JP2018073276A - 導電パターン付き基材の製造方法及びタッチパネルセンサの製造方法 - Google Patents

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阿波野 康彦
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康彦 阿波野
剛樹 豊島
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剛樹 豊島
山崎 宏
Hiroshi Yamazaki
宏 山崎
群基 高山
Muraki Takayama
群基 高山
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Abstract

【課題】導電パターンが形成された基材にフィルムを圧着するラミネート工程において、発生する静電気により前記導電パターンが破壊されないように、静電気を抑制することができる導電付きパターンの製造方法及び前記導電パターン付き基材を用いて作製するタッチパネルセンサの製造方法を提供する。
【解決手段】導電パターン付き基材にフィルムを圧着するラミネート工程を有する導電パターン付き基材の製造方法であって、前記ラミネート工程が、前記フィルムの圧着前に前記導電パターン付き基材及びフィルムの除電を行うステップと、芯材の表層を導電ゴムで覆ったラミネートロールで前記導電パターン付き基材とフィルムとを圧着するステップと、前記圧着後の前記導電パターン付き基材及びフィルムを除電するステップ、とを備える導電パターン付き基材の製造方法。
【選択図】図6

Description

本発明は、導電パターン付き基材の製造方法及び該製造方法により製造した導電パターン付き基材を用いて作製するタッチパネルセンサの製造方法に関し、特に導電パターン付き基材にフィルムを圧着する工程を有する方法に関する。
近年、パソコン、スマートフォン等の電子機器の表示装置には、タッチパネルセンサが多用されている。特に、複数の指を接触させて多様な入力動作が可能であるマルチタッチ入力機能を備えるタッチパネルセンサの普及が目覚ましい。マルチタッチ入力機能は、静電容量式のタッチパネルセンサを搭載することで使用可能となる。
静電容量方式タッチパネルセンサとして、表示領域に、複数のX電極と、該X電極に直交するように配置された複数のY電極とを備えるものが知られている。これらの電極のうち、電気信号を発信する複数の電極をドライブ電極といい、ドライブ電極からの電気信号を受信する複数の電極をセンス電極ということがある。また、ドライブ電極とセンス電極を合わせて単にセンサ電極ともいう。
静電容量方式のタッチパネルセンサでは、タッチパネルセンサの表面に導電体である指で触れると静電容量に変化が生じることを利用している。この静電容量の変化を検出することで静電容量方式タッチパネルセンサはタッチした位置を検知している。また静電容量方式タッチパネルセンサでは、2方向の導電パターン(例えば、X電極及びY電極)を組み合わせることにより、複数の接触位置を同時に認識して、接触位置を座標として表示することが可能となっている。
このような、2方向の導電パターンを基材に形成するタッチパネルセンサにおいて、既に導電パターンが形成された基材に、さらにフィルムをラミネート工程で圧着する場合に発生する静電気により、前記導電パターンが破壊されないよう、静電気を抑制する必要がある。
フィルムやパターン付きの基板をロールに通して作業する工程で発生する静電気を抑制する方法としては、導電性を有する熱圧着ゴムロールを用いる方法がある。(特許文献1)液晶表示装置の製造方法において、パターン付きのアレイ基板に樹脂フィルムを熱圧着する際に、樹脂フィルムのベースフィルムを剥がす際に発生した静電気によりアレイ基板のTFTに不具合が生じないように、帯電したアレイ基板を、前記導電性を有する熱圧着ロールにより除電する。
シートをロールに通して作業する工程で静電気を抑制する別の方法として、導電性ロールとともに除電手段を用いる方法がある。(特許文献2)押圧ロールを用いてシートをシートロール体に巻き上げる際に発生する静電気による、放電痕などの帯電斑の発生を抑制している。
特開2002−303841号公報 特開2008−230826号公報
特許文献1に記載の発明は、導電性を有する熱圧着ゴムロールとシートや基板との接触による電位の低減に対して効果があるものの、ロールと接触する前にシートや基板が帯電している場合の帯電電位を低減しきれない。
特許文献2に記載の発明では除電対象であるシートロール体の電位に合わせて除電器の直流電源の出力電圧を制御しているが、除電効果に最も影響する、除電器と除電対象であるシートロール体との距離等が定義されていない。そのため、特許文献2に記載の発明をそのまま導電パターン付き基材の製造方法に適用することが困難であった。
そこで、本発明は、既に導電パターンが形成された基材に、さらにフィルムをラミネート工程で圧着する場合に発生する静電気を抑制し、導電パターンの破壊による電気的欠陥を抑制することを可能とする、導電パターン付基材の製造方法、並びに前記導電パターン付き基材を用いて作製するタッチパネルセンサの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、導電パターン付き基材にフィルムを圧着するラミネート工程を有する導電パターン付き基材の製造方法であって、前記ラミネート工程が、前記フィルムの圧着前に前記導電パターン付き基材及びフィルムの除電を行うステップと、芯材の表層を導電ゴムで覆ったラミネートロールで前記導電パターン付き基材とフィルムとを圧着するステップと、前記圧着後の前記導電パターン付き基材及びフィルムを除電するステップ、とを備える導電パターン付き基材の製造方法である。
本発明は、前記ラミネートロールの芯材の表層を覆った導電ゴムの体積抵抗率が10Ω・m以下である、導電パターン付き基材の製造方法である。
本発明は、前記ラミネート工程において、3台以上の除電器を使用して除電を行う、導電パターン付き基材の製造方法である。
本発明は、前記ラミネート工程が、前記導電パターン付き基材に圧着する前記フィルムとしてカバーフィルムを有するフィルムを用いて、該フィルムの圧着前に前記カバーフィルムを剥離するステップを備えており、該カバーフィルムを剥離するステップにおいて、前記フィルムのカバーフィルムを剥離する面の側に少なくとも1台の除電器を配置して前記フィルムの除電を行う、導電パターン付き基材の製造方法である。
本発明は、前記カバーフィルムを剥離するステップにおいて、前記フィルムから前記カバーフィルムを剥離する面の裏側にも除電器を配置して前記フィルムの除電を行う導電パターン付き基材の製造方法である。
本発明は、前記除電器と、除電対象の帯電体である前記導電パターン付き基材又は前記フィルムとの距離が100mm以下である、導電パターン付き基材の製造方法である。
本発明は、前記フィルムが感光性導電フィルムである、導電付パターン付基材の製造方法である。
本発明は、前記導電パターン付き基材の製造方法により製造した導電パターン付き基材を用いて作製する、タッチパネルセンサの製造方法である。
本発明によれば、既に導電パターンが形成された基材に、さらにフィルムをラミネート工程で圧着する場合に発生する静電気を抑制し、導電パターンの破壊による電気的欠陥を抑制することを可能とする、導電パターン付基材の製造方法、並びに前記導電パターン付き基材を用いて作製する、タッチパネルセンサの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る導電パターン付き基材を示す模式断面図である。 本発明の別の実施形態に係る導電パターン付き基材を示す模式断面図である。 図2に示す導電パターン付き基材の一部の拡大斜視図である。 感光性導電フィルムの一例を示す模式断面図である。 図3に示す導電パターン付き基材の製造方法の一例を説明するための模式図であり、(a)は基材に対して感光性導電フィルムをラミネートする工程を示す模式図断面図、(b)は第一露光工程を示す模式断面図、(c)は第二露光工程を示す模式断面図、及び(d)は導電パターン付き基材を示す模式断面図である。 本発明の一実施形態のラミネート工程を示す断面図。 本発明の一実施形態のフィルムのカバーフィルムを剥離する界面の側に配置する除電器と、前記フィルムのカバーフィルムを剥離する界面との位置関係を示す断面図であり、(a)は除電器34のイオン噴出面がフィルム31のカバーフィルム剥離点Pに向いている場合の模式断面図、及び(b)は除電器34のイオン噴出面がフィルム31と平行となる場合の模式断面図である。 本発明の別の実施形態に係る導電パターン付き基材の別の態様を示す模式図であり、(a)は模式上面図、及び(b)は模式断面図である。 図8に示す導電パターン付き基材の製造方法の一例を説明するための模式図である。 静電容量式のタッチパネルセンサの一例を示す模式図であり、(a)はタッチパネルセンサの模式上面図、(b)は(a)のA−A’線に沿った模式断面図、及び(c)はB−B’線に沿った模式断面図である。 本発明により製造されるタッチパネルセンサの一例を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」又は「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」又は「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」又は「メタクリロイル基」を意味する。「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。また、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
<導電パターン付き基材>
