JPH06174783A - 圧電素子のエージング方法 - Google Patents

圧電素子のエージング方法

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JPH06174783A
JPH06174783A JP32933292A JP32933292A JPH06174783A JP H06174783 A JPH06174783 A JP H06174783A JP 32933292 A JP32933292 A JP 32933292A JP 32933292 A JP32933292 A JP 32933292A JP H06174783 A JPH06174783 A JP H06174783A
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JP
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piezoelectric
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aging treatment
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JP32933292A
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Junji Sugie
順次 杉江
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間で特性を安定化させることのできる圧
電素子のエージング方法を提供する。 【構成】 圧電板と、圧電板の表裏面に形成された一対
の電極とよりなり、分極処理した圧電素子1を、一対の
電極を接続して電気的にショートさせた状態で、圧電素
子1に繰り返し荷重を負荷させてエージング処理するこ
とを特徴とする。電気的にショートの状態で繰り返し荷
重を負荷させると、圧電素子に繰り返し応力が発生した
時に発生する電荷を消費させることができ、これにより
結晶の分域が動き易くなるため、短時間で特性を安定化
させることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電素子のエージング
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PZT系に代表される圧電素子は、その
圧電特性を利用して圧電振動子、圧電セラミックフィル
タ、圧電アクチュエータ、圧力センサなどに利用されて
いる。この圧電素子は通常以下のように製造される。ま
ず、原料粉末としてのPZT粉末にバインダなどを調合
して円板状等の成形体を形成し、この成形体を1200
〜1300℃程度の温度で1〜10時間程度焼成して焼
成体とする。この焼成体に銀電極を焼付け、室温〜15
0℃程度の温度で2〜6kV/mm程度の直流電圧を数
分〜数時間印加して分極処理を施して、圧電素子とされ
る。
【0003】このような圧電素子は、圧電効果による機
械的変位が本質的に極めて小さい。このため、大きな変
位量を得るために圧電素子と電極板とを交互に多重に積
層し絶縁保護層で被覆された構造の圧電積層体として提
供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、圧電積層体
を例えば圧電アクチュエータとして、高荷重、数十Hz
以上の駆動周波数、長時間等の厳しい使用条件で駆動す
る場合には、積層体の発熱と、圧電素子に作用する繰り
返し応力により、圧電素子の圧電特性が劣化し、所望の
電圧−変位特性が得られなくなる。
【0005】例えば、キュリー温度(Tc):250
℃、圧電歪定数(d33):500×10-12 m/Vの特
性を持つ圧電板の表裏面にAg電極を形成した圧電素子
と、ステンレス製電極板とを交互に積層し、所定の分極
処理を施して公知の方法により製造した圧電積層体につ
いて、耐久試験を行い、圧電素子の誘電率、電気機械結
合係数(Kp)、積層体の変位量を測定した結果を図4
に示す。なおこの耐久試験は、圧電積層体を40℃の恒
温槽に入れ、油圧加振機により300kgfの荷重を加
えながら、30Hzの周波数で0〜600Vの交流電圧
を0.01秒間印加することを繰り返すことにより行っ
たものである。
【0006】図4より、積層体の変位量は、作動回数の
増加とともに徐々に低下し107 回程度で安定すること
がわかる。このように積層体の変位量が低下するのは、
圧電素子の電気機械結合係数(Kp)が低下することに
よるものである。そして、圧電素子の電気機械結合係数
