JP4523928B2 - 分割形インサイドメカニカルシール - Google Patents

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Description

本発明は、分割形インサイドメカニカルシールに関するものである。
分割形インサイドメカニカルシールは、一般に、ポンプ等の流体機器の回転軸が同心状に洞貫する状態で当該流体機器のハウジングに取り付けられたシールケースと、シールケースに取り付けられた密封環リテーナと、密封環リテーナの内周部に保持された分割形の静止密封環と、シールケース内に配して当該回転軸に保持された分割形の回転密封環とを具備して、両密封環の対向端面である密封端面の相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分の外周側領域である被密封流体領域と内周側領域である非密封流体領域とを遮蔽シールするように構成されている(例えば、特許文献1の図1又は図2を参照)。
かかる分割形インサイドメカニカルシールにあって、シールケース及び密封環リテーナは、第一及び第二部材間に配置されて被密封流体領域を囲繞するものであり、周方向に複数のセグメントに分割されると共にこれらのセグメント同士をその周方向端面たる分割面が互いに衝合する筒状形態に一体連結してなる分割形流体機器部材である。すなわち、シールケース(例えば、特許文献1のケーシング2を参照)は、その一側端部が第一部材たるハウジングに取り付けられると共に、その他側端部に第二部材たる密封環リテーナを取り付けたものであり、密封環リテーナ(例えば、特許文献1のカバー5を参照)は、その一側端部が第一部材たるシールケースに取り付けられると共に、その内周部に第二部材たる静止密封環(例えば、特許文献1のシールケース4及びシールリング11を参照)を取り付けたものである。
而して、このような分割形流体機器部材たるシールケース又は密封環リテーナは、これと第一及び第二部材との間をOリング等の環状シール部材によってシールすると共に、セグメント同士を分割面が密に衝合するように締結することによって、第一及び第二部材との間及びセグメントの分割面間からの被密封流体の漏れを阻止するようになされている。
特開平07−042659号公報
しかし、シールケースや密封環リテーナは、両密封環による軸封機能(メカニカルシール機能)を発揮させるための補助部材に過ぎず、当該軸封機能に直結する主要部材でないことから、密封環のように高度の加工精度が要求されるものでなく、メカニカルシールの製作経済上からも密封環と同等精度に加工されることはない。
したがって、シールケースや密封環リテーナにおける分割面の加工精度は一般に低く、セグメント同士を如何に強力に締結したとしても、分割面が密に衝合せず、分割面間から被密封流体の漏れが発生する虞れがあった。
このような分割面間からの漏れを防止するために、従来からも、分割面に液状シール材を塗布しておくことが試みられてはいるが、このような液状シール材を塗布しておくことは、メカニカルシールのメンテンナス時においてシールケース又は密封環リテーナの分解,組立を行う都度、液状シール材の除去と新たな液状シール材の塗布とが必要となり、作業効率が頗る悪いといった問題を生じる。しかも、液状シール材の塗布作業には高度の熟練が必要となり、塗布状態によってシール性能が大幅に変化することから、液状シール材の塗布によっては分割面間からの漏れを確実に防止することは困難であった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、分割面間からの被密封流体の漏れを確実に阻止することができる実用的な分割形インサイドメカニカルシールを提供することを目的とするものである。
