JP2009107752A - 画像形成装置の給紙装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】給紙ローラの負荷トルク上昇による制御手段の出力設定値の変動でシート材の有無を検知することで、給紙タイミングを起点とする制御を行うことが可能な画像形成装置の給紙装置を提供することを目的とする。
【解決手段】給紙ローラ111と、その駆動手段Mと、駆動手段が一定の回転速度にするための制御手段203と、駆動手段の負荷トルクを検出する負荷トルク検出手段と、シート材Pを分離する分離部材とを備えた画像形成装置の給紙装置において、給紙装置が給紙動作を行った時の負荷トルク検出手段の第一の負荷トルク検出値と、予め求められた第二の負荷トルク検出値の差分が所定値以内であった場合は給紙装置にシート材がセットされていると判断し、前記差分が前記所定値を超えていた場合は前記給紙装置にシート材がセットされていないと判断することを特徴とする画像形成装置の給紙装置。
【選択図】図1

Description

本発明はシート材に画像を形成する画像形成装置の給紙装置に関するものである。
図7、図8を用いて従来例を説明する。
従来の画像形成装置の給紙機構には、図7にあるように給紙動作を行った場合にシート材801が正常に給送できる位置にセットされているか否かを判断する手段を設けているものが多い。この判断手段の主なものとして、フォトインタラプタ805を使用したシート材有無検知センサがある。
このセンサは、プラスチック材などでモールド形成された検知フラグ804を備え、例えばシート材801が給紙動作を行った場合に正常に給送できる所定位置に設置されている状態(図7)では検知フラグがフォトインタラプタ805の発光部を遮光する。しかし、シート材が給紙動作を行った場合に正常に給送できる所定位置に設置されていない状態(図8)では検知フラグ804がフォトインタラプタ805の発光部を遮光しない状態となる。このことでフォトインタラプタの出力信号の論理が切り替わり、出力信号の論理によってシート材が給紙動作を行った場合に正常に給送できる所定位置にセットされているか否かを判断している。
そして、シート材が所定の位置に設置されている場合に給紙動作を行うと正しく給送され、搬送路下流にある画像形成機構(不図示)に搬送されていくものと仮定することで、給紙のタイミングを基準としてそれ以降の制御、特に画像形成の制御を行っている。このような従来の画像形成装置については例えば、特許文献1に開示されている。
また、コストダウンの為、シート材が正常位置にセットされていることを判断するシート材有無検知センサのような判断手段を設けず、給紙動作から所定時間経過後に搬送路上のセンサにシート材が到達したことで給紙に成功したことを判断しているものもある。しかし、給紙機構として後者のような構成を用いている場合には、給紙動作を行い、シート材を給紙してから搬送路上のセンサまでシート材が到達するまでシート材の有無及びシート材を正常に給紙出来たか否かを判断出来ない。このため、給紙動作後に行う画像形成の為の所定の制御を、シート材の搬送に合わせて行わなければならない場合には、搬送路上のセンサ到達タイミングを基準とする必要がある。
特開平9−254465号公報
しかしながら、フォトインタラプタ等、シート材有無検知の為の機構を設けることは、コストの面で不利である。一方、シート材有無検知の機構を設けない場合、給紙動作後に搬送路上のセンサにシート材が到達するまでの間はシート材がセットされているか否かが判断出来ない為、給紙タイミングを起点としてシート材の搬送移動に合わせた制御を行うことが困難となる。また、シート材の搬送移動に合わせて制御を行うと、搬送路上のセンサにシート材が到達したタイミングを基準としなければならず、従来のシート材有無検知センサを用いる場合と比較して制御の開始時刻が遅れてしまうという問題があった。
本発明は以上の点に着目してなされたものであり、給紙ローラの負荷トルク上昇による制御手段の出力設定値の変動でシート材の有無を検知することで、給紙タイミングを起点とする制御を行うことが可能な画像形成装置の給紙装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するため以下の構成を備えるものである。
シート材を搬送するために回転される給紙ローラと、前記給紙ローラを回転駆動する駆動手段と、前記給紙ローラが一定の回転速度になるように前記駆動手段の制御を行う制御手段と、前記駆動手段の負荷トルクを検出する負荷トルク検出手段と、前記シート材を分離する分離部材とを備え、前記給紙ローラと前記分離部材との間に供給されたシート材を給紙する画像形成装置の給紙装置において、前記給紙装置が給紙動作を行った時の前記負荷トルク検出手段の第一の負荷トルク検出値と、予め求められた第二の負荷トルク検出値の差分が所定値以内であった場合は前記給紙装置にシート材がセットされていると判断し、前記差分が前記所定値を超えていた場合は前記給紙装置にシート材がセットされていないと判断することを特徴とする画像形成装置の給紙装置。
