JP2018072024A - センサ及び把持装置及びロボット及びセンサ初期化方法 - Google Patents

センサ及び把持装置及びロボット及びセンサ初期化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接触時のセンサの検出感度の向上を図る。【解決手段】本発明に係るセンサ24は、一対の電極26,28と、ゴム又はゴム組成物で形成されて一対の電極の間に設けられ、対象物4との接触による変形で発電する中間層30とを有し、測定時以外に圧力が付与されることで帯電量が増加して初期化されるものである。【選択図】図3

Description

本発明は、センサ及び把持装置及びロボット及びセンサ初期化方法に関する。
ロボットハンド等のロボットが有する把持装置には、形状、硬さ、表面性、重さ等の様々な特性が異なる被把持物(対象物)を破損等することなく把持できるように、把持時の圧力を検出するセンサが設けられている。
振動荷重によって変形する弾性シートと、弾性シートの表面に設置された高分子圧電体であるPVDF(ポリフッ化ビニリデン)製の圧電フィルムと、圧電フィルムの両面に配置された電極とを有し、弾性シートの変形に伴う圧電フィルムの引っ張り力又は圧縮力による歪みで発電する素子が提案されている(例えば、特許文献1)。
一対の電極と、ゴム又はゴム組成物で形成されて一対の電極間に設けられた中間層を備え、摩擦帯電に似たメカニズムでの帯電と、内部電荷留保による表面電位差の発生とが、中間層の両面の硬度差に基づく変形量の差に起因して静電容量の偏りを生み出すことにより、電荷が移動して発電すると推測される素子が提案されている(特許文献2、3。
特許文献1、2、3に記載の素子を上記把持装置のセンサとして用いることを想定した場合、以下の内容が懸念される。
特許文献1の場合、圧電フィルムの材質がPVDFであり、柔軟性を有しているが、圧電フィルムを変形させるために十分な負荷をかける時間が必要であり、センサが被把持物に接触した瞬間から電圧信号の出力が開始されるまでの時間が長くなって接触時の圧力検出感度が低下することがある。
特許文献2、3の場合、被把持物の特性の違いにかかわらず接触時の圧力検出感度を向上させることはできるが、長時間圧力がかからない状態であると、帯電量が低下し、最初の摩擦帯電に似たメカニズムでの帯電が必要となり、接触時の検出感度が低下することがある。
本発明は、接触時のセンサの検出感度の向上を図ることを、その目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のセンサは、一対の電極と、ゴム又はゴム組成物で形成されて一対の電極間に設けられ、対象物との接触による変形で発電する中間層とを有し、測定時以外に圧力が付与されることで初期化されることを特徴としている。
本発明によれば、接触時の検出感度の向上を図ることができる。
本発明の第1の実施形態であるセンサを備えた把持装置を有するロボットの構成と動作を説明する図であり、(a)は把持装置による被把持物の把持状態を示し、(b)、(c)は、センサ初期化動作を示す図。 本発明の実施形態に係る制御系の構成を示す図であり、(a)は第1の実施形態の制御系のブロック図、(b)は第2の実施形態の制御系のブロック図。 本発明の第1の実施形態に係るセンサの構成を説明する断面図。 センサを評価する構成を説明するブロック図。 評価機であるタッキング試験機によるセンサへのプローブの押し付け構成を説明する断面図。 複数のセンサの発生電圧の例を説明する図。 第1の実施形態に係るセンサの初期化制御を説明するフローチャート。 初期化した場合の複数のセンサの出力例を示す図。 初期化しない場合の複数のセンサの出力例を示す図。 本発明の第2の実施形態であるセンサであるセンサシートの構成を説明する図。 (a)、(b)は、センサシートの初期化装置と、初期化動作を説明する図。 第2の実施形態に係るセンサシートの初期化制御を説明するフローチャート。 本発明の第3の実施形態であるセンサを備えた手袋の構成を説明する図。 表面改質処理、及び不活性化処理を行った中間層(シリコーンゴム)のXPS測定結果を示す特性図。 図14で測定した中間層のSi2p結合エネルギーの厚み方向の変化を示すグラフ。 未処理の中間層(シリコーンゴム)のXPS測定結果を示す特性図である。 図16で測定した中間層のSi2p結合エネルギーの厚み方向の変化を示すグラフ。 表面改質処理、及び不活性化処理を行った中間層を有するセンサの特性を説明するための断面模式図。
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて説明する。実施形態において、同一機能や同一構成を有するものには同一の符号を付し、重複説明は適宜省略する。図面は一部構成の理解を助けるために部分的に省略する場合もある。
(第1の実施形態)
図1乃至図8に基づいて第1の実施形態を説明する。図1(a)、(b)、(c)は、本発明の実施形態に係るセンサとしての感圧センサ24、24を備えた把持装置18を有するロボット2の構成と動作を説明する図である。感圧センサ24は、発電素子からなるセンサであり、圧力を電気信号として出力するものである。
ロボット2は、例えば製造ラインで用いられる組み立てロボットである。ロボット2は、図1(a)に示すように、被把持物(対象物)としての部品4が載置されるベース6と、ベース6に固定された支軸8と、支軸8に固定された固定リンク10と、固定リンク10に連続して支持された可動リンク12、14、16と、先端の可動リンク16の端部に設けられた把持装置18とを備えている。本実施形態では、支軸8、固定リンク10、可動リンク12、14、16及び把持装置18によりロボットアームが構成されている。部品4は、可動リンク12、14、16及び把持装置18が作動することで、所定の位置で把持装置18によって把持され、ロボットアームの変位動作により組み立て位置へ移送される。
把持装置18は、互いに対向配置されていて、開閉可能な一対の把持部20、22を有している。把持部20、22の部品4と接触する側には、それぞれセンサとしての感圧センサ24、24が、接触面24a、24aを互いに対向するようにして設けられている。
感圧センサ24、24は、把持部20、22によって部品4が把持されると、部品4との接触によってそれぞれ変形することで電圧信号(電気信号)が出力される。電圧信号は、例えばロボット2に備えられた制御装置100に送られる。
制御装置100は、図2に示すように、演算部、記憶部、タイマなどを備えたコンピュータで構成されている。制御装置100には、ロボット2の電源101と感圧センサ24,24と、把持部20、22を開閉動作するための駆動源203とが信号線を介して接続されている。制御装置100は、感圧センサ24,24からの出力に応じて把持装置18の把持力を、駆動源203を制御することで制御するとともに、感圧センサ24,24の初期化動作と初期化制御を実行するように構成されている。ここで、図1(b)は把持装置18の把持部20、22が開いた状態を示し、図1(c)は、把持部20、22が閉じた状態を示す。この把持装置18の把持部20、22の開閉動作は、後で述べる感圧センサ24、24の初期化動作でもある。この初期化動作は、図1(b)と図1(c)の状態となるように開閉動作を所定回数繰り返し、感圧センサ24、24に測定時以外に圧力を複数回付与する加圧動作である。つまり、感圧センサ24は、測定時以外に圧力が付与されることで初期化される。