図1は、本発明の導電パターン付き基材20の一実施形態を示す模式断面図である。本実施の形態の導電パターン付き基材20は、基材1と、基材1上(基材1の片側の面)に設けられた第一の導電パターン5aと、第一の導電パターン5a上に設けられた感光性樹脂層の硬化物3bと、感光性樹脂層の硬化物3b上に設けられた第二の導電パターン5bとから構成されている。第一の導電パターン5aは第一の導電膜2aからなり、第一の導電膜2aは外部接続用端子となる所定部分7を有する。第二の導電パターン5bは、感光性樹脂層の硬化物3bと第二の導電膜2bとからなり、第二の導電パターン5bには、第二の導電膜2bを有する樹脂硬化膜部と、第二の導電膜2bを有していない樹脂硬化膜部とを有する。
図2は、別の実施形態に係る導電パターン付き基材20を示す模式断面図である。図3は、図2に示す導電パターン付き基材20の一部の拡大斜視図である。図3に示す導電パターン付き基材は、基材1と、第一の導電パターン5aと、第一の導電パターン5aの基材1とは反対側の面上に設けられた第二の導電パターン5bとから構成されている。第一の導電パターン5aは、感光性樹脂層の硬化物3cと、この硬化物3c上に設けられた第一の導電膜2aとからなり、第一の導電膜2aは、外部接続用端子となる所定部分7を有する。第二の導電パターン5bは、感光性樹脂層の硬化物3dと、硬化物3d上に設けられた第二の導電膜2dとからなる。
基材1としては、透明基材を用いることができ、例えば、プラスチックフィルム、ガラス板等を用いることができる。
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンポリマフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルアミドフィルム、ポリエーテルアミドイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム等が挙げられる。基材1としては、使用可能な温度範囲の広さ、弾性率、表面平滑性等の特性に優れる観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
ガラス板としては、合成石英ガラス、ソーダライム系ガラス、アルミノ珪酸塩ガラス、化学強化ガラス等からなるガラス板を用いることができる。これらのうち、化学強化ガラスの使用が好ましい。化学強化ガラスとは、例えばソーダ石灰ガラス等を350℃以上に加熱した硝酸カリ溶融塩に入れることで、イオン交換を起こしてガラスの表面にテンションをかけたものであり、耐衝撃性や耐傷性を向上させたガラスである。化学強化ガラスからなるガラス板は、タッチパネルセンサ等の表示機器用途に適している。
基材1の厚みは、使用の目的に応じて適宜選択することができる。タッチパネルセンサ等の表示機器用途に使用する場合、特に、基材1の厚みは薄いことが好ましい。具体的には、プラスチックフィルムの場合、基材1の厚みは0.5mm以下が好ましく、0.2mm以下であることがより好ましく、また、ガラス板の場合、基材1の厚みは0.5mm以下が好ましく、0.3mm以下であることがより好ましい。
基材1の400〜700nmの波長域における最小光透過率は、ディスプレイ、タッチパネルセンサ等の表示機器用途での輝度に優れる観点から、80%以上であるものが好ましく、85%以上であることがより好ましい。基材1の400〜700nmの波長域における最小光透過率は、基材の材質、厚み等の選択により調整することができる。
基材1は、シランカップリング処理、プライマー塗工、紫外線処理、プラズマアッシング処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチング処理、離型処理等の表面処理がなされたものであってもよい。これらの表面処理を行うことにより、基材1と導電パターン5a或いは感光性樹脂層の硬化物3cを形成する材料と間の界面結合を向上させることができ、基材1と導電パターン5a或いは感光性樹脂層の硬化物3cとの接着性をより向上させることができる。
表面処理のうち、シランカップリング処理で用いるシランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
図1及び図2にそれぞれ示す第一の導電膜2a,2cは、外部接続用端子となる所定部分7を有する。本実施形態における第一の導電パターン5aは、上記基材1とは反対側の面の少なくとも一部に樹脂硬化膜(例えば、感光性樹脂層の硬化物)3b,3dを有する。上記導電膜の外部接続用端子となる所定部分7は、その積層方向から見たときに面積の25%以上が上記樹脂硬化膜に覆われていないことを特徴としている。上記導電膜の外部接続用端子となる部分の上記樹脂硬化膜に覆われていない部分の面積は、例えば、上記樹脂硬化膜を第一の導電パターン上に形成する際の露光、現像方法によって調整することができる。
上記所定部分7は、上記樹脂硬化膜と重なっていない面積が25%以上であり、外部接続用配線との電気的な接続を確実に行うという観点から、前記面積が45%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。また、タッチパネルセンサ等の電子部品に用いた場合に表示画面の見栄えの観点から、樹脂硬化膜と重なっていない上記面積が、100%以下であることが好ましく、95%以下であることがより好ましく、85%以下であることがさらに好ましい。
外部接続用端子の形状は特に限定されるものではなく、例えば、その積層方向から見て、例えば、長方形、楕円形などの形状であってもよい。これらの形状のうち、電気的接続の安定性の観点から、外部接続用端子の形状としては、長方形であることが好ましい。
図1及び図2にそれぞれ示す第一の導電膜2a,2cは、例えば、透明導電性金属酸化物を含む。透明導電性金属酸化物としては、例えば、酸化インジウム−スズ(ITO)、酸化インジウム−亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)等の透明導電性金属酸化物を挙げることができる。これらのうち、電気伝導性、及び透明性(特に、可視光領域で透過率が高い)に優れることから、ITOが好ましい。タッチパネルセンサや液晶ディスプレイなどの表示機器に広く用いることができる点で好ましい。
第一の導電膜2a,2cは、上記透明導電性金属酸化物の他にも、銅、銀等の電気抵抗の低い金属、ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン等の導電性高分子などを含んでもよい。これらの材料は、メッシュ状にした金属メッシュ等の形態としてもよい。
第一の導電膜2a,2cの形成に透明導電性金属酸化物を用いる場合、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の物理的生膜法、化学的気相法(Chemical Vapor Diposition:CVD)法、塗布法等の化学的生膜法などを用いて基材1又は硬化物3c上に導電膜を形成することができる。
図1に示す第一の導電パターン5aを形成する方法としては、例えば、次に示すような感光性レジストを利用する方法を用いることができる。すなわち、(1)基材1の上に形成する導電膜上に感光性レジスト層を設ける工程と、(2)感光性レジスト層の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、(3)感光性レジスト層を現像する現像工程と、(4)感光性レジスト層の、現像により溶解除去された領域の導電膜を除去する工程と、(5)感光性レジスト層を全て除去する工程を経て、パターン化された第一の導電膜2aからなる第一の導電パターン5aを形成することができる。図2及び図3に示す第一の導電パターン5aについても同様に形成することができる。
導電膜上に感光性レジスト層を設ける方法としては、フィルム状に感光性レジストをラミネートする方法や、液状の感光性材料をスピンコーター、スリットコーター等により塗布する方法などがある。
感光性レジスト層の所定部分に活性光線を照射する方法としては、例えば、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射する方法が挙げられる。活性光線の光源としては、公知の光源が挙げられる。例えば、紫外線、可視光等を有効に放射することができるカーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプなどが用いられる。また、Arイオンレーザ、半導体レーザも用いられる。さらに、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。また、レーザ露光法等を用いた直接描画法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
上記感光性レジスト層の現像は、例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により行われる。現像の方式としては、例えば、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピングなどが挙げられる。
現像により上記感光性レジストが溶解除去された領域の導電膜を除去する方法としては、例えば、ウエットエッチング、ドライエッチングなどがある。ウエットエッチングには、シャワー式、ディップ式などがある。また、ドライエッチングには、プラズマエッチング、反応性イオンエッチング、誘導結合型プラズマエッチングなどがある。
上記感光性レジスト層を全て除去する方法としては、ウェット剥離法、プラズマアッシング、オゾンアッシングなどがある。ウェット剥離法は、ディップ式、シャワー式、キャビテーションジェット式などがある。また、プラズマアッシングには、バレル式、平行平板式、ダウンフロー式などがある。
第一の導電パターン5aは、上記基材1とは反対側の面に樹脂硬化膜を有する。第一の導電パターン5a上に設けられる樹脂硬化膜(例えば、第二の導電パターンを構成する感光性樹脂層の硬化物部分)は、第一の導電パターンとは反対側の面に第二の導電膜2b,2dを有し、第二の導電パターン5bを形成していてもよい。この場合、上記樹脂硬化膜は、第一の導電膜2a,2cと、第二の導電膜2b,2dとの電気的接続を抑制する絶縁層として機能することができる。また、本実施形態のように、樹脂硬化膜上に別の導電パターンを設けることができることにより、基材の一方の面上に複数の導電パターンを形成することができ、得られる導電パターン付き基材を従来品に比べ薄膜化することが可能である。
