけるMDピッチ8mm、CDピッチ5mm、とし、突出高さを7.5mmとした。また支持体30における第1孔32の孔径2.8mm、第2孔33の孔径2.6mmとした。
次いで、その支持体30上の繊維ウェブ20に温風(温度130℃、風速50m/s)を吹きつけて賦形し、前記支持体30上の突起31にそって繊維ウェブ20を賦形するとともに、温度145℃、風速5m/sの熱風に切り替えて各芯鞘構造の繊維を融着させた。このときのライン速度は100m/minとした。このように熱融着して賦形した不織布10を取り出し、実施例1の不織布試験体とした。この実施例1の高第1突出部11Aの高さH1は3.6mmであり、低第1突出部11Bの高さH2は3.2mmであった。
実施例2は、第2孔33の孔径が2.3mmである以外、実施例1と同様である。この実施例2の高第1突出部11Aの高さH1は3.6mmであり、低第1突出部11Bの高さH2は2.6mmであった。
実施例3は、第2孔33の孔径が2.0mmである以外、実施例1と同様である。この実施例3の高第1突出部11Aの高さは3.6mmであり、低第1突出部11Bの高さH2は1.8mmであった。
実施例4は、第2孔33の孔径が1.5mmである以外、実施例1と同様である。この実施例4の高第1突出部11Aの高さH1は3.6mmであり、低第1突出部11Bの高さH2は1.0mmであった。
実施例5は、第2孔33の孔径が1.1mmである以外、実施例1と同様である。この実施例5の高第1突出部11Aの高さH1は3.6mmであり、低第1突出部11Bの高さH2は0.5mmであった。
実施例6は、第2孔33の孔径が0.6mmである以外、実施例1と同様である。この実施例6の高第1突出部11Aの高さH1は3.6mmであり、低第1突出部11Bの高さH2は0.2mmであった。
参考例1は、第2孔33の孔径が第1孔32の孔径と同じ2.8mmである以外、実施例1と同様である。この参考例1の高第1突出部11Aの高さH1は3.6mmであり、低第1突出部11Bの高さH2も3.6mmであった。
[比較例1−2]
[比較例1]
特開平08−246321号公報に記載の方法により、不織布試験体を作製した。比較例1は、凸状部分と、開孔されている凹状部分とが全体に分散配置した不織布であり、凸状部分の高さは全て同一で5.5mmであった。
[比較例2]
特開2008−25081号公報実施例1記載の方法により、不織布試験体を作製した。比較例2は、筋状の凹凸形状と開孔を有することを特徴とする不織布であり、筋状の凸状部分の高さは全て同一で1.3mmであった。
次に、評価方法について説明する。不織布試験体又はおむつを用い、下記の測定試験を行った。
<高さの測定>
不織布試験体の切断面を、キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−1000で測定する部位が十分に視野に入り測定できる大きさ(10〜100倍)に拡大し、図1に示した高第1突出部11Aの高さH1と低第1突出部11Bの高さH2を測定する。測定は、5回行い、平均してそのサンプルの高第1突出部11Aの高さH1と低第1突出部11Bの高さH2(mm)とした。
<突出部の高さの差分比>
「突出部の高さの差分比」は、上述したように{(H1−H2)/H1}×100(%)として表した。
<繊維密度の測定>
不織布部分の切断面を、走査電子顕微鏡を用いて拡大観察(繊維断面が30〜60本程度計測できる倍率(150〜500倍)に調整(本実施例については50倍とした)し、一定面積辺りの前記切断面によって切断されている繊維の断面積を数えた。また、観察の中心は、第1突起部頂部11Tおよび第2突起部頂部12Tの厚みの中点付近とした。次に1mm辺りの繊維の断面数に換算し、これを繊維密度とした。測定は3ヶ所行い、平均してそのサンプルの繊維密度とした。なお、走査電子顕微鏡には、日本電子(株)社製のJCM−5100(商品名)を用いた。
