JP2018078260A - 窒化アルミニウム単結晶基板及び、該単結晶基板の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム単結晶基板及び、該単結晶基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 紫外発光素子の性能のバラつきを抑制し、歩留まり良く紫外発光素子を製造するための窒化アルミニウム単結晶基板及び該単結晶基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 結晶成長法にて得られた窒化アルミニウム単結晶基板であって、該単結晶基板における結晶成長面及び該結晶成長面の裏面の白色干渉顕微鏡により測定した表面粗さRaが100nm以下であり、且つ該結晶成長面、及び該単結晶基板における結晶格子面の曲率半径が15m以上である窒化アルミニウム単結晶基板を提供する。上記基板は、結晶成長法にて窒化アルミニウム単結晶基板を製造した後、該単結晶基板における結晶成長面及び該結晶成長面の裏面の両方を研削した後に、該両面の表面粗さRaが100nm以下となるまで研磨することで製造できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、発光ダイオード(LED)などの紫外デバイスの製造に用いる窒化アルミニウム単結晶基板及び該単結晶基板の製造方法に関する。特に、紫外発光素子の性能のバラつきを抑制し、歩留まり良く紫外発光素子を製造するための窒化アルミニウム単結晶基板及び該単結晶基板の製造方法に関する。
アルミニウム(Al)を含むIII族窒化物半導体(AlGaInN、X+Y+Z=1、0<X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1)は、波長200nmから360nmに相当する紫外領域において直接遷移型のバンド構造を持つため、高効率な紫外発光素子の作製が可能である。このようなIII族窒化物半導体デバイスは、有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、もしくはハイドライド気相エピタキシー(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)法等の気相成長法によって、単結晶基板上にIII族窒化物半導体薄膜を結晶成長させることにより製造される。中でも、MOCVD法は、原子層レベルでの膜厚制御が可能であり、また比較的高い成長速度が得られることから、工業的には現在最も多く用いられている手法である。
また、III族窒化物半導体薄膜を結晶成長させる単結晶基板としては、公知の結晶成長方法で得られたGaNやAlN等のIII族窒化物単結晶基板が用いられている。特に高効率な紫外デバイスを得るためには、基板による紫外線の吸収を抑える必要があり、紫外光に対する高い透過性を有するIII族窒化物単結晶基板の製造方法として、HVPE法によるIII族窒化物単結晶基板の製造方法がこれまでに提案されている(特許文献1又は2参照)。
特許第3803788号 特開2016−094337号公報
このようなIII族窒化物半導体に用いられるIII族窒化物単結晶基板は、上記方法によって、III族窒化物単結晶層を製造した後、通常該単結晶層の凹凸の低減、及び厚み調整のために両面の研削等の加工が行われた後、n型層、活性層、p型層等のIII族窒化物半導体薄膜を結晶成長させる面(以下、「結晶成長面」とも言う)をコロイダルシリカ等の研磨剤を用いた化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Planarization)法等により超平坦な面に加工される。このように、結晶成長面を超平坦な面とすることによって、当該基板上にIII族窒化物半導体薄膜を容易に積層することができ、高品質のものを得ることができる。さらに、III族窒化物半導体薄膜を結晶成長させて得られたIII族窒化物半導体ウエハーは、該ウエハーを切断することで紫外発光素子を得ることができる。
しかしながら、本発明者らが、上記結晶成長面の研磨を施したIII族窒化物単結晶基板を用いて紫外発光素子を製造したところ、得られた各紫外発光素子の性能のバラつきが大きい場合が生じ、歩留まり良く紫外発光素子を得られない場合が生じるという課題があることが判明した。特にIII族窒化物単結晶基板として窒化アルミニウム(AlN)単結晶を用いた際の上記バラつきが大きく、歩留まり良く紫外発光素子を製造するという観点で課題があることが判明した。
従って、本発明の目的は紫外発光素子の性能のバラつきを抑制し、歩留まり良く紫外発光素子を製造するための窒化アルミニウム単結晶基板及び該単結晶基板を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討を行った。上記結晶成長面のみに研磨加工を施した窒化アルミニウム(AlN)単結晶基板を分析したところ、結晶格子面および基板面の湾曲が大きい基板があることが判明した。そして結晶格子面および基板面の湾曲が大きい基板を用いて、当該基板上にIII族窒化物半導体薄膜を結晶成長させて、III族窒化物半導体ウエハーを作製し、該ウエハーを切断して、紫外発光素子を作製したところ、作製した紫外発光素子における外部量子効率(EQE)のばらつきが大きく、また、EQEの平均値も低いことが判明した。