また、第一の導電パターン5aと第三の導電パターン5c、及び第二の導電パターン5bと第四の導電パターン5dは、次に説明するように、支持フィルムと、支持フィルム上に感光層(導電膜及び感光性樹脂層)を備える感光性導電フィルムを用いて形成することができる。
[感光性導電フィルム]
図4は、感光性導電フィルムの一実施形態を示す模式図である。感光性導電フィルム10は、支持フィルム9と、支持フィルム9上に設けられた感光層4とを備え、感光層4は支持フィルム9上に設けられた導電膜2と、導電膜2の支持フィルムとは反対側の面に設けられた感光性樹脂層3とを備える。
図4において、感光性導電フィルム10は、導電膜2と、導電膜2上に設けられた感光性樹脂層3との境界が明確となるように記載されているが、導電膜2と感光性樹脂層3との境界は必ずしも明確になっていなくともよい。導電膜2は感光層4の面方向に導電性が得られるものであればよく、導電膜に感光性樹脂層が混じり合った態様であってもよい。例えば、導電膜中に感光性樹脂層を構成する組成物が含浸されていたり、感光性樹脂層を構成する組成物が導電膜の表面に存在していたりしてもよい。
以下、感光性導電フィルム10を構成する支持フィルム9、感光層4(導電膜2及び感光性樹脂層3)について説明する。
支持フィルム9としては、重合体フィルムを用いることができ、耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが好ましい。このような重合体フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどが挙げられる。これらのうち、透明性や耐熱性の観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
上記の重合体フィルムは、後に感光層4からの剥離が容易となるよう、離型処理されたものであってもよい。
支持フィルム9はガスバリア層等の層を更に有していてもよく、ガスバリア層を有する場合には、後述する導電パターンの形成方法において、第二の露光工程で支持フィルムを剥離する場合には、特に好ましい。
支持フィルム9の厚みは、機械的強度の観点から、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることがさらに好ましい。支持フィルム9の厚みを上記数値以上とすることによって、例えば、後述する導電パターンの形成方法における第二の露光工程に際し感光層4から支持フィルム9を剥離する工程において、支持フィルム9が破れることを防止することができる。また、支持フィルム9を介して感光層4に活性光線を照射する場合に導電パターンの解像度を充分確保する観点から、支持フィルム9の厚みは、300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。上記の観点から、支持フィルム9の厚みは、5〜300μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、15〜100μmであることがさらに好ましい。
支持フィルム9のヘーズ値は、支持フィルム9を介して感光層4に活性光線を照射する場合の露光感度及び得られる導電パターンの解像度を良好にできる観点から、0.01〜5.0%であることが好ましく、0.01〜3.0%であることがより好ましく、0.01〜2.0%であることがさらに好ましく、0.01〜1.5%であることが特に好ましい。なお、ヘーズ値はJIS K 7105に準拠して測定することができ、例えば、NDH−1001DP(日本電色工業株式会社製、商品名)等の市販の濁度計等で測定が可能である。
導電膜2は、無機導電体及び有機導電体からなる群より選択される少なくとも一種の導電体を含有することができる。導電膜2は導電性が得られるものであれば、無機導電体及び有機導電体を特に制限なく用いることができる。無機導電体としては、例えば、透明電極等に用いられる導電性を有する金属酸化物、金属等が挙げられる。
上記無機導電体として使用する金属は、例えば、金、銀、白金等の金属が挙げ有られる。無機導電体の形態としては、特に制限されるものではなく、後述する金属繊維などの形態であってよい。
導電膜2は、導電性繊維を含有することが好ましい。導電膜2が、導電性繊維を含有することで、導電性と透明性とをより高水準で両立することができ、導電膜を介しての現像性がさらに向上して、解像度に優れた導電パターンを形成することができる。
上記導電性繊維としては、例えば、金、銀、白金等の金属繊維、及びカーボンナノチューブ等の炭素繊維が挙げられる。それらの中でも、導電性に優れる観点から、金繊維及び/又は銀繊維を用いることが好ましく、導電膜2の導電性を容易に調整できる観点から、銀繊維を用いることがより好ましい。
上記導電性繊維の繊維径は、1nm〜50nmであることが好ましく、2nm〜20nmであることがより好ましく、3nm〜10nmであることがさらに好ましい。また、導電性繊維の繊維長は、1μm〜100μmであることが好ましく、2μm〜50μmであることがより好ましく、3μm〜10μmであることがさらに好ましい。
導電膜2は、導電性繊維同士が接触してなる網目構造を有することが好ましい。このような網目構造を有する導電膜2は、感光性樹脂層3の支持フィルム9側の表面に形成されていてもよいが、支持フィルム9を剥離したときに露出する感光層4の表面においてその面方向に導電性が得られるのであれば、導電膜2に感光性樹脂層3の一部が入り込む形態で形成されていてもよく、感光性樹脂層3の支持フィルム9側の表層に導電膜2が含まれる形態で形成されていてもよい。
有機導電体としては、導電性ポリマー等が挙げられる。導電性ポリマーとしては、ポリチオフェン、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン、及びポリアニリン誘導体からなる群より選択される少なくとも一種の導電体を用いることができる。例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリヘキシルチオフェン及びポリアニリンのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。導電膜2が有機導電体を含んで構成される場合、導電膜2は、有機導電体の他に感光性樹脂を含むことが好ましい。
導電膜2の厚みは、形成する導電パターンの用途や求められる導電性によっても異なるが、1μm以下であることが好ましく、1nm〜0.5μmであることがより好ましく、5nm〜0.1μmであることがさらに好ましい。導電膜2の厚みが1μm以下であると、400〜700nmの波長域での光透過率が充分高く、パターン形成性にも優れ、特に透明電極の作製に好適なものとなる。
感光性樹脂層3は、(a)バインダーポリマー、(b)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び(c)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物から形成することができる。感光性樹脂層3が上記の成分を含有することにより、基材と導電パターンとの接着性及びパターンニング性をさらに向上させることができる。
(a)バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応で得られるエポキシアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂と酸無水物の反応で得られる酸変性エポキシアクリレート樹脂等が挙げられる。上記の中でも、アルカリ現像性及びフィルム形成性に優れる観点から、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
(a)バインダーポリマーとしては、上記アクリル樹脂が(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するモノマー単位を構成単位として有するとより好ましい。
感光性樹脂層3の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜200μmであることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましく、1〜10μmであることがさらに好ましい。この厚みが1μm以上であると、塗工による層形成が容易となる傾向にあり、200μm以下であると、光透過性が良好であり、充分な感度を得ることができ、感光性樹脂層3の光硬化性の観点から好ましい。
感光層4の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜200μmであることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましく、1〜10μmであることが特に好ましい。この厚みが1μm以上であると、塗工による層形成が容易となる傾向にあり、200μm以下であると、光透過性が良好であり、充分な感度を得ることができ、感光層4の光硬化性の観点から好ましい。
感光性導電フィルム10において、感光層4は、400〜700nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。感光層4がこのような条件を満たす場合、ディスプレイパネル等での高輝度化が容易となる。また、感光層4の膜厚を1〜10μmとしたときに400〜700nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。感光層4がこのような条件を満たす場合、ディスプレイパネル等での高輝度化が容易となる。
