JP2018074940A - インフルエンザの予防用及び/又は治療用の発酵乳 - Google Patents

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【課題】本発明はインフルエンザウイルスに特異的、あるいは交叉するIgA抗体を誘導する効果を有する食品を提供することを課題とする。
【解決手段】多糖類を産生する乳酸菌を用いて調製した、インフルエンザウイルスに交叉するIgAを唾液中で増加させるための発酵乳。
【選択図】図1

Description

本発明は、インフルエンザの予防用及び/又は治療用の発酵乳に関する。
インフルエンザの感染力は非常に強く、日本では毎年約一千万人が感染している。また、流行性があるため、いったん流行が始まると短期間で多くの人に感染が広がる。中でも、高齢者は重症化することがあり、肺炎等の合併症を含めるとインフルエンザによる死亡者数は年間3万人とも言われている。このような状況において、インフルエンザに対する効果的な医薬品や、更には食品のように手軽に摂取できる形態で、インフルエンザに効果を示す組成物が望まれている。
これまでに、インフルエンザの予防や治療を目的とした食品や組成物が、いくつか検討されている。例えば、特許文献1には、ワクチン接種の後のインフルエンザに対する防御を増加させるための経口投与可能な組成物を製造するための、ラクトバチルス・カゼイ種の細菌株の使用について開示されている。また、特許文献2には、ラクトバチルス・アシドフィラスに属する乳酸菌を有効成分として含有するインフルエンザの予防および/または治療剤について開示されている。また、特許文献3には、ラクトバチルス・パラカゼイを有効成分とする抗インフルエンザウイルス組成物が開示されている。
国際公開第2008/129148号 特開2012−72113号公報 国際公開第2012/133827号
現在、主なインフルエンザ対策はワクチン接種であるが、現状の皮下接種ワクチンは重症化の予防を目的としており、感染を抑制する効果は無い。なぜなら皮下接種では血液中に特異的なIgG抗体を誘導するが、ウイルスの侵入経路である粘膜においてはウイルスに特異的、あるいは交叉するIgA抗体を誘導できないからである。上記の文献においては、乳酸菌を用いた様々な検討がされているが、例えば乳酸菌により調製した発酵乳のような身近な食品に、インフルエンザウイルスに特異的、あるいは交叉するIgA抗体を誘導する効果は、記載や示唆されていない。
そこで、本発明では、インフルエンザウイルスに特異的、あるいは交叉するIgA抗体を誘導する効果を有する発酵乳を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、発酵乳の持つ抗インフルエンザウイルス効果について詳細に検討した。そして、その結果として、所定の乳酸菌を用いて調製した発酵乳を摂取することにより、インフルエンザウイルスに交叉するIgAが唾液中で増加することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、次の通りとなる。
[1]多糖類を産生する乳酸菌を用いて調製した、インフルエンザウイルスに交叉するIgAを唾液中で増加させるための発酵乳。
[2]乳酸菌がLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusである、[1]に記載の発酵乳。
[3]Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusがLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R−1(FERM BP−10741)である、[2]に記載の発酵乳。
[4]高齢者が摂取するために用いるための、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の発酵乳。
また、本発明には、以下の発明も包含される。
[5]インフルエンザウイルスに交叉するIgAを唾液中で増加させるための、多糖類を産生する乳酸菌。
[6]乳酸菌がLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusである、[5]に記載の乳酸菌。
[7]高齢者が摂取するために用いるための、[5]または[6]に記載の乳酸菌。
[8]多糖類を産生する乳酸菌を用いて調製した発酵乳を対象に摂取させる工程を含む、インフルエンザウイルスに交叉するIgAを唾液中で増加させるための方法。
[9]乳酸菌がLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusである、[8]に記載の方法。
[10]Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusがLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R−1(FERM BP−10741)である、[9]に記載の方法。
[11]対象が高齢者である、[8]〜[10]のいずれか1つに記載の方法。
[12]インフルエンザウイルスに交叉するIgAを唾液中で増加させるための発酵乳の製造における、多糖類を産生する乳酸菌の使用。
