[第1の実施形態]
以下、車両用のシートに実装された乗員検知装置に関する第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両用のシート1は、シートクッション2と、このシートクッション2の後端部に対して傾動自在に設けられたシートバック3と、を備えている。そして、そのシートバック3の上端には、ヘッドレスト4が設けられている。
また、車両の床部5には、車両前後方向に延びる左右一対のロアレール6が設けられている。更に、これら各ロアレール6には、それぞれ、その延伸方向に沿って当該ロアレール6上を相対移動可能なアッパレール7が装着されている。そして、本実施形態のシート1は、これらの各ロアレール6及びアッパレール7が形成するシートスライド装置8の上方に支持される構成となっている。
図1及び図2に示すように、本実施形態では、シート1の下方には、複数の荷重センサ10が設けられている。具体的には、これらの荷重センサ10(10a〜10d)は、上記のようにシートスライド装置8を構成する支持部材としてのアッパレール7と当該アッパレール7の上方に支持されたシート1との間、詳しくは、そのシートクッション2のサイドフレームとの間に介在されている。尚、本実施形態のシート1において、これらの各荷重センサ10には、周知の歪みセンサが用いられている。そして、これらの各荷重センサ10は、それぞれ、シートクッション2が形成する略矩形状の着座面1sの四隅に対応する位置に配置されている。
図2に示すように、これら各荷重センサ10の出力信号は、乗員検知装置としてのECU11に入力される。そして、本実施形態のECU11は、各荷重センサ10a〜10dの出力信号に基づいて、当該各荷重センサ10a〜10dが設けられた4つの領域、即ちシート1の着座面1sを前後左右に4分割した各領域A1〜A4毎に、そのシート荷重(センサ荷重検出値Wa〜Wd)を検出する構成になっている。
即ち、第1の荷重センサ10aによるセンサ荷重検出値Waは、シート1における前方外側(アウター側、図2中、領域A1)のシート荷重を示し、第2の荷重センサ10bによるセンサ荷重検出値Wbは、前方内側(インナー側、同図中、領域A2)のシート荷重を示している。また、第3の荷重センサ10cによるセンサ荷重検出値Wcは、シート1における後方外側(同図中、領域A3)のシート荷重を示し、第4の荷重センサ10dによるセンサ荷重検出値Wdは、後方内側(同図中、領域A4)のシート荷重を示している。そして、本実施形態のECU11は、これら各センサ荷重検出値Wa〜Wdの合計値を、そのシート1全体としてのシート荷重Wとする構成になっている(W=Wa+Wb+Wc+Wd)。
(自動運転状態における運転者の着座姿勢検知)
次に、車両が自動運転状態にある場合において本実施形態のECU11が実行する運転者の着座姿勢検知について説明する。
図2に示すように、本実施形態のECU11には、車両が自動運転状態に移行したことを示す自動運転移行信号Sadが入力される。そして、ECU11は、この自動運転移行信号Sadに基づいて、車両が自動運転状態に移行したことを検出する。
また、本実施形態の車両は、その自動運転レベルが「準自動走行システム(レベル2又はレベル3)」に分類されている。この点を踏まえ、本実施形態のECU11は、車両が自動運転状態に移行する前後のシート荷重Wの推移に基づいて、その運転席21に着座する乗員20、即ち車両の運転者DRの着座姿勢を検知する(図1参照)。そして、その自動運転状態における運転者DRの着座姿勢が、緊急時、即座に運転を開始できない非運転監視姿勢であること検知した場合には、ウォーニングランプやスピーカー等の警報装置22を介して着座姿勢の是正を促す警告出力を実行する構成になっている。
詳述すると、図1に示すように、運転者DRが自らハンドル23を握って車両を運転する運転姿勢にある場合、通常、この運転者DRは、その一方の足24aで車両のフットレバー25(アクセル25a又はブレーキペダル25b)を操作する。そして、このとき、他方側の足24bは、車両の床部5に置かれた状態となっている(所謂マニュアル車におけるクラッチ操作時を除く)。
また、図3に示すように、車両が自動運転状態に移行することで、多くの運転者DRは、ハンドル23から手26を離してシートバック3にもたれ掛かる。そして、このとき、運転者DRは、緊急時、その車両の運転を即座に開始できるよう、両足24a,24bを車両の床部5に置いた運転監視姿勢をとることが推奨されている。
しかしながら、図4及び図5に示すように、例えば、自動運転状態が長く続いた状況にある場合等、緊張の弛みから、運転者DRが、その両足24a,24bをシート1の着座面1sに載せた姿勢をとることがある。即ち、図4に示す着座姿勢は、運転者DRが、その両足24a,24bを手26で抱え込んだ所謂「足抱え姿勢」であり、図5は、その両足24a,24bを交差させる状態で着座面1sに載せた所謂「胡座姿勢」である。そして、これらの着座姿勢は、何れも、緊急時、その車両の運転を即座に開始することができない「非運転監視姿勢」と考えられる。
本実施形態のECU11は、シート荷重Wの推移に基づいて、このような脚部L(足24a,24b)の配置に特徴のある運転者DRの非着座姿勢を検知する。そして、上記のように警告出力を実行することで、その是正を促す構成になっている。
さらに詳述すると、図6のフローチャートに示すように、本実施形態のECU11は、センサ荷重検出値Wa〜Wdを取得し(ステップ101)、シート1全体としてのシート荷重Wを検出すると(ステップ102)、続いて、その後荷重比率αを検出する(α=(Wc+Wd)/W、ステップ103)。また、本実施形態のECU11は、運転者DRが自ら車両を運転する状態にあり(乗員運転状態、ステップ104:YES)、且つシート荷重W及び後荷重比率αが安定している場合(ステップ105:YES)に、これらシート荷重W及び後荷重比率αの検出値を、その乗員運転状態における基準値に設定する(W0=W,α0=α、ステップ106)。尚、本実施形態のECU11は、これらの乗員運転時基準値W0,α0を、その記憶領域11aに保持する(図2参照)。そして、本実施形態のECU11は、これらの乗員運転時基準値W0,α0と新たに検出されるシート荷重W及び後荷重比率αとを比較するかたちで、そのシート荷重W及び後荷重比率αの推移を監視する構成になっている。
具体的には、図7のフローチャートに示すように、本実施形態のECU11は、車両が自動運転状態にある場合(ステップ201:YES)、その検出されるシート荷重Wから上記乗員運転時基準値W0を減ずることにより、車両が自動運転状態に移行した後におけるシート荷重Wの変動値ΔWを演算する(ΔW=W−W0、ステップ202)。また、本実施形態のECU11は、同様に、検出されるシート荷重Wの後荷重比率αから、その乗員運転時基準値α0を減ずることにより、自動運転状態移行後における後荷重比率αの変動値Δαを演算する(Δα=α−α0、ステップ203)。そして、本実施形態のECU11は、これらシート荷重Wの変動値ΔW及びその後荷重比率αの変動値Δαに基づいて、運転者DRの着座姿勢検知判定を実行する構成になっている(ステップ204)。
即ち、図1及び図3、並びに図8に示すように、運転者DRの着座姿勢が、自らハンドル23を握る運転姿勢(図1参照)から運転監視姿勢(図3参照)に移行した場合、この運転者DRが車両の床部5に両足24a,24bを置くことで、その運転者DRの体重が床部5に置かれた両足24a,24bに分散される。そして、これにより、運転席21のシート荷重Wが減少することで、その自動運転状態移行後におけるシート荷重Wの変動値ΔWは、負の値(ΔW<0)となる。
また、このとき、この運転者DRはシートバック3にもたれ掛かることが多い。つまり、これにより、そのシート荷重Wの後荷重比率αが増加する。その結果、自動運転状態移行後における後荷重比率αの変動値Δαは、正の値(Δα>0)をとることになる。