本発明は、流体機器の回転軸が同心状に洞貫する状態で、一側端部が当該流体機器のハウジングに取り付けられた筒状部材であって、周方向に複数のケースセグメントに分割されると共にこれらのケースセグメント同士をその周方向端面たる分割面が互いに衝合する筒状形態に一体連結してなるシールケースと、シールケースの他側端部に取り付けられた筒状の密封環リテーナと、密封環リテーナの内周部に保持された分割形の静止密封環と、シールケース内に配して当該回転軸に保持された分割形の回転密封環とを具備して、両密封環の対向端面である密封端面の相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分の外周側領域である被密封流体領域と内周側領域である非密封流体領域とを遮蔽シールするように構成された分割形インサイドメカニカルシールにおいて、上記の目的を達成すべく、特に、シールケースを、これとハウジングとの間を第一Oリングによりシールし且つ当該シールケースと密封環リテーナとの間を第二Oリングによりシールするように構成すると共に、各ケースセグメントとこれに隣接するケースセグメントとの対向分割面間に、一端部が第一Oリングに圧接すると共に他端部が第二Oリングに圧接する一連の平板形状をなす合成ゴム製のケース用ガスケットを挟圧させることにより、前記両Oリング間における分割面間からの被密封流体の漏洩をケース用ガスケットによって阻止するように構成しておく。また、上記の分割形インサイドメカニカルシールにおいては、シールケースを上記した如く構成すると共に、更に、密封環リテーナを、これとシールケースとの間を第二Oリングによりシールし且つ当該密封環リテーナと静止密封環との間を第三Oリングによりシールするように構成すると共に、各リテーナセグメントとこれに隣接するリテーナセグメントとの対向分割面間に、一端部が第二Oリングに圧接すると共に他端部が第三Oリングに圧接する一連の平板形状をなす合成ゴム製のリテーナ用ガスケットを挟圧させることにより、第二及び第三Oリング間における分割面間からの被密封流体の漏洩をリテーナ用ガスケットによって阻止するように構成しておくことが好ましい。
上記した分割形インサイドメカニカルシールの好ましい実施の形態にあっては、セグメント(シールケースにあってはケースセグメントであり、密封環リテーナにあってはリテーナセグメントである)の各対向分割面の一方に、平面形状がガスケット(シールケースにあってはケース用ガスケットであり、密封環リテーナにあってはリテーナ用ガスケットである)とほぼ同一の相似形状をなすガスケット係合凹部(シールケースにあってはケース用ガスケット係合凹部であり、密封環リテーナにあってはリテーナ用ガスケット係合凹部である)を形成して、当該ガスケット係合凹部に当該ガスケットを係合保持するように構成される。また、各ガスケットは、硬度Hs60°以下(より好ましくはHs2°〜55°)の合成ゴム板で構成しておくことが好ましい。また、上記した何れの形態においても、回転密封環を回転軸に固定した円環状体のスプリングリテーナに軸線方向移動可能に嵌合保持しておくことが好ましい。
本発明によれば、分割形流体機器部材であるシールケースや密封環リテーナの分割面を合成ゴム製のガスケットによりシールすると共に、当該ガスケットを当該流体機器部材に連結されるハウジングや密封環リテーナとの間をシールするOリングに圧接させるようにしていることから、当該分割形流体機器部材において漏れを生じる虞れのある部分を全面的にシールすることができ、この分割形流体機器部材をシールケース又はシールケース及び密封環リテーナとして使用することによって、被密封流体の漏れを生じない良好なメカニカルシール機能を発揮しうる分割形インサイドメカニカルシールを提供することができる。
図1は本発明に係る分割形インサイドメカニカルシールの実施の形態を示す縦断正面図であり、図2は同縦断側面図であり、図3は図1の要部を拡大して示す詳細図であり、図4は図1のIV−IV線に沿う横断平面図であり、図5は図1のV−V線に沿う横断平面図である。なお、以下の説明において、上下とは図1及び図2における上下を意味するものとする。
この実施の形態における分割形インサイドメカニカルシール1は、図1及び図2に示す如く、流体機器のハウジング(ポンプハウジング等)2の軸封端部3に取り付けられた分割形のシールケース4と、シールケース4に取り付けられた分割形の密封環リテーナ5と、密封環リテーナ5の内周部に固定保持された分割形の静止密封環6と、シールケース4内に配して当該流体機器の回転軸(インペラ軸等)7に軸線方向(上下方向)に移動可能に保持された分割形の回転密封環8と、回転密封環8を静止密封環6へと押圧附勢するスプリング部材9(図2参照)とを具備して、両密封環6,8の対向端面たる密封端面6a,8aの相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分6a,8aの外周側領域である被密封流体領域(ハウジング2内に連通する領域)Hとその外周側領域である非密封流体領域(ハウジング2外の大気領域)Lとを遮蔽シールするように構成されている。
