JP2018081221A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018081221A
JP2018081221A JP2016224077A JP2016224077A JP2018081221A JP 2018081221 A JP2018081221 A JP 2018081221A JP 2016224077 A JP2016224077 A JP 2016224077A JP 2016224077 A JP2016224077 A JP 2016224077A JP 2018081221 A JP2018081221 A JP 2018081221A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
sheet
paper
timing
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016224077A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6794230B2 (ja
Inventor
真希 谷
Masaki Tani
真希 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2016224077A priority Critical patent/JP6794230B2/ja
Publication of JP2018081221A publication Critical patent/JP2018081221A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6794230B2 publication Critical patent/JP6794230B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Paper Feeding For Electrophotography (AREA)
  • Exposure Or Original Feeding In Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】新たな構成を追加することなく、画像形成時の画質を維持しつつ、FPOTを短縮すること。【解決手段】制御装置200は、定着器130が目標温度まで上昇したときに用紙が定着器130に到達するように搬送モータ301が給紙可能なタイミングと、帯電ローラ123が帯電を開始し、感光ドラム122上のトナー像と用紙が転写ローラ106に到達するように搬送モータ301が給紙可能なタイミングと、スキャナユニット108が感光ドラム122の露光を開始し、感光ドラム122上のトナー像と用紙が転写ローラ106に到達するように搬送モータ301が給紙可能なタイミングと、用紙搬送が開始された給紙開始タイミングと、に基づいて、用紙が転写ローラ106に到達するまでに加速可能な距離を算出し、算出された加速可能な距離に応じて、搬送速度VPS又は搬送速度VAccで用紙を搬送するよう、搬送モータ301を制御する。【選択図】図4

Description

本発明は、複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
電子写真方式による画像形成では、次のような印刷プロセスが一般に行われている。すなわち画像形成部では帯電、露光、現像工程の各工程が実施され、所定の電位に帯電された感光ドラム上に露光工程により静電潜像が形成され、現像工程により静電潜像が現像され、トナー像が形成される。そして、転写工程により、感光ドラム上のトナー像が用紙へ転写され、最後に定着部でトナー像に加熱、加圧を行うことで、トナー像を用紙に定着させる定着工程からなる印刷プロセスが行われている。
画像形成装置は、1枚目の印刷動作を実施する場合には、印刷プロセスでの画質を満足するために画像形成部及び定着部の印刷動作に先立つ事前準備として、前処理を実施する。画像形成部では、印刷プロセスを開始するタイミングまでに各種ローラ、例えば帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ等に高電圧を印加する高電圧電源や露光に使用するスキャナの立ち上げ制御が完了している必要がある。また、用紙が定着部に到達するタイミングは、定着部のヒータが十分に加熱され、トナー像の用紙への定着性を十分保証できる状態になった後でなければ、画質を満足させることができない。そのため、定着部に関しても、給紙動作を開始する前にヒータが所定の温度に到達するか、あるいは所定の時間だけ予熱動作を実施する等の前処理が必要となる。
以上のような前処理を必要とするために、画像形成装置のユーザが印刷開始を指示してから1枚目の用紙が排出されるまでの時間は、連続印刷中の1枚当たりの印刷時間に比較して長い時間を必要とし、ユーザに待ち時間を強いることになる。なお、印刷動作の開始を指示してから1枚目の用紙が排出されるまでの時間をファーストプリントアウトタイム(FPOT)といい、以下ではFPOTと略する。FPOTを短縮する技術として、例えば特許文献1では、用紙が画像形成部を通過する区間を除いた区間では搬送速度を増加させ、用紙が給紙されてから排出されるまでの時間を短縮する技術が提案されている。
特開平4−320866号公報
しかし、上述した従来技術の手法は、用紙の搬送時間の短縮のみに着目しているため、搬送時間を短縮したことによる画質への影響については考慮されていない。すなわち、搬送速度を速くすることにより搬送時間を短縮した場合には、用紙が画像形成部に到達するタイミングが早くなる。その結果、画像形成部の立ち上げ制御が完了する前に印刷プロセスを開始するタイミングになってしまい、画像品質に影響が出たり、定着部が所定の温度に予熱される前に用紙が到達し、トナー像の用紙への定着性が不十分になったりするおそれがある。そのため、搬送速度の増加量を小さくしたり、給紙タイミングを遅らせたりといった対応が考えられるが、前処理に必要な時間は画像形成部と定着部の状態によって変動する。その結果、用紙の搬送速度の加速区間は一定であり、前処理時間が最大の場合でも画像品質に影響が出ないようにするため、搬送時間の短縮量はマージンを持たせた設計となり、FPOT短縮の効果が十分に得られない。また、搬送速度を増加させることによって、モータやギアの駆動音の増大やトルクマージンの不足、モータのドライバIC等の昇温といったことが懸念され、コストアップにつながるおそれがある。
また、特許文献1のように用紙の搬送速度を増加させないような場合、用紙が給紙されてから画像形成部や定着部に到達するまでの時間を考慮して、1枚目の給紙は画像形成部や定着部の前処理が完了する所定時間前に開始される制御が行われる。ただし、前述したように前処理に必要な時間や、用紙が画像形成部、定着部に到達する時間は変動する。そのため、前処理が完了する前に画像形成が開始されたり、定着部での加熱定着を開始するタイミングにならないよう、給紙開始のタイミングを決定しなければならない。そのため、前処理は最長の時間となる想定で、かつ給紙開始から画像形成部、定着部に用紙が到達する時間は最短の時間になる想定で、必ず前処理が完了した後に印刷プロセスが開始されるように給紙タイミングを決定している。しかし、実際には必ずしも前処理にかかる時間が最長となり、画像形成部と定着部に到達する時間が最短になるとは限らない。そのため、結果的には想定した時間と実際の時間の差分だけ給紙タイミングを不必要に遅らせることとなり、FPOTが大きくなる要因となっている。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、新たな構成を追加することなく、画像形成時の画質を維持しつつ、FPOTを短縮することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
(1)感光ドラムと、前記感光ドラムを所定の電位に帯電する帯電部と、前記感光ドラムに静電潜像を形成する露光部と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像部と、用紙に前記トナー像を転写する転写部と、を有し、用紙に画像形成を行う画像形成部と、ヒータを有し、用紙に転写された前記トナー像を前記ヒータで加熱して用紙に定着させる定着部と、用紙を格納する給紙部から第1の搬送速度、又は前記第1の搬送速度よりも速い第2の搬送速度で用紙を搬送する搬送手段と、前記搬送手段を制御して、用紙が前記転写部及び前記定着部に到達するタイミングを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記定着部の前記ヒータが目標温度まで上昇したときに用紙が前記定着部に到達するように、前記搬送手段が用紙搬送を開始可能な第1のタイミングと、前記帯電部が前記感光ドラムの帯電を開始し、前記感光ドラム上に形成されたトナー像が前記転写部に到達するタイミングで用紙が前記転写部に到達するように、前記搬送手段が用紙搬送を開始可能な第2のタイミングと、前記露光部が前記感光ドラムに前記静電潜像の形成を開始し、前記感光ドラム上に形成されたトナー像が前記転写部に到達するタイミングで用紙が前記転写部に到達するように、前記搬送手段が用紙搬送を開始可能な第3のタイミングと、前記搬送手段により用紙搬送が開始された給紙開始タイミングと、に基づいて、用紙が前記転写部に到達するまでに加速可能な距離を算出し、前記算出された加速可能な距離に応じて、前記第1の搬送速度又は前記第2の搬送速度で用紙を搬送するよう、前記搬送手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
