JP2018076955A - 電磁クラッチ及びこれを備えた圧縮機 - Google Patents

電磁クラッチ及びこれを備えた圧縮機 Download PDF

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Abstract

【課題】温度ヒューズの誤動作を防止又は抑制しつつ、低温雰囲気下においても回転軸がロックしてからのヒューズ反応時間を短縮可能な電磁クラッチを提供する。【解決手段】電磁クラッチ1は、ロータ2、アーマチュア3、電磁コイルユニット4、温度ヒューズ5、及び、熱応動式スイッチ6を備える。熱応動式スイッチ6は、温度ヒューズ5と共に電磁コイルユニット4の電磁コイル41に直列的に接続され、スイッチング温度(所定温度)Tsを超えると通電オフ方向に変位し、その後、温度低下により通電オン方向に変位する。そして、熱応動式スイッチ6は、電磁コイル41への通電により発生する電磁コイル41自体の自己発熱により、温度ヒューズ近傍温度T1が温度ヒューズ5の動作温度Tfを超えないように、電磁コイル41への通電をオン・オフすることにより、電磁コイル41の自己発熱による温度ヒューズ5の誤動作を防止する。【選択図】図2

Description

本発明は、電磁クラッチに関し、特に車両のエンジンやモータの動力を車両用空調装置の圧縮機等に断続的に伝達する電磁クラッチに関する。
この種の電磁クラッチとしては、例えば、特許文献1に開示された電磁クラッチが知られている。この特許文献1に開示された電磁クラッチは、駆動源の動力によって回転駆動されるロータと、このロータに対向して配置されると共に圧縮機の回転軸に連結されたアーマチュアと、電磁コイルが巻回されたボビンを有しこの電磁コイルユニットへの通電によってロータとアーマチュアを磁気吸着させる電磁コイルユニットと、所定の動作温度を超えると溶断して電磁コイルへの通電を遮断する温度ヒューズとを備えている。この種の電磁クラッチでは、何らかの原因により圧縮機の回転軸がロックすると、アーマチュアとロータとの間の接触部分に滑りが発生し、その結果、この接触部分の温度が摩擦熱により異常に上昇する。このような異常時に、温度ヒューズが電磁コイルへの通電を遮断して、ロータとアーマチュアとの連結を強制的に解除することにより、エンジンやモータ等の駆動源側に過大な負荷が作用することを回避させると共に、ロータのベアリングや駆動ベルト等の部品が摩擦熱により破損等されることを防止又は抑制するように構成されている。
特開平8−247171号公報
ここで、この種の電磁クラッチにおいて、電磁コイルに通電すると、回転軸がロックしていない正常運転時であっても、電磁コイル自体の自己発熱により、電磁コイルの温度が上昇する。したがって、正常運転時において、温度ヒューズが電磁コイルの自己発熱により溶断することは避けなければならない。つまり、温度ヒューズが一旦溶断すると、電磁コイルへの通電を復帰させることはできないため、温度ヒューズが電磁コイルの自己発熱により誤動作する(間違って溶断する)ことを防止する必要がある。
そこで、この種の電磁クラッチにおいては、電磁コイルの自己発熱による温度ヒューズの誤動作を防止するために、一般的に、温度ヒューズの動作温度(溶断温度)は想定される最も過酷な条件下における電磁コイル自体の自己発熱による電磁コイルの最高到達温度よりも高くなるように設定されている。つまり、温度ヒューズの動作温度は、電磁コイルの自己発熱による前記最高到達温度を考慮して必要以上に高温側に設定されている。一例を挙げると、例えば、自己発熱による電磁コイルの前記最高到達温度が約170℃の場合、温度ヒューズの動作温度は180℃に設定されている。このため、例えば、アーマチュア及びロータの摩擦熱による昇温速度が遅い低温雰囲気下においては、回転軸がロックした時から、温度ヒューズが動作温度に達するまでに要する時間(つまり、ロックした瞬間から溶断までの時間)が、高温雰囲気下等の場合と比較すると長くなる。したがって、従来の電磁クラッチでは、特に、低温雰囲気下において、実際に回転軸がロックしてから温度ヒューズが動作するまでに要する時間が比較的長くなるため、その分、ロータのベアリングや駆動ベルト等の部品やエンジン等を十分に保護できない可能性がある。
本発明は、このような実情に着目してなされたものであり、電磁コイルの自己発熱による温度ヒューズの誤動作を防止又は抑制しつつ、低温雰囲気下においても回転軸がロックしてから温度ヒューズが動作するまでに要する時間(ヒューズ反応時間)を短縮可能な電磁クラッチを提供することを目的とする。
