JP2006291988A - 分割型メカニカルシール - Google Patents

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Abstract

【目的】 摺り合わせ作業や馴染み運転を必要とすることなく、分割型の密封環をその密封端面に歪を生じることなく適正な環状形態に緊縛保持しておくことができる分割型メカニカルシールを提供する。
【構成】 周方向に分割された密封環9は、その外周面9cとこれを内嵌保持するリテーナ7の内周面25a,25bと間に装填させた弾性材製緊縛体28の弾性力により、分割面が衝合する環状形態に緊縛保持されている。リテーナ7は、シールケース6に保持された円筒状の第1リテーナ部材24とこれに軸線方向に締め付け可能に取り付けられて密封環9を内嵌保持する円環状の第2リテーナ部材25とからなる。緊縛体8は非圧縮性弾性材からなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シールケース側の第1密封環と回転軸側の第2密封環との対向端面である密封端面の相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分の内周側領域である被密封流体領域と外周側領域である非密封流体領域とを遮蔽シールするように構成されたメカニカルシールであって、特に、第1密封環を周方向に分割してその分割面が衝合する環状形態にリテーナに内嵌保持させるようにした分割型メカニカルシールに関するものである。
従来の分割型メカニカルシールとしては、シールケースに金属製のリテーナを介して軸線方向移動可能に保持された分割形の第1密封環と、回転軸に固定された非分割形の第2密封環と、シールケースとリテーナとの間に介装されて第1密封環を第2密封環へと押圧接触させるべくリテーナを軸線方向に附勢するスプリングとを具備して、両密封環の対向端面である密封端面の相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分の内周側領域である被密封流体領域と外周側領域である非密封流体領域とを遮蔽シールするように構成されたもの(分割型アウトサイドメカニカルシール)が周知である(例えば、特許文献1の図2を参照)。
而して、かかる従来の分割型メカニカルシールにあっては、第1密封環を周方向に分割して複数の円弧状セグメントに分離構成し、リテーナをシールケースに保持された円筒状の第1リテーナ部材とこれに軸線方向に締め付け可能に取り付けられて第1密封環を内嵌保持する円環状の第2リテーナ部材とで構成すると共に、第2リテーナ部材とこれに内嵌する第1密封環との対向周面に、第2リテーナ部材の第1リテーナ部材への締め付け方向に漸次拡径する裁頭円錐面たるカム面を形成してある。したがって、第2リテーナ部材を第1リテーナ部材へと締め付けて、カム面により第1密封環に縮径方向の緊縛力を作用させることによって、第1密封環を、円弧状セグメントの端面同士が衝合する環状形態に緊縛保持させておくことができる(例えば、特許文献1の図2及び図4を参照)。
ところで、分割型メカニカルシールは、第1密封環を第2密封環より摩耗度の高い材料で構成しておく(一般に、第2密封環をセラミックス等の硬質材で構成すると共に、第1密封環をカーボン等の軟質材で構成しておく)ことにより、両密封環の摺接運動によっては第1密封環のみが摩耗することになり、密封環摩耗によるシール機能低下等が生じた場合にも、メカニカルシール全体を分解することなく、第1密封環のみを交換すればよく、メンテンナンスが容易であり、大型縦軸ポンプ等の軸封手段として好適するものである。
特開2004−251376公報
上記した従来の分割型メカニカルシール(以下「従来メカニカルシール」という)にあっては、第1密封環を金属製のリテーナ(第2リテーナ部材)によって環状形態に緊縛しているため、第1密封環が上記した如くカーボン等の軟質材で構成されることとも相俟って、カム面による緊縛力によって、円弧状セグメントが変形して、第1密封環の密封端面に歪が生じ、第2密封環との相対回転摺接作用によるシール機能が適正に発揮されない。なお、カム面による緊縛力が密封端面に歪を生じさせない程度に低い場合には、第1密封環の内周面にこれを拡径方向に作用する被密封流体の圧力によって、円弧状セグメントの衝合面間が開き、そこから被密封流体が漏洩することになり、当然に良好なシール機能を発揮することができない。