第二の導電パターン5b、第三の導電パターン5c、及び第四の導電パターン5dの形成方法について、第三の導電パターン5cを基材1上に形成する場合を例に説明する。図5は、第三の導電パターン5cを形成する導電材料として、感光性導電フィルム10を用いた場合の第三の導電パターン5cの形成方法の一例を示す模式断面図である。本実施形態の方法は、感光性導電フィルム10を、基材1上に感光性樹脂層3が接するようにラミネートするラミネート工程(図5(a))と、支持フィルム9を有する感光層4の所定部分に活性光線を照射する第一の露光工程(図5(b))と、その後、支持フィルム9を剥離してから、酸素存在下で、第一の露光工程での露光部及び未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第二の露光工程(図5(c))と、第二の露光工程の後に感光層4を現像する現像工程(図5(d))とを備える。
本実施形態に係るラミネート工程は、例えば、感光性導電フィルム10が、感光性樹脂層3を支持する保護用のカバーフィルムを備える場合は、それを除去した後、加熱しながら感光性樹脂層3側を基材1に圧着することにより積層する方法が挙げられる。なお、この工程は、密着性及び追従性の見地から減圧下で積層することが好ましい。感光性導電フィルム10の積層は、感光性樹脂層3及び/又は基材1を70〜150℃に加熱することが好ましく、圧着圧力は、線圧換算で40〜100N/cm程度とすることが好ましく、さらに、圧着時の基材1の搬送速度を0.1〜2m/min程度とすることが好ましい、しかし、これらの条件は特に制限されるものではない。また、感光性樹脂層3を上記のように70〜150℃に加熱すれば、予め基材1を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるために基材1の予熱処理を行うこともできる。
なお、上記感光層4の厚みは10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。これにより、導電パターン付き基材の厚みを抑制され、上記導電パターン付き基材を使用して構成されるタッチパネルセンサなどの表示機器の総厚みを薄くすることが可能となる。
本実施の形態の導電パターン付き基材の製造方法は、導電パターン付き基材にフィルムを圧着するラミネート工程を有する導電パターン付き基材の製造方法であって、前記ラミネート工程が、前記フィルムの圧着前に前記導電パターン付き基材及びフィルムの除電を行うステップと、芯材の表層を導電ゴムで覆ったラミネートロールで前記導電パターン付き基材とフィルムとを圧着するステップと、前記圧着後の前記導電パターン付き基材及びフィルムを除電するステップ、とを備える導電パターン付き基材の製造方法である。
本実施の形態の導電パターン付き機材の製造方法で用いるラミネート工程における除電方法について、図6を用いて説明する。フィルム31を導電パターン付き基材32に圧着する前に、フィルム31及び導電パターン付き基材32の除電を除電器34,35及び36を用いて行う。ラミネートロール39,39´でフィルム31を導電パターン付き基材32に圧着した後、前記導電パターン付き基材及びフィルムの除電を除電器40を用いて除電する。ラミネートロール39,39´は、ラミネートロールの芯材37,37´の表層に導電ゴム38,38´を貼り付けてある。
本実施の形態で用いる導電ゴム38,38´とは、体積抵抗率が、10Ω・m未満であるものをいう。体積抵抗率が低いほど、導電ゴム38,38´に溜まった電荷の残留時間が短くなり、帯電しにくくなることから、10Ω・m以下であることが好ましく、10Ω・m以下であることがより好ましい。
体積抵抗率が十分の一小さくなると、電荷緩和時間も十分の一のオーダーに短縮されるためである。導電ゴムは、例えば、ベースとなるゴム材料にカーボンブラックなどの導電フィラを混練して成形される。導電ゴムの体積抵抗率は前記導電フィラの添加量が増えるほど小さくなるが、ゴム材料への添加量には上限があるため、体積抵抗率として低減できるのは数十Ω・mのオーダーである。ここで、ラミネートロールは、芯材を介して接地することで、電荷を除去することが可能となる。
また、本実施の形態において、導電パターン付き基材にラミネート工程で圧着される対象となるフィルム31としては、例えば、感光性導電性フィルム、透明防錆フィルム、異方導電性フィルム等が挙げられる。
ここで、帯電電位について説明する。帯電電位とは、静電誘導により絶縁体或は誘電体の表面に残留した電荷によって発生した電位のことで、静電気の定量的評価を行うパラメータのひとつである。帯電電位の測定には、振動容量型電位計が用いられる。振動容量型電位計は、検出電極を外部電界方向に振動させて交流電圧を発生させて、この電圧を増幅、整流して直流に変換したものを帯電電位として読み取る。
次に、除電器について説明する。除電器は、何らかの方法で生成したイオンを帯電体に供給することで除電する。イオンの生成方法により、コロナ放電方式と電離放射線方式とに分類できる。コロナ放電方式はコロナ放電により空気中にイオンを生成する。また、電離放射線方式は高エネルギー線を空気中に照射することで空気を電離させてイオンを生成する。
コロナ放電方式はさらに、電圧印加式と自己放電式とに分類される。電圧印加式は、針形状のような尖った電極に高電圧を印加して先端に強い電界を発生させ、発生させた電界により、コロナ放電が発生し、空気中の分子がイオン化する。このイオンを気流や電界によるクーロン力を利用して帯電体に供給して除電を行う。このうち、気流による搬送では、装置上部から空気を一定速度で噴出して床面から排出させるダウンフロー式、除電器に圧縮空気を供給して、電極または電極付近のノズル穴から空気を噴出させるエアパージ式、及び除電器に内蔵したファンやブロアの風力によりイオンを搬送するブロア式がある。
電圧印加方式はさらに電源の種類により、定常直流、パルス直流、商用周波数交流、高周波交流、及びパルス交流に分類できる。
定常直流は正の直流電圧と負の直流電圧に印加される電極が備わっており、正イオンと負イオンを同時に生成できる。正イオンと負イオンが同時に生成しているため、イオンが消滅しやすく、イオンの空間ムラが大きくなるため、除電器と帯電体との距離が制限される一方、イオンの時間的変動が少ないため、気流が無い場合でも効率良く遠方までイオンを搬送できる。
パルス直流は正負の電圧を切り替えて、パルス状波形の電圧を印加するため、イオンの消滅が少なく、発生したイオンは電極と反発して拡散する。パルス直流で電界搬送により除電する場合、除電器と帯電体との距離に応じて動作周波数を調整することで除電の最適化が可能である。すなわち、距離が遠い場合には動作周波数を低く、距離が近い場合には動作周波数を高く設定すればイオンの空間的、時間的分布を最適化できる。
商用周波数交流は動作周波数を商用周波数50Hz或いは60Hzに固定して使用する。ひとつの電極から正負両方のイオンを生成し、イオンの空間的な分布はない。電界搬送の場合、除電器から帯電体までの距離は200mm程度が限界で、それより遠方の帯電体を除電する場は、気流搬送で行う。一方、50mm以下の距離の場合、正負のイオン割合が変動する。
高周波交流は、動作周波数として数kHzから数十kHzまでを使用し、小型で高効率である。正負のイオン生成を短い周期で切り替えるため、再結合によるイオンの消滅が多く、電界搬送では近距離の帯電体の除電しか行えず、気流搬送が必須である。
パルス交流は、動作周波数として0.1Hzから数十Hzまでを使用し、ひとつの電極から正負のイオンを生成するため、イオンの空間分布は均一である。また、正負イオンの生成時間を任意に設定可能である。電界搬送の場合、除電器と帯電体との距離に応じて動作周波数を調整することで除電の最適化が可能である。すなわち、距離が遠い場合には動作周波数を低く、距離が近い場合には動作周波数を高く設定すればイオンの空間的、時間的分布を最適化できる。
自己放電式は、接地した金属ブラシやワイヤで構成され、帯電体の電位が高くなると、金属ブラシやワイヤ先端から突起している導体繊維の電界が強くなり、コロナ放電が発生してイオンが生成される。自己放電式は電源の供給が不要で接地するだけでよい。帯電物の電位が+5kV以上、または、−5kV以下程度でイオンが生成される。帯電電位数十kVから5kV程度まで低減できる。
除電器の電極に用いられる材料には、電極先端部にはコロナ放電による電流が集中して高温になるため、高い融点を有することが求められる。また、除電器の電極はイオンや電子のスパッタを受けて磨耗するため、耐スパッタ性が求められる。さらに、除電器の電極は空気中で安定であること、すなわち、腐食や酸化を起きにくいことが必要である。以上のような要求を満たす電極材料としては、タングステン、ステンレス、シリコンなどがある。
導電パターン付き基材にフィルムを圧着するラミネート工程では、除電器は3台以上使用することが好ましい。ラミネート装置の空間的な制限以外に、3台の除電器の配置のしかたに制約はないが、圧着前のフィルム31の圧着面と対向する位置、圧着前の導電パターン付き基材のパターン側の面と対向する位置、及び圧着後の導電パターン付き基材のパターン側の面と対向する位置、にそれぞれ配置することが好ましい。これにより、ラミネート工程で発生する帯電電位を低減することが可能である。
本実施の形態の導電パターン付き基材の製造方法において、前記ラミネート工程が、前記導電パターン付き基材に圧着する前記フィルムとしてカバーフィルムを有するフィルムを用いて、該フィルムの圧着前に前記カバーフィルムを剥離するステップを備えており、該カバーフィルムを剥離するステップにおいて、前記フィルムのカバーフィルムを剥離する面の側に少なくとも1台の除電器を配置して前記フィルムの除電を行うのが好ましい。 また、この場合、前記カバーフィルムを剥離するステップにおいて、前記フィルムから前記カバーフィルムを剥離する面の裏側にも除電器を配置してフィルムの除電を行うのが好ましい。