(2)感光ドラムと、前記感光ドラムを所定の電位に帯電する帯電部と、前記感光ドラムに静電潜像を形成する露光部と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像部と、用紙に前記トナー像を転写する転写部と、を有し、用紙に画像形成を行う画像形成部と、ヒータを有し、用紙に転写された前記トナー像を前記ヒータで加熱して用紙に定着させる定着部と、用紙を格納する給紙部から第1の搬送速度、又は前記第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度で用紙を搬送する搬送手段と、前記給紙部と前記転写部との搬送路に設けられ、搬送される用紙を検知する検知手段と、前記搬送手段を制御して、用紙が前記転写部及び前記定着部に到達するタイミングを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記定着部の前記ヒータが目標温度まで上昇したときに用紙が前記定着部に到達するように、前記搬送手段が用紙搬送を開始可能な第1のタイミングと、前記帯電部が前記感光ドラムの帯電を開始し、前記感光ドラム上に形成されたトナー像が前記転写部に到達するタイミングで用紙が前記転写部に到達するように、前記搬送手段が用紙搬送を開始可能な第2のタイミングと、前記露光部が前記感光ドラムに前記静電潜像の形成を開始し、前記感光ドラム上に形成されたトナー像が前記転写部に到達するタイミングで用紙が前記転写部に到達するように、前記搬送手段が用紙搬送を開始可能な第3のタイミングと、に基づいて決定された用紙搬送が開始される給紙開始タイミングで、用紙を前記第1の搬送速度で搬送し、用紙が前記検知手段により検知されたときに、前記第1のタイミングから用紙が前記検知手段に検知されるまでの時間、前記第2のタイミングから用紙が前記検知手段に検知されるまでの時間、及び前記第3のタイミングから用紙が前記検知手段に検知されるまでの時間と、用紙が前記給紙部から給紙され、前記検知手段に到達するまでの所定の時間との差分に基づいて、用紙が前記検知手段から前記転写部に到達するまでに減速が必要な距離を算出し、前記算出された減速が必要な距離に応じて、前記第1の搬送速度又は前記第2の搬送速度で用紙を搬送するよう、前記搬送手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、新たな構成を追加することなく、画像形成時の画質を維持しつつ、FPOTを短縮することができる。
実施例1〜3の画像形成装置の構成を示す断面図 実施例1〜3の各種ローラとモータの関係を示す模式図 実施例1〜3の制御系の構成を示すブロック図 実施例1の前処理と給紙タイミングを説明するタイミングチャート 実施例1のスキャナ立ち上げ制御を説明する図 実施例1の給紙タイミングを説明するタイミングチャート 実施例3の前処理と給紙タイミングを説明するタイミングチャート
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[画像形成装置の構成]
図1は、実施例1の画像形成装置100の構成を示す断面図である。図1において、感光ドラム122は、有機感光体やアモルファスシリコン感光体でできており、図中矢印方向(時計回り方向)に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。感光ドラム122は、帯電部である帯電ローラ123により表面を所定の極性、電位に帯電される。感光ドラム122を露光する露光部であるスキャナユニット108には、レーザ光を出射するレーザ光源(不図示)、レーザ光を偏向する回転多面鏡110、回転多面鏡110を回転駆動する駆動部であるスキャナモータ112が収容されている。レーザ光源(不図示)からは、画像読取装置やコンピュータ等の画像信号発生装置から入力された画像情報に応じて変調(オン/オフ変換)されたレーザ光が出射される。出射されたレーザ光は回転多面鏡110により偏向されてスキャナユニット108から出力され、レーザ光反射ミラー107によって反射されて感光ドラム122の表面を照射する。これにより感光ドラム122の表面の露光が行われ、画像情報に対応した静電潜像が感光ドラム122の表面に形成される。感光ドラム122上に形成された静電潜像は、現像部である現像ローラ121によりトナーが付着して現像され、トナー像が形成される。なお、感光ドラム122、帯電ローラ123、現像ローラ121は、トナーカートリッジ120に収容されている。また、画像形成を行う画像形成部は、スキャナユニット108、感光ドラム122、帯電ローラ123、現像ローラ121から構成されている。
用紙Pは給紙カセット114から給紙ローラ102により1枚だけ給紙され、給紙された用紙Pは、搬送ローラ103、レジストレーションローラ104により転写部である転写ローラ106へと搬送される。高電圧電源からトナーとは逆極性の電圧が転写ローラ106に印加されることにより、感光ドラム122上に形成されたトナー像は用紙Pに転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着器130へ搬送される。定着器130は、定着フィルム133を加熱するヒータ132、用紙P上のトナー像を加熱する定着フィルム133、加圧ローラ134、ヒータ132の温度を検知するサーミスタ131から構成されている。定着器130に搬送された用紙Pのトナー像は、定着フィルム133、加圧ローラ134により加熱、加圧され、用紙Pに定着される。トナー像が加熱定着された用紙Pは、排出ローラ111により排出トレイ113に排出される。なお、検知手段であるトップセンサ105、排出センサ109は、搬送される用紙Pを検知するために設けられている。
[搬送モータ、定着モータ、各ローラとの駆動関係]
本実施例の画像形成装置100では、画像形成に用いられるモータとして、上述したスキャナユニット108に設けられたスキャナモータ112の他に、搬送モータ301、及び定着モータ302がある。図2は、搬送モータ301及び定着モータ302と、搬送モータ301及び定着モータ302により駆動される各ローラの関係を表した模式図である。搬送モータ301(図中、Mと表示)は、給紙ローラ102、搬送ローラ103、レジストレーションローラ104を駆動する。一方、定着モータ302(図中、Mと表示)は、感光ドラム122、転写ローラ106、定着フィルム133、加圧ローラ134、排出ローラ111を駆動する。
[画像形成装置の制御系の構成]
図3(a)は本実施例の画像形成装置100における制御系、すなわち画像形成を制御する制御装置と、制御装置により制御される各種回路やセンサ、モータ等の装置との関係を示すブロック図である。画像形成装置100を制御する制御装置200は、画像形成制御部201、用紙搬送制御部202、搬送速度算出部203から構成されている。
画像形成制御部201は、感光ドラム122上に形成されたトナー像を用紙Pに転写し、用紙P上のトナー像を加熱定着させるために、高電圧電源、スキャナユニット108、定着器130を制御することにより、画像形成動作を制御する。すなわち画像形成制御部201は、感光ドラム122にトナー像を形成するための帯電ローラ123や現像ローラ121、用紙Pに感光ドラム122上のトナー像を転写するための転写ローラ106に印加する高電圧を供給する高電圧発生回路126を制御する。また、画像形成制御部201は、ヒータ132の温度を検知するサーミスタ131の検知結果に応じて、用紙P上のトナー像を加熱定着させるために定着器130の温度を上昇させるヒータ132の温度制御を行う。また、画像形成制御部201は、スキャナユニット108を制御するためのスキャナ・レーザ制御回路400を介して、スキャナモータ112の制御を行う。
用紙搬送制御部202は、用紙搬送路に配置されたトップセンサ105、排出センサ109による検知結果に基づいて、搬送中の用紙Pの位置を検知する。更に、用紙搬送制御部202は、画像形成制御部201からの情報や、搬送速度算出部203によって算出された用紙搬送速度の算出結果に基づいて用紙搬送を行う搬送モータ301、定着モータ302を制御する。搬送速度算出部203は、画像形成制御部201や用紙搬送制御部202からの情報に基づいて、搬送モータ301による用紙搬送速度の加速量・減速量を算出する。
図3(b)は、制御装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。制御装置200は、CPU200a、ROM200b、RAM200cを有している。CPU200aは、ROM200bに格納された制御プログラム等に基づいて、画像形成装置100の画像形成動作を一括して制御する。また、制御装置200は、CPU200aにより制御される、時間を計測するためのタイマ200dを有している。RAM200cは、CPU200aの主メモリ、ワークエリア等として使用される。なお、上述した画像形成制御部201、用紙搬送制御部202、搬送速度算出部203は、CPU200aにより実行される機能でもある。
[前処理と給紙タイミング]
図4は、本実施例における定着部と画像形成部の前処理の状態と給紙カセット114から用紙Pの給紙が開始される給紙タイミングとの関係を説明するタイミングチャートである。図4において、(a)は、定着器130の前処理での状態遷移を示している。(b)〜(d)は画像形成部の前処理での状態遷移を示している。(b)は定着モータ302の駆動状態を、(c)はスキャナユニット108のスキャナモータ112の駆動状態を、(d)は帯電ローラ123による感光ドラム122の表面の帯電状態を示している。(e)は、給紙ローラ102、搬送ローラ103、レジストレーションローラ104を駆動して用紙Pの搬送を行う搬送モータ301の駆動状態を示している。なお、図4の横軸は、時間を示している。図4において、実線で示されるボックス(例えば、(a)の「定着給紙Ready待ち」等)は、前処理の状態を示している。また、点線で示されるボックス(例えば、(a)の「給紙時間Min」等)は、給紙のタイミングを決定する時間要因を示しており、画像形成装置100の用紙Pの搬送路長や高電圧発生回路126の性能等に基づいて、予め決定されている時間パラメータである。
[給紙Readyタイミング]