そこで、一般には、当該メカニカルシールの組み立て時や第1密封環の分解,交換を行うメンテナンス時に、第1密封環の密封端面を所謂摺り合わせ作業により修正するか、当該密封端面の径方向幅を極端に小さく設定して、正規の運転に先駆けて所謂馴染み運転を行うようにしている。
しかし、このような摺り合わせ作業や馴染み運転は、高度の熟練を必要とするためユーザサイドでは行い難いものであり、また作業者にも過大な負担を強いることになり、経済的負担も極めて大きい。また、軸封密封端面の径方向幅を極端に小さく設定した分割型メカニカルシールは、ドライ条件下での馴染み運転を行い難いことから、相当時間の気中運転を行うことがある先行待機運転形ポンプ等の軸封手段として採用することができず、その用途が大幅に制限されることになる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、摺り合わせ作業や馴染み運転を必要とすることなく、分割型の密封環をその密封端面に歪を生じることなく適正な環状形態に緊縛保持しておくことができる分割型メカニカルシールを提供することを目的とするものである。
本発明は、第1密封環が周方向に分割されると共にその分割面が衝合する環状形態にリテーナに内嵌保持されており、この第1密封環と第2密封環との対向端面である密封端面の相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分の内周側領域である被密封流体領域と外周側領域である非密封流体領域とを遮蔽シールするように構成された分割型メカニカルシールにおいて、上記の目的を達成すべく、特に、第1密封環を、これとリテーナとの対向周面間に装填させた弾性材製緊縛体の弾性力により、環状形態に緊縛保持させておくことを提案するものである。
かかる分割型メカニカルシールの好ましい実施の形態にあっては、リテーナがシールケースに保持された円筒状の第1リテーナ部材とこれに軸線方向に締め付け可能に取り付けられて第1密封環を内嵌保持する円環状の第2リテーナ部材とからなり、第1リテーナ部材の先端面には第1密封環の基端面(背面)を二次シール状態で衝合保持する円環状の保持面及び第1密封環と第2リテーナ部材との対向周面間に形成される環状の装填空間に位置する円環状の押圧面が形成されており、第2リテーナ部材の内周面には装填空間内において前記押圧面に対向する環状の係止面が形成されており、緊縛体が、これを押圧面と係止面とで挟圧した状態で、装填空間に装填されている。かかる実施の形態にあっては、前記押圧面及び係止面の少なくとも一方が、相手面たる押圧面又は係止面から離間する方向に漸次縮径する裁頭円錐面たるカム面に構成されていることが好ましい。また、第1リテーナ部材を、シールケースに保持され且つ第2リテーナ部材が取り付けられる円筒状の本体部分と、前記保持面及び押圧面を有する円環状部分であって本体部分に軸線方向に相対移動可能に内嵌保持された密封環保持部分とに分離構成して、軸線方向において本体部分と密封環保持部分との対向端面間に侵入する被密封流体の圧力により、密封環保持部分に、押圧面を係止面に近接させる方向へ相対変位させる軸線方向力が作用するように構成しておくことが好ましい。なお、緊縛体は非圧縮性弾性材(ゴム等)からなるものであることが好ましい。また、緊縛体は、第1密封環の軸線方向に並列する複数の弾性部材で構成しておくことも可能である。なお、本発明において「軸線」とは、当該分割型メカニカルシールが組み込まれる回転機器の回転軸、これに同心状に取り付けられる第2密封環及びこれに同心状に対向配置される第1密封環の軸線をいい、「軸線方向」とは当該軸線に平行する方向をいう。
本発明の分割型メカニカルシールにあっては、第1密封環を、これとリテーナとの対向周面間に装填させた弾性材製緊縛体の弾性力により、環状形態に緊縛保持するようにしていることから、リテーナによって直接的に緊縛させる従来メカニカルシールと異なって、第1密封環に歪を生じさせることなく、第1密封環の分割面を適正に衝合させることができる。したがって、本発明の分割型メカニカルシールによれば、冒頭で述べた摺り合わせ作業や馴染み運転を必要とせず、当該メカニカルシールの組み立てや第1密封環の分解,交換を含むメンテナンスを容易且つ効率よく経済的に行うことができる。
また、本発明の分割型メカニカルシールによれば、第1リテーナ部材を本体部分と密封環保持部分とに分離構成して、被密封流体により密封環保持部分に第2密封環に向かう方向の軸方向推力が作用するように工夫しておくことにより、緊縛力が被密封流体の圧力に応じた自動的に調整され、シール条件に拘わらず良好なシール機能を発揮させることができる。