上記知見を基に本発明者らは、紫外発光素子のEQEのばらつきが小さく、EQEの平均値が高い紫外デバイスを得るための窒化アルミニウム単結晶基板の製造方法について鋭意検討した。その結果、窒化アルミニウム単結晶基板の結晶成長面のみならず、結晶成長面の裏面も超平坦な面に研磨することで結晶格子面および基板面の湾曲が低減することを見出した。ここで六方晶系のウルツ鉱型構造をとる窒化アルミニウム単結晶基板の結晶格子面にはc面、m面、a面、r面等があり、結晶格子面に垂直な軸を結晶軸とよぶ。結晶格子面に湾曲があるということは曲がりがあることを示す。一方、基板面の湾曲とは基板の最表面の湾曲を示す。さらに、窒化アルミニウム単結晶基板の上記両面を研磨した基板上にIII族窒化物半導体薄膜を結晶成長させ、紫外発光素子を作製したところ、EQEのばらつきおよびEQEの平均値が大きく改善することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第一の本発明は、結晶成長法にて得られた窒化アルミニウム単結晶基板であって、該単結晶基板における結晶成長面及び該結晶成長面の裏面の白色干渉顕微鏡により測定した表面粗さRaが100nm以下であり、且つ該結晶成長面、及び該単結晶基板における結晶格子面の曲率半径が15m以上である窒化アルミニウム単結晶基板である。上記本発明の窒化アルミニウム単結晶基板においては、波長265nmの光の直線透過率が50%以上であることが好ましい。さらに、窒化アルミニウム単結晶基板における結晶成長面がAl極性面であることが好ましい。
また、第二の本発明は、結晶成長法にて窒化アルミニウム単結晶基板を製造した後、該単結晶基板における結晶成長面及び該結晶成長面の裏面の両方を研削した後に、該両面の白色干渉顕微鏡により測定した表面粗さRaが100nm以下となるまで研磨することを特徴とする窒化アルミニウム単結晶基板の製造方法である。上記本発明の窒化アルミニウム単結晶基板の製造方法においては、下地基板上に結晶成長法にて窒化アルミニウム単結晶基板を製造することが好ましい。
さらに第三の本発明は、上記窒化アルミニウム単結晶基板上に発光素子層が積層された紫外発光デバイスである。
本発明によれば、結晶成長法によって得られた窒化アルミニウム単結晶基板に対して、窒化物半導体薄膜を結晶成長させる結晶成長面のみならず、該結晶成長面と反対側の面も研磨することで、結晶成長面及び該結晶成長面の裏面の表面粗さRaが100nm以下であり、且つ該結晶成長面、及び該単結晶基板における結晶格子面の曲率半径が15m以上の湾曲の小さい窒化アルミニウム単結晶基板を製造することができる。このような結晶格子面および基板面の湾曲が小さい窒化アルミニウム単結晶基板上にIII族窒化物半導体薄膜を結晶成長させ、紫外デバイスを作製することにより、EQEの面内のばらつきが小さく、平均値が高い紫外デバイスを得ることができる。
本発明の窒化アルミニウム単結晶基板の一例を示す概略図である。 本発明の窒化アルミニウム単結晶基板の他の一例を示す概略図である。 上面から見た紫外発光素子ウエハーの概略図 本発明の窒化アルミニウム単結晶基板を用いた紫外発光素子の概略図
(III族窒化物単結晶基板)
本発明のIII族窒化物単結晶基板は、結晶成長法にて得られた窒化アルミニウム単結晶基板であって、該単結晶基板における結晶成長面及び該結晶成長面の裏面の白色干渉顕微鏡により測定した表面粗さRaが100nm以下であり、且つ該結晶成長面、及び該単結晶基板における結晶格子面(以下、単に「結晶格子面」とも言う)の曲率半径が15m以上であることが特徴である。本発明の窒化アルミニウム単結晶基板の結晶成長面とは、結晶成長法にて窒化アルミニウム単結晶が積層される面を示すものである。図1は、本発明の窒化アルミニウム単結晶基板を示す概略図であるが、図1において窒化アルミニウム単結晶基板1にける12が結晶成長面に、13が結晶成長面の裏面に該当する。また、本発明の窒化アルミニウム単結晶基板は、窒化アルミニウム単結晶である下地基板上に結晶成長法にてさらに窒化アルミニウム単結晶を成長させた場合も含まれる。この場合には、複数の窒化アルミニウム単結晶層を有する窒化アルミニウム単結晶基板となる。図2は窒化アルミニウム単結晶である下地基板14上に結晶成長法にて窒化アルミニウム単結晶11を成長させた窒化アルミニウム単結晶基板を示す概略図であるが、この場合における12が結晶成長面に、13が結晶成長面の裏面に該当する。窒化アルミニウム単結晶基板における上記結晶成長面上にIII族窒化物半導体薄膜を結晶成長させ、紫外デバイスが製造されるが、このような曲率半径を有する湾曲の小さい窒化アルミニウム単結晶基板を用いることで、該発光素子層を均一に積層させることが可能である。このため、上記発光素子層を積層させたウエハーにおける外部量子効率(EQE)の面内のばらつきを抑制させることができ、該ウエハーから切断された紫外発光素子の品質のばらつきが抑制され、歩留まり良く紫外発光素子を製造することが可能となる。