図4の定着給紙Ready、スキャナ給紙Ready、帯電給紙Readyは、それぞれ定着器130やスキャナモータ112の状態、感光ドラム122の帯電状態が、給紙カセット114から用紙搬送を開始可能な条件が成立したことを示すタイミングである。用紙搬送制御部202は、定着給紙Ready、スキャナ給紙Ready、帯電給紙Readyの各タイミングに基づいて、すべての給紙Readyが成立したタイミング(給紙開始タイミング)で、給紙ローラ102を駆動して1枚目の給紙を行う。以下に、プリント動作開始から、定着器130、スキャナモータ112、感光ドラム122において給紙Readyとなるタイミングについて説明する。
(定着給紙Readyタイミング)
画像形成制御部201は、プリント動作開始により定着モータ302の起動(図4(b)参照)とともに、ヒータ132による加熱、サーミスタ131による温度検知による温度調整を実施し、定着フィルム133の加熱を行う。図4に示す「定着給紙Ready待ち」状態は、この状態を示している。続いて、サーミスタ131の検知温度が目標温度よりも低い所定の温度に到達したタイミングが「定着給紙Ready」タイミング(第1のタイミング)である。「定着給紙Ready」タイミングから、サーミスタ131の検知温度が目標温度に到達するタイミングまでの状態が「定着Ready待ち」状態である。そして、図4の「定着Ready」は、定着フィルム133、加圧ローラ134が十分に加熱され、定着フィルム133、加圧ローラ134のニップ部(以下、定着ニップ部という)に用紙Pが突入してもトナー像の加熱定着が可能な状態を示す。定着Readyの状態は予め実験によって決定された状態であり、例えばサーミスタ131の検知温度が温度調整時の目標温度に到達したタイミング以降の状態を、本実施例では「定着Ready」状態とする。
「定着給紙Ready」タイミングは、定着器130が「定着Ready」状態に遷移した後に定着ニップ部に用紙Pが突入するタイミングとなるように、給紙を開始するタイミングである。そこで、「定着給紙Ready待ち」に遷移するタイミングは、用紙Pを給紙してから定着ニップ部に突入するまでの「定着Ready待ち」状態での温度上昇分を考慮して、例えばサーミスタ131の検知温度が目標温度−10℃に到達したタイミングとする。なお、「−10℃」は、画像形成装置100の使用環境やヒータ132の性能のバラツキ等を考慮して、予め実験によって決定された値である。なお、サーミスタ131の検知温度の上昇具合等から、これ以外の温度を用いて、「定着給紙Ready」のタイミングを判断してもよい。また、図4(a)の点線で囲まれた所定の時間である「給紙時間Min」は、給紙ローラ102を駆動して用紙Pの搬送を開始してから、用紙Pの先端がトップセンサ105に検知されるまでの時間が最小になる場合の時間(所定値)を示している。更に、「Top〜定着」は、用紙Pの先端がトップセンサ105に検知されてから、用紙Pの先端が定着ニップ部に到達するまでに要する時間を示している。
(スキャナ給紙Readyタイミング)
次に、スキャナ給紙Readyタイミング(第3のタイミング)について説明する。プリント動作開始により定着モータ302が起動され、定着モータ302が「定常回転」状態に遷移すると(図4(b))、画像形成制御部201はスキャナユニット108の回転多面鏡110を回転させるスキャナモータ112を駆動する。スキャナモータ112の前処理の状態は、「突入待ち」状態、「収束待ち」状態、「スキャナReady」状態の順に遷移する。「突入待ち」状態は、スキャナモータ112が起動開始されてから目標速度より遅い所定の回転速度(以下、状態遷移閾値という)に到達するまでの状態を示している。「収束待ち」状態は、スキャナモータ112の回転速度が状態遷移閾値に到達してから、目標速度に到達するまでの状態を示している。「スキャナReady」状態は、スキャナモータ112の回転速度が目標速度で安定した状態を示している。スキャナユニット108からレーザ光が出射され、感光ドラム122の表面を露光する露光工程を行っている際に、スキャナモータ112の速度変動が発生すると、感光ドラム122上に形成される静電潜像が歪み、画質が低下する。そのため、露光工程は、スキャナモータ112の回転速度が安定した「スキャナReady」状態に遷移した後に実施する必要がある。
また、本実施例ではスキャナモータ112にオイル軸受けのモータを使用している。オイル軸受けのスキャナモータ112の場合は、温度によってオイルの粘性が変化する。その結果、スキャナモータ112を起動したときの温度環境により、スキャナモータ112の立ち上がり方が変化する。図5は、画像形成装置100の使用が想定される最低温度、最高温度環境でのスキャナモータ112の立ち上がり時の回転速度の変化を示す波形を示したグラフである。図5において、実線は低温環境で起動した場合のスキャナモータ112の回転速度を示し、一点鎖線は高温環境で起動した場合のスキャナモータ112の回転速度を示し、縦軸はスキャナモータ112の回転速度を示し、横軸は時間を示す。
また、時刻t0は、スキャナモータ112を低温環境で起動した場合のタイミングを示し、時刻t1は、スキャナモータ112を高温環境で起動した場合のタイミングを示している。また、時刻t2は、スキャナモータ112の回転速度が状態遷移閾値に到達したタイミングを示し、時刻t3は、スキャナモータ112の回転速度が目標速度に到達したタイミングを示している。なお、図5では、高温環境及び低温環境でのスキャナモータ112の回転速度が目標速度で安定するタイミングである時刻t3が一致するように重ねて示している。また、図4(c)の「突入待ち」状態に対応する図5の状態は、時刻t0〜時刻t2(低温環境の場合)、時刻t1〜時刻t2(高温環境の場合)である。同様に、図4(c)の「収束待ち」状態、「スキャナReady」状態に対応する図5の状態は、それぞれ時刻t2〜時刻t3、時刻t3〜である。
本実施例では、最も温度変化の影響が大きいスキャナモータ112の低速領域を「突入待ち」状態として、「収束待ち」状態に遷移したことを判断するための状態遷移閾値は、オイルの温度の影響が小さくなるように、例えば目標速度の95%等に設定する。このように設定することにより、「収束待ち」状態に遷移してから「スキャナReady」状態になるまでの時刻t2〜時刻t3までの時間(以下、収束待ち時間という)のバラツキを小さくすることができる。これにより、収束待ち時間を、予め実験によって測定した測定結果に基づいて決定した所定の時間とすることができる。
図4(c)に示すように、スキャナモータ112が「スキャナReady」状態に遷移したタイミングで露光が開始される場合について考える。この場合、感光ドラム122上に静電潜像が形成され、現像ローラ121により静電潜像が現像され、感光ドラム122上のトナー像が形成される。そして、感光ドラム122上のトナー像は、感光ドラム122と転写ローラ106のニップ部(以下、転写ニップ部という)に到達する。一方、「スキャナ給紙Ready」タイミングで用紙Pの給紙が開始され給紙時間Minで用紙Pが搬送された場合でも、次のようなタイミング関係を満たす必要がある。すなわち、上述した「スキャナReady」状態に遷移したタイミングで露光を開始して感光ドラム122上に形成されたトナー像の先端が転写ニップ部に到達するタイミング以降に、用紙Pが転写ニップ部に到達する必要がある。言い換えれば、以下の式(1)に示される図4(c)の時間関係を満足する必要がある。
[収束待ち遷移〜スキャナ給紙Ready]≧[収束待ち時間]+[露光〜転写ドラム回転時間]−[給紙時間Min]−[Top〜転写ニップ搬送時間]・・・(1)
[収束待ち遷移〜スキャナ給紙Ready]は、図4(c)のスキャナモータ112が「突入待ち」状態から「収束待ち」状態に遷移してから「スキャナ給紙Ready」タイミングに到達するまでの時間を示す。[収束待ち時間]は、スキャナモータ112が「収束待ち」状態に遷移してから「スキャナReady」状態に遷移するまでの時間を示す。[露光〜転写ドラム回転時間]は、図4(c)の「露光〜転写」に対応し、感光ドラム122の周長上の露光位置から転写ニップ部まで感光ドラム122が回転するのに要する時間を示している。[Top〜転写ニップ搬送時間]は、図4(c)の「Top〜転写」に対応し、用紙Pの先端がトップセンサ105に検知されてから、用紙Pの先端が転写ニップ部に到達するまでに要する時間を示している。
なお、給紙カセット114から転写ニップ部までの用紙Pの搬送路が長い場合や、スキャナモータ112を起動してから回転速度が安定するまでの時間が短い等の理由によって、上述した式(1)の右辺の計算結果がマイナスの値になる場合がある。この場合、スキャナモータ112が「収束待ち」状態に遷移したタイミングを「スキャナ給紙Ready」タイミングとすると、最速の場合の「スキャナ給紙Ready」タイミングよりも給紙タイミングが遅れることになり、FPOTが大きくなる。そのため、このような場合には、スキャナモータ112の「収束待ち」状態へ遷移させる回転速度を示す状態遷移閾値をより低い回転速度に下げて、式(1)の右辺の計算結果が0以上になるようにしなければならない。ところが、図5からわかるように、状態遷移閾値が示すスキャナモータ112の回転速度が遅くなるほど、収束待ち時間の温度環境による変動が大きくなってしまい、スキャナ回転速度から[収束待ち時間]を一意に決定することが困難となる。このような場合、「スキャナReady」状態に遷移するタイミングと露光開始タイミングの順序が逆転しないよう、次のようにして、スキャナ給紙Readyとするタイミングを決定してもよい。すなわち画像形成装置100の温度環境で最も低温の場合のスキャナモータ112を起動する際の回転制御手順を格納した起動プロファイルをROM200bに記憶させておき、起動プロファイルに基づいて、スキャナ給紙Readyとするタイミングを決定する。ただし、スキャナモータ112の立ち上がり方の温度変動が大きい場合や給紙時間Min、トップセンサ105から転写ニップ部までの搬送時間が大きく、状態遷移閾値を大きく下げる必要がある場合等では、次のようにスキャナ給紙Readyを設定してもよい。すなわち、画像形成装置100の構成によっては、状態遷移閾値を下げて収束待ち時間を長くするよりも、状態遷移閾値の95%のタイミングでスキャナ給紙Readyとする方が、常温ではスキャナ給紙Readyとなるタイミングが早いことも考えられる。本実施例では、式(1)の右辺の計算結果がマイナスになる場合を想定しており、スキャナ給紙Readyは、収束遷移閾値の95%に到達したタイミングとする。