図1、図2及び図5は本発明に係る分割型メカニカルシールの第1の実施の形態を示したものであり、図3〜図5は本発明に係る分割型メカニカルシールの第2の実施の形態を示したものであり、何れの実施の形態も、本発明を図7又は図8に示す先行待機形ポンプの軸封手段に適用した例に係る。なお、以下の説明においては、第1の実施の形態における分割型メカニカルシールを第1メカニカルシールM1といい、第2の実施の形態における分割型メカニカルシールを第2メカニカルシールM2という。
図7及び図8に示す先行待機形ポンプ1は、先行待機運転される灌漑用ポンプ等の立軸斜流ポンプであり、上下端部に吐出エルボ(吐出口)2a及び吸込ベル(吸込口)2bを有する上下方向に長尺なポンプケーシング2と、吸込ベル2bの上方近傍部からポンプケーシング2の中心部を通過して上方に延びており、ポンプケーシング2の上方部に設置した原動機3に連結されたポンプ軸4と、吸込ベル2bの上方近傍部位に配してポンプ軸4の下端部に設けられたインペラ5とを具備するものであり、吐出エルボ2aの周壁部分であってポンプ軸4が貫通する筒状の軸封部2cとポンプ軸4との間をシールする軸封手段として、図7に示す如く第1メカニカルシールM1を使用し、又は図8に示す如く第2メカニカルシールM2を使用している。なお、以下の説明における各メカニカルシール構成部材は、特に明示しない限り、両シールM1,M2の構成部材を示すものである。

而して、各シールM1,M2は、図1又は図3に示す如く、ポンプケーシング2の回転軸貫通部分たる軸封部2cに取り付けられたシールケース6と、シールケース6にリテーナ7及び緊縛体8を介して軸線方向(上下方向)に移動自在に且つ相対回転不能に保持された第1密封環9と、第1密封環9の上方に配して回転軸たるポンプ軸4に固定された第2密封環10と、シールケース6とリテーナ7との間に介装されて、第1密封環9を第2密封環10に押圧接触させるべく上方へと附勢するスプリング11とを具備して、両密封環9,10の対向端面たる密封端面9a,10aの相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分9a,10aの内周側領域である被密封流体領域(ポンプケーシング2内に連通する領域)Sとその外周側領域である非密封流体領域(ポンプケーシング2外の大気領域)Aとを遮蔽シールするように構成された端面接触型の分割型アウトサイドメカニカルシールである。
シールケース6は、図1又は図3に示す如く、ポンプ軸4より大径の内周部を有する断面L字状の円環状体であり、ポンプ軸4が同心状に貫通する状態で、軸封部2cの上端部にOリング12を介して取り付けられている。
第1密封環9は、図5に示す如く、先端面を密封端面9aとする円環状体であり、周方向に複数(この例では2個)の円弧状セグメント13,14に分割されていて、分割面(円弧状セグメント13,14の周方向端面)13a,14aが衝合された環状形態で、後述するリテーナ7(第2リテーナ部材25)に内嵌保持されている。
第2密封環10は、図1又は図3に示す如く、非分割構造の円環状体であり、固定リング15及び保持リング16を介して、ポンプ軸4に固定保持されている。すなわち、固定リング15は周方向に2分割されたもので、締結ボルト17によりリング状に締結することによりポンプ軸4に嵌合固定されている。保持リング16は、固定リング15の下位において、ポンプ軸4にOリング18を介して挿通保持すると共に連結ボルト19により固定リング15に連結することにより、ポンプ軸4に固定されている。第2密封環10は、保持リング16の下端部に形成した環状凹部16aにOリング20,21を介して嵌合保持させると共に保持リング16に設けた係合ピン22を係合させることにより、ポンプ軸4に固定保持されている。なお、第2密封環10はセラミックス等の硬質材で構成されており、第1密封環9は第2密封環10より摩耗度の高い材料、例えば第2密封環10の構成材より軟質で自己潤滑性を有するカーボン等で構成されている。
リテーナ7は、図1又は図3に示す如く、シールケース6に保持された金属製の第1リテーナ部材24とこれに軸線方向に締め付け可能に取り付けられて第1密封環9を内嵌保持する金属製の第2リテーナ部材25とからなる。