<繊維配向性(配向角、配向強度)の測定>
日本電子(株)社製の走査電子顕微鏡JCM−5100(商品名)を使用し、図1におけるz軸方向が上下となるようにサンプルを静置し、サンプルの測定する面に対して垂直の方向から撮影した画像(測定する繊維が30から60本計測できる倍率に調整;50〜300倍)を印刷し、透明PET製シート上に繊維をなぞった。前記の画像をパソコン内に取り込み、株式会社ネクサス社製のnexusNewQube[商品名](スタンドアロン版)画像処理ソフトウエアを使用し、前記画像を二値化した。次いで、前記二値化した画像を、繊維配向解析プログラムである、Fiber Orientation Analysis 8.13 Singleソフト(商品名)を用い、フーリエ変換し、パワースペクトルを得、楕円近似した分布図から、配向角と配向強度を得た。配向角は繊維が最も配向している角度を示し、配向強度はその配向角における強度を示している。壁部の測定においては、配向角が90°に近い値ほど、起立方向に繊維が配向していることを示す。また、配向強度の値が大きいほど繊維の向きがそろっていることをあらわす。配向強度が1.05以上の場合を配向しているとする。測定は3ヶ所行い、平均してそのサンプルの配向角と配向強度とした。
上述の繊維配向性、繊維の配向角と配向強度からなる概念である。繊維の配向角は、色々な方向性を有する複数の繊維が全体としてどの方向に配向しているかを示す概念で、繊維の集合体の形状を数値化している。繊維の配向強度は、配向角を示す繊維の量を示す概念であり、配向強度は、1.1未満では、ほとんど配向しておらず、1.1以上で配向を有しているといえる。しかしながら、本実施形態においては、繊維配向がその部位によって変化している。すなわち、ある配向角の状態の部位から異なる配向角の部位へと変化する間(繊維がある方向に配向強度が強い状態から異なる配向に強い強度を示す部位へ変化する間)に、配向強度が弱い状態や再配向することで高い状態へ至る等の様々な状態を有する。そのため、ある強い配向角を示す部位と別の方向に強い配向角を示す部位との間においては、繊維の配向強度が弱くとも繊維の配向角が変わっていることが好ましく、配向強度が高いことがより好ましい。配向強度について本実施形態において一例を示すと、高第1突出部11Aの壁部13Aの曲面構造に対して配向角は、50〜130°が好ましく、より好ましくは70〜110°であり、配向強度は1.05以上が好ましく、より好ましくは1.20以上である。低第1突出部11Bの壁部13Bの曲面構造に対して配向角は、50〜130°が好ましく、より好ましくは60〜120°であり、配向強度は1.05以上が好ましく、より好ましくは1.10以上である。高第1突出部11Aの壁部13Aと低第1突出部11Bの壁部13Bの配向角の差は、5°以上が好ましく、配向強度の差は、0.05以上が好ましい。
各々の壁部13A,13Bの繊維の配向方向が各頂部11AT,11BTに向かう方向であることから、クッション性を発現する。また、不織布10を表面シート1として用いた場合、各々の壁部13A,13Bの繊維配向性に違いがあり、高第1突出部11Aのほうが高い配向性を有することで、低荷重下のような主に高第1突出部11Aが肌と接触する場合においても、不織布は十分な耐圧縮性を有し、不織布が潰れることを防ぐ。これにより十分な捕捉空間を確保でき、肌接触面積を小さくする効果、高い通気性、多量の液、固形分、高粘性液体等を十分に捕捉し、漏れを抑制する効果を十分に発揮する。
<1kPa荷重時の肌接触面積率の測定>
1kPa荷重時肌接触面積率は次の方法で測定される。不織布試験体(10cm×10cm)を、シャチハタ社製黒スタンプインキ(S−1)で均一に黒く塗り潰す。このシートをインキのついた面を下にして、コピー用紙の上に置き、シート上にアクリル板(10cm×10cm)を置き、更にその上にアクリル板重量と合わせて1kPaになるよう重りを置き、30秒間荷重をかける。その後、素早く重り、アクリル板及びシートを取り除き、コピー用紙を室温にて風乾させる。乾燥後、画像解析装置〔(株)ネクサス社製、New Qube〕を用いてコピー用紙の黒色部の面積率を求め、この値を1kPa荷重時肌接触面積率とする。
