JP2015179734A - 半導体発光装置の製造方法および半導体発光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】AlN単結晶基板を用いた半導体発光装置において、簡便なプロセスおよび構造で光取り出し効率を向上させる。
【解決手段】AlN単結晶からなるウェハ(AlN単結晶基板)10の第1主面10a側に半導体積層部20および電極部31、32を形成する工程と、前記半導体積層部および前記電極部を形成した後、前記第1主面の裏面となる第2主面10bをCMP処理する第2主面加工工程と、前記CMP処理後、前記第2主面10b側から前記ウェハに対してレーザー加工を行い、複数の素子に個片化する素子化工程と、個片化された素子の前記第2主面10b側に、上面視で当該個片化された素子の第2主面10b全体を含む大きさの平面部46aを有する集光レンズ46を搭載する工程と、を実行して半導体発光装置を作成する。
【選択図】 図4
【解決手段】AlN単結晶からなるウェハ(AlN単結晶基板)10の第1主面10a側に半導体積層部20および電極部31、32を形成する工程と、前記半導体積層部および前記電極部を形成した後、前記第1主面の裏面となる第2主面10bをCMP処理する第2主面加工工程と、前記CMP処理後、前記第2主面10b側から前記ウェハに対してレーザー加工を行い、複数の素子に個片化する素子化工程と、個片化された素子の前記第2主面10b側に、上面視で当該個片化された素子の第2主面10b全体を含む大きさの平面部46aを有する集光レンズ46を搭載する工程と、を実行して半導体発光装置を作成する。
【選択図】 図4
Description
本発明は半導体発光装置の製造方法および半導体発光装置に関し、特に、光取り出し効率を向上させるようにした半導体発光装置の製造方法および半導体発光装置に関する。
窒化物基板をベースとする半導体装置はその広いバンドギャップを有する特徴を活かし、光を発光する発光装置や受光装置、またパワーデバイスへの適用が期待される。特にAlN基板を有する半導体発光装置は、280nm以下波長を有する殺菌用途に利用可能な高出力・長寿命の深紫外LED(以下UVC−LED)につながるものとして開発が期待されている。現在主なUVC−LEDはサファイア基板上にヘテロエピタキシャル成長させたAlN薄膜上にInxAlyGa1-x-yN混晶層(0≦x+y≦1)を積層させることで作製されている。
しかしながら、サファイアの熱膨張係数は7.5×10−6/Kであるのに対して窒化アルミの熱膨張係数は4.15×10−6/Kであり、格子定数のミスマッチも13%と大きい。これらの理由によりサファイア上に形成させた窒化アルミ薄膜には多数の欠陥が含まれる。この欠陥により不純物準位が形成されることでLEDの発光効率は著しく低下し、欠陥箇所での電流集中によりLEDの寿命も低下する。
そこで、基板としてサファイア基板ではなく、AlN単結晶基板を用いたLED開発が進んでいる。
例えば、特許文献1には、発光素子、電子素子、半導体センサなどの半導体デバイスの基板などに用いられるAlN結晶の表面処理方法とAlN結晶の表面処理方法により得られたAlN結晶基板とに関するもので、ヘテロエピタキシャルでの課題を解決するために、AlN結晶基板における1方の主面側にホモエピタキシャル成長された3層以上の半導体層と、AlN結晶基板の他方の主面に形成された第1の電極と、半導体層の最外半導体層上に形成された第2の電極とを含む発光素子と、発光素子を搭載する導電体とを備え、上記発光素子は、AlN結晶基板側が発光面側であり、最外半導体層側が搭載面側であり、上記半導体層は、p型半導体層と、n型半導体層と、p型半導体層とn型半導体層との間に形成される発光層とを含むことが開示されている。
例えば、特許文献1には、発光素子、電子素子、半導体センサなどの半導体デバイスの基板などに用いられるAlN結晶の表面処理方法とAlN結晶の表面処理方法により得られたAlN結晶基板とに関するもので、ヘテロエピタキシャルでの課題を解決するために、AlN結晶基板における1方の主面側にホモエピタキシャル成長された3層以上の半導体層と、AlN結晶基板の他方の主面に形成された第1の電極と、半導体層の最外半導体層上に形成された第2の電極とを含む発光素子と、発光素子を搭載する導電体とを備え、上記発光素子は、AlN結晶基板側が発光面側であり、最外半導体層側が搭載面側であり、上記半導体層は、p型半導体層と、n型半導体層と、p型半導体層とn型半導体層との間に形成される発光層とを含むことが開示されている。
また、窒化物半導体の光取り出し効率が低いことが製品の出力向上において課題となっている。すなわち、発光層から発生した光は、基板表面に入射して外部へと出力されるが、基板と空気の屈折率差により大部分の光は反射されてしまい、光取り出し効率が低いことが課題となっている。窒化物の場合は屈折率の関係から光取り出し効率は概ね4%程度と非常に低く、そのため特許文献2に記載のように光取り出し効率の向上のために裏面を加工する工夫がなされている。また、半導体発光装置は、通常半導体プロセスを用いて形成されており、ウェハ上にメサや電極パターンを形成後、個片化、実装される。またAlN基板は可視光領域では透明であるが、エッチングなどにより裏面加工をすると乱反射の影響で、裏面からパターンが認識できなくなり適切な位置で個片化できない。そのため、特許文献3に記載のようにレーザー加工は発光層、電極層が形成された面から加工されるのが通例である。
特許文献3に記載の様に、発光層、電極層が形成された面からレーザー加工をすると、基板がレーザー光を吸収し、発光層への熱ダメージにより、出力が低下するという問題がある。
本発明はこのような状況に鑑みて考案したものであり、AlN単結晶基板を用いた半導体発光装置において、簡便なプロセスおよび構造で光取り出し効率を向上させかつ、レーザー加工により生じる出力低下を低減することの可能な半導体発光装置の製造方法および半導体発光装置を提供することにある。
本発明はこのような状況に鑑みて考案したものであり、AlN単結晶基板を用いた半導体発光装置において、簡便なプロセスおよび構造で光取り出し効率を向上させかつ、レーザー加工により生じる出力低下を低減することの可能な半導体発光装置の製造方法および半導体発光装置を提供することにある。
