JP2018079717A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用空調装置において車室内への送風量を増加させつつ温度センサ設置部へ十分な送風を行うと共に、アスピレータに取り込まれた空気を乗員の快適性を低下させることなく排出する。【解決手段】車両用空調装置10を構成する空調ケース14には、エバポレータ18の上流側となる通路12と連通するようにアスピレータ24が設けられ、そのボディ46には、内部に取り込まれた空気を排出する導出部52が形成される。この導出部52には、空気を排出するための第2配管58が接続され、その下流側端部58aが車室外まで延在して開放されている。【選択図】図1
Description
本発明は、車両に搭載される車両用空調装置に関し、一層詳細には、車室内温度を検出する温度センサ設置部へと車室内の空気を導くためのアスピレータを有した車両用空調装置に関する。
従来から、車両に搭載される車両用空調装置は、車室内の温度を検出する温度センサを備え、この温度センサの設置部位に車室内の空気を導くためのアスピレータが設けられている。このアスピレータは、ケース本体の幅方向に沿った側壁に設置され、車室内の空気を二次空気として温度センサの設置部位へと吸引するノズルと、該ノズルの外周を取り囲むように空気流路を形成する本体と、空調ケースの内部を流通する空気の一部を一次空気として前記本体の内部へと取り込む一次空気導入部とからなる。
そして、車両用空調装置におけるケース本体内を流れる空気の一部をアスピレータの一次空気導入部へ導入することで、ベンチュリー効果によりノズルを通じて車室内の空気を二次空気として温度センサの設置部位へと吸引して車室内の空気温度を検出している。また、アスピレータへ導入された空気は車室内へと排出される。
近年、上述したような車両用空調装置では、車室内への送風量をより増加させることを目的として通気抵抗の低減が図られており、このような通気抵抗の低減に伴ってケース本体内の圧力が低下し、アスピレータによって車室内の空気を十分な流量で吸引できないという問題がある。
上述した課題の対策として、ケース本体内において比較的内圧の高い箇所から空気を取り込んで一次空気として利用することが考えられる。しかしながら、ケース本体内におけるエバポレータの上流側の内圧が比較的高いものの、この上流側の空気は温度調整がなされていないため、アスピレータで使用した後にそのまま車室内へ排出した場合、車室内温度を変化させてしまい乗員の快適性を低下させてしまうという問題がある。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、車室内への送風量を増加させつつ温度センサ設置部へ十分な送風を行うと共に、アスピレータに取り込まれた空気を乗員の快適性を低下させることなく排出することが可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、空気の流通する流路及び送風口を有した空調ケースと、空調ケースの内部に設けられ空気を冷却するエバポレータと、空調ケースに設けられ車室内の空気を取り込んで温度センサ設置部へと供給するアスピレータとを有した車両用空調装置において、
アスピレータが、空調ケースにおけるエバポレータの上流側で流路と連通するように設けられると共に、その内部に取り込まれた空気を排出する導出部が車室外と連通することを特徴とする。
アスピレータが、空調ケースにおけるエバポレータの上流側で流路と連通するように設けられると共に、その内部に取り込まれた空気を排出する導出部が車室外と連通することを特徴とする。
本発明によれば、車両用空調装置を構成する空調ケースには、車室内の空気を取り込んで温度センサ設置部へと供給するアスピレータが設けられ、このアスピレータが、空調ケースにおけるエバポレータの上流側において流路と連通するように設けられると共に、その内部に取り込まれた空気を排出する導出部が車室外と連通している。
従って、例えば、空調ケース内の通気抵抗を低減させるために低圧損化させ内圧が低い場合でも、エバポレータの上流側で比較的内圧の高い空気をアスピレータへと導入することで車室内の空気(内気)を十分な流量で取り込み、温度センサ設置部へと十分に送風を行うことができる。また、導出部からの空気を車室外へと排出することで、エバポレータの上流側から取り込まれ温度調整のなされていない空気が車室内へ排出されることが防止され、乗員の快適性を確保することができる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、車両用空調装置を構成する空調ケースに、車室内の空気を取り込んで温度センサ設置部へと供給するアスピレータを設け、このアスピレータを、空調ケースにおけるエバポレータの上流側において流路と連通するように設けることで、空調ケース内の通気抵抗を低減させるために低圧損化させ内圧が低い場合でも、エバポレータの上流側で比較的内圧の高い空気をアスピレータへと導入し、車室内の空気(内気)を十分な流量で取り込むことで温度センサ設置部へと十分な送風を行うことができる。また、アスピレータに取り込まれた空気を排出する導出部を車室外と連通させることで、導出部からの空気を車室外へと排出できるため、空調ケースから取り込まれ温度調整のなされていない空気が車室内へ排出されることが防止され、乗員の快適性が低下してしまうことがない。
本発明に係る車両用空調装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係る車両用空調装置を示す。