(Kp)が低下するのは、厳しい使用条件での駆動によ
り、圧電素子中の結晶の分域が圧電特性に寄与しない方
向に向いてしまう(図5参照)ことに起因していると推
定される。
【0007】このような特性の劣化が使用中に発生する
と、圧電アクチュエータとしてのシステムが途中で作動
しなくなったり、特性劣化を見込んだシステム設計が必
要となってくる。そこで、上記分極処理を施した圧電素
子に、300〜600V程度の交流電圧と100〜50
0kgf程度の荷重を繰り返し印加するエージング処理
が行われる。このエージング処理は、分極処理により圧
電素子中に残留した分極を予め減らしておき、圧電素子
中の結晶の分域を劣化した時の状態と同じ状態に安定化
させるために行われる。
【0008】しかし、上記した方法によるエージング処
理では、圧電素子中の結晶の分域が劣化したときと同じ
状態になって、特性が安定するまでに長時間を要すると
いう欠点がある。例えば、上述したように交流電圧と荷
重を107 回程度繰り返して印加すれば、特性は安定す
るが、これには3日程度を要する。本発明は上記実情に
鑑みてなされたものであり、短時間で特性を安定化させ
ることのできる圧電素子のエージング方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の圧電素子のエージング方法は、圧電板と、該圧電板
の表裏面に形成された一対の電極とよりなり、分極処理
が施された圧電素子を、該一対の電極を接続して電気的
にショートさせた状態で、該圧電素子に繰り返し荷重を
負荷させてエージング処理することを特徴とするもので
ある。
【0010】
【作用】本発明のエージング方法は、電気的にショート
の状態で、繰り返し荷重を負荷させることによりエージ
ング処理するものである。このように電気的にショート
の状態で繰り返し荷重を負荷させると、圧電素子に繰り
返し応力が発生した時に発生する電荷を消費させること
ができ、これにより結晶の分域が動き易くなるため、短
時間で特性を安定化させることが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1)原料粉末としてのPbO、ZrO2 、Ti
2 と微量添加物と所定量秤量後、ボールミルで48時
間粉砕し、900℃で1時間焼成後、再びボールミルで
粉砕、乾燥した。この粉末にバインダとしてのPVA
(ポリビニルアルコール)を約5重量%加えて造粒後、
98MPaの圧力で、直径15mm、厚さ0.5mmの
円板状の成形体を形成した。
【0012】得られた成形体を、ZrO2 粉末を充填し
たAl2 3 のさやに入れ、昇温速度300℃/hrで
昇温し、大気炉内1250℃で2時間焼成した。この焼
成体の表裏面に、周囲1mmを残してAg電極ペースト
を塗布し、700℃で10分間焼付けて電極を形成して
圧電素子1を形成した。この圧電素子1は、キュリー温
度(Tc):250℃、圧電歪定数(d33):500×
10-12m/Vの特性をもつものである。
【0013】上記圧電素子1を70枚と、ステンレス製
電極板(図示せず)とを交互に積層し、公知の方法で図
1に示す積層体10を形成した。なお、電極板は一枚お
きに外部電極2a、2bにそれぞれ接合され、各外部電
極2a、2bはリード線3a,3bにそれぞれ接続され
ている。そして、この積層体10を100℃の恒温槽に
入れ、0.98kV(3kV/mm)の直流電圧を30
分間印加して分極処理を施した。
【0014】続いて、分極処理後の積層体10を40℃
の恒温槽に入れ、電気的にショートの状態で、つまりリ
ード線3aとリード線3bとをつないだ状態で、油圧加
振機20により積層方向に繰り返し荷重を負荷すること
によりエージング処理を施した(図2参照)。なお、繰
り返し荷重を負荷する条件は、以下のようにした。ま
た、このエージング処理に要した時間は、30分であっ
た 荷重中心値:300kgf 振幅:200kgf 荷重変化:200〜400kgf 振動数:50Hz 繰り返し回数:1×105 回 (耐久試験)上記エージング処理した圧電積層体の変位
量を測定し、その後耐久試験を行い変位量の変化率を計
算した。その結果を図3に実線で示す。
【0015】比較のために、電気的にオープンの状態、
つまりリード線3aとリード線3bとを離した状態でエ
ージング処理すること以外は上記実施例と同様にして得
た比較例の圧電積層体についも、同様に耐久試験を行っ
た。その結果を図3に点線で示す。図3からも明らかな
ように、本実施例方法によりエージング処理を施した圧
電積層体は、耐久試験後においても変位量の低下がほと
んどみられなかった。このように本実施例方法によれ