第1メカニカルシールM1における第1リテーナ部材24は、図1に示す如く、シールケース6にOリング26を介して軸線方向移動可能に保持された円筒形状をなすものである。第1リテーナ部材24のシールケース6に対する相対回転は、シールケース6に突設したドライブピン6aの係合作用により阻止されている。第1リテーナ部材24の先端面(上端面)24aには、第1密封環9の基端面たる背面(下端面)9bをOリング27を介して二次シール状態で衝合保持する保持面24bと、第1密封環9と第2リテーナ部材25との対向周面9c,25a間に形成される環状の装填空間28に位置する円環状の押圧面24cとが形成されている。なお、第1リテーナ部材24の先端面24aには、図2に示す如く、軸線方向において装填空間28に出没可能な環状凸部24dが突設されており、この環状凸部24dの端面(上端面)を押圧面24cとしている。また、第1リテーナ部材24の先端面24aに突設した係止ピン29を第1密封環9の背面9bに形成した凹部に係合させることにより、両者9,24の相対回転が阻止されている。
第2メカニカルシールM2における第1リテーナ部材24は、図3に示す如く、第1メカニカルシールM1における第1リテーナ部材24と同様に、先端面(上端面)24a,24eに、第1密封環9の背面9bをOリング27を介して二次シール状態で衝合保持する保持面24bと、第1密封環9と第2リテーナ部材25との対向周面9c,25a間に形成される環状の装填空間28に位置する円環状の押圧面24cとが形成された円筒形状をなすものであるが、次のような本体部分24Aと密封環保持部分24Bとの分離構成されている。すなわち、本体部分24Aは、図3に示す如く、シールケース6にOリング26を介して軸線方向移動可能に内嵌保持され且つ後述する第2リテーナ部材25が取り付けられる円筒形状をなすものであり、図3及び図4に示す如く、上端面部24aの内周側部分には密封環保持部分24Bを嵌合保持する環状凹部24fが形成されている。密封環保持部分24Bは、図4に示す如く、上端面部24eに押圧面24c及び保持面24bを形成した円環状体であり、本体部分24Aの環状凹部24fに軸線方向移動可能に嵌合保持されている。本体部分24Aと密封環保持部分24Bとの嵌合部分において、両部分24A,24Bの対向周面間にはこれを軸線方向に相対移動可能な状態で二次シールするOリング30が装填されると共に軸線方向における両部分24A,24Bの対向端面24g,24h間には被密封流体が侵入しうるようになっている。両部分24A,24Bは、本体部分24Aに突設した係止ピン31を密封環保持部分24Bの基端面(下端面)24hに形成した凹部に係合させることにより、軸線方向の相対移動が許容される状態で相対回転が阻止されている。なお、密封環保持部分24Bの端面部24eには、図4に示す如く、軸線方向において装填空間28に出没可能な環状凸部24dが突設されており、この環状凸部24dの端面(上端面)を押圧面24cとしている。また、密封環保持部分24Bの端面部24eに突設した係止ピン29を第1密封環9の背面9bに形成した凹部に係合させることにより、両者9,24の相対回転が阻止されている。
第2リテーナ部材25は、図1又は図3に示す如く、内周面25aを第1密封環9の外径より大径とする円環状体であり、適当数の締付ボルト32により第1リテーナ部材24(第2メカニカルシールM2にあっては本体部分24A)に軸線方向に締め付け可能に取り付けられている。第2リテーナ部材25の内周面25aには、第1リテーナ部材24(第2メカニカルシールM2にあっては本体部分24A)に形成され押圧面24cに軸線方向に対向する環状の係止面25bが形成されている。係止面25bは、押圧面24cから離間する方向に漸次縮径する裁頭円錐面たるカム面に構成されている。
緊縛体8は、図1又は図3に示す如く、ゴム,合成樹脂等の非圧縮性弾性材で構成された環状部材であり、前記装填空間28に押圧面24cと係止面25bとの間に挟圧された状態で装填されていて、その弾性力により、第1密封環9を、図5に示す如く、円弧状セグメント13,14の端面13a,14aが衝合する環状形態に緊縛している。第1メカニカルシールM1では緊縛体8が単一の環状部材で構成されており、第2メカニカルシールM2では緊縛体8が複数の環状部材8aで構成されている。すなわち、第1メカニカルシールM1においては、図1及び図2に示す如く、緊縛体8として、第1密封環9と第2リテーナ部材25との対向周面9c,25a並びに押圧面24c及び係止面25bで囲繞形成される空間形状に対応する断面形状に成形された一つの環状弾性部材又は当該断面形状に圧縮変形可能な一つの環状弾性部材が使用されている。また、第2メカニカルシールM1においては、図3及び図4に示す如く、緊縛体8として、軸線方向に並列する複数(図示の例では3個)の環状弾性部材(例えば、Oリング又はこれに類する環状の弾性リング)8aを使用し、これらの弾性部材8aが全体として上記断面形状となるように圧縮変形させるようにしている。