特にIII族窒化物単結晶基板として窒化アルミニウム単結晶基板を用いる場合には、結晶軸の曲がりや結晶成長面最表面の湾曲による応力や欠陥の発生により、積層される発光素子層内にも応力や欠陥が生じることから、積層される発光素子層の面内のバラつきが大きくなる傾向にある。従って本発明の窒化アルミニウム単結晶基板を用いることにより、高性能の紫外発光素子を歩留まり良く製造することが可能である。
なお、本発明の窒化アルミニウム単結晶基板における結晶成長面、及び結晶格子面の曲率半径は、以下の方法により求めることができる。すなわち、結晶格子面の曲率半径は、結晶成長面内の異なる2点において測定したAlN(002)面のX線ロッキングカーブのピーク位置から計算する。具体的には、薄膜X線回折装置を用いて基板面内の異なる2点の場所においてX線ロッキングカーブを測定した後、2点間の距離をΔx、2点間の回折ピーク位置の差をΔωとした場合、曲率半径RはΔx/Δωにより計算される。一方、結晶成長面の曲率半径は、白色干渉顕微鏡等を用いて測定された結晶成長面最表面の最大高さと最小高さの差と直径から球形近似の仮定のもとで算出される。具体的には、白色干渉顕微鏡を用い、50倍の倍率で該基板の高さ情報を取得し、面内の高さ分布より、球形近似の仮定のもとで該基板の曲率半径を算出する。
上記窒化アルミニウム単結晶基板は、上に凸状(すなわち結晶成長面が凸)になる場合と、下に凸状(すなわち結晶成長面が凹)になる場合があるが、本発明においては、上に凸の状態をプラスの曲率半径、下に凸となる状態をマイナスの曲率半径とした。従って、本発明の窒化アルミニウム単結晶基板の結晶成長面、及び結晶格子面の曲率半径は、±15m以上である。上記結晶成長面、及び結晶格子面の曲率半径が、正の値であっても、負の値であっても、値が大きいほうが湾曲が小さいと判断でき好ましいが、工業的に効率的に製造できるとの観点から、上記曲率半径は、±20m以上であることが特に好適である。なお、結晶成長面の曲率半径の上限としては、後述する研磨を精細に行えば大きくすることができるが、工業的な生産性の観点から数百〜1000m程度である。また、上記結晶格子面の上限は、結晶成長条件によるが、通常100m以下程度である。
また、本発明の窒化アルミニウム単結晶基板における結晶成長面及び該結晶成長面の裏面の表面粗さRaは、小さいほど該表面が平坦となり、発光素子層が均一に積層させることが可能であるため好ましい。特に、基板内の応力低減、積層される発光素子層内の欠陥低減の観点から結晶成長面及び結晶成長面の裏面の表面粗さが100nm以下であることが好ましい。結晶成長面に関しては、積層される発光素子層内の欠陥低減のため、より好ましくは2nm以下、さらに好ましくは0.5nm以下である。また、結晶成長面の裏面に関しては、より好ましくは10nm以下、さらに好ましくは5nm以下である。なお、表面粗さの下限としては、後述する研磨条件により異なり、研磨を精細に行うほど小さくすることができるが、工業的な生産性の観点から結晶成長面で0.06nm、結晶成長面の裏面で1nm程度である。
本発明の窒化アルミニウム単結晶基板は、紫外発光素子を製造する際の基板として用いるものであり、該発光素子における発光効率の観点から、紫外光に対する透過性を有するものが好ましい。具体的には、波長265nmの光の直線透過率が50%以上であることが好ましく、更に好ましくは60%以上である。なお、上記直線透過率の上限は100%であるが、工業的な生産の容易性や直線透過率の理論限界などを考慮すると72%である。
また、本発明の窒化アルミニウム単結晶基板の厚さは一般的に1000μm以下で基板のコストの観点から薄いほうがより好ましいが、取り扱い上の観点から100μm以上が好ましい。
一般的に発光素子層の形成には、c面の露出した窒化アルミニウム単結晶基板を使用し、結晶成長面はAl極性面、結晶成長面結の裏面がN極性面であることが好ましい。Al極性面はN極性面と比べて耐薬品性が高く、発光素子層の形成に使用するガスに対して安定で積層された薄膜に欠陥が生じにくいという特徴があるためである。
(窒化アルミニウム単結晶基板の製造方法)
上記、本発明の窒化アルミニウム単結晶基板は、結晶成長法にて窒化アルミニウム単結晶基板を製造した後、該単結晶基板における結晶成長面及び結晶成長面の裏面の両方を研削した後に、該結晶成長面及び結晶成長面の裏面の白色干渉顕微鏡により測定した表面粗さRaが100nm以下となるまで研磨することによって製造することができる。
上記窒化アルミニウム単結晶を製造する結晶成長法としては、公知の結晶成長法を採用することができる。かかる結晶成長法として具体的には、昇華法、MOCVD法、HVPE(Hydride Vapor PhaseEpitaxy)法等が挙げられる。上記結晶成長法として、MOCVD法やHVPE法を用いる場合には、均質で膜厚の大きい窒化アルミニウム単結晶層を製造しやすいことから、下地基板を用いて該基板上に窒化アルミニウム単結晶層を成長させることが好ましい。以下、下地基板上に結晶成長法にて窒化アルミニウム単結晶基板を製造する場合を例として本発明の窒化アルミニウム単結晶基板の製造方法について詳述する。
(下地基板)