ハウジング2の軸封端部3は、図2に示す如く、ハウジング2の上端部に固着された環状フランジで構成されており、回転軸7が同心状に貫通している。なお、軸封端部3の内周部には、メンテナンス時や非常時においてハウジング2を閉止する安全シール12が設けられている。このシール12は、NBR等の弾性材からなる環状中空体であり、軸封端部3に形成した流体通路13からシール12内に配置したアダプタ14の環状溝15及び複数の注入孔16を経て適宜の加圧流体(圧縮空気等)17をシール12内に注入して当該シール12の内周部を膨出させることにより、軸封端部3と回転軸7との対向周面間をシールするものであり、メンテンス時等においてハウジング2内の流体(被密封流体)を一時的に封止するものである。
シールケース4は、図4に示す如く、周方向に複数(この例では2個)のケースセグメント20,21に分割された円筒体である。両ケースセグメント20,21は同一形状をなす半円筒体であり、各々、半円筒状の本体部22と、その一側端部(下端部)に形成された半円状の取付フランジ23と、本体部22の円周方向両端部に形成された一対の矩形状の締結フランジ24,24とからなる。シールケース4は、図1及び図4に示す如く、分割面であるケースセグメント20,21の各対向端面20a,21a(本体部22の周方向端面及びこれに連なる取付フランジ23及び締結フランジ24の端面で構成される)を衝合させた状態で、一方のケースセグメント20の各締結フランジ24と他方のケースセグメント21の各締結フランジ24とを適当数の締結ボルト25により締結することにより、円筒体形状に一体化される。なお、各ケースセグメント20,21における一方の締結フランジ24には締結ボルト25の挿通孔及び位置決めピン27の係合孔が形成されており、他方の締結フランジ24には締結ボルト25の螺着用ネジ孔及び位置決めピン27の係合孔が形成されている。
締結ボルト25(及び位置決めピン27)により円筒体形状に締結一体化されたシールケース4は、図2に示す如く、その下端部に形成した取付フランジ23,23を適当数の取付ボルト29によりハウジング2の軸封端部3に取り付けることにより、回転軸7が同心状に洞貫する状態でハウジング2に取り付けられている。軸封端部3とシールケース4との対向端面間には第一Oリング30が介装されていて、両者3,4間をシールしている。第一Oリング30は、軸封端部3に形成した環状の第一Oリング溝31に係合保持されていて、ケースセグメント20,21の本体部22,22の一側端面(下端面)に圧接している。
密封環リテーナ5は、図1、図2及び図5に示す如く、周方向に複数(この例では2個)のリテーナセグメント32,33に分割された円筒体である。両リテーナセグメント32,33は同一形状をなす半円環状体であり、分割面であるリテーナセグメント32,33の各対向端面32a,33a(セグメント32,33の周方向端面)を衝合させた状態で、両リテーナセグメント32,33を一対の締結ボルト34により締結することにより、円筒体形状に一体化される。円筒体形状に一体化された密封環リテーナ5は、図2に示す如く、その一側端部(下端部)を適当数の取付ボルト35によりシールケース4の他側端部(ケースセグメント20,21の各本体部22の上端部)に取り付けることにより、回転軸7が同心状に洞貫する状態でシールケース4に取り付けられている。シールケース4と密封環リテーナ5との対向端面間には第二Oリング36が介装されていて、両者4,5間をシールしている。第二Oリング36は、シールケース4の他側端部に形成した環状の第二Oリング溝37に係合保持されていて、リテーナセグメント32,33の一側端面(下端面)に圧接している。なお、第二Oリング溝37は、両本体部20,21の上端部に形成した半円状の凹溝37a,37aで構成される。
各密封環6,8は、周知の分割形メカニカルシールにおけると同様に、周方向に複数のセグメントに分割(一般に、半円状のセグメントに2分割)されたもので、適宜の締結手段により円環状体に一体化されている。
