JP2018080883A - 多室型空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】暖房運転におけるサーモOFF時の室内の快適性を向上するとともに、省エネ性能を向上できる多室型空気調和機を提供する。【解決手段】本発明の多室型空気調和機は、圧縮機1と室外熱交換器3と室外熱交換器の一端の接続先を前記圧縮機の吸込側/吐出側に切り替える流路切替手段2と室外熱交換器の他端に接続される配管に設けられる室外膨張弁4とを有する室外機100と、少なくとも室内熱交換器(21a〜21c)を有する複数台の室内機(20a〜20c)とを、ガス接続管8及び液接続管9で接続される多室型空気調和機であって、複数台の室内機のそれぞれが、室内熱交換器の液接続管側に接続し冷媒流量を制御する第1流量制御装置(23a〜23c)と、室内熱交換器のガス接続管側に接続し冷媒流量を制御する第2流量制御装置(22a〜22c)と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の室内機を備えた多室型空気調和機の冷凍サイクルの構成に関する。
暖房運転中に設定温度に達してサーモOFF(運転停止)した際に室内機の熱交換器内部に冷媒が溜まり込み、冷媒供給が少なくなる。これを防止するために、従来から、膨張弁を微小開度にして熱交換器に冷媒を流すようにしている。(例えば、特許文献1を参照)。
また、複数の室内機を有する多室形空気調和機おいては、各室内機の空調負荷に合わせて空調能力を制御する運転容量制御手段を備えた空気調和機がある(例えば、特許文献2参照)。
より詳細には、特許文献2の多室型空気調和機は、暖房運転においては、複数台の室内機毎に室内機の設定温度と吸い込み空気温度(室温)の差に基づいて、室内熱交換器における冷媒の目標凝縮温度を演算し、演算手段により演算された複数台の室内機の目標凝縮温度の最大値を、圧縮機を制御するための制御目標値として設定し、室内熱交換器における冷媒の凝縮温度が制御目標値となるように、圧縮機の周波数を制御している。
そして、制御目標値と目標凝縮温度との差が大きいほど、室内膨張弁の開度の値が小さくなるように演算している。
また、冷房運転においては、複数台の室内機毎に室内機の設定温度と吸い込み空気温度の差に基づいて、室内熱交換器における冷媒の目標蒸発温度を演算し、演算手段により演算された複数台の室内機の目標蒸発温度の最小値を、圧縮機を制御するための制御目標値として設定し、室内熱交換器における冷媒の蒸発温度が制御目標値となるように、圧縮機の周波数を制御している。
そして、制御目標値と目標蒸発温度の差が大きいほど、目標冷媒過熱度の値が大きくなるように演算している。
特開2004−144377号公報 特開2014−238179号公報
空気調和機では、サーモOFF中でも室温計測を検知するため、送風運転をしながら吸込み空気温度の検知を行っている。
上記の特許文献1の空気調和機では、サーモOFFしている室内機の膨張弁を微小開度にして冷媒を通流し、室温計測のための送風運転を間欠的に行っているので、サーモOFFであるにも関わらず温風が発生し、室内を暖めてしまう。このため、空調室内の快適性が低下する問題がある。
また、特許文献2の空気調和機では、室内機の設定温度および吸い込み空気温度の差に基づいて暖房運転時の室内膨張弁の開度、および冷房運転時の目標冷媒過熱度を設定するため、運転容量が大きい室内機では、暖房運転および冷房運転ともに適正なサイクル状態で運転でき、省エネ性能の高い運転が可能となる。しかし、運転容量が小さい室内機では、暖房運転の場合は室内膨張弁の開度を絞るため室内熱交換器の冷媒過冷却度が大きくなり、室内熱交換器の有効面積の減少により省エネ性能の低い運転となる。また、冷房運転の場合も目標冷媒過熱度が大きくなるため室内熱交換器の有効面積の減少により省エネ性能の低い運転となる。ひいては空気調和機全体の省エネ性能が低下する問題が生じる。