本発明の製造方法で用いられる下地基板としては、窒化アルミニウム単結晶層が結晶成長できる下地基板であれば、特に制限されず、窒化アルミニウム単結晶を下地基板として用いても良いし、異種基板を下地基板として用いても良いが、均質で膜厚の大きい窒化アルミニウム単結晶層を成長させる観点から、下地基板として窒化アルミニウム単結晶基板を用いることが好ましい。下地基板としての窒化アルミニウム単結晶基板としては、昇華法やHVPE(Hydride Vapor PhaseEpitaxy)法など、公知の方法で製造された窒化アルミニウム単結晶基板を使用することができる。下地基板としては、欠陥が少なく(例えば転位密度が10cm−2以下)、厚みが100μm以上1000μm以下で、結晶成長面が2nm以下にまで平坦に研磨されていることが好ましい。下地基板自体の波長265nmの光の直線透過率については、積層された窒化アルミニウム単結晶基板の直線透過率への影響がなく、積層後に研削等で除去すれば良いので、低くてもよい。下地基板として用いた窒化アルミニウム単結晶の波長265nmの光の直線透過率が十分に高い場合には、該下地基板上に窒化アルミニウム単結晶層が積層された積層体自体を本発明の窒化アルミニウム単結晶基板として用いることができる。
(窒化アルミニウム単結晶基板の製造)
本発明の製造方法では、上記下地基板上に結晶成長法にて窒化アルミニウム単結晶基板を積層させる。窒化アルミニウム単結晶基板を積層させる方法としては、公知の方法、例えば特許文献1に記載されているHVPE法や、昇華法等の結晶成長方法で製造されたものを使用することができる。これらの結晶成長法の中で、HVPE法は、昇華法と比べると成長速度が遅く、バルク単結晶を製造するには適していないが、深紫外光透過率に悪影響を及ぼす不純物濃度が低いため、紫外発光素子に用いる窒化アルミニウム単結晶基板の結晶成長法として好適である。
HVPE法による窒化アルミニウム単結晶基板の成長は、加熱した下地基板上に原料ガスであるアルミニウム源ガスと、窒素源ガスとを反応器中に供給し、両者のガスを加熱された基板上で反応させることにより行われる。アルミニウム源ガスとしては塩化アルミニウムガス等の、ハロゲン化アルミニウムガスが、窒素源ガスとしてはアンモニアガスが好適に使用される。
上記下地基板の加熱温度、及び、原料ガスであるアルミニウム源ガス、及び窒素源ガスの供給量、供給速度は、結晶成長速度に影響する因子であり、所望する結晶成長速度に応じて適宜決定すれば良いが、通常下地基板の加熱温度を1400℃以上1700℃以下の範囲で、原料ガスであるアルミニウム源ガスの供給量は0.001〜100sccm、及び窒素源ガスの供給量は0.01〜1000sccmの範囲で行えば良い。
(下地基板の除去)
下地基板に波長265nmの光の直線透過率の低い基板を用いた場合、下地基板上に窒化アルミニウム単結晶基板を積層した後、後述する研削により除去し、波長265nmの光の直線透過率が50%以上の部分を残す。なお、本下地基板の除去工程は、後述の発光素子層および電極を形成した後でもよい。
(研削)
上記結晶成長法にて製造した窒化アルミニウム単結晶基板は、結晶成長面及び結晶成長面の裏面の凹凸の低減、厚み調整のために両面の研削を行う。研削方法としては、基板を接着剤等でセラミック等のプレート上に固定し、砥粒が固定された砥石を回転させながら基板表面に当てて削る方法もしくは遊離砥粒を流し金属定盤を回転させながら基板表面を削る方法が挙げられる。研削等の加工で使用する砥粒の形態は、メタルやレジン等に固定化された砥粒および遊離砥粒を特に問わない。また、使用する砥粒は、ダイヤモンド、シリコンカーバイド、ボロンカーバイド等が一般的である。研削に使用する砥粒の粒子径は一般的に1μm以上100μm以下であり、1μm/分以上100μm/分以下の速度で削ればよい。どの程度まで研削するかの目安としては、後述する研磨における研磨条件を勘案して適宜決定すれば良い。例えば、基板の全面が均一に削られ、プレート上に固定した状態で基板の厚みのばらつき(例えば中心部1点と外周部4点の計5点の最大と最小の差)が5μm以下になる程度まで行えば十分である。片面の研削が終了した後、接着剤を除去し、基板を一旦剥して洗浄後、反対側の面を上にして再度貼り付けて研削加工を行う。研削する順番は特に制限されず結晶成長面および結晶成長面の裏面のどちらを先に行ってもよい。
(研磨)
本発明の製造方法では、上記研削を行った窒化アルミニウム単結晶基板に対し、該結晶成長面及び結晶成長面の裏面の白色干渉顕微鏡により測定した表面粗さRaが100nm以下となるまで研磨を行うことが特徴である。一般に研磨とは、研削痕等の荒れによる濁りの見えない程度の鏡面となる加工のことをいう。窒化アルミニウム単結晶基板上に発光素子層を形成する際、通常は、該基板の結晶成長面が、結晶成長面となり、結晶成長面上に発光素子層を積層する。従って、これまでは、発光素子層を均一に積層させるためには、結晶成長面を超平坦に研磨を行えば十分であると考えられてきた。しかしながら、結晶成長面及び結晶成長面の裏面の表面は研削によって、加工ダメージが生じるが、このダメージが、結晶成長面及び結晶成長面の裏面で異なるため、両面の加工によるダメージの差によって、窒化アルミニウム単結晶基板の湾曲が発生する。前述のとおり、片面のみの研磨では、該単結晶基板の湾曲を解消させることができず、結晶軸の曲がりや結晶成長面最表面の湾曲による応力や欠陥の発生により、積層される発光素子層内にも応力や欠陥が生じることから、積層される発光素子層の面内のバラつきが大きくなってしまうものと推測される。従って、窒化アルミニウム単結晶基板の湾曲を解消するためには、該単結晶基板の結晶成長面の裏面の研磨も必要である。さらに基板の結晶成長面の裏面の研磨を行ったとしても、結晶成長面の裏面の表面粗さが十分小さくなるまで行わなければ、基板の湾曲は十分には解消されないことを本願発明者らが見出した。例えば、結晶成長面を化学機械研磨(CMP)法にて原子間力顕微鏡(AFM)により4μm(2μm×2μm)視野範囲を観察した、表面粗さRaが0.1nm程度の超平坦な面となるまで研磨を行った窒化アルミニウム単結晶基板で、該結晶成長面の裏面(すなわち基板面)表面粗さRaが100nm以上の研削面である片面研磨基板の場合、結晶格子面および基板面の曲率半径が±10m以下程度である。