この車両用空調装置10は、図1に示されるように、空気の各通路(流路)12を構成する空調ケース14と、該空調ケース14の内部に配設される送風機16と、前記空気を冷却するエバポレータ18と、該空気を加熱するヒータコア20と、前記各通路12内を流通する空気の流れを切り換えるダンパ機構22と、前記空調ケース14に設けられ車室内の空気を吸引するためのアスピレータ24とを含む。なお、空調ケース14の側部には、外気・内気を取り込むための内外気切替ユニット(図示せず)が連結されている。
空調ケース14は、例えば、略対称形状の分割ケース26a、26bから構成され、その上方には、乗員の顔近傍に送風を行うベント送風口(送風口)28と、車両のフロントウィンドウ近傍に送風を行うデフロスタ送風口(送風口)30とが隣接して開口している。また、空調ケース14における車両後方側(矢印A方向)の壁部には、車室内における乗員の足元近傍へ送風するヒート送風口32が開口している。
一方、空調ケース14の内部には、車両用空調装置10を車両に搭載した際に車両前方側(矢印B方向)となる位置に送風機16が収納され、該送風機16の下方にエバポレータ18が収納されると共に、前記エバポレータ18に対して車両後方側(矢印A方向)となる位置にヒータコア20が収納される。
送風機16は、例えば、複数のフィンを有した回転ファン34と、該回転ファン34を回転駆動する駆動モータ36とを有した遠心式ファンである。
そして、図示しないコントローラからの制御信号に基づき駆動モータ36が回転駆動することで、回転ファン34が回転して内外気切替ユニット(図示せず)から取り込まれた空気が空調ケース14側へと導入され通路12へと送出される。
エバポレータ18は、例えば、空調ケース14において送風機16の下方に設けられ、図示しない複数のチューブを通じて冷媒が循環されており、空気が通過することで前記冷媒と熱交換がなされ、冷却された空気がエバポレータ18の下流側へと供給される。
ヒータコア20は、例えば、空調ケース14においてエバポレータ18より車両後方側(矢印A方向)となる下流側に設けられ、図示しない複数のチューブを通じて温水が循環されており、空気が通過することで前記温水と熱交換がなされ、加熱された空気がヒータコア20の下流側へと供給される。
ダンパ機構22は、例えば、エバポレータ18とヒータコア20との間に回動自在に設けられる第1エアミックスダンパ38と、前記エバポレータ18の下流側で前記ヒータコア20の上部に回動自在に設けられる第2エアミックスダンパ40と、ベント送風口28及びデフロスタ送風口30の送風状態を切り替える第1切替ダンパ42と、ヒート送風口32への送風状態を調整する第2切替ダンパ44とを有する。
アスピレータ24は、例えば、一方の分割ケース26aにおける幅方向壁部に設けられ、エバポレータ18の上流側となる通路12と連通するように設けられ、ボディ46と、該ボディ46に接続され空調ケース14内の空気を導く空気導入管(図示せず)とを含む。そして、アスピレータ24は、そのボディ46が空調ケース14の外側に設けられ、前記空気導入管が前記空調ケース14の内部となるように設けられる。
ボディ46は、例えば、本体部48と、該本体部48に接続され車室内の空気(内気)が導入される導入部50と、該本体部48に対して前記導入部50とは反対側に接続され本体部48内に取り込まれた空気の導出される導出部52とを含む。
この導入部50の端部には、例えば、車室内に設置された温度センサSとの間を繋ぐ第1配管54が接続され、その上流側端部には、例えば、車室内前方に設けられたインストルメントパネルに装着される収納部材(温度センサ設置部)56が接続され、該収納部材56に温度センサSが収納されている。すなわち、アスピレータ24は、第1配管54を通じて収納部材56と接続され連通している。
導出部52は、本体部48の他端部に接合され、該本体部48から離間する方向に向かって突出した円筒テーパ状に形成され、その端部には所定長さの第2配管58が接続される。第2配管58は、その下流側端部58aが車室外へと取り出されて開放され、本体部48内に吸い込まれた空気が車室外へと排出される。また、第2配管58は、その形状や長さを変更することで、アスピレータ24を通じて車室外へと排出される空気の流速を適宜調整することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る車両用空調装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
先ず、車室内の室温を低下させる冷房運転を行う場合について説明する。図示しない乗員が車室内において操作レバーを操作して冷房運転を選択することで、該操作レバーの操作に応じて図示しないアクチュエータが駆動し、第1エアミックスダンパ38が回動して全閉状態となると共に、第2エアミックスダンパ40が全開状態となる。
また、同時に、図示しないコントローラからの制御信号に基づき、送風機16の回転ファン34が回転することにより、空調ケース14内へと吸い込まれた空気が通路12に沿って下方へと流通した後、エバポレータ18を通過することで熱交換され所定温度に冷却される。
そして、冷却された空気は、ヒータコア20側へと流れることなく上方に向かって流通した後、第1切替ダンパ42の切替作用下に開口しているベント送風口28を通じて車室内における乗員の顔近傍へと送風される。
次に、車室内における乗員の足元近傍へ温風を送風する暖房運転を行う場合には、図示しない操作レバーの操作に伴って第1エアミックスダンパ38が全開状態となり、第2エアミックスダンパ40が回動して全閉状態となる。
そして、送風機16から送風されエバポレータ18を通過することで冷却された空気は、ヒータコア20を通過することで所定温度に加熱され、第2切替ダンパ44によって開放されたヒート送風口32から車室内へと供給される。