フィルム31がカバーフィルムを有する場合、保護フィルムを剥離する際に、剥離する位置(剥離点と称す)の近傍で前記フィルム31の両側に除電器を配置することがより好ましい。図6がこの場合の一実施形態であり、カバーフィルムを剥離する面の側に配置した除電器34(以下、除電器34)、カバーフィルムを剥離する面の裏側に配置した除電器35(以下、除電器35)、導電パターン付き基材投入側へ配置した除電器36(以下、除電器36)、及び導電パターン付き基材取り出し側へ配置した除電器40(以下、除電器40)の4台を配置してある。カバーフィルムを剥離する場合、カバーフィルムを剥離する面とともに、カバーフィルムを剥離する面の裏側にも除電器35を配置することで、剥離によって上昇する帯電電位を低減でき、圧着する際に導電パターン付き基材32のパターンに損傷を与えることを防ぐことができる。
除電器と、除電対象であるフィルム又は導電パターン付き基材との距離(以下」、除電距離と称す)は100mm以下であることが好ましい。図6は、各除電器の配置を示す実施形態の一例であるが、除電器34、除電器35、除電器36、及び除電器40のいずれの場合についても除電距離が100mm以下であることが好ましい。除電距離が100mm以下であれば、イオンの搬送を気流搬送だけでなく、電界搬送でも行うことができ、例えばフィルムが薄い場合など、気流を当てるとフィルムの動きが不安定になるような場合に適している。さらに、除電距離は50mm以下であることがより好ましい。除電距離が近いほど、帯電電位を短時間で低減することができ、帯電電位による導電パターン付き基材32のパターンに損傷を与えることを防ぐことができる。
除電器の設置場所によっては、除電距離を100mm以下に設定することが難しい場合がある。特に、前記除電器34のように、フィルム31のカバーフィルムを剥離する、剥離点Pの近傍では所望の除電距離を設定するために、除電器の向きを適正に設定する必要がある。以下、図7を用いて、除電器の配置と除電距離について説明する。
図7(a)は本発明に係る一実施形態であり、フィルム31のカバーフィルムを剥離する界面の側に除電器34を配置した。除電器34のイオン噴出面をQRとし、QRの中央の位置をSとするとき、QRと、Sとフィルム31のカバーフィルム剥離点Pとを結んだSPとが、直角となるように、除電器34の方向を設定した。このとき、SPが除電距離と定義する。このように、剥離点に直接イオンを搬送する配置であれば、除電時間を短縮することができる。
一方で、ラミネート工程で使用するラミネータでは、剥離用ガイドロール41や進入用ガイドロール42などが設置されていることによる空間的な制約から、前記図7(a)のように剥離点Pの方向に直接、除電器34のイオン噴出面QRを向けることが難しい場合がある。このような場合、図7(b)に示すように、フィルム31のPTの方向と、除電器34のイオン噴出面QRとが平行になるように、除電器34を配置することができる。すなわち、QRの中央の位置SからPTに垂線を下ろしたときの交点をUとするとき、SUを除電距離と定義でき、SUは除電器34のイオン噴出面QRと直角となる。この場合、図7(a)の場合の配置に比べて除電時間がやや長い傾向があるが、帯電電位の低減量は同等である。
その後、図5に示す方法に従って、導電パターン5cを形成する。第一の露光工程での露光方法としては、図5(b)に示されるような、アートワークと呼ばれるネガ又はポジのマスクパターン11を通して活性光線Lを画像状に照射する方法が挙げられる。
第一の露光工程での活性光線の光源としては、公知の光源が挙げられる。例えば、紫外線、可視光等を有効に放射することができる光源を用いることができる。このような抗原としては、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプなどが用いられる。また、Arイオンレーザ、半導体レーザも用いられる。さらに、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。また、レーザ露光法等を用いた直接描画法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
第一の露光工程での露光量は、使用する装置や感光性樹脂組成物の組成によって異なるが、好ましくは5mJ/cm〜1000mJ/cmであり、より好ましくは10mJ/cm〜200mJ/cmである。光硬化性に優れる点では、10mJ/cm以上であることが好ましく、解像性の点では200mJ/cm以下であることが好ましい。
第一の露光工程においては、支持フィルム9を剥離せずに感光層4が露光されることにより、酸素の影響が小さくなり硬化させやすくなる。
第一の露光工程は、空気中、真空中等で行うことができ、露光の雰囲気は特に制限されない。
第二の露光工程での露光方法としては、必要に応じて、ネガ又はポジマスクパターン11を用いてもよく、あるいは、図5(c)に示されるようにマスクを用いずに感光性樹脂層3の全体に活性光線を照射する方法を選択することができる。
本実施形態においては、第一の露光工程での露光部を第二の露光工程でも露光しているが、このような2回の露光を行うことにより、第一の露光工程で露光した部分を第二の露光工程で露光しない場合に比べ、第一の露光工程で露光した部分と第二の露光工程で露光した部分との間に境界部分が発生することを防ぐことができ、段差が大きくなることを防止できる。なお、第一の露光工程で露光部が充分硬化される場合は、当該部分は第二の露光工程で露光しなくてもよい。
第二の露光工程での活性光線の光源としては、第一の露光工程での活性光線の光源として利用可能であると例示した光源を使用することができる。
第二の露光工程での露光量は、使用する装置や感光性樹脂組成物の組成によって異なるが、5mJ/cm〜1000mJ/cmであることが好ましく、10mJ/cm〜200mJ/cmであることがより好ましく、30mJ/cm〜150mJ/cmであることが更に好ましい。光硬化性に優れる点では、10mJ/cm以上であることが好ましく、作業効率の点では200mJ/cm以下であることが好ましい。
本実施形態に係る第二の露光工程では、酸素存在下、支持フィルム9を除去して感光層4を露光することで、感光層4の露出面側において開始剤から発生する反応種を酸素により失活させ、感光性樹脂層3の導電膜2側に硬化不充分な領域を設けることができる。このとき過度の露光は感光性樹脂組成物全体を充分硬化させるため、それを避けるには第二の露光工程の露光量を上記範囲にすることが好ましい。
第二の露光工程は、酸素存在下で行われ、例えば、空気中で行うことが好ましい。また、酸素濃度を増やした条件でもかまわない。
次の現像工程において、第二の露光工程で露光した感光性樹脂層3の充分硬化していない表面部分が除去される。具体的には、ウェット現像により第一の感光性樹脂層3の充分硬化していない表面部分、つまり導電膜2を含む表面層を除去する。これにより、所定のパターンを有する導電膜2が第一及び第二の露光工程で露光された領域の、充分に硬化した感光性樹脂層3の硬化物3c上に残り、現像工程で除去された部分には導電膜2を有していない、充分に硬化した感光性樹脂層3の硬化物3cが形成される。
ウェット現像は、例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により行われる。
現像液としては、安全かつ安定であり、操作性が良好なため、アルカリ性水溶液が好ましい。アルカリ性水溶液としては、0.1〜5質量%炭酸ナトリウム水溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウム水溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウム水溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウム水溶液等が好ましい。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、第一の感光性樹脂層3の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
また、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなる水系現像液を用いることができる。ここで、アルカリ水溶液に含まれる塩基としては、上述の塩基以外に、例えば、ホウ砂、メタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2、モルホリン等が挙げられる。
上記水系現像液に含まれる有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
水系現像液は、有機溶剤の濃度を2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。さらに、水系現像液のpHは、レジストの現像が充分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量添加することもできる。
有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトンが挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加することが好ましい。
上述した現像液は、必要に応じて、2種以上を併用してもよい。
現像の方式としては、例えば、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピングが挙げられる。これらのうち、高圧スプレー方式を用いることが、解像度向上の観点から好ましい。
図5に示す導電パターンの形成方法においては、現像後に必要に応じて、60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことにより導電パターンをさらに硬化してもよい。
