JP2018080795A - 分割型メカニカルシール - Google Patents

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Abstract

【課題】分割面の対向面間に介設されたシール部材が被密封流体の圧力の影響を受けて所期位置から外れることなく、高いシール性を維持することができる分割型メカニカルシールを提供する。
【解決手段】ハウジング2と回転軸3との間に形成した軸封部に装着され、ハウジング2側の静止密封環10と回転軸3側の回転密封環20とを摺動させることで、軸封部をシールするメカニカルシール1において、静止密封環10又は回転密封環20の少なくともいずれか一方は、周方向に分割された分割型の密封環であり、分割型の密封環の分割面11は、低圧側に形成された自然破断面12と、自然破断面12よりも高圧側である被密封流体側Hに軸方向に延設された溝部13とを有し、溝部13にシール部材17が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、本発明はポンプ、攪拌機、紛体機械、コンプレッサーなどの各種回転機械器具に使用されるものであって、静止密封環と回転密封環との対向端面である摺動面によりシールするように構成されたメカニカルシールに関し、特に、メンテナンス時の分解が困難な工業用大型ポンプ等の機器の軸封部に装着され、静止密封環または回転密封環が円周方向において分割された分割型メカニカルシールに関する。
従来の分割型メカニカルシールとして、静止密封環または回転密封環のうち周方向に分割された密封環の分割面が、静止密封環及び回転密封環の摺動面近傍の自然破断面と、この自然破断面の反摺動面側の機械切断面とからなる構造のメカニカルシールがある。
このような密封環の分割面は、自然破断面同士の不規則且つ微細な凹凸面同士を符合させるとともに、機械切断面同士の対向面間に弾性体からなるガスケットを介設させることで、当該分割面同士を密接させてシール性を高めた構造のものがある(例えば、特許文献1参照)。
実開平4−113372号公報(第5頁、第2図)
しかしながら、特許文献1にあっては、機械切断面間に介設されたシール部材(ガスケット)が、密封環の径方向の内外の空間に曝されているため、高圧側である被密封流体の圧力により、ガスケットが所期位置からズレたり、あるいは低圧側に抜け出てしまう虞が生じるという問題がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、分割面の対向面間に介設されたシール部材が被密封流体の圧力の影響を受けて所期位置から外れることなく、高いシール性を維持することができる分割型メカニカルシールを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の分割型メカニカルシールは、
ハウジングと回転軸との間に形成した軸封部に装着され、前記ハウジング側の静止密封環と前記回転軸側の回転密封環とを摺動させることで、前記軸封部をシールするメカニカルシールにおいて、
前記静止密封環又は前記回転密封環の少なくともいずれか一方は、周方向に分割された分割型の密封環であり、前記分割型の密封環の分割面は、低圧側に形成された自然破断面と、前記自然破断面よりも高圧側である被密封流体側に軸方向に延設された溝部とを有し、前記溝部にシール部材が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、分割型の密封環の分割面に、シール部材が介設されるスペースである被密封流体側の溝部と、自然破断面とで周方向の深さが異なるため、分割面に径方向の段差が形成され、この段差が被密封流体の圧力を受けるシール部材を保持するため、シール部材が溝部から位置ずれ若しくは抜け出すことを防止し、高いシール性能を維持することができる。
前記分割型の密封環の前記被密封流体側には、該密封環の周方向に沿う環状シールが前記シール部材に接して設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、シール部材が、溝部の段差と環状シールとにより挟圧されるため、設置位置に位置決めされるばかりか、このシール部材と環状シールとの密接により被密封流体が漏出する虞を回避できる。