一方、図4及び図5、並びに図8に示すように、運転者DRが両足24a,24bをシート1の着座面1sに載せるような非運転監視姿勢をとった場合、この運転者DRの体重が全てシート1に加わることになる。そして、これにより、運転席21のシート荷重Wが増加することで、その自動運転状態移行後におけるシート荷重Wの変動値ΔWは、正の値(ΔW>0)となる。
更に、運転者DRが、そのシート1の着座面1sに載せた両足24a,24bに体重を預けることにより、シート荷重Wの後荷重比率αは減少する。その結果、自動運転状態移行後における後荷重比率αの変動値Δαは、負の値(Δα<0)をとることになる。
この点を踏まえ、本実施形態のECU11は、図7中のステップ204に示される着座姿勢検知判定において、同図中、ステップ202において演算したシート荷重Wの変動値ΔW及びステップ203において演算した後荷重比率αの変動値Δαを、それぞれ、その閾値W1,W2,α1,α2と比較する。そして、これにより、上記のような運転者DRの着座姿勢に応じた変化を検出することで、その車両が自動運転状態にある場合における運転者DRの運転監視姿勢及び非運転監視姿勢を検知する構成になっている。
詳述すると、図9のフローチャートに示すように、本実施形態のECU11は、運転監視姿勢の検知判定(運転監視姿勢判定)において、先ず、自動運転状態移行後におけるシート荷重Wの変動値ΔWが第1の閾値W1以下の負の値(ΔW<0)であるか否かを判定する(ステップ301)。尚、この第1の閾値W1は、自動運転状態移行後のシート荷重Wが、その自動運転状態に移行する前の値、つまりは乗員運転時基準値W0から、例えば5%〜25%程度減少した場合に相当する負の値(W1<0)に設定される。更に、ECU11は、上記ステップ301において、自動運転状態移行後におけるシート荷重Wの変動値ΔWが第1の閾値W1以下の負の値である、つまりは自動運転状態移行前よりもシート荷重Wが減少したと判定した場合(ΔW≦W1、ステップ301:YES)、この状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する(ステップ302)。そして、本実施形態のECU11は、このステップ302において、自動運転状態移行前よりもシート荷重Wが減少した状態が所定時間以上継続していると判定した場合(ステップ302:YES)には、その運転者DRの運転監視姿勢を検知可能な第1の監視姿勢検知条件が成立したものと判定する(ステップ303)。
尚、本実施形態のECU11は、上記ステップ301において、シート荷重Wの変動値ΔWが第1の閾値W1よりも大きい場合、つまりは自動運転状態移行前よりもシート荷重Wが減少したと認められない場合(ΔW>W1、ステップ301:NO)には、このステップ303の処理を実行しない。そして、上記ステップ302において、シート荷重Wが減少した状態が所定時間経過していないと判定した場合(ステップ302:NO)にも、このステップ303の処理を実行しない。
また、ECU11は、自動運転状態移行後におけるシート荷重Wの後荷重比率αについて、その変動値Δαが第1の閾値α1以上の正の値(Δα>0)であるか否かを判定する(ステップ304)。尚、この第1の閾値α1は、自動運転状態移行後の後荷重比率αが、その自動運転状態に移行する前の値、つまりは乗員運転時基準値α0から、例えば5%〜30%程度増加した場合に相当する正の値に設定される(α1>0)。更に、ECU11は、ステップ304において、自動運転状態移行後における後荷重比率αの変動値Δαが第1の閾値α1以上の正の値である、つまり自動運転状態移行前よりもシート荷重Wの後荷重比率αが増加したと判定した場合(Δα≧α1、ステップ304:YES)、この状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する(ステップ305)。そして、本実施形態のECU11は、このステップ305において、自動運転状態移行前よりもシート荷重Wの後荷重比率αが増加した状態が所定時間以上継続していると判定した場合(ステップ305:YES)には、その運転者DRの運転監視姿勢を検知可能な第2の監視姿勢検知条件が成立したものと判定する(ステップ306)。
尚、本実施形態のECU11は、上記ステップ304において、後荷重比率αの変動値Δαが第1の閾値α1よりも小さい場合、つまりは自動運転状態移行前よりもシート荷重Wが増加したと認められない場合(Δα<α1、ステップ304:NO)には、このステップ306の処理を実行しない。そして、上記ステップ305において、シート荷重Wの後荷重比率αが増加した状態が所定時間経過していないと判定した場合(ステップ305:NO)にも、このステップ306の処理を実行しない。
次に、本実施形態のECU11は、その運転者DRの運転監視姿勢を検知可能な上記第1及び第2の監視姿勢検知条件が、ともに成立しているか否かを判定する(ステップ307)。そして、これら第1及び第2の監視姿勢検知条件が、ともに成立している場合(ステップ307:YES)に、その運転者DRが運転監視姿勢にあることを検知する構成になっている(ステップ308)。
また、図10のフローチャートに示すように、本実施形態のECU11は、非運転監視姿勢の検知判定(非運転監視姿勢判定)についても同様に、先ず、自動運転状態移行後におけるシート荷重Wの変動値ΔWが第2の閾値W2以上の正の値(ΔW>0)であるか否かを判定する(ステップ401)。尚、この第2の閾値W2は、自動運転状態移行後のシート荷重Wが、その自動運転状態に移行する前の値、つまりは乗員運転時基準値W0から、例えば5%〜25%程度増加した場合に相当する正の値に設定される(W2>0)。更に、ECU11は、上記ステップ401において、自動運転状態移行後におけるシート荷重Wの変動値ΔWが第2の閾値W2以上の正の値である、つまりは自動運転状態移行前よりもシート荷重Wが増加したと判定した場合(ΔW≧W2、ステップ401:YES)、この状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する(ステップ402)。そして、本実施形態のECU11は、このステップ402において、自動運転状態移行前よりもシート荷重Wが増加した状態が所定時間以上継続していると判定した場合(ステップ402:YES)には、その運転者DRの非運転監視姿勢を検知可能な第1の非監視姿勢検知条件が成立したものと判定する(ステップ403)。
尚、本実施形態のECU11は、上記ステップ401において、シート荷重Wの変動値ΔWが第2の閾値W2よりも小さい場合、つまりは自動運転状態移行前よりもシート荷重Wが増加したと認められない場合(ΔW<W2、ステップ401:NO)には、このステップ403の処理を実行しない。そして、上記ステップ402において、シート荷重Wが増大した状態が所定時間経過していないと判定した場合(ステップ402:NO)にも、このステップ403の処理を実行しない。
更に、ECU11は、自動運転状態移行後におけるシート荷重Wの後荷重比率αについて、その変動値Δαが第2の閾値α2以下の負の値(Δα<0)であるか否かを判定する(ステップ404)。尚、この第2の閾値α2は、自動運転状態移行後の後荷重比率αが、その自動運転状態に移行する前の値、つまりは乗員運転時基準値α0から、例えば5%〜30%程度減少した場合に相当する負の値(α2<0)に設定される。更に、ECU11は、ステップ404において、自動運転状態移行後における後荷重比率αの変動値Δαが第2の閾値α2以下である、つまりは自動運転状態移行前よりもシート荷重Wの後荷重比率αが減少したと判定した場合(Δα≦α2、ステップ404:YES)、この状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する(ステップ405)。そして、本実施形態のECU11は、このステップ405において、自動運転状態移行前よりもシート荷重Wの後荷重比率αが減少した状態が所定時間以上継続していると判定した場合(ステップ405:YES)には、その運転者DRの非運転監視姿勢を検知可能な第2の非監視姿勢検知条件が成立したものと判定する(ステップ406)。