本実施形態の導電パターンの形成方法によれば、得られる第三の導電パターン5cの段差を小さくすることができる。この段差は、1μm以下であることが好ましい。段差を、上記範囲とすることにより、第三の導電パターン5cが視認されにくくなり且つ新たな感光性導電フィルム10と貼り合せる場合の気泡の捲き込みが抑制され、美観に優れた導電パターン付き基材の作製が可能となる。同様の観点から、段差は、0.7μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることがさらに好ましい。第三の導電パターン5cの段差は、第二の露光工程における露光量を制御することにより、調整することができる。
第三の導電パターン5cを含め、本発明における、パターンの段差は、触針式表面粗さ計やレーザ顕微鏡、或いは、走査型電子顕微鏡写真による観察により測定することができる。
以上のように、導電パターンを形成する材料として、透明導電性金属酸化物、金属メッシュ、導電性高分子、及び感光性導電フィルムを例として挙げたが、本発明で形成する導電パターンはこれらの材料に限定されるものではない。
上記の導電パターンの形成方法について、第三の導電パターン5cを例に図5で説明したが、第二の導電パターン5b及び第四の導電パターン5dを形成する場合も同様とすることができる。上記の感光性導電フィルムは、上記の導電パターンを形成するのに好ましい材料であるため、導電パターン5c及び5dを形成する導電材料として、感光性導電フィルムを用いることは、製造プロセスを統一的に管理することができ、品質が安定しやすくなる点で好ましい。
本実施形態にかかる導電パターン付き基材の特徴点である、外部接続用端子となる所定部分はその積層方向から見て25%以上の面積が樹脂硬化膜と重ならないように導電パターンを形成する方法についてより具体的な例で説明する。
図8は、導電パターン付き基材の一部を示し、第三の導電パターン5c上に、第三の導電パターンを構成する導電膜2cが有する外部接続用端子となる所定部分7の一部が露出するように、第四の導電パターン5dとが形成されていることを示している。図9は、図8に示す導電パターン付き基材の製造プロセスの一例を示す模式図である。導電パターン付き基材の製造方法は、基材1の片側の面に第三の導電パターン5cが形成され(図9(a))、第三の導電パターン5c上に第四の導電パターン5dを順次積層してなる導電パターン付き基材を形成する。この場合、導電パターン付き基材の製造方法は、感光性導電フィルム10を用いて、第三の導電パターン5c上に、感光性樹脂層3上に導電膜2が設けられている感光層4を、ラミネートする工程(図9(b))と、ラミネートされた感光層4に、パターン状に活性光線Lを照射する第一の露光工程(図9(c))と、酸素存在下で、感光層4の少なくとも第一の露光工程での未露光部の一部または全部に活性光線Lを照射する第二の露光工程(図9(d))と、第二の露光工程の後に感光層4を現像することにより、第四の導電パターン5dを形成する現像工程(図9(e))を備える。
図9に示す導電パターンの形成方法は、上述の第三の導電パターン5cの形成方法と同様に行うことができる。なお、感光層4の厚みは5μm以上であることが好ましく、これにより第三の導電パターン5cの凹凸に対する追従性を確保することができる。感光層の厚みを5μm以上として第三の導電パターン5cにラミネートした場合、上述したラミネート条件において密着性及び追従性を確保できることを確認している。導電パターンの凹凸への追従性が確保されることにより、ラミネート界面における気泡の捲き込み等を抑制することができる。
第二の露光工程において、使用するマスクとして、図9(d)に示すような、開口部付きマスク12を用いることができる。開口部付きマスク12は、感光層4の第一の露光工程における未露光部の一部の領域が引き続き遮光されるように、かつ感光層4の第一の露光工程における未露光部の一部が活性光線の照射を受けられるように開口部が設けられている。
第二の露光工程では、支持フィルム9を除去した後、開口部付きマスク12を用いて、感光層4を露光する。マスクの開口部の下方に配置された感光層4の領域(第一露光工程における未露光部の一部の領域)は、酸素存在下で、活性光線の照射を受けるため、開始剤から発生する反応種が、感光層4の露出面側において酸素により失活され、感光性樹脂層3の表層(導電膜2が存在する側)に硬化不充分な領域を設けることができる。
開口部付きマスク12の開口部以外の領域で、第一の露光工程での未露光部の一部の領域を遮光することで、この領域の感光層4を除去することができる。その結果、感光性樹脂層3の硬化物3dが存在する領域と、感光性樹脂組成物の硬化物が存在しない領域とを含む第四の導電パターン5dを形成することができる(図9(e)を参照)。このように、第四の導電パターン5dにおいて感光性樹脂層の硬化物3dが存在しない領域を形成することで、その下方に位置する第三の導電パターン5cを露出させることができる。
露出させた導電パターン(例えば、電極)の一部が、外部接続用端子となる所定部分7であることにより、この部分(外部接続用端子7a)を介して、第三の導電パターン5cの電極により形成される電気回路と、本実施形態に係る導電パターン付き基材の外部に配置された電気回路とを電気的に接続することができる。
第三の導電パターン5cの外部接続用端子となる所定部分7を設ける方法の一例について説明する。まず、外部接続用端子となる所定部分(露出される電極の一部)である、外部接続用端子のその積層方向から見て樹脂硬化層と重なっていない部分の面積(露出量)εと、開口部付きマスク12を配置する位置との関係について説明する。
図10(a)は、第三の導電パターン5cを有する基材上に、さらに感光層を設けた基材の状態の上面図を示しており、導電パターン5cの一部である外部接続用端子となる所定部分7を含む部分の拡大図である。第三の導電パターン5cは電極を形成するが、外部接続用端子となる所定部分7(図10において外部接続用端子7aで示す部分)とは連続して形成されており、図10(a)においては、Y座標方向に延びるように配置されている。まず、第三の導電パターン5cにより形成された電極のうち、外部接続用端子となる所定部分7(7aで示す部分)と、外部接続用端子とならない部分と、の境界をA−A’線とする。また、外部接続用端子となる所定部分7(7aで示す部分)の端部をB−B’線とする。さらに、開口部付きマスク12の、開口部と遮光部との境界(活性光線Lが開口部付きマスク12に遮られずに感光層に届く位置)をC−C’線とする。ここで、電極をY座標方向に横断する軸をD−D’線として、A−A’線とD−D’線との交点をOとし、B−B’線とD−D’線との交点をPとし、C−C’線とD−D’線との交点をQとする。線分OPは、外部接続用端子7aのY座標方向の長さであり、これをhとし、また、線分OQは、開口部付きマスク12が外部接続用端子となる所定部分7を遮光しない部分のY座標方向の長さであり、これをδhとする。δをマスク位置係数と定義する。
一方、外部接続用端子7aの露出量εは、外部接続用端子7aの総面積をS0とし、外部接続用端子7aの露出面積をSの割合とするときに、S0に対するSの割合として下記式(1)で定義することができる。
ε=S/S0 ・・・(1)
図10(b)は、図10(a)に示した外部接続用端子7aの近傍の模式拡大図であり、外部接続用端子7aの外形輪郭線を簡略化して明示した図である。外部接続用端子7aの総面積S0と、外部接続用端子7aの露出面積Sを求めるため、Y座標軸を、中心軸であるD−D’線と重なるように設定して、さらに、点Oを原点とする。このとき、点PのY座標は−hとなり、点QのY座標は−δhとなる。外部接続用端子7aの外形輪郭線をf(Y)、f(Y)で定義すると、外部接続用端子7aの総面積S0は、下記式(2)で表される。
Figure 2018073276
また、外部接続用端子7aの露出面積Sは、下記式(3)で表される。
Figure 2018073276
外部接続用端子7aの露出量εにより、外部接続用端子7aと、後述の図11に示す外部接続用配線8aとの接続面積を決めることができる。外部接続用端子7aの露出量εを大きくすると、外部接続用端子7aと外部接続用配線との接続面積を大きく取ることができる。外部接続用端子7aと外部接続用配線との接続面積が大きいと、外部接続用端子7aと外部接続用配線との電気的な接続を安定させることができる。露出量εを設定することで、式(1)、式(2)及び式(3)から、マスク位置係数δを求めることができる。これにより、開口部付きマスク12を配置する位置を決めることができる。逆に、開口部付きマスク12を配置する位置を設定すること、すなわち、マスク位置係数δを設定することで、式(1)、式(2)及び式(3)から、外部接続用端子7aの露出量εを求めることができる。
<タッチパネルセンサ>
本実施形態に係るタッチパネルセンサは、上述の導電パターン付き基材を備える。以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係るタッチパネルセンサについて説明する。
図11(a)は、静電容量式のタッチパネルセンサの一例を示す模式図である。図11の(b)は、図11の(a)のA−A’線に沿った模式断面図であり、図11(c)は、図11(a)のB−B’線に沿った模式断面図である。
図11(a)に示すように、上記タッチパネルセンサは、基材1の片面にタッチ位置を検出するためのタッチ画面13があり、この領域の静電容量変化を検出して、X位置座標を特定する複数の透明電極14と、上記透明電極に直交するように配置された、Y位置座標を特定する複数の透明電極15とを備えている。これらのX、Y位置座標を特定するそれぞれの透明電極14、15には、タッチパネルセンサとしての電気信号を制御するドライバー素子回路と接続するための、外部接続用端子7a、7bが配置されており、外部接続用端子7a、7b、それぞれには外部接続用配線8a、8bが接続されている。外部接続用配線8a、8bの外部接続用端子7a、7bと反対側の端部には、ドライバー素子回路と接続する端子が配置されている。なお、外部接続用端子7aは、X位置座標を特定する透明電極14の一部として形成することができ、同様に、外部接続用端子7bは、Y位置座標を特定する透明電極15の一部として形成することができる。