静止密封環6は、密封環リテーナ5の内周部に軸線方向に並列する第三及び第四Oリング38,39を介して嵌合固定されている。シールケース4側に位置する下位の第三Oリング38は、密封環リテーナ5の内周部に形成した環状突起40と静止密封環6の外周部に形成した環状突起41との間に挟圧保持されていて、密封環リテーナ5と静止密封環6との対向周面間を被密封流体に対して二次シールしている。他方の第四Oリング39は、密封環リテーナ5の他側端部(上端部)に取り付けたシールフランジ42の環状突起43と静止密封環6の環状突起41との間に挟圧保持されている。シールフランジ42は、締結ボルト44により円環状体に締結された分割形のものであり、回転軸7との間をシールするシール部材(セグメントシール)45を固定するための固定リング46と共に、取付ボルト47により密封環リテーナ5に取り付けられている。
回転密封環8は、静止密封環6のハウジング側に配して、回転軸7に固定したスプリングリテーナ48に軸線方向(上下方向)移動可能に嵌合保持されている。すなわち、スプリングリテーナ48はセットスクリュ49により回転軸7に嵌合固定された円環状体である。回転密封環8は、スプリングリテーナ48の外周部にOリング50を介して軸線方向移動可能に嵌合保持されており、スプリングリテーナ48との間に介装したスプリング部材9により、静止密封環6へと押圧附勢されていて、静止密封環6との相対摺接回転により、その相対回転摺接部分6a,8aの外周側領域である被密封流体領域Hとその内周側領域である非密封流体領域Lとの間を遮蔽シールする。なお、回転密封環8は、これにスプリングリテーナ48を軸線方向に貫通するドライブピン51を螺着することにより、軸線方向移動を所定範囲で許容されつつ回転軸7に対する相対回転を阻止されている。
而して、このように構成されたインサイドメカニカルシール1にあっては、分割形筒状部材であるシールケース4及び密封環リテーナ5には被密封流体による内圧が作用することになるが、これらの分割形筒状部材4,5において被密封流体が漏洩する虞れのある箇所は、シールケース4にあっては、これに連結された第一部材(ハウジング2)及び第二部材(密封環リテーナ5)との間(以下「第一漏洩箇所」という)並びにケースセグメント20,21の各対向分割面(ケースセグメント20,21の各衝合端面)20a,21a間(以下「第二漏洩箇所」という)であり、密封環リテーナ5にあっては、これに連結された第一部材(シールケース4)及び第二部材(静止密封環6)との間(以下「第三漏洩箇所」という)並びにリテーナセグメント32,33の各対向分割面(リテーナセグメント32,32の各衝合端面)32a,33a間(以下「第四漏洩箇所」という)であるが、上記した分割形インサイドメカニカルシール1にあっては、上述した如く、第一漏洩箇所を第一及び第二Oリング30,36によってシールすると共に第三漏洩箇所を第二及び第三Oリング36,38によってシールしており、更に、第二漏洩箇所及び第四漏洩箇所についてはケース用ガスケット52及びリテーナ用ガスケット53によって次のようにシールしている。
すなわち、シールケース4にあっては、図1〜図4に示す如く、ケースセグメント20,21の各対向分割面20a,21a間に、一端部52aが第一Oリング30に圧接すると共に他端部52bが第二Oリング36に圧接する一連の平板形状をなす合成ゴム製のケース用ガスケット52を介装してある。各ガスケット52は、各ケースセグメント20,21の一方の分割面20a,21aに形成したケース用ガスケット係合凹部54に係合保持されている。各ケース用ガスケット係合凹部54は、その平面形状がケース用ガスケット52とほぼ同一の相似形状(より正確には、ケース用ガスケット52より若干大きな相似形状)をなし且つその深さが一定で且つガスケット52の厚みより若干浅く設定された形状をなし、両端部において第一Oリング溝31及び第二Oリング溝32に連通する開口部54a,54bを有している。したがって、ケース用ガスケット係合凹部54を形成した分割面20a(又は21a)とこれに対向する当該凹部54を形成しない分割面21a(又は20a)とを密着,衝合させると、ケース用ガスケット52が厚み方向に圧縮される結果、ケース用ガスケット52が平面方向への変形(幅方向及び長手方向への変形)を生じて、当該ガスケット52の外周縁部は、開口部54a,54bに対応する両端部分52a,52bを除いて、ケース用ガスケット係合凹部54に密に接触する。
すなわち、ケース用ガスケット52の平面方向への変形は、当該ガスケット52とほぼ同一の平面形状をなすケースガスケット用係合凹部54によって、当該ガスケット52のすべての部分でほぼ一定量に規制されることになる。したがって、ケースセグメント20,21が各分割面20a,21aが衝合する状態に締結されたとき、当該ガスケット52の圧縮量は全てのガスケット部分でほぼ同一となり、当該各分割面20a,21a間におけるケース用ガスケット52によるシール力は均一となり、第二漏洩箇所からの漏洩は良好且つ確実に阻止されることになる。