前記環状シールは、前記分割型の密封環の摺動面の近傍位置に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、環状シールが、摺動面の近傍位置でシール部材に接して当該位置でシールするため、被密封流体の回り込みにより密封環に掛かる負荷を小さくできる。
前記自然破断面及び前記溝部は、それぞれ前記分割面の軸方向に亘り形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、自然破断面と溝部とにより形成される段差を最大限に幅広に形成することができるので、シール部材の保持機能を高め、被密封流体が分割面間を径方向に漏出する虞を回避することができる。
前記溝部は、前記分割型の密封環の摺動面側に開放して形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、被密封流体の圧力を利用してシール部材を溝部内に保持することができる。
実施例1における分割型メカニカルシールを示す断面図である。 図1の一部拡大断面図である。 図1のA矢視図である。 図1のB矢視図である。 分割面を示す斜視図である。 実施例2における分割型メカニカルシールを示す一部拡大断面図である。 図6のC矢視図である。
本発明に係る分割型メカニカルシールを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る分割型メカニカルシールにつき、図1から図5を参照して説明する。先ず図1の符号1に示す分割型メカニカルシールは、静止密封環10と回転密封環20の両方が周方向に分割する構造を有するものである。
分割型メカニカルシール1は、これら密封環10,20の摺動面Sをシール面として、高圧の被密封流体側Hである内周側から、低圧流体側L(例えば大気側)である外周側へ向かって漏れようとする流体をシールする形式であって、静止密封環10を軸方向に付勢するスプリング8がハウジング2側に設けられた形式のアウトサイド・静止形のメカニカルシールに適したものであるが、摺動面の外周から内周方向へ向かって漏れようとする流体をシールする形式であるインサイド形のメカニカルシールにも適用可能であるし、若しくはスプリングが回転軸側に設けられた回転形のメカニカルシールにも適用可能である。
以下においては、アウトサイド・静止形のメカニカルシールの場合について説明する。
図1に示されるように、分割型メカニカルシール1(以下、単に「メカニカルシール1」ともいう)は、ハウジング2の内周面2aと回転軸3との間の被密封流体側Hの被密封流体をシールするために装着される。
分割型メカニカルシール1は、ケース4と、リテーナ5と、スプリング8と、静止密封環10と、回転密封環20と、カラー6と、から主に構成されており、その使用前においてはアジャストボルト24及びセットボルト25により一体とされたカートリッジ型に構成されるものである。このメカニカルシール1は、後述するように、アジャストボルト24及びセットボルト25を取り外した状態で使用するものである。
ハウジング2は、機内側が回転軸3を挿入可能な内周面2aが形成されるとともに、機外側が開放されており、機外側の端面には、固定ボルト9用の雌ネジ部2bを備えている。
ケース4は、固定ボルト9の軸部が挿通される挿通孔4aを備えて環状を成し、ハウジング2の内周面2aに沿って延出する延出部4bを備えている。これによれば、ケース4の挿通孔4aに固定ボルト9を挿入してハウジング2の雌ネジ部2bにねじ込むことにより、ケース4をハウジング2に固定することができる。このときケース4の延出部4bがハウジング2の内周面に沿って挿入されるに伴い、ケース4とハウジング2の位置合わせが行われ、また固定ボルト9による固定状態では、延出部4bの外周面の凹部に設けられたOリング31が、ハウジングの内周面2aに密接して被密封流体をシールする。
またケース4の外周面には、メカニカルシール1を保護するためにカラー6の外径側まで延設された筒状の保護カバー23が被覆されている。この保護カバー23は、その外周に巻回されるバンド21により、ケース4の外周面に対し固着されている。バンド21の構成は密封環用のバンド21の説明にて詳述する。
