JP2018073915A - 電力変換器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本明細書は、半導体モジュールと冷却器の積層ユニットを備えた電力変換器の製造方法を開示する。
【解決手段】本明細書が開示する製造方法は、バスバ配置工程と溶接工程を備える。バスバ配置工程では、正極端子25の先端の傾斜面25aに、正極端子25を他の部品と電気的に接続する正極バスバ30の枝部33の傾斜部33aを重ねる。溶接工程では、傾斜面25aと傾斜部33a(正極バスバ30)の重なった部分にレーザを照射して両者を溶接する。ここで、レーザは、図中のY軸方向からみたときに、傾斜面25aにおけるレーザの照射点Qを通り傾斜面25aと直交する直線Lと積層ユニット20との間から照射される。そのような方向からレーザを照射すると、照射点Qでレーザは積層ユニット20から遠い側へ反射し、積層ユニット20には届かない。それゆえ、レーザの反射光が積層ユニット20にダメージを与えることがない。
【選択図】図8
【解決手段】本明細書が開示する製造方法は、バスバ配置工程と溶接工程を備える。バスバ配置工程では、正極端子25の先端の傾斜面25aに、正極端子25を他の部品と電気的に接続する正極バスバ30の枝部33の傾斜部33aを重ねる。溶接工程では、傾斜面25aと傾斜部33a(正極バスバ30)の重なった部分にレーザを照射して両者を溶接する。ここで、レーザは、図中のY軸方向からみたときに、傾斜面25aにおけるレーザの照射点Qを通り傾斜面25aと直交する直線Lと積層ユニット20との間から照射される。そのような方向からレーザを照射すると、照射点Qでレーザは積層ユニット20から遠い側へ反射し、積層ユニット20には届かない。それゆえ、レーザの反射光が積層ユニット20にダメージを与えることがない。
【選択図】図8
Description
本明細書は、半導体素子を収容した複数の半導体モジュールと複数の冷却器が一つずつ交互に積層されている積層ユニットを備えた電力変換器の製造方法を開示する。
上記した積層ユニットは、半導体モジュール(半導体素子)の冷却性能が高く、例えば、直流電力を三相交流モータの駆動電力に変換する電力変換器の主要部品に用いられている(例えば、特許文献1、2)。各半導体モジュールは、半導体モジュールと冷却器の積層方向と直交する第1方向に延びる端子を備えている。各端子に、半導体モジュール内の半導体素子を外部の部品と接続するバスバが接続されている。バスバとは、大電力を低損失で伝送するための導体であり、金属板(又は金属棒)である。以下では、半導体モジュールと冷却器の積層方向を単純に「積層方向」と呼ぶことがある。
複数の半導体モジュールの端子は、積層方向に一列に並ぶことになる。多数の端子が一例に並んでいると、各端子にバスバを接合する工程において、各端子のバスバに対する積層方向の相対位置が微妙にずれることがある。特許文献2には、端子とバスバの位置ずれを吸収して両者の接合を容易にする技術が開示されている。特許文献2の積層ユニットでは、バスバの端子との対向面が、積層方向と上記第1方向の両方と直交する第2方向から見て傾斜している。また、端子の剛性がバスバの剛性よりも低くなっている。特許文献2の積層ユニットでは、バスバを端子に押し付けるように配置すると、端子がバスバの傾斜面に倣って変形し、両者の接合が容易になる。
複数の半導体モジュールの端子が一列に並んでおり、隣り合う端子の間隔が狭いと、端子とバスバの溶接作業が困難になる。狭い場所での溶接には、レーザ溶接が適している。しかし、積層方向に対して直交する第1方向に延びている端子にレーザを照射すると、その反射光が積層ユニットへ当たり、積層ユニットにダメージを与えるおそれがある。本明細書は、複数の半導体モジュールと複数の冷却器が一つずつ交互に積層された積層ユニットを備えた電力変換器の製造方法に関し、半導体モジュールの端子とバスバをレーザ溶接する際にレーザの反射光が積層ユニットに当たらないようにする技術を提供する。