(帯電給紙Readyタイミング)
続いて、帯電給紙Readyタイミングについて説明する。帯電工程に関しては、プリント開始時の感光ドラム122の表面電位の状態によっては、帯電ローラ123で一度帯電電圧を印加するだけでは感光ドラム122の表面電位が均一にならず、画質低下が発生するおそれがある。そのため、本実施例では、帯電ローラ123で少なくとも2回帯電電圧を印加した後の感光ドラム122の面にトナー像を形成するように、「帯電給紙Ready」タイミング(第2のタイミング)を設定する。
具体的には、図4(d)に示すように、帯電の前処理では、高電圧発生回路126が起動され、帯電電圧の立ち上げが行われる(図4(c)の「起動」)。そして、帯電電圧の立ち上げが完了すると、「帯電1周待ち」状態に遷移し、感光ドラム122の表面電位を均一にするため、帯電ローラ123により、感光ドラム122の表面に帯電電圧が印加される。感光ドラム122が1周することにより、帯電ローラ123による1回目の帯電電圧の印加が終了すると、「帯電Ready」状態に遷移する。「帯電Ready」状態では、1周して戻ってきた感光ドラム122に2回目の帯電電圧の印加が終了した面からスキャナユニット108による露光処理が行われ、感光ドラム122上に静電潜像が形成される。そして、現像ローラ121により静電潜像がトナーにより現像され、感光ドラム122上にトナー像が形成され、感光ドラム122上のトナー像は、転写ニップ部に移動する。
一方、「帯電給紙Ready」タイミングで用紙Pの給紙が開始され、給紙時間Minで用紙が搬送された場合でも、感光ドラム122上に形成されたトナー像の先端が転写ニップ部に到達するタイミング以降に、用紙Pは転写ニップ部に到達する必要がある。すなわち、以下の式(2)により示される図4(d)の時間関係を満足する必要がある。
[帯電1周待ち遷移〜帯電給紙Ready]≧[感光ドラム1周回転時間]+[帯電〜転写ドラム回転時間]−[給紙時間Min]−[Top〜転写ニップ搬送時間]・・(2)
[帯電1周待ち遷移〜帯電給紙Ready]は、図4(d)の「帯電1周待ち」状態に遷移してから「帯電給紙Ready」タイミングに到達するまでの時間を示す。[感光ドラム1周回転時間]は、図4(d)の「帯電1周待ち」に対応し、帯電ローラ123が感光ドラム122の表面全体(全周)に帯電電圧を印加する時間を示している。[帯電〜転写ドラム回転時間]は、図4(d)の「帯電〜転写」に対応し、感光ドラム122の周長上の帯電ローラ123が接触する位置から転写ニップ部まで感光ドラム122が回転するのに要する時間を示している。本実施例では、式(2)で右辺と左辺の等号が成立するタイミングを「帯電給紙Ready」のタイミングとする。
なお、本実施例では現像工程や転写工程に関しては、高電圧発生回路126において現像ローラ121や転写ローラ106に印加する現像電圧や転写電圧を立ち上げる起動時間さえ確保できればよい。そのため、現像工程や転写工程については定着器130やスキャナモータ112、感光ドラム122の帯電状態に比較して、給紙時間の制約条件になるほどの時間を必要としない。そのため、図4からは現像工程、及び転写工程の前処理の状態についての説明を省略している。
上述したように、本実施例では、定着給紙Ready、スキャナ給紙Ready、帯電給紙Readyのすべての給紙Readyタイミングが成立したタイミングで給紙動作が実施される。ところが、上述したように、式(1)の右辺の計算結果がマイナスになる場合があり、その場合には、スキャナ給紙Readyのタイミングを本来設定したかったタイミングよりも遅い「収束待ち」状態へ遷移したタイミングと同じタイミングとしている。図6は、定着給紙Ready、スキャナ給紙Ready、帯電給紙Readyの時間関係を説明するため、図4の(a)、(c)、(d)を抜き出して示したタイミングチャートであり、図6の横軸は時間を示す。図6の(a)、(b)、(c)は、それぞれ定着器130の前処理における状態遷移、スキャナユニット108のスキャナモータ112の前処理における状態遷移、感光ドラム122の表面の前処理における帯電状態の遷移を示している。図6(a)〜(c)に示す各状態は、図4と同様であり、ここでの説明を省略する。
また、図6において、時刻TAは、本来、設定したかったスキャナ給紙Readyのタイミングを示している。時刻TBは、スキャナ給紙Readyのタイミングが本来設定したかったタイミングである時刻TAの場合に給紙動作が開始されるタイミングを示している。すなわち時刻TBは、定着給紙Ready、スキャナ給紙Ready、帯電給紙Readyの3つの給紙Readyが成立するタイミングであり、この場合には、定着給紙Readyのタイミングがボトルネックのタイミングとなっている。時刻TCは、スキャナ給紙Readyのタイミングがボトルネックとなり、給紙動作が開始されるタイミングを示している。例えば、上述したように、低温環境の場合には、画像形成装置100が使用される温度環境で最も低温の場合の起動プロファイルからスキャナ給紙Readyとするタイミングを決定する場合がある。このような場合には、スキャナ給紙Readyタイミングがボトルネックとなって、時刻TCで給紙動作が開始されることになる。その結果、給紙タイミングが時刻TA、又は時刻TBよりも遅れることとなり、FPOTが大きくなるという課題が生じる。
[加速可能距離の算出]
そこで、本実施例では、用紙Pの搬送速度を加速する制御を実施することで、用紙Pが給紙カセット114から給紙されてから転写ニップ部に到達するまでの搬送時間を短縮させる。通常、搬送モータ301による用紙Pの搬送速度は、定着モータ302による用紙Pの搬送速度と同じ速度(以下、定常速度という)VPS(第1の搬送速度)である。本実施例では、給紙開始時点で定着給紙Ready、スキャナ給紙Ready、帯電給紙Readyが成立したタイミングを考慮し、搬送モータ301による用紙Pの搬送速度を第2の搬送速度VAcc(VAcc>VPS)に増加させる加速制御を実施する。これにより、給紙動作の開始が遅れても、給紙された用紙Pが転写ニップ部に到達するまでの搬送時間を短縮させ、FPOTの改善を図る。なお、用紙Pの搬送速度の制御を行うための演算は、搬送速度算出部203により実行される。
(定着要因の加速可能距離)
まず、定着器130の前処理がボトルネック(律速)となった場合の加速制御が可能な距離(以下、加速可能距離という)DFsrについて説明する。定着給紙Readyは、そのタイミングで定常速度VPSで給紙を開始し、用紙Pが定着ニップ部に到達したときに、定着器130が目標温度に到達しており、用紙Pに十分な加熱定着を実施可能な定着Ready状態となるタイミングである。したがって定着給紙Readyとなるタイミングで給紙が開始される場合に、用紙Pの搬送速度の加速制御が実施されると、定着器130が定着Ready状態になる前に用紙Pが定着ニップ部に突入してしまう。その結果、定着器130で用紙P上のトナー像を十分加熱することができないため、トナー像の用紙Pへの定着不良が発生するおそれがある。
一方、定着給紙Ready、スキャナ給紙Ready、帯電給紙Readyのうち、定着器130が定着給紙Readyとなったタイミングが最も遅いタイミング(定着律速)である場合を仮定する。そして、定着給紙Readyのタイミングから、更に遅れて給紙動作が開始される場合には、用紙Pを定常速度VPSよりも速い搬送速度VAccで搬送することにより、定常速度VPSで搬送した場合に比べ、FPOTを改善することができる。以上を踏まえて、定着要因で加速可能な距離DFsrは、以下の式(3)で表すことができる。
Figure 2018081221
なお、時間TFsrRdyToPickは、定着給紙Readyとなったタイミングから定着給紙Ready、スキャナ給紙Ready、帯電給紙Readyの各タイミングが成立して、用紙Pの給紙が開始されるまでの経過時間(待ち時間)を示している。
(スキャナ要因の加速可能距離)
次に、スキャナモータ112の前処理がボトルネック(律速)となった場合の加速制御が可能な距離である加速可能距離DScnについて説明する。図6で説明したように、上述した、本来、スキャナ給紙Readyとしたかったタイミングと実際のスキャナ給紙Readyとするタイミングが異なる場合がある。その結果、定着給紙Ready、スキャナ給紙Ready、帯電給紙Readyのうち、スキャナモータ112がスキャナ給紙Readyとなったタイミングが最も遅いタイミング(スキャナ律速)である場合を仮定する。そして、スキャナ給紙Readyのタイミングから更に遅れて給紙動作が開始される場合には、用紙Pを定常速度VPSよりも速い搬送速度VAccで搬送することにより、定常速度VPSで搬送した場合に比べ、FPOTを改善することができる。
この場合のスキャナモータ112の要因で加速可能な距離DScnは、[スキャナ給紙Ready〜給紙開始までの時間]×定常速度VPSにより算出することができる。そして、[スキャナ給紙Ready〜給紙開始までの時間]は、[収束待ち遷移〜給紙開始までの時間]−[収束待ち遷移〜スキャナ給紙Readyの時間]により算出することができる。また、図4(c)、式(1)より、[収束待ち遷移〜スキャナ給紙Readyの時間]=[収束待ち時間]+[露光〜転写ドラム回転時間]−[給紙時間Min]−[Top〜転写ニップ搬送時間]で表すことができる。したがって、[スキャナ給紙Ready〜給紙開始までの時間]=[収束待ち遷移〜給紙開始までの時間]−([収束待ち時間]+[露光〜転写ドラム回転時間]−[給紙時間Min]−[Top〜転写搬送時間])と表すことができる。これにより、スキャナモータ112による露光が要因の加速可能な距離DScnは、以下の式(4)で表すことができる。
Figure 2018081221