本発明によれば、給紙ローラの負荷トルク上昇による制御手段の出力設定値の変動によってシート材の有無を検知することで、シート材が設置されていることを検知するセンサを設けない場合であっても、給紙タイミングを起点とする制御を行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
以下に本発明の実施例を図1に基づいて説明する。本発明は画像形成装置の給紙機構に関するものであるが、実施例では特に電子写真方式を用いたレーザービームプリンタ(以下:LBP)を例にして説明する。LBPにおいてユーザがプリント(画像形成)を指示すると、感光ドラム101が転写ローラ102と共に駆動手段によって回転駆動される。感光ドラム101表面は、帯電ローラ103によって所定の極性、所定の電位に均一に帯電される。帯電後の感光ドラム101の表面は、露光器104によって画像情報に基づいた露光が行われて静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器5によってトナーが付着されてトナー像として現像される。このように感光ドラム101表面に形成されたトナー像は、転写ローラ102に転写バイアスを印加することで、転写ニップ部Tに搬送路106に沿って供給されてきたシート材Pに転写される。
上述のシート材Pは、給紙トレイ110から、給紙ローラ111によって搬送方向へ搬送が開始される。トナー像転写後の感光ドラム101は、その表面に残ったトナー(残留トナー)がクリーナ109によって除去され、次回の画像形成に移行する。一方、トナー像転写後のシート材Pは、定着ローラ112により加熱、加圧ローラ113により加圧を受けて表面にトナー像が定着される。トナー像定着後のシート材Pは、画像形成装置本体の外部に排出され、これによりプリント(画像形成)が終了する。このような画像形成プロセスにおいて、正常な画像形成を行うためには、駆動手段によってシート材Pが常に一定の速度で搬送される必要があり、そのためには駆動手段の回転速度を一定に保つ方法が最良である。
第一の実施例では、この駆動手段として、印加する電圧によって制御を行うモータ(DCモータ)を用い、このモータに印加する電圧をパルス幅変調方式(PWM)を用いて制御を行う。LBPの制御のブロック図を図2に示す。
制御手段(CPU)がPWMパルスを出力し、モータドライバとしての電界効果トランジスタ(FET、不図示)を用いてモータに印加する電圧のON/OFFを繰り返す。PWMのON時間が長いと、モータに流れる電流も大きくなり、出力トルクは大きくなる。本実施例では、このON時間の長さと出力トルク値の関係は線形であるものとする。また、PWMのON時間をなくして電流が流れている状態から電流が流れていない状態にすると、モータは停止しようとするが、慣性がはたらく為、モータが停止するにはある程度の時間を要する。そのため、PWMの周波数をモータの機械的応答時間と比較して充分に速く設定することで、モータ速度のふらつきを無くすことが可能である。
また、モータを一定回転速度で回転させるため、回転式エンコーダを設け、エンコーダとフォトインタラプタによってCPUに回転速度に応じた幅のパルスを入力することで、CPUは回転速度を監視し、一定速度で回転するようPWMのON時間を調節できる。このエンコーダとしては、円盤に等間隔にスリットを入れたものが考えられる。また、PWMのON時間はCPUで設定した値(digit値)に基づいて定まる。
この画像形成動作中の給紙動作において、給紙ローラ111は図1の矢印の向きに回転し、セットされたシート材Pを分離パッド(不図示)との間の摩擦力によって一枚分離し、画像形成部へとシート材Pを搬送する起点となる。給紙動作時に給紙ローラ111はモータによって回転駆動され、給紙動作の際にシート材を一枚給紙する分だけ回転してホームポジションで停止するような構成となっている。なお、実施例では、シート材の分離部材として分離パッドを用いることとしているが、分離ローラを用いることも可能である。
LBPが給紙動作を行った際、シート材を正常に給紙した場合は、シート材と分離パッドとの間に発生する摩擦力が給紙ローラ111を回転駆動するモータの負荷トルクを変動させる。しかし、シート材を正常に給紙できず、シート材が画像形成部に搬送されていかない場合には、給紙ローラと分離パッドの間に発生する摩擦力が給紙ローラを回転駆動するモータの負荷トルクを変動させることとなる。そして、この実施例1においてはシート材と分離パッドの間に生じる摩擦力よりも、給紙ローラ111と分離パッドの間に生じる摩擦力の方が大きい場合について述べる。