従って、上記本発明の窒化アルミニウム単結晶基板を得るためには、結晶成長面の裏面の白色干渉顕微鏡により測定した表面粗さRaが100nm以下となるまで研磨を行うことが必要である。
本発明の製造方法における研磨方法としては、上記表面粗さまで研磨が可能であれば、発光素子を製造する際に用いる公知の研磨方法を採用することができる。係る研磨方法として具体的には、化学機械研磨(CMP)法、ダイヤモンド砥粒等を用いた機械研磨等が挙げられる。また、結晶成長面及び結晶成長面の裏面の研磨方法として同じ方法を用いても、各々別々の方法を用いても良い。本発明の製造方法における結晶成長面の研磨としては、上記表面粗さまで研磨すればよいが、積層される発光素子層内に欠陥が生じないようにするため、原子間力顕微鏡(AFM)による4μm(2μm×2μm)視野範囲での表面粗さRaが0.1nm程度の超平坦な面とすることが好ましい。従って、上記の研磨方法の中でも、結晶成長面の研磨方法としては、より超平坦な面に研磨が行える点から、CMP法が好適である。
例えば、結晶成長面をAl極性面とし、結晶成長面の裏面をN極性面とした窒化アルミニウム単結晶の研磨を行う場合、結晶成長面としてのAl極性面をCMP法にて研磨を行うことで、原子間力顕微鏡(AFM)による4μm(2μm×2μm)視野範囲での表面粗さRaが0.1nm程度、白色干渉顕微鏡による58800μm(280μm×210μm)視野範囲での表面粗さRaが100nm以下の研磨が可能である。
また、結晶成長面の裏面としてのN極性面の研磨方法としては、CMPのみならず、金属の定盤と粒子径が0.1〜5μm程度のダイヤモンド粒子を用いた機械研磨でも良い。なお、結晶成長面の裏面としてのN極性面は、耐薬品性が低いため、CMP法、機械研磨法ともに原子間力顕微鏡(AFM)による4μm(2μm×2μm)視野範囲での表面粗さRaが1〜5nm程度となる。白色干渉顕微鏡による58800μm(280μm×210μm)視野範囲での表面粗さRaは、100nm以下の研磨が可能である。
CMP法によって研磨する方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができる。具体的には、一次粒子径が20〜80ナノメートルのコロイダルシリカが20〜45質量%入ったpH2〜11のスラリーを滴下した不織布もしくはスウェードタイプのパッドの上で窒化アルミニウム単結晶基板を回転させながら加圧して研磨を行えばよい。
一般的に発光素子層の形成には、c面の露出した窒化アルミニウム単結晶基板を使用するため、結晶成長面がAl極性面、結晶成長面の裏面がN極性面である上記本発明の窒化アルミニウム単結晶基板とした場合、N極性面は耐薬品性が低く、特にアルカリ性の液に触れると表面粗さが大きくなる。そこで結晶成長面の裏面であるN極性面を研磨する際は、酸性もしくは中性の研磨剤を用いることが好ましい。
本発明の製造方法における、結晶成長面及び結晶成長面の裏面の研磨順は、基板を接着剤等でセラミック等のプレート上に固定する際、接触する面に微小な傷が発生する可能性があることから、始めに結晶成長面の裏面の研磨を行い、次いで結晶成長面の研磨を行うことが好ましい。結晶成長面に傷が存在すると、積層される発光素子層内に欠陥が生じるためである。
研磨された基板は、流水で簡易に洗浄後、さらに半導体洗浄として一般的に知られている希釈したフッ化水素酸による洗浄(DHF洗浄)、硫酸と過酸化水素水の混合液による洗浄(SPM洗浄)、塩酸と過酸化水素水の混合液による洗浄(SC−2洗浄)によりコロイダルシリカ研磨剤、金属、有機物等の異物が除去される。
(本発明の窒化アルミニウム単結晶基板を用いた紫外発光素子)
本発明の窒化アルミニウム単結晶基板上にIII族窒化物半導体薄膜で構成される発光素子層を積層させてウエハーを製造し、次いで該ウエハーより紫外発光素子を分離することで、外部量子効率(EQE)のばらつきが小さく、且つEQEの平均値が高い紫外発光素子を得ることができる。以下本発明における紫外発光素子の製造方法について、詳細に説明する。
(発光素子層)
発光素子層は、図4に示すように基板22上に形成され、n型層23、活性層24ならびにp型層25(p型クラッド層およびp型コンタクト層からなる層)がこの順で積層されてなる。