本発明の一側面による電磁クラッチは、駆動源の動力によって回転駆動されるロータと、前記ロータと対向して配置され従動機器の回転軸に連結されたアーマチュアと、電磁コイルを有し当該電磁コイルへの通電によって前記ロータと前記アーマチュアとを磁気吸着させる電磁コイルユニットと、前記ロータにおけるアーマチュア側の一端面部の近傍に配置されると共に所定の動作温度を超えると溶断して前記電磁コイルへの通電をオフする温度ヒューズと、を備える。前記電磁クラッチは、前記温度ヒューズと共に前記電磁コイルに直列的に接続され、所定温度を超えると通電オフ方向に変位し、その後、温度低下により通電オン方向に変位する熱応動式スイッチであって、前記電磁コイルへの通電により発生する前記電磁コイル自体の自己発熱により、温度ヒューズ近傍温度が前記動作温度を超えないように、前記電磁コイルへの通電をオン・オフする熱応動式スイッチを、含む。
前記一側面による電磁クラッチでは、熱応動式スイッチは、温度ヒューズ近傍温度が電磁コイル自体の自己発熱により前記動作温度を超えないように、前記電磁コイルへの通電をオン・オフする。これにより、回転軸がロックしていない正常運転時において、熱応動式スイッチにより、温度ヒューズが電磁コイル自体の自己発熱により誤動作することを防止することができる。このように、温度ヒューズの誤動作を熱応動式スイッチにより防止することができるため、温度ヒューズの動作温度を、想定される最も過酷な条件下における電磁コイル自体の自己発熱による最高到達温度を考慮せずに設定することができ、温度ヒューズの動作温度を必要以上に高く設定する必要がなくなる。その結果、温度ヒューズの動作温度を従来の設定値(例えば、180℃)よりも低く設定することができ、回転軸がロックした場合、電磁コイルへの通電を従来よりも速やかに遮断することができる。したがって、低温雰囲気下においてもロック状態での通電時間を短縮して、ロータのベアリングや駆動ベルト等の部品やエンジン等の駆動源をより確実に保護することができる。
このようにして、電磁コイルの自己発熱による温度ヒューズの誤動作を防止又は抑制しつつ、低温雰囲気下においても回転軸がロックしてから温度ヒューズが動作するまでに要する時間(ヒューズ反応時間)を短縮可能な電磁クラッチを提供する。
本発明の第1実施形態による電磁クラッチの分解斜視図である。 前記電磁クラッチの断面図である。 前記電磁クラッチの電磁コイル、温度ヒューズ、及び、熱応動式スイッチ間の接続関係を説明するための概念図である。 前記温度ヒューズと前記熱応動式スイッチの配置位置を説明するため概念図である。 本発明の第2実施形態による電磁クラッチの断面図である。 第2実施形態の熱応動式スイッチの配置位置を説明するための概念図である。 第2実施形態における温度ヒューズ近傍温度の変化の一例を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して本発明に係る電磁クラッチの実施形態について説明する。
図1、図2は、本発明の第1実施形態による電磁クラッチ1の構成を示している。図1は電磁クラッチ1の分解斜視図であり、図2は電磁クラッチ1の断面図である。
本実施形態による電磁クラッチ1は、例えば車両用空調装置を構成する圧縮機に組み込まれ、駆動源としての車両用のエンジンやモータの動力を従動機器としての圧縮機に断続的に伝達する。すなわち、電磁クラッチ1は、エンジンやモータから圧縮機への動力の伝達とその遮断とを切り換える。また、本発明に係る圧縮機は、例えば、以下に実施形態を説明する電磁クラッチ1を備えて構成されたものであり、エンジンやモータからの動力が伝達されることによって作動し、エンジンやモータからの動力の伝達が遮断されるとその作動を停止する。本発明に係る圧縮機は、例えば斜板式可変容量圧縮機を採用することができる。なお、その他の形式の可変容量型圧縮機や、スクロール式、ベーン式等の固定容量圧縮機のいずれの形式のものを採用してもよい。
図1、図2に示すように、電磁クラッチ1は、エンジンやモータの動力によって回転駆動されるロータ2と、ロータ2と対向して配置されたアーマチュア3と、ロータ2とアーマチュア3を磁気吸着させる電磁コイルユニット4と、温度ヒューズ5と、熱応動式スイッチ6とを含む。なお、図2において、熱応動式スイッチ6は図示省略されている。
前記ロータ2は、環状に形成されており、その内周面がベアリング7を介して圧縮機のハウジング8(図2において破線で示す)の外周面に回転可能に支持されている。ロータ2の外周面にはベルト溝2aが形成されており、ロータ2の外周面はプーリとして機能する。より具体的には、ロータ2は、前記外周面を有する外側筒状部21と、前記内周面を有し外側筒状部21と同心配置された内側筒状部22と、外側筒状部21と内側筒状部22とを一端側で連結する円環板状の連結部23とを有し、これらが一体化されて構成されている(図2参照)。ロータ2の連結部23は、アーマチュア3と対向している。本実施形態では、ロータ2における連結部23が、本発明における「ロータにおけるアーマチュア側の一端面部」に相当する。
ベルト溝2aが形成されたロータ2の外周面には、図示省略した駆動ベルトが取り付けられており、この駆動ベルトを介して伝達されるエンジンやモータの動力によってロータ2が回転する。また、図2に示すように、外側筒状部21、内側筒状部22および連結部23で形成される円環状の空間(以下において、電磁コイルユニット収容溝という)24には、電磁コイルユニット4が配置される。