本発明の一態様による半導体発光装置の製造方法は、AlN単結晶からなるウェハ(例えば図2の、単結晶AlN基板10)の第1主面(例えば図2の、第1主面10a)側に半導体積層部(例えば図2の、半導体積層部20)および電極部(例えば図2の、電極部31、32)を形成する工程と、前記半導体積層部および前記電極部を形成した後、前記第1主面の裏面である第2主面(例えば図2の、第2主面10b)をCMP処理する第2主面加工工程と、前記CMP処理後、前記第2主面側から前記ウェハに対してレーザー加工を行い、複数の素子に個片化する素子化工程と、個片化された素子の前記第2主面の全体を覆う大きさの平面部(例えば図4の、平面部46a)を有する集光レンズ(例えば図4の、集光レンズ46)を、前記個片化された素子の前記第2主面側に搭載する工程と、を備えることを特徴とする。
前記第2主面加工工程は、前記第2主面の算術平均粗さRaが20nm以下となるように加工を行なう工程であってよい。
前記第2主面加工工程は、非晶質シリカを主成分とするpH10以上12以下のスラリーを用いて前記CMP処理を行なう工程であってよい。
本発明の他の態様による半導体発光装置は、AlN単結晶からなる基板(例えば図4の、単結晶AlN基板10)と、当該基板の第1主面(例えば図4の、第1主面10a)側に設けられた半導体積層部(例えば図4の、半導体積層部20)および電気信号を入出力するための電極部(例えば図4の、電極部31、32)と、前記第1主面の裏面である第2主面(例えば図4の、第2主面10b)の全体を覆って前記第2主面と面して配置される平面部(例えば図4の、平面部46a)を有する集光レンズ(例えば図4の、集光レンズ46)と、を備え、上面視で前記第2主面はその外径が前記第1主面の外径よりも内側にあり、かつ前記第2主面の算術粗さRaが20nm以下であることを特徴とする。
前記第2主面加工工程は、非晶質シリカを主成分とするpH10以上12以下のスラリーを用いて前記CMP処理を行なう工程であってよい。
本発明の他の態様による半導体発光装置は、AlN単結晶からなる基板(例えば図4の、単結晶AlN基板10)と、当該基板の第1主面(例えば図4の、第1主面10a)側に設けられた半導体積層部(例えば図4の、半導体積層部20)および電気信号を入出力するための電極部(例えば図4の、電極部31、32)と、前記第1主面の裏面である第2主面(例えば図4の、第2主面10b)の全体を覆って前記第2主面と面して配置される平面部(例えば図4の、平面部46a)を有する集光レンズ(例えば図4の、集光レンズ46)と、を備え、上面視で前記第2主面はその外径が前記第1主面の外径よりも内側にあり、かつ前記第2主面の算術粗さRaが20nm以下であることを特徴とする。
前記第2主面の表面に膜厚500nm以下のアルミ酸化層(例えば図4の、アルミ酸化層10A)を有していてよい。
前記基板は、前記第1主面側の第1領域(例えば図4の、第1領域A1)と、断面において前記基板の側面間の間隔が前記第1領域よりも小さい前記第2主面側の第2領域(例えば図4の、第2領域A2)とを有し、前記第2領域の厚みが2μm以上100μm以下であってよい。
前記半導体積層部が波長240nm以上320nm以下の紫外線を発光するものであってよい。
前記基板は、前記第1主面側の第1領域(例えば図4の、第1領域A1)と、断面において前記基板の側面間の間隔が前記第1領域よりも小さい前記第2主面側の第2領域(例えば図4の、第2領域A2)とを有し、前記第2領域の厚みが2μm以上100μm以下であってよい。
前記半導体積層部が波長240nm以上320nm以下の紫外線を発光するものであってよい。
本発明によれば、AlN単結晶基板を用いた半導体発光装置において、簡便なプロセスおよび構造で光取り出し効率を向上させかつ、レーザー加工により生じる出力低下を低減することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態と称する)を説明する。
<半導体発光装置の製造方法>
本実施形態の半導体発光装置の製造方法は、AlN単結晶からなるウェハの第1主面側に半導体積層部および電極部を形成する工程と、前述の半導体積層部および電極部を形成した後、第1主面の裏面である第2主面をCMP処理する第2主面加工工程と、CMP処理後、第2主面側からウェハに対してレーザー加工を行い、複数の素子に個片化する素子化工程と、個片化された素子の前記第2主面の全体を覆う大きさの平面部を有する集光レンズを、前記個片化された素子の前記第2主面側に搭載する工程と、を備える。
<半導体発光装置の製造方法>
本実施形態の半導体発光装置の製造方法は、AlN単結晶からなるウェハの第1主面側に半導体積層部および電極部を形成する工程と、前述の半導体積層部および電極部を形成した後、第1主面の裏面である第2主面をCMP処理する第2主面加工工程と、CMP処理後、第2主面側からウェハに対してレーザー加工を行い、複数の素子に個片化する素子化工程と、個片化された素子の前記第2主面の全体を覆う大きさの平面部を有する集光レンズを、前記個片化された素子の前記第2主面側に搭載する工程と、を備える。
ウェハの第2主面をCMP処理する第2主面加工工程と、第2主面側からレーザー加工を行う工程とを備えることにより、光取り出し効率が高く、かつ高出力な半導体発光装置を得ることができる。特に、第2主面加工工程では、第2主面の算術平均粗さRaが20nm以下となるように加工を行なうことが好ましい。
また、本実施形態の半導体装置の製造方法は、第2主面加工工程は、非晶質シリカを主成分とするpH10以上12以下のスラリーを用いてCMP処理を行なうことが好ましい。非晶質シリカを主成分とするpH10以上12以下のスラリーを用いてCMP処理することにより、平面性を維持しながら第2主面の表面上に膜厚500nm以下のアルミ酸化層を形成することができる。
また、本実施形態の半導体装置の製造方法は、第2主面加工工程は、非晶質シリカを主成分とするpH10以上12以下のスラリーを用いてCMP処理を行なうことが好ましい。非晶質シリカを主成分とするpH10以上12以下のスラリーを用いてCMP処理することにより、平面性を維持しながら第2主面の表面上に膜厚500nm以下のアルミ酸化層を形成することができる。
<半導体発光装置>