このような初期化動作による初期化方法を行うことにより、感圧センサ24、24からの電圧信号の線形性を持つ測定が高感度で可能となる。初期化動作による効果については後述する。なお、感圧センサ24、24の構成は、同一構成であるので、以下、一方の感圧センサ24の構成について説明する。
感圧センサ24は、図3に示すように、一対の電極を構成する第1の電極26と第2の電極28と、ゴム又はゴム組成物で形成されて一対の電極間である第1の電極26と第2の電極28の間に設けられ、対象物である部品4との接触による変形で発電する圧電体としての中間層30とを有している。感圧センサ24は、一対の電極のうち、少なくとも対象物と接触する側の電極の表面を覆う可撓性を有するカバー32を有している。本実施形態において、カバー32は、第1の電極26と第2の電極28における電極の表面となる接触面26a、28aの双方だけでなく、中間層30も覆うように構成されている。すなわち、本実施形態では、矢印aで示す中間層30の厚み方向における両側30a、30bを一対の電極である第1の電極26と第2の電極28で挟む積層構造の周囲全体がカバー32で覆われた構成とされている。感圧センサ24は、第1の電極26の表面26a同士が互いに対向して部品4と接触するように把持部20,22に取り付けられる。
このため、カバー32は、部品4との接触による第1の電極26の保護を主目的としており、中間層30への接触圧の伝達を阻害しない厚み、材質(硬さ)を有する。可撓性を有するカバー32の材質としては、例えば樹脂材であるPET(ポリエチレンテレフタレート)を採用することができるが、PETに限定するものではなく、類似の特性の樹脂材であってもよい。なお、本実施形態では、第2の電極28の表面28aもカバーで覆っているので、感圧センサ24は第1の電極26と第2の電極28とをひっくり返して使用することも可能である。
第1の電極26及び第2の電極28と中間層30の両側30a、30bの間は、それぞれ接合されていてもよく、あるいは空間を介する構造として接合されていなくてもよい。また、第1の電極26及び第2の電極28と中間層30との接触は、両側30a、30bの全面であっても一部だけでもよい。
中間層30はゴム又はゴム組成物からなり、積層方向(厚み方向)aにおける一方側が、該一方側と他方側とで同じ変形付与力に対する変形の度合いが異なるように且つ電荷を蓄積できるように表面改質処理及び/又は不活性化処理がなされている。この点については後で詳細に説明する。
第1の電極26及び第2の電極28と中間層30との間の未接合部では、変形が生じると、変形時に中間層30とこれに対向する電極との間に摩擦ないし剥離帯電が生じ、電荷が蓄えられる。電荷が蓄えられると、中間層30と第1の電極26及び第2の電極28との間に静電容量の変化が生じて発電がなされる。また、第1の電極26及び第2の電極28と中間層30との間の接合部では、変形が生じると、中間層30と各電極との間に静電容量の変化が生じて発電がなされる。この発電の量や発電の有無を検出することで、発電センサを感圧センサとして用いることができる。
本実施形態に係る把持装置18における感圧センサ24の感度についての初期特性評価を実施した。この評価は、タッキング試験機によりプローブをセンサに押し当て、その電圧を測定することによって行った。評価方法の概要としては、以下の3つの手順を複数の感圧センサ24で実施し、データを取得した。各感圧センサ24は同一構成のものである。
(1)図4に示すように、タッキング試験機34のステージ36上に感圧センサ24を貼り付け、チャージアンプ38を介してオシロスコープ40に接続する。
(2)図5に示すように、プローブ42の先端にスポンジ44を貼り付け、タッキングを行う。
(3)図4のオシロスコープ40に表示された電圧波形を記録し、3回繰り返した平均データを取得する。
感圧センサ24の仕様を表1に、評価に用いたスポンジ44の仕様を表2に、チャージアンプ38の設定を表3に、オシロスコープ40の設定を表4に、タッキング試験機34の評価条件を表5にそれぞれ示す。
本実施形態に係る感圧センサ24の中間層30のヤング率は0.01Gpaである。中間層30のヤング率は、後述するゴム組成物の詳細な記載において硬度を測定している測定機(フィッシャー社製、超微小硬度計WIN−HUD)、及び同測定条件を用い、10μm深さの硬度より換算した値を用いている。
Figure 2018072024
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測定に際し、図5に示すように、ステージ36に載置された感圧センサ24の接触面(上面)24aに、接地されたアルミニウム製のテープ46を配置して、不要な電荷によるノイズの発生を抑制した。
図6、図7、図8、図9により詳細な説明を行う。
図6は、複数の感圧センサ24の発生電圧の例である。横軸は、タッキング試験機による同一センサへの押しつけ(測定)回数である。また、出力をVmin(V)で示しているのは、圧縮時にセンサの出力が、この構成では、負になるためである。便宜的に示している。複数の感圧センサ24のサンプルは、同一仕様で、4つ作製し、グラフ上では、サンプル1,2,3,4と示している。なお、図7、図8のグラフに出てきたサンプルの場合、数字が同じものはこの構成と同一センサである。また、図6において、規定値Bは、図7に示されているものと同一である。図6の計測結果から分かるように、サンプル1−4ともに、最初の数回とそれ以上では、発生している電圧が異なることが分かる。この影響で加重に対するセンサからの出力の線形性に問題があった。本実施形態では、センサごとの規定値B(今回の構成では、負の値)を測定し、それに対応した初期化を行うことにより、より正確な測定が可能となる。
図7は、感圧センサ24の初期化動作を行うための初期化制御の例を示すフローチャートである。この制御は、例えば図1(a)に示す制御装置100で行うことができる。制御装置100の記憶部には、規格値A、規格値Bが予め設定されているものとする。無論、この規格値A、規格値Bは、任意に変更可能にとしてもよい。制御装置100は電圧を測定(検出)する測定部(検出部)103と信号線を介して接続されている。測定部(検出部)103としては、制御装置100にその機能を持たせてもよい。
制御装置100は、ステップST1において電源101のオン状態を検知し、オン状態であるとステップST2に進む。制御装置100は、ステップST2において感圧センサ24,24からの出力電圧Vを測定部103で測定する。制御装置100はステップST3において規定値Aと出力電圧Vとを比較する。規定値Aは、ノイズの大きさや他の電源に接触しているか否かを確認するためのものであり、初期化の有無の必要性を判定する。出力電圧Vが規定値Aよりも低い場合、例えば0に近い場合には初期化必要と判定してステップST4に進む。
制御手段100は、ステップST4において、最初の押しつけ動作を実行し、ステップST5において、押しつけ動作時の感圧センサ24、24の出力電圧V1を測定部103で測定し、ステップST6において規定値Bと出力電圧V1とを比較する。押しつけ動作とは、把持部20,22を図1(b)の開状態から図1(c)に示すように閉状態として感圧センサ24、24を互いに圧接する動作である。ここでの加重は、例えば表5の375gf(所定加重)とする。所定加重が作用したか否かは、駆動部103の作動状態から制御装置100で判定してもよいし、感圧センサ24、24からの出力電圧から判定してもよい。