<3.5kPa荷重時肌接触面積率の測定>
3.5kPa荷重時肌接触面積率は、1kPa荷重時肌接触面積率測定方法のアクリル板重量と重りの荷重を3.5kPaになるようにする以外は同様に測定する。
<1kPa荷重時通気度の測定>
まずKES圧縮試験機(カトーテック(株)製KES FB−3)を用い、不織布試験体について、通常モードで5.0kPaまでの圧縮特性評価を行い、1kPa荷重時の不織布厚みをチャートから読み取る。次にチャートから読み取った1kPa荷重時の不織布厚みになるように不織布試験体をガーレー透気度(JIS P8117)B型試験機に挟む。JIS P8117試験方法にのっとり、ストップウォッチを用いて、0から100ccまでの目盛りが外筒の縁を通過するのに必要な時間(秒)を測定し、1秒あたりの透気量を算出する。測定は、3回行い、平均してそのサンプルの1kPa荷重時の通気度とした。
<3.5kPa荷重時通気度の測定>
3.5kPa荷重時通気度は、1kPa荷重時通気度測定方法のB型試験機に挟む不織布厚みをKES圧縮試験機(カトーテック(株)製KES FB−3)の測定チャートから読み取った3.5kPa荷重時の不織布厚みにする以外は同様に測定する。
<160g一括注入時拡散面積>
花王株式会社の市販のベビー用おむつ(商品名「メリーズさらさらエアスルーMサイズ」)から表面シートを取り除き、その代わりに、不織布試験体を積層し、その周囲を固定して評価用のベビー用おむつを得た。上記不織布試験体のほぼ中央に、5g/sの速度で食紅で色をつけた生理食塩水を160g一気に注入した。2分後、生理食塩水が拡散した面積を測定した。
上記各評価項目についての測定結果および評価結果を表1に示す。
Figure 0005956132
表1に示した評価結果から明らかなように、本発明の好ましい実施形態に係る不織布10(実施例1−6)は、高さの異なる第1突出部11が交互に連続して配されていることから、吸収性物品を装着した圧力である1kPa荷重時の肌接触面積率が25%〜42%となり、かつ使用者が着座した圧力である3.5kPa荷重時の肌接触面積率が70%〜85%となり、着用者の状態に寄らず、肌触り感が良いという優れた効果を奏する。また、1kPa荷重時通気度が310〜355cc/sであり、かつ3.5kPa荷重時通気度が110〜190cc/sとなり、着用者の状態に寄らず、通気性が優れている。このように通気性に優れているので、肌へのべた付き感がなく、肌に優しいという優れた効果を奏する。さらに160g一括注入時の拡散面積が245〜289cmであり、多量の液が排泄された時にも十分な捕捉空間を有すため、きちんと捕捉され、液拡散面積を小さくし、漏れにくいという効果を奏する。
参考例1は、1kPa荷重時の肌接触面積率が55%あり、3.5kPa荷重時の肌接触面積率が75%であり、低荷重時の肌触り感に優れているとはいえない。また1kPa荷重時通気度が290cc/sであり、かつ3.5kPa荷重時通気度が164cc/sであることから、低荷重時の通気性が十分であるとはいえない。さらに160g一括注入時の拡散面積が310cmあることから、多量の液が排泄された時の捕捉性が十分であるとはいえない。
比較例1は、1kPa荷重時の肌接触面積率が61%あり、3.5kPa荷重時の肌接触面積率が91%であり、低荷重時、高荷重時の肌触り感に優れているとはいえない。また1kPa荷重時通気度が300cc/sであり、かつ3.5kPa荷重時通気度が47
cc/sであることから、高荷重時の通気性が十分であるとはいえない。さらに160g一括注入時の拡散面積が350cmであることから、多量の液が排泄された時の捕捉性が十分であるとはいえない。