本実施形態の半導体発光装置は、AlN単結晶からなる基板と、当該基板の第1主面側に設けられた半導体積層部および電気信号を入出力するための電極部と、前記第1主面の裏面である第2主面の全体を覆って前記第2主面と面して配置される平面部を有する集光レンズと、を備え、上面視で前記第2主面はその外径が前記第1主面の外径よりも内側にあり、かつ前記第2主面の算術粗さRaが20nm以下である。
本実施形態の半導体発光装置は、AlN単結晶からなる基板と、当該基板の第1主面側に設けられた半導体積層部および電気信号を入出力するための電極部と、前記第1主面の裏面である第2主面の全体を覆って前記第2主面と面して配置される平面部を有する集光レンズと、を備え、上面視で前記第2主面はその外径が前記第1主面の外径よりも内側にあり、かつ前記第2主面の算術粗さRaが20nm以下である。
第2主面の全体を覆って第2主面と面して配置される平面部を有する集光レンズを備え、上面視で第2主面はその外径が第1主面の外径よりも内側にあり、かつ、第2主面の算術平均粗さRaが20nm以下であることにより、光取り出し効率が高く、かつ高出力な半導体発光装置を実現することができる。
本実施形態の半導体発光装置は、第2主面の表面に膜厚500nm以下のアルミ酸化層を有することが好ましい。
本実施形態の半導体発光装置は、第2主面の表面に膜厚500nm以下のアルミ酸化層を有することが好ましい。
第2主面の表面に膜厚500nm以下のアルミ酸化層を有することにより、集光レンズとの屈折差により光取り出し効率が向上する。例えばアルミ酸化層がAl2O3であり、集光レンズがシリコン樹脂であった場合、アルミ酸化層であるAl2O3の屈折率は1.65であり、シリコン樹脂屈折率は1.39であり、集光レンズとAlN基板との間にアルミ酸化層が存在することにより、屈折率変化が段階的に変化することで、第2主面で全反射される光の寄与が低下する効果がある。
本実施形態の半導体発光装置は、前述の基板は、第1主面側の第1領域と、断面において基板の側面間の間隔が第1領域よりも小さい第2主面側の第2領域とを有し、この第2領域の厚みが2μm以上100μm以下であることが好ましい。第2領域の厚みが2μm以上の厚みを有することでブレードによる個片化を容易に行うことができ、また100μm以下であることにより、第1主面直近の半導体積層部にダメージを与えることを回避することができる。
本実施形態の半導体発光装置は、半導体積層部が波長240nm以上320nm以下の紫外線を発光することが好ましい。半導体積層部が波長240nm以上320nm以下の紫外線を発光することにより、殺菌やタンパク質成分の分離などさまざまなアプリーケションに適用出来る。
<具体例>
次に、本実施形態の半導体発光装置および半導体発光装置の製造方法の、より具体的な実施形態を、図面を参酌しながら説明する。
図1は、本実施形態の半導体発光装置1に含まれる、半導体発光素子5の一例を示す構成図である。半導体発光素子5は、単結晶AlN基板10と、単結晶AlN基板10の上に形成される半導体積層部20と、電極部31および32とからなる。
半導体積層部20は、図1に示すように、単結晶AlN基板10に積層される第1導電型層21と、第1導電型層21に積層される発光層22と、発光層22に積層される、第1導電型層21とは導電型の異なる第2導電型層23と、を備える。
次に、本実施形態の半導体発光装置および半導体発光装置の製造方法の、より具体的な実施形態を、図面を参酌しながら説明する。
図1は、本実施形態の半導体発光装置1に含まれる、半導体発光素子5の一例を示す構成図である。半導体発光素子5は、単結晶AlN基板10と、単結晶AlN基板10の上に形成される半導体積層部20と、電極部31および32とからなる。
半導体積層部20は、図1に示すように、単結晶AlN基板10に積層される第1導電型層21と、第1導電型層21に積層される発光層22と、発光層22に積層される、第1導電型層21とは導電型の異なる第2導電型層23と、を備える。
第1導電型層21は、上面視で長方形の底部領域21aと、当該底部領域21a上に凸状に形成される上面視で略正方形状の積層部21bとから構成され、底部領域21aの長手方向の一方の側に積層部21bが形成され、他方の側の領域は電極部32を形成する領域となる。半導体積層部20は、例えば、第1導電型層21となる層と、発光層22となる層と、第2導電型層23となる層とをこの順に積層し、この積層構造において、電極部32を形成する領域にはマスクを形成せず、半導体積層部20となる部分にマスクを形成し、積層部21bが残るように第1導電型層21をエッチングすることなどにより形成される。
そして、第2導電型層23の上に、電極部31が積層される。
そして、第2導電型層23の上に、電極部31が積層される。
<AlN単結晶基板>
単結晶AlN基板10の製造方法は特に制限されないが、高品質な単結晶AlN基板10を得る観点から窒化アルミニウムセラミックスを原料とする昇華法により製造することが好ましい。単結晶AlN基板10の転位密度は107cm-2未満であることが好ましく、特に105cm-2未満であることが好ましい。
単結晶AlN基板10の製造方法は特に制限されないが、高品質な単結晶AlN基板10を得る観点から窒化アルミニウムセラミックスを原料とする昇華法により製造することが好ましい。単結晶AlN基板10の転位密度は107cm-2未満であることが好ましく、特に105cm-2未満であることが好ましい。
単結晶AlN基板10の不完全な表面処理は、単結晶AlN基板10に積層される、図1に示す半導体積層部20の第1導電型層21を成膜する際に転位密度を増大させるため、AlN単結晶基板10のRMS表面粗さは、10μm×10μmの面積に対して約0.5nm未満であることが好ましい。
<半導体積層部>
半導体発光素子5において、半導体積層部20は、図1に示すように、第1導電型層21、発光層22、第2導電型層23を、単結晶AlN基板10の第1主面上にこの順に積層してなる。
この第1導電型層21および第2導電型層23はAlxGa1−xN(0≦x+y≦1)から構成されるものが望ましい。
特定の態様では、第1導電型層21は、AlxGa1−xN(0≦x+y≦1)から構成される複数の個別層からなっており、発光層22の格子パラメータに対して近づくように擬似格子整合的に歪まされていてよい。
半導体発光素子5において、半導体積層部20は、図1に示すように、第1導電型層21、発光層22、第2導電型層23を、単結晶AlN基板10の第1主面上にこの順に積層してなる。