制御装置100は、出力電圧V1が規定値Bに達しない場合には、ステップST4に戻り、閉状態の把持部20,22を一旦離して開状態とし、同一の加重で閉状態として押しつけ動作を行う。本構成では、出力電圧Vが負になるので、V>Bの場合、出力電圧Vがよりゼロ(アースレベル)に近いことになる。つまり、本実施形態において、規定値Bは予め設定した電圧であり、感圧センサ24は複数回加圧することにより初期化する。そして、制御装置100は、出力電圧V1が規定値Bと等しいか、負の値として大きくなったときにステップST7に進んで測定準備完了とし、ステップST8に進んで部品4を把持して圧力測定を開始する。
一方、制御装置100は、ステップST3において、出力電圧Vが規定値A以上の場合には異常であると判定し、ステップST9に進んでセンサ初期化動作を停止する。ここでの異常とは、例えばノイズ大、短絡などを指す。
次に実際に加重を変化させた場合の感圧センサ24の初期化の効果を述べる。
図8は、同一構成で、前記初期化を行った場合で、加重を変化させた例である。図9は、同一構成で、前記初期化を行わない場合で、加重を変化させた例である。前記初期化を行わないとは、感圧センサ24をセットしたまま2日間放置して、すぐ測定を始めた場合である。
測定は、どちらも100gfから加重値を増やして測定している。初期化を行ったものは、図8に示すように、サンプル1〜サンプル4とも1000gf程度まで、線形性を持った形の電圧で出力されている。しかし、初期化を行わなかった測定では、図9に示すように、小さな加重値で線形性が失われている。これより大きい部分では、線形性を持つように見えるが、これは、徐々に初期化と同じような効果が、測定によりなされているためと考えられる。
本実施形態では、特開2016−103967(特許文献2)と同様に、中間層30とこれに対向する第1の電極26、第2の電極28との間に摩擦ないし剥離帯電が生じ、電荷が蓄えられる。電荷が蓄えられると、中間層30と第1の電極26、第2の電極28との間に静電容量の変化が生じて発電がなされると考えられる。この初期化の有無による結果の違いは、まさに、初期の電荷蓄積プロセスの存在により起こっていると考えられる。
このように、ロボットアームの把持部20,22の部品4に直接当たる部分に感圧センサ24、24を配置し、部品4を掴む動作前に初期化しておくことにより、把持圧力やズレによる振動を素早く正確に検知し、把持力を制御する制御装置100に制御信号を応答遅れがほとんど無い状態で迅速に送信することができる。これにより、適正な応力により部品4を壊すことなく把持することができる。つまり、接触時の検出感度の向上を図ることができる。また、感圧センサ24を用いることにより、人間の感覚に近い把持速度を実現でき、さらにセンサの柔軟性により傷や破壊などのリスクを低減できる。
また、感圧センサとしては、例えばゴム材料の中にカーボン等の導電性粒子を分散し、加圧による導電性粒子の接触状態の変化による力と抵抗値との関係から印加電流の変化を把握する構成のものが知られている。このような構成の感圧センサは電源が必要となる。電源を要する感圧センサの場合、変圧器が必要となり、電池切れによる検知不能状態をまねく場合がある。しかし、本実施形態に係る感圧センサ24の場合では、電源を用いる必要がないので、このような問題が無い構成で高感度を得ることができる。
(第2の実施形態)
次に図10、図11、図12を用いて、本発明に係る第2の実施形態について説明する。本実施形態に係るセンサは、シート状のセンサ(以下「センサシート」と記す)50である。センサシート50は、発電素子からなるセンサ(感圧センサ24と同様もの)をマトリックス状にしたものであり、圧力を電気信号として出力する感圧センサとして用いる。
センサシート50は、一対の電極51,52と、一対の電極51,52の間に配置された中間層53を備えている。一方の電極51は、符号51a〜51eで示す複数の上部電極(第1の電極)を備えている。他方の電極52は、符号52a〜52で示す複数の下部電極(第2の電極)を備えている。上部電極51a〜51eと下部電極52a〜52jは、並び方向にそれぞれ間隔をかけて配置されている。上部電極51a〜51eと下部電極52a〜52jとは、中間層53を介して互いに直交するように配置されている。
上部電極51a〜51eと下部電極52a〜52jとの重なり合う部分で1つのセル55が構成されている。本実施形態では、セル55が50セル形成されている。セル55は座標として認識される。本実施形態では、上部電極51aと下部電極52aが重なることで構成されるセル55の座標を(0,0)とし、上部電極51b〜51eにかけて(0,1)〜(0,4)としている。また、セル55の座標は、下部電極52a〜下部電極52jへと進むにつれて(1,0)〜(9,0)とされている。中間層53は、第1の実施形態で説明した中間層30に対応する。中間層53は、絶縁性が高いため隣のセルには影響しない。つまり、センサシート50は、シート状のセンサであり、複数に絶縁さられて直交する部分をセル55とし圧力分布を測定するである。
符号54は可撓性を有するカバー部材としての上部カバーを示す。なお、本実施形態では、下部電極52a〜52jの下方に第1の実施形態で説明したセンサ(感圧センサ24)と同様、下部カバーが存在するが、ここでは図面の煩雑さを考慮して記載を省略している。このような構成のセンサシート50の上部電極51aと下部電極52aの出力を検出することで、各セル(0,0)〜(9,4)の部分の加重状態を知ることができる。
しかしながら、発電素子を用いたセンサシート50の場合も、時間の経過ととものに帯電量が低下すると、低下後の圧力測定時に、感圧センサ24の例と同様に線形性に問題が生じるため初期化が必要である。図11(a)、(b)は、センサシート50の把持装置としての初期化装置200と、初期化動作を示す。初期化装置200は、互いに対向配置されて、互いの外周面201a、202aが当接(圧接)している回転体としてのローラ201,202を備えている。ローラ201,202は、ゴムローラで構成されており、加圧構造体203(バネ等)により加圧力をコントロールできるものである。ローラ201またはローラ202の何れか一方は駆動ローラとして構成されていて、正方向および逆方向に回転駆動可能に構成されている。センサシート50は、それぞれの電極を結線した状態で、ローラ201,202の間を測定部分(セル部分)すべてについて通過させることで押しつけ動作とする。つまり、センサシート50は、互いに対向配置された回転体であるローラ201、202間を通過させることで圧力が付与されて発電し、初期化されるものである。
図12は、センサシート50の初期化制御の例を示すフローチャートである。初期化制御については、基本的には図7のフローチャートと類似している。この制御は、例えば図1(b)に示す制御装置100Aで行うことができる。制御装置100Aの記憶部には、規格値A、規格値Bが予め設定されているとともに、ローラ201またはローラ202の駆動源となく駆動モータ204、電源205と、センサシート50の電圧を計測(検出)する測定部(検出部)206が信号線を介して接続されている。この規格値A、規格値Bは、任意に変更可能にとしてもよい。本実施形態では、制御手段100Aによって駆動モータ204の駆動が制御される。