ば、30分程度と極めて短い処理時間であっても、効果
的にエージング処理を施すことができた。これに対し、
電気的にオープンの状態でエージング処理した比較例の
圧電積層体は、作動回数の増加とともに徐々に変位量が
低下し、エージング処理の効果が認められなかった。こ
れは、電気的にオープンにした場合、圧電素子中に一度
電荷がたまると、そこで安定な状態となり、それ以上繰
り返し荷重を加えても圧電素子の結晶の分域構造が変化
しなくなるためと推定される。
【0016】(エージング処理時の荷重負荷条件)上記
実施例のエージング処理時の荷重負荷条件を種々変更し
た場合に、耐久試験における圧電積層体の変位量の変化
率がどのように変わるかを調べた。まず、振幅を一定と
しつつ、荷重中心値を種々変えた場合について調べた。
つまり、振幅:200kgf、振動数:50Hz、繰り
返し回数:1×105 回の条件で、荷重中心値を100
〜500kgfの間で種々変化させて、上記実施例のエ
ージング処理を行った。そして、それぞれについて上記
と同様の耐久試験を行った。その結果、荷重中心値が1
00〜500kgfの間では、耐久試験による劣化状態
にほとんど差がなく、図3に示す荷重中心値が300k
gfの場合とほぼ同様の結果が得られた。
【0017】次に、荷重中心値を一定としつつ、振幅を
種々変えた場合について調べた。つまり、荷重中心値:
300kgf、振動数:50Hz、繰り返し回数:1×
10 5 回の条件で、振幅を50〜300kgfの間で種
々変化させて、上記実施例のエージング処理を行った。
そして、それぞれについて上記と同様の耐久試験を行っ
た。その結果、振幅を100〜300kgfの範囲とし
た場合は、耐久試験による劣化状態にほとんど差がな
く、図3に示す振幅が200kgfの場合とほぼ同様の
結果が得られた。これに対し、振幅を100kgf未満
にした場合は、耐久試験後の変位量が、振幅を100k
gf以上にした場合と比べて5〜10%程度低下した。
【0018】これにより、エージング処理時の繰り返し
荷重の振幅は100kgf以上とすることが好ましいこ
とがわかる。なお、上記実施例では、圧電素子1を積層
した積層体についてエージング処理を施す例について説
明したが、個々の圧電素子1について単独でエージング
処理する場合も同様に行うことができ、同様の効果が得
られる。
【0019】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の圧電素子の
エージング方法は、電気的にショートの状態で、繰り返
し荷重を負荷することにより、結晶の分域の動きを促し
て、短時間で安定した分域構造とすることができる。し
たがって、本発明方法は、極めて短い処理時間で、効果
的なエージング処理を施すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る圧電積層体を模式的に示す正面
図である。
【図2】本実施例に係るエージング方法を模式的に示す
正面図である。
【図3】耐久試験の結果について、本実施例に係るエー
ジング方法と比較例に係るエージング方法とを比較した
線図である。
【図4】耐久試験における圧電特性の変化を示す線図で
ある。
【図5】圧電素子の分極構造が劣化する様子を説明する
模式図である。
【符号の説明】
1は圧電素子、10は圧電積層体、20は油圧加振機で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電板と、該圧電板の表裏面に形成され
    た一対の電極とよりなり、分極処理が施された圧電素子
    を、該一対の電極を接続して電気的にショートさせた状
    態で、該圧電素子に繰り返し荷重を負荷させてエージン
    グ処理することを特徴とする圧電素子のエージング方
    法。
JP32933292A 1992-12-09 1992-12-09 圧電素子のエージング方法 Pending JPH06174783A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018072024A (ja) * 2016-10-25 2018-05-10 株式会社リコー センサ及び把持装置及びロボット及びセンサ初期化方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018072024A (ja) * 2016-10-25 2018-05-10 株式会社リコー センサ及び把持装置及びロボット及びセンサ初期化方法

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