前記アーマチュア3は、ロータ2と対向して配置されると共に、回転軸9に連結されるものであり、フランジ部を有する筒状のハブ31と、磁性体によって形成された円板状のアーマチュア板32と、複数(ここでは三つ)のリーフスプリング33と、三角板状の制振板34と、を含む。
ハブ31は、ハウジング8外に突出する圧縮機の回転軸(駆動軸)9(図2において破線で示す)の端部に、例えばスプライン嵌合された状態で図示省略したナットによって前記回転軸9に固定(連結)されている。アーマチュア板32は、ロータ2の連結部(アーマチュア側の一端面部)23と対向するように配置されている。各リーフスプリング33は、一方の端部が制振板34と共にリベット35によってハブ31のフランジ部に固定され、他方の端部がリベット36によってアーマチュア板32に固定されている。各リーフスプリング33は、アーマチュア板32をロータ2の連結部23から離す方向に付勢しており、これにより、ロータ2の連結部23とアーマチュア板32との間には所定の隙間gが形成される。制振板34の各頂点付近には防振ゴム37が装着されている。制振板34および防振ゴム37は、リベット38によってアーマチュア板32に固定され、アーマチュア板32に生じた振動を減衰させる。
前記電磁コイルユニット4は、電磁コイル41を有しこの電磁コイル41への通電によって、ロータ2とアーマチュア3とを磁気吸着させて駆動源の動力を従動機器としての圧縮機に伝達可能にするものであり、電磁コイル41(図1においてはボビンに密に巻回された状態が示されている)と、電磁コイル41が巻回されるボビン42と、フィールドコア43と、を含む。電磁コイル41の一端部側には、温度ヒューズ5及び熱応動式スイッチ6が接続されている。電磁コイル41、温度ヒューズ5及び熱応動式スイッチ6の接続関係については後に詳述する。
ボビン42は、円筒部421と、第1フランジ部422と、第2フランジ部423とを有する。円筒部421は、円筒状に形成され、その外周面に電磁コイル41が券回されるものである。第1フランジ部422は、円筒部421の一端部に設けられ、ロータ2の連結部23と対向する。第2フランジ部423は、円筒部421の他端部に設けられる。第2フランジ部423の外部面(すなわち、アーマチュア3と反対側の端面)には、電源供給用コネクタ44が装着される。電源供給用コネクタ44に、図示省略した電源側コネクタが接続され、電磁コイル41へ電源を供給可能に構成されている。本実施形態では、第1フランジ部422が、本発明における「フランジ部」に相当する。
フィールドコア43は、ロータ2と同様に環状に形成されている。すなわち、フィールドコア43は、外側筒状部431と、外側筒状部431と同心配置された内側筒状部432と、外側筒状部431と内側筒状部432とを一端側で連結する円環板状の連結部433と、を有する。連結部433には、電源供給用コネクタ44が貫通する貫通孔が形成されている。フィールドコア43は、外側筒状部431、内側筒状部432及び連結部433で形成される空間(以下において、ボビン収容溝という)434内に、電源供給用コネクタ44が取り付けられたボビン42を収容する。具体的には、フィールドコア43は、電源供給用コネクタ44の先端側が前記貫通孔を介して外部に露出した状態で、電源供給用コネクタ44の基端部及びボビン42をボビン収容溝434内に収容する。その後、ボビン収容溝434内には樹脂45が充填される。この充填された樹脂45によって電磁コイル41が温度ヒューズ5及び熱応動式スイッチ6と共に封止されると共に、電磁コイル41、ボビン42、フィールドコア43、電源供給用コネクタ44が一体化されて電磁コイルユニット4が完成する。また、図2に示すように、フィールドコア43の端面には取付板46が取り付けられている。電磁コイルユニット4は、取付板46を介して圧縮機のハウジング8に設置(固定)された状態で、ロータ2の電磁コイルユニット収容溝24内に収容される。
前記温度ヒューズ5は、所定の動作温度(溶断温度)Tfを超えると溶断して電磁コイル41への通電をオフ(遮断)するものである。温度ヒューズ5は、いわゆる溶断式ヒューズであり、ロータ2とアーマチュア3との間の摩擦熱を感知し易いように、ロータ2におけるアーマチュア側の一端面部である連結部23の近傍に配置される。例えば、温度ヒューズ5は、電磁コイルユニット4と共にロータ2の電磁コイルユニット収容溝24内にて連結部23側(すなわち、アーマチュア3側)に寄せて配置されている。