本明細書が開示する製造方法は、次の構造の積層ユニットを備えた電力変換器を対象にする。積層ユニットに積層される半導体モジュールは、冷却器と半導体モジュールの積層方向と直交する第1方向に沿って延びている端子を備えている。その端子の先端が、積層方向と第1方向の双方と直交する第2方向からみたときに、第1方向に対して傾斜する傾斜面を有している。本明細書が開示する製造方法は、バスバ配置工程と溶接工程を備える。バスバ配置工程では、端子の先端の傾斜面に、端子を他の部品と電気的に接続するバスバを重ねる。溶接工程では、傾斜面とバスバの重なった部分にレーザを照射して両者を溶接する。ここで、レーザは、第2方向からみたときに、傾斜面におけるレーザの照射点を通り傾斜面と直交する直線と積層ユニットとの間から照射される。そのような方向からレーザを照射すると、照射点でレーザは積層ユニットから遠い側へ反射し、積層ユニットには届かない。それゆえ、レーザの反射光が積層ユニットに当たることがない。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
図面を参照して実施例の電力変換器の製造方法を説明する。まず、実施例の製造方法の対象となる電力変換器2を説明する。電力変換器2は、電気自動車100においてバッテリの電力を走行用モータの駆動電力に変換するデバイスである。まず、電力変換器2の回路構成を説明する。図1は、電力変換器2を含む電気自動車100の電力系のブロック図である。電気自動車100は、2個の走行用モータ83a、83bを備える。それゆえ、電力変換器2は、2セットのインバータ回路13a、13bを備える。2個の走行用モータ83a、83bの出力トルクは、ギアボックス85で合成されて車軸86へと伝達される。
電力変換器2は、システムメインリレー82を介してバッテリ81と接続されている。電力変換器2は、バッテリ81の電圧を昇圧する電圧コンバータ回路12と、昇圧後の直流電力を交流電力に変換する2セットのインバータ回路13a、13bを備えている。
電圧コンバータ回路12は、昇圧動作と降圧動作の双方を行うことが可能な双方向DC−DCコンバータである。昇圧動作は、バッテリ側の端子に供給された電力の電圧を昇圧してインバータ側の端子に出力する動作である。降圧動作は、インバータ側の端子に供給された電力の電圧を降圧してバッテリ側の端子に出力する動作である。説明の便宜上、以下では、バッテリ側(低電圧側)の端子を入力端18と称し、インバータ側(高電圧側)の端子を出力端19と称する。また、入力端18の正極と負極を夫々、入力正極端18aと入力負極端18bと称する。出力端19の正極と負極を夫々、出力正極端19aと出力負極端19bと称する。「入力端18」、「出力端19」との表記は説明の便宜を図るためのものであり、先に述べたように、電圧コンバータ回路12は双方向DC−DCコンバータであるので、出力端19から入力端18へ電力が流れる場合がある。
電圧コンバータ回路12は、2個のスイッチング素子9a、9bの直列回路、リアクトル7、フィルタコンデンサ5、各スイッチング素子に逆並列に接続されているダイオードで構成されている。リアクトル7は、一端が入力正極端18aに接続されており、他端は直列回路の中点に接続されている。フィルタコンデンサ5は、入力正極端18aと入力負極端18bの間に接続されている。入力負極端18bは、出力負極端19bと直接に接続されている。スイッチング素子9bが主に昇圧動作に関与し、スイッチング素子9aが主に降圧動作に関与する。図1の電圧コンバータ回路12はよく知られているので詳細な説明は省略する。なお、符号8aが示す破線矩形の範囲の回路が、後述する半導体モジュール8aに対応する。符号25、26は、半導体モジュール8aから延出している端子を意味する。符号25は、スイッチング素子9a、9bの直列回路の高電位側と導通している端子(正極端子25)を意味する。符号26は、スイッチング素子9a、9bの直列回路の低電位側と導通している端子(負極端子26)を意味する。図1には図示していないが、スイッチング素子9a、9bの直列回路の中点と導通する端子は中点端子27と表記される。次に説明するように、正極端子25、負極端子26、中点端子27という表記は、他の半導体モジュールでも用いる。
インバータ回路13aは、2個のスイッチング素子の直列回路が3セット並列に接続された構成を有している。スイッチング素子9cと9d、スイッチング素子9eと9f、スイッチング素子9gと9hがそれぞれ直列回路を構成している。各スイッチング素子にはダイオードが逆並列に接続されている。3セットの直列回路の高電位側の端子(正極端子25)が電圧コンバータ回路12の出力正極端19aに接続されており、3セットの直列回路の低電位側の端子(負極端子26)が電圧コンバータ回路12の出力負極端19bに接続されている。3セットの直列回路の中点から3相交流(U相、V相、W相)が出力される。3セットの直列回路の夫々が、後述する半導体モジュール8b、8c、8dに対応する。