[13]乳酸菌がLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusである、[12]に記載の使用。
[14]Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricusがLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R−1(FERM BP−10741)である、[13]に記載の使用。
[15]インフルエンザウイルスに交叉するIgAを唾液で増加させるための発酵乳の製造に使用するための、多糖類を産生する乳酸菌。
[16]インフルエンザウイルスに交叉するIgAを唾液で増加させるための発酵乳の製造に使用するための、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus。
[17]インフルエンザウイルスに交叉するIgAを唾液で増加させるための発酵乳の製造に使用するための、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R−1(FERM BP−10741)。
本発明によれば、インフルエンザウイルスに特異的、あるいは交叉するIgA抗体を誘導する効果を有する発酵乳が提供される。すなわち、本発明の発酵乳を摂取することにより、インフルエンザウイルスに交叉するIgAを唾液中で増加させる効果が得られる。
実施例において、「R−1」ヨーグルトを摂取した実験群と、「Placebo」ヨーグルトを摂取したプラセボ群の、インフルエンザウイルス抗原と結合するIgA濃度の唾液中での変化を示したグラフである。縦軸は、「摂取開始前」の唾液中のインフルエンザウイルス抗原と結合するIgA濃度の値を1としたときの相対値である。バーは標準誤差を示している。
本発明では、多糖類を産生する乳酸菌を用いて発酵乳を調製する。発酵乳の調製方法は、例えば原料乳を殺菌し、冷却後、乳酸菌スターターを添加して、所定の乳酸酸度となるような発酵温度と発酵時間で発酵させる方法が挙げられる。乳酸酸度としては、例えば0.6〜1.2質量%が例示される。発酵温度としては、例えば40〜45℃が例示される。発酵時間としては、例えば2〜12時間が例示される。
本発明での「乳酸菌」とは、分類学的に乳酸菌と認定されたものの全てを総称し、菌種や菌株などで限定されるものではない。なお、乳酸菌はその由来により、植物由来、及び動物由来に分類することもあるが、本発明の乳酸菌は植物由来と動物由来のどちらも使用することができる。また、本発明での「多糖類を産生する乳酸菌」とは、例えば、特開2000−247895号公報に記載されているラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus) OLL1073R−1のように、多糖類を細胞外へ生産する特徴を有する乳酸菌が挙げられる。
また、乳酸菌スターターとして、ブルガリア菌だけでなく、サーモフィラス菌、又はストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)を併用することが、生産効率および嗜好性の観点から好ましい。さらに、乳酸菌スターターとして、あるいは機能性の付与などを目的として、ブルガリア菌とサーモフィラス菌以外の乳酸菌やビフィズス菌、酵母などの発酵微生物を添加しても良い。
ここで、「Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R−1」は、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター(NITE−IPOD)(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 120号室)に受託番号 FERM BP−10741(寄託日:1999年2月22日)の下でブタペスト条約に基づき国際寄託されている。なお本菌株は2006年11月29日付で国内寄託(原寄託)から国際寄託に移管された。
本発明での「発酵乳」とは、乳を発酵させたものをいい、例えば、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)で定義される「発酵乳」、「乳酸菌飲料」、「乳飲料」、「ナチユラルチーズ」等を包含するがこれに限定されない。例えば、発酵乳は、乳等省令で定義される「発酵乳」、すなわち、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳および加工乳などの乳またはこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を、乳酸菌または酵母で発酵させ、固形状(ハードタイプ)、糊状(ソフトタイプ)または液状(ドリンクタイプ)にしたもの、または、これらを凍結したものをいうが、これに限定されない。本発明の発酵乳では、無脂乳固形分の濃度の範囲は、例えば4.0%〜12.0%が好ましく、6.0%〜10.0%がより好ましく、7.0%〜9.0%がさらに好ましい。また、乳脂肪分の濃度は、例えば0.2%〜4.0%が好ましく、0.3%〜3.0%がより好ましく、0.4%〜2.0%がさらに好ましい。