図1,2に示されるように、リテーナ5は、回転軸3が挿通されるように筒状をなし、ケース4と静止密封環10との間に介装されるものであり、リテーナ5の外周面の機内側の凹部に設けられたOリング32が、ケース4の内周面に密接してシールする。またリテーナ5は、軸方向に機外側に、静止密封環10と回転密封環20との摺動面Sに近接する位置まで延設されており、リテーナ5の外周面の機外側の凹部5bに設けられたOリング33が、静止密封環10の内周面及び後述するガスケット17に密接してシールする。
リテーナ5の機外側の外周面には、リテーナ5の外径方向に突出した鍔部5aに接して静止密封環10が設けられている。この静止密封環10は、後述するように周方向に2分割される分割構造であって、例えば、炭化珪素又はカーボン材により形成されている。また、静止密封環10とケース4との間にはノックピン7が配置され、静止密封環10とケース4との相対回転を規制するようになっている。ノックピン7は、静止密封環10の周方向の分割面11に形成されたノックピン用切欠き15と、ケース4の端面に形成された凹部とに架けて配置されている。なお、静止密封環10の分割数は、2分割に限定されることなく、3分割以上でもよい。
静止密封環10の外周面には、静止密封環10の分割面を密接させるための金属または樹脂製のバンド21が周方向に亘り巻回されている。バンド21は、静止密封環10の外周面より僅かに短い幅寸を有する帯状部21aと、該帯状部21aの一方の端部が固定される保持ケース21bと、該保持ケース21bに設けられる締付ボルト21cと、から主に構成されている。
また、バンド21は、帯状部21aを静止密封環10の外周面に沿って輪状に変形させ、帯状部21aの他方の端部を保持ケース21b内に通した状態で、締付ボルト21cを締めたり緩めたりすることにより、帯状部21aの締め付け力を調整することができる。上記したバンド21は、回転密封環20の外周面及び保護カバー23の外周面にも同様に巻回されている。
また図1に示されるように、スプリング8は、ケース4の機外側に軸方向に開口した凹部4cと、リテーナ5の鍔部5aとの間に、圧縮された状態で軸方向に配置されている。よって静止密封環10の機内側の側端面は、リテーナ5を介しスプリング8から軸方向の付勢力が負荷されることにより、静止密封環10の機外側の側端面(摺動面S)は、回転密封環20の側端面(摺動面S)に対して密着している。これによれば、回転密封環20の側端面に対する静止密封環10の側端面の軸方向の追従性を高めることができる。そのため、メカニカルシール1の摺動面Sにおけるシール性を高めることができる。
図1に示されるように、カラー6は、回転軸3が挿通されるように筒状を成しており、その機外側にて外径方向に張り出す張出部6aと、張出部6aに連続して機内側に向けて軸方向に延出した延出部6bとを有している。また、カラー6の延出部6bの内周面には、環状溝が形成されており、この環状溝にはOリング35が装着されている。これによれば、カラー6に回転軸3が挿通されるとき、Oリング35を回転軸3の外周面に圧着させることで、カラー6の内周面と回転軸3の外周面との間の隙間をOリング35によってシールすることができる。
またカラー6の張出部6aには、径方向に貫通するとともに内周面に雌ネジ部を有する貫通孔6cが形成されている。この貫通孔6cの雌ネジ部に押圧ネジ22を螺挿して、押圧ネジ22の先端が回転軸3の外周面を押圧することで、カラー6を回転軸3に対し固定可能となっている。更に張出部6aには、軸方向に貫通しアジャストボルト24及びセットボルト25を挿通するための挿通孔が貫通形成されている(図示略)。
カラー6の延出部6bの外周面には、回転密封環20が設けられている。この回転密封環20は、周方向に2分割される分割構造であって、例えば炭化珪素またはカーボンなどの材料で製作される。また、回転密封環20とカラー6との間にはノックピン19が配置され、回転密封環20とカラー6との相対回転を規制するようになっている。ノックピン19は、回転密封環20の周方向の分割面に形成されたノックピン用切欠き26と、カラー6の張出部6aの端面に形成された凹部とに架けて配置されている。なお、回転密封環20の分割数は、2分割に限定されることなく、3分割以上でもよい。
また、延出部6bの外周面には環状溝が形成されており、この環状溝には、Oリング34が装着されている。これによれば、延出部6bの外周面に回転密封環20が装着されるとき、Oリング34を回転密封環20の内周面に圧着させることで、回転密封環20の内周面と延出部6bの外周面との間の隙間をOリング34によってシールすることができる。