インバータ回路13bの構成はインバータ回路13aと同じであるため、図1では具体的な回路の図示を省略している。インバータ回路13bもインバータ回路13aと同様に、2個のスイッチング素子の直列回路が3セット並列に接続された構成を有している。3セットの直列回路の高電位側の端子が電圧コンバータ回路12の出力正極端19aに接続されており、3セットの直列回路の低電位側の端子が電圧コンバータ回路12の出力負極端19bに接続されている。各直列回路に対応するハードウエアが半導体モジュール8e、8f、8gである。
インバータ回路13a、13bの入力端に平滑コンデンサ6が並列に接続されている。平滑コンデンサ6は、電圧コンバータ回路12の出力電流の脈動を除去するために備えられている。
スイッチング素子9a−9hは、トランジスタであり、典型的にはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であるが、他のトランジスタ、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であってもよい。また、ここでいうスイッチング素子は、電力変換に用いられるものであり、パワー半導体素子と呼ばれることもある。
図1において、破線8a−8gの夫々が半導体モジュールに相当する。電力変換器2は、2個のスイッチング素子の直列回路を7セット備えている。ハードウエアとしては、直列回路を構成する2個のスイッチング素子、および各スイッチング素子に逆並列に接続されているダイオードが一つの半導体モジュールに収容されている。以下では、半導体モジュール8a−8gのいずれか一つを区別なく示すときには半導体モジュール8と表記する。
7個の半導体モジュール(7セットの直列回路)の高電位側の端子(正極端子25)が平滑コンデンサ6の正極電極に接続され、低電位側の端子(負極端子26)が平滑コンデンサ6の負極電極に接続される。図1において、符号30が示す破線内の導電経路は、複数の半導体モジュール8の正極端子25と平滑コンデンサ6の正極電極を相互に接続するバスバ(正極バスバ30)に対応する。符号40が示す破線内の導電経路は、複数の半導体モジュール8の負極端子26と平滑コンデンサ6の負極電極を相互に接続するバスバ(負極バスバ40)に対応する。次に、複数の半導体モジュール8と正極バスバ30、負極バスバ40の構造について説明する。
図2に電力変換器2のハードウエアの斜視図を示す。なお、図2では、電力変換器2のハウジングと一部の部品の図示を省略している。複数の半導体モジュール8(8a−8g)は、複数の冷却器22とともに積層ユニット20を構成する。半導体モジュール8a−8gは全て同じ形状であるので、図2と後述する図3では、代表して左端の半導体モジュールにのみ、符号8を付し、他の半導体モジュールには符号を省略した。また、図2と後述する図3では、左端の2個の冷却器にのみ、符号22を付し、他の冷却器には符号を省略した。
図2は、電力変換器2の斜視図であるが、積層ユニット20、正極バスバ30、負極バスバ40、及び、コンデンサユニット60のアセンブリのみを描いてあり、他の部品は図示を省略した。積層ユニット20は、複数の扁平な冷却器22が平行に配置されているとともに、隣り合う冷却器22の間に扁平な半導体モジュール8が挟まれているデバイスである。別言すれば、積層ユニット20は、スイッチング素子(半導体素子)を収容した複数の半導体モジュール8と複数の冷却器22を一つずつ交互に積層したデバイスである。
扁平な半導体モジュール8は、その幅広面を冷却器22に対向させて積層されている。各半導体モジュール8の一つの側面80aから3個の端子(正極端子25、負極端子26、中点端子27)が延びている。図2と後述する図3では、積層ユニット20の左端に位置する半導体モジュール8の端子にのみ符号25、26、27を付し、残りの半導体モジュール8には端子を示す符号を省略した。
図2以降の図では、座標系を付してある。X軸が半導体モジュール8と冷却器22の積層方向を示しており、Z軸は端子(正極端子25、負極端子26、中点端子27)の延設方向を示している。端子の延びる方向(Z軸方向)は、半導体モジュール8と冷却器22の積層方向(X軸方向)と直交する。
正極端子25と負極端子26は、先に述べたように、半導体モジュール8に収容されている直列回路の高電位側の端子と低電位側の端子である。中点端子27は、直列回路の中点と導通している端子である。別言すれば、3個の端子25−27は、いずれも、半導体モジュール8の内部でスイッチング素子(半導体素子)と導通している。3個の端子25−27は、半導体モジュール8の幅広面と直交する一側面80aから図中のZ軸正方向に延びている。一側面80aの反対側の側面から複数の制御端子が図中のZ軸負方向に延びている。制御端子は、半導体モジュール8に内蔵されているスイッチング素子のゲート電極と導通しているゲート端子、及び、半導体モジュール8に内蔵されている温度センサや電流センサと導通しているセンサ端子などである。