尚、本実施形態のECU11は、上記ステップ404において、後荷重比率αの変動値Δαが第2の閾値α2よりも大きい場合、つまりは自動運転状態移行前よりもシート荷重Wが減少したと認められない場合(Δα>α2、ステップ404:NO)には、このステップ406の処理を実行しない。そして、上記ステップ405において、シート荷重Wの後荷重比率αが減少した状態が所定時間経過していないと判定した場合(ステップ405:NO)にも、このステップ406の処理を実行しない。
次に、本実施形態のECU11は、その運転者DRの非運転監視姿勢を検知可能な上記第1及び第2の非監視姿勢検知条件が、ともに成立しているか否かを判定する(ステップ407)。そして、これら第1及び第2の非監視姿勢検知条件が、ともに成立している場合(ステップ407:YES)に、その運転者DRが非運転監視姿勢にあることを検知する構成になっている(ステップ408)。
図7のフローチャートに示すように、本実施形態のECU11は、そのステップ204の着座姿勢検知判定において、このような運転監視姿勢判定(図9参照)及び非運転監視姿勢判定(図10参照)を実行する。そして、運転者DRの着座姿勢が非運転監視姿勢にあることが検知されている場合(ステップ205:YES)に、その警報装置22を介した警告出力を実行する構成になっている(ステップ206)。
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)シート荷重検出部30aとしてのECU11は、運転席21に作用するシート荷重W(及び後荷重比率α)を検出する。また、自動運転検出部30bとしてのECU11は、車両が自動運転状態に移行したことを検出する。そして、着座姿勢検知部30cとしてのECU11は、そのシート荷重W(及び後荷重比率α)の推移に基づいて、運転席21に着座する運転者DRの自動運転状態における着座姿勢を検知する。
即ち、車両が自動運転状態に移行した後、運転者DRが着座姿勢を変更することにより、その運転席21のシート荷重Wが変化する。そして、このようなシート荷重Wの変化は、その運転者DRの体重を支える脚部L(足24a,24b)の配置状態が変わることで、より顕著なものとなる。従って、車両が自動運転状態に移行する前後のシート荷重Wの推移を監視することで、簡素な構成にて、精度よく、車両が自動運転状態にある場合に、その脚部Lの配置に特徴のある運転者DRの着座姿勢を検知することができる。そして、例えば、その着座姿勢が車両の自動運転を監視する状態にない場合には、警告出力を実行して是正を促す等により、高い安全性を確保することができる。
(2)着座姿勢検知部30cとしてのECU11は、車両が自動運転状態に移行した後、シート荷重Wが、自動運転状態に移行する前(乗員運転時基準値W0)よりも増加した状態にある場合(ΔW=W−W0≧W2,W2>0)に、運転者DRが両足24a,24bを着座面1sに載せた非運転監視姿勢にあると判定する。
即ち、車両の運転者DRは、一方の足24aでフットレバー25(アクセルペダル25a又はブレーキペダル25b)を操作する。そして、このとき、他方側の足24bは、車両の床部5に置かれている。つまり、運転者DRが運転姿勢にある場合、この運転者DRの体重は、その車両の床部5に置かれた他方側の足24bにも分散した状態となっている。しかしながら、例えば、所謂「足抱え姿勢」や「胡座姿勢」等、運転者DRが、両足24a,24bをシート1の着座面1sに載せるような非運転監視姿勢をとった場合、その運転者DRの体重が全てシート1に加わることになる。そして、これにより生ずるシート荷重Wの増加を検出することで、精度よく、車両が自動運転状態にある場合に、その脚部Lの配置に特徴のある運転者DRの非運転監視姿勢を検知することができる。
(3)後荷重検出部30dとしてのECU11は、シート荷重Wの後荷重比率αを検出する。そして、着座姿勢検知部30cとしてのECU11は、車両が自動運転状態に移行した後、この後荷重比率αが、自動運転状態に移行する前(乗員運転時基準値α0)よりも減少した状態(Δα=α−α0≦α2,α2<0)にある場合に、運転者DRが両足24a,24bを着座面1sに載せた非運転監視姿勢にあると判定する。
即ち、運転者DRが、そのシート1の着座面1sに載せた両足24a,24bに体重を預けることにより、シート荷重Wの後荷重比率αは減少する。従って、上記構成によれば、精度よく、車両が自動運転状態にある場合に、その脚部Lの配置に特徴のある運転者DRの非運転監視姿勢を検知することができる。
(4)着座姿勢検知部30cとしてのECU11は、車両が自動運転状態に移行した後、シート荷重Wが、自動運転状態に移行する前よりも減少した状態にある場合(ΔW=W−W0≦W1,W1<0)に、運転者DRが両足24a,24bを車両の床部5に置いた運転監視姿勢にあると判定する。
即ち、運転者DRの着座姿勢が自らハンドル23を握る運転姿勢から運転監視姿勢に移行した場合に、この運転者DRが車両の床部5に両足24a,24bを置くことで、その運転者DRの体重が床部5に置かれた両足24a,24bに分散される。そして、これにより生ずるシート荷重Wの減少を検出することで、精度よく、自動運転状態における運転者DRの運転監視姿勢を検知することができる。
(5)着座姿勢検知部30cとしてのECU11は、車両が自動運転状態に移行した後、シート荷重Wの後荷重比率αが、自動運転状態に移行する前よりも増加した状態(Δα=α−α0≧α1,α1>0)にある場合に、運転者DRが両足24a,24bを車両の床部5に置いた運転監視姿勢にあると判定する。
即ち、運転者DRが両足24a,24bを車両の床部5に置いた運転監視姿勢をとった場合、この運転者DRはシートバック3にもたれ掛かることが多い。そして、これにより、シート荷重Wの後荷重比率αが増加することになる。従って、上記構成によれば、精度よく、自動運転状態における運転者DRの運転監視姿勢を検知することができる。
[第2の実施形態]
以下、車両用のシートに実装された乗員検知装置に関する第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
図11に示すように、本実施形態の車両において、運転席21を構成するシート1Bには、そのシートクッション2の内側に、面圧センサ40が設けられている。そして、本実施形態のECU11Bは、この面圧センサ40の出力信号に基づいて、そのシート1Bの着座面1sに作用する面圧Pを検出する構成になっている。
具体的には、本実施形態の面圧センサ40は、着座面1sの下方において、そのシート幅方向(図11中、上下方向、幅方向位置X)及び前後方向(シート長方向、同図中、左右方向、前後方向位置Y)に整列配置された図示しない複数の圧力検出セル(例えば、静電容量式等)を有している。そして、本実施形態のECU11Bは、これにより、そのシート1Bの着座面1sに形成される図示しない複数の検出領域毎に、着座面1sの面圧Pを検出する構成となっている。
即ち、本実施形態の面圧センサ40がシート1Bの着座面1sに形成する各検出領域の位置は、それぞれ、座標(X,Y)に表すことができる。そして、本実施形態のECU11Bは、その検出領域毎の面圧Pに表れる着座面1sの面圧分布βに基づいて、車両が自動運転状態にある場合における運転者DRの着座姿勢を検知する構成になっている。