この第1導電型層21および第2導電型層23はAlxGa1−xN(0≦x+y≦1)から構成されるものが望ましい。
特定の態様では、第1導電型層21は、AlxGa1−xN(0≦x+y≦1)から構成される複数の個別層からなっており、発光層22の格子パラメータに対して近づくように擬似格子整合的に歪まされていてよい。
第1導電型層21および第2導電型層23は、x、yが厚みと共に変化する傾斜する組成を有する複数の層を含んでいてよい。このような層では、個々の段階で又は線形的に組成が傾斜していてよい。好ましい態様では、AlxGa1−xN層からなる第1導電型層21および第2導電型層23は、単結晶AlN基板10との界面で、単結晶AlN基板10の組成にほぼ等しい組成を有している。それによって2次元の成長が促進され、不都合なアイランド形成が回避され、不都合なアイランド形成により、第1導電型層(AlxGa1−xN(0≦x+y≦1)層)21及び後続の成長層、すなわち、発光層22、第2導電型層(AlxGa1−xN(0≦x+y≦1)層)23などでの不都合な弾性の歪み緩和が起こることを回避することができる。
発光層22は一態様では多重量子井戸(「MQW」)層を含み、第1導電型層(AlxGa1−xN層)21上に積層される。MQW層は、複数の量子井戸を含み、その量子井戸のそれぞれは、AlGaNを含むか、もしくは、本質的にAlGaN層からなっていてよい。一態様では、MQW層の各周期は、AlxGa1−xN量子井戸及びAlyGa1−yN量子井戸を含み、xはyと異なる。好ましい態様で、xとyの差は、活性領域での電子及び正孔の良好な閉じ込めが得られるように十分に大きくなっており、これにより、放射性の再結合の、非放射性の再結合に対する比を高くすることができる。一態様では、xとyとの差は約0.05であり、例えばxは約0.35で、yは約0.4である。しかし、xとyとの差が過度に大きいとき、例えば、約0.3より大きいときには、MQW層の形成中に不都合なアイランド形成が起こってしまう。MQW層は、複数の周期を含んでいてよく、発光層22は、約50nm未満の全厚みを有していてよい。なお、ここでいう「全厚み」とは、発光層22が1層で構成されている場合は、その層の厚みであり、2層以上で構成されている場合は、全ての層の厚みの合計である。
一態様では、発光層22は任意の薄い電子ブロック(又はn型コンタクトがデバイスの上部に置かれている場合には正孔ブロック)層を有し、この層は、例えば、Mgのような1つ以上の不純物でドーピングされていてよい。電子ブロック層は、AlxGa1−xNを含むか又は本質的にAlxGa1−xNからなっている。電子ブロック層は、例えば約20nmの厚みを有している。
発光層22上に形成される第2導電型層(AlxGa1−xN(0≦x+y≦1)層)23は本質的に1つ以上の半導体材料、例えば、Mgのような少なくとも1つの不純物でドープされたAlxGa1−xNを含むか又は本質的にAlxGa1−xNからなっている。
第2導電型層(AlxGa1−xN(0≦x+y≦1)層)23はn型又はp型にドープされているが、第1導電型層(AlxGa1−xN(0≦x+y≦1)層)21の導電性とは反対の導電性を有している。第2導電型層(AlxGa1−xN(0≦x+y≦1)層)23の厚みは、例えば約50nm〜約100nmである。一態様では第2導電型層(AlxGa1−xN(0≦x+y≦1)層)23は同じ導電性でドープされた1つ以上の半導体材料を含むか又はその材料から本質的になるキャップ層を有している。キャップ層は、MgでドープされたGaNを含み、約10nm〜約200nm、好ましくは約50nmの厚みを有する。
第2導電型層(AlxGa1−xN(0≦x+y≦1)層)23はn型又はp型にドープされているが、第1導電型層(AlxGa1−xN(0≦x+y≦1)層)21の導電性とは反対の導電性を有している。第2導電型層(AlxGa1−xN(0≦x+y≦1)層)23の厚みは、例えば約50nm〜約100nmである。一態様では第2導電型層(AlxGa1−xN(0≦x+y≦1)層)23は同じ導電性でドープされた1つ以上の半導体材料を含むか又はその材料から本質的になるキャップ層を有している。キャップ層は、MgでドープされたGaNを含み、約10nm〜約200nm、好ましくは約50nmの厚みを有する。
半導体積層部20は1つであってもよいし、複数であってもよい。単位面積当たりの発光量を向上させる観点から、並列接続された複数の半導体積層部20を備えることが好ましい場合もある。また、半導体積層部20の形状も特に制限されず、例えば矩形状、円または楕円状、多角形状、およびそれらの組み合わせ等が挙げられる。
<電極部>
半導体発光素子5は、発光層22に電力を供給するための電極部31、32を備えている。
電極部31、32の配置については特に制限されないが、半導体積層部20が図1に示すように、メサ型構造の場合、メサ頂部およびメサ底部にそれぞれ電極を配置する例が挙げられる。また、他には素子上面と下面とにそれぞれ電極を配置する例などがある。
半導体発光素子5は、発光層22に電力を供給するための電極部31、32を備えている。
電極部31、32の配置については特に制限されないが、半導体積層部20が図1に示すように、メサ型構造の場合、メサ頂部およびメサ底部にそれぞれ電極を配置する例が挙げられる。また、他には素子上面と下面とにそれぞれ電極を配置する例などがある。
電極部31、32は例えばNi/Au合金(典型的には、p型コンタクトに対して使用される)又はTi/Al/Ti/Auスタック(典型的には、n型コンタクトに対して使用される)から形成されており、例えばスパッタリング又は蒸着によって形成されている。電極部31、32は紫外線(「UV」)反射器も含んでいてよい。UV反射器は、電極部31、32に向かって発光する光子を再度方向付けすること、すなわち、光子が半導体層構造から逃げることができないように方向付けすること、並びに所望の発光面、例えば底部表面に向けて光子を再度方向付けることによって、デバイスの活性領域において生成される光子の抽出効率を改善するように設計される。また電極部31、32の材料は導電性の材料、例えば金、ニッケル、アルミ、チタン及びそれらの組み合わせなどでもよい。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<後工程、実装工程>