制御装置100Aは、ステップST11において電源205のオン状態を検知し、オン状態であるとステップST2に進む。制御装置100Aは、ステップST12においてセンサシート50からの出力電圧Vを測定部206で測定する。制御装置100AはステップST13において規定値Aと出力電圧Vとを比較する。規定値Aは、ノイズの大きさや他の電源に接触しているか否かを確認するためのものであり、初期化の有無の必要性を判定する。ここでは、すべてのセルからの出力電圧Vが規定値Aよりも低い場合、例えば0に近い場合には初期化必要と判定してステップST14に進む。
制御手段100Aは、ステップST14において、最初の押しつけ動作を実行し、ステップST15において、押しつけ動作時のセンサシート50の出力電圧V1を測定部206で計測し、ステップST16において規定値Bと出力電圧V1とを比較する。押しつけ動作とは、図11(a)〜(b)に示すように、センサシート50を、ローラ201、202が接触、好ましくは圧接することで形成される把持部としてのニップ部200Aを通過させることとする。ここでの加重は、例えば表5の375gfである。
制御装置100Aは、1つのセルからの出力電圧V1が規定値Bに達しない場合には、駆動モータ204を逆転駆動してセンサシート50を最初の押し付け時とは逆方向に移動させ、再度、ニップ部200Aを通過させることで加圧を行う。本構成では、出力電圧V1が負になるので、V1>Bの場合、V1がよりゼロ(アースレベル)に近いことになる。そして、制御装置100Aは、全てのセルからの出力電圧V1が規定値Bと等しいか、負の値として大きくなったときにステップST17に進んで測定準備完了とし、ステップST18に進んでセンサシート50による圧力測定を開始する。
一方、制御装置100Aは、ステップST13において、出力電圧Vが規定値A以上の場合には異常であると判定し、ステップST19に進んでセンサ初期化動作を停止する。ここでの異常とは、例えばノイズ大、短絡などを指す。
なお、センサシート50をニップ部200Aに通過させる回数については、センサシート50の帯電量によって異なるので、センサシート50に十分な電化が残っている場合には少なく、電化残量が少ない場合には、通過回数は多くなる。
また、センサシート50の初期化は、ニップ部200Aに対するセンサシート50の通過回数による初期化ではなく、単にセンサシート50を厚さ方向からプレス機などでプレスしてもよい。この場合にはプレス回数やプレス圧をセンサシート50の帯電量に応じて可変制御するようにしてもよい。
第2の実施形態では、制御装置100Aとセンサシート50とを測定部206を介して有線接続しているので、ローラ201を正逆回転させることで、センサシート50を往復動作させて初期化を行ったが、センサシート50に対する初期化動作は、このような形態に限定されるものではない。例えば、センサシート50から出力された出力電圧V、V1の情報を無線で飛ばして制御装置100A側で受信して電圧測定する場合には、往復動作ではなく、正転方向に回転しているローラ201、202のニップ部200Aに対して回転方向上流側から、規定の出力電圧V1となるまで通過させて加圧する動作を初期化動作としてもよい。
このように、ロボットアームの把持部20,22の部品4に直接当たる部分に感圧センサ24、24に替えてセンサシート50、50を配置し、初期化しておくことにより、把持圧力やズレによる振動を素早く正確に検知し、把持力を制御する制御装置100Aに制御信号を応答遅れがほとんど無い状態で迅速に送信することができる。これにより、適正な応力によりの部品4を壊すことなく把持することができる。つまり、接触時の検出感度の向上を図ることができる。また、センサシート50を用いることにより、人間の感覚に近い把持速度を実現でき、さらにセンサの柔軟性により傷や破壊などのリスクを低減できる。
また、センサシート50は、感圧センサ24と同様、電源を不要としているので、機械的に圧力を付与して初期化することで、検知不能状態となることがなく高感度を得ることができる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、図13に示すように、手袋66の手のひらに対応する部分に、センサとしての感圧センサを複数配置したものである。本実施形態に係る感圧センサの構成としては、第1の実施形態で説明した感圧センサ24あるいは第2の実施形態で説明したセンサシート50と同一の構成のものを用いることができる。複数の感圧センサのうち、手の掌の部位には面積の大きい感圧センサ68aが設けられ、各指部にはそれぞれ小面積の感圧センサ68b、68c、68d、68e、68fが設けられている。
そして、このセンサ付き手袋66を人間の手や義手の両手に装着し、事前に両手でセンサ同士を10回程度押しつけ動作させておくことにより、人間の感覚を電気信号に違和感なく変換することができる。すなわち、両手あるいは片手で把持する被把持物に対する接触力を電気信号で定量化することができる。つまり、接触時の検出感度の向上を図ることができる。これにより、人間の皮膚と同程度の感触の再現を行うことができる。また、感圧センサ68a〜68fを脳と信号線で接続することで、脳への直接的な電気刺激による感覚の付与などが可能となる。
また、感圧センサ68a〜68fを耐熱手袋に装着した場合、感圧センサ68a〜68fから発生する電圧を人間の触感にフィードバックさせることにより、人間の皮膚では耐えられないような高温物を、人間の触角感覚を維持したまま取り扱うことができる。従って、すべり防止や、柔らかいものを壊さずに移動することが可能であるだけでなく、高温環境における作業生産性の向上を図れるとともに、作業者の安全性も確保することができる。
上記第1の実施形態〜第3の実施形態では、ロボットアームや手袋への実装を例示したが、本発明に係るセンサの使用形態や利用形態、利用対象は、これらに限定されない。
例えば、本発明に係るセンサを衣服に装着することにより、人の動作をモニタリングするシステム、あるいは衣服の密着感を数値化し自分に合った着衣をオーダーできるシステムを、接触時の検出感度の向上を図りつつ実現できる。
本発明に係るセンサを靴のインソールに装着することにより、歩くときの重心の移動を検知するシステムを接触時の検出感度の向上を図りつつ実現でき、あるいは靴の内側に張り巡らせることにより靴ずれを予測するシステムを接触時の検出感度の向上を図りつつ実現できる。
この他にも、高感度に圧力を検知し且つ柔軟性が求められる用途での種々の分野に展開が可能である。
以下に、前記特性を発現させるための電極と中間層の材質等の詳細を説明する。
[第1の電極、及び第2の電極]
第1の電極、及び第2の電極の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第1の電極、及び第2の電極において、その材質、形状、大きさ、構造は、同じであってもよいし、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
第1の電極、及び第2の電極の材質としては、例えば、金属、炭素系導電材料、導電性ゴム組成物、導電性高分子、酸化物などが挙げられる。