また、アジャストボルト24は、静止密封環10及び回転密封環20を一体化する際に、平坦な端面を有するカラー6とケース4とで軸方向の両側から挟み込み、メカニカルシール1を一時的に剛体化するものであり、上述したバンド21の締付け作業を容易にするものである。
またセットボルト25は、メカニカルシール1のセット状態の軸長を設定するとともに、メカニカルシール1を一体化するものであり、機器への装着の完了後に取り外されるものである。
次に、図2ないし図5を参照しながら、本実施例の静止密封環10及び回転密封環20(以下、静止密封環及び回転密封環をまとめて総称する場合には単に「密封環」ということがある)の周方向の分割面について説明する。
なお、本発明は、静止密封環10及び回転密封環20のいずれにも同様に適用できるものであるが、以下においては、静止密封環10を例にして説明する。更になお、分割面は、周方向に互いに対向して接する分割面11,11のいずれにも同様に適用できるものであるが、以下においては、一方の分割面11を例にして説明する。
図2に示されるように、分割面11は、低圧流体側L(大気側)である径方向の外側に、後述する工程により機械加工することなく自然破断された自然破断面12が形成されるとともに、自然破断面12よりも被密封流体側Hである径方向の内側に、自然破断面12よりも周方向に低い凹形状を成す溝部13が機械加工により形成されている。
この溝部13は、径方向には、摺動面Sの最内径又は摺動面Sの内径側部分に係る位置にて内径側が開放して形成されるとともに、軸方向には、本実施例では静止密封環10を貫通して形成されている。よって、図3,図5に示されるように、溝部13は、自然破断面12とで深さが異なることで、溝部13と自然破断面12との径方向の境界に、段差14が、静止密封環10の軸長に亘って軸方向に平面状に形成される。
また、溝部13は、自然破断により当該分割面11に符合する分割面11に形成された溝部13と対向することで、内径側が開放され軸方向視で所定の孔径(例えば2〜4mm)の円弧状の開口に形成される。
この溝部13に嵌合されるガスケット17は、本実施例では図示しない弾性材からなるOリングを溝部13の軸長よりも潰し代として僅かに長寸で切断した紐状ガスケットであり、上記したように互いに対向する溝部13,13により形成される孔径よりも潰し代として僅かに大径の略円柱状に形成される。このガスケット17は、リテーナ5の外周面、当該外周面の凹部5bに設けられたOリング33、及びリテーナ5の外側面と接するように配設される。すなわちガスケット17は、本発明のシール部材を構成し、またOリング33は、本発明の環状シールを構成する。
また図4,5に示されるように、分割面11は、摺動面Sの背面に、静止密封環10をケース4に回り止め状態で固定するためのノックピン用切欠き15が、軸方向に所定長さ穿設されている。更に分割面11は、後述するように自然破断により当該分割面を形成するための分割用切欠き16が、径方向に貫通形成されている。また分割用切欠き16は、ノックピン用切欠き15の底部と連通し、また溝部13とも連通している。
すなわち分割面11は、上述した溝部13、ノックピン用切欠き15及び分割用切欠き16を除く面部分が、自然破断面12として構成される。この自然破断面12は、一体環状に形成した静止密封環に外力を付与することで生じた破断面であり、複雑且つ微小な多数の凹凸面からなり、破断により生じた自然破断面12,12同士は互いの凹凸面を精緻に補完して符合するため、高いシール機能を得ることができる。
上記した分割面11の加工方法について説明する。
先ず周知の方法で分割前となる一体環状の密封環をSiC等の塑性材料で生成する。次に特に図示しないが、当該密封環の周方向の所定箇所(例えば180度離れた2箇所)を分割予定箇所として特定し、当該分割予定箇所において、内周端が開放された前述した円弧状の開口(破断後の溝部13,13)と、摺動面Sの背面側のノックピン用切欠き15、及び径方向に貫通する分割用切欠き16を機械加工により穿設する。