半導体積層部20および電極部31、32を第1主面10a上に形成したAlN単結晶基板10において、第2主面10bは、機械的、化学的な手法で、基板元厚の半分以下にまで薄く加工される。通常100μm以上薄くする場合は、機械的に研削する。AlN単結晶基板10はダイヤモンドと同等の硬度を有するため細かい砥粒のダイヤモンドで削っていく。ただし機械的に研削するため、サブμmオーダーでの削り傷が基板上に残存してしまう。その際に研削後の基板表面を平面化するために機械的化学的研磨法(CMP)法で除去する。
半導体積層部20および電極部31、32を第1主面10a上に形成したAlN単結晶基板10において、第2主面10bは、機械的、化学的な手法で、基板元厚の半分以下にまで薄く加工される。通常100μm以上薄くする場合は、機械的に研削する。AlN単結晶基板10はダイヤモンドと同等の硬度を有するため細かい砥粒のダイヤモンドで削っていく。ただし機械的に研削するため、サブμmオーダーでの削り傷が基板上に残存してしまう。その際に研削後の基板表面を平面化するために機械的化学的研磨法(CMP)法で除去する。
AlN単結晶基板10は極性を有し、N面はアルカリ可溶であり、本実施形態で言うところの、N面である第2主面10bは濃いアルカリ溶液で処理するとエッチングされ六角形錘状の構造が形成される。特にpH12以上では六角形錘状の構造が顕著に形成され、かつpH9以下ではエッチングされない。平面性を維持しながら基板を薄くするためには適切なpHで適切なスラリーを用いることが重要である。またこのアルカリ処理により、第2主面10b上に膜厚500nm以下のアルミ酸化層10Aが形成される。
また素子化を行うためには個片化が重要であるが、通常のLSIのような半導体素子はブレードダイシングで加工されるが、前述のように、AlN基板は通常非常に硬い。そのため、AlN単結晶基板10にレーザーで溝をつけて、機械的に分断することで個片化を実施する。加工に使用されるレーザーは特には限定されないが、AlN単結晶基板10への熱負荷を減らすために高密度なレーザー光が望ましく、具体的には365nm、265nm、またはステルスダイシング法でも構わない。
本実施形態では、第2主面10bに対してレーザースクライブを実施した後、スクライブ面(第2主面10b)の裏面である第一主面10a側から、刃先により素子パターンに沿って個片化する。個片化により図2に示すように、断面において、AlN単結晶基板10の側面間の距離が第1主面10a側と第2主面10b側とで、それぞれ異なる第1領域A1と第2領域A2とが形成される。
個片化した半導体発光素子5は、図3に示すようにサブマウント基板40と呼ばれる半導体発光素子5のAlN単結晶基板10とは異なる接続基板に、AlN単結晶基板10の第2主面10bがサブマウント基板40とは逆側を向くように(図3の場合には、上方を向くように)電気的に接続される。
サブマウント基板40の材料は熱放散性の高いセラミック基板が用いられ、特に、アルミナ基板や窒化アルミ基板が好ましい。
サブマウント基板40の材料は熱放散性の高いセラミック基板が用いられ、特に、アルミナ基板や窒化アルミ基板が好ましい。
また接続にはフリップチップと呼ばれる手法が用いられ、サブマウント基板40の電極と半導体発光素子5の電極部31、32とを適切な熱、あるいは超音波、加重などにより接合させる。サブマウント基板40の電極は熱放散性かつ発光装置との接合のよいものがよく、金、銀、銅、金錫などの材料およびそれらの組み合わせからなるバンプ部40aを有してもよい。
そして、図4に示すように、サブマウント基板40で接合された半導体発光素子5は銀ペースト41を介してリードフレーム42に接合され、パッケージと電気的に接合するためのボンディングワイヤ43により、パッケージとバンプ部40aとを接続する。
その後、第2主面10b上に形成された膜厚500nm以下のアルミ酸化層10Aの上にシリコン樹脂を1μm以下の厚みで塗布してシリコン樹脂層45を成膜し、集光レンズ46を搭載することで素子化される。なおシリコン樹脂層45は特に限定されるものではないが、240〜320nmの紫外線の透過率の高い樹脂で形成されることが望ましい。またシリコン樹脂層45が厚いほど紫外線による劣化が起こりやすいため、接着性を維持するためには、シリコン樹脂層45は、1μm程度の厚みが好ましい。
その後、第2主面10b上に形成された膜厚500nm以下のアルミ酸化層10Aの上にシリコン樹脂を1μm以下の厚みで塗布してシリコン樹脂層45を成膜し、集光レンズ46を搭載することで素子化される。なおシリコン樹脂層45は特に限定されるものではないが、240〜320nmの紫外線の透過率の高い樹脂で形成されることが望ましい。またシリコン樹脂層45が厚いほど紫外線による劣化が起こりやすいため、接着性を維持するためには、シリコン樹脂層45は、1μm程度の厚みが好ましい。
また集光レンズ46の形状は限定されないが、少なくとも第2主面10bの表面面積よりも大きな面積の平面部46aを有すること、すなわち、第2主面10bの全体を集光レンズ46の平面部46aが覆うことが必要であり、それ以外の部分は任意に設計することができる。本実施形態では、2.5mm直径の半球合成石英ガラスを集光レンズ46として用いた。
<実施形態の効果>
本発明の実施形態によれば、半導体積層部20が形成された第2主面10b側からレーザー加工を行うため、半導体積層部20がレーザー加工により影響を受けることを抑制することができすなわち、半導体発光装置の出力低下を抑制することができる。
本発明の実施形態によれば、半導体積層部20が形成された第2主面10b側からレーザー加工を行うため、半導体積層部20がレーザー加工により影響を受けることを抑制することができすなわち、半導体発光装置の出力低下を抑制することができる。
また、レーザー加工を行なう前に、第2主面10bをCMP処理し、第2主面10bの算術平均粗さRaを20nm以下に加工している。そのため、レーザー加工を行なう際に、第2主面2b側から透かしてみることにより、第1主面10a側に形成された素子パターンを認識して、レーザー加工を行なう場合であっても、乱反射などにより素子パターンが見えにくいなどの影響をうけることなく、素子パターンを的確に認識することができる。