前述したようにCPUはモータが等速回転するように制御を行っており、トルク変動によってモータの回転速度が変化しないようにPWMの設定値を変化させる。シート材を正常に給紙できずに給紙ローラと分離パッドの間に摩擦力が生じた場合の方がモータへの負荷が大きくなるため、結果としてPWMの設定値はシート材を正常に給紙した場合と比較してより大きくなる。すなわち、逆の見方をすればCPUはPWMの設定値に基づいてモータの負荷トルク検出の機能を有するとも言える。
図3に(a)モータ定常回転時、(b)正常給紙を行った場合、(c)正常給紙が出来なかった場合についてのPWMの出力設定値を示す。制御部出力とはPWM出力のことである。モータ起動時はモータの過電流を防ぐように制御部出力を徐々に増加させている。以下において、(a)の正常給紙を行った場合のPWM出力値を「第二の負荷トルク検出値」といい、(b)、(c)の給紙を行った場合のPWM出力値を「第一の負荷トルク検出値」という。
図6に、正常給紙か否かを判断する際のフローチャートを示す。モータが定常回転を行っている状態でのPWMの出力設定値(第二の負荷トルク検出値)を記憶(S101)した後に給紙動作を行う(S102)。給紙動作を行った時のPWMの設定値(第一の負荷トルク検出値)を記憶(S103)して定常回転時のPWM出力設定値と比較(S104)する。その差分が所定値以内であった場合は正常に給紙動作が行われ、シート材が画像形成部に搬送されて行くものと判断(S109)する。一方、差分がある値を超えていた場合は給紙ローラと分離パッドの間で摩擦が生じ、シート材を正常に給紙できず、給紙動作の後にシート材が画像形成部へ搬送されて行かないものと判断する(S105)。
正常に給紙できなかったと判断された場合は、給紙回数をカウントし(S106)、給紙回数が限度値未満ならば所定時間後に給紙リトライ(S108)を行い、給紙回数が限度値に達していればシート材がセットされていなかったものと判断する(S110)。
モータ定常回転時のPWMの出力設定値(所定値)は、給紙動作を行う前の、安定してモータが回転していると予測される期間(図4のT0期間)の任意のタイミングでの出力値をバッファに保存しておき使用する。
給紙動作時のPWMの出力設定値は、給紙動作を行ってから出力設定値が上昇していると予測される期間内(図5のt1〜t9の期間)で十分に早い時間でサンプリングを行い最もモータ定常回転時のPWMの出力設定値と差分が大きくなった値を使用する。例えば図5に示されているような場合においては時刻t5、出力値D5を採用する。
画像形成に必要な所定の制御の中でシート材の搬送に合わせて制御を開始した方が良好な画像を形成するに有効であるものとして、例えば定着手段の加熱などがある。搬送されてきたシート材が定着手段に達する時点で所定の温度まで定着手段の温度が上昇していないと、シート材に転写されたトナー像を定着するに充分な熱量をシート材に対して供給することができず、結果として定着不良画像となってしまう。逆に、シート材が定着手段に達する時点よりかなり前から所定の温度に上昇させていた場合には、定着手段が充分に蓄えていた熱エネルギーをシート材に供給してしまい、熱が過剰供給となってトナー像が定着ローラに付着する、高温オフセットが発生する恐れがある。また、定着手段に必要以上の熱を供給することは、無駄な電力を供給することと同じであり、LBPの消費電力が増加してしまう原因にもなる。
ここで、前述したようにシート材が所定の給紙開始位置にセットされていることを検出するセンサを設けていないLBPでは、給紙動作後に、搬送路上に配置されているセンサがシート材を検知した時点を起点としないと定着手段の加熱を開始できない。このタイミングではLBPの搬送路の構成、シート材搬送速度によっては定着手段の加熱開始が遅く、熱の供給が間に合わない場合がある。一方、給紙動作を基準として定着手段の加熱を開始してしまうと、シート材を正常に給紙できず、シート材が画像形成部へ搬送できない場合でも加熱を行ってしまう。その後給紙リトライをして正常に給紙出来た場合、1回目の給紙タイミングで既に加熱された定着手段に、2回目の給紙動作で搬送開始されたシート材が搬送されていくため、前述したような高温オフセットが発生する恐れがある。その結果、シート材が搬送されていないにも関わらず加熱が行われることでLBPの消費電力は増加してしまう。
本実施例の給紙装置により給紙動作を行った時点でPWM出力値に基づいて正常にシート材が給紙出来たか否かを判断することが出来る場合には、シート材を正常に給紙出来たと判断した場合にのみ所定のタイミングで定着手段の加熱を開始する。こうすることで、搬送路上のセンサまでシート材が到達する前から定着手段の加熱を行うことが可能となり、良好な画像を出力することが可能となると共に、定着手段に供給する電力の無駄を省くことが出来る。