詳述すると、図12〜図14に示すように、シート1Bの着座面1sに乗員20の尻部Laが当接する位置、即ちヒップポイントHPは、概ね、その着座面1sの前後方向中央位置よりも後側(各図中、下側)に形成される。即ち、着座面1sの面圧分布βは、その乗員20の脚部L(図1参照、着座面1s上に位置する尻部La、腿裏部Lb及び膝裏部Lc)が当接する部分の面圧Pが高くなる。尚、図1は、その車両の床部5に足24bを置いた側の脚部Lが、着座面1sから浮きぎみとなる状態を誇張した図になっている。そして、図1及び図12に示すように、運転者DRが運転姿勢にある場合、その脚部Lが当接する部分の面圧Pは、上記ヒップポイントHPが形成される位置を面圧集中部γ、即ち面圧Pが集中する位置として、シート1Bの前方に向かって延びる運転者DRの脚部Lに沿うように、着座面1sの後方側から前方側に向かって徐々に低くなっている。
しかしながら、図4及び図13、並びに図5及び図14に示すように、シート1Bに着座する乗員20が所謂「足抱え姿勢」や「胡座姿勢」をとった場合、つまり、運転者DRが、両足24a,24bを運転席21の着座面1sに載せるような非運転監視姿勢にある場合には、その両足24a,24bを載せた位置にも面圧集中部γが現れる。
具体的には、図13及び図14に示すように、その乗員20のヒップポイントHPに対応する第1の面圧集中部γ1よりも前方側に、この第1の面圧集中部から独立した第2の面圧集中部γ2が現れる。即ち、シート1Bの乗員20が、その両足24a,24bを運転席21の着座面1sに載せることにより、この乗員20の脚部Lは、その腿裏部Lb及び膝裏部Lcに相当する部分が着座面1sから離れることになる。そして、これにより、その着座面1sに置かれた両足24a,24bが、上記のような乗員20の尻部Laが形成する第1の面圧集中部γ1から独立した第2の面圧集中部γ2を形成する。
この点を踏まえ、本実施形態のECU11Bは、そのシート1Bに着座する乗員20の着座姿勢検知判定において、このような第1及び第2の面圧集中部γ1,γ2が着座面1sの面圧分布βに現れているか否かを判定する。そして、車両が自動運転状態にある場合に、これら第1及び第2の面圧集中部γ1,γ2が検出された場合には、この運転席21の乗員20、つまりは車両の運転者DRが非運転監視姿勢にあると判定する。
さらに詳述すると、図11及び図15に示すように、本実施形態のECU11Bは、着座面1sの前後方向位置Y(図11中、左右方向の各位置)毎に面圧Pの最大値(面圧最大値)Pyを検出する。また、本実施形態のECU11Bは、シート1Bに着座する乗員20のヒップポイントHPが形成される位置、即ち着座面1sの前後方向中央位置よりも後側を当該着座面1sの後部領域Arとして、その着座面1sを前後方向に三分割する。つまり、シート1Bの着座面1sには、この後部領域Arの他、その着座面1sの前方側に位置する前部領域Af、及び当該前部領域Afと後部領域との間に位置する中間領域Amが設定される。そして、ECU11Bは、これら三分割された着座面1sの各領域のうち、後部領域Ar及び前部領域Afにおける面圧Pの最大値Pr,Pfを検出する。
また、本実施形態のECU11Bは、これら着座面1sの後部領域Arにおける面圧Pの最大値Pr及び前部領域Afにおける面圧Pの最大値Pfが、それぞれ、その対応する第1及び第2の閾値THr,THfよりも大きいか否かを判定する。更に、このECU11Bは、着座面1sの中間領域Amに、前後方向位置Y毎の面圧Pの最大値Pyが第3の閾値THmよりも小さくなる位置Ymが検出されているか否かを判定する。そして、これらの判定条件が、ともに成立している場合に、その着座面1sに第1及び第2の面圧集中部γ1,γ2が検出されたものと判定する。
即ち、図13及び図14、並びに図15に示すように、通常、乗員20の尻部Laが形成する第1の面圧集中部γ1は、着座面1sの後部領域Arに現れ、その着座面1sに置かれた両足24a,24bが形成する第2の面圧集中部γ2は、前部領域Afに現れる。また、これら第1及び第2の面圧集中部γ1,γ2は、それぞれ、その後部領域Ar及び前部領域Afにおいて最も面圧Pの高い部位と考えることができる。そして、第2の面圧集中部γ2については、その運転者DRの運転操作に基づく車両の走行状態、例えば、アクセルペダル25aを踏む加速状態(図15中の面圧分布β1)、或いはブレーキペダル25bを踏む減速状態(同図中の面圧分布β2)においても、その着座面1sの面圧分布βには現れない。
この点を踏まえ、本実施形態のECU11Bは、着座面1sの後部領域Ar及び前部領域Afにおける面圧Pの最大値Pr,Pfが、それぞれ、その対応する第1及び第2の閾値THr,THfを超えた場合に、その着座面1sの後部領域Ar及び前部領域Afに面圧集中部γが現れたものと判定する(図15中の面圧分布β3,β4参照)。更に、ECU11Bは、着座面1sの中間領域Amに、前後方向位置Y毎の面圧Pの最大値Pyが第3の閾値THmよりも小さくなる位置Ymが検出されている場合に、これら後部領域Ar及び前部領域Afに現れた2つの面圧集中部γが互いに独立であると判定する。そして、本実施形態のECU11Bは、これにより、運転者DRの尻部Laが形成する第1の面圧集中部γ1、及びこの第1の面圧集中部γ1よりも前方に位置する独立した第2の面圧集中部γ2が検出された場合に、その脚部Lの配置に特徴のある自動運転状態における運転者DRの非運転監視姿勢を検知する構成になっている。
さらに詳述すると、図16のフローチャートに示すように、本実施形態のECU11Bは、面圧センサ40の出力信号に基づいて、先ず、着座面1sの前後方向位置Y毎に面圧Pの最大値Pyを検出する(ステップ501)。また、ECU11Bは、その着座面1sに設定された後部領域Arにおける面圧Pの最大値Pr、及び前部領域Afにおける面圧Pの最大値Pfを検出する(ステップ502)。更に、ECU11Bは、運転者DRが自ら車両を運転する状態にあるか否かを判定し(ステップ503)、及び着座面1sの面圧分布βが安定した状態にあるか否かを判定する(ステップ504)。そして、車両が乗員運転状態にあり(ステップ503:YES)、且つ着座面1sの面圧分布βが安定している場合(ステップ504:YES)に、その後部領域Arにおける面圧Pの最大値Prに基づいて、運転者DRの着座姿勢検知判定に用いる上記第1〜第3の閾値THr,THf,THmを決定する(ステップ505)。
尚、本実施形態のECU11Bは、その第1の閾値THrとして、上記ステップにおいて検出した後部領域Arにおける面圧Pの最大値Prよりも低い値を設定する(図15参照)。また、第2の閾値THfには、この第1の閾値THrよりも低い値を設定する。そして、第3の閾値THmとして、この第2の閾値THfよりも低い値、詳しくは、「0」に近い値を設定する。
また、図17のフローチャートに示すように、本実施形態のECU11Bは、車両が自動運転状態にあるか否かを判定する(ステップ601)。そして、車両が自動運転状態にあると判定した場合(ステップ602:YES)に、その運転席21に着座する車両の運転者DRについて着座姿勢検知判定を実行する(ステップ602)。
具体的には、図18のフローチャートに示すように、本実施形態のECU11Bは、先ず、着座面1sの後部領域Arにおける面圧Pの最大値Prが第1の閾値THrを超えているか否かを判定する(ステップ701)。また、ECU11Bは、このステップ701において、その後部領域Arにおける面圧Pの最大値Prが第1の閾値THrを超えていると判定した場合(Pr>THr、ステップ701:YES)、続いて着座面1sの前部領域Afにおける面圧Pの最大値Pfが第2の閾値THfを超えているか否かを判定する(ステップ702)。更に、ECU11Bは、前部領域Afにおける面圧Pの最大値Pfが第2の閾値THfを超えていると判定した場合(Pf>THf、ステップ702:YES)、着座面1sの中間領域Amに、前後方向位置Y毎の面圧Pの最大値Pyが第3の閾値THmよりも小さくなる位置Ymが検出されているか否かを判定する(ステップ703)。そして、中間領域Amに前後方向位置Y毎の面圧Pの最大値Pyが第3の閾値THmよりも小さくなる位置Ymが検出された場合(ステップ703:YES)に、第1及び第2の面圧集中部γ1,γ2が検出されたものと判定し(ステップ704)、運転者DRが非運転監視姿勢にあることを検知する(ステップ705)。