また、ケース用ガスケット係合凹部54における開口部54a,54bにおいては、ケース用ガスケット52の平面方向への変形が規制されないことから、開口部54a,54bに対応するガスケット部分52a,52bは、開口部54a,54bに露出する第一及び第二Oリング30,36の側面に強く圧接することになる。しかも、このガスケット部分52a,52bのOリング30,36への圧接方向はOリング30,36の分割形流体機器部材4への圧接方向と逆向きになることから、ガスケット部分52a,52bとOリング30,36との圧接力は、ガスケット52の弾性力とOリング30,36の弾性力との合計となり、ガスケット部分52a,52bとOリング30,36との圧接力が倍増し、第一及び第二漏洩箇所間におけるシールが極めて良好となる。したがって、第一漏洩箇所と第二漏洩箇所との間においても、ケース用ガスケット52と第一及び第二Oリング30,36との圧接によるシール機能が十分に発揮されることになり、シールケース4において漏洩する虞れのある箇所は、当該ガスケット52及びOリング30,31によって、全面的に且つ確実にシールされることになる。
また、密封環リテーナ5にあっては、図1〜図3及び図5に示す如く、リテーナセグメント32,33の各対向分割面32a,33a間に、一端部53aが第二Oリング36に圧接すると共に他端部53bが第三Oリング38に圧接する一連の平板形状をなす合成ゴム製のリテーナ用ガスケット53を介装してある。各ガスケット53は、各リテーナセグメント32,33の一方の分割面32a,33aに形成したリテーナ用ガスケット係合凹部55に係合保持されている。各リテーナ用ガスケット係合凹部55は、その平面形状がリテーナ用ガスケット53とほぼ同一の相似形状(より正確には、リテーナ用ガスケット53より若干大きな相似形状)をなし且つその深さが一定で且つガスケット53の厚みより若干浅く設定された形状をなし、両端部において第二Oリング溝32及び第三Oリング溝(静止密封環6の外周面とこれに形成した環状突起41及び密封環リテーナ5に形成した環状突起40とで形成されるOリング溝)に連通する開口部55a,55bを有している。したがって、リテーナ用ガスケット係合凹部55を形成した分割面32a(又は33a)とこれに対向する当該凹部55を形成しない分割面33a(又は32a)とを密着,衝合させると、リテーナ用ガスケット53が厚み方向に圧縮される結果、リテーナ用ガスケット53が平面方向への変形(幅方向及び長手方向への変形)を生じて、当該ガスケット53の外周縁部は、開口部55a,55bに対応する両端部分53a,53bを除いて、リテーナ用ガスケット係合凹部55に密に接触する。
すなわち、リテーナ用ガスケット53の平面方向への変形は、当該ガスケット53とほぼ同一の平面形状をなすケースガスケット用係合凹部55によって、当該ガスケット53のすべての部分でほぼ一定量に規制されることになる。したがって、リテーナセグメント32,33が各分割面32a,33aが衝合する状態に締結されたとき、当該ガスケット53の圧縮量は全てのガスケット部分でほぼ同一となり、当該各分割面32a,33a間におけるリテーナ用ガスケット53によるシール力は均一となり、第二漏洩箇所からの漏洩は良好且つ確実に阻止されることになる。
また、リテーナ用ガスケット係合凹部55における開口部55a,55bにおいては、リテーナ用ガスケット53の平面方向への変形が規制されないことから、開口部55a,55bに対応するガスケット部分53a,53bは、開口部55a,55bに露出する第二及び第三Oリング36,38に強く圧接することになる。しかも、このガスケット部分53a,53bのOリング36,38への圧接方向はOリング36,38の分割形流体機器部材5への圧接方向と逆向きになることから、ガスケット部分53a,53bとOリング36,38との圧接力は、ガスケット53の弾性力とOリング36,38の弾性力との合計となり、ガスケット部分53a,53bとOリング36,38との圧接力が倍増し、第三及び第四漏洩箇所間におけるシールが極めて良好となる。したがって、第一漏洩箇所と第二漏洩箇所との間においても、リテーナ用ガスケット53と第二及び第三Oリング36,38との圧接によるシール機能が十分に発揮されることになり、シールケース4において漏洩する虞れのある箇所は、当該ガスケット53及びOリング36,38によって、全面的に且つ確実にシールされることになる。