金属としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ステンレス、タンタル、ニッケル、リン青銅などが挙げられる。炭素系導電材料としては、例えば、カーボンナノチューブ、炭素繊維、黒鉛などが挙げられる。導電性ゴム組成物としては、例えば、導電性フィラーと、ゴムとを含有する組成物などが挙げられる。導電性高分子としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリピロール、ポリアニリンなどが挙げられる。酸化物としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム・酸化亜鉛(IZO)、酸化亜鉛などが挙げられる。
前記導電性フィラーとしては、例えば、炭素材料(例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンファイバー(CF)、カーボンナノファイバー(CNF)、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェンなど)、金属フィラー(金、銀、白金、銅、アルミニウム、ニッケルなど)、導電性高分子材料(ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、及びポリパラフェニレンビニレンのいずれかの誘導体、又は、これら誘導体にアニオン若しくはカチオンに代表されるドーパントを添加したものなど)、イオン液体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン・プロピレンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ポリイソブチレン、変成シリコーンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1の電極の形状、及び第2の電極の形状としては、例えば、薄膜などが挙げられる。第1の電極の構造、及び第2の電極の構造としては、例えば、織物、不織布、編物、メッシュ、スポンジ、繊維状の炭素材料が重なって形成された不織布であってもよい。
前記電極の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、導電性及び可撓性の点から、0.01μm〜1mmが好ましく、0.1μm〜500μmがより好ましい。前記平均厚みが、0.01μm以上であると、機械的強度が適正であり、導電性が向上する。また、前記平均厚みが、1mm以下であると、感圧センサが変形可能であり、発電性能が良好である。
[中間層]
中間層は、可撓性を有する。
中間層においては、以下の条件(1)及び条件(2)の少なくともいずれかを満たす。
条件(1):中間層の面に対して直交する方向から中間層が加圧された際に、中間層における第1の電極側(一方側)の変形量と、中間層における第2の電極側(他方側)の変形量とが、異なる。
条件(2):中間層の第1の電極側における10μm押し込み時のユニバーサル硬度(H1)と、中間層の第2の電極側における10μm押し込み時のユニバーサル硬度(H2)とが、異なる。
中間層においては、以上のように、両面での変形量、又は硬度が異なることにより、大きな発電量を得ることができる。
本発明において、変形量とは、以下の条件で中間層を押し付けた際の、圧子の最大押し込み深さである。
{測定条件}
測定機:フィッシャー社製、超微小硬度計WIN−HUD
圧子:対面角度136°の四角錐ダイヤモンド圧子
初期荷重:0.02mN
最大荷重:1mN
初期荷重から最大荷重までの荷重増加時間:10秒間
ユニバーサル硬度は、以下の方法により求められる。
{測定条件}
測定機:フィッシャー社製、超微小硬度計WIN−HUD
圧子:対面角度136°の四角錐ダイヤモンド圧子
押し込み深さ:10μm
初期荷重:0.02mN
最大荷重:100mN
初期荷重から最大荷重までの荷重増加時間:50秒間
ユニバーサル硬度(H1)と、ユニバーサル硬度(H2)との比(H1/H2)としては、1.01以上が好ましく、1.07以上がより好ましく、1.13以上が特に好ましい。比(H1/H2)の上限値としては、特に制限はなく、例えば、使用状態において要求される可撓性の程度、使用状態における負荷等により適宜選択されるが、1.70以下が好ましい。ここで、H1は、相対的に硬い面のユニバーサル硬度であり、H2は、相対的に柔らかい面のユニバーサル硬度である。
中間層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゴム、ゴム組成物などが挙げられる。ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン・プロピレンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ポリイソブチレン、変成シリコーンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーンゴムが好ましい。
前記シリコーンゴムとしては、シロキサン結合を有するゴムであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記シリコーンゴムとしては、例えば、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、変性シリコーンゴム(例えば、アクリル変性、アルキッド変性、エステル変性、エポキシ変性)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物としては、例えば、フィラーと前記ゴムとを含有する組成物などが挙げられる。これらの中でも、前記シリコーンゴムを含有するシリコーンゴム組成物は発電性能が高いため好ましい。
前記フィラーとしては、例えば、有機フィラー、無機フィラー、有機無機複合フィラーなどが挙げられる。前記有機フィラーとしては、有機化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記有機フィラーとしては、例えば、アクリル微粒子、ポリスチレン微粒子、メラミン微粒子、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂微粒子、シリコーンパウダー(シリコーンレジンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーン複合パウダー)、ゴム粉末、木粉、パルプ、デンプンなどが挙げられる。前記無機フィラーとしては、無機化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記無機フィラーとしては、例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、窒化物、炭素類、金属、又はその他の化合物などが挙げられる。
前記酸化物としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
前記水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
前記炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ハイドロタルサイトなどが挙げられる。
前記硫酸塩としては、例えば、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。
前記ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸カルシウム(ウォラストナイト、ゾノトライト)、ケイ酸ジルコン、カオリン、タルク、マイカ、ゼオライト、パーライト、ベントナイト、モンモロナイト、セリサイト、活性白土、ガラス、中空ガラスビーズなどが挙げられる。