前記熱応動式スイッチ6は、温度ヒューズ5と共に電磁コイル41に直列的に接続され、温度変化に応じて変位する熱応動部材(素子)を有するスイッチであり、例えば、バイメタルスイッチからなるものである。熱応動式スイッチ6は、所定温度(以下において、スイッチング温度という)Tsを超えると前記熱応動部材が通電オフ方向に変位し、その後、前記通電オフによって電磁コイル41自体の温度低下により前記熱応動部材が通電オン方向に変位する。熱応動式スイッチ6は、詳しくは、電磁コイル41への通電により発生する電磁コイル41自体の自己発熱によって、前記熱応動部材を含む熱応動部材近傍温度(すなわち、後述するスイッチ近傍温度T2)がスイッチング温度Tsを超えると、前記熱応動部材が通電オフ方向に変位し、その後、前記通電オフによる電磁コイル41自体の温度低下によって、前記熱応動部材近傍温度が例えばスイッチング温度Tsより低くなると、前記熱応動部材が通電オン方向に変位する。そして、熱応動式スイッチ6は、電磁コイル41への通電により発生する電磁コイル41自体の自己発熱により、温度ヒューズ5の近傍の温度(温度ヒューズ近傍温度)T1が温度ヒューズ5の動作温度Tfを超えないように、電磁コイル41への通電をオン・オフするように構成されている。
ここで、以下では、温度ヒューズ5及び熱応動式スイッチ6について、それぞれの概略構造、電磁コイル41との接続関係、具体的な配置位置、動作温度Tf及びスイッチング温度Tsの設定値の一例、及び、動作についてそれぞれ説明する。
まず、図3を参照して、温度ヒューズ5及び熱応動式スイッチ6の概略構造の一例について説明する。温度ヒューズ5は、具体的には、ヒューズ本体部5aと、このヒューズ本体部5aの両端からそれぞれ延伸するリード線5bとを有する。ヒューズ本体部5a内には、動作温度Tfを超えると溶断する可溶体が収容されており、この可溶体の両端部にそれぞれリード線5bが電気的に接続されている。熱応動式スイッチ6は、スイッチ本体部6aと、スイッチ本体部6aの両端からそれぞれ延伸するリード線6bとを有する。スイッチ本体部6a内には、スイッチング温度Tsを超えると通電オフ方向に変位し、その後、温度低下により通電オン方向に変位(復帰)する前記熱応動部材としてのバイメタル部材が収容されている。このバイメタル部材の両端部にそれぞれリード線6bが電気的に接続されている。
次に、図3を参照して、電磁コイル41、温度ヒューズ5、及び、熱応動式スイッチ6間の接続関係について説明する。電磁コイル41、温度ヒューズ5、及び、熱応動式スイッチ6は、直列的に接続されている。具体的には、例えば、ボビン42に券回された電磁コイル41の巻き終わり側端部41eは、温度ヒューズ5の一方のリード線5bの端部に接続端子5cを介して接続されている。そして、温度ヒューズ5の他方のリード線5bの端部は、接続端子5cを介して接続用中間銅線C1の一端部に接続されている。この接続用中間銅線C1の他端部は、熱応動式スイッチ6の一方のリード線6bの端部に接続端子6cを介して接続されている。そして、熱応動式スイッチ6の他方のリード線6bの端部は、接続端子6cを介して接続用終端銅線C2の一端部に接続されている。このようにして、電磁コイル41と、温度ヒューズ5、及び、熱応動式スイッチ6が直列的に接続されている。なお、ボビン42に券回された電磁コイル41における巻き始め側端部41sは電源供給用コネクタ44(図2参照)内の一方の端子(例えばマイナス側端子)に接続され、接続用終端銅線C2の他端部は、電源供給用コネクタ44内の他方の端子(例えばプラス側端子)に接続されている。
次に、図1、図2及び図4を参照して、温度ヒューズ5及び熱応動式スイッチ6の配置位置を説明すると共に、動作温度Tf及びスイッチング温度Tsの設定値の一例について説明する。本実施形態では、温度ヒューズ5は、ロータ2とアーマチュア3との間の摩擦熱を感知し易いように、ボビン42の第1フランジ部422の外部面(すなわち、アーマチュア側の端面)上に配置される。一方、熱応動式スイッチ6は、前記摩擦熱を感知し難いように、ロータ2の内部であって温度ヒューズ5よりもロータ2の他端面部(すなわち、アーマチュア3と反対側の端面部)側に遠ざけた位置に配置される。より具体的には、熱応動式スイッチ6は、前記摩擦熱を感知しし難く、且つ、電磁コイル41の自己発熱を感知し易いように、ボビン42の円筒部421に巻回された電磁コイル41の最外周部位であるコイル側面41aに配置される。
本実施形態において、温度ヒューズ5の動作温度Tfは、例えば、従来の設定値(例えば、180℃)と比較して、十分に低い値(例えば、155℃)に設定されているものとする。動作温度Tfが低いほど、回転軸9がロックしてから温度ヒューズ5が動作するまでに要する時間(ヒューズ反応時間)が短くなり、ロック状態での電磁コイル41への通電時間が短くなる。したがって、動作温度Tfが低いほど、ロータ2のベアリング7や駆動ベルト等の部品やエンジン等の保護の確実性が増す。動作温度Tfが155℃以下の場合、鉛を含有しない温度ヒューズ5を採用することができる。