以上のように構成された第1又は第2メカニカルシールM1,M2にあっては、第2リテーナ部材25を第1リテーナ部材24(第2メカニカルシールM2にあっては第1リテーナ部材24の本体部分24A)に取り付ける締付ボルト32を締め付けると、押圧面24cと係止面25bとが近接方向に相対変位して、装填空間28に装填された緊縛体8(第2メカニカルシールM2にあっては弾性部材群8a)が軸線方向に圧縮変形されて、径方向における第1密封環9の外周面9cへの圧接力が増大し、第1密封環9が緊縛体8又は弾性部材群8aの弾性力によって緊縛される。
したがって、締付ボルト32の締め付け量を調整することによって、第1密封環9が円弧状セグメント13,14の端面13a,14aが適正に衝合された環状形態に緊縛保持されることなる。このとき、円弧状セグメント13,14の緊縛が緊縛体8又は弾性部材群8aの弾性力によって行われることから、冒頭で述べた従来メカニカルシールのように金属製のリテーナで直接的に緊縛させた場合と異なって、円弧状セグメント13,14が変形することがなく、第1密封環9の密封端面9aに歪が生じることもない。
また、係止面25bを上記した如くテーパ状(裁頭円錐状)のカム面としておくことにより、押圧面24cと係止面25bとで緊縛体8又は弾性部材群8aを軸線方向に圧縮した場合に、緊縛体8又は弾性部材8aの内周方向への弾性変形を促進させることができ、緊縛体8又は弾性部材群8aによる第1密封環9の緊縛をより効果的に行うことができる。
また、第2メカニカルシールM2にあっては、図4に示す如く、第1リテーナ部材24の本体部分24Aと密封環保持部分24Bとの対向端面24g,24h間に被密封流体が侵入して、その圧力(背圧)Pにより、密封環保持部分24Bには押圧面24cを係止面25bに近接させる方向へ相対変位させる軸線方向力が作用して、緊縛体8たる弾性部材群8aを軸線方向に圧縮することになる。この軸線方向力による弾性部材群8aの圧縮度は、被密封流体の圧力Pに比例する。したがって、被密封流体の圧力Pに応じた第1密封環9の緊縛力が得られることになり、円弧状セグメント13,14の端面13a,14aの衝合力が第1密封環9の内圧(第1密封環9の内周面に作用する被密封流体の圧力P)に応じたものとなり、被密封流体領域Sの圧力条件(圧力変動等)に拘わらず、常に、円弧状セグメント13,14の端面13a,14aが適正圧で衝合することになり、第1密封環9の内圧によってセグメント端面13a,14a間が開いて漏れを生じたり、逆に第1密封環9の緊縛力が必要以上に高くなって密封端面9aに歪が生じたりするようなことがない。
したがって、第1及び第2メカニカルシールM1,M2によれば、冒頭で述べたような摺り合わせ作業や馴染み運転を必要とすることなく、当該メカニカルシールM1,M2の組み立てやメンテナンスを容易且つ経済的に効率よく行うことができ、第1密封環9をその密封端面9aに歪を生じることなく適正な環状形態に緊縛保持して、良好なメカニカルシール機能を発揮することができる。
なお、本発明は上記した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において、適宜に改良,変更することができる。
例えば、緊縛体8は、図1及び図2に示す如き単一の環状弾性部材で構成しても、図3及び図4に示す如き複数の環状弾性部材8aで構成しても、何れでもよく、更には、周方向の一箇所又は複数箇所が切離されたものでもよい。例えば、緊縛体8又は各弾性部材8aを、一箇所が切離されたC字形状部材又は複数の円弧状部材を環状にして装填空間28に装填させる。緊縛体8又は弾性部材8aの構成材としては、ゴム,合成樹脂等の非圧縮性弾性材を使用することが好ましいが、第1密封環9を弾性力により緊縛できるものであれば非圧縮性弾性材に限定されない。