前記窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素などが挙げられる。
前記炭素類としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレン(誘導体を含む)、グラフェンなどが挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、銀、白金、銅、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。
前記その他の化合物としては、例えば、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、炭化ケイ素、硫化モリブテン、などが挙げられる。なお、前記無機フィラーは、表面処理をしていてもよい。
前記有機無機複合フィラーとしては、有機化合物と無機化合物とを分子レベルで組み合わせた化合物であれば特に制限されずに用いることができる。
前記有機無機複合フィラーとしては、例えば、シリカ・アクリル複合微粒子、シルセスキオキサンなどが挙げられる。
前記フィラーの平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜30μmが好ましく、0.1μm〜10μmがより好ましい。前記平均粒径が、0.01μm以上であると、発電性能が向上することがある。また、前記平均粒径が、30μm以下であると、中間層が変形可能であり、発電性能の増加を図ることができる。
前記平均粒径は、公知の粒度分布測定装置、例えば、マイクロトラックHRA(日機装株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記フィラーの含有量は、ゴム100質量部に対して、0.1質量部〜100質量部が好ましく、1質量部〜50質量部がより好ましい。前記含有量が、0.1質量部以上であると、発電性能が向上することがある。また、前記含有量が、100質量部以下であると、中間層が変形可能であり、発電性能の増加を図ることができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば添加剤などが挙げられる。前記その他の成分の含有量は、本発明の目的を損なわない程度で適宜選定することができる。
前記添加剤としては、例えば、架橋剤、反応制御剤、充填剤、補強材、老化防止剤、導電性制御剤、着色剤、可塑剤、加工助剤、難燃剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、チクソ性付与剤などが挙げられる。
前記中間層を構成する材料の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記ゴム組成物の調製方法としては、前記ゴム及び前記フィラー、更に必要に応じて前記その他の成分を混合し、混錬分散することにより調製することができる。
前記中間層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記ゴム組成物の薄膜の形成方法としては、前記ゴム組成物を、基材上にブレード塗装、ダイ塗装、ディップ塗装などで塗布し、その後、熱や電子線などで硬化する方法が挙げられる。
中間層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、変形追従性の点から、1μm〜10mmが好ましく、20μm〜1mmがより好ましい。また、平均厚みが、好ましい範囲内であると、成膜性が確保でき、かつ変形を阻害することもないため、良好な発電を行うことができる。
中間層は、絶縁性であることが好ましい。絶縁性としては、10Ωcm以上の体積抵抗率を持つことが好ましく、1010Ωcm以上の体積抵抗率を持つことがより好ましい。中間層は、複層構造であってもよい。
(表面改質処理、及び不活性化処理)
中間層において、両面での変形量、又は硬度を異ならせる方法としては、例えば、表面改質処理、不活性化処理などが挙げられる。これらの処理は、両方を行ってもよいし、片方のみを行ってもよい。
<表面改質処理>
表面改質処理としては、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、オゾン処理、放射線(X線、α線、β線、γ線、中性子線)照射処理などが挙げられる。これらの処理の中でも、処理スピードの点から、プラズマ処理、コロナ放電処理、電子線照射処理が好ましいが、ある程度の照射エネルギーを有し、材料を改質しうるものであれば、これらに限定されない。
《プラズマ処理》
プラズマ処理の場合、プラズマ発生装置としては、例えば、平行平板型、容量結合型、誘導結合型のほか、大気圧プラズマ装置でも可能である。耐久性の観点から、減圧プラズマ処理が好ましい。
プラズマ処理における反応圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05Pa〜100Paが好ましく、1Pa〜20Paがより好ましい。
プラズマ処理における反応雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性ガス、希ガス、酸素などのガスが有効であるが、効果の持続性においてアルゴンが好ましい。
その際、酸素分圧を5,000ppm以下とすることが好ましい。反応雰囲気における酸素分圧が、5,000ppm以下であると、オゾンの発生を抑制でき、オゾン処理装置の使用を控えることができる。
プラズマ処理における照射電力量は、(出力×照射時間)により規定される。前記照射電力量としては、5Wh〜200Whが好ましく、10Wh〜50Whがより好ましい。照射電力量が、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
《コロナ放電処理》
コロナ放電処理における印加エネルギー(積算エネルギー)としては、6J/cm〜300J/cmが好ましく、12J/cm〜60J/cmがより好ましい。印加エネルギーが、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
《電子線照射処理》
電子線照射処理における照射量としては、1kGy以上が好ましく、300kGy〜10MGyがより好ましい。照射量が、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
電子線照射処理における反応雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルゴン、ネオン、ヘリウム、窒素等の不活性ガスが充填し酸素分圧を5,000ppm以下とすることが好ましい。反応雰囲気における酸素分圧が、5,000ppm以下であると、オゾンの発生を抑制でき、オゾン処理装置の使用を控えることができる。
《紫外線照射処理》
紫外線照射処理における紫外線としては、波長365nm以下で200nm以上が好ましく、波長320nm以下で240nm以上がより好ましい。
紫外線照射処理における積算光量としては、5J/cm〜500J/cmが好ましく、50J/cm〜400J/cmがより好ましい。積算光量が、好ましい範囲内であると、中間層に発電機能を付与でき、かつ照射過剰により耐久性を低下させることもない。