上述したように車両用空調装置10を冷房運転や暖房運転させた際、送風機16から空調ケース14へと供給された空気の一部が、エバポレータ18の上流側において、アスピレータ24の空気導入管(図示しない)から取り込まれ本体部48の内部を通じて導出部52へと流れることで、ベンチュリー効果によって前記本体部48の内部で負圧が生じる。そして、この負圧の発生によって導入部50及び第1配管54の空気が吸引され、それに伴って、収納部材56の設置された車室内の空気がアスピレータ24におけるボディ46の内部へと吸い込まれる。
これにより、車室内の空気が収納部材56から第1配管54を通じてアスピレータ24へと吸い込まれる際、温度センサSを通過する空気の温度(車室内温度)が検出され図示しないコントローラへと出力される。
また、ボディ46の内部に取り込まれた車室内の空気及び空調ケース14から取り込まれた空気は導出部52から第2配管58を通じて車室外へと排出される。そのため、エバポレータ18の上流側から取り込まれた温度調整のなされていない空気であっても車室内へと排出されることがなく、車室内温度の変化を招くことがないため乗員の快適性低下が回避される。
以上のように、本実施の形態では、車両用空調装置10を構成する空調ケース14において、エバポレータ18の上流側となる通路12と連通するようにアスピレータ24を設けることで、例えば、空調ケース14内の通気抵抗を低減させるために低圧損化させ内圧が低い場合でも、エバポレータ18の上流側である比較的内圧の高い空気をアスピレータ24へと導入することで、第1配管54を通じて車室内の空気(内気)を十分な流量で取り込んで温度センサSの設置部位に十分な送風を行って車室内の温度を検出することができる。
また、アスピレータ24から空気を排出する導出部52に第2配管58を接続し、その下流側端部58aを車室外まで延ばすことで、エバポレータ18の上流側から取り込まれ温度調整のなされていない空気を車室外へと排出することができる。そのため、温度調整のなされていない空気が車室内へと排出され車室内温度の変化を招くことが回避され、乗員の快適性を確保することができる。
さらに、導出部52に接続される第2配管58の長さや形状を変更することで、前記導出部52を通じて車室外へと排出される空気の流速を自在に調整することが可能となり、それに伴って、第1配管54を通じて温度センサSを通過する車室内の空気の流速を調整可能となる。例えば、温度センサS側へと吸い込まれる空気の流速を低下させる場合には、通気抵抗が大きくなるように第2配管58の長さを長くしたり形状を複雑にするとよい。
さらにまた、アスピレータ24を有した車両用空調装置10に対し、排出される空気を車室外まで導く第2配管58を追加するという簡素な構成で、上述した効果を容易に実現することができる。
また、アスピレータ24をエバポレータ18の上流側と連通するように設けることで、第1及び第2エアミックスダンパ38、40によって温度調整のなされた下流側の通気抵抗が低減されるため、その送風量を増加させることができる。
なお、本発明に係る車両用空調装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…車両用空調装置 14…空調ケース
16…送風機 18…エバポレータ
24…アスピレータ 26a、26b…分割ケース
46…ボディ 52…導出部
54…第1配管 56…収納部材
58…第2配管 S…温度センサ
16…送風機 18…エバポレータ
24…アスピレータ 26a、26b…分割ケース
46…ボディ 52…導出部
54…第1配管 56…収納部材
58…第2配管 S…温度センサ
Claims (1)
- 空気の流通する流路及び送風口を有した空調ケースと、該空調ケースの内部に設けられ前記空気を冷却するエバポレータと、前記空調ケースに設けられ車室内の空気を取り込んで温度センサ設置部へと供給するアスピレータとを有した車両用空調装置において、
前記アスピレータが、前記空調ケースにおける前記エバポレータの上流側で前記流路と連通するように設けられると共に、その内部に取り込まれた空気を排出する導出部が車室外と連通することを特徴とする車両用空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016221319A JP2018079717A (ja) | 2016-11-14 | 2016-11-14 | 車両用空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016221319A JP2018079717A (ja) | 2016-11-14 | 2016-11-14 | 車両用空調装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018079717A true JP2018079717A (ja) | 2018-05-24 |
Family
ID=62198014
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016221319A Pending JP2018079717A (ja) | 2016-11-14 | 2016-11-14 | 車両用空調装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018079717A (ja) |
-
2016
- 2016-11-14 JP JP2016221319A patent/JP2018079717A/ja active Pending
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