X位置座標を特定する透明電極14の形状と、Y位置座標を特定する透明電極15の形状は、例えば、ひし形、長方形、円形などに設定することができるが、さらに、タッチパネルセンサの動作特性に応じて、任意の形状に形成できる。なお、X位置座標を特定する透明電極14の形状と、Y位置座標を特定する透明電極15の形状は、同一形状であっても、異なった形状であってもよい。
図11(b)に示すように、X位置座標を特定する透明電極14と、外部接続用配線8aは、外部接続用端子7aを介して接続されている。一方、図11(c)に示すように、Y位置座標を特定する透明電極15と、外部接続用配線8bは、外部接続用端子7bを介して接続されている。なお、外部接続用端子7aは透明電極14の一部を構成し、外部接続用端子7bは透明電極15の一部を構成している。
外部接続用配線8a及び外部接続用配線8bと外部回路との接続は、異方導電性フィルム(Anisotropic Conductive Film:ACF)等の接着剤を介して行うことができる。外部回路としては、例えば、フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit:FPC)等の屈曲性の良好な基材を用いることができる。
<タッチパネルセンサの製造方法>
本実施形態に係る静電容量方式タッチパネルセンサの製造方法は、上述の導電パターン付き基材に外部接続用配線を接続する工程を備える。
本実施形態に係る静電容量方式タッチパネルセンサの製造方法は、基材と、前記基材上に設けられた、外部接続用端子となる所定部分を有する導電パターンと、前記導電パターン上に設けられた樹脂硬化膜と、を備え、上記導電パターン上に、上記所定部分の25%以上の面積が露出するように上記樹脂硬化膜を設け、導電パターン付き基材を得る工程と、上記導電パターン付き基材に外部接続用配線を接続する工程とを備えることができる。
本実施形態におけるタッチパネルセンサは、上述の導電パターンの形成方法によって、X位置座標を特定する透明電極14、Y位置座標を特定する透明電極15が形成されてもよい。以下、その例を図9及び図11を用いて説明する。
まず、図11に示すように、基材1上に透明電極14を形成する。具体的には、図9に示す工程に従って、感光性導電フィルム10を感光性樹脂層3が基材1に接するようラミネートする。ラミネートされた感光層4(導電膜2及び感光性樹脂層3)に対し、所望の形状にマスクパターン11を介してパターン状に活性光線を照射する(第一の露光工程)。その後、マスクパターン11を除き、さらに支持フィルム9を剥離したうえで、感光層4に活性光線を照射する(第二の露光工程)。露光工程の後、現像を行うことで、硬化が不充分な感光性樹脂層3と共に、導電膜2が除去され、導電パターン5が形成される。この導電パターン5により、X位置座標を特定する透明電極14が形成される。上述の導電パターンの形成方法により透明電極14を形成することで、段差の小さな透明電極14を設けることができる。
次に、Y位置座標を特定する透明電極15を形成する。上記の工程により形成されたX位置座標を特定する透明電極14を備える基材1に、更に、新たな感光性導電フィルム10をラミネートし、上記同様の操作により、Y位置座標を特定する透明電極15が形成される。上述の導電パターンの形成方法により透明電極15を形成することで、透明電極14上に透明電極15を形成する場合であっても、段差や気泡の捲き込みによる美観の低減が充分に抑制された、平滑性の高いタッチパネルセンサを作製することができる。
透明電極14,15の表面に、外部接続用配線8a,8bを形成する。外部接続用配線8aを介して外部接続用端子7aと外部回路とを接続することができ、外部接続用配線8bを介して外部接続用端子7bと外部回路とを接続することができる。
外部接続用配線8a及び外部接続用配線8bは、透明電極14及び15の形成後に形成してよいが、各透明電極形成時に同時に形成してもよい。外部接続用配線8a及び外部接続用配線8bは、例えば、フレーク状の銀を含有する導電ペースト材料を使って、スクリーン印刷法を用いて形成することができる。
以上のようにして組み立てた、タッチパネルセンサには、さらにガラス板、あるいは、プラスチックフィルムなどからなる、前面板を、光学透明接着フィルム(OCA、=Optical Clear Adhesion)により貼合して、タッチパネルセンサモジュールとなる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
第一の導電パターンを、導電膜及び該導電膜上に設けられた感光性樹脂層を有する感光性導電フィルムで形成した。
〔第一の導電パターンの作製〕
感光性導電フィルム(転写形透明導電フィルム、Transparent Conductive Transfer Film:TCTFともいう。日立化成株式会社製、商品名「MS100−D3G4」)を、基材である厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東洋紡株式会社製、商品名「A4300」)にラミネートした。ラミネートはロールラミネータ(日立化成株式会社製、商品名「HLM−1500」)により、上記感光性導電フィルムの、カバーフィルムを剥離しながら、温度を110℃、搬送速度を0.4m/min、圧力をシリンダー駆動圧力で0.4MPa(線圧換算で65N/cm)に設定した。
ラミネート工程における除電器はBJS700L/1000L(シシド静電気株式会社製)を使用した。これはイオン搬送を気流搬送で行い、電極の材質はシリコン製である。前記除電器を、図6に示す除電器34、除電器36、及び除電器40と同じ位置で3台配置した。除電距離は、除電器34は100mm、除電器36と除電器40は50mmに設定した。除電器34のイオン噴出面の方向が、剥離点Pからの垂線と直角になるように配置した。
ラミネートロール芯材はSTKM(機械構造用炭素鋼)、芯材の表層にはシリコーンゴムにカーボンブラックを添加した、体積抵抗率が10Ω・mの導電ゴムを使用した。
次に、第一の露光工程は、平行露光機(株式会社オーク製作所製、商品名「EXM−1172−B」)により行った。X位置座標を特定する透明電極パターンを形成するため、対角線長さ5mmのひし形パターンを17個連ねたライン24本が、ピッチ6mmで配置された、ネガマスクパターンを使用した。なお、上記透明電極パターンの両端には、長方形の形状をした外部接続用端子が形成されており、上記外部接続用端子の長方形の形状は、Y座標方向の長さhをh=2mm、X座標方向の長さbをb=3mmとした。上記の感光性導電フィルムと基材とのラミネート品を平行露光機の露光室にセットして、真空雰囲気下で60秒間保持したのち、露光量25mJ/cmで露光した。露光前に真空雰囲気下で保持したのは、ネガマスクパターンと被露光品との間に残留した空気を排除するためである。
第一の露光工程の後、感光性導電フィルムの支持フィルムを剥離して、空気存在下、露光量50mJ/cmで、第二の露光工程を行った。このとき、マスクは用いず、被露光品の全面に露光を行った。
第二の露光工程の後、現像機(株式会社SCREENホールディングス製、商品名「DVW−911」)により現像工程を行った。現像液は0.3質量%の炭酸ナトリウム水溶液に、界面活性剤(東邦化学工業株式会社製、商品名「ノナール912A」)を0.3質量%及び消泡剤(丸善薬品工業株式会社製、商品名「アンチックス#100」)を0.2質量%をそれぞれ添加したものを使用した。現像液の温度を30℃、現像液のスプレー圧を0.4kgf/cm、現像時間を40秒に設定して現像を行った。
現像工程の後、平行露光機P−3040(株式会社SCREENホールディングス製)を用いて、1J/cmの露光を実施することで、さらに硬化させ、第一の導電パターンを得た。
〔第二の導電パターンの作製〕
感光性導電フィルム(日立化成株式会社製、商品名「MS100−D3G4」)を、上記第一の導電パターン上にラミネートした。ラミネートは、ロールラミネータ(日立化成株式会社製、商品名「HLM−1500」)により、上記感光性導電フィルムの、カバーフィルムを剥離しながら、温度を110℃、搬送速度を0.4m/min、圧力をシリンダー駆動圧力で0.4MPa(線圧換算で65N/cm)に設定して行った。
次に、第一の露光工程は、平行露光機(株式会社オーク製作所製、「EXM−1172−B」)により行った。Y位置座標を特定する透明電極パターンを形成するため、対角線長さ5mmのひし形パターンを23個連ねたライン18本がピッチ6mmで配置された、ネガマスクパターンを使用した。なお、上記透明電極パターンの両端には、長方形の形状をした外部接続用端子が形成されており、上記外部接続用端子の長方形の形状は、Y座標方向の長さhをh=2mm、X座標方向の長さbをb=3mmとした。上述の第一の導電パターン上に感光性導電フィルムをラミネートした被露光品には、第一の導電パターンとして、X位置座標を特定する透明電極パターンとともに、タッチ画面の領域の外側に、対角線上に位置合わせマークを形成した。上記位置合わせマークに、上記Y位置座標を特定する透明電極パターンを形成するためのネガマスクパターンの位置合わせマークが重なるように、ネガマスクパターンを配置した。その後、上記ネガマスクパターンを配置した、被露光品を、平行露光機の露光室にセットして、真空雰囲気下で60秒間保持したのち、露光量25mJ/cmで露光した。
第一の露光工程の後、感光性導電フィルムの支持フィルムを剥離したのち、開口部付きネガマスクパターンを配置した。上記開口部付きネガマスクパターンを、第一の導電パターンに配置する際、第一の導電パターンのタッチ画面の領域に対して、上記開口部付きネガマスクパターンの、遮光領域が重ならないようマスク位置係数δを、δ=0(露出量ε=1に相当する。)となるようにマスクを配置した。その後、空気存在下、露光量50mJ/cmで、第二の露光工程を行った。
第二の露光工程の後、現像機(株式会社SCREENホールディングス製、商品名「DVW−911」)により現像工程を行った。現像液は0.3質量%の炭酸ナトリウム水溶液に、界面活性剤(東邦化学工業株式会社製、商品名「ノナール912A」)を0.3質量%及び消泡剤(丸善薬品工業株式会社製、商品名「アンチックス#100」)を0.2質量%をそれぞれ添加したものを使用した。現像液の温度を30℃、現像液のスプレー圧を0.4kgf/cm、現像時間を40秒に設定して現像を行った。