紫外線照射処理における反応雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルゴン、ネオン、ヘリウム、窒素等の不活性ガスが充填し酸素分圧を5,000ppm以下とすることが好ましい。反応雰囲気における酸素分圧が、5,000ppm以下であると、オゾンの発生を抑制でき、オゾン処理装置の使用を控えることができる。
従来技術として、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、電子線照射処理などにより励起又は酸化させることで活性基を形成し、層間接着力を高めることが提案されている。しかし、その技術は、層間への適用に限定され、最表面への適用はむしろ離型性を低下させるため好ましくないことがわかっている。また、反応を酸素リッチな状態下で行い、効果的に反応活性基(水酸基)を導入している。そのため、そのような従来技術は、本発明の前記表面改質処理とは本質が異なる。
本発明の前記表面改質処理は、酸素が少なく減圧された反応環境による処理(例えば、プラズマ処理)のため、表面の再架橋及び結合を促し、例えば、「結合エネルギーの高いSi−O結合の増加」に起因して耐久性が向上する。
さらに加えて「架橋密度向上による緻密化」に起因して離型性が向上すると考えられる。なお、本発明においても一部活性基は形成されてしまうが、後述するカップリング剤や風乾処理にて、活性基を不活性化させている。
<不活性化処理>
中間層の表面は、各種材料を用いて、適宜不活性化処理が施されてもよい。
不活性化処理としては、中間層の表面を不活性化させる処理であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性化剤を前記中間層の表面に付与する処理が挙げられる。不活性化とは、中間層の表面を、化学反応を起こしにくい性質に変化させることを意味する。この変化は、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、電子線照射処理などによる励起又は酸化によって発生した活性基(例えば、−OHなど)を不活性化剤と反応させて、中間層の表面の活性度を下げることで得られる。
不活性化剤としては、例えば、非晶質樹脂、カップリング剤などが挙げられる。非晶質樹脂としては、例えば、主鎖にパーフルオロポリエーテル構造を有する樹脂などが挙げられる。
カップリング剤としては、例えば、金属アルコキシド、金属アルコキシドを含む溶液などが挙げられる。
金属アルコキシドとしては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物や、重合度2〜10程度のそれらの部分加水分解重縮合物又はそれらの混合物などが挙げられる。
(4−n)Si(OR・・・一般式(1)
ただし、一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基、アルキルポリエーテル鎖、及びアリール基のいずれかを表す。nは、2〜4の整数を表す。
不活性化処理は、例えば、ゴムなどの中間層前駆体に前記表面改質処理を行った後に、中間層前駆体の表面に不活性化剤を塗布又はディッピング等により含浸させることによって行うことができる。
中間層前駆体としてシリコーンゴムを用いた場合は、前記表面改質処理を行った後に、空気中に静置して風乾することにより、失活させてもよい。
中間層の厚み方向における酸素濃度のプロファイルは、極大値を有することが好ましい。中間層の厚み方向における炭素濃度のプロファイルは、極小値を有することが好ましい。
中間層において、酸素濃度のプロファイルが極大値を示す位置と、炭素濃度のプロファイルが極小値を示す位置とは、一致することがより好ましい。
酸素濃度のプロファイル、及び炭素濃度のプロファイルは、X線光電子分光分析法(XPS)によって求めることができる。
測定方法は、例えば、以下の方法が挙げられる。
{測定方法}
測定装置:Ulvac−PHI QuanteraSXM、アルバック・ファイ株式会社製
測定光源:Al(mono)
測定出力:100μmφ、25.1W
測定領域:500μm×300μm
パスエネルギー:55eV(narrow scan)
エネルギーstep:0.1eV(narrow scan)
相対感度係数:PHIの相対感度係数を使用
スパッタ源:C60クラスターイオン
Ion Gun 出力:10 kV、10 nA
Raster Control:(X=0.5,Y=2.0)mm
スパッタレート:0.9nm/min(SiO換算)
XPSでは、光電子効果により飛び出す電子を捕捉することにより、測定対象物中の原子の存在濃度比や結合状態を知ることができる。
シリコーンゴムは、シロキサン結合を有し、主成分がSi、O、及びCである。そのため、中間層において、その材質としてシリコーンゴムを用いた場合、XPSのワイドスキャンスペクトルを測定し、各元素の相対ピーク強度比から、表層から内部に存在する各原子の深さ方向の存在濃度比を求めることができる。その一例を図14に示す。ここで、各原子はSi、O、及びCであり、存在濃度比は(atomic%)である。
図14は、シリコーンゴムを用い、更に前記表面改質処理(プラズマ処理)及び前記不活性処理を行って得られた中間層のサンプルである。図14において、横軸は表面から内部方向への分析深さであり、縦軸は存在濃度比である。
更に、シリコーンゴムの場合、Siの2p軌道の電子が飛び出すエネルギーを測定することにより、ケイ素に結合している元素及び結合状態を知ることができる。そこで、Siの結合状態を示すSi2p軌道におけるナロースキャンスペクトルからピーク分離を行い、化学結合状態を求めた。
その結果を図15に示す。図15の測定対象は、図14の測定に用いたサンプルである。図15において、横軸は結合エネルギーであり、縦軸は強度比である。また、下から上に向かっては深さ方向での測定スペクトルを示している。
一般に、ピークシフトの量は結合状態に依存することが知られており、本件に関するシリコーンゴムの場合、Si2p軌道において高エネルギー側にピークがシフトするということは、Siに結合している酸素の数が増えていることを示す。
これによれば、シリコーンゴムにおいて、表面改質処理及び不活性化処理を行うと、表層から内部に向かって酸素が多くなり極大値を持ち、また炭素が減少し極小値を持つ濃度プロファイルを有している。さらに深さ方向に分析をすすめると酸素が減少して炭素が増加し、ほぼ未処理のシリコーンゴムと同等の原子存在濃度となる。
さらに図14のαの位置で検出された酸素の極大値は、Si2p結合エネルギーシフトが高エネルギー側にシフトすることと一致(図15のαの位置)しており、酸素増加がSiに結合した酸素の数に起因することが示されている。
未処理のシリコーンゴムについて同様の分析をした結果を、図16及び図17に示す。
図16には、図14にみられたような酸素濃度の極大値、及び炭素濃度の極小値は見られない。更に、図17より、Si2p結合エネルギーシフトが高エネルギー側にシフトする様子もみられないことから、Siに結合した酸素の数も変化していないことが確認された。
以上のように、カップリング剤等の不活性化剤を中間層の表面に塗布又はディッピングして浸透させることにより、不活性化剤が中間層に染み込んでいく。カップリング剤が、一般式(1)で表される化合物などの場合、中間層においては、ポリオルガノシロキサンが濃度分布をもって存在するようになり、この分布はポリオルガノシロキサンに含まれる酸素原子が深さ方向に極大値を有するような分布となる。