以下、説明の便宜上、積層ユニット20における冷却器22と半導体モジュール8の積層方向を単純に「積層方向」と称する場合がある。図中のX軸方向が積層方向に相当する。
図中の右端の冷却器22には、冷媒供給口28と冷媒排出口29が設けられている。隣接する冷却器22同士は、2個の連結管で接続されている。一方の連結管は、積層方向からみて冷媒供給口28と重なるように位置している。他方の連結管は、積層方向からみて冷媒排出口29と重なるように位置している。冷媒供給口28と冷媒排出口29には、不図示の冷媒循環装置が接続される。冷媒供給口28から供給される冷媒は、一方の連結管を通じて全ての冷却器22に分配される。冷媒は冷却器22を通る間に隣接する半導体モジュール8から熱を吸収する。熱を吸収した冷媒は、他方の連結管と冷媒排出口29を通じて積層ユニット20から排出される。各半導体モジュール8は、その両側から冷却されるので、積層ユニット20は半導体モジュール8に対する冷却性能が高い。
各半導体モジュール8の3個の端子25−27はいずれも平板状である。複数の半導体モジュール8の正極端子25は、隣接する半導体モジュール8の正極端子25の平坦面と対向するように、積層方向に一列に並んでいる。複数の半導体モジュール8の負極端子26も、隣接する半導体モジュール8の負極端子26の平坦面と対向するように、積層方向に一列に並んでいる。複数の半導体モジュール8の中点端子27も同様である。複数の半導体モジュール8の正極端子25、負極端子26、中点端子27は、3列に並んでいる。
図3に、正極バスバ30と負極バスバ40と積層ユニット20とコンデンサユニット60(コンデンサ素子61)のアセンブリの分解斜視図を示す。なお、図2のコンデンサユニット60には、2個のコンデンサ素子61が収容されている。図3では、コンデンサユニット60のケースを省略し、内部のコンデンサ素子61を描いてある。コンデンサ素子61は、図1の平滑コンデンサ6に相当する。また、図2に示すように、正極端子25の先端、及び、負極端子26の先端は、Z軸方向に対してX軸方向に傾斜しているが、図3は、正極端子25、負極端子26の先端を傾斜させる前の図である。正極バスバ30の正極端子25と対向する面(枝部33)も正極端子25の先端の傾斜面に沿って傾斜するが、図3は枝部33を傾斜させる前の図である。負極バスバ40の負極端子26と対向する面(枝部43)も負極端子26の先端の傾斜面に沿って傾斜するが、図3は枝部43を傾斜させる前の図である。
複数の半導体モジュール8の正極端子25とコンデンサ素子61の正極電極61aが正極バスバ30で接続され、複数の負極端子26とコンデンサ素子61の負極電極61bが負極バスバ40で接続される。
正極バスバ30は、板状の電極部39、板状の基部31、及び、複数の枝部33を備えている。電極部39が、コンデンサ素子61の正極電極61aに接続される。正極バスバ30の基部31には、複数の第1孔32が設けられており、各第1孔32の縁から枝部33がZ軸方向に延びている。各第1孔32を各半導体モジュール8の正極端子25が通り、その正極端子25と枝部33が接合される。
負極バスバ40は、板状の電極部49、板状の基部41、及び、複数の枝部43を備えている。電極部49が、コンデンサ素子61の負極電極61bに接続される。負極バスバ40の基部41には、複数の第2孔42が設けられており、各第2孔42の縁から枝部43がZ軸方向に延びている。各第2孔42を各半導体モジュール8の負極端子26が通り、その負極端子26と枝部43が接合される。
負極バスバ40は、正極バスバ30の積層ユニット20とは反対側に位置している。負極バスバ40には、複数の第3孔45が設けられており、各第3孔45を、半導体モジュール8の正極端子25と、正極バスバ30の枝部33が通過する。正極バスバ30の板状の基部31と、負極バスバ40の板状の基部41が近接対向する。
正極バスバ30と負極バスバ40の間に絶縁板50が挟まれている。絶縁板50は、正極バスバ30と負極バスバ40の間を絶縁する。絶縁板50には、複数の筒部53と、複数の第5孔54が設けられている。積層方向(X軸方向)における絶縁板50の両側には、Y軸方向に延びているリブ51が設けられており、各リブ51から突起52が延びている。一対のリブ51の間に、負極バスバ40の基部41が収まる。