発光素子層を構成する各層は、AlGaInN、X+Y+Z=1、0<X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1で構成されるIII族窒化物半導体であることが好ましい。また、好ましくは不純物を含む層であってもよい。不純物は、n型層ではSi、Geなどが挙げられ、p型層ではMgなどが挙げられる。活性層4は、井戸層と、前記井戸層よりもバンドギャップエネルギーの大きい障壁層との積層構造からなる。p型層25は、p型クラッド層およびp型コンタクト層で構成される。各層は、MOCVD法により製造できる。
(n電極およびp電極)
図3に示すように、n電極27はn型層22の露出面に、p電極28はメサ構造26のp型層25上に形成される。両電極のパターンニングは、リフトオフ法を用いて実施することができる。両電極金属を堆積する手法としては、例えば、真空蒸着、スパッタリング、化学気相成長法等が挙げられる。両電極に用いられる材料は、公知の材料から選択することができる。例えば、n電極ではTi、Al、Rh、Cr、In、Ni、PtおよびAuなどが、p電極ではNi、Cr、Au、Mg、Zn、PdおよびPtなどが挙げられる。n電極は、これらの金属の合金または酸化物を含む単層、または多層構造であってもよい。
(紫外発光素子の構成を複数含むウエハーの製造と特性評価)
以上のような紫外発光素子の構成を複数含むのがウエハーである。図3に紫外発光素子の構成を複数含むウエハーを上からみた際の図面を示す。前記加工方法で得られた基板上の一面にMOCVD法により発光素子層(n型層、活性層、及びp型層)を形成する。この発光素子層上に、同一の形状を有する複数のマスクパターンを等間隔に形成する。この単一のマスクパターンが、後の工程で単一の紫外発光素子の構成となる。その後エッチングにより、マスクが形成されていない領域のp型層および活性層がエッチングされる。これにより、同一の形状を有する複数の発光素子層(p型層および活性層から成る)がウエハー面に台地状に形成される。次に、エッチングマスクを取り除いた後、n型層上にn電極をp型層の上にp電極をそれぞれ形成する。以上の工程により、n電極からp電極までを1つの半導体発光素子とした、半導体発光素子の構成が基板上に複数形成される。ウエハー製造用に用いた基板の面積にもよるが、通常、直径が1インチの円形のウエハーであれば、1枚のウエハーに100〜1000個単位の紫外発光素子が形成される。
紫外発光素子が形成されたウエハーの製造に、透過率の低い種基板の上に波長265nmの光の直線透過率が50%以上の窒化アルミニウム単結晶部分が積層された基板を用いた場合、素子形成後、機械研磨により透過率の低い種基板部分を除去することで、紫外発光素子を製造することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例における結晶格子面、結晶成長面の曲率半径、研削面及び研磨面の表面粗さの測定方法は以下の方法にて行った。
〔結晶格子面の曲率半径の測定方法〕
窒化アルミニウム単結晶基板の結晶格子面の曲率半径は、結晶成長面内の異なる2点において測定したAlN(002)面のX線ロッキングカーブのピーク位置から計算する。結晶成長面を測定面とし、薄膜X線回折装置(PANalytical社製X’Pert MRD)を用いて結晶成長面内の異なる2点の場所においてX線ロッキングカーブを測定した後、2点間の距離をΔx、2点間の回折ピーク位置の差をΔωとした場合、曲率半径RはΔx/Δωにより計算される。今回測定する2点は、φ1inchの基板中心から左に8mmと右に8mmのポイントとした。上に凸となる状態をプラスの曲率半径、下に凸となる状態をマイナスの曲率半径とした。
〔結晶成長面の曲率半径の測定方法〕
結晶成長面の曲率半径は、白色干渉顕微鏡(Zygo社製NewView7300)を用い、50倍の倍率で該基板の高さ情報を取得し、面内の高さ分布より、球形近似の仮定のもとで該基板の曲率半径を算出した。なお、結晶格子面の曲率半径と同様、上に凸となる状態をプラスの曲率半径、下に凸となる状態をマイナスの曲率半径とした。
〔研削面の表面粗さRaの測定方法〕
研磨前の研削面の表面粗さRaは、触針式表面粗さ計(東京精密社製サーフコム)を用い、φ1inchの基板中心から左に7.5mmと右に7.5mmの2点間で求めた。
〔研磨面の表面粗さRaの測定方法〕
研磨面の表面粗さRaは、AFMにより4μm(2μm×2μm)視野範囲を観察することで求めた。また、さらに広い範囲の表面粗さRaは、白白色干渉顕微鏡(Zygo社NewView7300)を用い、50倍の倍率で58800μm(280μm×210μm)視野範囲を観察することで求めた。
実施例1
(結晶成長法による窒化アルミニウム単結晶基板の作製)
昇華法により製造された、φ1inchの市販の窒化アルミニウム単結晶基板の上に、特許文献2に記載されたHVPE法で結晶成長を行ったc面窒化アルミニウム単結晶基板である。
(HVPE法の製造条件)
昇華法により製造された、φ1inchの市販の窒化アルミニウム単結晶基板のAl極性側が成長面になるように、該窒化アルミニウム単結晶基板をHVPE装置内のBNコートグラファイト製サセプタ上に設置した。
III族原料ガスとして、石英ガラス製ボート上に6Nグレードの高純度アルミニウムを配置し、400℃に加熱後、水素と窒素を7:3の割合で混合した混合キャリアガスとともに塩化水素ガスを16.8sccm供給することにより塩化アルミニウムガスを発生させた。さらに該塩化アルミニウムガスには塩化水素ガスを1.1sccm供給し、水素窒素混合キャリアガス1782.1sccmを含めた合計1800sccmの混合ガスとし、該混合ガスを、下地基板を設置したサセプタのある反応器に導入した。