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、暖房運転におけるサーモOFF時の室内の快適性を維持するとともに、省エネ性能を向上できる多室型空気調和機を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明の多室型空気調和機は、圧縮機と室外熱交換器と前記室外熱交換器の一端の接続先を前記圧縮機の吸込側/吐出側に切り替える流路切替手段と前記室外熱交換器の他端に接続される配管に設けられる室外膨張弁とを有する室外機と、少なくとも室内熱交換器を有する複数台の室内機とを、ガス接続管及び液接続管で接続される多室型空気調和機であって、前記複数台の室内機のそれぞれが、前記室内熱交換器の液接続管側に接続し冷媒流量を制御する第1流量制御装置と、前記室内熱交換器のガス接続管側に接続し冷媒流量を制御する第2流量制御装置と、を備えるようにした。
本発明によれば、空調負荷に応じて室内熱交換器のガス管側の冷媒通流量を制御するとともに、室内交換器の液管側の室内膨張弁を室内熱交換器の効率が最大になるように制御するので、多室型空気調和機の省エネ性能が向上する。
暖房運転時にサーモOFFした際に、室内交換器に冷媒を供給しないようできるので、室内交換器に液冷媒が貯留することがなく、冷媒の利用効率の低下がない。これにより、多室型空気調和機の省エネ性能が向上するとともに、室内の快適性を維持できる。
第1実施形態における多室型空気調和機の冷凍サイクルの構成図である。 第2実施形態における多室型空気調和機の冷凍サイクルの構成図である。 第3実施形態における多室型空気調和機の冷凍サイクルの構成図である。 第4実施形態における多室型空気調和機の冷凍サイクルの構成図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における多室型空気調和機の冷凍サイクルの構成図である。
まず、多室型空気調和機の構成を説明する。
第1実施形態の多室型空気調和機は、1台の室外機100と、3台の室内機20a〜20cを、ガス接続管8と液接続管9の2本の接続管により並列に接続して冷凍サイクルが構成している。
第1実施形態の多室型空気調和機は、説明の便宜上、室外機を1台、室内機を3台としたが、複数台の室外機が並列接続された場合や、室内機が2台以上接続された場合においても同様の作用効果を得ることができる。
室内機20a〜20cは、それぞれ室内熱交換器21a〜21c、室内膨張弁22a〜22cにより構成されている。そして、室内熱交換器21a〜21cの一端と室内液接続管25a〜25cが室内膨張弁22a〜22cを介して接続される。また、室内熱交換器21a〜21cの他端と室内ガス接続管24a〜24cが接続される。
前記室内ガス接続管24a〜24cの途中には、前記室内ガス接続管24a〜24c内を流通するガス冷媒量を調整可能なガス流量制御弁23a〜23cが設けられている。
室外機100は、圧縮機1、室外熱交換器3、室外熱交換器3の熱交換作用を切替るための四方弁2、室外膨張弁4、アキュムレータ5、ガス阻止弁6、液阻止弁7を備え、図1に示すように配管接続される冷暖切替式の室外機となっている。
室外機100に設けられているガス阻止弁6と、各室内機20a〜20cへのガス冷媒を分配するガス分岐管10a、10bと、がガス接続管8で接続され、ガス分岐管10a、10bは、室内ガス接続管24a〜24cに接続している。
そして、液阻止弁7と、各室内機20a〜20cへの液冷媒を分配する液分岐管11a、11bと、が液接続管9で接続され、液分岐管11a、11bは、室内液接続管25a〜25cに接続している。
室外機100と各室内機20a〜20cとは、上述の接続により冷媒が循環して、冷凍サイクルを構成している。
室外膨張弁4と室内膨張弁22a〜22cとガス流量制御弁23a〜23cは、冷媒流量制御部50により冷媒の流量や減圧量が制御されている。
この冷媒流量制御部50は、室外機100の内部に設けられてもよいし、室外機100とは別体の制御装置として設けられてもよい。
次に、第1実施形態の多室型空気調和機の暖房運転と冷房運転のそれぞれについて、冷媒流れを説明する。
まず、暖房運転の冷媒流れについて説明する。
圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、四方弁2の高圧側を通り(図1の実線)、ガス阻止弁6とガス接続管8を通流して、ガス分岐管10a、10bに流入する。
ガス分岐管10a、10bに流入したガス冷媒は、開度調整されたガス流量制御弁23a〜23cにより、室内機20a〜20c毎に必要量が分配される。そして、ガス冷媒は、室内ガス接続管24a〜24cを通り、室内機20a〜20cのそれぞれに流入する。
室内機20a〜20cでは、室内熱交換器21a〜21cに流入した高温高圧のガス冷媒と室内空気とが熱交換することで、冷媒熱が室内側に放熱されて暖房運転を行う。
この時、各室内熱交換器21a〜21cに流入した高温高圧のガス冷媒は、凝縮液化して室内熱交換器21a〜21cから流出する。
凝縮液化した液冷媒は、各室内膨張弁22a〜22c、各室内液接続管25a〜25cを通り、液分岐管11a、11bに流入する。
液分岐管11a、11bに流入した液冷媒は、液接続管9、液阻止弁7を通り、室外機100に流入する。
室外機100に流入した液冷媒は、室外膨張弁4で低温低圧の気液二相冷媒に減圧され、室外熱交換器3に流入する。
室外熱交換器3では、外気と熱交換することで、室外熱交換器3に流入した低温低圧の気液二相冷媒が蒸発(気化)して低圧のガス冷媒となり室外熱交換器3から流出する。
室外熱交換器3から流出したガス冷媒は、四方弁2の低圧側を通り(図1の実線)、アキュムレータ5に流入する。そして、アキュムレータ5で圧縮機1の信頼性を維持可能な冷媒かわき度に調整され、圧縮機1に流入する。以上により、暖房運転の冷凍サイクルが形成される。
第1実施形態の多室型空気調和機では、冷媒流量制御部50が室内機20a〜20cの空調負荷に応じてガス流量制御弁23a〜23cと室内膨張弁22a〜22cの弁開度を制御して熱交換器の効率を高め、空調室内の快適性の維持や多室型空気調和機の省エネ性能を向上する。以下に、暖房運転時の冷媒流量制御部50の制御内容を説明する。
まず、室内機20aと室内機20bがサーモOFF(停止)状態で、室内機20cが暖房運転状態の場合について説明する。
冷媒流量制御部50は、サーモOFF状態の室内機20a、20bでは、暖房能力を0にするため、室内膨張弁22a、22bとガス流量制御弁23a、23bの弁開度を全閉とする。
これにより、室内熱交換器21a、21bへの冷媒の流入が遮断されるので、室内機20a、20bの暖房能力を0にすることができる。そして、サーモOFF状態の室内機20a、20bによる室温上昇を抑制されるので、室内機20a、20bによる空調室の快適性を維持することができる。
特に、ガス流量制御弁23a、23bを閉じることにより、室内熱交換器21a、21bや室内ガス接続管24a、24bへの液冷媒の溜まり込みを防止することができるので、冷媒不足を抑止できる。また、無効な冷媒を抑止できるので、冷媒不足が発生せず省エネ性能を向上することができる。
詳しくは、室内膨張弁22a、22bとガス流量制御弁23a、23bとの間は閉塞されているため、貯留させる冷媒量は一定となる。
ガス流量制御弁23a、23bは、室内熱交換器21a、21bとガス分岐管10a、10bとを接続する室内ガス接続管24a〜24bの途中に設けられている。このため、ガス流量制御弁23a、23bの弁開度を全閉した際には、室内ガス接続管24a〜24bのガス分岐管10a、10bからガス流量制御弁23a、23bまでの間に、ガス冷媒が凝縮した液冷媒が貯留する。
この貯留される液冷媒の量はわずかだが、貯留量をできるだけ少なくするために、ガス流量制御弁23a〜23cからガス分岐管10a、10bまでの距離が短くなるように、ガス流量制御弁23a〜23cは、ガス分岐管10a、10bの近傍あるいは近い位置に設けることが望ましい。
暖房運転状態の室内機20cにおいては、冷媒流量制御部50は、室内熱交換器21cの温度が、室内吸い込み空気温度と設定温度の差から求められる空調負荷に対応する凝縮温度となるように、ガス流量制御弁23cと室内膨張弁22cの弁開度を制御する。