発酵乳の典型例としては、ヨーグルトが挙げられる。国際連合食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)で定義されている国際規格には、「ヨーグルトと称される製品は、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusの両方の菌の乳酸発酵作用により、乳及び脱脂粉乳などの乳製品から作られるもので、最終製品中には前述の2つの菌が多量に生存しているもの」と規定されている。本発明において、「ヨーグルト」とは、前記のFAO/WHOの定義するヨーグルトを包含するものであり、例えばプレーンヨーグルト、ハードヨーグルト(セットタイプヨーグルト)、ソフトヨーグルト、ドリンクヨーグルトなどが含まれる。本発明では、疲労時の飲みやすさの観点から、特にドリンクヨーグルトが好ましい。
本発明の発酵乳では、1回の摂取に適切な量を1個包装の形態とすることにより、適切かつ手軽に摂取できることになり、使用性の面から好ましい。1回の摂取に適切な量は、個人差やばらつきがあるものの、例えば、無脂乳固形分が8.0%である発酵乳の場合には、1回あたりで50mL〜200mLが好ましく、80mL〜150mLがより好ましく、100mL〜120mLがさらに好ましい。あるいは、1回あたりで50g〜200gが好ましく、80g〜150gがより好ましく、100g〜120gがさらに好ましい。
本発明では、「1個包装の形態」はあらゆる形態を包含し、例えば、蓋付きの容器、キャップ付きのボトル、個袋、パウチ、チューブなどの一般的な包装形態が含まれる。本発明では、各個包装、または複数の個包装を含む包装に、当該製品の用途、効能、摂取方法などの説明を記載すること、及び/又は、記載物を加えたパッケージとすること、及び/又は、別途パンフレットなどの記載物を掲示することなどにより、その用途を明確にすることができる。
本発明の発酵乳は、インフルエンザウイルスに特異的、あるいは交叉するIgA抗体を誘導する効果を高める観点から、4週間以上、6週間以上、8週間以上、10週間以上、12週間以上の期間で継続して摂取することが好ましく、24週間以上の期間で継続して摂取することがより好ましく、36週間以上の期間で継続して摂取することがさらに好ましい。なお、本発明の発酵乳は、十分な食経験があり安全に摂取できるため、摂取期間の上限は特に制限されず、永久的に継続することが可能であるが、強いて上限を設けるならば、例えば120週間以下、100週間以下、80週間以下、60週間以下である。
本発明の発酵乳は、インフルエンザウイルスに結合する免疫グロブリンIgAの産生を誘導し、とりわけ唾液中の当該IgA量を増加させることができる。そのようなIgAはインフルエンザウイルスと交叉(交叉反応)すると考えられる。本発明の発酵乳はインフルエンザの治療及び/又は予防用であってよい。本発明は、本発明の発酵乳を対象に投与することを含む、対象におけるインフルエンザウイルスに結合するIgAの量、とりわけ唾液中の当該IgAの量を増加させる方法も提供する。投与経路は特に限定されないが、特に経口投与が好ましい。なお本発明において「投与」は「摂取」を包含する。本発明の方法により、対象のインフルエンザウイルスに対する粘膜免疫応答(例えば口腔粘膜免疫応答)を強化することができる。対象は、ヒト、家畜、愛玩動物、実験(試験)動物等を含む哺乳動物であることが好ましい。特に、高齢または病気に罹患している哺乳動物や免疫機能が未発達な乳幼児期の哺乳動物が対象として好ましく、高齢の哺乳動物(例えばヒトの高齢者)がさらに好ましい。本発明は、インフルエンザウイルスに結合するIgAを唾液中で増加させるための発酵乳も提供する。インフルエンザウイルスのタイプは特に限定されないが、例えばインフルエンザウイルスA型であってよい。インフルエンザウイルスA型は任意の亜型であってよいが、例えばH3N2亜型であってよい。本発明はまた、本発明の発酵乳を含む、インフルエンザウイルスに結合するIgAを唾液中で増加させるための剤も提供する。さらに本発明は、インフルエンザウイルスに結合するIgAを唾液中で増加させるための発酵乳の製造における、多糖類を産生する乳酸菌、好ましくはLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus、さらに好ましくはLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R−1(FERM BP−10741)の使用も提供する。
以下、実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。なお、この実施例は、本発明を限定するものではない。
生乳、脱脂粉乳、クリーム、砂糖、ステビアを含む混合物に、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R−1(受託番号:FERM BP−10741)とサーモフィラス菌をスターターとして添加して発酵させ、ヨーグルトを製造した(以下、このヨーグルトを「R−1」と称する)。また、同じ原料を用いて、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R−1ではない市販されているブルガリア菌とサーモフィラス菌をスターターとして添加して発酵させ、ヨーグルトを製造した(以下、このヨーグルトをプラセボ(Placebo)と称する)。