また、窒素源ガスとして、アンモニアガス31sccmと塩化水素ガス3.1sccm、水素キャリアガス165.9sccmの合計で200sccmを反応域へ供給した。その他、反応器の全体を押し流すためのガスとして、水素と窒素を7:3の割合で混合した水素窒素混合キャリアガス6500sccmを流した。さらに、基板に到達する前にIII族原料ガスと窒素源ガスが反応しないためのバリアガスとして、窒素ガス1500sccmをIII族原料ガス用ノズルと窒素源ガス用ノズルの間から供給した。以上、反応器内に供給したガスの合計流量は10000sccmとした。また、成長中の系内の圧力は0.99atmに保持した。
BNコートグラファイト製サセプタ上に設置した下地基板を1450℃に加熱し、上記ガスを流しながら25〜30μm/hの成長速度で11時間成長を行った後、ガスの供給を停止し、室温まで冷却した。
(窒化アルミニウム単結晶基板の加工)
予め直線透過率を測定するための基板としてHVPE法で結晶成長を行ったc面窒化アルミニウム単結晶基板(昇華法部分の厚み510μm、HVPE法部分の厚み280μm)を作製した。この基板の昇華法部分を研削で完全に除去し、HVPE法部分の結晶成長面及び結晶成長面の裏面の両面を機械研磨することで、厚み150μmの直線透過率を測定するための基板を作製し、直線光透過率をダブルビーム方式の紫外・可視分光光度計(日本分光製分光光度計V−7300)を用いて評価したところ、波長265nmにおいて62%であった。種基板に用いた昇華法基板を、同様に結晶成長面及び結晶成長面の裏面の両面を機械研磨して厚み150μmの直線透過率を測定すると、波長265nmにおいて35%であった。
前述のHVPE法で作製したc面窒化アルミニウム単結晶基板(昇華法部分の厚み530μm、HVPE法部分の厚み270μm)の結晶成長面及び結晶成長面の裏面の両面を、#1200のダイヤモンド粒子をメタルに固定化した砥石で研削し、結晶成長面の裏面(N極性面)を、コロイダルシリカ研磨剤(粒子径20nm、pH7.3)とスウェードパッドを用いたCMP法により40μmの厚み分を研磨した。研磨後、純水によって5分間流水リンス(流量:1.8L/分)し、テフロン(登録商標)ビーカーに1%フッ化水素酸水溶液を加え、基板を入れ、10分間浸漬した。得られた基板を純水によって1分間流水リンス(流量:1.8L/分)し、イソプロパノールに1分間浸漬し、6000rpmでのスピン乾燥を30秒間行った。この研磨されたN極性面の表面粗さRaは、AFMによる4μm(2μm×2μm)視野範囲で4nm、白色干渉顕微鏡による58800μm(280μm×210μm)視野範囲で63nmであった。
次に、結晶成長面(Al極性面)を、コロイダルシリカ研磨剤(粒子径20nm、pH7.3)と不織布のパッドを用いて35μmの厚み分を研磨後、さらにパッドをスウェードパッドに変更して5μmの厚み分を研磨した。両面研磨後の厚みは585μmであった。前述の洗浄を行った後、この研磨されたAl極性面の表面粗さRaを測定すると、AFMによる4μm(2μm×2μm)視野範囲で0.1nmであった。さらに、結晶成長面(Al極性面)の測定により、結晶格子面の曲率半径が−22.1m、基板面の曲率半径が+129.9mであった。
(半導体発光素子の構成を複数含むウエハーの製造と特性評価)
MOCVD工程の直前に、ポリウレタンフォームと20倍希釈したサンウォッシュMD−3041(ライオン株式会社製)によるスクラブ洗浄による微小なパーティクルの除去、続いて90℃に加熱したリン酸および硫酸の混合液(リン酸:硫酸=1:3(体積比))に10分間浸漬することによる、表面の自然酸化膜の除去を行った。次に、MOCVD法を用いて、基板のAl極性面上に、n型層(Al0.7Ga0.3N)、活性層(井戸層:Al0.5Ga0.5N、障壁層:Al0.7Ga0.3N)、AlN層、pクラッド層(Al0.8Ga0.2N)およびp−GaN層を形成した。
次に、得られた半導体ウエハーを活性化アニールした。次に、p−GaN層上にメタルマスクを形成した後、ドライエッチングを行うことで、図4に示すようなメサ構造を形成した。その後、n型層上にn電極(Ti20nm/Al200nm/Au5nm)を、p型層上にp電極(Ni20nm/Au50nm)を形成した。上記の操作により、図3に示すような半導体発光素子(発光ピーク波長265nm)の構成を複数含むウエハーを製造した。
次いで、直線透過率の低い昇華法部分を機械研磨で除去し、厚み110μmの直線透過率の高いHVPE法窒化アルミニウム単結晶を含む半導体発光素子ウエハーを作製した。このようにして製造した半導体ウエハー中の発光素子に対して、プローブテスタを用いて370個分の発光強度、発光波長、電圧等の特性を評価した。なお、この半導体発光素子の実電流値は400mAとした。その後、レーザスクライブによりウエハーからチップを切り出し、15個のチップについて多結晶AlNキャリアにマウントし、LEDを完成させた。作製した15個のLEDの発光強度および発光ピーク波長を、2インチ積分球(スフィアオプティクス社製ゼニスコーティング)、およびマルチチャンネル分光器(オーシャンフォトニクス社製USB4000)を用いて測定し、EQEの算出を行った。次に、15個のEQEとプローブテスタで測定した発光強度の検量線を作成した。この検量線を用い、プローブテスタを用いて測定したウエハー内全数の発光素子の発光強度からEQEを算出し、統計処理を行ったところ、EQEの平均値は2.00%、標準偏差は0.12%であった。