現像工程の後、平行露光機(株式会社SCREENホールディングス製、商品名「P−3040」)を用いて、1J/cmの露光を行うことで、さらに硬化させ、第二の導電パターンを得た。
〔外部接続用配線の形成〕
外部接続用配線は、銀ペースト(東洋紡株式会社製、商品名「DW−117H−12」)を用いて、スクリーン印刷により、形成した。スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株式会社製、商品名「LZ−0913」)を用いて、スキージはシリコーンゴム製、硬度70°の平型タイプを使用した。印刷版はメッシュ番手425番、乳剤膜厚15μmのハイブリッドタイプを使用した。ギャップを1.5mm、アタック角を60°、スキージ押し込み量を31mm、印刷速度を30mm/sにそれぞれ設定した。印刷後は銀ペーストを乾燥させるため、乾燥機(ヤマト科学株式会社製、商品名「DN400」)で、温度を130℃に設定した雰囲気下に、30分間放置することで、加熱処理して、静電容量型タッチパネルセンサを得た。
〔電気抵抗及び導通測定〕
第一の導電パターン及び外部接続用配線の電気抵抗及び導通は、マルチメーター(株式会社アドバンテスト製、商品名「R6341」)で測定した。まず、X位置座標を特定する透明電極と外部接続用配線とを合わせた回路の電気抵抗を測定したところ、24本の平均値は6.6kΩ、最大値は7.1kΩ、最小値は6.1kΩで、24本いずれにも断線、短絡は発生しなかった。一方、Y位置座標を特定する透明電極と外部接続用配線とを合わせた回路の電気抵抗を測定したところ、18本の平均値は8.5kΩ、最大値は8.8kΩで、最小値は8.1kΩ、18本いずれにも断線、短絡は発生しなかった。これらの結果を表1に示す。
〔導電パターン付き基材の帯電電位〕
帯電電位は電位計KSD−2000(春日電機株式会社製)を用いて、ラミネータの取り出し側で測定したところ、絶対値が最大のとき、−0.7kVであった。
以下、実施例2から7までは、ラミネート工程での除電方法以外は、全て実施例1の内容と同一プロセス、同一条件で実施した。なお、使用した除電器は実施例1と同様BJS700L/1000L(シシド静電気株式会社製)を使用し、さらに、ラミネートロール芯材も実施例1と同様にSTKM(機械構造用炭素鋼)使用した。
(実施例2)
除電器は、図6に示すように、除電器34、除電器35、除電器36、及び除電器40の4台を配置した。除電距離は、除電器34は100mm、除電器35、除電器36、及び除電器40は50mmに設定した。除電器34のイオン噴出面の方向が、剥離点Pからの垂線と直角になるように配置した。また、ラミネートロールの導電ゴムの体積抵抗率は10Ω・mである。
(実施例3)
除電器34のイオン噴出面の方向が、フィルム31と平行となるように配置した以外は、実施例2と同じ設定である。
(実施例4)
ラミネートロールの導電ゴムの体積抵抗率が10Ω・mである以外は、実施例2と同じ設定である。
(実施例5)
除電器34の除電距離が50mmである以外は、実施例2と同じ設定である。
(実施例6)
除電器34の除電距離が50mmである以外は、実施例3と同じ設定である。
(実施例7)
除電器34の除電距離が50mmである以外は、実施例4と同じ設定である。
(比較例1)
ラミネート工程における除電器はBJS700L/1000L(シシド静電気株式会社製)を使用した。これはイオン搬送を気流搬送で行い、電極の材質はシリコン製である。除電器は、除電器34と除電器36の2台を配置した。除電距離は、除電器34は、除電器36ともに120mmに設定した。除電器34のイオン噴出面の方向が、剥離点Pからの垂線と直角になるように配置した。また、ラミネートロール芯材の表層には体積抵抗率が10Ω・mのゴムを貼り付けた。
第一の導電パターン及び外部接続用配線の電気抵抗及び導通を調べたところ、X位置座標を特定する透明電極と外部接続用配線とを合わせた回路の電気抵抗では24本中、2本で断線が発生した。また、Y位置座標を特定する透明電極と外部接続用配線とを合わせた回路の電気抵抗を測定したところ、18本中、1本で断線が発生した。ラミネータの取り出し側での帯電電位は、絶対値が最大のとき、−4.2kVであった。
(比較例2)
除電距離を、除電器34、除電器36ともに150mmに設定した以外は比較例1と同じ設定である。
第一の導電パターン及び外部接続用配線の電気抵抗及び導通を調べたところ、X位置座標を特定する透明電極と外部接続用配線とを合わせた回路の電気抵抗では24本中、4本で断線が発生した。また、Y位置座標を特定する透明電極と外部接続用配線とを合わせた回路の電気抵抗を測定したところ、18本中、2本で断線が発生した。ラミネータの取り出し側での帯電電位は、絶対値が最大のとき、−7.1kVであった。
Figure 2018073276
実施例1〜7は、ラミネート工程において、除電器少なくとも3台を、カバーフィルムを剥離する面の側、導電パターン付き基材投入側、及びへ導電パターン付き基材取り出し側にそれぞれ配置して、除電距離を100mm以下に設定して導電パターン付き基材、及びフィルムの除電を実施したため、帯電電位を絶対値で1kV未満に抑制することができた。特に、除電器を4台を配置することによって帯電電位の絶対値を大幅に低減できることが実施例2〜7から分かる。その結果、作製したタッチパネルセンサには帯電電位上昇による、電極の断線は発生しなかった。
比較例1〜2では、除電器を2台でラミネート工程を実施したため、除電が必要な場所への除電器の配置がされず、帯電電位を低減しきれなかった。また、除電器2台とも除電距離を100mmを超えて設定したために、さらに除電効率が低下した。加えて、ラミネートロール芯材の表層のゴムの体積抵抗率が10Ω・mを超えたため、ラミネートロールと、導電パターン付き基材及びフィルムとが接触する際に帯電する可能性が高い。その結果、ラミネータ取り出し側での導電パターン付き基材及びフィルムの帯電電位が高くなり、その結果、作製したタッチパネルセンサの電極に断線が発生した。
以上の結果から、本発明に係る導電パターン付き基材によれば、ラミネート工程における除電を適正に行うことで、静電気放電による導電パターン付き基材への不良発生を抑制できることが分かる。
1…基材、2…導電膜、2a,2c…第一の導電膜、2b,2d…第二の導電膜、3…感光性樹脂層、3b,3c,3d…感光性樹脂層の硬化物、4…感光層、5…導電パターン、5a…第一の導電パターン、5b…第二の導電パターン、5c…第三の導電パターン、5d…第四の導電パターン、7…外部接続用端子となる所定部分、7a…第一の導電パターンの外部接続用端子、7b…第二の導電パターンの外部接続用端子、8…外部接続用配線、8a…第一の導電パターンの外部接続用配線、8b…第二の導電パターンの外部接続用配線、9…支持フィルム、10…感光性導電フィルム、11…マスクパターン、12…開口部付きマスク、13…タッチ画面、14…X位置座標を特定する透明電極、15…Y位置座標を特定する透明電極、20,22…導電パターン付き基材、31…フィルム、32…導電パターン付き基材、33…フィルムのカバーフィルム、34…カバーフィルムを剥離する面の側に配置した除電器、35…カバーフィルムを剥離する面の裏側に配置した除電器、36…導電パターン付き基材投入側へ配置した除電器、37,37´…ラミネートロールの芯材、38,38´…導電ゴム、39,39´…ラミネートロール、40…導電パターン付き基材取り出し側へ配置した除電器、41…剥離用ガイドロール、42…進入用ガイドロール、43…帯電電位計。

Claims (8)

  1. 導電パターン付き基材にフィルムを圧着するラミネート工程を有する導電パターン付き基材の製造方法であって、前記ラミネート工程が、前記フィルムの圧着前に前記導電パターン付き基材及びフィルムの除電を行うステップと、芯材の表層を導電ゴムで覆ったラミネートロールで前記導電パターン付き基材とフィルムとを圧着するステップと、前記圧着後の前記導電パターン付き基材及びフィルムを除電するステップ、とを備える導電パターン付き基材の製造方法。
  2. 前記ラミネートロールの芯材の表層を覆った前記導電ゴムの体積抵抗率が10Ω・m以下である、請求項1に記載の導電パターン付き基材の製造方法。
  3. 前記ラミネート工程において、3台以上の除電器を使用して除電を行う、請求項1又は2に記載の導電パターン付き基材の製造方法。
  4. 前記ラミネート工程が、前記導電パターン付き基材に圧着する前記フィルムとしてカバーフィルムを有するフィルムを用いて、該フィルムの圧着前に前記カバーフィルムを剥離するステップを備えており、該カバーフィルムを剥離するステップにおいて、前記フィルムのカバーフィルムを剥離する面の側に少なくとも1台の除電器を配置して前記フィルムの除電を行う、請求項1から3の何れか一項に記載の導電パターン付き基材の製造方法。
  5. 前記カバーフィルムを剥離するステップにおいて、前記フィルムから前記カバーフィルムを剥離する面の裏側にも除電器を配置してフィルムの除電を行う請求項1から4の何れか一項に記載の導電パターン付基材の製造方法。
  6. 前記除電器と、除電対象の帯電体である前記導電パターン付き基材又は前記フィルムとの距離が100mm以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の導電パターン付き基材の製造方法。
  7. 前記フィルムが感光性導電フィルムである、請求項1から6のいずれか一項に記載の導電パターン付き基材の製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の導電パターン付き基材の製造方法により製造した導電パターン付き基材を用いて作製する、タッチパネルセンサの製造方法。
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