結果として、中間層は、3つ〜4つの酸素原子と結合したケイ素原子を有するポリオルガノシロキサンを含有することとなる。
なお、不活性化処理の方法としては、ディッピング工法に限らない。例えば、ポリオルガノシロキサンに含まれる酸素原子が、中間層の深さ方向(厚み方向)に極大値を有するような分布を実現できればよく、プラズマCVD、PVD、スパッタリング、真空蒸着、燃焼化学気相蒸着などの方法でもよい。
中間層は、静置状態において初期表面電位を持つ必要はない。なお、静置状態における初期表面電位は、以下の測定条件で測定できる。ここで、初期表面電位を持たないとは、下記測定条件で測定した際に、±10V以下を意味する。
{測定条件}
前処理:温度30℃相対湿度40%雰囲気に24h静置後、除電を60sec(Keyence製のSJ−F300を使用)
装置:Treck Model344
測定プローブ:6000B−7C
測定距離:2mm
測定スポット径:直径10mm
上記実施形態で説明した感圧センサ24、センサシート50、感圧センサ68a〜68fにおいては、摩擦帯電に似たメカニズムでの帯電と、内部電荷留保による表面電位差の発生とが、中間層の両面の硬度差に基づく変形量の差に起因して静電容量の偏りを生み出すことにより、電荷が移動して発電すると推測される。
感圧センサは、中間層と、第1の電極及び第2の電極の少なくともいずれかとの間に空間を有することが好ましい。そうすることにより、発電量を増やすことができる。
前記空間を設ける方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中間層と、第1の電極及び第2の電極の少なくともいずれかとの間にスペーサを配置する方法などが挙げられる。
前記スペーサとしては、その材質、形態、形状、大きさなどについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記スペーサの材質としては、例えば、高分子材料、ゴム、金属、導電性高分子材料、導電性ゴム組成物などが挙げられる。
前記高分子材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン・プロピレンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ポリイソブチレン、変成シリコーンなどが挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ステンレス、タンタル、ニッケル、リン青銅などが挙げられる。前記導電性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアニリンなどが挙げられる。前記導電性ゴム組成物としては、例えば、導電性フィラーとゴムとを含有する組成物などが挙げられる。前記導電性フィラーとしては、例えば、炭素材料(例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェンなど)、金属(例えば、金、銀、白金、銅、鉄、アルミニウム、ニッケルなど、導電性高分子材料(例えば、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、及びポリパラフェニレンビニレンのいずれかの誘導体、又は、これら誘導体にアニオン若しくはカチオンに代表されるドーパントを添加したものなど)、イオン液体などが挙げられる。
前記ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、エチレン・プロピレンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ポリイソブチレン、変成シリコーンなどが挙げられる。
前記スペーサの形態としては、例えば、シート、フィルム、織布、不織布、メッシュ、スポンジなどが挙げられる。
前記スペーサの形状、大きさ、厚み、設置場所は、感圧センサの構造に応じて適宜選択することができる。
図18に示すように、第1の電極をa、中間層をb、第2の電極をcと表示すると、中間層bの第1の電極a側に上記表面改質処理又は不活性化処理を行った場合、中間層bの第1の電極a側が第2の電極c側よりも硬くなる。従って、ユニバーサル硬度についてH1>H2となる。
これにより、同じ変形付与力である加圧力Fが第1の電極a側と第2の電極c側に作用した場合、中間層bの第1の電極a側の変形の度合いが、第2の電極c側よりも小さくなる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
2 ロボット
4 対象物としての部品
18、200 把持装置
20、22、200A 把持部
24、68a〜68f センサ
26,28 一対の電極
26 電極(第1の電極)
28 電極(第2の電極)
30、53 中間層
32 カバー
50 シート状のセンサ
51、52 一対の電極
51a〜51e 電極(第1の電極)
52a〜52j 電極(第1の電極)
55 セル
特開2013−99130号公報 特開2016−103967号公報 特開2016−139779号公報

Claims (11)

  1. 一対の電極と、
    ゴム又はゴム組成物で形成されて前記一対の電極の間に設けられ、対象物との接触による変形で発電する中間層とを有し、
    測定時以外に圧力が付与されることで初期化されることを特徴とするセンサ。
  2. 前記中間層の前記表面改質処理及び/又は不活性化処理がなされている側と、これに対向する電極とが、前記変形時に摩擦ないし剥離帯電が生じるように設けられている請求項1に記載のセンサ。
  3. 前記中間層がシリコーンゴムである請求項1または2に記載の感圧センサ。
  4. 前記シリコーンゴムは、シロキサン結合を有し、前記表面改質処理及び/又は不活性化処理がなされている側から内部に向かって酸素が増加して極大値を持ち、且つ、前記表面改質処理及び/又は不活性化処理がなされている側から内部に向かって炭素が減少して極小値を持つ濃度プロファイルを有している請求項3に記載のセンサ。
  5. 前記初期化は、少なくとも前記中間層に圧力が付与されることで、規定値以上の帯電状態になることである請求項1乃至4の何れか1項に記載のセンサ。
  6. 前記対象物を把持し、あるいは他の部材と協働して前記対象物を把持する把持部に請求項1乃至5の何れか1項に記載のセンサを備えた把持装置。
  7. 請求項6に記載の把持装置を有するロボット。
  8. 一対の電極と、
    ゴム又はゴム組成物で形成されて前記一対の電極の間に設けられ、対象物との接触による変形で発電する中間層とを有するセンサに、測定時以外に加圧動作を行うことで初期化することを特徴とするセンサの初期化方法。
  9. 前記センサは、互いに対向配置された回転体の間を通過させることにより初期化する請求項8に記載のセンサの初期化方法。
  10. 前記センサは、複数に絶縁さられて直交する部分をセルとし圧力分布を測定するシート状のセンサであり、
    前記回転体の間を通過させることにより初期化する請求項9に記載のセンサの初期化方法。
  11. 予め設定した電圧に達するまで、複数回加圧することにより初期化する請求項8,9または10に記載のセンサの初期化方法。
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