次に、暖房運転中の各室内機20a〜20cの室内吸い込み空気温度と設定温度との差から求められる空調負荷が、異なる場合について説明する。ここでは、室内機20aの空調負荷Qa>室内機20bの空調負荷Qb>室内機20cの空調負荷Qcの場合を説明する。
この場合には、空調負荷が小さい室内機20cの吸い込み空気温度が設定温度に近づきやすく、空調負荷が大きい室内機20aの吸い込み空気温度が設定温度に近づきにくくなる。
そこで、冷媒流量制御部50は、各室内ガス接続管24a〜24cの途中に付設するガス流量制御弁23a〜23cの弁開度について、室内熱交換器21a〜21cの温度が室内空調負荷に適応する凝縮温度となるように弁開度を制御する。
そして、冷媒流量制御部50は、各室内膨張弁22a〜22cにより各室内熱交換器21a〜21c出口の冷媒過冷却度を熱交換器の熱交換効率が最大となるように設定する。
出口の冷媒過冷却度を大きく設定すると、熱交換器中で液冷媒の占める面積が大きくなり、熱交換の有効伝熱面積が減少する。これにより、冷媒の凝縮能力が低下するので、熱交換効率が低下する。このため、熱交換効率が最大となるように、各室内熱交換器21a〜21cの出口の冷媒過冷却度を設定する。
この制御によれば、室内熱交換器21a〜21cはガス流量制御弁23a〜23cにより空調負荷に応じた凝縮温度が設定され、かつ各室内膨張弁22a〜22cにより各室内熱交換器21a〜21cの熱交換効率が最適となるように流量が調整される。これにより、空調負荷に合わせて室内熱交換器の効率が最大となるように運転されるので、冷凍サイクルの省エネ性能が向上する。
また、上記の制御により、室内機20a〜20cの暖房運転のON−OFFの繰り返しが、室内機20a〜20cの間で同じように行われるので、運転容量の変化が少なくなり、圧縮機1の運転周波数の変化が少なくなる。これにより、冷凍サイクルの省エネ性が向上する。
次に、第1実施形態の多室型空気調和機における冷房運転の冷媒流れについて説明する。
圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、四方弁2の高圧側を通り(図1の破線)、室外熱交換器3に流入する。
室外熱交換器3に流入した高温高圧のガス冷媒は、外気と熱交換することで凝縮液化して高圧の液冷媒となり、室外膨張弁4と液阻止弁7を通り室外機100から流出する。
室外機100から流出した液冷媒は、液接続管9を通り、液分岐管11a、11bを経由して室内液接続管25a〜25cに流入し、室内機20a〜20cに分配される。室内機20a〜20cに流入した液冷媒は、室内膨張弁22a〜22cを通り、室内熱交換器21a〜21cに流入する。このとき、室内膨張弁22a〜22cでは、減圧されて低圧の気液二相冷媒になる。
以上により、室外機100から流出した液冷媒は、室内膨張弁22a〜22cの弁開度に応じて室内機20a〜20cの室内熱交換器21a〜21cに分配される。
室内熱交換器21a〜21cに分配された低圧の気液二相冷媒は、室内空気から吸熱して蒸発ガス化(気化)して、室内熱交換器21a〜21cから流出する。これにより、室内の冷房が行われる。
室内熱交換器21a〜21cから流出したガス冷媒は、室内ガス接続管24a〜24cを通り、ガス分岐管10a、10bに流入する。
ガス分岐管10a、10bに流入したガス冷媒は、合流してガス接続管8を通り、ガス阻止弁6を経て室外機100に流入する。
室外機100に流入したガス冷媒は、四方弁2の低圧側を通り(図1の破線)、アキュムレータ5に流入する。そして、アキュムレータ5で圧縮機1の信頼性を維持可能な冷媒かわき度に調整され、圧縮機1に流入する。以上により、冷房運転の冷凍サイクルが形成される。
次に、冷媒流量制御部50の冷房運転時の制御内容を説明する。
ここでは、冷房運転中の各室内機20a〜20cの室内吸い込み空気温度と設定温度との差から求められる空調負荷が、室内機20aの空調負荷Qa>室内機20bの空調負荷Qb>室内機20cの空調負荷Qcの場合を説明する。