次に、当該密封環の外面に所定方向の外力を付与することで、当該分割予定箇所にせん断応力を集中させる。密封環の分割予定箇所は、上記したように開口及び切欠き15,16が形成されているため、密封環の他の箇所に比べて構造強度に乏しい。したがってこの外力に伴い円弧状の開口、ノックピン用切欠き15、及び分割用切欠き16を起点にチッピングが生じ、この分割予定箇所にて自然破断面12,12を生成しながら破断して分割される。この破断により、前記した円弧状の開口は、溝部13,13として各々の自然破断面12,12の内径側に形成される。
このように形成された溝部13に、Oリングを切断して紐状にしたガスケット17を装着し、分割面11,11同士を合せてバンド21で締め付け当該密封環を一体化する。バンド21の締付け力は、このガスケット17をつぶして分割面11,11同士を密接させる程度の力でよいため、過剰な締付け力で摺動面の歪が大きくなり密封性が低下する虞を回避できる。なお、更に密封環からはみ出したガスケット17を当該密封環の形状に沿って適宜メスによりメスカットすると好ましい。
密封環は塑性材料から生成されているため、自然破断することで、その断面は複雑な凹凸形状の自然破断面12を形成し、このような自然破断面12,12同士を合せることで隙間からの被密封流体の漏れ防止や、位置ずれを防止することができる。なお、分割型の密封環の材料はヤング率の高いSiC等のセラミックスが好ましいが、一方の密封環をカーボンなどの被摩耗材料としてもよい。
以上説明した本発明に係る分割型メカニカルシールによれば、分割型の密封環の分割面11に、ガスケット17(シール部材)が介設されるスペースである被密封流体側Hの溝部13と、自然破断面12とで周方向の深さが異なるため、分割面11に径方向の段差14が形成され、この段差14が被密封流体の圧力を受けるガスケット17を保持するため、ガスケット17が溝部13から位置ずれ若しくは抜け出すことを防止し、高いシール性能を維持することができる。
また、分割型の密封環の被密封流体側Hには、該密封環の周方向に沿うOリング33(環状シール)がガスケット17に接して設けられていることで、ガスケット17が、溝部13の段差14とOリング33とにより挟圧されるため、設置位置に位置決めされるばかりか、ガスケット17とOリング33との密接により被密封流体が漏出する虞を回避できる。
また、Oリング33が分割型の密封環の摺動面Sの近傍位置の凹部5bに設けられていることで、Oリング33が、摺動面Sの近傍位置でガスケット17に接して当該位置でシールするため、被密封流体の回り込みにより密封環に掛かる負荷を小さくできる。
さらに、分割面11の自然破断面12及び溝部13は、それぞれ分割面11の軸方向に亘り形成されており、この溝部13にガスケット17が設けられていることで、自然破断面12と溝部13とにより形成される段差14を軸方向に最大限に幅広に形成することができるので、ガスケット17の保持機能を高めることができる。また、自然破断面12が有する微小な凹凸面が分割面11の軸方向に亘り噛合することで、軸方向の位置ずれを防止することができる。
また本実施例のように、アウトサイド形の分割型メカニカルシール1の場合、分割型の密封環の内周に被密封流体の圧力が作用するため、高圧条件下では当該密封環の分割面を押し開く力がはたらくが、上記したように、分割面11の自然破断面12及び溝部13に設けられたガスケット17の構成によれば、当該分割面を押し開く力に抗して密封状態を維持できる。
また分割面11は、溝部13のほか、同位相にノックピン用切欠き15及び分割用切欠き16が形成されており、これらを控除した部分が自然破断面12として形成されるため、自然破断面12の面積が極小化されている。したがってバンド21による締付け力が小さくても自然破断面12に係る面圧を容易に高めることができ、延いてはシール性を高めることができる。
次に、実施例2に係る分割型メカニカルシールにつき、図6及び図7を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する説明を省略する。本実施例の静止密封環40及び回転密封環50の周方向の分割面について説明する。
なお、本発明は、静止密封環40及び回転密封環50のいずれにも同様に適用できるものであるが、以下においては、静止密封環40を例にして説明する。更になお、分割面は、周方向に互いに対向して接する分割面41,41のいずれにも同様に適用できるものであるが、以下においては、一方の分割面41を例にして説明する。