絶縁板50の反対側で負極バスバ40と重なるように、保護カバー70が配置されている。保護カバー70には、複数の第4孔73が設けられており、各第4孔73を、正極端子25と正極バスバ30の枝部33が通過する。保護カバー70は、絶縁材で作られている。保護カバー70には、絶縁板50の突起52に対応する箇所に貫通孔74が設けられている。絶縁板50と負極バスバ40と保護カバー70が重ね合わさると、絶縁板50の突起52が保護カバー70の貫通孔74に嵌合し、絶縁板50と保護カバー70がしっかりと連結される。図3において符号72aが示す箇所は、保護カバー70のうち、コンデンサユニット60に埋設される箇所を示している。
図4を参照して正極バスバ30、負極バスバ40、絶縁板50、保護カバー70の関係について説明する。また、図4を参照して正極端子25の傾斜面25aについて説明する。図4は、図2のIV−IV線に沿った断面図であり、正極端子25を積層方向(X軸方向)に横断する断面である。図4は、積層ユニット20を図中の座標系のY軸方向から見た図である。Y軸方向は、積層ユニット20の積層方向(X軸方向)と、正極端子25の延設方向(Z軸方向)の双方と交差する方向に相当する。なお、図4は、積層ユニット20と正極バスバ30と負極バスバ40と絶縁板50と保護カバー70のアセンブリの一部の断面のみ示した。
正極バスバ30、負極バスバ40、絶縁板50、保護カバー70は、重なっている。先に述べたように、絶縁板50は、正極バスバ30と負極バスバ40に挟まれており、両者の間を絶縁する。正極バスバ30、負極バスバ40、絶縁板50、保護カバー70のうち、正極バスバ30が最も半導体モジュール8の近くに位置する。その正極バスバ30に、絶縁板50が重なり、その上に負極バスバ40が重なり、その上に保護カバー70が重なる。正極バスバ30の枝部33は、正極バスバ30の基部31の半導体モジュール側に溶接されている。枝部33は、基部31の第1孔32の縁から延びている。
正極バスバ30に設けられた第1孔32と、絶縁板50に設けられた筒部53と、負極バスバ40に設けられた第3孔45と、保護カバー70に設けられた第4孔73は、図中のZ軸方向で重複する。それらの孔を半導体モジュール8の正極端子25と、正極バスバ30の枝部33が通っている。絶縁板50の筒部53の内側を、正極端子25と正極バスバ30の枝部33が通っており、筒部53そのものは、負極バスバ40の第3孔45を通過している。筒部53の先端は、保護カバー70の第4孔73の縁に当接している。
上記の構造により、正極端子25の近傍では、負極バスバ40が、正極バスバ30の枝部33と正極端子25から隔離される。まず、絶縁板50の筒部53が負極バスバ40の第3孔45を通り、その筒部53の内側を正極端子25と枝部33が通る。この配置により、第3孔45の周囲が正極端子25と枝部33から隔離される。また、筒部53の先端が保護カバー70の第4孔73の縁に当接することで、負極バスバ40の基部41の表面に対向する空間Spを保護カバー70が覆い、基部41の表面を正極端子25と枝部33から隔離する。正極端子25と正極バスバ30の枝部33は、筒部53と第4孔73から突き出た箇所で溶接されている。
図4に示されているように、正極バスバ30と負極バスバ40は、筒部53を有する絶縁板50と、保護カバー70により、確実に絶縁される。
図中のY軸方向からみて、正極端子25の先端は、Z軸に対して角度Rだけ傾斜している傾斜面25aを形成している。正極バスバ30の枝部33も、その先端が、傾斜面25aに沿って傾斜する傾斜部33aとなっている。正極端子25の傾斜面25aと、正極バスバ30の枝部33の傾斜部33aがレーザ溶接にて接合される。全ての正極端子25と枝部33が、傾斜面25aと傾斜部33aで溶接される。図示は省略するが、負極端子26の先端にもZ軸に対して角度Rだけ傾斜する傾斜面が形成されており、その傾斜面に、負極バスバ40の枝部43の先端の傾斜部が重なり、両者がレーザ溶接にて接合される。負極端子26の先端と負極バスバ40の枝部43の先端の傾斜については図示と説明を省略する。
図5−図8を参照して、電力変換器2の製造方法を説明する。以下では、積層ユニット20の半導体モジュール8の正極端子25に正極バスバ30の枝部33を接合する工程を説明する。半導体モジュール8の負極端子26に負極バスバ40の枝部43を接合する工程は、正極端子の場合と同じであるので説明は省略する。また、複数の半導体モジュール8と複数の冷却器22を一つずつ交互に積層する工程も説明を省略する。電力変換器2のそのほかの製造工程も説明を省略する。