以下に本発明の第2の実施例を説明する。
実施例2において、実施例1におけるモータ定常回転時のPWMの出力設定値を、所定時間ごとの出力値を平均したものを使用する。平均を求める場合は負荷変動が少ない時間、例えば給紙動作を行う前の所定時間内(図4のT0期間)のPWM出力値を平均して求める。給紙動作時のPWMの出力設定値は、出力設定値が上昇していると予測される時間内(図5のt1〜t9)の平均値を使用する。図5のような場合は、D1〜D9の値を平均したものを使用する。
実施例1及び2においてモータ定常回転時のPWMの出力設定値、給紙動作時のPWMの出力設定値の求め方をそれぞれ記載したが、これら二つの出力設定値の求め方の組み合わせは自由である。
第一の実施例の給紙装置を備えた画像形成装置の構成を示す図 第一の実施例の給紙装置を備えた画像形成装置の制御ブロックを示す図 第一の実施例の給紙装置における、モータ回転状態とPWM出力との間の関係を示す図 第一の実施例の給紙装置における、PWM出力設定値をサンプリングする期間を示す図 第一の実施例の給紙装置における、給紙時の制御部出力の拡大図 第一の実施例の給紙装置の動作ステップを示すフローチャートを示す図 従来例の給紙装置における給紙状態を示す図 従来例の給紙装置における給紙をしない状態を示す図
符号の説明
C カートリッジ
P シート材
T 転写ニップ
101 感光ドラム
102 転写ローラ
103 帯電ローラ
104 露光器
105 現像器
106 搬送路
107 転写電源
108 転写電流検知手段
109 クリーナ
110 給紙トレイ
111 給紙ローラ
112 定着ローラ
113 加圧ローラ
M モータ(駆動手段に対応)
201 ホストPC
202 コントローラ
203 CPU(制御手段、負荷トルク検出手段に対応)
204 モータドライバ
205 電源
206 レーザスキャナ
207 センサ
208 定着器
801 シート材
802 給紙ローラ
803 分離パッド(分離部材に対応)
804 シート材有無検知フラグ
805 フォトインタラプタ

Claims (3)

  1. シート材を搬送するために回転される給紙ローラと、前記給紙ローラを回転駆動する駆動手段と、前記給紙ローラが一定の回転速度になるように前記駆動手段の制御を行う制御手段と、前記駆動手段の負荷トルクを検出する負荷トルク検出手段と、前記シート材を分離する分離部材とを備え、前記給紙ローラと前記分離部材との間に供給されたシート材を給紙する画像形成装置の給紙装置において、
    前記給紙装置が給紙動作を行った時の前記負荷トルク検出手段の第一の負荷トルク検出値と、予め求められた第二の負荷トルク検出値の差分が所定値以内であった場合は前記給紙装置にシート材がセットされていると判断し、前記差分が前記所定値を超えていた場合は前記給紙装置にシート材がセットされていないと判断することを特徴とする画像形成装置の給紙装置。
  2. 前記第一の負荷トルク検出値とは、給紙動作を行うことによって前記給紙ローラに負荷が生じ、前記駆動手段の出力トルクが増加した時に、前記制御手段が前記駆動手段を一定回転速度で回転させるべく制御を行った結果として生じた前記制御手段の出力設定値であり、
    前記第二の負荷トルク検出値とは、前記駆動手段の出力トルクが安定している時に前記制御手段が前記駆動手段を一定回転速度で回転させるべく制御を行った結果として生じた前記制御手段の出力設定値でありであることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置の給紙装置。
  3. 前記制御手段の出力設定値と前記駆動手段の出力トルクの関係が線形であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の画像形成装置の給紙装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011102178A (ja) * 2009-11-11 2011-05-26 Toshiba Corp 紙葉類取出し装置
JP2016003085A (ja) * 2014-06-13 2016-01-12 株式会社リコー 分離搬送装置、分離搬送装置の制御方法および制御プログラム、ならびに、画像形成装置
JP2017071194A (ja) * 2015-10-09 2017-04-13 キヤノン株式会社 記録装置、記録装置の制御方法、及びプログラム

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