この場合には、空調負荷が小さい室内機20cの吸い込み空気温度が設定温度に近づきやすく、空調負荷が大きい室内機20aの吸い込み空気温度が設定温度に近づきにくくなる。
冷媒流量制御部50は、各室内ガス接続管24a〜24cの途中に付設するガス流量制御弁23a〜23cの弁開度について、室内熱交換器21a〜21cの温度が室内吸込空気温度と設定温度差等から求められる空調負荷に対応する蒸発温度となるように弁開度を制御する。
そして、冷媒流量制御部50は、各室内膨張弁22a〜22cにより各室内熱交換器21a〜21c出口の冷媒過熱度を熱交換効率が最大となるように設定する。
つまり、出口の冷媒過熱度を大きく設定すると、熱交換器中で気化冷媒の占める面積が大きくなり、熱交換の有効伝熱面積が減少する。これにより、冷媒の気化能力が低下するので、熱交換効率が低下する。このため、熱交換効率が最大となるように、各室内熱交換器21a〜21c出口の冷媒過熱度を設定する。
この制御によれば、室内熱交換器21a〜21cは、ガス流量制御弁23a〜23cにより空調負荷に応じた蒸発温度に設定され、かつ各室内膨張弁22a〜22cにより各室内熱交換器21a〜21cの熱交換効率が最適となるように流量が調整される。これにより、空調負荷に合わせて熱交換器の効率が最大となるように運転され、冷凍サイクルの省エネ性能を向上する。
また、上記の制御により、室内熱交換器21a〜21cの冷房運転のON−OFFの繰り返しが、室内熱交換器21a〜21cの間で同じように行われるので、運転容量の変化が少なくなり、圧縮機1の運転周波数の変化が少なくなる。これにより、冷凍サイクルの省エネ性が向上する。
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態における多室型空気調和機の冷凍サイクルの構成図である。
第2実施形態の多室型空気調和機は、第1実施形態の多室型空気調和機のガス分岐管10a(図1参照)及びガス流量制御弁23a(図1参照)の替わりとして、第1ガス分岐ユニット12を室内機20aとガス接続管8の間に設けると共に、第1実施形態の多室型空気調和機のガス分岐管10b(図1参照)及びガス流量制御弁23b、23c(図1参照)の替わりとして、末端ガス分岐ユニット15を室内機20b、20cとガス接続管8の間に設けた構成となっている。
図2において、図1と同符号のものは、同一のものである。
第1ガス分岐ユニット12は、第1ガス分岐管13と第1ガス流量制御弁14により構成され、第1ガス流量制御弁14は、第1ガス分岐管13の近傍に設置されている。
また、末端ガス分岐ユニット15は、末端ガス分岐管16と末端ガス流量制御弁17a、17bにより構成され、末端ガス流量制御弁17a、17bは、末端ガス分岐管16の近傍に設置されている。
そして、これら第1ガス分岐ユニット12、末端ガス分岐ユニット15は、それぞれ一つの筐体内に設置された構造となっている。
図2は、室内機20a〜20cの3台の構成を示しているが、4台以上の室内機を運転する場合には、2台の室内機を末端ガス分岐ユニット15に接続し、残りの室内機をそれぞれ第1ガス分岐ユニット12に接続する。そして、複数の第1ガス分岐ユニット12をカスケード接続し、末端に末端ガス分岐ユニット15を接続すればよい。
2台の室内機を運転する場合には、この2台の室内機を末端ガス分岐ユニット15により接続する。
冷媒流量制御部50は、第1実施形態と同様に、室内機の空調負荷の大きさに比例して第1ガス流量制御弁14と末端ガス流量制御弁17a、17bの減圧量を小さくなるように調整する。そして、室内熱交換器の熱交換効率が最適になるように、暖房運転時には室内熱交換器(凝縮器)出口の冷媒過冷却度を室内膨張弁22a〜22cにより制御し、冷房運転時には室内熱交換器(蒸発器)出口の冷媒過熱度を室内膨張弁22a〜22cにより制御する。
これにより、空調負荷に合わせて室内熱交換器の効率を最大となるように運転するため、冷凍サイクルの省エネ性を向上することができる。