また、本実施形態では、熱応動式スイッチ6のスイッチング温度Tsは、温度ヒューズ5の動作温度Tfと一致するように設定されている。つまり、スイッチング温度Tsと動作温度Tfは、それぞれ同じ値(例えば、155℃)に設定されている。電磁コイル41に通電すると、その通電による電磁コイル41自体の自己発熱により、電磁コイル41及びその周辺の温度が上昇する。例えば、想定される最も過酷な条件(雰囲気温度等)下における電磁コイル41自体の自己発熱による電磁コイル41の最高到達温度Tmaxは、例えば、約170℃程度である。また、この自己発熱による温度上昇は、ボビン42の第1フランジ部422の外部面上よりも、コイル側面41aの方が高い。したがって、回転軸9がロックしていない正常運転時において、コイル側面41aの温度が自己発熱により上昇して例えば155℃になったとしても、ボビン42の第1フランジ部422の外部面上に配置されている温度ヒューズ5の近傍の温度(温度ヒューズ近傍温度)T1は155℃より低い。したがって、例えば、スイッチング温度Tsの設定値と動作温度Tfの設定値を一致させていれば、温度ヒューズ5の動作温度Tfを従来よりも低い値に設定したとしても、熱応動式スイッチ6により、電磁コイル41の自己発熱により温度ヒューズ近傍温度T1が温度ヒューズ5の動作温度Tfを超えないように、電磁コイル41への通電をオン・オフすることができる。このように、本実施形態では、熱応動式スイッチ6を、ロータ2とアーマチュア3との間の摩擦熱を感知し難く、且つ、電磁コイル41の自己発熱を感知し易い位置に配置することにより、熱応動式スイッチ6により、電磁コイル41の自己発熱による温度ヒューズ5の誤動作を防止している。
次に、以上のような構成を有する電磁クラッチ1による圧縮機に対する動力伝達の断続動作を、簡単に説明する。
はじめに、温度ヒューズ5及び熱応動式スイッチ6が作動していない状態、つまり、温度ヒューズ近傍温度T1が動作温度Tfに至っておらず、且つ、熱応動式スイッチ6の近傍の温度(以下において、スイッチ近傍温度という)T2がスイッチング温度Tsに至っていない状態(T1<Tf、且つ、T2<Ts)での動力伝達の断続動作について説明する。この状態では、車両側のエアコン制御装置によって電磁コイル41への通電のオン・オフが制御されている。まず、エンジンから出力される回転駆動力によりロータ2が回転する。この状態で、電磁コイル41へ通電されると、電磁コイルユニット4は、ロータ2を磁化し、電磁力によりアーマチュア3をロータ2に吸着させ両者間の摩擦力によりアーマチュア3をロータ2と同期回転させる。アーマチュア3の回転力は、ハブ31を介して回転軸9に伝達され、回転軸9が回転して圧縮機の圧縮動作が行われる。一方、車両側のエアコン制御装置によって電磁コイル41への通電が遮断されるとロータ2が消磁され、リーフスプリング33の復元力によりアーマチュア3がロータ2から離脱する。そして、ロータ2の回転はアーマチュア3へ伝達されず、回転軸9の回転が停止して圧縮機の圧縮動作が停止する。
次に、例えば、前記エアコン制御装置によって電磁コイル41へ通電されており、且つ、回転軸9がロックしていない正常運転時ではあるが、電磁コイル41の自己発熱によりスイッチ近傍温度T2がスイッチング温度Tsを超えた場合(T1<Tf、且つ、T2≧Ts)の動作について説明する。この状態では、温度ヒューズ近傍温度T1は、スイッチング温度Tsと同じ温度に設定された動作温度Tfを超えていない。そのため、温度ヒューズ5は、電磁コイル41の自己発熱により誤動作しない。一方、熱応動式スイッチ6は、その前記バイメタル部材を通電オフ方向に変位させ、電磁コイル41への通電をオフ(遮断)する。これにより、アーマチュア3がロータ2から離脱し、回転軸9の回転が停止して圧縮機の圧縮動作が停止すると共に、スイッチ近傍温度T2(つまり、本実施形態では、コイル側面41aの温度)が低下する。そして、スイッチ近傍温度T2が例えばスイッチング温度Tsより低くなると、熱応動式スイッチ6はその前記バイメタル部材を通電オン方向に変位させ、電磁コイル41への通電をオン(再通電)する。熱応動式スイッチ6により通電をオフした後、スイッチ近傍温度T2はスイッチング温度Ts未満に急速に低下するため、圧縮機の停止時間は無視できるほど短い。そのため、エアコンの運転に大きな影響はなく、車両の室温が大幅に変動することはない。
次に、例えば、前記エアコン制御装置によって電磁コイル41へ通電されており、且つ、電磁コイル41の自己発熱により、スイッチ近傍温度T2がスイッチング温度Tsを超えずに安定している(T2<Ts)状態で、回転軸9がロックし始めた場合の動作について説明する。本実施形態では、温度ヒューズ5の動作温度Tfと熱応動式スイッチ6のスイッチング温度Tsを一致させている上、回転軸9がロックし始める直前の温度ヒューズ近傍温度T1は、スイッチ近傍温度T2より低い値で安定している。そのため、回転軸9がロックした場合に、温度ヒューズ近傍温度T1が電磁コイル41の自己発熱に起因して動作温度Tfを超えることはない。しかし、回転軸9がロックし始めると、ロータ2とアーマチュア3と間の摩擦により摩擦熱が発生し、温度ヒューズ近傍温度T1が前記摩擦熱に起因して動作温度Tfを超えることがある。つまり、スイッチ近傍温度T2がスイッチング温度Tsを超えずに安定している状態で、温度ヒューズ5が熱応動式スイッチ6よりも先に作動したときは、回転軸9がロックした場合である。そして、温度ヒューズ5の動作温度Tfは、従来では、例えば180℃に設定していたところ、本実施形態では、155℃に設定されている。そのため、回転軸9のロックが発生した場合、温度ヒューズ5により、電磁コイル41への通電を速やかに遮断することができる。これにより、ロック後、従来よりも短時間で、アーマチュア3をロータ2から離脱させ、エンジンやモータ等の駆動源側に過大な負荷が作用することを回避させると共に、ロータ2のベアリング7や駆動ベルト等の部品の損傷が防止でき、車両の安全な走行を確保する。