また、ECU11Bは、ステップ702において、前部領域Afにおける面圧Pの最大値Pfが第2の閾値THf以下である場合(Pf≦THf、ステップ702:NO)には、着座面1sの中間領域Amに、前後方向位置Y毎の面圧Pの最大値Pyが第3の閾値THmよりも小さくなる位置Ymが検出されていないことを確認する(ステップ706)。そして、このステップ706において、中間領域Amに前後方向位置Y毎の面圧Pの最大値Pyが第3の閾値THmよりも小さくなる位置Ymが検出されていないと判定(確認)した場合に(ステップ706:NO)に、運転者DRが、運転席21の前方に向かって脚部Lを伸ばした着座姿勢にあることを検知する(通常着座姿勢検知、ステップ707)。つまりは、その運転者DRの着座姿勢が、運転姿勢(図1参照)又は運転監視姿勢(図3参照)に該当する通常の着座姿勢にあることを検知する構成になっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)面圧分布検出部50aとしてのECU11Bは、車両の運転席21を構成するシート1Bの着座面1sに作用する面圧分布βを検出する。また、自動運転検出部50bとしてのECU11Bは、車両が自動運転状態に移行したことを検出する。そして、着座姿勢検知部50cとしてのECU11Bは、着座面1sの面圧分布βに基づいて、運転席21に着座する運転者DRの自動運転状態における着座姿勢を検知する。
即ち、着座面1sの面圧分布βは、シート1Bに着座する乗員20の着座姿勢、特に、その脚部Lの配置状態に応じて変化する。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、精度よく、車両が自動運転状態にある場合に、その脚部Lの配置に特徴のある運転者DRの着座姿勢を検知することができる。そして、例えば、その着座姿勢が車両の自動運転を監視する状態にない場合には、警告出力を実行して是正を促す等により、高い安全性を確保することができる。
(2)着座姿勢検知部50cとしてのECU11Bは、着座面1sに第1の面圧集中部γ1が検出されるとともに、この第1の面圧集中部γ1よりも前方側に当該第1の面圧集中部γ1から独立した第2の面圧集中部γ2が検出された場合に、運転者DRが着座面1sに両足24a,24bを載せた非運転監視姿勢にあると判定する。
即ち、シート1Bの着座面1sには、乗員20のヒップポイントHPが形成される位置に面圧集中部γ(γ1)が現れる。また、この乗員20が着座面1sに両足24a,24bを載せることで、その両足24a,24bが置かれた位置にも面圧集中部γ(γ2)が現れる。そして、このとき、この乗員20の脚部Lは、その腿裏部Lb及び膝裏部Lcに相当する部分が着座面1sから離れることになる。
つまり、運転者DRが、両足24a,24bをシート1の着座面1sに載せるような非運転監視姿勢をとった場合、運転席21の着座面1s(の面圧分布β)には、その運転者DRのヒップポイントHPに対応する第1の面圧集中部γ1よりも前方側に当該第1の面圧集中部γ1から独立した第2の面圧集中部γ2が現れる。従って、上記構成によれば、精度よく、車両が自動運転状態にある場合に、その脚部Lの配置に特徴のある運転者DRの非運転監視姿勢を検知することができる。
(3)面圧集中検出部50dとしてのECU11Bは、シート1Bに着座する乗員20のヒップポイントHPが形成される位置を着座面1sの後部領域Arとして当該着座面1sを前後方向に三分割する。つまり、シート1Bの着座面1sには、この後部領域Arの他、その着座面1sの前方側に位置する前部領域Af、及び当該前部領域Afと後部領域との間に位置する中間領域Amが設定される。また、ECU11Bは、その後部領域Arにおける面圧Pの最大値Prが第1の閾値THrを超えた状態にあるか否かを判定する。更に、ECU11Bは、着座面1sの前部領域Afにおける面圧Pの最大値Pfが第2の閾値THfを超えた状態にあるか否かを判定する。そして、ECU11Bは、後部領域Arにおける面圧Pの最大値Prが第1の閾値THrを超え、且つ前部領域Afにおける面圧Pの最大値Pfが第2の閾値THfを超えた状態にあることを条件に、上記第1及び第2の面圧集中部γ1,γ2が検出されたものと判定する。
即ち、運転者DRが運転姿勢又は運転監視姿勢にある場合を含め、シート1Bの乗員20が脚部Lを伸ばした通常の着座姿勢にある場合、その脚部Lが着座面1sに当接する部分の面圧Pは、前方に向かって延びる乗員20の脚部Lに沿うように、そのヒップポイントHPが形成される着座面1sの後方側から前方側に向かって徐々に低くなる。従って、上記構成によれば、精度よく、そのヒップポイントHPに対応する第1の面圧集中部γ1とともに、その着座面1sに置かれた両足24a,24bが形成する第2の面圧集中部γ2が現れたことを検出することができる。そして、これにより、精度よく、車両が自動運転状態にある場合に、その運転者DRが両足24a,24bを着座面1sに載せた非運転監視姿勢にあることを検知することができる。
(4)前後方向位置毎最大面圧値検出部50eとしてのECU11Bは、着座面1sの前後方向位置Y毎に面圧Pの最大値Pyを検出する。そして、独立条件判定部50fとしてのECU11Bは、着座面1sの中間領域Amに、前後方向位置Y毎の面圧Pの最大値Pyが第3の閾値THmよりも小さくなる位置Ymが検出されることを条件に、第1及び第2の面圧集中部γ1,γ2が検出されたものと判定する。
即ち、シート1Bの乗員20が両足24a,24bを着座面1sに載せた場合、その着座面1sから脚部Lの腿裏部Lb及び膝裏部Lcに相当する部分が離れることで、着座面1sの中間領域Amにおいては、その着座面1sにおける前後方向位置Y毎の面圧Pの最大値Pyが極めて小さくなる(「0」に近づく)位置Ymが形成されることになる。従って、上記構成によれば、精度よく、着座面1sの面圧分布βに現れた第1及び第2の面圧集中部γ1,γ2を検出することができる。そして、これにより、より精度よく、車両が自動運転状態にある場合に、その運転者DRが両足24a,24bを着座面1sに載せた非運転監視姿勢にあることを検知することができる。
(5)着座姿勢検知部50cとしてのECU11Bは、後部領域Arにおける面圧Pの最大値Prが第1の閾値THrを超え、前部領域Afにおける面圧Pの最大値Pfが第2の閾値THf以下であることを確認(判定)する。更に、ECU11Bは、着座面1sの中間領域Amに、前後方向位置Y毎の面圧Pの最大値Pyが第3の閾値THmよりも小さくなる位置Ymが検出されていないことを確認(判定)する。そして、ECU11Bは、これらの条件を満たす場合に、運転者DRが運転席21の前方に両足24a,24bを伸ばした着座姿勢にあると判定する。
上記構成によれば、精度よく、運転者DRが、運転姿勢又は運転監視姿勢に該当する運転席21の前方に両足24a,24bを伸ばした通常の着座姿勢にあることを検知することができる。
(6)乗員運転時基準値検出部50gとしてのECU11Bは、車両が乗員運転状態にある場合に、その運転者DRのヒップポイントHPが形成される着座面1sの後部領域Arにおける面圧Pの最大値Prを検出する。そして、閾値決定部50hとしてのECU11Bは、この検出された後部領域Arにおける面圧Pの最大値Prに基づいて、その運転者DRの着座姿勢検知判定に用いる上記第1〜第3の閾値THr,THf,THmを決定する。