そして、第2主面10b側には集光レンズ46を設けているため、発光層22から発生した光が、基板と空気との屈折率差などにより反射された光を集光することができるため、その分、光取り出し効率の低下を抑制することができる。
また、このように、第2主面10bに対するCMP処理を行なうとともに、集光レンズ46を設けることにより実現することができるため、簡易なプロセスおよび構造で光取り出し効率を向上させることができ、かつレーザー加工による出力低下を容易に抑制することができる。
また、このように、第2主面10bに対するCMP処理を行なうとともに、集光レンズ46を設けることにより実現することができるため、簡易なプロセスおよび構造で光取り出し効率を向上させることができ、かつレーザー加工による出力低下を容易に抑制することができる。
以下に、実施例および比較例を示す。なお、サンプル間の差異をなくすため、同一のAlN単結晶基板10から形成した半導体発光素子5を個片化し、加工を実施し半導体発光装置1を得た。
AlN単結晶基板10の表面荒さは研削研磨後の表面をAFMで測定することで定量化を行った。また裏面加工後の表面の状態の元素分析は光電子分光(XPS)により行った。
AlN単結晶基板10の表面荒さは研削研磨後の表面をAFMで測定することで定量化を行った。また裏面加工後の表面の状態の元素分析は光電子分光(XPS)により行った。
また電気特性の評価は、パッケージ化した後の半導体発光装置1を、ソケットを介して積分球に入れ、100mAの駆動電流で240〜320nmの範囲の光出力を測定することで行なった。
<実施例1>
図4は、実施例1における半導体発光装置1の一例を示す構成図である。
図4に示すように、半導体発光装置1は、半導体積層部20、電極部31、32を第1主面10a上に形成したAlN単結晶基板10において、第1主面10aに対して裏面である第2主面10bを研削することでAlN単結晶基板10を薄く研磨した。具体的には、セラミックディスク上にAlN単結晶基板10の第1主面10aをワックスで固定し、この固定したAlN単結晶基板10を、高速回転させた砥粒径8−12μmのダイヤモンドホイールで削ることで400μm厚のAlN単結晶基板10を250μmまで研削した。
図4は、実施例1における半導体発光装置1の一例を示す構成図である。
図4に示すように、半導体発光装置1は、半導体積層部20、電極部31、32を第1主面10a上に形成したAlN単結晶基板10において、第1主面10aに対して裏面である第2主面10bを研削することでAlN単結晶基板10を薄く研磨した。具体的には、セラミックディスク上にAlN単結晶基板10の第1主面10aをワックスで固定し、この固定したAlN単結晶基板10を、高速回転させた砥粒径8−12μmのダイヤモンドホイールで削ることで400μm厚のAlN単結晶基板10を250μmまで研削した。
その後シリカを主成分としたpH11の多結晶スラリーを20%配合した溶液を用いてCMPにより研磨を行った。これにより、第二主面10bに、アルミ酸化層10Aが形成された。
この時点での、各種積層物が形成されたAlN単結晶基板10の外観は目視で透明であり、裏面(第2主面10b)からAlN単結晶基板10の第一主面10a上に形成された電極部31、32のパターンを、10倍の顕微鏡ではっきりと確認できた。また第2主面10bの表面荒さを原子間力顕微鏡(AFM)で測定したところ、Ra(算術平均粗さ)で0.8nmであった。その後、AlN単結晶基板10の裏面(つまり第2主面10b側)からレーザースクライブを行い、365nm、3mWのレーザー光をスクライブラインに沿って照射することで、切り幅10μmで、深さ103μmのスクライブ溝を形成し、次に第1主面10a側から刃先により分断して個片化した。これによって、第2主面10b側からの厚みが103μmであり、半導体素子5の側面間の間隔がクライブ溝を形成した分相当だけ短い第2領域A2が形成され、すなわち、半導体発光素子5の側面間の間隔が異なる第1領域A1と第2領域A2とが形成された。
この時点での、各種積層物が形成されたAlN単結晶基板10の外観は目視で透明であり、裏面(第2主面10b)からAlN単結晶基板10の第一主面10a上に形成された電極部31、32のパターンを、10倍の顕微鏡ではっきりと確認できた。また第2主面10bの表面荒さを原子間力顕微鏡(AFM)で測定したところ、Ra(算術平均粗さ)で0.8nmであった。その後、AlN単結晶基板10の裏面(つまり第2主面10b側)からレーザースクライブを行い、365nm、3mWのレーザー光をスクライブラインに沿って照射することで、切り幅10μmで、深さ103μmのスクライブ溝を形成し、次に第1主面10a側から刃先により分断して個片化した。これによって、第2主面10b側からの厚みが103μmであり、半導体素子5の側面間の間隔がクライブ溝を形成した分相当だけ短い第2領域A2が形成され、すなわち、半導体発光素子5の側面間の間隔が異なる第1領域A1と第2領域A2とが形成された。
個片化した半導体発光素子5からなる半導体チップを、金バンプ部40aを有するサブマウント基板40にフリップチップボンドした。その後銀ペースト41でサブマウント基板40に搭載された半導体発光素子5をリードフレーム42に実装した後、銀ペースト41を175℃/2Hrで硬化し、サブマウント基板40上のバンプ部(パッド)40aに金線(ボンディングワイヤ)43でワイヤーボンドすることで電気的に接続する。
さらに、CMP工程において第2主面10b上に形成された膜厚500nm以下のアルミ酸化層10A上に、ジメチル系のシリコン樹脂を1μmの厚みになるようにディスペンサーで塗布して、シリコン樹脂層45を形成し、2.5mm直径の石英ガラスからなる半球レンズを集光レンズ46として、ピンセットで第2主面10bの中心点と集光レンズ(半球レンズ)46の中心とが揃うように搭載し、キュア(熱硬化)を行い半導体発光装置1を作成した。その後、ソケットを介して積分球に入れ、100mAの駆動電流で240〜320nmの範囲の光出力を測定した。
その結果、光出力は350μWであった。
その結果、光出力は350μWであった。
<実施例2>
深さが21μmのスクライブ溝を形成するようレーザースクライブを行なう点、また、CMP工程において、アルミ酸化層10Aが生成されないようにCMP処理を行なう点を除いて、実施例1と同様にして、半導体発光装置1を作製し、ソケットを介して積分球に入れ、100mAの駆動電流で240〜320nmの範囲の光出力を測定した。