本実施形態による電磁クラッチ1によれば、熱応動式スイッチ6は、温度ヒューズ近傍温度T1が電磁コイル41自体の自己発熱により動作温度Tfを超えないように、電磁コイル41への通電をオン・オフする。これにより、回転軸9がロックしていない正常運転時において、熱応動式スイッチ6により、温度ヒューズ5が電磁コイル41の自己発熱により誤動作することを防止することができる。このように、温度ヒューズ5の誤動作を熱応動式スイッチ6により防止することができるため、温度ヒューズ5の動作温度Tfを電磁コイル41の自己発熱による最高到達温度Tmaxを考慮せずに設定することができる。その結果、温度ヒューズ5の動作温度Tfを従来よりも低く設定して、電磁コイル41への通電を速やかに遮断することができる。したがって、例えば、アーマチュア3及びロータ2の摩擦熱による昇温速度が遅い低温雰囲気下であっても、ロック状態での通電時間を短縮して、ロータのベアリングや駆動ベルト等の部品やエンジン等の駆動源をより確実に保護することができる。
このようにして、電磁コイルの自己発熱による温度ヒューズの誤動作を防止又は抑制しつつ、低温雰囲気下においても回転軸9がロックしてから温度ヒューズが動作するまでに要する時間(ヒューズ反応時間)を短縮可能な電磁クラッチ1を提供することができる。
また、本実施形態では、熱応動式スイッチ6は、ロータ2の内部であって温度ヒューズ5よりもロータ2の他端面部(すなわち、アーマチュア3と反対側の端面部)側に遠ざけた位置に配置される。これにより、熱応動式スイッチ6をロータ2とアーマチュア3との間の摩擦熱を感知し難い位置に配置することができ、摩擦熱の影響を低減して電磁コイル41の自己発熱を熱応動式スイッチ6により感知させることができる。
より具体的には、本実施形態では、温度ヒューズ5は、ボビン42の第1フランジ部422の外部面上に配置され、熱応動式スイッチ6は、ボビン42のコイル側面41aに配置される構成とした。これにより、温度ヒューズ5については、前記摩擦熱を感知し易く、且つ、前記自己発熱を感知し難い位置に配置しつつ、熱応動式スイッチ6については、逆に、前記摩擦熱を感知しし難く、且つ、前記自己発熱を感知し易い位置に配置することができる。その結果、前記自己発熱による温度ヒューズ5の誤動作を容易に防止しつつ、熱応動式スイッチ6による前記自己発熱の感知精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、温度ヒューズ5の動作温度Tfを従来よりも十分に低い例えば155℃程度又は155℃未満に設定することができる。そのため、温度ヒューズ5として鉛を含有しない安価な溶断式ヒューズを採用することができ、環境保護の観点においても優れた利点を有する。
また、本実施形態では、温度ヒューズ5及び熱応動式スイッチ6を前述したように配置した上で、熱応動式スイッチ6のスイッチング温度Tsを、温度ヒューズ5の動作温度Tfと一致するように設定(つまりTs=Tf)している。これにより、動作温度Tfについては本実施形態と同様に例えば155℃とし、スイッチング温度Tsについては動作温度Tfより低い値(例えば150℃)に設定(つまり、Ts<Tf)した場合と比較すると、本実施形態による電磁クラッチ1では、電磁コイル41の自己発熱による熱応動式スイッチ6のスイッチング動作の回数を低減させることができる。その結果、本実施形態による電磁クラッチ1では、エアコンの運転が必要なときに、自己発熱による温度ヒューズ5の誤動作を防止するために圧縮機を停止させてしまう期間を低減させることができ、車両内の運転者等が不快感を生じることなく運転等することができる。
なお、本実施形態では、スイッチング温度Tsを動作温度Tfと一致するように設定したが、これに限らず、スイッチング温度Tsを動作温度Tfより低い値に設定してもよい。これにより、前記自己発熱による温度ヒューズ5の誤動作をより確実に防止することができる。また、本実施形態では、熱応動式スイッチ6は、電磁コイル41の最外周部位であるコイル側面41aに配置されるものとして説明したが、これに限らず、例えば、ボビン42の円筒部421の外周面に配置したり、この外周面とコイル側面41aの間の電磁コイル41内に配置したりしてもよい。つまり、本実施形態では、温度ヒューズ5及び熱応動式スイッチ6の配置は、図2に示す配置に限定されず、温度ヒューズ5については、前記摩擦熱を感知し易く、且つ、前記自己発熱を感知し難い位置に配置され、熱応動式スイッチ6については、逆に、前記摩擦熱を感知しし難く、且つ、前記自己発熱を感知し易い位置に配置されていればよい。