また、第2実施形態の多室型空気調和機によれば、第1ガス分岐管13や末端ガス分岐管16の近傍に第1ガス流量制御弁14、末端ガス流量制御弁17a、17bを設けているため、暖房運転モードにおいてサーモOFFの室内機に接続される室内ガス接続管内への冷媒貯留を完全に防止できる。これにより、暖房運転モードの運転室内機への冷媒供給を確実に行うことができる。
また、ガス分岐管とガス流量制御弁を一つの筐体内に設置して第1ガス分岐ユニット12および末端ガス分岐ユニット15とすることで、現地での接続箇所を低減することが可能となるため、施工時間または費用を低減することができる。
(第3実施形態)
図3は、図2に示した第2実施形態の多室型空気調和機の末端ガス分岐ユニット15を変更した多室型空気調和機の冷凍サイクルの構成を示す図である。
図3の第3実施形態の多室型空気調和機では、末端ガス分岐ユニット15(図2参照)を、末端ガス分岐管13bと末端ガス流量制御弁14bとが一体構成される分岐ユニット12bと末端ガス流量制御弁18に変更している。
冷媒流量制御部50は、第1実施形態と同様に、室内機の空調負荷の大きさに比例してガス流量制御弁14aとガス流量制御弁14bと末端ガス流量制御弁18の減圧量を小さくなるように調整する。そして、室内熱交換器の熱交換効率が最適になるように、暖房運転時には室内熱交換器(凝縮器)出口の冷媒過冷却度を室内膨張弁22a〜22cにより制御し、冷房運転時には室内熱交換器(蒸発器)出口の冷媒過熱度を室内膨張弁22a〜22cにより制御する。
これにより、空調負荷に合わせて室内熱交換器の効率を最大となるように運転するため、冷凍サイクルの省エネ性を向上することができる。
この分岐ユニット12bは、分岐ユニット12aと同じ形状となっているため、第3実施形態の多室型空気調和機では、1種類の分岐ユニットを用意すればよい。これにより、コスト低減を行うことができる。
また、第3実施形態の多室型空気調和機では、ガス分岐管13aとガス分岐管13bの近傍にガス流量制御弁14aとガス流量制御弁14bと末端ガス流量制御弁18とを設けているため、暖房運転モードにおいてサーモOFFの室内機に接続される室内ガス接続管内への冷媒貯留を完全に防止できる。これにより、暖房運転モードの運転室内機への冷媒供給を確実に行うことができる。
(第4実施形態)
図4は、図1に示した第1実施形態の多室型空気調和機におけるガス流量制御弁23a〜23cの替わりとして、冷暖同時運転が可能な空調機に用いられる冷暖切替ユニット30a〜30cをガス分岐管10a、10bと各室内機20a〜20cの間に設けた第4実施形態の多室型空気調和機の冷凍サイクルの構成を示している。
冷暖切替ユニット30a〜30cは、室内機20a〜20cを暖房運転に切り替える高圧ガス切替弁31a〜31cと、室内機20a〜20cを冷房運転に切り替える低圧ガス切替弁32a〜32cで構成されている。
各室内機20a〜20cの室内熱交換器21a〜21cのガス端側と冷暖切替ユニット30a〜30cの高圧ガス切替弁31a〜31cと低圧ガス切替弁32a〜32cの合流端側とを室内ガス接続管24a〜24cで接続する。
そして、冷暖切替ユニット30a〜30cの高圧ガス切替弁31a〜31cと低圧ガス切替弁32a〜32cの他方の合流端側とガス分岐管10aとガス分岐管10aとガス分岐管10bとをガス分岐管接続管34a〜34cで接続する。
冷暖切替ユニット30a〜30cに付設する高圧ガス切替弁31a〜31cと低圧ガス切替弁32a〜32cには、電子膨張弁が採用されており、電子膨張弁の正方向流れが図4の矢印で表されている。高圧ガス切替弁31a〜31cは、ガス分岐管10a、10bから室内機20a〜20c側に冷媒が流れる方向を電子膨張弁の正方向流れとなるように接続され、低圧ガス切替弁32a〜32cは、室内機20a〜20c側からガス分岐管10a、10b側に冷媒が流れる方向を電子膨張弁の正方向流れとなるように接続されている。