比較例1
(結晶成長法による窒化アルミニウム単結晶基板の作製)
実施例1と同様の方法にて昇華法により製造された、φ1inchの市販の窒化アルミニウム単結晶基板の上に、c面窒化アルミニウム単結晶層を成長させて窒化アルミニウム単結晶基板を作成した(昇華法部分の厚み510μm、HVPE法部分の厚み290μm)。
(窒化アルミニウム単結晶基板の加工)
作製したc面窒化アルミニウム単結晶基板の結晶成長面及び結晶成長面の裏面の両面を、#1200のダイヤモンド粒子をメタルに固定化した砥石で研削した。結晶成長面の裏面(N極性面)の加工は研削で留めた。鏡面になっていないため、実施例1のようにAFMや白色干渉顕微鏡による表面粗さの測定は不可能であった。触針式表面粗さ計による測定で、表面粗さRaは149nmであった。
次に、結晶成長面(Al極性面)を、実施例1と同じ方法で研磨を行った。片面研磨後の厚みは600μmであった。実施例1と同じ洗浄を行った後、この研磨されたAl極性面の表面粗さRaを測定すると、AFMによる4μm(2μm×2μm)視野範囲で0.1nmであった。さらに、結晶成長面(Al極性面)の測定により、結晶格子面の曲率半径が−4.9m、基板面の曲率半径が−4.1mであった。
実施例1と同じ方法で、半導体発光素子を製造し、ウエハー内全数のEQEを算出したところ、EQEの平均値は1.64%、標準偏差は0.20%であった。
比較例2
(結晶成長法による窒化アルミニウム単結晶基板の作製)
実施例1と同様の方法にて昇華法により製造された、φ1inchの市販の窒化アルミニウム単結晶基板の上に、c面窒化アルミニウム単結晶層を成長させて窒化アルミニウム単結晶基板を作製した(昇華法部分の厚み540μm、HVPE法部分の厚み310μm)。
(窒化アルミニウム単結晶基板の加工)
作製したc面窒化アルミニウム単結晶基板の結晶成長面及び結晶成長面の裏面の両面を、#1200のダイヤモンド粒子をメタルに固定化した砥石で研削した。結晶成長面の裏面(N極性面)の加工は研削で留めた。鏡面になっていないため、実施例1のようにAFMや白色干渉顕微鏡による表面粗さの測定は不可能であった。触針式表面粗さ計による測定で、表面粗さRaは148nmであった。
次に、結晶成長面(Al極性面)を、実施例1と同じ方法で研磨を行った。片面研磨後の厚みは600μmであった。研磨後の洗浄について実施例1および比較例1との違いは、フッ化水素酸による洗浄の後、120℃に加熱した硫酸および過酸化水素水の混合液(硫酸:過酸化水素水=150:1(体積比))に10分間浸漬することによるSPM洗浄を追加していることである。この研磨されたAl極性面の表面粗さRaを測定すると、AFMによる4μm(2μm×2μm)視野範囲で0.1nmであった。さらに、結晶成長面(Al極性面)の測定により、結晶格子面の曲率半径が−6.9m、基板面の曲率半径が−9.6mであった。
実施例1と同じ方法で、半導体発光素子を製造し、ウエハー内全数のEQEを算出したところ、EQEの平均値は1.89%、標準偏差は0.22%であった。
以上の実施例、比較例の結果を表1にまとめた。
Figure 2018078260
1 :窒化アルミニウム単結晶基板
11:窒化アルミニウム単結晶
12:結晶成長面
13:結晶成長面の裏面
14:下地基板
21:ウエハー
22:基板
23:n型層
24:活性層
25:p型層
26:メサ構造
27:n電極
28:p電極
29:紫外発光素子

Claims (6)

  1. 結晶成長法にて得られた窒化アルミニウム単結晶基板であって、該単結晶基板における結晶成長面及び該結晶成長面の裏面の白色干渉顕微鏡により測定した表面粗さRaが100nm以下であり、且つ該結晶成長面、及び該単結晶基板における結晶格子面の曲率半径が15m以上である窒化アルミニウム単結晶基板。
  2. 波長265nmの光の直線透過率が50%以上である請求項1記載の窒化アルミニウム単結晶基板。
  3. 前記窒化アルミニウム単結晶基板における結晶成長面がAl極性面である請求項1又は2記載の窒化アルミニウム単結晶基板。
  4. 結晶成長法にて窒化アルミニウム単結晶基板を製造した後、該単結晶基板における結晶成長面及び該結晶成長面の裏面の両方を研削した後に、該両面の白色干渉顕微鏡により測定した表面粗さRaが100nm以下となるまで研磨することを特徴とする窒化アルミニウム単結晶基板の製造方法。
  5. 下地基板上に結晶成長法にて窒化アルミニウム単結晶基板を製造することを特徴とする
    請求項4記載の窒化アルミニウム単結晶基板の製造方法。
  6. 請求項1〜3の何れか一項に記載の窒化アルミニウム単結晶基板上に発光素子層が積層された紫外発光素子。
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