図5及び図6は、本発明の第2実施形態による電磁クラッチ1の構成を示している。図5は電磁クラッチ1の断面図を、図6は要部斜視図である。第1実施形態とは熱応動式スイッチ6の配置位置が異なる。第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第2実施形態では、熱応動式スイッチ6は、温度ヒューズ5の近傍に配置される。具体的には、熱応動式スイッチ6は、ボビン42の第1フランジ部422の外部面上にて温度ヒューズ5の近傍に配置されている。したがって、第2実施形態では、温度ヒューズ5及び熱応動式スイッチ6は、フランジ部422に配置されている。
また、第2実施形態では、熱応動式スイッチ6のスイッチング温度Tsは、温度ヒューズ5の動作温度Tfよりも低く、且つ、動作温度Tfとの温度差ΔTfs(=Tf−Ts)が所定の温度差ΔTosよりも小さくなるように設定されている。前記所定の温度差ΔTosは、後述するオーバーシュート現象における所定のオーバーシュート最高温度Toからスイッチング温度Tsを差し引いて得られる値であり、予め定めることができ、例えば、15℃程度である。例えば、動作温度Tfについては第1実施形態と同様に155℃とし、スイッチング温度Tsについては動作温度Tfよりも低く、且つ、ΔTfsがΔTos(=15℃)よりも小さくなるように150℃に設定(つまり、Ts<Tf、且つ、ΔTfs<ΔTos)されている。第2実施形態において、前記所定の温度差ΔTosが、本発明に係る「所定値」に相当する。
次に、第2実施形態の電磁クラッチ1による圧縮機に対する動力伝達の断続動作を、簡単に説明する。温度ヒューズ5及び熱応動式スイッチ6が作動していない状態(T1<Tf、且つ、T2<Ts)での電磁クラッチ1の動作と、回転軸9がロックしていない正常運転時ではあるがスイッチ近傍温度T2がスイッチング温度Tsを超えた場合(T1<Tf、且つ、T2≧Ts)の電磁クラッチ1の動作については第1実施形態と同じであるため説明を省略する。以下では、例えば、前記エアコン制御装置によって電磁コイル41へ通電されており、且つ、電磁コイル41の自己発熱により、スイッチ近傍温度T2がスイッチング温度Tsを超えずに安定している(T2<Ts)状態(状態A)で、回転軸9がロックし始めた場合の動作について説明する。
図7は、前記状態A(t<t1)で、回転軸9がロックし始めたときの温度ヒューズ近傍温度T1の変化の一例を説明するための図であり、横軸は時間を示し、縦軸は温度ヒューズ近傍温度T1を示す。回転軸9が時間(時刻)t1にロックし始めると、温度ヒューズ近傍温度T1が前記摩擦熱に起因して上昇する。第2実施形態では、熱応動式スイッチ6は温度ヒューズ5の近傍に配置されているため、スイッチ近傍温度T2の温度変化と温度ヒューズ近傍温度T1の温度変化は近似する。したがって、図7はスイッチ近傍温度T2の温度変化の一例でもある。また。第2実施形態では、熱応動式スイッチ6のスイッチング温度Tsが温度ヒューズ5の動作温度Tfよりも低くなるように設定されているため、温度ヒューズ近傍温度T1(=スイッチ近傍温度T2)がスイッチング温度Tsを超えると(t=t2)、熱応動式スイッチ6が温度ヒューズ5よりも先に作動して電磁コイル41への通電をオフする。
ここで、通電がオフされると、アーマチュア3がロータ2から離脱するので、通電オフ後に新たに摩擦熱が発生することはない。しかし、例えば、通電オフの直前までに発生して、連結部23を介してロータ2に入力(入熱)された摩擦熱がロータ2内全体に伝導するまでには所定の時間を要する。そのため、図7に示すように、通電オフ後であってもロータ2内の温度は、所定時間の間(t2<t<t4、例えば、30秒程度の間)、上昇し続け、ロータ2内全体に入力された摩擦熱が行き渡ったところ(t=t4)で、下降する。その結果、通電オフ後であっても、温度ヒューズ近傍温度T1(=T2)は、スイッチング温度Tsよりも超え(行過ぎ)て所定の最高温度Toまで上昇するというオーバーシュート現象が生じる場合がある。