式(4)において、時間TScnWaitRdyToPickは、式(1)の[収束待ち遷移〜スキャナ給紙Ready]の時間と[スキャナ給紙Ready〜給紙開始]の時間を合計した時間を示している。また、時間TScnWaitRdy、TPickMinは、それぞれ式(1)の[収束待ち時間]、[給紙時間Min]を示している。距離DExpToTrは、スキャナユニット108からのレーザ光により露光が開始される感光ドラム122上の露光位置から転写ニップ部までの距離を示している。距離DTopToTrは、トップセンサ105から転写ニップ部までの搬送路上の距離を示している。
(帯電要因の加速可能距離)
続いて、帯電ローラ123による感光ドラム122の帯電処理がボトルネック(律速)となった場合の加速制御が可能な距離である加速可能距離DPrについて説明する。帯電給紙Readyは、そのタイミングで給紙を開始し、定常速度VPSで用紙Pが転写ニップ部に到達した場合に、感光ドラム122の表面には帯電電圧が2回印加された帯電Ready状態であるタイミングとなるように設定されている。その結果、スキャナユニット108による露光によって、帯電電位の安定した感光ドラム122の表面に静電潜像を形成することができる。したがって帯電給紙Readyとなるタイミングと同時に給紙が開始される場合に、用紙Pの搬送速度の加速制御が実施されると、感光ドラム122の表面に帯電電圧が2回印加された帯電Ready状態になる前に、用紙Pが転写ニップ部に到達してしまう。その結果、帯電電圧が2回印加されていない感光ドラム122の面にスキャナユニット108による露光が開始され、露光が開始された後に帯電電圧が2回印加された感光ドラム122の面に切り替わる。そのため、帯電電位がばらつき、正常に静電潜像が形成されないおそれがある。
一方、定着給紙Ready、スキャナ給紙Ready、帯電給紙Readyのうち、帯電給紙Readyとなったタイミングが最も遅いタイミング(帯電律速)であった場合を仮定する。そして、定着給紙Readyのタイミングから更に遅れて給紙動作が開始された場合には、用紙Pを定常速度VPSよりも速い搬送速度VAccで搬送することにより、定常速度VPSで搬送した場合に比べ、FPOTを改善することができる。以上を踏まえて、帯電要因で加速可能な距離DPrは、以下の式(5)で表すことができる。
Figure 2018081221
なお、時間TPrRdyToPickは、帯電給紙Readyから、定着給紙Ready、スキャナ給紙Ready、帯電給紙Readyの各タイミングが成立し、用紙Pの給紙が開始されるまでの経過時間(待ち時間)を示している。
(搬送路要因の加速可能距離)
最後に、用紙Pが搬送される搬送路の距離がボトルネック(律速)となった場合の加速制御が可能な距離である加速可能距離DAccEnbについて説明する。本実施例では搬送ローラ103、レジストレーションローラ104の搬送速度を定常速度VPSから速度VAccに増加させる加速制御を実施することにより、定常速度VPSで搬送した場合に比べ、FPOTを改善することができる。ところで、加速制御を実施できる区間は、給紙部から転写ニップ部までの区間である。したがって、用紙Pが定常速度VPSで搬送された距離と、用紙Pが加速制御により搬送された距離の合計は、給紙部から転写ニップ部までの搬送路の距離となる。以上を踏まえて、搬送路要因で加速可能な距離DAccEnbは、以下の式(6)で表すことができる。
Figure 2018081221
式(6)において、距離DAccEnbは、用紙Pの加速制御を行った時間(期間)に、定常速度VPSで用紙Pを搬送した場合に比べて、搬送された距離の増加分を示している。距離DAccSlowUpDownは、定常速度VPSから速度VAccに到達するまでの期間、及び速度VAccから定常速度VPSに減速するまでの期間に、定常速度VPSで用紙Pを搬送した場合よりも増えた搬送距離を指している。距離DSlowUpDownは、定常速度VPSから速度VAccに到達するまでの期間、及び速度VAccから定常速度VPSに減速するまでの期間に用紙Pが搬送された距離を示す。すなわち距離DSlowUpDownは、距離DAccSlowUpDownと、定常速度VPSから速度VAccまでの期間、及び速度VAccから定常速度VPSまでの期間に定常速度Vpsで用紙Pが搬送される距離を合計した距離である。式(6)の(DPickToTr−DSlowUpDown)は、速度VAcc又は定常速度VPSにより用紙Pが搬送された距離を示している。また、(VAcc−VPS)/VAccは、速度VAccにより用紙Pが搬送された距離のうち、定常速度VPSで搬送された場合の距離を除いた割合、すなわち速度VAccによる加速処理により増加した搬送距離の割合を示している。
以上、定着、露光、帯電、搬送路距離が要因の加速可能距離DFsr、DScn、DPr、DAccEnbについて説明した。本実施例では、定着給紙Ready、スキャナ給紙Ready、帯電給紙Readyの3つの給紙Readyのタイミングが成立し、用紙Pの給紙動作を開始する際に、各加速可能距離を算出する。そして、給紙時に算出した加速可能距離DFsr、DScn、DPr、DAccEnbのうちの最小値を加速制御での加速可能距離とすることで、画質に影響が出ない範囲でFPOTを短縮することができる。加速可能距離DFsr、DScn、DPr、DAccEnbのうちの最小値をMin(DFsr、DScn、DPr、DAccEnb)とする。速度VAccで用紙Pを搬送している期間(時間)は、((Min(DFsr、DScn、DPr、DAccEnb)−DAccSlowUpDown)/(VAcc−VPS)により算出することができる。また、決定された加速可能距離の最小値と、決定された加速可能距離に応じた用紙搬送制御部202の制御情報とを対応付けたテーブルを制御装置200のROM200bに格納し、用紙搬送制御部202が制御情報に基づいて用紙搬送の加速制御を行ってもよい。なお、用紙搬送制御部202の制御情報とは、例えば、定常速度VPSから速度VAccまでの加速制御、又は減速制御や、速度VAccでの搬送時間等である。
また、本実施例では、現像工程や転写工程に関しては、高電圧発生回路126において現像ローラ121や転写ローラ106に印加する現像電圧や転写電圧を立ち上げる起動時間さえ確保できればよいため、詳しい説明は省略した。例えば、転写工程の前処理として、ATVC制御によって転写電圧として印加する基準電圧を決定する等、時間を要する処理を実施する場合は、スキャナユニット108や帯電処理と同様に、給紙Readyや加速可能距離の算出を行うようにしてもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、新たな構成を追加することなく、画像形成時の画質を維持しつつ、FPOTを短縮することができる。
実施例1では、1枚目の給紙時間がバラツキ等を考慮した最小の場合であっても、画質に影響を及ぼさないように、用紙Pが転写ニップ部や定着ニップ部に到達した際に各部材がReady状態になっているように、加速可能距離の算出を行っている。しかし、画像形成装置100では、画像形成装置100の使用期間が長くなるにつれて、例えば給紙ローラ102や搬送ローラ103の摩耗が進む。その結果、これらのローラにより搬送される用紙Pの搬送距離が短くなり、用紙Pを搬送開始してから用紙Pがトップセンサ105に到達するまでの給紙時間が徐々に長くなる(遅くなる)。また、用紙Pにスリップしやすい用紙を使用する等の要因により、実際の給紙時間と給紙時間Minとの間に差異が生じることがある。その結果、定着器130やスキャナモータ112の前処理、帯電ローラ123の帯電処理のいずれが律速となった場合で、律速となった部材がReady状態に遷移してから使用が開始されるまでに、給紙時間と給紙時間Minの時間差分だけ待ち時間が生じる。
そこで、実施例2では、実施例1の制御に加えて、トップセンサ105で用紙Pの先端を検知したときに、以下に述べる加速可能距離を再計算する。そして、再計算の結果、取得された実際の給紙時間と給紙時間Minとの時間差を考慮して更なる加速制御を行い、FPOTの短縮を図る。なお、本実施例での画像形成装置100の構成や制御装置200の構成は実施例1と同様であり、ここでの説明を省略する。
[加速可能距離の算出]
まず、定着器130の前処理がボトルネック(律速)となった場合のトップセンサ105から加速制御が可能な距離である加速可能距離DFsrFromTopは、次の式(7)で表すことができる。
Figure 2018081221
なお、式(TFsrRdyToPick×VPS)は、実施例1で説明した定着要因での加速可能距離DFsrを算出する式である。また、式((TPickMsr−TPickMin)×VPS)は、用紙Pがトップセンサ105に到達するのに遅れた時間分だけ加速可能な距離を示している。式(7)により、トップセンサ105から転写ニップ部までの区間において、更に加速すべき距離を算出することができる。ところで、距離DAccToTopは、例えば実施例1でのMin(DFsr、DScn、DPr、DAccEnb)が0であれば、給紙が開始され用紙Pの先端がトップセンサ105に到達するまでの時間に定常速度VPSを乗じて、算出することができる。また、Min(DFsr、DScn、DPr、DAccEnb)が0より大きいのであれば、前述した用紙搬送制御部202が制御装置200のROM200bに格納されたテーブルの制御情報に基づいて実行する加速制御の状態に応じて、算出すればよい。
次に、スキャナモータ112の前処理がボトルネック(律速)となった場合のトップセンサ105から加速制御が可能な距離である加速可能距離DScnFromTopは、次の式(8)で表すことができる。
Figure 2018081221
なお、式((TScnWaitRdyToPick−TScnWaitRdy+TPickMin)×VPS−DExpToTr+DTopToTr)は、実施例1で説明したスキャナモータ112が要因での加速可能距離DScnを算出する式である。式(8)により、トップセンサ105から転写ニップ部までの区間において、更に加速すべき距離を算出することができる。