即ち、乗員20の脚部Lが着座面1sに当接する部分の面圧P、及び乗員20の着座姿勢に応じた面圧分布βの変化は、その乗員20のヒップポイントHPが形成される後部領域Arにおける面圧Pの最大値Prを基準に考えることができる。そして、車両が乗員運転状態にある場合、運転者DRは、その両足24a,24bを運転席21の前方に延ばした運転姿勢にあると推定することができる。従って、上記構成によれば、より精度よく、その着座面1sの面圧分布βに基づいて、自動運転状態における運転者DRの着座姿勢を検知することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1の実施形態では、シート1(運転席21)の後方側に作用する後荷重を、シート荷重Wの後荷重比率α(=(Wc+Wd)/W)により表すこととしたが、直接的に、その後荷重の値(Wc+Wd)に表す構成としてもよい。そして、運転監視姿勢判定及び非運転監視姿勢判定における継続要件についてもまた、その所定時間については任意に変更してもよい。
・上記第1の実施形態では、シート1全体としてのシート荷重Wに基づいた第1の非監視姿勢検知条件及びシート1(運転席21)の後荷重(後荷重比率α)に基づいた第2の非監視姿勢検知条件が、ともに成立している場合(図10参照、ステップ407:YES)に、その運転者DRが非運転監視姿勢にあることを検知することとした。
しかし、これに限らず、これら第1及び第2の非監視姿勢検知条件の何れか一方が成立している場合に、運転者DRが非運転監視姿勢にあることを検知する構成としてもよい。また、シート1全体としてのシート荷重W又はシート1の後荷重の一方のみを用いて、その非運転監視姿勢判定を行う構成であってもよい。そして、運転者DRが運転監視姿勢にあること検知する場合も同様に、そのシート荷重Wに基づく第1の監視姿勢検知条件及びシート1の後荷重(後荷重比率α)に基づく第2の監視姿勢検知条件の何れか一方の成立を要件としてもよく、シート荷重W又はシート1の後荷重の一方のみを用いて、その運転監視姿勢判定を行う構成であってもよい。
・更に、運転監視姿勢移行検知部30eとしてのECU11が、先ず、運転者DRの着座姿勢が床部5に両足24a,24bを置いた運転監視姿勢に移行したことを検知する。そして、その後、非運転監視姿勢移行検知部30fとしてのECU11が、その運転者DRの着座姿勢が運転監視姿勢から運転席21の着座面1sに両足24a,24bを載せた非運転監視姿勢に移行したことを検知する構成としてもよい。
例えば、図19のフローチャートに示すように、ECU11は、先ず、運転監視姿勢フラグに基づき運転者DRの着座姿勢が運転監視姿勢に移行した状態にあるか否かを判定し(ステップ801)、その着座姿勢が運転監視姿勢に移行した状態にないと判定した場合(ステップ801:NO)には、運転監視姿勢判定を実行する(ステップ802)。そして、この運転監視姿勢判定により運転者DRの着座姿勢が運転監視姿勢にあると判定した場合(ステップ803:YES)には、その着座姿勢が運転監視姿勢に移行した状態にあることを示す運転監視姿勢フラグをセットして(ステップ804)、非運転監視姿勢判定を実行する(ステップ805)。
尚、上記ステップ801において、ECU11は、運転者DRの着座姿勢が運転監視姿勢に移行した状態にあると判定した場合(ステップ801:YES)、上記ステップ802〜ステップ804の処理を実行しない。そして、上記ステップ803において、運転者DRの着座姿勢が運転監視姿勢にないと判定した場合(ステップ803:NO)には、上記ステップ804及びステップ805を実行しない構成にするとよい。
即ち、通常、車両が自動運転状態に移行することで、運転者DRの着座姿勢は、一度、運転監視姿勢に移行する。従って、上記構成によれば、より精度よく、その運転者DRの着座姿勢が非運転監視姿勢にあることを検知することができる。
・シート1に設ける荷重センサ10の数、及びその配置は、任意に変更してもよい。そして、シート1の後荷重比率αを用いる場合には、着座面1sの後端側及び前端部側に荷重センサ10を設けるとよい。
・上記第2の実施形態では、ECU11Bは、着座面1sの後部領域Ar及び前部領域Afにおける面圧Pの最大値Pr,Pfが、それぞれ、その対応する第1及び第2の閾値THr,THfよりも大きいか否かを判定する。更に、ECU11Bは、着座面1sの中間領域Amに前後方向位置Y毎の面圧Pの最大値Pyが第3の閾値THmよりも小さくなる位置Ymが検出されているか否かを判定する。そして、これらの判定条件が、ともに成立している場合に、その着座面1sに第1及び第2の面圧集中部γ1,γ2を検出されたものと判定することとした。しかし、これに限らず、後部領域Arにおける面圧Pの最大値Prが第1の閾値THrを超え、且つ前部領域Afにおける面圧Pの最大値Pfが第2の閾値THfを超えることをもって、第1及び第2の面圧集中部γ1,γ2が検出されたものと判定する構成としてもよい。
・また、ECU11Bは、後部領域Arにおける面圧Pの最大値Prが第1の閾値THrを超え、前部領域Afにおける面圧Pの最大値Pfが第2の閾値THf以下であり、且つ中間領域Amに、前後方向位置Y毎の面圧Pの最大値Pyが第3の閾値THmよりも小さくなる位置Ymが検出されない状態にあるかを判定する。そして、これらの判定条件が成立する場合に、運転者DRが、その運転姿勢又は運転監視姿勢に該当する運転席21の前方に両足24a,24bを伸ばした通常の着座姿勢にあると検知することとした。しかし、これに限らず、このような通常着座姿勢の検知判定は、必ずしも行わなくともよい。
・更に、着座面1sの中間領域Amにおいて当該着座面1sの前後方向位置Y毎に検出される面圧Pの最大値Pyのうち、その最も小さな値(減少ピーク)Py´が第3の閾値THmよりも小さいか否かを判定する(図15参照)。そして、その最も小さな値Py´が第3の閾値THmよりも小さいことを条件に、第1及び第2の面圧集中部γ1,γ2が検出されたものと判定する構成としてもよい。
・また、後部領域Arにおける面圧Pの最大値Prが第1の閾値THrを超え、前部領域Afにおける面圧Pの最大値Pfが第2の閾値THf以下である場合には、着座面1sの中間領域Amにおいて当該着座面1sの前後方向位置Y毎に検出される面圧Pの最大値Pyのうち、その最も小さな値Py´を第3の閾値THmと比較する。そして、その最も小さな値Py´が第3の閾値THm以上である場合に、運転者DRが運転席21の前方に両足24a,24bを伸ばした着座姿勢にあると判定する構成としてもよい。
・上記第2の実施形態では、ECU11Bは、運転席21を構成するシート1Bの着座面1sについて面圧分布βを検出することにより、その自動運転状態における運転者DRの非運転監視姿勢を検知することとした。しかし、これに限らず、運転席21以外のシート1Bについても同様に、その着座面1sの面圧分布βに基づいた乗員20の着座姿勢検知を実行する構成に具体化してもよい。そして、この着座検知判定は、自動運転以外の用途に用いてもよい。
具体的には、この場合においても、その着座面1sの面圧分布βにおいて、第1の面圧集中部γ1よりも前方側に当該第1の面圧集中部γ1から独立した第2の面圧集中部γ2が検出されているか否かを判定する。そして、これら第1及び第2の面圧集中部γ1,γ2が検出された場合に、そのシート1Bに着座する乗員20が、着座面1sの前部に両足24a,24bを載せた着座姿勢にあると判定する構成にするとよい。
・上記第2の実施形態では、ECU11Bは、車両が乗員運転状態にある場合に、その着座面1sの後部領域Arにおける面圧Pの最大値Prを検出する。そして、この検出された後部領域Arにおける面圧Pの最大値Prに基づいて、その運転者DRの着座姿勢検知判定に用いる上記第1〜第3の閾値THr,THf,THmを決定することとした。しかし、これに限らず、これら着座面1sの面圧分布βに基づき乗員20の着座姿勢を検知する際に用いる各閾値THr,THf,THmは、予め定められた所定値であってもよい。