また、上記した例では、係止面25bを押圧面24cから離間する方向に漸次縮径する裁頭円錐状のカム面に構成したが、逆に、押圧面24cを係止面25bから離間する方向に漸次縮径する裁頭円錐状のカム面に構成しても、更には両面24c,25bの何れをもカム面に構成することも可能である。また、図6に示す如く、押圧面24c及び係止面25bの何れもカム面とせず、軸線に直交する非カム面としておくことも可能である。
また、本発明は、第2密封環10も第1密封環9と同様に分割形とした分割型メカニカルシールにも適用することができる。
第1メカニカルシールを示す縦断正面図である。 図1の要部の拡大図である 第2メカニカルシールを示す縦断正面図である。 図3の要部の拡大図である。 図1又は図3のV−V線に沿う横断平面図である。 第2メカニカルシールの変形例を示す図4相当の縦断正面図である。 第1メカニカルシールを装備した立軸斜流ポンプの一例を示す縦断正面図である。 第2メカニカルシールを装備した立軸斜流ポンプの一例を示す縦断正面図である。
符号の説明
6 シールケース
7 リテーナ
8 緊縛体
8a 弾性部材
9 第1密封環
9a 第1密封環の密封端面
9b 第1密封環の基端面(背面)
9c 第1密封環の外周面
10 第2密封環
10a 第2密封環の密封端面
24 第1リテーナ部材
24A 本体部分
24B 密封環保持部分
24c 押圧面
24g 本体部分と密封環保持部分との対向端面
24h 本体部分と密封環保持部分との対向端面
25 第2リテーナ部材
25a 第2リテーナ部材の内周面
25b 係止面
A 非密封流体領域(大気領域)
M1 第1メカニカルシール
M2 第2メカニカルシール
S 被密封流体領域

Claims (6)

  1. シールケース側の第1密封環が周方向に分割されると共にその分割面が衝合する環状形態にリテーナに内嵌保持されており、この第1密封環と回転軸側の第2密封環との対向端面である密封端面の相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分の内周側領域である被密封流体領域と外周側領域である非密封流体領域とを遮蔽シールするように構成された分割型メカニカルシールにおいて、
    第1密封環が、これとリテーナとの対向周面間に装填させた弾性材製緊縛体の弾性力により、環状形態に緊縛保持されていることを特徴とする分割型メカニカルシール。
  2. リテーナがシールケースに保持された円筒状の第1リテーナ部材とこれに軸線方向に締め付け可能に取り付けられて第1密封環を内嵌保持する円環状の第2リテーナ部材とからなり、第1リテーナ部材の先端面には第1密封環の基端面を二次シール状態で衝合保持する円環状の保持面及び第1密封環と第2リテーナ部材との対向周面間に形成される環状の装填空間に位置する円環状の押圧面が形成されており、第2リテーナ部材の内周面には装填空間内において前記押圧面に対向する環状の係止面が形成されており、緊縛体が、これを押圧面と係止面とで挟圧した状態で、装填空間に装填されていることを特徴とする、請求項1に記載する分割型メカニカルシール。
  3. 前記押圧面及び係止面の少なくとも一方が、相手面たる押圧面又は係止面から離間する方向に漸次縮径する裁頭円錐面たるカム面に構成されていることを特徴とする、請求項2に記載する分割形メカニカルシール。
  4. 第1リテーナ部材が、シールケースに保持され且つ第2リテーナ部材が取り付けられる円筒状の本体部分と、前記保持面及び押圧面を有する円環状部分であって本体部分に軸線方向に相対移動可能に内嵌保持された密封環保持部分とに分離構成されており、軸線方向において本体部分と密封環保持部分との対向端面間に侵入する被密封流体の圧力により、密封環保持部分に、押圧面を係止面に近接させる方向へ相対変位させる軸線方向力が作用するように構成したことを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載する分割型メカニカルシール。
  5. 緊縛体が非圧縮性弾性材からなるものであることを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載する分割型メカニカルシール。
  6. 緊縛体が、第1密封環の軸線方向に並列する複数の弾性部材で構成されていることを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載する分割型メカニカルシール。
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