被験者として、特別養護老人ホーム入所中の高齢者42名、老人保健福祉施設入所中の高齢者54名を、各施設で実験群とプラセボ群の2群に分けた。実験群には「R−1」を、プラセボ群には「Placebo」を、12週間にわたり、毎日100g摂取させた。摂取開始前、摂取4週間後、摂取8週間後、摂取12週間後のそれぞれの時点で、被験者から唾液を採取した。被験者は、摂取4週間後の唾液採取の後に、インフルエンザワクチンを接種した。唾液の採取は、歯科医師あるいは歯科衛生士が唾液採取用チューブである「サリキッズ」(ザルスタット社製)を使用して採取した。
各唾液中の、インフルエンザウイルス抗原と結合するIgAの濃度は以下の方法で測定した。Bethyl Laboratories社製のIgA濃度測定キットであるHuman IgA ELISA Quantitation Set(Cat No. E80-102)(以下、「キット」と称する)を用い、具体的には以下の手順で測定を実施した。キット中の96穴プレートを用意し、キット中のAffinity purified Goat anti-Human IgA Coating Antibody 100μLを各穴に加え、室温(20℃〜25℃)で1時間放置した。キット中のWash Solutionを用いて5回洗浄し、キット中のBlocking Buffer 200μLを各穴に加え、室温(20℃〜25℃)で30分間放置した。キット中のSample/Conjugate Diluentを用いて、試料(採取した唾液)を100倍〜500倍に希釈し、その100μLを加えた。室温(20℃〜25℃)で1時間放置した後、キット中のWash Solutionを用いて5回洗浄した。別途、ビオチンで標識されているA/H3N2亜型インフルエンザウイルス抗原を、キット中のSample/Conjugate Diluentを用いて約1 μg/mLの濃度になるように希釈して調製し、その100μLを加えた。室温(20℃〜25℃)で1時間放置した後、キット中のWash Solutionを用いて5回洗浄した。別途、HRP(Horse Radish Peroxidase)が結合しているストレプトアビジン(メルク社製Streptavidin, HRP Conjugate, Cat No. 18-152)を、キット中のSample/Conjugate Diluentを用いて1000倍に希釈して調製し、その100μLを加えた。室温(20℃〜25℃)で1時間放置した後、キット中のWash Solutionを用いて5回洗浄した。
キット中のEnzyme Substrate(TMB)を100μL加え、遮光して室温(20℃〜25℃)で15分間放置した。キット中のEnzyme Stop Solutionを100μL加え、HRPの酵素反応を停止させた。マイクロプレートリーダーを用いて、450 nmの吸光度を測定し、標準品の測定結果と比較して、インフルエンザウイルス抗原と結合するIgAの濃度を求めた。摂取前の値を1とした場合の4週間後、8週間後、12週間後の唾液中のインフルエンザウイルス抗原と結合するIgAの濃度の相対値の推移を図1に、4週間後〜12週間後の相対値の二元配置分散分析の結果を表1に示した。
Figure 2018074940
測定結果を二元配置分散分析により分析した結果、実験群はプラセボ群と比較して、インフルエンザウイルスA/H3N2亜型に交叉する唾液中IgA濃度の相対値は8週間後から有意に高値で推移した(p=0.001)。以上より、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R−1(寄託番号:FERM BP−10741)を用いて調製したヨーグルトの摂取は、インフルエンザウイルスに交叉するIgAの濃度を唾液中で上昇させることが判明した。
本発明によれば、インフルエンザウイルスに特異的、あるいは交叉するIgA抗体を誘導する効果を有する発酵乳が提供される。発酵乳は食経験が豊富な食品であり、身近で手軽に摂取できるので、インフルエンザへの効果的な対応策となり、非常に有用である。

Claims (4)

  1. 多糖類を産生する乳酸菌を用いて調製した、インフルエンザウイルスに交叉するIgAを唾液中で増加させるための発酵乳。
  2. 乳酸菌がLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusである、請求項1に記載の発酵乳。
  3. Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusがLactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R−1(FERM BP−10741)である、請求項2に記載の発酵乳。
  4. 高齢者が摂取するために用いるための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発酵乳。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024080289A1 (ja) * 2022-10-12 2024-04-18 株式会社 明治 ヒトの唾液においてヒトコロナウイルスに交叉するIgA増加用の発酵乳、および、その発酵乳を有効成分とする食品組成物

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