・上記第2の実施形態では、シート1Bには、その着座面1sに複数の検出領域を設定して当該検出領域毎に着座面1sの面圧Pを検出することが可能な面圧センサ40が設けられる。そして、ECU11Bは、その検出領域毎の面圧Pに表れる着座面1sの面圧分布βに基づいて、車両が自動運転状態にある場合における運転者DRの着座姿勢を検知することとした。
しかし、これに限らず、脚部Lの配置に特徴のある乗員20の着座姿勢を検知するために必要な着座面1sの面圧分布βを検出することが可能であれば、必ずしも、上記第2の実施形態における面圧センサ40のような検出領域毎に面圧Pを検出可能なものを用いなくともよい。例えば、着座面1sの後部領域Ar、前部領域Af、及び中間領域Amに、それぞれ、メンブレンスイッチ等の感圧センサを配置する。尚、これら各感圧センサがオン作動する面圧Pは、上記第2の実施形態における第1〜第3の閾値THr,THf,THmの値を参考に設定するとよい。そして、これら各感圧センサのオン/オフ出力に基づいて、その着座面1sの面圧分布βを検出する構成としてもよい。
・また、図20のフローチャートに示すように、面圧集中部間距離演算部50iとしてのECU11Bは、シート1Bの着座面1s(面圧分布β)に現れた第1及び第2の面圧集中部γ1,γ2間の距離Dを演算する(ステップ901)。そして、体格検知部50jとしてのECU11Bが、この距離Dに基づいて、そのシート1Bの体格を検知する構成(ステップ902)に具体化してもよい。
即ち、シート1Bの乗員20が両足24a,24bを着座面1sに載せた場合、この乗員20のヒップポイントHPに対応する第1の面圧集中部γ1と着座面1sに置かれた両足24a,24bが形成する第2の面圧集中部γ2との間の距離Dは、その乗員20の体格が大きいほど長くなる。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、精度よく、シート1Bに着座する乗員の体格を検知することができる。
・図21に示すように、シート1Cに荷重センサ10及び面圧センサ40が設けられている場合等には、上記第1の実施形態に例示されるような運転席21のシート荷重Wに基づいた着座姿勢の検知判定、及び上記第2の実施形態に例示されるような着座面1sの面圧分布に基づいた着座姿勢の検知判定を併用する構成としてもよい。更に、車室内に運転者DRを映すカメラ60が設けられている場合等には、その運転者DRの撮影画像Scmに基づいた着座姿勢の検知判定を併用する構成としてもよい。そして、これにより、より精度よく、車両が自動運転状態にある場合における運転者DRの着座姿勢を検知することができる。
例えば、図22のフローチャートに示すように、ECU11Cは、車両が自動運転状態にある場合(ステップ1001:YES)、先ず、その運転席21のシート荷重Wに基づいた着座姿勢の検知判定を実行する(荷重着座姿勢検知判定、ステップ1002)。更に、ECU11Cは、この荷重着座姿勢検知判定において、運転者DRが非運転監視姿勢にあると判定した場合(ステップ1003:YES)、続いて、その着座面1sの面圧分布βに基づいた着座姿勢の検知判定を実行する(面圧着座姿勢検知判定、ステップ1004)。そして、この面圧着座姿勢検知判定において、運転者DRが非運転監視姿勢にあると判定した場合(ステップ1005:YES)に、その警報装置22を介した警告出力を実行する(ステップ1006)。
また、ECU11Cは、上記荷重着座姿勢検知判定又は面圧着座姿勢検知判定において、運転者DRが非運転監視姿勢にあると判定されなかった場合(ステップ1003:NO、又はステップ1005:NO)、その運転者DRの撮影画像Scmに基づいた着座姿勢の検知判定を実行する(撮像着座姿勢検知判定、ステップ1007)。そして、この撮像着座姿勢検知判定において、運転者DRが非運転監視姿勢にあると判定した場合(ステップ1008:YES)にも、その警報装置22を介した警告出力を実行(ステップ1006)する構成にするとよい。
尚、この図22に示す例では、荷重着座姿勢検知判定(ステップ1002)及び面圧着座姿勢検知判定(ステップ1004)において、ともに、その運転者DRが非運転監視姿勢にあると判定された場合に警告出力を実行することとした。しかし、これに限らず、これらの何れか一方において非運転監視姿勢にあると判定された場合に警告出力を実行する構成としてもよい。また、その荷重着座姿勢検知判定、面圧着座姿勢検知判定、及び撮像着座姿勢検知判定において、全て運転者DRが非運転監視姿勢にあると判定された場合に警告出力を実行する構成としてもよい。そして、これら荷重着座姿勢検知判定、面圧着座姿勢検知判定、及び撮像着座姿勢検知判定を任意に組み合わせることにより、その運転者DRが非運転監視姿勢にあることを検知する構成としてもよい。
・また、図23のフローチャートに示すように、カメラ60が映す運転者DRの撮影画像Scmに基づいて、その運転席21に対する運転者DRの着座位置、詳しくは、この運転者DRが着座面1sの前側に座る状態(前座り)か後側に座る状態(後座り)かを検知する(ステップ1101)。そして、このステップ1101において検知された着座位置に応じて、シート1の後荷重に基づき運転者DRの着座姿勢を検知する際に用いる閾値、即ちシート荷重Wの後荷重比率αに基づき運転監視姿勢判定及び非運転監視姿勢判定を実行する際に用いる第1及び第2の閾値α1,α2を補正(ステップ1102)する構成としてもよい。これにより、より精度よく、車両が自動運転状態にある場合における運転者DRの着座姿勢を検知することができる。
更に、乗員20(運転者DRを含む)の撮影画像Scmに基づいて、この乗員20の体格を検知する(ステップ1103)。そして、この乗員20の体格に基づいて、その着座面1sに設定する各領域、即ち後部領域Ar、前部領域Af、及び中間領域Amを補正(ステップ1104)する構成としてもよい。これにより、より精度よく、乗員の着座姿勢を検知することができる。
尚、上記ステップ1103における乗員20の体格検知については、例えば、シートスライド位置から推定する等、その他の検知方法を適用してもよい。そして、上記ステップ1101及びステップ1102に示される運転者DRの着座位置検知及びその着座位置に基づいた判定閾値補正と、上記ステップ1103及びステップ1104に示される乗員20の体格検知及びその体格に基づいた領域補正とは、それぞれ、独立に実行してもよい。
・上記第1の実施形態及び上記別例では、ECU11が、そのシート荷重検出部30a、自動運転検出部30b、着座姿勢検知部30c、後荷重検出部30d、運転監視姿勢移行検知部30e、及び非運転監視姿勢移行検知部30fとして機能することとした。しかし、これに限らず、これらの機能制御部が複数の情報処理装置に分散された構成であってもよい。
・また、第2の実施形態では、ECU11Bが、その面圧分布検出部50a、自動運転検出部50b、着座姿勢検知部50c、面圧集中検出部50d、前後方向位置毎最大面圧値検出部50e、独立条件判定部50f、乗員運転時基準値検出部50g、及び閾値決定部50hを構成する。そして、上記別例では、ECU11Bは、更に、面圧集中部間距離演算部50i及び体格検知部50jを構成することとした。しかし、これに限らず、これらの機能制御部が複数の情報処理装置に分散された構成であってもよい。
・更に、上記別例では、ECU11Cが、荷重着座姿勢検知判定部70a、面圧着座姿勢検知判定部70b、撮像着座姿勢検知判定部70c、警告出力実行部70d、着座位置検知部70e、後荷重閾値補正部70f、体格検知部70g、及び着座面領域補正部70hを構成することとした。しかし、これに限らず、これらの機能制御部が複数の情報処理装置に分散された構成であってもよい。