その結果、第2主面10bの表面粗さは18nmであり、光出力は346μWであった。
深さが21μmのスクライブ溝を形成するようレーザースクライブを行なう点、また、CMP工程において、アルミ酸化層10Aが生成されないようにCMP処理を行なう点を除いて、実施例1と同様にして、半導体発光装置1を作製し、ソケットを介して積分球に入れ、100mAの駆動電流で240〜320nmの範囲の光出力を測定した。
その結果、第2主面10bの表面粗さは18nmであり、光出力は346μWであった。
<比較例1>
実施例1と同じように、半導体積層部20、電極部31、32を第1主面10a上に形成したAlN単結晶基板10において、第1主面10aの裏面である第2主面10bを研削することでAlN単結晶基板10を薄く研磨する。このとき、実施例1では、研削とCMPとを用いて200μmまで研削したが、比較例1ではCMPを用いずに、ダイヤモンドホイールの研削のみで200μmまで研削し、その後は実施例1と同様の方法で加工した。
実施例1と同じように、半導体積層部20、電極部31、32を第1主面10a上に形成したAlN単結晶基板10において、第1主面10aの裏面である第2主面10bを研削することでAlN単結晶基板10を薄く研磨する。このとき、実施例1では、研削とCMPとを用いて200μmまで研削したが、比較例1ではCMPを用いずに、ダイヤモンドホイールの研削のみで200μmまで研削し、その後は実施例1と同様の方法で加工した。
なお、レーザースクライブにより、深さが98μmのスクライブ溝を形成し、個片化を行なって加工し半導体発光装置1を得た。この半導体発光装置1に対して実施例1と同様の手順で光出力を測定した。
その結果、第2主面10bの表面粗さは510nmであり、光出力は312μWであった。
その結果、第2主面10bの表面粗さは510nmであり、光出力は312μWであった。
<比較例2>
レーザースクライブ、およびCMP工程において、アルミ酸化層10Aが生成されないようにCMP処理を行なう点を除いて、実施例1と同様の製造法を用いて半導体発光装置1を作成した。
比較例2では、図5に示すように、第一主面10a側からレーザーを照射してスクライブを行い、第2主面10b側の、レーザー照射を行なった領域に対応する部分に対して刃先を用いて個片化し、半導体発光素子5を作成した。
その後実施例1と同様に、半導体発光素子5の加工を行って半導体発光装置1を作成し、パッケージ化を実施し、光出力を測定した。
その結果、第1主面10aの表面粗さは510nm、光出力は312μWであった。
レーザースクライブ、およびCMP工程において、アルミ酸化層10Aが生成されないようにCMP処理を行なう点を除いて、実施例1と同様の製造法を用いて半導体発光装置1を作成した。
比較例2では、図5に示すように、第一主面10a側からレーザーを照射してスクライブを行い、第2主面10b側の、レーザー照射を行なった領域に対応する部分に対して刃先を用いて個片化し、半導体発光素子5を作成した。
その後実施例1と同様に、半導体発光素子5の加工を行って半導体発光装置1を作成し、パッケージ化を実施し、光出力を測定した。
その結果、第1主面10aの表面粗さは510nm、光出力は312μWであった。
<比較例3>
実施例1と同様に研削、CMPを用いて250μmまで薄化し、レーザーを第2主面10b側(裏面側)に照射して、深さ100μmのスクライブ溝を形成した後、pH13.8のKOH(水酸化カリウム)に5分間浸漬し、第2主面10bに、表面粗さが21μmの六角錘の表面荒れを形成させた。その後裏面加工をした面(第1主面10a)から個片化しようとしたが、電極パターンが認識出来ず、個片化できなかった。
上記各実施例および比較例における評価結果を下記表にまとめて示す。
実施例1と同様に研削、CMPを用いて250μmまで薄化し、レーザーを第2主面10b側(裏面側)に照射して、深さ100μmのスクライブ溝を形成した後、pH13.8のKOH(水酸化カリウム)に5分間浸漬し、第2主面10bに、表面粗さが21μmの六角錘の表面荒れを形成させた。その後裏面加工をした面(第1主面10a)から個片化しようとしたが、電極パターンが認識出来ず、個片化できなかった。
上記各実施例および比較例における評価結果を下記表にまとめて示す。
以上の結果より、実施例1と比較例1とを比較すると比較例1の方が、光出力が大きいことを確認できた。
また、実施例1において、サブマウント基板40に半導体発光素子5を実装した状態で、第2主面10bをXPSにより分析したところ、図6に示すように、398eVに帰属されるAl成分のピークと533eV付近に帰属されるO成分のピークとが検出され、AlN単結晶基板10上にアルミ酸化層10Aが形成されていることを確認した。そのサンプルをArプラズマでエッチングしていったところAlのピークは変化ないものの、O成分のピークが500nmの深さで大きく減少することを実験で確認した。このことからアルミ酸化層10Aの厚みは少なくとも500nm以下であることが確認された。なお、図6において、(a)はAl成分のピーク、(b)はO成分のピークを示したものであって、横軸は結合エネルギー(Binding Energy)(単位:eV)を表し、縦軸はc/s(単位:カウント/秒)を表す。
また、実施例1において、サブマウント基板40に半導体発光素子5を実装した状態で、第2主面10bをXPSにより分析したところ、図6に示すように、398eVに帰属されるAl成分のピークと533eV付近に帰属されるO成分のピークとが検出され、AlN単結晶基板10上にアルミ酸化層10Aが形成されていることを確認した。そのサンプルをArプラズマでエッチングしていったところAlのピークは変化ないものの、O成分のピークが500nmの深さで大きく減少することを実験で確認した。このことからアルミ酸化層10Aの厚みは少なくとも500nm以下であることが確認された。なお、図6において、(a)はAl成分のピーク、(b)はO成分のピークを示したものであって、横軸は結合エネルギー(Binding Energy)(単位:eV)を表し、縦軸はc/s(単位:カウント/秒)を表す。