ところで、回転軸9がロックした場合は圧縮機内に重大な故障が生じているので、ロック後は、通電を復帰できないように、温度ヒューズ5を確実に作動させて電磁コイル41への通電を遮断し、ロータ2とアーマチュア3との連結を強制的に解除しなければならない。例えば、スイッチング温度Tsを動作温度Tfよりも低く設定したとしても、動作温度Tfとスイッチング温度Tsとの温度差ΔTfsがオーバーシュート現象における所定の最高温度Toとスイッチング温度Tsとの温度差ΔTos(つまり、オーバーシュート量)よりも大きい場合(ΔTfs>ΔTos)には、温度ヒューズ近傍温度T1が動作温度Tfに到達する前に下降し始めてしまう。その結果、温度ヒューズ5が作動する前に、温度ヒューズ近傍温度T1がスイッチング温度Tsよりも低くなり、熱応動式スイッチ6により通電が復帰されてしまう。この点、第2実施形態では、動作温度Tfとスイッチング温度Tsとの温度差ΔTfsが所定の温度差ΔTos(15℃)よりも小さくなるように設定されている。これにより、回転軸9がロックした後に、熱応動式スイッチ6により通電が復帰されないように、温度ヒューズ5を確実に作動することができる。なお、動作温度Tfとスイッチング温度Tsとの温度差ΔTfsは、5℃に限らず、温度差ΔTos(オーバーシュート量)より小さくなるように、適宜に設定すればよい。
また、第2実施形態では、熱応動式スイッチ6を、図5及び図6に示すように、例えば、ボビン42の第1フランジ部422の外部面上にて温度ヒューズ5の近傍に配置したとしても、Ts<Tfに設定されているため、自己発熱による温度ヒューズ5の誤動作を確実に防止することができる。さらに、熱応動式スイッチ6を第1フランジ部422の外部面上に配置することにより、コイル側面41aの部分のスペースを有効に活用したり、ボビン42の外径を低減したりすることもできる。
なお、上記各実施形態で挙げたTf、Tsは一例であり、適宜に設定することができる。また、上記各実施形態では、車両エアコンシステムに使用される圧縮機に装着される電磁クラッチを一例として説明したが、本発明に係る電磁クラッチは、これに限らず、他の用途にも適用できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。
1・・・・・・電磁クラッチ
2・・・・・・ロータ
3・・・・・・アーマチュア
4・・・・・・電磁コイルユニット
5・・・・・・温度ヒューズ
6・・・・・・熱応動式スイッチ
9・・・・・・回転軸
23・・・・・連結部(アーマチュア側の一端面部)
41・・・・・電磁コイル
42・・・・・ボビン
421・・・・円筒部
422・・・・フランジ部
Tf・・・・・動作温度
Ts・・・・・スイッチング温度(所定温度)
T1・・・・・温度ヒューズ近傍温度
ΔTfs・・・動作温度とスイッチング温度(所定温度)との温度差
ΔTos・・・所定の温度差(所定値)

Claims (7)

  1. 駆動源の動力によって回転駆動されるロータと、
    前記ロータと対向して配置され従動機器の回転軸に連結されたアーマチュアと、
    電磁コイルを有し当該電磁コイルへの通電によって前記ロータと前記アーマチュアとを磁気吸着させる電磁コイルユニットと、
    前記ロータにおけるアーマチュア側の一端面部の近傍に配置されると共に所定の動作温度を超えると溶断して前記電磁コイルへの通電をオフする温度ヒューズと、
    を備えた電磁クラッチであって、
    前記温度ヒューズと共に前記電磁コイルに直列的に接続され、所定温度を超えると通電オフ方向に変位し、その後、温度低下により通電オン方向に変位する熱応動式スイッチであって、前記電磁コイルへの通電により発生する前記電磁コイル自体の自己発熱により、温度ヒューズ近傍温度が前記動作温度を超えないように、前記電磁コイルへの通電をオン・オフする熱応動式スイッチを、
    含む、電磁クラッチ。
  2. 前記熱応動式スイッチは、前記ロータの内部であって前記温度ヒューズよりも前記ロータの他端面部側に遠ざけた位置に配置される、請求項1に記載の電磁クラッチ。
  3. 前記電磁コイルユニットは、前記電磁コイルが巻回される円筒部と、前記円筒部の一端部に設けられ前記アーマチュア側端面部と対向するフランジ部とを有するボビンを含み、
    前記温度ヒューズは、前記フランジ部に配置され、
    前記熱応動式スイッチは、前記円筒部に巻回された前記電磁コイルの最外周部位であるコイル側面に配置される、請求項2に記載の電磁クラッチ。
  4. 前記熱応動式スイッチの前記所定温度は、前記温度ヒューズの前記動作温度と一致するように設定されている、請求項2又は3に記載の電磁クラッチ。
  5. 前記熱応動式スイッチは、前記温度ヒューズの近傍に配置され、
    前記熱応動式スイッチの前記所定温度は、前記温度ヒューズの前記動作温度よりも低く、且つ、前記動作温度との温度差が所定値よりも小さくなるように設定されている、
    請求項1に記載の電磁クラッチ。
  6. 前記電磁コイルユニットは、前記電磁コイルが巻回される円筒部と、前記円筒部の一端部に設けられ前記アーマチュア側端面部と対向するフランジ部とを有するボビンを含み、
    前記温度ヒューズ及び前記熱応動スイッチは、前記フランジ部に配置される、請求項5に記載の電磁クラッチ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つに記載の電磁クラッチを備えた圧縮機。
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