このようなガスケット52,53によるシール機能は、当該ガスケット52,53を硬度Hs60°以下(好ましくはHs2〜55°)の合成ゴム板で構成しておくことによって、より効果的に発揮される。すなわち、ガスケット硬度がHs60°を超える場合には、分割面20a,21a又は32a,33aの衝合によるガスケット52,53の平面方向への変形が十分に行われず、ガスケット52,53のOリング30,36,38への圧接が不十分となり、その結果、第一〜第四漏洩箇所が個々にシールされたとしても、第一及び第二漏洩箇所間又は第三及び第四漏洩箇所間におけるシールが十分に行われず、そこから被密封流体が漏洩する虞れがある。また、ガスケット硬度がHs60°を超える場合には、ガスケット52,53の厚み方向の変形がガスケット全体で均一になり難く、その結果、第二漏洩箇所又は第四漏洩箇所で局部的にシール力が不足し、被密封流体の完全な漏れ阻止を行い得ない虞れがある。ガスケット硬度がHs60°以下であれば、このような虞れが生じず、第一漏洩箇所から第四漏洩箇所に至る部分を全面的に確実にシールすることができる。特に、このようなシール機能は、ガスケット硬度をHs2°〜55°とするガスケット52,53を使用することによって、より効果的に発揮されることになる。
以上の点から理解されるように、シールケース4についてはケース用ガスケット52と第一及び第二Oリング30,36とによって、密封環リテーナ5についてはリテーナ用ガスケット53と第二及び第三Oリング36,38とによって、夫々、被密封流体の漏れが完全に阻止されることになり、良好なメカニカルシール機能を期待することができる。
また、分割面のシール手段として合成ゴム板からなるガスケット52,53を使用しているから、当該シール手段として冒頭で述べた如く液状シール材を使用する場合のような問題は生じず、分割面20a,21a又は32a,33aからの漏れを完全に阻止することでき、メンテンナス作業も容易且つ効率よく行うことができる。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものでなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において、適宜に改良,変更することができる
本発明に係る分割形インサイドメカニカルシールの一例を示す縦断正面図である。 同メカニカルシールの縦断側面図である。 図1の要部を拡大して示す詳細図である 図1のIV−IV線に沿う横断平面図である。 図1のV−V線に沿う横断平面図である。
符号の説明
1 分割形インサイドメカニカルシール
2 流体機器のハウジング
3 ハウジングの軸封端部
4 シールケース(分割形流体機器部材)
5 密封環リテーナ(分割形流体機器部材)
6 静止密封環
6a 静止密封環の密封端面
7 回転軸(流体機器の回転軸)
8 回転密封環
8a 回転密封環の密封端面
9 スプリング部材
20 ケースセグメント
20a 分割面
21 ケースセグメント
21a 分割面
32 リテーナセグメント
32a 分割面
33 リテーナセグメント
33a 分割面
31 第一Oリング
36 第二Oリング
38 第三Oリング
52 ケース用ガスケット
52a ケース用ガスケットの一端部
52b ケース用ガスケットの他端部
53 リテーナ用ガスケット
53a リテーナ用ガスケットの一端部
53b リテーナ用ガスケットの他端部
54 ケース用ガスケット係合凹部
54a 開口部
54b 開口部
55 リテーナ用ガスケット係合凹部
55a 開口部
55b 開口部
L 非密封流体領域
H 被密封流体領域

Claims (5)

  1. 流体機器の回転軸が同心状に洞貫する状態で、一側端部が当該流体機器のハウジングに取り付けられた筒状部材であって、周方向に複数のケースセグメントに分割されると共にこれらのケースセグメント同士をその周方向端面たる分割面が互いに衝合する筒状形態に一体連結してなるシールケースと、シールケースの他側端部に取り付けられた筒状の密封環リテーナと、密封環リテーナの内周部に保持された分割形の静止密封環と、シールケース内に配して当該回転軸に保持された分割形の回転密封環とを具備して、両密封環の対向端面である密封端面の相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分の外周側領域である被密封流体領域と内周側領域である非密封流体領域とを遮蔽シールするように構成された分割形インサイドメカニカルシールにおいて、