また、比較例1では、CMP処理を実行せずに実施例1と同じ厚さまで研磨を行なっているが、光出力が実施例1に比較して低下した。Al03の屈折率は1.65であり、シリコン樹脂の屈折率は1.39である。実施例1のように、アルミ酸化層10Aを介することにより、屈折率変化によりグラデーションができ、反射の寄与が低下し、光出力が向上したと考えられ、実験的にも明らかになった。さらに実施例1と比較例2とはレーザースクライブを行なう面が異なるものであって、CMPの裏面加工処理バッチにも拘わらず光出力が13%も低下した。レーザースクライブにおいて、半導体積層部20がレーザーによる熱ダメージの影響を受け、その結果光出力が低下したものと考えられる。また集光レンズ46を接着するためのシリコン樹脂層45は1μm以下が望ましい。そのためにはCMPによる平滑な裏面が必要となり、CMP技術を用いることで20nm以下の表面荒さを安定して実現できる。
以上のように本発明により、AlN単結晶基板10を用いた高い光出力の半導体発光装置を実現することが可能であることが確認された。
なお、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態や実施例に限定されるものではない。当業者の知識に基づいて各実施形態や実施例に設計の変更等を加えてもよく、また、各実施形態や実施例を任意に組み合わせてもよく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす、すべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
なお、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態や実施例に限定されるものではない。当業者の知識に基づいて各実施形態や実施例に設計の変更等を加えてもよく、また、各実施形態や実施例を任意に組み合わせてもよく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす、すべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
1 半導体発光装置
4 半導体発光素子
10 AlN単結晶基板
10a 第1主面
10b 第2主面
20 半導体積層部
21 第1導電型層
22 発光層
23 第2導電型層
31、32 電極部
40 サブマウント基板
4 半導体発光素子
10 AlN単結晶基板
10a 第1主面
10b 第2主面
20 半導体積層部
21 第1導電型層
22 発光層
23 第2導電型層
31、32 電極部
40 サブマウント基板
Claims (7)
- AlN単結晶からなるウェハの第1主面側に半導体積層部および電極部を形成する工程と、
前記半導体積層部および前記電極部を形成した後、前記第1主面の裏面である第2主面をCMP処理する第2主面加工工程と、
前記CMP処理後、前記第2主面側から前記ウェハに対してレーザー加工を行い、複数の素子に個片化する素子化工程と、
個片化された素子の前記第2主面の全体を覆う大きさの平面部を有する集光レンズを、前記個片化された素子の前記第2主面側に搭載する工程と、
を備える半導体発光装置の製造方法。 - 前記第2主面加工工程は、前記第2主面の算術平均粗さRaが20nm以下となるように加工を行なう工程である請求項1記載の半導体発光装置の製造方法。
- 前記第2主面加工工程は、非晶質シリカを主成分とするpH10以上12以下のスラリーを用いて前記CMP処理を行なう工程である請求項1または請求項2に記載の半導体発光装置の製造方法。
- AlN単結晶からなる基板と、当該基板の第1主面側に設けられた半導体積層部および電気信号を入出力するための電極部と、
前記第1主面の裏面である第2主面の全体を覆って前記第2主面と面して配置される平面部を有する集光レンズと、を備え、
上面視で前記第2主面はその外径が前記第1主面の外径よりも内側にあり、かつ前記第2主面の算術粗さRaが20nm以下である半導体発光装置。 - 前記第2主面の表面に膜厚500nm以下のアルミ酸化層を有する請求項4記載の半導体発光装置。
- 前記基板は、
前記第1主面側の第1領域と、断面において前記基板の側面間の間隔が前記第1領域よりも小さい前記第2主面側の第2領域とを有し、
前記第2領域の厚みが2μm以上100μm以下である請求項4または5に記載の半導体発光装置。 - 前記半導体積層部が波長240nm以上320nm以下の紫外線を発光する請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014056295A JP2015179734A (ja) | 2014-03-19 | 2014-03-19 | 半導体発光装置の製造方法および半導体発光装置 |
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---|---|---|---|---|
JP2017092154A (ja) * | 2015-11-05 | 2017-05-25 | 旭化成株式会社 | 紫外線受光素子 |
JP2018078260A (ja) * | 2016-11-11 | 2018-05-17 | 株式会社トクヤマ | 窒化アルミニウム単結晶基板及び、該単結晶基板の製造方法 |
KR20190103149A (ko) | 2017-01-16 | 2019-09-04 | 에이지씨 가부시키가이샤 | 석영 유리 및 그것을 사용한 자외선 발광 소자용 부재 |
KR20210057220A (ko) | 2016-06-01 | 2021-05-20 | 신에쯔 세끼에이 가부시키가이샤 | 자외선smd형 led소자의 기밀봉지용 석영유리 부재 및 자외선led용 석영유리 부재의 제조방법 |
JP2022028712A (ja) * | 2016-11-29 | 2022-02-16 | パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド | 薄膜および基板除去iii族窒化物ベースのデバイスおよび方法 |
-
2014
- 2014-03-19 JP JP2014056295A patent/JP2015179734A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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