図6,7に示されるように、分割面41は、低圧流体側L(大気側)である径方向の外側に、自然破断された自然破断面42が形成されるとともに、自然破断面42よりも被密封流体側Hである径方向の内側に、自然破断面42よりも凹形状を成す溝部43が機械加工により形成されている。
本実施例の溝部43は、径方向には、摺動面Sの最内部に連通する位置から内周端まで開放して形成され、且つ軸方向には、Oリング33に接する位置から摺動面S側の端面まで開放して形成され、図6に示されるように、溝部43は、自然破断面12とで径方向に深さの異なる段差44が、摺動面S側から内周面にかけて傾斜状の平面に形成される。すなわち溝部43は、分割面41の摺動面S側且つ被密封流体側Hに面する角部を開放して形成されている。
なお、本実施例の溝部は、必ずしも角部を開放して形成されるものに限られず、例えば分割前の環状の密封環に、摺動面Sにおける最内部の位置と、Oリング33に接する位置とを貫通した所定孔径(例えば1〜2mm)の貫通孔を機械加工し、後に分割することで溝部を形成してもよく、この場合、上記した角部が閉塞された溝部として形成される。
この溝部43に嵌合されるガスケット27は、図示しないOリングを切断した紐状ガスケットであり、溝部43の段差44に接触する位置に配置されている。このガスケット27は、一方の端面27aが摺動面Sと略面一若しくは僅かに凹状に形成され、また他方の端面27bがOリング33と接するように形成される。すなわちガスケット27は、本発明のシール部材を構成する。
またガスケット27の端面27bとOリング33との接触位置よりも背面側に、分割用切欠き16が径方向に貫通形成されている。
以上説明した本実施例に係る発明によれば、溝部43が、密封環の摺動面S側に開放して形成されていることで、被密封流体の圧力を利用してガスケット27を溝部43内に保持することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、静止密封環及び回転密封環のいずれもが周方向に分割された密封環として説明したが、これに限らず例えば静止密封環又は回転密封環のいずれか一方のみが周方向に分割された密封環であり、他方が一体環状の密封環であってもよい。
1 分割型メカニカルシール
2 ハウジング
3 回転軸
4 ケース
5 リテーナ
6 カラー
7 ノックピン
8 スプリング
9 固定ボルト
10 静止密封環
11 分割面
12 自然破断面
13 溝部
14 段差
17 ガスケット(シール部材)
20 回転密封環
21 バンド
27 ガスケット(シール部材)
33 Oリング(環状シール)
40 静止密封環
41 分割面
42 自然破断面
43 溝部
44 段差
50 回転密封環

Claims (5)

  1. ハウジングと回転軸との間に形成した軸封部に装着され、前記ハウジング側の静止密封環と前記回転軸側の回転密封環とを摺動させることで、前記軸封部をシールするメカニカルシールにおいて、
    前記静止密封環又は前記回転密封環の少なくともいずれか一方は、周方向に分割された分割型の密封環であり、前記分割型の密封環の分割面は、低圧側に形成された自然破断面と、前記自然破断面よりも高圧側である被密封流体側に軸方向に延設された溝部とを有し、前記溝部にシール部材が設けられていることを特徴とする分割型メカニカルシール。
  2. 前記分割型の密封環の前記被密封流体側には、該密封環の周方向に沿う環状シールが前記シール部材に接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の分割型メカニカルシール。
  3. 前記環状シールは、前記分割型の密封環の摺動面の近傍位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の分割型メカニカルシール。
  4. 前記自然破断面及び前記溝部は、それぞれ前記分割面の軸方向に亘り形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の分割型メカニカルシール。
  5. 前記溝部は、前記分割型の密封環の摺動面側に開放して形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の分割型メカニカルシール。
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