続いて、帯電ローラ123による感光ドラム122の帯電処理がボトルネック(律速)となった場合のトップセンサ105から加速制御が可能な距離である加速可能距離DPrFromTopは、次の式(9)で表すことができる。
Figure 2018081221
なお、式(TPrRdyToPick×VPS)は、実施例1で説明した帯電要因での加速可能距離DPrを算出する式である。式(9)により、トップセンサ105から転写ニップ部までの区間において、更に加速すべき距離を算出することができる。
最後に、用紙Pが搬送される搬送路の距離がボトルネック(律速)となった場合のトップセンサ105から加速制御が可能な距離である加速可能距離DAccEnbFromTopは、次の式(10)で表すことができる。
Figure 2018081221
なお、式(DAccSlowUpDown2+(DTopToTr−DSlowUpDown2)×(VAcc−VPS)/VAcc)は、実施例1で説明した搬送路要因での加速可能距離DAccEnbを算出する式である。式(10)により、トップセンサ105から転写ニップ部までの区間において、更に加速すべき距離を算出することができる。
以上、定着、露光、帯電、搬送路距離が要因の加速可能距離DFsrFromTop、DScnFromTop、DPrFromTop、DAccEnbFromTopについて説明した。本実施例では、用紙Pの先端がトップセンサ105に到達したときに加速可能距離DFsrFromTop、DScnFromTop、DPrFromTop、DAccEnbFromTopを算出し、算出された加速可能距離のうちの最小値を決定する。そして、決定された最小値をトップセンサ105から転写ニップ部までの区間における加速制御での更なる加速可能距離として、更なる加速制御を行う。これにより、給紙ローラ102や搬送ローラ103の摩耗が進み、1回転あたりの搬送距離が短くなり、その結果、用紙Pの搬送時間が長くなっても、画質に影響が出ない範囲でFPOTを短縮することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、新たな構成を追加することなく、画像形成時の画質を維持しつつ、FPOTを短縮することができる。
実施例3では、搬送モータ301による用紙Pの搬送速度を定常速度VPSから、それよりも遅い搬送速度VSlowに切り替える減速制御を実施する例について説明する。これにより、実施例1、2で説明した加速制御とは逆の減速制御によっても、FPOT短縮を実現することができる。
実施例1、2では、給紙バラツキを考慮した給紙時間Minの場合を基準に、各部材の給紙Readyタイミングを決定した。一方、本実施例では、給紙バラツキを考慮した所定の時間である給紙時間Maxを基準に、各部材の給紙Readyタイミングを決定する。すなわち給紙時間が最大(Max)となる場合に、給紙開始のタイミングを決定する律速(ボトルネック)になった部材がReady状態になるタイミングと、実際にその部材を使用開始するタイミングとが一致するようにする。ここで、給紙時間Maxとは、実施例1、2の給紙時間Minとは逆に、給紙ローラ102を駆動して用紙Pの搬送を開始してから、用紙Pの先端がトップセンサ105により検知されるまでの時間が最大(Max)になる場合の時間(所定値)を指している。このように、本実施例では、給紙Readyタイミングを実施例1、2に比べ前倒しにすることにより、用紙Pの給紙開始を早める。これにより、実際の給紙時間(給紙を開始してから用紙Pの先端がトップセンサ105に到達するまでの時間)が給紙時間Maxより短い場合には、各部材がReady状態になる前に使用開始タイミングとなってしまい、画質の低下が生じる。そこで、本実施例では、実際の給紙時間と給紙時間Maxの時間差だけ用紙Pの搬送速度を減速する搬送モータ301の減速制御を行い、定着、スキャナ、帯電の各部材のReadyタイミングと使用開始タイミングの順序を保証する制御を行う。
[給紙Raedyタイミングの算出]
図7は、本実施例における定着部と画像形成部の前処理の状態と給紙カセット114から用紙Pの給紙が開始される給紙タイミングとの関係を説明するタイミングチャートである。図7において、(a)は、定着器130の前処理における状態遷移を示している。(b)〜(d)は画像形成部の前処理における状態遷移を示している。(b)は定着モータ302の駆動状態を、(c)はスキャナユニット108のスキャナモータ112の駆動状態を、(d)は帯電ローラ123による感光ドラム122の表面の帯電状態を示している。(e)は、給紙ローラ102、搬送ローラ103、レジストレーションローラ104を駆動して用紙Pの搬送を行う搬送モータ301の駆動状態を示している。なお、図7の横軸は、時間を示している。図7は、実施例1の図4の「給紙時間Min」が「給紙時間Max」に変更されている点を除けば、図の見方は図4と同様であり、ここでの説明は省略する。
次に、本実施例での定着給紙Ready、スキャナ給紙Ready、帯電給紙Readyのタイミングについて簡単に説明する。定着給紙Readyのタイミングは、サーミスタ131の検知温度が(目標温度−15℃)に到達したタイミングとする。「定着給紙Ready」タイミングは、定着器130が「定着Ready」状態に遷移した後に定着ニップ部に用紙Pが突入するタイミングとなるように、給紙を開始するタイミングである。そこで、「−15℃」は、用紙Pを給紙してから定着ニップ部に突入するまでの定着Ready待ち状態での温度上昇バラツキを考慮して、目標温度まで温度上昇が保証されるような値である。
次に、スキャナ給紙Readyのタイミングは、用紙Pの給紙が開始され、給紙時間Maxで用紙が搬送された場合に、感光ドラム122上に形成されたトナー像の先端が転写ニップ部に到達するタイミングで用紙Pが転写ニップ部に到達するタイミングである。そのため、以下の式(11)に示される図7(c)の時間関係を満足する必要がある。
[収束待ち遷移〜スキャナ給紙Ready]≧[収束待ち時間]+[露光〜転写ドラム回転時間]−[給紙時間Max]−[Top〜転写搬送時間]・・・(11)
本実施例では、簡単化のために式(11)の右辺の結果が0以上とし、スキャナ給紙Readyとなるタイミングは、等号が成立する(左辺=右辺となる)タイミングとする。
最後に、帯電給紙Readyのタイミングは、用紙Pの給紙が開始され、給紙時間Maxで用紙が搬送された場合に、感光ドラム122上に形成されたトナー像の先端が転写ニップ部に到達するタイミングで、用紙Pが転写ニップ部に到達するタイミングである。そのため、帯電給紙Readyのタイミングは、以下の式(12)に示される図7(d)の時間関係を満足する必要がある。
[帯電1周待ち遷移〜帯電給紙Ready]≧[感光ドラム1周回転時間]+[帯電〜転写ドラム回転時間]−[給紙時間Max]−[Top〜転写ニップ搬送時間]・・・(12)
[搬送速度の減速が必要な距離の算出]
次に、定着器130の前処理、スキャナモータ112の前処理、帯電ローラ123による感光ドラム122の帯電処理が律速(ボトルネック)となった場合の用紙搬送速度の減速が必要な距離について説明する。本実施例では、用紙Pの給紙開始時は、定常速度VPSの速度で、用紙Pの搬送を行う。そして、トップセンサ105が用紙Pの先端を検知したタイミングで、用紙Pの搬送速度の減速量を決定し、決定された減速量に基づいて、搬送モータ301の減速時の搬送速度VSlow(第2の搬送速度)が決定される。なお、本実施例においても、用紙Pの給紙は、定着給紙Ready、スキャナ給紙Ready、帯電給紙Readyの3つのタイミングがすべて成立したタイミングで開始される。
まず、定着要因で減速が必要な距離DFsrSlowは、以下の式(13)により求めることができる。
Figure 2018081221
時間TPickMaxは、給紙を開始してから用紙Pの先端がトップセンサ105により検知されるまでの時間が最大となる場合の時間(給紙時間Max)を指している。時間TPickMsrは、給紙を開始してからトップセンサ105が用紙Pの先端を検知するまでの時間を示し、時間TFsrRdyToPickは、定着給紙Readyのタイミングから給紙が開始されるまでの時間を示している。したがって、式(TPickMax−TPickMsr−TFsrRdyToPick)は、用紙Pが給紙時間Maxよりもトップセンサ105に早く到達した時間の差分(時間差)を示している。算出された時間差に用紙Pの搬送速度である定常速度VPSを乗じることにより、用紙Pをトップセンサ105から転写ニップ部まで搬送する間に、減速が必要な距離を求めることができる。
次に、スキャナモータ112の要因で減速が必要な距離DScnSlowは、以下の式(14)で求めることができる。
Figure 2018081221
同様に、帯電要因で減速が必要な距離DPrSlowは、以下の式(15)で求めることができる。
Figure 2018081221
用紙Pの先端がトップセンサ105を通過してから、転写ニップ部に到達するまでに減速が必要な距離は、3つの減速が必要な距離DFsrSlow、DScnSlow、DPrSlowのうちの最大の距離である。
次に、本実施例の減速制御について説明する。実施例1では、予め用紙Pの加速制御時の搬送速度をVAccとし、用紙Pの給紙部から転写ニップ部までの加速制御が実施される区間で、できるだけ用紙搬送を加速するような制御を行っている。その結果、搬送路の加速可能な距離DAccEnbは、関係式(DAccEnb<MIN(DFsr,DScn,DPr))を満足するケースがある。そのようなケースでは、定着、スキャナ、帯電律速の各加速可能距離から決定される加速量だけ加速を実施できない。しかし、その場合は各部材の状態がReady状態に遷移してから使用されるまでに待ち時間が生じるだけであり、画質への影響は生じない。