比較例2は、1kPa荷重時の肌接触面積率が72%あり、3.5kPa荷重時の肌接触面積率が93%であり、低荷重時、高荷重時の肌触り感に優れているとはいえない。また1kPa荷重時通気度が98cc/sであり、かつ3.5kPa荷重時通気度が68cc/sであることから、低荷重時、高荷重時の通気性が十分であるとはいえない。さらに160g一括注入時の拡散面積が380cmであることから、多量の液が排泄された時の捕捉性が十分であるとはいえない。
1 表面シート
2 裏面シート
3 吸収体
10 不織布
11 第1突出部
11A 高第1突出部
11B 低第1突出部
11AT 高第1突出部頂部
11BT 低第1突出部頂部
11T 第1突出部の頂部
11K 内部空間
11H 開口部
12 第2突出部
12T 頂部
12K 内部空間
12H 開口部
13,13A,13B,14 壁部
15,15A,15B,15AB 稜部
16 捕捉空間
100 おむつ
S 同一平面
Z1 第1面側
Z2 第2面側

Claims (6)

  1. シート状であり、熱可塑性繊維からなる不織布を平面視した側の第1面側に突出し内部空間を有する第1突出部と、前記第1面側とは反対側の第2面側に突出し内部空間を有する第2突出部とを有し、前記第1、第2突出部は、該不織布の平面視交差する異なる方向のそれぞれに交互に連続して配されていて、
    前記第1突出部頂部該第1突出部の第2面側に配された凹部の輪郭である第1開口部の縁部との間に環状の第1壁部を有し、前記第2突出部頂部該第2突出部の第1面側に配された凹部の輪郭である第2開口部の縁部との間に環状の第2壁部を有し、前記第1壁部と前記第2壁部とが一部を共有していて、
    前記第1壁部は前記第1突出部の頂部と前記第1開口部とを結ぶ方向に配向強度が1.05以上の繊維配向性を有していて、
    前記第2壁部は前記第2突出部の頂部と前記第2開口部とを結ぶ方向に配向強度が1.05以上の繊維配向性を有していて、
    前記第2突出部の頂部は同一平面上にあり、
    前記異なる方向のうちの少なくとも1方向に前記第2突出部を介して隣り合う一方の前記第1突出部の頂部と他方の前記第1突出部の頂部とは、前記第2突出部の頂部で規定される前記同一平面からの高さが異なる不織布。
  2. 前記一方の第1突出部と前記他方の第1突出部の繊維密度が異なる請求項1記載の不織布。
  3. 1方向に前記第2突出部を介して隣り合う前記一方の第1突出部は前記他方の第1突出部よりも前記同一平面からの高さが高く、前記一方の第1突出部、前記他方の第1突出部、前記第2突出部の順に繊維密度が高くなっている請求項1又は請求項2記載の不織布。
  4. 前記第1突出部の頂部とその開口部との間に環状構造の壁部を有し、
    前記一方の第1突出部の壁部の繊維配向性が前記他方の第1突出部の壁部の繊維配向性と異なる
    請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の不織布。
  5. 前記同一平面からの高さが前記一方の第1突出部より前記他方の第1突出部の方が低く、
    前記一方の第1突出部の前記同一平面からの高さと、前記他方の第1突出部の前記同一平面からの高さとの差が、前記同一平面からの前記一方の第1突出部の高さの10%以上90%以下である
    請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の不織布。
  6. 前記1方向と異なる他の1方向において、前記第2突出部を介して隣り合う一方の前記第1突出部の頂部と他方の前記第1突出部の頂部とが、前記第2突出部の頂部で規定される前記同一平面からの高さが同じである請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の不織布。
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