正極端子25の先端は、当初は屈曲しておらず、正極バスバ30の枝部33の先端も当初は屈曲していない。図5は、正極端子25と枝部33のいずれもが屈曲する前の状態を図中のY軸方向から見た図である。仮に、図5の状態で正極端子25と枝部33をレーザ溶接する場合、図中の破線矢印A1が示すようにレーザを照射することになる。正極端子25と枝部33が重なった部分にレーザを照射することになるが、レーザは、照射点Qで反射し、その反射光は、破線矢印線A2のように進み、保護カバー70にぶつかる。レーザの反射光により保護カバー70がダメージを受けるおそれがある。そこで、積層ユニット20では、溶接する部分を曲げて、レーザの反射光が積層ユニット20に到達しないようにする。
図6と図7は、まっすぐな正極端子25と枝部33の先端を曲げる工程の説明図である。正極端子25と枝部33は、固定型91とスライド型92を有するプレス型90で曲げられる。後に傾斜面25aとなる部分の付け根に固定型91をあてがい、反対側からスライド型92を正極端子25と枝部33に近づける。スライド型92の枝部33と対向する面は、図4の傾斜面25aと傾斜部33aを形成するためにZ軸に対して傾斜している。スライド型92を正極端子25と枝部33に押し付けると、図4の傾斜面25aと傾斜部33aが形成される(図7参照)。プレス型90を外すと、傾斜面25aと傾斜部33aは、Z軸方向に対して角度Rだけ傾く。そして、正極端子25の傾斜面25aに、正極バスバ30の枝部33の傾斜部33aが重なった状態が出来上がる。ここまでの工程が、Z軸に対して傾斜した正極端子25の傾斜面25aに、正極端子25を他の部品と電気的に接続する正極バスバ30の傾斜部33aを重ねるバスバ配置工程に相当する。
次に、図8を参照して、傾斜面25aと傾斜部33a(正極バスバ30)の重なった部分にレーザを照射して溶接する溶接工程を説明する。先に述べたように、図中のY軸方向からみて、傾斜面25aと傾斜部33aは、Z軸に対して角度Rだけ傾いている。溶接用のレーザは、図中の矢印線B1のように照射される。図中の直線Lは、照射点Qを通り、傾斜面25aと直交する直線を示している。レーザ(矢印線B1)は、Y軸方向からみたときに、直線Lと積層ユニット20の間から照射点Qへ照射される。そうすると、レーザの反射光は、直線Lの積層ユニット20とは反対側に向かい、積層ユニット20へは当たらない。それゆえ、反射光が積層ユニット20にダメージを与えることがない。
全ての正極端子25と全ての負極端子26が、上記と同じ条件、即ち、レーザは、Y軸方向からみたときに、照射点を通り傾斜面に垂直な直線と積層ユニット20の間から照射点に照射される。従って、いずれの端子の傾斜面と傾斜部との溶接においても、レーザの反射光が積層ユニット20に向かうことはない。
以上、説明したように、実施例の製造方法では、半導体モジュール8の正極端子25の先端と、これに対向する正極バスバ30の枝部33を傾斜させる。これにより、正極端子25の先端(傾斜面25a)に、正極バスバ30(傾斜部33a)をレーザ溶接する際、レーザの反射光が積層ユニット20には当たらない。従って、レーザの反射光が積層ユニット20にダメージを与えることがない。負極端子26と負極バスバ40も同様の工程で溶接される。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。図中の座標系のX軸方向が請求項の「積層方向」に相当し、Z軸方向が請求項の「第1方向」に相当し、Y軸方向が「第2方向」に相当する。実施例の正極端子25と負極端子26が請求項の「端子」に一例に相当する。実施例の正極バスバ30と負極バスバ40が請求項の「バスバ」の一例に相当する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:電力変換器
5:フィルタコンデンサ
6:平滑コンデンサ
7:リアクトル
8、8a−8g:半導体モジュール
9a−9h:スイッチング素子
12:電圧コンバータ回路
13a、13b:インバータ回路
18:入力端
19:出力端
20:積層ユニット
22:冷却器
25:正極端子
25a:傾斜面
26:負極端子
27:中点端子
28:冷媒供給口
29:冷媒排出口
30:正極バスバ
31:基部
33:枝部
33a:傾斜部
39:電極部
40:負極バスバ
41:基部
43:枝部