一方、本実施例の減速制御に関しては、予め用紙Pの搬送速度の最小速度VSlowを予め設定しておくと、次のような課題が生じる。距離DFsrSlow、DScnSlow、DPrSlowの最大値をMAX(DFsrSlow,DScnSlow,DPrSlow)とする。求められた最大の減速距離を減速制御の実施区間で減速しきれない場合には、定着、スキャナ、帯電の各状態がReadyに遷移する前に用紙Pが転写ニップ部や定着ニップ部に到達して、使用開始タイミングになってしまい、画質に影響が出てしまう。このような状態の発生を回避するために、本実施例では次のような用紙Pを搬送する最小速度による減速制御を行う。すなわちMAX(DFsrSlow,DScnSlow,DPrSlow)により決定された減速距離と、減速制御が実施されるトップセンサ105から転写ニップ部までの距離に基づいて、用紙Pの搬送速度の最小速度VSlowを算出する。ここで、最小速度VSlowは、関係式(最小速度VSlowによる減速量≧Max(DFsrSlow,DScnSlow,DPrSlow))を満足する速度である。
例えば、決定された減速距離と、決定された減速距離に応じた用紙搬送制御部202の制御情報とを対応付けたテーブルを制御装置200のROM200bに格納しておき、用紙搬送制御部202が制御情報に基づいて用紙搬送の減速制御を行ってもよい。なお、用紙搬送制御部202の制御情報とは、例えば、減速距離に対応する最小速度VSlow、定常速度VPSから速度VSlowまでの減速制御又は速度VSlowから定常速度VPSへの増速制御や、最小速度VSlowでの搬送時間等である。
本実施例では、以上説明した減速制御、すなわち用紙Pの給紙タイミングを前倒しし、その後、トップセンサ105により検知された給紙時間に応じて減速制御を行う。これにより、搬送モータ301を定常速度VPSより加速することなく、画質に影響が出ない範囲で、FPOTの短縮を図ることができる。なお、式(11)の右辺の計算結果がマイナスの値になり、かつ搬送モータ301の減速制御のみを実施してFPOTの短縮を図りたい場合は、次のようにして、収束待ち時間と状態遷移閾値を決定すればよい。すなわち、実施例1で説明した図5の高温環境での立ち上がりタイミングに合わせて、式(11)の右辺の計算結果が0になるような収束待ち時間と突入待ち状態から収束待ち状態に遷移するときの状態遷移閾値を決定する。なお、この場合には、実際のスキャナモータ112の立ち上がり時間と高温環境での立ち上がり時間の差分を減速制御に反映させる必要がある。また、収束待ち時間とは。収束待ち状態からスキャナReady状態に遷移するまでの時間を指している。
以上説明したように、本実施例によれば、新たな構成を追加することなく、画像形成時の画質を維持しつつ、FPOTを短縮することができる。
106 転写ローラ
108 スキャナユニット
122 感光ドラム
123 帯電ローラ
130 定着器
200 制御装置
301 搬送モータ

Claims (17)

  1. 感光ドラムと、前記感光ドラムを所定の電位に帯電する帯電部と、前記感光ドラムに静電潜像を形成する露光部と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像部と、用紙に前記トナー像を転写する転写部と、を有し、用紙に画像形成を行う画像形成部と、
    ヒータを有し、用紙に転写された前記トナー像を前記ヒータで加熱して用紙に定着させる定着部と、
    用紙を格納する給紙部から第1の搬送速度、又は前記第1の搬送速度よりも速い第2の搬送速度で用紙を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段を制御して、用紙が前記転写部及び前記定着部に到達するタイミングを制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記定着部の前記ヒータが目標温度まで上昇したときに用紙が前記定着部に到達するように、前記搬送手段が用紙搬送を開始可能な第1のタイミングと、前記帯電部が前記感光ドラムの帯電を開始し、前記感光ドラム上に形成されたトナー像が前記転写部に到達するタイミングで用紙が前記転写部に到達するように、前記搬送手段が用紙搬送を開始可能な第2のタイミングと、前記露光部が前記感光ドラムに前記静電潜像の形成を開始し、前記感光ドラム上に形成されたトナー像が前記転写部に到達するタイミングで用紙が前記転写部に到達するように、前記搬送手段が用紙搬送を開始可能な第3のタイミングと、前記搬送手段により用紙搬送が開始された給紙開始タイミングと、に基づいて、用紙が前記転写部に到達するまでに加速可能な距離を算出し、前記算出された加速可能な距離に応じて、前記第1の搬送速度又は前記第2の搬送速度で用紙を搬送するよう、前記搬送手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1のタイミングは、前記ヒータの温度が前記目標温度よりも低い所定の温度に到達したタイミングであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記給紙部と前記転写部との搬送路に設けられ、搬送される用紙を検知する検知手段を備え、
    前記第2のタイミングは、前記帯電部が前記感光ドラムの帯電を開始してから前記感光ドラムが1周する時間と、前記露光部による前記感光ドラムの露光位置が前記転写部に移動するまでの時間と、用紙が前記給紙部から給紙され、前記検知手段に到達するまでの所定の時間と、前記検知手段から前記転写部までの用紙の搬送時間と、に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記露光部は、光源からの光を偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡を駆動する駆動部と、を有し、
    前記第3のタイミングは、前記駆動部の回転速度が所定の速度に到達してから前記所定の速度よりも速い目標速度に到達し、前記露光部による露光が開始可能になるまでの時間と、前記露光部による前記感光ドラムの露光位置が前記転写部に移動するまでの時間と、前記所定の時間と、前記検知手段から前記転写部までの用紙の搬送時間と、に基づいて決定されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記算出された加速可能な距離は、前記第1のタイミングから前記給紙開始タイミングまで前記第1の搬送速度で用紙が搬送されたときの第1の距離、前記第2のタイミングから前記給紙開始タイミングまで前記第1の搬送速度で用紙が搬送されたときの第2の距離、及び前記第3のタイミングから前記給紙開始タイミングまで前記第1の搬送速度で用紙が搬送されたときの第3の距離のうち、最小の距離であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記最小の距離が、用紙を前記給紙部から前記転写部まで前記第1の搬送速度で搬送したときに要する時間で、前記第2の搬送速度で用紙を搬送したときの搬送距離が前記第1の搬送速度での搬送距離よりも増加する第4の距離よりも大きい場合には、前記第4の距離に基づいて、前記第2の搬送速度で用紙を搬送するよう、前記搬送手段を制御することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、前記最小の距離が0の場合には、前記第1の搬送速度で用紙を搬送するよう、前記搬送手段を制御することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、用紙が前記給紙部から給紙されてから前記検知手段により検知されるまでの搬送時間が前記所定の時間よりも大きい場合には、前記搬送時間と前記所定の時間との差分に前記第1の搬送速度を乗じて求めた距離と、用紙が前記検知手段に到達するまでに前記第1の搬送速度により搬送された距離よりも増加した距離と、に応じて、前記第2の搬送速度で用紙を搬送するよう、前記搬送手段を制御することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記所定の時間は、用紙が前記給紙部から給紙されてから前記検知手段により検知されるまでの最小の時間であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 感光ドラムと、前記感光ドラムを所定の電位に帯電する帯電部と、前記感光ドラムに静電潜像を形成する露光部と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像部と、用紙に前記トナー像を転写する転写部と、を有し、用紙に画像形成を行う画像形成部と、
    ヒータを有し、用紙に転写された前記トナー像を前記ヒータで加熱して用紙に定着させる定着部と、
    用紙を格納する給紙部から第1の搬送速度、又は前記第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度で用紙を搬送する搬送手段と、
    前記給紙部と前記転写部との搬送路に設けられ、搬送される用紙を検知する検知手段と、
    前記搬送手段を制御して、用紙が前記転写部及び前記定着部に到達するタイミングを制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記定着部の前記ヒータが目標温度まで上昇したときに用紙が前記定着部に到達するように、前記搬送手段が用紙搬送を開始可能な第1のタイミングと、前記帯電部が前記感光ドラムの帯電を開始し、前記感光ドラム上に形成されたトナー像が前記転写部に到達するタイミングで用紙が前記転写部に到達するように、前記搬送手段が用紙搬送を開始可能な第2のタイミングと、前記露光部が前記感光ドラムに前記静電潜像の形成を開始し、前記感光ドラム上に形成されたトナー像が前記転写部に到達するタイミングで用紙が前記転写部に到達するように、前記搬送手段が用紙搬送を開始可能な第3のタイミングと、に基づいて決定された用紙搬送が開始される給紙開始タイミングで、用紙を前記第1の搬送速度で搬送し、
    用紙が前記検知手段により検知されたときに、前記第1のタイミングから用紙が前記検知手段に検知されるまでの時間、前記第2のタイミングから用紙が前記検知手段に検知されるまでの時間、及び前記第3のタイミングから用紙が前記検知手段に検知されるまでの時間と、用紙が前記給紙部から給紙され、前記検知手段に到達するまでの所定の時間との差分に基づいて、用紙が前記検知手段から前記転写部に到達するまでに減速が必要な距離を算出し、前記算出された減速が必要な距離に応じて、前記第1の搬送速度又は前記第2の搬送速度で用紙を搬送するよう、前記搬送手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