・上記各実施形態では、運転者DRの非運転監視姿勢を検知した場合、警報装置22を介した警告出力を実行することとした。しかし、これに限らず、例えば、先行車両との車間距離を広くする等、車両側において、その自動運転の制御モードを安全を重視したものに変更する等の構成としてもよい。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)シートの着座面に作用する面圧分布を検出する面圧分布検出部と、前記着座面の面圧分布に基づいて前記シートに着座する乗員の着座姿勢を検知する着座姿勢検知部と、を備え、着座姿勢検知部は、前記着座面において面圧が集中する位置となる第1の面圧集中部が検出されるとともに、前記第1の面圧集中部よりも前方側の前記着座面において前記第1の面圧集中部から独立した前記面圧が集中する位置となる第2の面圧集中部が検出された場合に、前記乗員が、前記着座面に両足を載せた着座姿勢にあると判定する乗員検知装置。
(ロ)車両が乗員運転状態にある場合に前記後部領域における面圧の最大値を検出する工程と、前記乗員運転状態において検出された前記後部領域における前記面圧の最大値に基づいて、前記着座面の面圧分布に基づき前記着座姿勢を検知する際に用いる閾値を決定する工程と、を備えること、を特徴とする乗員検知方法。
即ち、乗員の脚部が着座面に当接する部分の面圧、及び乗員の着座姿勢に応じた面圧分布の変化は、その乗員のヒップポイントが形成される後部領域における面圧の最大値を基準に考えることができる。そして、車両が乗員運転状態にある場合、運転者は、その両足を運転席の前方に延ばした運転姿勢にあると推定することができる。従って、上記構成によれば、より精度よく、その着座面の面圧分布に基づいて、自動運転状態における運転者の着座姿勢を検知することができる。
(ハ)前記運転席に作用するシート荷重を検出する工程と、前記シート荷重の推移に基づいて、前記運転席に着座する運転者の前記自動運転状態における着座姿勢を検知する工程と、を備える乗員検知方法。
即ち、車両が自動運転状態に移行した後、運転者が着座姿勢を変更することにより、その運転席のシート荷重が変化する。そして、このようなシート荷重の変化は、その運転者の体重を支える脚部(足)の配置状態が変わることで、より顕著なものとなる。従って、車両が自動運転状態に移行する前後のシート荷重の推移を監視することで、車両が自動運転状態にある場合に、その脚部の配置に特徴のある運転者の着座姿勢を検知することができる。
(ニ)前記シート荷重の推移に基づき前記着座姿勢を検知する工程は、前記自動運転状態に移行した後、前記シート荷重が、前記自動運転状態に移行する前よりも増加した状態にある場合に、前記運転者が前記運転席の着座面に両足を載せた非運転監視姿勢にあると判定する工程を含むこと、を特徴とする乗員検知方法。
即ち、車両の運転者は、一方の足でフットレバー(アクセルペダル又はブレーキペダル)を操作する。そして、このとき、他方側の足は、車両の床部に置かれている。つまり、運転者が運転姿勢にある場合、この運転者の体重は、その車両の床部に置かれた他方側の足にも分散した状態となっている。しかしながら、例えば、所謂「足抱え姿勢」や「胡座姿勢」等、運転者が、両足を運転席の着座面に載せるような非運転監視姿勢をとった場合、その運転者の体重が全て運転席に加わることになる。そして、これにより生ずるシート荷重の増加を検出することで、車両が自動運転状態にある場合に、その脚部の配置に特徴のある運転者の非運転監視姿勢を検知することができる。
(ホ)前記シート荷重を検出する工程は、前記運転席の後方側に作用する後荷重を検出する工程を含み、前記シート荷重の推移に基づき前記着座姿勢を検知する工程は、前記自動運転状態に移行した後、前記後荷重が、前記自動運転状態に移行する前よりも減少した状態にある場合に、前記運転者が前記運転席の着座面に両足を載せた非運転監視姿勢にあると判定する工程を含むこと、を特徴とする乗員検知方法。
即ち、運転者が、その運転席の着座面に載せた両足に体重を預けることにより、運転席の後荷重は減少する。従って、上記構成によれば、車両が自動運転状態にある場合に、その脚部の配置に特徴のある運転者の非運転監視姿勢を検知することができる。
(ヘ)前記シート荷重の推移に基づき前記着座姿勢を検知する工程は、前記自動運転状態に移行した後、前記シート荷重が、前記自動運転状態に移行する前よりも減少した状態にある場合に、前記運転者が前記車両の床部に両足を置いた運転監視姿勢にあると判定する工程を含むこと、を特徴とする乗員検知方法。
即ち、運転者の着座姿勢が自らハンドルを握る運転姿勢から運転監視姿勢に移行した場合に、この運転者が両足を車両の床部に置くことで、その運転者の体重が床部に置かれた両足に分散される。そして、これにより生ずるシート荷重の減少を検出することで、自動運転状態における運転者の運転監視姿勢を検知することができる。
(ト)前記シート荷重を検出する工程は、前記運転席の後方側に作用する後荷重を検出する工程を含み、前記シート荷重の推移に基づき前記着座姿勢を検知する工程は、前記自動運転状態に移行した後、前記後荷重が、前記自動運転状態に移行する前よりも増加した状態にある場合に、前記運転者が前記車両の床部に両足を置いた運転監視姿勢にあると判定する工程を含むこと、を特徴とする乗員検知方法。
即ち、運転者が両足を車両の床部に置いた運転監視姿勢をとった場合、この運転者はシートバックにもたれ掛かることが多い。そして、これにより、運転席の後荷重が増加することになる。従って、上記構成により、自動運転状態における運転者の運転監視姿勢を検知することができる。
(チ)前記シート荷重の推移に基づき前記着座姿勢を検知する工程は、前記着座姿勢が前記車両の床部に両足を置いた運転監視姿勢に移行したことを検知する工程と、前記着座姿勢が運転監視姿勢から前記運転席の着座面に両足を載せた非運転監視姿勢に移行したことを検知する工程と、を含むこと、を特徴とする乗員検知方法。
即ち、通常、車両が自動運転状態に移行することで、運転者の着座姿勢は、一度、運転監視姿勢に移行する。従って、上記構成によれば、より精度よく、その運転者の着座姿勢が非運転監視姿勢にあることを検知することができる。
(リ)運転者の撮影画像に基づいて該運転者の着座姿勢を検知する工程を備えること、を特徴とする乗員検知方法。これにより、より精度よく、車両が自動運転状態にある場合における運転者の着座姿勢を検知することができる。
(ヌ)乗員の体格を検知する工程と、前記乗員の体格に基づいて前記着座面の各領域を設定する工程と、を備えること、を特徴とする乗員検知方法。これにより、精度よく、その乗員が両足を着座面に載せた着座姿勢にあることを検知することができる。
(ル)前記運転者の撮影画像に基づき前記運転者の着座位置を検知する工程と、前記運転者の着座位置に応じて前記運転席の後荷重に基づき前記着座姿勢を検知する際に用いる閾値を補正する工程と、を備えること、を特徴とする乗員検知方法。これにより、より精度よく、車両が自動運転状態にある場合における運転者の着座姿勢を検知することができる。
(ヲ)前記第1及び第2の面圧集中部間の距離を演算する工程と、前記第1及び第2の面圧集中部間の距離に基づいて、シートに着座する乗員の体格を検知する工程と、を備えること、を特徴とする乗員検知方法。これにより、簡素な構成にて、シートに着座する乗員の体格を検知することができる。
(ワ)前記着座面の前後方向位置毎に前記面圧の最大値を検出する工程と、前記中間領域において前記前後方向位置毎に検出される前記面圧の最大値のうちの最も小さな値が第3の閾値よりも小さいことを条件に、前記第1及び第2の面圧集中部が検出されたものと判定する工程と、を備えること、を特徴とする乗員検知方法。
(カ)前記着座姿勢を検知する工程は、前記後部領域における前記面圧の最大値が前記第1の閾値を超えるとともに、前記前部領域における前記面圧の最大値が前記第2の閾値以下であり、且つ、前記中間領域において前記前後方向位置毎に検出される前記面圧の最大値のうちの最も小さな値が第3の閾値以上である場合に、前記運転者が前記運転席の前方に向かって脚部を伸ばした着座姿勢にあると判定する工程を含むこと、を特徴とする乗員検知方法。