冷媒流量制御部50は、暖房運転では低圧ガス切替弁32a〜32cを閉止し且つ高圧ガス切替弁31a〜31cにより弁開度を制御し、冷房運転では高圧ガス切替弁31a〜31cを閉止し且つ低圧ガス切替弁32a〜32cにより弁開度を制御して、室内機の空調負荷の大きさに比例して減圧量を小さくなるように調整する。そして、室内熱交換器をの熱交換効率が最適になるように、暖房運転時には室内熱交換器(凝縮器)出口の冷媒過冷却度を室内膨張弁22a〜22cにより制御し、冷房運転時には室内熱交換器(蒸発器)出口の冷媒過熱度を室内膨張弁22a〜22cにより制御する。
これにより、空調負荷に合わせて室内熱交換器の熱交換効率を最大となるように運転するため、冷凍サイクルの省エネ性を向上することができる。
上記の構成によれば、既存の冷暖切替型の室外機と冷暖同時運転時に用いる冷暖切替ユニットを用いることで、新たな室外機やガス流量制御弁を開発することなく第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。これにより、開発費を軽減することができ、ひいてはシステムを構築するための費用が低減でき、低コストでシステムを提供することができる。
ところで、電子膨張弁には、正方向流れと逆の流れ方向に冷媒が流れた場合、弁開度に対して弁の微振動による異音が発生する領域がある。第4実施形態の多室型空気調和機では、常に正方向に冷媒が流動しているので、異音が発生することはない。
この異音発生を許容できれば、高圧ガス切替弁31a〜31cまたは低圧ガス切替弁32a〜32cのいずれか一方により、冷媒の流量制御を行うことができる。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明で分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
1 圧縮機
2 四方弁(流路切替手段)
3 室外熱交換器
4 室外膨張弁
5 アキュムレータ
6 ガス阻止弁
7 液阻止弁
8 ガス接続管
9 液接続管
10a、10b ガス分岐管
11a、11b 液分岐管
20a〜20c 室内機
21a〜21c 室内熱交換器
22a〜22c 室内膨張弁(第1流量制御装置)
23a〜23c ガス流量制御弁(第2流量制御装置)
24a〜24c 室内ガス接続管
50 冷媒流量制御部
100 室外機

Claims (6)

  1. 圧縮機と室外熱交換器と前記室外熱交換器の一端の接続先を前記圧縮機の吸込側/吐出側に切り替える流路切替手段と前記室外熱交換器の他端に接続される配管に設けられる室外膨張弁とを有する室外機と、少なくとも室内熱交換器を有する複数台の室内機とを、ガス接続管および液接続管で接続する多室型空気調和機であって、
    前記複数台の室内機のそれぞれが、
    前記室内熱交換器の液接続管側に接続し冷媒流量を制御する第1流量制御装置と、
    前記室内熱交換器のガス接続管側に接続し冷媒流量を制御する第2流量制御装置と、
    を備えることを特徴とする多室型空気調和機。
  2. 請求項1記載の多室型空気調和機において、
    前記複数台の室内機の室内熱交換器を前記ガス接続管にカスケード接続するガス分岐管を有し、
    前記第2流量制御装置は、室内熱交換器よりもガス分岐管に近い位置に配置した
    ことを特徴とする多室型空気調和機。
  3. 請求項2記載の多室型空気調和機において、
    前記第2流量制御装置は、前記ガス分岐管の近傍に配置した
    ことを特徴とする多室型空気調和機。
  4. 請求項3記載の多室型空気調和機において、
    前記第2流量制御装置は、前記ガス分岐管に一体に構成される
    ことを特徴とする多室型空気調和機。
  5. 請求項1記載の多室型空気調和機において、
    前記室外機は、ガス接続管と液接続管の2管を有する冷暖切替式の室外機であり、
    前記第2流量制御装置は、並列接続された2つのガス切替弁を有する冷暖切替ユニットである
    ことを特徴とする多室型空気調和機。
  6. 請求項5記載の多室型空気調和機において、
    前記2つのガス切替弁は、冷媒の正方向流れが互いに逆向きに接続されている
    ことを特徴とする多室型空気調和機。
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