  11. 前記第1のタイミングは、前記ヒータの温度が前記目標温度よりも低い所定の温度に到達したときであることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記第2のタイミングは、前記帯電部が前記感光ドラムの帯電を開始してから前記感光ドラムが1周する時間と、前記露光部による前記感光ドラムの露光位置が前記転写部に移動するまでの時間と、前記所定の時間と、前記検知手段から前記転写部までの用紙の搬送時間と、に基づいて決定されることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記露光部は、光源からの光を偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡を駆動する駆動部と、を有し、
    前記第3のタイミングは、前記駆動部の回転速度が所定の速度に到達してから前記所定の速度よりも速い目標速度に到達し、前記露光部による露光が開始可能になるまでの時間と、前記露光部による前記感光ドラムの露光位置が前記転写部に移動するまでの時間と、前記所定の時間と、前記検知手段から前記転写部までの用紙の搬送時間と、に基づいて決定されることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記算出された減速が必要な距離は、前記第1のタイミングから用紙が前記検知手段に検知されるまでの時間と前記所定の時間との差分に前記第1の搬送速度を乗じて算出される第1の距離、前記第2のタイミングから用紙が前記検知手段に検知されるまでの時間と前記所定の時間との差分に前記第1の搬送速度を乗じて算出される第2の距離、及び前記第3のタイミングから用紙が前記検知手段に検知されるまでの時間と前記所定の時間との差分に前記第1の搬送速度を乗じて算出される第3の距離のうち、最大の距離であることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記所定の時間は、用紙が前記給紙部から給紙されてから前記検知手段により検知されるまでの最大の時間であることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 前記制御手段は、前記最大の距離が0の場合には、前記第1の搬送速度で用紙を搬送するよう、前記搬送手段を制御することを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 前記制御手段は、用紙を前記第1の搬送速度で前記検知手段から前記転写部に搬送する時間に、用紙が搬送される距離が前記最大の距離だけ少ない距離となるように決定された前記第2の搬送速度で用紙を搬送するよう、前記搬送手段を制御することを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
JP2016224077A 2016-11-17 2016-11-17 画像形成装置 Active JP6794230B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016224077A JP6794230B2 (ja) 2016-11-17 2016-11-17 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016224077A JP6794230B2 (ja) 2016-11-17 2016-11-17 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018081221A true JP2018081221A (ja) 2018-05-24
JP6794230B2 JP6794230B2 (ja) 2020-12-02

Family

ID=62198884

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016224077A Active JP6794230B2 (ja) 2016-11-17 2016-11-17 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6794230B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11378896B2 (en) 2020-03-30 2022-07-05 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming apparatus and method of controlling image forming apparatus

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08160828A (ja) * 1994-12-07 1996-06-21 Canon Inc 電子写真プリンタ
JPH09211915A (ja) * 1996-02-05 1997-08-15 Canon Inc 画像形成装置
JP2008110835A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
US20090174888A1 (en) * 2008-01-04 2009-07-09 Samsung Electronics Co., Ltd. Image forming apparatus and control method thereof
JP2010128465A (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08160828A (ja) * 1994-12-07 1996-06-21 Canon Inc 電子写真プリンタ
JPH09211915A (ja) * 1996-02-05 1997-08-15 Canon Inc 画像形成装置
JP2008110835A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
US20090174888A1 (en) * 2008-01-04 2009-07-09 Samsung Electronics Co., Ltd. Image forming apparatus and control method thereof
JP2010128465A (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11378896B2 (en) 2020-03-30 2022-07-05 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming apparatus and method of controlling image forming apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP6794230B2 (ja) 2020-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5939783B2 (ja) 画像形成装置
JP6366219B2 (ja) 画像形成装置
JP5615004B2 (ja) 高圧制御装置、画像形成装置及び高電圧出力装置
JP6398876B2 (ja) 画像形成装置、光走査装置、メンテナンス方法
JP6124137B2 (ja) 画像形成装置
US9904224B2 (en) Image forming apparatus, and method and computer-readable medium for the same
JP6794230B2 (ja) 画像形成装置
JP5824209B2 (ja) 画像形成装置
JP2017102292A (ja) 画像形成装置
JP5669519B2 (ja) 画像形成装置
JP2009180882A (ja) 画像形成装置
JP4614873B2 (ja) モータ制御装置及び画像形成装置
JP2009107752A (ja) 画像形成装置の給紙装置
JP3357562B2 (ja) 光学装置
JP2019191228A (ja) 画像形成装置
JP2016200733A (ja) 画像形成装置
JP4565328B2 (ja) 画像形成装置、画像形成方法および画像形成プログラム
JP5929392B2 (ja) 画像形成装置
JP5355174B2 (ja) 画像形成装置
JP6650121B2 (ja) 画像形成装置
JP2021117243A (ja) 画像形成装置
JP2002244055A (ja) 画像形成装置およびスキャナモータ起動方法
JP6318648B2 (ja) 画像形成装置、および画像形成方法
JP5369562B2 (ja) 電子写真装置
JP5954947B2 (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20171201

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201006

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201013

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201111

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6794230

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151