49:電極部
50:絶縁板
60:コンデンサユニット
61:コンデンサ素子
70:保護カバー
83a、83b:走行用モータ
90:プレス型
91:固定型
92:スライド型
100:電気自動車
Q:照射点
5:フィルタコンデンサ
6:平滑コンデンサ
7:リアクトル
8、8a−8g:半導体モジュール
9a−9h:スイッチング素子
12:電圧コンバータ回路
13a、13b:インバータ回路
18:入力端
19:出力端
20:積層ユニット
22:冷却器
25:正極端子
25a:傾斜面
26:負極端子
27:中点端子
28:冷媒供給口
29:冷媒排出口
30:正極バスバ
31:基部
33:枝部
33a:傾斜部
39:電極部
40:負極バスバ
41:基部
43:枝部
49:電極部
50:絶縁板
60:コンデンサユニット
61:コンデンサ素子
70:保護カバー
83a、83b:走行用モータ
90:プレス型
91:固定型
92:スライド型
100:電気自動車
Q:照射点
Claims (1)
- 半導体素子を収容した複数の半導体モジュールと複数の冷却器が一つずつ交互に積層されている積層ユニットを備えた電力変換器の製造方法であり、
前記半導体モジュールは、前記冷却器と前記半導体モジュールの積層方向と直交する第1方向に沿って延びている端子を備えており、
前記端子の先端が、前記積層方向と前記第1方向の双方と直交する第2方向からみたときに、前記第1方向に対して傾斜する傾斜面を有しており、
当該製造方法は、
前記傾斜面に、前記端子を他の部品と電気的に接続するバスバを重ねるバスバ配置工程と、
前記傾斜面と前記バスバの重なった部分にレーザを照射して溶接する溶接工程を備えており、
前記レーザは、前記第2方向からみたときに、前記傾斜面における前記レーザの照射点を通り前記傾斜面と直交する直線と前記積層ユニットとの間から照射される、電力変換器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016209966A JP2018073915A (ja) | 2016-10-26 | 2016-10-26 | 電力変換器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016209966A JP2018073915A (ja) | 2016-10-26 | 2016-10-26 | 電力変換器の製造方法 |
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ID=62111651
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Country | Link |
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JP (1) | JP2018073915A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020120519A (ja) * | 2019-01-24 | 2020-08-06 | トヨタ自動車株式会社 | 電力変換器とその製造方法 |
WO2022163226A1 (ja) * | 2021-01-28 | 2022-08-04 | 株式会社デンソー | 電気機器 |
-
2016
- 2016-10-26 JP JP2016209966A patent/JP2018073915A/ja active Pending
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US10842055B2 (en) | 2019-01-24 | 2020-11-17 | Denso Corporation | Power converter and manufacturing method of the same |
WO2022163226A1 (ja) * | 2021-01-28 | 2022-08-04 | 株式会社デンソー | 電気機器 |
JP2022115670A (ja) * | 2021-01-28 | 2022-08-09 | 株式会社デンソー | 電気機器 |
DE112021006923T5 (de) | 2021-01-28 | 2023-11-23 | Denso Corporation | Elektrisches gerät |
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