    シールケースが、これとハウジングとの間を第一Oリングによりシールし且つ当該シールケースと密封環リテーナとの間を第二Oリングによりシールするように構成されると共に、各ケースセグメントとこれに隣接するケースセグメントとの対向分割面間に、一端部が第一Oリングに圧接すると共に他端部が第二Oリングに圧接する一連の平板形状をなす合成ゴム製のケース用ガスケットを挟圧させることにより、前記両Oリング間における分割面間からの被密封流体の漏洩をケース用ガスケットによって阻止するように構成されていることを特徴とする分割形インサイドメカニカルシール。
  2. 流体機器の回転軸が同心状に洞貫する状態で、一側端部が当該流体機器のハウジングに取り付けられた筒状部材であって、周方向に複数のケースセグメントに分割されると共にこれらのケースセグメント同士をその周方向端面たる分割面が互いに衝合する筒状形態に一体連結してなるシールケースと、一側端部がシールケースの他側端部に取り付けられた筒状部材であって、周方向に複数のリテーナセグメントに分割されると共にこれらのリテーナセグメント同士をその周方向端面たる分割面が互いに衝合する筒状形態に一体連結してなる密封環リテーナと、密封環リテーナの内周部に保持された分割形の静止密封環と、シールケース内に配して当該回転軸に保持された分割形の回転密封環とを具備して、両密封環の対向端面である密封端面の相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分の外周側領域である被密封流体領域と内周側領域である非密封流体領域とを遮蔽シールするように構成された分割形インサイドメカニカルシールにおいて、
    シールケースが、これとハウジングとの間を第一Oリングによりシールし且つ当該シールケースと密封環リテーナとの間を第二Oリングによりシールするように構成されると共に、各ケースセグメントとこれに隣接するケースセグメントとの対向分割面間に、一端部が第一Oリングに圧接すると共に他端部が第二Oリングに圧接する一連の平板形状をなす合成ゴム製のケース用ガスケットを挟圧させることにより、前記両Oリング間における分割面間からの被密封流体の漏洩をケース用ガスケットによって阻止するように構成されており、
    密封環リテーナが、これとシールケースとの間を第二Oリングによりシールし且つ当該密封環リテーナと静止密封環との間を第三Oリングによりシールするように構成されると共に、各リテーナセグメントとこれに隣接するリテーナセグメントとの対向分割面間に、一端部が第二Oリングに圧接すると共に他端部が第三Oリングに圧接する一連の平板形状をなす合成ゴム製のリテーナ用ガスケットを挟圧させることにより、第二及び第三Oリング間における分割面間からの被密封流体の漏洩をリテーナ用ガスケットによって阻止するように構成されていることを特徴とする分割形インサイドメカニカルシール。
  3. ケースセグメント又はリテーナセグメントの各対向分割面の一方に、ケース用ガスケット又はリテーナ用ガスケットとほぼ同一の相似形状をなすケース用ガスケット係合凹部又はリテーナ用ガスケット係合凹部を形成して、当該ガスケット係合凹部に当該ガスケットを係合保持するように構成されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載する分割形インサイドメカニカルシール。
  4. ケース用ガスケット又はリテーナ用ガスケットが、硬度Hs60°以下の合成ゴム板で構成されていることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れかに記載する分割形インサイドメカニカルシール。
  5. 回転密封環が、回転軸に固定した円環状体のスプリングリテーナに軸線方向移動可能に嵌合保持されていることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れかに記載する分割形インサイドメカニカルシール。
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